ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスを含む組成物

申请号 JP2016551748 申请日 2015-02-13 公开(公告)号 JP2017506637A 公开(公告)日 2017-03-09
申请人 ヴァサル ファルマ ソシエテ アノニム; ヴァサル ファルマ ソシエテ アノニム; 发明人 クインタンス、ヨハン; ファン リース デ ジュード、イェハン リーナルト; ファン リース デ ジュード、イェハン リーナルト; グランゲッテ、コリンヌ; ポット、ブルーノ; マッキ、カッセム; ウォロウチュック、イザベル; アラール、ジャンヌ; − ヴァランティ、ヴェロニーク レーター; − ヴァランティ、ヴェロニーク レーター;
摘要 体重過多のヒトの体重増加の治癒的処置、及び/又は体重過多のヒト若しくは体重過多であったヒトの体重増加の予防的処置において使用するための、少なくとも1つのプロバイオティクスから生成された組成物であって、前記プロバイオティクスが、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149である、組成物。
权利要求

体重過多のヒトの体重増加の根治的処置及び/又は体重過多のヒト若しくは体重過多であったヒトの体重増加の予防的処置において使用するための、少なくとも1つのプロバイオティクスに基づく組成物であって、該プロバイオティクスが、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149であることを特徴とする、組成物。古細菌(Archaea)、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス(Bacteroidetes)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、アクチノバクテリア(Actinobacteria)、ベルコミクロビア(Verrucomicrobia)、フソバクテリア(Fusobacteria)、メタノバクテリア(Metanobacteria)、スピロヘータ(Spirochaetes)、フィブロバクター(Fibrobacters)、デフェリバクター(Deferribacteres)、ディノコッカス(Deinococcus)、サーマス(Thermus)、シアノバクテリア(Cyanobacteria)、メタノブレビバクテリウム(Methanobrevibacterium)、乳酸桿菌属(Lactobacillus)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、コプロコッカス(Coprococcus)、スブドリングラヌラム(Subdolingranulum)、ドレア(Dorea)、ブレイジア(Bulleidia)、アナエロフスティス(Anaerofustis)、ゲメラ(Gemella)、ロゼブリア(Roseburia)、カテニバクテリウム(Catenibacterium)、ジアリスター(Dialister)、アナエロトランカス(Anaerotruncus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ミクロコッカス(Micrococcus)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)(非病原性)、ファエカリバクテリウム(Faecalibacterium)、バクテロイデス(Bacteroides)、パラバクテロイデス(Parabacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、アッケルマンシア(Akkermansia)、バチルス(Bacillus)、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)、及びクロストリジウム(Clostridium)のプロバイオティクス、又はそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも1つの追加のプロバイオティクスを含む、請求項1に係る使用のための、請求項1に記載の組成物。サッカロマイセス(Saccharomyces)、カンジダ(Candida)、ピキア(Pichia)、デバリオマイセス(Debaryomyces)、トルロプシス(Torulopsis)、アスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhizopus)、ムコール(Mucor)、及びペニシリウム(Penicillium)からなる群から選択される真菌及び/又は酵母菌株を含む、請求項1に係る使用のための、請求項1又は2に記載の組成物。前記ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149及び任意選択で前記少なくとも1つの追加のプロバイオティクスが、カプセル化担体にカプセル化される、請求項1に係る使用のための、請求項1から3までのいずれか一項に記載の組成物。前記カプセル化担体が、アルギネート、キトサン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、カラギーナン、寒天ゲル又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む、請求項1に係る使用のための、請求項4に記載の組成物。単糖、多糖体、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ビタミン、酵母エキス、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のハロゲン塩、抗酸化剤、グリセロール、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、アスコルビン酸、クエン酸、植物油、乳脂肪又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの食品源を含む、請求項1に係る使用のための、請求項1から5までのいずれか一項に記載の組成物。少なくとも1つのプレバイオティクスを更に含み、それによって相利共生組成物(symbiotic composition)が形成される、請求項1に係る使用のための、請求項1から6までのいずれか一項に記載の組成物。前記ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149及び任意選択で前記少なくとも1つの追加のプロバイオティクスを被覆する第1の腸溶コーティングを含む、請求項1に係る使用のための、請求項1から8までのいずれか一項に記載の組成物。前記第1の腸溶コーティングが、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、Eudragit(登録商標)、又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に係る使用のための、請求項8に記載の組成物。アルギネート、キトサン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、カラギーナン、寒天ゲル、セルロース、ヘミセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はそれらの組合せからなる群から選択される第2の外部コーティングを含む、請求項1に係る使用のための、請求項1から9までのいずれか一項に記載の組成物。1つ又はいくつかの生体適合性のある賦形剤を更に含む、請求項1に係る使用のための、請求項1から10までのいずれか一項に記載の組成物。体重過多のヒト又は体重過多であったヒトにおける、少なくとも1つのプロバイオティクスを含む組成物の非治療的な美容上の使用であって、該プロバイオティクスが、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149である、使用。前記組成物が、古細菌(Archaea)、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス(Bacteroidetes)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、アクチノバクテリア(Actinobacteria)、ベルコミクロビア(Verrucomicrobia)、フソバクテリア(Fusobacteria)、メタノバクテリア(Metanobacteria)、スピロヘータ(Spirochaetes)、フィブロバクター(Fibrobacters)、デフェリバクター(Deferribacteres)、ディノコッカス(Deinococcus)、サーマス(Thermus)、シアノバクテリア(Cyanobacteria)、メタノブレビバクテリウム(Methanobrevibacterium)、乳酸桿菌属(Lactobacillus)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、コプロコッカス(Coprococcus)、スブドリングラヌラム(Subdolingranulum)、ドレア(Dorea)、ブレイジア(Bulleidia)、アナエロフスティス(Anaerofustis)、ゲメラ(Gemella)、ロゼブリア(Roseburia)、カテニバクテリウム(Catenibacterium)、ジアリスター(Dialister)、アナエロトランカス(Anaerotruncus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ミクロコッカス(Micrococcus)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)(非病原性)、ファエカリバクテリウム(Faecalibacterium)、バクテロイデス(Bacteroides)、パラバクテロイデス(Parabacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、アッケルマンシア(Akkermansia)、バチルス(Bacillus)、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)、及びクロストリジウム(Clostridium)のプロバイオティクス、又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの追加のプロバイオティクスを含む、請求項12に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記組成物が、サッカロマイセス(Saccharomyces)、カンジダ(Candida)、ピキア(Pichia)、デバリオマイセス(Debaryomyces)、トルロプシス(Torulopsis)、アスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhizopus)、ムコール(Mucor)、及びペニシリウム(Penicillium)からなる群から選択される真菌及び/又は酵母菌株を含む、請求項12又は13に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149及び任意選択で前記少なくとも1つの追加のプロバイオティクスが、カプセル化担体にカプセル化されている、請求項12から14までのいずれか一項に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記カプセル化担体が、アルギネート、キトサン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、カラギーナン、寒天ゲル又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む、請求項15に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記組成物が、単糖、多糖体、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ビタミン、酵母エキス、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のハロゲン塩、抗酸化剤、グリセロール、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、アスコルビン酸、クエン酸、植物油、乳脂肪、又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの食品源を含む、請求項12から16までのいずれか一項に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記組成物が、少なくとも1つのプレバイオティクスを更に含み、それによって相利共生組成物が形成される、請求項12から17までのいずれか一項に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記組成物が、前記ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149及び任意選択で前記少なくとも1つの追加のプロバイオティクスを被覆する第1の腸溶コーティングを含む、請求項12から18までのいずれか一項に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記第1の腸溶コーティングが、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、Eudragit(登録商標)、又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記組成物が、アルギネート、キトサン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、カラギーナン、寒天ゲル、セルロース、ヘミセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はそれらの組合せからなる群から選択される第2の外部コーティングを含む、請求項12から20までのいずれか一項に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。前記組成物が、1つ又はいくつかの生体適合性のある賦形剤を更に含む、請求項12から21までのいずれか一項に記載の組成物の非治療的な美容上の使用。少なくとも1つのタンパク質源及び少なくとも1つの炭化物源を含む、プロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149のための培地であって、グルタチオンを更に含むことを特徴とする、培地。グルタチオンが、培地1l当たり20〜30gを含む濃度で存在することを特徴とする、請求項23に記載の培地。前記炭水化物源が、ラクトース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マルトデキストリン、デンプン、トレハロース、マルトトリオース、及びそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも1つの糖又は糖の混合物を含むことを特徴とする、請求項23又は24に記載の培地。少なくとも1つのアミノ酸、例えばグルコサミン又はガラクトサミンを更に含むことを特徴とする、請求項23から25までのいずれか一項に記載の培地。少なくとも1つの酵母エキスを更に含むことを特徴とする、請求項23から26までのいずれか一項に記載の培地。プロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149を発酵によって生成する方法であって、請求項23から27までのいずれか一項に記載の培地で、該プロバイオティクスを培養する少なくとも1つのステップを含む、方法。

