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所定の粗さを有した表面を形成するための方法及び工具

申请号 JP2011521434 申请日 2009-07-27 公开(公告)号 JP5730199B2 公开(公告)日 2015-06-03
申请人 ギューリング コマンディートゲゼルシャフト; Guehring KG; マーティンリー ホンゼル ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; Martinrea Honsel Germany GmbH; 发明人 ホルガー アスト; ルトフィ ボツクアト; ペーター ゾマーフェルト; ベアンハート ガント; ホアスト ライマン; フランク オアラミュンダー;
摘要
权利要求

熱的な吹付加工により材料を被覆するために適した、所定の表面構造を有した円筒状の表面を形成するための方法であって、所定の寸法に予備加工された基材表面(60)に、僅かな深さ(T)と幅(B)とを有した形状的に規定された、所定の溝ピッチ(S)で螺旋状に延在するマイクロ溝構造(52)を、順送り工具として形成された工具によって加工成形する形式のものにおいて、 前記溝構造を円筒状の基材表面(60)に加工成形し、この加工成形の際に、溝横断面を徐々に最終寸法となるように加工し、この際、 まず工具の歯(54−1,54−2,54−3)を用いて、完成状態の溝の溝基部幅(B)よりも小さい溝基部幅(B54−2)を有した、溝基部と2つの溝側面を有したベース溝(52B)を基材表面(60)に加工成形し、 次いで、溝を、アンダカットされた最終寸法の溝横断面となるように形成するために、前記溝ピッチ(S)分だけ互いにずらされて配置された複数の成形歯(54−2〜54−8)である、1つの作業過程で異なる切削又は変形処理を行う同じ工具の別の歯を用いて、変形により又は切削加工により加工することを特徴とする、所定の形状の表面構造を有した表面を形成するための方法。前記加工成形により形成された前記溝構造を、溝開口を材料圧縮により狭めることにより変形させる、請求項1記載の方法。工具と基材表面(60)との間の相対回転運動と、工具と基材との間の軸方向の相対的な摺動運動とを同時に行って、少なくとも1つの螺旋状の溝(52)を円筒状の表面に加工成形することにより、前記溝構造を形成する、請求項1又は2記載の方法。前記溝横断面を前記加工成形する際、材料切削により表面を粗くする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。円筒状の表面(60)に、予め形成された少なくとも2つの溝(52)の間で、同じ工具で中間溝(66)を変形により成形し、これにより、鳩尾形の溝横断面を、予め形成された溝構造において形成する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。前記鳩尾形の溝横断面を形成した後に、同じ工具で、切削溝内の切削残留物を取り除くことにより、溝横断面をクリーニングする、請求項5記載の方法。加工を最小限の量の切削油剤を用いて(MMS、MQL)行う、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実行するための工具であって、支持部分(12)を有しており、該支持部分(12)上に、少なくとも1つの変形・切削チップ若しくは切削チップ(34)が取り付けられており、該チップは、加工すべき円筒状の基材表面に対して平行に配向することができる側方縁部(38)に、櫛形に相前後して位置する少なくとも3つの歯(54−1,54−2,54−4)を有しており、これらの歯のうち第1の歯は、第1の歯横断面と第1の突出寸法(V54−1)とを有した、前記チップ(34)を円筒状の基材表面に進入させる際にガイドするための安全歯(54−1)を形成していて、少なくとも1つの隣接する第2の歯が、第2の歯横断面と第1の突出寸法(V54−1)よりも大きい第2の突出寸法(V54−2)とを有した溝予備加工歯を形成していて、前記ベース溝(52B)を切削により形成するために用いられ、第2の歯(54−2)に隣接する少なくとも1つの第3の歯(54−4)が前記ベース溝(52B)を、変形又は切削により前記最終寸法の溝横断面とするために用いられ、少なくとも1つの側方の側面(55)を有した鳩尾形の成形歯(54−4)を形成していて、前記側面(55)により、歯頭部が、その前に係合する歯(54−2)の歯頭部幅(B54−2,B54−3)よりも大きい幅(B)となるまで拡大されることを特徴とする、所定の形状の表面構造を有した表面を形成する方法を実行するための工具。溝予備加工歯(54−2)と、少なくとも1つの鳩尾形の歯として形成された成形歯(54−4)との間に、別の溝予備加工歯(54−3)が形成されていて、別の溝予備加工歯(54−3)が、成形歯(54−4)の突出寸法(V54−4)とほぼ同じ突出寸法(V54−3)を有しており、溝予備加工歯(54−2,54−3)の側方の間隔(S)と少なくとも1つの成形歯(54−4)の側方の間隔(S)とが同じ大きさである、請求項8記載の工具。隣接する複数の成形歯(54−4〜54−7)が設けられており、これらの成形歯により、形成すべき、鳩尾形の溝(52)の各側面(52−1,52−2)を加工することができる、請求項8又は9記載の工具。鳩尾形の歯として形成された前記少なくとも1つの成形歯(54−4〜54−7)に、前記安全歯(54−1)とは反対の側で隣接して、基材から材料を押しのける押しのけ歯(54−10)が形成されており、該押しのけ歯が、所定の長さ(B54−10)にわたって、前記安全歯(54−1)と同じ突出寸法(V54−10)を有しており、中央区分に、丸く面取りされた突出部(58)を有している、請求項8から10までのいずれか1項記載の工具。突出部(58)と、この突出部(58)に隣接する歯(54−9)の側方の間隔(A)が、その他の歯の側方の間隔(S)とは互いに異なっている、請求項11記載の工具。前記安全歯(54−1)が、少なくとも1つの溝予備加工歯(54−2,54−3)若しくは少なくとも1つの成形歯(54−4)の幅(B54−2,B54−3)の数倍に相当する幅を有している、請求項8から12までのいずれか1項記載の工具。前記溝予備加工歯及び成形歯(54−2〜54−7)が冗長的に構成されており、これにより、工具が摩耗した場合も、同様の溝形状が保証されている、請求項8から13までのいずれか1項記載の工具。成形歯(54−1〜54−10)が、耐摩耗性の材料である鋼又は硬質材料から成っている、請求項8から14までのいずれか1項記載の工具。成形歯が、前記切削チップ(34)の前記側方縁部(38)の領域に設けられた切欠内に堅固に装着される刃インサート部分(40)に形成されていて、刃インサート部分が、柱状若しくは直方体状のブロックの形を有しており、複合材から形成されていて、この複合材においては、硬質材料チップ(48)が、支持体(46)上に装着されていて、成形歯(54−1〜54−10)は、両材料の分離接合部(50)を越えて延びている、請求項15記載の工具。前記刃インサート部分(40)が形状接続的に、スローアウェイチップとして形成された切削チップ(34)に固定されている、請求項16記載の工具。切削チップ(34)が工具カセット(22)によって支持されており、前記工具カセットは工具(12)に、前記刃インサート部分(40)が、加工すべき円筒表面(60)の軸線に対してほぼ平行に配向可能であるように調節可能に装着されている、請求項17記載の工具。請求項8から18までのいずれか1項記載の回転駆動可能な工具及び/又は回転駆動可能なワークを使用して、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法を実行するための装置において、工具支持体が設けられており、該工具支持体は、少なくとも2つの運動自由度を有しており、一方の運動自由度は、工具(12)及び/又はワークの回転軸線に対して平行な工具(12)及び/又はワークの送り方向であって、他方の運動自由度は、これに対して角度を成して延びる調節方向であって、送りは、工具(12)とワークとの間の相対回転数に合わせて調節可能であることを特徴とする、所定の形状の表面構造を有した表面を形成する方法を実行するための装置。

