車両

申请号 JP2015500704 申请日 2014-06-30 公开(公告)号 JPWO2015002162A1 公开(公告)日 2017-02-23
申请人 ヤマハ発動機株式会社; 发明人 大輔 浅野;
摘要 前輪回転速度検出装置(82,81)の検出部(822,812)の少なくとも一部は、緩衝装置(33,34)の一方の前テレスコピック要素(342,332,341,331)に支持され、車輪軸線(Z2,Z1)方向に見て、(a)車輪軸線(Z2,Z1)および操 舵 軸線(Y2,Y1)に垂直な方向(M)における緩衝装置(34,33)の前端(34A,33A)を通り操舵軸線(Y2,Y1)と平行な前仮想線(I)および緩衝装置(34,33)の後端(34B,33B)を通り操舵軸線(Y2,Y1)と平行な後仮想線(J)で挟まれた領域、かつ、(b)ホイール(32b,31b)の外形(K)の内側の領域、かつ、(c)前後のテレスコピック要素(342,332,341,331)の間の領域(L)の外側の領域に 位置 している。
权利要求

車両であって、 右旋回時に前記車両の右方に傾斜し、左旋回時に前記車両の左方に傾斜可能な車体フレームと、 前記車体フレームの左右方向に並べて設けられ、それぞれタイヤとそのタイヤを支持するホイールとを含む右前輪および左前輪と、 前記右前輪および前記左前輪をそれぞれ車輪軸線回りに回転可能に支持し、前記車体フレームの前後方向に並ぶ前テレスコピック要素と後テレスコピック要素と前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素とを互いに連結する連結部とを含む右緩衝装置および左緩衝装置と、を含み、前記右緩衝装置および前記左緩衝装置を前記車輪軸線に垂直な方向に延びるそれぞれの操軸線回りに回転可能かつ前記車体フレームに対して上下方向に変位可能に前記車体フレームに支持する懸架装置と、 前記右前輪および前記左前輪の一方の前輪と共に回転する被検出部と、前記一方の前輪を支持する前記右緩衝装置または前記左緩衝装置の一方の緩衝装置に設けられる検出部とを含み、前記右前輪および前記左前輪の少なくとも一方の前記前輪の回転速度を計測可能な前輪回転速度検出装置と、 を備え、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素または前記後テレスコピック要素に支持され、前記車輪軸線方向に見て、前記車輪軸線および前記操舵軸線に垂直な方向における前記一方の緩衝装置の前端を通り前記操舵軸線と平行な前仮想線および前記一方の緩衝装置の後端を通り前記操舵軸線と平行な後仮想線で挟まれた領域、かつ、前記ホイールの外形の内側の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に位置している車両。前記操舵軸線は、前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、 前記車両が直立した状態において、前記一方の緩衝装置の前端より後方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている、請求項1に記載の車両。前記操舵軸線は、前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、 前記車両が直立した状態において、前記一方の緩衝装置の前端より後方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の下端より前方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている、請求項1または2に記載の車両。前記操舵軸線は、前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、 前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの上下方向について前記一方の緩衝装置の下端より上方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両。前記操舵軸線は、前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、 前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの上下方向について前記一方の緩衝装置の前記後テレスコピック要素の下端より上方の領域、かつ、前記車体フレームの上下方向について、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素の前端より下方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両。

说明书全文

本発明は、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両に関する。

特許文献1には、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両が記載されている。 一般的に、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪とを備えた車両は、車体フレームが鉛直方向に対して傾斜した状態で旋回できる車両である。より具体的には、右旋回時には、車体フレームは車両の右方に傾斜し、左旋回時には、車体フレームは左方に傾斜する。このような傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪とを備えた車両は、車体フレームを傾斜させるために、車体フレームの左右方向に並べて設けられる2つの前輪の間隔が、通常の四輪自動車より非常に狭く形成されている。傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪とを備えた車両は、コンパクトで機動性の高い車両である。

特許文献1の傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両は、それぞれ2本のテレスコピック要素を備えた右緩衝装置および左緩衝装置を備えている。右緩衝装置は右車輪を回転可能に支持している。左緩衝装置は左車輪を回転可能に支持している。ハンドルが操作されると、右緩衝装置は右前輪とともに上下方向に延びる回転軸線回りに回転し、左緩衝装置は左前輪とともに上下方向に延びる回転軸線回りに回転する。このため、右緩衝装置、右前輪、左緩衝装置および左前輪が、車体フレームや車体カバーなど他の車体部品と干渉しないように構成されている。

国際公開第2012/007819号公報

ところで、特許文献1に記載されたような傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両において、前輪回転速度検出装置を搭載することが望まれている。前輪回転速度検出装置は、センサ本体に加えて、センサ本体を車両に取り付けるためのブラケット、およびブラケットを車両に固定するための締結部材を有する。この前輪回転速度検出装置を車両に搭載するためには、車両側にも、前輪回転速度検出装置が取り付けられるブラケットが設けられる。このため、前輪回転速度検出装置を搭載しようとすると、これらの部材を配置する空間、および、これらの部材を他の部材と干渉させないための空間を確保する必要がある。そのため、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両が大型化する恐れがある。 そこで、図12に示したように、特許文献1は、2つのテレスコピック要素1022,1024の間に前輪回転速度検出装置1028を設けることを提案している。前後に並ぶ2つのテレスコピック要素1022,1024の間には、不可避的に隙間が生じてしまう。また、この生じた隙間は、本来、デッドスペースとなってしまう。ところが、特許文献1は、この不可避的に生じるデッドスペースである該隙間に前輪回転速度検出装置1028を設けることにより、空間を有効に利用している。 このように、特許文献1は、空間を合理的に利用することで、前輪回転速度検出装置を搭載しても、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両の大型化を抑制している。

しかしながら、市場では、よりコンパクトな傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両も求められている。そのため、前輪回転速度検出装置を搭載しても、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両の大型化をより抑制することが望まれている。

本発明は、前輪回転速度検出装置を搭載しても、車両の大型化をより抑制できる傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両を提供することを目的とする。

(1)上記の目的を達成するために、本発明がとりうる一態様は、車両であって、 右旋回時に前記車両の右方に傾斜し、左旋回時に前記車両の左方に傾斜可能な車体フレームと、 前記車体フレームの左右方向に並べて設けられ、それぞれタイヤとそのタイヤを支持するホイールとを含む右前輪および左前輪と、 前記右前輪および前記左前輪を車輪軸線回りに回転可能に支持し、前記車体フレームの前後方向に並ぶ前テレスコピック要素と後テレスコピック要素と前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素とを互いに連結する連結部とを含む右緩衝装置および左緩衝装置と、を含み、前記右緩衝装置および前記左緩衝装置をそれぞれ前記車輪軸線に垂直な方向に延びるそれぞれの操軸線回りに回転可能かつ前記車体フレームに対して上下方向に変位可能に前記車体フレームに支持する懸架装置と、 前記右前輪および前記左前輪の一方の前輪と共に回転する被検出部と、前記一方の前輪を支持する前記右緩衝装置または前記左緩衝装置の一方の緩衝装置に設けられる検出部とを含み、前記右前輪および前記左前輪の少なくとも一方の前記前輪の回転速度を計測可能な前輪回転速度検出装置と、 を備え、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素または前記後テレスコピック要素に支持され、前記車輪軸線方向に見て、前記車輪軸線および前記操舵軸線に垂直な方向における前記一方の緩衝装置の前端を通り前記操舵軸線と平行な前仮想線および前記一方の緩衝装置の後端を通り前記操舵軸線と平行な後仮想線で挟まれた領域、かつ、前記ホイールの外形の内側の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に位置している。

本発明者らは、前輪回転速度検出装置を配置するために、緩衝装置の周囲の構造について、鋭意研究した。その結果、特許文献1のように、2つのテレスコピック要素の間のデッドスペースを利用して前輪回転速度検出装置を配置した場合、2つのテレスコピック要素の間隔を少し広げる必要があることがわかった。前輪回転速度検出装置は、センサ本体に加えて、センサ本体を車両に取り付けるためのブラケット、およびブラケットを車両に固定するための締結部材を有する。この前輪回転速度検出装置を車両に搭載するためには、車両側にも、前輪回転速度検出装置が取り付けられるブラケットが設けられる。そのため、2つのテレスコピック要素の間に前輪回転速度検出装置を搭載すると、搭載しない場合と比べて2つのテレスコピック要素の間隔を少し広げる必要がある。一見したところ、2つのテレスコピック要素の間隔を少し広げても、緩衝装置自体が少し大型化するだけであり、車両全体に対する該緩衝装置の大型化の影響は少ないと思われる。

ところが、本発明者らは、鋭意研究する中で、次のような課題に気がついた。それは、2つのテレスコピック要素の間隔を広げると、その可動範囲が非常に大きくなり、他の部品との干渉を避けるために、車両が大型化しやすいということである。これは、2つのテレスコピック要素は伸縮方向に長い部材であること、また、2つのテレスコピック要素が互いに固定された状態で伸縮方向に沿った操舵軸線回りに回転することに起因する。なお、2つのテレスコピック要素の可動範囲とは、2つのテレスコピック要素がハンドルの回転に連動して回転した時に、2つのテレスコピック要素が移動する空間のことである。

より具体的には、操舵軸線方向から見て、可動空間は2つのテレスコピック要素の外縁が描く円弧状の軌跡と操舵軸線とを結ぶ空間で定まるので、2つのテレスコピック要素の間隔を広げて外形を大きくすると、操舵軸線方向から見た可動空間は大きくなった半径の2乗に比例して大きくなってしまう。しかも、2つのテレスコピック要素は操舵軸線方向に長いため、体積で捉えた可動空間は非常に大きくなる。このため、特許文献1のように2つのテレスコピック要素の間に前輪回転速度検出装置を配置すると、可動空間が大きくなりやすく、車両が大型化しやすいことを見出した。

そこで本発明者らは、特許文献1とは異なり、デッドスペースが存在する2つのテレスコピック要素の間ではなくその外側に前輪回転速度検出装置を配置することを考え付いた。

しかしながら、単に2つのテレスコピック要素の間の外側に前輪回転速度検出装置を置くと、体積としての可動空間が大きくなる恐れがある。なお、一般に、前輪回転速度検出装置は、2つのテレスコピック要素と比較して、前輪の車輪軸線および操舵軸線方向に垂直な方向(前輪の車輪軸線に垂直な方向かつ操舵軸線方向に垂直な方向)および操舵軸線方向に小さい部品である。そこで、本発明者は、前輪回転速度検出装置と2つのテレスコピック要素の大小関係を使って、操舵軸線方向から見た可動空間の大きさと、操舵軸線方向について前輪回転速度検出装置を設ける位置を工夫することで、前輪回転速度検出装置および2つのテレスコピック要素の可動空間を小さくできることを見出した。

