車両の運転支援装置

申请号 JP2016116280 申请日 2016-06-10 公开(公告)号 JP6384521B2 公开(公告)日 2018-09-05
申请人 トヨタ自動車株式会社; 发明人 奥田 真佐人; 石嶋 宏亘; 松永 一誠; 鈴木 大祐; 祖父江 有華;
摘要
权利要求

車両の走行方向前方の風景を撮影するカメラを含むカメラ装置を備えた車両に適用され、 前記カメラによって撮影された風景の画像であるカメラ画像中に所定対象物が含まれている場合、前記車両から前記所定対象物までの距離である対象物距離を取得し、 前記対象物が前記車両の走行予定範囲内にあり且つ前記対象物距離が所定距離以下になった場合、前記車両の前記所定対象物との衝突を回避するための衝突回避制御を実行する、 運転支援手段、 を備えた、車両の運転支援装置において、 前記運転支援手段は、 前記車両の走行中、前記カメラ画像を時系列に取得し、前記時系列に取得したカメラ画像に基づいて同カメラ画像中における特徴点の位置の時間変化パターンを取得し、同時間変化パターンに基づいて前記カメラの高さを第1カメラ高さとして取得し、 前記車両の走行中において、前記カメラ画像中に前記所定対象物が含まれている場合、前記カメラ画像中における前記所定対象物の位置である対象物位置を取得し、同対象物位置及び前記第1カメラ高さに基づいて前記対象物距離を取得し、 前記車両の停止中、前記車両の積載荷重が最大積載荷重である場合の前記カメラの高さである第2カメラ高さを取得し、 前記車両の停止中において、前記カメラ画像中に前記所定対象物が含まれている場合、前記対象物位置を取得し、同対象物位置及び前記第2カメラ高さに基づいて前記対象物距離を取得する、 ように構成されている、 車両の運転支援装置。請求項1に記載の車両の運転支援装置において、 前記運転支援手段は、 前記第1カメラ高さに加えて、カメラ画像中における特徴点の位置の時間変化パターンに基づいて前記カメラの光軸が平面となす度であるカメラ光軸角度、及び、前記車両が存在する路面の勾配と前記車両の進行方向前方の路面の勾配との差である路面勾配差、の少なくとも1つを取得し、 前記車両の走行中において、前記カメラ画像中に前記所定対象物が含まれている場合、前記対象物位置、前記第1カメラ高さ、及び、前記カメラ光軸角度並びに前記路面勾配差の少なくとも1つ、に基づいて前記対象物距離を取得する、 ように構成される、 車両の運転支援装置。

说明书全文

本発明は、車両の運転支援装置に関する。

車両の走行方向前方に障害物がある場合、その障害物への車両の衝突を回避するための車両に対する自動制動を行う装置(以下、「第1の従来装置」と称呼する。)が知られている。第1の従来装置は、車両の前方の風景を撮影するカメラを備える。第1の従来装置は、カメラによって撮影された風景の画像(以下、「カメラ画像」と称呼する。)中における障害物の位置(以下、「障害物位置」と称呼する。)を検出し、その障害物位置に基づいて車両から障害物までの距離(以下、「障害物距離」と称呼する。)を取得する。第1の従来装置は、障害物が車両の走行予定範囲内にあり且つ障害物距離が所定距離以下になった場合、上記自動制動を行うようになっている。

ところで、車両の車体の前部が後部に対して沈み込んだ場合、カメラの光軸(以下、「カメラ光軸」と称呼する。)は、車体の前部が後部に対して沈み込む前におけるカメラ光軸に比べて下方(即ち、地面の方)を向くようになる。この場合、カメラ画像中の障害物位置は、カメラ光軸が下方を向く前の障害物位置に比べて上方の位置となる。この場合に第1の従来装置により取得される障害物距離は、車両から障害物までの実際の距離(以下、「実距離」と称呼する。)よりも大きくなる。従って、上記自動制動が開始されるタイミングは、障害物距離が実距離と一致している場合のタイミング(以下、「適正タイミング」と称呼する。)に比べて遅くなってしまう。

そこで、車両走行中、カメラ画像中における障害物の垂直方向位置の時間変化パターンから平面に対するカメラ光軸の変化を検出し、一旦取得した障害物距離をカメラ光軸の変化に基づいて補正することにより実距離と一致する障害物距離を取得するようにした装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。

特開2007−92820号公報

ところで、車両の積載荷重が大きくなると、車体が地面に近づくように沈み込む。この場合、地面からのカメラの高さ(以下、「カメラ高さ」と称呼する。)が低くなる。この場合に第1の従来装置により取得される障害物距離は、実距離よりも大きくなる。

一方、車両走行中におけるカメラ画像中の消失点の位置の時間変化パターンは、カメラ高さによって異なることが知られている。そこで、カメラ画像中の消失点の位置の時間変化パターンに基づいてカメラ高さを取得する装置(以下、「第2の従来装置」と称呼する。)が知られている。第2の従来装置は、一旦取得した障害物距離をカメラ高さに基づいて補正することにより実距離と一致する障害物距離を取得するようにしている。

ところが、第2の従来装置がカメラ高さを取得できる条件は、車両が走行していることである。従って、第2の従来装置は、車両が停止している場合においては、カメラ高さを取得することができない。そのため、第2の従来装置は、車両が停止している場合においては、実距離と一致する障害物距離を取得できない可能性がある。そして、実距離よりも大きい障害物距離が取得されてしまうと、上記自動制動の開始タイミングが適正タイミングよりも遅れてしまう。

本発明は、上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の1つは、車両が走行している場合においては、実距離と一致する障害物距離が取得される可能性が大きく、車両が停止している場合においては、実距離よりも大きい障害物距離が取得される可能性が小さい、車両の運転支援装置(以下、「本発明装置」と称呼する。)を提供することにある。本発明装置は、車両(10)の走行方向前方の風景を撮影するカメラ(61)を含むカメラ装置(60)を備えた車両に適用される。

本発明装置は、運転支援手段(20、30、40、50)を備える。

前記運転支援手段は、前記カメラによって撮影された風景の画像であるカメラ画像(65)中に所定対象物(70)が含まれている場合(図9のステップ905での「Yes」との判定)、前記車両から前記所定対象物までの距離である対象物距離(Dest)を取得する(ステップ920)。

更に、前記運転支援手段は、前記対象物が前記車両の走行予定範囲内にあり且つ前記対象物距離が所定距離(D1、D2)以下になった場合(図10のステップ1010での「Yes」との判定、及び、ステップ1025での「Yes」との判定)、前記車両の前記所定対象物との衝突を回避するための衝突回避制御を実行する(ステップ1015及びステップ1030)。

前記運転支援手段は、 前記車両の走行中、前記カメラ画像を時系列に取得し、前記時系列に取得したカメラ画像に基づいて同カメラ画像中における特徴点(66)の位置の時間変化パターンを取得し、同時間変化パターンに基づいて前記カメラの高さを第1カメラ高さ(Hc1)として取得し(図8のステップ840)、 前記車両の走行中において、前記カメラ画像中に前記所定対象物が含まれている場合(図9のステップ905での「Yes」との判定)、前記カメラ画像中における前記所定対象物の位置である対象物位置(X、Y)を取得し(ステップ910)、同対象物位置及び前記第1カメラ高さに基づいて前記対象物距離を取得する(図8のステップ845及び図9のステップ920)、 ように構成されている。

これによれば、車両が走行している場合、カメラ画像中における所定対象物の位置を変化させる要因の1つであるカメラの高さを考慮して対象物距離が取得される。このため、実際の対象物距離と一致する対象物距離が取得される可能性が大きくなる。

一方、前記運転支援手段は、 前記車両の停止中、前記車両の積載荷重(W)が最大積載荷重(Wmax)である場合の前記カメラの高さである第2カメラ高さ(Hc2)を取得し(図8のステップ847)、 前記車両の停止中において、前記カメラ画像中に前記所定対象物が含まれている場合(図9のステップ905での「Yes」との判定)、前記対象物位置を取得し(ステップ910)、同対象物位置及び前記第2カメラ高さに基づいて前記対象物距離を取得する(図8のステップ850及び図9のステップ920)、 ように構成されている。

車両の積載荷重が大きいほど、カメラの高さが低くなる。従って、車両の積載荷重が大きいほど、実際の対象物距離よりも大きい対象物距離が取得される。本発明装置によれば、車両が停止しており、特徴点の位置の時間変化パターンからカメラの高さを取得することができないとき、車両の積載荷重が最大積載荷重であると仮定した場合のカメラの高さを用いて対象物距離が取得される。即ち、カメラの高さが最も低いと仮定して対象物距離が取得される。従って、実際の対象物距離よりも大きい対象物距離が取得される可能性が小さくなる。このため、衝突回避制御の開始タイミングが適正なタイミングよりも遅れる可能性が小さくなる。

本発明装置の1つの態様において、前記運転支援手段は、 車両走行中、前記第1カメラ高さ(Hc1)に加えて、カメラ画像中における特徴点の位置の時間変化パターンに基づいて前記カメラの光軸(61a)が水平面(PH)となす度であるカメラ光軸角度(θc)、及び、前記車両が存在する路面(Rn)の勾配(θn)と前記車両の進行方向前方(Df)の路面(Rs)の勾配(θs)との差である路面勾配差(dθ)、の少なくとも1つを取得し(図8のステップ840)、 前記車両の走行中において、前記カメラ画像中に前記所定対象物が含まれている場合(図9のステップ905での「Yes」との判定)、前記対象物位置、前記第1カメラ高さ、及び、前記カメラ光軸角度並びに前記路面勾配差の少なくとも1つ、に基づいて前記対象物距離を取得する(図8のステップ845及び図9のステップ920)、 ように構成され得る。

これによれば、車両が走行している場合、カメラの高さに加えて、カメラ画像中における対象物位置を変化させる要因であるカメラ光軸角度及び路面勾配差に基づいて対象物距離が取得される。このため、実際の対象物距離と一致する対象物距離が取得される可能性が更に大きくなる。

上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。

図1は、本発明の実施形態に係る車両の運転支援装置等の構成を示した図である。

図2は、図1に示した車両を示した図である。

図3の(A)は、カメラ画像及び対象物を示した図であり、(B)は、(A)と同様の図で合って、カメラ画像中に等距離ラインを示した図である。

図4の(A)は、車両の高さ及びカメラの高さを説明するための図であり、(B)は、水平面に対するカメラの光軸の角度を説明するための図であり、(C)は、路面勾配差を説明するための図である。

図5の(A)は、積載荷重がゼロから最大積載荷重に変化した場合の車両の高さ及びカメラの高さの変化を示した図であり、(B)は、車両の車体の前部が後部に対して沈み込んだ場合のカメラの光軸の方向の変化を示した図であり、(C)は、カメラの高さ又はカメラの光線の方向が変化した場合のカメラ画像及び対象物を示した図である。

図6の(A)は、平坦路を走行している車両の進行方向前方に上り坂がある場面を示した図であり、(B)は、下り坂を走行している車両の進行方向前方に平坦路がある場面を示した図である。

図7は、図3の(A)と同様の図であって、消失点を説明するための図である。

図8は、図1に示した運転支援ECUのCPU(以下、単に「CPU」と称呼する。)が実行するルーチンを示したフローチャートである。

図9は、CPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。

図10は、CPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る車両の運転支援装置(以下、「本実施装置」と称呼する。)について説明する。本実施装置は、図1に示した車両10に適用される。

本実施装置は、運転支援ECU20、エンジンECU30、ブレーキECU40、及び、警報ECU50を備える。これらECUは、通信・センサ系CAN(Controller Area Network)100を介して互いにデータ交換可能(通信可能)であるように互いに接続されている。

各ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM及びインターフェース等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。CPUは、メモリ(ROM)に格納されたインストラクション(ルーチン)を実行することにより後述する各種機能を実現する。これらECUは、1つのECUに統合されてもよい。

車両10は、カメラ装置60を備える。カメラ装置60は、カメラ61及びカメラECU62を含む。カメラ61は、周知のCCDカメラである。図2に示したように、カメラ61は、車両10の前端中央部11に配設される。カメラ61は、車両10の前方の撮影範囲Sの風景を撮影する。

図1に示したように、カメラ61は、カメラECU62に接続されている。カメラECU62は、運転支援ECU20に接続されている。カメラECU62は、カメラ61が撮影した画像に基づいて画像データを作成する。カメラECU62は、画像データを運転支援ECU20に送信する。

車両10は、車速センサ21を備える。車速センサ21は、運転支援ECU20に接続されている。車速センサ21は、車両10の速度(以下、「車速」と称呼する。)SPDを検出し、その検出した車速SPDを表す信号を出する。運転支援ECU20は、車速センサ21が出力する信号に基づいて車速SPDを取得する。

車両10は、アクセルペダル32を備える。アクセルペダル32は、アクセルペダル操作量センサ31に接続されている。アクセルペダル操作量センサ31は、エンジンECU30に接続されている。アクセルペダル操作量センサ31は、アクセルペダル32の操作量APを検出し、その操作量(以下、「アクセルペダル操作量」と称呼する。)APを表す信号を出力する。エンジンECU30は、アクセルペダル操作量センサ31が出力する信号に基づいてアクセルペダル操作量APを取得する。

車両10は、内燃機関33を備える。内燃機関33は、エンジンアクチュエータ34及び機関本体35を含む。エンジンアクチュエータ34は、図示しないスロットル弁アクチュエータ及び燃料噴射弁アクチュエータ等を含む。機関本体35には、図示しない燃料噴射弁が配設される。燃料噴射弁は、燃料噴射弁アクチュエータによって作動される。

エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ34に接続されている。エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ34等を駆動することによって内燃機関33が発生するトルクを変更し、それにより、車両10の駆動力を調整する。

車両10は、ブレーキペダル42を備える。ブレーキペダル42は、ブレーキペダル操作量センサ41に接続されている。ブレーキペダル操作量センサ41は、ブレーキECU40に接続されている。ブレーキペダル操作量センサ41は、ブレーキペダル42の操作量BPを検出し、その操作量(以下、「ブレーキペダル操作量」と称呼する。)BPを表す信号を出力する。ブレーキECU40は、ブレーキペダル操作量センサ41が出力する信号に基づいてブレーキペダル操作量BPを取得する。

車両10は、ブレーキ装置43を備える。ブレーキ装置43は、ブレーキアクチュエータ44及び摩擦ブレーキ機構45を含む。ブレーキアクチュエータ44は、油圧制御アクチュエータである。摩擦ブレーキ機構45は、各車輪に固定されるブレーキディスク45a、車体に固定されるブレーキキャリパ45b及び図示しないブレーキパッド等を含む。

ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ44に接続されている。ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ44の駆動量を制御することによって摩擦ブレーキ機構45が発生する摩擦制動力を調整し、それにより、ブレーキ装置43が発生する車両の制動力を調整する。

警報ECU50は、警報装置51に接続されている。警報装置51は、ディスプレイ52及びブザー53を含む。ディスプレイ52は、運転席に着席している運転者から視認可能な位置に配設されている。

<作動の概要> 次に、本実施装置の作動の概要について説明する。図3の(A)に示したように、本実施装置の運転支援ECU20は、カメラECU62から受信した画像データに基づいてカメラ61によって撮影された風景の画像(以下、「カメラ画像」と称呼する。)65を時系列に取得する。図3の(A)において、ラインLeは、カメラ画像65中において地面と空との境界である。

更に、取得したカメラ画像65中に対象物70が存在する場合、運転支援ECU20は、カメラ画像65中における対象物70の地面との接点の位置を表す横位置X及び縦位置Yを取得する。対象物70は、車両10の走行の障害となる物(障害物)である。

縦位置Yは、カメラ画像65の左右方向における中央の位置であってカメラ画像65の最も下方の位置を原点(0,0)として、その原点(0,0)を通って上下方向に延びるY軸に沿って定まる位置である。更に、縦位置Yの値は、縦位置Yが原点(0,0)よりも上側の位置である場合、正の値であり、原点(0,0)から上方に離れた位置ほど大きくなる(縦位置Yの絶対値が大きくなる)。

横位置Xは、上記原点(0,0)を通って左右方向に延びるX軸に沿って定まる位置である。更に、横位置Xの値は、横位置Xが原点(0,0)よりも右側の位置である場合、正の値であり、横位置Xが原点(0,0)から右方向に離れるほど大きくなり(横位置Xの絶対値が大きくなり)、横位置Xが原点(0,0)よりも左側の位置である場合、負の値であり、横位置Xが原点(0,0)から左方向に離れるほど小さくなる(即ち、横位置Xの絶対値が大きくなる)。

車両10からの距離Dが等しいカメラ画像65中の位置を結ぶライン(等距離ライン)であって、隣り合うラインの間隔に対応する実際の風景における距離がそれぞれ等しくなるラインは、図3の(B)に示したラインLdとなる。図3の(B)に示したように、隣り合うラインLdの間隔は、カメラ画像65中において上方にある間隔ほど短くなっている。

運転支援ECU20は、「横位置X及び縦位置Yと車両10から対象物70までの距離Destとの関係を表すルックアップテーブルMapDest(X,Y)」をそのROMに予め格納している。このテーブルMapDest(X,Y)は、以下の3つの条件(1)乃至(3)が満たされる場合における「横位置X及び縦位置Yと車両10から対象物70までの距離Destとの関係を表すテーブル(以下、「基準テーブル」と称呼する。)である。

(1)図4の(A)に示したように、地面G(路面)からの車両10の高さ(以下、「車高」と称呼する。)Hvが、車両10に人が乗車しておらず且つ車両10に荷物が積載されていない場合の車高Hvbであること。即ち、車高Hvが、車両10の積載荷重(以下、「車両積載荷重」と称呼する。)Wがゼロ(即ち、基準荷重Wb)である場合の車高(以下、「基準車高」と称呼する。)Hvbであること。即ち、地面G(路面)からのカメラ61の高さ(以下、「カメラ高さ」と称呼する。)Hcが、車両積載荷重Wがゼロである場合のカメラ高さ(以下、「基準カメラ高さ」と称呼する。)Hcbであること。

(2)図4の(B)に示したように、水平面PHと、カメラ61の光軸61aと、がなす角度(以下、「カメラ光軸角度」と称呼する。)θcがゼロ(即ち、基準光軸角度θcb)であること。本例において、カメラ61の光軸61aが水平面PHよりも下方を向いている場合、カメラ光軸角度θcは、正の値となる。

(3)図4の(C)に示したように、車両10が走行している道路Rnの路面勾配θnと、カメラ画像65中に写っている車両10の進行方向前方Dfの道路Rsの路面勾配θsと、がなす角度(以下、「路面勾配差」と称呼する。)dθ(=θs−θn)がゼロ(即ち、基準勾配差dθb)であること。

基準テーブルMapDest(X,Y)によれば、縦位置Yが同じである場合、横位置Xの絶対値が大きくなるほど(即ち、横位置XがY軸から右方向又は左方向に離れるほど)大きい対象物距離Destが取得される。一方、基準テーブルMapDest(X,Y)によれば、横位置Xが同じである場合、縦位置Yの絶対値が大きくなるほど(即ち、縦位置YがX軸から上方に離れるほど)大きい対象物距離Destが取得される。

<基準テーブルの補正> ところで、車両積載荷重Wが大きくなると、車高Hvが低くなる。例えば、車両積載荷重Wがゼロから最大積載荷重Wmaxに変化すると、車高Hvは、図5の(A)に示したように、基準車高Hvbから最小の車高Hvminに変化する。従って、カメラ高さHcも、基準カメラ高さHcbから最小のカメラ高さHcminに変化する。

最大積載荷重Wmaxは、車両10の諸元表に記載されている車両総重量Wtotalから、車両積載荷重Wがゼロである場合の車両10の重量(基準荷重)Wbを差し引いた値である(Wmax=Wtotal−Wb)。或いは、車両10の諸元表に車両総重量Wtotalの記載がない場合、最大積載荷重Wmaxは、法規により定められた算出方法に従って算出される積載物の許容最大重量である。

上述したようにカメラ高さHcが低くなると、実際の対象物距離(以下、「実対象物距離」と称呼する。)Dactが同じである場合、カメラ画像65中において、対象物70の位置は、図5の(C)に示したように、カメラ高さHcが基準カメラ高さHcbである場合の対象物70の位置よりも上方の位置となる。従って、対象物70の縦位置Yは、カメラ高さHcが基準カメラ高さHcbである場合の対象物70の縦位置Yよりも大きくなる。

基準テーブルMapDest(X,Y)によれば、縦位置Yが大きくなるほど、取得される対象物距離Destが大きくなる。従って、カメラ高さHcが低くなって縦位置Yが大きくなった場合に取得した横位置X及び縦位置Yを基準テーブルMapDest(X,Y)に適用して対象物距離Destを取得すると、実対象物距離Dactよりも大きい対象物距離Destが取得されてしまう。

更に、図5の(B)に示したように、車両10の車体の前部が後部に対して下方へ沈み込み、その結果、カメラ光軸角度θcがゼロ(即ち、基準光軸角度θcb)よりも正の方向に大きくなると、実対象物距離Dactが同じである場合、カメラ画像65中において、対象物70の位置は、カメラ光軸角度θcがゼロである場合の対象物70の位置よりも上方の位置となる。従って、この場合に取得した横位置X及び縦位置Yを基準テーブルMapDest(X,Y)に適用して対象物距離Destを取得すると、実対象物距離Dactよりも大きい対象物距離Destが取得されてしまう。

加えて、図6の(A)に示したように、車両10が平坦路Rfを走行しており且つ進行方向前方に上り坂Ruがある場合、路面勾配差dθがゼロ(即ち、基準勾配差dθb)よりも正の方向に大きくなる。このとき、実対象物距離Dactが同じである場合、カメラ画像65中において、対象物70の位置は、路面勾配差dθがゼロである場合の対象物70の位置よりも上方の位置となる。従って、この場合に取得した横位置X及び縦位置Yを基準テーブルMapDest(X,Y)に適用して対象物距離Destを取得すると、実対象物距離Dactよりも大きい対象物距離Destが取得されてしまう。

