Method for producing a target by thermal spraying

申请号 JP2012504064 申请日 2010-04-12 公开(公告)号 JP2012523498A 公开(公告)日 2012-10-04
申请人 サン−ゴバン コーティング ソルスィヨン; 发明人 ビリエール ドミニク;
摘要 本発明は、耐火金属、抵抗性 酸化 物及び揮発性酸化物から選択される少なくとも1つの化合物を含むターゲットを、溶射、特にはプラズマ溶射によって製造するための方法に関する。 当該方法は、粉末組成物の形態の前記化合物の少なくとも一部が、制御された雰囲気中で溶射によって前記ターゲットの表面の少なくとも一部に噴射され、及びその構築の際に前記ターゲットに向けられる強 力 な極低温の冷却ジェットが使用されることを特徴としている。
权利要求
  • 耐火金属、抵抗性酸化物及び揮発性酸化物から選択される少なくとも1つの化合物を含むターゲットを、溶射、特にはプラズマトーチによるプラズマ溶射によって製造するための製造方法であって、粉末組成物の形態の前記化合物の少なくとも一部が、制御された雰囲気中で溶射によって前記ターゲットの少なくとも一方の表面部分にスプレーされ、及びその構築の際に前記ターゲット上に向けられかつプラズマトーチの周りに分布される強力な任意選択で極低温の冷却ジェットが使用されることを特徴とする、製造方法。
  • 前記化合物が、50mbar〜1100mbarの範囲であることができる圧力で、不活性ガスでパージ又はリンスされ、次いで不活性ガスで満たされたチャンバーにスプレーされ、酸素欠乏雰囲気をチャンバー内に作り出すようにされることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  • 前記溶射がプラズマトーチによって実施され、用いられるプラズマガス混合物が(粉末中に当初から存在する酸化された化合物の含有量を低減することができる)還元性であり、好ましくは該プラズマガス混合物の組成が10%超の水素又は別の還元性プラズマガスを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  • 前記冷却ジェットのすべて又は一部が酸化特性を有することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  • 定着副層が用いられ、それが前記ターゲットの表面部分に前記化合物を溶射する前に堆積されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 前記ターゲットがプラズマ溶射の際に熱的に調節されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 5μm<D 10 <50μm、25μm<D 50 <100μm、及び40μm<D 90 <200μmで表される粒度分布を有する粉末粒子を含むスプレーされた化合物の粉末組成物が用いられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 溶射工程の後、それに続く熱処理工程を、前記ターゲット中に存在する酸素の含有量を低減させるために還元性雰囲気において含むことを特徴とする、請求項1〜3及び5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 熱ジェット中の異なるポイントで、注入パラメータが各注入器に注入される材料に従って独立して調整される異なる材料を注入するために複数の化合物注入器が用いられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法によって任意に製造することがきるターゲットであって、耐火金属、抵抗性酸化物、及び揮発性酸化物から選択される化合物を主として含みかつラメラ微細構造を有する、ターゲット。
  • 前記ターゲットが耐火性化合物に基づき、かつ前記化合物の理論電気抵抗率の5倍未満、好ましくは3倍未満、より好ましくは2倍未満の電気抵抗率を有することを特徴とする、請求項10に記載のターゲット。
  • 前記ターゲットが抵抗性酸化物の化合物に基づき、かつ該酸化物の公称抵抗率よりも1000倍、好ましくは10000倍、より好ましくは100000倍低いターゲット体積抵抗率を有することを特徴とする、請求項10に記載のターゲット。
  • 前記ターゲットが揮発性酸化物の化合物に基づき、かつ3mm超、好ましくは6mm超の公称厚さを有することを特徴とする、請求項10に記載のターゲット。
  • 公称密度の85%超、好ましくは90%超の密度を有することを特徴とする、請求項13に記載のターゲット。
  • モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、チタン、バナジウム、ハフニウム、ジルコニウム、レニウム、ロジウム、並びにAB合金(式中、A及びBは、以下のリストの元素、すなわち、Mo、W、Ta、Nb、Ti、V、Hf、Zr、Re、Rhに属する)及びAMタイプの合金(式中、Aは、以下のリスト、すなわち、Mo、W、Ta、Nb、Ti、V、Hf、Zr、Reに属し、Mは、以下のリスト、すなわち、Co、Ni、Rh、Pd、Pt、Cu、Ag、Auに属する)からなると規定される耐火合金から選択される耐火金属に基づくことを特徴とする、請求項10又は11に記載のターゲット。
  • 一方で、耐火金属と、他方で、ケイ素とから構成され、そのモル比が、ケイ素5モル当たり耐火金属1モルからケイ素1モル当たり耐火金属5モルまでの範囲であることができ、好ましくはケイ素2モル当たり耐火金属1モルであることを特徴とする、請求項15に記載のターゲット。
  • ターゲットのラメラ微細構造が複合体であり、純ケイ素のラメラと並置された耐火金属のラメラを含むことを特徴とする、請求項16に記載のターゲット。
  • 式ABO 3のペロブスカイト構造を有する酸化物の群(式中、A及びBは、Aを構成する1つ又は複数の元素の原子価とBを構成する1つ又は複数の元素の原子価の合計が6に等しいような元素又は元素の組み合わせである)から選択されるか、式AB 26タイプのコロンバイト/トリルチル構造を有する酸化物(式中、BはNb又はTaであり、Aは原子価2の元素、例えば、Sr、Ba、Pbなどである)から選択されるか、又は以下のリスト、すなわち、Ta 25 、Nb 25 、V 25 、ZrO 2 、HfO 2 、CeO 2 、Y 23 、Al 23 、La 23 、MgO、BeOから選択される少なくとも1つの抵抗性酸化物に基づくことを特徴とする、請求項10又は12に記載のターゲット。
  • 2つ以上の抵抗性酸化物の混合物若しくは組み合わせからなる組成物を含むか、又は主として1つの抵抗性酸化物を含むことを特徴とする、請求項18に記載のターゲット。
  • 前記ターゲットが、T vap <T m +400℃の基準を満たす少なくとも1つの揮発性酸化物に基づき、この酸化物が、特にはアルミニウム、モリブデン、ガリウム、スズ、フッ素若しくはインジウムをドープした酸化亜鉛、酸化スズ、酸化バリウム、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化モリブデン、酸化亜鉛であることができるか、又は混合インジウムスズ酸化物であることができることを特徴とする、請求項10、13又は14に記載のターゲット。
  • 2つ以上の揮発性酸化物の混合物若しくは組み合わせからなる組成物を含むか、又は主として上記の1つの揮発性酸化物を含むことを特徴とする、請求項20に記載のターゲット。
  • ターゲットが請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法によって得られたことを特徴とする、ターゲットをスパッタリングすることによって膜を製造するための方法。
  • 说明书全文

