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Wire thread insert and method for manufacturing the same, and method of attachment that has a mounting tongue that can be bent back

申请号 JP2013537081 申请日 2011-10-28 公开(公告)号 JP2013543956A 公开(公告)日 2013-12-09
申请人 ボルホフ・フェルビンダンクシュテヒニーク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテン・ハフツング; 发明人 トンメス,ホルガー; マルクスコルス,アンドレアス;
摘要 A wire thread insert comprises besides a cylindrical helix consisting of a plurality of coils a moving tang projecting into the interior of the helix for installing the wire thread insert into a receiving thread. The wire thread insert is connected to the cylindrical helix via a bending portion such that the moving tang can be redressed into the receiving thread after installation of the wire thread insert. The wire thread insert is installed by means of an installation tool with a mounting spindle, which installs the wire thread insert in the receiving thread via a moving shoulder and the moving tang. A compression blade provided at the mounting spindle bends the moving tang back into the receiving thread while the mounting spindle is removed from the installed wire thread insert.
权利要求
  • 部品(B)に設けた受けネジ(A)内に取付けるためのワイヤスレッドインサート(10)であって、
    a. ワイヤを螺旋状に巻回してなる複数のコイル(30)を有し、第一端(22)と第二端(24)とを有する円筒状螺旋体(20)を備え、
    b. 該第一端(22)に設けた第一コイル(32)は、曲げ部(40)を介して螺旋体(20)の内部(26)へと突出する駆動舌部(50)を有し、
    c. 該駆動舌部(50)は分離不能に第一コイル(32)に接続され、曲げ部(40)を介して螺旋体(20)の内部(26)から曲げ戻し可能である、ワイヤスレッドインサート(10)。
  • 前記駆動舌部(50)が、部品(B)に設けた受けネジ(A)内へと永久的に曲げ戻し可能である、請求項1に記載のワイヤスレッドインサート(1)。
  • 前記駆動舌部(50)が円弧状であり、該舌部の半径が、円筒状螺旋体(20)の第一コイル(32)の半径とほぼ等しい、請求項1又は2に記載のワイヤスレッドインサート(10)。
  • 前記駆動舌部(50)が、その自由端に連続的な押圧前端面を有し、螺旋体(20)の半径方向面内において、ワイヤの長手軸に対して80°〜130°の角度で配置されている、先行する請求項のいずれかに記載のワイヤスレッドインサート(10)。
  • 駆動舌部(50)の曲げ戻しを容易にするために、第一コイル(32)と駆動舌部(50)との間の曲げ部(40)のワイヤが、第一コイルのワイヤと比較して、機械的、幾何学的、熱的、化学的、若しくは他の方法で変更されている、先行する請求項のいずれかに記載のワイヤスレッドインサート(10)。
  • 先行する請求項のいずれか1項に記載のワイヤスレッドインサート(10)を内部に取付けた受けネジを有する部品(B)。
  • 部品(B)に設けた受けネジ(A)内に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤスレッドインサート(10)を取付けるための取付工具であって、
    a. 回転可能な取付スピンドル(60)を備え、該取付スピンドル(60)は、取付スピンドル(60)を回転させるための駆動端と、ワイヤスレッドインサート(10)を取付けるための機能端(65)とを有し、
    b. 該機能端(65)は、駆動舌部(50)を介してワイヤスレッドインサート(10)を受けネジ(A)内へねじ込むことができる駆動肩部(70)と、ワイヤスレッドインサート(10)の駆動舌部(50)を曲げ戻しすることができる押圧ブレード(80)とを備える、取付工具。
  • 前記押圧ブレード(80)は半径方向に延在し、部品(B)に設けた受け溝(A)内へ駆動舌部(50)を永久的に曲げ戻すことができるように、取付スピンドル(60)の上方を横切って突出する、請求項7に記載の取付工具。
  • 前記機能端(65)は、曲げ戻し肩部(90)を備え、取付スピンドル(60)を回転させることにより、該曲げ戻し肩部(90)により、駆動舌部(50)を半径方向外方に移動させることができ、且つ押圧ブレード(80)と協働して駆動舌部(50)を曲げ戻すことができる、請求項7又は8に記載の取付工具。
  • 前記取付スピンドル(60)は、その機能端(65)において、ワイヤスレッドインサート(10)を取付け若しくは装着可能な外径を有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の取付工具。
  • 前記押圧ブレード(80)は、駆動舌部(50)に係合・脱係合するように、取付スピンドル(60)に対して半径方向及び/又は軸方向に可動に配置されている、請求項7〜10のいずれか1項に記載の取付工具。
  • 前記押圧ブレード(80')は、取付スピンドルの前端面に対して偏心配置された点を中心として枢動可能に配置されている、請求項7に記載の取付工具。
  • 部品(B)に設けた受けネジ(A)内に、曲げ戻し可能な駆動舌部(50)を有するワイヤスレッドインサート(10)を、取付工具によって取付ける方法であって、
    a. 取付工具の取付スピンドル(60)の機能端(65)にワイヤスレッドインサート(10)を取付け若しくは装着する工程と、
    b. 取付スピンドル(60)を第一の回転方向に回転させることによって、ワイヤスレッドインサート(10)を受けネジ(A)内へねじ込む工程と、
    c. 取付スピンドル(60)を第二の回転方向に回転させることによって、駆動舌部(50)を受けネジ(A)内へ曲げ戻す工程と、
    d. 駆動舌部(50)が曲げ戻されたワイヤスレッドインサート(10)を取付けスピンドル(60)から取り外す若しくは取り除く工程(S6)、
    とを含む、ワイヤスレッドインサートの取付け方法。
  • ワイヤスレッドインサートを取付けスピンドルで回転させることができるように、ワイヤスレッドインサート(10)の駆動舌部(50)を、取付スピンドル(60)の機能端(65)に設けた駆動肩部(70)にロックする工程(S2)をさらに含む、請求項13に記載の取付け方法。
  • 取付スピンドル(60)の機能端(65)に設けた曲げ戻し肩部によって、駆動舌部(50)を曲げ戻す工程(S4)をさらに含む、請求項13又は14に記載の取付け方法。
  • 部品(B)に設けた受けネジ(A)内に駆動舌部(50)が配置されるように、取付けスピンドル(60)の機能端(65)に設けた押圧ブレードによって駆動舌部(50)を押圧する工程(S5)をさらに含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の取付け方法。
  • 曲げ戻し可能な駆動舌部(50)を有するワイヤスレッドインサート(10)の製造方法であって、
    a. 円弧状湾曲自由端を有するワイヤを用意する工程と、
    b. 該円弧状湾曲自由端を巻回スピンドルの前端にロックし、ワイヤを螺旋状に巻回してなる複数のコイル(30)を有する円筒状螺旋体(20)を、湾曲した駆動舌部(50)が螺旋体(20)に対して内方に配置され、半径方向内方に直線的には突出しない状態で形成するように、巻回スピンドルにワイヤを巻回する工程と、
    c. 半円形に巻回された自由端を有するワイヤが残されるように、巻回されたワイヤスレッドインサート(10)を切断する工程とを含む、ワイヤスレッドインサートの製造方法。
  • 切断前に、ワイヤスレッドインサート(10)を巻回スピンドルから取り外し、巻回スピンドルの長手軸に対してワイヤスレッドインサート(10)をその長手軸について傾斜させる工程をさらに含む、請求項17に記載の製造方法。
  • 少なくとも一つのブレード、好ましくは第一及び第二のブレードを用いた剪断工程によって、巻回されたワイヤスレッドインサートを切断する工程をさらに含む、請求項17又は18に記載の製造方法。
  • 駆動舌部(50)の曲げ戻しを容易にするために、ワイヤスレッドインサート(10)の第一コイル(32)と駆動舌部(50)との間の曲げ部(40)のワイヤを、第一コイルのワイヤと比較して機械的、幾何学的、熱的、化学的、若しくはその他の方法で変更する工程をさらに含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
  • 請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤスレッドインサート(10)を製造するための装置であって、
    a. 巻回されるワイヤのワイヤ供給手段と、巻回されるワイヤのための前端ロック構造を有する回転可能に配置された巻回スピンドルと、
    b. 巻回されたワイヤスレッドインサート(10)のワイヤを剪断工程によって分離することができる少なくとも一つのブレードを有する切断構造とを備える、製造装置。
  • 駆動舌部(50)の曲げ戻しを容易にするために、ワイヤスレッドインサート(10)の第一コイルと駆動舌部(50)との間の曲げ部のワイヤを、ワイヤスレッドインサート(10)の他の部分のワイヤと比較して、機械的、幾何学的、熱的、化学的、若しくはその他の方法で変更する指向性付与組立体をさらに備える、請求項21に記載の製造装置。
  • 说明书全文

