オレフィンブロックコポリマーを含む耐汚染性物品およびプロセス

申请号 JP2015520327 申请日 2013-06-21 公开(公告)号 JP2015529480A 公开(公告)日 2015-10-08
申请人 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー; ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー; 发明人 アシシュ・バトラ; レイモンド・エル・ラクソ・ジュニア; リサ・エス・マデンジアン;
摘要 本開示は、食品 接触 物品を提供する。食品接触物品は、無希釈オレフィンブロックコポリマーで構成されるポリマー組成物を含む。食品接触物品は、総色変化値&Dgr;Eが20未満を示す。ポリマー組成物は、食品接触用途に適した物品を提供し、この物品は、柔らかさと、耐汚染性を有する。【選択図】なし
权利要求

食品接触物品であって、 無希釈オレフィンブロックコポリマーを含むポリマー組成物を含み; この物品は、総色変化値ΔEが20未満である、食品接触物品。無希釈オレフィンブロックコポリマーは、EN 1186−2にしたがって測定した場合、最終的な移動が10mg/dm2未満である、請求項1に記載の食品接触物品。無希釈オレフィンブロックコポリマーは、軟質セグメント中にオクテンから誘導される単位を10mol%〜20mol%含む、エチレン/オクテンマルチ−ブロックコポリマーである、請求項1に記載の食品接触物品。ポリマー組成物は、ショアA硬さが60〜95である、請求項1に記載の食品接触物品。ポリマー組成物は、無希釈オレフィンブロックコポリマーと、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、プロピレンインパクトコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるブレンド成分とを含む、請求項1に記載の食品接触物品。食品と接触したとき、食べられる染みを含む、請求項1に記載の食品接触物品。食べられる染みが、ケチャップであり、物品は、総色変化値ΔEが0から10未満である、請求項6に記載の食品接触物品。物品は、オーバーモールドされた物品である、請求項1に記載の食品接触物品。物品は、スパチュラである、請求項1に記載の食品接触物品。物品は、容器である、請求項1に記載の食品接触物品。無希釈オレフィンブロックコポリマーを含む食品接触物品を提供することと; 食品接触物品と、食べられる染みとを接触させることと; 食品接触物品から、食べられる染みを除去することと、 食品接触物品について、総色変化ΔEが20未満を示すこととを含む、食べ物を接触させるためのプロセス。物品とケチャップとを接触させることを含み、この物品について、総色変化ΔEが10未満を示す、請求項11に記載のプロセス。物品とマスタードとを接触させることを含み、この物品について、総色変化ΔEが20未満を示す、請求項11に記載のプロセス。接触させることは、容器である食品接触物品の中に食べられる染みを置くことを含む、請求項11に記載のプロセス。

食品接触物品であって、 1重量%未満の油を含む無希釈エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを含むポリマー組成物を含み、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、直線の様式で接続した硬質セグメントと軟質セグメントとを含み、軟質セグメント中、オクテンから誘導される単位を10mol%〜20mol%含み、 この物品は、総色変化値ΔEが20未満であり、 ここで、 であり、ΔLは、染まった物品と染まっていない物品の明度の差であり、Δaは、染まった物品と染まっていない物品の緑色から赤色への指標であり、Δbは、染まった物品と染まっていない物品の青色から黄色への指標である、食品接触物品。無希釈オレフィンブロックコポリマーは、EN1186−2にしたがって測定した場合、最終的な移動が10mg/dm2未満である、請求項1に記載の食品接触物品。ポリマー組成物は、ショアA硬さが60〜95である、請求項1に記載の食品接触物品。ポリマー組成物は、無希釈オレフィンブロックコポリマーと、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、プロピレンインパクトコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるブレンド成分とを含む、請求項1に記載の食品接触物品。食品と接触したとき、食べられる染みを含む、請求項1に記載の食品接触物品。食べられる染みが、ケチャップであり、物品は、総色変化値ΔEが0から10未満である、請求項6に記載の食品接触物品。物品は、オーバーモールドされた物品である、請求項1に記載の食品接触物品。物品は、スパチュラである、請求項1に記載の食品接触物品。物品は、容器である、請求項1に記載の食品接触物品。1重量%未満の油を含む無希釈エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを含み、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、直線の様式で接続した硬質セグメントと軟質セグメントとを含み、軟質セグメント中、オクテンから誘導される単位を10mol%〜20mol%含みポリマー組成物を含む、食品接触物品を提供することと; 食品接触物品と、食べられる染みとを接触させることと; 食品接触物品から、食べられる染みを除去することと、 食品接触物品について、総色変化ΔEが20未満を示すこととを含み、 ここで、 であり、ΔLは、染まった物品と染まっていない物品の明度の差であり、Δaは、染まった物品と染まっていない物品の緑色から赤色への指標であり、Δbは、染まった物品と染まっていない物品の青色から黄色への指標である、食べ物を接触させるためのプロセス。物品とケチャップとを接触させることを含み、この物品について、総色変化ΔEが10未満を示す、請求項11に記載のプロセス。物品とマスタードとを接触させることを含み、この物品について、総色変化ΔEが20未満を示す、請求項11に記載のプロセス。接触させることは、容器である食品接触物品の中に食べられる染みを置くことを含む、請求項11に記載のプロセス。

说明书全文

本開示は、無希釈オレフィンブロックコポリマーで構成される食品接触物品に関し、この食品接触物品は、耐汚染性を示す。

家庭用品へのプラスチックの使用は、拡大し続けている。食品接触用途では、プラスチック物品に付く食品の染みは、問題である。染みは、物品の概観を見苦しく損なう。食品の染みが付いたプラスチック物品の概観の悪さは、多くは、消費者に物品を早く捨てさせる。染みを抑えるための従来の手法には、欠点がある。物品に耐汚染性層を付加すると、製造の複雑性が増し、物品の費用が高くなる。耐汚染性を高めるために、ポリマーの結晶度を上げることが知られている。しかし、ポリマーの結晶度を上げると、同時に、ポリマーの柔軟性が低下し、ポリマーの柔らかさが低下する。