    本発明は、真空中又は不活性若しくは反応性雰囲気中で実施される堆積プロセスにおいて使用することを意図したターゲットを製造するための方法であって、特にはマグネトロンスパッタリング又はイオンビームスパッタリングによる方法に関する。

    本発明の別の側面によれば、本発明はまた、上記の方法を実施することによって得ることができるターゲット、当該ターゲットからスパッタされた物質に基づく膜を得るためのこのようなターゲットの使用、及び本発明の方法によって上記ターゲットを製造するための化合物の組成に関する。

    幾つかの粉末成形技術を含むターゲットを製造するための種々の技術が知られている。 したがって、当該ターゲットは、鋳造プロセス(金属ターゲットの場合);粉末焼結プロセス、続いて熱成形である場合が多い成形操作(金属ターゲットの場合)、次いで支持体上での集成;焼結セグメントの直接的な集成;又はあまり一般的ではないが溶射技術、より詳しくはプラズマ溶射によって得ることができる。

    これらのターゲットは、特にガラス基材上への薄膜の堆積のために産業規模で一般に採用されているプロセス、例えばマグネトロンスパッタリングプロセスのようなプロセスにおいて使用することを意図している。 このプロセスでは、堆積されるべき化学元素を含むターゲットの近くに高真空中でプラズマを発生させる。 プラズマの活性種は、ターゲットを攻撃することにより、上記の化学元素を剥ぎ取り、それらが基材上に堆積して所望の薄層が形成される。

    モリブデンを堆積させることを意図したターゲットの特定のケースでは、プラズマがスパッタリングガス、好ましくはAr、Kr、Xe又はNeタイプの希ガスのみから構成される非反応性の堆積プロセスが用いられる。 このプロセスは、大きな基材に対して実施され、例えば両辺の長さが6mを超える平坦なガラスシート上に薄層を堆積させることが可能である。

    これらのターゲットは平面形状又は管状形状を有する。

    平面ターゲットは、非常により複雑な回転式ターゲット専用のカソードと比較すると、比較的簡単な構造のカソードにおいて組み入れることができるという利点を有する。 しかしながら、平面ターゲットは一般的に50%以下の利用率を有し、これは実質的に50%を超える利用率を有する回転式ターゲットとは異なる。

    例えば、タングステン又は特に高価な金属であるモリブデンのような耐火金属からなる薄層の特定のケースでは、米国特許第4,356,073号に記載されているように、円筒形状の回転式ターゲットを使用することが好ましい。 というのも、これらのターゲットは、70%超、好ましくは75%超の原料歩留まり(薄層を製造するためのターゲットに利用できる物質の量に対するスパッタされる物質の割合を表す)を有するからである。 しかしながら、他の種々のマグネトロンターゲットの形状、すなわち平面の(ディスク、正方形、長方形)形状が知られており、本発明は円筒形状以外の形状にも適用できる。

    さらに、ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング以外にも、モリブデンを堆積させるための他の真空プロセスがあり、これらのプロセスとしては、例えば、レーザースパッタリング(パルス又は連続レーザーを用いたレーザーアブレーション)及びイオンビームスパッタリングが挙げられる。 これらのプロセスも、本発明によるターゲットの使用から利益を得ることができる。

    より詳しく述べると、モリブデンのマグネトロンターゲット又は他の耐火材料からなるターゲットについては、多くの発明が以下のプロセスに関して出願され、欧州特許出願公開第1784518号、米国特許出願公開第2008/0193798号及び国際公開第2006/041730号の主題を構成している。

    インゴット又は予備成形体を(200〜250MPaの圧下において1780〜2175℃の温度で)プレスして次いで焼結し、続いてこの予備成形体を圧延、押出又は鍛造によって(約900℃で)熱間成形する。 一般的には、このプロセスはまた、ターゲット中の酸化物の含有量を低減するために素又は還元性雰囲気中での熱処理を含み、任意選択で応力緩和のアニーリング処理を含む。

    また、ガス/粉末混合物を超音速でスプレーすることにあるコールドスプレイングによってターゲットを完全に又は部分的に構成又は修復することが国際公開第2006/117145号から公知であり、ここで、上記の粉末は溶融状態ではないので、溶射プロセスとは異なる。

    抵抗性酸化物に基づく薄膜の特定のケースでは、これらの膜は、一般的には、金属ターゲットの反応性マグネトロンスパッタリングによりそして堆積チャンバーに注入された酸素の分圧で材料をその場(in situ)で酸化することによって得られるか、又は金属若しくはセラミックターゲットのRFスパッタリングによって得られる。

    DC(直流)のマグネトロンスパッタリングプロセスでは、ターゲット材料がその表面上の電荷を取り除くことができると考えられる。 このプロセスでは、通常、抵抗性組成物のセラミックターゲットは除外される。

    本発明によれば、酸化物すなわち抵抗性材料に基づくマグネトロンターゲットを製造することが可能であり、当該ターゲットを非反応性DCスパッタリングモードにおいて使用できるよう酸素空孔を導入することでその抵抗率が大きく低下するという利点がある。

    この場合、非反応性DCスパッタリングが可能となり、以下の利点を有する。
    −このプロセスはより安定である(酸素圧のヒステリシスがなく、最初に導電するターゲットの表面に抵抗性の膜が形成することによる不安定な性質がなく、寄生アークの供給源がない)。
    −より高いスパッタリング速度(場合によっては典型的に1.3〜3倍向上)が非反応性DCマグネトロンモードにおいて可能である。

    このようなターゲットは、幾つかの組成物について、還元性雰囲気中での焼結によって製造することができる。 本発明によれば、プラズマ溶射に関連する以下の利点とともに、このようなターゲットを製造することができる。
    −大きなモノリシック(一体)の円筒形ターゲットを製造することができる。
    −これらのターゲットの端部に局所的な追加の厚みを生成することができる(「ドッグボーン」ターゲット)。
    −溶融可能な中間相なしでの支持体チューブの優れた結合により、ターゲットを非常により高い電力レベルで使用することができ、それゆえ薄膜をより高い速度で堆積させることができる。

    抵抗性酸化物に基づく薄膜の特定のケースでは、これらの薄膜は焼結プロセスで製造されたスパッタリングターゲットによって一般に得られる。 次いで、焼結されたモノリシック部品が、小さなターゲットの場合には、ターゲット支持体にろう付けされるよう意図されるか、又は大きなターゲットの場合には、ターゲット支持体を結合する操作の際に並置されるセグメント若しくはタイルを焼結することによってターゲット支持体上にろう付けされるよう意図される(それゆえ接合を有するターゲットが得られる)。

    AZOに使用される溶射(特にプラズマ溶射)技術(ITO系材料を製造するための特開平7−01433号、特開平7−026373号及び/又は米国特許出願公開第2007/0137999号を参照することができる)は、これらの材料の場合には、溶射される材料の蒸発が直ちに材料の損失をもたらすという事実のために原料歩留まりが低いという不利な点を有する。

    本発明の方法によれば、
    −これらの損失を最小限に抑えそしてこのような組成物に対して本発明の方法を実施可能なものにする。
    −多孔性を増す必要なしに、当該方法によって製造されるターゲットの内部応力を低減し、それによってプラズマ溶射を用いた従来技術のターゲットよりも大きな厚さ(例えばAZOの場合には6mmの厚さ)を有するターゲットの製造を可能にする。

    本発明は、特には耐火金属、抵抗性酸化物又は揮発性酸化物から選択される化合物に基づくターゲットをプラズマ溶射により、従来の製造プロセスで得られるターゲットに対して少なくとも同等であるか又は優れた操作性能で以って製造するための方法に関する。

    本発明の範囲内で、「抵抗性酸化物」という用語は、25℃で10 5 Ω・cm超の体積抵抗率を有する酸化物群を意味すると解され、これらの酸化物の中でも、以下の群を挙げることができる。

    [a)式ABO 3のペロブスカイト構造を有する酸化物]
    式中、A及びBは、Aを構成する元素の原子価とBを構成する元素の原子価の合計が6に等しいような元素又は元素の組み合わせである。 A及びBを構成する以下の元素群を列挙することができる。
    ・原子価1の元素(K、Rbなど)と原子価5の元素(Nb、Ta、Vなど)の組み合わせ ・原子価2の元素(Sr、Ba、Pbなど)と原子価4の元素(Ti、Zr、Hf、Sn、Ge、Ceなど)の組み合わせ ・原子価3の元素(La、Y、Sc、Biなど)

    例として、以下の酸化物をこの群に見出すことができる。
    −チタン酸塩、例えば、BaTiO 3 、SrTiO 3及びPb(Zr 53 Ti 47 )O 3 。 BaTiO 3は室温で約10 9 Ω・cmの体積抵抗率を有する。
    −ニオブ酸塩、例えば、PMN(Pb(Mg 1/3 Nb 2/3 )O 3 )。

    [b)式AB 26タイプのコロンバイト/トリルチル構造を有する酸化物]
    式中、BはNb又はTaであり、Aは原子価2の元素(Sr、Ba、Pbなど)であるか又はこれらの元素の組み合わせである。 例えば、ニオブ酸塩SBN(Sr,Ba)NbO 6を挙げることができる。

    [c)耐火性でかつ抵抗性の酸化物]
    他の酸化物、例えば、Ta 25 、Nb 25 、V 25 、ZrO 2 、HfO 2 、CeO 2 、Y 23 、Al 23 、La 23 、MgO、BeOなどもまた、室温で高い体積抵抗率、25℃で10 5 Ω・cm超の体積抵抗率を有する。 これらの酸化物の混合化合物、例えば、以下のものも重要である。
    −(Ta 25 −Nb 25固溶体 −(Al 23 −Y 23 )化合物、例えば、YAG、LaAlO 3 (アルミン酸ランタン)など −D xyzタイプの化合物(式中、D=Zr、Hf、Ce、Ti、及びT=Al、Y、La)、例えば、チタン酸ランタン(LaTiO x
    −D xyvz化合物(式中、D=Zr、Hf、Ce、T=Al、Y、及びV=Ta、Nb又はV)、例えば、(ZrAlNb)O x

    本発明の範囲内で、「揮発性酸化物」という用語は、蒸発開始温度T vapと融点T mが以下の基準 T vap <T m +400℃
    を満たす酸化物の群を意味すると解される。

    これらの酸化物の中でも、以下の純酸化物を挙げることができ、それらの融点(文献から引用)及び蒸発開始温度(文献から引用又はTGAすなわち熱重量分析によって測定)は以下のとおりである。

    純酸化物から誘導される以下の化合物、すなわち、
    −AZO(アルミニウムをドープした酸化亜鉛)、
    −MZO(モリブデン酸化亜鉛)、
    −GZO(ガリウムをドープした酸化亜鉛)、
    −ATO(アンチモン酸化スズ)、
    −FTO(フッ素をドープした酸化スズ)及び これらの酸化物の混合物、例えば、混合スズ酸化亜鉛を挙げることもできる。

