チャック

申请号 JP2014257089 申请日 2014-12-19 公开(公告)号 JP2015120240A 公开(公告)日 2015-07-02
申请人 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ; 发明人 グナー モトリック;
摘要 【課題】本発明は、回転可能な形で作動する機械加工用工具のシャンク部分を挟持するための回転式チャックに関する。 【解決手段】チャックは、機械加工作業中に孔の軸方向に工具が偶発的に抜出すのを防ぐための補助抜出し防止手段と、機械加工中チャックとの関係における少なくとも一方の方向への偶発的な回転を防ぐための補助回転防止手段を備える。補助抜出し及び回転防止手段は、孔(4)の内側部分の中に 位置 づけ可能であり、挟持されるべきシャンク部分(5)に対して取付け可能である取付け部材(12、22)を含み、工具(6)と取付け部材は、軸方向に引き離されたり互いとの関係において少なくとも一方の方向へ回転したりすることが妨げられるようになっている。回転式チャック本体(1)は、取付け部材と係合するように配置された、少なくとも一方向への回転防止手段ならびに軸方向抜出し防止手段を含む。 【選択図】図3
权利要求

回転可能な形で作動する機械加工用工具(6)のシャンク部分(5)を挟持するための回転式チャックであって、 回転式チャック本体の回転軸(2)と同軸である円筒形孔(4)が具備された回転式チャック本体(1)を含み、孔の挟持部分(7)の周囲表面は、チャック内の明確な位置に工具を固定するためにチャック内に組付けられた場合に工具のシャンク部分の周囲に挟持を加えるように適応されており、 かつ同様に、機械加工作業中に孔の軸方向に工具が偶発的に抜出すのを防ぐための補助抜出し防止手段と、機械加工中チャックとの関係における少なくとも一方の方向への偶発的な回転を防ぐための補助回転防止手段とを具備する回転式チャックにおいて、 補助抜出しおよび回転防止手段が、孔(4)の内側部分の中に位置づけ可能であり、かつ、挟持されるべきシャンク部分(5)に対して取付け可能である取付け部材(12、22)を含み、こうして、工具(6)と取付け部材は、軸方向に引き離されたり互いとの関係において少なくとも一方の方向へ回転したりすることが妨げられるようになっており、 回転式チャック本体(1)が同様に、取付け部材と係合するように配置された、少なくとも一方向への回転防止手段ならびに軸方向抜出し防止手段をも含んでいることを特徴とする回転式チャック。取付け部材の軸方向位置が、チャック本体内部の異なる位置で、連続的に調整できる形で移動可能かつロック可能である、請求項1に記載の回転式チャック。取付け部材がスリーブ形状を有し、軸方向の尾根部と溝とを有するスプラインを伴って外周表面上に形成され、スプラインは、チャック本体の組付け部分において嵌合スプラインと係合するように適応されている、請求項1または2に記載の回転式チャック。取付け部材はその内側端部にねじ穴を備え、チャック本体は組付け部分の内部にねじ穴を備え、取付け部材はねじを用いてチャック本体に取付け可能になっている、請求項1〜3の何れか一項に記載の回転式チャック。ねじが、チャック本体の内部における取付け部材の軸方向位置および機械加工用工具のチャック本体からの突出長さを調節するために使用可能な調節用ねじである、請求項4に記載の回転式チャック。調節用ねじが1つの右ねじ山と1つの左ねじ山で形成されている、請求項4または5に記載の回転式チャック。取付け部材が、軸方向に突出する2つのヨークシャンクを有するヨークとして形成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の回転式チャック。抜出しおよび回転防止手段が、軸方向に対して横断するチャック本体内の穴の中に収容されヨークシャンク間の空間を通って延在する1本のロック用ロッドを含んでいる、請求項7に記載の回転式チャック。抜出しおよび回転防止手段が2本のロック用ロッドを含み、これらのロッドは軸方向に対して横断するチャック本体内の穴の中に収容され、ヨークシャンク間の空間を通って延在しており、ロック用ロッドは調節用ロッドを用いて相互連結されて調整可能な形で入れ子になっている、請求項7に記載の回転式チャック。ロック用ロッドは、ヨークシャンク上に具備された嵌合係合形成部と係合するように適応された係合形成部を備えている、請求項9に記載の回転式チャック。ロック用ロッドおよびヨークシャンク上に具備された係合形成部が、対線的に反対方向を向いた溝および尾根部として形成されている、請求項10に記載の回転式チャック。取付け部材には、工具シャンクの内側端部において嵌合ねじ山と係合するように適応された雄または雌ねじ山が具備されている、請求項1〜11の何れか一項に記載の回転式チャック。ねじ山が円錐形状を有する、請求項12に記載の回転式チャック。取付け部材は、工具シャンクの内側端部にある嵌合バイヨネットカップリング部品と係合するように適応されている雄または雌のバイヨネットカップリング部品を備えている、請求項1〜11の何れか一項に記載の回転式チャック。バイヨネットカップリング部品は、工具シャンク上で軸方向外向き方向に作用する力を付加するように適応されたバネを備えている、請求項14に記載の回転式チャック。

