Bicycle and manufacture thereof

申请号 JP21280497 申请日 1997-08-07 公开(公告)号 JPH111191A 公开(公告)日 1999-01-06
申请人 Matsushita Electric Ind Co Ltd; 松下電器産業株式会社; 发明人 ONO TAKAO; TAKEHARA KIYOSHI; KAWANAMI OSAMU; NAKANO HIROSHI; MORIMOTO TAKICHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a bicycle and a method of manufacturing the bicycle of free and smart design at low cost using fiber reinforced synthetic resin. SOLUTION: A hollow front frame 1 formed using fiber reinforced synthetic resin has a head pipe part 1a rotatably holding a front fork stem 4 for transmitting operation of a handlebar 6 to a front fork 10 holding a bearing of a front wheel 12, a hanger part 1b rotatably holding a shaft of a gear crank 28, and a vertical pipe part 1g holding a saddle 24. The front frame 1 is connected to a right chain stay 16 and a left chain stay, and a rear wheel 22 is held by the right chain stay 16 and left chain stay.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有し繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成した主フレームと、 前記主フレームに結合され後車輪の軸の一端を保持する第1の副フレームと、 同じく前記主フレームに結合され前記後車輪の軸の他端を保持する第2の副フレームとを備えた自転車。
  • 【請求項2】 主フレームの第1および第2の副フレームと当接する面が平面に形成されている請求項1に記載の自転車。
  • 【請求項3】 第1および第2の副フレームが一体に形成されている請求項1に記載の自転車。
  • 【請求項4】 第1の副フレームは凹所を有しこの凹所に後車輪を駆動するための各部品を収容することができる請求項1に記載の自転車。
  • 【請求項5】 ギヤクランクの軸を回転自在に保持するためのハンガーチューブが複数の互いに離れた取り付け孔を有する取り付け部材と一体に形成され主フレームと第1および第2の副フレームとの結合時に前記取り付け部材の取り付け孔を介してそれらと一体に結合された請求項2に記載の自転車。
  • 【請求項6】 主フレーム内部の中空部に繊維強化合成樹脂を含む隔壁を設けた請求項1に記載の自転車。
  • 【請求項7】 主フレーム内部の中空部または中空部内に設けた繊維強化合成樹脂を含む隔壁と主フレームの内壁との間に設けた空間に制御用のワイヤまたは電気配線を通した請求項1に記載の自転車。
  • 【請求項8】 主フレームの内部の中空部に設けた空間とハンドルバー内部の空間は前ホークステム内部の空間を介して外部から見えないように連結されており前記ハンドルバーに設けた制御レバーの動きをこのように連結された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しない制御用のワイヤを介して被制御部分に伝達する自転車。
  • 【請求項9】 主フレームの内部の中空部に設けた空間はハンドルバー内部の空間と前ホークステム内部の空間を介して外部から見えないように連結されかつ第2の副フレームの凹所とも連結されており前記ハンドルバーに設けた制御レバーの動きをこのように連結された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しない制御用のワイヤを介して被制御部分に伝達する請求項4に記載の自転車。
  • 【請求項10】 前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有し繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成した主フレームと、前記主フレームに結合され後車輪の軸の一端を保持する副フレームとを有する自転車において、 前記副フレームには後泥よけを設けるとともに、この泥よけには側面に後車輪の半径の約半分の幅の平面部を設けた自転車。
  • 【請求項11】 主フレームは全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層した請求項1に記載の自転車。
  • 【請求項12】 主フレームは全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂の層に加えてさらに第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層した請求項1に記載の自転車。
  • 【請求項13】 より強度を必要とする部分は前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分との接続部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とその周辺、およびサドルを保持する部分である請求項11
    に記載の自転車。
  • 【請求項14】 さらに強度を必要とする部分はサドルを保持する部分である請求項12に記載の自転車。
  • 【請求項15】 主フレームと第1および第2の副フレームとの結合は緩衝材を介して行う請求項1に記載の自転車。
  • 【請求項16】 前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フレームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に形成する工程と、 前記主フレームに後車輪の軸の一端を保持する第1の副フレームと同じく前記後車輪の軸の他端を保持する第2
    の副フレームとを結合する工程とを有する自転車の製造方法。
  • 【請求項17】 請求項16に記載の主フレームの形成工程において主フレーム内部の中空部に繊維強化合成樹脂を含む隔壁を設ける自転車の製造方法。
  • 【請求項18】 請求項16または17に記載の工程に加えて、 主フレームに前ホークステムを介してハンドルバーを取り付け前記ハンドルバー内部の空間は前ホークステム内部の空間を介して主フレームの内部の中空部または中空部内に設けた繊維強化合成樹脂を含む隔壁と主フレームの内壁との間に設けた空間に接続する工程と、 ハンドルバーに設けた制御レバーに取り付けた制御用のワイヤを前記接続された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しないように被制御部分に取り付ける工程とを有する自転車の製造方法。
  • 【請求項19】 請求項18に記載の工程に加えて、 主フレームの内部の中空部または中空部内に設けた繊維強化合成樹脂を含む隔壁と主フレームの内壁との間に設けた空間を第1の副フレームに設けた凹所に接続する工程と、 ハンドルバーに設けた制御レバーに取り付けた制御用のワイヤを接続された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しないように第1の副フレームに設けた凹所まで連結する工程とを有する自転車の製造方法。
  • 【請求項20】 前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フレームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に形成する工程において主フレームは全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層する請求項16に記載の自転車の製造方法。
  • 【請求項21】 前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フレームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に形成する工程において主フレームは全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂の層に加えてさらに第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層する請求項16に記載の自転車の製造方法。
  • 【請求項22】 より強度を必要とする部分は前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分との接続部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とその周辺、およびサドルを保持する部分である請求項20
    に記載の自転車の製造方法。
  • 【請求項23】 さらに強度を必要とする部分はサドルを保持する部分である請求項21に記載の自転車の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、自転車や電動自転車の車体構造とその製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】手軽な乗用手段としての自転車は長い歴史の間に極限に近い改良が進み、一方大量に安価に生産するために構成部品の標準化、規格化が進んでいる。 たとえば日本工業規格(以下JISと略称する)D 94
    01においてフレーム体を構成する各部材の寸法が規定されており、そのため車体の主要部は略直線的なパイプ部材によって構成される結果、形状が画一的となり、自由なデザインの楽しみが制約されているのが現状である。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】近年、デザイン面での新規性を実現するために車体の主要部であるフレーム体をガラス繊維、炭素繊維などで強化したプラスチックで形成する試みがなされている。 このようなフレーム体の形成にはフレーム体の骨格をナイロンなどのプラスチック製のパイプにガラス繊維や炭素繊維で強化したエポキシ樹脂等の未硬化のシートを巻き付けて金属製の金型に内挿してプラスチック製のパイプ内に空気を送り込んで金型内面にエポキシ樹脂等の合成樹脂材料を拡張圧接させながら高温でエポキシ樹脂を硬化させ、硬化後に金型から取り出す内圧成型法が用いられている。