    本発明の範囲内で、「耐火金属」という用語は、以下のリストの耐火金属、すなわち、タングステン、タンタル、ニオブ、チタン、バナジウム、ハフニウム、ジルコニウム、レニウム、ロジウム、並びにAB合金(式中、A及びBは、以下のリストの元素、すなわち、Mo、W、Ta、Nb、Ti、V、Hf、Zr、Re、Rhに属する)及びAMタイプの合金(式中、Aは、以下のリスト、すなわち、Mo、W、Ta、Nb、Ti、V、Hf、Zr、Reに属し、Mは、以下のリスト、すなわち、Co、Ni、Rh、Pd、Pt、Cu、Ag、Auに属する)からなると規定される耐火合金から選択される金属を意味すると解される。

    この目的で、耐火金属、抵抗性酸化物又は揮発性酸化物から選択される少なくとも1つの化合物を含むターゲットを、溶射、特にはプラズマトーチによるプラズマ溶射によって製造するための本発明の方法は、粉末組成物の形態の前記化合物の少なくとも一部が、制御された雰囲気中で溶射によって前記ターゲットの少なくとも一方の表面部分にスプレーされ、及びその構築の際に前記ターゲット上に向けられかつトーチの周りに分布される強力な任意選択で極低温の冷却ジェットが使用されることを特徴としている。

    −150℃以下の温度を有する流体が規定により極低温流体であるとみなされる。

    プラズマ溶射の際の極低温の冷却ジェット(極低温の液体ジェット、混合された極低温のガス/液体ジェット、又は極低温のガスジェット)の使用により、ターゲットの品質を改善することができ、一方で、以下の3つの機能を提供することができる。
    −スプレー領域の即時の冷却を提供し、それによってスプレーされる材料が耐火性化合物及び抵抗性酸化物の場合に化学修飾の如何なる可能性も排除される。
    −粒子間の優れた清浄な凝集及び連続パスを提供するようにスプレー表面の強力な洗浄を提供する。
    −内部応力を低減し、一方で原料歩留まりを向上させる。

    さらに、耐火性化合物又は抵抗性化合物に関し、プラズマトーチ及びプラズマガス混合物を使用することで、スプレーされる粉末粒子の飛行を大きく低減させ、したがってターゲット中に存在する酸素の含有量を粉末中に存在する酸素の含有量に比べて低減させることができる(T oc <T op (式中、T ocはターゲット中に存在する酸素の含有量であり、T opは粉末中に存在する酸素の含有量である)。

    さらに、本発明の方法は、以下のより好都合な側面を含む。
    −プラズマトーチとターゲットの間の相対運動が確立される。
    −ターゲットの表面が化合物の堆積前に準備される。
    −表面の準備としては、当該ターゲットの表面部分を研磨粒子のジェットでブラストする工程(サンドブラストと称される)又は副層の定着に適した筋を機械加工する工程が含まれる。
    −表面の準備としては、当該ターゲットの表面部分に定着材料の膜(副層)をスプレーする工程が含まれる。

    本発明の他の実施態様では、以下の配置の1つ又は複数を任意選択で用いることができる。
    −耐火性又は抵抗性化合物が、50mbar〜1100mbarの範囲であることができる圧力で、不活性ガスでパージ又はリンスされ、次いで不活性ガスで満たされたチャンバーにスプレーされ、酸素欠乏雰囲気をチャンバー内に作り出すようにされる。
    −冷却ジェットのすべて又は一部は酸化特性を有する。
    −定着副層が用いられ、それは当該ターゲットの表面部分に前記化合物を溶射する前に堆積される。
    −ターゲットはプラズマ溶射の際に熱的に調節される。
    −5μm<D 10 <50μm、25μm<D 50 <100μm、及び40μm<D 90 <200μmで表される粒度分布を有する粉末粒子を含むスプレーされた化合物の粉末組成物が用いられる。
    −溶射工程の後、それに続く熱処理工程を、ターゲット中に存在する酸素の含有量を低減させるために還元性雰囲気において含む。
    −熱ジェット中の異なるポイントで、注入パラメータが各注入器に注入される材料に従って独立して調整される異なる材料を注入するために複数の化合物注入器が用いられる。

    本発明の別の側面は、本発明の方法によって任意に製造することがき、そしてスパッタリング装置、特にはマグネトロンスパッタリング装置又はターゲットを用いた他の任意の真空スパッタリング装置において使用されることを意図したターゲットであって、耐火金属、抵抗性酸化物、及び揮発性酸化物から選択される化合物を主として含むターゲットに関する。

    この目的のため、耐火金属、抵抗性金属酸化物、及び揮発性酸化物から選択される化合物に基づく少なくとも1つの化合物を含む公称厚さ(e)の本発明のターゲットは、ラメラ微細構造を有することを特徴としている。

    耐火金属の場合には、ターゲットは、
    −1000ppm未満、好ましくは600ppm未満、より好ましくは450ppm未満の酸素含有量、及び −化合物の理論電気抵抗率の5倍未満、好ましくは3倍未満、より好ましくは2倍未満の電気抵抗率を有する。

    この抵抗率の測定は、Van der Pauw(ASTM F76)法を用いて実施され、相対抵抗率の測定値は、大量の化合物の20℃における理論値(又は文献から得られる値)に対して算出される(なお、モリブデンは5.34μΩ・cmの理論値を有する)。

    抵抗性酸化物の化合物の場合には、タ−ゲットは、その酸化物の公称抵抗率よりも1000倍、好ましくは10000倍、より好ましくは100000倍低い体積抵抗率を有する。

