鞍乗型車両

申请号 JP2013075175 申请日 2013-03-29 公开(公告)号 JP6188381B2 公开(公告)日 2017-08-30
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 大坪 守; 鬼頭 玄一; 立石 康;
摘要
权利要求

車体フレーム(10)の側方を覆う外装カバー(6)と、 前記外装カバー(6)の外側に部分的に設けられるモールと、 を備える鞍乗型車両(1)において、 前記モールは、シール部材(50)により構成されると共に、前記外装カバーに貼り付けられ、 前記外装カバー(6)には、前記シール部材(50)の長手方向と直交する方向において、前記シール部材(50)の貼り付け面が直線状に形成され、 前記シール部材(50)は、前記外装カバー(6)の分割される位置において分割されており、前記シール部材(50)の分割された一方の端部と他方の端部は、前記シール部材(50)の長手方向と直交する線に対して同じ方向に斜めに且つ互いに平行に形成されている 鞍乗型車両(1)。前記外装カバー(6)は、車体フレーム(10)の後部に設けられたシート(27)の外縁部と隣接する領域において、前記シール部材(50)の貼り付け面の下縁の位置に、段差部(67b)を有する請求項1に記載の鞍乗型車両(1)。前記外装カバー(6)における前記シール部材(50)の貼り付け面は、前記シール部材(50)の長手方向と直交する方向において、直線状の部分が連続して傾斜することにより形成される曲面からなる請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両(1)。

说明书全文

本発明は、外装カバーを備えたスクータ型の鞍乗型車両に関する。

従来、スクータ型の鞍乗型車両において、車体フレームの側方を覆う外装カバーの外側に、車両の側面を保護するためのモール(サイドガード)を備えたもの知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この種のモールとしては、主に金属や樹脂等の成型品が用いられている。

特開2010−221908号公報

特開2009−241900号公報

従来の鞍乗型車両におけるモールは、外装カバーとは別体の部品であるため、部品点数が増えるだけでなく、ボルト等による取り付け作業に時間がかかる。そこで、モールとして、厚みを有するシール部材を外装カバーに貼り付けることが考えられる。しかし、一般的な鞍乗型車両の外装カバーは曲面を多用しているため、シール部材の貼り付け作業に時間が掛かり、生産性の向上が望めない。

本発明は、外装カバーにモールとしてシール部材を貼り付けた場合でも、生産性を向上させることができる鞍乗型車両を提供することを目的とする。

請求項1に記載の発明は、車体フレームの側方を覆う外装カバーと、前記外装カバーの外側に設けられるモールと、を備える鞍乗型車両において、前記モールは、シール部材により構成されると共に、前記外装カバーに貼り付けられ、前記外装カバーには、前記シール部材の長手方向と直交する方向において、前記シール部材の貼り付け面が直線状に形成されることを特徴とする。

請求項2に記載の発明において、前記シール部材は、少なくとも長手方向において伸縮性が少ない樹脂からなることを特徴とする。

請求項3に記載の発明において、前記シール部材は、前記外装カバーの分割される位置において分割されることを特徴とする。

請求項4に記載の発明において、前記シール部材の分割された部分の端部は、当該シール部材の長手方向と直交する線に対して斜めに形成されることを特徴とする。

請求項5に記載の発明において、前記外装カバーは、車体フレームの後部に設けられたシートの外縁部と隣接する領域において、前記シール部材の貼り付け面の下縁の位置に、段差部を有することを特徴とする。

請求項6に記載の発明において、前記外装カバーにおける前記シール部材の貼り付け面は、前記シール部材の長手方向と直交する方向において、直線状の部分が連続して傾斜することにより形成される曲面からなることを特徴とする。

請求項1に記載の発明によれば、外装カバーにモールとしてシール部材を貼り付けた場合でも、生産性を向上させることができる。

請求項2に記載の発明によれば、貼り付けの開始端から終端までの距離が長いシール部材であっても、その貼り付けを容易としつつ、貼り付けの終端における位置ずれを抑制することができる。