说明书全文

本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の、所定の粗さを有した表面、特に例えば、熱的な吹付加工により材料を塗布するために適した、所定のジオメトリの表面構造を有した円筒表面を形成するための方法に関する。

さらに、本発明はこのような方法を実行するための工具、製造方法を実行するための装置に関する。本発明の構成要素は即ちさらに、ホーニング工具を含む適当なコンビネーション工具、その工具を取り扱うために形成された取り扱い装置、並びに所定の表面品質及びジオメトリを所望のように再現可能に製造するための機械的な処理方法である。

所定の技術的問題、特に摩擦学的な問題を解決するためにしばしば、支持材料の表面を、その都度の使用条件に最適な極めて規定された特性を有する材料で被覆することが所望される。このよう被覆は、複数の構成部分を機械的に又は接着やろう接により接合する手段に対して、極めてコンパクトな構成形式であり、かつ隣接する材料の接触面が比較的大きいという利点を有していて、これによりこのような形式の結合技術は特に熱的に高い負荷がかかる構成部分のために提供される。この被覆により、極めて良好な材料接続が生じ、熱エネルギを特に良好に導出することができる。

金属材料の分野ではこのような被覆はしばしばいわゆる「熱的な吹付加工」により施され、この場合、いわゆるフレーム溶射の他に、昨今ではいわゆるプラズマ溶射又はアーク溶射が行われることも多い。この場合、粉体粒子及び/又は線材粒子が、高い熱エネルギ及び運動エネルギで、被覆したい基材の表面へと投げ付けられ若しくは噴射され、ここで、温度降下後に所望の塗布層が形成される。

十分高いレベルの層付着を得るためには、いわゆる構造における多孔性、即ち、それ以上充填することができない中空室の封入又は、溶融されなかった粒子の一部が基材に付着せずに残り、はね返るいわゆる「オーバースプレイ」を回避するためにプロセスパラメータを正確に厳守する他、このような製造法を確実に使用するために重要であるのは、被覆層と基材との間の機械的な接合である。このような場合、基材表面に所定のジオメトリの表面構造を形成する必要が生じる。これにより層は、被覆したい表面全体にわたって均一に機械的に歯列が設けられる。この場合しばしば、基材表面を例えばサンドブラスト又はウォータージェットにより粗面加工する、及び/又は活性化するだけでは不十分であることが多いことが示されている。

例えばシリンダクランクケースに、熱的な吹付加工により施される適当な被覆層を設ける場合、耐摩耗性かつ摩擦の少ない摺動面が生じる。

このような被着される母材、例えば鋼母材は、使用中、少なからず機械的な負荷にさらされるので、十分な耐用期間を得るためには、被覆層を基材、例えば、アルミニウム鋳造品の形の基材に堅固に結合させることになる。特に、被覆すべき材料の表面は、正確に規定した形状的なパラメータを有する、熱的な吹付加工のために特に良好に適した表面が得られるように加工することになり、そのためには、十分な結合を保証するために、所望の表面構造を僅かなばらつきで再生可能に製造することができるように製造プロセスを規定するという配慮が必要になる。

この関係で、例えばアルミニウム鋳造品の基材表面を、順送り工具によって、切削により加工し、溝横断面を連続的に、相次いで係合する切削加工歯列によって最終寸法となるように加工することが考えられている。このような形式のこれまでのコンセプトの工具により、例えばアルミニウム鋳造品の予め加工された円筒表面に所定の構造を設ける努がなされてはいる。しかしながら実際には、このような構造は同じ品質や形状精度をもって基材に形成することはできないという問題が示された。次いで熱的な吹付加工により被着された被覆層の付着は、広い範囲で異なっていた。即ち、大量生産のためにこのような方法を使用することはこれまでできなかった。

そこで本発明の課題は、熱的な吹付加工のために最良に準備された基材表面を大量生産するために使用可能であるように、請求項1の上位概念に記載の、所定の表面構造をもった例えば円筒表面を形成するための方法を提供することである。本発明の別の課題は、熱的な吹付加工による材料の塗布のために最適に準備された基板表面を特に経済的に、高い精度で、僅かな形状変動で製造できるような、前記方法を実行するための工具を提供することである。

さらに本発明の課題は、本発明による工具を使用して、前記方法を実行するための装置を提供することである。

この課題は、方法については請求項1の方法ステップにより、工具については、請求項12の特徴を有する工具により、装置については、請求項25の特徴を有する装置により解決される。

本発明によれば、基材表面の溝構造は次のように形成される。即ちまず、完成状態の溝の溝基部幅よりも小さい溝基部幅を有したベース溝を、例えば円筒状の基材表面に加工成形若しくは切削又は異形成形する。次いでこのベース溝をさらに、切削加工により、又は切削加工せずに、基材に加工成形された溝の少なくとも片側若しくは一方の側面に、その後の方法ステップである熱的な吹付加工のために最適に準備された輪郭が生じるように加工する。有利には溝の少なくとも一方の側面を、表面に加工成形された溝のアンダカット部若しくはアンダカット状の狭隘部が形成されるように加工する。溝のこのような狭隘部により、基材と被覆層との間に、極めて強固な接合が得られる。このようなステップによる溝構造の加工成形により、その後、係合する歯列若しくは刃において均一な力が生じるようになる。

工具は有利な構成によれば、順送り工具として形成することができる。さらなる有利な構成は従属請求項に記載されている。

切削加工で、又は切削加工せずに加工成形された溝は、加工成形された溝開口が、材料圧縮により狭められることにより変形されると特に有利である。有利にはこのような材料圧縮は溝構造の製造と同時に、有利には同じ工具で行われる。このようにして、塗布したい吹付層と円筒表面との堅固な接合のために特に効果的なアンダカット部が形成される。

このような形式の溝側面加工は、工具の側でいわゆる「追加切削油剤」の必要が確実にないことが実験で示されている。「追加切削油剤」は、例えばアルミニウムのような比較的軟らかい材料の加工の際に、形成すべき溝構造の形状精度にとって重要である。このようにして、例えば円筒状の内表面に、0.18mmまでの溝基部幅と、約0.14mmの深さと、0.7mmの溝ピッチ(溝螺旋ピッチ)と、同様の溝形状を有したアンダカットされた溝を形成することができる。この場合、溝の、塗布すべき材料に面した開口を、0.12mmの幅に制限することもできる。これにより、熱的な吹付加工による材料塗布、例えばプラズマ溶射やアーク溶射のために特に良好な前提が得られる。

特に有利な方法の構成は請求項7に記載されている。この場合、例えば順送り工具により、最も単純な運動力学により、ひいては迅速かつ経済的に、所望の表面構造が形成される。

最終的な溝プロフィールの形成のための本発明による段階的な加工により、基材と塗布したい材料との間の噛み合いを最適にするために、溝構造の表面、即ち溝側縁及び/又は溝基部を、広い範囲で最適化することができる。このことは例えば、請求項8に記載したように、加工された表面にマイクロ構造を設けることにより行われる。

方法を実行するための本発明による工具は、例えば直方体の成形チップ及び切削チップの、溝構造を加工成形する歯列に、予備加工歯及び安全歯を前置し、これらの歯が、後続の溝形成歯若しくは成形歯よりも僅かな突出寸法を有していることを特徴とする。予備加工歯及び安全歯は、従って、成形チップ及び切削チップを、円筒状の基材表面に進入させる際にガイドし、安定化させるために利用することができる。順送り工具の歯は、このようにして極めて精密に、加工すべき基材に係合する。溝構造をこのようにステップ式に加工成形することによりさらに、その後に係合する歯若しくは刃に加えられる力が均一に保たれる。これにより製造すべき溝構造の精度が改善されるだけではなく、工具の極めて小さな歯の負荷も良好に制御することができる。従ってこのように構成された工具は特に、最小量の切削油剤供給(MMS)により、もはや、微細な歯の領域における上述したような「追加切削油剤供給」の傾向はない。従って、製造誤差の僅かなジオメトリを有する所望のマイクロ溝構造の大量生産が初めて可能になる。

方法及び工具の有利な別の構成は従属請求項に記載されている。

基本的に本発明による方法は、被覆すべき基材の任意の表面構成のために使用可能である。しかしながら、被覆すべき表面が、円筒状の基材の表面により形成されているならば、この方法の特に成果が高い構成が得られる。この場合、溝構造は、少なくとも1つの螺旋状の溝が円筒状の基材表面に、連続的に1つの同じ溝を加工するねじ切り工具のようにコーム状かつ冗長的に相前後して位置する異なる横断面の複数の歯を支持している工具を使用して加工成形されることにより形成される。この場合、請求項4に記載されているように、ベース溝が、円筒状の基材表面に異形成形され、圧縮されると有利である。しかしながらベース溝を切削加工により形成することも可能である。

上記溝構造は、熱的な吹付加工の準備のために、溝が極めて小さい深さと幅を有しているように形成されている。相応に、溝構造を製造するための工具も微細に形成される。従って請求項5の方法によりさらに形成されるならば、溝構造の製造のためにコーム状に配置された歯列を備えた唯一の成形部分若しくは切削部分が設けられていれば十分である。しかしながら同様に、表面に、多条のベース溝並びにアンダカットされた溝横断面を有した複数の溝を加工成形することもできる。加工若しくは切削の作業過程が冗長的に行われるので、工具が摩耗した場合でも同じ溝形状が製造可能であるという特別な利点が得られる。

ベース溝及び/又は完成された溝構造の加工成形の方法ステップ(切削及び変形作業)が部分ステップに分割されているならば、工具の歯列に加えられる力をさらに良好に制御することができる。従って、加工若しくは切削作業工程が冗長的に行われるので、工具が摩耗した場合でも同じ溝形状が製造可能であるという特別な利点が得られる。

次いで行われる熱的な吹付加工による材料の塗布のために最良の構造を有した特に有利な基材表面は、請求項9の方法により得られる。異形成形、即ち、溝構造を備えた基材表面において基材を押しのけることにより、基材と、熱的な吹付加工により塗布される材料との間の接触表面を拡大する中間溝が得られるだけではない。さらに、溝の凹部の間の基材材料の押しのけにより、溝開口を十分狭めることができ、これにより吹付層は特に効果的かつ強力に基材材料と接合することができる。

工具は、純粋な成形工具、切削工具、ホーニング工具として形成されていても良いが、種々様々な加工形態、例えば切削と成形、又はホーニングと成形、又は切削とホーニングを組み合わせた工具も可能である。例えば、砥石のようなホーニング工具の工具構造を、刃の位置決めのための拡開円錐を使用して半径方向に調節可能な工具インサートと一緒に使用することも有利である。ホーニング工具としての構成では、有利には、周面にわたって均一に分配された複数の刃部分、例えば複数のホーニング条片が使用され、これは有利にはダイアモンド(PKD)又は窒化ホウ素又は、同様の形状安定的なその他の材料から形成されている研磨手段、即ち研磨コーンのための支持体として働く。結合体(セラミック、金属、又は樹脂の)から成る上記研磨コーンはこの場合、付加的に、有利には、ホーニング条片の軸方向長さにわたって変化する所定のジオメトリを有し、これにより、軸方向の摺動運動を、ホーニング条片と基材との間の相対回転運動に合わせながら、所定の溝形状を上述したように段階的に加工成形することができる。

別の構成によればは、ホーニング条片が、基材表面に関して相対的な軸方向運動を行う間に、半径方向の調節運動を行うので、ホーニング条片の先行する区分により設けられた溝が、徐々に完全な深さとなるように切削される。

即ち、ホーニング工具を模範とした工具構造により、溝はより傾斜され、ホーニング工具の通常行われる往復運動に基づき、交差することもできる。基本的には、ホーニング条片を、研磨コーンが、ホーニング過程の際の運動学に合わせた所定の位置関係で、押しのけ隆起部の後方に位置するように構成することも可能であり、これにより、請求項3の関係で説明したアンダカットに似た溝狭隘部も材料押込みにより形成される。

熱的な吹付加工により塗布される層の良好かつ持続的な付着のために重要なパラメータは、層と基材との間の機械的な接合であることが実験で示すことができた。請求項9の方法の構成及び請求項16の工具の構成により、基材表面に加工成形された溝の少なくとも1つの側面が僅かにしか、または全くアンダカットされていなかったとしてもこのような機械的な接合は保証される。

方法を実行するための工具の別の構成により、工具、特に、使用される直方体の成形チップ及び切削チップが、特に大きな耐用期間を有することができる。例えば請求項15により、有利には隣接した、形状を与える複数の切削歯又は圧縮歯が設けられていて、これにより、形成すべき、例えばアンダカットされた溝の、連続した異なる側面を加工することができ、個々の歯列における僅かな切削力ひいては工具の比較的長い耐用期間が得られる。

請求項16の別の構成によれば、工具は切削工具及び成形工具である。押しのけ歯の適当な形成により、即ち、押しのけ歯が所定の長さにわたって、安全歯と同じ突出寸法を有していることにより、丸く面取りされた突出部により押しのけられた材料が必然的に、切削された溝へと押しのけられ、これにより塗布すべき材料に面した溝開口が付加的に狭められる。押しのけ歯の突出寸法ひいては安全歯の突出寸法は有利には、成形チップ及び切削チップが狭い遊び嵌めで、又は弱いプレス嵌めで、予め準備された孔に、即ち予め準備された基材孔内に導入されるように寸法設定されている。有利には安全歯は、少なくとも1つの溝予備加工歯若しくは少なくとも1つの成形歯(例えば鳩尾形歯)の幅の数倍に相当する幅を有している。このようにして、成形チップと切削チップのガイドひいては工具の作業精度はさらに改善される。

上述したように、正確に予め規定されたジオメトリを有する溝構造の製作の際には、溝を高い精度で、成形チップと切削チップの長期使用後も、歯の間に制御されない基材の堆積物が生じないように、即ちいわゆる「追加切削油剤供給」が生じないように構成される。このことは、例えばアルミニウムのような比較的軟らかい材料を加工する場合、形成される溝形状の大きな変動や形状のずれにつながる。特に、請求項21、22の工具構成により、溝構造を大量生産で同じ品質を維持しつつ、工具の長い使用期間を保証しながら製造することができる。

請求項22の刃インサート部分が複合部分から成っているならば、例えば多結晶ダイアモンド(PKD)から成る硬質材料チップが支持部分、有利には硬質金属支持体上に装着されているような複合部分から成っているならば、歯列は極めて微細に、できるだけ高い精度で形成され、これにより、最良の切削加工特性が特に、最も小さい切削ボリューム若しくは切削横断面が生じるところで得られる。さらに、工具は強く負荷することができる。何故ならば、硬質材料チップ若しくはPKDチップを支持する支持体若しくは硬質金属支持体が工具に、必要な安定性、強度、弾性を与えるからである。有利には、歯列は、複合チップ内に侵食加工される。このようにして問題なく、成形歯を、硬質金属支持体とPKDチップとの間の分離接合部にわたって段差無く形成することができる。