    【0004】この内圧成型法はプラスチック製のパイプに繊維強化合成樹脂シートを巻き付ける段階で手作りに近い作業が必要であり、フレーム体には前車輪を支える前ホークにハンドルの操作を伝達する前フォークステムを回動自在に保持する部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分、サドルを保持する部分、および後車輪の軸受けを保持する部分があり、特に後車輪の軸受けを保持する部分は両側から車軸を挟持するために2分割しなければならないので金型構造が複雑となり、また骨格となるプラスチック製のパイプの構成も複雑となり、
    したがって繊維強化合成樹脂シートの巻き付け作業にも手間がかかるなど、コスト上昇の要因となり、製品が高価となっていた。

    【0005】本発明は上記従来の問題点を解決し、繊維強化合成樹脂でフレーム体の主要部を構成し自由なデザインを施すことが可能でありながら加工が容易で低コストで製作できる自転車とその製造方法を提供するものである。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の自転車は、請求項1において、前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有し繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成した主フレームと、主フレームに結合され後車輪の軸の一端を保持する第1の副フレームと、同じく主フレームに結合され後車輪の軸の他端を保持する第2の副フレームとを備えた構成となっている。

    【0007】このような構成によって、主フレームが繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成されているために金型によって自由な形に形成でき、スマートなデザインを実現することができるとともに、後車輪の軸受けを保持する部分は第1および第2の副フレームによって別部材で構成されているので、この部分の複雑な金型が不用で金型費用が安価になり、またこの部分の金型への装着作業が不用となるため作業工数が小となるなどの有利な効果が得られる。

    【0008】また請求項2においては、請求項1の構成に加えて、主フレームの第1および第2の副フレームと当接する面が平面に形成されているものであり、この構成により、この部分に設けた後車輪を駆動するためのクランク軸の下方側を広く取ることができ、取り付けのボルトの間隔も広く取れて、結合を強固にして取り付け強度を確保できるとともに、荷重が分散され、耐久性も向上する。 このようにフレーム強度を確保しながら乗り降りしやすい自転車フレームを提供することができる。

    【0009】また請求項3においては、請求項1の構成に加えて第1および第2の副フレームが一体に形成されている構成であり、この構成によってあらかじめ両フレームを一体または組み立てた状態で主フレームに組み合わせることができ、作業性が向上するものである。

    【0010】また請求項4においては、請求項1の構成に加えて、第1の副フレームは凹所を有しこの凹所に後車輪を駆動するための各部品を収容することができるものであり、この構成により、この凹部をカバーで覆えば美観を保ち、泥、ごみの侵入を防ぐとともに着衣等の駆動部分や車輪への巻き込みを防止することができる。