右前輪および左前輪の少なくとも一方の前輪の回転速度を計測可能であり、一方の前輪と共に回転する被検出部と、一方の前輪を支持する右緩衝装置または左緩衝装置の一方の緩衝装置に設けられる検出部とを含む前輪回転速度検出装置を備えた車両であって、 前輪回転速度検出装置の検出部の少なくとも一部は、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素または前記後テレスコピック要素に、車輪軸線方向に見て、(a)車輪軸線および操舵軸線に垂直な方向における一方の緩衝装置の前端を通り操舵軸線と平行な前仮想線および一方の緩衝装置の後端を通り操舵軸線と平行な後仮想線で挟まれた領域、かつ、(b)ホイールの外形の内側の領域、かつ、(c)前記一方の緩衝装置の前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられ、前テレスコピック要素または後テレスコピック要素に支持される。

本発明に係る車両によれば、(c)前輪回転速度検出装置の検出部の少なくとも一部は、一方の緩衝装置の前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている。前テレスコピック要素と後テレスコピック要素を、両者の間隔を狭くした状態で配置することができるため、操舵軸線方向に見て、緩衝装置が操舵軸線回りに回転したときの前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間の大型化が抑制されている。

また、(a)前輪回転速度検出装置の検出部の少なくとも一部は、車輪軸線方向に見て、車輪軸線および操舵軸線に垂直な方向における一方の緩衝装置の前端を通り操舵軸線と平行な前仮想線および一方の緩衝装置の後端を通り操舵軸線と平行な後仮想線で挟まれた領域に設けられている。この構成によれば、操舵軸線方向に見て、前輪回転速度検出装置の検出部の少なくとも一部が、前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間と重なる位置に設けられている。つまり、操舵軸線方向に見て、検出部および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素を含む緩衝装置が操舵軸線回りに回転したときに、検出部の可動空間の少なくとも一部が、前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間と重なっている。このため、車両に検出部を搭載しても、操舵軸線方向に見て、前輪回転速度検出装置および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間が大型化することが抑制されている。

さらに、上記領域でかつ、(b)前輪回転速度検出装置の検出部の少なくとも一部は、車輪軸線方向に見て、ホイールの外形の内側の領域に設けられている。つまり、前輪回転速度検出装置の検出部は、車輪軸線方向に見て、操舵軸線方向の上限および下限が定められた特定の領域の中に位置している。このため、3次元の可動空間の体積を考えたときも、検出部および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間が大型化することが抑制されている。 以上の理由により、前輪回転速度検出装置を搭載しても、前テレスコピック要素と後テレスコピック要素を含む緩衝装置の可動空間の大型化を抑制でき、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの前輪を備えた車両の大型化をより抑制できる。

上記本発明に係る車両において、以下の構成としてもよい。 (2) 前記操舵軸線は、前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、 前記車両が直立した状態において、前記一方の緩衝装置の前端より後方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている。

操舵軸線の上部が下部より後方に位置するように、操舵軸線が傾斜している場合には、緩衝装置が操舵軸線回りに回転したときの前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間について、その下部の前端が上部よりも前方に突出した形状となりやすい。 本発明に係る車両によれば、検出部の少なくとも一部は、緩衝装置の前端より後方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられる。つまり、車輪軸線方向に見て、検出部の少なくとも一部は、一方の緩衝装置の前端より後方の領域を使って配置されているため、検出部および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間の下部の前部が大きくなりにくい。これにより、前輪回転速度検出装置を搭載しても、前テレスコピック要素と後テレスコピック要素を含む緩衝装置の可動空間の大型化をより抑制できる。 さらに、検出部の少なくとも一部が緩衝装置の前端より後方に位置しているため、前方から検出部に接近する物体(例えば、縁石など)に対して、緩衝装置によって検出部を保護することができる。

上記本発明に係る車両において、以下の構成としてもよい。 (3) 前記操舵軸線は、前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、 前記車両が直立した状態において、前記一方の緩衝装置の前端より後方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の下端より前方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている。

操舵軸線の上部が下部より後方に位置するように、操舵軸線が傾斜している場合には、緩衝装置が操舵軸線回りに回転したときの前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間について、その下部の前端が上部よりも前方に突出し、その上部の後端が下部より後方に突出した形状となりやすい。

本発明に係る車両によれば、検出部の少なくとも一部は、車両が直立した状態において、一方の緩衝装置の前端より後方の領域、かつ、一方の緩衝装置の下端より前方の領域、かつ、一方の緩衝装置の前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている。 つまり、車輪軸線方向に見て、検出部の少なくとも一部は、緩衝装置の前端より後方の領域を使って配置されているため、検出部および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間の下部の前部が大きくなりにくい。 さらに、車輪軸線方向に見て、検出部の少なくとも一部は、緩衝装置の下端より前方の領域を使って配置されているため、検出部および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間の上部の後部が大きくなりにくい。 これにより、前輪回転速度検出装置を搭載しても、前テレスコピック要素と後テレスコピック要素を含む緩衝装置の可動空間の大型化をより抑制できる。 さらに、検出部の少なくとも一部が緩衝装置の前端より後方に位置しているため、前方から検出部に接近する物体に対して、緩衝装置によって検出部を保護することができる。また、検出部の少なくとも一部が緩衝装置の下端より前方に位置しているため、後方から検出部に接近する物体に対して、緩衝装置によって検出部を保護することができる。

上記本発明に係る車両において、以下の構成としてもよい。 (4) 前記操舵軸線は、前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、 前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの上下方向について前記一方の緩衝装置の下端より上方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている。

操舵軸線の上部が下部より後方に位置するように、操舵軸線が傾斜している場合には、緩衝装置が操舵軸線回りに回転したときの前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間について、その下部の前端が上部よりも前方に突出した形状となりやすい。 本発明に係る車両によれば、検出部の少なくとも一部は、車両が直立した状態において、車体フレームの上下方向について一方の緩衝装置の下端より上方の領域、かつ、前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている。 つまり、車輪軸線方向に見て、検出部の少なくとも一部は、車体フレームの上下方向について一方の緩衝装置の下端より上方の領域を使って配置されているため、操舵軸線方向について、検出部および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間が大きくなりにくい。 さらに、検出部の少なくとも一部が、車体フレームの上下方向について一方の緩衝装置の下端より上方に位置しているため、下方から検出部に接近する物体に対して、緩衝装置によって検出部を保護することができる。

上記本発明に係る車両において、以下の構成としてもよい。 (5) 前記操舵軸線は、前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前記前輪回転速度検出装置の前記検出部の少なくとも一部は、 前記車両が直立した状態において、前記車体フレームの上下方向について前記一方の緩衝装置の前記後テレスコピック要素の下端より上方の領域、かつ、前記車体フレームの上下方向について前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素の前端より下方の領域、かつ、前記一方の緩衝装置の前記前テレスコピック要素と前記後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている。

操舵軸線の上部が下部より後方に位置するように、操舵軸線が傾斜している場合には、緩衝装置が操舵軸線回りに回転したときの前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間について、その下部の前端が上部よりも前方に突出し、その上部の後端が下部よりも後方に突出した形状となりやすい。 本発明に係る車両によれば、検出部の少なくとも一部は、車両が直立した状態において、車体フレームの上下方向について一方の緩衝装置の後テレスコピック要素の下端より上方の領域、かつ、車体フレームの上下方向について一方の緩衝装置の前テレスコピック要素の前端より下方の領域、かつ、一方の緩衝装置の前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の間の領域の外側の領域に設けられている。 つまり、車輪軸線方向に見て、検出部の少なくとも一部は、車体フレームの上下方向について一方の緩衝装置の下端より上方の領域を使って配置されているため、操舵軸線方向について、検出部および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間が大きくなりにくい。 また、車輪軸線方向に見て、検出部の少なくとも一部は、車体フレームの上下方向について一方の緩衝装置の下端より上方の領域かつ緩衝装置の前端より下方の領域を使って配置されているため、操舵軸線方向について、検出部および前テレスコピック要素と後テレスコピック要素の可動空間が大きくなりにくい。

本発明の一実施形態に係る車両の全体側面図である。

図1の車両の前部の正面図である。

図1の車両の前部の平面図である。

図1の車両を転舵させた状態の車両前部の平面図である。

図1の車両を傾斜させた状態の車両前部の正面図である。

図1の車両を転舵させかつ傾斜させた状態の車両前部の正面図である。

右前輪から見た左前輪の側面図である。

右前輪から見た左前輪の側面図である。

右前輪から見た左前輪の側面図である。

右前輪から見た左前輪の側面図である。

右前輪から見た左前輪の側面図である。

参考例に係る車両の右前輪から見た左前輪の側面図である。

以下、本発明に係る車両の実施形態の一例を、添付図面を参照して説明する。 本実施形態では、車両の一例として、二つの前輪と一つの後輪を有する車両を例示する。

〈全体構成〉 図1は、車両1の全体を車両1の左方から見た側面図を示す。以下、図中の矢印Fは車両1の前方向を示し、矢印Bは車両1の後方向を示す。矢印Uは車両1の上方向を示し、矢印Dは車両1の下方向を示す。説明において前後左右の方向を示す場合、車両1を運転する乗員から見た前後左右の方向を意味する。車幅方向中央とは、車両1の車幅方向の中心位置を意味する。左右方向とは、平方向のみならず、水平方向から傾いた略左右方向を含むことを意味する。車幅方向の右方とは、車幅方向中央から右方に向かう方向を意味する。車幅方向の左方とは、車幅方向中央から左方に向かう方向を意味する。上下方向とは、鉛直方向のみならず、鉛直方向から傾いた略上下方向を含むことを意味する。また、車両1の無負荷状態とは、乗員が乗車せず、車両1に燃料を搭載していない状態における、前輪が転舵も傾斜もしていない直立状態を意味する。

図1に示すように、車両1は、車両本体部2と、左右一対の前輪3(図2参照)と、後輪4と、操舵機構7と、リンク機構5とを備えている。車両本体部2は、車体フレーム21と、車体カバー22と、シート24と、パワーユニット25とを備えている。

車体フレーム21は、ヘッドパイプ211と、ダウンフレーム212と、アンダーフレーム214と、リアフレーム213とを有する。図1では、車体フレーム21のうち、車体カバー22に隠れた部分は破線で示している。車体フレーム21は、パワーユニット25やシート24等を支持している。パワーユニット25は、エンジンあるいは電動モータ等の駆動源と、ミッション装置等を有する。

