R−&thetas;テーブル装置及びメネジの加工装置

申请号 JP2014085580 申请日 2014-04-17 公开(公告)号 JP5666041B1 公开(公告)日 2015-02-04
申请人 株式会社エムエイチセンター; 发明人 青山 進; 進 青山; 剛 青山; 剛 青山;
摘要 【課題】一つのテーブルを一平面上を前後左右方向及び回転方向に自在に移動させるR−&thetas;テーブル装置を提供する。【解決手段】軸受を備える貫通孔を設けたテーブルと、テーブルを 水 平に移動自在に保持するガイド部材と、軸受に傾斜して挿通される作用軸を備え、作用軸を回転、停止自在に駆動する駆動装置と、駆動装置を昇降させる昇降台と、昇降台を昇降させ、作用軸と軸受とが係合する作用点の 位置 を変える昇降装置と、昇降台を案内するポスト及びガイド部材を設け、昇降装置を装着するベースとを備え、昇降台を昇降して駆動装置の主軸の中心線と作用点との水平距離を変化させ、テーブルをガイド部材に沿って自転することなく任意の位置に移動させる。【選択図】図1
权利要求
  • 軸受を備える貫通孔を設けたテーブルと、
    前記テーブルを水平に移動自在に保持するガイド部材と、
    前記軸受に傾斜して挿通される作用軸を備え、前記作用軸を回転、停止自在に駆動する駆動装置と、
    前記駆動装置を昇降させる昇降台と、
    前記昇降台を昇降させ、前記作用軸と前記軸受とが係合する作用点の位置を変える昇降装置と、
    前記昇降台を案内するポスト及び前記ガイド部材を設け、前記昇降装置を装着するベースと を備え、
    前記昇降台を昇降して前記駆動装置の主軸の中心線と前記作用点との水平距離を変化させ、前記テーブルを前記ガイド部材に沿って自転することなく任意の位置に移動させる ことを特徴とするR−θテーブル装置。
  • 請求項1記載のR−θテーブル装置において、
    前記テーブルは、前記軸受を備える貫通孔を複数設け、
    各前記貫通孔には前記作用軸がそれぞれ挿通され、
    各前記作用軸は、同期運転される ことを特徴とするR−θテーブル装置。
  • 請求項1又は請求項2記載のR−θテーブル装置において、
    前記軸受は、球面軸受である ことを特徴とするR−θテーブル装置。
  • 請求項1乃至請求項3の何れか記載のR−θテーブル装置において、
    前記駆動装置及び前記昇降装置は、サーボモータ又はステッピングモータである ことを特徴とするR−θテーブル装置。
  • 請求項1乃至請求項4の何れか記載のR−θテーブル装置と、
    前記テーブル上に固着されて搭載されるオネジ状工具と、
    前記ベース上に固定され、メネジ加工用の穴を有する金属製の素材を把持又は固定する支持部材と を有し、
    前記テーブル上に固定された前記オネジ状工具が自転はせず一定水平面上の公転のみの運動をもって前記穴の内周に前記オネジ状工具の加工部を逐次押圧しながら前記加工部の形状を転写してネジ溝を成形する ことを特徴とするメネジの加工装置。
  • 说明书全文

    本発明は、一つのテーブルを一平面上を前後左右方向及び回転方向に自転することなく自在に移動させるR−θテーブル装置に関する。
    本発明は、このR−θテーブル装置を使用してメネジ加工用の穴を有する金属製の素材の穴にメネジを加工する装置に関する

    従来、工作機械、プレス成形機、トランスファマシン、産業用ロボットなどにおいて、X軸、Y軸方向にワークを位置決めするため、一平面上を移動する電動式又は油圧式X−Yテーブルが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
    この種のX−Yテーブルは、例えば、X軸方向にガイド溝を有し、X−YテーブルのベースとなるX軸テーブルと、X軸テーブル上に可動に設けられ、Y軸方向にガイド溝を有するY軸テーブル(即ち、移動テーブル)と、X軸テーブルに設けられ、Y軸テーブルをX軸方向に摺動変位させるX軸アクチュエータと、Y軸テーブルをY軸方向に摺動変位させるY軸アクチュエータとで構成されている。

    そして、X軸、Y軸アクチュエータには、電動サーボモータ又は油圧モータとボールネジとを組合せたロータリ式アクチュエータ、又は復動式油圧シリンダを用いたアクチュエータが用いられる。
    このように構成されるX−Yテーブルでは、X軸方向の移動は、X軸アクチュエータを作動してY軸テーブル及びY軸可動機構を一体に動かし、Y軸方向の移動は、Y軸アクチュエータを作動してY軸テーブル(即ち、移動テーブル)を動かし、所望の位置に位置決めすることができる。

    一方、メネジは、周知のように、最も普遍的な締結要素であるネジの一方側を構成する。
    従来、メネジはタッビング加工によって加工されることが知られている。
    しかし、比較的大径のメネジの加工は、タッピング加工では、一般的に行われていなかった。
    比較的大径のメネジの加工法は、シングルポイント工具(ねじ切りバイト)による切削加工が主流(例えば、特許文献2参照)である。

    しかし、シングルポイント工具(ねじ切りバイト)による切削加工は、発生する切り屑の処理と切り屑発生に起因する工具刃先の損傷などの問題があるにも拘わらず、代替工法が存在しなかった。
    なお、このメネジ切削法として、例えば、通常、チェザーと呼ばれるねじ切削用刃物を管体の被切削面に押し当て、管体を回転させつつ管軸方向に前後進させる方法が採用されている。

    また、シングルポイント工具(ねじ切りバイト)にしろタッピングにしろ所望するメネジに対し、メネジの軸方向にその相対的一回転につきそのネジのピッチ分だけ相対移動することが余儀なくされている。 従って、制御可動部分が増加し、結果として強度、剛性ともに高い加工機の設計ができなかった。
    また、ネジ山の数に対応した工具の回転を必要とする(例えば、特許文献2参照)ため、その加工時間は自ずから限界があった。

    特開2005−302838号公報

    特開2012−30349号公報

    先ず、従来のX−Yテーブルでは、X軸上を移動する台の上にY軸可動機構の全てを搭載する必要があるため、二重階層となり構成部品も多くなると共に剛性が低いという問題がある。
    しかも、従来のX−Yテーブルでは、Y軸テーブルをX軸方向に移動する場合、Y軸テーブル全体を目的位置に移動させるため、常にX軸アクチュエータはY軸テーブル及びY軸テーブル上に設けられたY軸アクチュエータの全体を移動しなければならず、大きなが必要であった。

    また、X軸方向に移動する際の慣性重量が大きいため、高速で高精度で制御を行なうことが不可能であった。
    さらに、ベース(X軸テーブル)に対してY軸アクチュエータを相対移動するため、Y軸アクチュエータにつながる配線や配管などがY軸アクチュエータと共にベース(X軸テーブル)上を動き、配線や配管などが疲労により損傷することがあり、耐久性に問題があった。
    また、渦巻き状であれ円運動であれ半径方向の外圧に対抗して運転する場合には、X軸、Y軸の何れかが円弧揺動運動中に外力のベクトルが逆転し、その瞬間バックラツシによる振動と異常軌跡とが発生するという問題があった。

    次に、メネジ加工においては、比較的小径ネジにおいては効力を発揮している溝なしタップと同様切り屑を発生しないネジ加工法を、溝なしタップの適用が一般的でない比較的大径品に適応しようとすることが考えられる。
    しかし、オネジ状工具に必要なラジアル荷重は、所望するメネジの有効長さをはじめ、素材の硬さ、オネジ状工具の径など都度起因する条件により変化する。 そのため、オネジ状工具に必要なラジアル荷重は、シングルポイント工具(ねじ切りバイト)による切削加工を目的とした加工と比較すると、少なくとも10倍以上は必要となる。

    しかも、オネジ状工具は、運動機能上は主軸の回転を止めたNCフライス盤と酷似しているが、通常のフライス盤に許容される主軸のラジアル荷重より遙かに大きな主軸のラジアル荷重(例えば、50kNf以上)が必要となる。
    このように、主軸のラジアル荷重が50kNf以上となる機械は、存在しなかった。
    従って、従来工法及び装置を用いて、切り屑を発生しないネジ加工法を溝なしタップの適用が一般的でない比較的大径品に適応することはできなかった。