    本発明は、部品に設けた受けネジ内に取付け/設置するためのワイヤスレッドインサート、ワイヤスレッドインサートを内部に取付けた受けネジを有する部品、このワイヤスレッドインサートの取付工具、受けネジを有する部品にこのワイヤスレッドインサートを取付ける方法、このワイヤスレッドインサートの製造方法、並びにこのワイヤスレッドインサートの製造装置に関する。

    従来から、部品に設けた受けネジ内に取付けるワイヤスレッドインサートがいくつか知られている。 このようなインサートは、例えば米国特許第2,363,789号、ヨーロッパ特許出願公開第0140812号、及び同第0157715号に記載されている。 通常、ワイヤスレッドインサートの円筒状壁の外径は、部品に設けた受けネジの外径よりもわずかに大きくなるように選択しなければならない。 従って、部品に設けた受けネジにワイヤスレッドインサートを取付けるには、ワイヤスレッドインサートの直径を縮める必要がある。 このように、受けネジに取付けた後にワイヤスレッドインサートが弾性的に再変形することにより、ワイヤスレッドインサートをぴったりと嵌めることができる。

    ワイヤスレッドインサートの円筒状螺旋体の端部にある半コイルは、既知の方法(ヨーロッパ特許第10228981号)で半径方向内方に収縮し、ワイヤスレッドインサートは受けネジ内にねじ込みやすくなる。 ワイヤスレッドインサートの収縮した部分の最小外径は、部品に設けた受けネジの対応する外径にほぼ等しいか、これよりもわずかに大きくすべきである。 また、この公知のワイヤスレッドインサートのワイヤ断面はこの端部でテーパーしていて、ワイヤスレッドインサートを受けネジにねじ込みやすく、且つ部品に開けたネジ穴を破損しないようになっている。

    ワイヤスレッドインサートの別の態様は、ヨーロッパ特許第10983445号にも記載されている。 ここに記載されているのは、例えば図1に示される、螺旋状に巻回した複数のコイル3を有する円筒状螺旋体2からなるワイヤスレッドインサートである。 この円筒状螺旋体2の第一のコイル4は、円筒状螺旋体2内へ半径方向に真っすぐに突出する取付舌部/設置舌部6につながっている。 取付舌部6を適切な取付工具によって掴み、それによって、部品に設けた受けネジ内へワイヤスレッドインサートをねじ込む。 取付完了後、第一のコイル4に設けた所定の折位置5で取付舌部6を折り取って取り外す。 このようにして、ネジを取付けることができる連続したワイヤインサートを有する受け穴が形成される。

    このような構造のワイヤスレッドインサートは、取付舌部6を折り取って取り外さなければならない点が特に不都合である。 このようなワイヤスレッドインサートを自動的に取付ける場合、折り取って取り外した取付舌部6を記録する必要がある場合もある。 さらにこのワイヤスレッドインサートは、部品に設けた受けネジ内に所定の向きで取付なければならない点が不都合である。 これは、ワイヤスレッドインサート1は、取付舌部6を先にして受けネジ内へねじ込まなければならないからである。