    【0011】また請求項5においては、請求項2に記載の自転車において、ギヤクランクの軸を回転自在に保持するためのハンガーチューブが複数の互いに離れた取り付け孔を有する取り付け部材と一体に形成され主フレームと第1および第2の副フレームとの結合時に前記取り付け部材の取り付け孔を介してそれらと一体に結合された構成であり、この構成によってハンガーチューブは長期間の使用にも主フレームに対してガタや抜けを生じることがない。

    【0012】また請求項6においては、請求項1の構成に加えて、主フレーム内部の中空部に繊維強化合成樹脂を含む隔壁を設けたものであり、この構成によって隔壁によって主フレームの強度をさらに高めることができる。

    【0013】また請求項7においては、請求項1の構成に加えて、主フレーム内部の中空部内に設けた繊維強化合成樹脂を含む隔壁と主フレームの内壁との間に設けた空間に制御用のワイヤまたは電気配線を通したものであり、隔壁で仕切られた空間には制御用のワイヤや電気配線等を通すことができる。

    【0014】さらに請求項8においては、主フレームの内部の中空部に設けた空間とハンドルバー内部の空間は前ホークステム内部の空間を介して外部から見えないように連結されておりハンドルバーに設けた制御レバーの動きをこのように連結された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しない制御用のワイヤを介して被制御部分に伝達する構成である。

    【0015】また請求項9においては、請求項4の構成に加えて、主フレームの内部の中空部に設けた空間はハンドルバー内部の空間と前ホークステム内部の空間を介して外部から見えないように連結されかつ第2の副フレームの凹所とも連結されておりハンドルバーに設けた制御レバーの動きをこのように連結された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しない制御用のワイヤを介して被制御部分に伝達する構成である。

    【0016】これら請求項8,9の構成によって、制御用のワイヤが外部に露出することなく処理でき、デザイン性を高めることができる。

    【0017】つぎに請求項10の自転車は、前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有し繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成した主フレームと、主フレームに結合され後車輪の軸の一端を保持する副フレームとを有する自転車において、副フレームには後泥よけを設けるとともに、この泥よけには側面に後車輪の半径の約半分の幅の平面部を設けた構成であり、この構成によって着衣等が車輪に巻き込まれることを防止することができる。

    【0018】つぎに請求項11の自転車は、請求項1のものにおいて、主フレームは全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層した構成であり、請求項12の自転車は、請求項1のものにおいて、主フレームは全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂の層に加えてさらに第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層した構成である。

    【0019】そして請求項13のものは、請求項11のものにおいて、より強度を必要とする部分は前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分との接続部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とその周辺、およびサドルを保持する部分としたものであり、
    請求項14の自転車は、請求項12のものにおいて、さらに強度を必要とする部分はサドルを保持する部分としたものである。

    【0020】請求項11ないし14のような構成によって、第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を主フレーム全体に用いて主フレームがたわみやすく乗り心地を改善し、強度を必要とする部分には重点的に第2または第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いることによって必要な強度を確保しながら比較的コストも低く、かつ乗り心地のよい自転車を提供することができる。

    【0021】請求項15の自転車は、請求項1のものにおいて、主フレームと第1および第2の副フレームとの結合は緩衝材を介して行うように構成したものである。
    このような構成により副フレームが主フレームに対してサスペンション効果を有し、しなやかさも増すことができる。

    【0022】つぎに請求項16の自転車の製造方法は、
    前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フレームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に形成する工程と、
    主フレームに後車輪の軸の一端を保持する第1の副フレームと同じく後車輪の軸の他端を保持する第2の副フレームとを結合する工程とを有するものである。

    【0023】この製造方法によって、主フレームが繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成するために金型によって自由な形に形成でき、スマートなデザインを実現することができるとともに、後車輪の軸受けを保持する部分は第1および第2の副フレームによって別部材で構成されているので、この部分の複雑な金型が不用で金型費用が安価になり、またこの部分の金型への装着作業が不用となるため作業工数が小となるなどの有利な効果が得られる。

    【0024】また請求項17の自転車の製造方法は、請求項16に記載の主フレームの形成工程において主フレーム内部の中空部に繊維強化合成樹脂を含む隔壁を設けるものであり、この方法を用いれば隔壁によって主フレームの強度をさらに高めることができ、また隔壁で仕切られた中空部または空間には制御用のワイヤや電気配線等を通すことができる。

    【0025】また請求項18の自転車の製造方法は、請求項16または17に記載の工程に加えて、主フレームに前ホークステムを介してハンドルバーを取り付けハンドルバー内部の空間は前ホークステム内部の空間を介して主フレームの内部の中空部に設けた空間に接続する工程と、ハンドルバーに設けた制御レバーに取り付けた制御用のワイヤを接続された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しないように被制御部分に取り付ける工程とを有するものである。