    一方、回転運動と往復運動とを係合するクランク機構は、ロコモーションともいわれ、蒸気機関をはじめいわば古典的な機構であり、現在も自動車のレシプロエンジンやクランクプレスなどの根幹をなすものである。
    しかるに、クランク機構の欠点は、クランク軸と平行して配置されるクランクピンとの互いになす距離によりクランク軸の回転に対するクランクピン及びそれに係合するコネクションロッドの移動振幅が決定され、その機構自体では移動振幅を変更することができないことである。 例えば、クランクプレスは、負荷にかかわらず剛性高く一定のストロークを維持する代表例であり、このストロークを可変にするにはJISB0111−4037などに定義されている如く、メインのクランクの偏芯量は固定されたものでありながらクランクピンとコネクションロッドの間に調整用の第二のエキセン部品を介在させ、その活用で見掛けストロークを変化させている。
    この場合、クランク軸の回転位相に対して第二のエキセン部品が回転する分ピストンのピーク、ボトムの位相は変化を免れない。 そのため、調整用の第二のエキセン部品を介在させるだけでは、その用途は限定的であり、広く普及していない。

    本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、一つのテーブルを一平面上を前後左右方向及び回転方向に自転することなく自在に移動させるR−θテーブル装置を提供することにある。
    また、本発明の別の目的は、このR−θテーブル装置を使用してメネジ加工用の穴を有する金属製の素材の穴にメネジを加工する装置を提供することにある

    本発明に係るR−θテーブル装置は、軸受を備える貫通孔を設けたテーブルと、テーブルを平に移動自在に保持するガイド部材と、軸受に傾斜して挿通される作用軸を備え、作用軸を回転、停止自在に駆動する駆動装置と、駆動装置を昇降させる昇降台と、昇降台を昇降させ、作用軸と軸受とが係合する作用点の位置を変える昇降装置と、昇降台を案内するポスト及びガイド部材を設け、昇降装置を装着するベースとを備え、昇降台を昇降して駆動装置の主軸の中心線と作用点との水平距離を変化させ、テーブルをガイド部材に沿って自転することなく任意の位置に移動させることを特徴とする。

    本発明において、テーブルは、軸受を備える貫通孔を複数設け、各貫通孔には作用軸がそれぞれ挿通され、各作用軸は、同期運転される。
    本発明において、軸受は、球面軸受である。
    本発明において、駆動装置及び昇降装置は、サーボモータ又はステッピングモータである。

    本発明に係るメネジの加工装置は、本発明に係るR−θテーブル装置と、このR−θテーブル装置のテーブル上に固着されて搭載されるオネジ状工具と、R−θテーブル装置のベース上に固定され、メネジ加工用の穴を有する金属製の素材を把持又は固定する支持部材とを有し、テーブル上に固定されたオネジ状工具が自転はせず一定水平面上の公転のみの運動をもって穴の内周にオネジ状工具の加工部を逐次押圧しながら加工部の形状を転写してネジ溝を成形することを特徴とする。

    本発明において、所望するメネジをその転写で成形するためのオネジ状工具は、当然所望するメネジと同一のピッチ長さを有していなければならない。 然るに、オネジ状工具のネジ径は、所望するメネジのネジ径より小さいため、そのネジ山の為すネジレはメネジのそれと比較して大きくなる。 例えば、メネジ径に対するオネジ状工具の径が半分であれば、そのネジレ角はほぼ倍になる。 このギャップを乗り越え、メネジにオネジ状工具と同一のピッチを成形するには、接触部では常々一定のスベリを確保すること、即ち共に自転しないという強固な同期が必要になる。

    前述のネジレ角ギャップを解消するために、本発明が取った手段は、結果的には強固に前述の同期を維持することであった。 メネジとオネジ状工具との径差が大きい場合、オネジ状工具は早々に加工されたメネジから離脱し成形されたメネジとの干渉は少ない。 理論上は問題発生が顕わにはならないが、現実にはオネジ状工具の撓みによる傾斜の発生が顕著になり、精度の良好なメネジの転写成形には弱点となる。
    メネジとオネジ状工具との径差が少なくなれば、オネジ状工具の傾斜発生は少なくなる。 しかし、メネジとオネジ状工具との係合を解くまでの公転角度は大きくなり、メネジとオネジ状工具との干渉、係合の距離が長くなる。 従って、オネジ状工具公転の抵抗が増す。 この抵抗にも拘わらず、スリップ−スティック現象を伴わない滑らかな公転を保障するのには、加工機の剛性を高める以外にない。

    斯かる状況を踏まえて本発明に係るR−θテーブル装置は、外力に対し高剛性でのプログラム運転ができるように、そのストロークをリニアーに変化させうる機構として主軸に対して傾斜する作用軸を包含する軸受の軸方向の位置を変えることで主軸と作用点の距離を変化させる構成とした。
    そして、傾斜する作用軸とテーブルの間にはその傾斜をキャンセルするために角度変化に追従する球面軸受を設け、テーブルを常々水平を保持するようにしてある。

    本発明によれば、昇降台を昇降して駆動装置の主軸の中心線と作用点との水平距離を変化させ、一つのテーブルをガイド部材に沿って自転することなく任意の位置に移動させることができる構成としたので、従来のX−Yテーブルのように、X軸上を移動する台の上にY軸可動機構の全てを搭載する構成を必要としない。
    そのため、二重階層となり構成部品も多くなると共に剛性が低いという従来のX−Yテーブルの問題が解消できる。

    また、本発明によれば、昇降台を昇降して駆動装置の主軸の中心線と作用軸と軸受とが係合する作用点との水平距離を変化させ、一つのテーブルをガイド部材に沿って自転することなく任意の位置に移動させることができる構成としたので、渦巻き状であれ円運動であれ半径方向の外圧に対抗して運転する場合には、X軸、Y軸の何れかが円弧揺動運動中に外力のベクトルが逆転し、その瞬間バックラツシによる振動と異常軌跡とが発生するという従来のX−Yテーブルの問題が解消できる。

    本発明は、タッピング加工が一般的でない、比較的大径のメネジに対しても、シングルポイント工具(ねじ切りバイト)による切削加工で発生する切り屑の処理に悩まされることがない。 また、加工原理から見ても、オネジ状工具が単一水平面上で公転するのみというシンプルな動きに象徴されるように、短時間で、加工が完了するというメリットを得ることができる。

    本発明は、比較的小径ネジにおいては効力を発揮している溝なしタップと同様切り屑を発生しないメネジ加工法を、溝なしタップの適用が一般的でない比較的大径品に適応することができる。
    また、本発明は、切削切り屑を発生させず、素材穴内径部に設けられた例えばキー溝のごとき障害物があってもこれを無視してメネジを加工することが可能となる。

    本発明の第一実施形態に係るR−θテーブル装置の昇降台を下降させた状態を側面から示す断面図である。

    本発明の第一実施形態に係るR−θテーブル装置の昇降台を上昇させた状態を側面から示す断面図である。

    本発明の第一実施形態に係るR−θテーブル装置の一部を切り欠いて示す概略平面図である。

    本発明の第一実施形態に係るR−θテーブル装置の昇降台を上昇させると共に作用軸の角度を変えた状態を側面から示す断面図である。

    図4のR−θテーブル装置の一部を切り欠いて示す概略平面図である。

    図1の要部を拡大して示す断面図である。

    図2の要部を拡大して示す断面図である。

    本発明の第一実施形態に係るR−θテーブル装置をメネジの加工装置に適用した第二実施形態を示す説明図である。

    図8の要部を示す断面図である。

    本発明の第二実施形態に係るメネジ加工装置をボールネジ用のナット部材の加工に適用したボールネジ用のナット部材断面図である。

    図10のボールネジ用のナット部材を示す側面図である。

    図10のボールネジ用のナット部材を加工するオネジ状工具を示す正面図である。

    図12の側面図である。

    本発明の第一実施形態に係るR−θテーブル装置の変形例を示す断面図である。

    本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置を示す断面図である。

    本発明の本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置のピストンをピーク位置へ上昇させた状態を示す断面図である。

