切削加工方法及び装置、並びに放電加工用リブ電極

申请号 JP2006519468 申请日 2005-03-25 公开(公告)号 JPWO2005092548A1 公开(公告)日 2008-02-07
申请人 株式会社牧野フライス製作所; 发明人 泰久 小菅; 泰久 小菅; 修也 石田; 修也 石田;
摘要 本発明の技術的課題は、ワークのリブ部分を高能率、高 精度 に、切削加工できる切削加工方法及び装置、並びに放電加工用リブ電極を提供することである。そのため、同一平面内で平行又は先端方向に拡開する2本の直線に沿って延設された切刃23a、23bを有した切削工具11を準備し、2本の切刃23a、23bがワークWのリブ部分Rの対向する両側面に係合するように切削工具11をワークWに対して配置し、切削工具11を所望の加工経路に沿ってワークWに対して相対移動させて、ワークWのリブ部分Rの両側面を同時に切削加工するようにした。
权利要求
  • ワークのリブ部分を切削加工する切削加工方法において、
    加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に切削工具の切刃の形状を決定し、
    前記切削工具を加工機械の主軸に装着し、
    前記切削工具を加工すべきリブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせて前記ワークに対して相対移動し、
    前記ワークのリブ部分を所望形状に切削加工することを特徴とした切削加工方法。
  • ワークのリブ部分を切削加工する切削加工方法において、
    切削工具の切刃を加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に作製し、
    前記ワークのリブ部分を回転形の切削工具で荒加工した後、前記切削工具を加工機械の主軸に装着し、
    前記切削工具を加工すべきリブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせて前記ワークに対して相対移動させると共に、前記切削工具の切刃の正面が前記加工経路の前進方向に対して常に直角を維持するように主軸の回転角度を制御して、
    前記切削工具でリブ部分を所望形状に仕上げ加工することを特徴とした切削加工方法。
  • ワークのリブ部分を切削加工する切削加工装置において、
    前記ワークを加工する切削工具を装着する主軸と、
    前記ワークを固定するテーブルと、
    前記主軸と前記テーブルとの間で相対移動を行わせる送り装置と、
    前記ワークの加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状の二叉の切刃を有する切削工具と、
    を具備し、前記二叉の切刃を加工すべきリブ部分の両側面に係合して、リブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせて前記切削工具と前記ワークとを相対移動させ、リブ部分を切削加工することを特徴とした切削加工装置。
  • ワークのリブ部分を切削加工する切削加工装置において、
    前記ワークの加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状の二叉の切刃を有する切削工具と、
    前記ワークのリブ部分を加工する前記切削工具を装着し、回転角度を制御することが可能な主軸と、
    前記ワークを固定するテーブルと、
    前記主軸と前記テーブルとの間でX、Y、Zの3軸方向に相対移動を行わせる送り装置と、
    を具備し、前記二叉の切刃を加工すべきリブ部分の両側面に係合し、リブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせて前記切削工具と前記ワークとを相対移動させると共に、前記切削工具の切刃の正面が前記加工経路の前進方向に対して常に直角を維持するように主軸の回転角度を制御して、リブ部分を切削加工することを特徴とした切削加工装置。
  • 加工機械に装着して、ワークのリブ部分を切削加工する切削工具装置において、
    前記加工機械に装着するシャンク部と、
    前記シャンク部の軸線方向前方に設けられる刃部と、
    前記刃部に設けられ、加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に延設した二叉の切刃と、
    を具備し、前記ワークのリブ部分を切削加工することを特徴とした切削工具装置。
  • 加工機械に装着して、ワークのリブ部分を切削加工する切削工具装置において、
