Cutter blade, processing equipment

申请号 JP2013548684 申请日 2013-10-11 公开(公告)号 JP5579332B1 公开(公告)日 2014-08-27
申请人 日本省力機械株式会社; 发明人 章夫 田中;
摘要 高価なカッター刃を用いたり、特別な加工方法を採用したりしなくても、例えばFRP等の複合材料の加工が行えるカッター刃及び加工装置を提供する。
6軸垂直多関節ロボット(3)に空圧シリンダ(5A,5A)を設け、空圧シリンダ(5A,5A)を介してカッター刃(10)を設けた加工装置(1)において、カッター刃(10)が樹脂成型品(20)に対応した倣い部(10B)と、倣い部(10B)の近傍に刃先が 位置 し、刃物 角 (β)が15〜120°の切れ刃部(10A)と、を一体に備えた。
权利要求
  • ロボットに付勢機構を介して取り付けられるカッター刃において、
    前記付勢機構によりワークの面部に押し付けられる倣い面と、
    前記倣い面とすくい面とで形成される稜線に刃先が位置し、前記倣い面の後方に逃げ部を備え、振動子により振動する、刃物角が30〜80° 切れ刃部と、を一体に備えたことを特徴とするカッター刃。
  • ロボットに付勢機構を介して取り付けられるカッター刃において、
    前記付勢機構によりワークの面部に押し付けられる倣い面と、
    前記倣い面とすくい面とで形成される稜線に刃先が位置し、前記倣い面の後方に逃げ部を備え、刃物角 95〜115°の切れ刃部と、を一体に備えたことを特徴とするカッター刃。
  • カッター刃本体が、平板状であることを特徴とする請求項1又は2記載のカッター刃。
  • ロボットに付勢機構を介してカッター刃を設けた加工装置において、
    前記カッター刃が、
    前記付勢機構によりワークの面部に押し付けられる倣い面と、
    前記倣い面とすくい面とで形成される稜線に刃先が位置し、前記倣い面の後方に逃げ部を備え、振動子により振動する、刃物角が30〜80° 切れ刃部と、を一体に備えたことを特徴とする加工装置。
  • ロボットに付勢機構を介してカッター刃を設けた加工装置において、
    前記カッター刃が、
    前記付勢機構によりワークの面部に押し付けられる倣い面と、
    前記倣い面とすくい面とで形成される稜線に刃先が位置し、前記倣い面の後方に逃げ部を備え、刃物角 95〜115°の切れ刃部と、を一体に備えたことを特徴とする加工装置。
  • 说明书全文

    本発明は、ワークの一部を倣いながらバリ取り加工等を行うカッター刃及び加工装置に関する。

    従来、ワークのバリ取り等を行うためのカッター刃及び加工装置として、ワークの一部を倣いながら加工を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

    特許第4231895号公報

    ところで、近年、FRP、CFRP、GFRPなど、繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料が出現し、各種工業製品に多用化されている。 このような複合材料を用いた樹脂製品では、材料の特性上、切削工具のチッピング、欠損、摩耗等の損傷が生じやすく、カッター刃等の工具の寿命を短くする。
    このため、より損傷の少ない高価な工具を用いたり、特別な加工方法を採用したりする必要があり、加工装置のコストが増大する。

    本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、高価なカッター刃を用いたり、特別な加工方法を採用したりしなくても、例えばFRP等の複合材料の加工が行えるカッター刃及び加工装置を提供することにある。

    上記課題を解決するため、本発明のカッター刃は、 ロボットに付勢機構を介して取り付けられるカッター刃において、前記付勢機構によりワークの面部に押し付けられる倣い面と、前記倣い面とすくい面とで形成される稜線に刃先が位置し、前記倣い面の後方に逃げ部を備え、振動子により振動する、刃物が30〜80° 切れ刃部と、を一体に備えたことを特徴とする。
    この構成によれば、刃物角を従来比で大きくすることで、例えば、難削材であるFRP、CFRP、GFRP等の複合材料に対して切れ刃部のチッピング等の損傷を起こさずに加工することができる。
    従って、寿命を延ばすために高価なカッター刃を用いたり、特別な加工方法を採用したりしなくてよく、加工装置のコストアップを抑えることができる。 また、倣い部を設けることで、ワークへの切れ刃部の食い込みを抑制することができる。

    本発明のカッター刃は、 ロボットに付勢機構を介して取り付けられるカッター刃において、前記付勢機構によりワークの面部に押し付けられる倣い面と、前記倣い面とすくい面とで形成される稜線に刃先が位置し、前記倣い面の後方に逃げ部を備え、刃物角 95〜115°の切れ刃部と、を一体に備えてもよい。
    また上記構成においてカッター刃本体が、平板状であっても良い。 この構成によれば、カッター刃本体を平板状にすることで、加工中にカッター刃本体をワークに追従しやすくすることができ、加工性を向上させることができる。

    また、本発明の加工装置は、ロボットに付勢機構を介してカッター刃を設けた加工装置において、前記カッター刃が、 前記付勢機構によりワークの面部に押し付けられる倣い面と、前記倣い面とすくい面とで形成される稜線に刃先が位置し、前記倣い面の後方に逃げ部を備え、振動子により振動する、刃物角が30〜80° 切れ刃部と、を一体に備えたことを特徴とする。
    本発明の加工装置は、 ロボットに付勢機構を介してカッター刃を設けた加工装置において、前記カッター刃が、 前記付勢機構によりワークの面部に押し付けられる倣い面と、前記倣い面とすくい面とで形成される稜線に刃先が位置し、前記倣い面の後方に逃げ部を備え、刃物角 95〜115°の切れ刃部と、を一体に備えてもよい。
    上記構成によれば、加工装置に備える切れ刃部の刃物角を従来比で大きくすることで、例えば、難削材であるFRP、CFRP、GFRP等の複合材料に対して切れ刃部のチッピング等の損傷を起こさずに加工することができる。 従って、寿命を延ばすために高価なカッター刃を用いたり、特別な加工方法を採用したりしなくてよく、加工装置のコストアップを抑えることができる。 また、倣い部を設けることでワークへの切れ刃部の食い込みを抑制することができる。

    本発明によれば、刃物角を従来比で大きくすることで、例えば、難削材であるFRP、CFRP、GFRP等の複合材料に対して切れ刃部のチッピング等の損傷を起こさずに加工することができる。
    従って、寿命を延ばすために高価なカッター刃を用いたり、特別な加工方法を採用したりしなくてよく、加工装置のコストアップを抑えることができる。 また、倣い部を設けることでワークへの切れ刃部の食い込みを抑制することができる。

    図1は、本発明の第1実施形態の加工装置を示す説明図である。

    図2は、加工装置のアーム先端部を示す拡大説明図である。

    図3は、カッター刃及びその取り付け部分を示す平面図である。

    図4は、バリ取り動作時におけるカッター刃及びその取り付け部分を示す拡大斜視図である。

    図5は、カッター刃の先端部分を示す断面図である。

    図6は、第1実施形態のカッター刃の別の使用態様を示す断面図である。

    図7は、本発明の第2実施形態のカッター刃における先端部分を示す断面図である。

    図8は、本発明の第3実施形態のカッター刃における先端部分を示す断面図である。

    図9は、本発明の第4実施形態のカッター刃における先端部分を示す断面図である。

    図10は、本発明の第5実施形態のカッター刃における先端部分を示す断面図である。

    図11は、本発明の第6実施形態のカッター刃における先端部分を示す断面図である。

    以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
    <第1実施形態>
    図1は、本発明の第1実施形態の加工装置1を示す説明図である。
    加工装置1は、バリ取り装置であり、いわゆる6軸垂直多関節ロボット3を有し、6軸垂直多関節ロボット3の関節3A〜3Fの内、最先端の関節3Fのアーム先端部3Gにはカッター刃10が保持されている。

    図2は、加工装置1のアーム先端部3Gを示す拡大説明図である。
    アーム先端部3Gには、エア駆動付きスライドテーブル4が取り付けられ、スライドテーブル4にはスライド部5が移動自在に設けられている。 スライド部5は、アーム先端部3Gの両側に設けられた一対のエア供給口(図示せず)に印加されるエア圧により作動する一対の空圧シリンダ5A,5Aにより駆動される。
    空圧シリンダ5A,5Aは、スライド部5を挟んで対向するように配置されているため、各空圧シリンダ5Aに連通するエア供給口に印加されるエア圧力によりそれぞれスライド部5を押し付ける向きが反対の押し付け力を発生させる。 これらの押し付け力のバランスに依存して、スライド部5の位置は、矢印A方向に移動自在、すなわち、後述する樹脂成型品に対して浮動状態となり、スライド部5がフローティング機構を構成している。

    アーム先端部3Gの両側に設けられた各エア供給口に印加される圧力は、両者のバランスを取れるように独立して制御可能である。 ツール姿勢に起因してツール重量が負荷となるときには、このツール重量をキャンセルすべく各エア供給口に印加される圧力を、ツール姿勢に応じて自動調整可能になっている。
    樹脂成型品に対して浮動状態のスライド部5には、超音波振動子ホルダ6が取り付けられ、この超音波振動子ホルダ6には超音波振動子(振動子)7が取り付けられている。 超音波振動子7は、超音波による振動子に限定されない。

    図3は、カッター刃10及びその取り付け部分を示す平面図、図4は、バリ取り動作時におけるカッター刃10及びその取り付け部分を示す拡大斜視図である。
    図3及び図4に示すように、超音波振動子7の先端には、カッター刃10が固定されている。
    カッター刃10は、前端面10F、後端面10Rを有し、被加工物である複合材料として、例えばCFRP(或いは、FRP、GFRP等)製の樹脂成型品20のパーテーションライン21に出来たバリ22の基部(根元)、樹脂成型品20の面部23A,23Bに当接し、バリ22を切削する。
    この場合において、前端面10Fの後退角φは、適宜設定するが、およそ10゜程度にされている。

    本実施形態では、カッター刃10は、バリ22の根元に当たって切削する、例えば幅Wが10mm程度の切れ刃部10Aと、樹脂成型品20の各面部23A,23Bに当たって倣う曲面状の倣い部10Bと、切れ刃部10A及び倣い部10Bが形成された平板状のカッター刃本体10Cとを備える。
    この場合において切れ刃部10Aの幅Wは、被加工物に応じて形成されたバリの形状などにより適宜変更が可能である。
    また、カッター刃10では、バリ取り加工とは別に、樹脂成型品20の表面に出来た突起や凸部等を鑿などと同様に薄く削り取り、平坦にする斫り加工も可能である。 この場合、カッター刃10を樹脂成型品20に付勢させるのは上記と同様である。

    図5は、カッター刃10の先端部分を示す断面図である。
    カッター刃10の切れ刃部10Aは、すくい面10eと、カッター刃10の樹脂成型品20側に位置する側面10fと、で形成される稜線である切れ刃10gを備える。
    カッター刃10の切れ刃部10Aは、刃物角βが15〜80°に設定されている。 図5の使用態様では、カッター刃10の側面10fが、樹脂成型品20の面に当接しており、刃物角βと正のすくい角αの合計が90°となる。
    また、カッター刃10の倣い部10Bは、フローティング機構により樹脂成型品20の各面部23A,23B(面部23Bのみ図示)に押し付けられる部分であり、切れ刃部10Aの切れ刃10g(刃先)より送り方向(矢印B方向)の前方(近傍)に位置し、切れ刃部10Aの切れ刃10gから送り方向(矢印B方向)前方に延びる断面円弧状のR曲面部10B1を備える。
    例えば、切れ刃部10Aの刃物角βが80°を越える場合は、切れ刃部10Aの切れ味が悪くなる。 また、切れ刃部10Aの刃物角βが15°未満の場合には、切れ刃部10Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷を生じやすくなる。

    これに対して本実施形態では、上記したように、切れ刃部10Aを、15〜80°の比較的大きな刃物角βとすることで、FRP、CFRP或いは、GFRP等の複合材料のような難削材であっても、切れ刃部10Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷を生じにくく、長期に亘って切れ刃部10Aの良好な切れ味を確保することができる。
    また、倣い部10Bが被加工物にどのように当接している状態であっても、樹脂部品のように形状が不安定な場合や、曲面形状に出来たバリを切除する場合に、切れ刃部10Aが材料に食い込むのを抑制することができ、切れ刃部10Aの折れ等の不具合の発生を抑制することができる。
    刃物角βが15〜80°に設定されたが、望ましくは、30〜80°、更に望ましくは、40〜60°、また更に望ましくは、45〜55°である。
    刃物角βが45〜55°のとき、切れ刃部10Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷が最も生じにくく、カッター刃10の耐久性が向上し、且つ切れ刃部10Aの最も良好な切れ味を確保できることが判明した。

    以上に述べたカッター刃10によるバリ取り加工動作について以下に説明する。
    図1、図2及び図4において、被加工物である樹脂成型品20に対し、バリ22の生成箇所に対応するバリ取り経路に沿って、加工装置1の6軸垂直多関節ロボット3は、アーム先端部3Gのカッター刃10の向き、駆動方向が最適となるように、関節3A〜3Fの動作を制御する。 上述したように、アーム先端部3Gのスライド部5は、樹脂成型品20に対して浮動状態にある。
    従って、本実施形態では、ダイレクトティーチングあるいは経路自動生成システムにより得られる経路情報に基づいてアーム先端部3Gを駆動するに際し、各エア供給口に印加される圧力を制御する。 この結果、一対の空圧シリンダ5A,5Aによりスライド部5が駆動され、カッター刃10が所定の圧力で樹脂成型品20に対して押し当てられる。 各エア供給口に印加される圧力は、カッター刃10の姿勢に応じて自動切り換え可能であり、カッター刃10の姿勢に拘わらず、常に一定となっている。

    この状態で、倣い部10Bを樹脂成型品20の面部23A,23Bに押し当てて移動させ、樹脂成型品20のパーテーションライン(バリ取り経路に相当)21に形成されたバリ22の根元に沿って切れ刃部10Aでバリ22を切除し、倣い部10Bで切除後の面を均す。
    これらの結果、高価な制御装置や、ワーク位置決め装置、高価なカッター刃を用いることなく、形状不安定な樹脂成型品20のバリ22を当該樹脂成型品20への切れ刃部10Aの食い込みを生じさせることなく、バリ22を根本から除去することが可能となる。 また、本実施形態の加工装置1では、フローティング機構を有し、倣い制御を行っているため、教示位置の修正に対する作業がほとんど発生しないので、実質的な加工時間の短縮を図ることができる。

    以上の図5に示したように、切れ刃部10Aは、倣い部10Bの後方に刃先が位置するので、樹脂成型品20に変形が生じていても、切れ刃部10Aが樹脂成型品20へ食い込むのを一層抑制することができる。
    また、図2、図4及び図5に示したように、カッター刃本体10Cは、平板状であるので、加工中にカッター刃10を樹脂成型品20に追従しやすくすることができ、加工性を向上させることができる。
    また、カッター刃10は、斫り加工に用いられるので、難削材である被加工物(樹脂成型品20)の加工面の仕上げ精度を向上させることができる。