    揮発性酸化物の化合物の場合、ターゲットは、
    −3mm超、好ましくは6mm超の公称厚さ、及び −公称密度の85%超、好ましくは90%超の密度を有する。

    本発明の好ましい実施態様では、以下の配置の1つ又は複数を任意選択でさらに用いることができる。
    −ターゲットを形成する抵抗性酸化物は、式ABO 3のペロブスカイト構造を有する酸化物(式中、A及びBは、Aを構成する1つ又は複数の元素の原子価とBを構成する1つ又は複数の元素の原子価の合計が6に等しいような元素又は元素の組み合わせである)の少なくとも1つから選択されるか、式AB 26タイプのコロンバイト/トリルチル構造を有する酸化物(式中、BはNb又はTaであり、Aは原子価2の元素、例えば、Sr、Ba、Pbなどである)から選択されるか、又は以下のリスト、すなわち、Ta 25 、Nb 25 、V 25 、ZrO 2 、HfO 2 、CeO 2 、Y 23 、Al 23 、La 23 、MgO、BeOから選択される。
    −抵抗性酸化物に基づくターゲットは、上記リストからの2つ以上の抵抗性酸化物の混合物若しくは組み合わせからなる組成物を含むか、又は主として1つの抵抗性酸化物を含む。
    −ターゲットを形成する耐火金属は、タングステン、タンタル、ニオブ、チタン、バナジウム、ハフニウム、ジルコニウム、レニウム、ロジウム、並びにAB合金(式中、A及びBは、以下のリストの元素、すなわち、Mo、W、Ta、Nb、Ti、V、Hf、Zr、Re、Rhに属する)及びAMタイプの合金(式中、Aは、以下のリスト、すなわち、Mo、W、Ta、Nb、Ti、V、Hf、Zr、Reに属し、Mは、以下のリスト、すなわち、Co、Ni、Rh、Pd、Pt、Cu、Ag、Auに属する)からなると規定される耐火合金から選択される。
    −耐火金属のターゲットはまた、耐火性化合物、揮発性酸化物の化合物、又は抵抗性酸化物の化合物から選択される少なくとも1つの追加の成分を含み、0.5〜30wt%の1つ又は複数の追加の成分を有する。
    −ターゲットを形成する揮発性酸化物は、上記の基準、すなわち、T vap <T m +400℃を満たし、この酸化物は、特にはアルミニウム、モリブデン、ガリウム、スズ、フッ素若しくはインジウムをドープした酸化亜鉛、酸化スズ、酸化バリウム、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化モリブデン、酸化亜鉛であることができるか、又は混合インジウムスズ酸化物であることができ、揮発性酸化物に基づくターゲットは、上記基準を満たす2つ以上の揮発性酸化物の混合物若しくは組み合わせからなる組成物を含むか、又は主として上記の1つの揮発性酸化物を含む。

    変形態様として、ターゲットは、一方で、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、チタン、バナジウム、ハフニウム、ジルコニウム、レニウム、ロジウムから選択される耐火金属と、他方で、ケイ素とから構成することができ、そのモル比は、ケイ素5モル当たり耐火金属1モルからケイ素1モル当たり耐火金属5モルまでの範囲であることができ、好ましくはケイ素2モル当たり耐火金属1モルである。 この場合には、ターゲットのラメラ微細構造は複合体であり、純ケイ素のラメラと並置された耐火金属のラメラを含む。

    ターゲットが追加の元素を含むか又は複数の材料の集成体含む場合には、種々の元素を以下の手段の1つによって提供することができる。
    −各粉末粒子がターゲットの所望の組成(粉末の溶射の際に揮発による一様でない損失を考慮するために僅かに異なる可能性がある)を有する予め合金にした粉末を使用する。
    −それぞれが溶射工程の際に熱ジェット中に異なる流路によって注入される2つ以上の粉末を使用する。
    −ターゲットは平面形状である。
    −ターゲットは管状形状である。
    −ターゲットは、その端部のそれぞれに追加の厚さの材料を有する。
    −ターゲットは、化合物が堆積される1つ又は複数の部分を備え、この1つ又は複数の部分はスパッタリング機に取り付けることができる平面の支持体であるか又は次いでこの支持体に結合される中間部分である。
    −追加の厚さは、化合物層の公称厚さの約25〜50%である。
    −ターゲットは、85%超、好ましくは90%超の密度を有する。
    −公称厚さ(e)は1〜25mm、好ましくは6〜14mmである。
    −ターゲットは、少なくとも99.5%の純度を有する。
    −ターゲットは、使用中のマグネトロンターゲットの予想される特性(十分な機械強度、十分な熱伝導率、使用中のターゲットの冷却用水に対する耐食性など)に対応する特性を提供する支持材料、例えば銅若しくは銅合金又はオーステナイト系ステンレス鋼、例えばX2CrNi18−9若しくはX2CrNiMo17−12−2の上に構成される。

    限定的でない例として、本発明は以下の図面によって示すことができる。

    本発明の製造方法によって得られたMoターゲットの断面の微細構造を示す図である。

    本発明の製造方法によって得られたMoターゲットの断面の微細構造を示す図である。

    本発明の製造方法によって得られたMoターゲットの断面の微細構造を示す図である。

    本発明の製造方法によって得られたタングステンターゲットの断面の微細構造を示す図である。

    本発明の製造方法によって得られたタングステンターゲットの断面の微細構造を示す図である。

    本発明の製造方法によって得られたチタン酸バリウム(抵抗性酸化物)のターゲットの断面の微細構造を示す図である。

    本発明の製造方法によって得られた混合アルミニウム酸化亜鉛(揮発性酸化物)のターゲットの断面の微細構造を示す図である。

    本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明の過程で明らかになるであろう。

    ターゲットが構築される支持体は、銅、銅合金、ステンレス鋼、又はマグネトロンターゲットの製造と適切に適合できる他の任意の合金から製造することができる。 本発明では、支持体に関する本発明の方法に関連する特定の要件はないが、形状、機械強度、及び冷却水に対する化学的不活性の観点でマグネトロンターゲットに関する通常の要件は満たす必要がある。

    [支持体の表面の調製]
    脱脂の後、支持体の表面は、砥粒のジェットでブラストすることにより調製される。 これらの砥粒としては、種々のもの、すなわちコランダム(溶融白色アルミナ)粒子、褐色コランダム粒子、アルミナ−ジルコニア砥粒、ヒューズ−キャストスラグ粒子から製造された砥粒(バシルグリット(Vasilgrit)タイプ)、アルマンディンガーネット粒子若しくは形鋼又は鋳鉄のショットであることができる(このリストは網羅的なものではない)。