請求項23及び/又は24の別の構成により、成形歯の有利な微調整の可能性が生じる。これにより、高い精度で製造された歯の負荷をできるだけ均一に維持することができる。

以下に図面につき、本発明の複数の実施の形態を詳しく説明する。

熱的な吹付加工により材料を塗布するために予備加工された、所定のジオメトリの表面構造を有した円筒状の内表面を形成するための工具の第1の構成を示した側方図である。

図1のIIの方向から見た図1の工具の端面を示した図である。

表面構造を形成するための刃インサート部分を備えたスローアウェイチップを図1のIII−III線に沿って断面した拡大図である。

図3のIVの方向で見たスローアウェイチップの平面図である。

図4の構成の刃インサート部分を著しく拡大して示した平面図である。

図5のVI−VI線に沿った断面図である。

図5のVII−VII線に沿った断面図である。

図5のVIII−VIII線に沿った断面図である。

異なる構成の刃インサート部分を有したスローアウェイチップの別の実施例を示した図3と同様の図である。

上記工具により製造可能な基材表面構造を著しく拡大して示した部分断面図である。

以下に、基材の円筒状の内表面、特に、シリンダクランクケースにおいて所定の寸法に準備若しくは加工された孔を、熱的な吹付加工法によって大量生産で層を被着することができるように加工することができる工具の説明をする。いわゆる熱的な吹付加工によるこのような材料塗布により、例えば、微量な他の元素を有した鋼から成るブシュを形成することができ、即ち、挿入された酸化物ネスト(Oxidnestern)と極めて微細な細孔を有した母材の形で形成される。このような層の最終寸法は、約0.1〜0.2mmであり、この場合、このような層のホーニング仕上げ後は、極めて微細な細孔を有した極めて平滑な表面が生じる。

熱的な吹付加工により被着される材料を基材、即ちアルミニウム鋳造材料に良好に付着させるために、基材に特別な表面を設ける必要がある。このために、熱的な吹付加工により被着される材料層とアルミニウム鋳造物との間に歯列が、基材表面全体にわたって再生可能に、均一な良好な品質で形成される。アルミニウム鋳造基材の円筒状の内表面は例えば、内燃機関のシリンダブシュを製造する場合、約130mmの軸方向の長さを有しており、この場合、極めて僅かなシリンダ形状許容誤差と表面粗さを維持しなければならない。この場合、本発明による工具は、既に極めて精密に予備加工された円筒状の基材表面において、所定のジオメトリを有する少なくとも1つの螺旋状の溝を加工成形するように構成されている。このことは後で詳しく説明する。

工具全体が図1に符号12で示されている。この工具は、中空シャフト円錐(HSK)を備えた緊締シャフト14を有しており、この緊締シャフト14に基体16が接続されている。工具12の軸線は符号18で示されており、図面により、工具12は極めて剛性的かつ形状安定的な工具であることがわかる。このことは、所定の円筒形状精度を有したアルミニウム鋳造物の円筒状の内表面を加工することができるための前提条件である。

符号20で示したポケット内には、ほぼ直方体の形状を有した工具カセット22が装着されていて、この工具カセット22は緊締ねじ24によって、ポケット20の互いに度を成して位置している2つの内表面に緊締されている。符号26によって偏心ピンが示されている。この偏心ピン26は、カセット22を軸線18に関して整合させるために、適当な工具、例えば六角穴レンチによって回動させることができる。従って、工具カセット22のこのような微細な調整を可能にするために、緊締ねじ24が、カセット22における相応の孔に、遊びをもって、ポケット20の両支持面に対して角度を成して進入することは自明である。

符号28によって、ねじ山付きピンが示されている。このねじ山付きピン28は、詳しく図示しないが、ポケット20の装着面30上に支持されていて、これによりカセット22は、ポケット20の半径方向内側に位置する支持面に接触しながら、軸線18に対して平行な平面で旋回可能である。

カセット22は、詳しく示されていない調節ピンによって軸方向で調節可能、有利には微調整可能に保持されていても良い。この調節ピンは、カセット22の端面32に当接し、ほぼ半径方向で基体16内に押し込む、若しくはねじ込むことができる。

工具カセット22はスローアウェイチップ34を有しており、このスローアウェイチップ34は、スローアウェイチップ34の貫通孔35と協働する中央の固定ねじ36によって工具カセット22に解離可能に取り付けられている。

スローアウェイチップ34は、例えば鋼、特に工具鋼のような適当な支持材料から成っている。しかしながら、スローアウェイチップ34は、工具軸線18に対して平行に、ひいては、加工すべき円筒状の基材表面に対して平行に向けることのできる側縁部38で、スローアウェイチップ34のほぼ全長にわたって延びる刃インサート部分40を支持している。詳細を説明するために、以下に図3、図4につき符号を用いて説明する。

スローアウェイチップ34が、側縁部38の領域に、互いに直角を成す2つの面42,44から成る切欠を有していることがわかる。この切欠内には、有利には、硬ろう付けにより、ほぼ正方形の横断面を有した直方体の形状の刃インサート部分40が堅固に装着されている。図3及び図4には、刃インサート部分40を有したスローアウェイチップ34が著しく拡大された寸法で示されているが、図面により、スローアウェイチップ34が単に、約4mmの厚さD34と、約9.5mmの縁部長さを有しているものであることがわかる。約1.1mmの縁部長さを有した刃インサート部分40の横断面は相応に小さい。

刃インサート部分40は複合部分として形成されており、多結晶ダイアモンド(PKD)から成るチップ48が、硬質金属支持体46上に堅固に装着されている。部分46と48との間の結合は、硬ろう付けにより行われる。硬質金属支持体46とチップ48若しくはPKDチップ48との間の扁平な接合部は符号50で示されている。