ヘッドパイプ211は、車両1の前部に配置されている。ヘッドパイプ211は、車両1の側面視で、下部より上部がやや後方に位置するように、垂直方向に対してやや傾斜して配置されている。ヘッドパイプ211の周囲には、操舵機構7およびリンク機構5が配置されている。ヘッドパイプ211には、操舵機構7のステアリングシャフト60が回転可能に挿入されている。ヘッドパイプ211はリンク機構5を支持している。車体フレーム21の一部であるヘッドパイプ211は、車両1の右旋回時に車両1の右方に傾斜し、車両1の左旋回時に車両1の左方に傾斜可能とされている。

ダウンフレーム212は、ヘッドパイプ211に接続されている。ダウンフレーム212は、ヘッドパイプ211から後方に配置され、上下方向に沿って延びている。ダウンフレーム212の下部には、アンダーフレーム214が接続されている。アンダーフレーム214は、ダウンフレーム212の下部から後方へ向けて延びている。アンダーフレーム214の後方には、リアフレーム213が後方かつ上方へ向けて延びている。リアフレーム213は、シート24、パワーユニット25およびテールランプ等を支持している。

車体フレーム21は、車体カバー22によって覆われている。車体カバー22は、フロントカバー221、左右一対のフロントフェンダー223、レッグシールド225、センターカバー226およびリアフェンダー224を有する。

フロントカバー221は、シート24の前方に位置している。フロントカバー221は、操舵機構7およびリンク機構5の少なくとも一部を覆っている。フロントカバー221は、リンク機構5よりも前方に配置される前部221aを有する。フロントカバー221の前部221aは、車両1の無負荷状態の側面視において、前輪3よりも上方に設けられている。フロントカバー221の前部221aは、車両1の無負荷状態の側面視において、前輪3の前端よりも後方に配置されている。レッグシールド225は、フロントカバー221の下方であって、シート24の前方に配置されている。センターカバー226は、リアフレーム213の周囲を覆うように配置されている。

左右一対のフロントフェンダー223(図2参照)は、フロントカバー221の下方であって、左右一対の前輪3の上方にそれぞれ配置されている。リアフェンダー224は、後輪4の後部上方に配置されている。

左右一対の前輪3は、無負荷状態で、ヘッドパイプ211の下方であってフロントカバー221の下方に配置されている。後輪4は、センターカバー226とリアフェンダー224の下方に配置されている。

〈操舵機構〉 図2は、図1の車両1の前部を正面から見た正面図である。図3は、図1の車両1の前部を上方から見た平面図である。図2および図3では、車体カバー22を透過させた状態で図示している。 図2および図3に示すように、操舵機構7は、操舵伝達機構6、懸架装置、および左右一対の前輪3を有する。懸架装置は、リンク機構5、左緩衝器33、右緩衝器34を含んでいる。懸架装置は、左前輪31および右前輪32を車体フレーム21に支持する。

左右一対の前輪3は、左前輪31および右前輪32を含んでいる。左前輪31および右前輪32は、車体フレーム21の左右方向に並んで配置されている。左前輪31と右前輪32は、車幅方向中央に対して左右対称に配置されている。また、左前輪31の上方には、左右一対のフロントフェンダー223のうち、第1フロントフェンダー227が配置されている。右前輪32の上方には、左右一対のフロントフェンダー223のうち、第2フロントフェンダー228が配置されている。左前輪31は左緩衝器33に支持されている。右前輪32は右緩衝器34に支持されている。 図1に示したように、左前輪31は、左タイヤ31aと、左タイヤ31aを支持し後述する左ブレーキディスク711と共に回転する左ホイール31bを含む。右前輪32は、右タイヤ32aと、右タイヤ32aを支持し後述する右ブレーキディスク721と共に回転する右ホイール32bを含む。

なお、本明細書において「車体フレーム21の左右方向」とは、車両1の正面視でヘッドパイプ211の軸方向に直交する方向を指す。また、車体フレーム21の上下方向とは、車両1の正面視で、ヘッドパイプ211の軸方向に延びる方向を指す。例えば、車体フレーム21の上下方向は、車両1の正面視でヘッドパイプ211の軸方向と一致する。図2のように、車両1が直立した状態においては、車両1の正面視で、車体フレーム21の右方RFと水平方向の右方Rが一致する。このため、図2においては水平方向の右方Rのみを表示している。図5のように、車両1が路面に対して傾斜した状態においては、車両1の正面視で、車体フレーム21の右方RFと水平方向の右方Rは一致せず、また、車体フレーム21の上方UFと鉛直方向の上方Uは一致しない。

左緩衝器33は、いわゆるテレスコピック式の緩衝器であり、路面からの振動を減衰させる。左緩衝器33は、下部に左前輪31を支持し、上部に対する左前輪31の車体フレーム21の上下方向における変位を緩衝する。左緩衝器33は、第1下側部33aおよび第1上側部33bを有する。左前輪31は第1下側部33aに支持されている。第1下側部33aは、上下方向に延び、その下端側に左車輪軸314が支持されている。左車輪軸314は、左前輪31を支持している。第1上側部33bは、その一部が第1下側部33aに挿入された状態で、第1下側部33aの上側に配置されている。第1上側部33bは、第1下側部33aの延びる方向において、第1下側部33aに対して相対移動可能である。第1上側部33bの上部は、左ブラケット317に固定されている。

第1下側部33aおよび第1上側部33bは、前後に並列して連結された2つのテレスコピック要素を構成している。それにより、第1下側部33aに対して第1上側部33bが相対回転することが抑制されている。

右緩衝器34は、いわゆるテレスコピック式の緩衝器であり、路面からの振動を減衰させる。右緩衝器34は、下部に右前輪32を支持し、上部に対する右前輪32の車体フレーム21の上下方向における変位を緩衝する。右緩衝器34は、第2下側部34aおよび第2上側部34bを有する。右前輪32は第2下側部34aに支持されている。第2下側部34aは、上下方向に延び、その下端側に右車輪軸324が支持されている。右車輪軸324は、右前輪32を支持している。第2上側部34bは、その一部が第2下側部34aに挿入された状態で、第2下側部34aの上側に配置されている。第2上側部34bは、第2下側部34aの延びる方向において、第2下側部34aに対して相対移動可能である。第2上側部34bの上部は、右ブラケット327に固定されている。

第2下側部34aおよび第2上側部34bは、前後に並列して連結された2つのテレスコピック要素を構成している。それにより、第2下側部34aに対して第2上側部34bが相対回転することが抑制されている。

操舵力伝達機構6は、左前輪31および右前輪32よりも上方に配置されている。操舵力伝達機構6は、乗員の操舵力を入力する部材として、操舵部材28を備えている。操舵部材28は、ステアリングシャフト60と、ステアリングシャフト60の上部に連結されたハンドルバー23とを有する。ステアリングシャフト60は、その一部がヘッドパイプ211に挿入されて略上下方向に延びるように配置され、ヘッドパイプ211に対して回転可能である。ステアリングシャフト60は、乗員によるハンドルバー23の操作に伴って回転される。

操舵力伝達機構6は、操舵部材28の他に、第1伝達プレート61、第2伝達プレート62、第3伝達プレート63、第1ジョイント64、第2ジョイント65、第3ジョイント66、タイロッド67、左ブラケット317および右ブラケット327を有する。操舵力伝達機構6は、乗員がハンドルバー23を操作する操舵力を、これらの部材を介して左ブラケット317および右ブラケット327に伝達する。

第1伝達プレート61は、車幅方向中央に配置され、ステアリングシャフト60に対し相対回転不能に連結されている。第1伝達プレート61は、ステアリングシャフト60の回転に伴って回転する。

第2伝達プレート62は、後述するリンク機構5の左サイド部53に対して回転可能に連結されている。第2伝達プレート62は、左ブラケット317に固定されている。第2伝達プレート62は、左ブラケット317の下方に位置している。第2伝達プレート62は、第1伝達プレート61の左方に配置されている。

第3伝達プレート63は、後述するリンク機構5の右サイド部54に対して回転可能に連結されている。第3伝達プレート63は、第1伝達プレート61回りに第2伝達プレート62と左右対称に配置されている。第3伝達プレート63は、右ブラケット327に固定されている。第3伝達プレート63は、右ブラケット327の下方に位置している。

第1伝達プレート61の前部には、第1ジョイント64が配置されている。第1ジョイント64は、上下方向に延びる回転軸によって第1伝達プレート61に対して回転可能に支持されている。第2伝達プレート62の前部には、第2ジョイント65が配置されている。第2ジョイント65は、上下方向に延びる回転軸によって第2伝達プレート62に対して回転可能に支持されている。第3伝達プレート63の前部には、第3ジョイント66が配置されている。第3ジョイント66は、上下方向に延びる回転軸によって第3伝達プレート63に対して回転可能に支持されている。第1ジョイント64、第2ジョイント65、第3ジョイント66は、それぞれの前部に、前後方向に延びる軸部を有する。

タイロッド67は、車幅方向に延びて配置されている。タイロッド67は、第1ジョイント64の前部、第2ジョイント65の前部、第3ジョイント66の前部で、それぞれ前後方向に延びる軸部に対して回転可能に支持されている。

このように構成された操舵力伝達機構6は、操舵部材28から伝達された操舵力を、第1伝達プレート61と第1ジョイント64を介してタイロッド67に伝える。これにより、タイロッド67は左右方向のいずれか一方に変位する。タイロッド67に伝わった操舵力は、タイロッド67から第2伝達プレート62と第2ジョイント65を介して左ブラケット317に伝わるとともに、タイロッド67から第3伝達プレート63と第3ジョイント66を介して右ブラケット327に伝わる。これにより、左ブラケット317および右ブラケット327は、タイロッド67が変位した方向に回転する。

〈リンク機構〉 本例では、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ぶ)方式のリンク機構5を採用している。 リンク機構5は、懸架装置の一部である。リンク機構5は、ハンドルバー23より下方に配置されている。リンク機構5は、車体フレーム21のヘッドパイプ211に連結されている。リンク機構5は、車両1の傾斜動作を行うための構成として、上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54を備えている。また、リンク機構5は、左サイド部53の下部に接続されて左サイド部53とともに傾斜する構成として、左ブラケット317と左緩衝器33を備えている。さらに、リンク機構5は、右サイド部54の下部に接続されて右サイド部54とともに傾斜する構成として、右ブラケット327と右緩衝器34を備えている。

