工具ボデーおよび切削工具

申请号 JP2016555863 申请日 2016-04-21 公开(公告)号 JPWO2016203843A1 公开(公告)日 2017-06-29
申请人 株式会社タンガロイ; 发明人 有宇樹 及川; 有宇樹 及川; 佐治 龍一; 龍一 佐治; 吉田 悟; 悟 吉田;
摘要 切削インサートを安定的に保持できるチップ座を有する工具ボデーおよび切削工具を提供する。本発明の工具ボデーは、切削インサートを装着するためのチップ座を有する工具ボデーであって、チップ座は、ベース面と、ベース面に交差するように延在する側壁面とを有する。ベース面は、切削インサートと当接する当接面および当接凸部を有する。当接面の当接部は面状とされ、当接凸部の当接部は線状または点状とされる。
权利要求
  • 切削インサート(20)を装着するためのチップ座(6)を有する工具ボデー(2)であって、
    前記チップ座(6)は、ベース面(7)と、該ベース面(7)に交差するように延在する側壁面(8)とを有し、
    前記ベース面(7)は、前記切削インサート(20)と当接する当接面(9)および当接凸部(10)を有し、
    前記当接面(9)の当接部は面状とされ、
    前記当接凸部(10)の当接部は線状または点状とされる工具ボデー。
  • 前記当接面(9)は、略平坦面状とされる請求項1に記載の工具ボデー。
  • 前記当接凸部(10)は、当接稜線(11a)を有し、
    前記当接稜線(11a)は、前記当接面(9)と同一平面上に配置される請求項2に記載の工具ボデー。
  • 前記当接凸部(10)は、互いに交差する2つの平面(11b、11c)を有し、
    該2つの平面(11b、11c)の交差稜線部に前記当接稜線(11a)を有し、
    該当接稜線(11a)は、略直線状とされる請求項3に記載の工具ボデー。
  • 前記チップ座(6)は、前記側壁面(8)が開く開口部(12)を有し、
    前記当接稜線(11a)は、前記当接面(9)よりも前記開口部(12)から離れて位置する請求項3または4に記載の工具ボデー。
  • 前記ベース面(7)は、長手方向が定められ、
    前記当接面(9)と前記当接凸部(10)とは、前記長手方向において離間して配置される請求項1から5のいずれか一項に記載の工具ボデー。
  • 前記ベース面(7)は、略四辺形とされる請求項1から6のいずれか一項に記載の工具ボデー。
  • 請求項1から7のいずれか一項に記載の工具ボデーを備える切削工具。
  • 工具回転軸線(O)を有する回転切削工具とされる請求項8に記載の切削工具。
  • 少なくとも1つの前記チップ座(6)は、前記側壁面(8)が開く開口部(12)を有し、
    該開口部(12)は、前記工具回転軸線(O)から離間した外周部(4)に少なくとも開口する請求項9に記載の切削工具。
  • 前記当接面(9)と前記当接凸部(10)とは、前記工具回転軸線(O)の延びる方向に離間して配置される請求項9または10に記載の切削工具。
  • 前記当接面(9)は、前記当接凸部(10)よりも該切削工具(1)の先端側に配置される請求項8から11のいずれか一項に記載の切削工具。
  • 略平行四辺形板状の前記切削インサート(20)を用いる請求項8から12のいずれか一項に記載の切削工具。
  • 前記切削インサート(20)は、略平行四辺形の第1および第2の端面(21、22)と、該第1および第2の端面(21、22)の間をつなぐ周側面(23)と、を有し、
    前記第1の端面(21)と前記周側面(23)との交差稜線に第1の切れ刃(24a)を有し、
    前記第2の端面(22)と前記周側面(23)との交差稜線に第2の切れ刃(24b)を有する請求項8から13のいずれか一項に記載の切削工具。
  • 前記切削インサート(20)は、前記第1および第2の端面(21、22)のそれぞれに第1および第2の着座面(25a、25b)を有し、
    前記第1の切れ刃(24a)の少なくとも一部は、前記第1の端面(21)の前記第1の着座面(25a)よりも前記切削インサート(20)の厚さ方向外側に離間し、
    前記第2の切れ刃(24b)の少なくとも一部は、前記第2の端面(22)の前記第2の着座面(25b)よりも前記切削インサート(20)の厚さ方向外側に離間する請求項14に記載の切削工具。
  • 说明书全文