同様に、図6の(B)に示したように、車両10が下り坂Rdを走行しており且つ進行方向前方に平坦路Rfがある場合においても、路面勾配差dθがゼロ(即ち、基準勾配差dθb)よりも正の方向に大きくなる。従って、この場合に取得した横位置X及び縦位置Yを基準テーブルMapDest(X,Y)に適用して対象物距離Destを取得すると、実対象物距離Dactよりも大きい対象物距離Destが取得されてしまう。

このように取得した対象物距離Destが実対象物距離Dactよりも大きいと、上記警報制御の開始タイミング及び上記トルク制限制御並びに自動制動制御の開始タイミングが対象物距離Destが実対象物距離Dactと一致している場合の開始タイミングそれぞれよりも遅れてしまう可能性がある。そこで、本実施装置は、以下のように対象物距離Destを取得するようになっている。

車両10の左右に互いに平行に設けられている白線LR及びLLが存在する道路Rを走行している場合、図7に示したように、それら白線LR及びLLがカメラ画像65中に写し出される。この場合、白線LR及びLLが交わる点(以下、「消失点」と称呼する。)66もカメラ画像65中に写し出される。車両10が走行している場合、カメラ画像65中における消失点66の位置の時間変化のパターンは、カメラ高さHc、カメラ光軸角度θc及び路面勾配差dθによって異なることが知られている。

そこで、本実施装置は、車両10が走行している場合、カメラ画像65中における消失点66の位置の時間変化パターンに基づいてカメラ高さHc(以下、「第1カメラ高さHc1」と称呼する。)、カメラ光軸角度θc及び路面勾配差dθを取得する。本実施装置は、これら取得した第1カメラ高さHc1、カメラ光軸角度θc及び路面勾配差dθを用いて基準テーブルMapDest(X,Y)を補正する。

より具体的に述べると、本実施装置は、第1カメラ高さHc1が基準カメラ高さHcbよりも低くなるほど、同じ横位置X及び縦位置Yを基準テーブルMapDest(X,Y)に適用したときに取得される対象物距離Destが小さくなるように基準テーブルMapDest(X,Y)を補正する。

更に、本実施装置は、カメラ光軸角度θcがゼロから正の方向に大きくなるほど、同じ横位置X及び縦位置Yに対応する基準テーブルMapDest(X,Y)の対象物距離Destが小さくなるように基準テーブルMapDest(X,Y)補正する。

加えて、本実施装置は、路面勾配差dθがゼロから正の方向に大きくなるほど、同じ横位置X及び縦位置Yに対応する基準テーブルMapDest(X,Y)の対象物距離Destが小さくなるように基準テーブルMapDest(X,Y)を補正する。

そして、本実施装置は、車両10が走行している場合、取得した横位置X及び縦位置Yを、上述したように補正した基準テーブルMapDest(X,Y)に適用することにより対象物距離Destを取得する。

これによれば、カメラ画像65中における対象物70の縦位置Yを変化させる要因であるカメラ高さHc(第1カメラ高さHc1)、カメラ光軸角度θc及び路面勾配差dθによって補正された基準テーブルMapDest(X,Y)を用いて対象物距離Destが取得される。このため、車両10が走行している場合、実対象物距離Dactと一致する対象物距離Destを取得できる可能性が大きくなる。

<車両停止中の基準テーブルの補正> 一方、車両10が停止している場合、カメラ画像65中における消失点66の位置の時間変化パターンを取得することができない。そこで、本実施装置は、車両積載荷重Wが最大積載荷重Wmaxである場合のカメラ高さHc(即ち、上記最小のカメラ高さHcmin)を第2カメラ高さHc2として予め運転支援ECU20のROMに格納している。

そして、車両10が停止している場合、本実施装置は、同じ横位置X及び縦位置Yに対応する基準テーブルMapDest(X,Y)中の対象物距離Destが車両10の積載荷重Wが最大積載荷重Wmaxである場合の対象物距離となるように第2カメラ高さHc2に基づいて基準テーブルMapDest(X,Y)を補正する。

そして、本実施装置は、車両10が停止している場合、取得した横位置X及び縦位置Yを、上述したように補正した基準テーブルMapDest(X,Y)に適用することにより対象物距離Destを取得する。これによれば、取得した横位置X及び縦位置Yを上記補正した基準テーブルMapDest(X,Y)に適用して得られる対象物距離Destは、同じ横位置X及び縦位置Yを補正していない基準テーブルMapDest(X,Y)に適用して得られる対象物距離Dest以下の値となる。

上述したように、車両積載荷重Wが大きいほど、カメラ高さHcが低くなる。従って、車両積載荷重Wが大きいほど、実対象物距離Dactよりも大きい対象物距離Destが取得される。本実施装置によれば、車両が停止しており、消失点66の位置の時間変化パターンからカメラ高さHcを取得することができないとき、車両積載荷重Wが最大積載荷重Wmaxであると仮定した場合のカメラ高さHcである第2カメラ高さHc2を用いて対象物距離Destが取得される。即ち、カメラ高さHcが最も低いと仮定して対象物距離Destが取得される。このため、実対象物距離Dactよりも大きい対象物距離Destが取得される可能性が小さくなる。

更に、図3の(B)を参照すれば理解できるように、カメラ画像65中の対象物70の縦位置Yが或る特定位置Ypよりも或る特定長さだけ上側にずれた場合における実対象物距離Dactに対する対象物距離Destの誤差は、カメラ画像65中の対象物70の縦位置Yが上記特定位置Ypよりも上記特定長さだけ下側にずれた場合における実対象物距離Dactに対する対象物距離Destの誤差よりも小さい。