    図6は、第1実施形態のカッター刃10の別の使用態様を示す断面図である。
    6軸垂直多関節ロボット3の姿勢や、ワークの形状等に起因して、倣い部10Bのワークへの当接位置が変動する。 図6の態様では、カッター刃10の側面10fが、樹脂成型品20の面から離れて加工が行われる。 この際、正のすくい角α"は、図5の態様と比較して少なくなる。この状態でも、刃物角βが15〜80°に設定されたとき、切れ刃部10Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷が生じにくく、カッター刃10の耐久性が向上し、且つ良好な切れ味を確保できることが判明した。

    <第2実施形態>
    図7は、第2実施形態のカッター刃30における先端部分を示す断面図である。
    図5に示した第1実施形態のカッター刃10と同一構成には同一符号を付け、詳細説明は省略する。
    カッター刃30は、バリ22の根元に当たって切削する切れ刃部30Aと、フローティング機構により樹脂成型品20の面部23A,23B(一方の面部23Bのみ図示)に押し付けられる倣い部10Bとを備える。
    切れ刃部30Aは、すくい面30eと、カッター刃30の樹脂成型品20側に位置する側面30fと、で形成される稜線である切れ刃30gを備える。
    切れ刃部30Aは、刃物角βが93〜120°に設定されている。 図7の使用態様では、カッター刃30の側面30fが、樹脂成型品20の面に当接しており、刃物角βから負のすくい角αを減じた角度が90°となる。
    また、倣い部10Bは、切れ刃部30Aの切れ刃30g(刃先)より送り方向(矢印B方向)の前方に位置し、切れ刃部30Aの切れ刃30gから送り方向(矢印B方向)前方に延びる断面円弧状のR曲面部10B1を備える。

    カッター刃30では、バリ取り加工とは別に、樹脂成型品20の表面に出来た突起や凸部等を鑿などと同様に薄く削り取り、平坦にする斫り加工も可能である。 この場合、カッター刃30を樹脂成型品20に付勢させるのは上記と同様である。

    例えば、切れ刃部30Aにおいて、刃物角βが90°<β<93°の場合は、切削量が増加してびびり振動が生じ、加工面の仕上がりが低下する。 刃物角βが120°を越える場合には、切削量が少なくなり、バリを十分に除去することができない。

    これに対して本実施形態では、上記したように、切れ刃部30Aを、93〜120°の大きな刃物角βとすることで、FRP、CFRP、GFRP等の複合材料のような難削材であっても、切れ刃部30Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷を生じにくく、長期に亘って切れ刃部30Aの切れ味を確保することができる。
    また、切れ刃部30Aの負のすくい角によって、バリ22を切除後の面を均すことができ、加工面をより滑らかに形成することができる。 また、びびり振動が発生しにくく、十分な切削量を確保することができる。
    刃物角βが93〜120°に設定されたが、95〜120°でも良く、望ましくは、95〜115°、更に望ましくは、95〜100°である。
    刃物角βが95〜100°のとき、切れ刃部30Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷が最も生じにくく、カッター刃10の耐久性が向上し、且つ切れ刃部10Aの最も良好な切れ味を確保できることが判明した。
    図5及び図6に示したカッター刃10,30では、刃物角βが80°<β<93°に形成されたものにおいても、被加工物の材質、硬度、形状、カッター刃の種類等によっては、バリ取り加工に用いることも可能である。

    6軸垂直多関節ロボット3に空圧シリンダ5A,5Aを設け、空圧シリンダ5A,5Aを介してカッター刃10,30を設けた加工装置1において、カッター刃30が樹脂成型品20に対応した倣い部10Bと、倣い部10Bの近傍に刃先が位置し、刃物角βが15〜120°の切れ刃部30Aと、を一体に備えたので、加工装置1に備える切れ刃部10A,30Aの刃物角βを従来比で大きくすることで、例えば、難削材であるFRP、CFRP、GFRP等の複合材料に対して切れ刃部30Aのチッピング等の損傷を起こさずに加工することができる。
    従って、寿命を延ばすために高価なカッター刃を用いたり、特別な加工方法を採用したりしなくてよく、加工装置1のコストアップを抑えることができる。