請求項3に記載の発明によれば、外装カバーの接合部分にばらつきが生じていても、そのばらつきにシール部材の貼り付けが影響されることがないため、生産性を向上させることができる。

請求項4に記載の発明によれば、隣接するシール部材同士に位置ずれが生じても、シール部材の貼り付けをやり直すことが少なくなるため、生産性を向上させることができる。

請求項5に記載の発明によれば、車体フレームの後部に設けられたシートの外縁部と隣接する領域において、シール部材を剥がれにくくすることができる。また、シール部材を、前記領域の正確な位置に容易に貼り付けることができるため、生産性を向上させることができる。

請求項6に記載の発明によれば、外装カバーの端部におけるシール部材の貼り付け面に曲面が形成されていても、シール部材の貼り付けが容易となるため、生産性を向上させることができる。 本発明によれば、

本発明の実施形態に係る鞍乗型車両としてのスクータ型の自動二輪車1を示す左側面図である。

図1に示す自動二輪車1からカバー部材6の一部とその周辺構成を抜粋した斜視図である。

図1に示す自動二輪車1からカバー部材6の一部とその周辺構成を抜粋した左側面図である。

図3に示す領域Sの部分拡大図である。

(A)及び(B)は図3に示す領域Sの他の構成例を示す部分拡大図である。

図3のA−A線断面図である。

図3のB−B線断面図である。

図3のC−C線断面図である。

図3のD−D線断面図である。

シールの貼り付け位置を変更したシール部材50Aを示す左側面図である。

分割数を増やしたシール部材50Bを示す左側面図である。

シールの幅を変更したシール部材50Cを示す左側面図である。

以下、本発明に係る鞍乗型車両を、スクータ型の自動二輪車に適用した場合の実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る自動二輪車1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る鞍乗型車両としてのスクータ型の自動二輪車1を示す左側面図である。図2は、図1に示す自動二輪車1からカバー部材6の一部とその周辺構成を抜粋した斜視図(左側面後方から見たときの斜視図)である。

以下の説明において、前後、左右及び上下の方向の記載は、特に明記がない限り、自動二輪車に乗車する乗員(運転者)から見た方向に従う。また、図中、矢印FRは車両の前方(進行方向)を示し、矢印UPは車両の上方を示す。また、以下の説明において、自動二輪車1を適宜に「車両」ともいう。

図1に示すように、本実施形態の自動二輪車1は、メインフレームとしての車体フレーム10等の車体と、前輪WFと、前輪WFの上方に配置されるフロントフェンダ29と、後輪WRと、後輪WRを後端側で軸支するユニットスイングエンジン40と、ユニットスイングエンジン40と車体フレーム10との間に介在するリンク機構5と、車両の後方でユニットスイングエンジン40と車体フレーム10との間に介在するリアクッション26と、乗員が着座するシート27と、車両の側面を覆う外装カバーとしてのカバー部材6と、燃料タンク28と、を主体として構成される。

車体フレーム10は、複数種の鋼材が溶接により一体的に結合されて構成される。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11と、下方延出部としてのダウンフレーム12と、フロア部としてのフロアフレーム13と、シートレール14と、複数のクロスメンバ(前側クロスパイプ16及び後側クロスパイプ17等)と、を含んで構成される。

ヘッドパイプ11は、車体フレーム10の前部に設けられると共に、前輪WFを操可能に軸支する。

ダウンフレーム12は、ヘッドパイプ11から後方かつ下方に延出する。ダウンフレーム12は、前端部においてヘッドパイプ11に連結されている。ダウンフレーム12の後端部側は、斜め下後方に向けて延びている。

フロアフレーム13は、左右に一対設けられている。一対のフロアフレーム13は、ダウンフレームの下部から後方に延出する。一対のフロアフレーム13の前端部は、ダウンフレーム12の下部に連結されている。一対のフロアフレーム13の後端部は、一対のダウンフレーム12から後方に向けて延びている。

