Load hooking device

申请号 JP2010287273 申请日 2010-12-24 公开(公告)号 JP2012131448A 公开(公告)日 2012-07-12
申请人 Kawasaki Heavy Ind Ltd; 川崎重工業株式会社; 发明人 NISHIYAMA TAKASHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a load hooking device capable of preventing a rear cowl from being pressed by a loading implement and rigidly supporting a hook.SOLUTION: The load hooking device 1 arranged on a rear part of a motor cycle has a hook unit 16 mounted on a seat rail 2, and the hook unit 16 includes a base 20, a front side hook 22 which is supported by the base 20 and swings between a projection position P1 where the front side hook 22 is projected to the external side of a vehicle and the loading implement 19 is restrained and a storage position P2 where the front side hook 22 is stored to the inner side in the vehicle width direction than the projection position P1 and a shaft stop member 24 which supports the front side hook 22 freely swingably around a swinging shaft center C extended vertically, wherein the front side hook 22 existing on the projection position P1 is located on the upper side than the external side line L formed by linking the external side end part Q in the vehicle width direction of the rear cowl 8 with which the rear part lateral side of the seat rail 2 is covered, in the front and rear direction.
权利要求
  • 自動二輪車の後部に配置される荷掛け装置であって、
    車体フレームにフックユニットが取り付けられ、
    前記フックユニットは、ベースと、このベースに支持され、車体の外側方に突出して荷掛け用具が係止される突出位置とこの突出位置よりも車幅方向内側に収納される収納位置とに回動するフックと、前記フックを前記車体フレームに上下方向に延びる回動軸心回りに回動自在に支持する軸止部材とを有し、
    前記突出位置にあるフックが、前記車体フレームの後部側方を覆うリアカウルの車幅方向外側端部を前後方向に連ねた外側ラインよりも上方に位置している荷掛け装置。
  • 請求項1において、前記フックは荷掛け用具が係止される係止部を有し、前記突出位置での前記係止部は、前記リアカウル全体の車幅方向最外側端部と同一の車幅方向位置またはこれよりも車幅方向内側に位置する荷掛け装置。
  • 請求項1または2において、同乗者シートの前方に前記フックが配置されている荷掛け装置。
  • 請求項1,2または3において、前記フックユニットは、前記フックの回動範囲を規制するストッパ部材を有する荷掛け装置。
  • 請求項1から4のいずれか一項において、前記フックが前記収容位置にある場合、平面視で前記フックがライダーシートに重なっている荷掛け装置。
  • 請求項1から5のいずれか一項において、前記フックの係止部が、前記突出位置では、リアカウルにおけるフックと前後方向同一位置にある車幅方向外側端部よりも車幅方向外側に配置されている荷掛け装置。
  • 請求項1から6のいずれか一項において、前記フックユニットは、ブラケットを介して車体フレームに取り付けられ、
    前記軸止部材が前記ブラケットに連結されることにより、前記フックユニットが前記ブラケットに取り付けられている荷掛け装置。
  • 請求項7において、前記ブラケットは、側面視で、前記リアカウルに覆われている荷掛け装置。
  • 請求項1から8のいずれか一項において、さらに、前記フックユニットよりも後方に、前記荷掛け用具が係止される後方フックが設けられ、
    前記後方フックは前記リアカウルの外側ラインよりも上方に配置されている荷掛け装置。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば、ロープやネットのような荷掛け用具を引っ掛けるために自動二輪車の後部に配置される荷掛け装置に関するものである。

    自動二輪車では、車体の後部に荷物を搭載するために、ロープ、ネット等の荷掛け用具を引っ掛けるフックが設けられている。 このようなフックには、フック未使用時における外観の向上やフックの外部との接触を回避するために、使用時にのみフックを突出させ、未使用時は収容できるような出し入れ自在のものがある(特許文献1)。 特許文献1の荷掛け用フック装置では、荷掛け用のフックが車体フレームの下部に出し入れ自在に支持され、フックは、未使用時にリアカウルよりも車体内側に収容されている。

    実開昭63−164094号

    しかしながら、上記特許文献1では、荷台となる同乗者シートに荷物を載せて、この荷物をロープで固定すると、上下方向に関してロープがフックと荷台との間に位置するリアカウルを横切ることとなり、リアカウルがロープに接触したり、ロープで押し付けられたりして傷つく恐れがある。

    本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、リアカウルが荷掛け用具で押し付けられることを防止できる荷掛け装置を提供することを目的としている。

