車上装置、列車、及び信号保安システム

申请号 JP2014185845 申请日 2014-09-12 公开(公告)号 JP2016059223A 公开(公告)日 2016-04-21
申请人 株式会社日立製作所; 发明人 前川 景示; 勝田 敬一; 西野 尊善; 今本 健二; 中西 佑介; 谷 浩行;
摘要 【課題】先行列車があるブロックを通過してから、そのブロックを後続列車が走行可能となるまでの時間を短縮する車上装置、列車及び 信号 保安システムを提供する。 【解決手段】列車101の占有権が設定される1つ以上のブロックで構成される路線内に存在する列車101を巡回し、ブロックの占有権を1つの列車101に設定可能なブロック占有権情報を含む電文を受信し、他の装置へ送信する車上装置102において、車上装置102が搭載された列車101に対して電文によりブロックの占有権が設定されると、占有権が設定された列車101に搭載された車上装置102が、占有権が設定されたブロックに存在する転てつ器104を、占有権が設定された列車101の進行方向に基づいて、電文の巡回とは異なる方法により制御する。 【選択図】図2
权利要求

列車の占有権が設定される1つ以上のブロックで構成される路線内に存在する列車を巡回し、前記ブロックの占有権を1つの列車に設定可能なブロック占有権情報を含む電文を受信し、他の装置へ送信する車上装置であって、 前記車上装置が搭載された列車に対して前記電文によりブロックの占有権が設定されると、当該占有権が設定された列車に搭載された車上装置が、当該占有権が設定されたブロックに存在する転てつ器を、当該占有権が設定された列車の進行方向に基づいて、電文の巡回とは異なる方法により制御することを特徴とする車上装置。請求項1の車上装置であって、 前記電文が巡回する列車を、前記電文の巡回とは異なる方法を用いて管理することを特徴とする車上装置。請求項2の車上装置であって、 前記電文が巡回する列車を、前記電文とは異なる第2の電文の巡回により管理し、 前記第2の電文は前記路線内に存在する列車及び地上装置を巡回することを特徴とする車上装置。請求項3の車上装置であって、 前記第2の電文の内容を記録可能な記録装置を有し、 前記第2の電文は前記路線内に存在する列車及び地上装置のリストを含み、 前記第2の電文を受信すると、当該第2の電文に含まれる前記リストを前記記録装置に記録し、 前記電文を受信すると、当該電文に含まれる当該電文を巡回する列車のリストと、前記記録装置に記録されたリストとを比較し、当該比較結果に基づいて当該電文に含まれる当該電文を巡回する列車のリストを更新することを特徴とする車上装置。請求項2の車上装置であって、 前記車上装置を搭載する列車が前記路線内に侵入する前に、当該路線内に在線する列車へ前記電文を巡回する列車のリストへの登録要求を送信し、 前記路線内に在線する列車から前記電文を巡回する列車のリストへの登録が完了した旨の通知を受信すると、前記車上装置を搭載する列車を前記路線内に侵入させることを特徴とする車上装置。請求項2の車上装置であって、 前記路線外の列車から前記電文を巡回する列車のリストへの登録要求を受信すると、前記電文を巡回する列車のリストに前記路線外の列車を追加する処理を行い、前記路線外の列車へ前記電文を巡回する列車のリストへの登録が完了した旨の通知を送信することを特徴とする車上装置。請求項2の車上装置であって、 前記路線内へ侵入しようとする列車を検知した地上装置から、前記電文を巡回する列車のリストへの当該路線外の列車の登録要求を受信すると、前記電文を巡回する列車のリストに前記路線外の列車を追加する処理を行い、前記路線外の列車へ前記電文を巡回する列車のリストへの登録が完了した旨の通知を送信することを特徴とする車上装置。請求項1〜7のいずれかの車上装置を備えることを特徴とする列車。転てつ器と、 前記転てつ器を制御する転てつ器制御装置と、 請求項1〜7のいずれかの車上装置を備える列車と、を含み、 前記転てつ器制御装置は、前記電文によりブロックの占有権が設定された列車に搭載される車上装置の制御指令を受信し、当該制御指令に基づいて前記転てつ器の方向を切り替えることを特徴とする信号保安システム。転てつ器と、 前記転てつ器を制御する転てつ器制御装置と、 請求項7の車上装置を備える列車と、を含み、 前記転てつ器制御装置は、 前記電文によりブロックの占有権が設定された列車に搭載される車上装置の制御指令を受信し、当該制御指令に基づいて前記転てつ器の方向を切り替え、 前記路線内へ侵入しようとする列車を検知すると、前記電文を巡回する列車のリストへの当該路線内へ侵入しようとする列車の登録要求を前記路線内の列車へ送信することを特徴とする信号保安システム。