    本発明は、切削インサートが着脱自在に装着される工具ボデーと、その工具ボデーを備える切削工具に関する。

    両面に切れ刃を有する切削インサートは、使用できる切れ刃の数を増やせるため、多く用いられている。 特許文献1は、両面に切れ刃を有する切削インサートを用いる回転切削工具の一例である。 この切削インサートは、切れ刃に対して着座面が内方に陥没して形成されている。 着座面は平面状に形成されている。 また、この切削インサートを装着するためのチップ座(インサートポケット)が例示されている。 チップ座のベース面(着座面)は、切削インサートと当接する平面を有する。

    特開2013−13943号公報

    切削加工中に切削インサートを安定的に保持するためには、切削インサートの着座面とチップ座のベース面の平面とが、広い範囲にわたって当接することが求められる。 しかし、両面に切れ刃があり、なおかつ切れ刃に対して着座面が内方に陥没して形成される場合、切削インサートの着座面を高精度な平坦面とすることが難しい。 すなわち、高精度な平坦面は、研削加工などで得ることができるが、特許文献1に例示される切削インサートの着座面は、研削加工などを行うことが難しい。 そのため、チップ座のベース面が高精度な平坦面とされても、切削インサートの着座面との当接状態が安定しない場合がある。 切削加工の際に、切削インサートの姿勢が安定しないと、切削インサートの異常損傷が発生しやすい。 または、被加工物の加工精度が低下しやすい。

    本発明は、切削インサートを安定的に保持できるチップ座を有する工具ボデーおよび切削工具を提供することを目的とする。

    本発明の工具ボデーは、切削インサートを装着するためのチップ座を有する工具ボデーであって、チップ座は、ベース面と、ベース面に交差するように延在する側壁面とを有する。 ベース面は、切削インサートと当接する当接面および当接凸部を有する。 当接面の当接部は面状とされ、当接凸部の当接部は線状または点状とされる。

    本発明の切削工具は、本発明の工具ボデーを備える。

    図1は、本発明の実施形態における切削工具の斜視図である。

    図2は、図1の切削工具から切削インサートを取り外したチップ座周辺の部分拡大斜視図である。

    図3は、図1の切削工具に装着される切削インサートの斜視図である。

    図4は、図3の切削インサートの平面図である。

    図5は、図3の切削インサートの右側面図である。

    図6は、図3の切削インサートの正面図である。

    図7は、図1の切削工具を切削インサートに対向する方向からみた拡大斜視図である。

    図8は、図7のVIII−VIII切断線での断面の模式図である。

    図9は、図7のIX−IX切断線での断面の模式図である。

    以下、本発明の実施形態について図面を適宜参照しながら説明する。 図1に示すように、この実施形態における切削工具1は、3つの切削インサート20を用い、工具ボデー2を備え、工具回転軸線Oが定められる回転切削工具である。 工具ボデー2は、切削インサート20を装着するために、図2に示すように、切削インサート20の数と同じ、3つのチップ座6を有する。

    この実施形態の切削インサート20は、図3から図6に示されるように、実質的に対向する、つまり互いに対して実質的に反対側にある第1および第2の端面21、22と、これらの端面の間をつなぐ周側面23とを有する。 第1の端面21は、平面視で略長方形に形成されている。 切削インサート20は、第1および第2の端面21、22の略中央を貫通する穴26を有する。 第1の端面21と周側面23との交差稜線部には、切れ刃24として作用する第1の切れ刃24aが形成されている。 また、第2の端面22と周側面23との交差稜線部には、第2の切れ刃24bが形成されている。 なお切れ刃24は、第1および第2の端面21、22の各々に対して複数形成されているが、それらの切れ刃24は、穴26の中心軸線Cに対して180°回転対称な形状および配置とされている。 したがって、第1および第2の端面21、22の各々において、1つの切れ刃24を使用することで損傷したとき、切削インサート20を取り外して中心軸線Cの周りに回転し、別の切れ刃24と入れ替えることで、複数回の使用が可能になり経済的である。 なお、この実施形態の切削インサート20の第2の切れ刃24bは、切削インサート20の第1の端面21と第2の端面22とを反転させる際の回転軸に対して第1の切れ刃24aと180°回転対称な形状および配置とされている。 したがって、第1の端面21と第2の端面22とを入れ替えることもでき、さらに経済的な切削インサート20である。 切削インサート20の底面図、左側面図、背面図については、それぞれ平面図、右側面図、正面図と同様であるため省略する。