说明书全文

本発明は、回転可能な形で作動する機械加工用工具のシャンク部分を挟持するための回転式チャックにおいて、回転式チャック本体の回転軸と同軸である円筒形孔が具備された回転式チャック本体を含み、孔の挟持部分の周囲表面は、チャック内の明確な位置に工具を固定するためにチャック内に組付けられた場合に工具のシャンク部分の周囲に挟持を加えるように適応されており、かつ同様に、機械加工作業中に孔の軸方向に工具が偶発的に抜出すのを防ぐための補助抜出し防止手段、ならびに機械加工中チャックとの関係における少なくとも一方の方向への偶発的な回転を防ぐための補助回転防止手段も具備されている回転式チャックに関する。

回転式機械加工用工具、例えばフライス盤またはドリルなどのシャンク部分を挟持するためのチャックは、ずいぶん以前から機械加工業の技術分野において、特に鋼または他の金属製のワークのみならず、例えば木材およびプラスチック製のワークを機械加工することを目的として周知である。このようなチャックはそれ自体、チャックを回転可能な形で駆動するために好適に設計された機械の中に組立てられる。通常は、工具の取付けは、純粋に摩擦挟持により達成され、こうして、チャックの挟持用孔内部の挟持用表面は、シャンク部分の周りで締め付けられる。挟持力は、挟持用孔の内部での挟持用ジョーの機械的移動、挟持用孔の内部での挟持用インサートまたはコレットの油圧式撓み、またはシャンク部分の周囲のチャック本体の熱圧着などの異なる方法で生成される得る。

機械加工用工具のシャンク部分の純粋に摩擦による挟持に付随する1つの問題は、可能なかぎり最大の挟持力の適用にも関わらず、機械加工用工具が作業中に回転しかつ/またはチャックとの関係において軸方向に移動する傾向を有し得るという点にある。その理由は、通常、機械加工作業中、特に機械加工が高い回転速度で実施されている場合に機械加工用工具が曝露される振動と、作業中に工具に作用する接線方向および軸方向の力との組合せの中に見い出されるはずである。

上述の問題は、特許文献1の中で開示されている摩擦挟持用チャックおよびフライス盤により克服され、この特許では、フライス盤の内側端部部分には螺旋またはL字形のロック用溝が具備され、これらの溝はボールまたはピン形ロック用要素と係合するように適応されている。この文書中の一変形形態では、機械加工用工具のシャンクの内側端部部分にある周囲表面には、孔の内側部分内の雌ねじ山と係合する雄ねじ山が具備されている。このように形成されたチャックを用いると、機械加工用工具は、ロック用溝またはねじ山に起因して、少なくとも一方向において回転が防止されると同時に、孔から軸方向に抜出ないようにもなっている。