说明书全文

技術分野は、車上装置、列車、及び信号保安システムに関する。

特許文献1には、信号保安システムに関して、「軌道回路装置は、レールを電気的に絶縁し、一端に電源を、反対側の一端にはリレーを接続して、列車によるレール間の短絡を検知する装置で、装置の維持保守費用が高い」(特許文献1[0006]参照)こと等を課題とし、その解決手段として「予め決められた区間内を走行する列車の保安が電文に基づいて確保される信号保安システムにおいて、電文は、予め決められた区間内に存在する列車や沿線機器を巡回し、区間内が複数分割されたブロック1つ1つに列車の占有権が設定可能なブロック占有権情報を有する構成とする」(特許文献1[0010]参照)こと等が開示されている。

特開2006-232106

しかし、特許文献1の信号保安システムでは、先行列車があるブロックを通過してから、そのブロックを後続列車が走行可能となるまでの時間を短縮することについて、改善の余地があった。

上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。 本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、列車の占有権が設定される1つ以上のブロックで構成される路線内に存在する列車を巡回し、ブロックの占有権を1つの列車に設定可能なブロック占有権情報を含む電文を受信し、他の装置へ送信する車上装置において、車上装置が搭載された列車に対して電文によりブロックの占有権が設定されると、占有権が設定された列車に搭載された車上装置が、占有権が設定されたブロックに存在する転てつ器を、占有権が設定された列車の進行方向に基づいて、電文の巡回とは異なる方法により制御することを特徴とする。

上記手段によれば、先行列車があるブロックを通過してから、そのブロックを後続列車が走行可能となるまでの時間を短縮することが可能となる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。

信号保安システムの一例

信号保安システムの一例

信号保安システムの一例

列車の在線状況の一例

電文のフォーマットの一例

メンバーリストのフォーマットの一例

車上装置の処理の一例

車上装置の処理の一例

車上装置のハードウェア構成の一例

信号保安システムの一例

信号保安システムの一例

電文の巡回を利用した信号保安システムは、図1のように列車や転てつ器間で電文を巡回させ、列車に搭載された車上装置が巡回されてくる電文の情報を更新することによって、走行を企図する進路上の占有権を確保し、転てつ器へ転換方向を指示する仕組みである。

電文が巡回する所定の区間は複数のブロックに分割されており、電文には複数のブロックそれぞれ対して占有権が設定された列車の識別情報が記入されている。占有権が設定される列車は各ブロックに対して1台のみであり、ブロックの占有権が設定された列車のみがそのブロックを走行することを許可される。電文には転てつ器の方向を指示する情報を含むように構成することも可能であり、転てつ器は、受け取った電文の情報に基づいて方向を制御する。

あるブロックを走行しようとする列車は、電文を受信するとそのブロックの占有権を自列車に設定するよう電文を更新し、次の列車、あるいは転てつ器に更新した電文を送信する。但し、受信した電文においてそのブロックの占有権が既に他の列車に設定されている場合、自列車に占有権を設定するよう電文の更新することができず、他の列車に設定されたそのブロックの占有権が解除されるまでそのブロックを走行することはできない。

ブロックの占有権が設定された列車は、そのブロックを通過した後に電文を受信すると、自列車に設定されたそのブロックの占有権を解除するように電文を更新し、次の列車、あるいは転てつ器に更新した電文を送信する。

図1のように列車や転てつ器の間で電文を巡回させる構成とした場合、列車や転てつ器の数が増えるにしたがい、電文が巡回するために必要な時間が長くなる。その結果、転てつ器の制御やブロックの占有権の更新が遅くなり、例えば、先行する列車が転てつ器が設置されたブロックを通過してから、後続の列車のために転てつ器の方向を転換するまでの時間が長くなり、そのブロックを通過する列車の間隔が広くなる。

そこで、以下の実施例では、転てつ器の制御は当該転てつ器が設置されたブロックの占有権を得た列車から直接行うようにすることで、転てつ器に電文を巡回させる必要性をなくし、制御情報を含む電文は列車間でのみ巡回させる構成とする。これにより、制御情報を含む電文を巡回させる装置数を減らすことが可能となり、電文に含まれる制御情報の更新を早くすることが可能となる。