    従来技術として知られているさらに別のワイヤスレッドインサート1を図2に示す。 図1のワイヤスレッドインサートとは対照的に、図2のワイヤスレッドインサートには取付舌部がない。 その代わりに、ワイヤスレッドインサートの第一コイル4には駆動溝7が設けられている。 ワイヤスレッドインサートの取付工具をこの駆動溝7に係合し、部品に設けた受けネジ内へワイヤスレッドインサート1をねじ込む。 ワイヤスレッドインサート1の第一コイル4の自由端にはテーパー8が設けられ、このネジ込み工程並びに受けネジ内にワイヤスレッドインサート1が入るのを助ける。 図2のワイヤスレッドインサート1の構成により、部品に設けた受けネジ内へ、非常に洗練された自動取付けが可能となる。 ワイヤスレッドインサート1は、自動組立てにおいてプレロードカートリッジによって挿入される。 挿入には過剰な工程監視が必要である。 さらに図2のワイヤスレッドインサートは、取付中に直径を限定的にしか小さくすることができないので、受けネジ内に取付けた後にかけることができる保持が、例えば図1のワイヤスレッドインサート1よりも低い。

    米国特許第2,363,789号明細書

    欧州特許出願公開第0140812号明細書

    欧州特許出願公開第0157715号明細書

    欧州特許第10983445号明細書

    従来のワイヤスレッドインサートを発端として、本発明の目的は、従来技術よりも少ない労力且つ信頼性の高い方法で部品に設けた受けネジ内へ取付可能なワイヤスレッドインサートを提供することにある。 本発明の別の目的は、このようなワイヤスレッドインサートの取付方法、取付工具、製造方法、及び製造装置をそれぞれ提供することにある。

    上記の技術的課題は、独立請求項1に記載されるワイヤスレッドインサート、独立請求項6に記載されるワイヤスレッドインサートを内部に取付けた受けネジを有する部品、独立請求項7に記載されるワイヤスレッドインサートの取付工具、独立請求項13に記載されるワイヤスレッドインサートの取付方法、独立請求項17に記載されるワイヤスレッドインサートの製造方法、並びに独立請求項21に記載されるワイヤスレッドインサートの製造装置によって解決される。 本発明の有利な実施態様並びにさらなる展開は、本願明細書、図面、及び請求の範囲から導き出すことができる。

    部品に設けた受けネジ内に取付け/設置するための本発明のワイヤスレッドインサートは、以下の特徴を備える。 円筒形螺旋体は、ワイヤを螺旋状に巻回してなる複数のコイルを有し、該螺旋体は第一及び第二の端部を有し、第一の端部に設けられた第一のコイルは、曲げ部を介して螺旋体の内部へと突出する駆動舌部を有し、該駆動舌部は、分離不能つまり取外し不能に第一コイルに接続され、曲げ部を介して螺旋体の内部から曲げ戻し可能である。

    本発明によれば、部品に設けた受けネジ内に、駆動舌部を介して有利に取付可能なワイヤスレッドインサートが提供される。 この駆動舌部により、充分に高いトルクを与えることができると共に、ワイヤスレッドインサートの直径を所望により縮径することができ、受けネジ内へのワイヤスレッドインサートの取付を容易にすることができる。

    従来技術とは対照的に、この駆動舌部は、ワイヤスレッドインサートから取り外す必要がない。 その代わりに、駆動舌部を、曲げ部を介して第一コイルの経路内へ、よって部品に設けた受けネジ内へと、折り返し、折り下げ、経路上へ曲げ、若しくは曲げ戻す。 この目的のために、曲げ部及び駆動舌部を有するワイヤスレッドインサートは、曲げ部によって駆動舌部を破損することなく曲げ戻せるように形成される。 さらに駆動舌部は、部品に設けた受けネジ内へのワイヤスレッドインサートのねじ込みが影響を受けないように、充分に安定した方法で、曲げ部を介してワイヤスレッドインサートに接続される。

    本発明のさらに好ましい特徴は、部品に設けた受けネジへと、駆動舌部を永久的に曲げ戻し可能であることである。 この駆動舌部の曲げ戻しは、ワイヤスレッドインサートの取付工具によって行われる。 駆動舌部の曲げ戻しの際、ワイヤスレッドインサートの螺旋体内部へ駆動舌部が弾性復帰することが防止される。 このことにより、受けネジ内へ後に挿入されるネジの包絡線形状若しくはねじプラグゲージの包絡線形状の上方を横切って、駆動舌部を、部品に設けた受けネジ内へ半径方向外方に確実に曲げることができる。 これにより、部品に設けた受けネジ内へネジをねじ込む際のトルクが、無視できる程度にしか影響を受けないことが保証されると共に、部品に設けた受けネジ内に取付けたワイヤスレッドインサートのゲージの正確さが保証される。

    よって、ワイヤスレッドインサートの駆動舌部を、円筒状螺旋体の第一コイルの半径と等しい半径の円弧状に設けることが好ましい。

    さらに好ましくは、駆動舌部がその自由端に連続する押圧前端面を有し、この押圧面が、ワイヤの長手軸に対して90°〜60°の度で、螺旋体の半径方向面内に配置される。

    駆動舌部は、ワイヤスレッドインサートの取付け中に、部品に設けた受けネジ内へと半径方向に曲げ戻される。 さらに、ワイヤスレッドインサートの曲げ部に機械的張力の積み重ねが生じるように、上述の押圧面を介して駆動舌部に、好ましくはワイヤの長手軸に対して接線方向に、押圧力をかけることが好ましい。 その結果、駆動舌部が、曲げ戻り中に、押圧力によってワイヤスレッドインサートの円筒状螺旋体の第一コイルへと押し込まれる。 この押し込みにより、駆動舌部の永久的曲げ戻しが確実となり、駆動舌部は、円筒状螺旋体の内部へと弾性的に復帰することがない、若しくはあっても無視できる程度である。 このようにして、駆動舌部を、受けネジ内に挿入されるネジ及びねじプラグゲージの包絡線形状の上方を横切って、半径方向外方に永久的に曲げ及び/又は較正することができる。

    本発明のワイヤスレッドインサートの別の好ましい実施態様によれば、駆動舌部の曲げ戻しを容易にするために、第一コイルと駆動舌部との間の曲げ部におけるワイヤは、第一コイルのワイヤと比較して、機械的、幾何学的、熱的、化学的、その他の方法で変更される、もしくは全く変更されない。 この場合、例えば曲げ部に曲げ戻し溝を設けることが好ましい。 この曲げ戻し溝は、幾何学的な方法で、駆動舌部を曲げ戻す際の曲げ部における材料抵抗を低下させることになる。 さらなる実施態様では、曲げ部を加熱して曲げ部のワイヤの強度を低下させ、曲げ特性を向上させる。 よって、駆動舌部の曲げ戻しを支援するように、曲げ部のワイヤの降伏強度を低下させる全ての方法が適切である。

