ツイスト線製造装置、及びツイスト線製造方法

申请号 JP2017005620 申请日 2017-01-17 公开(公告)号 JP2018116796A 公开(公告)日 2018-07-26
申请人 矢崎総業株式会社; 发明人 間渕 実良;
摘要 【課題】ツイスト線の信頼性が高くコスト低減に寄与することが可能なツイスト線製造装置、及びツイスト線製造方法を提供する。 【解決手段】ツイスト線製造装置1は、ツイスト部と、この両側に連続する端末撚り無し部とを有するツイスト線を、二本の電線の撚り合わせにより製造するための装置であって、線長差吸収部66を有する電線撚り合わせユニット3と、この電線撚り合わせユニット3の制御をするための制御ユニット4と、二本の電線に対しテンションを付加するためのテンション付加部12とを含んで構成される。線長差吸収部66は、ツイスト線の端末撚り無し部に対応する 位置 に配設されて、二本の電線に生じた線長差を吸収するような部分に構成される。一方、ツイスト線製造方法としては、撚り合わせの前に、線長差吸収部66にて上記線長差の吸収を行うような工程を含む方法である。 【選択図】図1
权利要求

ツイスト部と該ツイスト部の両側に連続する端末撚り無し部とを有するツイスト線を、二本の電線の撚り合わせにより製造するためのツイスト線製造装置において、 当該ツイスト線製造装置の構成としては、前記二本の電線に対し撚り合わせを行う電線撚り合わせユニットと、該電線撚り合わせユニットの制御をするための制御ユニットと、前記二本の電線に対しテンションを付加するためのテンション付加部とを含み、 前記電線撚り合わせユニットの構成としては、前記二本の電線の一端をチャックするための一端チャック部と、前記二本の電線の他端をチャックするための他端チャック部と、前記一端チャック部及び/又は前記他端チャック部を前記制御ユニットの制御にて回転させるためのチャック回転部とを含み、 前記一端チャック部及び前記他端チャック部のうち少なくとも該他端チャック部の構成としては、ベース部と、該ベース部に設けられ且つ前記二本の電線の他端における所定位置を固定するためのチャック本体部と、前記ツイスト部及び前記端末撚り無し部の境界位置に合わせて前記ベース部に直接又は間接的に設けられる撚り防止部と、前記二本の電線に生じた線長差を吸収するため前記ベース部に直接又は間接的に設けられる線長差吸収部とを含み、 該線長差吸収部の構成としては、前記二本の電線の電線間に差し込まれる電線間挿入部を含み、 該電線間挿入部は、前記二本の電線の延在方向に対し交差する方向に移動可能な部分として設けられるとともに前記撚り防止部及び前記チャック本体部の中間位置に合わせて配置される ことを特徴とするツイスト線製造装置。請求項1に記載のツイスト線製造装置において、 前記電線間挿入部は、断面円形のピン状に形成されるとともに前記線長差の吸収に応じてピン径を変えることが可能な交換可能部品として形成される ことを特徴とするツイスト線製造装置。請求項1又は2に記載のツイスト線製造装置において、 前記他端チャック部の構成としては、前記二本の電線に設けられる端子金具の先端を同じ位置で当接させるための端子当接部を更に含む ことを特徴とするツイスト線製造装置。ツイスト部と該ツイスト部の両側に連続する端末撚り無し部とを有するツイスト線を、二本の電線の撚り合わせにより製造するためのツイスト線製造方法において、 当該ツイスト線製造方法による工程としては、前記撚り合わせを行う電線撚り合わせ工程と、該電線撚り合わせ工程よりも前の工程になる前工程とを含み、 該前工程としては、前記二本の電線の一端を一端チャック部にてチャックする電線一端チャック工程と、前記二本の電線の他端を他端チャック部にてチャックする電線他端チャック工程と、前記二本の電線に対しテンション付加部にてテンションを付加するテンション付加工程と、前記一端チャック部及び前記他端チャック部のうち少なくとも該他端チャック部にて前記二本の電線に生じた線長差を吸収する線長差吸収工程とを含み、 該線長差吸収工程としては、前記ツイスト部及び前記端末撚り無し部の境界位置と、前記他端チャック部による電線チャック位置との間で前記線長差の吸収を行うようにする ことを特徴とするツイスト線製造方法。

说明书全文

本発明は、ツイスト部と該ツイスト部の両側に連続する端末撚り無し部とを有するツイスト線を、二本の電線の撚り合わせにより製造するためのツイスト線製造装置、及び、この装置を用いるツイスト線製造方法に関する。

