T cell apoptosis-inducing agent

申请号 JP2007506047 申请日 2006-03-06 公开(公告)号 JP5069556B2 公开(公告)日 2012-11-07
申请人 カルピス株式会社; 发明人 敏志 八村; 裕樹 勘里; 茂 藤原;
摘要
权利要求
  • 新規乳酸菌ラクトバチルス・アミロボラス CP1750株(FERM BP-10532)。
  • 新規乳酸菌ビフィドバクテリウム・カテニュラータム CP2829株(FERM BP-10533)。
  • 新規乳酸菌ビフィドバクテリウム・ロンガム CP760株(FERM BP-10531)。
  • 说明书全文

    本発明は乳酸菌の菌体を有効成分とするT細胞のアポトーシス誘導剤に関するものである。

    哺乳動物の免疫系は、細菌やウイルスなどを異物として認識して、免疫系の働きによりこれらを排除して生体を守っている。 免疫系は細胞性免疫と体液性免疫とに大別され、これらの免疫系は相互に影響して、生態防御のための免疫反応を調節している。 この免疫系の機能の調節に大きく関わっているのがT細胞である。

    T細胞は大きくTh1とTh2に分けられ、Th1は細胞性免疫を、Th2は液性免疫を亢進する。 このTh1/Th2比のバランスが崩れることは各種免疫性疾病の要因となり、Th1優位な場合は臓器特異的自己免疫疾患の発症に、Th2優位な場合にはI型アレルギーなどの発症に関与すると考えられている。 したがって、Th1/Th2バランスを良好に保つのに有用な食品、食品添加物および医薬品が求められている。

    Ina K. et al. J. Immunol. 163:1081, 1999 Boirivant M. et al. Gastroenterology 116:557, 1999 Watanebe-Fukunaga R.et al. Nature 356:314, 1992 Akdis M. et al. FASEB J. 17:1026, 2003 Guerra F. et al. J. Allergy Clin. Immunol. 107:647, 2001

    本発明は、様々な疾患の原因となる過剰なT細胞のアポトーシスを促す新規かつ安全な手段を提供し、臓器特異的自己免疫疾患やI型アレルギーなどの疾患の予防と改善を容易にすることを目的とする。

    本発明は、ある種の乳酸菌の菌体をT細胞が過剰に反応している状態において加えると、T細胞のアポトーシスを誘導するという新規な知見に基づくものである。

    すなわち、本発明はラクトバチルス(Lactobacillus)属又はビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する乳酸菌を有効成分とするT細胞アポトーシス誘導剤を提供する。 本発明はまた、ラクトバチルス(Lactobacillus)属又はビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する乳酸菌を含有する、T細胞のアポトーシスを誘導するための健康食品を提供する。

    別の観点においては、本発明は、新規乳酸菌、ラクトバチルス・アミロボラス CP1750株(FERM BP-10532)、ビフィドバクテリウム・カテニュラータム CP2829株(FERM BP-10533)およびビフィドバクテリウム・ロンガム CP760株(FERM BP-10531)を提供する。 これらの株はいずれも、2006年2月20日に国際特許生物寄託センターに国際寄託されている。

    本発明によるT細胞アポトーシス誘導剤は、ヨーグルト、ピクルスなどの発酵食品の材料として長い間使用されている乳酸菌からなるものであり、したがって長期間経口摂取しても安全である。 本発明のT細胞アポトーシス誘導剤は、過剰なT細胞のアポトーシスを誘導することにより、過剰なT細胞が引き起こす臓器特異的自己免疫疾患やアレルギーなどの炎症疾患を予防/改善することが期待できる。

    図1は、種々の乳酸菌によるナイーブT細胞のアポトーシス誘導を示す。

    図2は、ラクトバチルス・アシドフィルス L−92株によるT細胞のアポトーシスの誘導の濃度依存性を示す。

    図3は、種々の乳酸菌によるTh2細胞のアポトーシス誘導を示す。

    図4は、種々の乳酸菌で処理したTh2細胞が産生するIL-4の量を示す。

    図5は、ラクトバチルス・アシドフィルス L−92株によるTh1細胞のアポトーシス誘導を示す。

    図6は、脾臓におけるT細胞のアポトーシスの誘導を示す。

    図7は、腸間膜リンパ節内におけるT細胞のアポトーシスの誘導を示す。

    本発明のT細胞アポトーシス誘導剤は、ラクトバチルス(Lactobacillus)属又はビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する乳酸菌を有効成分とする。 後述の実施例に示されるように、マウスの脾臓細胞から得られたT細胞に乳酸菌菌体を添加する試験により、これらの乳酸菌がT細胞アポトーシスを誘導する作用を有することが確認された。