    上記目的を達成するために、本発明にかかる荷掛け装置は、自動二輪車の後部に配置される荷掛け装置であって、車体フレームにフックユニットが取り付けられ、前記フックユニットは、ベースと、このベースに支持され、車体の外側方に突出して荷掛け用具が係止される突出位置とこの突出位置よりも車幅方向内側に収納される収納位置とに回動するフックと、前記フックを前記車体フレームに上下方向に延びる回動軸心回りに回動自在に支持する軸止部材とを有し、前記突出位置にあるフックが、前記車体フレームの後部側方を覆うリアカウルの車幅方向外側端部を前後方向に連ねた外側ラインよりも上方に位置している。 ここで、「リアカウルの車幅方向外側端部」とは、任意の前後方向位置におけるリアカウルの最も外側方に張り出した部分をいう。

    この構成によれば、リアカウルの車幅方向外側端部よりも上方にフックが配置されるので、ロープのような荷掛け用具をリアカウル上方に通過させることができ、リアカウルが、荷掛け用具で押し付けられることを防いで、リアカウルが傷つくのが回避される。 フックが不要のときは、フックを収容位置に収容することで、フックによる外部との引っかかりが避けられ、美観も向上する。 また、フックユニットは車体フレームに取り付けられているので、フックが車体に強固に支持される。 また、回動軸心が上下方向に延びているので、リアカウルの車幅方向外側端部と荷台との上下方向間隔が短い場合でも、この短い部位にフックユニットを配置しやすい。

    本発明において、前記フックは荷掛け用具が係止される係止部を有し、前記突出位置での前記係止部は、前記リアカウル全体の車幅方向最外側端部と同一の車幅方向位置またはこれよりも車幅方向内側に位置することが好ましい。 この構成によれば、フックは、車幅方向外側端部よりもリアカウルの上方に位置し、かつ、リアカウル全体の車幅方向最外側端部と同一の車幅方向位置またはこれよりも車幅方向内側に位置しているので、リアカウルから外側方への突出量を抑制しながら、リアカウルが荷掛け用具で押し付けられることを防ぐことができる。

    本発明において、同乗者シートの前方に前記フックが配置されていることが好ましい。 自動二輪車では、同乗者シートが荷台と兼用されることが多いが、この構成によれば、フックが収容位置にあることで、同乗者がフックと接触するのを防ぐことができる。

    本発明において、前記フックユニットは、前記フックの回動範囲を規制するストッパ部材を有することが好ましい。 この構成によれば、必要以上の回動を規制することで、フックの安定動作を確保できる。 また、フックが荷掛け用具によって強く引っ張られても、回動範囲を超えて回動することがない。

    本発明において、前記フックが前記収容位置にある場合、平面視で前記フックがライダーシートに重なっていることが好ましい。 この構成によれば、フックが目立たなくなり、その結果、自動二輪車の外観が向上する。

    本発明において、前記フックの係止部が、前記突出位置では、リアカウルにおけるフックと前後方向同一位置にある車幅方向外側端部よりも車幅方向外側に配置されていることが好ましい。 この構成によれば、荷掛け用具をフックの係止部に着脱する際に、荷掛け用具が係止部下方のリアカウルに接触するのを防ぐことができる。 なお、フックがリアカウルの前端付近または前端よりも若干前方に位置している結果、突出位置と前後方向同一位置にリアカウルが形成されていない場合もあり、このような場合も含まれる。

    本発明において、前記フックユニットは、ブラケットを介して車体フレームに取り付けられ、前記軸止部材が前記ブラケットに連結されることにより、前記フックユニットが前記ブラケットに取り付けられていることが好ましい。 この構成によれば、リアカウル、シート等を車体に組み付ける組立工程において、予め車体フレームに固定したブラケットにフックユニットを取り付けることができるので、取付作業が容易である。

    前記軸止部材が前記ブラケットに連結される場合、前記ブラケットは、側面視で、前記リアカウルに覆われていることが好ましい。 この構成によれば、ブラケットがリアカウルに覆われるから、ブラケットが外部に露出するのを防ぐことができ、その結果、自動二輪車の外観が向上する。

    本発明において、さらに、前記フックユニットよりも後方に、前記荷掛け用具が係止される後方フックが設けられ、前記後方フックは前記リアカウルの外側ラインよりも上方に配置されていることが好ましい。 この構成によれば、前後2箇所で荷物が支持されるから、荷掛けを確実に行うことができる。