例えば、自動車に搭載される機器間を電気的に接続するために、車両にはワイヤハーネスが配索される。ワイヤハーネスは、複数のサブハーネスを備えて構成される。このような構成のワイヤハーネスは、所望の回路パターンに合うようにサブハーネスを組み合わせて製造される。サブハーネスの一つとしては、ツイストペア線(ツイスト線)が挙げられる。

図28において、二本の電線101を撚り合わせることによりツイスト部107を有するツイスト線102が製造される。このツイスト線102を製造するための装置としては、例えば下記特許文献1に開示されるものが知られる。特許文献1のツイスト線製造装置(電線撚り合わせ装置)は、作業台と、この作業台上で二本の電線の一端を保持する保持部と、保持部を軸回りに回転させるモーターと、一本の電線の他端を軸回りに回転自在に保持する単芯保持部を互いに並設してなる一対の回転保持部と、上記軸に沿って移動自在に設けられる移動保持部と、この移動保持部を上記軸に沿って移動させる駆動部と、移動保持部の移動速度等を制御する制御部とを備えて構成される。

ところで、下記特許文献2では、ツイスト線の製造に関し次のような問題点が指摘されている。すなわち、図29に示す如く、二本の電線201の一端を固定する共通のクランプ202と、二本の電線201の他端を個別に固定する各クランプ203と、共通クランプ202の側からバックテンションを掛ける図示しない装置と、共通クランプ202及び各クランプ203の間に配設される回転子204とを備える製造装置においては、ツイスト線の製造に関し、二本の電線201に寸法公差内のバラツキ(一方が他方よりも長くなるような線長差がある状態)があれば、長い方の電線201が若干緩んだ状態になるように撚り合わされてしまうという問題点が指摘されている。

特開2008−277032号公報

特開2012−28199号公報(図7)

上記従来技術において、長い方の電線201が若干緩んだ状態で撚り合わされてしまうと、特に図示しないが、ツイスト部にてバラツキ(線長差)が吸収されることになる。このような吸収がなされると、撚りピッチの精度が当然に低下することから、ツイスト部が不均一な状態で形成されてしまうことになる。不均一な形成状態であれば、ツイスト部の線間ギャップ・特性インピーダンスの測定等を行って品質を保証する必要があり、そのため製造コストがかかってしまうという問題点を有する。

本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、ツイスト線の信頼性が高くコスト低減に寄与することが可能なツイスト線製造装置、及びツイスト線製造方法を提供することを課題とする。

上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明のツイスト線製造装置は、ツイスト部と該ツイスト部の両側に連続する端末撚り無し部とを有するツイスト線を、二本の電線の撚り合わせにより製造するためのツイスト線製造装置において、当該ツイスト線製造装置の構成としては、前記二本の電線に対し撚り合わせを行う電線撚り合わせユニットと、該電線撚り合わせユニットの制御をするための制御ユニットと、前記二本の電線に対しテンションを付加するためのテンション付加部とを含み、前記電線撚り合わせユニットの構成としては、前記二本の電線の一端をチャックするための一端チャック部と、前記二本の電線の他端をチャックするための他端チャック部と、前記一端チャック部及び/又は前記他端チャック部を前記制御ユニットの制御にて回転させるためのチャック回転部とを含み、前記一端チャック部及び前記他端チャック部のうち少なくとも該他端チャック部の構成としては、ベース部と、該ベース部に設けられ且つ前記二本の電線の他端における所定位置を固定するためのチャック本体部と、前記ツイスト部及び前記端末撚り無し部の境界位置に合わせて前記ベース部に直接又は間接的に設けられる撚り防止部と、前記二本の電線に生じた線長差を吸収するため前記ベース部に直接又は間接的に設けられる線長差吸収部とを含み、該線長差吸収部の構成としては、前記二本の電線の電線間に差し込まれる電線間挿入部を含み、該電線間挿入部は、前記二本の電線の延在方向に対し交差する方向に移動可能な部分として設けられるとともに前記撚り防止部及び前記チャック本体部の中間位置に合わせて配置されることを特徴とする。

請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のツイスト線製造装置において、前記電線間挿入部は、断面円形のピン状に形成されるとともに前記線長差の吸収に応じてピン径を変えることが可能な交換可能部品として形成されることを特徴とする。

請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載のツイスト線製造装置において、前記他端チャック部の構成としては、前記二本の電線に設けられる端子金具の先端を同じ位置で当接させるための端子当接部を更に含むことを特徴とする。

また、上記課題を解決するためになされた請求項4に記載の本発明のツイスト線製造方法は、ツイスト部と該ツイスト部の両側に連続する端末撚り無し部とを有するツイスト線を、二本の電線の撚り合わせにより製造するためのツイスト線製造方法において、当該ツイスト線製造方法による工程としては、前記撚り合わせを行う電線撚り合わせ工程と、該電線撚り合わせ工程よりも前の工程になる前工程とを含み、該前工程としては、前記二本の電線の一端を一端チャック部にてチャックする電線一端チャック工程と、前記二本の電線の他端を他端チャック部にてチャックする電線他端チャック工程と、前記二本の電線に対しテンション付加部にてテンションを付加するテンション付加工程と、前記一端チャック部及び前記他端チャック部のうち少なくとも該他端チャック部にて前記二本の電線に生じた線長差を吸収する線長差吸収工程とを含み、該線長差吸収工程としては、前記ツイスト部及び前記端末撚り無し部の境界位置と、前記他端チャック部による電線チャック位置との間で前記線長差の吸収を行うようにすることを特徴とする。

尚、以上のような特徴を有する本発明の作用に関しては、本明細書における実施例の欄で詳細に説明することとし、ここでの説明は省略するものとする。

請求項1に記載された本発明によれば、線長差吸収部などを含むツイスト線製造装置であることから、二本の電線に、一方が他方よりも長くなるような寸法公差内のバラツキ(線長差)があったとしても、これを線長差吸収部にて吸収することができるという効果を奏する。本発明のように、線長差を吸収することができれば、ツイスト線におけるツイスト部の形成状態を安定させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、線長差吸収部がツイスト線における端末撚り無し部に対応する位置に配設されることから、ツイスト部の形成に支障を来すことはなく、結果、ツイスト部の形成状態を更に安定させることができるという効果を奏する。

本発明によれば、ツイスト部の形成状態を安定させることができることから、線間ギャップ・特性インピーダンスの測定等を行うことなく品質を保証することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、ツイスト線の信頼性が高くコスト低減に寄与することが可能なツイスト線製造装置を提供することができるという効果を奏する。

請求項2に記載された本発明によれば、線長差吸収部を構成する電線間挿入部に関し、より良い構造を提供することができるという効果を奏する。

請求項3に記載された本発明によれば、他端チャック部の構成として端子当接部を更に含むことから、端子金具の先端を同じ位置で当接させた上で二本の電線の他端を他端チャック部にてチャックすることができ、以て二本の電線のセットに係る作業をし易くすることができるという効果を奏する。

請求項4に記載された本発明によれば、線長差吸収部などを含むツイスト線製造装置を用いて製造することが好適な方法になることから、二本の電線に、一方が他方よりも長くなるような寸法公差内のバラツキ(線長差)があったとしても、これを線長差吸収部にて吸収しながらツイスト線の製造をすることができるという効果を奏する。本発明のように、線長差を吸収することができれば、ツイスト線におけるツイスト部の形成状態を安定させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、線長差吸収部がツイスト線における端末撚り無し部に対応する位置に配設されることから、ツイスト部の形成に支障を来すことはなく、結果、ツイスト部の形成状態を更に安定させることができるという効果を奏する。

本発明によれば、ツイスト部の形成状態を安定させることができることから、線間ギャップ・特性インピーダンスの測定等を行うことなく品質を保証することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、ツイスト線の信頼性が高くコスト低減に寄与することが可能なツイスト線製造方法を提供することができるという効果を奏する。

本発明のツイスト線製造装置の斜視図である。

ツイスト線を示す図であり、(a)は線長差がない状態の図、(b)は線長差がある状態の図である。

二本の電線を示す図であり、(a)は線長差がない状態の図、(b)は線長差がある状態の図である。

図1のツイスト線製造装置における下側部分の拡大図である。

図4の要部拡大図である。

図5の電線昇降ユニットの拡大図である。

図5の電線撚り合わせユニットの拡大図である。

図1の電線昇降ユニットにおけるセンサー部及び遮光部の拡大図である。

図8のセンサー部の斜視図である。

図7の一端チャック部及び他端チャック部の拡大図である。

図1の電線昇降ユニットの作動に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法(長尺なツイスト線の場合)の電線中間掛け工程に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法の電線一端チャック工程及び第一の電線吊り上げ工程に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法の第二の電線吊り上げ工程、電線他端チャック工程、及びテンション付加工程に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法の電線撚り合わせ工程(他端側の撚り合わせ)に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法の電線撚り合わせ工程(中間撚り無し部への撚り合わせ)に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法の電線撚り合わせ工程(一端側の撚り合わせ)に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法のテープ巻き工程及び取り外し工程に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法(短尺なツイスト線の場合)の電線中間掛け工程に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法の電線一端チャック工程、第三の電線吊り上げ工程、電線他端チャック工程、及びテンション付加工程に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法の電線撚り合わせ工程(他端側の撚り合わせ及び中間撚り無し部の移動)に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法の電線撚り合わせ工程(中間撚り無し部への撚り合わせ及び一端側の撚り合わせ)に係る説明図である。

