【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、鉄道の転轍機ないし分岐器の可動部材のための転轍機作動装置及び/又はロック装置用の結合装置に関し、ロッド組立体、特に可動部材に対して関節式に結合される摺動ロッドないしロックロッドを含む。 【0002】 【従来の技術】 初期段階に明示された種類の転轍機作動装置については、例えば、AT−B 388 198号公報及びEP−B1 603 156号公報に記述されている。 AT−B 388 198号公報による構成においては、長い孔の結合体が備えられており、これを介して摺動ロッドの手段によって変位可能なロッククランプが転轍機トングに関節式に結合されている。 EP−B1 603 156号公報では、一体式のロック又はロック装置をそれぞれ備えた転轍機作動装置を採用しており、ロック又は転轍機トングの足部にピンを介して関節式に結合されている結合ピースを介することで、可動なレールトングとの結合を実現している。 これらの構成においては、引張力と押圧力とは共にピン結合を介して伝達され、かかる構成では追加的な結合ロッドを必要とし、結合は単にスラスト部材の手段によって果されて、前記追加的な結合ロッドが反対方向への作動及び変位中に引張結合を伝達する。 概して公知の連結ないし結合装置は、トングからの振動をつながっているロッド組立体又はロック装置及び作動装置へと伝達するように働く。 適切な基準の下で許容されるトングの遊びは約3mmに限られる。 さらに仮に、関節部分が追加的な遊びを許容するとすれば、転轍機が解放されないという不具合を招くことになるだろう。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、転轍機及び分岐器のトングないし可動部材の振動を作動及びロック装置から完全に切離すことができると共に、遊び無しに力を伝えることができ、それにより、運転の安全性と耐用年数とを向上させるような結合装置を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】 この目的を解決するために、本発明による結合装置のうち最初に明示される種類のものは、本質的に、可動部材又はロッド組立体特に転轍機トングが帯金に堅固に結合されており、同帯金には後ろからロッド組立体又は可動部材に結合されているピンが係合して引張力を伝達すると共に、ロッド組立体と帯金又は可動部材との間には少なくとも1の弾性圧縮エレメントが配置されていて、可動部材が堅固なレール部分に対して当接した位置においてはロッド組立体によって圧縮エレメントを圧縮できて、前記帯金はピンとの当接から離れるように変位できるように構成される。 可動部材に堅固に結合されている帯金には、引張力の伝達のみのためにロッド組立体に結合されたピンが後ろから係合するという事実から、引張力が安全に吸収されることが保証され、また、転轍機ないしレール分岐器の転轍機トング又は可動部材を押すための押圧力の伝達は、ロッド組立体と帯金又は可動部材との間に配置されている別個の弾性圧縮エレメントを介して行なわれる。 前記弾性圧縮エレメントは単に押圧力を伝達するだけであり、それによって、 帯金の後ろにピンが係合していて幾分押されている場合であっても、ただ単に弾性的な押圧を出来るだけでなく、加えて帯金はピンとの当接から外れて変位させられる。 従って、当接位置においては所定の遊びが帯金とピンとの間に存在するので、振動は弾性圧縮エレメントが介在されているロッド組立体だけに作用して、また同時に、高い機械的応力にさらされる転轍機作動手段ないしロック装置にジョイントや部品を備えなくとも可及的にトングの遊びが減少する。 【0005】 本発明のさらに発展した好ましい結合装置によれば、その構成は、ピンが帯金を横方向に取囲むような二又状の耳金に固定されてロッド組立体に結合されており、ロッド組立体が変位する方向に対して横方向に配置されるように考案されている。 そのような二又状の耳金によりレールの足部下にピンを配置させるような構成が可能となって、従って概してトングの足部による妨害をまったく受けずに寸法を小型化することができる。 