上記により、転てつ器が多い場合においても、列車間で電文を巡回することで、転てつ器の制御を行うことが可能となり、電文の巡回にかかる時間を短縮することができるため、列車間隔を短くできるなど、システム全体の性能を向上することが可能となる。

さらに、電文の巡回対象となる列車に漏れが発生することを防ぐために、電文の巡回対象となる列車を管理するためのメンバーリストを作成する。メンバーリストは電文が巡回する巡回路を構成する装置のリストの更新に用いられる。このメンバーリストは、電文の巡回とは異なる方法で管理される。例えば、電文の巡回路とは異なる巡回路を巡回させて管理されたり、列車間の通信により管理されたりする構成を採用すればよい。

この構成により、信号保安システムの運行効率をさらに向上させることが可能となる。

以下、図面に基づいて本実施例をさらに詳細に説明する。

図2に実施例1における信号保安システムの電文の巡回の構成と、転てつ器制御の概念を示す。

図2において2つの列車、列車101aと列車101bが共に転てつ器104が設置されたブロックを通過しようとしているとする。さらに前記列車101aが前記101bより先に前記転てつ器104が設置されたブロックの占有権を得たとする。転てつ器104が設置されたブロックの占有権は、前記列車101aが備える車上装置102aと前記列車101bが備える車上装置102bとの間で巡回させる電文により設定される。

ここで、図9を用いて車上装置102、転てつ器制御装置103のハードウェア構成を説明する。

車上装置102、転てつ器制御装置103は、CPU(Central Processing Unitの略。中央演算処理装置。)902、車上装置102、転てつ器制御装置103の電源を切ってもデータが保持可能な記録装置903、アンテナを介して無線で情報を送受信する送受信装置904、電気的にデータを記録するメモリ905を含む。また、記録装置903には、CPU902がメモリ905に展開して実行するプログラム907が記録されている。

記録装置903は例えば光ディスク、フラッシュメモリ、ハードディスク等である。メモリ905は、例えばDIMM(Dual In-line Memory Module)等である。

車上装置102、転てつ器制御装置103では、他の車上装置や転てつ器制御装置から送信された電文を送受信装置904で受信する。そして、受信した電文を用いて、CPU902が記録装置903に記録されているプログラム907をメモリ905に展開して後述の電文の更新の処理を行う。そして、CPU902の処理結果が送受信装置904により外部へ送信される。

次に、回覧される電文について説明する。図5は本実施例において列車に占有権を設定する電文に含まれる情報の一例を示している。図5の「ブロック占有権欄」には、ブロック1〜6の各ブロックの占有権を有する列車の識別情報が記入される。各ブロックの占有権は列車1台にのみ設定される。列車が各ブロックに進入する際には、そのブロックの占有権が設定されている必要がある。

図5の「列車メンバーリスト」は電文が回覧される列車の識別情報が記入される。電文を受信した列車は、この「列車メンバーリスト」に基づいて次の列車に電文を送信する。なお、本実施例では「列車メンバーリスト」を電文に含む構成としたが、必ずしも電文に含まれなくてもよい。例えば、地上装置が電文を回覧する列車の一覧を管理して各列車に連絡する等、他の方法により各列車が電文を回覧する列車を把握するように構成してもよい。

例えば、ブロック1〜3を走行しようとする列車Aは、電文を受信するとそのブロックの占有権を自列車に設定するよう電文を更新し、列車メンバーリストに基づき次に電文を回覧する列車に更新した電文を送信する。但し、受信した電文においてそのブロックの占有権が既に他の列車に設定されている場合、自列車に占有権を設定するよう電文の更新することができず、他の列車に設定されたそのブロックの占有権が解除されるまでそのブロックを走行することはできない。

ブロック1〜3の占有権が設定された列車Aは、そのブロック1〜3を通過した後に電文を受信すると、列車Aに設定されたブロック1〜3の占有権を解除するように電文を更新し、他の列車に更新した電文を送信する。

転てつ器104が設置されたブロックの占有権が設定された車上装置102aは転てつ器104を制御する転てつ器制御装置103に対して、転てつ器104を列車101aが通過する向きに転換するよう指示(制御指令)を送信する。車上装置102aは転てつ器104の転換が完了するまでは、転てつ器104の手前に列車101aが停車するように列車を制御する。

なお、車上装置が占有権が設定されたブロックに転てつ器が存在するか否かについては、予め記録装置903に各ブロック内にある転てつ器の情報を保持しておき、その情報を参照することにより確認することが可能となる。