本発明のツイスト線製造方法のテープ巻き工程及び取り外し工程に係る説明図である。

電線他端チャック工程(線長差がある状態)に係る説明図である。

テンション付加工程(線長差がある状態)に係る説明図である。

電線撚り合わせ工程(線長差がある状態)に係る説明図である。

他の例となる一端チャック部の拡大図である。

従来例の説明に係る図であり、(a)は電線を二本並べた状態の図、(b)はツイスト線を示す図である。

従来例の説明に係る図であり、二本の電線に線長差が生じた状態の図である。

ツイスト線製造装置は、ツイスト部と、この両側に連続する端末撚り無し部とを有するツイスト線を、二本の電線の撚り合わせにより製造するための装置であって、線長差吸収部を有する電線撚り合わせユニットと、この電線撚り合わせユニットの制御をするための制御ユニットと、二本の電線に対しテンションを付加するためのテンション付加部とを含んで構成される。線長差吸収部は、ツイスト線の端末撚り無し部に対応する位置に配設されて、二本の電線に生じた線長差を吸収するような部分に構成される。一方、ツイスト線製造方法としては、撚り合わせの前に、線長差吸収部にて上記線長差の吸収を行うような工程を含む方法である。

以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明のツイスト線製造装置の斜視図である。また、図2はツイスト線を示す図、図3は二本の電線を示す図、図4は図1のツイスト線製造装置における下側部分の拡大図、図5は図4の要部拡大図、図6は図5の電線昇降ユニットの拡大図、図7は図5の電線撚り合わせユニットの拡大図、図8は図1の電線昇降ユニットにおけるセンサー部及び遮光部の拡大図、図9は図8のセンサー部の斜視図、図10は図7の一端チャック部及び他端チャック部の拡大図、図11は図1の電線昇降ユニットの作動に係る説明図である。

また、図12〜図18は本発明のツイスト線製造方法(長尺なツイスト線の場合)の各工程に係る説明図、図19〜図23は本発明のツイスト線製造方法(短尺なツイスト線の場合)の各工程に係る説明図、図24〜図26は本発明のツイスト線製造方法(線長差があるツイスト線の場合)の各工程に係る説明図、図27は他の例となる一端チャック部の拡大図である。

<ツイスト線製造装置1の構成について> 図1において、ツイスト線製造装置1は、ツイスト線102(図2参照)を製造するための装置であって、電線昇降ユニット2と、電線撚り合わせユニット3と、装置全体を制御するための制御ユニット4と、これら各ユニットを装置所定位置に設置するためのフレーム5とを含んで構成される。また、ツイスト線製造装置1は、本発明の特徴部分となる線長差吸収部66やテンション付加部12なども含んで構成される。以下、各構成について説明をする。

<ツイスト線102及び二本の電線101について> 図2及び図3において、ツイスト線102は、図28のツイスト線102(従来例)と同じ構成であって、二本の電線101を撚り合わせることにより製造される。

ツイスト線102及び二本の電線101における引用符号103は一端を示すものとする。また、引用符号104は他端、引用符号105は中間、引用符号107はツイスト部、引用符号108は端子金具、引用符号110は一端側の端末撚り無し部、引用符号111は他端側の端末撚り無し部、引用符号TPはテープ巻きをそれぞれ示すものとする。尚、他の図を参照しながら後述するが、製造工程においてUターン部106(図12参照)や中間撚り無し部109(図16参照)が生じるものとする。

図2及び図3において、ここではツイスト線102及び二本の電線101に寸法公差内のバラツキが生じているものと、そうでないものとが示される。別な言い方をすれば、一方の電線101が他方の電線101よりもΔLの分だけ長くなるような線長差があるものと、そうでないものとが示される。尚、他端104の側に線長差ΔLが生じているがこれは一例であるものとする。すなわち、一端103の側であってもよいし、或いは、一端103及び他端104の両方であってもよいものとする(上記寸法公差に応じて適宜設定されるものとする)。

本発明では、ツイスト線102の製造に関し、二本の電線101に寸法公差内のバラツキ(線長差ΔL)があっても、ツイスト部107の位置で長い方の電線101が若干緩んだ状態にならないような工夫がなされる。この工夫は本発明の特徴であって、以下の説明の中で分かるようになる。

<電線昇降ユニット2について> 図1、図4、図5、及び図6において、電線昇降ユニット2は、二本の電線101(図3参照)を吊り上げるための、また、ツイスト線102(図2及び図18参照)を製造した後の下降を行うためのユニットとして備えられる。このような電線昇降ユニット2は、二本の電線101を吊り上げる部分としての昇降部6と、この昇降部6を上下方向に案内するための昇降用案内部7と、昇降部6を高速又は低速で昇降させるための高速・低速昇降手段8とを含んで構成される。

<昇降部6について> 図5及び図6において、昇降部6は、昇降部本体9と、この昇降部本体9に設けられる電線掛け部10と、同じく昇降部本体9に設けられる電線押さえ部11と、テンション付加部12とを備えて構成される。この他、本実施例の昇降部6は、昇降部本体9に設けられる一対のオプションチャック部13と、一対の電線ガード14とを備えて構成される。

<昇降部本体9について> 図5において、本実施例の昇降部本体9は、上下に二つの部材にて構成される。具体的には、上側本体15及び下側本体16にて構成される。これら上側本体15及び下側本体16は、テンション付加部12を介して連結される。尚、テンション付加部12は後述するが、上下方向に弾性を有する部材である。テンション付加部12は、本発明の特徴部分の一つであって、二本の電線101に対しテンションを付加する(張力を付加する)ために備えられる。

上側本体15及び下側本体16は、下側本体16が後述する高速・低速昇降手段8にて上昇・下降するように形成され、また、この上昇・下降に伴って上側本体15も後述する昇降用案内部7にて上下方向に案内されるように形成される。

<上側本体15について> 図6において、上側本体15は、前壁17と、左側壁18及び右側壁19と、後壁20とを有して略筒状の形状に形成される。前壁17の前面には、電線掛け部10と、電線押さえ部11とが設けられる。前壁17は、この右側が更に右方向に延在するような左右非対称形状に形成される。右側の延在部分には、下方に突出する帯板状の部分が形成される。この帯板状の部分には、一対のうちの右側のものとなるオプションチャック部13及び電線ガード14が設けられる。

左側壁18及び右側壁19は、所定の間隔をあけて前壁17の後面に固定される。左側壁18の下部には、後述する遮光片32が設けられる。この遮光片32は、後述する一対のセンサー部33の位置に対応するように配置される。遮光片32及びセンサー部33は、二本の電線101を吊り上げた際の(図14参照)テンションの掛かり具合を検知するために、後述する高速・低速昇降手段8の一構成として設けられる。

後壁20は、左側壁18及び右側壁19に固定される。このような後壁20には、後述する昇降用案内部7のガイド凹部25に差し込まれ、そして、上下方向に案内されるガイド凸部21が設けられる。ガイド凸部21は、凸状部分に形成される。

<電線掛け部10について> 図6及び図12において、電線掛け部10は、二本の電線101の中間105に生じた各Uターン部106を掛けるための部分として形成される。本実施例においては、円形のローラー状に電線掛け部10が形成される。また、回転自在になるように形成される。このような電線掛け部10には、凹部22が一周形成される。凹部22は、Uターン部106を脱落し難くするための部分として形成される。

<電線押さえ部11について> 図6において、電線押さえ部11は、上記各Uターン部106(図12参照)を電線掛け部10の凹部22に交差しないように掛けた後に、この各Uターン部106を上方から押さえ付けるための部分として、また、凹部22を蓋するような部分として設けられる。電線押さえ部11は、吊り上げ時における電線脱落防止や緩み防止をするための部分として設けられる。

<下側本体16について> 図5及び図6において、下側本体16は、平板状の部分に形成される。下側本体16は、この左側上部が後述する高速・低速昇降手段8の連結アーム29に連結される。下側本体16は、連結アーム29にて上昇・下降することができるように形成される。下側本体16は、後述する昇降用案内部7に沿って上下方向に案内される。このような下側本体16には、載置部23と、後述する遮光部31と、上記一対のうちの左側のものとなるオプションチャック部13と、同じく左側のものとなる電線ガード14とが設けられる。尚、遮光部31は、後述するセンサー部30に対応する位置に配置される。遮光部31及びセンサー部30は、後述する高速・低速昇降手段8の一構成として設けられる。

<載置部23について> 図5において、載置部23は、横長で前方に突出する片状部分に形成される。載置部23は、この上面にテンション付加部12の下端側を載置固定することができるように形成される。