    本発明の本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置のピストンをボトム位置へ降下させた状態を示す断面図である。

    本発明の本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置のピストンを停止位置へ移動させた状態を示す断面図である。

    本発明の第四実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置を示す断面図である。

    本発明の第四実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置のピストンをピーク位置へ上昇させた状態を示す断面図である。

    本発明の第四実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置のピストンをボトム位置へ降下させた状態を示す断面図である。

    本発明の第四実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置のピストンを停止位置へ移動させた状態を示す断面図である。

    本発明の第五実施形態に係る可変ストロークプレス装置のコネクションロッドが上死点に達した状態を示す断面図である。

    本発明の第五実施形態に係る可変ストロークプレス装置のコネクションロッドが下死点に達した状態を示す断面図である。

    本発明の第六実施形態に係る可変ストロークエンジンを示す断面図である。

    以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
    (第一実施形態)
    図1〜図7は、本発明の第一実施形態に係るR−θテーブル装置1を示す。
    本実施形態に係るR−θテーブル装置1は、金属製のベース10と、ベース10にガイド部材26を介して水平に移動自在に保持される金属製のテーブル30と、テーブル30に設けた球面軸受35に傾斜して挿通される作用軸36を備え、作用軸36を回転、停止自在に駆動する駆動装置37と、駆動装置37を昇降させる金属製の昇降台46と、昇降台46を昇降させる昇降装置50とで構成されている。

    ベース10は、天板11、底板12及び側板13,14,15,16で構成される箱断面形状を為すR−θテーブル装置1の固定台を構成する。
    天板11は、テーブル30に取り付けられる工具などを外部へ突出させると共にテーブル30の前後左右への移動時及び回転時に移動する際の工具などの軌跡よりも大きな空間を形成することができる略円形状の貫通孔17と、作用軸36が昇降時及び又は回転時に出没する際に形成される作動軸36の軌跡よりも大きな空間を形成することができる略円形状の貫通孔18と、後述するポスト25の上端部を軸支する貫通孔19とを備えている。

    また、天板11は、テーブル30、駆動装置37及び昇降台46の組付、取替時などの際に取り外しできるように、側板13,14,15,16の上面に複数のネジ20によって固定されている。 なお、天板11の上面11aには、テーブル30の中心点O上に取り付けられる工具などによって加工などが施される対象体を取り付ける載置面として機能する。
    底板12は、駆動装置37の外径より大きく駆動装置37の昇降時に当接すること無く上下動させる空間を形成する貫通孔21と、昇降装置50の回転軸51に取り付けるボールネジ56の外径よりも大きくボールネジ56を挿通させる空間を形成する貫通孔22と、後述するポスト25の下端部を固定する貫通孔23とを備えている。

    天板11と底板12との間には、天板11及び底板12にそれぞれ点対称になるように2本のポスト25が配置され、各ポスト25の上端部が天板11の貫通孔19で軸支され、各ポスト25の下端部が底板12の貫通孔23において固着されている。
    天板11の裏面11b側には、貫通孔17,18以外の領域でテーブル30を水平に移動自在に保持するトレー形状のガイド部材26が、両側部に立接する側縁部28をネジ29によって固定することによって取り付けられている。 ガイド部材26の作用軸36が挿通する領域には、作用軸36の昇降時、移動時、回転時に形成される軌跡よりも大きな空間を形成する略円形状の貫通孔27を設けている。

    テーブル30は、作用軸36を挿通させるための2つの貫通孔31を点対称になるように設け、各貫通孔31には球面軸受35が装着されている。 テーブル30は、上面33が天板11の裏面11b側を摺動し、下面34がガイド部材26上を摺動する。 テーブル30は、作用軸36によってガイド部材26上を水平に移動させられる際に、ガイド部材26の側縁部28に当接しない大きさとされ、ガイド部材26と略相似形状に加工されている。

    駆動装置37は、ネジ40を介して取付フレーム39に固定され、取付フレーム39を介して昇降台46の下面にネジ41を介して固定されている。 駆動装置37の主軸38は昇降台46の貫通孔48に挿入しベアリング装置42に保持されている。 駆動装置37は、例えば、サーボモータ又はステッピングモータで構成される。
    主軸38は、上面に傾斜面45を有する連結体44に連結される。 連結体44は、昇降台46上で回転できるようにベアリング装置43を介して昇降台46に装着されている。 連結体44は、例えば、円柱体で構成される本体44aの上面を本体44aよりも大きな外径を有する円柱体44bとし、その円柱体44bの上面に傾斜面45を形成している。

    作用軸36は、主軸38の中心線38aに対して傾斜するように連結体44の傾斜面45上に設けられる。 主軸38の中心線38aと作用軸36の中心線36aで形成される傾斜角度αは、傾斜面45の傾きと同じである。 主軸38の中心線38aと作用軸36の中心線36aとで形成される傾斜角度αは、作用軸36を挿通させる球面軸受35の機能に影響されるが、例えば、主軸38の中心線38aに作用軸36の中心線36aが重ならない程度の0°を超える角度(最小値)から主軸38の中心線38aと作用軸36の中心線36aとが為す角度である30°(最大値)の範囲にあれば良く、好ましくは3°〜18°である。 作用軸36は、例えば、円柱材、多角柱材で構成し、球面軸受35の作用軸36の挿通部は、作用軸36の回転及び軸方向移動を妨げない内周を有することが望ましい。 従って、球面軸受35の作用軸36の挿通部は、作用軸36の断面形状に応じた孔形状となっている。

    昇降台46は、昇降装置50に取り付けるボールネジ56と噛合するネジ溝を設けた貫通孔47と、駆動装置37の主軸38の外径より大きくを駆動装置37の主軸38を挿通する空間を形成する貫通孔48と、ベース10の天板11と底板12との間に取り付けられる2本のポスト25を挿通する貫通孔49とを備えている。 昇降台46は、貫通孔47に昇降装置50に取り付けるボールネジ56を噛合自在に嵌合し、昇降装置50に取り付けるボールネジ56の回転に伴い2本のポスト25をガイドとして駆動装置37を伴ってベース10の天板11と底板12との間を平行にリニアーに昇降させられる。 昇降台46は、駆動装置37のボールネジ56の回転に伴いベース10の天板11と底板12との間を平行にリニアーに昇降させられるので、貫通孔47は、2本のポスト25の中間点に位置することが望ましい。

    昇降装置50は、ネジ53を介して取付フレーム52に固定され、取付フレーム52はベース10の底板12にネジ55で固着されて底板12の下面に取り付けられている。 昇降装置50に取り付けるボールネジ56は、貫通孔22に設けたベアリング装置54によって回転自在に装着されている。 昇降装置50は、例えば、サーボモータ又はステッピングモータが使用される。
    駆動装置37及び昇降装置50は、制御装置60に連絡し、制御装置60に組み込まれたプログラムによってテーブル30に対する作用軸36の前後左右方向及び回転方向に伴う動きを制御するように構成されている。 このプログラムは、本実施形態に係るR−θテーブル装置1の使用方法に応じて任意に構築することができる。

    次に、斯くして構成された本実施形態に係るR−θテーブル装置1の組立の一例を説明する。
    先ず、天板11を取り外したベース10を用意する。
    次に、ベース10の底板12の下面側に、昇降装置50にネジ53で固定した取付フレーム52をネジ55を介して取り付ける。
    この際、底板12の貫通孔22はベアリング装置54が装着され、このベアリング装置54を介して昇降装置50の回転軸51に連結されたボールネジ56が挿通される。