右サイド部54は、右緩衝器34の上部を車体フレーム21の上下方向に延びる右操舵軸線Y2回りに回転可能に支持する。左サイド部53は、左緩衝器33の上部を右操舵軸線Y2と平行な左操舵軸線Y1回りに回転可能に支持する。 上クロス部51は、右サイド部54の上部を右端部に車体フレーム21の前後方向に延びる上右軸線E回りに回転可能に支持し、左サイド部53の上部を左端部に上右軸線Eに平行な上左軸線D回りに回転可能に支持し、中間部が車体フレーム21に上右軸線Eおよび上左軸線Dに平行な上中間軸線C回りに回転可能に支持されている。 下クロス部52は、右サイド部54の下部を右端部に上右軸線Eに平行な下右軸線H回りに回転可能に支持し、左サイド部53の下部を左端部に上左軸線Dに平行な下左軸線G回りに回転可能に支持し、中間部が車体フレーム21に上中間軸線Cと平行な下中間軸線F回りに回転可能に支持されている。

上クロス部51は、ヘッドパイプ211の前方に配置されて車幅方向に延びた板状の部材512を含む。板状の部材512は、支持部によってヘッドパイプ211に支持され、略前後方向に延びる上中間軸線C回りにヘッドパイプ211に対して回転可能である。 上クロス部51の左端は、連結部によって左サイド部53に連結されている。上クロス部51は、略前後方向に延びる上左軸線D回りに左サイド部53に対して回転可能である。上クロス部51の右端は、連結部によって右サイド部54に連結されている。上クロス部51は、略前後方向に延びる上右軸線E回りに右サイド部54に対して回転可能である。

下クロス部52は、支持部によってヘッドパイプ211に支持され、略前後方向に延びる下中間軸線F回りに回転可能である。下クロス部52は、上クロス部51よりも下方に配置されている。下クロス部52は、上クロス部51と略同じ車幅方向の長さを有し、上クロス部51と平行に配置されている。

下クロス部52は、車幅方向に延びた一対の板状の部材522,522を含む。一対の板状の部材522,522は、前後方向においてヘッドパイプ211を挟み込むように配置されている。一対の板状の部材522,522同士は、中間部523によって一体的に連結されている。なお、中間部523は、一対の板状の部材522,522と一体でも別体でもよい。下クロス部52の左端は、連結部によって左サイド部53に連結されている。下クロス部52は、略前後方向に延びる下左軸線G回りに左サイド部53に対して回転可能である。下クロス部52の右端は、連結部によって右サイド部54に連結されている。下クロス部52は、略前後方向に延びる下右軸線H回りに右サイド部54に対して回転可能である。

左サイド部53は、ヘッドパイプ211の左方に配置され、ヘッドパイプ211の延びる方向と平行に延びている。左サイド部53は、左前輪31の上方であって左緩衝器33よりも上方に配置されている。左サイド部53は、下部が左ブラケット317に連結され、左ブラケット317に対して左操舵軸線Y1を中心に回転可能に取り付けられている。

右サイド部54は、ヘッドパイプ211の右方に配置されて、ヘッドパイプ211の延びる方向と平行に延びている。右サイド部54は、右前輪32の上方であって右緩衝器34よりも上方に配置されている。右サイド部54は、下部が右ブラケット327に連結され、右ブラケット327に対して右操舵軸線Y2を中心に回転可能に取り付けられている。

このように、上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53、および右サイド部54は、上クロス部51と下クロス部52が相互に平行な姿勢を保ち、左サイド部53と右サイド部54が相互に平行な姿勢を保つように連結されている。

〈操舵動作〉 図4は、車両1の操舵動作を説明するための図であり、車両1を転舵させた状態の車両1の前部の平面図である。 図4に示すように、ハンドルバー23が左右方向に回されると、操舵機構7の操舵力伝達機構6が動作し、操舵動作が行われる。ハンドルバー23が回転されることでステアリングシャフト60が回転すると、ステアリングシャフト60の回転に伴って第1伝達プレート61が回転する。 例えば、ステアリングシャフト60が図4の矢印Tの方向に回転すると、第1伝達プレート61の回転に伴って、タイロッド67が左後方に移動する。このとき、第1伝達プレート61は第1ジョイント64の上下方向に延びる回転軸によって第1ジョイント64に対して回転し、タイロッド67は姿勢を維持しながら左後方に移動する。タイロッド67の左後方への移動に伴って、第2伝達プレート62および第3伝達プレート63は、それぞれ左サイド部53および右サイド部54回りに、矢印Tの方向に回転する。このとき、第2伝達プレート62は第2ジョイント65の上下方向に延びる回転軸回りに第2ジョイント65に対して回転し、第3伝達プレート63は第3ジョイント66の上下方向に延びる回転軸回りに第3ジョイント66に対して回転する。

第2伝達プレート62および第3伝達プレート63が矢印Tの方向に回転すると、左ブラケット317および右ブラケット327が矢印Tの方向に回転する。左ブラケット317および右ブラケット327が矢印Tの方向に回転すると、左前輪31が左緩衝器33を介して左操舵軸線Y1(図2参照)回りに回転し、右前輪32が右緩衝器34を介して右操舵軸線Y2(図2参照)回りに回転する。

〈傾斜動作〉 図5は、車両1の傾斜動作を説明するための図であり、車両1を傾斜させた状態の車両1の前部の正面図である。 図5に示すように、リンク機構5の作動に伴い車両1は左右方向に傾斜する。リンク機構5の作動とは、リンク機構5における傾斜動作を行うための各部材(上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54)がそれぞれの連結点を軸として相対回転し、リンク機構5の形状が変化することを意味している。 本例のリンク機構5では、例えば、直立状態において正面視で略長方形状に配置された上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54が、車両1が傾斜した状態において略平行四辺形に変形している。リンク機構5は、上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54の相対的な回転動作に連動して傾斜動作を行うことで、左前輪31および右前輪32をそれぞれ傾斜させる。

例えば、乗員が車両1を左方に傾斜させると、ヘッドパイプ211が垂直方向に対して車両1の左方に傾斜する。ヘッドパイプ211が傾斜すると、上クロス部51は上中間軸線C回りにヘッドパイプ211に対して回転し、下クロス部52は下中間軸線F回りにヘッドパイプ211に対して回転する。すると、上クロス部51が下クロス部52よりも左方に移動し、左サイド部53および右サイド部54は、ヘッドパイプ211と平行な状態を保ったまま、垂直方向に対して傾斜する。左サイド部53および右サイド部54が傾斜する際に、左サイド部53および右サイド部54は、上クロス部51および下クロス部52に対して回転する。したがって、車両1を傾斜させると、左サイド部53および右サイド部54の傾斜に伴って、左サイド部53および右サイド部54に支持された左前輪31および右前輪32は、それぞれ垂直方向に対してヘッドパイプ211と平行な状態を保ったまま傾斜する。

また、傾斜動作の際、タイロッド67は、第1ジョイント64、第2ジョイント65、第3ジョイント66の前後方向の軸部に対してそれぞれ回転する。これにより、タイロッド67は、車両1が傾斜しても上クロス部51と下クロス部52に対して平行な姿勢を保つ。

このように、傾斜動作を行うことで左前輪31および右前輪32をそれぞれ傾けるリンク機構5は、左前輪31および右前輪32の上方に配置されている。つまり、リンク機構5を構成する回転部材である上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54の回転軸は、左前輪31および右前輪32より上方に配置されている。

〈操舵動作+傾斜動作〉 図6は、車両1を転舵させかつ傾斜させた状態の車両1の前部の正面図である。 図6では、左方に操舵し、車両1の左方に傾斜した状態を示している。図6に示す動作時には、操舵動作により左前輪31および右前輪32の向きが変更され、傾斜動作により左前輪31および右前輪32が車体フレーム21とともに傾斜される。この状態では、リンク機構5の上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54が略平行四辺形に変形し、タイロッド67が左右何れかの操舵した方向(図6では左方)かつ後方に移動する。

〈テレスコピック要素〉 図7は、右前輪32から見た左前輪31の側面図である。なお、図7では、左前輪31およびその周囲の部材だけを図示し、右前輪32およびその周囲の各部材は、符号を付して図示を省略する。また、本例において、右前輪32およびその周囲に配置される各部材の形状やそれらの配置関係は、左前輪31およびその周囲に配置される各部材と左右対称であり、便宜上、図7を参照して右前輪32およびその周囲の各部材を説明する。

懸架装置は、左前輪31を直線状に変位可能に支持する左テレスコピック要素と、右前輪32を直線状に変位可能に支持する右テレスコピック要素を有する。 図7に示すように、懸架装置の一部である左緩衝器33(左緩衝装置の一例)は、左テレスコピック要素を含む。左テレスコピック要素は、左後テレスコピック要素331、左前テレスコピック要素332と、左ブラケット317(連結部の一例)、左車軸支持部333(連結部の一例)を含む。

左後テレスコピック要素331および左前テレスコピック要素332は、前後に並列して連結されている。左後テレスコピック要素331の下部および左前テレスコピック要素332の下部は、第1下側部33aを構成する。左後テレスコピック要素331の上部および左前テレスコピック要素332の上部は、第1上側部33bを構成する。左後テレスコピック要素331および左前テレスコピック要素332は、左前輪31より車体フレーム21の右方に配置されている。

左後テレスコピック要素331は、円柱状の左後インナー要素331aと、円筒状の左後アウター要素331bを有する。左後インナー要素331aの少なくとも一部は、左操舵軸線Y1方向について、左後アウター要素331bより上方に位置している。左後インナー要素331aの一部は、左後アウター要素331bに挿入されている。

左前テレスコピック要素332は、円柱状の左前インナー要素332aと、円筒状の左前アウター要素332bを有する。左前インナー要素332aの少なくとも一部は、左操舵軸線Y1方向について、左前アウター要素332bより上方に位置している。左前インナー要素332aの一部は、左前アウター要素332bに挿入されている。

左後テレスコピック要素331は、左操舵軸線Y1方向に沿って伸縮する伸縮構造を有する。左後テレスコピック要素331には、内部にスプリング等の弾性部材(図示略)およびオイル等の緩衝部材(図示略)が設けられている。左後テレスコピック要素331は、左前輪31からの振動や衝撃を吸収するダンパー機能を有する。

左前テレスコピック要素332は、左後テレスコピック要素331より前方に配置されている。左前テレスコピック要素332は、左操舵軸線Y1方向に沿って伸縮する伸縮構造を有する。

左後テレスコピック要素331の上部および左前テレスコピック要素332の上部は、左ブラケット317によって連結されている。左後テレスコピック要素331の下部および左前テレスコピック要素332の下部は、左車軸支持部333によって連結されている。

左前テレスコピック要素332は、左操舵軸線Y1方向において、左後テレスコピック要素331よりも長さが短い。左前テレスコピック要素332の下端部より下方には、左車輪軸314を支持する左車軸支持部333が配置されている。

