Yogurt and method for producing the same

申请号 JP2002216850 申请日 2002-07-25 公开(公告)号 JP2002335860A 公开(公告)日 2002-11-26
申请人 Atelier De Fromage:Kk; 株式会社アトリエ・ド・フロマージュ; 发明人 MATSUOKA SHIGEO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a yogurt made by new lactic acid bacilli having good flavor and having intestinal disorder controlling effect, and to provide a method for producing the yogurt.
SOLUTION: This method for producing the yogurt comprises use of lactic acid bacilli. The lactic acid bacilli are composed of bacteria comprising Lactococcus lactis sp. lactis, Lactococcus lactis sp. cremoris and bifidobacterium.
COPYRIGHT: (C)2003,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactococcus la
    ctis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(L
    actococcus lactis subsp.
    cremoris)およびビフィズス菌属(bifid
    obacterium)を含有することを特徴とするヨーグルト。
  • 【請求項2】 前記ビフィズス菌属がアニマリス(B.
    animalis)である請求項1に記載のヨーグルト。
  • 【請求項3】 乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法において、 前記乳酸菌は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactococcus la
    ctis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(L
    actococcus lactis subsp.
    cremoris)およびビフィズス菌属(bifid
    obacterium)からなる混合菌であることを特徴とするヨーグルトの製造方法。
  • 【請求項4】 前記ビフィズス菌属が、ビフィダム(B.bifidum)、ロンガム(B.longu
    m)、インファンティス(B.infantis)、ブレーベ(B.breve)およびアニマリス(B.an
    imalis)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載のヨーグルトの製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、ヨーグルトおよび乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】ヨーグルトは、乳などに乳酸菌または酵母を加えて発酵させることにより製造されるものであり、健康食品として近年その消費は増加傾向にある。

    【0003】ヨーグルトは、製造方法の違いによって、
    一般に、静置型ヨーグルトと撹拌型ヨーグルトに大別される。 静置型ヨーグルトは、凝固状のヨーグルトであり、原料乳に乳酸菌を加えて容器に充填した後に発酵させたものである。 静置型ヨーグルトには、原料乳だけで添加物を加えていないプレーンヨーグルトや、砂糖や香料などを加えてゼラチンや寒天でプリン状に固めたハードタイプヨーグルトなどがある。 一方、撹拌型ヨーグルトは、流動状または液体状のヨーグルトであり、タンク内で固めたヨーグルトを撹拌して流動状にした後に容器に充填したものである。 撹拌型ヨーグルトには、果肉を入れたソフトタイプヨーグルトや、細かく砕いて液状にしたドリンクヨーグルトなどがある。

    【0004】これらのヨーグルトを製造する際、適当な乳酸菌を組み合わせて用いた方が、単一の乳酸菌のみを用いるよりも乳の凝固時間が短くて済むことが知られている。 これは、乳酸菌の共生現象を利用したものである。 したがって、従来、複数の乳酸菌を組み合わせてヨーグルトを製造する場合には、使用する乳酸菌の組合せは、互いに共生関係、すなわち互いを活かしあう関係にある菌を選択していた。 例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgar
    icus)とストレプトコッカス・サーモフィラス(S
    treptococcus thermophilu
    s)は、最も多く使用される乳酸菌の組合せであるが、
    その理由は、これらが互いに共生関係にあることに起因している。 これらを用いてヨーグルトを製造する場合を例にとり、以下に乳酸菌の共生関係について具体的に説明する。