    第1の端面21は、第2の切れ刃24bが使用可能になるように切削インサート20がチップ座6に取り付けられる場合に着座面25として作用する第1の着座面25aを備える。 第2の端面22は、第1の切れ刃24aが使用可能になるように切削インサート20がチップ座6に取り付けられる場合に着座面25として作用する第2の着座面25bを備える。 着座面25は、切削工具1に切削インサート20を装着する際に、チップ座6と接触させるための面である。 着座面25の各々は、略平坦な面とされている。 より詳しくは、ここで各々の着座面25a、25bは平面である。 着座面25は、穴26の周囲にそれを囲むように形成されている。 ここで図5および図6に示すように、第1の端面21と第2の端面22との中間に中間面Mを定める。 図5および図6では、中間面Mを第1の端面21と第2の端面22との中央で、なおかつ第1の端面21における第1の着座面25aと平行に定めた。 第1の着座面25aは、第1の切れ刃24aよりも中間面M側に配置され、第2の着座面25bは、第2の切れ刃24bよりも中間面M側に配置されている。 すなわち、第1の切れ刃24aの少なくとも一部は、第1の着座面25aよりも中間面Mから離間し、第2の切れ刃24bの少なくとも一部は、第2の着座面25bよりも中間面Mから離間している。 ここで、中間面Mに対して垂直な線は、穴26の中心軸線Cと平行な線でもあるとともに、切削インサート20の厚さ方向に沿う線でもある。 よって、第1の切れ刃24aの少なくとも一部は、第1の着座面25aよりも切削インサート20の厚さ方向外側に離間し、第2の切れ刃24bの少なくとも一部は、第2の着座面25bよりも切削インサート20の厚さ方向外側に離間しているということもできる。

    切削インサート20の材料は、少なくともその切れ刃24付近が、超硬合金、サーメット、セラミックスおよび立方晶窒化ほう素を含む焼結体等の硬質材料またはこれら硬質材料の表面にPVDまたはCVDコーティングを施された材料、またはダイヤモンド或いは単結晶ダイヤモンドを含む焼結体などとされる。 なお切れ刃24付近以外の部分の材料も、同様の硬質材料などとされることが好ましい。

    上記構成を備える切削インサート20は、この実施形態の切削工具1の工具ボデー2のチップ座6に対して、機械的取り付け手段であるクランプ部材30を用いて着脱自在に装着される。 図1、図2、図7から図9を参照して、切削インサート20が装着される切削工具1および工具ボデー2に関してさらに説明する。 この実施形態の切削工具1は、クランプ部材30として締め付けねじ30を用いる。

    切削工具1は、複数(ここでは3つ)のチップ座6が設けられた工具ボデー2を備える。 各チップ座6には、それぞれ1つの切削インサート20を着脱自在に装着することができる。 なお本発明は、図示しないが、たった1つのチップ座が設けられた工具ボデーを備える切削工具を排除しない。

    工具ボデー2は、先端部3から基端部5側にかけて工具ボデー2を通るように定められる工具回転軸線Oの周りに回転するように構成されている。 すなわち工具ボデー2は、全体として略円柱状に形成されている。 工具ボデー2の先端部3の周囲には3つのチップ座6が工具回転軸線Oの周りに等度間隔に配設されている。 この切削工具1で用いられる複数の切削インサート20は、すべて同じ構成を有し、同一形状を有する。 したがって、工具ボデー2に配設される複数のチップ座6も、すべて同一形状とされる。 この実施形態の切削工具1は、回転切削工具である。 より詳しくは、この実施形態の切削工具1は、前述の切削インサート20を用いて肩削りのできるエンドミルである。

    工具ボデー2の各々のチップ座6には、工具回転軸線O周りの工具回転方向前方に第1の端面21または第2の端面22が向くように、切削インサート20が装着される。 各々のチップ座6は、ベース面7と、側壁面8とを有し、工具ボデー2の先端部3側および外周4側に向けて開いている。 すなわちチップ座6の側壁面8が開く開口部12を有し、開口部12は先端部3側および外周4側に向けて開いている。 ここでは、切削インサート20の第1または第2の端面21、22が接触する面をチップ座6のベース面7と呼び、また切削インサート20の周側面23が接触する面を側壁面8と呼ぶ。 ベース面7は、工具回転軸線O周りの工具回転方向前方を向いている。 側壁面8は、ベース面7に交差するように延在し、切削インサート20の周側面23に対応する形状とされている。 この実施形態における切削インサート20は、略長方形板状であるため、側壁面8は、外周4側を向く壁面と、先端部3側を向く壁面とから構成されている。 ベース面7と側壁面8とにより、切削インサート20を装着するためのポケット状の空間が形成されている。