しかしながら、特許文献1中などで設計されているチャックおよび機械加工用工具には、いくつかの欠点もある。工具シャンクの外周表面には或る種のねじ山またはロック用溝が具備されていることから、チャックと工具の間の挟持ゾーンは、何らかの形で不利な影響を受けることになる。例えば、油圧膨張式チャックの挟持部分は、油圧式に撓み可能なスリーブのチャック内部における永久変形をひき起こし得ることを理由として、ねじ山または溝の周囲を挟持するのに好適であるとはいえない。同様に、ボールまたはピン形状のロック用要素を、撓み可能なコレットとチャック本体との間の油圧油向けの溝路および空間を通って進入させることは不可能であり、また、雌ねじ山を、撓み可能なコレット内に形成することもできない。したがって、この場合チャックの挟持部分をさらに短かくしなければならず、このため工具に作用する摩擦挟持力が低下し、あるいは工具シャンクおよびチャックの孔をより長くしなければならず、このため工具を製造するための材料の数量は増大し、ひいてはコストが上昇し、チャックの内部でより多くの空間が占有されることになり、相応してチャックをより長くしなければならない。機械的に作動させられる引込み式コレットチャックの場合、ボールまたはピン形状のロック用要素は設計を複雑にし、挟持用ジョーの機能を妨げ、雌ねじ山を挟持用ジョーの中に形成することができない。したがって、挟持用ジョーと工具シャンクの間の挟持ゾーンは、ねじ山またはロック用溝に起因して縮小され、結果として、延長された工具シャンクおよびチャック孔によって補償されるのでないかぎり、摩擦挟持力は低下する。同様に、熱膨張チャックの場合、ねじ山またはロック用溝が、摩擦挟持力を削減し、これは工具シャンクおよびチャックの孔の延長によって補償されなければならないかもしれない。その上、万一機械加工用工具が破損して工具シャンクのみがチャック孔の内部に残された場合、工具シャンクの残留部分をチャック孔から取出すのは非常に困難である。上述の欠点に加えて、工具シャンクの外周表面上に雄ねじ山を有しチャック孔の内部に雌ねじ山を有する実施形態は、雌ねじ山をかなり狭い孔の底面内において整形しなくてはならないことから、生産が困難かつ高コストである。

米国特許第8505893号明細書

本発明の目的は、工具のシャンク部分の周りに摩擦挟持力を適用することにより回転可能な形で作動する機械加工用工具を締結できることに加えて、同じく単純かつ信頼性の高い方法で少なくとも一方の方向への回転に対してと同様その軸方向でのチャックからの抜出しに対しても工具をチャック内でロックすることができ、かつ同様に、チャックから工具を解除することもできる、請求項1の前段に係る回転式チャックを提供することにある。少なくとも、この目的は、請求項1に係るチャックによって達成される。

したがって、本発明の根拠は、この目的が、孔の内側部分の中に位置づけ可能でありかつ挟持されるべきシャンク部分に対して取付け可能である取付け部材を含み、こうして、工具と取付け部材が、軸方向に引き離されたり互いとの関係において少なくとも一方の方向へ回転することが妨げられるようになっているチャックによって達成され得るという見識にある。回転式チャック本体は同様に、取付け部材と係合するように配置された、少なくとも一方向への回転防止手段ならびに軸方向抜出し防止手段をも含んでいる。補助取付け部材を用いて機械加工用工具の抜出しおよび回転防止を配備することには、複数の利点がある。例えば、工具の回転方向を変更することが望まれる場合、チャック本体全体を交換する必要なく、工具と取付け部材のみを交換することしか必要でない。同様に、機械加工用工具が破損して工具シャンクのみがチャック孔の内部に残された場合、チャック本体から取付け部材を解除することによって残りの工具シャンクを解放することは容易である。