    【0005】ラクトバチルス・ブルガリクスとストレプトコッカス・サーモフィルスを牛乳に添加すると、発酵の初期段階においては、ストレプトコッカス・サーモフィラスの著しい増殖が見られる。 しかしながら、乳酸の生成による酸度の上昇に伴いPHが5.5〜5.0程度まで低下すると、ストレプトコッカス・サーモフィラスの発育は緩慢となる。 一方、ラクトバチルス・ブルガリクスは、低酸素下において蟻酸や牛乳に含まれる尿素からストレプトコッカス・サーモフィラスが生成した二酸化炭素の存在により、発育が促進される。 そして、ラクトバチルス・ブルガリクスは、発酵過程で蛋白質を分解して多くのペプチドおよび遊離アミノ酸を生成する。 この遊離アミノ酸のうちで、バリン、ヒスチジン、メチオニン、グルタミン酸およびロイシンなどが、活性を弱めたストレプトコッカス・サーモフィラスの発育促進物質として働くことにより、ストレプトコッカス・サーモフィラスの発酵が復活する。 以上のように、乳酸菌が互いに助け合う要因を作り出し、互いの発酵を高めていく関係が共生関係である。

    【0006】また、ビフィズス菌属(bifidoba
    cterium)の菌群およびラクトバシラス・アシドフィルス(Lactobacillus acidop
    hilus)は、同じ腸内細菌という生育環境の一致から混合されて使用されることが多い。 しかしながら、これらにおいても、従来は、互いに助け合う関係または互いの生育を阻害しない関係にある菌を選択することが必須の条件であった。

    【0007】このように、従来のヨーグルトの製造においては、使用する乳酸菌は互いに共生関係にあるものを選択するのが常識であり、共生関係にない乳酸菌を用いてヨーグルトを製造する例は見られなかった。

    【0008】本発明の目的は、従来の常識にとらわれない新規な乳酸菌の組合せによるヨーグルトおよびその製造方法を提供することにある。

    【0009】また、本発明の目的は、風味に優れるとともに整腸作用を併せ持つヨーグルトおよびその製造方法を提供することにある。

    【0010】本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかとなるであろう。

    【0011】

    【課題を解決するための手段】本発明は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(La
    ctococcus lactis subsp. l
    actis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus la
    ctis subsp. cremoris)およびビフィズス菌属(bifidobacterium)を含有することを特徴とするヨーグルトに関する。

    【0012】ビフィズス菌属(bifidobacte
    rium)は、アニマリス(B.animalis)とすることができる。

    【0013】また、本発明は、乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法において、この乳酸菌が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lac
    tococcus lactis subsp. la
    ctis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lac
    tis subsp. cremoris)およびビフィズス菌属(bifidobacterium)からなる混合菌であることを特徴とするヨーグルトの製造方法に関する。

    【0014】ビフィズス菌属は、ビフィダム(B.bi
    fidum)、ロンガム(B.longum)、インファンティス(B.infantis)、ブレーベ(B.
    breve)およびアニマリス(B.animali
    s)よりなる群から選ばれる少なくとも1種とすることができる。

    【0015】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。

    【0016】本発明にかかるヨーグルトは、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスおよびビフィズス菌属を含有することを特徴とする。

    【0017】また、本発明にかかるヨーグルトの製造方法は、乳酸菌を添加することにより蛋白質を発酵させるヨーグルトの製造方法において、この乳酸菌が、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・
    クレモリスおよびビフィズス菌属からなる混合菌であることを特徴とする。

    【0018】図1は、本発明にかかるヨーグルトの製造工程の一例を示す図である。 図において、乳酸発酵に至るまでの混合、均質化、殺菌および冷却の各工程は、常法に従って行うことができる。

    【0019】まず、ヨーグルトの原料となる蛋白質を用意する。 蛋白質としては、牛乳、山羊乳、羊乳、加工乳、脱脂乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、カゼイン類および乳清蛋白質などに由来する乳蛋白質などの他に、植物性蛋白質なども用いることができる。 蛋白質に脱脂粉乳などを用いる場合には、分として水を加えることができる。 また、副原料として、砂糖などの甘味料、生クリーム、果実、フルーツジュース、寒天、ゼラチン、油脂、
    香料、着色料または安定剤などを原料に添加してもよい。