    チップ座6には、切削インサート20の1つの切れ刃24が使用可能になるように、すなわち作用切れ刃とされるように、切削インサート20が配置されて、締め付けねじ30で固定される。 以下、前述の第1の切れ刃24aが使用可能になるように切削インサート20がチップ座6に取り付けられる場合を例に、チップ座6の構成を具体的に説明する。 図1に示す切削工具1では、第1の切れ刃24aを作用切れ刃として、チップ座6に切削インサート20が装着されている。 なお前述のとおり、残りの切れ刃24を作用切れ刃として切削インサート20をチップ座6に取り付ける場合も同様であるため、説明を省略する。

    図2に示すように、チップ座6のベース面7には、当接面9と、当接凸部10と、ねじ穴13とが形成されている。 当接面9は、略平坦状に形成されている。 より詳しくは、この実施形態の切削工具1の当接面9は、平面とされている。 当接凸部10は、第1および第2の平面11b、11cと、それらの平面の交差稜線部に直線状に形成された当接稜線11aとを有する。 当接稜線11aは、当接面9とは、ねじ穴13を挟んで反対側に配置される。 当接稜線11aは、当接面9と同一平面上に配置されている。 したがって、当接面9および当接稜線11aは、協働して切削インサート20の着座面25と各々当接する。 切削インサート20と当接面9との接触状態を、模式的に図8に示す。 図8は、図7のVIII―VIII断面線における断面の模式図である。 切削インサート20の着座面25と、当接面9とは、各々平面に形成されているため、互いに面接触している。 切削インサート20と当接稜線11aとの接触状態を、模式的に図9に示す。 図9は、図7のIX―IX断面線における断面の模式図である。 当接稜線11aが略直線状であるため、互いに線接触している。 すなわち、断面の模式図では1点で接触している。

    ここまでに説明された切削インサート20およびそれが装着される切削工具1の作用および効果に関して以下に説明する。

    切削インサート20の第1の着座面25aは、第1の切れ刃24aよりも中間面M側に配置され、第2の着座面25bは、第2の切れ刃24bよりも中間面M側に配置されている。 このため、第1および第2端面21、22の両面に切れ刃24を設けつつ、各々の切れ刃24a、24bを使用して切削加工する際に、切りくず排出性が優れている。 なお、第1および第2の着座面25a、25bは、各々が略平坦面状に形成されているため、チップ座6と当接させることが容易である。

    工具ボデー2の当接面9は、略平坦面状に形成され、なおかつ切削工具1の先端部3側に形成されている。 したがって当接面9は、切削インサート20の作用切れ刃の近くで、第2の着座面25bと面接触させることができる。 このため、切削インサート20を確実に安定的に支えることができる。

    工具ボデー2の当接稜線11aは、当接面9と同一平面上に、なおかつ直線状に形成されている。 このため当接稜線11aは、当接面9と協働して、切削インサート20の第2の着座面25bと線接触することができる。 すなわち、当接部としては当接面9を主体的に作用させ、切れ刃24の近くを確実に安定的に支えつつ、当接稜線11aが補助的に作用して、切削インサート20が傾くことを防止することができる。 以上のとおり、本実施形態における工具ボデー2および切削工具1は、チップ座6のベース面7に当接面9に加えて当接凸部10を有するため、切削加工の際に切削インサート20の安定性が高まる。 これにより、切削インサート20の異常損傷の防止、または、被加工物の加工精度の向上が図られる。

    以下、さらに詳しく説明する。 なお、以下では、上記実施形態の作用効果の説明に加えて、好ましい変形をも説明する。

    この実施形態における切削インサート20は、肩削りができるエンドミルに適する。 しかし、これに限定されない。 本発明は、様々な形態および用途の切削インサートの固定方法として利用できる。 ただし、切れ刃が一方の端面にしか形成されないなど、切削インサートの着座面が研削加工などにより広範囲にわたって精度の高い平坦面にできる場合には、本発明が必ずしも有効ではない。 なぜなら、切削インサートの着座面が精度の高い平坦面であるなら、チップ座のベース面も精度の高い平面にすることが好ましいからである。 本発明は、この実施形態における切削インサート20のように、2つの端面21、22の両方に切れ刃24が形成され、なおかつ切れ刃24よりも着座面25が中間面Mに近い場合に、特に有効である。 このような形状に着座面が形成されると、着座面を研削加工することが難しい。 したがって、着座面が粉末加圧成形および焼結されたままの状態とされたり、さらにコーティングが施された状態とされることが多い。 その場合、着座面の平坦度は必ずしも高くなく、チップ座のベース面が精度の高い平坦面とされても、全面を当接させることが難しい。 したがって、チップ座のベース面を本発明のようにして、当接させたい部分を選択的に限定することが有効である。