    本発明の荷掛け装置によれば、リアカウルの車幅方向外側端部よりも上方にフックが配置されるので、リアカウルが、ロープのような荷掛け用具で押し付けられることを防いで、リアカウルが傷つくのが回避される。 フックが不要のときは、フックを収容位置に収容することで、フックによる外部との引っかかりが避けられ、美観も向上する。 また、回動軸心が上下方向に延びているので、リアカウルの車幅方向外側端部と荷台との上下方向間隔が短い場合でも、この短い部位にフックユニットを配置しやすい。

    本発明の一実施形態に係る荷掛け装置を備えた自動二輪車の後部を荷掛け装置のフックが収納された状態で示す左側面図である。

    同上自動二輪車の後部を荷掛け装置のフックが突出した状態で示す平面図である。

    図1のIII-III線断面図である。

    車体左側の荷掛け装置を示す右後方からの斜視図である。

    同上荷掛け装置を示す平面図である。

    図5のVI-VI線断面図である。

    同上荷掛け装置を示す左側面図である。

    図1のVIII-VIII線断面図である。

    車体にブラケットを取り付けた状態を示す斜視図である。

    荷掛け装置のサブアセンブリを組み立てた状態を示す斜視図である。

    車体にブラケットおよびリアカウルを取り付けた状態を示す斜視図である。

    車体に荷掛け装置を取り付けた状態を示す斜視図である。

    以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。 図1および図2は、本発明の一実施形態に係る荷掛け装置1を備えた自動二輪車の後部を示している。 図1の車体フレームFRの後半部を構成するシートレール2に、ライダーシート4と同乗者シート6が支持され、ライダーシート4の下方における前後方向中央部から前方にかけての側方がサイドカウル7で覆われ、サイドカウル7の後方で同乗者シート6の下方において、シートレール2の側方が、シートレール2に取り付けられた樹脂製のリアカウル8で覆われている。 シートレール2の後端部にリアランプ装置10が支持され、後部の両側方に方向指示ランプ装置11が支持されている。 さらにシートレール2の後部には、後輪13の上方を覆うリアフラップ12が取り付けられ、シートレール2の後端部に、同乗車が握るグリップ14が、上方に突出して設けられている。

    シートレール2におけるライダーシート4の後部下方、すなわち同乗者シート6の前方下方に、左右一対のフックユニット16が取り付けられている。 同乗者シート6上に載置された荷物Mを、少なくともフックユニット16のフック部分である前方フック22に係止されたロープ、ネット等の荷掛け用具19により押さえて掛止できる。 さらに、フックユニット16よりも後方で同乗者シート4の後方、具体的には、グリップ14に左右一対の後方フック18が設けられている。 本実施形態では、前方フック22と後方フック18とで荷掛け用具19を係止することで同乗者シート6の前後位置で荷物Mを掛け止めできる。

    リアカウル8がシートレール2に沿って前後方向に延びており、その大部分が同乗者シート6の下方に位置するように配置されている。 リアカウル8は、上下方向中間位置で最も外側に膨らむ車幅方向外側端部Qを有している。 すなわち、リアカウル8は、上縁から下方に向かって車幅方向外側端部Qまで進むにつれて車幅方向外側に延びる上方傾斜面8aと、車幅方向外側端から下方に向かって下縁まで進むにつれて車幅方向内側に延びる下側傾斜面8bとを有している。 車幅方向外側端部Qはシートレール2に沿って前後方向に延びる。 つまり、車幅方向外側端部Qは、シートレール2と同様に前方から後方に進むにつれて上方に傾斜するように延びる外側ラインLを形成する。 このように、シートレール2が後方に進むにつれて上方に延びるように傾斜するので、同乗者シート6の前方に配置した前方フック22は、同乗者シート6の後方に配置する場合に比べて、同乗者シート6上面との距離が大きくなる。 これにより、荷掛け時の荷掛け用具19が長くなって伸び量が大きくなるから、荷物Mを同乗者シート6の上面に押し付ける荷掛け用具19の押し付けを容易に大きくすることができる。

    下方傾斜面8bの上下寸法は、上方傾斜面8aの上下寸法よりも大きく形成されている。 図3に示すように、外側ラインLと直交する横断面において、上方傾斜面8aの全体の傾斜θaは、下方傾斜面8bの全体の傾斜角θbよりも大きい。 具体的には、上方傾斜面8aの上縁8aaと車幅方向外側端部Qとを結ぶ直線Caが上下方向に対してなす角度θaが、下方傾斜面8bの下縁8baと車幅方向外側端部Qとを結ぶ直線Cbが上下方向に対してなす角度θbよりも大きい。 同乗者シート6近傍での車幅方向外側端部Qは、リアカウル8の上縁8aaよりも所定値V、例えば10mm以上車幅方向外側に配置される。