    前記加工機械に装着するシャンク部と、
    前記シャンク部の軸線方向前方に設けられる一対の二叉の腕部材と、
    前記腕部材に設けられ、切刃の間隔及び/又は角度が加工すべきリブ部分の断面形状に対応して調節可能に取付けられたバイトと、
    を具備し、前記ワークのリブ部分を切削加工することを特徴とした切削工具装置。
  • 放電加工機の電極ホルダに取付けられる放電加工用リブ電極において、
    前記電極ホルダの電極を保持する基準に当接する基準面を有し、前記電極ホルダに取付けられる基台部分と、
    前記基台部分から突出して立設され、前記基台部分の基準面を基準にして、加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状の二叉の切刃を有する切削工具で切削加工したリブ部分と、
    を具備し、前記リブ部分の形状を回転形の切削工具で荒加工した後、前記切削工具で仕上げ加工した放電加工用リブ電極。
  • 说明书全文

    本発明は、ワークのリブ部分の加工に適した切削加工方法、切削加工装置及び切削工具装置、並びにその切削工具装置で加工した放電加工用リブ電極に関する。

    プラスチック成形等に用いる金型は、通常はエンドミルやボールエンドミル等により切削加工される。 プラスチック成型品には補強のため薄いリブが配置されている場合が多い。 プラスチック成型品のリブは、一般に先細の勾配が付いた薄い板状の突起部材である。 成型品が薄いリブを有している場合には、リブに対応した金型部分は、リブ電極を用いて放電加工される。 従来は、放電加工に用いるリブ電極は、エンドミルやボールエンドミル等の回転形の切削工具による切削加工、又は研削砥石による研削加工によって作製されている。
    非回転形の切削工具、例えば、ヘールバイトでワークを切削する加工方法は、特公平6−61651号公報に開示されている。 この加工方法は、回転形の切削工具では加工が困難なゴム金型などの凹溝を総形ヘールバイトを用いて切削加工するものである。 また、放電加工用リブ電極を保持具上に位置決めして取付ける装置が、特開2002−52422号公報に開示されている。 この保持具は、リブ電極を上下、左右に係合し、位置決めして取付けるものである。
    近時では製品の軽量化が工業製品一般に求められており、プラスチック成型品のリブもまた薄くすることが求められている。 リブを薄くするためには金型の放電加工に用いるリブ電極もまた薄くしなければならない。 薄いリブ電極をエンドミルやボールエンドミル等の回転形の切削工具により片面ずつ切削加工で創成する場合には、ワークのリブ部分に生じる撓みや振動のために、加工精度が出なく加工が困難である。 特に、リブの厚さに対する高さの比、つまり、アスペクト比が非常に高いリブ電極をエンドミルやボールエンドミル等により切削加工すると、撓みや振動が発生するために、切削負荷がかけられず、加工精度が出ないという問題点がある。 また、薄い板状の放電加工用リブ電極を精度良く加工し、電極の保持具に精度良く取付けることは困難で、加工及び取付け作業に時間がかかるという問題点がある。

    本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを課題としており、本発明の目的は、ワークのリブ部分を高能率に、高精度に切削加工できる切削加工方法、切削加工装置及び切削工具装置、並びに放電加工用リブ電極を提供することである。
    前述の目的を達成するために、本発明によれば、ワークのリブ部分を切削加工する切削加工方法において、加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に切削工具の切刃の形状を決定し、前記切削工具を加工機械の主軸に装着し、前記切削工具を加工すべきリブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせて前記ワークに対して相対移動し、前記ワークのリブ部分を所望形状に切削加工する切削加工方法が提供される。
    切削工具の切刃の形状が加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に決定されるので、切削工具をリブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせてワークに対して相対移動すれば、ワークのリブ部分を片側面ずつ、又は両側面同時に切削加工される。
    また、本発明によれば、ワークのリブ部分を切削加工する切削加工方法において、切削工具の切刃を加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に作製し、前記ワークのリブ部分を回転形の切削工具で荒加工した後、前記切削工具を加工機械の主軸に装着し、前記切削工具を加工すべきリブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせて前記ワークに対して相対移動させると共に、前記切削工具の切刃の正面が前記加工経路の前進方向に対して常に直を維持するように主軸の回転角度を制御して、前記切削工具でリブ部分を所望形状に仕上げ加工する切削加工方法が提供される。
    リブ部分をエンドミルやボールエンドミル等の回転形の切削工具で荒取り加工した後、非回転形の前記切削工具で仕上げ加工を行えば、リブ部分の加工を能率よく行うことができる。
    更に、本発明によれば、ワークのリブ部分を切削加工する切削加工装置において、前記ワークを加工する切削工具を装着する主軸と、前記ワークを固定するテーブルと、前記主軸と前記テーブルとの間で相対移動を行わせる送り装置と、前記ワークの加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状の二叉の切刃を有する切削工具と、を具備し、前記二叉の切刃を加工すべきリブ部分の両側面に係合して、リブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせて前記切削工具と前記ワークとを相対移動させ、リブ部分を切削加工する切削加工装置が提供される。
    二叉の切刃がワークのリブ部分の両側面を挟み込んでリブ部分の長さ方向の加工経路に沿って送られるので、切刃が薄いリブ部分を両側から支持しながら両側面を同時に切削加工できる。 そのため、薄いリブ部分が撓んだり、振動することなく加工することができる。 リブ部分の形状によっては、リブ部分の片側ずつ切削加工してもよい。
    また、本発明によれば、ワークのリブ部分を切削加工する切削加工装置において、前記ワークの加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状の二叉の切刃を有する切削工具と、前記ワークのリブ部分を加工する前記切削工具を装着し、回転角度を制御することが可能な主軸と、前記ワークを固定するテーブルと、前記主軸と前記テーブルとの間でX、Y、Zの3軸方向に相対移動を行わせる送り装置と、を具備し、前記二叉の切刃を加工すべきリブ部分の両側面に係合し、リブ部分の長さ方向の加工経路に沿わせて前記切削工具と前記ワークとを相対移動させると共に、前記切削工具の切刃の正面が前記加工経路の前進方向に対して常に直角を維持するように主軸の回転角度を制御して、リブ部分を切削加工する切削加工装置が提供される� ��
    二叉の切刃を有した切削工具を回転角度が制御可能な主軸に装着し、切削工具とワークとを相対移動させると共に、切刃の向きを制御してリブ部分を切削加工するので、曲線形状を有するリブ部分の加工が容易である。
    更に、本発明によれば、加工機械に装着して、ワークのリブ部分を切削加工する切削工具装置において、前記加工機械に装着するシャンク部と、前記シャンク部の軸線方向前方に設けられる刃部と、前記刃部に設けられ、加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に延設した二叉の切刃と、を具備し、前記ワークのリブ部分を切削加工する切削工具装置が提供される。
    加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に切削工具の切刃を作製し、加工機械の主軸に装着してワークを加工すれば、切刃の形状と同一形状にリブ部分の加工が行える。
    また、本発明によれば、加工機械に装着して、ワークのリブ部分を切削加工する切削工具装置において、前記加工機械に装着するシャンク部と、前記シャンク部の軸線方向前方に設けられる一対の二叉の腕部材と、前記腕部材に設けられ、切刃の間隔及び/又は角度が加工すべきリブ部分の断面形状に対応して調節可能に取付けられたバイトと、を具備し、前記ワークのリブ部分を切削加工する切削工具装置が提供される。
    この切削工具装置によれば、加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に合わせて、切刃の形状を調節してワークを加工するので、種々の厚みや勾配をもったリブ部分の加工が行える。