図7に示すように、懸架装置の一部である右緩衝器34(右緩衝装置の一例)は、右テレスコピック要素を含む。右テレスコピック要素は、右後テレスコピック要素341、右前テレスコピック要素342と、右ブラケット327(連結部の一例)、右車軸支持部343(連結部の一例)を含む。

右後テレスコピック要素341および右前テレスコピック要素342は、前後に並列して連結されている。右後テレスコピック要素341の下部および右前テレスコピック要素342の下部は、第2下側部34aを構成する。右後テレスコピック要素341の上部および右前テレスコピック要素342の上部は、第2上側部34bを構成する。右後テレスコピック要素341および右前テレスコピック要素342は、右前輪32より車体フレーム21の左方に配置されている。

右後テレスコピック要素341は、円柱状の右後インナー要素341aと、円筒状の右後アウター要素341bを有する。右後インナー要素341aの少なくとも一部は、右操舵軸線Y2方向について、右後アウター要素341bより上方に位置している。右後インナー要素341aの一部は、右後アウター要素341bに挿入されている。

右前テレスコピック要素342は、円柱状の右前インナー要素342aと、円筒状の右前アウター要素342bを有する。右前インナー要素342aの少なくとも一部は、右操舵軸線Y2方向について、右前アウター要素342bより上方に位置している。右前インナー要素342aの一部は、右前アウター要素342bに挿入されている。

右後テレスコピック要素341は、右操舵軸線Y2方向に沿って伸縮する伸縮構造を有する。右後テレスコピック要素341には、内部にスプリング等の弾性部材(図示略)およびオイル等の緩衝部材(図示略)が設けられている。右後テレスコピック要素341は、右前輪32からの振動や衝撃を吸収するダンパー機能を有する。

右前テレスコピック要素342は、右後テレスコピック要素341より前方に配置されている。右前テレスコピック要素342は、右操舵軸線Y2方向に沿って伸縮する伸縮構造を有する。

右後テレスコピック要素341の上部および右前テレスコピック要素342の上部は、右ブラケット327によって連結されている。右後テレスコピック要素341の下部および右前テレスコピック要素342の下部は、右車軸支持部343によって連結されている。

右前テレスコピック要素342は、右操舵軸線Y2方向において、右後テレスコピック要素341よりも長さが短い。右前テレスコピック要素342の下端部より下方には、右車輪軸324を支持する右車軸支持部343が配置されている。

〈ディスクブレーキ〉 図7に示すように、左前輪31には、左ディスクブレーキ71(左制動装置の一例)が設けられている。左ディスクブレーキ71は、左前輪31を制動する。左ディスクブレーキ71は、左前輪31に設けられた左ブレーキディスク711と、左ブレーキディスク711の回転を制動する左ブレーキキャリパ712を有する。

左ブレーキディスク711は、左車輪軸314を中心とした環状に形成されている。左ブレーキディスク711は、左前輪31に固定されている。 左ブレーキキャリパ712は、左緩衝器33に設けられている。左ブレーキキャリパ712は、左緩衝器33の左後テレスコピック要素331の下端部に固定されている。左ブレーキキャリパ712は、左緩衝器33の左後テレスコピック要素331の下端部の後部に設けられている。左ブレーキキャリパ712には、ブレーキホース714が接続されている。左ブレーキキャリパ712には、ブレーキホース714によってブレーキフルード(ブレーキ液)が送り込まれて油圧が付与される。左ブレーキキャリパ712は、左ブレーキディスク711の右方に位置する左右ブレーキパッドと、左ブレーキディスク711の左方に位置する左左ブレーキパッドを含む。左ブレーキキャリパ712は、油圧が付与されることで左ブレーキディスク711の両面にそれぞれ左右ブレーキパッドと左左ブレーキパッドを押し付ける。左ブレーキキャリパ712は、左ブレーキディスク711を左右ブレーキパッドおよび左左ブレーキパッドで挟持して、回転する左ブレーキディスク711を制動する。

右前輪32には、右ディスクブレーキ72が設けられている。右ディスクブレーキ72は、右前輪32を制動する。右ディスクブレーキ72は、右前輪32に設けられた右ブレーキディスク721と、右ブレーキディスク721の回転を制動する右ブレーキキャリパ722を有する。

右ブレーキディスク721は、右車輪軸324を中心とした環状に形成されている。右ブレーキディスク721は、右前輪32に固定されている。 右ブレーキキャリパ722は、右緩衝器34に設けられている。右ブレーキキャリパ722は、右緩衝器34の右後テレスコピック要素341の下端部に固定されている。右ブレーキキャリパ722は、右緩衝器34の右後テレスコピック要素341の下端部の後部に設けられている。右ブレーキキャリパ722には、ブレーキホース724が接続されている。右ブレーキキャリパ722には、ブレーキホース724によってブレーキフルードが送り込まれて油圧が付与される。右ブレーキキャリパ722は、右ブレーキディスク721の右方に位置する右右ブレーキパッドと、右ブレーキディスク721の左方に位置する右左ブレーキパッドを含む。右ブレーキキャリパ722は、油圧が付与されることで右ブレーキディスク721の両面にそれぞれ右右ブレーキパッドおよび右左ブレーキパッドを押し付ける。右ブレーキキャリパ722は、右ブレーキディスク721をブレーキパッドで挟持して、回転する右ブレーキディスク721を制動する。

〈車輪速センサ〉 本実施形態に係る車両1は、左前輪31の回転速度を計測可能な左車輪速センサ81(前輪回転速度検出装置の一例)と、右前輪32の回転速度を計測可能な右車輪速センサ82(前輪回転速度検出装置の一例)とを有する。 図7に示すように、左車輪速センサ81は、左前輪31と共に回転する左センサディスク811(被検出部の一例)と、懸架装置に設けられる左検出部812(検出部の一例)を有する。左センサディスク811は、左車輪軸314を中心とした環状に形成されている。左センサディスク811は、左ブレーキディスク711よりも小径に形成されている。左センサディスク811は、左ブレーキディスク711の外周縁より内方に配置されている。左センサディスク811は、左前輪31に固定されている。左検出部812は、例えば、光学的または磁気的に左センサディスク811の回転を検出する。左検出部812には、センサコード813が接続されている。左検出部812での検出値は、センサコード813で送信される。センサコード813を介して送信される左検出部812の検出値に基づいて、左前輪31の車輪速が計測される。

左車軸支持部333の右面には、左センサステー814が固定されている。左センサステー814には、左車輪速センサ81の左検出部812が支持されている。左センサステー814は、車両1の走行時に左緩衝器33が振動しても、左車輪速センサ81の左検出部812の検出精度が十分に維持できる程度の剛性を有している。

左車輪速センサ81の左検出部812は、左車輪軸314より前方に配置されている。左ディスクブレーキ71の左ブレーキキャリパ712は、左車輪軸314より前方に配置されている。前後方向について、左車輪軸314は、左検出部812と左ブレーキキャリパ712の間に配置されている。左検出部812は、左前テレスコピック要素332の軸線方向の延長線と少なくとも一部が重なるように配置されている。

右車輪速センサ82は、右前輪32と共に回転する右センサディスク821(被検出部の一例)と、懸架装置に設けられる右検出部822(検出部の一例)を有する。右センサディスク821は、右車輪軸324を中心とした環状に形成されている。右センサディスク821は、右ブレーキディスク721よりも小径に形成されている。右センサディスク821は、右ブレーキディスク721の外周縁より内方に配置されている。右センサディスク821は、右前輪32に固定されている。右検出部822は、例えば、光学的または磁気的に右センサディスク821の回転を検出する。右検出部822には、センサコード823が接続されている。右検出部822での検出値は、センサコード823で送信される。センサコード823を介して送信される右検出部822の検出値に基づいて、右前輪32の車輪速が計測される。

右車軸支持部343の左面には、右センサステー824が固定されている。右センサステー824には、右車輪速センサ82の右検出部822が支持されている。右センサステー824は、車両1の走行時に右緩衝器34が振動しても、右車輪速センサ82の右検出部822の検出精度が十分に維持できる程度の剛性を有している。

右車輪速センサ82の右検出部822は、右車輪軸324より前方に配置されている。右ディスクブレーキ72の右ブレーキキャリパ722は、右車輪軸324より前方に配置されている。前後方向について、右車輪軸324は、右検出部822と右ブレーキキャリパ722の間に配置されている。右検出部822は、右前テレスコピック要素342の軸線方向の延長線と少なくとも一部が重なるように配置されている。

本実施形態においては、図7に示すように、左前輪回転速度検出装置81の左検出部812の少なくとも一部は、左緩衝器33の左前テレスコピック要素332に支持され、左車輪軸線Z1方向に見て、(a)車輪軸線Z1および左操舵軸線Y1に垂直な方向Mにおける左緩衝器33の前端33Aを通り左操舵軸線Y1と平行な前仮想線Iおよび左緩衝器33の後端33Bを通り左操舵軸線Y1と平行な後仮想線Jで挟まれた領域、かつ、(b)左ホイール31bの外形Kの内側の領域、かつ、(c)左前テレスコピック要素332と左後テレスコピック要素331の間の領域Lの外側の領域に位置している。 (c)について、より具体的には、図7に示したように、左前輪回転速度検出装置81の左検出部812の少なくとも一部は、車輪軸線Z1方向に見て、左ブラケット317の下縁、左前インナー要素332aの後縁、左前アウター要素332bの後縁、左車軸支持部333の上縁、左後アウター要素331bの前縁、左後インナー要素331aの前縁、で囲まれる領域Lの外側に、配置されている。 また、図7に示すように、右前輪回転速度検出装置82の右検出部822の少なくとも一部は、右緩衝器34の一方の右前テレスコピック要素342に支持され、車輪軸線Z2方向に見て、(a)右車輪軸線Z2および右操舵軸線Y2に垂直な方向Mにおける右緩衝器34の前端34Aを通り右操舵軸線Y2と平行な前仮想線Iおよび右緩衝器34の後端34Bを通り右操舵軸線Y2と平行な後仮想線Jで挟まれた領域、かつ、(b)右ホイール32bの外形Kの内側の領域、かつ、(c)右前テレスコピック要素342と右後テレスコピック要素341の間の領域Lの外側の領域に位置している。 (c)について、より具体的には、図7に示したように、右前輪回転速度検出装置82の右検出部822の少なくとも一部は、車輪軸線Z2方向に見て、右ブラケット327の下縁、右前インナー要素342aの後縁、右前アウター要素342bの後縁、右車軸支持部343の上縁、右後アウター要素341bの前縁、右後インナー要素341aの前縁、で囲まれる領域Lの外側に、配置されている。

