切削工具

申请号 JP2013178863 申请日 2013-08-30 公开(公告)号 JP6264784B2 公开(公告)日 2018-01-24
申请人 株式会社ジェイテクト; 发明人 今井 亮介; 鉦打 栄治; 山田 芳正; 鍋島 弘一;
摘要
权利要求

軸部材に対して往復動させることによって、前記軸部材の外周に軸方向に形成されたスプラインを加工する円筒状の切削工具であって、 周方向に互いに間隔を空けて内周に形成され、径方向内方へ突出する複数の突出部を含み、 前記突出部は、前記軸方向の往動側である一端側に往動方向に向けて形成された第1の刃部と、前記軸方向の復動側である他端側に復動方向に向けて形成された第2の刃部とを含み、 前記第1の刃部および前記第2の刃部のそれぞれが、前記軸部材に食い付く食付き部と、前記軸部材の削りくずを逃がす仕上げ部と、前記軸部材との接触を避ける逃がし部とを含み、 前記逃がし部が、前記突出部の径方向端面に形成され前記軸方向に対して傾斜した面を有する、第1逃がし部を含むことを特徴とする、切削工具。前記逃がし部は、前記突出部の周方向端面に形成され前記軸方向に対して傾斜する面を有する、第2逃がし部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の切削工具。

说明书全文

本発明は、スプラインシャフトにスプラインを加工する切削工具に関する。

自動車の操装置のステアリングシャフトは、走行する際に発生する軸方向の変位を吸収し、ステアリングホイール上にその変位や振動を伝えない性能が要求される。さらに、運転者が自動車を運転するのに最適なポジションを得るためにステアリングホイールの位置を軸方向に移動し、その位置を調整する機能が要求される。これらの何れの場合にも、ステアリングシャフトは、ガタ音を低減すること、ステアリングホイール上のガタ感を低減すること、及び軸方向の摺動動作時における摺動抵抗を低減することが要求される。

ステアリングシャフトは、雄スプラインが形成された雄スプラインシャフトと雌スプラインが形成された雌スプラインシャフトとが回転不能に且つ摺動自在に嵌合して構成している。従来、雄スプラインシャフトは、円柱状軸部材の外周に軸方向の雄スプライン歯元を円周方向に配置し、その上に摺動性に優れた樹脂層を成形して、雄スプラインが形成されている。その雄スプラインの樹脂層の形成には、樹脂層の膜厚を厚めに成形した後、切削加工等により所定の膜厚に仕上げている。(特許文献1)

従来の切削加工では、まず図8に示すように雄スプラインシャフト21の両端面の軸中心に設けられた中心位置決め用テーパ穴30 、31に、正面側押さえ治具26に設けられた中心ピン28および背面側押さえ治具27に設けられた中心ピン29を嵌合させ、正面側押さえ治具26および背面側押さえ治具27により雄スプラインシャフト21を挟み込むことで、この雄スプラインシャフト21を支持する。

切削工具25は、内周に雌スプライン状に形成された刃部を備え、前記刃部は、軸方向の一端側に設けられ、一端側に向けられている。

雄スプラインシャフト21を各押さえ治具26、27とともに切削工具25に対して往動させて、雄スプラインシャフト21に厚めに形成された樹脂層は、切削工具25により削り落とされて所定の膜厚に仕上げ加工される。前記往動の後、雄スプラインシャフト21から切削工具25を抜き取る。

特開2002−263951号公報

従来の切削加工では、雄スプラインシャフトの中には雄スプラインよりワーク最大径が大きい部分を一端にもつものがあり、その形状のものは前記往動後に切削工具を抜ききることができない。そのため、復動によって加工した箇所に再度切削工具を通し、切削工具を抜く必要がある。切削工具は加工する方向の片側にしか刃部が付いていないため、往動の加工でスプリングバックして既定通り切削できなかった量の樹脂層をむしることとなる。したがって、雄スプラインより径が大きい部分が一端に存在する雄スプラインシャフトには、適用できない。

本発明は上記の事情に鑑みて提案されたものであって、雄スプラインシャフトに雄スプラインより径が大きい部分が一端にあっても、切削工具を往復動させて、雄スプラインを加工することができる切削工具を提供することを目的とする。さらに、雄スプラインより径が大きい部分を一端に持たない雄スプラインシャフトに対し、雄スプラインを精度良く加工することができる切削工具を提供することを目的とする。

本発明は上記目的を達成するために、軸部材に対して往復動させることによって、前記軸部材の外周に軸方向に形成されたスプラインを加工する円筒状の切削工具であって、周方向に互いに間隔を空けて内周に形成され、径方向内方へ突出する複数の突出部を含み、前記突出部は、前記軸方向の往動側である一端側に往動方向に向けて形成された第1の刃部と、前記軸方向の復動側である他端側に復動方向に向けて形成された第2の刃部とを含み、前記第1の刃部および前記第2の刃部のそれぞれが、前記軸部材に食い付く食付き部と、前記軸部材の削りくずを逃がす仕上げ部と、前記軸部材との接触を避ける逃がし部とを含み、前記逃がし部が、前記突出部の径方向端面に形成され前記軸方向に対して傾斜した面を有する、第1逃がし部を含むことを要旨としている。

本発明によれば、スプラインを加工する切削工具に、前記軸方向の往動側である一端側にスプラインを加工する第1の刃部を形成し、前記軸方向の復動側である他端側にスプラインを加工する第2の刃部を形成しているため、往復動によるスプラインの加工ができる。そのため、往動の加工でスプリングバックして既定通り切削できなかった箇所を復動の加工でスプラインを精度よく仕上げることができる。

求項2に記載の発明は、前記逃がし部は、前記突出部の周方向端面に形成され前記軸方向に対して傾斜した面を有する、第2逃がし部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の切削工具である。

本発明によれば、切削工具を往復動させても樹脂層のむしれが発生しないので、雄スプラインより径が大きい部分が一端にある雄スプラインシャフトに対し、雄スプラインを加工することができる切削工具およびその切削工具を使用したスプライン加工方法を提供することができる。さらに、雄スプラインより径が大きい部分を一端に持たない雄スプラインシャフトに対し、雄スプラインを精度良く加工することができる切削工具およびその切削工具を使用したスプライン加工方法を提供することができる。

本発明の一実施形態に係るスプライン加工の切削加工を示す側面図。

本発明の一実施形態に係るスプライン加工する雄スプラインシャフトを示す正面断面図。

本発明の一実施形態に係る図2のZ−Z断面図。

本発明の一実施形態に係る切削工具の正面図。

本発明の一実施形態に係る図4のA−A断面図。

本発明の一実施形態に係る図4のB−B断面図。

本発明の一実施形態に係る雄スプラインシャフトの歯と切削工具の刃との位置関係を示す説明図。

従来の切削加工を示す側面図。

以下、図に基づいてスプライン加工の構成について説明する。 図1は本発明の一実施形態に係るスプライン加工を示すための側面図であり、図2、図3はそのスプライン加工で使用する雄スプラインシャフト1を示す正面図および側面断面図である。

図2および図3にもとづいて雄スプラインシャフト1について説明する。 雄スプラインシャフト1は、金属製の円柱状の軸部材であり、この軸部材の外周に軸方向のスプライン歯元1aを円周方向に複数配置し、その上に樹脂層1bを成形して、雄スプラインを形成している。雄スプライン表面は、ナイロン系樹脂等による樹脂層1bで形成され、ここでは、樹脂層1bの膜厚を求められる膜厚(例えば100〜200μm程度)より厚め(例えば500μm程度)に形成している。

さらに、雄スプラインシャフト1の一端面には、これの軸中心に中心位置決め用テーパ穴11を形成し、この軸中心よりも径方向外方に位置決め用テーパ穴(位置決め部)12を形成している。

次に、図1にもとづいてスプライン加工装置の構成について説明する。スプライン加工装置は、雄スプラインシャフト1の軸方向の一側に配置された正面側押さえ治具8と、雄スプラインシャフト1の軸方向の他側に配置された背面側押さえ治具6と、雄スプラインシャフト1の軸方向に移動して加工する切削工具2とを備えている。正面側押さえ治具8は、テーパ状の先端部を有する中心ピン9および位置決めピン5を備え、背面側押さえ治具6は、テーパ状の先端部を有する中心ピン7を備えている。

中心ピン9は、中心位置決め用テーパ穴11に嵌合し、中心ピン7は、中心位置決め用テーパ穴13に嵌合する。こうすることで、雄スプラインシャフト1および切削工具2が同軸に配置される。

位置決め用テーパ穴(位置決め部)12は、位置決めピン5に嵌合し、図7に示すように後で詳述する切削工具2の溝部2bに雄スプラインの歯が位置するように切削工具2に対するスプラインシャフト1の周方向位置が決定される。

次に、本発明の一実施形態に係る切削工具2について、図4、図5、図6を参照して説明する。 図4は切削工具2を示す正面図である。図5は、図4のA−A線における切削工具2の断面図であり、図6は、図4のB−B線における切削工具2の断面図である。

切削工具2は、切削に適した合金工具鋼または高速度工具鋼等の金属材料から円盤状に形成され、内周にスプライン状に形成されている。スプライン状に形成するために、内周に断面台形形状の突出部2aが内径側へ突出して形成され、一対の突出部2a間に断面台形形状の溝部2bが形成されている。突出部2aおよび溝部2bは、円周方向に等間隔に設けられ、軸方向に延びている。