特に図4に示されているように、PKDチップ48は、硬質金属支持体46の縁部長さよりも寸法Kだけ短く、これにより、比較的脆いPKDチップ48の損傷の危険は防止される。図4にはPKDチップ48が斜線で略示されている。

さらに、刃インサート部分40に極めて微細な歯列が設けられていることがわかる。この歯列により、例えば、任意の直径、例えば内燃機関シリンダの孔の直径を有したアルミニウム鋳造部分の円筒表面に、正確に所定のジオメトリを有した溝構造を加工成形することができる。この場合、円筒状の基材表面の軸方向の全長にわたって螺旋状に延び、例えば、0.15mmの深さT(図10参照)と、最大0.2mmのサイズの幅Bを有した少なくとも1つの溝が形成される。溝52のピッチS(図10参照)は、0.5〜0.8mmである。

図10に示したジオメトリを有するこのような溝52を製造するために、刃インサート部分40には特別な歯列が設けられる。これについては以下で、図5〜図8につき詳しく説明する。

図5〜図8には、刃インサート部分40の平面図と断面図が極めて拡大された図で示されている。刃インサート部分40の全長Lは、約9〜10mmである。刃インサート部分40の幅B40は、高さH40と同じく約1mmである。図6〜図8に示したようにPKDチップ48は約0.3〜0.4mmの厚さH48を有しており、硬質金属支持体46は0.6〜0.7mmの厚さH46を有している。符号54−1〜54−10により示した歯は有利には、刃インサート部分40の側方表面にその高さ全体にわたって腐食成形されていて、即ち、次のようなジオメトリを有している。

軸方向端部領域に、まず1つの安全歯54−1が設けられている。この安全歯は、その寸法V54−1だけ歯基部から突出している。寸法V54−1は、安全歯54−1の歯頭部が、最終的に調整された工具カセット22においてほぼシリンダ内壁直径、即ちコーティングしたい基材の予備加工された内径に沿って位置するように選択されている。寸法B54−1である安全歯の幅は約0.3mmである。

安全歯54−1に隣接して、それぞれピッチSの間隔を置いて2つの予備加工歯54−2と54−3が続いている。予備加工歯54−2は、極めて細い歯横断面を有しているが、比較的大きな突出寸法V54−2だけ刃インサート部分40の縁部から突出している。換言すれば、第1の予備加工歯列54−2は、所定の寸法だけ、予備加工された基材表面内に入り込んでおり、図10で一点鎖線52Bで示したベース溝を形成する。

しかしながら第1の予備加工歯54−2の形状は、歯頭部の幅B54−2が、完成した溝52の幅Bよりも小さいように形成されている(図10参照)。突出寸法V54−2は、溝52の完成輪郭の直径DFに達しないように選択されている。第2の予備加工歯54−3によって初めて、ベース溝は完全な深さT(図10参照)となるように切削される。しかしながらこの場合、溝の幅は、ほぼ第1の予備加工歯列54−2の寸法B54−2となるように維持される。

製造すべき溝52のピッチSだけそれぞれずらされて、いわゆる成形歯列が続いている。これらの成形歯列は以下では「鳩尾形歯列」54−4〜54−7と記載する。しかしながら、この成形歯列は必ずしも、基材に進入する際にアンダカット溝を形成する側縁を有している必要はない。成形歯列はさらに、切削加工を行うように働くことも、切削加工を行わずに働くこともできる。

図示の実施例では、鳩尾形歯列54−4〜54−7が、溝基部の領域における予め成形されたベース溝を順次に最終寸法B(図10参照)となるように加工する。この場合、鳩尾形歯列54−4,54−5が、一方の側面における溝を、アンダカットされた溝形状となるように成形、即ち切削し、続く鳩尾形歯列54−6,54−7が、溝の他方の側面を、切削加工により成形する。最後の鳩尾形歯54−7の係合により、図10に示した輪郭を有した、即ち深さTと溝基部の幅Bを有したアンダカットされた溝が生じる。切削の代わりに、成形歯列によって切削を行わない変形を行うことも可能である。

再び溝ピッチSだけずらされて、最後の成形歯若しくは鳩尾形歯54−7に、いわゆる粗面仕上げ歯54−8が続いていて、粗面仕上げ歯54−8はその歯頭部で、波形、即ち、0.01mm範囲の所定の溝深さを有する粗面加工部56を形成する。

粗面仕上げ歯54−8又は、後でさらに説明する押しのけ歯54−10には、いわゆるクリーニング歯が続いている。クリーニング歯により、場合によっては生じる切削溝内の切削残留物を取り除くことができる。クリーニング歯は符号54−9で示されていて、成形歯列54−4〜54−6の歯高さよりも小さいので、粗面加工部56はもはや接触しない。

配置された歯列54−1〜54−9の列は、いわゆる押しのけ歯54−10で終わっている。押しのけ歯54−10は、歯頭部幅B54−10を有しており、この幅は、予備加工歯若しくは成形歯の幅の数倍に相当する。有利には、安全歯54−1の突出寸法V54−1にほぼ相当する突出寸法V54−10を有した押しのけ歯54−10の中心には、丸く面取りされた突出部58が形成されていて、この突出部58は例えば約0.15mmの幅B58と、約0.05mmの高さH58とを有している。押しのけ歯54−10の歯高さV54−10は、所定の寸法となるように予備加工された基材の内表面に多かれ少なかれ接触するように選択されているので、押しのけ歯54−10の突出部58は基材の比較的軟らかな材料、例えば、アルミニウム鋳造物のような材料を側方で押しのけ、アンダカットされた溝52を側方で、内表面60への移行部の領域で、材料圧縮部62によりさらに狭められる。さらに、押しのけ歯は、再生可能かつ摩耗補償する粗面仕上げ深さを有している。