しかしながら、ピンは摺動ロッドないしロックロッドの軸線に近接配置した方が望ましく、その場合には弾性圧縮エレメントをピンとレール足部との間に配置させるのが有利であって、帯金ないしレール足部それ自体に対して作用させる。 【0006】 特に簡単なやり方の構成として、弾性エレメントを圧縮バネから構成して、同圧縮バネは接触部材を介して帯金又は可動部材と協同することを考案した。 そのような圧縮バネは強い力を短い長さで吸収することができて、ロッド組立体を振動から安全に分離することを保証する。 【0007】 さらに、早期摩耗の危険性を低減するための、有利な構成として、接触部材は弓形に反りの付いた外面を有するように考案し、ここにおいてさらに、ピンは樽形のように曲っている外面を有することが好ましい。 接触部材の弓形に反りの付いた外面は中心軸線から偏心した押圧力を伝えるように働くのに対して、ピンの樽形の外輪郭もまた帯金に機械的な過応力を与えることなしに中心軸線から偏心した引張力を伝達することができる。 早期摩耗の危険性を更に低減するためには、ロッド組立体又はロッド組立体頭部の円錐形テーパ凹部内に圧縮バネが配置されてロッド組立体又はロッド組立体頭部のそれぞれに結合されていて、ロッド組立体の軸線から外れて揺動可能になっているようにすればよく、この場合には、 圧縮バネは円錐形の領域中において軸線から外れるように揺動可能であって、円錐形の領域は圧縮バネに適当なカウンターストップを与える。 この揺動可能性は、原理的には、圧縮バネをロッド組立体又はロッド組立体頭部のそれぞれの凹部内に固定するための弾性コアによって確保することができ、簡単な取付けが可能になる。 【0008】 しかしながら、この場合の有利な構成として、確実動作で力を伝達すると共に摩擦的に係合する方式の圧縮バネが、螺旋バネによって形成された引張バネと結合されており、同引張バネにおける接触部材から離れた側を向いた内側端はロッド組立体又はロッド組立体頭部のそれぞれの軸線方向のボア内に遊びを有して取付られており、引張バネにおける圧縮バネによって取囲まれている外側端は接触部材に結合されているようにすることも考案した。 ロッド組立体又はロッド組立体頭部のそれぞれの軸線方向のボア中に取付けられている圧縮バネには螺旋バネが配列されて、それにより、圧縮バネが円錐形テーパ凹部内で揺動できるようにする。 【0009】 【発明の実施の形態】 以下、本発明を模式的に図示した例示的な実施形態についてより詳細に説明する。 図1において、符号1は標準レールを指示しており、これに転轍機トング2が押し当てられる。 転轍機作動装置3は一体的なロック装置を備えており、転轍機トング2を標準レール1に押圧することができると共に、また、標準レールから離すように動かすこともできる。 転轍機トング2を標準レール1から離す動作に必要な引張力の伝達は、ピン5と協同するクランク状の帯金4によって行なわれる。 ピン5は二又形状の耳金6に固定されて弓形に反りの付いた外被管7を支持しており、引張力が伝達されているときには帯金4と外被管7との間には、線状の接触だけが存在する。 帯金4はネジボルト8を介して転轍機トング2に堅固に結合されている。 【0010】 図2の上面図によれば、ピン5の弓形に反りの付いた外輪郭が分かると共に、 ピンを支持する耳金の二又形状についてもさらに明らかになる。 コンパクトな形式の構成を可能にするように、耳金6は帯金4の部分を取囲んでいる。 【0011】 構成の詳細について図3及び図4を参照して説明する。 図3から明らかなように、転轍機作動装置3には弓形に反りの付いた外面をもったスラストピース9が結合されており、スラストピースの取付けはボア内に遊びをもたずに挿入された可撓性螺旋引張バネ10の手段によってなされている。 符号11はボアを支持する部分を固着するためのカウンタナットを示している。 可及的により大きな内径を有する円錐形凹部内には圧縮バネ12が挿入されていて、その外殻はゴム外装13にて形成されており、ゴム外装は確実動作且つ力の伝達が出来ると共に摩擦的に係合するやり方で、ボア16の内側端に押込まれている。 転轍機トング2を当接位置へと変位させるに際しては、圧縮バネ12が接触部材9を介して帯金4 に対して作用し始めて、それにより、トング2は標準レール1に対して弾性的に押圧され、一方において同時に、ピン5は帯金4から離間して当接した関係から脱する。 