本実施装置は、車両積載荷重Wが最大積載荷重Wmaxである場合のカメラ高さHcである第2カメラ高さHc2を用いて対象物距離Destを取得する。従って、本実施装置は、カメラ画像65中の対象物70の縦位置Yが実際の車両積載荷重Wに対応する縦位置Y(以下、「適正縦位置Ys」と称呼する。)よりも上側にずれていると仮定して対象物距離Destを取得することである。このため、本実施装置により取得される対象物距離Destの実対象物距離Dactに対する誤差は、カメラ画像65中の対象物70の縦位置Yが適正縦位置Ysよりも下側にずれていると仮定して取得した場合の対象物距離Destの実対象物距離Dactに対する誤差よりも小さい。

<警報制御> 運転支援ECU20は、対象物70が車両10の走行予定範囲内にあり且つ対象物距離Destが所定の距離(以下、「第1閾値距離」と称呼する。)D1以下になった場合、車両10の対象物70への衝突を回避するための制御(以下、「衝突回避制御」と称呼する。)の1つである警報制御を開始させるための信号(警報制御の開始指令信号)SKstartを警報ECU50に送出する。

警報ECU50は、警報制御の開始指令信号SKstartを受信した場合、警報制御を開して、対象物70が存在することを示す表示(以下、「警報表示」と称呼する。)をディスプレイ52に表示するとともに、運転者に対象物70の存在を知らせるための警報音をブザー53に発生させる。

一方、運転支援ECU20は、対象物70が車両10の走行予定範囲外になるか或いは対象物距離Destが第1閾値距離D1よりも大きくなった場合、警報制御を停止させるための信号(警報制御の停止指令信号)SKstopを警報ECU50に送出する。

警報ECU50は、警報制御の停止指令信号SKstopを受信した場合、警報制御を停止する。これにより、ディスプレイ52による警報表示の表示が停止されるとともに、ブザー53による警報音の発生が停止される。

以上説明した警報制御によれば、運転者が対象物70の存在に気付く可能性を大きくすることができる。従って、車両10の対象物70への衝突を回避する運転者による操作(例えば、車両10の操及び車両10の制動)を誘導することができる。このため、車両10を安全に走行させることができる可能性を大きくすることができる。

<トルク制限制御及び自動制動制御> 更に、運転支援ECU20は、対象物70が車両10の走行予定範囲内にあり且つ対象物距離Destが第1閾値距離D1よりも短い距離(以下、「第2閾値距離」と称呼する。)D2以下になった場合、衝突回避制御の1つであるトルク制限制御を開始させるための信号(トルク制限制御の開始指令信号)STstartをエンジンECU30に送出するとともに、衝突回避制御の1つである自動制動制御を開始させるための信号(自動制動制御の開始指令信号)SBstartをブレーキECU40に送出する。

エンジンECU30は、トルク制限制御の開始指令信号STstartを受信した場合、トルク制限制御を開始して、内燃機関33から出力されるトルクがゼロになるようにエンジンアクチュエータ34の作動を制御する。より具体的に述べると、エンジンECU30は、燃料噴射弁から噴射する燃料の量をゼロにする。

このトルク制限制御によれば、アクセルペダル操作量APがゼロよりも大きい場合においても、内燃機関33から出力されるトルクがゼロとなる。従って、車両10が減速する。このため、車両10の対象物70への衝突を回避できる可能性を大きくすることができる。

ブレーキECU40は、自動制動制御の開始指令信号SBstartを受信した場合、自動制動制御を開始して、対象物距離Dest及び車速SPDに基づいて、車両10が対象物70に到達する前に車両10を停止させるために必要な摩擦制動力を算出する。ブレーキECU40は、算出した摩擦制動力がブレーキ装置43から各車輪に付与(自動付与)されるようにブレーキアクチュエータ44の作動を制御する。

この自動制動制御によれば、ブレーキペダル操作量BPがゼロである場合においても、ブレーキ装置43による各車輪への摩擦制動力の自動付与が行われ、車両10が対象物70に到達する前に車両10が停止される。このため、車両10の対象物70への衝突を回避することができる。

一方、運転支援ECU20は、対象物70が車両10の走行予定範囲外になるか或いは対象物距離Destが第2閾値距離D2よりも大きくなった場合、トルク制限制御を停止させるための信号(トルク制限制御の停止指令信号)STstopをエンジンECU30に送出するとともに、自動制動制御を停止させるための信号(自動制動制御の停止指令信号)SBstopをブレーキECU40に送出する。

エンジンECU30は、トルク制限制御の停止指令信号STstopを受信した場合、トルク制限制御を停止する。ブレーキECU40は、自動制動制御の停止指令信号SBstopを受信した場合、自動制動制御を停止する。

<本実施装置の具体的な作動> 次に、本実施装置の具体的な作動について説明する。本実施装置の運転支援ECU20のCPU(以下、単に「CPU」と称呼する。)は、図8にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図8のステップ800から処理を開始してステップ805に進み、車両10が車高センサを備えているか否かを判定する。

図8に示したルーチンは、車高センサを備えている車両にも適用可能なルーチンとして作成されている。車両10は、車高センサを備えていないので、CPUは、ステップ805にて「No」と判定してステップ835に進み、CPUが消失点66の時間変化パターンを取得可能であるか否か、即ち、車両10の積載荷重及び路面勾配差dθを取得可能であるか否かを判定する。

CPUが消失点66の時間変化パターンを取得可能である場合、CPUは、ステップ835にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ840及びステップ845の処理を順に行った後、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。