上記記載によりわかるように、突出部58は、クリーニング歯54−9に対して、溝ピッチSとは異なる軸方向の間隔Aを置いて位置している。これは例えば、溝ピッチSの1.5倍である。

図6〜図8の断面図により、歯列54−1〜54−10がどのように基材に係合するかが示されている。例えば図6により、安全歯54−1の逃げ角F54−1が、0°をかろうじて越える値であることがわかる。この角度は負(negative)であることもある。成形歯列が、基材の内表面を切削加工で処理すべき場合のときは逃げ角F54−1は正(positive)である。相応に、予備加工歯列と、粗面仕上げ歯54−8と、クリーニング歯54−9のすくい角も正である。これに対して、押しのけ歯54−10の逃げ角F54−10は、特に突出部58の領域で極めて小さい。この角度は負でさえあることもあるので、突出部58を有した押しのけ歯54−10は切削せず、材料が基材から押しのけられる、若しくは変形される。

図6〜図8によれば、刃インサート部分40の楔角度はほぼ90°であり、これにより図示の実施例では、僅かに負であるすくい角が生じる。

さらに図6〜図8に示したように、歯列54−2〜54−9は、刃インサート部分40に、即ち、ろう接されたPKDチップを有した硬質金属支持体に、その高さH40全体にわたって均一な歯高さが生じるように加工成形、有利には侵食加工されている。しかしながらこのことは、歯の高さが刃コーナから徐々に間隔を増大させながらやや拡大する安全歯54−1及び押しのけ歯54−10の領域における歯形状には当てはまらない。

工具の上記構成により、所定の表面構造を有する円筒状の内表面を形成する際に以下の作用形式が生じる。

工具12の軸線18を、予備加工されたシリンダ内壁の軸線に対して同心的に配向し、これにより、安全歯54−1の歯頭部の半径方向の間隔が、基材表面のシリンダ内壁直径のほぼ半分に相当するようにする。カセット22が予め、調節手段(偏心ピン26、ねじ山付きピン28)によって、成形歯列54−4〜54−7の歯頭部が、工具軸線18に対してほぼ平行に向けられ、歯のラインが、形成すべき螺旋状の溝に対して垂直となっていれば、工具を内孔に進入させることができる。次いで、工具12と基材シリンダ表面との間の相対回転運動が行われ、同時に、工具12と基材との間の軸方向の相対的な摺動運動が次のように行われる。即ち、 VR=nR×S この場合、VRは、工具12と基材との間の軸方向の相対速度であって、nRは、工具と基材との間の相対回転数である。

上述したように、工具若しくは工具の歯列は、刃インサート部分40の領域で、歯列が、刃インサート部分40の高さH40全体にわたって同じ横断面を有しているように形成されている。しかしながら、ここでは、これは必ずしもそうである必要はないと強調したい。むしろ、歯列、特に、予備加工歯列54−2と54−3並びに成形歯列54−5〜54−8は、溝プロフィールの切削加工の際に正の側方切削角度が生じるように、少なくとも側縁の領域でアンダカットされていても良い。

予備加工歯54−2が、寸法B54−2を有した溝基部幅のベース溝を切削、若しくは成形するとすぐに、次の予備加工歯54−3が機能するようになり、ベース溝を完全な深さTとなるように加工若しくは切削する。予備加工歯54−3は省略することもでき、これに続いて第1の成形歯54−4が機能するようになる。この第1の成形歯54−4は第1のアンダカット側面52−1を、幾分幅広にされた溝基部が形成されるように切削する。この溝基部は、第2の成形歯54−5によって後加工され、これに続いて、溝基部は、一方の側において完全な幅B/2となるように切削される。次の段階で、成形歯54−6〜54−7は、他方のアンダカット側面52−2を最終的に切削する。これに続いて粗面仕上げ歯54−8が粗面加工部56を形成する。

上記実施例では、予備加工歯54−2は、予備加工歯54−3と同様に、コンビネーション歯として形成され、切削も粗面仕上げも行う。しかしながら、予備加工歯54−2と54−3を成形歯若しくは変形歯として、即ち、基材の軟らかい材料を押しのけるだけの歯として形成することもできる。

図1〜図8には、矩形切欠(図3)における刃インサート部分40の挿入が示されている。この切欠の面42,44は、刃インサート部分40が直方体の形状である場合に負のすくい角が生じるように方向付けられている。従って、図6〜図8では一点鎖線64によって、刃インサート部分40の表面が、硬質金属支持体46に対して傾斜して摩耗されて、これにより正のすくい角が形成される場合に生じる面を示している。

図9には、工具の変化実施例が示されていて、詳しく言うと、ろう接された刃インサート部分を有したスローアウェイチップが示されている。このスローアウェイチップでは、硬質金属支持体がPKDチップと同様に面平行な縁部面を有している場合に、正のすくい角を有した90°よりも小さい楔角度及び正の楔角度が得られ、このことが簡単な製造を保証する。説明を簡単にするために、上記実施例のエレメントに相当する構成部分には同じ符号を付与するが、符号「1」を前に付け加える。

スローアウェイチップ134が刃インサート部分140のために別の方向付けを持った切欠を有していることがわかる。面142,144は、確かにこの場合も互いに垂直であるが、底面144は、図3の構成の底面44に対して傾けられている。従って、硬質金属支持体146と、その上に硬質溝によって固定されたPKDチップと、縁部長さH140とを有した直方体の刃インサート部分140から、図5のジオメトリを有した歯列が侵食されるならば、簡単な製造技術的な手段により、予備成形歯と成形歯の領域で正の逃げ角が生じ、安全歯と押しのけ歯の領域で、侵食工具を相応に制御することにより小さくされた逃げ角若しくは負の逃げ角が形成可能である。