シートレール14は、左右に一対設けられている。一対のシートレール14は、シート27の下方に設けられる。一対のシートレール14は、一対のフロアフレーム13の後部から上方かつ後方に延出する。一対のシートレール14の前端部は、一対のフロアフレーム13に連結されている。一対のシートレール14の後端部は、斜め上後方に向けて延びている。

フロアフレーム13とシートレール14との境界には、屈曲部18が設けられる。屈曲部18には、屈曲部18から下方に延出するピボットプレート19が設けられている。ピボットプレート19は、左右に一対設けられる。ピボットプレート19は、屈曲部18に接合されている。

クロスメンバは、左右方向に延びるパイプ部材からなり、一対のフロアフレーム13、一対のシートレール14を左右方向に連結する。クロスメンバは、前側クロスパイプ16と、後側クロスパイプ17と、を含む。

前側クロスパイプ16及び後側クロスパイプ17は、一対のフロアフレーム13を左右方向に連結する。前側クロスパイプ16及び後側クロスパイプ17は、車両の左右方向に延びている。前側クロスパイプ16及び後側クロスパイプ17は、車両の前後において、所定の距離だけ離して設けられる。前側クロスパイプ16は、一対のフロアフレーム13の前側の前部同士を連結する。後側クロスパイプ17は、一対のフロアフレーム13の後側の後部同士を連結する。

前輪WFは、左右一対のフロントフォーク22により、軸支されている。一対のフロントフォーク22の上部において、ヘッドパイプ11には、ステアリングステム21が挿通されている。ステアリングステム21は、トップブリッジ24及びボトムブリッジ23に連結されている。ステアリングステム21は、一対のフロントフォーク22を、ボトムブリッジ23を介してヘッドパイプ11に対して左右に回動自在に支持する。トップブリッジ24上に設けられたハンドル25は、前輪WFを操舵可能である。

ユニットスイングエンジン40は、車体フレーム10に揺動可能に支持されている。ユニットスイングエンジン40は、前部側において、後述するリンク機構5を介して車体フレーム10に揺動自在に支持され、後端部において、リアクッション26を介して車体フレーム10に揺動自在に支持される。また、ユニットスイングエンジン40は、後方側において後輪WRを回転自在に保持する。

ユニットスイングエンジン40は、エンジン本体41と、動伝達機構42とが一体的に設けられることにより構成される。

エンジン本体41は、自動二輪車1の駆動力を発生するパワーユニット(原動機)であり、車体における前後方向の略中央部に搭載される。エンジン本体41は、後部側にクランクケース411を有しており、クランクケース411の前部のボス部412において、リンク機構5に連結されている。

動力伝達機構42は、エンジン本体41の駆動力を後輪WRに伝達する。動力伝達機構42は、エンジン本体41の後部側に配置され、エンジン本体41に取り付けられることで、エンジン本体41と共に、ユニットスイングエンジン40を構成する。動力伝達機構42は、車幅方向における左方側に配置される。

リンク機構5は、ユニットスイングエンジン40の上下方向及び前後方向の揺動を許容して、路面から後輪WRに入力された衝撃加重を吸収する。リンク機構5は、ピボットプレート19に回転可能に軸支されると共に、ユニットスイングエンジン40に回転可能に軸支される。

リアクッション26は、路面から後輪WRに入力された衝撃加重を、その緩衝作用により吸収する。リアクッション26の上端部は、上端支持ブラケット141を介して、シートレール14に連結されている。リアクッション26の下端部は、ユニットスイングエンジン40の後端部に連結されている。

リアクッション26は、上端支持ブラケット141とユニットスイングエンジン40の後端部とをつなぐ直線状に延びている。リアクッション26は、斜め下後方に延びている。リアクッション26は、圧縮される範囲(ストローク)を確保した状態で設けられる。リアクッション26は、リアクッション26が圧縮される方向であるストローク方向に傾斜している。