(効果) 本発明者は、前輪回転速度検出装置82,81を配置するために、左右の緩衝器33,34の周囲の構造について、鋭意研究した。その結果、特許文献1のように(図12参照)、前テレスコピック要素および後テレスコピック要素の間のデッドスペースを利用して前輪回転速度検出装置を配置した場合、前テレスコピック要素および後テレスコピック要素の間隔を少し広げる必要があることがわかった。前輪回転速度検出装置は、センサ本体に加えて、センサ本体を車両に取り付けるためのブラケット、およびブラケットを車両に固定するための締結部材を有する。この前輪回転速度検出装置を車両に搭載するためには、車両側にも、前輪回転速度検出装置が取り付けられるブラケットが設けられる。そのため、前テレスコピック要素および後テレスコピック要素の間に前輪回転速度検出装置を搭載すると、搭載しない場合と比べて前テレスコピック要素および後テレスコピック要素の間隔を少し広げる必要がある。一見したところ、前テレスコピック要素および後テレスコピック要素の間隔を少し広げても、緩衝装置自体が少し大型化するだけであり、車両全体に対する該緩衝装置の大型化の影響は少ないと思われる。

ところが、本発明者は、鋭意研究する中で、次のような課題に気がついた。それは、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331の間隔を広げると、その可動範囲が非常に大きくなり、他の部品との干渉を避けるために、車両1が大型化しやすいということである。これは、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331は伸縮方向に長い部材であること、また、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331が互いに固定された状態で伸縮方向に沿った操舵軸線Y2,Y1回りに回転することに起因する。なお、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331の可動範囲とは、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331がハンドルバー23の回転に連動して回転した時に、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331が移動する空間のことである。

より具体的には、右操舵軸線Y2方向または左操舵軸線Y1方向から見て、可動空間は前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331の外縁が描く円弧状の軌跡と操舵軸線Y2,Y1とを結ぶ空間で定まるので、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331の間隔を広げてその外形が大きくなると、操舵軸線Y2,Y1方向から見た可動空間は大きくなった半径の2乗に比例して大きくなってしまう。しかも、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331は操舵軸線Y2,Y1方向に長いため、体積で捉えた可動空間は非常に大きくなる。このため、特許文献1のように前テレスコピック要素および後テレスコピック要素の間に前輪回転速度検出装置を配置すると、可動空間が大きくなりやすく、車両が大型化しやすいことを見出した。

そこで本発明者は、特許文献1とは異なり、デッドスペースが存在する前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331の間ではなくその外側に前輪回転速度検出装置82,81を配置することを考え付いた。

しかしながら、単に前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331の間の外側に前輪回転速度検出装置82,81を置くと、3次元の可動空間の体積が大きくなる恐れがある。なお、一般に、前輪回転速度検出装置82,81は、前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331と比較して、前輪の車輪軸線Z2,Z1および操舵軸線Y2,Y1方向に垂直な方向(前輪の車輪軸線Z2,Z1に垂直な方向かつ操舵軸線Y2,Y1方向に垂直な方向M)および操舵軸線Y2,Y1方向に小さい部品である。そこで、本発明者は、前輪回転速度検出装置82,81と前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331の大小関係を使って、操舵軸線Y2,Y1方向から見た可動空間の大きさと、操舵軸線Y2,Y1方向について前輪回転速度検出装置82,81を設ける位置を工夫することで、前輪回転速度検出装置82,81および前テレスコピック要素342,332および後テレスコピック要素341,331の可動空間を小さくできることを見出した。

前輪回転速度検出装置82,81は、右前輪32または左前輪31の少なくとも一方の前輪32,31の回転速度を計測可能であり、一方の前輪32,31と共に回転する被検出部821,811と、一方の前輪32,31を支持する右緩衝器34または左緩衝器33の一方に設けられる検出部822,812とを含む。 前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部は、右緩衝器34または左緩衝器33の一方の緩衝器33,34の前テレスコピック要素342,332または後テレスコピック要素341,331に、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、 (a)車輪軸線Z2,Z1および操舵軸線Y2,Y1に垂直な方向Mにおける一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aを通り操舵軸線Y2,Y1と平行な前仮想線Iおよび、一方の緩衝器34,33の後端34B,33Bを通り操舵軸線Y2,Y1と平行な後仮想線Jで挟まれた領域、かつ、 (b)一方の前輪31,32のホイール32b,31bの外形Kの内側の領域、かつ、 (c)一方の緩衝器33,34の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域において、 一方の緩衝器33,34の前テレスコピック要素342,332または後テレスコピック要素341,331に支持される。

なお、ここでいう一方の車輪32,31とは、左前輪31の回転速度を検出する左前輪回転速度検出装置81の左検出部812に関して左前輪33を意味し、右前輪32の回転速度を検出する右前輪回転速度検出装置82の右検出部822に関して右前輪34を意味する。 また、ここでいう一方の緩衝器34,33とは、左前輪31の回転速度を検出する左前輪回転速度検出装置81の検出部812に関して左緩衝器33を意味し、右前輪32の回転速度を検出する右前輪回転速度検出装置82の検出部822に関して右緩衝器34を意味する。 すなわち、左検出部812の少なくとも一部は、左車輪軸線Z1方向に見て、 (a)左車輪軸線Z1および左操舵軸線Y1に垂直な方向Mにおける左緩衝器33の前端33Aを通り左操舵軸線Y1と平行な前仮想線Iおよび、左緩衝器33の後端33Bを通り左操舵軸線Y1と平行な後仮想線Jで挟まれた領域、かつ、 (b)左ホイール31bの外形Kの内側の領域、かつ、 (c)左緩衝器33の左前テレスコピック要素332と左後テレスコピック要素331の間の領域Lの外側の領域において、 左緩衝器33の左前テレスコピック要素332または左後テレスコピック要素331に支持される。 また、右検出部822の少なくとも一部は、右車輪軸線Z2方向に見て、 (a)右車輪軸線Z2および右操舵軸線Y2に垂直な方向Mにおける右緩衝器34の前端34Aを通り右操舵軸線Y2と平行な前仮想線Iおよび、右緩衝器34の後端34Bを通り右操舵軸線Y2と平行な後仮想線Jで挟まれた領域、かつ、 (b)右ホイール32bの外形Kの内側の領域、かつ、 (c)右緩衝器34の右前テレスコピック要素342と右後テレスコピック要素341の間の領域Lの外側の領域において、 右緩衝器34の右前テレスコピック要素342または右後テレスコピック要素341に支持される。

本発明に係る車両1によれば、(c)前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部は、一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられている。 前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331を、両者の間隔を狭くした状態で配置することができるため、操舵軸線Y2,Y1方向に見て、緩衝器34,33が操舵軸線Y2,Y1回りに回転したときの前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間の大型化が抑制されている。

また、(a)前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部は、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、車輪軸線Z2,Z1および操舵軸線Y2,Y1に垂直な方向Mにおける一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aを通り操舵軸線Y2,Y1と平行な前仮想線Iおよび一方の緩衝器34,33の後端34B,33Bを通り操舵軸線Y2,Y1と平行な後仮想線Jで挟まれた領域に設けられている。 この構成によれば、操舵軸線Y2,Y1方向に見て、前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、一方の緩衝器33,34の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間と重なる位置に設けられている。つまり、操舵軸線Y2,Y1方向に見て、検出部822,812および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331を含む緩衝器34,33が操舵軸線Y2,Y1回りに回転したときに、検出部822,812の可動空間の少なくとも一部が、前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間と重なっている。このため、車両1に検出部822,812を搭載しても、操舵軸線Y2,Y1方向に見て、前輪回転速度検出装置82,81および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間が大型化することが抑制されている。

さらに、上記領域でかつ、(b)前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部は、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、一方の前輪31,32のホイール32b,31bの外形Kの内側の領域に設けられている。 つまり、前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812は、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、操舵軸線Y2,Y1方向の上限および下限が定められた特定の領域の中に位置している。このため、3次元の可動空間の体積を考えたときも、検出部822,812および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間が大型化することが抑制されている。

以上の理由により、前輪回転速度検出装置82,81を搭載しても、前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331を含む緩衝器34,33の可動空間の大型化を抑制でき、傾斜可能な車体フレーム21と左右に並ぶ2つの前輪32,31を備えた車両1の大型化をより抑制できる。

図8は、図7に補助線Nを追加したものである。補助線Nは、緩衝器34,33の前端34A,33Aを通る鉛直線である。 本実施形態において、図8に示したように、 操舵軸線Y2,Y1は、車両1が直立した状態において、車体フレーム21の前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部は、 車両1が直立した状態において、一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aより後方(補助線Nより後方)の領域、かつ、前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられている。

操舵軸線Y2,Y1の上部が下部より後方に位置するように、操舵軸線Y2,Y1が傾斜している場合には、緩衝器34,33が操舵軸線Y2,Y1回りに回転したときの前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間について、その下部の前端が上部よりも前方に突出した形状となりやすい。 本発明に係る車両1によれば、検出部822,812の少なくとも一部は、一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aより後方(補助線Nより後方)の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられる。つまり、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、検出部822,812の少なくとも一部は、緩衝器34,33の前端34A,33Aより後方(補助線Nより後方)の領域を使って配置されているため、検出部822,812および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間の下部の前部が大きくなりにくい。これにより、前輪回転速度検出装置82,81を搭載しても、前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331を含む緩衝装置の可動空間の大型化をより抑制できる。 さらに、検出部822,812の少なくとも一部が緩衝器34,33の前端34A,33Aより後方に位置しているため、前方から検出部822,812に接近する物体(例えば、縁石など)に対して、緩衝器34,33によって検出部822,812を保護することができる。

図9は、図7に補助線N,Oを追加したものである。補助線Oは、緩衝器34,33の下端34C,33Cを通る鉛直線である。 本実施形態において、図9に示すように、 操舵軸線Y2,Y1は、車両1が直立した状態において、車体フレーム21の前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部は、 車両1が直立した状態において、一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aより後方(補助線Nより後方)の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより前方(補助線Oより前方)の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられている。

操舵軸線Y2,Y1の上部が下部より後方に位置するように、操舵軸線Y2,Y1が傾斜している場合には、緩衝器34,33が操舵軸線Y2,Y1回りに回転したときの前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間について、その下部の前端が上部よりも前方に突出し、その上部の後端が下部より後方に突出した形状となりやすい。 本発明に係る車両1によれば、検出部822,812の少なくとも一部は、車両1が直立した状態において、一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aより後方(補助線Nより後方)の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより前方(補助線Oより前方)の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられている。

