表示制御装置、表示システム、表示制御方法および表示制御プログラム

申请号 JP2017512169 申请日 2015-04-17 公开(公告)号 JPWO2016166887A1 公开(公告)日 2017-11-02
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 脩平 太田; 脩平 太田; 敬 平野; 敬 平野; 太郎 熊谷; 太郎 熊谷;
摘要 HUDは、表示物を立体映像または平面映像として現実の風景に重ねて表示する。表示制御装置は、移動体および周辺の情報を取得して表示障害物と移動体との相対距離を推定し、表示物と移動体との間に表示障害物が存在する、または存在する可能性があると判断した場合に、相対距離の変化量に応じて表示物の表示態様を変更し、HUDに指示する。
权利要求

表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置を制御する表示制御装置であって、 移動体および周辺の情報を取得する情報取得部と、 前記情報取得部が取得した情報を用いて表示障害物と前記移動体との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在するか否かを判断する情報解析部と、 前記情報解析部により前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在すると判断された場合に前記相対距離の変化量に応じて前記表示物の表示態様を変更する表示判断部と、 前記表示判断部が変更した表示態様で前記表示物を表示するよう前記表示装置に指示する表示指示部とを備えることを特徴とする表示制御装置。前記表示判断部は、前記相対距離の変化量を第一閾値と比較し、前記相対距離の変化量が前記第一閾値より大きい場合、前記表示物を前記移動体の前方の予め定められた第一位置に立体映像として表示するよう判断することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記相対距離の変化量を前記第一閾値より大きな第二閾値と比較し、前記相対距離の変化量が前記第二閾値より大きい場合、前記表示物を前記第一位置より前記移動体に近い位置に平面映像として表示するよう判断することを特徴とする請求項2記載の表示制御装置。前記情報解析部は、前記相対距離が相対距離閾値より小さいか否かを判断し、 前記表示判断部は、前記情報解析部により前記相対距離が前記相対距離閾値より小さいと判断された場合、前記相対距離の変化量に関係なく、前記表示物を前記第一位置より前記移動体に近い位置に平面映像として表示するよう判断することを特徴とする請求項2記載の表示制御装置。前記情報解析部は、前記表示障害物の種別を判断し、 前記表示判断部は、前記表示物を立体映像として表示するときの表示態様を前記表示障害物の種別に応じて変更することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記表示障害物の種別が登り坂である場合、立体映像として表示する前記表示物の仰を上方向にすることを特徴とする請求項5記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記表示障害物の種別が路側設置物である場合、立体映像として表示する前記表示物の形状を前記路側設置物の形状に合わせることを特徴とする請求項5記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記表示障害物の種別が車両である場合、立体映像として表示する前記表示物の位置を前記車両の左右いずれかの位置にすることを特徴とする請求項5記載の表示制御装置。前記移動体は車両であって、 前記表示判断部は、前記移動体が走行している道路のレーン情報に基づいて、立体映像として表示する前記表示物の位置を左右いずれの位置に変更するか判断することを特徴とする請求項8記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記相対距離が予め定められた距離以上である場合に前記表示物の表示態様を復帰することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置と、 請求項1記載の表示制御装置とを備える表示システム。表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置を制御する表示制御装置が行う表示制御方法であって、 情報取得部が、移動体および周辺の情報を取得し、 情報解析部が、前記情報を用いて表示障害物と前記移動体との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在するか否かを判断し、 表示判断部が、前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在すると判断された場合に前記相対距離の変化量に応じて前記表示物の表示態様を変更し、 表示指示部が、前記変更した表示態様で前記表示物を表示するよう前記表示装置に指示することを特徴とする表示制御方法。表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置の制御を、コンピュータに実行させるための表示制御プログラムであって、 情報取得部に、移動体および周辺の情報を取得させる手順と、 情報解析部に、前記情報を用いて表示障害物と前記移動体との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在するか否かを判断させる手順と、 表示判断部に、前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在すると判断された場合に前記相対距離の変化量に応じて前記表示物の表示態様を変更させる手順と、 表示指示部に、前記変更した表示態様で前記表示物を表示するよう前記表示装置に指示させる手順とを備えることを特徴とする表示制御プログラム。

表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置を制御する表示制御装置であって、 移動体および周辺の情報を取得する情報取得部と、 前記情報取得部が取得した情報を用いて表示障害物と前記移動体との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在するか否かを判断する情報解析部と、 前記情報解析部により前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在すると判断された場合に前記相対距離の変化量に応じて前記表示物の表示態様を変更する表示判断部と、 前記表示判断部が変更した表示態様で前記表示物を表示するよう前記表示装置に指示する表示指示部とを備え、 前記表示判断部は、前記相対距離の変化量を第一閾値と比較し、前記相対距離の変化量が前記第一閾値以下の場合、前記表示物を前記表示障害物より手前の予め定められた位置に立体映像として表示するよう判断することを特徴とする表示制御装置。前記表示判断部は、前記相対距離の変化量を前記第一閾値と比較し、前記相対距離の変化量が前記第一閾値より大きい場合、前記表示物を、前記表示障害物より手前の予め定められた位置より前記移動体に近い位置である、前記移動体の前方の予め定められた第一位置に立体映像として表示するよう判断することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記相対距離の変化量を前記第一閾値より大きな第二閾値と比較し、前記相対距離の変化量が前記第二閾値より大きい場合、前記表示物を前記第一位置より前記移動体に近い位置に平面映像として表示するよう判断することを特徴とする請求項2記載の表示制御装置。前記情報解析部は、前記相対距離が相対距離閾値より小さいか否かを判断し、 前記表示判断部は、前記情報解析部により前記相対距離が前記相対距離閾値より小さいと判断された場合、前記相対距離の変化量に関係なく、前記表示物を前記第一位置より前記移動体に近い位置に平面映像として表示するよう判断することを特徴とする請求項2記載の表示制御装置。前記情報解析部は、前記表示障害物の種別を判断し、 前記表示判断部は、前記表示物を立体映像として表示するときの表示態様を前記表示障害物の種別に応じて変更することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記表示障害物の種別が登り坂である場合、立体映像として表示する前記表示物の仰角を上方向にすることを特徴とする請求項5記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記表示障害物の種別が路側設置物である場合、立体映像として表示する前記表示物の形状を前記路側設置物の形状に合わせることを特徴とする請求項5記載の表示制御装置。前記表示判断部は、前記表示障害物の種別が車両である場合、立体映像として表示する前記表示物の位置を前記車両の左右いずれかの位置にすることを特徴とする請求項5記載の表示制御装置。前記移動体は車両であって、 前記表示判断部は、前記移動体が走行している道路のレーン情報に基づいて、立体映像として表示する前記表示物の位置を左右いずれの位置に変更するか判断することを特徴とする請求項8記載の表示制御装置。表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置を制御する表示制御装置であって、 移動体および周辺の情報を取得する情報取得部と、 前記情報取得部が取得した情報を用いて表示障害物と前記移動体との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在するか否かを判断する情報解析部と、 前記情報解析部により前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在すると判断された場合に前記相対距離の変化量に応じて前記表示物の表示態様を変更する表示判断部と、 前記表示判断部が変更した表示態様で前記表示物を表示するよう前記表示装置に指示する表示指示部とを備え、 前記表示判断部は、前記相対距離が予め定められた距離以上である場合に前記表示物の表示態様を復帰することを特徴とする表示制御装置。表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置と、 請求項1記載の表示制御装置とを備える表示システム。表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置を制御する表示制御装置が行う表示制御方法であって、 情報取得部が、移動体および周辺の情報を取得し、 情報解析部が、前記情報を用いて表示障害物と前記移動体との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在するか否かを判断し、 表示判断部が、前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在すると判断された場合に前記相対距離の変化量を第一閾値と比較し、前記相対距離の変化量が前記第一閾値以下の場合、前記表示物を前記表示障害物より手前の予め定められた位置に立体映像として表示するよう判断して前記表示物の表示態様を変更し、 表示指示部が、前記変更した表示態様で前記表示物を表示するよう前記表示装置に指示することを特徴とする表示制御方法。表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置の制御を、コンピュータに実行させるための表示制御プログラムであって、 情報取得部に、移動体および周辺の情報を取得させる手順と、 情報解析部に、前記情報を用いて表示障害物と前記移動体との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在するか否かを判断させる手順と、 表示判断部に、前記表示物と前記移動体との間に前記表示障害物が存在すると判断された場合に前記相対距離の変化量に応じて前記表示物の表示態様を変更させる手順と、 表示指示部に、前記変更した表示態様で前記表示物を表示するよう前記表示装置に指示させる手順とを備え、 前記表示判断部の手順にて、前記相対距離の変化量と第一閾値とを比較させ、前記相対距離の変化量が前記第一閾値以下の場合、前記表示物を前記表示障害物より手前の予め定められた位置に立体映像として表示することを判断させることを特徴とする表示制御プログラム。

说明书全文

この発明は、表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置を制御する表示制御装置、表示システム、表示制御方法および表示制御プログラムに関するものである。

車両に搭載されたHUD(Head Up Display)型の表示装置は、運転者が運転中の前景視野から視線をほとんど外すことなく、必要な情報を確認できる(例えば、特許文献1参照)。近年、情報の表示位置に奥行き方向を加え、三次元の立体映像を表示可能なHUDが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このHUDにおいて立体映像の表示物を現実風景の対象物に重畳させて表示することで、表示物と対象物の視差がなくなるため、運転者はより直感的に情報の視認が可能となる。また、例えば車両が曲がる方向を示す矢印等の図形を交差点の道路に重畳させて立体的に表示することにより、運転者の前方に二次元の平面映像を表示した場合に比べて、運転者は次に曲がる方向と場所を直感的に理解することが可能となる。

特開2004−302643号公報

特開2006−31618号公報

しかし、状況によっては、立体映像の表示物を視認することが運転者の負荷となる可能性があり、その一例として、立体映像の表示物が実在する障害物を突き抜けるように視認されてしまう現象が挙げられる。これは、運転者と表示物との間に前方車両等の障害物が存在する場合に、運転者は本来ならば障害物の陰となり視認できないはずの表示物を、まるで障害物を突き抜けて存在するかのような態様で視認できてしまうという現象である。この状況下では、運転者は表示物の視認に違和感を覚えるため、直感的に情報を理解できない恐れがある。

上記特許文献1に係る表示装置は、平面映像の表示物による障害物への突き抜けが発生する場合、表示物の表示位置を障害物と同程度の奥行き方向の位置へ移動させて表示物と障害物とを重ねて表示することにより表示物の視認性を向上させているものの、この表示装置では平面映像の表示物が表示対象にされており、立体映像の表示物の突き抜けについては考慮されていない。そのため、依然として、障害物に対して立体映像の表示物が突き抜けてしまう現象が起こるという課題があった。

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、三次元の立体映像を表示可能な表示装置において表示物が障害物を突き抜けるように表示される現象を予防することを目的とする。

この発明に係る表示制御装置は、表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能な表示装置を制御するものであって、移動体および周辺の情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した情報を用いて表示障害物と移動体との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される表示物と移動体との間に表示障害物が存在するか否かを判断する情報解析部と、情報解析部により表示物と移動体との間に表示障害物が存在すると判断された場合に相対距離の変化量に応じて表示物の表示態様を変更する表示判断部と、表示判断部が変更した表示態様で表示物を表示するよう表示装置に指示する表示指示部とを備えるものである。

この発明によれば、現実の風景に重ねて表示される表示物と移動体との間に表示障害物が存在する場合に、表示障害物と移動体との相対距離の変化量に応じて表示物の表示態様を変更するようにしたので、三次元の立体映像を表示可能な表示装置において表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象を予防することができる。

この発明の実施の形態1に係る表示システムの構成例を示すブロック図である。

HUDが表示物を平面映像または立体映像として表示した場合の例を示す図である。

HUDが表示物を平面映像または立体映像として表示した場合の別の例を示す図である。

実施の形態1に係る表示制御装置の動作を示すフローチャートである。

実施の形態1において表示物、車両および表示障害物の位置関係を説明する図である。

実施の形態1において表示物の表示態様を変更した例を示す図である。

図6(a)と図6(b)の表示物を自車両の運転者から見た様子を示す図である。

実施の形態1に係る表示システムのハードウエア構成図である。

この発明の実施の形態2に係る表示システムの構成例を示すブロック図である。

実施の形態2において表示物の表示態様を変更した例を示す図である。

実施の形態2に係る表示制御装置の動作を示すフローチャートである。

この発明の実施の形態3に係る表示システムの構成例を示すブロック図である。

実施の形態3に係る表示制御装置の動作を示すフローチャートである。

実施の形態3において表示障害物の種別が登り坂である場合の表示物の表示態様変更例を示す図である。

実施の形態3において表示障害物の種別が路側設置物である場合の表示物の表示態様変更例を示す図である。

実施の形態3において表示障害物の種別が車両である場合の表示物の表示態様変更例を示す図である。

以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。 実施の形態1. 図1は、この発明の実施の形態1に係る表示システムの構成例を示すブロック図である。表示システムは車両に搭載されるものであって、表示物を三次元の立体映像または二次元の平面映像として表示することが可能なHUD1と、HUD1を制御する表示制御装置10とを備えている。表示制御装置10には、周辺機器として、車内カメラ2、車外カメラ3、GPS(Global Positioning System)受信機4、CAN(Controller Area Network)5、カーナビゲーション装置6およびレーザレーダ7のうちの少なくとも1つが接続される。

HUD1は、後述する表示制御装置10からの指示に従って、表示物を立体映像または平面映像として表示する。このHUD1は、例えば、表示物の画像を高輝度の液晶ディスプレイに表示し、その液晶ディスプレイの画面をハーフミラーで反射することにより、表示物を運転者に視認させる構成である。ハーフミラーは、車両のフロントガラスでもよいし、フロントガラスと運転者との間に設置されるコンバイナ等でもよい。この構成により、運転者には、フロントガラス等を通して見える現実の風景と表示物とが重なって見える。

表示制御装置10は、自車両および自車両周辺の情報を周辺機器から取得する情報取得部11と、情報取得部11が取得した情報を用いて自車両と表示物と表示障害物の位置関係を解析する情報解析部12と、情報解析部12が解析した位置関係に応じて表示物の表示態様を変更する表示判断部13と、表示判断部13が変更した表示態様で表示物を表示するようHUD1に指示する表示指示部14とを備えている。

表示物とは、HUD1に表示される映像である。表示物は、例えばカーナビゲーション装置6が出するナビゲーション情報等であり、ナビゲーション情報としては次の案内地点で曲がる方向を表す案内矢印、次の案内地点までの距離、案内地点の名称、高速道路走行時のパーキングエリアまたはジャンクション等を表す案内標識、および目的地の名称等がある。また、表示物は、例えば車外カメラ3またはレーザレーダ7が検出した自車両と前方車両との車間距離等の情報である。また、表示物は、CAN5を通じて車載機器間で送受信されている自車両の速度、操燃料残量、または警告等のCAN情報である。なお、表示物の情報内容はこれらの例に限定されるものではなく、HUD1に表示可能なものであれば何でもよい。

表示態様とは、表示物の情報内容、表示位置、表示形状、大きさ、および映像の次元(平面映像、立体映像)等である。

立体映像とは、運転者にとって奥行きがあるように見える表示物のことであり、平面映像とは、ある定められた平面上にのみ表示される奥行きがないように見える表示物のことである。表示物をHUD1に立体映像として表示したものを「立体表示物」、平面映像として表示したものを「平面表示物」と呼ぶ。 HUD1は、例えば、右眼用画像と左眼用画像を用いた錯視を利用して、表示物を平面映像にしたり立体映像にしたりする。

表示位置とは、HUD1が表示する表示物の運転者によって視認される位置である。HUD1は、運転者から見て奥行き方向、上下方向および左右方向に、表示物の表示位置を変更可能とする。奥行き方向は、運転者側から車両前方に向かう方向である。HUD1は、例えば、上述の錯視を利用して表示物の表示位置を変更したり、プロジェクタまたはハーフミラー等の移動により表示物の表示位置を変更したりする。

表示形状とは、HUD1が表示する表示物の形状である。 右眼用画像と左眼用画像における表示物の形状を変更することで、HUD1が表示したときに表示物の仰角を変更したり、回転させたり、屈曲させたりする。 なお、表示形態の変更方法は、上記例に限定されるものではない。

ここで、図2(a)に表示物を平面映像として表示した場合の例を示す。HUD1が、前方車両101が存在する車両前方の現実の風景に、例えば前方車両101が60km/hで走行していることを示す「Proceeding Vehicle 60km/h」等の平面表示物102aを重ねて表示することにより、運転者は、前景視野からほとんど視線を外すことなく平面表示物102aを視認できる。ただし、図2(a)の例のように、平面表示物102aの奥行き方向の表示位置を常に一定位置にした場合、前方車両101と自車両との相対距離に応じて、前方車両101と平面表示物102aとの間に視差が生じる。 他方、表示物を立体映像として表示した場合の例を、図2(b)に示す。HUD1が、前方車両101に立体表示物102bが重ねて表示されるように表示位置を前方車両101と自車両との相対距離に応じて変更することにより、前方車両101と立体表示物102bとの視差がなくなるため、運転者は直感的に立体表示物102bの内容を理解できる。

図3(a)に表示物を平面映像として表示した場合の例を示し、図3(b)に表示物を立体映像として表示した場合の例を示す。矢印状の平面表示物104aと立体表示物104bは、次の案内地点において自車両が曲がる方向を示す案内矢印である。図3(a)のように予め定められた一定位置の平面に表示した平面表示物104aに比べ、図3(b)のように道路103に重畳させ立体的に表示した立体表示物104bの方が、運転者は次に曲がる方向と場所を直感的に理解できる。

次に、表示制御装置10の詳細を説明する。 情報取得部11は、自車両または自車両周辺の情報を、車内カメラ2、車外カメラ3、GPS受信機4、CAN5、カーナビゲーション装置6およびレーザレーダ7から取得する。以下では、自車両の情報を「車両情報」と呼び、自車両周辺の情報を「周辺情報」と呼ぶ。

情報解析部12は、情報取得部11が取得した車両情報および周辺情報を解析して、HUD1に表示させる表示物を判断して表示判断部13へ出力する。なお、表示物の種別ごとに初期の表示形態を定義した初期表示形態情報が、表示制御装置10に予め記憶されているものとする。

また、情報解析部12は、情報取得部11が取得した車両情報および周辺情報を解析し、自車両の状況、自車両周辺の状況、ならびに自車両内の運転者および同乗者等の状況を判断する。

さらに、情報解析部12は、自車両周辺の状況に基づいて自車両周辺に表示障害物が存在するか否か判断し、表示障害物が存在する場合にはこの表示障害物と自車両との相対距離と種別を推定し、記憶する。そして情報解析部12は、表示判断部13からHUD1に表示させている表示物の表示位置の情報を取得し、表示物と自車両との間に表示障害物があるか否かを判断し、相対距離と判断結果等を表示判断部13へ出力する。

表示障害物とは、例えば、自車両周辺に存在する車両、ガードレール等の路側設置物、または登り坂等であり、表示物が突き抜けるように表示される可能性のある障害物である。

自車両の状況とは、例えば、自車両の速度、操舵角、現在位置、または進行方向等である。情報解析部12は、例えば、車内カメラ2が撮像する自車両内の撮像画像、車外カメラ3が撮像する自車両周辺の撮像画像、GPS受信機4がGPS衛星から受信するGPS情報、CAN5を通じて送受信されるCAN情報、またはカーナビゲーション装置6が生成するナビゲーション情報等を用いて、自車両の状況を判断する。

自車両周辺の状況とは、例えば、自車両周辺の他車両の位置、ガードレール等の路側設置物の有無および位置、道路のレーン数、道路の曲がり度合い、または登り坂および下り坂等の道路状況等である。情報解析部12は、例えば、車外カメラ3が撮像する自車両周辺の撮像画像、GPS受信機4のGPS情報、CAN5のCAN情報、カーナビゲーション装置6の地図情報、またはレーザレーダ7が検出する三次元情報等を用いて、自車両周辺の状況を判断する。

運転者の状況とは、例えば、運転者の視線、または頭部の位置等である。情報解析部12は、車内カメラ2が撮像する自車両内の撮像画像を用いて、運転者の状況を判断し、運転者の位置を推定する。

表示判断部13は、HUD1に表示する表示物の情報、表示障害物と自車両との相対距離、および表示物と自車両との間に表示障害物があるか否かの判断結果等の情報を情報解析部12から受け取る。そして表示判断部13は、これらの情報に基づいて、表示物の表示形態を設定して記憶すると共に、表示指示部14へ出力する。表示判断部13による表示形態の設定方法は後述する。

表示指示部14は、表示判断部13から表示物の表示形態を設定した情報を受け取る。そして表示指示部14は、表示判断部13が設定した表示形態で表示物を表示するようHUD1に指示する。 なお、表示指示部14は、表示物の表示態様を変更する際、表示物の表示位置が徐々に変化するような指示をHUD1に出力してもよいし、表示位置が瞬間的に変化するような指示をHUD1に出力してもよい。表示形状も同様に、徐々に変化するような指示でもよいし、瞬間的に変化するような指示でもよい。

次に、図4に示すフローチャートを用いて、実施の形態1の表示制御装置10の動作を説明する。表示制御装置10は、車両のエンジンがONされてからOFFされるまでの間、または表示制御装置10もしくはHUD1がONされてからOFFされるまでの間、このフローチャートに示された動作を繰り返す。 また、以下の説明では、すでに、情報解析部12が情報取得部11を経由して周辺機器からHUD1に表示する表示物の情報を受け取って、表示判断部13に表示物の情報を出力し、表示判断部13がこの表示物の初期表示形態情報に基づいて表示形態を設定し、表示指示部14が表示物をその表示態様で表示するようHUD1に指示を出した状態、例えば図3(b)のように自車両前方の道路103に立体表示物104bが表示されている状態とする。

情報取得部11は、周辺機器から車両情報および周辺情報を取得して、情報解析部12へ出力する(ステップST101)。 情報解析部12は、情報取得部11から車両情報および周辺情報を受け取って解析し(ステップST102)、前方車両等の表示障害物と自車両との相対距離を推定する。ここで推定する相対距離は、例えば、前方車両等の表示障害物の後端部から自車両の前端部までの最短距離とする。 また、情報解析部12は、表示判断部13からHUD1に現在表示させている表示物の表示位置の情報を取得し、この表示物と自車両との間に表示障害物が存在するか否かを判断する(ステップST103)。情報解析部12は、表示障害物と自車両との相対距離および判断結果等の情報を表示判断部13へ出力する。なお、情報解析部12は、自車両の前方に表示障害物を認識できなかった場合も、表示物と自車両との間に表示障害物がないと判断する。

上記説明では、ステップST103において情報解析部12が、表示物と自車両との間に表示障害物が存在するか否かを判断しているが、表示物と自車両との間に入る可能性がある表示障害物が存在するか否かを判断してもよい。また、情報解析部12は、表示物と自車両との間ではなく、表示物と自車両内の運転者との間を基準にして判断してもよい。

ここで、図5を用いて、ステップST103において情報解析部12が行う判断方法を説明する。 実施の形態1においては、表示物は、その種別にもよるが、自車両100の0m〜20m前方までの距離Aのうちのいずれかの位置に表示されるものとする。従って、表示物の初期表示形態情報としても、自車両100の0m〜20m前方までの距離Aのどこかに表示位置が設定されている。

HUD1に表示させる立体表示物105と自車両100との間に前方車両101aが存在すると、表示物が前方車両101aを突き抜けるように表示される現象が起こる。一方、前方車両101bは立体表示物105より前方に存在しているので突き抜けは起こらない。 表示物の突き抜けを予防するためには、表示物の表示位置を前方車両101aより自車両100側に変更する必要がある。そこで、情報解析部12において、自車両100と立体表示物105との間に前方車両101a等の表示障害物が存在するか否かを判断することによって、突き抜けが起きているか否かを判断する。なお、情報解析部12は、自車両100の運転者と立体表示物105との間に表示障害物が存在するか否かを判断してもよい。ステップST103の判断では、自車両からみて表示物の最も奥側を表示物の位置とし、表示障害物の最も手前側を当該表示障害物の位置とする。

あるいは、情報解析部12において、自車両100と立体表示物105との間に表示障害物が存在する可能性があるか否かを判断するようにしてもよい。例えば、自車両100の0m〜20m前方の距離Aを表示態様変更距離として設定しておき、情報解析部12は前方車両101a等の表示障害物が表示態様変更距離である距離A内にあるか否かを判断することによって、突き抜けが起きる可能性があるか否かを判断する。

他方、実施の形態1において、自車両100の20m〜40m前方までの距離Bには、表示物は表示されない。そのため、この距離Bに前方車両101cが存在したとしても、表示物が前方車両101cを突き抜けることはない。しかし、前方車両101cが急減速するなどして自車両100との相対距離が短時間に大きく変化した場合、すぐに前方車両101cが距離Aに入る可能性がある。従って、表示物の突き抜けをより確実に予防するためには、表示態様変更距離として、自車両100の0m〜20m前方の距離Aに加えて20m〜40m前方の距離Bも設定しておくことが望ましい。 なお、図5に示した距離A,Bは一例であり、表示態様変更距離はこれらの値に限定されるものではない。

ここで、図6に表示物の表示態様変更例を示す。図6(a)に示すように、立体表示物105aが表示障害物である前方車両101と重なる位置に表示された場合、この立体表示物105aが前方車両101を突き抜けるように表示される現象が起こる。図7(a)に、立体表示物105aが前方車両101を突き抜けて表示される現象を、自車両の運転者から見た様子を示す。 情報解析部12において表示物と自車両との間に表示障害物が存在すると判断された場合、図6(a)で示すように、表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象が起こっている。 あるいは、情報解析部12において表示態様変更距離内に表示障害物が存在すると判断された場合、表示物の表示位置を変更しないと表示障害物を突き抜けるように表示される現象が起こる可能性がある。 そこで、表示制御装置10はステップST104以降の処理を行って、突き抜けを解消して再発を防止する、あるいは突き抜けを予防する。

情報解析部12において表示物と自車両との間に表示障害物が存在すると判断された場合、または表示態様変更距離内に表示障害物が存在すると判断された場合(ステップST103“YES”)、表示判断部13は、表示障害物と自車両との相対距離を記憶する。また、表示判断部13は、前回記憶した表示障害物と自車両との相対距離、および今回情報解析部12から受け取った表示障害物と自車両との相対距離の変化量を算出し、相対距離の変化量が予め定められている第一閾値以下であるか否かを判断する(ステップST104)。

表示判断部13は、相対距離の変化量が第一閾値以下である場合(ステップST104“YES”)、HUD1が表示している表示物を立体映像とし、表示障害物より手前の予め定められた位置に表示するよう表示態様を設定する(ステップST106)。これは、相対距離の変化量が小さい場合は、すぐに表示物と表示障害物が重なる可能性が低く、可能な限り表示物の初期表示位置に近い、表示障害物の近くに表示した方がよいためである。また、表示障害物と自車両との相対距離が急激に変化する可能性が低いので、表示物を立体映像として表示したとしても突き抜け現象が起こる可能性は低い。 なお、表示判断部13は、例えば、相対距離の推定に用いられた表示障害物の位置と、予め定められた距離とを基準にして、「表示障害物より手前の予め定められた位置」を設定すればよい。

図6(b)に、立体表示物105bを前方車両101より手前の予め定められた位置に表示した例を示す。図6(a)の立体表示物105aは前方車両101と同じ位置に表示されるため突き抜け現象が起きるが、図6(b)の立体表示物105bは前方車両101より手前に表示されるため突き抜け現象は起こらない。自車両の運転者から見た立体表示物105bを、図7(b)に示す。 また、図6(b)、図6(c)、図6(d)において前方車両101と自車両100との相対距離の変化量を、相対距離変化量110,111,112の矢印で示す。この矢印が長いほど相対距離の変化量が大きいことを表す。

一方、表示障害物と自車両との相対距離の変化量が第一閾値より大きい場合(ステップST104“NO”)、表示判断部13は、相対距離の変化量が予め定められている第二閾値以下であるか否かを判断する(ステップST105)。第二閾値は、第一閾値よりも大きい値とする。

表示判断部13は、相対距離の変化量が第二閾値以下である場合(ステップST105“YES”)、HUD1が表示している表示物を立体映像とし、自車両前方の予め定められた位置に表示するよう表示態様を設定する(ステップST107)。これは、相対距離の変化量が大きい場合は、すぐに表示物と表示障害物が重なる可能性が高く、可能な限り表示障害物から離して自車両の近くに表示した方がよいためである。表示障害物から離れた位置に表示物を表示しておくことにより、表示障害物と自車両との相対距離が急激に変化したとしても、突き抜け現象が起こる可能性は低い。 なお、表示判断部13は、例えば、相対距離の推定に用いられた自車両の位置と、予め定められた距離とを基準にして、「自車両前方の予め定められた位置」を設定すればよい。

図6(c)に、立体表示物105cを自車両100の前方の予め定められた位置に表示した例を示す。立体表示物105cは、図6(a)の立体表示物105aおよび図6(b)の立体表示物105bに比べて、自車両100の近くに表示される。 図6(c)に示す立体表示物105cの表示位置が「第一位置」に相当する。

一方、表示障害物と自車両との相対距離の変化量が第二閾値より大きい場合(ステップST105“NO”)、表示判断部13は、HUD1が表示している表示物を平面映像とし、運転者前方の予め定められた位置に表示するよう表示態様を設定する(ステップST108)。これは、相対距離の変化量がさらに大きい場合、例えば表示障害物である前方車両が急減速した場合、立体映像を表示する十分な空間が表示障害物と自車両との間に確保できない可能性があるためである。 なお、表示判断部13は、例えば、相対距離の推定に用いられた自車両の位置と、情報解析部12が解析した運転者の位置と、予め定められた距離とを基準にして、「運転者前方の予め定められた位置」を設定すればよい。

図6(d)に、平面表示物105dを自車両100の運転者前方の予め定められた位置に表示した例を示す。一般的なHUD1においては、平面表示物105dは、運転者の前方数メートル程度の位置に表示されるため、表示障害物に重ならず突き抜けない。 図6(d)に示す平面表示物105dの表示位置が、「第一位置より移動体に近い位置」に相当する。

表示判断部13は、ステップST106,ST107,ST108のいずれかにおいて設定した表示態様の情報を、表示指示部14へ指示する。 表示指示部14は、表示判断部13から指示された表示態様に基づき、HUD1に表示物を表示するよう指示を出力する(ステップST109)。HUD1は、表示指示部14の指示に従い、表示物を立体映像または平面映像として、指示された表示位置に表示する。

情報取得部11は、先のステップST101において情報を取得した時点から予め定められた時間(例えば、1秒)が経過するまで待ち(ステップST110)、その後にステップST101へ戻って新たな情報を取得する。つまり、図4のフローチャートでは、表示障害物と自車両との相対距離の1秒あたりの変化量に基づいて、表示物の表示態様を変更するか否か判断していることになる。

なお、表示物と自車両との間に表示障害物が存在すると初めて判定されたとき、または表示態様変更距離内に表示障害物が存在すると初めて判断されたとき(ステップST103“YES”)、前回の表示障害物と自車両との相対距離は記憶されていないので、表示判断部13は初回の相対距離を記憶した後、ステップST104〜ST109をスキップして、ステップST110の処理へ進む。

また、表示物と自車両との間に表示障害物が存在しないと初めて判定されたとき、または表示態様変更距離内に表示障害物が存在しないと初めて判断されたとき(ステップST103“NO”)、この判断結果を受け付けた表示判断部13は、表示物の表示態様を初期表示態様に復帰させる指示を表示指示部14へ出力し、表示指示部14は、表示判断部13から指示された初期表示態様に基づきHUD1に表示物を表示するよう指示を出力する(ステップST111)。

次に、図4のフローチャートを用いて説明した処理について、以下に具体例を用いて説明する。ここでは、表示制御装置10からHUD1に指示して、自車両より10m前方の初期表示位置に案内矢印を表す立体表示物を道路に重ねて表示させているものとする。 このとき、情報解析部12が、自車両より8m前方に表示障害物となる前方車両を認識し、表示態様変更距離内に表示障害物が存在すると判断したとする(ステップST103“YES”)。

表示判断部13は、情報解析部12から相対距離と判断結果を受け取り、前回と今回の相対距離の変化量を算出し、相対距離の変化量が第一閾値より大きく(ステップST104“NO”)、第二閾値以下と判断し(ステップST105“YES”)、自車両の3m前方に案内矢印の立体映像を表示するよう表示態様を設定する(ステップST107)。 表示指示部14は、表示判断部13により設定された表示態様に基づいて、案内矢印を立体映像として表示させる位置を、自車両の10m前方から3m前方に変更するようHUD1に指示する(ステップST109)。

その後ステップST101へ戻ってステップST103まで処理がなされ、今回のステップST103において情報解析部12が、上記前方車両が自車両に近づいたことを判断したとする(ステップST103“YES”)。表示判断部13は、情報解析部12から相対距離と判断結果を受け取り、前回と今回の相対距離の変化量を算出する(ステップST104)。

前方車両と自車両との相対距離の変化量が第一閾値より大きく(ステップST104“NO”)、かつ第二閾値より大きい場合(ステップST105“NO”)、表示判断部13は、自車両の運転者の3m前方に案内矢印の平面映像を表示するよう表示態様を設定する(ステップST108)。表示指示部14は、表示判断部13により設定された表示態様に基づいて、案内矢印を立体映像から平面映像に変更し、この平面映像を表示させる位置を自車両の3m前方から運転者の3m前方に変更するようHUD1に指示する(ステップST109)。

あるいは、前方車両と自車両との相対距離の変化量が第一閾値以下である場合(ステップST104“YES”)、表示判断部13は、上記前方車両の3m手前に案内矢印の立体映像を表示するよう表示態様を設定する(ステップST106)。表示指示部14は、表示判断部13により設定された表示態様に基づいて、案内矢印の立体映像を表示させる位置を前方車両の3m手前に変更するようHUD1に指示する(ステップST109)。