    更に、本発明によれば、放電加工機の電極ホルダに取付けられる放電加工用リブ電極において、前記電極ホルダの電極を保持する基準に当接する基準面を有し、前記電極ホルダに取付けられる基台部分と、前記基台部分から突出して立設され、前記基台部分の基準面を基準にして、加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状の二叉の切刃を有する切削工具で切削加工したリブ部分と、を具備し、前記リブ部分の形状を回転形の切削工具で荒加工した後、前記切削工具で仕上げ加工した放電加工用リブ電極が提供される。
    放電加工用リブ電極を基台部分とリブ部分とで構成し、基台部分の基準面を基準にして、リブ部分を基台部分と一体的に加工する。 リブ部分の加工は、エンドミル等の回転形の切削工具で荒取り加工した後、前記切削工具で所望寸法に仕上げ加工される。 こうして加工された放電加工用リブ電極の基台部分の基準面を放電加工機の電極ホルダの基準に当接させて、リブ電極を電極ホルダに取付ける。
    本発明によれば、加工すべきリブ部分の断面形状に対応した形状に切削工具の切刃の形状を決定し、その形状に切刃を作製して使用するので、リブ部分の加工が、切削工具をリブ部分の長さ方向の加工経路に沿って相対移動するだけで加工できる。 従来のエンドミルやボールエンドミル等の回転形の切削工具による切削加工と比べ、加工能率、仕上げ面の品位の点で優れている。 切削工具の切刃の形状を加工すべきリブ部分の断面形状に応じて作製し、二叉の切刃を有した切削工具でリブ部分の両側面を同時に切削加工することができる。 この場合、切刃が薄いリブ部分を両側から支持しながら加工することになり、リブ部分の撓みや振動がなく、加工能率や加工精度が向上する。 また、切刃の形状を調節できるようにしたので、1個の切削工具装置で種々の厚みや勾配のリブ部分の加工が行える。 リブ部分の荒加工後切刃の間隔を狭くして仕上げ加工を行うことができ、用意する切削工具の種類を減らすことができる。 更に、リブ電極の基台部分とリブ部分を一体的に加工するので、リブ電極全体の加工精度が良い。 そして、基台に基準面を有しているので電極ホルダにリブ電極を取付ける作業が容易である。

    図1A〜Cは、本発明による切削加工方法及び切削工具装置の第1の実施の形態を示す図であり、図1Aは切削工具装置を正面から見た切削状態を示す正面図、図1Bは図1Aにおいて切削工具装置を矢視線IBの方向に見た側面図、図1Cは図1Aの矢視線IC−ICに沿った切削工具装置の断面図である。
    図2A〜Cは、本発明による切削工具装置の第2の実施の形態を示す図であり、図2Aは切削工具装置をバイト正面から見た正面図、図2Bは図2Aにおいて切削工具装置を矢視線IIBの方向に見た側面図、図2Cは図2Aの矢視線IIC−IICに沿った切削工具装置の断面図である。
    図3は、本発明による切削加工装置の実施の形態を示す斜視図である。
    図4は、S字状に湾曲したリブ部分を有したワークの斜視図である。
    図5は、リブ部分が2つ平行に立設した放電加工用リブ電極を示す斜視図である。

    以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。
    先ず、図3を参照して、本発明の切削加工装置の実施の形態を説明する。 切削加工装置101は、コラム103、コラム103の下前方部に設けられたX−Y送り機構105、X−Y送り機構105に設けられワークを固定するテーブル107、コラム103の上前方部に設けられたZ軸送り機構109、Z軸送り機構109に取付けられ主軸111を回転可能に支持する主軸頭113を主要な構成要素として具備している。
    X−Y送り機構105は、平面内で直交するX軸及びY軸方向に延設されたボールネジより成るX−Y軸の送り軸115a、117a、テーブル107の下面に設けられX−Y軸の送り軸115a、117aに係合するナット(図示せず)、X−Y軸の送り軸115a、117aの各々の一端に連結されたサーボモータより成るX−Y軸の送りモータ115、117を具備している。 Z軸送り機構109は、X−Y軸に直交するZ軸方向に延設されたボールネジより成るZ軸の送り軸119a、主軸頭113に設けられZ軸の送り軸119aに係合するナット(図示せず)、Z軸の送り軸119aの一端に連結されたサーボモータより成るZ軸の送りモータ119を具備している。