つまり、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、検出部822,812の少なくとも一部は、一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aより後方の領域を使って配置されているため、検出部822,812および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間の下部の前部が大きくなりにくい。 さらに、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、検出部822,812の少なくとも一部は、一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより前方(補助線Oより前方)の領域を使って配置されているため、検出部822,812および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間の上部の後部が大きくなりにくい。 これにより、前輪回転速度検出装置82,81を搭載しても、前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331を含む緩衝器34,33の可動空間の大型化をより抑制できる。

さらに、検出部822,812の少なくとも一部が、一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aより後方に位置しているため、前方から検出部822,812に接近する物体に対して、緩衝器34,33によって検出部822,812を保護することができる。また、検出部822,812の少なくとも一部が、一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより前方に位置しているため、後方から検出部822,812に接近する物体に対して、緩衝器34,33によって検出部822,812を保護することができる。

図10は、図7に補助線Pを追加したものである。補助線Pは、緩衝器34,33の下端34C,33Cを通る水平線である。 本実施形態において、図10に示すように、 操舵軸線Y2,Y1は、車両1が直立した状態において、車体フレーム21の前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部は、 車両1が直立した状態において、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより上方(補助線Pより上方)の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられている。

操舵軸線Y2,Y1の上部が下部より後方に位置するように、操舵軸線Y2,Y1が傾斜している場合には、緩衝器34,33が操舵軸線Y2,Y1回りに回転したときの前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間について、その下部の前端が上部よりも前方に突出した形状となりやすい。 本発明に係る車両1によれば、車両1が直立した状態において、検出部822,812の少なくとも一部は、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより上方の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられている。

つまり、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、検出部822,812の少なくとも一部は、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより上方(補助線Pより上方)の領域を使って配置されているため、操舵軸線Y2,Y1方向について、検出部822,812および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間が大きくなりにくい。

さらに、検出部822,812の少なくとも一部が、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより上方(補助線Pより上方)に位置しているため、下方から検出部822,812に接近する物体に対して、緩衝器34,33によって検出部822,812を保護することができる。

図11は、図7に補助線P,Qを追加したものである。補助線Qは、前テレスコピック要素342,332の前端34A,33Aを通る水平線である。 本実施形態において、図11に示すように、 操舵軸線Y2,Y1は、車両1が直立した状態において、車体フレーム21の前後方向においてその上部がその下部より後方に位置するように形成され、 前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部は、 車両1が直立した状態において、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の後テレスコピック要素341,331の下端34C,33Cより上方(補助線Pより上方)の領域、かつ、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332の前端34A,33Aより下方(補助線Qより下方)の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられている。

本実施形態においては、緩衝器34,33の下端34C,33Cは、後テレスコピック要素341,331の下端34C,33Cと一致している。また、緩衝器34,33の前端34A,33Aは、前テレスコピック要素342,332の前端34A,33Aと一致している。

操舵軸線Y2,Y1の上部が下部より後方に位置するように、操舵軸線Y2,Y1が傾斜している場合には、緩衝器34,33が操舵軸線Y2,Y1回りに回転したときの前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間について、その下部の前端が上部よりも前方に突出し、その上部の後端が下部よりも後方に突出した形状となりやすい。

本発明に係る車両1によれば、車両1が直立した状態において、検出部822,812の少なくとも一部は、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の後テレスコピック要素341,331の下端34C,33Cより上方(補助線Pより上方)の領域、かつ、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332の前端34A,33Aより下方(補助線Qより下方)の領域、かつ、一方の緩衝器34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域に設けられている。

つまり、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、検出部822,812の少なくとも一部は、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより上方(補助線Pより上方)の領域を使って配置されているため、操舵軸線Y2,Y1方向について、検出部822,812および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間が大きくなりにくい。

また、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、検出部822,812の少なくとも一部は、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝器34,33の下端34C,33Cより上方(補助線Pより上方)の領域かつ一方の緩衝器34,33の前端34A,33Aより下方(補助線Qより下方)の領域を使って配置されているため、操舵軸線Y2,Y1方向について、検出部822,812および前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の可動空間が大きくなりにくい。

上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。

本明細書で用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって、限定的に解釈するために用いられたものではない。本明細書に示され、かつ述べられた特徴事項のいかなる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されねばならない。

例えば、本実施形態では、懸架装置がパラレログラム式のリンク機構5を有する構成を説明したが、本発明はこれに限られない。懸架装置が、いわゆるダブルウィッシュボーン式のリンク機構を有してもよい。

本実施形態では、左緩衝器33が左前輪31より右方に位置し、右緩衝器34が右車輪より左方に位置する例を説明したが、本発明はこれに限られない。左緩衝器33が左前輪31より左方に位置し、右緩衝器34が右車輪より右方に位置してもよい。

また、本実施形態では、左前テレスコピック要素332の下端が左後テレスコピック要素331の下端より上方に位置し、右前テレスコピック要素342の下端が右後テレスコピック要素341の下端より上方に位置する例を説明したが、本発明はこれに限られない。 左前テレスコピック要素332の下端が左後テレスコピック要素331の下端より下方に位置し、右前テレスコピック要素342の下端が右後テレスコピック要素341の下端より下方に位置してもよい。

本実施形態では、左前輪回転速度検出装置81および右前輪回転速度検出装置82の両方を備えた車両1を説明したが、左前輪回転速度検出装置81および右前輪回転速度検出装置82のいずれか一方のみを含む車両としてもよい。

また、本実施形態では、前輪回転速度検出装置を、検出部と、被検出部と、センサコードと、センサステーを含む装置として説明したが、本発明はこれに限られない。これらの他に、検出部をテレスコピック要素などに固定する1つ以上のブラケットを含んでもよい。

なお、前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の位置は、上述した実施形態に限られない。 本発明においては、前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、車輪軸線Z2,Z1方向に見て、車輪軸線Z2,Z1および操舵軸線Y2,Y1に垂直な方向における一方の緩衝装置34,33の前端を通り操舵軸線Y2,Y1と平行な前仮想線および一方の緩衝装置34,33の後端を通り操舵軸線Y2,Y1と平行な後仮想線で挟まれた領域(a)、かつ、ホイール32b,31bの外形の内側の領域(b)、かつ、一方の緩衝装置34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域(c)に位置していればよい。

前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の全体が、領域(a),(b),(c)で定義された領域に位置していてもよい。あるいは、前輪回転速度検出装置82,81の全体が、領域(a),(b),(c)で定義された領域に位置していてもよい。

前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、領域(a),(b),(c)で定義された領域、かつ、車両1,1Aが直立した状態において、一方の緩衝装置34,33の前端より後方の領域、かつ、一方の緩衝装置34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域(d)、に設けられていてもよい。 あるいは、前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、領域(a),(b),(c)で定義された領域、かつ、領域(d)で定義された領域の外側の領域に位置していてもよい。

前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、領域(a),(b),(c)で定義された領域、かつ、車両1,1Aが直立した状態において、一方の緩衝装置34,33の前端より後方の領域、かつ、一方の緩衝装置34,33の下端より前方の領域、かつ、一方の緩衝装置34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域(e)、に設けられていてもよい。 あるいは、前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、領域(a),(b),(c)で定義された領域、かつ、領域(e)で定義された領域の外側の領域に位置していてもよい。

前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、領域(a),(b),(c)で定義された領域、かつ、車両1,1Aが直立した状態において、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝装置34,33の下端より上方の領域、かつ、一方の緩衝装置34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域(f)、に位置していてもよい。 あるいは、前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、領域(a),(b),(c)で定義された領域、かつ、領域(f)で定義された領域の外側の領域に位置していてもよい。

前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、領域(a),(b),(c)で定義された領域、かつ、車両1,1Aが直立した状態において、車体フレーム21の上下方向について一方の緩衝装置34,33の後テレスコピック要素341,331の下端より上方の領域、かつ、車体フレーム21の上下方向について、一方の緩衝装置34,33の前テレスコピック要素342,332の前端より下方の領域、かつ、一方の緩衝装置34,33の前テレスコピック要素342,332と後テレスコピック要素341,331の間の領域Lの外側の領域(g)に位置していてもよい。 あるいは、前輪回転速度検出装置82,81の検出部822,812の少なくとも一部が、領域(a),(b),(c)で定義された領域、かつ、領域(g)で定義された領域の外側の領域に位置していてもよい。

また、本実施形態では、左検出部812が左車軸支持部333の右面に固定され、右検出部822が右車軸支持部343の左面に固定された例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、左検出部812を左前インナー要素332a、左前アウター要素332b、左後インナー要素331a、左後アウター要素331bの左面、右面、前面、後面のいずれかに固定してもよい。右検出部822を右前インナー要素342a、右前アウター要素342b、右後インナー要素341a、右後アウター要素341bの左面、右面、前面、後面のいずれかに固定してもよい。

[鋭] なお、本発明および上記実施形態における鋭角とは、0°を含み90°より小さい角度とする。本来、鋭角は、0°を含まないが、本発明および上記実施形態においては、鋭角は0°を含むものとする。また、上記実施例では、クロス部材の上軸線および下軸線と垂直に交わる仮想平面は、後方かつ上方に延びる平面である。しかしながら、これに限定されることなく、クロス部材の上軸線および下軸線と垂直に交わる仮想平面が、前方かつ上方に延びる平面であっても良い。

[平行・延びる・沿う] 本明細書において、「平行」は、±40°の範囲で傾斜し、部材として交わらない2つの直線も含む。本発明において、「方向」および「部材」等に対して「沿う」は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む。本発明において、「方向」に対して「延びる」は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む。

[車輪・パワーユニット・車体カバー] 本実施形態に係る車両1は、傾斜可能な車体フレームと左右に並ぶ2つの車輪を備えた車両1である。前輪が2つであって、後輪の数は1以上である車両としてもよいし、後輪が2つであって、前輪の数が1つ以上である車両としてもよい。また、車体フレームを覆う車体カバーを備えていても良い。車体フレームを覆う車体カバーを備えていなくても良い。パワーユニットは、動力源を含む。動力源は、エンジンに限らず電動モータであっても良い。

上記の実施形態においては、後輪4の車体フレーム21の左右方向における中央は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔の中央と一致している。このような構成が好ましいものの、後輪4の車体フレーム21の左右方向における中央は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔の中央と一致していなくてもよい。

[ヘッドパイプとサイド部の位置関係] 上記各実施形態においては、車体フレーム21の側面視で、右サイド部54、左サイド部53およびヘッドパイプ211は、重なる位置に設けられている。しかしながら、車体フレーム21の側面視で、右サイド部54と左サイド部53に対しヘッドパイプ211が前後方向の異なる位置に設けられていてもよい。また、右サイド部54と左サイド部53の車体フレーム21の上下方向に対する傾斜角度が、ヘッドパイプ211の傾斜角度と異なっていてもよい。