    この実施形態における切削インサート20の着座面25は、略平坦状に形成されたが、これに限定されない。 着座面は、チップ座のベース面と当接できる形状であれば、どのような形状とされても構わない。 図示しないが、例えば着座面を湾曲面とすることもできる。 しかし、着座面をチップ座の当接面と広い面積で接触させるために、着座面は略平坦状に形成されることが好ましい。

    この実施形態における切削工具1のように肩削りができるエンドミルの場合、切れ刃24は先端部3および外周4に形成される。 したがって、切れ刃24に加わる切削抵抗に対抗するために、着座面25と当接する当接面9は、先端部3および外周4にできる限り接近させることが好ましい。 すなわち、この実施形態におけるチップ座6のように、当接面9は先端部3側、なおかつ外周4側に寄せて形成されることが好ましい。 また当接面9と協働する当接稜線11aは、切削インサート20の着座面25と当接できる範囲で、当接面9からできる限り離れた位置に形成されることが好ましい。 すなわち当接面9が先端部3側に形成された場合は、当接稜線11aは基端部5側に離間した位置に形成されることが好ましい。 当接面9が外周4側に形成された場合は、当接稜線11aは工具回転軸線O側に離間した位置に形成されることが好ましい。 つまり、当接稜線11aは、当接面9から基端部5側、かつ工具回転軸線O側に離間した位置に形成されることが最も好ましい。

    前述のとおり、この実施形態における切削インサート20の第1および第2の端面21、22は、平面視で略長方形に形成されている。 したがって着座面25にも、長手方向および短手方向が定められる。 同様に、チップ座6のベース面7も、切削インサート20の形状に対応する略長方形に形成されている。 したがってベース面7も、長手方向および短手方向が定められる。 この実施形態における切削工具1では、長手方向は工具回転軸線Oの軸方向にほぼ対応する。 また短手方向は、切削工具1の径方向にほぼ対応する。 当接面9が長手方向に片寄って、すなわち先端部3側に形成される場合は、当接稜線11aは、当接面9から長手方向に離間した位置に形成されることが好ましい。 すなわち、当接稜線11aは、基端部5側に形成されることが好ましい。

    この実施形態における工具ボデー2の当接面9は、略平坦状に形成されたが、これに限定されない。 当接面9は、切削インサート20の着座面25と当接できる形状であれば、どのような形状とされても構わない。 前述のとおり、切削インサートの着座面は、湾曲面とされても構わない。 したがって当接面は、着座面に対応する湾曲面とされても構わない。 ただし、着座面が略平坦状に形成された場合は、当接面も略平坦状に形成されることが好ましい。

    この実施形態における工具ボデー2の当接凸部9は、直線状の当接稜線11aを有するように形成されたが、これに限定されない。 当接凸部は、当接面と協働して切削インサートの着座面と当接できる形状であれば、どのような形状とされても構わない。 図示しないが、例えば、当接凸部の頂点の1点のみが着座面と当接するような形状でも構わない。 しかし当接凸部は、線状(尾根状)の当接稜線で着座面と当接することが、より好ましい。 当接凸部の頂点の1点のみで当接させる場合、切削抵抗により当接凸部が損傷しやすい。 したがって当接凸部は、点状でなく線状の稜線で着座面と当接することが好ましい。 当接稜線の形状は直線に限定されず、着座面と当接できる形状であれば、どのような形状とされても構わない。 ただし、着座面が略平坦状に形成された場合、当接稜線は、当接面と同一平面上に形成されることが好ましい。 当接稜線は、直線状に形成されることがさらに好ましい。