    主軸111はZ軸に平行な中心軸線を中心としてC軸方向に回転自在に主軸頭113に支持されている。 本明細書では、主軸111の中心軸線回りの回転送り軸をC軸と定義する。 主軸111は、その先端又は下端がテーブル107に対面するように主軸頭113に支持されている。 主軸111の後端又は上端には、主軸111のC軸回転位置制御をするサーボモータより成るC軸送りモータ121が連結されている。 主軸111の先端には、後述する切削工具Tを装着、固定するための工具固定手段(図示せず)が設けられている。 この工具固定手段は、例えば、主軸111の先端に形成したテーパ穴と、切削工具Tを前記テーパ穴内に引き込むドローバー等を含む。 この工具固定手段は、主軸111の先端に設けた工具チャック装置で形成してもよい。
    X、Y、Z軸の送りモータ115、117、119及びC軸送りモータ121は、工作機械101のNC装置123に接続されている。 NC装置123に格納されている加工プログラムに従って、X、Y、Z軸の送りモータ115、117、119及びC軸送りモータ121を制御することにより、主軸111に装着された切削工具Tとテーブル107に固定されたワークとが相対移動し、ワークが所望形状に加工される。
    次に、図1A〜Cを参照して、本発明の切削工具装置の第1の実施の形態を説明する。 図1A〜Cにおいて、第1の実施の形態による切削工具11は、工作機械101の主軸111の先端に装着するシャンク部13、シャンク部13の軸線方向前方、すなわち、図1A及びBにおいて下方部に設けられた刃部15を具備している。 シャンク部13は、本実施の形態では、中心軸線Oに沿って延設された柱状部材、好ましくは円柱状の部材より成る。 切削工具11は、前述の工具固定手段によって、シャンク部13を主軸111に固定することにより、主軸111の先端に装着される。 このとき、切削工具11の中心軸線Oは切削加工装置101のC軸中心に一致することが望ましい。
    本実施の形態においては、刃部15は軸方向に延びるスリット27を挟んでシャンク部13から軸方向に延びる二叉形状をしている。 二叉形状は一対の腕部15a、15bより成り、この腕部15a、15bの各々には切削工具11の中心軸線Oに平行な同一平面で切り欠いたすくい面17a、17bが形成されている。 このすくい面は、適宜すくい角を持って形成されてもよい。 本明細書では、すくい面17a、17bを有する面を切削工具11の正面と定義して、切削工具11を図1Bに示す矢印Fの方向に移動させてワークWのリブ部分Rを切削するものとする。 図1Bに示されているように、すくい面17a、17bは、中心軸線Oより前方にシフトした位置に形成しているが、中心軸線Oと一致する位置に形成すれば、主軸111のC軸回転位置制御が容易になり、更に望ましい。
    図1Cを参照すると、スリット27によって、すくい面17a、17bから後方へ拡開する第1の逃げ面19a、19bが、腕部15a、15bの各々の内側の表面に形成される。 すくい面17a、17bと、第1の逃げ面19a、19bとにより、第1の切刃23a、23bが腕部15a、15bの各々に形成される。 第1の切刃23a、23bは、互いに平行な直線状に延設され、又は中心軸線Oに沿って基端側から先端方向、すなわち、シャンク部13側から腕部15a、15bの先端方向へ徐々に広がるように直線状に若しくは曲線状に延設されている。 第1の切刃23a、23bは、互いに対向して二叉形状に形成されている。
    更に、図1A及びBを参照すると、腕部15a、15bの各々の先端には、第2の逃げ面21a、21bが形成されており、すくい面17a、17bと第2の逃げ面21a、21bとにより、腕部15a、15bの各々の先端に第2の切刃25a、25bが形成される。 第2の切刃25a、25bの各々は、本実施の形態では切削工具11の正面から見て中心軸線Oに直交する同一直線に沿って延設されている。
    一方、図1A及びBにおいて、ワークWは、工作機械101のテーブル107に直接又はパレットを介して固定される平板状のベース部分Bと、このベース部分Bの上面から突出して直線状に立設された薄板より成るリブ部分Rとを有している。 リブ部分Rの対向する両側面は、平行又は先端方向に収斂する勾配を付けて、最終製品に近い形状にエンドミルやボールエンドミル等により荒取り加工(前加工)が成されている。