    図2に示すように、リアカウル8のうち、同乗者シート6よりも前方に位置する部分は、前方に進むにつれて車幅方向寸法が徐々に短くなるように絞られた形状を有している。 リアカウル8の前端部には、図11に示すように、上方傾斜面8aが残余の部分に比べて下方に凹んだ切欠部(凹所)SPが形成されている。 切欠部SPは、外側ラインLよりも上方に位置して、車幅方向外側端Qよりも車幅方向内側をほぼ平に延びるベース面17と、ベース面17の車幅方向内側端から上方に立ち上がって前後方向に延びる車幅方向側壁15と、ベース面17の後端から上方に立ち上がって車幅方向に延びる後方側壁21とによって規定される。

    右後方からの斜視図である図4に示すように、フックユニット16は、板材からなるベース20と、荷掛け用具19(図1)が係止される上記前方フック22と、前方フック22をベース20に回動自在に支持する軸止部材24とを有している。 軸止部材24はベース20に固定されており、上下方向に延びる軸心Cを有する。 前方フック22は軸止部材24の回り、つまり軸心Cを回動軸心として、この回動軸心C回りに回動し、車体の外側方に突出して荷掛け用具19が係止される突出位置P1と、突出位置P1よりも車幅方向内側に収納される収納位置P2とに変位可能に切り換えられるようになっている。 ここで、上下方向に延びる回動軸心Cは、例えば鉛直方向から±30°以内であればよく、好ましくは±20°以内、より好ましくは±15°以内である。 このように、回動軸心Cが上下方向に延びるので、前方フック22が長く、リアカウル8の車幅方向外側端部Qとライダーシート4との上下方向寸法が短い場合でも、この短い部分にフックユニット16を配置できる。

    図1に示すように、回動軸心Cは、左右のシートレール2の軸心を通る平面または荷台となる同乗者シート6の上面に直交する方向に延びることが好ましい。 換言すると、回動軸心Cは、シートレール2または同乗者シート6の延びる方向および車幅方向の両方に直交する方向に延びることが好ましい。 具体的には、回動軸心Cは、車幅方向においてシートレール2よりも外側で、リアカウル8の内側に配置され、前後方向において前記ベース面17の後部に配置され、収納位置P2で前方フック22の先端部が回動軸心Cよりも前方に位置する。 これにより、収納位置P2でフック22の先端部が回動軸心Cよりも後方に位置する場合に比べて、リアカウル8の主要部となる前方フック22よりも後方の部分に、切欠部がないので、切欠部SPが目立ちにくい。 また、荷掛け用具19から伸縮力を受けても、収納位置P2に向かう方向とは反対側の力がかかるので、前方フック22が荷掛け状態で収納位置P2に戻ることが防がれる。

    図5に示すように、前方フック22は、回動軸心Cに対して垂直に延びる、横断面形状が矩形の細長い形状を有しており、前方フック22の基端部である連結部40が、回動軸心C近傍に位置して、軸支部材24によって回動自在に支持される。 前方フック22の延在方向の先端部であるフック本体42には、回動軸心Cから径方向に離れて位置し、荷掛け用具19を係止するための2つの第1および第2の係止部43A,43Bが形成されている。 前方フック22が収容位置P2にある場合には、延在方向は、シートレール2の延びる方向、すなわち車体前後方向に一致する。 前方フック22が突出位置P1にある場合には、延在方向は、シートレール2の延びる方向に直交する方向、つまり車幅方向に一致する。 このように、回動軸心Cがシートレール2に直交することで、前方フック22の延在方向寸法が大きくても収納状態でシートレール2に沿うことになり、目立ちにくい。 前方フック22の延在方向の長さを大きくすることで、荷掛け用具19が係止しやすくなる。

    前方フック22が収容位置P2にある場合には、連結部40よりも延在方向の先端側であるフック本体42が、回動軸心Cよりも前方に位置する。 一方、前方フック22が突出位置P1にある場合には、フック本体42は、収容位置P2での位置よりも後方に位置する。 本実施形態では、フック本体42は、突出位置P1で回動軸心Cの前後方向位置とほぼ同じ位置の外側に位置する。 つまり、フック本体42は、90度角変位して収容位置P2と突出位置P1とに切り換えられる。 これにより、突出位置P1での前方フック22の突出量が大きくなる。 また、収容位置P2にある状態では、図1に示すように、車体側面視で、前方フック22はリアカウル8の切欠部SPから露出している。 さらに、前方フック22は、図2に示す突出位置P1では、ライダーシート4よりも車体外側方に突出しているが、二点鎖線で示す収容位置P2では、ライダーシート4の外側部の下方に重なっており、平面視では見えない。 後方フック18はグリップ14から車幅方向外側に突出している。