この全体的に発明力ある発想の範囲内で、本発明に係るチャックは、多くの異なる方法で形成され得る。例えば、本発明の以下で記述し例示する実施形態においては、工具シャンクと取付け部材の間の係合カップリングは、円錐形ねじ山またはバイヨネットカップリングとして形成され、これによると、円錐形ねじ山およびバイヨネットカップリングの雄部品は、シャンク部分の端部に形成され、一方雌部品は、取付け部材の中に形成される。しかしながら、請求項の範囲内で、他の多くのタイプの係合カップリングを構想することが可能であることを理解すべきである。例えば、均一の横断面を有するシャンク部分の上に通常の直線ねじ山としてねじ山を形成すること、あるいはねじ山またはバイヨネットカップリングの雄部品を取付け部材内に、そしてシャンク部分内に雌部品を形成すること、などである。同様に、バイヨネットカップリングを多くの異なる要領で、例えば取付け部材またはシャンク部分のうちの一方に形成された溝の中に係合するように適応されている他方のものの突出するピンとして形成することが可能であると考えられる。円錐形ねじ山またはバイヨネットカップリングの形をした係合カップリングの1つの利点は、工具を短かく回転させるだけ、通常は全周回転のおよそ4分の1から半分の回転だけで工具と取付け部材を互いに取付けるかまたは互いから解除することができるという点にあり、これにより取付けは容易かつ迅速なものとなる。一方直線ねじ山は、より大きな回転、すなわち少なくとも1回の全周回転そして通常は数回の全周回転を必要とする。

本明細書中で開示されている円錐形ねじ山とバイヨネットカップリングは両方共、取付け部材からの軸方向への工具シャンクの抜出しならびに取付け部材との関係における一方向への工具シャンクの回転を防止する連結を提供する。しかしながら、バイヨネットカップリングは同様に、バイヨネットカップリングのバネ付勢などによって、取付け部材およびシャンク部分が互いに離れる方向に押され、取付け部材またはシャンクのいずれか一方におけるバイヨネットカップリングの突出部分が他方の中の陥凹内へ押し込まれるような形での工具シャンクが両方向に回転しないようにロックするように設計することもできると考えられる。

同様に、取付け部材およびチャック本体の各々には、軸方向抜出しを防止する形ならびに回転を防止する形で取付け部材とチャック本体を一緒に連結することを可能にするべく相互作用するように配置されている軸方向抜出し防止手段ならびに回転防止手段が具備されている。以下で記述され図示されている第1の実施形態において、回転防止手段は、両方向へ回転しないように取付け部材をしっかりと固定するため互いに相互作用するように適応されている、取付け部材の外部にある軸方向でのスプラインとチャック孔の内側にある組付け部分の内部の嵌合内部スプラインの形をしている。しかしながら、取付け部材用の回転防止手段を多くの異なる形で作ることができるということを理解すべきである。例えば、単一の溝内の単一の尾根部として、あるいは軸方向との関係において一定の度を有する捩れスプラインとして、などである。抜出し防止手段は、外側ねじ山を有するねじの形をしており、これは、チャック本体の内部ならびに取付け部材内の穴の内部の嵌合内側ねじ山と回転可能な形で係合して、それらを合わせて軸方向にしっかりと固定するように適応されている。

第2の実施形態において、取付け部材は、その内側端部部分に2つのヨークシャンクを有するヨークを伴って形成されている。ヨークシャンクには、その内側表面内に、対角線的に反対方向を向いた溝が具備されている。調整可能な形で入れ子式に相互連結されかつチャックの軸方向に対し横断する穴の中に収容されている2本のロック用ロッドが、ヨークシャンク間の空間を通って延在する。ロック用ロッドには、取付け部材のヨークシャンク内の対角線的に反対方向を向いた溝と嵌合しかつそれと係合状態にある対角線的に反対方向を向いた尾根部を有する案内表面が具備されている。したがって、ロック用ロッドおよび取付け部材は、対角線的に反対方向を向いた溝および尾根部を用いて、ならびにヨークシャンクによって相互作用して、軸方向での取付け部材の抜出しおよび両方向への回転を防止する。取付け部材とロック用ロッドの間の相互作用のさらに精確な機能は、例示的実施形態の詳細な説明と関連づけて以下で記述される。