切削工具2は、両端、すなわち突出部2aおよび溝部2bの両端に第1の刃部3および第2の刃部4を備えている。第1の刃部3は、突出部2aおよび溝部2bの一端側で一端側に向けて形成されており、第2の刃部4は、突出部2aおよび溝部2bの他端側で他端側に向けて形成されている。

図5および図6に示すように第1の刃部3は、樹脂層1bに食い付く食付き部3aと、樹脂層1bの削りくずを逃がす仕上げ部3bと、樹脂層1bの接触を避ける逃げ部3cとで構成されている。

食付き部3aは、突出部2aおよび溝部2bの一端側の部に形成され、鋭角を持っている。

仕上げ部3bは、突出部2aおよび溝部2bの一端側の端面に形成され、食付き部3aから外径方向あるいは円周方向に傾斜角αで持って傾斜した面を持っている。仕上げ部3bのうち、突出部2aの内径側および溝部2bの内径側は、外径方向に傾斜角αで持って傾斜した面を持つ。仕上げ部3bのうち、突出部2aの溝部2b側は、円周方向に傾斜角αで持って傾斜した面を持つ。

逃がし部3cは、突出部2aおよび溝部2bの側面に形成され、食付き部3aから軸方向に傾斜角βで持って傾斜した面を持っている。

第2の刃部4は、樹脂層1bに食い付く食付き部4aと、樹脂層1bの削りくずを逃がす仕上げ部4bと、樹脂層1bの接触を避ける逃げ部4cとで構成されている。

食付き部4aは、突出部2aおよび溝部2bの他端側の角部に形成され、鋭角を持っている。

仕上げ部4bは、突出部2aおよび溝部2bの他端側の端面に形成され、食付き部4aから外径方向あるいは円周方向に傾斜角αあるいは傾斜角βで持って傾斜した面を持っている。仕上げ部4bのうち、突出部2aの内径側および溝部2bの内径側は、外径方向に傾斜角αで持って傾斜した面を持つ。仕上げ部4bのうち、突出部2aの溝部2b側は、円周方向に傾斜角βで持って傾斜した面を持つ。

逃がし部4cは、突出部2aおよび溝部2bの側面に形成され、食付き部4aから軸方向に傾斜角で持って傾斜した面を持っている。

次に、図1に示す切削工具を備えたスプライン加工装置を使用して、スプライン加工を説明する。

雄スプラインシャフト1を正面側押さえ治具8および背面側押さえ治具6間に配置し、正面側押さえ治具8の中心ピン9を中心位置決め用テーパ穴11に嵌合し、背面側押さえ治具6の中心ピン7を中心位置決め用テーパ穴13に嵌合して、雄スプラインシャフト1および切削工具2を同軸に配置する。

位置決め用テーパ穴(位置決め部)12に位置決めピン5を嵌合し、切削工具2の溝部2bに雄スプラインシャフト1のスプライン歯元1aが位置するように切削工具2に対する雄スプラインシャフト1の周方向位置を決定する。

次に、雄スプラインシャフト1を正面側押さえ治具8および背面側押さえ治具6とともに、軸方向において切削工具2側へ移動させ、雄スプラインシャフト1を切削工具2内に通す。

雄スプラインシャフト1の樹脂層1bに第1の刃部3の食付き部3aを食付かせ、切削加工方向始端側から切削加工方向終端側へ向けて第1の切削工程の往動で樹脂層1bの一部を除去し、雄スプラインを加工する。

その後、雄スプラインシャフト1の樹脂層1bに第2の刃部4の食付き部4aを食付かせ、切削加工方向終端側から切削加工方向始端側へ向けて第2の切削工程の復動で樹脂層1bの一部を除去し、雄スプラインを仕上げ加工する。第1の切削工程の往動でスプリングバックして加工できなかった量を、往動で除去加工するので雄スプラインを精度良く仕上げることができる。雄スプラインシャフト1に雄スプラインより径が大きい部分が存在する場合でも、樹脂層1bが復動でむしれることが無くなり、雄スプラインの加工が行える。

最後に、正面側押さえ治具8および背面側押さえ治具6から雄スプラインシャフト1を取り外しスプライン加工が完了する。

本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。

上述した実施形態は、第1の刃部3と第2の刃部4は、同じ形状で同じ寸法としている。他の実施形態において、第1の刃部3と第2の刃部4は、異なる形状で異なる寸法としても良い。例えば、円周方向の傾斜角α、軸方向の傾斜角βの大きさを異なるものとしてもよい。うまく調整すれば、より精度良く仕上げることができる。

1…雄スプラインシャフト、1a…スプライン歯元、1b…樹脂層、2…切削工具、3…第1の刃部、4…第2の刃部、5…位置決めピン、6…背面側押さえ治具、8…正面側押さえ治具、 7、9…中心ピン、12…位置決め用テーパ穴、11 、13…中心位置決め用テーパ穴

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