说明书全文

本発明は、体重過多のヒトの体重増加の根治的処置及び/又は体重過多のヒト若しくは体重過多であったヒトの体重増加の予防的処置において使用するための、少なくとも1つのプロバイオティクスに基づく組成物に関する。

「体重過多」という用語は、本発明の意味では、ヒトが体脂肪、主に腹部脂肪の異常な又は過度の蓄積を有することを意味し、これは健康にとってのリスクである。本発明の範囲において、「体重過多」という用語はまた、ヒトにおける肥満状態の特定の及び極端な例も含む。

「体重過多であった」という用語は、本発明の意味では、ヒトが体重減少し、3〜5年を含む期間以上で正常とみなされる体重(BMI又はウエスト/ヒップ比に基づく)を有することと理解されるべきである。

所与の個体群のレベルで体重過多及び肥満の測定を可能にする簡易な指標を作ることは、困難である。例えば、子供及び10代の体重過多及び肥満指数を測定するために使用される尺度は、彼らの身体が成長に伴い一定の生理的変化を受けるために、成人に使用されるものとは異なる。結果的に、WHO(世界保健機関)は、年齢に応じ、個体の年齢又は個体群の平均年齢に応じて体重を測定するための異なる方法を一般公衆に利用可能にしている。

一例として、体重過多は、成人では肥満度指数(BMI)に基づき評価が可能であり、このBMIは、サイズと相対的に比較した体重の簡単な測定の一つであり、成人の体重過多及び肥満を推定するために現在使用されている。これは、体重をサイズの2乗で割った値に相当し、kg/m2で表される。

BMIは、両方の性別及びすべての成人年齢層に適用できるという利点がある。したがって、個人によっては、必ずしも同じ脂肪質量パーセントと一致しないので、近似指標とみなされるべきである。

この状況において、WHOは、BMIに基づき、成人が体重過多であるか又は肥満であるかを決定するための以下の閾値を定義付けている。 − 正常な体重状態は、20〜25を含むBMIに相当し、 − 体重過多状態は、25〜30を含むBMIに相当し、 − 肥満状態は、30又はそれ超のBMIに相当する。

しかし、BMIは、皮下脂肪に対する腹部脂肪の分布に関して何ら指標を示さないことに留意されたい。

この指数は、両方の性別及び成人個体のすべての年齢層にとって一貫した分類をもたらすことができるという利点を有するとしても、好ましくは、例えば個体のウエストラインの測定値といった別の指標を補完するものと解釈され得る。

かくして、ウエストラインが100cmを超える成人男性個体は、体重過多であるとみなされる。この閾値は、成人女性では88cmである。

このパラメータは、ウエストライン(A)/ヒップ外周(H)比を測定することによって、すべての年齢層に一般化することができる。

体重過多は、男性個体では1を超える比で観測され、女性個体では0.85を超える比で観測される。

「処置」という用語は、本発明の範囲において、ヒトの体重過多、特にヒトの肥満が、WHOによる疾患として認識された場合に適用される。

「根治的」という用語は、本発明の意味では、体重過多のヒトの体重を低減し、且つ/又は体重過多のヒトの体重増加を低減することを目的とする行為と理解されるものとする。したがって根治的処置は、好ましくは食事中及び/又は食後に、例えばBMIに基づき、20〜25を含む、好ましくは22と等しい、ある範囲の所定の値にあって、ヒトで正常とみなされる、すなわち健康にとってのリスクがより小さいとみなされる体重を達成することを目的とする行為を意味する。

「健康にとってのリスクがより小さい」という用語は、本発明の範囲において正常とみなされる体重にあり、メタボリック症候群を発症する危険性を無視できることと解釈されるべきである。

特に、根治的作用は、主に個体の腹部脂肪を低減し、少なくとも腹部脂肪の蓄積を低減することを目的とする。

「予防的」という用語は、本発明の意味では、体重過多のヒト又は体重過多であった(すなわち減量した)ヒトの体重を安定化し、したがって体重過多のヒト又は体重過多であったヒトの、好ましくは食事中及び/又は食後の体重増加を予防又は制限することを目的とする行為を意味するものとする。また予防的処置は、好ましくは食事中及び/又は食後に、ヒトで正常とみなされる、例えばBMIに基づく一定の範囲の所定の値(注釈:20〜25)の安定な体重を維持することを目的とする行為を意味するが、正常な体重は、女性個体では0.85未満、男性個体では1.00未満のA/H比に照らして解釈することもできる。

現在、世界的尺度に基づくと、体重過多及び肥満は、体重不足よりも高い死亡率の原因となっている(II型糖尿病又は心血管疾患のような関連疾患が原因となる)。

特に、体重及び肥満は、世界的蔓延のレベルに達しており(毎年少なくとも300万を超える人が体重過多又は肥満に関する病状で死亡することを考慮すると)、もはやいわゆる裕福な国々に限定されるものではなく、今や低所得国又は中所得国も影響を受けている。

更に一方では、高BMIは、時に高A/H比と共にメタボリック症候群を促進する因子となることが証明されており、メタボリック症候群は、本発明の範囲内では、健康に対する危険因子:動脈高血圧、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロールレベル、アンドロイド型肥満状態(例えば、腹部脂肪の蓄積)、及び糖血症の増大の組み合わせと定義される。これらの指標は、実際、現在の3つの主な公知の定義:WHOの定義(1998年に刊行され、次に1999年に修正された)、2001年刊行のNational Cholesterol Education Programの定義(NCEP−ATPIII)、及び2005年刊行のInternational Diabetes Federationの定義に共通する、定義の基本を形成する。

実際、メタボリック症候群は、これらに限定されないが、以下の指標:異常に高いインスリンレベル、II型糖尿病、高コレステロール血症(低レベルの「善玉」コレステロールHDLを伴う)、高血圧、経時的な著しい体重増加によって表され、特にこれが腹部肥満である場合、高トリグリセリド血症、脂肪肝、全身炎症状態の発生、及び脂肪細胞の肥大によって表される。

更に、慢性疾患の危険性は、これらに限定されないが、以下の指標:筋骨格系障害、特に関節症、又はある特定のタイプのがんによって表される。

したがって、ヒトの体重過多をもたらす制御の効かない体重増加の問題は、世界レベルで健康に無視できない影響を及ぼすことが証明されている社会問題となっている。

このような観点から、WHOは、過度の体重増加を予防するための世界的戦略において、食品及び身体運動に関する推奨を確立している。この戦略は、2004年の世界保健総会(WHA)によって採択されており、人に健康的な食事及び定期的な運動を行うことを推奨するのに必要なステップを定義する。

しかしこの戦略は、体重増加を予防する推奨に基づく場合、体重過多の個体若しくは体重過多であった個体、及び体重が再増加する危険性がある個体の体重増加の根治的及び予防的処置に関するいかなる指標も提案していない。実は、現在、制御の効かない体重増加の問題は、体重が増加するおそれがある正常な体重(すなわち、正常なBMI及び/又は正常なウエストラインを有する)個体にはもはや焦点を合わせておらず、特に、WHOが、20歳を超えるほぼ14億人が既に体重過多を呈していることを示した時から、既に体重過多であった個体に焦点を合わせている。後者の中でも、2億人を超える男性及びほぼ3億人の女性が肥満であり、世界的には、世界の10人のうち1人を超える成人が、肥満である。

したがって実際に、体重過多のヒトの体重過多又は肥満の低減又は予防を可能にする処置を備えておく必要がある。体重過多及び肥満に関係する主な理由が、時に厳密になり得る処置を伴う特定の食事を行う努の欠如であることに気付いた時からは、この処置は、好ましくは、それほど強制的であるべきではない。

特に、本発明は、腸管生物叢の改変を肥満の発生と関連付ける、公知の因果関係の一部である(Leyら、2006.Nature、444:1022〜1023;Nadalら、2008.Int J.Obes.、33(7):758〜67)。

これに関しては、多くの研究が実施されており、これらの研究によって、体重過多及び肥満の範囲に含まれるプロバイオティクスに基づく処置の使用に言及する膨大な数の文書を含む現況技術が提供されてきた。

特に、微生物叢は、宿主を良好な健康に維持することに寄与することが示されている。実際、均衡の取れた状態の微生物叢は、腸管の恒常性(homeostasia)の調節及び免疫均衡に寄与し、したがって微生物叢の任意の不均衡は、特にメタボリック症候群を発症する遺伝的素因を有する個体における、この症候群の発症に関与すると解釈される(Parksら、Cell Metab、2012年)。

微生物叢と体重増加の関係を同定することは、広範な研究の原動力となっており、それらは様々な特許出願の対象となっており、最も関連するものを以下に記載する。

まず第1に、国際特許出願WO2007043933に言及しなければならない。これは、食欲及びある特定の組織における脂肪堆積を低減し、これによってヒトの体重を制御するために、発酵乳の形態でのラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)F19及びL.アシドフィルス(L.acidophilus)NCFB1748、並びにビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)Bb12の菌株の使用を提案する。しかし、その効果は、これらの細菌株の存在というよりは、主に、この特許出願において主張されている効果を生じさせる、カルシウム及び乳タンパク質の共同作用であると思われる。更に、この効果は、小腸の代謝に関する遺伝子発現だけを標的としており、したがって、体重増加に関与する他の器官及び組織には関しない。

次に、文書US20100061967A1はまた、飽食機序を調節するペプチドの発現を改変するための細菌組成物の使用について提案しており、この改変はもっぱら胃腸管でのみ行われる。

国際特許出願WO2009153662は、体重過多又は肥満によって誘発されるメタボリック症候群と関連する指標の一覧に属する疾患である糖尿病の処置における、ビフィドバクテリウム及び乳酸桿菌に基づく組成物の使用を開示しており、この組成物は、中枢神経系には作用せず、したがって、例えば飽食機序の中枢制御に作用せずに、末梢組織の炎症を低減するこれらの微生物の能力に基づく。

更に、文書US20100150890は、交感神経系機能を刺激し、その結果、代謝、したがってエネルギー消費を刺激するための組成物における、プロバイオティクス細菌(bacterial probiotics)の使用に関する情報を記載している。しかし、交感神経系の緊張は、ある特定の肥満個体でも活性であり、したがって、その活性化は、体重過多及び肥満の処置の範囲において信頼性のある代替手段ではないことが示されている。

特許出願US20100111915は、子供の肥満を予防する範囲における代替手段として、プロバイオティクス細菌(bacterial probiotics)の組成物の一般的な使用を示している。US20100111915によれば、この使用は、プロバイオティクスのビフィドジェニックな(bifidogenic)効果に基づくものであるが、この文書は、腸内のビフィドバクテリウムの数の増大が、子供の肥満の発生を予防するこの作用の原点とし得ることを確立する可能性をもたらす、具体的な根拠を示していない。

この文書US20050112112は、胃腸管に存在する単糖から二糖からヒトが消化できない糖ポリマーを生成する、微生物の組成物を使用し、それによって体内の糖の吸収を事実上低減することを提案している。

最後に、文書JP10306028は、更に、身体によるコレステロール吸収を阻害する作用に関する情報を記載しており、これは、ビフィドバクテリウムをキトサンと組み合わせて使用することによる。

残念ながら、現況技術の組成物の使用は、体重過多及び肥満の低減、並びにメタボリック症候群と関連する症状の低減(これは、例えば寛解と呼ばれる)を可能にするとしても、体重を所望の正常レベルで(すなわち、例えばBMI20〜25に相当する)、3〜5年を超えて長期間維持する(これは例えば治癒と呼ばれる)ことができない。

本発明の範囲において、寛解は、治癒とは区別されるものとする。個体は、医学的試験の間(体重、ウエストラインの測定等)、体重過多がもはや検出されなくなったときに寛解したとされる。しかし、ある特定の追加の時間間隔後に(体重過多のタイプに応じて変わり、一般に、寛解が3年又は5年継続するときである)、治癒が言及される場合にのみ、治癒が起こったとみなされる。

本発明の目的は、冒頭に記載した、前記プロバイオティクスがビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(Bifidobacterium animalis ssp. lactis)No.LMG P−28149であることを特徴とする組成物を提供することによって、現況技術の障害を克服することである。

本発明による菌株は、BCCM(Belgian Coordinated Collections of Micro−organisms)及びLMG(Laboratorium voor Microbiologie−Bacterienverzameling)によって、ブダペスト条約に従って2014年1月27日に、LMG P−28149の番号の下で寄託された。

本発明の範囲において、組成物は、好ましくは生きた状態のプロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149を含む。「生きた状態の」という用語は、組成物1グラム当たり108〜1013CFUを含む、組成物中の生きた細菌の濃度を意味する。

本発明の範囲において、この特定のプロバイオティクスの菌株は、飽食に対して、また体重増加の制限と関連する腸管微生物叢の回復に対して、著しいプラス作用があることが観測された。

ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149の存在の役割は、特に、ヒトの肥満を予防する役割でよく知られている細菌であるアッケルマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)による腸管の再コロニー形成において顕著に観測され、肥満のレベルは、体重過多又は肥満の個体において強力に低減される。

更に驚くべきことに、白色脂肪組織を調節するTリンパ球の機能に関与する転写因子PPARγの発現の回復に関連する、本発明による菌株の抗炎症作用及び免疫調節作用が、更に観測された。

したがって、本発明による組成物は、特に、体重過多のヒトにおける腸管微生物叢の障害、及びこの障害に関連する炎症性疾患の根治的又は予防的処置を可能にする。

したがって、本発明の組成物は、有利なことに、ヒトの体重過多と関連するメタボリック症候群の根治的又は予防的処置を目的とする。

したがって、本発明によれば、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149に基づく組成物は、好ましくは食事中及び/若しくは食後の、高脂肪食による体重増加を低減すること、又は体重を安定化することを伴って、身体に対する以下の効果を有することが実証された:インスリン感受性の改善、腹部及び皮下脂肪塊の発生の低減、脂肪細胞のサイズの低減、特に炎症促進性マクロファージによる白色脂肪組織の細胞浸潤の低減、炎症性マーカーの低減、肝脂肪の制限、及び「悪玉」コレステロールの制限又は低減。

このことが示し得る通り、少なくともプロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149を含む本発明による組成物は、体重過多に関係する様々な因子に対して作用する。

また、本発明の範囲内では、生きている状態又はそうでない状態のいずれかの特定の菌株ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149だけでなく、この菌株に由来する化合物の、体重増加に対する予防的及び根治的作用、並びに体重過多のヒトのメタボリック症候群に対する作用が実証された。

この文脈では、本発明による組成物は、少なくとも1つのプロバイオティクス要素又は少なくとも2つのプロバイオティクス要素の組合せを更に含むことができ、各要素は、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149に由来する、細胞壁の構成成分、細胞小器官の構成成分、核酸、細胞膜の構成成分、及び細胞代謝産物からなる群から選択される。

細胞壁の構成成分は、限定的ではなく例示的なものとして、ペプチドグリカン、タンパク質、ポリサッカライド、タイコ酸、又はそれらの組合せからなる群から選択される。

代謝産物は、限定的ではなく例示的なものとして、有機酸、無機酸、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、酵素、脂質、炭化物、糖脂質、糖タンパク質、ビタミン、塩、金属又はそれらの組合せからなる群から選択される。

特定の一実施形態では、本発明による組成物は、酪酸塩若しくはその誘導体の少なくとも1つ、及び/又はプロピオン酸塩若しくはその誘導体の少なくとも1つを含み、前記酪酸塩及び/又は前記プロピオン酸塩の誘発は、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149によって促進される。

任意選択により、本発明による組成物は、少なくとも1つの追加のプロバイオティクスを含み、この追加のプロバイオティクスは、以下のプロバイオティクス、又はそれらの組合せからなる群から選択される:古細菌(Archaea)、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス(Bacteroidetes)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、アクチノバクテリア(Actinobacteria)、ベルコミクロビア(Verrucomicrobia)、フソバクテリア(Fusobacteria)、メタノバクテリア(Metanobacteria)、スピロヘータ(Spirochaetes)、フィブロバクター(Fibrobacters)、デフェリバクター(Deferribacteres)、ディノコッカス(Deinococcus)、サーマス(Thermus)、シアノバクテリア(Cyanobacteria)、メタノブレビバクテリウム(Methanobrevibacterium)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、コプロコッカス(Coprococcus)、スブドリングラヌラム(Subdolingranulum)、ドレア(Dorea)、ブレイジア(Bulleidia)、アナエロフスティス(Anaerofustis)、ゲメラ(Gemella)、ロゼブリア(Roseburia)、カテニバクテリウム(Catenibacterium)、ジアリスター(Dialister)、アナエロトランカス(Anaerotruncus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ミクロコッカス(Micrococcus)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)(非病原性)、ファエカリバクテリウム(Faecalibacterium)、バクテロイデス(Bacteroides)、パラバクテロイデス(Parabacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、アッケルマンシア(Akkermansia)、バチルス(Bacillus)、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)、及びクロストリジウム(Clostridium)。

好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1つの真菌株及び/又は酵母菌株を更に含むことができ、この菌株は、以下の群から選択される:サッカロマイセス(Saccharomyces)、カンジダ(Candida)、ピキア(Pichia)、デバリオマイセス(Debaryomyces)、トルロプシス(Torulopsis)、アスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhizopus)、ムコール(Mucor)、及びペニシリウム(Penicillium)。

好ましくは、本発明による組成物は、プロバイオティクスをカプセル化するための担体を含み、前記ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149及び任意選択で前記少なくとも1つの追加のプロバイオティクスは、カプセル化される。

有利には、前記真菌及び/又は前記酵母も、前記担体にカプセル化されている。

或いは、カプセル化担体は、アルギネート、キトサン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、カラギーナン、寒天ゲル又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む。

優先的に、前記少なくとも1つの物質は、親水コロイドである。

有利には、本発明による組成物は、単糖、多糖体、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ビタミン、酵母エキス、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のハロゲン塩、抗酸化剤、グリセロール、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、アスコルビン酸、クエン酸、植物油、乳脂肪、又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの食品源を含む。

特定の一実施形態では、本発明による組成物は、少なくとも1つのプレバイオティクスを含む相利共生組成物である。

好ましくは、前記少なくとも1つのプレバイオティクスは、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、イヌリン若しくはその誘導体、ラクツロース若しくはその誘導体、マンナンオリゴ糖、又はそれらの組合せからなる群から非限定的に選択される。

優先的に、本発明による組成物は、前記ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149及び任意選択で前記少なくとも1つの追加のプロバイオティクスを被覆する第1の腸溶コーティングを含む。特に、第1の腸溶コーティングは、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリマー(例えばEudragit(登録商標)など)、又はそれらの組合せからなる群から選択される。

或いは、当該組成物は、アルギネート、キトサン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、カラギーナン、寒天ゲル、セルロース、ヘミセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はそれらの組合せからなる群から選択される第2の外部コーティングを更に含む。

別の任意選択の実施形態では、本発明による組成物は、1つ又はいくつかの生体適合性のある賦形剤を含む。

本発明による組成物は、妊娠中の女性若しくは出産した女性、又は「擬娩」儀式中の男性若しくは「擬娩」儀式を行った男性の、過度の体重増加(すなわち妊娠に伴う体重増加を大きく上回る)の根治的又は予防的処置を企図することができる。

本発明によれば、当該組成物は、好ましくは生きた状態のビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149を含む、当該組成物に基づく食品、又は更には栄養補助食品の食品組成物として提示することができる。

「食品組成物」という用語は、本発明における意味では、食品市場で一般に見られる組成物(例えばスナック、調理済み料理、飲料等)を意味するものとする。

「栄養補助食品」という用語は、本発明における意味では、栄養学的及び/又は生理的効果を有する栄養分又は物質を補足することを目的とする食料品と理解されるべきである。

本発明によれば、組成物は、経口又は舌下経路を介して使用し、摂取するために提供され得るが、呼吸器、好ましくは経鼻若しくは気管支、又は更には直腸を介して使用し、摂取するためにも提供され得る。

また、組成物は、プロバイオティクスに由来する要素に少なくとも基づき、皮下注射を企図される注射可能な液体組成物であってもよい。

優先的に、本発明による組成物は、錠剤、丸剤、ゼラチンカプセル、顆粒、粉末、流体、液体、クリーム又はスプレーとして調製することができる。

本発明によれば、組成物は、妊娠中の女性若しくは出産した女性、又は「擬娩」儀式中の男性若しくは「擬娩」儀式を行った男性の、過度の体重増加(すなわち妊娠を伴う体重増加を大きく上回る)の根治的又は予防的処置のために使用することができる。

本発明による治療組成物の他の実施形態及び使用は、添付の特許請求の範囲に示される。

本発明はまた、体重過多のヒト又は体重過多であったヒトにおける、少なくとも1つのプロバイオティクスを含む組成物の非治療的な美容上の使用に関し、前記プロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149である。

好ましくは、非治療的な美容上の使用のための前記組成物は、以下のプロバイオティクス、又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの追加のプロバイオティクスを含む:古細菌、ファーミキューテス、バクテロイデス、プロテオバクテリア、アクチノバクテリア、ベルコミクロビア、フソバクテリア、メタノバクテリア、スピロヘータ、フィブロバクター、デフェリバクター、ディノコッカス、サーマス、シアノバクテリア、メタノブレビバクテリウム、ラクトバチルス、ペプトストレプトコッカス、ルミノコッカス、コプロコッカス、スブドリングラヌラム、ドレア、ブレイジア、アナエロフスティス、ゲメラ、ロゼブリア、カテニバクテリウム、ジアリスター、アナエロトランカス、スタフィロコッカス、ミクロコッカス、プロピオニバクテリウム、腸内細菌科(非病原性)、ファエカリバクテリウム、バクテロイデス、パラバクテロイデス、プレボテラ、ユーバクテリウム、アッケルマンシア、バチルス、ブチリビブリオ、及びクロストリジウム。

有利には、前記非治療的な美容上の使用のための組成物は、サッカロマイセス、カンジダ、ピキア、デバリオマイセス、トルロプシス、アスペルギルス、リゾプス、ムコール、及びペニシリウムからなる群から選択される真菌株及び/又は酵母菌株を含む。

優先的に、前記非治療的な美容上の使用のための組成物において、前記ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149及び任意選択で前記少なくとも1つの追加のプロバイオティクスは、カプセル化担体にカプセル化される。

有利には、前記非治療的な美容上の使用のための組成物において、前記カプセル化担体は、アルギネート、キトサン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、カラギーナン、寒天ゲル及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む。

有利には、前記非治療的な美容上の使用のための組成物は、単糖、多糖体、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ビタミン、酵母エキス、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のハロゲン塩、抗酸化剤、グリセロール、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、アスコルビン酸、クエン酸、植物油、乳脂肪、又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの食品源を含む。

好ましくは、前記非治療的な美容上の使用のための組成物は、少なくとも1つのプレバイオティクスを更に含み、それによって相利共生組成物が形成される。

好ましくは、前記非治療的な美容上の使用のための組成物は、前記ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149及び任意選択で前記少なくとも1つの追加のプロバイオティクスを被覆する第1の腸溶コーティングを含む。

有利には、前記非治療的な美容上の使用のための組成物において、前記第1の腸溶コーティングは、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、Eudragit(登録商標)、又はそれらの組合せからなる群から選択される。

好ましくは、前記非治療的な美容上の使用のための組成物は、アルギネート、キトサン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、カラギーナン、寒天ゲル、セルロース、ヘミセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はそれらの組合せからなる群から選択される第2の外部コーティングを含む。

有利には、前記非治療的な美容上の使用のための組成物は、1つ又はいくつかの生体適合性のある賦形剤を更に含む。

本発明による組成物の非治療的な美容上の使用のための他の形態は、添付の特許請求の範囲において示されている。

本発明はまた、少なくとも1つのタンパク質源及び少なくとも1つの炭水化物源を含む、プロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149の培地であって、グルタチオンを更に含むことを特徴とする培地に関する。

グルタチオンは、細胞の細胞質の酸化還元電位を維持し、ある一定数の解毒作用及び酸素反応種の除去反応に関与するトリペプチドである。

驚くべきことに、本発明の範囲内では、このようなグルタチオンを含む培地は、体重過多のヒト又は体重過多であったヒトの体重増加に対して根治的又は予防的作用があることが観測された、プロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスの菌株No.LMG P−28149の能力を最適化することが示された。

好ましくは、本発明による培地は、培地1l当たり20〜30gを含む濃度のグルタチオンを含む。

有利には、本発明によれば、前記培地の前記タンパク質源は、乳清ペプトン、カゼインペプトン、植物又は細菌のペプトン、及びそれらの組合せからなる群から選択される。

好ましくは、本発明によれば、前記培地の前記炭水化物源は、ラクトース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マルトデキストリン、デンプン、トレハロース、マルトトリオース、及びそれらの組合せによって形成される群から選択される、少なくとも1つの糖又は糖の混合物を含む。

好ましくは、本発明によれば、前記培地は、少なくとも1つのアミノ糖、例えばグルコサミン又はガラクトサミンを更に含む。

好ましくは、本発明によれば、前記培地は、少なくとも1つの酵母エキスを更に含む。

好ましくは、本発明によれば、前記培地は、少なくとも1つの卵エキスを更に含む。

本発明による培地の他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に示されている。

本発明はまた、プロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149を発酵によって製造する方法に関し、前記方法は、本発明による培地で、前記プロバイオティクスを培養する少なくとも1つのステップを含む。

本発明による方法の他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に示されている。

本発明の他の特徴及び利点は、非限定的な下記の説明から、下記の実施例を参照することによって明らかになろう。

これらの実施例は、マウスにおいて得られる結果を反復するものであり、それらを、ヒト血液から単離された免疫細胞からインビトロで得られた結果を用いて完遂した。

以下の例1〜4で反復された試験結果は、マウスにおいて得られたものであるが、類似の結果が、ヒトにおいて予測されると理解される。

特に哺乳動物、特にげっ歯類の体重増加に対する、菌株に特異的な効果が、本発明の範囲内で実証された。

実際、プロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスの菌株LMG P−28149を、単独で、又は少なくとも1つの他のプロバイオティクスと組み合わせて投与することによって、体重過多の哺乳動物、特にげっ歯類における体重増加の低減を、インスリン抵抗性を含めた炎症及び代謝パラメータの改善と一緒に誘発する。

特に、本発明によるプロバイオティクス菌株に基づく組成物の代謝保護効果は、本発明の範囲内で実証されており、その保護効果は、脂肪組織内のPPARγの発現の回復及び細胞再構築、並びに肝脂肪に対する保護効果と更に関連する。

また、本発明による菌株に基づく組成物は、脂肪酸の輸送に関する受容体の発現のモジュレーション、特に栄養分の吸収によって誘発される飽食機序において重要な役割を果たす短鎖脂肪酸(SCFA)の輸送に関与するGタンパク質(GPR41及びGPR43)と連結する受容体の回復を可能にする。

実際、脂肪細胞のサイズ、並びに炎症促進性サイトカイン及びケモカイン(MCP−1、IL−6、TNF−アルファ等)の産生に対する、本発明による菌株のプラス作用が、実証され、そのいくつかはインスリン抵抗性の直接的な起源である。

本発明による菌株は、更に、哺乳動物における脂質プロファイル及びグルコース代謝を再確立し、脂質異常症(したがってII型糖尿病)及び高血糖症のようなメタボリック症候群に直接関係する疾患を発症する危険性の予防を可能にすることが観測された。

最後に、本発明によるプロバイオティクス菌株の摂取と、ヒトの肥満の予防、及び体重過多又は肥満の個体を強力に低減する役割でよく知られている細菌であるアッケルマンシアによる腸管コロニー再形成との間の関連が、実証された。

体重過多及び次いで肥満が生じているマウスにおける、(A)体重増加の時間依存性変化(%)、(B)グルコース耐性(GT)、(C)精巣上体脂肪組織(EWAT)の重量(質量)、及び(D)皮下脂肪組織(SCWAT)の重量(質量)に対するLs33の作用を示す。データを、平均(1群当たりマウス10〜15匹)±平均からの標準偏差(SEM)として表す。

**p<0.01、

***p<0.001。

*は、同一の介入処置の下、脂肪が豊富な食餌(HFD)と対照食(LFD)の比較に相当する(食餌効果の測定)。

体重過多及び次いで肥満が生じているマウスにおける、(A)体重増加の時間依存性変化(%)、(B)食物の蓄積摂取量(グラム/日/マウス)、(C)インスリン耐性(IT)、及び(D)GTに対するミックスの作用を示す。データを、平均(1群当たりマウス5〜14匹)±平均からの標準偏差(SEM)として表す。