本発明のさらなる態様においては、本発明に係る取付け部材を有するチャックからの工具の突出を容易に調整することのできるチャックを提供することが1つの目的である。この目的は、請求項2に係るチャックによって達成される。

したがって、この態様に係る本発明の根拠は、取付け部材の位置が連続的に調整可能な形で移動可能であり、チャック本体内部の異なる位置でロッキング可能であるチャックによって達成され得ると言う見識にある。このような形で設計されたチャックが有する大きな利点は、機械加工用工具の加工深さが、高品質の精密機械加工用に入念に調節可能であるという点にある。

以下で記述され図示される実施形態は両方共油圧作動式挟持用チャックに関するものであるが、本発明は全てのタイプの挟持用チャック、例えば機械作動および熱作動式の挟持用チャック上にも応用可能であるということを理解すべきである。

本明細書中で使用される内側、内向きなどの用語は、チャック本体の回転軸に沿ったチャック孔の口から見た場合の方向を意味するという点に留意すべきである。したがって、外側、外向きなどの用語は、反対方向を意味する。

本発明の例示的実施形態について以下で図面を参照しながら説明する。

シャンクエンドミルを担持する本発明の第1の実施形態に係るチャックの斜視図である。

図1に係るチャックを通る縦断斜視図である。

図2中のチャックの分解斜視図である。

2つの異なる突出位置におけるシャンクエンドミル(4a)及び(4b)を示す、図1〜3に係るチャックを通る縦断面図である。

チャックからのシャンクエンドミルの突出を調節するための調節機構を示す、チャックの一部分を通る部分分解組立図および縦断面図である。

シャンクエンドミルを担持する本発明の第2の実施形態に係るチャックの斜視図である。

図6に係るチャックを通る縦断斜視図である。

図7中のチャックの分解斜視図である。

2つの異なる突出位置におけるシャンクエンドミル(9a)及び(9b)を示す、図6〜8に係るチャックを通る縦断面図である。

組立てられた状態のシャンクエンドミルと取付け部材の図である。

シャンクエンドミルと取付け部材の間のバイヨネットカップリングを示す、図10中のラインXI−XIに沿った断面図である。

シャンクエンドミルと取付け部材の間ならびにシャンクエンドミル用の突出調節機構と組合せ型抜出し防止手段の間のバイヨネットカップリングを示すチャック本体および取付け部材を通る縦断面図である。

シャンクエンドミルのための突出調節機構を示す図12内のラインXIII−XIIIに沿った横断面図である。

図1〜5を参照しながら、本発明に係るチャックの第1の実施形態についてここで説明する。チャックは、回転軸2を中心として回転可能である概して均質の金属材料製の概して回転対称のチャック本体1を含む。チャック本体は一方の端部において、取付け部分3を伴って形成されており、この取付け部分は本明細書中で示されている実施形態においては、図示されていない工作機械の嵌合用モーター駆動式スピンドルに対してしっかり固定されるように適応されている一般に公知のタイプのテーパー付き非円形シャフトの形をしている。反対側の端部で、チャック本体には、機械加工用工具6のシャンク5を受入れ挟持するように適応されている円形の筒形チャック孔4が具備されている。シャンクエンドミルの形をした機械加工用工具のシャンクが、さまざまな図面のチャック孔内に挿入された状態で示されている。