    【0026】さらに請求項19の自転車の製造方法は請求項18に記載の工程に加えて、主フレームの内部の中空部内に設けた空間を第1の副フレームに設けた凹所に接続する工程と、ハンドルバーに設けた制御レバーに取り付けた制御用のワイヤを接続された空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しないように第1の副フレームに設けた凹所まで連結する工程とを有するものである。

    【0027】このような請求項18,19の製造方法により、制御用のワイヤが外部に露出することなく処理でき、デザイン性を高めることができる。

    【0028】つぎに請求項20の自転車の製造方法は、
    請求項16に記載の製造方法において、前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フレームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に形成する工程において主フレームは全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層するものであり、
    請求項21の自転車の製造方法は、請求項16に記載の製造方法において、前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有する中空の主フレームを繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で中空に形成する工程において主フレームは全体を第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いより強度を必要とする部分のみに第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には第2の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂の層に加えてさらに第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を積層するものである。

    【0029】請求項22の自転車の製造方法は、請求項20に記載の製造方法において、より強度を必要とする部分は前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分との接続部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とその周辺、およびサドルを保持する部分であるとしたもので、請求項23の自転車の製造方法は、
    請求項21に記載の製造方法において、さらに強度を必要とする部分はサドルを保持する部分であるとしたものである。

    【0030】請求項20ないし23の製造方法によって、第1の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を主フレーム全体に用いて主フレームがたわみやすく乗り心地を改善し、強度を必要とする部分には重点的に第2または第3の材質の繊維で強化した繊維強化合成樹脂を用いることによって必要な強度を確保しながら比較的コストも低く、かつ乗り心地のよい自転車を提供することができる。

    【0031】

    【発明の実施の形態】

    (第1の実施形態)以下、図1の本発明の第1の実施形態の自転車の右側面図、図2の同じくその左側面図、図3のフレームの組み立て状態を示す分解斜視図、および図4の制御用のワイヤの引き回しを示す斜視図により本発明の第1の実施形態の自転車について説明する。 まずフレーム体の構成を説明すると、繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で内部が中空になるように形成された主フレームである前フレーム1の前方にあるヘッドパイプ部1aには内部にベアリングを嵌挿したヘッド部品2
    a,2bによって上下から締め付けることによって前ホークステム4を回動自在に保持し、前ホークステム4はその上部においてハンドルバー6の中央にハンドルステム8を介して結合し、下部においては2股に分岐した前ホーク10に結合し、前ホーク10は、その下端で前車輪12のホイール12aの中心を回転自在に軸支する回転軸12bを保持している。 これでハンドルバー6を操作することによって前ホークステム4を介して前車輪1
    2の回転軸12bの方向を制御することができる。

    【0032】前フレーム1はヘッドパイプ部1aから後方にかけて下降して、下方において両側面にハンガー部1bの平面部1c,1dを設ける。 この平面部1c,1
    dの中央もしくは中央より上方に孔1eを、その周辺には3個の孔1fを設け、平面部1c側から3本のパイプ14aを孔1fに挿入し、フランジ14bに溶接されたハンガーチューブ14cを孔1eに挿入し、さらに平面部1d側からフランジ14dを当てて接着する。 3本のパイプ14a、フランジ14bに溶接されたハンガーチューブ14cとフランジ14dの接着された前フレーム1の平面部1c側からさらに右チェーンステー16を当て、平面部1d側から左チェーンステー18を当て、各3本のボルト20aとナット20bで結合する。 パイプ14aは締め付けによって前フレーム1の平面部1c,
    1dが凹まないようにするためである。

    【0033】平面部1c,1dを広く取ることにより、
    ハンガーチューブ14c下方側を広く取ることができ、
    また3本のボルト20aの間隔も広く取ることができ、
    結合を強固にして取り付け強度を確保できるとともに、
    広い面積で取り付けられるために荷重が分散され、耐久性も向上する。 これによって主としてサドル24に搭乗した運転者の体重により前フレーム1と右、左のチェーンステー16,18の取り付け部とにかかる外と搭乗した運転者がペダル28bを踏み込んだときにかかる外力に対抗し剛性と耐久性を高め、フランジ14bにハンガーチューブ14cを溶接したことによってハンガーチューブ14cは長期間の使用にも前フレーム1に対してガタや抜けは生じない。 このようにフレーム強度を確保しながら乗り降りしやすい自転車フレームを提供することができる。

    【0034】第1の副フレームである右チェーンステー16は先端で後車輪22の軸22aの一端を保持するもので、凹部16aを設け、後述するように駆動部材を収納する。 第2の副フレームである左チェーンステー18
    は、先端で後車輪22の軸22aの他端を保持する。 これらはアルミニウムやマグネシウムまたはそれらの合金を切削加工または鋳造したものか、または金属板をプレス加工したものを用いる。 これは前フレーム1と同様の材質であってもよい。