    図4に示すように、フックユニット16は、ブラケット26を介してシートレール2に取り付けられている。 具体的には、ブラケット26の車体連結部52が、シートレール2よりも車幅方向外側で、リアカウル8の内側に配置され、ブラケット26のフック支持部50にフックユニット16が装着される。 このように、フックユニット16は、リアカウル8ではなく、シートレール2に取り付けられているので、車体に強固に支持される。

    軸止部材24がブラケット26に連結されることにより、フックユニット16が、シートレール2に予め固定されたブラケット26に取り付けられている。 これら、フックユニット16とブラケット26と後方フック18とにより、本発明の荷掛け装置1が構成されている。 ブラケット26はボルトのような締結部材28で車体フレームFRのシートレール2に取り付けられており、これによりフックユニット16が車体に支持される。 したがって、ブラケット26を車体フレームFRの適宜箇所に取り付けることにより、フックユニット16を車体のどこにでも容易に取り付けることができる。

    また、リアカウル8をシートレールに固定する前に、ブラケット26をシートレール2に固定することができるので、リアカウル8がブラケット26の取付作業を阻害することがなく、ブラケット26取付作業を容易に行うことができる。 さらに、ブラケット26がリアカウル8の内側に配置されることで、ブラケット26が外部に露出するのを抑えることができ、美感が向上するうえに、ブラケット26に美感向上のための塗装処理などを施す必要がない。 また、フックユニット16をシートレール2に固定した後で、ライダーシート4および同乗者シート6を取り付けることができるので、シート4,6がブラケット26の取付作業を阻害することがなく、フックユニット16の取付作業を容易に行うことができる。

    図5に示すように、扁平なベース20は、平面視でほぼ扇形状を有しており、扇形の円弧部20aが車体内側に向いてシートレール2に対向している。 円弧部20aよりも車体外側に位置するベース20の基部20bに、軸止部材24を挿通する図4の貫通孔30が形成されている。 ベース20の円弧部20aの上面に、軸心Cと同心の円弧に沿って前方からガイドピン32、第1の係合孔36、第2の係合孔38が設けられている。

    図6に示すように、ガイドピン32は、ベース20の上面と直交する方向へ突出する円柱状の突起で、第1の係合孔36および第2の係合孔38は下方に凹んだ円形で有底の孔である。 また、ベース20の下面には、この下面と直交する方向へ突出する円柱状の突起からなる回り止めピン33が設けられている。 ガイドピン32と回り止めピン33は同一軸線上に位置しているが、両者32,33の位置はずれていてもよい。

    図5に示す前方フック22は、前述のとおり、ベースに連結される連結部40と、荷掛け用具19が係止されるフック本体42とを有している。 連結部40に、図4に示す軸止部材24の軸部24aを挿通させる軸挿通孔44と、頭部24bを嵌入させる凹所45とが形成されており、この軸挿通孔44の径方向外方に、軸挿通孔44と同心、つまり軸心Cと同心の円弧状のガイド溝46が形成されている。 ガイド溝46は図5の軸心Cを中心にほぼ90°の円弧を構成する長さで形成されている。 前方フック22には、ガイド溝46の後方に位置するばね挿入孔48が形成されている。

    前方フック22のフック本体42は、形状や深さの異なる溝からなる、2つの第1および第2の係止部43A,43Bを有している。 ただし、係止部は、1つであってもよく、また3つ以上であってもよい。 このように、複数の係止部43A,43Bを設けることで、荷物M、荷掛け用具19に応じて、多様な荷掛けを行うことができる。

    前方フック22とベース20との間には、フックユニット16の節動機構56が設けられている。 この節動機構56は、図6に示すように、ベース20の上面に設けた第1および第2の係止孔36,38と、ボール58と、前方フック22のばね挿入孔48に収納されてボール58を第1および第2の係止孔36,38に押し込むばね体61とを有している。 ボール58が第1の係止孔36に進入することにより、前方フック22を図5の突出位置P1に位置決めし、ボール58が第2の係止孔38に進入することにより、収納位置P2に位置決めする。 前方フック22に所定以上の回動力を付加することによって、ボール58が第1の係止孔36または第2の係止孔38から離脱し、位置決めが解除される。 これにより、前方フック22の位置決めを確実に行うことができるうえに、図6の大きいばね体61が前方フック22側のばね挿入孔48に収納されるので、ベース20を薄くすることができる。