カバー部材6は、フロントカバー61、レッグ側シールドカバー62、フロアカバー63、フロアサイドカバー64、アンダーカバー65、インナーフェンダーカバー66、リアサイドカバー67、シート下センターカバー68、リアセンターカバー69等により構成される。以下、カバー部材6を構成する各カバー61〜68を、「カバー」ともいう。

フロントカバー61は、自動二輪車1の前部に配置され、車体フレーム10の前部等を覆っている。

レッグ側シールドカバー62は、乗員の乗車位置の前側において、ヘッドパイプ11の一部及びダウンフレーム12の一部を、自動二輪車1の後部側から覆っている。

フロアカバー63は、乗員の乗車位置の下方において、一対のフロアフレーム13の上方側及び燃料タンク28の上方側を、自動二輪車1の上方側から覆っている。フロアカバー63の前端部及び後端部は、上方側に向けて延びている。

フロアカバー63の上面は、平坦な足載せ面を形成し、フロアカバー63は、フロアステップとして構成される。フロアステップは、一対のフロアフレーム13の上方に配置され、上面側において、乗員が足を載置する。フロアステップは、自動二輪車1の前後方向において、ヘッドパイプ11とシート27との間に形成される。

フロアサイドカバー64は、乗員の乗車位置の下方において、自動二輪車1の側部に配置され、後述する燃料タンク28等を自動二輪車1の下方の側部から覆っている。なお、車両の右側面(進行方向の右側)にも、左側面に配置されたフロアサイドカバー64と左右対称に形成されたフロアサイドカバー(不図示)が配置されている。

アンダーカバー65は、乗員の乗車位置の下方において、自動二輪車1の下部に配置され、少なくとも一対のフロアフレーム13の下方を下方側から覆っている。アンダーカバー65は、前側クロスパイプ16及び後側クロスパイプ17に固定される。

インナーフェンダーカバー66は、アンダーカバー65の前方において、前輪WFの後方に配置される。インナーフェンダーカバー66は、自動二輪車1の前部側から自動二輪車1の前部の下方を覆っている。インナーフェンダーカバー66は、アンダーカバー65と係合する。

リアサイドカバー67は、自動二輪車1の後部の側部に配置され、シート27の下部の両側面を覆っている。なお、車両の右側面(進行方向の右側)にも、左側面に配置されたリアサイドカバー67と左右対称に形成されたリアサイドカバー(不図示)が配置されている。

シート下センターカバー68は、シート27の前部の下方の部分を覆っている。リアセンターカバー69は、図2に示すように、シート27の後部の下方の部分を覆っている。ハンドルカバー70は、トップブリッジ24の周辺部分を覆っている。

本実施形態のカバー部材6において、フロントカバー61、フロアサイドカバー64、リアサイドカバー67、及びリアセンターカバー69には、モールとしてのシール部材50が貼り付けられている。このシール部材50の構成、及びシール部材50が貼り付けられるカバー(61、64、67、69)の断面形状については後述する。

燃料タンク28は、フロアカバー(フロアステップ)63の下方に設けられている。燃料タンク28は、上下方向において、フロアカバー63とアンダーカバー65との間に配置されている。また、燃料タンク28は、車幅方向において一対のフロアフレーム13の間に配置され、かつ、前後方向において前側クロスパイプ16及び後側クロスパイプ17の間に配置されている。

次に、本実施形態におけるカバー部材6及びシール部材50構造について、図3〜図9を参照しながら説明する。図3は、図1に示す自動二輪車1からカバー部材6の一部とその周辺構成を抜粋した左側面図である。図4は、図3に示す領域Sの部分拡大図である。図5(A)及び(B)は、図3に示す領域Sの他の構成例を示す部分拡大図である。