<テンション付加部12について> 図5及び図6において、テンション付加部12は、荷重がかかると下方へ縮むようなバネを有する部材であって、この下端側が載置部23に固定されるとともに、上端は上側本体15に組み付けることができるように形成される。テンション付加部12は、上述の如く、本発明の特徴部分の一つであって、下方へ縮んだ特に生じる「元に戻ろうとする力」を二本の電線101に掛けることができるような部分として設けられる。

<一対のオプションチャック部13について> 図5及び図6において、一対のオプションチャック部13は、二本の図示しない短尺な電線を撚り合わせる際に用いられる。このような一対のオプションチャック部13は、上記短尺な電線の上端をチャックすることができるような部分として形成される。一対のオプションチャック部13は、後述する電線撚り合わせユニット3の一端チャック部42及び他端チャック部43の直上位置に配置される。一対のオプションチャック部13は、上記短尺な電線を真っ直ぐ上方に(Uターンさせた状態でない)吊り上げることができるような位置に配設される。

尚、上記短尺な電線の撚り合わせを不要とする装置であれば、一対のオプションチャック部13を設けなくてもよいものとする(以下で説明する一対の電線ガード14も同様に設けなくてもよいものとする)。

<一対の電線ガード14について> 図5及び図6において、一対の電線ガード14は、ツイスト線102(図2参照)の製造の際に二本の電線101(図12〜図18参照)が一対のオプションチャック部13に対して接触しないようにするために設けられる。

<昇降用案内部7について> 図1、及び図4〜図8において、昇降用案内部7は、上下方向に真っ直ぐのびる棒状の部材であって、下端側にフレーム5に対する固定部が形成される。昇降用案内部7は、製造されるツイスト線102(図2及び図18参照)の全長に対し、少なくとも半分以上の高さ寸法を有するように形成される。このような昇降用案内部7は、上側本体15を上下方向に案内することができるように(上昇・下降させることができるように)形成される。具体的には、凹状の(溝状の)ガイド凹部25を有する図示形状に形成される。ガイド凹部25は、昇降用案内部7の前面に配置形成される。

昇降用案内部7の右側面には、後述するセンサー部30が設けられる。このセンサー部30は、昇降部6の上昇位置・下降位置を検知するためとして所定の間隔をあけて複数箇所に配設される。

<高速・低速昇降手段8について> 図1、及び図4〜図6において、高速・低速昇降手段8は、上述の如く、昇降部6を高速又は低速で昇降させるためとしてツイスト線製造装置1に備えられる。このツイスト線製造装置1に関して言えば、高速・低速昇降手段8を備えることから、ただ単に二本の電線101(図12〜図18参照)を吊り上げるだけの構成にならない点が特徴になる。高速・低速昇降手段8は、後述する制御ユニット4にて制御される。

本実施例の高速・低速昇降手段8は、エアシリンダーを用いて昇降させることが可能に構成される(この限りでないものとする。例えばモータ等で昇降させる構成であってもよいものとする。本実施例では、コストが掛からないようにすることを目的にしている)。具体的には、昇降用シリンダ27と、この昇降用シリンダ27に対してエアを供給したりするためのエア供給装置28と、昇降用シリンダ27及び昇降部6の間に介在する連結アーム29と、昇降用案内部7の複数箇所に設けられるセンサー部30と、昇降部6に設けられる遮光部31と、昇降部6に設けられる遮光片32と、連結アーム29に設けられるセンサー部33とを備えて構成される。

<昇降用シリンダ27について> 図1、及び図4〜図6において、昇降用シリンダ27は、公知のエアシリンダーであって、ツイスト線102(図2及び図18参照)の製造に必要な長さのものが採用される。本実施例においては、長尺なものが採用され、昇降用案内部7に対し平行で上下方向にのびるような図示の状態に配設される。

<エア供給装置28について> 図1及び図4において、エア供給装置28は、フレーム5に固定されるボックス34内に配設される(一例であるものとする)。このエア供給装置28は、例えば図11に示すような複数の部分を有して構成される。

図11において、具体的には、「元圧」を発生させるための元圧発生部28aと、この元圧発生部28aに接続されて「高圧エアレギュレータ」として機能する高圧エアレギュレータ部28bと、元圧発生部28aに接続されて「低圧エアレギュレータ」として機能する低圧エアレギュレータ部28cと、これら高圧エアレギュレータ部28b及び低圧エアレギュレータ部28cに接続されて「エア圧切り替え用電磁弁」として機能するエア圧切り替え用電磁弁部28dと、このエア圧切り替え用電磁弁部28dに接続されて「昇降切り替え用電磁弁」として機能する昇降切り替え用電磁弁部28eとを有して構成される。すなわち、昇降用シリンダ27を高圧のエア又は低圧のエアにて上昇・下降させることができるように構成される。