したがって、当該技術分野は、改良された耐汚染性を示すポリマーの必要性を認識している。特に、改良された耐汚染性を有するポリマー食品接触物品の必要性が存在する。

本開示は、食品の染みに耐性がある食品接触物品に関する。

一実施形態では、食品接触物品が提供される。食品接触物品は、無希釈オレフィンブロックコポリマーで構成されるポリマー組成物を含む。食品接触物品は、総色変化値ΔEが20未満を示す。ポリマー組成物は、食品接触用途に適した物品を提供し、この物品は、柔らかさと耐汚染性もあわせもつ。

本開示は、あるプロセスを提供する。一実施形態では、このプロセスは、食品接触物品を提供することを含む。食品接触物品は、無希釈オレフィンブロックコポリマーを含む。このプロセスは、食品接触物品と食べられる染みとを接触させることと、食品接触物品から、食べられる染みを除去することとを含む。このプロセスは、さらに、食品接触物品について、総色変化ΔEが20未満を示すことを含む。

本開示は、ある物品を提供する。この物品は、食品接触物品であり、ポリマー組成物を含む。ポリマー組成物は、無希釈オレフィンブロックコポリマーと、任意要素のブレンド成分とで構成される。食品接触物品は、総色変化ΔEが20未満である。食品接触物品を、食べ物、例えば、特に、本明細書に記載するような食べられる染みと接触させたとき、総色変化が評価される。

物品は、食品接触物品である。「食品接触物品」は、本明細書で使用する場合、食品と接触させて使用することを意図した物品または材料である。一実施形態では、食品接触物品は、アメリカ食品医薬品局(FDA)の連邦規則集(CFR)37 CFR §177、またはその海外の等価な規則に準拠する。物品は、熱成形された物品、押出成型された物品、ブロー成型された物品、射出成型された物品、オーバーモールドされた物品、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。適切な食品接触物品の非限定的な例としては、容器、蓋、カップ、ガスケット、瓶、コルク、道具(ナイフ、フォーク、スプーン)、食器(プレート、ボール、皿、ソーサー、トレイ)、調理器具(スパチュラ、ミキサー)、台所用品、および冷蔵庫、冷凍庫または食洗機といった家庭器具のパネル/棚が挙げられる。

(1.オレフィンブロックコポリマー) 食品接触物品は、無希釈オレフィンブロックコポリマーで構成されるポリマー組成物を含む。食品接触物品は、全体的にポリマー組成物から構成されていてもよく、または実質的に全体的にポリマー組成物から構成されてもよい。または、ポリマー組成物は、食品接触物品の一要素であってもよい。「オレフィンブロックコポリマー」(または「OBC」)は、本明細書で使用する場合、マルチ−ブロックまたはセグメント化されたコポリマーであり、直線の様式で接続した2個以上の化学的に別個の領域またはセグメント(「ブロック」と呼ぶ)を含み、つまり、ペンダント型またはグラフト接合された様式ではなく、重合したエチレン官能基に対し、末端と末端が接続した化学的に異なる単位を含むポリマーである。特定の実施形態では、ブロックは、その中に組み込まれるコモノマーの量または種類、密度、結晶度の量、このような組成物のポリマーに起因する結晶の大きさ、立体規則性の種類または程度(アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、立体規則性または立体不規則性、分岐の量(長鎖の分岐または高度な分岐を含む)、均一性、または任意の他の化学特性または物理特性が異なる。オレフィンブロックコポリマーは、コポリマー固有の製造プロセスに起因して、多分散指数(PDIまたはMw/Mn)の固有の分布、ブロックの長さ分布、および/またはブロックの数分布を特徴とする。さらに具体的には、連続プロセスで製造する場合、OBCの実施形態は、PDIが1.7〜8;または1.7〜3.5;または1.7〜2.5;および1.8〜2.5;または1.8〜2.1であってもよい。バッチプロセスまたは半バッチプロセスで製造する場合、OBCの実施形態は、PDIが1.0〜2.9;または1.3〜2.5;または1.4〜2.0;または1.4〜1.8であってもよい。

一実施形態では、OBCは、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーである。エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、エチレンから誘導される単位を主要なモル分率含み、エチレンは、少なくとも50mol%、または少なくとも60mol%、または少なくとも70mol%、または少なくとも80mol%含まれ、マルチ−ブロックコポリマーの残りは、コモノマーを含む。エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、化学特性または物理特性が異なる2つ以上の重合したモノマー単位の複数の(すなわち、2以上の)ブロックまたはセグメントを特徴とし(ブロックインターポリマー)、マルチ−ブロックコポリマーであることを特徴とする、重合した形態で、エチレンと共重合可能なα−オレフィンコモノマーとを含む。ある実施形態では、マルチ−ブロックコポリマーは、式 以下の式 (AB)n によってあらわされてもよく、式中、nは、少なくとも1、好ましくは、1より大きい整数、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれより大きくてもよく、「A」は、硬質ブロックまたはセグメントをあらわし、「B」は、軟質ブロックまたはセグメントをあらわす。AおよびBは、分枝鎖または星形の様式ではなく、直鎖の様式で接続している。「硬質」セグメントは、いくつかの実施形態では、エチレンが95重量%を超える、他の実施形態では、98重量%を超える量で存在する、重合した単位のブロックを指す。言い換えると、硬質セグメント中のコモノマー含有量は、いくつかの実施形態では、硬質セグメントの合計重量の5重量%未満、他の実施形態では、2重量%未満である。ある実施形態では、硬質セグメントは、すべて、または実質的にすべてのエチレンを含む。