チャックは、油圧を用いて工具シャンクを挟持するタイプのものである。この目的で、チャックには、図4を見れば最も良くわかるように、チャック孔内に挿入されたかなり薄い壁の挟持用コレット7の形をした油圧式挟持用要素が具備されている。それ自体公知の方法で、コレットは少なくともその端部において、例えばはんだづけなどにより流体密封的かつ気密的にチャック本体1に連結されている。コレットの端部間の中間部分は、チャック本体に係合されておらず、図示されていない圧力発生手段から油圧供給チャネル9を通して中に加圧油圧流体を補給してよいコレット7とチャック本体1との間の部域内に油圧流体用の流体チャネル8が配置され、圧力発生手段は、例えば、図1および6などに示されている通りチャック本体1内の穴10の内部に位置づけされている、ねじなどを用いて制御可能な油圧ピストンとして形成され得る。加圧油圧流体が、コレット7とチャック本体1の間の空間の中に強制された時点で、コレットは、内向きに撓みし、それに応じて工具シャンク5の周囲を挟持する傾向を有する。

本発明によると、チャックには、チャック孔4の内側端部に位置設定された組付け部分11の中に位置づけ可能な取付け部材が具備されている。図1〜5に示されている本発明の第1の実施形態において、取付け部材は概して、全体に円形の横断面を有するスリーブ12として形成されている。スリーブの外周表面は、軸方向に溝および尾根部を有するスプライン13を伴って形成されている。組付け部分11は、概して円形の横断面を有し、スリーブを組付け部分11内部にぴったりフィットして挿入できるような形でスリーブ12のスプライン13と嵌合する軸方向の溝および尾根部を有するスプライン14をその周囲に伴って形成されている。したがって、スリーブ12は、組立て部分の内部に位置づけされている場合、回転が防止されているものの軸方向には移動できる。好ましくは、組立て部分の周囲上のスプラインの溝は、横断面で部分円形状を有する。溝がこのような形状を有する場合、これらの溝はシャンクエンドミルを用いて容易に機械加工され得、このことは、チャック孔の端部における空間が限定されることから有益である。したがって、取付け部材におけるスプラインの尾根部も横断面で部分円形状を有することが、同様に好ましい。

第1の実施形態において、シャンクエンドミルの形をした機械加工用工具6は、スリーブの外側端部内の嵌合用円錐形雌ねじ山にねじ込まれ得る工具シャンク5の端部において形成された円錐形状の雄ねじ山15を用いて、スリーブ形の取付け部材12に取付け可能である。これは図3および5に最も良く示されている。工具6が取付け部材12と係合状態に入るようねじ込まれると、工具は、取付け部材から軸方向に脱出分離することを妨げられ、同様に取付け部材との関係において一方向に回転することも妨げられる。

取付け部材12はそれ自体、図3に示されている通り1つの端部部分に右ねじ山17を有する調節用両ねじを用いてチャック本体1に取付け可能であり、この端部は同様に、例えばアレンキー(Allen key)19などの工具を用いた係合および回転のため、例えばアレンアパーチャ(Allen aperture)18の形をした好適な係合用形成部を伴って形成されている。調節用ねじの他方の端部部分は、左ねじ山20を伴って形成されている。右ねじ山17は、取付け部材のための組立て部分の内側端部においてチャック本体内部の穴21内の整合する右雌ねじ山にねじ込むことができ、一方左ねじ山20は、取付け部材12の内側端部において嵌合用左雌ねじ山にねじ込むことができる。