    さらに、ベース20に設けられたガイドピン32が、前方フック22に形成されたガイド溝46に係合され、前方フック22の回動に伴い、ガイドピン32がガイド溝46内を摺動し、ガイドピン32がガイド溝46の両端部46a、46bに当接することで、前方フック22の回動範囲を規制している。 これにより、前方フック22の安定動作を確保できる。 つまり、ガイドピン32は、フックユニット16におけるストッパ部材として機能する。 フックユニット16の前方フック22は、例えばアルミニウム合金製であり、ベース20、軸止部材24、ガイドピン32および回り止めピン33は鋼製である。 また、ブラケット26、溶接ナット54、節動機構56のボール58、および鍔付きカラー60も鋼製である。

    図7に明示するように、前方フック22をブラケット26に取り付ける軸止部材24はボルトのような締結部材からなり、ベース20、前方フック22およびブラケット26を連結する。 図4のブラケット26は、前述のとおり、フックユニット16を支持するフック支持部50とシートレール2に取り付けられる前記車体連結部52とを有しており、車体連結部52には、ボルト挿通孔52aが形成され、車体外側方からボルト挿通孔52aに締結部材28を挿通し、シートレール2にかしめナットのような手段で設けられたたねじ孔(図示せず)に螺合することにより取り付けられている。

    図8に示すように、ブラケット26のフック支持部50には、軸止部材24を挿通するボルト挿通孔50aが形成され、下面におけるボルト挿通孔50aに対応する位置に溶接ナット54が固着されている。 前方フック22の軸挿通孔44およびベース20の貫通孔30には鍔付きカラー60が挿通されており、軸止部材24を鍔付きカラー60の内側に挿通して溶接ナット54に螺合することにより、鍔付きカラー60の下端面をブラケット26の上面に圧接した状態で、前方フック22およびベース20をブラケット26に取り付けている。 ベース20の下方で鍔付きカラー60の外周に設けた環状の係合溝60aにC形クリップのような抜止部材62が係合されている。 図7に示すフック支持部50には、ベース20に設けられた回り止めピン33が係合する位置決め孔50bが貫通して形成されている。

    前述のとおり、ブラケット26をシートレール2よりも車幅方向外側に配置することによって、フックユニット16の回動軸心Cがシートレール2よりも車幅方向外側に配置されるので、回動軸心Cがシートレール2の内側またはシートレール2上にある場合に比べて、同様の突出位置を得るのに、短い長さの前方フック22で済む。

    つぎに、荷掛け装置1の取り付け位置について説明する。 図8に示すように、リアカウル8は車体外側方に膨出するように滑らかに湾曲しており、リアカウル8の上縁よりも若干下方に車幅方向外側端部Qが存在する。 ここで、「リアカウル8の車幅方向外側端部Q」とは、任意の前後方向位置における最も外側方に張り出した部分、つまりリアカウル8の最も幅広の部分をいう。 前方フック22は、リアカウル8の車幅方向外側端部Qを前後方向に連ねた、図1に示す外側ラインLよりも上方に位置している。

    また、前方フック22のフック本体42は、図2に実線で示す突出位置P1で、リアカウル8における前方フック22と前後方向同一位置の部分80よりも車幅方向外側に配置されている。 換言すると、突出位置P1において前方フック22の係止部43A、43Bの下方にはリアカウル8が存在しない。 これにより、例えば、荷掛け用具19の両端部が金属部材によって構成される場合でも、荷掛け用具19両端部の金属部材によってリアカウル8が傷つくのを防ぐことができる。

    破線で示す収納位置P2では、前記部分80の車幅方向外側端部Qよりも車幅方向内側で、かつライダーシート4の外側部よりも車幅方向内側に位置している。 フック本体42の外側の係止部43Aは、リアカウル8全体の最も幅広の部分、つまり車幅方向最外側端部Q1と車幅方向の同一位置にあるが、外側ラインL(図1)よりも上方に位置しているので、外側の係止部43Aに係止された荷掛け用具19がリアカウル8に接触するのを防止できる。 外側の係止部43Aは車幅方向最外側端部Q1よりも車幅方向内側に配置してもよい。 内側の係止部43Bは突出位置P1で、車幅方向最外側端部Q1よりも内側に位置している。