一方、「軟質」セグメントは、いくつかの実施形態では、コモノマー含有量が、軟質セグメントの合計重量の5重量%を超え、他の実施形態では、8重量%を超え、10重量%を超え、または種々の他の実施形態では15重量%を超える、重合した単位のブロックを指す。ある実施形態では、軟質セグメント中のコモノマー含有量は、種々の実施形態では、20重量%より大きく、25重量%より大きく、30重量%より大きく、35重量%より大きく、40重量%より大きく、45重量%より大きく、50重量%より大きく、または60重量%より大きい。

2種類以上のモノマーから作られるそれぞれの区別可能なセグメントまたはブロックが結合して単一のポリマー鎖になるため、ポリマーは、標準的な選択的な抽出技術を用いて完全にフラクション化することはできない。例えば、比較的結晶性の領域(高密度セグメント)と、比較的アモルファス性の領域(低密度セグメント)とを含むポリマーは、異なる溶媒を用いて選択的に抽出またはフラクション化することができない。一実施形態では、ジアルキルエーテルまたはアルカン溶媒のいずれかを用いて抽出可能なポリマーの量は、ポリマー重量全体の10%未満、または7%未満、または5%未満、または2%未満である。

それに加え、本明細書に開示するOBCは、Poisson分布よりも、Schultz−Flory分布が適合するPDIを有する。本発明のOBCは、米国特許第7,858,706号および米国特許第7,608,668号に記載される重合プロセスによって製造され、多分散のブロック分布およびブロックの大きさの多分散分布の両方を有する生成物を生じる。これにより、区別可能な物理特性を有するOBC生成物が生成する。多分散のブロック分布の理論的な利点は、すでにモデリング化されており、Potemkin、Physical Review E(1998)57(6)、pp.6902−6912,およびDobrynin、J.Chem.Phvs.(1997)107(21)、pp 9234−9238に記載される。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、(A)Mw/Mnが1.7〜3.5、少なくとも1つの融点Tm(℃)および密度d(グラム/立方センチメートル)、Tmおよびdの数値は、以下の関係に対応する Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)2 と定義される。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、(B)Mw/Mnが1.7〜3.5であると定義され、融合熱ΔH(J/g)および最も高いDSCピークと最も高い結晶化分析フラクション化(「CRYSTAF」)ピークとの間の温度差によって定義されるΔ量ΔT(℃)を特徴とし、ΔTおよびΔHの数値は、以下の関係を有する ΔHがゼロより大きく、130J/gまでの場合、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81 ΔHが130J/gより大きい場合、ΔT≧48℃ ここで、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5%を用いて決定され、ポリマーの5%未満が、特定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、(C)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成型された膜を用いて測定したとき、300%の歪みおよび1サイクルでの弾性回復(Re、%)を有し、密度(d、グラム/立方センチメートル)を有すると定義され、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、架橋した相を実質的に含まないとき、Reおよびdの数値は、以下の関係を満足する。 Re>1481−1629(d)

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、(D)TREFを用いてフラクション化されたとき、40℃〜130℃で溶出する分子量フラクションを有すると定義され、このフラクションは、モルコモノマー含有量が、同じ温度で溶出する相溶性のランダムエチレンインターポリマーフラクションよりも少なくとも5%高いことを特徴とし、前記相溶性ランダムエチレンインターポリマーは、同じコモノマーを有し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの溶融指数、密度およびモルコモノマー含有量(全ポリマーを基準とする)が、エチレン/α−インターポリマーの10%以内である。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、(E)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)および100℃での貯蔵弾性率G’(100℃)を有するものと定義され、G’(25℃)とG’(100℃)の比率は、約1:1〜約9:1の範囲である。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、(F)TREFを用いてフラクション化したときに、40℃〜130℃で溶出する分子フラクションを有するものと定義され、このフラクションが、少なくとも0.5から約1までのブロック指数および約1.3より大きい分子量分布(Mw/Mn)を有することを特徴とする。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、(G)ゼロより大きく、約1.0までの平均ブロック指数および約1.3より大きな分子量分布(Mw/Mn)を有すると定義される。エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマーは、上に記載する任意の特性の組み合わせ(A)〜(G)を有していてもよい。

適切なコモノマーの非限定的な例としては、3〜30個の炭素原子を含む直鎖/分枝鎖a−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセン;3〜30個、または3〜20個の炭素原子を含むシクロ−オレフィン、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、および2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン;ジオレフィンおよびポリオレフィン、例えば、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、および5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン;および3−フェニルプロペン、4−フェニルプロペン、1,2−ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン,および3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンが挙げられる。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックコポリマー中のコモノマーは、プロピレン、ブテン、ヘキセンおよびオクテンから選択される。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックインターポリマーは、スチレンを除外する。

一実施形態では、エチレン/α−オレフィンマルチ−ブロックインターポリマーは、エチレン/オクテンマルチ−ブロックコポリマーである。

OBCは、無希釈である。「無希釈OBC」(または「無希釈オレフィンブロックコポリマー」)は、本明細書で使用する場合、OBCの合計重量を基準として、1重量%未満、または0重量%から、または0重量%より大きく、1.0重量%未満の油を含むOBCである。一実施形態では、無希釈OBCは、0重量%、または0重量%より大きく、0.5重量%未満、または0.3重量%未満、または0.2重量%未満の油を含む。