また、上記前方車両が表示態様変更距離から外れた場合(ステップST103“NO”)、表示判断部13は、案内矢印の表示態様を復帰させる指示を表示指示部14へ出力する(ステップST111)。表示指示部14は案内矢印を、初期表示位置である自車両より10m前方に立体映像として表示させるようHUD1に指示する。

なお、ここまでは自車両と表示障害物とが近づいたときの表示態様変更方法について説明したが、反対に自車両と表示障害物とが遠ざかるときに以下のように表示態様を変更してもよい。 例えば、相対距離の変化量に対して第三閾値、および第三閾値より小さな第四閾値を予め定めておく。表示判断部13は、自車両前方の予め定められた位置に表示物を立体映像として表示させている際、自車両と表示障害物との相対距離の変化量が第三閾値より大きく自車両前方に十分な表示空間がある場合に、HUD1が表示している表示物を立体映像とし、表示障害物より手前の予め定められた位置に表示するよう表示態様を設定する。 また、表示判断部13は、運転者前方の予め定められた位置に表示物を平面映像として表示させている際、自車両と表示障害物との相対距離の変化量が第三閾値以下かつ第四閾値より大きく自車両前方に十分な表示空間がある場合に、HUD1が表示している表示物を立体映像とし、自車両前方の予め定められた位置に表示するよう表示態様を設定する。 なお、表示判断部13は、第三閾値と第四閾値のいずれか一方のみを用いて表示態様変更の必要性を判断してもよい。

次に、図8を参照して、表示制御装置10のハードウエア構成例を説明する。バス40には、メモリ41、CPU(Central Processing Unit)42、入力装置43およびHUD1が接続されている。 車両に搭載された車外カメラ3等の周辺機器が出力した情報は、入力装置43に入力される。入力装置43は情報取得部11である。 CPU42は、メモリ41に記憶された表示制御プログラムを実行することにより、情報解析部12、表示判断部13および表示指示部14としての機能を実現する。 CPU42が出力した情報はHUD1に入力され、HUD1がその情報に従い表示物を表示出力することで当該表示物が運転者に提示される。

以上より、実施の形態1によれば、表示システムは、表示物を立体映像として現実の風景に重ねて表示可能なHUD1と、このHUD1を制御する表示制御装置10を備える構成であり、表示制御装置10は、車両および周辺の情報を取得する情報取得部11と、情報取得部11が取得した情報を用いて表示障害物と車両との相対距離を推定し、現実の風景に重ねて表示される表示物と車両との間に表示障害物が存在するか否かを判断する情報解析部12と、情報解析部12により表示物と車両との間に表示障害物が存在すると判断された場合に相対距離の変化量に応じて表示物の表示態様を変更する表示判断部13と、表示判断部13が変更した表示態様で表示物を表示するようHUD1に指示する表示指示部14とを備える構成にしたので、三次元の立体映像を表示可能なHUD1において表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象を予防することができ、視認性の向上が可能になる。 なお、情報解析部12は、現実の風景に重畳される表示物と車両との間に入ってくる可能性のある表示障害物が存在するか否かを判断してもよい。これにより、より確実に突き抜け現象を予防することができる。

また、実施の形態1によれば、表示判断部13は、相対距離の変化量を第一閾値と比較し、相対距離の変化量が第一閾値より大きい場合に、表示物を車両前方の予め定められた第一位置に立体映像として表示するよう判断する構成にしたので、相対距離が大幅に減少した場合でも表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象を予防することができる。

また、実施の形態1によれば、表示判断部13は、相対距離の変化量を第一閾値より大きな第二閾値と比較し、相対距離の変化量が第二閾値より大きい場合に表示物を第一位置より車両に近い位置に平面映像として表示するよう判断する構成にしたので、相対距離が急激に減少した場合でも表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象を予防することができる。

また、実施の形態1によれば、表示判断部13は、相対距離が予め定められた距離(例えば、表示態様変更距離)以上である場合に表示物の表示態様を復帰する構成にしたので、表示態様を変更する必要がない場合、本来の表示態様で表示物を表示して視認性を向上させることができる。

実施の形態2. 図9は、この発明の実施の形態2に係る表示制御装置10の構成例を示すブロック図である。図9において図1と同一または相当する部分は同一の符号を付し説明を省略する。実施の形態2に係る表示制御装置10の情報解析部22と表示判断部23は、図1に示した実施の形態1の表示制御装置10の情報解析部12と表示判断部13に新たな機能が追加されている点が異なる。

実施の形態2では、表示物の表示態様を平面映像に設定するとき、表示障害物と自車両との相対距離の変化量だけでなく、相対距離の値そのものも考慮する。

図10に、実施の形態2による表示物の表示態様変更例を示す。図10(a)に示すように、表示障害物である前方車両201と自車両200との相対距離変化量210が第一閾値より大きく、かつ第二閾値以下である場合、案内矢印である立体表示物202aは立体映像として自車両前方に表示される。例えば赤信号で車両が停車する際または渋滞時など緩やかに相対距離が減少していき、前方車両と自車両との間に立体映像を表示する空間がなくなる場合、相対距離変化量210のみに応じて表示態様を設定していたのでは、図10(a)に示すように立体表示物202aが前方車両201を突き抜けてしまう可能性がある。そこで、図10(b)に示すように、前方車両201と自車両200との相対距離が小さい場合に、立体表示物202aから平面表示物202bへ案内矢印の表示態様を切り替えることで、表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象を予防することができる。

情報解析部22は、上記実施の形態1の情報解析部12と同様の処理を行う。加えて情報解析部22は、情報取得部11から受け取った相対距離を、予め定められている相対距離閾値と比較し、相対距離が相対距離閾値より小さいか否かの判断結果を表示判断部23へ出力する。相対距離閾値は、自車両前方に表示物を立体映像として表示したときに表示物が表示障害物を突き抜けない距離であることが望ましい。また、表示物は種別に応じて表示の大きさが異なるため、表示物の種別ごとに異なる相対距離閾値が定められていてもよい。

表示判断部23は、HUD1に表示する表示物の情報、表示障害物と自車両との相対距離、および表示物と自車両との間に表示障害物が存在するか否かの判断結果等に加えて、相対距離が相対距離閾値より小さいか否かの判断結果の情報を、情報解析部22から受け取る。表示判断部23は、情報解析部22において表示障害物と自車両との相対距離が相対距離閾値より小さいと判断された場合、HUD1が表示している表示物を平面映像とし、運転者前方の予め定められた位置に表示するよう表示態様を設定する。一方、表示障害物と自車両との相対距離が相対距離閾値以上であると判断された場合、表示判断部23は上記実施の形態1と同様に相対距離に応じて表示態様を設定する。

次に、図11に示すフローチャートを用いて、実施の形態2の表示制御装置10の動作を説明する。なお、図11に示すステップST101〜ST111は、実施の形態1の図4に示したフローチャートと同一であるため説明を省略する。

情報解析部22は、ステップST102において車両情報および周辺情報を解析し、自車両の前方に表示障害物を認識した場合、ステップST201においてこの表示障害物と自車両との相対距離を推定し、相対距離が相対距離閾値より小さいか否かを判断する。相対距離が相対距離閾値より小さい場合(ステップST201“YES”)、表示判断部23は、HUD1が表示している表示物を平面映像とし、運転者前方の予め定められた位置に表示するよう表示態様を設定する(ステップST108)。