    また、倣い部10Bを設けることで樹脂成型品20への切れ刃部10A,30Aの食い込みを抑制することができる。
    また、カッター刃30では、切れ刃部30Aは、倣い部10Bの後方に刃先が位置するので、樹脂成型品20に変形が生じていても、切れ刃部30Aが樹脂成型品20へ食い込むのを一層抑制することができる。
    また、カッター刃30により樹脂成型品20を斫り加工するので、難削材である被加工物(樹脂成型品20)の加工面の仕上げ精度を向上させることができる。

    <第3実施形態>
    図8は、第3実施形態のカッター刃35における先端部分を示す断面図である。
    図5に示した第1実施形態と同一構成には同一符号を付け、詳細説明は省略する。
    カッター刃35は、バリ22の根元に当たって切削する切れ刃部35Aと、フローティング機構により樹脂成型品20の面部23A,23B(一方の面部23Bのみ図示)に押し付けられる倣い部としての倣い面35fとを備える。 切れ刃部35Aは、すくい面35eと倣い面35fとで形成される稜線である切れ刃35gを備える。
    切れ刃部35Aは、刃物角βが15〜80°に設定されている。 倣い面35fは、切れ刃35gを含み、倣い面35fは、切れ刃35g(刃先)から送り方向(矢印B方向)の後方に延びている。

    カッター刃35では、バリ取り加工とは別に、樹脂成型品20の表面に出来た突起や凸部等を鑿などと同様に薄く削り取り、平坦にする斫り加工も可能である。 この場合、カッター刃35を樹脂成型品20に付勢させるのは上記と同様である。
    切れ刃部35Aは、倣い面35fの先端部に切れ刃35g(刃先)が位置するので、切れ刃35gを形成する倣い面35fを倣い部とすることができるため、カッター刃35を単純な形状にすることができ、コストを抑えることができる。
    刃物角βが15〜80°に設定されたが、望ましくは、30〜80°、更に望ましくは、40〜60°、また更に望ましくは、45〜55°である。
    刃物角βが45〜55°のとき、切れ刃部35Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷が最も生じにくく、カッター刃35の耐久性が向上し、且つ切れ刃部35Aの最も良好な切れ味を確保できることが判明した。

    <第4実施形態>
    図9は、第4実施形態のカッター刃40における先端部分を示す断面図である。
    図7に示した第2実施形態と同一構成には同一符号を付け、詳細説明は省略する。
    カッター刃40は、バリ22の根元に当たって切削する切れ刃部40Aと、フローティング機構により樹脂成型品20の面部23A,23B(一方の面部23Bのみ図示)に押し付けられる倣い部としての倣い面40fとを備える。 切れ刃部40Aは、すくい面40eと倣い面40fとで形成される稜線である切れ刃40gを備える。
    切れ刃部40Aは、刃物角βが93〜120°に設定されている。 倣い面40fは、切れ刃40gを含み、倣い面40fは、切れ刃40g(刃先)から送り方向(矢印B方向)の後方に延びている。