ステップ840:CPUは、カメラ画像65中における消失点66の位置の時間変化パターンに基づいて第1カメラ高さHc1、路面勾配差dθ及びカメラ光軸角度θcを取得する。

ステップ845:CPUは、ステップ840にて取得した第1カメラ高さHc1、路面勾配差dθ及びカメラ光軸角度θcに基づいて基準テーブルMapDest(X,Y)を補正し、その補正した基準テーブルMapDest(X,Y)を運転支援ECU20のRAM(以下、単に「RAM」と称呼する。)に格納する。この場合、後述する図9のステップ920において、CPUは、ステップ845にて補正した基準テーブルMapDest(X,Y)を用いて対象物距離Destを取得する。

これに対し、CPUがステップ835の処理を実行する時点において消失点66の位置の時間変化パターンを取得可能ではない場合、CPUは、ステップ835にて「No」と判定し、以下に述べるステップ847及びステップ850の処理を順に行った後、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。。

ステップ847:CPUは、車両積載荷重Wが最大積載荷重Wmaxである場合のカメラ高さHcである第2カメラ高さHc2をROMから取得する。

ステップ850:CPUは、第2カメラ高さHc2に基づいて基準テーブルMapDest(X,Y)を補正し、その補正した基準テーブルMapDest(X,Y)をRAMに格納する。この場合、後述する図9のステップ920において、CPUは、ステップ850にて補正した基準テーブルMapDest(X,Y)を用いて対象物距離Destを取得する。

一方、車両が車高センサを備えている場合には、CPUは、ステップ805にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ810乃至ステップ814の処理を順に行った後、ステップ815に進む。

ステップ810:CPUは、車高センサから受信した信号に基づいて車高Hvdを取得する。 ステップ812:CPUは、基準車高Hvbからステップ810で取得した車高Hvdを減じることにより車高差dHvを算出(取得)する(dHv=Hvb−Hvd)。 ステップ814:CPUは、基準カメラ高さHcbから車高差dHvを減じることによりカメラ高さHcを第3カメラ高さHc3として算出(取得)する(Hc3=Hcb−Hvd)。

CPUは、ステップ815に進むと、CPUがカメラ画像65中における消失点66の位置の時間変化パターンを取得可能であるか否か、即ち、路面勾配差dθを取得可能であるか否かを判定する。CPUが消失点66の位置の時間変化パターンを取得可能である場合、CPUは、ステップ815にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ820及びステップ825の処理を順に行った後、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。

ステップ820:CPUは、カメラ画像65中における消失点66の位置の時間変化パターンに基づいて路面勾配差dθ及びカメラ光軸角度θcを取得する。

ステップ825:CPUは、ステップ814にて取得した第3カメラ高さHc3及びステップ820にて取得した路面勾配差dθ並びにカメラ光軸角度θcに基づいて基準テーブルMapDest(X,Y)を補正し、その補正した基準テーブルMapDest(X,Y)をRAMに格納する。この場合、後述する図9のステップ920において、CPUは、ステップ825にて補正した基準テーブルMapDest(X,Y)を用いて対象物距離Destを取得する。

これに対し、CPUがステップ815の処理を実行する時点においてCPUが消失点66の位置の時間変化パターンを取得可能ではない場合、CPUは、ステップ815にて「No」と判定してステップ830に進み、ステップ814にて取得した第3カメラ高さHc3に基づいて基準テーブルMapDest(X,Y)を補正し、その補正した基準テーブルMapDest(X,Y)をRAMに格納する。この場合、後述する図9のステップ920において、CPUは、ステップ830にて補正した基準テーブルMapDest(X,Y)を用いて対象物距離Destを取得する。

CPUは、その後、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。

<対象物距離の取得> 更に、CPUは、図9にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図9のステップ900から処理を開始し、以下に述べるステップ905に進んでカメラ画像65中に対象物70が存在するか否かを判定する。

カメラ画像65中に対象物70が存在する場合、CPUは、ステップ905にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ910及びステップ920の処理を順に行った後、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。

ステップ910:CPUは、カメラ画像65中における対象物70の横位置X及び縦位置Yを取得する。

ステップ920:CPUは、横位置X及び縦位置Yを、RAMに格納されている最新の基準テーブルMapDest(X,Y)に適用することにより対象物距離Destを取得し、その取得した対象物距離DestをRAMに格納する。

尚、CPUがステップ905の処理を実行する時点においてカメラ画像65中に対象物70が存在しない場合、CPUは、ステップ905にて「No」と判定してステップ995に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。

<自動制動制御、トルク制限制御及び警報制御> 更に、CPUは、図10にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図10のステップ1000から処理を開始してステップ1005に進み、RAMに格納されている最新の対象物距離Destを取得する。

次いで、CPUは、ステップ1010に進み、対象物70が車両10の走行予定範囲内にあり且つ対象物距離Destが第2閾値距離D2以下であるか否かを判定する。対象物70が車両10の走行予定範囲内にあり且つ対象物距離Destが第2閾値距離D2以下である場合、CPUは、ステップ1010にて「Yes」と判定してステップ1015に進み、ブレーキECU40に上記自動制動制御を開始させるための信号(自動制動制御の開始指令信号)SBstartを送出するとともに、エンジンECU30に上記トルク制限制御を開始させるための信号(トルク制限制御の開始指令信号)STstartを送出する。CPUは、その後、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。

トルク制限制御の開始指令信号STstartを受信したエンジンECU30は、その信号STstartの受信時点でトルク制限制御を実行していない場合、トルク制限制御を開始し、信号STstartの受信時点でトルク制限制御を実行している場合、その信号STstartを無視する。