一方、相対距離が相対距離閾値以上である場合(ステップST201“NO”)、情報解析部22は、表示物と自車両との間に表示障害物が存在するか否か、または表示態様変更距離内に表示障害物が存在するか否かを判断する(ステップST103)。情報解析部22において自車両の前方に表示障害物を認識できなかった場合も、相対距離が相対距離閾値以上であると判断する。 ステップST103以降の処理は、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。

なお、図11に示したフローチャートでは、ステップST201の処理を行った後でステップST103の処理を行っているが、先にステップST103の処理を行ってもよい。

図11のフローチャートを用いて説明した処理について、以下に具体例を用いて説明する。ここでは、表示判断部23において、表示障害物である前方車両と自車両との相対距離の変化量が第一閾値より大きく(ステップST104“NO”)、かつ第二閾値以下であると判断され(ステップST105“YES”)、自車両の3m前方に案内矢印の立体映像を表示するよう表示態様が設定され(ステップST107)、HUD1がその設定に従い表示物を表示しているものとする。

その後ステップST101へ戻ってステップST201まで処理がなされ、今回のステップST201において情報解析部22が、上記前方車両が自車両より3m前方まで近づいて、相対距離3mが予め定められた相対距離閾値4mより小さいと判断したとする(ステップST201“YES”)。 この判断結果を受け取った表示判断部23は、自車両と前方車両との相対距離の変化量に関係なく、自車両の運転者の3m前方に案内矢印の平面映像を表示するよう表示態様を設定する(ステップST108)。 表示指示部14は、表示判断部23により設定された表示態様に基づいて、案内矢印を立体映像から平面映像に変更し、この平面映像を表示させる位置を自車両の3m前方から運転者の3m前方に変更するようHUD1に指示する(ステップST109)。

以上より、実施の形態2によれば、情報解析部22は、相対距離が相対距離閾値より小さいか否かを判断し、表示判断部23は、情報解析部22により相対距離が相対距離閾値より小さいと判断された場合、相対距離の変化量に関係なく、表示物を第一位置より自車両に近い位置に平面映像として表示するよう判断する構成にしたので、表示障害物と自車両との相対距離を考慮し、立体映像を表示する空間がないときは平面映像を表示させることができる。これにより、表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象をより確実に予防することができ、視認性の向上が可能になる。

実施の形態3. 図12は、この発明の実施の形態3に係る表示制御装置10の構成例を示すブロック図である。図12において図1と同一または相当する部分は同一の符号を付し説明を省略する。実施の形態3に係る表示制御装置10の情報解析部32と表示判断部33は、図1に示した実施の形態1の表示制御装置10の情報解析部12と情報解析部12に新たな機能が追加されている点が異なる。

実施の形態3では、表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象を予防するだけでなく、表示障害物の種別に応じた表示態様で表示させることで、運転者に表示物の情報をより直感的に理解させる。

次に、図13に示すフローチャートを用いて、実施の形態3の表示制御装置10の動作を説明する。なお、図13に示すステップST101〜ST111は、実施の形態1の図4に示したフローチャートと同一であるため説明を省略する。

情報解析部32は、情報取得部11から受け取った周辺情報を解析して、表示障害物の種別および形状等を判断し、その情報を表示判断部33へ出力する(ステップST301)。表示判断部33は、情報解析部32から受け取った表示障害物の種別および形状等の情報に応じて、表示物の表示態様を変更する(ステップST302〜ST304)。

ここでは、表示障害物の種別として登り坂、ガードレール等の路側設置物、および車両の3種類を例に挙げて説明する。 なお、情報解析部32は、表示障害物の形状を、車外カメラ3の撮像画像、カーナビゲーション装置6の地図情報、またはレーザレーダ7の三次元情報等に基づいて判断する。また、情報解析部32は、表示障害物の種別が車両の場合に、車外カメラ3の撮像画像またはレーザレーダ7の三次元情報等に基づいて表示障害物となる車両が存在する位置を判断する。さらに、情報解析部32は、表示障害物の種別が車両の場合に、カーナビゲーション装置6のナビゲーション情報に基づいて、自車両が次の案内地点を右折するといった進行方向に関する情報を判断する。

表示障害物の種別が登り坂である場合(ステップST301“登り坂”)、表示判断部33は、HUD1が表示している表示物を立体映像とし、さらに表示物の仰角を大きくして上方向を向くように表示態様を設定する(ステップST302)。

図14に、表示障害物の種別が登り坂である場合の表示物の表示態様変更例を示す。図14(a)に示すように、自車両300の前方に登り坂301がある場合、案内矢印等の平面表示物302aを自車両300の前方の予め定められた位置に表示させると登り坂301を突き抜けてしまう可能性がある。そこで、図14(b)に示すように、案内矢印を立体表示物302bとして表示させ、さらに立体表示物302bの仰角を上方向に変更することで、突き抜けを予防する。また、立体表示物302bが登り坂301に沿った表示形状で表示されることになるため、運転者は登り坂301を登るという誘導案内の内容を直感的に理解できる。

また、表示判断部33は、自車両300と登り坂301との相対距離の変化量が大きいほど、つまり、登り坂301への進入速度が大きいほど、立体表示物302bの仰角を大きくしてもよい。これにより、立体表示物302bが登り坂301を突き抜けるように表示される現象がさらに起こりにくくなる。

表示障害物の種別が路側設置物である場合(ステップST301“路側設置物”)、表示判断部33は、HUD1が表示している表示物を立体映像とし、さらに表示物の表示形状を路面設置物に沿った表示態様に設定する(ステップST303)。

図15に、表示障害物の種別が路側設置物である場合の表示物の表示態様変更例を示す。図15(a)に示すように、自車両300の前方にガードレール等の路側設置物303がある場合、案内矢印等の立体表示物304aを自車両300の前方の予め定められた位置に初期表示態様で表示させると路側設置物303を突き抜けてしまう可能性がある。そこで、図15(b)または図15(c)に示すように、案内矢印の表示位置および表示形状を変更して立体表示物304b,304cのような表示態様にすることで、突き抜けを予防する。また、立体表示物304b,304cが路側設置物303に沿った表示形状で表示されることになるため、運転者は進行方向を直感的に理解できる。

表示障害物の種別が車両である場合(ステップST301“車両”)、表示判断部33は、HUD1が表示している表示物を立体映像とし、さらに表示物の表示位置を左右いずれかの方向に移動させた表示態様に設定する(ステップST304)。その際、表示判断部33は、表示位置を左右いずれの方向に移動させるか、表示物の内容に基づいて判断してもよい。