図3に示すように、カバー部材6のフロントカバー61、フロアサイドカバー64、リアサイドカバー67、及びリアセンターカバー69(図2参照)には、その外側に、モールとしてのシール部材50が貼り付けられている。シール部材50は、フロントシール51と、フロアサイドシール52と、リアサイドシール53と、リアセンターシール54と、を備える。以下、フロントシール51、フロアサイドシール52、リアサイドシール53、及びリアセンターシール54を、「シール」ともいう。

フロントシール51は、フロントカバー61における外側の側面に貼り付けられる。フロントシール51は、フロントカバー61の上面部におけるハンドルカバー70の近傍位置(図2参照)から、フロントカバー61の下端部(フロアサイドカバー64と接合する部分の手前)までの範囲に亘って貼り付けられている。なお、車両の右側面(進行方向の右側)にも、左側面に貼り付けられたフロントシール51と左右対称のフロントシール(不図示)が、フロントカバー1における外側の側面に貼り付けられている。

フロアサイドシール52は、フロアサイドカバー64における外側の側面に貼り付けられる。フロアサイドシール52は、フロアサイドカバー64の前端部(フロントカバー61と接合する部分の手前)から、フロアサイドカバー64の後端部(リアサイドカバー67と接合する部分の手前)までの範囲に亘って貼り付けられている。なお、車両の右側面(進行方向の右側)にも、左側面に貼り付けられたフロアサイドシール52と左右対称のフロアサイドシール(不図示)が、左側面に配置されたフロアサイドカバー(不図示)における外側の側面に貼り付けられている。

なお、フロントシール51、及びフロアサイドシール52の前部は、レッグシールドにおける車幅方向の最外端を構成する。

リアサイドシール53は、リアサイドカバー67における外側の側面に貼り付けられる。リアサイドシール53は、リアサイドカバー67の前端部(フロアサイドカバー64と接合する部分の手前)から、リアサイドカバー67の後端部までの範囲に亘って貼り付けられている。なお、車両の右側面(進行方向の右側)にも、左側面に貼り付けられたリアサイドシール53と左右対称のリアサイドシール(不図示)が、左側面に配置されたリアサイドカバー(不図示)における外側の側面に貼り付けられている。

リアセンターシール54は、図2に示すように、リアセンターカバー69における外側の側面(中央の上部)に貼り付けられる。

図2に示すように、本実施形態のシール部材50は、カバー部材6の分割される位置、すなわち、フロントカバー61とフロアサイドカバー64との間、フロアサイドカバー64とリアサイドカバー67との間、及び左右のリアサイドカバー67とリアセンターカバー69との間において7分割(車両の右側面も含む)されている。

フロントカバー61、フロアサイドカバー64、リアサイドカバー67、及びリアセンターカバー69において、それぞれのシールが貼り付けられる領域は、シールの長手方向と直交する方向において、シールの貼り付け面が直線状に形成されている。シール部材50の貼り付け面の形状ついては後述する。

次に、シール部材50の端部の形状について説明する。本実施形態において、シール部材50の分割された部分の端部は、シールの長手方向と直交する線に対して斜めに形成される。例えば、図4に示すように、フロアサイドシール52の端部52aとリアサイドシール53の端部53aとは、それぞれシールの長手方向Hと直交する線Vに対して斜めに形成される。なお、図4(及び図5)は、図3に示す領域Sを模式的に示している。

図4に示すように、フロアサイドカバー64とリアサイドカバー67との分割面Dは、シールの長手方向Hに対して斜めに形成される。この場合に、フロアサイドシール52の端部52aとリアサイドシール53の端部53とaとは、分割面Dに対して等間隔dで且つ平行となるように形成される。このようなシールの端部における形状は、隣接するカバー同士の分割面Dがシールの長手方向Hに対して斜めに形成される場合に共通する。このように、隣接するシールの対向する端部を、それぞれシールの長手方向Hと直交する線Vに対して斜めに形成することにより、隣接するシールの端部における位置ずれを目立ちにくくすることができる。位置ずれが目立ちにくくなる具体例については後述する。