    【0020】用いる原料および副原料などを所定量計量した後でこれらを混合する。 この際、混合物を加温してもよい。 例えば、80℃〜85℃で15分間〜20分間加温することができる。 次に、均質化処理を行った後に殺菌処理を行う。 殺菌処理は、例えば、70℃〜90℃
    で5分間〜30分間加熱保持することにより行うことができる。 その後、後述する発酵温度まで冷却する。 この混合、均質化、殺菌および冷却の各工程を経たものを以下、ミックスと称す。

    【0021】本発明においては、乳酸菌スターターとして、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・
    ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスおよびビフィズス菌属からなる混合菌を用いることを特徴とする。

    【0022】ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスおよびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスは、生酸能力が低いことから、従来、急速な酸性度の上昇を必要とするヨーグルトの製造には不適当とされていた乳酸菌である。

    【0023】また、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスおよびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと、ヨーグルトの製造において一般に使用されるビフィズス菌属とは、
    互いに共生関係にないことが知られている。 すなわち、
    これらを混合させて発酵に用いた場合、従来、ビフィズス菌属はほとんど発酵しないとされてきた。 その理由としては、以下のようなことが考えられる。

    【0024】ビフィズス菌属は強酸性下での生育が可能であるが、偏性嫌気性であるために、牛乳中のように酸素含有量の多い環境下では発育が阻害される。 したがって、一般に、ビフィズス菌属を用いて発酵を行うためには、オリゴ糖などの発育促進物質の添加が不可欠であるといえる。 一方、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスおよびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスは酸素下で発育することができるが、強酸性に弱いという性質を有する。

    【0025】このように、ビフィズス菌属と、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスおよびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・
    クレモリスとでは、それぞれ適合する発育環境が異なる。 したがって、これらを混合した場合、発育促進物質がなく発育環境の異なる乳酸菌の中ではビフィズス菌属の発酵する手がかりがなく、その生成力は益々減じられていくと考えられていた。

    【0026】以上述べたように、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスおよびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと、ビフィズス菌属とは互いに共生関係になく、従来のヨーグルトの製造方法においては用いられなかった組合せである。 しかしながら、本発明者は、鋭意研究した結果、これらの菌を混合して使用することにより、本発明にかかるヨーグルトが得られることを見出した。

    【0027】さらに、本発明者は、発酵温度をビフィズス菌属にとって最適な温度帯に設定することにより、本発明にかかるヨーグルトが得られることを見出した。 ビフィズス菌属にとって最適な温度帯(30℃〜40℃)
    は、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・
    ラクティスおよびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスにとって最適な温度帯(20℃
    〜30℃)よりも高温域にある。

    【0028】このように、本発明におけるヨーグルトは、ビフィズス菌属にとっても、また、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスおよびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスにとっても一般に好ましいとされる発育条件にはない状態で製造される。 しかしながら、本発明者は、生物が本来有する環境適応力から副次的に生み出すと考えられる効果を利用することによって、本ヨーグルトを発明するに至ったのである。

    【0029】本発明において使用するビフィズス菌属の具体例としては、ビフィダム(B.bifidum)、
    ロンガム(B.longum)、インファンティス(B.infantis)、ブレーベ(B.brev
    e)、アドレッセンティス(B.adolescent
    is)、カテニュレイタム(B.catenulatu
    m)、シュードカテニュレイタム(B.pseudoc
    atenulatum)、デンテュエム(B.dent
    ium)、アンギュレイタム(B.angulatu
    m)、ガリカム(B.gallicum)、イノピナータム(B.inopinatum)、デンティコレンス(B.denticolens)、シュードロンガム(B.pseudolongum)、クニキュウリ(B.cuniculi)、チョエリナム(B.cho
    erinum)、アニマリス(B.animali
    s)、サーモフィルム(B.thermophilu
    m)、ボーム(B.boum)、マグナム(B.mag
    unum)、プローラム(B.pullorum)、スイス(B.suis)、ガリナーラム(B.galli
    narum)、ルミナンティウム(B.ruminan
    tium)、メリシカム(B.merycicum)、
    サーキュラーレ(B.saeculare)、ミニマム(B.minimum)、サブチル(B.subtil
    e)、コリネフォルメ(B.coryneform
    e)、アステロイデス(B.asteroides)およびインディカム(B.indicum)などが挙げられる。 このうち、ビフィダム(B.bifidum)、
    ロンガム(B.longum)、インファンティス(B.infantis)、ブレーベ(B.brev
    e)、またはアニマリス(B.animalis)が好ましい。 ビフィズス菌属は1種類を選択して用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。