車上装置102aから転てつ器の転換指示を受けた転てつ器制御装置103は、指示された方向に転てつ器104を転換し、転換が完了してから、転てつ器の転換が完了したことを示す情報(以下、「転てつ器転換完了情報」と称する。)を車上装置102aに送信する。

転てつ器転換完了情報を受信した車上装置102aは列車101aが転てつ器104が設置されたブロックを通過することを許可する。列車101aが転てつ器104が設置されたブロックを通過した後、車上装置102aが電文を受信すると、列車101aに設定されたそのブロックの占有権を解除するように電文を更新し、車上装置102bへ送信する。

車上装置102bが車上装置102aにより更新された電文を受信すると、転てつ器104が設置されたブロックの占有権を列車101bに設定するよう電文を更新する。そして、車上装置102bは列車101bの進行方向に合わせて転てつ器104の方向を転換する指示を転てつ器制御装置103へ送信し、転換が完了した後に列車101bが転てつ器104が設置されたブロックを通過するように列車101bを制御する。

このように、転てつ器が設置されたブロックの占有権が設定された列車がその転てつ器を制御し、転てつ器の状態に関する情報を得て走行することで、複数の列車が利用する転てつ器を安全に制御し、列車を安全に走行させることが可能となる。また、転てつ器制御装置に電文を巡回させる必要がないため、電文の巡回にかかる時間を短くすることができる。

なお、車上装置において電文を巡回させる処理と転てつ器を制御する処理とを共に無線通信により行う場合、同じ周波数帯を使用すると2つの無線通信がコリジョン(衝突)してしまい、電文の伝送効率が低下するおそれがある。よって、電文を巡回に用いる無線通信の周波数帯と転てつ器の制御に用いる無線通信の周波数帯とを異なるようにすると好ましい。

また、電文を巡回させる処理を行う無線通信装置と転てつ器を制御する処理を行う無線通信装置との2つの無線通信装置を備える構成としてもよい。

図3〜図8を用いて、電文の巡回対象となる列車を管理するための列車メンバーリストの管理について説明する。実施例1で説明した転てつ器の制御に加え、本実施例で説明する列車メンバーリストの管理を行うことで、列車の運行の効率をより高めることが可能となる。

電文により閉塞制御される範囲に新たな列車が進入する場合、電文を回覧するメンバーにその列車を加える必要がある。その方法としては、その新たな列車が閉塞制御される範囲に存在する列車や地上装置へ電文を回覧するメンバーに自列車を登録する旨の要求(以下、単に「登録要求」と称する。)を送信することや、電文により閉塞制御される範囲の列車や地上装置がその新たな列車を検知して電文を回覧するメンバーに加えること等が考えられる。

しかし、実施例1のように電文を列車間で巡回していると、列車は動いているため、新たな列車からの登録要求を受信する精度や、新たな列車を検知する精度が低下し、新たな列車が電文により閉塞制御される範囲への侵入が遅れることが考えられる。一方、転てつ器等の地上装置は、列車のように移動することがないため、列車に比べて新たな列車からの登録要求を受信する精度や新たな電車の進入を検知する精度が高い。

そこで、電文を回覧させる列車については、電文の回覧とは異なる方法で管理することにより、新たな列車からの登録要求の受信精度や新たな列車の侵入の検知精度を高め、列車の運行効率を高めることが可能となる。

本実施例ではその一例として、電文(第1の電文)とは別にその電文を巡回させる列車のメンバーリストの管理に用いるメンバーリスト(第2の電文)を転てつ器等の地上装置を含むルートで回覧させることで、列車の運行効率をより高める例を説明する。

一例として、図4に列車Aと列車Bの2列車が在線し、2列車とも転てつ器1が設置されたブロックを通過しようとしており、列車の在線位置を示すブロックがブロック1〜4まである状態を示す。ここで、列車Aにブロック1〜3の占有権が設定されているとすると、このときに列車間で巡回する電文は図5に示す通りとなる。

図5の列車メンバーリストは、電文を巡回する対象となる列車のリストであり、列車間で巡回する電文に含まれる情報である。なお、実施例1で説明した通り、列車メンバーリストの情報は必ずしも電文に含めなくてもよく、他の方法により各列車が電文を回覧する列車を把握するように構成してもよい。