高い分解温度(>300℃)を有するポリマーサンプルの油含有量は、TA Instruments Q500 Thermogravimetric Analyzerを用いた熱重量分析(TGA)によって測定される。20mgサンプルは、280℃の温度で40分〜60分、窒素下で等温に保持される。これらの条件での重量損失%は、組成物に加えられる油の量またはパーセントに起因する。「油」は、ポリオレフィンを軟化させるためにポリオレフィンに塗布される材料である。油の非限定的な例としては、芳香族油、鉱物油、ナフタレン油、パラフィン油、トリグリセリド系植物油、例えば、ヒマシ油、合成炭化素油、例えば、ポリプロピレン油、シリコーン油、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。油は、従来、伸ばすか、または他の方法で柔軟性を高めるために、熱可塑性になるように塗布される。この実践は、本発明の無希釈OBCを用いると避けられる。一例として、「無希釈OBC」は、上述のいずれかの油を1重量%未満含む(か、まったく含まない)。

一実施形態では、エチレン/オクテンマルチ−ブロックコポリマーの軟質セグメントは、オクテンから誘導される単位を5mol%〜20mol%含む。さらなる実施形態では、エチレン/オクテンマルチ−ブロックコポリマーの軟質セグメントは、オクテンから誘導される単位を5mol%、または7mol%、または9mol%、または11mol%、または13mol%、または15mol%〜18mol%〜20mol%含む。エチレン/オクテンマルチ−ブロックコポリマーは、密度が0.866g/cc〜0.887g/ccである。エチレン/オクテンマルチ−ブロックコポリマーは、溶融指数(MI)が0.5g/10分、または5.0g/10分、または10.0g/10分、または15g/10分〜20g/10分、または25g/10分、または30g/10分である。

一実施形態では、無希釈OBCの軟質セグメントは、オクテンから誘導される単位を10mol%〜20mol%含む。

一実施形態では、無希釈OBCの軟質セグメントは、オクテンから誘導される単位を11mol%含む。

一実施形態では、無希釈OBCの軟質セグメントは、オクテンから誘導される単位を13mol%含む。

一実施形態では、無希釈OBCの軟質セグメントは、オクテンから誘導される単位を18mol%含む。

出願人は、無希釈OBCが、最終的な移動試験(EN 1186−2)を満たす場合、無希釈OBCが食品接触用途で有利であることを発見した。無希釈OBCは、さらに、37 CFR §177.1520に記載されるようなヘキサン抽出性試験が5.5以下であることも満たす。無希釈OBCは、驚くべきことに、柔らかさを維持しつつ、耐汚染性も高める。

一実施形態では、ポリマー組成物は、ショアA硬さが60、または65、または70、または75または80〜85または90、または95である。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、無希釈OBCであり、無希釈OBCは、上述の範囲のショアA硬さを有する。

(2.ブレンド成分) 食品接触物品のポリマー組成物は、場合により、ブレンド成分を含む。ブレンド成分を混ぜあわせ、混合し、またはその他の方法で無希釈OBCとブレンドし、ポリマー組成物を作製する。ブレンド成分は、ポリオレフィン、例えば、プロピレン系ポリマー、エチレン系ポリマー、プロピレンインパクトコポリマー,およびこれらの任意の組み合わせであってもよい。ブレンド成分は、OBC以外の材料であると理解される。

一実施形態では、ポリオレフィンは、ポリエチレンである。ポリエチレンは、OBCとは異なる。ポリエチレンは、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高溶融強度高密度ポリエチレン(HMS−HDPE)、超高密度ポリエチレン(UHDPE)、およびこれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態では、ポリエチレンは、密度が0.950g/ccより大きい(すなわち、HDPE)。

一実施形態では、ポリオレフィンは、ポリプロピレンである。ポリプロピレンは、ランダムコポリマーポリプロピレン(rcPP)、インパクトコポリマーポリプロピレン(ICPP)、高溶融強度ポリプロピレン(HMS−PP)、高インパクトポリプロピレン(HIPP)、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)、シンジオタクチックポリプロピレン(sPP)、およびこれらの組み合わせから選択される。

(3.添加剤) ポリマー組成物は、場合により、1種類以上の添加剤、例えば、フィラーを含んでいてもよい。適切なフィラーの非限定的な例としては、タルク、炭酸カルシウム、白亜、硫酸カルシウム、クレイ、カオリン、シリカ、ガラス、フュームドシリカ、マイカ、ウラストナイト、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ、例えば、アルミナ三水和物、ガラス微小球、セラミック微小球、熱可塑性微小球、重晶石、木粉、ガラス繊維、炭素繊維、大理石粉塵、セメント粉塵、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛,硫酸バリウム、二酸化チタンおよびチタネートが挙げられる。

ポリマー組成物は、場合により、1種類以上の以下の添加剤を含んでいてもよい。すべり剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、酸化防止剤、UV安定化剤、着色剤または顔料、フィラー、潤滑剤、防曇剤、流動助剤、カップリング剤、架橋剤、核形成剤、界面活性剤、溶媒、燃焼防止剤、帯電防止剤、およびこれらの組み合わせ。

一実施形態では、ポリマー組成物は、ハロゲンを含まない。

一実施形態では、ポリマー組成物は、フタレートを含まない。

(4.耐汚染性) 食品接触物品の耐汚染性を、総色変化、つまりΔEを測定することによって決定する。食品接触物品は、総色変化値ΔEが20未満である。総色変化値ΔEは、耐汚染性の指標である。

総色変化ΔEは、以下のように決定される。食品接触物品を食べ物と接触させる。「食べ物」は、本明細書で使用する場合、食品または飲料である。食べ物を4日間(または96時間)、食品接触物品と接触させる。次いで、食べ物を食品接触物品から除去する。食品接触物品を、食べ物と接触させた後、水ですすぎ、乾燥させる。

分光計を使用し、食品接触物品(i)食べ物と接触させる前、および(ii)食べ物と接触させた後の色測定を行う。次いで、染みが付いた食品接触物品の色測定を、コントロール食品接触物品(すなわち、食べ物と接触させる前の食品接触物品)と比較する。