一方、隣接するカバーの分割面Dがシールの長手方向Hに対して直交するように形成される場合もある。図5(A)及び(B)は、図3に示す領域Sの他の構成例を示す部分拡大図であり、それぞれフロアサイドカバー64とリアサイドカバー67との分割面Dがシールの長手方向Hに対して直交するように形成された例を示している。先に説明した図4と同様に、図5(A)において、フロアサイドシール52の端部52aとリアサイドシール53の端部53aとは、それぞれシールの長手方向Hと直交する線Vに対して斜めに形成されている。

これに対して、図5(B)において、フロアサイドシール52の端部52aとリアサイドシール53の端部53aとは、それぞれシールの長手方向Hと直交する線Vに対して平行に形成されている。そのため、フロアサイドシール52の端部52aとリアサイドシール53の端部53aとに位置ずれが生じると、その位置ずれが、外観上、目立ちやすくなる。図5(A)及び(B)は、それぞれフロアサイドシール52の端部52aに対して、リアサイドシール53の端部53aが同じ間隔で下方に位置ずれしている様子を示している。図5(A)及び(B)を比較すると、同じ位置ずれ量であっても、図5(A)では、図5(B)に比べて位置ずれが、外観上、目立ちにくくなっている。

上記効果は、図4に示すように、フロアサイドカバー64とリアサイドカバー67との分割面Dがシールの長手方向Hに対して斜めに形成される場合にも共通である。すなわち、隣接するカバー同士の分割面Dがシールの長手方向Hに対して斜めに形成されていても、或いは直交するように形成されていても、隣接するシールの対向する端部を、それぞれシールの長手方向Hに対して斜めに形成することにより、位置ずれを目立ちにくくすることができる。

また、本実施形態において、シールの端部に位置する部(例えば、図4に示すフロアサイドシール52の角部52b)は、略円形となるように形成されている。このようなシールの角部における形状は、他のシールにおいても共通する。

シール部材50は、長手方向において伸縮性の少ない樹脂により構成される。例えば、透明PETフィルムとクロム調フィルムとを貼り合わせ、カバーへの貼り付け面に接着剤を均一に塗布した部材が用いられる。シール部材50の長手方向における伸縮性は少ないため、シール部材50が長手方向に引っ張られたときの伸びは少ないが、シール部材50は、厚み方向には柔軟性を有する。

次に、カバー部材6におけるシール貼り付け面の形状について説明する。図6は、図3のA−A線断面図である。図7は、図3のB−B線断面図である。図8は、図3のC−C線断面図である。図9は、図3のD−D線断面図である。なお、図6〜図9においては、断面形状を適宜に簡略化して図示すると共に、シールの断面におけるハッチングを省略する。

図6に示すように、フロントカバー61には、フロントシール51の長手方向(紙面の上下方向)と直交する方向Aにおいて、シール貼り付け面61aが直線状に形成されている。そのため、フロントカバー61のシール貼り付け面61aにおいては、フロントシール51を湾曲させることなく直線的に貼り付けることができる。フロントカバー61におけるシール貼り付け面61aの形状は、フロアサイドカバー64及びリアサイドカバー67においても共通する。すなわち、フロアサイドカバー64及びリアサイドカバー67においては、貼り付けられるシールの長手方向と直交する方向において、シール貼り付け面は直線状に形成されている。また、図6の部分拡大図に示すように、フロントシール51において、シール貼り付け面61aと反対側の面における端部51aは、曲面状となるように面取りされている。フロアサイドカバー64及びリアサイドカバー67についても同様である。