尚、以上のようなエア供給装置28が配設されるボックス34内には、電源供給用の電源装置35や、後述する制御ユニット4の制御部本体52等も配設されるものとする(一例であるものとする)。

<連結アーム29について> 図5及び図6において、連結アーム29は、L字状の帯板部材であって、この一端が昇降用シリンダ27の伸縮部分に固定される。また、他端が昇降部6の下側本体16に固定される。このような連結アーム29は、昇降用シリンダ27の伸縮(上下動)に伴って下側本体16を上昇・下降させることができるように形成される。

尚、下側本体16が上昇・下降すると、上側本体15も上昇・下降し、これに伴って上側本体15に設けられた電線掛け部10も上昇・下降することになる。電線掛け部10は、二本の電線101(図12参照)に生じた各Uターン部106(図12参照)を掛けるための部分であることから、連結アーム29が上昇すれば二本の電線101は吊り上げられるようになる。

<センサー部30について> 図1において、センサー部30は、昇降用案内部7における右側面の複数箇所に所定の間隔あけて設けられる。このようなセンサー部30は、昇降部6の位置を検知するために設けられる。

図8及び図9において、センサー部30には、信号線36を介して後述する制御ユニット4(図4参照)に接続されるセンサー本体37が設けられる。このセンサー本体37には、光を出射する発光部38と、発光部38からの光を受ける受光部39とが設けられる。発光部38と受光部39との間は、遮光部31が通過する空間40が形成される。本実施例のセンサー部30としては、公知のフォトセンサーが採用される。

<遮光部31について> 図6及び図8において、遮光部31は、センサー部30と同様に昇降部6の位置を検知するために設けられる。遮光部31は、センサー部30における発光部38からの光を遮ることができるような板状部分に形成される。遮光部31は、昇降部6の上昇・下降の際にセンサー本体37の空間40を通過するように配置される。

<遮光片32について> 図6において、遮光片32は、昇降部6における上側本体15の左側壁18の下部に配設される。遮光片32は、テンション付加部12にてバネ付勢された状態の上側本体15の位置を検知するために設けられる。尚、遮光片32が上下一対のセンサー部33の間に位置する場合、二本の電線101(図12〜図18参照)に適度なテンションが掛かった状態であると本実施例では判断される。

<センサー部33について> 図6において、センサー部33は、取り付け部41を介して連結アーム29に配設される。また、センサー部33は、所定の間隔をあけて上下一対となるように配設される。一対のセンサー部33には、光を出射する発光部と、この発光部からの光を受ける受光部とが設けられる。また、遮光片32が通過するための空間が形成される。本実施例のセンサー部33としては、公知のフォトセンサーが採用される。

<電線撚り合わせユニット3について> 図1、及び図4〜図5において、電線撚り合わせユニット3は、電線昇降ユニット2に併設されて二本の電線101(図3、及び図12〜図18参照)に対しチャック及び撚り合わせを行うために備えられる。このような電線撚り合わせユニット3は、一端チャック部42と、他端チャック部43と、同方向回転部44(チャック回転部)と、チャック上下位置変更手段45とを含んで構成される。

<一端チャック部42及び他端チャック部43について> 図5及び図7において、一端チャック部42は、二本の電線101(図3、及び図12〜図18参照)の一端103を着脱自在にチャックすることができるように構成される。また、他端チャック部43も同様に二本の電線101の他端104を着脱自在にチャックすることができるように構成される。一端チャック部42及び他端チャック部43は、図示の如く似たような構成及び構造であるが、本実施例では、他端チャック部43に本発明の特徴部分の一つである線長差吸収部66が設けられる点で相違する(この限りでないものとする。すなわち、図27に示す如く両方同じ構成及び構造であってもよいものとする)。以下、一端チャック部42及び他端チャック部43について、図10を参照しながらそれぞれ詳細に説明をする。

<一端チャック部42の詳細について> 図10において、一端チャック部42は、ベース部61と、端子当接部62と、チャック本体部63と、ブロック形状部64と、撚り防止部65とを備えて構成される。このような構成の一端チャック部42は、上述の如く二本の電線101(図3参照)における一端103をチャックし、そして、撚り合わせの後はツイスト線102(図2参照)における一端側の端末撚り無し部110を形成することができるように構成される。

ベース部61は、同方向回転部44(図7参照)の後述する回転軸47に一端が取り付けられる第一ベース部61aと、この第一ベース部61aの他端に連成される第二ベース部61bとを有して、全体が図示のようなL字状の形状に形成される。第二ベース部61b及び第一ベース部61aは、本実施例において長短の帯板状に形成される。