    図1に示すように、前方フック22が実線で示す収容位置P2にある場合、前方フック22は、シートレール2の長手方向に沿って平行に延びて、前述のとおり、図2の平面視でライダーシート4の下側に重なっている。 図1の前方フック22は、ライダーシート4の下縁4aの下方近傍または同乗者シート6の下縁6aの近傍、例えばライダーシート4の下縁4aまたは同乗者シート6の下縁6aと前方フック22の上縁22aとの間隔Sを20mm以下、好ましくは10mm以下とすれば、前方フック22が目立ちにくくなる。 ライダーシート4の下縁4aと前方フック22の上縁22aを平行にすれば、さらに目立ちにくくなり、前方フック22を上下方向の軸心C回りに回動させることにより、収容位置P2(図2)にある前方フック22を一層目立ちにくくできる。 これに対し、前方フック22の回動軸心を前後方向に配置した場合には、図1に二点鎖線で示すように、フック22Aは、縦長の形状となり、リアカウル8の上下方向中間部に大きく露出して、リアカウル8の外観を損なう。

    後方フック18は、固定式であり、グリップ14にねじ止めにより取り付けられているが、グリップ14に型成型で一体形成してもよい。 後方フック18もリアカウル8の外側ラインLよりも上方に配置されている。 さらに、後方フック18は同乗者シート6よりも上方に設けられている。 これにより、後方フック18と前方フック22との間を延びる荷掛け用具19がリアカウル8に接触する可能性を低くすることができる。

    つぎに、荷掛け装置の組み立て手順を説明する。 図9に示すように、まず、ブラケット26を締結部材28によりシートレール2に取り付ける。 つづいて、ベース20と前方フック22とを、その間に節動機構56を挿入した状態で、図8の鍔付カラー60を前方フック22の軸挿通孔44およびベース20の貫通孔30に挿通する。 鍔付カラー60の係合溝60aに、抜止部材62を係合する。 これにより、図10に示すサブアセンブリSAを組み立てる。 つぎに、図11に示すように、リアカウル8をシートレール2に取り付ける。 この状態で、ブラケット26のフック支持部50の一部が、切欠部SPのベース17の後部に設けられた貫通孔23から露出している。

    つづいて、図9の鍔付カラー60およびベース20の回り止めピン33をリアカウル8の貫通孔23に通し、回り止めピン33をブラケット26の位置決め孔50bに挿入して、サブアセンブリSAをブラケット26に重ね、軸止部材24を鍔付カラー60の中空孔に挿通して溶接ナット54に螺合することで、図12に示すように、サブアセンブリSAおよび軸止部材24からなるフックユニット16がブラケット26に連結される。 こうして、フックユニット16がブラケット26を介してシートレール2に支持される。 この状態で、リアカウル8の貫通孔23は、フックユニット16で覆われるので、目立たない。 その後、図1の各シート4,6をシートレール2に取り付ける。

    シートレール2に取り付けられた前方フック22を収納位置P2から突出させるには、図8に示すライダーシート4とフックユニット16との隙間Gから指を入れ、図12の前方フック22の第1の係止部43Aに指を掛けて、前方フック22を外方へ回動させる。 これにより、図6のボール58が第1の係止孔36に嵌まり込んだ状態で、突出位置P1に位置決めされる。 前方フック22を収納する際には、前方フック22を内方へ押し込むように回動させることにより、ボール58が第2の係止孔38に嵌まり込んだ状態で、突出位置P2に位置決めされる。

    上記構成において、図1のリアカウル8の車幅方向外側端部Qを連ねた外側ラインLの上方に前方フック22が配置されるので、図8に示すリアカウル8の車幅方向外側端部Qが、前方フック22に係止された荷掛け用具19で押し付けられることを防いで、リアカウル8が傷つくのが回避される。 前方フック22が不要のときは、前方フック22を図2の収容位置P2に収容することで、前方フック22による外部との引っかかりが避けられ、美観も向上する。 また、図1の回動軸心Cが上下方向に延びているので、リアカウル8の車幅方向外側端部Qと荷台である同乗者シート6との上下方向間隔が短い場合でもフックユニット16を配置しやすい。

    図2の前方フック22の係止部43A,43Bは、車幅方向外側端部Qよりもリアカウル8の上方に位置し、かつ、突出位置P1でリアカウル8全体の車幅方向最外側端部Q1と同一の車幅方向位置またはこれよりも車幅方向内側に位置しているので、リアカウル8から外側方への突出量を抑制しながら、リアカウル8が荷掛け用具19で押し付けられることを防ぐことができる。

    自動二輪車では、同乗者シート6が荷台と兼用されているが、図1に示すように、同乗者シート6の前方に前方フック22が配置されているので、前方フック22が図2に示す収容位置P2にあることで、同乗者が前方フック22と接触するのを防ぐことができる。

    図6に示したように、ベース20に設けられたガイドピン32と前方フック22に形成されたガイド溝46とにより、前方フック22の回動範囲が規制されるので、必要以上に回動することがなく、前方フック22の安定動作を確保できる。 また、前方フック22が図5の荷掛け用具19によって引っ張られても、回動範囲を超えて回動することがない。