3種類の色パラメータを測定する。 (i)L*は、色の明度の指標である(L*=0は黒色であり、L*=100は白色である); (ii)a*は、緑色から赤色への指標であり(a*の負の値は緑であり、a*の正の値は赤である); (iii)b*は、青色から黄色への指標であり(b*の負の値は青色であり、b*の正の値は黄色である)。

それぞれの色パラメータL*、a*,およびb*の変化を算出する。総色変化ΔEは、以下の式(I)によって決定される。

一実施形態では、食品接触物品の総色変化ΔEは、0から、または0より大きく、または0.1、または0.2、または0.5、または1.0、または3.0、または5.0、または10から15まで、または20未満である。

出願人は、(i)無希釈OBC、軟質セグメント中、(ii)エチレン/オクテンマルチ−ブロックコポリマーと、(iii)10mol%〜20mol%のオクテンとで構成される無希釈OBCは、驚くべきことに、食品接触に適し(最終的な移動が10mg/dm2未満)、柔らかい(ショアAが60〜95)耐汚染性(ΔEが20未満)の物品を与えることを発見した。

一実施形態では、食べ物は、食べられる染みである。「食べられる染み」は、本明細書で使用する場合、接触する材料を変色する能を有する濃い色の食べ物である。食べられる染みの非限定的な例としては、コーヒー;紅茶;赤ワイン;濃い色のソース、例えば、醤油、トマト系のソース、バーベキューソースおよびカレーソース;ベリー、例えば、ブルーベリー、ブラックベリー、チェリー、ザクロおよび他の鮮やかな色の果実;および調味料、例えば、ケチャップおよびマスタードが挙げられる。

一実施形態では、食べられる染みを食品接触物品と接触させ、総色変化ΔEは、20未満である。

一実施形態では、食べられる染みはケチャップであり、食品接触物品は、総色変化値ΔEが0から、または0より大きく、または1、または3、または5、または7から10未満である。

一実施形態では、食べられる染みは、マスタードであり、食品接触物品は、総色変化値ΔEが、0から、または0より大きく、または1、または3、または5、または7、または10、または13から15または17または20未満である。

一実施形態では、食べられる染みは、ブルーベリーであり、食品接触物品は、総色変化値ΔEは、0から、または0より大きく、または0.1、または0.2、または0.3から、0.5、または0.7または1.0までである。

一実施形態では、食品接触物品は、最終的な移動が、10mg/dm2未満、または0mg/dm2から、または0mg/dm2より大きく、9mg/dm2まで、または10mg/dm2未満である。最終的な移動(OM)は、EN 1186−2にしたがって測定される。

一実施形態では、食品接触物品は、オーバーモールドされた物品である。「オーバーモールドされた物品」は、本明細書で使用する場合、熱可塑性エラストマー(例えば、本発明の未希釈OBC)が、材料、典型的には、硬い材料(例えば、ポリプロピレンまたは他のポリオレフィン)に射出成型される射出成型プロセスによって製造される物品である。オーバーモールドされた熱可塑性エラストマーは、硬い材料と強い結合を形成する。オーバーモールドされた物品の利点は、硬い材料に熱可塑性エラストマーを結合するのに接着剤を必要としないことである。

一実施形態では、食品接触物品は、スパチュラである。スパチュラブレードは、未希釈OBCを含有する本発明のポリマー組成物で構成される。ハンドルは、硬い材料、例えば、木材、金属、または硬いポリマー、例えば、ポリプロピレンで構成される。さらなる実施形態では、スパチュラのブレードを、食品の食べられる染みと接触させる。

一実施形態では、食品接触物品は、容器である。容器を、その中に食べられる染みを保持し、または他の方法で容器の中に食べられる染みを入れることによって、食べられる染みと接触させる。容器は、総色変化値ΔEが、0から、または0より大きく、または1、または3、または5、または7、または10、または13から15、または17、または20未満である。

一実施形態では、食品接触物品は、カップである。その中に食べられる染みを保持し、または他の方法でカップ中に食べられる染みを入れることによって、カップを食べられる染みと接触させる。カップは、総色変化値ΔEが、0から、または0より大きく、または1、または3、または5、または7、または10、または13から15、または17、または20未満である。

一実施形態では、食品接触物品は、道具、例えば、フォーク、スプーン、ナイフ、およびこれらの任意の組み合わせである。道具を、食べられる染みと接触させる。道具は、総色変化値ΔEが、0から、または0より大きく、または1、または3、または5、または7、または10、または13から15、または17、または20未満である。

本発明の食品接触物品は、本明細書に開示する2つ以上の実施形態を含んでいてもよい。

(5.プロセス) 本開示は、あるプロセスを提供する。一実施形態では、このプロセスは、無希釈オレフィンブロックコポリマーを含むポリマー組成物で構成される食品接触物品を提供することを含む。このプロセスは、食品接触物品を、食べられる染みと接触させることを含む。このプロセスは、食品接触物品から、食べられる染みを除去することと、食品接触物品について、総色変化ΔEが20未満、または0から、または0より大きく、20未満を示すこととを含む。

一実施形態では、このプロセスは、食品接触物品とケチャップとを接触させることと、食品接触物品について、総色変化値ΔEが10未満、または0から、または0より大きく、または1、または3、または5、または7から10未満を示すこととを含む。

一実施形態では、このプロセスは、食品接触物品とマスタードとを接触させることと、食品接触物品について、総色変化ΔEが20未満、または0から、または0より大きく、または1、または3、または5、または7、または10、または13から15、または17、または20未満を示すこととを含む。

一実施形態では、このプロセスの接触させる工程は、容器である食品接触物品に、食べられる染みを置くことを含む。さらなる実施形態では、このプロセスは、容器内に食べられる染みを保存することを含む。