    次に、ベース10の底板12の貫通孔23に2本のポスト25の下端部をそれぞれ固定する。
    次に、駆動装置37を取り付けた昇降台46に貫通孔47,49を介してボールネジ56及びポスト25を挿通する。
    この際、駆動装置37にネジ40を介して取付フレーム39を取り付け、取付フレーム39をネジ41を介して昇降台46の下面側に固定することによって駆動装置37が昇降台46に取り付けられている。 昇降台46の貫通孔48には2組のベアリング装置42,43が装着されている。 駆動装置37の主軸38がベアリング装置42を介して挿通され、主軸38に連結する連結体44が本体44aをベアリング装置42,43に軸支し、傾斜面45を有する円柱体44bが昇降台46の上面側に装着されている。 傾斜面45には作用軸36が傾斜角αで傾斜して取り付けられている。

    次に、ガイド部材26にテーブル30を配置した天板11がベース10の開口部側に配置される。
    この際、作用軸36は球面軸受35の貫通孔35aに挿通され、2本のポスト25は貫通孔19にそれぞれ挿入される。 その後、天板11はネジ20を介してベース10の側板13,14,15,16上に固定される。
    以上によって、本実施形態に係るR−θテーブル装置1の組立が完了する。

    次に、制御装置60は、昇降装置50を駆動してボールネジ56を逆回転して昇降台46を下降させ、図1に示すテーブル30の静止位置に移動させる制御信号を出力し、昇降台46をテーブル30の静止位置に停止させる。
    この際、制御装置60は、駆動装置37に対してはテーブル30の静止状態を保つように主軸38の回転停止を保持する制御信号を出力する。
    以上によって、本実施形態に係るR−θテーブル装置1は、テーブル30を操作可能な初期状態に保持する。

    先に、本実施形態に係るR−θテーブル装置1の作用を説明する。
    制御装置60は、テーブル30の用途目的に応じて駆動装置37及び昇降装置50に制御信号を出力し、昇降台46を昇降させることによって、テーブル30をガイド部材26上を水平に前後左右方向又は回転方向に自転することなく移動させることができる。
    例えば、テーブル30を図3において一点鎖線で示す静止状態から図3において実線で示す位置に移動させる場合には、制御装置60は、駆動装置37に対してテーブル30の静止状態を保つように主軸38の回転停止を保持する制御信号を出力し、昇降装置50に対してボールネジ56を回転して昇降台46を上降させ、図2に示す位置にテーブル30をガイド部材26上を水平に移動させる制御信号を出力する。

    この際、昇降台46の上昇に伴ってテーブル30の球面軸受35を挿通する作用軸36は、図6,図7に示すように、ストロークをリニアーに変化させられながら球面軸受35と係合する作用点58の位置を変えることによって主軸38の中心線38aと作用点58との水平距離を変化させる。
    従って、主軸38の中心線38aと作用点58との水平距離は、図6に示す位置から図7に示す位置に拡大し、図3に示すように、作用軸36が一点鎖線で示す原位置から実線で示す位置に移動することとなる。 勿論、これに伴った、テーブル30の中心点Oも一点鎖線で示す原位置から実線で示す位置に移動することとなる。
    なお、図3、図5では、紙面の左半分に示されるテーブル30及び作用軸36を原位置に停止した状態として示し、紙面の右半分に示されるテーブル30及び作用軸36を移動する状態として示している。

    以上のように、本実施形態に係るR−θテーブル装置1は、制御装置60が、例えば、駆動装置37に連結する作用軸36を図1に示す初期状態に設定した状態で昇降装置50を駆動し昇降台46を上昇させる制御信号を出力することによって、図3に示すように、作用軸36に設けた傾斜角αに基づいてテーブル30をガイド部材26上を水平に移動させることができる。
    従って、作用軸36の固定位置によっては、制御装置60が、例えば、駆動装置37を作動させて主軸38を回転して作用軸36を図1に示す固定位置から180°回転させた後、同様に駆動装置50を駆動して昇降台46を上昇させると、図5に示すように、作用軸36は一点鎖線で示す原位置から実線で示すようにX軸方向(紙面の下方側)に移動することができる。

    また、本実施形態に係るR−θテーブル装置1では、昇降台46を図1に示す初期状態から図2に示す位置まで昇降する過程で、制御装置60が、駆動装置37に対し主軸38を回転させる制御信号を出力すると、作用軸36は図1に示す原位置を中心点として回転することになる。 勿論、これに伴って、テーブル30はガイド部材26上を水平に移動し、テーブル30の中心点Oも一点鎖線で示す原位置を中心点として自転することなく円周方向に移動することになる。
    また、本実施形態に係るR−θテーブル装置1では、昇降台46を図1に示す初期状態から図2に示す位置まで昇降する過程で、制御装置60が、駆動装置37に対し主軸38を所定角度回動させる制御信号を出力すると、作用軸36は図1に示す原位置を中心点として所定角度回動することになる。 勿論、これに伴って、テーブル30はガイド部材26上を水平に移動し、テーブル30の中心点Oも一点鎖線で示す原位置を中心点として自転することなく円周方向に移動することになる。

    また、本実施形態に係るR−θテーブル装置1では、制御装置60が、駆動装置37に対し作用軸36の中心線36aをY軸と平行となるように主軸38を回動させる信号を出力し、作用軸36の中心線36aをY軸と平行となるように回転させた後、昇降装置50に対し昇降台46を、例えば、図1の位置から図2の位置に移動させると、テーブル30はガイド部材26上を水平に移動し、Y軸と平行して中心点Oから遠ざかるように紙面の右方向に移動することができる。
    また、本実施形態に係るR−θテーブル装置1では、制御装置60が、駆動装置37に対し作用軸36の中心線36aをX軸と平行となるように主軸38を回動させる信号を出力し、作用軸36の中心線36aをX軸と平行となるように回転させた後、昇降装置50に対し昇降台46を、例えば、図1の位置から図2の位置に移動させると、テーブル30はガイド部材26上を水平に移動し、X軸と平行して中心点Oから遠ざかるように紙面の右方向に移動することができる。

    以上のように、本実施形態に係るR−θテーブル装置1によれば、駆動装置37に、そのストロークをリニアーに変化させうる機構として主軸38に対して傾斜させた作用軸36を連結し、この作用軸36を包含する球面軸受35の軸方向の位置を変えることで主軸38の中心線38aと作用点58の水平距離を変化させる機構を採用したので、テーブル30を常々水平を保持するために、作用軸36とテーブル30との間に設けた球面軸受35がその傾斜をキャンセルするために角度変化に追従し、前後左右方向及び回転方向の全ての方向からの外力に対し高剛性でのプログラム運転を実現できる。

    また、本実施形態に係るR−θテーブル装置1では、テーブル30の前後左右方向及び回転方向を常時確保するために、駆動装置37に連結する作用軸36を二軸用意して同調運転をするので、テーブル30は水平を保持するためのガイド部材26と天板11の裏面11bとに挟まれていれば、他に何等ガイド機構を必要とせず機能を発揮することが可能となる。 この二軸の作用軸37の同調運転は、駆動装置37をサーボモータ又はステッピングモータで構成し、これらを制御装置60によって制御することによって達成される。

    また、本実施形態に係るR−θテーブル装置1では、昇降台46に設けた駆動装置37の主軸38の垂直位置を昇降装置50によって変えることによって、作用軸36のストロークを変化させることが可能となる。 昇降装置50は、テーブル30の位置を確実に決定するために、サーボモータ又はステッピングモータとしたが、ボールネジのごとき直動装置とすることによっても可能である。
    また、本実施形態に係るR−θテーブル装置1では、常々前後左右方向及び回転方向が変わることなく昇降する走行装置37を搭載する昇降台46と、ベース10の底板12に固定される昇降装置50との間を必要な太さのポスト25を複数使用するリニアーガイドとしたので、高剛性である。

    なお、上記実施形態では、作用軸36を、主軸38の中心線38aに対して傾斜するように連結体44の傾斜面45上に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、作用軸36を、主軸38の中心線38aに対して傾斜するように連結体44と一体に形成しても良い。 この場合には、連結体44を、本体44aと円柱体44bとを一体に形成しても良い。 即ち、作用軸36と連結体44と本体44aと円柱体44bとが一体に形成された一部品となる。 この一部品には、作用軸36が、主軸38の中心線38aに対して傾斜するように連結体44に連接するので、傾斜面45を設ける必要がない。