**p<0.01、

***p<0.001、

#p<0.05、

##p>0.01、

###p<0.001。

*は、同一の介入処置の下、HFD食とLFD食の比較に相当する(食餌効果の測定)。

#は、同一食による、ミックスとリン酸緩衝食塩水(PBS)の比較に相当する(本発明によるプロバイオティクス又はプロバイオティクス混合物の効果の測定)。

体重過多及び次いで肥満が生じているマウスにおける、(A)EWATの重量(質量)、(B)SCWATの重量(質量)、(C)血中のレプチンの量(ng/ml)、(D)血中のアディポネクチンの量(μg/ml)、(E)EWATの組織学的検査(実験群のそれぞれの代表的切片)、及び(F)EWATにおける脂肪細胞のサイズ分布に対するミックスの作用を示す。データは、平均(1群当たりマウス10〜15匹)±平均からの標準偏差(SEM)として表す。

**p<0.01、

***p<0.001、

#p<0.05、

##p<0.01、

###p<0.001。

*は、同一の介入処置による、HFD食とLFD食の比較に相当する(食餌効果の測定)。

#は、同一食による、ミックスとPBSの比較に相当する(本発明によるプロバイオティクス又はプロバイオティクス混合物の効果の測定)。

体重過多及び次いで肥満が生じているマウスにおける、(A)EWATの細胞組成(単球/マクロファージ(F4/80、CD68、CD11b、CD11c)、制御性Tリンパ球(FoxP3)、及びケモカインMCP−1の特異的遺伝子の発現の分析)、(B)EWATにおけるマクロファージの存在(F4/80に特異的な免疫蛍光マーキング及び総密度[IntDen]に関する定量化)、(C)EWATの炎症(炎症促進性サイトカインTnfα、IL−1a、IL−6及びIL−17の遺伝子発現の分析)、並びに(D)メッセンジャーRNAにおけるPPARガンマ(PPARγ)の発現(左、遺伝子発現)及びタンパク質の発現(中心左、ウエスタンブロット及び定量化[任意単位:A.U.])に対するミックスの作用を示す。データは、平均(1群当たりマウス5〜14匹)±平均からの標準偏差(SEM)として表す。

**p<0.01、

***p<0.001、

##p<0.01、

###p<0.001。

*は、同一の介入処置による、HFD食とLFD食の比較に相当する(食餌効果の測定)。

#は、同一食による、ミックスとPBSの比較に相当する(プロバイオティクス又はプロバイオティクス混合物の効果の測定)。

体重過多及び次に肥満が生じているマウスにおける、(A)脂質代謝に関与する因子(遺伝子FABP1、APO CII、及びCD36の発現の分析)、(B)短鎖脂肪酸(SCFA)に対する受容体、遺伝子GPR41及びGPR43の発現の分析によるに対するミックスの作用を示す。データは、平均(1群当たりマウス5〜14匹)±平均からの標準偏差(SEM)として表す。

**p<0.01、

***p<0.001、

##p<0.01、

###p<0.001。

*は、同一の介入処置による、HFD(高脂肪食)とLFD(低脂肪食)の比較に相当する(食餌効果の測定)。

#は、同一食による、ミックスとPBSの比較に相当する(プロバイオティクス又はプロバイオティクス混合物の効果の測定)。

腸管生態系をインビトロで刺激する(SHIME)モデルにおける、プロバイオティクス混合物ミックスと共に24時間及び48時間インキュベートした後の、総SCFAの産生レベル(左)、並びに酢酸塩、酪酸塩及びプロピオン酸塩の割合(右)を示す。

***は、時間0と比較したものである。

体重過多及び肥満が生じているマウスにおける、(A)腸管微生物叢の組成、特にビフィドバクテリウム属及びアッケルマンシア・ムシニフィラの集団に対するミックスの効果を示す。(B)ミックスで処置し、又はミックスで処置していないHFDマウスにおいて検出されるビフィドバクテリウム種を、HFD−PBS及びHFD−ミックス群の代表であるマウス5匹のTGGE分析によって決定した。マーカーM1又はM2は、示された菌株の混合物に相当する。

*p<0.05、

**p<0.01、

#p<0.05、

##p<0.01。

*は、同一の介入処置による、HFD食とLFD食の比較に相当する(食餌効果の測定)。

#は、同一食による、ミックスとPBSの比較に相当する(本発明によるプロバイオティクス又はプロバイオティクス混合物の効果の測定)。

体重過多及び次に肥満が生じているマウスにおける、(A)膵臓、肝臓及び脾臓の重量(質量)、(B)脂肪滴の蓄積(脂肪症、実験群のそれぞれに代表的な組織学的切片を見る)、及び(C)炎症若しくは脂質代謝に関与する異なるマーカー、又はインスリンに対する応答(遺伝子mcp−1、IL−6、TNFα、IL−10、IL−17、srebp−1c、APOCII Fabp1及びIRS2の発現の分析)に対するミックスの作用を示す。データは、平均(1群当たりマウス5〜14匹)±平均からの標準偏差(SEM)として表す。

**p<0.01、

***p<0.001、

##p<0.01、

###p<0.001、

####p>0.0001。

*は、同一の介入処置による、HFD食とLFD食の比較に相当する(食餌効果の測定)。

#は、同一食による、ミックスとPBSの比較に相当する(本発明によるプロバイオティクス又はプロバイオティクス混合物の効果の測定)。

本発明によるプロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149が、本発明による培地で培養されたか(図8a)又は培養されていないか(図8b)に応じて、体重増加に対して及ぼす継時的な影響を示す。LFD=低脂肪食、HFD=高脂肪食、HFD B.ラクティス=プロバイオティクスが、グルタチオンが存在する状態(図8a)又はグルタチオンが存在しない状態(図8b)で培養された場合の、本発明による組成物と一緒に摂取される高脂肪食。

以下の例1〜4で論じるインビボの結果を収集するために、以下の手順を観測した。

インビボ手順 マウス、細菌株、及び食餌 試験を、実験方法の開始時に5週齢であった雄性マウスC57BL/6Jで実施した。

乳酸桿菌のL.サリバリウス(L.salivarius)の菌株Ls33は、Danisco(Madison、WI、USA)によって提供された。

プロバイオティクス混合物(以下の実施例ではミックスと呼ばれる)は、1:1のCFU(コロニー形成単位)比(合計109CFU)の、2つの異なる菌株:L.ラムノサス(L.rhamnosus)LMG S−28148菌株、及びビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149菌株を含む。マウスに与える食餌を、低脂肪含量(LFD:D12450B;脂肪由来10%kcal)を含む第1の食餌、及び高脂肪レベル(HFD:D12492、脂肪由来60%kcal)を含む第2の食餌に分ける。食餌は、社製研究食によって提供する。

動物の処置手順 1週間5日間連続で、各マウスに、滅菌水(H2O)中Ls33−109CFU(コロニー形成単位又は経口組成物に存在するコロニー形成単位の数)(Ls33−H2O群)、滅菌水(H2O群)、又はリン酸緩衝食塩水(PBS)中プロバイオティクス混合物(ミックス群;菌株毎に5 108CFU)(ミックス−PBS群又はPBS群)を30μL経口投与した。

処置の1週間後、Ls33、水、ミックス、又はPBSで処置したマウスを、LFD食(1群当たりn=5)又はHFD食(1群当たりn=15)に無作為に割り当てた。体重及び食物摂取量を、毎週記録した。