    以下、本実施の形態の作用及び本発明の切削加工方法を説明する。 切削工具11のシャンク部13が、切削加工装置101の主軸111の先端に装着される。 切削加工プロセスが開始されると、切削加工装置101のX、Y、Z軸の送り機構105、109により、切削工具11が、図1Bにおいて、リブ部分Rの右上隅の加工開始位置に位置合わせされる。 切削工具11の第1の切刃23a、23bと第2の切刃25a、25bがリブ部分Rの両側面に係合すると同時に、第2の切刃25a、25bがZ軸方向に所定の切込み量δを以て係合して、切削工具11がリブ部分Rの長さ方向の加工経路に沿って切削方向Fへ送られる。 これにより、第1の切刃23a、23bによってリブ部分Rの両側面が同時に薄く切削加工される。 第1の切刃23a、23bと第2の切刃25a、25bがワークWの左縁端へ到達すると、切削工具11は、Z軸に沿って引き上げられ、ワークWの右端縁へ送られ、前回加工された加工面に対して切込み量δを以てZ軸方向へ送られ、再び切削方向Fへ送られる。 これを繰り返すことにより、ワークWのリブ部分Rが、図1Bにおいて上方部分から下方部分へ少しずつ切削加工される。
    このように、本実施の形態では、第1の切刃23a、23bがリブ部分Rの対向する両側面に係合するように、切削工具11をワークWに対して配置する。 そして、切削工具11を所望の加工経路(本実施の形態ではリブ部分Rの長さ方向に直線状又は曲線状の加工経路)に沿って、ワークWに対して移動させてリブ部分Rの両側面を同時に切削加工するようにしている。 これにより、リブ部分Rにおいて切削されている両側面は、図1Aに示すように、切削工具11の2つの第1の切刃23a、23bにより各々反対方向に支持されるために、加工中にリブ部分Rが撓んだり、振動することがなく、安定した切削加工が行える。 この切削加工方法によれば、リブ部分の先端の厚みに対するリブ高さの割合であるアスペクト比が、10〜200であっても加工することができる。 例えば、通常では加工が困難とされている、リブ先端の厚みが1mm、リブ高さが100mm、リブ長さが80mmのグラファイトで成るアスペクト比100のワークでも高能率、高精度に加工することができる。
    次に、図2A〜Cを参照して、本発明による切削工具装置の第2の実施の形態を説明する。 図2A〜Cにおいて、第2の実施の形態による切削工具31は、円柱状のシャンク部35及びこのシャンク部35の軸線方向前方、すなわち、図2A及びBにおいて下方部に設けられた一対の腕部37a、37bを有したホルダ33を具備している。 腕部37a、37bの各々は、刃部を形成するバイト39a、39bを取付けるためのバイト取付面38a、38bが形成されている。 バイト39a、39bには、略横断方向に延びる複数の長孔57が形成されている。 腕部37a、37bのその対応箇所に形成された内ネジに固定ボルト55を螺合することにより、バイト39a、39bは、腕部37a、37bに固定される。 これによって、バイト39a、39bが腕部37a、37bを介してシャンク部35に結合される。
    バイト39a、39bは、第1の実施の形態による切削工具11と同様のすくい面41a、41b、第1の逃げ面43a、43b及び第2の逃げ面47a、47bを有している。 すくい面41a、41bと第1の逃げ面43a、43bとにより第1の切刃45a、45bが形成される。 すくい面41a、41bと第2の逃げ面47a、47bとにより第2の切刃49a、49bが形成される。 第2の切刃49a、49bは、切削工具31の正面から見て中心軸線Oに関して略横断方向に延設されている。 第1の切刃45a、45bは、第1の実施の形態と同様に、互いに平行な直線状に延設され、又は中心軸線Oに沿って先端から基端方向へ収斂するように直線状若しくは曲線状に延設されている。 第1の切刃45a、45bが互いに対向して二叉形状になるように取付けられている。
    本実施の形態では、このように、バイト39a、39bをホルダ33に対して着脱可能に取付けるようにしたので、第1の切刃45a、45bと第2の切刃49a、49bの再研削が容易になる。 ボルト孔57をバイト39a、39bの略横断方向に延びる長孔に形成したので、第1の切刃45a、45bの間の幅及び角度が調節可能となる。 つまり、リブ部分の厚みや勾配に応じて切刃45a、45bの形状が調節可能である。 なお、第2の実施の形態による切削工具31によるワークWの切削作用は、第1の実施の形態と概ね同一であるので、その詳細な説明を省略する。
    また、腕部37a、37bの基端部又はシャンク部35に隣接した部分にピン51を植設すると共に、腕部37a、37bの基端部にピン孔として、バイト39a、39bの略横断方向に延びる長孔53a、53bを形成している。 ピン51と長孔53a、53bとを係合させることにより、腕部37a、37bに対するバイト39a、39bの位置決めが容易になる。 バイト39a、39bの取付けに際して、バイト39a、39bの間に位置決め部材(図示せず)を適宜配置することにより、腕部37a、37bに対するバイト39a、39bの位置決めが一層容易になる。 すくい面41a、41bが切削工具31の中心軸線O沿いに延設されるように、或いは、すくい面41a、41bが中心軸線Oを含むように、バイト39a、39b及びバイト取付面38a、38bを形成すれば、主軸111のC軸制御のためのプログラムが容易になる。