    当接稜線11aは、着座面25と線接触すると説明しているが、厳密には、わずかな幅をもって面接触している。 これは、交差稜線部が完全な角に形成されたとしても、切削抵抗などを受けて塑性変形するためである。 したがって、ここでは当接する面の幅が0.5mm以下の場合を、線接触と呼んでいる。 前述のとおり、当接部としては当接面9を主体的に作用させ、切れ刃24の近くを確実に安定的に支えつつ、当接稜線11aが補助的に作用して、切削インサート20が傾くことを防止することが本発明の特徴である。 したがって、当接稜線11aは、当接面9と比較して十分に面積が狭ければ、補助的に作用する。 面積比で表現すると、当接面9の接触面積は、当接稜線11aの接触面積の10倍以上であることが好ましい。 当接稜線11aは、その幅と長さとの比で表現することもできる。 当接稜線の幅は、当接稜線の長さの20%以下であることが好ましい。

    この実施形態における工具ボデー2の各々のチップ座6は、当接面9および当接凸部10が各々1つずつ形成されたが、これに限定されない。 当接面9および当接凸部10は、各々複数個ずつ形成されても構わない。 ただし当接面9については、当接させたい部分を明確にすることが効果的であるため、あまり増やさないことが好ましい。 すなわち、当接面9は1つだけ形成されることが好ましい。 当接凸部10は、当接面9から離間した位置に配置されることが好ましいため、形成される個数に制限はない。 ただし、当接凸部10を増やしても、当接面9が主体的に作用することを妨げないように配慮する。 したがって、当接凸部10および当接稜線11aは、それぞれ1つのみ形成されることがより好ましい。

    この実施形態における切削インサート20は、略長方形板状とされたが、これに限定されない。 本発明は、略平行四辺形や略三角形など様々な形態の切削インサートに適用できる。 しかし切削インサートは、略四辺形板状であることが好ましい。 切削インサートは、長手方向が定められる略平行四辺形板状であることがさらに好ましい。 切削インサートに対応するチップ座のベース面も、略四辺形板状であることが好ましい。 ベース面は、長手方向が定められる略平行四辺形板状であることがさらに好ましい。 長手方向の定められる切削インサートに対して、当接面と当接稜線とを協働させる場合に、本発明は最大の効果を得られる。

    前述のとおり、本発明の切削工具1は、クランプ部材30として締め付けねじ30を用いる。 しかし、これに限定されず、クランプ部材は、くさびや押さえ駒など、既知の様々な技術が適用できる。 ただし、切削インサートを用いるエンドミルの場合、被加工物を3次元形状に加工するため、切りくず排出性を高めることが好まれる場合がある。 また、びびりの発生を防止するため、切削抵抗を低くすることが好まれる場合もある。 あるいは、使用できる工具径に制限があり、小径の回転切削工具が好まれる場合もある。 これらの要望に対して、本発明の切削工具1は、締め付けねじ30を用いることが好ましい。 締め付けねじ30を用いると、この実施形態のように切れ刃24に対して着座面24が低い、いわゆる芯上がりの切削インサートを容易に装着できる。 また、すくい面側にくさびや押さえ駒などの障害物がないため、切りくず排出性を高めることができる。 さらに、構成が簡単なため、小型化するときに有利であり、小径側に適用できる範囲が広い。

    これらの切削工具は、工作機械に装着されることにより、鋼材などの切削加工に利用できる。

    以上、本発明の切削インサート、工具ボデーおよび切削工具について実施形態を例に説明したが、本発明の実施形態は上記のものに限定されない。

    例えば、エンドミルに限定されず、正面フライスや円盤状のサイドカッタなどにも適用可能である。 本発明は上記実施形態のような転削工具だけでなく、旋削工具や穴あけ工具等のその他の形態の切削工具にも適用可能である。

    前述した実施形態およびその変形例等では本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。 本発明については、請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。 すなわち、本発明には、請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。

    1 切削工具2 工具ボデー3 先端部4 外周5 基端部6 チップ座7 ベース面8 側壁面9 当接面(第1の当接部)
    10 当接凸部(第2の当接部)
    11a 当接稜線11b 当接凸部の第1の平面11c 当接凸部の第2の平面12 開口部13 ねじ穴20 切削インサート21 第1の端面22 第2の端面23 周側面24 切れ刃24a 第1の切れ刃24b 第2の切れ刃25 着座面25a 第1の着座面25b 第2の着座面26 穴30 クランプ部材(締め付けねじ)
    C 切削インサートの穴の中心軸線M 中間面O 工具回転軸線

    本発明の工具ボデーは、切削インサートを装着するためのチップ座を有する工具ボデーであって、チップ座は、ベース面と、ベース面に交差するように延在する側壁面とを有する。 ベース面は、切削インサートと当接する当接面および当接凸部を有する。 当接面の当接部は面状とされ、当接凸部は、その頂部において切削インサートと線接触または点接触する。

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