    【0030】以下、簡便のために、ビフィズス菌属をA
    菌と称し、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスおよびラクトコッカス・ラクティス・
    サブスピーシーズ・クレモリスをB菌群と称す。

    【0031】上述の混合、均質化、殺菌および冷却の各工程を経た原料に、A菌およびB菌群を添加する。 A菌とB菌群との比は、A菌:B菌群=1:1〜1:2程度であるのが好ましい。 具体的には、ミックスに対して、
    A菌1%〜2%程度、B菌群2%程度添加するのが好ましい。 また、A菌とB菌群との混合菌の添加量は、ミックスに対して全体で3%〜4%程度であるのが好ましい。

    【0032】発酵温度は、A菌が生育するのに適当な3
    0℃〜40℃とし、中温菌であるB菌群の適温(20℃
    〜30℃)よりも高温にする。 特に、36℃〜38℃とするのが好ましい。 また、発酵はpHが4.0〜5.
    5、好ましくは4.6〜4.8に達したところで終了とする。 発酵時間は、5時間〜10時間とするのが好ましく、特に7時間〜9時間とするのが好ましい。

    【0033】図2は、牛乳にA菌のみを加えて38℃で発酵させた混合物の時間に対するpH変化の一例を表わした図である。 図に示すように、pHは時間の経過とともに穏やかに低下する。 発酵開始から11時間経過後のpHは6.20であり、混合物はやや凝固している程度の状態である。

    【0034】一方、図3は、牛乳にB菌群のみを加え3
    8℃で発酵させた混合物の時間に対するpH変化の一例を表わした図である。 図に示すように、pHは時間の経過とともに急激に変化する。 発酵開始から6時間経過後のpHは5.14であり、混合物は凝固した状態となる。 しかしながら、B菌群のみを用いて得たヨーグルトは風味に劣るとともに、整腸作用などの有益な効能を得ることはできない。

    【0035】図4は、牛乳にA菌およびB菌群を加えて38℃で発酵させた混合物の時間に対するpH変化の一例を表わした図であり、本発明にかかるヨーグルトに相当する。 pH変化は図3と略同様となり、発酵開始から6時間経過後にはpH5.25で凝固状態のヨーグルトが得られる。 また、このヨーグルトは、優れた風味とともに整腸作用に代表される有益な効能を有する。

    【0036】すなわち、本発明の方法によれば、A菌のみを添加した場合に比べて発酵時間を早めることができる。 また、B菌群のみを添加した場合には得られない風味や効能を得ることができる。 このように、共生関係にないために従来は使用されなかった乳酸菌の組合せであっても、本発明の方法によれば優れた特徴を有するヨーグルトを製造することが可能となる。

    【0037】発酵終了後、5℃〜8℃に冷却してカードを得る。 撹拌型ヨーグルトを製造する場合には、さらに、カードを粉砕して液状化する。

    【0038】本発明によるヨーグルトの製造方法は、静置型ヨーグルトおよび撹拌型ヨーグルトのいずれにも適用することができる。

    【0039】本発明によれば、乳酸菌スターターとして、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・
    ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスおよびビフィズス菌属を組み合わせて使用することにより、共生関係にない乳酸菌の組合せであってもヨーグルトを製造できることが見出された。

    【0040】また、本発明によれば、乳酸菌スターターとして、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスおよびビフィズス菌属を組み合わせて使用することにより、従来のヨーグルトよりも爽やかな芳香と風味を有するとともに、便秘の即効的改善などの整腸作用も併せ持つヨーグルトを製造できることが見出された。