    次に、図5を参照して、本発明による放電加工用リブ電極の実施の形態を説明する。 放電加工機用リブ電極201は、基台部分203とリブ部分205とで構成され、両部分は一体的に形成されている。 リブ部分205は基台部分203に接する基部に補強部分207を有している。 リブ部分205は、厚さ方向は平行又は先細の勾配を持って形成され、長さ方向は直線又は曲線で形成される。 図5に示すリブ電極のリブ部分205は、2つが平行に立設され、リブ部分205はY方向位置に対してZ方向の高さが変化している。
    基台部分203は、X方向の基準面211、Y方向の基準面213及びZ方向の基準面215を有している。 電極材料に予め各基準面211、213、215を加工しておく。 リブ部分205の加工は、その基準面211、213、215を基準にして、エンドミルやボールエンドミル等の回転形の切削工具で荒取り加工を行い、次に本発明の切削工具装置を用いて仕上げ加工を行う。 この切削加工は、図5に示すリブ電極201においては、切削工具をY方向、すなわち、手前側から後方側に加工経路に沿って移動させながら、Z方向に高さ位置を制御することによって行われる。
    以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明がこれに限定されず種々の変更と修正が可能であることは当業者の当然とするところである。
    前述の実施の形態では、切削加工装置101は、テーブル107が水平面内でX、Y軸方向に移動できるようになっている。 本発明はこれに限定されず、テープル107がX、Y軸の何れか一方の方向に移動し、コラム103が他の方向に移動できるようにしてもよい。 また、切削加工装置101は、テーブル107に固定されたワークと主軸111の先端に装着された切削工具とを直交3軸方向と主軸111を中心としたC軸方向に相対移動できる旨説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されない。 切削加工装置101は、テーブル107に固定されたワークと主軸111の先端に装着された切削工具とを、少なくとも主軸111に平行なZ軸方向、Z軸回りのC軸方向及びX、Y軸の何れか一方の方向に相対移動できればよい。 この場合には、図1A〜Cに示したような、直線に沿って延設された薄板状のリブ部分Rを加工することが可能である。 更に、工作機械101のZ軸は図3に示すように鉛直方向でなくともよく、例えば、主軸111が水平方向に構成された工作機械101であってもよい。
    また、第1の切刃23a、23b及び45a、45bは、互いに平行に延設され、又は中心軸線Oに沿って基端側から先端方向へ徐々に広がるように形成される旨説明したが、本発明はこれに限定されず、第1の切刃23a、23b及び45a、45bの一方を中心軸線Oに平行に、他方を基端側から先端方向へ中心軸線Oから離反するように形成してもよい。 つまり、第1の切刃23a、23b及び45a、45bは中心軸線Oに関して対称である必要はない。 要は、加工すべきワークのリブ部分の形状に対応した形状をしていればよい。 切刃は二叉形状に限らず三叉でもよい。 リブ部分の厚みに丁度合った間隔の切刃を用いず、少し大きめの間隔の切刃を用いて、リブ部分の片側面ずつを切削加工してもよい。 また、第2の切刃25a、25b及び49a、49bもまた中心軸線Oに関して対称である必要はなく、要求されるワークWの形状、特にベース部分Bの上面の形状に適合するように形成されればよい。 第1の切刃23a、23b及び45a、45bと第2の切刃25a、25b及び49a、49bの交点を面取りしたり、所定半径の円弧形状としてもよい。
    前述の実施の形態では、ワークWはベース部分Bから平板壁状に突出するリブ部分Rを有している旨説明したが、本発明はこれに限定されず、リブ部分Rは種々の形態とすることができる。 例えば、図4に示すワークWは、ベース部分Bから突出するリブ部分RがS字状に湾曲している。 図5に示すリブ電極201のリブ部分205の高さはY方向位置に対してZ方向の高さが変化している。 こうした形状のリブ部分Rは、切削加工装置101のC軸及びZ軸を制御することにより加工が可能である。 なお、ワークWの材質はグラファイト、銅、アルミニウム、鋳物、鋼等何でもよい。

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