    また、上記実施形態に係るR−θテーブル装置1では、天板11に対して作用軸36が出入りする領域に略円形状の貫通孔18を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図14に示すように、貫通孔18の上部側に筒状の突部59を設け、作用軸36の先端部にクランク軸61を設け、クランク軸61が筒状の突部59内を摺動するように構成しても良い。
    筒状の突部59の内面は、作用軸36の先端部に設けたクランク軸61が摺動できる軸受として機能する。 クランク軸61は、連結体44と同形状を為し、作用軸36との接合面62が傾斜面45と同一の角度で傾斜する傾斜面となっている。 即ち、接合面62と傾斜面45とは平行している。

    なお、図14においては、駆動装置37及び昇降装置50は省略されている。 また、図14において、符号93は、案内部材26の中心を示し、符号94は、R−θテーブル装置1に搭載される工具の中心を示す。
    また、上記各実施形態に係るR−θテーブル装置1では、図14に示す、本発明に係る可変クランク装置90が適用されている。

    本発明に係る可変クランク装置90は、例えば、主軸38の中心線38aに対して傾斜して主軸38に連接する傾斜クランクピン(作用軸)36と、傾斜クランクピン(作用軸)36を挿通させる貫通孔35aを有する球面軸受35を貫通孔31内に備えるテーブル(被移動体)30と、テーブル(被移動体)30を移動自在に保持するガイド部材26及び天板11の裏面11bで構成されるガイド装置91と、球面軸受35の貫通孔35aにおいて傾斜クランクピン(作用軸)36とテーブル(被移動体)30の中心線30aとが係合する作用点58の位置を変えるように、傾斜クランクピン(作用軸)36を回転、移動、回転停止又は移動停止させる調整装置(駆動装置37、昇降装置50)92とを備えている。

    本発明に係る可変クランク装置90によれば、調整装置(駆動装置37、昇降装置50)92によって主軸38の中心線38aと作用点58との距離を変化させ、テーブル(被移動体)30をガイド装置(ガイド部材26及び天板11の裏面11b)91に沿って自転することなく任意の位置に移動させることによって、振幅を簡単に変えることができる。

    従って、本発明に係る可変クランク装置90は、上記実施形態において使用した、ベース10、駆動装置37、昇降台46、昇降装置50の構造や形状は、適用対象又は使用目的によって異なったり、統合されたりあるいは省略されたりする。
    また、調整装置(駆動装置37、昇降装置50)92は、上記実施形態と同様に、例えば、図1、図2、図4に示す制御装置60に連絡し、制御装置60に組み込まれたプログラムによってテーブル(被移動体)30に対する傾斜クランクピン(作用軸)36の前後左右方向及び回転方向に伴う動きを制御するように構成されている。 このプログラムは、本実施形態に係るR−θテーブル装置1の使用方法に応じて任意に構築することができる。

    (第二実施形態)
    次に、本実施形態に係るR−θテーブル装置1をメネジ79を加工するメネジ加工装置70に適用した第二実施形態を図8、図9に基づいて説明する。
    本実施形態に係るメネジ加工装置70は、第一実施形態に係るR−θテーブル装置1と、このR−θテーブル装置1のテーブル30の中心点O上に締結ボルト74を介して固着されて搭載されるオネジ状工具71と、R−θテーブル装置1のベース10の天板11の上面11aに金属製の素材75を固定する支持部材としての締結ボルト78とで構成されている。

    金属製の素材75には、メネジ79を加工するための穴76が設けられている。
    金属製の素材75は、天板11の貫通孔17に嵌入する環状部77を有し、この環状部77を貫通孔17に嵌入後に、締結ボルト78によって天板11の上面11aに固定される。
    オネジ状工具71は、加工しようとするメネジ79とピッチが同一で、径が小さいネジ形状を為す加工部72を備えている。 オネジ状工具71は、裾部73が複数の締結ボルト74によってテーブル30の中心点O上に固定される。
    制御装置60は、作用軸36をX軸方向、Y軸方向及び回転方向に移動させ、テーブル30が式(X 2 +Y 2 =R 2 )により画かれる軌跡を踏襲するように駆動装置37及び昇降装置50の駆動を制御する。 即ち、制御装置60は、テーブル30を、メネジ加工装置70に対し、必要な押圧力を発揮して円弧揺動させるように制御する。

    次に、本実施形態に係るメネジ加工装置70の作用について説明する。
    先ず、図8、図9に示すように、オネジ状工具71は、加工しようとするメネジ79とピッチが同一で、径が加工しようとするメネジ79より小さいネジ形状を為す加工部72を備えている。 オネジ状工具71は、テーブル30上に締結ボルト74によって固定される。
    次に、金属製の素材75が、オネジ状工具71の上方から穴76を挿通するように、天板11の貫通孔17に嵌入された後、金属製の素材75が締結ボルト78によって天板11の上面11a上に固定される。

    次に、制御装置60は、駆動装置37及び昇降装置50を駆動して、作用軸36を介してテーブル30をガイド部材26上を前後左右方向及び回転方向に自転することなく自在に移動させる。
    次に、制御装置60は、テーブル30が式(X 2 +Y 2 =R 2 )により画かれる軌跡を踏襲するように駆動装置37及び昇降装置50の動きを制御する。
    次に、制御装置60は、図8に示すように、テーブル30に固定されたオネジ状工具71を、天板11上に固定された金属製の素材75の有する穴76の内周に矢印Aで示す移動軌跡に沿って移動させる。 そして、制御装置60は、メネジ成形前の金属製の素材75の穴76をメネジ79に変形させながら成形するように、駆動装置37及び昇降装置50の動きを制御する。

    なお、図8では、説明のため、オネジ状工具71の矢印Aで示す移動軌跡を180°として示している。 勿論、本実施形態では、制御装置60は、メネジ成形前の金属製の素材75の穴76の全周をメネジ79に変形させるまで、即ち、オネジ状工具71の矢印Aで示す移動軌跡が360°になるまでオネジ状工具71を移動させる。 そのため、制御装置60は、駆動装置37及び昇降装置50の動きを制御しながらオネジ状工具71を円運動させ、穴76の内周にオネジ状工具71の加工部72を逐次押圧して加工部72の形状を転写しネジ溝を成形する。

    この過程で、図8に示すように、先ず、金属製の素材75の穴76の点Nとオネジ状工具71の点Nとがコンタクトする。 次に、金属製の素材75の穴76の点Eとオネジ状工具71の点Eとがコンタクトする。 次に、金属製の素材75の穴76の点Sとオネジ状工具71の点Sとがコンタクトする。 次に、金属製の素材75の穴76の点Wとオネジ状工具71の点Wとがコンタクトする。 それぞれの回転位相は変わらない。 即ち、金属製の素材75の穴76及びオネジ状工具71の点N−E−S−Wは自転していない。
    この間、金属製の素材75とオネジ状工具71はZ軸方向には相対移動しないし、またZ軸方向(図9の紙面の上下方向)には相対移動する必要もない。

    以上のように、本実施形態によれば、リング状品の金属製の素材75が支持部材である締結ボルト78によって天板11に固定され、リング状品の金属製の素材75の穴76の内側からオネジ状工具71の加工部72を逐次押圧して加工部72の形状を転写しネジ溝を成形することができる。 そのため、最終的に金属製の素材75の穴76の内側に、例えば、M40−P1.5(外径40mm、ピッチ1.5mm)などの比較的大径のメネジ79を成形することが可能となる。
    なお、メネジ加工装置70は、例えば、メネジ79の穴径Rは幾分小さめのRから出発し、幾周かの中に完成ネジ山に到達すべく逐次成形するように、成形工程をプログラムすることも可能である。

    また、本実施形態では、金属製の素材75を支持部材である締結ボルト78で天板11に固定したが、本発明はこれに限らず、金属製の素材75を支持部材である固縛手段を介して天板11に固定しても良い。
    また、本実施形態では、オネジ状工具71が金属製の素材75の穴76を一回転することによってメネジ79を成形する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、制御装置60は、オネジ状工具71が金属製の素材75の穴76を複数公転するように制御することも可能である。