    本発明はまた、上述の実施態様のうちの一つによるワイヤスレッドインサートを取付けた受けネジを備えた部品を含む。

    さらに本発明は、部品に設けた受けネジ内に上述のワイヤスレッドインサートを取付けるための取付工具を開示し、この工具は、取付スピンドルを回転させるための駆動端と、ワイヤスレッドインサートを取付けるための機能端とを有する回転可能な取付スピンドルであって、この機能端は、ワイヤスレッドインサートを駆動舌部を介して受けネジ内へねじ込むことができる駆動肩部と、ワイヤスレッドインサートの駆動舌部を曲げ戻すことができる面を有する押圧ブレードとを備える、取付スピンドルを備えることを特徴とする。

    本発明の回転可能な取付スピンドルは、その機能端が、一方では、部品に設けた受けネジ内に駆動舌部を介してワイヤスレッドインサートを容易に取付けることができるように構成される。 他方では、取付スピンドルの機能端に設けた押圧ブレードが、ワイヤスレッドインサートの円筒状螺旋体から駆動舌部を永久的に曲げ戻す役割を果たす。 このことにより、自動取付時において駆動舌部を折り取る必要性並びにそれに伴う障害を排除することができる。

    好ましくは、部品に設けた受けネジ内へ駆動舌部を永久的に曲げ戻すことができるように、押圧ブレード及びその面は、取付スピンドルに対して半径方向に延在し、取付スピンドルの外径上を横切って突出する。 ワイヤスレッドインサートを受けネジ内へねじ込む方向とは逆方向に取付スピンドルを回転させている間、この押圧ブレードは、上述した駆動舌部の押圧前端面と係合する。 押圧ブレードは、駆動舌部、特に曲げ部の、円筒状螺旋体内部への弾性復帰力がほとんど無にされ、部品に設けた受けネジ内に駆動舌部が留まるように、駆動舌部を押圧する。

    別の好ましい実施態様によれば、取付工具の機能端は、取付スピンドルの回転中に、駆動舌部を半径方向外方に移動させることができ、押圧ブレードと協働して駆動舌部を曲げ戻しすることができる曲げ戻し肩部を備える。 さらに好ましくは、取付スピンドルの機能端は、ワイヤスレッドインサートを取付けスピンドル上に取付け若しくは装着することができるような外径を有する。 取付工具のさらに別の実施態様によれば、取付工具の押圧ブレードは、駆動舌部を係合/脱係合させるために、取付スピンドルに対して半径方向及び/又は軸方向に可動に配置される。

    本発明はさらに、曲げ戻し可能な駆動舌部を有するワイヤスレッドインサートを、部品に設けた受けネジ内へ、取付工具によって取付ける方法を開示し、この方法は以下の工程を含む。

    取付工具の取付スピンドルの機能端にワイヤスレッドインサートを取付け若しくは装着する工程と、取付スピンドルを第一の回転方向に回転させることによって受けネジ内にワイヤスレッドインサートをねじ込む工程と、取付スピンドルを第二の回転方向に回転させることによって駆動舌部を受けネジ内へと曲げ戻す/曲げ返す工程と、駆動舌部が曲げ戻されたワイヤスレッドインサートから取付スピンドルを取り外す若しくは取り除く工程。

    受けネジ内へとワイヤスレッドインサートをねじ込むには、ワイヤスレッドインサートを取付けスピンドルで回転させることができるように、ワイヤスレッドインサートの駆動舌部が、好ましくは取付スピンドルの機能端に設けた駆動肩部にロックする。 このようにして、取付スピンドルの機能端に設けた駆動肩部は、ワイヤスレッドインサートを受けネジ内に取付けるのに充分な高いトルクを確実に発生させる。 駆動舌部の半径方向の曲げ戻しは、好ましくは取付スピンドルの機能端に設けた曲げ戻し肩部によって行われ、駆動舌部は受けネジ内へと曲げ戻される。 この半径方向の曲げ戻しは、ワイヤスレッドインサートの円筒状螺旋体の半径方向面内で行われ、駆動舌部は曲げ戻し肩部によって半径方向外方に曲げられる。

    本発明はさらに、上記の曲げ戻し可能な駆動舌部を有するワイヤスレッドインサートの製造方法を開示する。 この製造方法は、円弧状湾曲自由端を有するワイヤを用意する工程と、巻回スピンドルの前端に円弧状湾曲自由端をロックして、巻回スピンドルにワイヤを巻回し、ワイヤを螺旋状に巻回してなる複数のコイルを有する円筒状螺旋体を、湾曲した駆動舌部が螺旋体に対して内方に配置された状態で形成する工程と、半円形に巻回された自由端を有するワイヤが残されるように、巻回されたワイヤスレッドインサートを切断する工程とを含む。

    ワイヤスレッドインサート用の既知のワイヤを、円弧状自由端で巻回スピンドルに固定する。 好ましくは、湾曲端の円弧は、曲げ部から始まって駆動舌部の自由端まで、10°〜180°、好ましくは30°〜120°の円弧角度にわたって延在する。 巻回スピンドルの前端面は、ワイヤをロックして巻回しても、円筒状螺旋体の内部に配置される湾曲した駆動舌部が、ワイヤスレッドインサートの前端に形成されるようになっている。 既知の駆動舌部と比べて、この駆動舌部は、ワイヤスレッドインサートの円筒状螺旋体の内部に対して半径方向内方に直線状とはなっていない。 さらに、円筒状螺旋体の第一コイルには、後に駆動舌部を取り外すための予め決められた破断点や溝は設けられていない。