上述の通りのチャックの場合、一方では、撓み可能なコレット7から工具シャンク5上に作用する油圧由来の挟持力によってチャック孔内に工具6をしっかりと組付けることができ、他方では、工具シャンク5と取付け部材12の間のねじ込み式連結を用いて工具が軸方向に抜け出したり一方向に回転しないように妨げることができ、この取付け部材12はそれ自体、取付け部材12とチャック本体1を相互連結する調節用両ねじ16を用いて、チャック本体から抜出るのを妨げられていると同時に、チャック本体の組付け部分11と取付け部材12の間のスプライン連結13、14を用いてチャック本体1との関係における回転を妨げられている。さらに、チャックを用いて、チャック本体1からの工具の突出長さを、例えば図4内で概略的に示されているように、容易に調節することができる。より厳密には、挟持用コレット7上に油圧を加えることで工具シャンク5を挟持する前に、チャック本体の内側端部から例えばアレンキー19などの工具を用いて調節用ねじ16を回転させることによって、突出長さを調節することができる。(4a)に示されている方向にアレンキーを回転させることにより、取付け部材12は、スプライン連結13、14に起因して、チャック本体の組付け部分11の中にさらに引き込まれ得、こうして機械加工用工具6もさらにチャック孔4内に引き込まれることになる。一方、アレンキー19を(4b)に示されている通り反対の方向に回転させた場合、取付け部材12は、組付け部分11から外向きに移動させられ、機械加工用工具6もまた、チャック孔との関係において外向きに移動させられる。機械加工用工具の適正な突出長さが得られた時点で、挟持用コレット7に対し油圧が加えられ、こうして挟持用コレットは工具シャンク5の周囲をそれ相応に挟持することになる。

図6〜13に示されている発明力あるチャックの第2の実施形態は、図6を見るとわかるように第1の実施形態と類似した外側外観を有する。したがって、このチャックも同様に、回転軸2を中心として回転可能である概して均質の金属材料製の概して回転対称のチャック本体1を含む。チャック本体は一方の端部において、取付け部分3を伴って形成されており、この取付け部分は本明細書中で示されている実施形態においては、図示されていない工作機械の嵌合用モーター駆動式スピンドルに対してしっかり固定されるように適応されている一般に公知のタイプのテーパー付き非円形シャフトの形をしている。反対側の端部で、チャック本体には、機械加工用工具6のシャンク5を受入れ挟持するように適応されている円形の筒形チャック孔4が具備されている。シャンクエンドミルの形をした機械加工用工具のシャンクが、さまざまな図面のチャック孔内に挿入された状態で示されている。同様にこのチャックは、油圧を用いて工具シャンクを挟持するタイプのものである。この目的で、チャックには、図9を見れば最も良くわかるように、チャック孔内に挿入されたかなり薄い壁の挟持用コレット7の形をした油圧式挟持用要素が具備されている。挟持用コレットは、第1の実施形態との関係において記述された挟持用コレットと同一であり、それと同じ要領で機能する。

しかしながら、本実施形態に係るチャックは、取付け部材の調節用機構および工具シャンクと取付け部材の間の連結が異なる形で設計されているという点において、第1の実施形態と異なっている。ここで、取付け部材は、工具シャンク5の内側端部の雄バイヨネットカップリング部品26と嵌合する雌バイヨネットカップリング部品25が外側端部に具備されている、円形横断面を有する円筒形ベース部品24から軸方向内向きに突出する2つのヨークシャンク23’、23’’を有するヨーク22の全体的形状を有している。

バイヨネットカップリング25、26は、組立てられた状態で取付け部材22と機械加工用工具6を示す図10のラインXI−XIに沿った横断面図である図11において、より詳細に示されている。図9の(9a)および(9b)を組み合わせて図11から明らかであるように、工具の雄バイヨネットカップリング部品26は、工具シャンクに最も近い円形横断面を有するシャンク部分27および幾分か「三角形」の形状を有する内側ヘッド部分28を伴って形成されている。雌バイヨネットカップリング部品25は、取付け部材22の外側端部に最も近い幾分か「三角形」の入口開口部を有し、この中を、雄バイヨネットカップリング部品26の三角形のヘッド28が通過し得る。三角形の入口開口部の内部に、雌バイヨネットカップリング部品25は、三角形の入口開口部の頂点31間の部域の中に陥凹30を伴って形成されており、こうして雄バイヨネットカップリング部品26の三角形のヘッド28が雌バイヨネットカップリング部品の三角形の入口開口部を通過した時点で、雄および雌バイヨネットカップリング部品は、図11に示されている位置まで取付け部材22との関係において工具シャンク5をさらにわずかだけ回転させることによって、互いに係合できるようになっている。この位置で、雄バイヨネットカップリング部品26の三角形ヘッド28の頂点32は、軸方向で抜出しないよう、ならびに一方向に回転しないよう、陥凹30内にロックされる。図12から明らかであるように、チャックには同様に、雌バイヨネットカップリング部品25の内側端部内に、雄バイヨネットカップリング部品26そして相応して機械加工用工具6も軸方向外向きに押圧するように作用するバネ33が具備されている。