    また、本実施形態では、1条メネジについて説明したが、本発明はこれに限らず、2条ネジのオネジ状工具を用いることによって、2条メネジを成形することが可能である。
    さらにまた、ボールネジ用の1条毎にクローズとなるループ溝においてはボール循環用バイパスなど一部の溝深さが他の部分より深い溝も工具次第で成形可能である。 勿論、そのクロースドループ溝が複数条存在する内径面も同時に成形可能である。
    その一例を、図10〜図13を用いて、1ピッチ前にボールを戻すために形成されるS字形バイパス82を備えた雌循環路81を加工したボールネジ用のナット部材80について説明する。

    図12、図13は、S字形バイパス82を設けた雌循環路81を有するボールネジ用のナット部材80を加工するオネジ状工具85を示す。 S字形バイパス82を加工する加工部87は雌循環路81を形成する加工部86よりも外方に突出している。
    オネジ状工具85は、例えば、図8、図9において、テーブル30の中心点O上に固定されたオネジ状工具71と取り替えて使用される。
    また、ナット部材80を加工する前の金属製の素材には、第二実施形態における穴76を有する金属製の素材75と同様に、ナット部材80の穴に見合った穴を有する金属製の素材を用意し、天板11に固定される。
    本実施形態においても、加工法は第二実施形態と同じである。

    なお、本実施形態では、1組の雌循環路81を形成する加工部86とS字形バイパス82を加工する加工部87とを備えたオネジ状加工具85を用いて、1つのS字形バイパス82を備えた雌循環路81を加工したボールネジ用のナット部材80について説明したが、本発明はこれに限らず、複数組の雌循環路81を形成する加工部86とS字形バイパス82を加工する加工部87とを備えたオネジ状加工具85を用いて、S字形バイパス82を備えた複数組の雌循環路81を加工したボールネジ用のナット部材80を加工することも可能である。

    (第三実施形態)
    図15乃至図18は、本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100を示す。
    本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100は、本発明に係る可変クランク装置101と、シリンダブロック120とで構成されている。
    可変クランク装置101は、連結体103に連結される主軸102を有する。 主軸102は、モータ又はフライホイールなどの駆動力で回転される。 主軸102は、クランク軸台112の貫通孔113に挿入されベアリング装置114に回転自在に保持されている。 ベアリング装置114の外周は、取付フレーム115を介してクランク軸台112にネジ116を介して固定されている。

    連結体103は、例えば、円柱体で構成される本体103aの上面を本体103aよりも大きな外径を有する円柱体103bとし、その円柱体103bの先端面に傾斜面104を形成している。 連結体103は、本体103aと円柱体103bとの境を為す段差部にベアリング装置117を介装してクランク軸台112上に回転自在に装着されている。
    連結体103の傾斜面104には、主軸102の中心線102aに対して傾斜して傾斜クランクピン(作用軸)105が組み付けられている。 傾斜クランクピン(作用軸)105は、貫通孔111に組み付けられた球面軸受108の貫通孔109を挿通してコネクションロッド110に組み付けられている。 傾斜クランクピン(作用軸)105の先端部は、傾斜面107を介してクランク軸106に連結されている。 クランク軸106の傾斜面107は、連結体103の傾斜面104と同じ角度に傾斜している。

    クランク軸台112は、複数のガイドポスト118を介して支持されている。 複数のガイドポスト118は、シリンダブロック120に組み付けられている。 クランク軸台112は、例えば、図1、図2、図4に示す実施形態と同様に、制御装置60に連絡し、制御装置60によって制御された位置調節部(昇降装置50で示されるサーボモータ又はステッピングモータ)により図中左右方向に移動される。 クランク軸台112を移動させる位置調節部は、例えばねじ送り機構とモータなどの組み合わせによる公知の直動機構であってもよい。 なお、制御装置及び位置調節部の図示はいずれも省略する。
    シリンダブロック120は、可変クランク装置101の連結体103を回転自在に出没させる貫通孔121と、可変クランク装置101のクランク軸106を回転、摺動自在に配置する貫通孔122とを同軸上に備えている。

    また、シリンダブロック120は、可変クランク装置101のコネクションロッド110を上下動させる空間123を内部に備えている。 この空間123の下方には、可変クランク装置101のコネクションロッド110の下端部110aを摺動自在に案内する凹部124を設けている。
    一方、空間123の上方には、可変クランク装置101のコネクションロッド110の上端部110bにピストンピン125を介して組み付けられたピストン126を配置している。 このピストン126の上部には、ピストン126を摺動自在に案内する圧油室127が形成されている。 この圧油室127には、外部からオイルを吸入する導入管128と、外部へオイルを吐出する導出管129とが連通している。 導入管128,129には、それぞれを逆止弁130,131が設けられている。

    本実施形態において、可変クランク装置101のコネクションロッド110の案内装置は、可変クランク装置101のコネクションロッド110を上下動させる空間123と、可変クランク装置101のコネクションロッド110の下端部110aを摺動自在に案内する凹部124とで構成されている。
    また、調整装置は、主軸102を回転させるエンジン、モータ又はフライホイールなどの駆動力源と、クランク軸台112を移動させる位置調節部と、制御装置(例えば、図1、図2、図4に示す実施形態における制御装置60が該当する)とで構成されている。 クランク軸台112を移動させる位置調節部は、例えば、油圧ポンプ、アクチュエータなどのように、クランク軸台112をシリンダブロック120に対して近接離間させる機構、構造を備えるものであれば特に限定するものではない。

    次に、本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100の作用を説明する。
    本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100は、クランク軸台112を主軸102が回転していない状態で、例えば、図15の状態から図16の状態にクランク軸台112を図中左右方向に移動させると、傾斜クランクピン105の中心線105aとコネクションロッド110の中心線110cとが係合する作用点119の位置が変化する。 これにより、主軸102が回転していない状態においても、クランク軸台112を図中左右方向に移動させると、傾斜クランクピン105の傾斜に沿って作用点119の位置が図中上下方向に移動する。 このとき、例えば、図16に示すように、コネクションロッド110に組み付けられたピストン126も作用点119の移動分だけ上下方向に移動する。 図16では、この移動分を振幅(片側)として示している。

    上記の作用点119の位置と、主軸102の中心線102aとがずれている状態では、主軸102を回転させると、例えば、図16に示すように、偏芯したコネクションロッド110に組み付けられたピストン126は図中上下方向に往復動する。 ピストン126のストロークの大きさは、作用点119の位置と、主軸102の中心線102aとのずれが大きいほど大きくなる。
    本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100によれば、例えば、図15に示す状態から図16に示す状態に、主軸102を矢印で示す回転方向に回転させながら、図示しない外力による制御装置によってクランク軸台112が移動すると、コネクションロッド110がピストンピン125を介してピストン126を圧油室127の方向へ移動させ、ピストン126が圧油室127内のオイルを圧縮する。 そして、圧油室127内の圧力が所定値に達した時点で、オイルは導出管129を介して外部へ吐出される。

    この際、位置調節部及び制御装置によって移動されるクランク軸台112の移動に伴ってコネクションロッド110に設けた球面軸受108を挿通する傾斜クランクピン(作用軸)105は、図6、図7に示す第一実施形態における作用軸36の作用と同様に、ストロークをリニアーに変化させられながら球面軸受108の貫通孔109において傾斜クランクピン(作用軸)105とコネクションロッド110の中心線110cとが係合する作用点119の位置を変えることによって主軸102の中心線102aと作用点119との距離(図16では振幅(片側)として示している)を変化させる。
    本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100は、例えば、図15の状態から主軸102を矢印で示す回転方向に回転させながら、図18に示すように、ピストン126をボトム位置に移動させることができる。

    また、本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100は、例えば、図16の状態から主軸102を矢印で示す回転方向に回転させながら、図17に示すように、ピストン126を停止位置に移動させることができる。
    以上のように、本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100によれば、本発明に係る可変クランク装置101を操作することによって、シリンダブロック130内のコネクションロッド110を、球面軸受108を挿通する傾斜クランクピン(作用軸)105のストロークをリニアーに変化させられながら球面軸受108と係合する作用点119の位置を変えることによって主軸102の中心線102aと作用点119との距離(図16では振幅(片側)として示している)を変化させ、ピストン126で圧油室127内の圧力を調整して吸入側のオイルを確実に吐出側へ供給するポンプを構築することができる。