    好ましくは、以下の研磨材、すなわち、コランダム(溶融白色アルミナ)及びアルミナ−ジルコニア(例えばSaint−Gobain Coating SolutionsからのAZ24)(この材料は、粒子の破壊及びその結果として粒子分の表面への包含を抑制するその高い靭性のため好ましく、このような包含はコーティングの接着に対して悪影響を及ぼす)が用いられる。 研磨粒子の平均直径は、研磨材のタイプに応じて、180〜800μmであることが好ましい。 この操作の目的は、結合副層又はターゲットの構成材料の正しい接着を確実にすることができる表面粗さを与えることである。

    別の方法は、副層と次いで機能膜又はターゲットの構成材料の良好な接着を可能にする筋を機械加工することにある。

    [溶射による結合副層の製造]
    ターゲットの機能層の機械的接着を最適化するために、結合副層を溶射によって製造することができる。 この操作は、プラズマ粉末溶射、電気アークワイヤ溶射、酸素ガスフレーム溶射(設備によってはワイヤ又は粉末)、HVOF(高速酸素燃料)プロセスを用いた溶射、爆裂溶射プロセス、及び粉末が注入される任意選択で予備加熱されたガスを用いたコールドスプレープロセスから選択される通常の溶射プロセスを用いることができる。 この操作は、周囲空気中で本発明を損なうことなく実施することができる。

    結合副層の材料は、副層として一般に用いられる以下の従来の材料から選択することができる。
    −ニッケル又はニッケル系合金、すなわちNiAl、NiCr又はNiCrAl;鉄又は第一鉄の合金、すなわちFeCrAl鋼、FeCrC鋼又はFeMnC鋼;X2CrNi18−9又はX2CrNiMo17−12−2のオーステナイト系ステンレス鋼など −銅又は銅合金、例えばCuAl、CuAlFe、CuZnなど −モリブデン又はモリブデン合金、すなわちMoCuなど

    上記リストは網羅的なものではなく、支持体チューブの材料及び溶射設備に応じて(及び適切な形態のフィラー材料の入手可能性に応じて)副層材料を選択することができる。

    [本発明のターゲットの機能膜の、好ましくはプラズマ溶射による形成]
    ターゲットの機能膜は、1及び2に関する以下の特定の条件下で、溶射、好ましくはプラズマ溶射によって形成される。
    −制御された雰囲気、すなわち、例えば酸素及び窒素の含有量が低く、主として不活性ガスからなる雰囲気を有し、圧力が50mbar〜1100mbarであるチャンバーにおいて実施されるプラズマ溶射 −不活性ガス又は比較的還元性のプラズマガス混合物を用いたプラズマス溶射(これにより粉末粒子を溶融するとき及び粉末粒子が基材上を飛行している間、粉末粒子の表面に最初に存在する酸素の量を低減することができ、これは、例えば、化合物が耐火性材料であるか又は化合物が抵抗性酸化物である場合である)
    −不活性流体(耐火金属若しくは抵抗性酸化物の場合)又は不活性若しくは酸化性流体(揮発性酸化物の場合)の液体若しくはガスの強力な極低温ジェットを吹き付けるためのノズルの使用(このジェットはトーチの周りに分布される)
    −ターゲット上に形成される厚さ、特にターゲットの端部における追加の厚さの可能性のある変更を可能にして、「ドッグボーン」ターゲットと一般に呼ばれているものを形成することができるトーチとターゲットの間の相対運動 −粉末をプラズマジェット内により良好に分布させることができる1つ又は複数の粉末注入器の使用 −プラズマトーチは以下のものであることができる。
    ・商業的に入手可能なDCブローンアークプラズマトーチ ・又は誘導結合RFプラズマトーチ

    ターゲットを製造するのに用いられる粉末は、以下の典型的な特徴を有する。
    −以下のような規定された粒子サイズ分布 ・D 10% (粒子の10%がこの直径よりもサイズが小さいような直径):5〜50μmの間 ・D 50% (中央直径):25〜100μm
    ・D 90% (粒子の90%がこの直径よりもサイズが小さいような直径):40〜200μm
    −ターゲットに関する目標純度に従った純度、好ましくは99.5%超 −酸素含有量:耐火金属の場合、<1500ppm、好ましくは<1000ppm又は<500ppm

    本発明の方法により、溶射で従来得られかつラメラ微細構造を有するターゲットよりも優れたターゲット品質を得ることができ(モリブデンの場合は図1a、1b及び1cを参照することができ、タングステンの場合は図1d及び1eを参照することができ、抵抗性酸化物の場合は図2を参照することができ、揮発性酸化物の場合は図3を参照することができる)、そして500ppm未満の酸素含有量を有する耐火金属のターゲットを還元性雰囲気での高温熱処理のような以降の工程なしで直接的に得ることができる。

    以降の熱処理工程を用いないという事実には、ターゲットの構成材料(耐火金属又は抵抗性酸化物)とは顕著に異なる膨張係数を有する支持体を含む支持体(管状ターゲットのためのチューブ又は平面ターゲットのための平坦な支持体)のための如何なるタイプの材料、例えば、酸素含有量を低減するための以降の熱処理の場合に排除されるオーステナイト系ステンレス鋼を用いることができるという利点がある。

    当然ながら、このようにして製造されるターゲット中の酸素含有量をさらに低減するため、選択肢として熱処理を実施してもよい。

    [平面ターゲットの場合]
    本発明によれば、以下の手順に従って平面ターゲットを製造することができる。
    −使用するためマグネトロンに取り付けるのに適した平面ターゲットの支持体 −ターゲットの支持体が複雑な形状を有しそしてターゲットを使用した後、それを再利用する必要がある場合には、ターゲット材料は、ターゲット支持体上に直接的には形成されずに、支持体上に結合されている1つ又は複数の中間プレート([タイル]と称される)上に形成される。
    −タ−ゲット材料(例えばモリブデンに基づく)は先に述べたのと同じ手順に従って支持体又は1つ又は複数のタイル上に形成される。
    −1つ又は複数のタイルの結合は、(支持体が高い機械強度を有する場合には)ターゲット材料の形成前に、又は支持体が十分強くない場合にはタイル上へのターゲット材料の形成後に実施することができる。 後者の場合、タイルの寸法は、プラズマ溶射によってターゲット材料を形成する操作の際に、タイルが変形するリスクを最小限にするよう決定される。