本発明の組成物は、本明細書に開示する2つ以上の実施形態を含んでいてもよい。

(定義) 「〜を含む(comprising)」、「〜を含む(including)」、「〜を有する(having)」およびこれらの誘導体は、任意のさらなる要素または手順の存在を除外しない。「〜本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、操作に本質的なものを除き、任意の他の要素または手順を除外する。「〜からなる(consisting of)」という用語は、特定的に述べられていない任意の要素または手順を除外する。

(試験手順) (ATREF) 分析温度を上げつつ溶出するフラクション化(ATREF)分析は、米国特許第4,798,081号およびWilde、L.;Ryle、T.R.;Knobeloch、D.C.;Peat、I.R.;Determination of Branching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymers、J.Polym.Sci.、20、441−455(1982)に記載される方法にしたがって行われ、これらは、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。分析される組成物をトリクロロベンゼンに溶解し、冷却速度0.1℃/分で20℃まで温度をゆっくりと下げることによって、不活性支持材(ステンレスショット)を含むカラム内で結晶化させる。このカラムに赤外線検出器を取り付ける。次いで、1.5℃/分の速度で20から120℃まで溶出溶媒(トリクロロベンゼン)の温度をゆっくりと上げることによって、カラムから結晶化したポリマーサンプルを溶出させることにより、ATREFクロマトグラム曲線を作成する。

(13C NMR分析) 10mmのNMR管中で、3gのテトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物を、0.4gのサンプルに加えることによって、サンプルを調製する。管および内容物を150℃に加熱することによって、このサンプルを溶解し、均質化する。JEOL EclipseTMを用い、データを集める。100.5MHzの13C共鳴周波数に対応する400MHz分光計またはVarian Unity PlusTM 400MHz分光計。このデータを、6秒のパルス遅延を有し、データファイルあたり4000回の減衰振動を用いて獲得した。定量分析のために最小限のシグナルノイズ比を達成するために、複数のデータファイルを一緒に加える。スペクトルの幅は、最小のファイルサイズである32Kデータ点で、25,000Hzである。10mmの広帯域プローブ中、130℃でサンプルを分析する。コモノマーの組み込みを、Randallのトライアド法(Randall、J.C.;JMS−Rev.Macromol.Chem.Phys.、C29、201−317(1989)を用いて決定する。

(CRYSTAF標準法) 分岐分布は、PolymerChar、バレンシア、スペインから市販されるCRYSTAF 200ユニットを用い、結晶化分析のフラクション化(CRYSTAF)によって決定される。1時間かけ、サンプルを160℃で1,2,4 トリクロロベンゼンに溶解し(0.66mg/mL)、95℃で45分間安定化させる。サンプリング温度は、冷却速度0.2℃/分で95〜30℃の範囲である。赤外線検出器を使用し、ポリマー溶液の濃縮を測定する。温度を下げつつ、ポリマーが結晶化するにつれて、累積的な可溶性濃度を測定する。累積的なプロフィールの分析誘導体は、ポリマーの短鎖の分岐分布を反映している。

CRYSTAFピーク温度および面積を、CRYSTAF Software(Version 2001.b,PolymerChar、バレンシア、スペイン)に含まれるピーク分析モジュールによって特定する。CRYSTAFピークを発見する通常作業により、dW/dT曲線中の最大としてピーク温度を特定し、誘導体曲線中の特定したピークの片側にある最も大きな正の屈曲部との間の面積を特定する。CRYSTAF曲線を計算するために、好ましい処理パラメータは、温度の境界が70℃であり、この温度境界を越える平滑化パラメータが0.1、この温度境界より下の平滑化パラメータが0.3である。

ASTM D 792にしたがって密度を測定する。

(DSC標準法) 示差走査熱量測定(DSC)の結果を、RCS冷却アクセサリおよびオートサンプラーを取り付けたTAIモデルQ1000 DSCを用いて決定した。50ml/分の窒素パージの気体流を使用する。このサンプルを加圧して薄膜にし、約175℃で加圧状態で溶融し、次いで、室温(25℃)まで風乾する。次いで、3〜10mgの材料を直径6mmの円板に切断し、正確に秤量し、軽いアルミニウム皿に入れ(約50mg)、次いで、圧着して閉じる。サンプルの熱挙動を以下の温度プロフィールを用いて観察する。サンプルを180℃まですばやく加熱し、以前の熱履歴を除去するために、等温で3分間保持する。次いで、このサンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、−40℃で3分保持する。次いで、サンプルを10℃/分で150℃まで加熱する。冷却および第2の加熱曲線を記録する。

−30℃から溶融終了まで描いた直線的なベースラインについて、熱流速(W/g)の最大としてDSC溶融ピークを測定する。直線ベースラインを用い、−30℃と溶融終点との間の溶融曲線の下の面積として、融合熱を測定する。

(DMA) 180℃、圧力10MPaで5分間加熱プレスし、次いで、90℃/分で加圧しつつ水冷することによって作製した、圧縮成型した円板について、動的機械分析(DMA)を測定する。ねじり試験のために2つのカンチレバー固定具を取り付けたARES制御された歪みレオメーター(TA instruments)を用い、試験を行う。

1.5mmの円板をプレスし、32×12mmの寸法の棒に切断する。このサンプルを、10mm分離した(グリップの分離ΔL)固定具の両末端にクランプ止めし、−100℃〜200℃(工程あたり5℃)でそれぞれの温度工程を行う。それぞれの温度で、振動数10rad/sでねじり弾性率G’を測定し、0.1%〜4%の間に歪み振幅を維持し、トルクを十分にし、測定を直線状の計画に維持する。

10gの初期の静的な力を維持し(自動引っ張りモード)、熱膨張を行うとき、サンプルのたるみを防ぐ。結果として、グリップの分離ΔLを、特にポリマーサンプルの溶融点または軟化点より高い温度で、温度とともに大きくしていく。試験を最大温度で止めるか、または固定具間のギャップが65mmに達したら止める。