    製造方法の好ましい実施態様によれば、切断前に、巻回スピンドルからワイヤスレッドインサートを取り外し、巻回スピンドルの長手軸に対してワイヤスレッドインサートをその長手軸について傾斜させることを行う。 この一連の手順を行うことにより、その後に、少なくとも一つのブレード、好ましくは第一及び第二のブレードを用いた剪断工程によって、巻回されたワイヤスレッドインサートの切断を確実に行うことができる。 公知の方法と比較して、ワイヤスレッドインサートのワイヤはひねり取られるのではなく、剪断若しくは切断される。 この切断により、駆動舌部の自由端に上述のような連続する押圧前端面が形成される。

    本発明の製造方法の別の実施態様において、ワイヤスレッドインサートの第一コイルと駆動舌部との間の曲げ部におけるワイヤ変更は、駆動舌部の曲げ戻しを容易にするように、第一コイルのワイヤと比べて機械的、幾何学的、熱的、化学的、若しくはその他の方法で行われる。 この機械的、幾何学的、熱的、化学的、若しくはその他の可能な方法により、ワイヤスレッドインサートの曲げ部におけるワイヤの強度及び/又は降伏強度を低下させる。 これにより、駆動舌部を、変更されていない曲げ部と比較して、より小さい力でワイヤスレッドインサートの円筒状螺旋体の内部から曲げ戻すことが確実にできる。 幾何学的変更としては、例えば曲げ部のワイヤにテーパーを設けることが挙げられ、熱的変更としては、曲げ部のワイヤを加熱してその降伏強度及び/又は強度を低下させることが挙げられる。 同じ目的及び同じ機能をもって、曲げ部のワイヤの機械的、化学的、若しくは他の変更は、単独でも組み合わせても行うことができる。

    さらに本発明は、上記ワイヤスレッドインサートの製造装置を開示し、この装置は、巻回されるワイヤのワイヤ供給手段と、巻回されるワイヤのための前端ロック構造を有する、回転可能に配置された巻回スピンドルと、巻回したワイヤスレッドインサートのワイヤを剪断工程によって取り外すことができる少なくとも一つのブレードを有する切断構造とを備えることを特徴とする。 好ましくは、このワイヤスレッドインサートの製造装置に指向性付与組立体を設ける。 この指向性付与組立体により、駆動舌部を容易に曲げ戻しできるように、ワイヤスレッドインサートの第一コイルと駆動舌部との間の曲げ部におけるワイヤを、ワイヤスレッドインサートのその他の部分のワイヤと比べて、機械的、幾何学的、熱的、化学的、若しくはその他の方法で変更する。 このような指向性付与組立体は、例えば曲げ部のワイヤに溝、好ましくは丸溝若しくは角溝、又はテーパーを形成する機械的組立体を備える。 別の実施態様によれば、ワイヤスレッドインサートの製造装置は、曲げ部のワイヤの材料が変更されるように、電気誘導、レーザー、若しくは他の適切な熱源によって曲げ部のワイヤを加熱する熱的指向性付与組立体を備え、後にワイヤスレッドインサートの円筒状螺旋体の内部から駆動舌部を曲げ戻すのを支援若しくは容易にする。

    図1は、半径方向内方に突出する駆動舌部と、駆動舌部を折り取るための所定の破断点とを有する、従来のワイヤスレッドインサートを示す。

    図2は、自由端に駆動溝を有する従来のワイヤスレッドインサートを示す。

    図3は、曲げ戻し可能な駆動舌部を有する本発明のワイヤスレッドインサートの好ましい実施態様を示す。

    図4は、駆動舌部を曲げ戻した状態の図3のワイヤスレッドインサートを示す。

    図5Aは、曲げ戻し可能な駆動舌部を有する本発明のワイヤスレッドインサートの別の実施態様を示す。

    図5Bは、舌部を半径方向に曲げた状態の図5Aの実施態様を示す。

    図6は、駆動舌部を曲げ戻した状態の図5のワイヤスレッドインサートを示す。

    図7は、曲げ戻し可能な駆動舌部を有する本発明のワイヤスレッドインサートの別の実施態様を示す。

    図8は、曲げ戻し可能な駆動舌部を有する本発明のワイヤスレッドインサートの別の実施態様を示す。

    図9は、曲げ戻し可能な取付舌部を有するワイヤスレッドインサートを取付けた状態の、取付工具の取付スピンドルの好ましい実施態様の概略図である。

    図10は、取付スピンドルの機能端部の好ましい構成の概略図である。

    図11は、本発明のワイヤスレッドインサートを取付ける際の好ましい順序の概略図である。

    図12は、本発明のワイヤスレッドインサートを取付ける際の好ましい更なる順序の概略図である。

    図13は、曲げ戻し可能な駆動舌部を有するワイヤスレッドインサートの好ましい取付方法のフローチャートである。

    図14は、曲げ戻し可能な駆動舌部を有するワイヤスレッドインサートを製造するための好ましい装置の概略図である。

    図15は、曲げ戻し可能な駆動舌部を有するワイヤスレッドインサートの好ましい製造方法のフローチャートである。

    図16は、取付スピンドルの機能端部の好ましい構成の概略図である。

    本発明を添付図面を参照して説明する。
    本発明のワイヤスレッドインサート10は、既知の材料及び断面形状のワイヤを巻回してなる。 図3〜図9を参照して、ワイヤスレッドインサート10は、螺旋状に巻回した複数のコイル30からなる円筒状螺旋体20を備える。 螺旋体20は、第一の端部22と第二の端部24とを有する。 駆動舌部50が、円筒状螺旋体20の第一の端部22に設けられ、円筒状螺旋体20の半径方向面において、円筒状螺旋体20内部に向かって突出する。

    駆動舌部50は、円筒状螺旋体20の第一の端部22において、曲げ部40を介して螺旋体の第一コイル32に接続する。 駆動舌部50は、図3、図5、図7、及び図9に示すように、円筒状螺旋体20の内部に向かって半径方向に真っすぐには突出していない。 むしろ駆動舌部50は、円弧状の形状を呈している。 駆動舌部50の円弧は、好ましくは円筒状螺旋体20と同じ半径を有し、円筒状螺旋体20内部から第一コイル32の経路へと永久的に曲げ戻すことができる。 さらに、駆動舌部50の円弧を、円筒状螺旋体20の半径と最大±10%異なる半径で形成することも好ましい。