    この実施例1(図1a、1b及び1c)は、耐火金属、特にはモリブデンに基づく管状ターゲットであって、回転カソードとともにマグネトロンスパッタリンにおいて使用することを意図した管状ターゲットに関するものである。

    以下のプロセスを実施した。
    −オーステナイト系ステンレス鋼、例えばX2CrNi18−9又はX2CrNiMo17−12−2からなる支持体チューブ −AZグリット24のアルミナ−ジルコニア吹き付け加工による支持体チューブの表面調製 −空気中で実施されるツインアークワイヤ溶射による、NiAl(95%ニッケル/5%アルミニウム)の組成を有する定着副層の製造。 この実施例では、定着副層の厚さは公称200μmであった。
    −以下の条件下でのプラズマ溶射によるターゲット上へのモリブデン活性膜の形成 ・特定のプラズマジェットの速度特性を与えるプラズマトーチ、及びその結果としてスプレーされた粒子の特性 ・チャンバーに配置されたターゲット ・例えばポンプ輸送及び次いで充填によるチャンバー内の不活性雰囲気の作成 ・ターゲット上に向けられる極低温冷却ジェットの使用(このジェットはトーチの周りに分布される)
    ・ターゲットを製造するのに使用される粉末は以下の特徴を有するモリブデン粉末であった。
    ・凝集焼結モリブデン粉末 ・粒径d 50 =80μm
    ・純度99.95%、特にFe20ppm及び酸素600ppm
    ・以下のパラメータを有するプラズマス溶射 ・以下のパラメータを有するプラズマトーチを用いて実施例のターゲットを製造した。

    ・R

    max <15μmのような粗さを得るための研磨又は機械加工による表面仕上げ

    上記のとおり、本発明の特定の方法により、得られたターゲット中の酸素含有量は450ppmであり、粉末中に最初に存在していた600ppmよりも小さかった。

    異なる粉末組成を有するモリブデンターゲットを製造するためのこの手順による追加の結果を本発明による極低温ジェットなしの結果と比較して下表に示す。

    上記の結果が示すように、プラズマトーチの周りに分布された極低温冷却ジェットによるプラズマ溶射プロセスによって、ターゲット中の酸素含有量を、出発粉末中の酸素含有量と比べて低減することができる。 したがって、非常に純度の高い出発粉末を選択する必要がない。 というのも、特には特定量の酸素を含有する粉末を回避することは実際には不可能であるからである。 したがって、本発明の方法は特に有利である。

    耐火性化合物に基づくターゲットの実施例2を以下に与える。 ここでは、これはタングステンである(図1d及び1e参照)。

    この実施例は、DCマグネトロンスパッタリングにおいて使用することを意図した平面タングステンターゲットに関するものである。

    以下のプロセスを実施した。
    −ターゲット支持体上に続いてろう付けされることを意図した銅の中間支持体プレート上へのターゲットの構築 −AZグリット36のアルミナ−ジルコニア吹き付け加工による支持体プレートの表面調製 −CuAl(90/10)合金のプラズマ溶射による、150μmの厚さを有する定着副層の製造 −以下の条件下でのプラズマ溶射によるターゲット上へのタングステン活性膜の形成 ・特定のプラズマジェットの速度特性を与えるプラズマトーチ、及びその結果としてスプレーされた粒子の特性 ・チャンバーに配置されたターゲット ・ポンピングサイクル(5・10 -2 kPaまで減圧)の後、チャンバー内に不活性雰囲気(酸素分圧<10 -2 kPaのアルゴンから構成される)を得るためにアルゴンをチャンバー内に充填する(1atmまで)。
    ・ターゲット上に向けられる極低温冷却ジェットの使用(このジェットはトーチの周りに分布される)
    ・ターゲットを製造するのに使用される粉末は以下の特徴を有するタングステン粉末であった。
    ・粒径d 50 =25μm
    ・純度99.95%
    ・以下のパラメータで実施されるプラズマス溶射 ・以下のパラメータを有するプラズマトーチを用いて実施例のターゲットを製造した。

    ・R

    max <15μmのような粗さを得るための研磨又は機械加工による表面仕上げ

    得られたターゲットは、以下の他の注目すべき特性を有していた。
    密度=88%
    以下のような電気抵抗率

    [実施例3:抵抗性酸化物からなるマグネトロンターゲットの実施例(図2を参照)]
    この実施例は、DCマグネトロンスパッタリングにおいて使用することを意図したチタン酸バリウムBaTiO 3-xからなる平面ターゲットに関するものである。

    以下のプロセスを実施した。
    −ターゲット支持体上に続いてろう付けされることを意図した銅の中間支持体プレート上へのターゲットの構築 −AZグリット36のアルミナ−ジルコニア吹き付け加工による支持体プレートの表面調製 −CuAl(90/10)合金のプラズマ溶射による、150μmの厚さを有する定着副層の製造 −以下の条件下でのプラズマ溶射によるターゲット上へのBaTiO 3-x活性膜の形成 ・特定のプラズマジェットの速度特性を与えるプラズマトーチ、及びその結果としてスプレーされた粒子の特性 ・チャンバーに配置されたターゲット ・ポンピングサイクル(5・10 -2 kPaまで減圧)の後、チャンバー内に不活性雰囲気(酸素分圧<10 -2 kPaのアルゴンから構成される)を得るためにアルゴンをチャンバー内に充填する(1atmまで)。
    ・ターゲット上に向けられる極低温冷却ジェットの使用(このジェットはトーチの周りに分布される)
    ・ターゲットを製造するのに使用される粉末は以下の特徴を有するチタン酸バリウムであった。
    ・凝集焼結粉末 ・粒径d 50 =70μm
    ・純度99.5%(SrO不純物は除外)
    ・以下のパラメータで実施されるプラズマス溶射 ・以下のパラメータを有するプラズマトーチを用いて実施例のターゲットを製造した。