図16に、表示障害物の種別が車両である場合の表示物の表示態様変更例を示す。 例えば、表示物が、次の案内地点で右折することを示す右向きの案内矢印の立体表示物307aである場合、本来であればこの立体表示物307aは自車両300が走行しているレーン上かつ自車両300より前方に表示される。しかし、図16(a)に示すように自車両300が走行しているレーンの前方に表示障害物である前方車両305が存在する場合、立体表示物307aが前方車両305に重なって表示されて突き抜けてしまう可能性がある。そのため、表示判断部33は、立体表示物307aの表示位置を右隣のレーンへ移動させ、立体表示物307bとして表示させる。これにより、自車両300の運転者は、本来の表示位置の右側で案内矢印を視認でき、進行方向を直感的に理解できる。 なお、表示判断部33は、右向きの案内矢印を右方向へ移動させ、左向きの案内矢印を左方向へ移動させるというように、表示物の内容に基づいて表示位置の移動方向を判断してもよい。

また、図16(b)に示すように、自車両300が走行しているレーンに前方車両305が存在するだけでなく、隣のレーンにも前方車両306が存在する場合、表示判断部33は、自車両300の前方において立体表示物307aを表示可能な空間がある方向を、表示位置の移動先に設定し、立体表示物307cとして表示させてもよい。 なお、自車両300の前方において立体表示物307aを表示可能な空間がない場合、表示判断部33は、立体表示物307aを移動させなくてもよい。この場合は自車両300と前方車両305との相対距離の変化量に応じて立体表示物307aの前後方向の表示位置が変更される。

さらに、表示判断部33は、自車両300と前方車両305,306との相対距離の変化量が大きいほど、つまり、前方車両305,306との接近速度が大きいほど、立体表示物307b,307cの左右方向の移動距離を大きくしてもよい。なお、図16において前方車両305と自車両300との相対距離の変化量は、相対距離変化量310の矢印で示す。

また、表示障害物の種別が車両である場合、表示判断部33は、情報解析部32が車外カメラ3の撮像画像またはカーナビゲーション装置6の地図情報を解析して得た道路のレーン情報を受け取り、レーン情報に基づいて表示物の表示位置を左右いずれかの方向に変更してもよい。レーン情報としては、自車両が走行している道路のレーン数および自車両が走行しているレーン位置の情報を含み、さらに右左折専用レーン等を識別する情報を含んでもよい。 例えば、自車両が走行している道路が交差点周辺にて複数レーンに分かれておりこの交差点を右折しようとしている場合、自車両は右折のために右側のレーンまたは右折専用レーンに移動する必要がある。このとき、表示判断部33が表示物の表示位置を右側のレーンまたは右折専用レーンに移動させることで、表示物が前方車両に突き抜けるように表示される現象を予防すると同時に、運転者に進行方向を直感的に理解させる。

ステップST104以降の処理は、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。

なお、説明は省略するが、自車両300の前方に複数の種別の表示障害物が存在する場合、表示判断部33はステップST302〜ST304の表示態様を組み合わせてもよい。

また、ステップST302〜ST304において表示障害物の種別に応じて表示態様を変更した結果、表示物による表示障害物の突き抜けが起こらなくなる場合、表示判断部33は、表示障害物と自車両との相対距離の変化量を考慮した表示態様の変更処理(ステップST104〜ST108)をスキップして、ステップST109の処理へ進んでもよい。 例えば、情報解析部32は、ステップST302〜ST304の後、表示態様変更後の表示物の表示位置と表示障害物の位置とを比較し、自車両と表示物との間に表示障害物がなければ突き抜けは起こらないと判断し、ステップST109の処理へ進む。一方、情報解析部32は、自車両と表示物との間に表示障害物があれば突き抜けが起こると判断し、ステップST104の処理へ進む。

また、図13に示したフローチャートでは、表示障害物の種別に応じた表示態様の変更処理(ステップST301〜ST304)を先に行い、その後に表示障害物と自車両との相対距離の変化量に応じた表示態様の変更処理(ステップST104〜ST108)を行っているが、先にステップST104〜ST108の処理を行ってもよい。

以上より、実施の形態3によれば、情報解析部32は、表示障害物の種別を判断し、表示判断部33は、表示物を立体映像として表示するときの表示態様を表示障害物の種別に応じて変更するように構成したので、表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象の発生を抑制することができる。また、表示物の内容を運転者に直感的に理解させることができる。

また、実施の形態3によれば、表示判断部33は、表示障害物の種別が登り坂である場合に立体映像として表示する表示物の仰角を上方向にする構成にしたので、表示物が登り坂を突き抜けるように表示される現象の発生を抑制することができる。また、登り坂を登ることを運転者に直感的に理解させることができる。

また、実施の形態3によれば、表示判断部33は、表示障害物の種別が路側設置物である場合に立体映像として表示する表示物の形状を路側設置物の形状に合わせる構成にしたので、表示物が登り坂を突き抜けるように表示される現象の発生を抑制することができる。また、自車両の進行方向を運転者に直感的に理解させることができる。

また、実施の形態3によれば、表示判断部33は、表示障害物の種別が車両である場合に立体映像として表示する表示物の位置を前記車両の左右いずれかの位置にする構成にしたので、自車両の前方に表示物を立体映像として表示する空間がない場合でも左右いずれかの位置において突き抜けせずに表示させることができる。

また、実施の形態3によれば、表示判断部33は、自車両が走行している道路のレーン情報に基づいて、立体映像として表示する表示物の位置を左右いずれの位置に変更するか判断する構成にしたので、自車両の進行方向と同じ方向に表示物を移動させて表示することができ、自車両の進行方向を運転者に直感的に理解させることができる。

なお、この発明の各実施の形態では、HUD1と表示制御装置10とを備える表示システムを車両に搭載した例を説明したが、車両に限定されるものではなく、人、鉄道、船舶または航空機等を含む移動体に搭載してもよい。また、表示制御装置10は、移動体に搭載された機器でもよいし、移動体内に持ち込まれる携帯情報端末でもよい。表示装置は、HUD1に限定されるものではなく、例えばHMD(Head Mounted Display)のような立体映像および平面映像を表示可能なものであればよい。さらに、車内カメラ2等の周辺機器は、移動体に搭載されているものを使用してもよいし、表示制御装置10、HUD1またはHMDのいずれかに備わっているものを使用してもよい。

上記説明以外にも、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。

この発明に係る表示制御装置は、表示物が表示障害物を突き抜けるように表示される現象を予防するようにしたので、HUDまたはHMDなどの立体映像を表示可能な表示装置を制御する表示制御装置に用いるのに適している。

1 HUD(表示装置)、2 車内カメラ、3 車外カメラ、4 GPS受信機、5 CAN、6 カーナビゲーション装置、7 レーザレーダ、10 表示制御装置、11 情報取得部、12,22,32 情報解析部、13,23,33 表示判断部、14 表示指示部、40 バス、41 メモリ、42 CPU、43 入力装置、100,200,300 自車両、101,101a,101b,101c,201,305,306 前方車両、102a,104a,105d,202b,302a 平面表示物、102b,104b,105,105a〜105c,202a,302b,304a〜304c,307a〜307c 立体表示物、103 道路、110〜112,210,310 相対距離変化量、301 登り坂、303 路側設置物。

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