    図2に示すように、前方フック22は、収容位置P2にある状態で、平面視でライダーシート4に重なっているので、前方フック22が目立たなくなり、自動二輪車の外観が向上する。

    また、フック22のフック本体42が、突出位置P1では、リアカウル8における前後方向同一位置の部分80よりも車幅方向外側に配置されているので、荷掛け用具19をフック22のフック本体42に着脱する際に、前方フック22の下方の空間が形成されることで、荷掛け用具19がリアカウル8に接触するのを防ぐことができる。 また、荷掛け用具19の係止/非係止作業中にリアカウル8と荷掛け用具19とが干渉するのが防がれ、荷掛け作業を容易化できる。

    図4に示したように、フックユニット16は、ブラケット26を介してシートレール2に取り付けられているので、リアカウル8、ライダーシート4等をシートレール2に組み付ける組立工程において、予めシートレール2に固定したブラケット26にフックユニット16を取り付けることができて、取付作業が容易である。

    図1に示すブラケット26は、側面視で、リアカウル8に覆われているので、ブラケット26が外部に露出するのが防がれて、自動二輪車の外観が向上する。

    さらに、後方フック18もリアカウル8の外側ラインLよりも上方に配置されているので、前後2箇所で荷物が支持されて荷掛けを確実に行うことができるうえに、荷掛け用具19によってリアカウル8を傷つけることがない。

    上記実施形態では、フックユニット16はリアカウル8に形成される切欠部SPに配置されたが、シートとシアカウルとの間に隙間がある場合、そのような隙間に配置してもよく、また、リアカウル8にフック22が進退するための長孔を設け、その長孔からフック22の一部が外部に露出するように配置してもよい。 さらに、本発明では、突出位置P1での前方フック22の係止部43A,43Bが外側ラインLの延長線上よりも上方に位置していればよく、前後方向におけるフック取付位置と同じ位置にリアカウル8が形成されてなくてもよい。

    上記実施形態では、側面視で、ブラケット26がリアカウル8に覆われているが、ブラケット26の一部がリアカウル8から露出してもよい。 また、上記実施形態では、回動軸心Cはシートフレーム2の外側に配置されているが、シートフレーム2の内側にあってもよい。

    以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。 例えば、上記実施形態では、同乗者シート6を荷台と兼用しているが、同乗者シート6に代えて専用の荷台を設けてもよい。 また、上記実施形態では、フックユニット16が旋回式で後方フック18が固定式であったが、逆でもよく、両方とも旋回式であってもよい。 さらに、同乗者シート6の前方にのみフックユニット16が配置されてもよく、同乗者シート6の前後方向中間部および後方にフックユニット16が配置されてもよい。 フックは3組以上設けてもよく、その場合、少なくとも1組が上記実施形態のフックユニット16であればよい。

    また、上記実施形態では、フックユニット16がブラケット26を介して車体に支持されているが、ブラケット26を介さずに、軸止部材24により直接車体フレームに取り付けることもできる。 本発明は、シートレールを車幅方向外側から覆うリアカウルが設けられる自動二輪車に好適に用いられる。 特に、リアカウルが樹脂で形成される場合に、荷掛け用具によりリアカウルが傷つくのを効果的に防ぐことができる。 したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。

    なお、本発明には含まれないが、シートとカウルとの間で車幅方向にスライドして車幅方向に突出するようにフックが形成されてもよい。 このように構成された場合でも、リアカウルと荷掛け用具が接触することを防ぐことができ、リアカウルが傷つくのを防ぐことができる。

    このようなスライド式のフックも含む態様として次のものがある。
    [態様]
    自動二輪車の後部に配置される荷掛け装置であって、車体フレームにフックユニットが取り付けられ、前記フックユニットは、車体の外側方に突出して荷掛け用具が係止される突出位置とこの突出位置よりも車幅方向内側に収納される収納位置とに移動するフックを有し、
    前記突出位置にあるフックが、前記車体フレームの後部側方を覆うリアカウルの車幅方向外側端部を前後方向に連ねた外側ラインよりも上方に位置している荷掛け装置。

    1 荷掛け装置2 シートレール4 ライダーシート6 同乗者シート8 リアカウル16 フックユニット18 後方フック19 荷掛け用具20 ベース22 前方フック24 軸止部材26 ブラケット32 ガイドピン(ストッパ部材)
    43A,43B 係止部C 軸心(回動軸心)
    Q 車幅方向外側端部FR 車体フレーム

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