    ラクトバチルス属に属する乳酸菌としては、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)等が挙げられる。 ビフィドバクテリウム属に属する乳酸菌としては、ビフィドバクテリウム・カテニュラータム(Bifidobacterium catenulatum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)等が挙げられる。

    本発明のT細胞アポトーシス誘導剤において用いるラクトバチルス・アシドフィラスに属する乳酸菌として特に好ましいものは、ラクトバチルス・アシドフィラスL-92株(特許生物寄託センター寄託番号FERM BP−4981、寄託日1994年3月4日)である。

    ラクトバチルス・アシドフィラスL-92株は、以下の菌学的性質を有する。
    (形態学的性質)
    1)細胞の形:桿菌、2)運動性の有無:無、3)胞子の有無:無、4)グラム染色:陽性(生理学的性質)
    1)カタラーゼ:陰性、2)インドールの生成:陰性、3)硝酸塩の還元:陰性、4)酸素に対する態度:通性嫌気性、5)15℃で生育:無、6)グルコースからホモ乳酸発酵によりDL乳酸生成、ガス産生無7)各種糖類から酸生成の有無グルコース + メリビオース −
    ラクトース + ラフィノース +
    マンノース + マンニトール −
    フラクトース + ソルビトール −
    ガラクトース + エスクリン +
    シュークロース + サリシン +
    アラビノース − N−アセチルグルコサミン +
    マルトース + アミグダリン +
    キシロース − ゲンチオビオース +
    ラムノース − メレチトース −
    セロビオース + デキストリン −
    トレハロース + スターチ −

    さらに、本発明のT細胞アポトーシス誘導剤において用いるラクトバチルスに属する乳酸菌として特に好ましい別のものは、ラクトバチルス・アミロボラス CP1750株(FERM BP-10532)である。 ビフィドバクテリウム属ではビフィドバクテリウム・カテニュラータム CP2829株(FERM BP-10533)、ビフィドバクテリウム・ロンガム CP760株(FERM BP-10531)があげられる。 これらの菌株はいずれもヒト腸内から単離されたものであり、以下の資化性を有する。

    T細胞のアポトーシスに欠陥があると、自己免疫疾患やI型アレルギーなどの疾患の予防に大きく影響することが知られている。 例えば、臓器特異的自己免疫疾患の1つであるクローン病の患者では、粘膜のT細胞がアポトーシスに抵抗を示し(Ina K. et al. J. Immunol. 163:1081, 1999; Boirivant M. et al. Gastroenterology 116:557, 1999)、MRLlpr/lprマウスでは本来アポトーシスによって除去されるべき自己反応性T細胞が除去されずに末梢リンパ組織に集積して自己免疫反応を惹起する(Watanebe-Fukunaga R.et al. Nature 356:314, 1992)。 アトピー性皮膚炎患者ではTh1にアポトーシスが起こりやすいためにTh2が増殖し(Akdis M. et al. FASEB J. 17:1026, 2003)、Immunotherapyを受けたアトピー性皮膚炎患者ではTh2細胞がアポトーシスを起こしやすくなっている(Guerra F. et al. J. Allergy Clin. Immunol. 107:647, 2001)。 つまり、過剰なT細胞をアポトーシスによって排除できなくなると疾患につながり、適切なアポトーシスを誘導できれば疾患の改善につながると考えられる。

    したがって、本発明のT細胞アポトーシス誘導剤は、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患、クローン病、リューマチ性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、強皮症、シェ-グレン症候群、尋常性白斑、インスリン依存性糖尿病、強直性脊髄炎、バセドー氏病等の疾患の予防および治療に有用であると考えられる。

    本発明のT細胞アポトーシス誘導剤に使用する乳酸菌は、ラクトバチルス属又はビフィドバクテリア属に属するものであればどのような菌でもよい。 また、これら乳酸菌の培養に関しては、生育可能な培地であればどのようなものでも利用可能であり、獣乳、脱脂乳、乳性ホエー、MRS培地、GAM培地、BL培地、Briggs Liver Brothや合成培地などが一般に用いられる。 また、その培養温度としては25℃から50℃、このましくは35℃から42℃で行われる。 また、培養時間としては3時間から48時間、好ましくは8時間から20時間が用いられる。 さらに、これらの培地を用いて、中和培養やろ過培養を行ってもよい。 また、発酵乳酸菌菌体は発酵液そのまま利用することも出来るし、遠心分離操作や濾過などにより集菌して菌体のみで使用することも出来る。 また、凍結乾燥菌体としても使用できる。 さらにはまた、加熱処理した菌体や菌体破砕物なども使用できる。 菌体成分は、例えば、飲料、錠菓、ペースト、パンや製菓など様々な食品素材に添加して、健康飲料、健康食品あるいは機能性食品として提供することができる。 また、これらを有効成分とした薬剤として提供することができる。