    【0041】実施例1. 生乳を85℃で15分間加熱保持することにより殺菌処理を行った。 続いて、38℃まで冷却した後、生乳に対して、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスとラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの混合物(ローディ(Rhodia)社製、商品名EZAL M
    R014)を2%、ビフィズス菌属(ローディ(Rho
    dia)社製、商品名EZALBL)を1%添加した。
    その後、容器に乳酸菌入りミックスを注入し、発酵庫に移して38℃の温度で8時間発酵させた。 発酵終了後、
    5℃〜8℃まで冷却することにより静置型ヨーグルトを得た。

    【0042】実施例2. 生乳を85℃で15分間加熱保持することにより殺菌処理を行った。 続いて、38℃まで冷却した後、生乳に対して、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスとラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの混合物(ローディ(Rhodia)社製、商品名EZAL M
    R014)を2%、ビフィズス菌属(ローディ(Rho
    dia)社製、商品名EZALBL)を1%添加した。
    その後、容器に乳酸菌入りミックスを注入し、発酵庫に移して38℃の温度で8時間発酵させた。 発酵終了後、
    5℃〜8℃まで冷却した。 続いて、プリン状に固まったヨーグルト(カード)を粉砕した後、ホモゲナイザーで液状化することにより、撹拌型ヨーグルトとして、無糖タイプのドリンクヨーグルトを得た。

    【0043】実施例3. 生乳に砂糖5%を加えて混合し、撹拌して均等化した。 次に、この混合物を85℃で15分間加熱保持することにより殺菌処理を行った。 続いて、混合物を38℃まで冷却した後、生乳に対して、
    ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスとラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスの混合物(ローディ(Rhodia)社製、商品名EZAL MR014)を2%、ビフィズス菌属(ローディ(Rhodia)社製、商品名EZAL
    BL)を1%添加した。 その後、容器に乳酸菌入りミックスを注入し、発酵庫に移して38℃の温度で8時間発酵させた。 発酵終了後、5℃〜8℃まで冷却した。 続いて、プリン状に固まったヨーグルト(カード)を粉砕した後、ホモゲナイザーで液状化することにより、撹拌型ヨーグルトとして、加糖タイプのドリンクヨーグルトを得た。

    【0044】実施例2および実施例3で得られたヨーグルトに含まれる菌の種類と生菌数について分析を行った。

    【0045】生菌数測定用の平板培地に出現したコロニーをタイプ別に釣菌し、シングル・コロニー・アイソレーション(single colony isolat
    ion)を繰り返すことにより純化した菌株をBCGB
    法によってDNA抽出した。 この1μlをテンプレートとして、プライマーA(5′−CCGCAGCCAA−
    3′)およびプライマーB(5′−AACGCGCAA
    C−3′)を用いたRAPD法によって増殖産物の電気泳動パターンの比較を行い、菌株の絞込みを行った。

    【0046】また、ヨーグルト1.0mlからBCGB
    法によって直接抽出したDNAを鋳型として、菌種特異的なプライマーを用いたPCR法によって菌種同定を行った。 菌種特異的なプライマーとして、アニマリス(B.animalis,BLAC)、ビフィダム(B.bifidum,BiBIF)、ブレーベ(B.
    breve,BiBRE)、ロンガム(B.longu
    m,BiLON)、アシドフィルス(L.acidop
    hilus,LbA)、カゼイ(L.casei,Lb
    C)、デルブリッキ(L.delbrueckii,L
    bD)、ガッセリー(L.gasseri,LbG)、
    ヘルベチカス(L.helveticus,LbH)、
    ジョンソニイ(L.johnsonii,LbJ)、プランタルム(L.plantarum,LbP)、ラムノース(L.rhamnosus,LbR)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subs
    p. cremoris,LcC)、ラクトコッカス・
    ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lact
    ococcus lactis subsp. lac
    tis,LcL)およびストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermop
    hilus,ST)の計15種類を用いた。