一方、フロントシール51を、その厚み方向に撓ませることにより、シール貼り付け面61aに対して曲線的に貼り付けることもできる。フロントカバー61は、正面視において、その上部側の側縁が曲線的に形成されている(不図示)。そのため、図7に示すように、この領域におけるシール貼り付け面61bは、フロントカバー61と同じく曲線的に形成されている。この場合、シール貼り付け面61bにおいて、フロントシール51は、その厚み方向に曲線的に貼り付けられている。このように、フロントシール51は、その長手方向と直交する方向においてはシール貼り付け面61aに対して直線的に貼り付けられ、その厚み方向においてはシール貼り付け面61bに対して曲線的に貼り付けられている。フロアサイドカバー64及びリアサイドカバー67についても同様である。

また、図3に示すように、リアサイドカバー67において、リアサイドシール53の一部は、シート27の外縁部と隣接する領域に貼り付けられている。リアサイドカバー67の前記領域には、図8に示すように、リアサイドシール53の長手方向(紙面の上下方向)と直交する方向Aにおいて、シール貼り付け面67aが直線状に形成されると共に、シール貼り付け面67aの下縁に段差部67bが設けられている。段差部67bは、シール貼り付け面67aの長手方向に沿って設けられている。リアサイドシール53は、その長手方向において、段差部67bに沿うように貼り付けられている。

また、各カバーにおけるシールの貼り付け面は、シールの長手方向と直交する方向において、直線状の部分が連続して傾斜することにより形成される曲線であってもよい。例えば、図9に示すように、リアサイドカバー67におけるリアサイドシール53の貼り付け面は、リアサイドシール53の長手方向と直交する方向において、直線状の部分が連続して傾斜することにより形成される曲面から構成されている。

次に、シール部材50の形状に関する他の実施形態について簡単に説明する。図10は、シールの貼り付け位置を変更したシール部材50Aを示す左側面図である。図11は、分割数を増やしたシール部材50Bを示す左側面図である。図12は、シールの幅を変更したシール部材50Cを示す左側面図である。図10〜図12は、いずれも図3と同じく、自動二輪車1からカバー部材6の一部とその周辺構成を抜粋した図である。また、図10〜図12では、図3に図示した構成と同一又は同等の構成については、同一符号を付して説明する。なお、図10〜図12においては、説明に関与しない部分の符号を省略する。

図10に示すシール部材50Aにおいて、リアサイドシール53は、略直線状に形成されている。また、リアサイドシール53は、リアサイドカバー67の下部側に貼り付けられている。フロントシール51及びフロアサイドシール52の形状及び貼り付け位置は、図3と同じである。このように、シール部材50A(50)は、車両の前方側の端部から後方側の端部に亘って、デザイン的に一体に見えるように貼り付けることができる。

図11に示すシール部材50Bは、カバー部材6の分割される位置だけでなく、カバー部材6の分割されていない位置においても分割されている。図7に示す実施形態において、シール部材50Bは、符号501〜509で示すように、9分割されている。

図12に示すシール部材50Cにおいて、シール511〜513の幅は、図3のシール部材50におけるシール51〜53の半分の幅となるように形成されている。

以上説明した本実施形態の自動二輪車1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。

本実施形態において、フロントカバー61、フロアサイドカバー64、リアサイドカバー67、及びリアセンターカバー69には、シールの長手方向と直交する方向において、シールの貼り付け面が直線状に形成されている。これによれば、シールをカバーの曲面に貼り付ける場合であっても、シールの長手方向と直交する方向において、シールを曲面上に貼り付けないため、シールの貼り付け作業が容易になる。従って、本実施形態の鞍乗型車両1においては、カバーにモールとしてシール部材50を貼り付けた場合でも、生産性を向上させることができる。

本実施形態において、シール部材50は、長手方向において伸縮性の少ない樹脂により構成される。伸縮性のあるシール部材を用いた場合、貼り付けは容易になるが、途中でシールが伸びてしまい、貼り付けの終端において位置ずれが生じる。とくに、貼り付けの開始端から終端までの距離が長いシール部材では、より大きな位置ずれとなる。しかしながら、本実施形態のシール部材50は、長手方向に伸びにくいため、貼り付けの開始端から終端までの距離が長い形状であっても、その貼り付けを容易としつつ、貼り付けの終端における位置ずれを抑制することができる。