    【0035】ここでは右チェーンステー16と左チェーンステー18とは別体のものとして説明したが、両者は一体に形成または組み立てて一体にしてから前フレーム1と組み合わせてもよい。

    【0036】前フレーム1はさらにこのハンガー部の平面部1c,1dから斜め上方に立ち上がった立パイプ部1gを有しており、その端部1hは3本のすり割りを入れ、外周にテーパー状の雄ねじを切っておきサドル24
    を固定したサドルポスト24aの先端を挿入して高さを定め、内面に雌ねじを切ったシート固定金具26を回動させて、そのテーパー状の雄ねじが雌ねじによって内方に圧縮されて3本のすり割りの入った部分の内面がサドルポスト24aを圧迫して保持するように構成するので、従来のシートピン方式に比べてねじ部が露出せず、
    引っかかりがない。 24bはサドルポスト24aの外周に取り付けた蛇腹状の装飾材である。 サドルの高さ調節はこの他にも従来多用された方法を用いることができる。

    【0037】つぎに駆動装置について説明する。 ギヤクランク28を取り付けたクランク軸28aの軸受け28
    cは前フレーム1中のハンガーチューブ14c中に固定されている。 右チェーンステー16の凹部16aにクランク軸28aに直結されたフロント歯付きプーリー30
    が収納され、同じく凹部16aの左方にリヤ歯付きプーリー32がフリーホイール34に係合されておりフリーホイール34は後車輪22に係合されている。 フロント歯付きプーリー30とリヤ歯付きプーリー32に共通に架張されたチェーンまたは歯付きベルト38よってペダル28bを介してギヤクランク28に加えられた駆動力がフリーホイール34に伝達され、フリーホイール34
    のラチェット機構によって、ギヤクランク28が後車輪22の前進方向に回転されたときだけ駆動力が伝達される。 この凹部16aは美観を保ち、泥、ごみの侵入を防ぐとともに着衣等の車輪への巻き込み防止のためにカバー36で覆ってある。 またカバー36を省略するには凹部16aを右チェーンステー16の後車輪22側に設けることによって、泥、ごみの侵入防止の効果は低下するが美観と車輪への巻き込み防止の効果は得られる。

    【0038】つぎに制動装置について説明すると、制御レバーの1つである右ブレーキレバー39の回動軸39
    aの反対側の作用点に結合された制御用のワイヤの1つであるブレーキワイヤ40はハンドルバー6のパイプの中を通り、結合部で前ホークステム4の中に入り、このパイプの中を通って前ホーク10の内側に沿って前ブレーキ本体42に結合されている。 ハンドルバー6と前ホークステム4の結合点では、両者はほぼ直交するのでブレーキワイヤ40をハンドルバー6から直接前ホークステム4中に挿入するのは困難である。 そこで図4に示すようにいったんハンドルバー6の開口部6aからブレーキワイヤ40を引き出し、開口部4aから前ホークステム4内に挿入する。 そしてこの部分をカバー8aでカバーすることによってハンドルバー6内部空間と前ホークステム4内部空間とは連結され、制御レバーであるブレーキレバー39の動きをこのカバー8aで連結されたハンドルバー6内部と前ホークステム4内部という空間の少なくとも2以上にわたって連続しかつ外部に露出しない制御用のワイヤであるブレーキワイヤ40を介して被制御部分である前ブレーキ本体42に伝達し前ブレーキ本体42の図示しないブレーキシューを拡張または圧縮することによって前車輪を制動することができる。

    【0039】同様に制御レバーの1つであるダイナモ起倒レバー43においてもレバー43aの他端に結合した制御用のワイヤの1つであるダイナモワイヤ44をハンドルバー6の開口部6aから前ホークステム4の開口部4a内に挿入し前ホークステム4下端から引き出して、
    2本の前ホーク10の間に固定して図示しないばねでタイヤ12cに圧接されたダイナモ46に結合している。
    ダイナモ起倒レバー43を押すとダイナモワイヤ44が引かれてダイナモ46をタイヤ12cから引き離してダイナモ起倒レバー43内の図示しないラッチ機構によってこの状態を保持し、プッシュボタン43bを押すとラッチ機構が外れてダイナモワイヤ44がゆるみ、ダイナモ46をタイヤ12cに圧接させてタイヤ12cの回転に伴う発電が可能となる。

    【0040】左ブレーキレバー48についても右ブレーキレバー39と同様であるがブレーキワイヤ50は図4
    の開口部4bから前フレーム1の中に入り、この中の中空部を通って右チェーンステー16と左チェーンステー18の中間部にでてくる。 そうして左チェーンステーの内側に沿って後車輪の軸22aに取り付けた後ブレーキ本体52に結合されていて、左ブレーキレバー48の操作によってブレーキワイヤ50を引き、後ブレーキ本体52に伝達して後ブレーキ本体52の図示しないブレーキシューを拡張または圧縮することによって後車輪を制動することができる。