    曲げ部40は、駆動舌部50とワイヤスレッドインサート10の他の部分とを可撓的且つ引張剛性をもって接続する機能を有する。 これにより、部品Bに設けた受けネジA内にワイヤスレッドインサート10を取付ける際に、駆動舌部50を介してワイヤスレッドインサート10に充分に高いトルクを与えることが確実にできる。 この構造的根拠により、ワイヤスレッドインサート10は、駆動舌部50によって、これを破断することなく、受けネジA内へと引き込まれる。

    さらに、曲げ部40により、部品Bに設けた受けネジA内へ駆動舌部50を永久的に曲げ込むつまり第一コイル32の経路へとほぼ曲げ戻すことが確実にできる。 この目的のために、曲げ部40は、円筒状螺旋体20のワイヤと同じ機械的、熱的、化学的、且つ幾何学的特性を有する。 適当な取付工具(以下参照)によって、駆動舌部50は、曲げ戻し中に、円筒状螺旋体20の内部から半径方向に曲げ出されるが、後に円筒状螺旋体20の内部へと弾性的に復帰することはない。 この状態を図4及び図6に示す。

    好ましくは、曲げ部40において、円筒状螺旋体20のワイヤと比較してワイヤの曲げ特性を変更して、駆動舌部50が受けネジA内へ若しくは第一コイル32の経路へと曲げ戻るのを支援する。 この曲げ部40の変更は、本発明の様々な実施態様に従って、機械的、幾何学的、熱的、化学的、若しくは他の方法で行うことができる。

    別の好ましい実施態様によれば、円筒状螺旋体20のワイヤと比較して、曲げ部40におけるワイヤの断面にテーパーを設ける。 ある実施態様によれば、これは溝若しくは切欠き42、好ましくは丸溝若しくは角溝によって行うことができる。 テーパーつまり溝42は、駆動舌部50の曲げ戻りの際に溝係数がより低くなり、駆動舌部50が曲げ戻り中に破断することがないように形成される。 さらに、溝42を曲げ部40の半径方向内側若しくは半径方向外側に配置することが好ましい。 別の実施態様によれば、円筒状螺旋体20のワイヤと比較して10〜80%、好ましくは約50%の一方向若しくは多方向の断面テーパーを曲げ部40に設ける。

    ワイヤスレッドインサート1の図示しない別の好ましい実施態様によれば、溝42は駆動溝として形成される。 駆動溝は、ワイヤスレッドインサート1を受けネジ内へねじ込むためのねじ込み工具の形状として設けられた駆動ブレードに入り、そこに積極的ロックによりロックされ得るように形成及び配置される。 このような駆動溝の例を図2に符号7で示す。 この形状により、駆動溝のワイヤスレッドインサート1ねじ込み方向上流側は逃げ溝を形成し、ここに駆動ブレードが積極的ロックにより当接する。 半径方向内方に曲がった駆動舌部50は、駆動ブレードが駆動溝に係合するのを支援する。 よって駆動溝は同時に二つの機能を果たす。 一つは、駆動溝が、ワイヤスレッドインサートのためのねじ込み工具の駆動ブレードを係合及びロックすることである。 もう一つは、駆動溝が、部品に設けた受けネジ内へ駆動舌部50を曲げ込むのを支援する曲げ部40のテーパーを構成することである。

    曲げ部を機械的に処理して、曲げ部40のワイヤの機械抵抗モーメント若しくは弾性的復元モーメントを、例えば最大2000MPaから約400MPaまで低減する。 適当な処理としては、切欠き、フライス加工、打抜き、鍛造、研削、研磨、冷間成形、エッチング、ラップ仕上げによって曲げ部40の断面を小さくする。 同時に、処理後の曲げ部40の腐食特性を回復することを確実にしなければならない。

    本発明の別の実施態様によれば、曲げ部40のワイヤを熱的若しくは化学的若しくは他の方法で変更して、円筒状螺旋体20のワイヤよりも曲げ強度を低くする。 つまり例えば、その強度は、曲げ部40若しくは曲げ部40の一部の局所的熱処理の影響を受ける。 このようにして、曲げ部40のワイヤの降伏強度を例えば20%〜90%、好ましくは20%〜40%まで低下させる。 別の実施態様によれば、熱処理は、電気誘導、レーザー照射、若しくは別の熱源の適用によって行うこともできる。

    曲げ部40の別の実施態様によれば、ワイヤは未処理、つまり機械的、幾何学的、化学的、物理的、若しくはその他の方法でも処理しておらず、円筒状螺旋体20のワイヤの特性に対応している。

    曲げ部40及び駆動舌部50の形状の上記の実施態様に基づいて、部品Bに設けた受けネジA内に取付けたワイヤスレッドインサート10の駆動舌部50は、円筒状螺旋体20内部から曲げ出すことができ、それによりワイヤスレッドインサート10を取付けた受けネジAが較正される。 つまり駆動舌部50を曲げ戻してあるため、ワイヤスレッドインサート10を取付けた受けネジA内に、ごくわずかな低い追加トルク若しくは摩擦モーメントで、ねじ若しくはねじプラグゲージをねじ込むことができる。 ワイヤスレッドインサート10を取付けた受けネジAの較正の正確さは、公差等級6H、好ましくは公差等級5Hのねじプラグゲージを手動でねじ込むことができることが保証されることで証明することができる。

    本発明の別の実施態様によれば、駆動舌部50は様々な長さで形成される。 図4及び図6に示す曲げ戻した状態で、駆動舌部50は、曲げ部40から始まって駆動舌部50の自由端まで、10°〜180°、好ましくは30°〜120°の円弧A RZに渡って延在する。

    さらに、曲げ部40は所定の舌部曲げ半径を有する。 舌部曲げ半径のサイズによって、円筒状螺旋体20内部で駆動舌部50がどの位置に配置されるかが決まる。 駆動舌部50と第一コイル32とが20°〜50°、好ましくは60°〜90°の角度α(図5A参照)をなすように舌部曲げ半径を選択することが好ましい。 若しくは、駆動舌部50の舌部曲げ半径Rを具体的に調節することも好ましい。 舌部曲げ半径R(図5B参照)は、駆動舌部50を半径方向内方に曲げる際の半径を示す。 この舌部曲げ半径Rは、例えば半径ゲージによって測定する。 舌部曲げ半径Rの寸法は、0.5P(R(0.45D Aである。式中、Pは螺旋体20におけるワイヤのピッチであり、D Aは螺旋体20の外径である。