上記の基準で構成された工具により、図10で示したジオメトリを有する溝構造を、アルミニウム鋳造物の予備加工された円筒状の内表面に再現可能に加工できることは広範囲の実験で示すことができた。この場合、工具の長期使用後でも、アルミニウムの追加切削油剤供給は生じなかった。このように、アルミニウム鋳造物基材の内表面には、吹付層の塗布のために極めて適している表面が形成できた。

この場合、重要なことは、順送り工具として形成された刃インサート部分は極めて精密に加工することができ、複合的な構成により、重要な個所で改善された安定性を得ているので、刃は正確かつ長期にわたって確実に働くことができることである。切削歯と押し込み歯の組み合わせにより、さらに、溝52のアンダカットを著しく強調することができ、これにより塗布される材料とアルミニウム基材との間の機械的な歯列若しくは噛み合いが極めて改善される。

勿論、本発明の基本思想を逸脱することなく上記例とは異なるものも可能である。従って、例えば、硬質材料PKDの代わりに別の硬質材料、例えば、立方体の窒化ホウ素(CBN)又はCVDダイアモンドを使用することもできる。別の硬質材料、例えばサーメット材料を有した刃の領域で作業することもできる。

本発明は、円筒状の内表面に所定のジオメトリを有した溝構造を設けるものに限定されるものでもない。同様に、外側表面又は扁平な面に、相応の溝構造を設けることもでき、この場合、上記方法が行われる。この場合、工具は、平削工具又はブローチとして形成されていて、歯列は、順送り工具の形式で、列ごとに、全横断面上に溝を加工する。

上記工具は、主として周方向で延びる歯列を有している。即ち、刃インサート部分40はまっすぐ歯列が設けられている。同様に、歯列を幾分傾斜させることもできる。

上記実施例とは異なり、工具12に複数の刃インサート部分を設けることもできる。これらの刃インサート部分は周面にわたって分配されていて、この場合、溝を、多条ねじの形式で基材に加工する、即ち、成形する若しくは切削することができる。工具のこのような構成は結果的に、ホーニング工具の形式となる。この場合、加工すべき表面の大部分の長さにわたって、若しくは全長にわたって延びることのできるホーニング条片は、溝構造を形成するために適した形状を備えている。

工具は、単に、成形工具、切削工具、又はホーニング工具として形成することもできるが、種々の加工成形、例えば切削と成形、及び/又はホーニングと成形、及び/又は切削とホーニングが組み合わされた工具としても形成することができる。例えば、刃の位置決めのために拡開円錐を用いて、半径方向で調節可能な工具インサートと共にホーニング工具、例えばホーニングブローチを使用することも有利である。

ホーニング工具としての構成では、有利には、周面にわたって均一に分配された複数の刃部分、例えばホーニング条片が使用され、これは、有利にはダイアモンド(PKD)又は窒化ホウ素又は別の比較可能な形状安定的な材料から成る研磨手段、即ち研磨コーンのための支持体として働く。結合体(セラミックの、又は金属の、又は合成樹脂の)から成る上記研磨コーンはこの場合付加的に、所定のジオメトリ若しくは空間的な形状が設けられていて、この形状は所定の形式で、ホーニング条片の軸方向の長さにわたって、軸方向の送り運動を、ホーニング条片と基材との間の相対的な回転運動に合わせて調節しながら、所定の溝構造の上記段階的若しくは徐々に行われる加工が可能であるように変化する。研磨手段の包絡面はこの場合、例えば円錐周面であり、これにより、送り方向で先行する研磨コーンは、後続の研磨コーンよりも結合体からの突出は少ない。ホーニング条片が、軸方向の往復運動を行う場合、この包絡面は、軸方向の中心から両軸方向で減少する双円錐によって形成される。

変化実施例によれば、ホーニング条片は、基材表面に関する軸方向相対運動中に、半径方向の運動を行うので、ホーニング条片の先行区分によって形成された溝は、徐々に完全な深さとなるように切削される。この場合、研磨手段の包絡面は円筒周面によって形成することができる。

即ちホーニング工具を模範とした工具構成により、溝は傾斜して、通常行われるホーニング工具の往復運動により交差することもある。基本的には、ホーニング条片を、ホーニング過程の運動学に合わせて調節された所定の位置関係で、研磨コーンの後方に押しのけ隆起部が生じるようにすることもでき、これにより請求項3について述べたアンダカットのような、材料押しのけによる溝の狭幅化を行うことができる。

図1の工具が、唯一のスローアウェイチップを備えている場合、基体16が周面にわたって分配されたガイド条片を備えていると有利であり、このガイド条片は、工具が、安全歯と協働して基材孔において確実にガイドされるようにする。

シリンダの必要な形状精度を損なわないために、図1には符号68が付与された2つのバランスねじが示されており、このねじにより、工具の微細なバランス調整が可能である。

上記工具の別の構成では、溝を全体に、すなわち、アンダカットされた側面の領域にも成形することができる。

従って本発明によれば、熱的な吹付加工により材料を塗布するために適した、所定のジオメトリの表面構造を有した有利には円筒状の表面を形成するための方法が得られる。この場合、溝横断面を徐々に最終寸法にすることにより、被着したい基材の、有利には所定の寸法に予備加工された、有利には円筒状の表面に、僅かな深さと幅を有する形状的に規定された溝構造が形成される。このような加工は、例えば順送り式の工具により行われる。同じ品質の表面を大量生産するために、本発明の方法では、溝構造がまず、完成品の溝の溝基部幅よりも小さい溝基部幅を有したベース溝を加工成形することにより形成される。次いで溝、例えば少なくとも1つのベース溝の側面が、アンダカットされた溝プロフィールを形成するために切削を行わずに、又は切削加工により加工され、この場合、有利には、加工成形により形成された溝構造が、材料押し込みにより溝開口が減じられることにより変形される。

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