動物を屠殺したら、血液、精巣上体の白色脂肪組織(EWAT)及び皮下の白色脂肪組織(SCWAT)、肝臓、脾臓、小腸及び膵臓を収集した。

インスリン及びグルコースに対する耐性試験 耐糖能(GTT)及びインスリン耐性(ITT)試験を、食餌のそれぞれ12週間及び各14週間後に実施した。動物を、6時間絶食させた後、グルコース(D−グルコース、1g/体重1kg)(GTT)又はインスリン(0.75UI/体重1kg)(ITT)を腹腔内投与(IP)した。血中グルコースレベルを、市販で利用可能な自動血糖測定器(glucometer)(例えば、ACCU−CHEK(登録商標)performa)を用いて、グルコース(GTT)又はインスリン(ITT)を注射する前と、グルコース(GTT)又はインスリン(ITT)を注射した後の異なる時間に尾部で採血した血液試料で測定した。

血液分析 レプチン、アディポネクチン、MCP−1、及びインスリンの血漿レベルを、市販のELISAキットを使用して測定した。非エステル化脂肪酸(NEFA)、トリグリセリド、グリセロール、HDLコレステロール、及びLDLコレステロールのレベルを、市販で利用可能な分析キット(例えば、Cambridge、GBによって開発されたAbcamキット)を使用して決定した。

組織学的分析及び免疫組織化学的分析 肝臓及び白色脂肪組織(EWAT)の試料を、4%のパラホルムアルデヒド溶液に入れ、次にパラフィンに包埋し、最後に切断し、スライド上に置き、次にヘマトキシリンエオシン(H&E)で染色した。白色脂肪組織(EWAT)の形態学的分析を、切片1つ当たり少なくとも10の視野(約100個の脂肪細胞を表示する)で、画像化プログラムImage J(NIH image、National Center for Biotechnology Information)を使用することによって実施した。

遺伝子発現の分析 肝臓及び腸の白色脂肪組織の総RNAを、抽出して(当業者に公知の方法に従って)、次に逆転写した(1μgの量を、前述の組織分類毎に再転写した)。定量的リアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)(RT−qPCR)を、当業者に公知の手順に従って実施した。

統計的分析 データを、平均±平均に関する標準偏差(SEM)として表す。統計的分析を、Kruskal Wallis試験を使用し、その後マン−ホイットニーU検定を使用して実施した。実験群間の差異は、値pが0.05未満である場合に統計的に有意であるとみなされる。

例5及び6に論じたインビトロ結果を収集するために、以下の手順を観測した。

インビトロ手順 ヒトの微生物生態系のシミュレーター−SHIMEモデル ヒト胃腸管をシミュレートするSHIME反応器を、当業者に周知の手順に従って設定した。

ミックスを反応器に添加し、短鎖脂肪酸の産生(SCFA)を、嫌気性雰囲気下、37℃におけるインキュベーションのt=0時間、t=24時間、及びt=48時間目に測定した。

ヒト血液細胞に対する菌株ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149の抗炎症効果の評価 4人の健康なドナーから得た新鮮なヒト血液を、PBS−Ca(GIBCO)により1:1比で希釈し、Ficoll層(GIBCO)上に置き、400Gで30分間、20℃で遠心分離処理した。

末梢血の単核細胞(PBMC)を、遠心分離後に血液から単離し、PBS−Caを使用して最終体積50mlに懸濁させ、750Gで10分間、20℃において3回洗浄した。次に、PBMCを、10%(v/v)の補体除去ウシ血清(血清を56℃で30分間置いた)、1%(w/v)のL−グルタミン(GIBCO)、及びゲンタマイシン(30μg/ml)(GIBCO)を補完したRPMI培地(GIBCO)に再懸濁させた。PBMCを計数し、それらの数を1ml当たり細胞2×106個に調整した。調製物を、24ウェルの培養プレートに分配する(1ml)。

(例1)Ls33対ミックス この実施例は、マウスの体重過多及び肥満の発生に対するLs33の影響を示す。

図1は、Ls33又は水及び低脂肪レベル食(LFD)又は高脂肪レベル食(HFD)による15週間の処置の間の、以下の指標を示す。 (A)d日目=0に測定した体重に対するパーセンテージとして表される、体重増加の時間依存性変化、 (B)食餌を開始して12週間後に実施した耐糖能試験(GTT)。グルコースレベル(mg/dl)を、6時間絶食させた後のマウスにおいて、グルコースの腹腔内注射(IP)(時間t=0に相当する)後、グラフに示した時間t(分)において直接測定した。 (C)食餌を開始して15週間後の精巣上体脂肪組織(EWAT)の重量(質量)(g)(屠殺の際に秤量した)、 (D)食餌を開始して15週間後の皮下脂肪組織(SCWAT)の重量(質量)(g)(屠殺の際に秤量した)。

この図に示されている結果からわかる通り、菌株Ls33は、インビトロ及び他の病理学的モデル(すなわち腸管の炎症)でその抗炎症活性が実証されているにもかかわらず、A〜Dの様々な指標に対していかなる(プラス又はマイナス)効果も示さない。

逆に、混合物ミックスの投与は、著しい保護効果を示す。これらの結果を、図2に示す。

この図は、プロバイオティクス混合物(ミックス)又はPBSを用いた処置の17週間後、及び低脂肪レベル食(LFD)又は高脂肪レベル食(HFD)に関して、対応する以下の結果を示す。 (A)体重増加の時間依存性変化(d日目=0に測定した体重に対するパーセンテージとして表される)、 (B)マウス1匹及び1日当たりの食物の蓄積摂取量(g/日/マウス)、 (C)食餌を開始して14週間後に実施したインスリン耐性試験(ITT):血中グルコースレベルを、インスリンの腹腔内注射(IP)後に測定した。結果は、正規化レベル(注射前に測定したグルコースレベルに対する%)±SEM、及びインスリン注射後に正規化された各グルコース曲線の曲線下面積値(AUC)の平均±SEMを示す。 (D)食餌を開始して12週間後に実施した耐糖能試験(GTT)。グルコースレベル(mg/dl)を、グルコースのIP注射後にマウスで測定し、AUC値を算出した。

HFD−ミックス群のマウスでは、HFD−PBS群で得られた(113.51%±4.89%の増加)よりも、著しい体重増加が観測されなかった(80.97%±4.96%の増加)(図2A参照)。

図2Bによって示されている通り、プロバイオティクスミックス混合物で処置したHFD群のマウスは、食物の蓄積摂取量(食物摂取量、FI)が少なかった。興味深いことに、体重増加及びFI指数で観測された有益な効果は、処置開始後に急速に表れた(第4週目から)。

ミックス混合物の投与により、以下の表1のより少ないグルコース及びインスリンレベルによって示される通り、HFD群のグルコースの恒常性が改善される。

この表のデータは、平均±平均に関する標準偏差(SEM)(1群当たりマウス5〜14匹)で表される。*p<0.05、***p<0.001、#p<0.05、##p<0.01、###p<0.001。*は、同一の介入処置による、HFD食とLFD食の比較に相当する(食餌効果の測定)。#は、同一食による、ミックスとPBSの比較に相当する(プロバイオティクス又はプロバイオティクス混合物の効果の測定)。

更に、表1に示されている通り、ミックスの効果を、引き続きNEFA、グリセロール及びトリグリセリドレベルに限定する場合、総コレステロールレベル及びHDLコレステロールの低下に関連して、低コレステロール血症作用が実証される。

更に、HOMA−IR指数((空腹時インスリン/空腹時グルコースレベル)/22.5レベル)は、HDF−ミックス群のマウスにおいて、対照群と比較して著しく低下しており(32.04±5.86対81.57±19.63;p<0.01)、このことは、インスリン耐性試験の結果によって確認される通り、インスリン感受性が改善されたことを示している(図2C参照)。