図6のメンバーリストは、電文を回覧する列車に加えて、その電文により閉塞制御される範囲に存在する転てつ器等の地上装置が含まれる。

次に、図3を用いて、図5に示す電文と、図6に示すメンバーリストとを用いた制御を説明する。本実施例では、列車メンバーリストを管理するために、図5の電文を巡回させるルートと図6のメンバーリストを巡回するルートとの2つの巡回路を作成する。

図5の電文を巡回するための巡回路は図2に示した巡回路と同様であり、電文巡回路301と呼ぶ。電文巡回路301は実線で示す巡回路で、列車に搭載される車上装置のみで構成される。

もう一方の巡回路はメンバーリストを巡回するための巡回路で、図3に破線で示す巡回路であり、メンバーリスト巡回路302と呼ぶ。前記メンバーリスト巡回路302は列車と転てつ器とで構成される。

電文を巡回させる列車は、電文によるブロック占有権の設定や転てつ器の制御を行いつつ、その電文を巡回させる列車のメンバーリストはメンバーリスト巡回路302で巡回されるメンバーリストを用いて管理する。メンバーリストはブロック占有権や転てつ器の制御に用いられることはないため、電文に比べて一周にかかる時間の短縮が要求されない。これにより、転てつ器等の地上装置が増えたとしても、電文を巡回させる電文巡回路301は影響を受けない。

次に、図7、8を用いて、メンバーリスト(第2の電文)を用いて電文(第1の電文)を巡回させるメンバーリスト(列車メンバーリスト)を管理する方法をより具体的に説明する。まずは図7を用いてメンバーリストを受信した際の処理を説明する。

ステップ701:前記メンバーリスト巡回路302で巡回している図6に示すメンバーリストを受信する。

ステップ702: 受信したメンバーリストを保存する。

この処理により、メンバーリストが巡回される各装置は最新のメンバーリストを保持することが可能となる。

次に、図8を用いて列車の車上装置が電文を受信した際の処理を示す。

ステップ801:電文巡回路301で巡回している図5に示すに示す電文を受信する。

ステップ802:電文から列車メンバーリストを抽出する。

ステップ803:ステップ702で保存しておいたメンバーリストを参照する。

ステップ804:ステップ802で抽出した列車メンバーリストとステップ803で参照したメンバーリストとを比較し、列車メンバーリストにない列車がメンバーリストにある場合は、電文により閉塞制御される範囲の列車が増えたと判断して、ステップ805を実行する。ない場合はステップ806に進む。

ステップ805:ステップ804で増えた列車と判断された列車の識別情報を、電文の列車メンバーリストに追加する。

ステップ806:ステップ804と同様に、ステップ802で抽出した列車メンバーリストとステップ803で参照したメンバーリストを比較し、メンバーリストにない列車が列車メンバーリストにある場合は、電文により閉塞制御される範囲の列車が減ったと判断して、ステップ807を実行する。ない場合はステップ808に進む。

ステップ807:ステップ806で減った列車と判断された列車の識別情報を、電文の列車メンバーリストから削除する。

ステップ808:ステップ805およびステップ807で更新された列車メンバーリストに基づいて電文を回覧する。

以上の処理により、メンバーリスト巡回路302を用いて回覧されるメンバーリストを用いて、電文巡回路301を用いて回覧される電文の列車メンバーリストを管理することが可能となる。

なお、メンバーリスト巡回路302および電文巡回路301の巡回路における通信を1つの送受信装置904で行うか、巡回路ごとに異なる送受信装置904を設置するかは巡回路ごとの通信方式等によって決めればよい。

ステップ701〜702およびステップ801〜808の処理は記録装置903に記録されたプログラム907をCPU902がメモリ905を用いて実行することにより行われる。また、ステップ702で保存するメンバーリストは、記録装置903またはメモリ905に記憶する。

また、本実施例では電文の巡回にかかる時間を短縮するために電文巡回路301とメンバーリスト巡回路302の2つの巡回路を用いているが、通勤時間帯等、高密度な列車運行が必要とされる時間において本実施例を適用し、それ以外の時間帯には従来技術に記載した制御を行うようする等、必要なシステムの応答時間に応じて巡回路の構成を動的に変えることも可能である。

以上により、電文の巡回対象となる列車メンバーリストを適切に管理することで、電文により閉塞制御される範囲への新たな列車からの登録要求を受信する精度や新たな列車の検知精度を高めつつ、電文の巡回にかかる時間を短縮し、システム全体の運行効率を上げることが可能となる