    本発明のT細胞アポトーシス誘導剤は、当業者に公知の方法で医薬製剤とすることができる。 例えば、乳酸菌の菌体またはその加工品を薬学的に許容しうる担体もしくは媒体、具体的には、滅菌や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することができる。

    経口投与用には、乳酸菌の菌体またはその加工品を当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうる担体と混合することにより、錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として処方することができる。 非経口投与用には、乳酸菌の菌体またはその加工品を当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうるベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。

    本発明のT細胞アポトーシス誘導剤の適当な投与経路には、限定されないが、経口、直腸内、経粘膜、または腸内投与、または筋肉内、皮下、骨髄内、鞘内、直接心室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射が含まれる。 投与経路および投与方法は、患者の年齢、症状により適宜選択することができる。 好ましくは、本発明のT細胞アポトーシス誘導剤は、経口投与する。 本発明のT細胞アポトーシス誘導剤の投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人あたり、1回に1mg〜1000mgの範囲で、1日1回から数回経口投与することができる。 なお、有効成分である乳酸菌は食用可能であるため、安全性からみた投与量の制限はない。

    本明細書において明示的に引用される全ての特許および参考文献の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。 また,本出願が有する優先権主張の基礎となる出願である日本特許出願2005−60285号および2005−86546号に開示される内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。

    以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが,これらの実施例は種々の観点および特徴の代表例であり、本発明の範囲を制限するものではない。

    乳酸菌の調製
    ラクトバチルス属の乳酸菌はMRS培地、ビフィドバクテリウム属の乳酸菌はGAM培地を用いて、37℃で18時間培養した。 培養後、遠心により回収した乳酸菌菌体を洗浄して凍結乾燥を行い、乾燥菌体をPBS溶液中に懸濁し、100℃、10分間加熱処理したものを実験に供した。

    ナイーブT細胞のアポトーシス誘導
    細胞の調製:卵白アルブミン(以下OVA)の323残基から339残基領域をIA d拘束的に認識するT細胞クローンDO11.10由来のαβ-T細胞レセプター(TCR)遺伝子が導入されているDO11.10 TCR-トランスジェニックマウスから脾臓を摘出し、単細胞浮遊液を調製した。 これをMACS緩衝液(0.5%ウシ血清アルブミン、2mM EDTAを含むPBS溶液)に懸濁したCD4マイクロビーズ(Militenyi Biotec)を4℃、15分作用させ、細胞を洗浄後、磁気分離カラム(Militenyi Biotec)を用い、ポジティブセレクションを回収して、CD4陽性T細胞を調製した。 BALB/cマウスから脾臓を摘出して、細胞浮遊液を調製し、MACS緩衝液に懸濁したThy1.2マイクロビーズ(Militenyi Biotec)を4℃、15分作用させ、細胞を洗浄後、磁気分離カラムを用い、ネガティブセレクションを回収し、これを抗原提示細胞とした。

    細胞培養:DO11.10マウス脾臓由来CD4陽性T細胞を5×10 5 /ml、BALB/cマウス脾臓由来抗原提示細胞を1.5×10 /mlに調整し、5%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地(100units/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、5×10 -5 Mメルカプトエタノール、0.03%グルタミンを含む)中で培養し、1mg/mlのOVA(生化学工業)で刺激し、そこに乳酸菌加熱死菌体(10μg/ml)を添加し、5%炭酸ガス、37℃の条件下で培養を行った。

    アポトーシスの検出法:4日間培養後の細胞を回収し、FACS緩衝液(1%ウシ胎児血清、0.1%アジ化ナトリウムを含むPBS溶液)で希釈した抗マウスCD16/32(FCγIII/II Receptor)FcBlock TM (BD Pharmingen)を4℃、10分作用させてFcレセプターに対する非特異的結合を防ぎ、FITCラベルしたKJ1.26(DO11.10T細胞に対する抗クロノタイプ抗体)で染色し、Annexin V-PE Apoptosis Detection kit I(BD Pharmingen)を用いて細胞を染色した。 染色した細胞はFACS LSR(BD)を用いて検出し、KJ1.26陽性細胞中のAnnexin V陽性細胞の割合を測定した。

    試験結果を図1に示す。 試験に供した乳酸菌全てにおいて、ナイーブT細胞のアポトーシス誘導作用が認められた。 さらに、培養上清のサイトカインを測定したところ、抗原刺激によりIL-2産生が低下した(データ示さず)。

    濃度依存的なT細胞アポトーシス
    細胞の調製、アポトーシスの検出は実施例2と同じ方法で行った。 細胞の培養:実施例2に準じて行い、添加する乳酸菌加熱死菌体として、ラクトバチルス・アシドフィルス L−92株を0.1、1.0、10μg/mlで用いた。