(GPC方法) ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)系は、Polymer Laboratories Model PL−210装置またはPolymer Laboratories Model PL−220装置のいずれかからなる。カラムと回転コンベアを140℃で操作する。これらのPolymer Laboratoriesの10ミクロンの混合Bカラムを使用する。溶媒は、1,2,4 トリクロロベンゼンである。200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む溶媒50ミリリットル中、ポリマー濃度0.1グラムでサンプルを調製する。160℃で2時間、軽く攪拌することによってサンプルを調製する。使用する注入体積は、100マイクロリットルであり、流速は、1.0ml/分である。

21の狭い分子量分布を有し、分子量が580〜8,400,000のポリスチレン標準を用い、個々の分子量の少なくとも10の分離で、6種類の「カクテル」混合物を用いてGPCカラムセットのキャリブレーションを行う。標準を、Polymer Laboratories(シュロップシャー、UK)で購入する。分子量が1,000,000以下の場合、50ミリリットルの溶媒中、0.025グラムで、分子量が1,000,000未満について、溶媒50ミリリットル中、0.05グラムで、ポリスチレン標準を調製する。ポリスチレン標準を80℃で穏やかに攪拌しつつ、30分かけて溶解する。分解を最小限にするために、最も高い分子量の成分を減らすために、狭い標準混合物をまず測定する。ポリスチレン標準のピーク分子量を、以下の式を用い、ポリスチレン分子量に変換する(WilliamsおよびWard、J.Polym.Sci.,Polym.Let.、6、621(1968)):Mpolyethylene=0.431(Mpolystyreneに記載されるように)。

Viscotek TriSECソフトウェアVersion 3.0を用い、ポリエチレン当量分子量計算を行う。

硬質セグメントおよび軟質セグメントの重量%−軟質セグメントの重量%の測定(したがって、硬質セグメントの重量%)を、米国特許第7,608,668号の第57欄第30列から第63欄第12列に記載されるように、DSCまたはNMRによって測定することができる。

溶融流速、つまりMFRを、ASTM D 1238、Condition 230℃/2.16kgにしたがって測定する。

溶融インデックス、つまりMIを、ASTM D 1238、Condition 190℃/2.16kgにしたがって測定する。

TREFによるポリマーのフラクション化 160℃で4時間攪拌することによって15〜20gのポリマーを2リットルの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)に溶解することによって、大スケールのTREFフラクション化を行う。ポリマー溶液を、30−40メッシュ(600−425μm)の球状の工業品質のガラスビーズ(Potters Industries、HC 30 Box 20、Brownwood、Tex.、76801)およびステンレス鋼、0.028インチ(0.7mm)直径に切断したワイヤショット(Pellets,Inc.63 Industrial Drive、North Tonawanda、N.Y.、14120から入手可能)の60:40(v:v)混合物を充填した3インチ×4フィート(7.6cm×12cm)の鋼鉄製カラムに15psig(100kPa)の窒素によって入れる。熱によって制御した油ジャケットにカラムを浸し、最初に160℃に設定する。まず、カラムを弾道形状で125℃まで冷却し、次いで、0.04℃/分で20℃までゆっくりと冷却し、1時間保持する。温度を0.167℃/分で上げつつ、新しいTCBを65ml/分で導入する。

分取TREFカラムからの約2000mlの溶出部分を、加熱したフラクション収集器の16個のステーションに集めた。ロータリーエバポレーターを用い、ポリマー溶液が約50〜100ml残るまで、それぞれのフラクションのポリマーを濃縮する。過剰のメタノールを加える前に濃縮した溶液を一晩放置し、濾過し、すすぐ(最終的なすすぎ液を含むメタノール約300〜500ml)。5.0μmポリテトラフルオロエチレンコーティングされた濾紙(Osmonics Inc.、カタログ番号Z50WP04750から入手可能)を用い、3箇所の減圧により補助される濾過ステーションで濾過工程を行う。濾過したフラクションを、減圧乾燥機中、60℃で一晩乾燥させ、さらなる試験の前に、分析秤で秤量した。

高度値を記録する前に、錘を10秒加え、ASTM D2240にしたがってショアA硬さを測定する。ASTM D 2240にしたがって、成型した円板でショアA硬さを測定する。この試験方法によって、初期の圧痕または特定の時間経過後の圧痕、またはその両方に基づいて硬度を測定することができる。この場合に、特定の時間として10秒を使用する。

本開示のいくつかの実施形態を以下の実施例に詳細に記載する。

(1.材料) 実施例および比較例のサンプルの材料を以下の表1に与える。

(2.サンプルの調製) 耐汚染性試験、硬度およびヘキサン抽出性の試験のために、サンプルを圧縮または射出成型し、厚みが約3mmの円板にする。

最終的な移動試験のために、サンプルを圧縮成型し、厚みが25ミクロンの薄膜にする。

(3.試験方法) A.ヘキサン抽出性 厚みが約3mmの射出成型または圧縮成型した円板を、約10×18mmの大きさの試験片に切断する。それぞれの試験サンプルは、質量が約2.4〜2.6gの5個の長方形の試験片(3×10×18mm)からなる。それぞれの試験サンプルについて、初期の質量を記録する。次いで、それぞれのサンプルをヘキサン中、50℃で2時間入れる。次いで、サンプルを除去し、N2流下で乾燥させる。サンプルの最終的な質量を記録し、最終的な質量と初期の質量の差を計算する。抽出された重量%を式(II)として計算する。

以下の表で、抽出された重量%のデータを、SEBS化合物(比較例サンプル1)について正規化する。

(B.最終的な移動油のオリーブ油への移動(EN 1186−2)) 以下の表のデータは、厚みが25ミクロンの膜についてのデータである。データを、油を含むOBC化合物(比較例サンプル2)について正規化する。