    駆動舌部50は、さらに好ましくは、その自由端の前端面に連続押圧面52を有する。 押圧面52は、駆動舌部50のワイヤの長手軸Lと共通角βで整合するように、一体的に形成される。 角度βを図5に例示的に示す。 角度βは、円筒状螺旋体20の半径方向面において、駆動舌部50のワイヤの長手軸Lに対して80°〜130°である。

    図7及び図8では、駆動舌部50は、図3及び図4と比較して短く形成されている。 さらに図3、図4、及び図7には、曲げ部40が電気的、化学的、熱的に変更されている、若しくは全く変更されていないワイヤスレッドインサート10を示す。 図4及び図6において、駆動舌部50は、円筒状螺旋体20の内部に弾性的に跳ね返ることなく、第一コイル32に永久的に曲げ戻されている。

    本発明はさらに、上述のワイヤスレッドインサート10を内部に取付けた受けネジAを設けた部品Bを含む。 取付けた状態において、駆動舌部50は曲げ戻されているか、円筒状螺旋体20の内部にまだ配置されている状態にある。 例示的に図11及び図12にワイヤスレッドインサート10を取付けた部品Aを示す。

    ワイヤスレッドインサート10は、取付工具によって部品Bの受けネジA内に取り付けられる。 取付工具は回転可能な取付スピンドル60を備え、この取付スピンドル60は、取付スピンドル60を回転させるための駆動端と、ワイヤスレッドインサート10を取付けるための機能端65とを有する。 取付スピンドル60の機能端65を、図9に好ましい実施態様として示す。 取付スピンドル60、特に機能端65上に、ワイヤスレッドインサート10が既に取付け若しくは装着されている(工程S1)。 このために、取付スピンドル60の機能端65は、ワイヤスレッドインサート10を取付けスピンドル60上にねじ込む若しくは載置することができるように、ワイヤスレッドインサート10の内径に合わせた外径を有する。

    機能端65は、好ましくは取付スピンドル60の前端に配置され、駆動肩部70を有し、この駆動肩部70によって、駆動舌部50を介してワイヤスレッドインサート10を受けネジA内にねじ込むことができる。 機能端65はさらに押圧ブレード80を有し、この押圧ブレード80によってワイヤスレッドインサート10の駆動舌部50を曲げ戻すことができる。 好ましくは、押圧ブレード80は曲げ戻し肩部90と協働する。

    取付スピンドル60上へのワイヤスレッドインサートの取付け若しくは装着の終わりに(工程S1)、駆動舌部50自体が、好ましくは駆動肩部70の裏にロックする(工程S2)。 ロック(工程S2)を容易にし、駆動舌部50を問題なく駆動肩部70に確実に係合させるために、駆動肩部70には係合斜面72が設けられる(図9及び図10参照)。 駆動舌部50は、取付スピンドル60上にさらにねじ込むと弾性変形し、駆動肩部70、押圧ブレード80、及び曲げ戻し肩部90を越えて前端へスライドする。 駆動舌部50を低抵抗でスライドさせるために、取付スピンドル60の機能端65の上記接触面の縁は、駆動舌部が引っ掛かったり動かなくなったりすることを防ぐように、削られている。 駆動舌部50は、弾性であるため、取付スピンドル60の駆動肩部70の裏の張力のかからない位置に嵌り、そこでロックされる。

    スピンドル上に取付け若しくは装着されたワイヤスレッドインサート10を、受けネジAに配置する。 第一コイル30は曲げ部40で内方に巻回しているので、ワイヤスレッドインサート10を受けネジA内へ確実に理想的に挿入することができる。 受けネジA内へのワイヤスレッドインサート10のねじ込み(工程S3)は、取付工具によって取付スピンドル60を回転動させることによって行われる。 右ネジ用のワイヤスレッドインサート10の場合は、時計方向にねじ込まれる。 左ネジ用の場合には、取付スピンドル60を反時計回りに回転させて、ワイヤスレッドインサート10を取付ける。

    受けネジA内へワイヤスレッドインサート10をねじ込むことにより、駆動舌部50が機能端65の駆動肩部70に当接する。 これにより、かかるトルクの理想的伝達が確実となり、よってワイヤスレッドインサート10が受けネジA内の所望の深さ位置に配置される。 駆動舌部50を駆動肩部70により確実に固定するために、駆動肩部70は駆動溝74を有する。 駆動舌部50は、この駆動溝74に嵌まり、よってワイヤスレッドインサート10へのトルク伝達がさらに安定化する。

    ワイヤスレッドインサート10の長さ並びに受けネジA内におけるワイヤスレッドインサートの所望の最終位置によって、ワイヤスレッドインサート10の深さ位置は、調節可能な深さ止め部を介して調節可能である。 所望の深さ位置に到達したら、取付スピンドル60を反時計回りに回転してワイヤスレッドインサート10から抜き出す(工程S4〜S6)。 取付スピンドル60の回転方向を変えた直後に、駆動肩部70は駆動舌部50から外れ、駆動舌部50は曲げ戻し肩部90によってその形状のために半径方向に曲げ開かれる(工程S4)。 曲げ戻し肩部90によって得られる曲げ開き状態を図11に示す。 この状態において、駆動舌部50は、受けネジAと曲げ戻し肩部の溝92との間で案内される。

    取付スピンドル60を反時計回りにさらに回転させることにより、駆動舌部50の押圧面52が押圧ブレード80に当接する(図12参照)。 このために、押圧ブレード80は、取付スピンドル60に対して半径方向に延在し、取付スピンドル60の外径を越えて突出している。 このような構成により、駆動舌部50は部品Bの受けネジ内に永久的に曲げ戻される。