    <第5実施形態>
    図10は、第5実施形態のカッター刃42における先端部分を示す断面図である。 図5に示した第1実施形態、図8に示した第3実施形態と同一構成には同一符号を付け、詳細説明は省略する。
    カッター刃42は、バリ22の根元に当たって切削する切れ刃部42Aと、フローティング機構により樹脂成型品20の面部23A,23B(一方の面部23Bのみ図示)に押し付けられる倣い部としての倣い面42fとを備える。 切れ刃部42Aは、すくい面42eと倣い面42fとで形成される稜線である切れ刃42gを備える。
    すくい面42eは、刃物角βが15〜80°に設定されている。 倣い面42fは、切れ刃42gを含み、倣い面42fは、切れ刃42g(刃先)から送り方向(矢印B方向)の後方へ延びている。 倣い面42fの後方では、カッター刃42は、面部23A,23Bから離れた逃げ部42jを備える。
    例えば、切れ刃部42Aの刃物角βが80°を越える場合は、切れ刃部42Aの切れ味が悪くなる。 また、切れ刃部42Aの刃物角βが15°未満の場合には、切れ刃部42Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷を生じやすくなる。
    刃物角βが15〜80に設定されたが、望ましくは、30〜80°、更に望ましくは、40〜60°、また更に望ましくは、45〜55°である。
    刃物角βが45〜55°のとき、切れ刃部42Aのチッピング、欠損、摩耗等の損傷が最も生じにくく、カッター刃42の耐久性が向上し、且つ切れ刃部42Aの最も良好な切れ味を確保できることが判明した。

    <第6実施形態>
    図11は、第6実施形態のカッター刃44における先端部分を示す断面図である。
    図7に示した第2実施形態、図9に示した第4実施形態と同一構成には同一符号を付け、詳細説明は省略する。
    カッター刃44は、バリ22の根元に当たって切削する切れ刃部44Aと、フローティング機構により樹脂成型品20の面部23A,23B(一方の面部23Bのみ図示)に押し付けられる倣い部としての倣い面44fとを備える。 切れ刃部44Aは、すくい面44eと倣い面44fとで形成される稜線である切れ刃44gを備える。
    切れ刃部44Aは、刃物角βが93〜120°に設定されている。 倣い面44fは、切れ刃44gを含み、倣い面44fは、切れ刃44g(刃先)から送り方向(矢印B方向)の後方に延びている。 倣い面44fの後方では、カッター刃44は、面部23A,23Bから離れた逃げ部44jを備える。
    切れ刃部44Aにおいて、刃物角βが90<β<93°の場合は、切削量が増加してびびり振動が生じ、加工面の仕上がりが低下する。 刃物角βが120°を越える場合には、切削量が少なくなり、バリを十分に除去することができない。
    上記の図8〜図11に示したカッター刃では、刃物角βが80°<β<93°に形成されたものにおいても、被加工物の材質、硬度、形状、カッター刃の種類等によっては、バリ取り加工に用いることも可能である。

    上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
    例えば、上記実施形態において、図2に示したように、付勢機構を空圧シリンダ5Aで構成したが、これに限らず、ばね、ソレノイド等の他の手段で構成しても良い。
    また、図1に示したように、加工装置1には6軸垂直多関節ロボット3を備えるが、これに限らず、加工装置1に他の形式のロボットを備えても良い。
    また、上記したカッター刃10を、超音波振動子7の振動に応じて、カッター刃10の送り方向(矢印B方向(図3参照))とほぼ直交する方向(矢印C方向(図3参照))に超音波振動させることが可能である。 超音波振動子7には超音波ユニット(図示せず)が接続され、当該超音波ユニットでカッター刃10を、例えば30〜50μm程度の振幅で駆動させることが可能である。
    上記各実施形態においては、バリ取り加工時にカッター刃10を超音波振動させないが、被加工物の材質、硬度、形状等により、カッター刃10を超音波振動させてバリ取り加工を行うようにしても良い。
    また、本実施形態では、カッター刃10の倣い部、倣い面を、被加工物の一部に当てて倣い加工をする説明をしたが、これに限らず、カッター刃10の倣い部10Bを被加工物に当てずに、切れ刃部10Aだけを被加工物に当てて加工しても良い。

    1 加工装置 3 6軸垂直多関節ロボット(ロボット)
    5A 空圧シリンダ(付勢機構)
    10,30,35,40,42,44 カッター刃 10A,30A,35A,40A,42A,44A 切れ刃部 10B 倣い部 10C カッター刃本体 20 樹脂成型品(ワーク)
    35f,40f,42f,44f 倣い面(倣い部)
    β 刃物角

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