    【0041】ここでは変速切り替えの例示をしていないが、同様の構成と動作によって達成できることは説明するまでもない。 また上記説明の制御ワイヤの通路を灯火用や制御用の電気配線を通しても差し支えない。

    【0042】その他の構成部品の前泥よけ54、後泥よけ56は樹脂成形品であり、後泥よけ56は図示のように少なくとも前部側面に半径の約半分の平面部56aを有し、スカート等の衣服の巻き込みを防止する形状としている。 その他のバスケット58、前照灯60等については通常の構成のものを用いればよく、説明は省略する。

    【0043】つぎに図5ないし図8を用いて前フレーム1の加工方法について説明する。 図5は本発明の一実施の形態における炭素繊維強化合成樹脂シートの加工工程の説明概念図、図6は同じく金型内に挿入した状態を示す説明概念図、図7は同じくその金型内の断面図、図8
    は成型硬化したものの断面図である。 ここでは炭素繊維を用いる場合を説明する。 図5(a)のように炭素繊維を多数本同一方向に展張したものにエポキシ樹脂を含浸させて炭素繊維強化合成樹脂シート70を作る。 この炭素繊維強化合成樹脂シート70を未硬化の状態で図5
    (b)のように2本のナイロン製チューブ72,74にそれぞれ複数層巻き付ける。 その後、2本のナイロンチューブを一括したものに耐熱性の弾性チューブ76を添えて束ね、図5(c)のように束ねた上からさらに炭素繊維強化合成樹脂シート70を巻き付ける。 この際各層の炭素繊維強化合成樹脂シート70の炭素繊維の配列方向を層ごとに変え、かつ完成品の状態で加えられる力の方向を考慮して繊維方向を重点的に配列する。 また完成品の太い部分には層の数を増やす。

    【0044】そしてこのように加工したものを図6の下型78に挿入して上型80を圧着する。 図7はその状態での金型内の状態の断面を示す。 そしてナイロン製チューブ72,74内に空気を注入し加圧しながら高温で硬化させる。 内部からの加圧によって炭素繊維とエポキシ樹脂とは金型の内面の形に沿って密着し金型の形状に成形されながら硬化される。 硬化後に金型78,80から取り出して耐熱性の弾性チューブ76を抜き取ると図8
    のものが得られる。 炭素繊維強化合成樹脂シート70は空気の内圧によって金型内面に圧接されて硬化される。
    このようになった成型品を仕上げ加工と塗装を行って完成させる。

    【0045】このように加工することによって図8のように完成品の内部の中空空間には中央にナイロンチューブ72、炭素繊維強化合成樹脂シート70およびナイロンチューブ74の3層の隔壁82を形成し、また下方ではナイロンチューブ74と炭素繊維強化合成樹脂シート70の2層の隔壁84を形成して、この隔壁によって前フレーム1の強度をさらに高めることができ、またその下の中空部86には制御用のワイヤや電気配線等を通すことができる。 耐熱性弾性チューブ76を用いないときは中空部86はないが、代わりに中空部88,90に制御用のワイヤを通すことができる。

    【0046】このように本実施形態によれば、前車輪、
    サドル、ハンガー部等を保持して繊維強化合成樹脂を用いて内圧成形法で形成された中空の前フレーム1に、後車輪の軸の一端を保持する右チェーンステー16と、後車輪の軸の他端を保持する左チェーンステー18とを結合する構成としたことによって、主フレームを内圧成型法で自由な形状に形成しながら、金型構造も簡単で加工も容易であり低コストでデザインの優れた自転車を提供することができる。

    【0047】なお実施の形態で説明したものは一例であり、請求の範囲に示された範囲内で細部を変更して実施することができる。 たとえば上記説明では主フレームの素材に炭素繊維強化合成樹脂シートを用いたが、これはガラス繊維で強化したものでも、また他の素材を用いたものでもよく、また複数の素材を重複して用いてもよい。 その他各部の素材、形状等は自由に組み合わせて用いればよい。

    【0048】また上記実施形態では、人力を駆動力とする自転車の例を用いて説明してきたが、本発明は電動機等を駆動力または人力の補助駆動力とする電動自転車や電動補助自転車への適用をも包括するものである。