本実施形態において、シール部材50は、カバー部材6の分割される位置において分割される。これによれば、隣接するカバー同士の接合部分にばらつきが生じていても、そのばらつきにシールの貼り付けが影響されることがないため、生産性を向上させることができる。

本実施形態において、シール部材50の分割された部分の端部は、シールの長手方向と直交する線に対して斜めに形成される。これによれば、隣接するシール同士に位置ずれが生じても、その位置ずれを外観上、目立ちにくくすることができる。従って、隣接するシール同士に位置ずれが生じても、シールの貼り付けをやり直すことが少なくなるため、生産性を向上させることができる。

本実施形態において、リアサイドカバー67(カバー部材6)は、シート27の外縁部と隣接する領域において、シール貼り付け面67aの下縁の位置に、段差部67bを有する。段差部67bのないリアサイドカバー67にリアサイドシール53を貼り付けた場合、リアサイドシール53がリアサイドカバー67から突出するため、乗員が自動二輪車1を乗り降りした際に、乗員の脚等がリアサイドシール53と干渉しやすくなる。そのため、リアサイドカバー67からリアサイドシール53が剥がれやすくなる。しかし、本実施形態では、リアサイドシール53がリアサイドカバー67から突出しないため、乗員が自動二輪車1を乗り降りした際に、乗員の脚等がリアサイドシール53と干渉しにくくなる。従って、リアサイドカバー67からリアサイドシール53を剥がれにくくすることができる。また、段差部67bを、リアサイドシール53の位置決め部材として利用することができる。これによれば、リアサイドシール53を段差部67bに沿って貼り付けることにより、リアサイドシール53を正確な位置に容易に貼り付けることができるため、生産性を向上させることができる。

本実施形態のカバー部材6において、例えばリアサイドカバー67におけるシールの貼り付け面は、シールの長手方向と直交する方向において、直線状の部分が連続して傾斜することにより形成される曲面からなる(図9参照)。これによれば、シールの長手方向と直交する方向において、カバーの端部におけるシール貼り付け面に曲面が形成されていても、シールの貼り付けが容易となるため、生産性を向上させることができる。

本実施形態のシール部材50において、シールの端部に位置する角部は、それぞれ略円形となるように形成されているため、シールの剥がれを抑制することができる。

以上、本発明の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることなく、種々の形態で実施することができる。

例えば、上記実施形態では、本発明を、エンジン(内燃機関)で発生する動力により後輪を回転駆動させて走行する自動二輪車に適用した例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。すなわち、本発明を、電動モータで発生する動力のみにより後輪を回転駆動させて走行する電動二輪車に適用することもできる。また、エンジンで発生させた動力、及び電動モータで発生させた動力の2つの動力を組み合わせて後輪を回転駆動させて走行するハイブリッド型の鞍乗型車両に適用することもできる。

更に、本発明は、乗員が着座するシートを備えた車両であれば、スクータ型の鞍乗型車両に限らず、モータサイクル型、カブ型の鞍乗型車両に適用することもできる。また、乗員が着座するシートを備えた車両であれば、三輪又は四輪の鞍乗型車両に適用することもできる。すなわち、鞍乗型車両は、乗員が車体に跨って乗車する乗り物全般を含む。

1 自動二輪車(鞍乗型車両) 6 カバー部材(外装カバー) 10 車体フレーム 27 シート 50、50A〜50C シール部材 51 フロントシール 52 フロアサイドシール 53 リアサイドシール 61 フロントカバー 62 レッグ側シールドカバー 63 フロアカバー(フロアステップ) 64 フロアサイドカバー64 65 アンダーカバー 66 インナーフェンダーカバー 67 リアサイドカバー 69 センターカバー 67b 段差部 68 シート下センターカバー WF 前輪 WR 後輪

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