実施例2では、電文を巡回する対象となる列車メンバーリストを管理するために、電文巡回路301とメンバーリスト巡回路302の2つの巡回路を構成する例を説明したが、本実施例ではメンバーリスト巡回路302を用いずに列車メンバーリストを管理する構成を示す。転てつ器の制御方法については実施例1と同様である。

図10に本実施例の概念図を示す。図10では、電文により閉塞制御される、列車101aが在線するエリアに列車101bが進入しようとしている状況を示している。このとき、車上装置102bはエリア内にいる列車に対して、登録要求1001を一斉送信する。登録要求1001を受信した車上装置102aは列車メンバーリストに列車101bを追加して、その列車メンバーリストを含む電文を登録完了通知1002として前記車上装置102bに送信する。登録完了通知1002を受信した車上装置102bは受信した列車メンバーリストにしたがって、電文巡回路301に電文を巡回する。なお、登録完了通知1002は電文とは異なる通知として別途車上装置102aから車上装置102bへ送信するようにしてもよい。

エリア内に複数の列車が在線している場合は、在線している列車のうち少なくとも1つが登録完了通知1002を送信することで、列車101bは列車メンバーリストに追加することが可能となる。

車上装置102bは登録完了通知1002を受信できない場合は、当該エリアに進入する前に列車101bを停車させる。これにより列車メンバーリストに追加されることなく、エリア内に列車が進入することを防止する。車上装置102bは登録完了通知1002を受信するまで、登録要求1001の一斉送信を繰り返す。登録完了通知1002を一定時間受信できない場合は、運行管理の指令員が確認してからエリア内に進入するなど、安全を確認したうえでエリア内に進入させてもよい。

以上により、電文とは異なるメンバーリスト(第2の電文)を列車及び地上装置で回覧することなく、列車メンバーリストを管理し、列車を効率よく走行させることが可能となる。

実施例3では、電文により閉塞制御されるエリアに侵入する列車が電文の列車メンバーリストに登録要求を当該エリアに在戦している列車や地上装置に送信する例を説明したが、本実施例では地上装置が登録要求を送信する構成を示す。転てつ器の制御方法については実施例1と同様である。

図11に本実施例の概念図を示す。図11では、電文により閉塞制御される、列車101a、101bが在線するエリアに列車101cが進入しようとしている状況を示している。このとき、列車101cを最初に検知した転てつ器制御装置103はエリア内にいる列車に対して、登録要求1101を一斉送信する。登録要求1101を受信した車上装置102bは列車メンバーリストに列車101cを追加して、その列車メンバーリストを含む電文を登録完了通知1102として前記車上装置102cに送信する。登録完了通知1102を受信した車上装置102cは受信した列車メンバーリストにしたがって、電文を巡回する。なお、登録完了通知1102は電文とは異なる通知として別途車上装置102bから車上装置102cへ送信するようにしてもよい。

エリア内に複数の列車が在線している場合は、在線している列車のうち少なくとも1つが登録完了通知1102を送信することで、列車101cは列車メンバーリストに追加することが可能となる。

車上装置102cは登録完了通知1102を受信できない場合は、当該エリアに進入する前に列車101cを停車させる。これにより列車メンバーリストに追加されることなく、エリア内に列車が進入することを防止する。車上装置102cによる登録完了通知1102の受信が確認できるまで、転てつ器制御装置103は登録要求1101の一斉送信を繰り返す。車上装置102cによる登録完了通知1102の受信を一定時間受信できない場合は、運行管理の指令員が確認してからエリア内に進入するなど、安全を確認したうえで列車101cをエリア内に進入させてもよい。

以上により、電文とは異なるメンバーリスト(第2の電文)を列車及び地上装置で回覧することなく、列車メンバーリストを管理し、列車を効率よく走行させることが可能となる。

なお、上記実施例1〜4で説明した信号保安システムは、鉄道列車のみならず、予め決められた路線を走行する自動車にも適用できる。たとえば、高速道路内において、各車両間で電文を巡回させて保安を確保する。またはアミューズメントパーク、公園等内において、予め路線、コースが決まっているようなところを走行する自動車間で電文を巡回させて保安を確保すること等がある。

101…列車 102…車上装置 103…転てつ器制御装置 104…転てつ器 301…電文巡回路 302…メンバーリスト巡回路 902…CPU 903…記録装置 904…送受信装置 905…メモリ 907…プログラム 1001…登録要求 1002…登録完了通知 1101…登録要求 1102…登録完了通知

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