    また、本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100は、その構成部品や機構においては殆ど一定吐出量のレシプロポンプと差がない。 本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100と一定吐出量のレシプロポンプとの最も根源をなす違いは、クランク軸106に対して傾斜クランクピン105が一定の傾斜をもって配置されていることである。 必須条件ではないが、ここでの説明上ではクランク軸106と傾斜クランクピン105の中心軸105は交差している場合を述べている。

    クランク軸106は、その駆動装置(図面に記載のないモータなどを含む)を搭載するクランク軸台112毎軸方向に移動可能に配置され、クランク軸106の回転とは独立してその位置が制御されている。 このため、クランク軸106の回転に従いコネクションロッド110はその時点の断面位置におけるクランク軸106の中心軸(主軸102の中心軸102a)と傾斜クランクピン105の中心軸105aとの距離に比例する振幅で往復することになる。
    コネクションロッド110に連接されるピストン126は、ピーク、ボトムの位相を堅持したまま往復する。 クランク軸106の中心軸(主軸102の中心軸102a)と傾斜クランクピン105の中心軸105aとが交差しているポイントがコネクションロッド110の存在する断面位置に来た場合は、ピストン126の往復運動は停止し、ポンプの吐出量は0となる。 使用目的との整合はともかく、行き過ぎればピーク、ボトムの逆転も可能ではある。

    従って、本実施形態によれば、吐出圧力の如何にかかわらず一定のモータトルクで可能な量の圧油を供給する可変容量油圧ポンプを簡単に製作可能である。
    唯一付加的に必須部品となるのが、傾斜クランクピン105とコネクションロッド110との間に発生する転動ギャップを補完する球面軸受108である。 この球面軸受108は、一般的に市販されているもので特段の問題はない。 また、コネクションロッド110には、負荷トルクに応じたスラスト応力が発生するが、シリンダブロック120との間で処遇することになる。

    (第四実施形態)
    図19乃至図22は、本発明の第四実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100Aを示す。
    本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100Aは、クランク軸台112がシリンダブロック120の貫通孔121内に回転、摺動自在に配置され、外力による位置調節部(図示せず)によってクランク軸台112が移動される点で、本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100とは相違する。

    本実施形態において、クランク軸台112を移動させる位置調節部は、例えば、油圧ポンプ、アクチュエータなどのように、クランク軸台112をシリンダブロック120に対して近接離間させる機構、構造を備えるものであれば特に限定するものではない。
    従って、本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100Aでは、クランク軸台112を保持し、案内する複数のガイドポストも不要である。

    なお、図19は、図15に示す本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100を示す断面図に相当し、図20は、図16に示す本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100のピストン126をピーク位置へ上昇させた状態を示す断面図に相当し、図21は、図17に示す本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100のピストン126をボトム位置へ降下させた状態を示す断面図に相当し、図22は、図18に示す本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100のピストン126を停止位置へ移動させた状態を示す断面図に相当する。
    本実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100Aは、本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100と殆ど同一の構成であるから、その作用は、本発明の第三実施形態に係る可変吐出量ポンプ装置100と殆ど同一である。

    (第五実施形態)
    図23及び図24は、本発明の第五実施形態に係る可変ストロークプレス装置140を示す。
    本実施形態に係る可変ストロークプレス装置140は、本発明に係る可変クランク装置101と、プレス本体150とで構成されている。 本発明に係る可変クランク装置101は、図15乃至図18に示す第三実施形態可変吐出量ポンプ装置100及び図19乃至図22に示す第四実施形態可変吐出量ポンプ装置100Aに用いた可変クランク装置101と基本構成は殆ど同じであるため、同一構成には同一の符号を付して説明する。

    可変クランク装置101は、連結体103に連結される主軸102を有する。 主軸102は、クランク軸台112に回転自在に保持され、モータ又はフライホイールなどの駆動力で回転される。 主軸102は、クランク軸台112の貫通孔113に挿入されベアリング装置114に回転自在に保持されている。 ベアリング装置114の外周は、取付フレーム115を介してクランク軸台112にネジ116を介して固定されている。
    連結体103は、例えば、円柱体で構成される本体103aの上面を本体103aよりも大きな外径を有する円柱体103bとし、その円柱体103bの先端面に傾斜面104を形成している。 連結体103は、本体103aと円柱体103bとの境を為す段差部にベアリング装置117を介装してクランク軸台112上に回転自在に装着されている。

    連結体103の傾斜面104には、主軸102の中心線102aに対して傾斜して傾斜クランクピン(作用軸)105が組み付けられている。 傾斜クランクピン(作用軸)105は、貫通孔111に組み付けられた球面軸受108の貫通孔109を挿通してコネクションロッド110に組み付けられている。 傾斜クランクピン(作用軸)105の先端部は、傾斜面107を介してクランク軸106に連結されている。 クランク軸106の傾斜面107は、連結体103の傾斜面104と同じ角度に傾斜している。
    クランク軸台112は、複数のガイドポスト118を介して支持されている。 複数のガイドポスト118は、プレス本体150に組み付けられている。 クランク軸台112は、移動装置132によって移動される。 移動装置132は、クランク軸台112とプレス本体150との間に配置されている。

    また、移動装置132は、主軸102を回転させるエンジン、モータ又はフライホイールなどの駆動力源と、クランク軸台112を移動させる位置調節部と、制御装置(例えば、図1、図2、図4に示す実施形態における制御装置60に該当する)とで構成されている。 クランク軸台112を移動させる位置調節部は、例えば、油圧ポンプ、アクチュエータなどのように、クランク軸台112をプレス本体150に対して近接離間させる機構、構造を備えるものであれば特に限定するものではない。

    本発明に係る可変クランク装置101が適用されるプレス本体150は、ボルスタ(ベッド)151に金型エリア152を備えたサイドコラム153を組み付け、金型エリア152内をコネクションロッド110に組み付けられたスライド1154が上下動できるように配置されている。 コネクションロッド110の先端部110aはスライド154の凹部154a内に嵌入されている。 また、コネクションロッド110の後端部110bは摺動孔155内を上下動時に摺動するように配置されている。
    また、プレス本体150は、コネクションロッド110が上下動する空間156と、連結体103を摺動自在及び回転自在に挿通する貫通孔157と、クランク軸106を摺動自在及び回転自在に挿通する貫通孔158とを備えている。

    次に、本実施形態に係る可変ストロークプレス装置140の作用を説明する。
    本実施形態に係る可変ストロークプレス装置140は、クランク軸台112を主軸102が回転していない状態で、例えば、図23の状態において図中左右方向に移動させると、傾斜クランクピン105の中心線105aとコネクションロッド110の中心線110cとが係合する作用点119の位置が変化する。 これにより、主軸102が回転していない状態においても、クランク軸台112を図中左右方向に移動させると、傾斜クランクピン105の傾斜に沿って作用点119の位置が図中上下方向に移動する。 このとき、例えば、図23に示すように、コネクションロッド110に組み付けられたスライド154も作用点119の移動分だけ上下方向に移動する。 図23では、この移動分を振幅(片側)として示している。

    上記の作用点119の位置と、主軸102の中心線102aがずれている状態では、主軸102を回転させると、例えば、図23に示すように、偏芯したコネクションロッド110に組み付けられたスライド154は図中上下方向に往復動する。 スライド154のストロークの大きさは、作用点119の位置と、主軸102の中心線102aとのずれが大きいほど大きくなる。
    本実施形態に係る可変ストロークプレス装置140によれば、図23に示す状態から図24に示す状態に、主軸102を矢印で示す回転方向に回転させると、コネクションロッド110がボルスタ(ベッド)151方向に降下しながら金型エリア152内に配置された被加工物(図示せず)をスライド154で圧縮するように作用する。