圧縮バネ12の同時的な予圧の下で、接触部材9がロッド組立体のそれぞれの端面14に直接当接すると最大変位に到達するが、この実施形態においては、ロッド組立体と転轍機作動装置3とが振動するのを安全に防ぐため、トングが標準レールに押圧された位置にあるときであっても遊びaが残るようにしている。 同時に、ピン5は距離bだけ変位して帯金4から係脱する。 【0012】 転轍機トングを動かして関連するレールとの接触から離すように変位させるに際しては、その位置において接触部材9と帯金4との間の押圧結合が必要とされることなく帯金4の内側面15が再びピン5の弓形に反りの付いたないし樽形の外輪郭と当接する関係になる。 【0013】 ロッド組立体頭部17の円錐形凹部16は、圧縮バネ12がロッド組立体の長手軸線18から揺動することを許容するが、解放された状態においては、引張バネ10の手段によって自動的に軸線方向の整列位置に再び到達する。 【0014】 図4に示した実施形態では、改変されたロッド組立体頭部を備えると共に帯金4も変更することとした。 また図4にはトングレール2が標準レール1に当接している位置を再び示しており、この位置においては圧縮バネの積層体12がそのゴム外装13と共にトングの足部ないし介在された帯金を押圧する。 このような押圧は、矢印19への方向へのピン5の動きと同時的に行なわれ、これによりピン5の外被の樽形状の外輪郭は帯金4の内側に位置する端面15から再び離間する。 従って、振動は、介在している圧縮バネ12及びゴム外装13のみを介して転轍機作動装置3へ導かれる。 矢印19の方向と逆方向への引張の結合は、ピン5の外輪郭が関連する接触面15と当接した後において、圧縮バネ12が完全に解き放たれてトングレールの足部ないし帯金4に対して押圧係合していない状態で行なわれる。 【0015】 よって、本発明の構成によれば、ただ単にトングに保持帯金を取付けることだけが必要とされ、トングの横方向と垂直方向とへの移動性を与えるようなやり方で、帯金は弓形に反りの付いた管と部分的に重なり合う。 トングの当接関係については上述した通りであり、保持帯金の端面に接触部材9が当接して、圧縮バネ12を介してトング2を基本レールに対して押圧する。 【0016】 トングレールを離すように能動的に動かすことは、末端に設けられた遊びを越えた後にのみ可能となり、ここで、接触部材の横方向の動きについては、圧縮バネが取付けられている円錐形開口孔のために簡単なやり方で釣合が取られる。 仮に、開いた位置においても圧縮バネによってトングを操作するようにすれば、トングはいかなる位置にあっても遊びなく予圧されて、付加的なトングの遊びを完全に防止することができる。 トングの振動は作動及びロック装置から切離されて、傾斜位置においてもいずれの調節方向についても影響を受けることがなく、また、移動させる所望の力を安全に伝達することができる。 【0017】 図5には更に他の改変した実施形態を明示しており、これは、図3に示した構成と比べると、帯金4を転轍機トング2に取付けるのに代えて、ボア16を備えて転轍機作動装置3に結合されたロッド組立体頭部17へ取付けている点だけが異なっている。 他方において、本実施形態では、ピン5を支持する耳金6はネジボルト8を介して転轍機トング2に堅固に結合されている。 図5では、先行する図面と同一の構成要素については同一の参照符号を付しており、本実施形態では圧縮エレメント及びスラストピース9は転轍機トング2のトング足部に直接的に作用を始めて適切な押圧をできるようにしている。 【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は本発明による結合装置の第1の実施形態を示しており、一体式のロック装置と転轍機トングとを有する転轍機作動装置のためのものである。 【図2】 図2は図1を部分的に破断した上面図である。 【図3】 図3は図1又は図2による実施形態の拡大図である。 【図4】 図4は結合ピースを変更した実施形態について図3と同じように示した図である。 【図5】 図5は結合ピースのさらに他の実施形態について図3と同じように示した図である。 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW |