歯車加工装置

申请号 JP2013164926 申请日 2013-08-08 公开(公告)号 JP2015033732A 公开(公告)日 2015-02-19
申请人 株式会社ジェイテクト; Jtekt Corp; 发明人 OTANI TAKASHI; NAKANO HIROYUKI; GOSHIMA HIROAKI;
摘要 【課題】加工用工具および工作物を高速で同期回転させて切削加工により高 精度 な歯車を加工することができる歯車加工装置を提供すること。【解決手段】加工用工具42Bは、工具刃421BのピッチPbを、歯車Gの歯gのピッチPの2以上の整数倍となるように作製されている。このような加工用工具42Bを歯車加工装置1における切削加工時に使用することにより、工作物Wに同時に 接触 する加工用工具42Bの工具刃421Bの数を削減することができるので、切削抵抗を低減して切削加工時の自励振動の発生を抑え、歯車の歯すじ精度(歯すじのうねり)を向上させることができる。【選択図】図5
权利要求
  • 工作物の回転軸線に対し傾斜した回転軸線を有する加工用工具を用い、前記加工用工具を前記工作物と同期回転させながら前記工作物の回転軸線方向に送り操作して歯車を加工する歯車加工装置であって、
    前記加工用工具の工具刃の間隔は、前記歯車の歯の間隔の2以上の整数倍である、歯車加工装置。
  • 前記加工用工具の工具刃の間隔は、等間隔である、請求項1の歯車加工装置。
  • 前記歯車の歯の間隔と同一の間隔を有する仮の工具刃の数および前記歯車の歯の数の最大公約数は、1より大きい整数とし、前記仮の工具刃の間隔を前記歯車の歯の間隔の2以上の整数倍となるように、前記仮の工具刃を間引きして実際に切削加工する工具刃とする、請求項1又は2の歯車加工装置。
  • 前記歯車の歯の間隔と同一の間隔を有する仮の工具刃の数および前記歯車の歯の数の最小公倍数を前記工具刃の数で除算した値は、1より大きい整数とし、前記仮の工具刃の間隔を前記歯車の歯の間隔の2以上の整数倍となるように、前記仮の工具刃を間引きして実際に切削加工する工具刃とする請求項1〜3の何れか一項の歯車加工装置。
  • 前記除算値は、10以下の整数である、請求項4の歯車加工装置。
  • 前記加工用工具の工具刃の間隔は、不等間隔である、請求項1の歯車加工装置。
  • 说明书全文

    本発明は、加工用工具および工作物を高速で同期回転させて切削加工により歯車を加工する歯車加工装置に関する。

    マシニングセンタ等の工作機械を用いて切削加工により歯車を加工する場合、内歯および外歯を加工する有効な手法として、例えば、特許文献1に記載の加工方法がある。 この加工方法は、回転軸線回りに回転可能な加工用工具、例えば複数枚の工具刃を有するカッターと、加工用工具の回転軸線に対して所定の度で傾斜した回転軸線回りに回転可能な工作物とを高速で同期回転させ、加工用工具を工作物の回転軸線方向に送って切削加工することにより歯を創成する加工方法である。

    しかし、この加工方法では、複数枚の工具刃が工作物に同時に接触するため、切削抵抗が大きくなる傾向にある。 よって、切削加工時に自励振動が発生し易く、歯車の歯すじ精度(歯すじのうねり)を悪化させるおそれがある。 加工用工具の工具径を小さくすれば工具刃の工作物に対する接触枚数は少なくなるが、加工用工具の工具剛性が低下するおそれがある。

    そこで、特許文献2には、加工用工具を工作物に対し変化する送り速度で歯の表面に沿った送り経路方向に移動する加工方法が記載されている。 この加工方法によれば、加工の微細な掻き傷の間隔が歯の表面に沿って不規則になるので、噛み合い雑音、すなわち自励振動を低減することができる。

    特開2012−51049号公報

    特開2005−335061号公報

    上述の特許文献2に記載の加工方法では、加工用工具の送り速度を工作物に対し変化させる必要があるため、送り制御が複雑になり、歯車の歯形形状の高精度化が困難である。

    本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、加工用工具および工作物を高速で同期回転させて切削加工により高精度な歯車を加工することができる歯車加工装置を提供することを目的とする。

    (請求項1)本発明の歯車加工装置は、工作物の回転軸線に対し傾斜した回転軸線を有する加工用工具を用い、前記加工用工具を前記工作物と同期回転させながら前記工作物の回転軸線方向に送り操作して歯車を加工する歯車加工装置であって、前記加工用工具の工具刃の間隔は、前記歯車の歯の間隔の2以上の整数倍である。

    これにより、歯車加工装置における切削加工時において、工作物に同時に接触する加工用工具の工具刃の数を削減することができるので、切削抵抗を低減して切削加工時の自励振動の発生を抑え、歯車の歯すじ精度(歯すじのうねり)を向上させることができる。

    (請求項2)前記加工用工具の工具刃の間隔は、等間隔であるとよい。 これにより、切削加工するときの工具刃の負荷を安定化させることができる。

    (請求項3)前記歯車の歯の間隔と同一の間隔を有する仮の工具刃の数および前記歯車の歯の数の最大公約数は、1より大きい整数とし、前記仮の工具刃の間隔を前記歯車の歯の間隔の2以上の整数倍となるように、前記仮の工具刃を間引きして実際に切削加工する工具刃とするとよい。

    同一の工具刃が同一の歯みぞを切削加工することができれば、工具刃の精度ばらつきが、歯車の歯すじ精度(歯すじのうねり)に影響を及ぼさない。 仮に、最大公約数が1であると、一の歯を切削加工した一の工具刃が再び一の歯を切削加工するまでの加工用工具の回転数は、加工用工具の全周の工具刃の数および歯車の全周の歯の数の積算値となり、非常に大きな値になって歯車の歯すじ精度(歯すじのうねり)の向上が困難になる。 最大公約数が1より大きい整数にすることで、歯車の歯すじのうねりを低減することができる。

    (請求項4)前記歯車の歯の間隔と同一の間隔を有する仮の工具刃の数および前記歯車の歯の数の最小公倍数を前記工具刃の数で除算した値は、1より大きい整数とし、前記仮の工具刃の間隔を前記歯車の歯の間隔の2以上の整数倍となるように、前記仮の工具刃を間引きして実際に切削加工する工具刃とするとよい。

    この除算値は、一の歯を切削加工した一の工具刃が再び一の歯を切削加工するまでの加工用工具の回転数を表している。 よって、除算値が1であると工具刃の数と歯の数とが同一となり、内歯加工の場合に成立しなくなるので、除算値を1より大きい整数とすることにより、内歯加工を成立させることが可能となる。

    (請求項5)前記除算値は、10以下の整数であるとよい。 除算値を小さくすることにより歯車の歯すじ精度(歯すじのうねり)を向上させることができる。
    (請求項6)前記加工用工具の工具刃の間隔は、不等間隔であるとよい。 これにより、切削抵抗が周期的に変化せず不規則に変化することになるので、切削加工時に自励振動が発生し難く、歯車の歯すじ精度(歯すじのうねり)を向上させることができる。

    本発明の実施の形態に係る歯車加工装置の全体構成を示す斜視図である。

    図1の歯車加工装置の概略構成および制御装置を示す図である。

    歯車の歯形形状の誤差である歯すじ誤差を説明するための図である。

    通常使用される加工用工具の概略を示す図である。

    本実施形態の歯車加工装置で使用される加工用工具の概略を示す図である。

    図5の加工用工具の工具刃のピッチを説明するための図である。

    本実施形態の歯車加工装置で使用される別形態の加工用工具を示す図である。

    (1.歯車加工装置の機械構成)
    歯車加工装置1の一例として、5軸マシニングセンタを例に挙げ、図1および図2を参照して説明する。 つまり、当該歯車加工装置1は駆動軸として、相互に直交する3つの直進軸(X,Y,Z軸)および2つの回転軸(A軸、C軸)を有する装置である。

    図1および図2に示すように、歯車加工装置1は、ベッド10と、コラム20と、サドル30と、回転主軸40と、テーブル50と、チルトテーブル60と、ターンテーブル70と、制御装置100等とから構成される。 なお、図示省略するが、ベッド10と並んで既知の自動工具交換装置が設けられている。

    ベッド10は、ほぼ矩形状からなり、床上に配置される。 ただし、ベッド10の形状は矩形状に限定されるものではない。 このベッド10の上面には、コラム20が摺動可能な一対のX軸ガイドレール11a,11bが、X軸方向(平方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。 さらに、ベッド10には、一対のX軸ガイドレール11a,11bの間に、コラム20をX軸方向に駆動するための、図略のX軸ボールねじが配置され、このX軸ボールねじを回転駆動するX軸モータ11cが配置されている。