    取付スピンドル60を図11及び図12の矢印の方向にさらに回転させると、駆動舌部50が押圧面52を介して押圧ブレード80によって押圧される(工程S5)。 駆動舌部50は、押圧力に屈しないよう、好ましくは受けネジAと曲げ戻し肩部90の溝92との間に挟持される。 駆動舌部50の折り返し力の衝撃に曲げ応力が加わることにより、曲げ部40に多軸応力状態が作り出される。 この多軸応力状態により、駆動舌部50が受けネジA内へ、つまり第一コイル32の連続へと永久的に曲げ戻されるように、曲げ部のワイヤの材料降伏強度を、好ましくは明らかに超過する。 これにより第一コイル32は破損しない。

    工程S5における押圧が完了したら、押圧ブレード80を押圧面52から脱係合し、取付スピンドル60はワイヤスレッドインサート10から別の方法でねじ出し若しくは取り外される。

    取付スピンドル60のさらに別の好ましい実施態様を図16に示す。 この実施態様は上記と同様に作動する。 上記の取付スピンドル60と異なるのは、押圧ブレード80'が、取付けるワイヤスレッドインサートの周面形状へと接線方向に枢動するように配置されている点である。 このために、押圧ブレード80'は点82を中心として枢動可能に配置される。 ある実施態様では、押圧ブレード80'は、取付スピンドル60内に軸方向に延在して駆動手段によって駆動可能な回転軸に接続される。 点82は取付スピンドルの前端に対して偏心して配置されているので、押圧ブレード80'の半径方向外方端は、枢動中に部品ネジの包絡線に到達する。 ワイヤスレッドインサートを取付ける工程において、曲げ戻し肩部90が駆動舌部50を外方へ曲げた後、取付スピンドル60が逆回転している間、押圧ブレード80'は駆動舌部50の押圧面52に係合する。 このために、押圧ブレード80'は、点線で示される位置から実線で示される位置へと回転する(図16参照)。 実線で示される位置にある押圧ブレード80'は堅固であるので、取付スピンドル60を矢印の方向へ回転させると、押圧舌部50は永久的に曲げ戻されるように押圧される。

    ワイヤスレッドインサート10は、一実施態様として、図14に示す装置で製造される。 巻回されるワイヤDは、ワイヤ供給手段DZを介して、回転可能に配置された巻回スピンドルWに供給される。 巻回スピンドルWは、その前端にロック構造(図示せず)を有している。 このロック構造は、ワイヤスレッドインサートを巻回する(工程H2)ために、巻回されるワイヤDの円弧状湾曲端D 1が、巻回スピンドルWの前端にロックされるように形成されている。 好ましくは、ワイヤDの円弧状湾曲端D 1は、10°〜180°、好ましくは30°〜120°の円弧角度にわたって延在する。 この円弧は、後に曲げ部となる部分、つまり巻回されるワイヤDの直線的部分の端から始まる。 この円弧は、円弧状湾曲端D 1の自由端、つまり後に駆動舌部となる部分の自由端で終始する。

    巻回されるワイヤDに円弧状湾曲端D 1を設け(工程H1)、この円弧状湾曲端D 1を巻回スピンドルWにロックした(工程H2)後、巻回スピンドルWがワイヤDを巻回する(工程H3)。 巻回スピンドルWを回転させることにより、螺旋状に巻回された複数のコイル30からなる円筒状螺旋体20が創出される(上記参照)。 ワイヤDの半円状端D 1をロックすることにより、巻回工程の開始時点で既に、駆動舌部50(上記参照)が形成されることになる。

    ワイヤスレッドインサートを完全に巻回した後、これを巻回スピンドルWから取り外す(工程H4)。 このために、巻回スピンドルWは、先に行われていた巻回方向と逆方向に回転する。

    この時ワイヤスレッドインサートは、無端ワイヤDに接続されているのみであり、そこから切断しなければならない。 ワイヤスレッドインサートの切断(工程H6)により、好ましい二つの課題が解決される。 一つは、切断(H6)には上方ブレードM1及び下方ブレードM2が使用され、剪断運動によってワイヤスレッドインサートを切断することである。 ひねりとるのとは異なり、切断(H6)では、得られるワイヤスレッドインサートの駆動舌部50に押圧面52を形成する連続面が形成される(上記参照)。

    もう一つは、上方ブレードM1と下方ブレードM2とによってワイヤDに半円形自由端が残されるように、ワイヤスレッドインサートが切断されることである。 このために、ワイヤスレッドインサートは、好ましくは切断(H6)前に、巻回スピンドルWの長手軸に対してその長手軸に関して傾けられる(H5)。 このようにして、切断するワイヤスレッドインサートの端部にブレードM1及びM2が自由に接触可能となる。

    切断されたワイヤスレッドインサートを取り外す(工程H7)際に、巻回スピンドルWの前端におけるワイヤDの半円形端は、ワイヤスレッドインサートをさらに巻回するためにロックされる(工程H1及びH2)。

    ワイヤスレッドインサートの製造装置は、さらに好ましくは指向性付与組立体を備え、この組立体は、駆動舌部50の曲げ戻しを容易にするために、ワイヤスレッドインサート10の第一コイル32と駆動舌部50との間の曲げ部40のワイヤを、ワイヤスレッドインサート10の他の部分のワイヤと比べて機械的、幾何学的、熱的、化学的、若しくはその他の方法で変更することができる。 曲げ部40のワイヤの変更、よってこの指向性付与組立体は任意である。 曲げ部のワイヤをこのように変更することの利点は、上述した通りである。

    指向性付与組立体Pは、最初のワイヤスレッドインサートの製造時に、得られるワイヤスレッドインサートの曲げ部40の位置で、ワイヤの指向性付与若しくは変更が既に行われるように、配置されている。 この指向性付与組立体は、この目的のために好ましくはさらに、上述したようなフライス加工、打抜き等のための機械的装置を備えている。 このような装置により、得られるワイヤスレッドインサートの曲げ部となる部分に、例えば丸溝やテーパー等を設けることができる。

    或いは、指向性付与組立体は、曲げ部40となる部分のワイヤの特性を化学的に変更するために誘導子を備える。 さらに、指向性付与組立体Pに、他の熱源若しくは機械的処理装置を設けて、曲げ部40となる部分のワイヤを適切に変更することも考えられる。

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