[ヘッドパイプ] なお、リンク機構を支持するヘッドパイプは、一片の部品で構成されていても、複数の部品で構成されていても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。 本実施形態では、ステアリングシャフト60を回転可能に支持する車体フレーム21の一部位としてヘッドパイプ211を説明したが、本発明はこれに限られない。ヘッドパイプに替えて、ステアリングシャフト60を中間操舵軸線Y3回りに回転可能に支持する部材を採用できる。例えば、ステアリングシャフト60を中間操舵軸線Y3回りに回転可能に支持する軸受を含む部材を採用できる。

[車体フレームの構成:一体・別体、一体の場合の前縁の上端、上下フレーム部の構成] 本実施例において、車体フレームは、ヘッドパイプなどのリンクを支持するリンク支持部と連結部材(上前後フレーム部)とダウンフレーム(上下フレーム部)とアンダーフレーム(下前後フレーム部)を有し、それらが溶接により接続されている。しかしながら、本発明の車体フレームは上記実施形態に限定されない。車体フレームは、リンク支持部と上前後フレーム部と上下フレーム部と下前後フレーム部を有していればよい。例えば、車体フレームは、鋳造等により全部または一部が一体に形成されていてもよい。また、車体フレームは、上前後フレーム部と上下フレーム部が1つの部材で構成されていてもよいし、別部材で構成されていてもよい。

[鋭角の大きさ:ステアリングシャフトと緩衝器] 上記の実施形態においては、左緩衝器33と右緩衝器34は、それぞれ一対のテレスコピック機構を備えている。しかしながら、車両1の仕様に応じて、左緩衝器33と右緩衝器34がそれぞれ備えるテレスコピック機構の数は、1つであってもよい。 本実施形態において、ステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角は、右緩衝器および左緩衝器の伸縮方向と車体フレームの上下方向とがなす鋭角は一致している。しかしながら、本発明においては、上記実施形態に限定されない。例えば、ステアリングシャフトの中間操舵軸線Y3と車体フレームの上下方向のなす鋭角は、右緩衝器および左緩衝器の伸縮方向と車体フレームの上下方向とがなす鋭角よりも小さくても良いし、大きくてもよい。

また、本実施形態において、ステアリングシャフトの中間操舵軸線Y3と右緩衝器および左緩衝器の伸縮方向は、一致している。しかしながら、本発明においては、上記実施形態に限定されない。車両1が直立した状態の側面視で、ステアリングシャフトの回転軸線と右緩衝器および左緩衝器の伸縮方向は、前後方向に離間していてもよい。また、例えば、交差していてもよい。

さらに、本実施形態において、右緩衝器の伸縮方向と右緩衝器の右操舵軸線Y2が一致し、右緩衝器の伸縮方向と左緩衝器の左操舵軸線Y1が一致している。しかしながら、本発明においては、上記実施形態に限定されない。右緩衝器の伸縮方向と右緩衝器の右操舵軸線Y2が一致せず、右緩衝器の伸縮方向と左緩衝器の左操舵軸線Y1が一致していなくてもよい。

本実施形態において、右前輪および左前輪は、その上端が車体フレームのダウンフレームの上端より車体フレームの上下方向の上方まで移動可能に支持される。しかしながら、本発明は、上記実施形態に限定されない。本発明において、右前輪および左前輪は、車体フレームの上下方向においてその上端が車体フレームのダウンフレームの上端と同じ高さまたはそれよりも下方まで移動可能であってもよい。

[クロス部・サイド部] なお、上クロス部は、一片の部品で構成される上前クロス部、一片の部品で構成される上後クロス部、およびそれらの間に設けられ、複数の部品で構成される連結部材を含んでいても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。

なお、下クロス部は、一片の部品で構成される下前クロス部、一片の部品で構成される下後クロス部、およびそれらの間に設けられ、複数の部品で構成される連結部材を含んでいても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。

なお、右サイド部および左サイド部は、一片の部品で構成されていても、複数の部品で構成されていても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。また、上クロス部または下クロス部より車体フレームの前後方向の前方に配置される部位と後方に配置される部位を含んでいても良い。右サイド部および左サイド部の前方に配置される部位と後方に配置される部位の間に上クロス部または下クロス部が配置されても良い。

なお、本発明では、リンク機構は、上クロス部と下クロス部の他にさらにクロス部を備えていても良い。上クロス部と下クロス部は、相対的な上下関係で命名しているに過ぎない。上クロス部は、リンク機構における最上位のクロス部を示していない。上クロス部は、それより下方の別のクロス部より上方にあるクロス部を意味する。下クロス部は、リンク機構における最下位のクロス部を示していない。下クロス部は、それより上方の別のクロス部より下方にあるクロス部を意味する。また、クロス部は、右クロス部と左クロス部の2つの部品で構成されていても良い。このように、上クロス部および下クロス部は、リンク機能を有する範囲で、複数のクロス部で構成しても良い。さらに、上クロス部と下クロス部の間に他のクロス部を設けても良い。リンク機構は、上クロス部および下クロス部を含んでいれば良い。

本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/または図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、多くの図示実施形態がここに記載されている。

本発明の図示実施形態を幾つかここに記載した。本発明は、ここに記載した各種の好ましい実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良および/または変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。そのような実施形態は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、この開示において、「好ましくは」や「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」や「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味するものである。

本出願の記載の一部を構成するものとして、2013年7月1日に提出された日本国特許出願2013−138476の内容を援用する。すなわち、以下に列挙する構成もまた、本出願の記載の一部を構成する。

(1) 車体フレームと、 前記車体フレームの周囲を覆う車体カバーと、 前記車体フレームに対して回転可能に支持される操舵部材と、 車両の車幅方向中央より左側に配置され、第1車輪軸を中心に回転可能な第1前輪と、 車両の車幅方向中央より右側に配置され、第2車輪軸を中心に回転可能な第2前輪と、 前記第1前輪を前記車体フレームに対して支持する第1支持部材と、 前記第2前輪を前記車体フレームに対して支持する第2支持部材と、 前記第1前輪の車輪速度を計測するための第1車輪速センサ及び前記第2前輪の車輪速度を計測するための第2車輪速センサの少なくとも一方と、を備え、 前記第1支持部材は、 前記操舵部材の回転軸線方向に略沿って伸縮する伸縮構造を有する第1テレスコ要素と、 前記第1前輪に対して前記第1車輪軸の軸線方向で前記第1テレスコ要素と同じ側に配置されるとともに、前記回転軸線方向に略沿って伸縮する伸縮構造を有する第2テレスコ要素と、 前記第1テレスコ要素および前記第2テレスコ要素の各々の上部を連結する第1ブラケットと、を含み、 車幅方向中央側から前記第1前輪側を見て、前記第1テレスコ要素、前記第2テレスコ要素、前記第1ブラケット、および前記第1テレスコ要素と前記第2テレスコ要素の各下端部を結ぶ仮想線で区画される第1領域が形成されており、 前記第2支持部材は、 前記回転軸線方向に略沿って伸縮する伸縮構造を有する第3テレスコ要素と、 前記第2前輪に対して前記第2車輪軸の軸線方向で前記第3テレスコ要素と同じ側に配置されるとともに、前記回転軸線方向に略沿って伸縮する伸縮構造を有する第4テレスコ要素と、 前記第3テレスコ要素および前記第4テレスコ要素の各々の上部を連結する第2ブラケットと、を含み、 車幅方向中央側から前記第2前輪側を見て、前記第3テレスコ要素、前記第4テレスコ要素、前記第2ブラケット、および前記第3テレスコ要素と前記第4テレスコ要素の各下端部を結ぶ仮想線で区画される第2領域が形成されており、 前記第1前輪が前記第1車輪速センサを備える場合、前記第1車輪速センサの第1検出部は、前記第1領域の外側に配置され、 前記第2前輪が前記第2車輪速センサを備える場合、前記第2車輪速センサの第2検出部は、前記第2領域の外側に配置される、鞍乗型車両。

(2) 前記第1ブラケットは、車両が無負荷状態、傾斜状態あるいは転舵傾斜状態のいずれかの状態で、車両の側面から見て前記車体カバーの一部と重なり合い、 前記第2ブラケットは、車両が無負荷状態、傾斜状態あるいは転舵傾斜状態のいずれかの状態で、車両の側面から見て前記車体カバーの一部と重なり合う、(1)に記載の鞍乗型車両。

(3) 前記第1前輪が前記第1車輪速センサを備える場合、前記第1車輪速センサの前記第1検出部は、前記第1領域よりも下方に配置され、 前記第2前輪が前記第2車輪速センサを備える場合、前記第2車輪速センサの前記第2検出部は、前記第2領域よりも下方に配置されている、(1)または(2)に記載の鞍乗型車両。

(4) 前記第1前輪が前記第1車輪速センサを備える場合、前記第1車輪速センサの前記第1検出部は、前記第1領域よりも前方に配置され、 前記第2前輪が前記第2車輪速センサを備える場合、前記第2車輪速センサの前記第2検出部は、前記第2領域よりも前方に配置されている、(1)から(3)のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。

(5) 前記第1前輪が前記第1車輪速センサを備える場合、前記第1車輪速センサの前記第1検出部は、前記第1領域よりも後方に配置され、 前記第2前輪が前記第2車輪速センサを備える場合、前記第2車輪速センサの前記第2検出部は、前記第2領域よりも後方に配置されている、(1)から(3)のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。

(6) 前記第1前輪が前記第1車輪速センサを備える場合、前記第1車輪速センサの前記第1検出部は、前記第1テレスコ要素の下端部より上方に配置され、 前記第2前輪が前記第2車輪速センサを備える場合、前記第2車輪速センサの前記第2検出部は、前記第3テレスコ要素の下端部より上方に配置されている、(1)または(2)に記載の鞍乗型車両。

(7) 前記第2テレスコ要素は、前記回転軸線方向において、前記第1テレスコ要素よりも長さが短く、 前記第2テレスコ要素の下端部より下方に、前記第1車輪軸を支持する第1車輪軸支持部が配置され、 前記第1前輪が前記第1車輪速センサを備える場合、前記第1車輪軸支持部に、前記第1車輪速センサの前記第1検出部を支持する第1センサステーが固定され、 前記第4テレスコ要素は、前記回転軸線方向において、前記第3テレスコ要素よりも長さが短く、 前記第4テレスコ要素の下端部より下方に、前記第2車輪軸を支持する第2車輪軸支持部が配置され、 前記第2前輪が前記第2車輪速センサを備える場合、前記第2車輪軸支持部に、前記第2車輪速センサの前記第2検出部を支持する第2センサステーが固定されている、(6)に記載の鞍乗型車両。

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