更に、自動制動制御の開始指令信号SBstartを受信したブレーキECU40は、その信号SBstartの受信時点で自動制動制御を実行していない場合、自動制動制御を開始し、信号SBstartの受信時点で自動制動制御を実行している場合、その信号SBstartを無視する。

一方、CPUがステップ1010の処理を実行する時点において対象物70が車両10の走行予定範囲外にあり或いは対象物距離Destが第2閾値距離D2よりも大きい場合、CPUは、ステップ1010にて「No」と判定してステップ1020に進み、ブレーキECU40に自動制動制御を停止させるための信号(自動制動制御の停止指令信号)SBstopを送出するとともに、エンジンECU30にトルク制限制御を停止させるための信号(トルク制限制御の停止指令信号)STstopを送出する。

自動制動制御の停止指令信号SBstopを受信したブレーキECU40は、その信号SBstopの受信時点で自動制動制御を実行している場合、その自動制動制御を停止し、信号SBstopの受信時点で自動制動制御を実行していない場合、その信号SBstopを無視する。

更に、トルク制限制御の停止指令信号STstopを受信したエンジンECU30は、その信号STstopの受信時点でトルク制限制御を実行している場合、そのトルク制限制御を停止し、信号STstopの受信時点でトルク制限制御を実行していない場合、その信号STstopを無視する。

CPUは、ステップ1020の処理を行った後、ステップ1025に進み、対象物70が車両10の走行予定範囲にある且つ対象物70が対象物距離Destが第2閾値距離D2よりも大きい第1閾値距離D1以下であるか否かを判定する。

対象物70が車両10の走行予定範囲内にあり且つ対象物距離Destが第1閾値距離D1以下である場合、CPUは、ステップ1025にて「Yes」と判定してステップ1030に進み、警報ECU50に上記警報制御を開始させるための信号(警報制御の開始指令信号)SKstartを送出する。CPUは、その後、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。

警報制御の開始指令信号SKstartを受信した警報ECU50は、その信号SKstartの受信時点で警報制御を実行していない場合、警報制御を開始し、信号SKstartの受信時点で警報制御を実行している場合、その信号SKstartを無視する。

これに対し、CPUがステップ1025の処理を実行する時点において対象物70が車両10の走行予定範囲外にあり或いは対象物距離Destが第1閾値距離D1よりも大きい場合、CPUは、ステップ1025にて「No」と判定してステップ1035に進み、警報ECU50に警報制御を停止させるための信号(警報制御の停止指令信号)SKstopを警報ECU50に送出する。CPUは、その後、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。

警報制御の停止指令信号SKstopを受信した警報ECU50は、その信号SKstopの受信時点で警報制御を実行している場合、その警報制御を停止し、信号SKstopの受信時点で警報制御を実行していない場合、その信号SKstopを無視する。

以上が本実施装置による具体的な作動である。これによれば、車両10が走行している場合、カメラ画像65中における対象物70の縦位置Yを変化させる要因であるカメラ高さHc(第1カメラ高さHc1)、カメラ光軸角度θc及び路面勾配差dθに基づいて基準テーブルMapDest(X,Y)が補正される(ステップ840及びステップ845)。このため、実対象物距離Dactと一致する対象物距離Destが取得される可能性が大きくなる。

加えて、車両10が停止している場合、車両積載荷重Wが最大積載荷重Wmaxである場合のカメラ高さHc(第2カメラ高さHc2)に基づいて基準テーブルMapDest(X,Y)が補正される(ステップ847及びステップ850)。このため、実対象物距離Dactよりも大きい対象物距離Destが取得される可能性が小さくなる。

尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。

例えば、上記実施形態に係る運転支援装置は、基準テーブルMapDest(X,Y)を補正しているが、対象物70の縦位置Y、又は、補正されていない基準テーブルMapDest(X,Y)から取得した対象物距離Destを補正するように構成され得る。

更に、上記実施形態に係る運転支援装置は、カメラ高さHc、カメラ光軸角度θc及び路面勾配差dθにそれぞれ応じた複数の距離変換テーブルMapDest(X,Y)を予めROMに格納している場合、それら距離変換テーブルMapDest(X,Y)の中からカメラ高さHc、カメラ光軸角度θc及び路面勾配差dθに応じて何れのテーブルを対象物距離Destの取得に用いるかの選択の仕方を補正(変更)するように構成され得る。

更に、上記実施形態に係る運転支援装置は、カメラ画像65中における対象物70の横位置X及び縦位置Yから対象物距離Destを算出するための計算式を予めROMに格納している場合、その計算式を補正するように構成され得る。

更に、運転支援ECU20は、警報制御において、ディスプレイ52による警報表示の表示及びブザー53による警報音の発生の何れか1つを行うように構成され得る。

更に、衝突回避制御の1つとして、上述した警報制御、自動制動制御及びトルク制限制御の他に、車両10が対象物70を避けて走行するように車両10のステアリングコラムを自動で操舵する制御を挙げることができる。

加えて、上記車高センサは、車両の車体の傾きを検出するセンサ(加速度センサ、Gセンサ)であってもよい。

10…車両、20…運転支援ECU、30…エンジンECU、40…ブレーキECU、50…警報ECU、51…警報装置、60…カメラ装置、61…カメラ、62…カメラECU、65…カメラ画像、66…消失点、70…対象物、Dest…対象物距離、dθ…路面勾配差、Hc…カメラ高さ、Hc1…第1カメラ高さ、Hc2…第2カメラ高さ、X…対象物の横位置、Y…対象物の縦位置、W…車両積載荷重、Wmax…最大積載荷重、θc…カメラ光軸角度

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