    コラム20の底面には、一対のX軸ガイド溝21a,21bがX軸方向に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。 コラム20は、ベッド10に対してX軸方向に移動可能なように、一対のX軸ガイド溝21a,21bが一対のX軸ガイドレール11a,11b上にボールガイド22a,22bを介して嵌め込まれ、コラム20の底面がベッド10の上面に密接されている。

    さらに、コラム20のX軸に平行な側面(摺動面)20aには、サドル30が摺動可能な一対のY軸ガイドレール23a,23bがY軸方向(鉛直方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。 さらに、コラム20には、一対のY軸ガイドレール23a,23bの間に、サドル30をY軸方向に駆動するための、図略のY軸ボールねじが配置され、このY軸ボールねじを回転駆動するY軸モータ23cが配置されている。

    コラム20の摺動面20aに対向するサドル30の側面30aには、一対のY軸ガイド溝31a,31bがY軸方向に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。 サドル30は、コラム20に対してY軸方向に移動可能なように、一対のY軸ガイド溝31a,31bが一対のY軸ガイドレール23a,23bに嵌め込まれ、サドル30の側面30aがコラム20の摺動面20aに密接されている。

    回転主軸40は、サドル30内に収容された主軸モータ41により回転可能に設けられ、加工用工具42を支持している。 加工用工具42は、工具ホルダ43に保持されて回転主軸40の先端に固定され、回転主軸40の回転に伴って回転する。 また、加工用工具42は、コラム20およびサドル30の移動に伴ってベッド10に対してX軸方向およびY軸方向に移動する。 なお、加工用工具42としては、本実施形態では複数の工具刃を有するホブがある。

    さらに、ベッド10の上面には、テーブル50が摺動可能な一対のZ軸ガイドレール12a,12bがX軸方向と直交するZ軸方向(水平方向)に延びるように、且つ、相互に平行に形成されている。 さらに、ベッド10には、一対のZ軸ガイドレール12a,12bの間に、テーブル50をZ軸方向に駆動するための、図略のZ軸ボールねじが配置され、このZ軸ボールねじを回転駆動するZ軸モータ12cが配置されている。

    テーブル50は、ベッド10に対してZ軸方向に移動可能なように、一対のZ軸ガイドレール12a,12b上に設けられている。 テーブル50の上面には、チルトテーブル60を支持するチルトテーブル支持部63が設けられている。 そして、チルトテーブル支持部63には、チルトテーブル60が水平方向のA軸回りで回転(揺動)可能に設けられている。 チルトテーブル60は、テーブル50内に収容されたA軸モータ61により回転(揺動)される。

    チルトテーブル60には、ターンテーブル70がA軸に直角なC軸回りで回転可能に設けられている。 ターンテーブル70には、工作物Wがチャッキングされる。 ターンテーブル70は、工作物WとともにC軸モータ62により回転される。

    制御装置100は、主軸モータ41を制御して、工具42を回転させ、X軸モータ11c、Z軸モータ12c、Y軸モータ23c、A軸モータ61およびC軸モータ62を制御して、工作物Wと加工用工具42とをX軸方向、Z軸方向、Y軸方向、A軸回りおよびC軸回りに相対移動することにより、工作物Wの切削加工を行う。

    (2.加工用工具の工具刃)
    上述の歯車加工装置1では、加工用工具42と工作物Wとを高速で同期回転させ、加工用工具42を工作物Wの回転軸線方向に送って切削加工することにより歯を創成する。 この切削加工時においては、通常使用される加工用工具42A(図4参照、詳細は後述する)では、複数枚(例えば、5〜10枚)の工具刃421A(本発明の「仮の工具刃」に相当する)が工作物Wに同時に接触するため、切削抵抗が大きくなる傾向にある。 よって、切削加工時に自励振動が発生し易く、歯車の歯すじ精度(歯すじのうねり)、すなわち図3に示すように、歯車Gの歯gの周方向d1の側面sにおける軸線方向d2の表面粗さの平均値(歯すじ誤差)を悪化させるおそれがある。

    そこで、本実施形態の歯車加工装置1における切削加工時においては、通常使用される加工用工具42Aの工具刃421Aを間引きした加工用工具42B(図5参照、詳細は後述する)を用いる。 すなわち、加工用工具42Bの工具刃421B(本発明の「実際に切削加工する工具刃」に相当する)のピッチ(間隔)Pbは、創成される歯車Gの歯gのピッチ(間隔)Pの2以上の整数倍となる加工用工具42Bを用いる。 ここで、ピッチPb,Pとは、基準線(基準円)Bt、Bg上での隣合う工具刃421B間又は歯g間の距離のことである。

    具体的には、図4に示すように、通常使用される加工用工具42Aは、工具刃421AのピッチPa、すなわち基準線(基準円)Bt上での隣の工具刃421Aまでの距離を、創成される歯車Gの歯gのピッチP、すなわち基準線(基準円)Bg上での隣の歯gまでの距離と同一(Pa=P)となるように作製されている。 そして、加工用工具42Aは、工具刃421AのピッチPaを全周にわたって等間隔となるように作製されている。

    しかし、図5に示すように、本実施形態の歯車加工装置1で使用される加工用工具42Bは、工具刃421BのピッチPb、すなわち基準線(基準円)Bt上での隣の工具刃421Bまでの距離を、歯車Gの歯gのピッチPの2以上の整数倍(本例では、Pb=3P)となるように作製されている。 このような加工用工具42Bを歯車加工装置1における切削加工時に使用することにより、工作物Wに同時に接触する加工用工具42Bの工具刃421Bの数を削減(例えば、1〜3枚)することができるので、切削抵抗を低減して切削加工時の自励振動の発生を抑え、歯車Gの歯すじ精度(歯すじのうねり)を向上させることができる。

    そして、加工用工具42Bは、工具刃421BのピッチPbを全周にわたって等間隔となるように作製されている。 これにより、切削加工するときの工具刃421Bの負荷を安定化させることができる。

    次に、通常使用される加工用工具42Aの全周の工具刃421Aの数の設定方法について説明する。 ここで、歯車Gの全周の歯gの数Ngは既に設定されているとする。 加工用工具42Aの全周の工具刃421Aの数Ntおよび歯車Gの全周の歯gの数Ngの最大公約数が、1より大きい整数となるように工具刃421Aの数Ntを設定する。 同一の工具刃421Aが同一の歯みぞを切削加工することができれば、工具刃421Aの精度ばらつきが、歯車Gの歯すじ精度(歯すじのうねり)に影響を及ぼさない。

    仮に、最大公約数が1であると、一の歯gを切削加工した一の工具刃421Aが再び一の歯gを切削加工するまでの加工用工具42Aの回転数は、加工用工具42Aの全周の工具刃421Aの数Ntおよび歯車Gの全周の歯gの数Ngの積算値(Nt・Ng)となり、非常に大きな値になって歯車Gの歯すじ精度(歯すじのうねり)の向上が困難になる。 最大公約数が1より大きい整数にすることで、歯車Gの歯すじのうねりを低減することができる。

    さらに、工具刃421Aの数Ntおよび歯gの数Ngの最小公倍数を工具刃421Aの数Ntで除算した値が、1より大きい整数であって10以下の整数となるように工具刃421Aの数Ntを設定する。 この除算値は、一の歯gを切削加工した一の工具刃421Aが再び一の歯gを切削加工するまでの加工用工具42Aの回転数を表している。

    よって、除算値が1であると工具刃421Aの数Ntと歯gの数Ngとが同一となり、内歯加工の場合に成立しなくなるので、除算値を1より大きい整数とすることにより、内歯加工を成立させることが可能となる。 また、除算値を10以下の整数とすることにより、歯車Gの歯すじ精度(歯すじのうねり)を向上させることができる。 この場合、加工用工具42Bの工具刃421Bの数はNt・P/Pbとなる。

    具体的には、図6に示すように、工具刃421BのピッチPbを歯gのピッチPの「3倍」とする場合、切削加工がされない歯gの発生を防止するため歯gの数Ngは「3」で割り切れない値とし、工具刃421Aの数Ntは「3」で割り切れる値とする必要がある。

    例えば、歯gの数Ngを「100」に設定し、工具刃421Aの数Ntを「60」に設定した場合、工具刃421Aの数「60」および歯gの数「100」の最小公倍数は「300」となり、この最小公倍数「300」を工具刃421Aの数「60」で除算した値は「5」となり、1より大きい整数であって10以下の整数となる。 この場合、加工用工具42Bの工具刃421Bの数は「20」となる。

    また、歯gの数Ngを「100」に設定し、工具刃421Aの数Ntを「75」に設定した場合、工具刃421Aの数「75」および歯gの数「100」の最小公倍数は「300」となり、この最小公倍数「300」を工具刃421Aの数「75」で除算した値は「4」となり、1より大きい整数であって10以下の整数となる。 この場合、加工用工具42Bの工具刃421Bの数は「25」となる。

    また、歯gの数Ngを「100」に設定し、工具刃421Aの数Ntを「150」に設定した場合、工具刃421Aの数「150」および歯gの数「100」の最小公倍数は「300」となり、この最小公倍数「300」を工具刃421Aの数「150」で除算した値は「2」となり、1より大きい整数であって10以下の整数となる。 この場合、加工用工具42Bの工具刃421Bの数は「50」となり、歯車Gの径よりも大きくなるため外歯の歯車Gのみの加工用工具42Bとなる。

    一方、歯gの数Ngを「100」に設定し、工具刃421Aの数Ntを「45」に設定した場合、工具刃421Aの数「45」および歯gの数「100」の最小公倍数は「900」となり、この最小公倍数「900」を工具刃421Aの数「45」で除算した値は「20」となり、10を超えた整数となるので、工具刃421Aの数「45」では歯車Gの歯すじ精度(歯すじのうねり)の向上は小さくなる。

    以上より、工具刃421Aの数Ntは「60」、「75」、「150」と設定されることになる。 工具刃421Aの数Ntが「60」のときは、加工用工具42Bは、5回転する毎に、一の歯gを切削加工した一の工具刃421Bが再び一の歯gを切削加工する。 また、工具刃421Aの数Ntが「75」のときは、加工用工具42Bは、4回転する毎に、一の歯gを切削加工した一の工具刃421Bが再び一の歯gを切削加工する。 また、工具刃421Aの数Ntが「150」のときは、加工用工具42Bは、2回転する毎に、一の歯gを切削加工した一の工具刃421Bが再び一の歯gを切削加工する。
    以上の結果から、次式(1)が成立する。

    ここで、Nt:工具刃421Aの数、Ng:歯gの数、


    s:工具刃421BのピッチPb/歯gのピッチP、t:歯gの数の約数

    そして、加工用工具42Bの剛性を確保するため、工具長L(回転主軸40の先端面から加工用工具42Bの先端面までの距離)を工具径dで除した値(L/d)が「1」程度となるように設定する。 なお、工具径dは、一般的なモジュールおよび工具刃421Bの数の関係から求めることができる。 そして、式(1)に所定の数を代入することで、工具刃421Aの数Ntを求め、さらに工具刃421Bの数Nt・P/Pbを求めて最終的な加工用工具42Bを作製する。

    (3.加工用工具の工具刃の別形態)
    上述の実施形態では、加工用工具42Bの工具刃421BのピッチPbを全周にわたって等間隔となるように作製したが、図7に示すように、加工用工具42Cの工具刃421CのピッチPc,Pdを全周にわたって不等間隔となるように作製してもよい。

    例えば、歯車Gの歯gのピッチPの2倍(Pc=2P)および3倍(Pd=3P)を繰り返すように作製してもよい。 これにより、切削抵抗が周期的に変化せず不規則に変化することになるので、切削加工時に自励振動が発生し難く、歯車Gの歯すじ精度(歯すじのうねり)を向上させることができる。 なお、不等間隔となる工具刃421Cのピッチは、歯車Gの歯gのピッチPの2倍(Pc=2P)および3倍(Pd=3P)の繰り返しに限定されるものではなく、任意の倍数の組み合わせでよい。

    (4.その他)
    なお、上述した実施形態では、5軸マシニングセンタである歯車加工装置1は、工作物WをA軸旋回可能とするものとした。 これに対して、5軸マシニングセンタは、縦形マシニングセンタとして、工具42をA軸旋回可能とする構成としてもよい。 また、本発明をマシニングセンタに適用する場合を説明したが、歯車加工の専用機に対しても同様に適用可能である。 また、外歯歯車の加工について説明したが、内歯歯車の加工に対しても同様に適用可能である。

    1:歯車加工装置、 42,42A,42B,42C:加工用工具、 421A,421B,421C:工具刃、 G:歯車、 g:歯、 P,Pa,Pb,Pc,Pd:ピッチ、 Nt:工具刃数、 Ng:歯数 W:工作物

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