    ・R

    max <15μmのような粗さを得るための研磨又は機械加工による表面仕上げ

    [このようにして製造されたターゲットの重要で有利な特性]

    本発明の方法は、酸素空孔の生成によってターゲット材料の抵抗率を非常に大きく低減させることができる。

    それゆえ、この実施例のターゲットは、DCマグネトロンモードにおいて使用することができ、そしてマグネトロンモードにおいて中程度の分圧を使用することにより化学量論量のBaTiO 3膜を製造することができる(高分圧での反応性マグネトロンスパッタリングの場合と同じ欠点、例えばpO 2ヒステリシス現象を生じない)。

    [実施例4:揮発性酸化物からなるマグネトロンターゲットの実施例(図3を参照)]
    この実施例は、回転カソードマグネトロンスパッタリングにおいて使用することを意図した管状ターゲットに関するものである。 以下のプロセスを実施した。
    −オーステナイト系ステンレス鋼、例えばX2CrNi18−9又はX2CrNiMo17−12−2からなる支持体チューブ −AZグリット24のアルミナ−ジルコニア吹き付け加工による支持体チューブの表面調製 −空気中で実施されるプラズマ溶射による、NiAl(80%ニッケル/20%アルミニウム)の組成を有する定着副層の製造。 この実施例では、定着副層の厚さは公称150μmであった。
    −以下の条件下でのプラズマ溶射によるターゲット上へのAZO(2%Al 23 −ZnO)活性膜の形成 ・特定のプラズマジェットの速度特性を与えるプラズマトーチ、及びその結果としてスプレーされた粒子の特性 ・チャンバーに配置されたターゲット ・冷却ジェットの使用 ・ターゲットを製造するのに使用される粉末は以下の特徴を有するAZO粉末であった。
    ・粒径d 50 =50μm
    ・純度99.9%
    ・以下のパラメータで実施されるプラズマス溶射 ・以下のパラメータを有するプラズマトーチを用いて実施例のターゲットを製造した。

    ・R

    max <15μmのような粗さを得るための研磨又は機械加工による表面仕上げ

    本発明の方法により、6mmの厚さを有しかつセグメント間に接合部分がないモノリシックな亀裂なしのAZOターゲットを製造することができる。 得られたターゲットは、92%の密度を有していた(理論AZO密度5.57g/cm 3に対して5.15g/cm 3 )。

    [本発明の特性及び利点]
    本発明のターゲットは以下の特性及び利点を有する。
    ・本発明の方法では、カソード及びその磁石によって作り出される磁界の小さな曲率半径の湾曲部に相当する領域における広範囲の局部侵食を補償するようにターゲットの両端に追加の厚さを堆積させることができるので、プラズマ溶射によって得られる管状ターゲットにおいて使用される材料の利用率が焼結(及び/又は熱成形)プロセスによって得られたものと比較して優れている。 これにより、75%超又は80%超のターゲットの原料歩留まりを達成することが可能であり、一方で、平坦な形状のターゲットでは歩留まりは75%未満にとどまる。 このタイプのターゲットを用いた結果として、膜、特には純粋なモリブデンに基づく膜が得られ、膜が堆積される表面における基材の特性寸法に沿って得られるその均一性のプロファイルR は、偏差が(例えば3.20m幅の基材に関して)わずか±2%である。 この測定は、「Nagy」タイプの装置を用いて非接触測定によって実施した。
    ・ターゲットの幅方向の材料厚さの範囲は1〜25mmであり、ターゲットの厚さはその所望の耐用年数に従って選択することができる(この厚さは、実際は、ラインの停止なしでの予想される生産期間によって決定される)。
    ・管状ターゲットの場合、ACモード又はDCモードにおいて30kW/mを超える電力レベル(堆積速度の増大)で(支持体チューブとターゲットの間の熱勾配による)亀裂のリスク又はろうの溶融のリスクなしでターゲットをバイアスすることができる。
    ・材料の厚さは使用者にとって厳密に必要な大きさまで低減されるので、高電力の放電を保持するのに必要な電圧を制限することができ、したがってこのターゲットを現行のマグネトロンの電源と競合させることができる。

    本発明の抵抗性酸化物のターゲットの場合には、利点は以下のとおりである。
    −非反応性マグネトロンスパッタリングによって抵抗性薄膜を得るためのセラミックターゲットを製造することができ、中程度の酸素分圧の使用が必要とされる(使用においてヒステリシス作用がない)。 本発明の方法で得られるセラミックターゲットは、化合物の理論抵抗率に比べて非常に低い抵抗率を有する。
    −大きなモノリシックの円筒形ターゲットを製造することができる。
    −両端に局所的な余分の厚さを有するターゲット(「ドッグボーン」ターゲット)を製造することができる。
    −溶融可能な中間相なしの支持体チューブとの優れた結合

    本発明の揮発性酸化物のターゲトの場合には、以下の利点が提供される。
    −原料歩留まりの損失は最小限に抑えられるので、この方法は、このタイプの組成物に対して実施可能である。
    −当該方法によって製造されるターゲットの内部応力は、多孔性を増す必要なしに低減される。 これにより、プラズマ溶射によって従来技術よりも大きな厚さを有するターゲットを構築することができる(例えばAZOの場合6mm)。

    組み合わされたセグメントを含むターゲットと対照的に、本発明を用いて製造されるモノリシックな管状又は平面ターゲトの場合には、以下のリスクはかなり低減される。
    ・寄生粒子を生成するアーク放電の出現のリスク、及びモリブデン膜の汚染源であるとして知られている、ターゲット材料のフラグメントがその支持体から分離するリスク ・ろう付け用材料又はターゲット支持体材料をセグメント間のギャップを介してスパッタリングするリスク ・支持体に対する結合(ろう又は導電性セメント)の熱又は機械破損のリスク

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