    【0049】(第2の実施形態)第1の実施形態で主フレームである前フレーム1の素材は炭素繊維強化合成樹脂シート、ガラス繊維で強化した強化合成樹脂シートまたは他の素材で強化した強化合成樹脂シートを用いたものでもよく、複数の素材を重複して用いてもよいとして説明したが、前フレーム1に要求される条件は加えられる力に耐える強度を有すること以外に適度にたわむことによって乗り心地を改善することである。 ここでは主フレーム各部に加わる応力に応じて素材の組合せを変えることによって、必要な強度を確保するとともに乗り心地のよい自転車を提供するための構成を示す。 前フレーム1の要部斜視図の図9においてヘッドパイプ部1aには図1に示すように前ホークステム4を回動自在に保持し、前ホークステム4は下部において2またに分岐した前ホーク10に結合し、前ホーク10は、その下端で前車輪12のホイール12aの中心を回転自在に軸支する回転軸12bを保持しているので自転車走行時には主として矢印a,b方向に捻れる力を受ける。 したがってヘッドパイプ部1aと前フレーム1の本体との接合部分1
    iには大きな応力が加わることになる。

    【0050】つぎにハンガー部1bの孔1e内にはギヤクランク28の軸が回転することになりこの操作によって主として矢印c方向の力が加わることになり、ヘッドパイプ部1aから矢印d方向の力も受けることになる。
    そうして立パイプ1gの上方にはサドルポスト24aを介してサドル24上に搭乗した運転者の体重により矢印e方向の力が加えられる。

    【0051】そこで前フレーム1全体に基本をたわみやすい第1の素材であるガラス繊維強化合成樹脂シートを第1の実施形態において説明したように各層のガラス繊維強化合成樹脂シートのガラス繊維の配列方向を層ごとに変えながら、たとえば全体的に10層を積層する。 そうしてヘッドパイプ部1aと前フレーム1の本体との接合部分1i、ハンガー部1bおよびその周辺、および立パイプ1g部分には、さらに硬い第2の素材である炭素繊維強化合成樹脂シートを、たとえばさらに5層だけ積層する。 必要により、最も大きい力の加わる立パイプ1
    g部分には高弾性の第3の材質であるPBT繊維強化合成樹脂シートを2層とか3層適宜積層し実施の形態1と同様に形成する。 複数の材質の積層される部分は、たとえば第1の材質の上に第2の材質というように順次に重ねてもよく、また第1と第2さらに第3の材質を交互に重ねてもよいものである。

    【0052】第1の材質としてはガラス繊維のほかにアルミ合金繊維等、また第2の材質としてはSic繊維、
    アラミド繊維等、また第3の材質としてはボロン繊維、
    PBT繊維、場合によっては炭素繊維等をそれぞれ含んだ繊維強化合成樹脂シートを用いればよい。 これらは場所によって材質を変えて組み合わせてもよい。 上記において積層する層数は一例であり、必要な強度や単位となる繊維強化合成樹脂シートの構成によっても異なるものである。

    【0053】このように本実施形態では、主フレームである前フレーム1の全体を第1の材質の繊維強化樹脂を積層してたわみやすくし、前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルバーの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分との接続部分、ギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とその周辺、およびサドルを保持する部分等、より強度を必要とする部分には、
    その上に第2の材質の繊維強化樹脂を積層し、さらに強度を必要とする部分には、その上に第3の材質の繊維強化樹脂を積層することによって必要な強度を確保しながら比較的コストも低く、かつ乗り心地のよい自転車を提供することができる。

    【0054】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の実施形態において第1の実施形態における主フレームと第1および第2の副フレームとの結合方法のさらに改良された構成を示す。 図10は第3の実施形態におけるフレームの組み立て状態を示す分解斜視図、図11はその要部断面図である。

    【0055】前フレーム1のハンガー部1bの平面部1
    c,1dの中央もしくは中央より上方の孔1eにはハンガーチューブ13を挿入し、その周辺の3個の孔1fには合成樹脂製のチューブ状の緩衝材15中に通したパイプ14aを挿入し、前フレーム1の平面部1c側からさらに第1の副フレームである右チェーンステー16を当て、平面部1d側から第2の副フレームである左チェーンステー18を当て、各3本のボルト20aを孔18
    a,パイプ14a、孔16bに通してナット20bで結合する。

    【0056】パイプ14aの長さは前フレーム1の平面部1cと1d間の寸法よりわずかに大となっており、ハンガーチューブ13の両端の段差部13a,13bはそれぞれ右チェーンステー16の孔16c、左チェーンステー18の孔18bに嵌合してその間の寸法も前フレーム1の平面部1cと1d間の寸法よりわずかに大となっているので、前フレーム1の平面部1c,1dと右チェーンステー16、左チェーンステー18との間は僅かに空いている。 またハンガーチューブ13と前フレーム1
    との間も僅かに空くように孔1eよりハンガーチューブ13の直径をやや小にしているので、右左のチェーンステー16,18は緩衝材15を介して前フレーム1に対してハンガーチューブ13を軸として僅かに回動することができ、後車輪のサスペンション効果を発揮することができる。 また緩衝材の材質の選定によって僅かではあるがフレームのしなやかさを得ることができる。