    この際、移動装置132の移動に伴ってコネクションロッド110の球面軸受108を挿通する傾斜クランクピン(作用軸)105は、図6、図7に示す第一実施形態における作用軸36の作用と同様に、ストロークをリニアーに変化させられながら球面軸受108の貫通孔109において傾斜クランクピン(作用軸)105とコネクションロッド110の中心線110cとが係合する作用点119の位置を変えることによって主軸102の中心線102aと作用点119との距離(図23では振幅(片側)として示している)を変化させる。

    そして、図24に示すように、コネクションロッド110が下死点に達すると、スライド154を逆方向に上昇させ、被加工物(図示せず)から離れる方向へ移動する。
    この操作を繰り返すことによって、金型エリア152内に配置された被加工物(図示せず)に所定の加工を施すことが可能となる。
    また、主軸102を矢印で示す回転方向に回転させると共に、移動装置132によって主軸102をプレス本体150から離間するように操作すると、上述とは異なる状態で、金型エリア152内に配置された被加工物(図示せず)に所定の加工を施すことが可能となる。
    これらの操作は、金型エリア152内に配置された被加工物(図示せず)に施す加工目的に応じて任意に選択することとなる。

    (第六実施形態)
    図25は、本発明の第六実施形態に係る可変ストロークエンジン160を示す。
    本実施形態に係る可変ストロークエンジン160は、本発明に係る可変クランク装置101と、エンジン本体161と、出力軸173とで構成されている。 本発明に係る可変クランク装置101は、図15乃至図18に示す第三実施形態の可変吐出量ポンプ装置100、図19乃至図22に示す第四実施形態の可変吐出量ポンプ装置100A及び図23及び図24に示す第五実施形態の可変ストロークプレス装置140に用いた可変クランク装置101と基本構成は殆ど同じであるため、同一構成には同一の符号を付して説明する。

    可変クランク装置101は、連結体103に連結される主軸102を有する。 主軸102は、クランク軸台112に回転自在に保持され、モータ又はフライホイールなどの駆動力で回転される。 主軸102は、クランク軸台112の貫通孔113に挿入されベアリング装置114に回転自在に保持されている。 ベアリング装置114の外周は、取付フレーム115を介してクランク軸台112にネジ116を介して固定されている。
    連結体103は、例えば、円柱体で構成される本体103aの上面を本体103aよりも大きな外径を有する円柱体103bとし、その円柱体103bの先端面に傾斜面104を形成している。 連結体103は、本体103aと円柱体103bとの境を為す段差部にベアリング装置117を介装してクランク軸台112上に回転自在に装着されている。

    連結体103の傾斜面104には、主軸102の中心線102aに対して傾斜して傾斜クランクピン(作用軸)105が組み付けられている。 傾斜クランクピン(作用軸)105は、貫通孔111に組み付けられた球面軸受108の貫通孔109を挿通してコネクションロッド110に組み付けられている。 傾斜クランクピン(作用軸)105の先端部は、傾斜面107を介してクランク軸106に連結されている。 クランク軸106の傾斜面107は、連結体103の傾斜面104と同じ角度に傾斜している。
    クランク軸台112は、複数のガイドポスト118を介して支持されている。 複数のガイドポスト118は、エンジン本体161に組み付けられている。 クランク軸台112は、移動装置132によって移動される。 移動装置132は、クランク軸台112とエンジン本体161との間に配置されている。

    また、移動装置132は、主軸102を回転させるエンジン、モータ又はフライホイールなどの駆動力源と、クランク軸台112を移動させる位置調節部と、制御装置(例えば、図1、図2、図4に示す実施形態における制御装置60に該当する)とで構成されている。 クランク軸台112を移動させる位置調節部は、例えば、油圧ポンプ、アクチュエータなどのように、クランク軸台112をエンジン本体161に対して近接離間させる機構、構造を備えるものであれば特に限定するものではない。

    エンジン本体161は、可変クランク装置121を組み付けるシリンダブロック162を備えている。 シリンダブロック162は、可変クランク装置101の連結体103を回転、摺動自在に配置する貫通孔163と、可変クランク装置101のクラン軸106を回転、摺動自在に配置する貫通孔164とを同軸上に備えている。
    また、シリンダブロック162は、可変クランク装置101のコネクションロッド110を上下動させる空間165を内部に備えている。 この空間165の下方には、可変クランク装置101のコネクションロッド110の下端部110aを摺動自在に案内する凹部166を設けている。

    一方、空間165の上方には、可変クランク装置101のコネクションロッド110の上端部110bにピストンピン167を介して組み付けられたピストン168を配置している。 このピストン168の上部には、ピストン168を摺動自在に案内する圧縮室169が形成されている。 この圧縮室169には、ガス化された燃料を供給するポート170と、燃焼ガスを排出するポート171とが連通している。 ポート170,171には、それぞれを開閉するためのバルブ172,173が設けられている。 また、圧縮室169には、点火プラグ172が設けられている。
    エンジン本体161には、可変クランク装置101のクラン軸106に連結する出力軸173が連結されている。 出力軸173には、図示しないミッションがスプライン結合されている。

    次に、本実施形態に係る可変ストロークエンジン160の作用を説明する。
    本実施形態に係る可変ストロークエンジン160は、クランク軸台112を主軸102が回転していない状態で、例えば、図25の状態において図中左右方向に移動させると、傾斜クランクピン105の中心線105aとコネクションロッド110の中心線110cとが係合する作用点119の位置が変化する。 これにより、主軸102が回転していない状態においても、クランク軸台112を図中左右方向に移動させると、傾斜クランクピン105の傾斜に沿って作用点119の位置が図中上下方向に移動する。 このとき、例えば、図25に示すように、コネクションロッド110に組み付けられたピストン168も作用点119の移動分だけ上下方向に移動する。 図25では、この移動分を振幅(片側)として示している。

    上記の作用点119の位置と、主軸102の中心線102aがずれている状態では、主軸102を回転させると、例えば、図23に示すように、偏芯したコネクションロッド110に組み付けられたピストン168は図中上下方向に往復動する。 ピストン168のストロークの大きさは、作用点119の位置と、主軸102の中心線102aとのずれが大きいほど大きくなる。
    本実施形態に係る可変ストロークエンジン160によれば、例えば、図25に示す状態で、主軸102を矢印で示す回転方向に回転させると、コネクションロッド110がピストンピン167を介してピストン168を圧縮室169方向へ移動し、圧縮室169内の混合ガスを圧縮する。 そして、圧縮室169内の圧力が所定値に達した時点で、点火プラグ172が点火し、燃焼圧力によってピストン168が押し下げられる。 この力を利用して、出力軸173を回転させることが可能となる。

    この際、制御装置(図示せず)によって制御される移動装置132によってクランク軸台112の移動に伴ってコネクションロッド110の球面軸受108を挿通する傾斜クランクピン(作用軸)105は、図6、図7に示す第一実施形態における作用軸36の作用と同様に、ストロークをリニアーに変化させられながら球面軸受108の貫通孔109において傾斜クランクピン(作用軸)105とコネクションロッド110の中心線110cとが係合する作用点119の位置を変えることによって主軸102の中心線102aと作用点119との距離(図25では振幅(片側)として示している)を変化させる。
    この操作を繰り返すことによって、本実施形態に係る可変ストロークエンジン160は、出力軸173へ所定の回転力を供給することができる。

    なお、上記実施形態では、可変クランク装置101を可変吐出量ポンプ100,100A、可変ストロークプレス装置140及び可変ストロークエンジン160に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、油圧ポンプ、可変コンプレッサー、スターリングエンジン、攪拌機又は加振機などに適用しても良い。

    1 R−θテーブル装置10 ベース11 天板12 底板13,14,15,16 側板17,18,19,21,22,27,23,31,47,48 貫通孔25 ポスト26 ガイド部材30 テーブル35 球面軸受36 作用軸36a 作用軸36の中心線37 駆動装置38 主軸38a 主軸38の中心線44 連結体45 傾斜面46 昇降台50 昇降装置51 回転軸56 ボールネジ60 制御装置70 メネジ加工装置71 オネジ状工具72 加工部73 裾部74,78 締結ボルト75 金属製の素材76 穴77 環状部79 メネジ

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