    【0047】DNAの分析により、実施例2および実施例3で得られたヨーグルトはいずれもBLAC、LcC
    およびLcLの3種類のプライマーに菌種特異的な増幅が認められ、アニマリス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスおよびラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスの3菌種の存在を確認できた。

    【0048】また、培養法により、実施例2および実施例3で得られたヨーグルトからはいずれも電気泳動パターンの異なる4種類の菌株が分離された。 図5に分離株のPARDによる菌株識別結果を示す。 図において、レーンナンバーは、それぞれ、MがDNAサイズマーカー、1がY50178の分離株、2がY50179の分離株、3がY50180の分離株、そして4がY501
    81の分離株を表わしている。

    【0049】図6は、PCR法による菌種同定結果を示す図である。 図において、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococc
    uslactis subsp. cremoris,
    LcC)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactococcus lact
    is subsp. lactis,LcL)およびアニマリス(B.animalis,BLAC)に菌種特異的なバンドが認められた。

    【0050】図6において、レーンナンバーは、それぞれ、MがDNAサイズマーカー、5がラクトコッカス・
    ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス、6がY5
    0178の分離株、7がY50179の分離株、8がY
    50180の分離株、9がラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス、10がアニマリス、
    そして11がY50181の分離株を表わしている。 この結果から、分離株Y50178をラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスと、Y501
    79の分離株およびY50180をラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスと、Y501
    81をアニマリスとそれぞれ同定した。

    【0051】ヨーグルト1mlを採取し、10倍段階希釈液の0.1mlづつをTOS寒天培地、Acidic
    −MRS寒天培地(pH5.4)およびBCP加プレートカウント寒天培地に塗抹した。 TOS寒天培地およびAcidic−MRS寒天培地(pH5.4)は嫌気的に37℃で3日間培養した。 また、BCP加プレートカウント寒天培地は好気的に37℃で3日間および26℃
    で7日間それぞれ培養した。 培養後のサンプル1mlあたりの生菌数を測定した。

    【0052】表1に、実施例2および実施例3で得られたヨーグルト1mlあたりに含まれる生菌数を示す。 表1に示す生菌数は、アニマリス菌についてはTOS寒天培地で、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス菌およびラクトコッカス・ラクティス・
    サブスピーシーズ・ラクティス菌についてはBCP加プレートカウント寒天培地(26℃で培養したもの)を用いて算出した。

    【0053】

    【表1】

    【0054】表1に見られるように、本発明により製造されたヨーグルトでは、従来のヨーグルトと異なり、ビフィズス菌属であるアニマリスが多く存在することがわかった。 また、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスが特に多く存在することもわかった。

    【0055】

    【発明の効果】本発明によれば、乳酸菌スターターとして、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・
    ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスおよびビフィズス菌属を組み合わせて使用することにより、共生関係にない乳酸菌の組合せであってもヨーグルトを製造できることが見出された。

    【0056】また、本発明によれば、乳酸菌スターターとして、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリスおよびビフィズス菌属を組み合わせて使用することにより、従来のヨーグルトよりも爽やかな芳香と風味を有するとともに、便秘の即効的改善などの整腸作用も併せ持つヨーグルトを製造できることが見出された。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明にかかるヨーグルトの製造工程の一例を示す図である。

    【図2】 牛乳にA菌のみを加えたヨーグルトの時間に対するpH変化の一例を表わした図である。

    【図3】 牛乳にB菌群のみを加えたヨーグルトの時間に対するpH変化の一例を表わした図である。

    【図4】 本発明にかかるヨーグルトの時間に対するp
    H変化の一例を表わした図である。

    【図5】 分離株のPARDによる菌株識別結果を示す図である。

    【図6】 PCR法による菌種同定結果を示す図である。

    【符号の説明】

    1,6 Y50178の分離株、 2,7 Y5017
    9の分離株、 3,8Y50180の分離株、 4,1
    1 Y50181の分離株、 5 ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス、 9 ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス、 10 アニマリス。

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