(i.最終的な移動) 最終的な移動(OM)試験(全体的な移動としても知られる)は、食品と接触することを意図しているプラスチック材料および物品が、意図した用途に確実に適しているようにするために、欧州の規制の根拠の1つである。試験の目的は、プラスチックが不活性であり、食品を無駄にしないことである。OMは、物質の移動を特定するための要求事項を必要としない、重量測定の測定量である。理論的な根拠は、特定のレベルより上で、危険性のない物質の移動でさえ、食品の品質に影響を与えるため、許容されるべきではないということである。OMの境界値は、全体的な量のすべての物質が、移動することができる上限値である。食品/模擬剤と接触して置かれるプラスチックの表面積を基準としてあらわし、最終的な移動境界値を10mg/dm2に設定する。

(ii.露出) 表面積に対する体積が100ml/dm2のビーカー内で、全体的に浸す(二重の表面試験)ことによって、すべての移動を行う。水性の模擬物質(3%酢酸、10%エタノールおよび50%エタノール)を用い、移動試験を3回行い、模擬物質D(オリーブ油)を用い、移動試験を4回行った。

(iii.分析手順) 最終的な水への移動(模擬物質A) 40℃で10日間、サンプルを水にさらした後、模擬物質を乾燥するまで蒸発させ、残渣の重量から移動量を計算する。この試験を3回行う。

(C.オリーブ油への最終的な移動(EN 1186−2)) 一定重量が得られるまで、周囲温度でCaCl2の上でサンプルを平衡状態にし、次いで、40℃で10日間、模擬物質にさらす。さらした後、過剰量の油を除去し、次いで、一定重量が得られるまでサンプルを平衡状態にし、再び秤量する。サンプルに吸収された模擬物質を、ペンタンを溶媒として用いて抽出する。抽出工程の後、ペンタンを蒸発させ、残渣(抽出された油を含む)を鹸化し、メチル化し、次いで、ガスクロマトグラフに注入し、表2に示す以下の条件で、分離および検出を行う。

エレンマイヤーフラスコに油の量を計量することによって調製した較正標準(1Lシクロヘキサン中、トリヘプタデカノイン2グラム)のメチルエステル/内部標準を合わせたピーク比に基づき、外部標準技術を用い、定量化を達成する。標準について計算したピーク比について、線形回帰分析を行い、抽出物中の油濃度を得られた式から計算する。

オリーブ油から除去した後の試験標本によって保持される油の質量を引き算し、次いで、この質量を、サンプルの初期質量から引き算することによって、オリーブ油への移動を計算する。

以下の表3は、本発明の未希釈OBC(実施例3、4,および5)について、最終的な移動値を示す。表3(最も右側の列)に示すように、未希釈OBC、実施例3、4および5はそれぞれ、10mg/dm2未満のOMを必要とするEN 1186−2に匹敵する。

表4において、比較例サンプル1(CS1)および比較例サンプル2(CS2)をそれぞれベンチマークとして使用する。CS1を、ヘキサン抽出性のベンチマークとして使用し、正規化されたヘキサン抽出性の値を1.0として示す。実施例3、4、および5は、それぞれ、正規化されたヘキサン抽出性の値が1.0未満であることを示す。表4は、実施例3、4、5が、それぞれ、CS1より小さなヘキサン抽出性を示し、したがって、食品接触用途について、CS1より優れていることを示す。

表4において、CS2を、オリーブ油の抽出性のベンチマークとして使用し、正規化されたオリーブ油の抽出性の値1.0を与える。実施例3、4、および5は、それぞれ、正規化されたオリーブ油抽出性の値が1.0未満であることを示し、このことは、実施例3、4、5が、それぞれ、CS2より小さなオリーブ抽出性を示し、したがって、食品接触用途について、CS2より優れていることを示す。

(D.耐汚染性) 射出成型または圧縮成型した円板を、3種類の異なる食べられる染み(ケチャップ、マスターとおよび純粋なブルーベリー)で覆い、室温で約4日間置く。次いで、食べられる染みを水ですすぎ、円板を紙タオルで穏やかにたたくことによって乾燥させる。染まったサンプルと、食べられる染みを塗布しなかったコントロールサンプルの色の測定を行う。色の測定は、観察角度2°および一次発光体Cを用い、BYK−Gardner Color−view分光計を用いて得られる。CIE L*,a*、b*色空間を用い、色を記録し、ここで、L*は、色の明度の指標であり(L*=0は黒色であり、L*=100は白色である)、a*は、緑色から赤色への指標であり(a*の負の値は緑であり、a*の正の値は赤である)、b*は、青色から黄色への指標である(b*の負の値は青色であり、b*の正の値は黄色である)。

以下に記載するように、染まった標本と染まっていない標本との差を、すべての3種類の色パラメータ(L*、a*,およびb*)について報告する。それに加え、以下の式(I)によって与えられるような総色変化ΔEも記録する。

表4は、CS1およびCS2および本開示の実施例3〜5のΔE値を示す。実施例3、4、および5は、それぞれ、CS1およびCS2と比較したとき、優れた耐汚染性を示す。

CS1およびCS2と比較すると、実施例3、4、および5は、広範囲の汚染の種類および汚染の色(濃い色のソース(ケチャップ)、鮮やかな色に染める果実(ブルーベリー)および黄色の調味料(マスタード))に対し、優れた耐汚染性を示す。改良された耐汚染性に加え、実施例3、4、および5は、それぞれ、上に記載したCS1およびCS2と比較して、柔らかさ(ショアA)を維持しつつ、優れた食品接触特性を示す(低いヘキサン抽出性および低いオリーブ油抽出性)。

本開示は、本明細書に含まれる実施形態および説明に限定されないが、以下の特許請求の範囲に入るような実施形態の一部、および異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の改変された形態を含むことを特定的に意図している。

QQ群二维码
意见反馈