    【0057】これらの効果を助けるために前フレーム1
    の平面部1c,1dと右チェーンステー16、左チェーンステー18との間にグリースを塗布するとか、または右チェーンステー16、左チェーンステー18内面にふっ素樹脂加工をする等の対策によりその効果が高められる。

    【0058】以上のように本実施形態によれば、主フレームである前フレーム1と第1および第2の副フレームである右、左チェーンステー16,18との結合の際にその間に緩衝材を入れたので、副フレームが主フレームに対してサスペンション効果を有し、しなやかさも増すことができる。

    【0059】

    【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1の自転車および請求項16の自転車の製造方法によれば、
    主フレームが前車輪の軸受けを保持する前ホークにハンドルの操作を伝達する前ホークステムを回動自在に保持する部分とギヤクランクの軸を回転自在に保持する部分とサドルを保持する部分とを有し繊維強化合成樹脂を用いて中空に形成したものであり、この主フレームに後車輪の軸の一端を保持する第1の副フレームと後車輪の軸の他端を保持する第2の副フレームとを結合したものを基本構成としたことによって、金型によって自由な形に形成でき、スマートなデザインを実現することができるとともに、後車輪の軸受けを保持する部分は第1および第2の副フレームによって別部材で構成されているので、この部分の複雑な金型が不用で金型費用が安価になり、またこの部分の金型への装着作業が不用となるため作業工数が小となるなどの有利な効果が得られる。

    【0060】そして請求項2の構成によって、主フレームと副フレームとの結合部分に設けた後車輪を駆動するためのクランク軸の下方側を広く取ることができ、取り付けのボルトの間隔も広く取れて、結合を強固にして取り付け強度を確保できるとともに、荷重が分散され、耐久性も向上する。 このようにフレーム強度を確保しながら乗り降りしやすい自転車フレームを提供することができる。

    【0061】また請求項3の構成によって主フレームと副フレームの結合の作業性が向上するものであり、また請求項4の構成により第1の副フレームの凹部をカバーで覆えば美観を保ち、泥、ごみの侵入を防ぐとともに着衣等の駆動部分や車輪への巻き込みを防止することができる。

    【0062】また請求項5の構成によってハンガーチューブは長期間の使用にも主フレームに対してガタや抜けを生じることがない。

    【0063】また請求項6の構成および請求項17の自転車の製造方法により隔壁によって主フレームの強度をさらに高めることができ、また請求項7の構成の中空部には制御用のワイヤや電気配線等を通すことができる。

    【0064】また請求項8,9の構成および請求項1
    8,19の自転車の製造方法により、制御用のワイヤが外部に露出することなく処理でき、デザイン性を高めることができる。

    【0065】また請求項10の構成により着衣等が車輪に巻き込まれることを防止することができる。

    【0066】また請求項11ないし14の構成および請求項20ないし23の自転車の製造方法により、必要な強度を確保しながら比較的コストも低く、かつ乗り心地のよい自転車を提供することができる。

    【0067】さらに請求項15の構成により副フレームが主フレームに対してサスペンション効果を有し、しなやかさも増すことができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の第1の実施形態の自転車の右側面図

    【図2】同じくその左側面図

    【図3】同じくフレームの組み立て状態を示す分解斜視図

    【図4】同じく制御用のワイヤの引き回しを示す斜視図

    【図5】同じく炭素繊維強化合成樹脂シートの加工工程の説明概念図

    【図6】同じく金型内に挿入した状態を示す説明概念図

    【図7】同じくその金型内の断面図

    【図8】同じく成型硬化したものの断面図

    【図9】同じく第2の実施形態における前フレームの要部斜視図

    【図10】同じく第3の実施形態におけるフレームの組み立て状態を示す分解斜視図

    【図11】同じくその要部断面図

    【符号の説明】

    1 前フレーム 1a ヘッドパイプ部 1b ハンガー部 1g 立パイプ部 1c,1d 平面部 4 前ホークステム 4a,4b,6a,6b 開口部 6 ハンドルバー 8 ハンドルステム 8a カバー 10 前ホーク 12 前車輪 13 ハンガーチューブ 15 緩衝材 16 右チェーンステー 18 左チェーンステー 22 後車輪 24 サドル 24a サドルポスト 28 ギヤクランク 39 右ブレーキレバー 40,50 ブレーキワイヤ 44 ダイナモワイヤ 42 前ブレーキ本体 43 ダイナモ起倒レバー 44 ダイナモワイヤ 46 ダイナモ 48 左ブレーキレバー 52 後ブレーキ本体 56 後泥よけ 56a 平面部 70 炭素繊維強化合成樹脂シート 72,74 ナイロン製チューブ 76 耐熱性弾性チューブ 78,80 金型 82,84 隔壁 86,88,90 中空部

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森本 太吉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

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