また、ミックスで処置したマウスは、グルコース注射に対する不耐性がより低い(図2D参照)。

(例2)白色脂肪組織の炎症に対するミックスの作用 図3は、以下に対するミックスの効果を示す。 (A)EWATの重量(質量)(g)、 (B)SCWATの重量(質量)(g)、 (C)事前に6時間絶食させておいたマウスの血清においてELISA法(免疫酵素的アッセイ法)によって測定される、血中レプチンの量(ng/ml)、 (D)事前に6時間絶食させておいたマウスの血清においてELISA法によって測定される、血中アディポネクチンの量(μg/ml)、 (E)精巣上体脂肪組織の組織学的検査(実験群のそれぞれに代表的な、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した切片を提示する)。尺度は100μmである。黒色矢印は、細胞浸潤の存在を示す、及び (F)EWATの脂肪細胞のサイズ分布。結果を、サイズ1クラス(0〜20μm、20〜40μm等)当たりの脂肪細胞%で示す。一方、図7は、以下に対するミックスの作用を示す。 (A)膵臓、肝臓、及び脾臓の重量(質量)(g)、 (B)肝臓の脂肪滴の蓄積(すなわち脂肪症)(実験群のそれぞれに代表的な、H&Eで染色した切片を提示する)。尺度は、100μmである、及び、 (C)炎症促進性及び抗炎症性サイトカイン、並びに肝臓の脂質の輸送及び代謝に関与する受容体をコードする遺伝子の発現。

対照群HFDと比較すると、HFD−ミックス群は、EWAT及びSCWATの脂肪質量が顕著に低下する(図3A及び3B参照)。

また、膵臓、肝臓及び脾臓の重量(質量)の顕著な低下が、HFD−ミックス群の個体で観測される(図7A参照)。

更に、制御されたHFD群のマウスは、脂肪肝を生じたが、プロバイオティクスミックス混合物を投与すると、組織の脂肪滴の存在が制限される可能性がある(図7B参照)。

白色脂肪組織の質量低下に従って、HFD−ミックス群では、血中レプチンレベルが著しく低下することが証明され(図3C参照)、一方アディポネクチンレベルは、より高くなる傾向がある(図3D参照)。

精巣上体脂肪組織の組織学的検査によって、HFD−ミックス群のマウスにおける小脂肪細胞の密度がより高かったことが示された(図3E及び3F参照)。

対照群のマウスでは、脂肪組織が、脂肪細胞を取り囲む細胞によって顕著に浸潤されているとしても(図3Eの矢印で示す)、プロバイオティクスミックスを投与された群のマウスから得られた組織試料は、この浸潤がそれほど顕著ではないことに留意されたい。

肥満が生じている間、マクロファージが白色脂肪組織において動員されると同時に、制御性T細胞FoxP3+CD4+がこれらの組織に残存する。

図4は、体重過多マウスにおける、脂肪組織の炎症に対するミックスの作用を示す。

図4Aに示されている通り、LFDの対照組織と比較すると、単球/マクロファージのいくつかの特異的なマーカー(F4/80、Cd68、Cd11b、及びCd11c)の発現レベルは、HFD群のマウスで増大するが、マーカーFoxp3に関するレベルは低下する。

プロバイオティクスミックス混合物を投与すると、HFD食によって誘発される単球/マクロファージのマーカーの発現が著しく低下し、マーカーFoxp3の発現レベルが増大する。

脂肪組織へのマクロファージの動員に対する、ミックス混合物、したがって本発明によるプロバイオティクス菌株の影響は、図4Bに示されている結果によって支持される。

抗炎症性Tregリンパ球の蓄積の増加を伴うマクロファージの動員の低下に従って、この実施例では、Il6、Tnfα、Il−1α、及びIl−17の特異的メッセンジャーRNAの発現レベルの低下によって実証される通り(図4C参照)、ミックス混合物で処置したマウスの精巣上体脂肪組織が、対照組織未満の炎症レベルを有することが示される。

更に、ミックス混合物に基づく処置は、HFD食によって誘発されるPPARγの低下を制限する(メッセンジャーRNAレベル及びタンパク質レベルの両方において)ことが示される(図4D参照)。

(例3)小腸の脂質代謝及び短鎖脂肪酸(SCFA)の産生に対するミックスの作用 この実施例では、短鎖脂肪酸(SCFAは短鎖脂肪酸の略語である)の輸送の原因となる遺伝子(GPR41及びGPR43)の発現レベルが、HFD食を受けたマウスの小腸では低下することを示すが、このことは、HFD群においてそれらが検出される程度が少ないほど、SCFAがプラスに作用できる程度が低くなり、一方、HFD食の下でミックス混合物を用いて処置された動物では、著しく増加することを示している(図5B参照)。

逆に、ミックスの投与は、脂肪食によって誘発される脂質代謝に関与する遺伝子の増加を制限する効果がある(図5A参照)。

(例4)アッケルマンシア・ムシニフィラの微生物叢及びコロニー形成レベルに対するミックスの作用 ある特定の細菌の微生物叢の分析を、マウスの盲腸内容物で定量的PCR(qPCR)によって実施した。マウスに、ミックスと共に、又はミックスの投与を伴わずにHFD食を与え、他方ではマウスに、ミックスと共に、又はミックスの投与を伴わずにLFD食を与えた。

図6に示されている結果は、HFD−ミックスマウスの微生物叢の組成に変化があったことを示しており、特に、HFD食を受け、本発明によるプロバイオティクス菌株又はプロバイオティクス混合物で処置したマウスでは、アッケルマンシア・ムシニフィラによるコロニー形成が回復した。

(例5)SFCAの産生に対するミックスの作用;SHIMEモデルの使用 この実施例では、ヒトの腸の微生物生態系を再生することを企図した、腸をシミュレーションするインビトロの動的モデルを使用した。

このシミュレーションによる結果によって示される通り(図5C参照)、プロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスの菌株番号LMG P−28149を使用すると、接種後48時間以内に総SFCAの産生を増大し、ヒトによる栄養分の取込みによって誘発される飽食を促進する2つの代謝産物である酪酸塩及びプロピオン酸塩の腸内産生を促進することができる。本発明によるミックス混合物のインキュベーション前(T0)及びインキュベーション後(T24h及びT48h)、SHIME反応器と関連する上行結腸において産生された酪酸塩及びプロピオン酸塩のレベルを、再び表2に示す。これらのデータは、mmol/L±SEDで表される。

菌株ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149の培地におけるグルタチオンの重要性の実証 図8a及び8bは、本発明によるプロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149が、本発明による培地で培養されたか(図8a)又は培養されていないか(図8b)に応じて、体重増加に対して及ぼす継時的な影響を示す。

図8a及び8b、より具体的にはHFD B.ラクティス曲線を比較することによってわかる通り、グルタチオンを含む培地で培養することによってプロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスNo.LMG P−28149を得た本発明による組成物と一緒に、脂肪が豊富な食餌が摂取されると、体重増加の著しい低減が継時的に観測されるが(図8a)、グルタチオンを含まない培地で培養することによって得られたプロバイオティクスを含む本発明による組成物を投与しても観測されない(図8b)。

本発明は、前述の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの改変を加え得ることが、完全に理解される。

頭字語の一覧 SCFA:短鎖脂肪酸 EWAT:精巣上体の白色脂肪組織 GT(T):耐糖能(試験) HDL:高密度脂質 H&E:ヘマトキシリン及びエオシン HFD:高脂肪食 BMI:肥満度指数 (HOMA)−IR:インスリン抵抗性の(恒常性モデル)評価 IT(T):インスリン耐性(試験) (V)LDL:(非常に)低密度脂質 LFD:低脂肪食 NEFA:非エステル化脂肪酸 PBS:リン酸緩衝食塩水 PBMC:末梢血の短核細胞 SCWAT:皮下の白色脂肪組織 SEM:平均に関する標準偏差 SHIME:ヒト腸管の微生物生態系のシミュレーター WAT:白色脂肪組織

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