図7、8、9、12および13を参照しながら、以下では、取付け部材22のための抜出しおよび回転防止手段ならびにチャックからの機械加工用工具6の軸方向突出長さを調節するための機構について説明する。図面から明らかであるように、2本のロック用ロッド34’、34’’がチャックの軸方向に対して横断する穴35の中に収容され、ヨークシャンク23’、23’’間の空間を通って延在する。ロック用ロッドは、1つの右ねじ山37と1つの左ねじ山38を有する調節用ロッド36を用いて、調整可能な形で入れ子式に相互連結されている。調節用ロッドは、ロック用ロッドの各々の中の穴39を通ってこの穴とねじ込み係合状態で延在し、こうして、調節用ロッド36を、例えば調節用ロッドの一つの端部内のアレンアパーチャ40と係合するアレンキー19などの好適な工具によって、一方向に回転させた場合、ロック用ロッド34’、34’’は互いから離れる方向に移動し、かつ調節用ロッドを他方の方向に回転させた場合にはロック用ロッドは互いに向かう方向に移動するようになっている。その上、ヨークシャンク23’、23’’には、対面する内側表面に対角線的に反対方向を向いた溝41が具備されており、ロック用ロッドには、機構の組立て状態において反対方向に面し対角線的に反対方向を向いた尾根部42の備わった案内表面が具備されている。機構の組立て状態において、ヨークシャンクの対角線的に反対方向を向いた溝41およびロック用ロッドの対角線的に反対方向を向いた尾根部42は、互いに係合状態にあり、こうして、取付け部材ひいては機械加工用工具の軸方向への抜出しは防止される。取付け部材22はヨークとして形成され、ロック用ロッドは2つのヨークシャンクの間の中間空間を通って延在することから、取付け部材は同様に、両方向への回転も妨げられている。

図9では、チャックからの機械加工用工具6の突出長さの調節手順が示されている。(9a)に示されているようにアレンキー19を用いて一方向に調節用ロッド36を回転させた場合、ロック用ロッド34’、34’’は、互いに向かう方向に同期的に移動する。したがって、ロック用ロッドの対角線上に反対側に向けられた尾根部42とヨークシャンク23’、23’’の対角線上に反対側に向けられた溝41との間の係合は、取付け部材22ひいては機械加工用工具6のチャック内への引込みをひき起こす。その一方で、(9b)に示されている通り、調節用ロッド36が反対方向に回転させられた場合、取付け部材および機械加工用工具は、チャックから外向きの方向に同期的に移動する。機械加工用工具の突出長さの如何に関わらずチャックの動的平衡が維持されることから、ロック用ロッドの同期的移動は有利である。チャックが機械的に組付けられている状態のままで突出長さを調節することが可能となることを理由として、チャックの回転軸に対し横断する方向から機械加工用工具の突出長さを調節できることも同様に有利である。第1の実施形態に係るチャックの場合、調節を実施する前にまずチャックを機械から取外す必要がある。

1 チャック本体 2 回転軸 4 円筒形孔 5 シャンク部分 6 工具 7 挟持部分 12,22 取付け部材

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