    試験結果を図2に示す。 ラクトバチルス・アシドフィルス L−92株は濃度依存的にT細胞アポトーシスを誘導することが認められた。

    Th2細胞のアポトーシスの誘導
    Th2細胞の調製:DO11.10マウス脾臓由来CD4陽性T細胞を5×10 /ml、50μg/mlのマイトマイシンC(Sigma)で37℃、30分間処理したBALB/cマウス脾臓由来抗原提示細胞を1.5×10 /mlに調製し、5μg/mlの抗マウスIL-12抗体(クローンC17.8)、2ng/mlのリコンビナントマウスIL-4を培地中に添加し、1mg/mlのOVA存在下、7日間培養後、回収されてきた細胞をTh2細胞として使用した。 細胞培養方法及びアポトーシス検出法は実施例2と同じである。

    IL-4の測定方法:
    0.1M Na 2 HPO 4溶液で1μg/mlになるように希釈した抗IL-4抗体(Clone:11B11、BD Pharmingen)溶液をイムノプレート(Nunc)に50μl添加し、4℃で一晩静置して抗体をプレートにコーティングした。 0.05% Tween20を含むPBS溶液(PBS-Tween)でウェルを洗浄後、1% BSA/PBS-Tween溶液を100μl添加し、室温で2時間静置してブロッキングを行った。 PBS-Tweenでウェルを洗浄後、1% BSA/PBS-Tween溶液で希釈した標準検体の希釈列または培養上清をウェルに50μl添加して、室温で2時間静置した。 PBS-Tweenでウェルを洗浄後、1% BSA/PBS-Tween溶液で0.25μg/mlになるように希釈したビオチン化抗IL-4抗体(Clone: BVD4-1D11、BD Pharmingen)溶液を50μlウェルに添加し、室温で2時間静置した。 PBS-Tweenでウェルを洗浄後、1% BSA/PBS-Tween溶液で1.5μg/mlになるように希釈したアルカリフォスファターゼ−ストレプトアビジン(Zymed)溶液を50μlウェルに添加し、室温で1時間静置した。 PBS-Tweenでウェルを洗浄後、4-ニトロフェニルりん酸二ナトリウム(東京化成工業)をジエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH8.9)に1mg/mlになるように溶解させ、ウェルに50μlウェルに添加し、405nmの吸光度を測定した。

    試験結果を図3、図4に示す。 試験に供した乳酸菌全てにおいて、Th2細胞のアポトーシス誘導作用が認められた(図3)。 また、Th2が産生するIL-4が減少しており、アポトーシスにより確かにTh2が減少していることが示された(図4)。

    Th1細胞のアポトーシスの誘導
    Th1細胞の誘導:DO11.10マウス脾臓由来CD4陽性T細胞を5×10 /ml、50μg/mlのマイトマイシンC(Sigma)で37℃、30分間処理したBALB/cマウス脾臓由来抗原提示細胞を1.5×10 /mlに調製し、5μg/mlの抗マウスIL-4抗体、2ng/mlのリコンビナントマウスIL-12を培地中に添加し、1mg/mlのOVA存在下、7日間培養後、回収されてきた細胞をTh1細胞として使用した。 細胞培養方法及びアポトーシス検出法は、実施例2と同じである。

    結果を図5に示す。 L-92株がTh1細胞のアポトーシス誘導作用を有することが認められた。 実施例2−5の結果から、L-92株は抗原刺激をうけたT細胞にアポトーシスを誘導することで、活性化T細胞の過剰な反応を抑制している可能性が考えられた。

    脾臓ならびに腸間膜リンパ節内におけるアポトーシスの誘導
    OVA特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウス(DO11.10マウス)に対して2%のOVA(和光純薬 Cat. No.012−09885)溶液を飲水として与え、これに通常のCE-2食を与えた群をコントロールとし、0.05%のL-92加熱死菌体を含むCE-2食を与えた群をL-92群とした。 また、通常の飲水とCE-2食を与えた群を無処理群(NT群)とした。 飼育7日後、脾臓と腸間膜リンパ節を摘出し、OVA抗原特異的T細胞の割合を、FITCラベルされた抗CD4抗体と、PEラベルされたKJ1.26抗体(OVA-TCR特異的抗体)を用いた二重染色により、フローサイトメーターによって測定した。

    試験結果を図6(脾臓)、図7(腸間膜リンパ節)に示す。 動物の組織中においても抗原特異的T細胞の減少が観察され、L-92は経口投与においても、免疫系に影響し、抗原特異的T細胞のアポトーシスを生じさせていることが示された。

    本発明によるT細胞アポトーシス誘導剤は、乳酸菌からなるものであるから長期間経口摂取しても安全であり、過剰なT細胞のアポトーシスを誘導することにより、過剰なT細胞が引き起こす臓器特異的自己免疫疾患やアレルギーなどの炎症疾患を予防/改善することが期待できる。

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