端子当接部62は、二本の電線101(図3参照)に設けられた端子金具108の先端を同じ位置で当接させる部分(当接させることが可能な部分)として形成される。すなわち、位置決め部分として形成される。尚、端子当接部62は、本実施例において、第一ベース部61aから後述する回転軸47の先端面を露出させていることから、この先端面を含んで形成されるものとする。

チャック本体部63は、二本の電線101(図3参照)の一端103を実際にチャックするための部分であって、本実施例においては、挟み込みにより二本の電線101を着脱自在に保持することができるように形成される。また、チャック本体部63は、二本の電線101に対し後述のテンション(張力)が加わった状態でも上記保持を維持することができるようにも形成される。尚、チャック本体部63の構成及び構造は図示に限らないものとする。例えば、公知のトグルクランプ等を組み合わせた構成等であってもよいものとする。

ブロック形状部64は、例えば図示のような直方体となる形状に形成される(形状は一例であるものとする)。また、ブロック形状部64は、この裏面側が第二ベース部61bの上端位置に固定されて一体化するような部分に形成される。ブロック形状部64の表面側には、撚り防止部65が設けられる。

撚り防止部65は、ブロック形状部64を介して第二ベース部61bの上端位置に配設される。また、撚り防止部65は、ツイスト線102(図2参照)におけるツイスト部107及び一端側の端末撚り無し部110の境界位置に合わせて配設される。本実施例の撚り防止部65としては、横並びとなる一対のピンが採用される。この一対のピンは、二本の電線101(図3参照)を差し込む分だけの間隔をあけて配設される。尚、撚り防止部65は、本実施例に限らず第二ベース部61bに直接配設されてもよいものとする。

<他端チャック部43の詳細について> 図10において、他端チャック部43は、ベース部61と、端子当接部62と、チャック本体部63と、線長差吸収部66とを備えて構成される。このような構成の他端チャック部43は、上述の如く二本の電線101(図3及び図24参照)における他端104をチャックし、そして、撚り合わせの後はツイスト線102(図2参照)における他端側の端末撚り無し部111を形成することができるように構成される。

ベース部61、端子当接部62、及びチャック本体部63は、一端チャック部42と同じものが採用される。他端チャック部43では、チャック本体部63に関し、二本の電線101(図3及び図24参照)の他端104がチャックされる。

<他端チャック部43の線長差吸収部66について> 図10及び図24において、線長差吸収部66は、本発明の特徴部分の一つであって、ブロック形状部64と、ブロック回転軸部67と、撚り防止部65と、電線間挿入部68とを備えて構成される。

ブロック形状部64は、一端チャック部42と同じ直方体の形状に形成される(形状は一例であるものとする)。他端チャック部43では、このようなブロック形状部64が第二ベース部61bに一体に固定されず、以下で説明するような移動が可能な状態に取り付けられる。ブロック形状部64の表面側には、撚り防止部65が一端チャック部42と同じ位置に設けられる。

ブロック回転軸部67は、後述する電線間挿入部68を、二本の電線101(図3及び図24参照)の延在方向に対し交差する方向に移動可能にするための部分であって、本実施例においては、ブロック形状部64を図中矢印方向に移動可能にする部分に形成される(別な言い方をすれば、首振りするような回転方向の移動を可能にする部分に形成される)。尚、ブロック形状部64の移動は、以下で説明する電線間挿入部68に対して力が作用した時に起こるものとする。

電線間挿入部68は、二本の電線101(図3及び図24参照)の電線間に差し込まれる部分として形成される。本実施例においては、断面円形のピン状に形成される。このような電線間挿入部68は、二本の電線101における線長差ΔLの吸収に応じてピン径を変えることが可能な交換可能部品として形成される。電線間挿入部68は、ブロック形状部64の表面における下端位置から突出するように設けられる。

尚、電線間挿入部68及び撚り防止部65は、ブロック形状部64に設けられることから、図中矢印方向に移動可能な部分になるのは勿論である。

他端チャック部43の撚り防止部65は、ツイスト線102(図2参照)におけるツイスト部107及び他端側の端末撚り無し部111の境界位置に合わせて配設される。本実施例の撚り防止部65としては、横並びとなる一対のピンが採用される。この一対のピンは、二本の電線101(図3及び図24参照)を差し込む分だけの間隔をあけて配設される。尚、撚り防止部65は、本実施例に限らず第二ベース部61bに直接配設されてもよいものとする。

<同方向回転部44(チャック回転部)について> 図5及び図7において、同方向回転部44は、一端チャック部42及び他端チャック部43を異なるタイミングで同じ方向に回転させることができるように構成される。尚、異なるタイミングとは、先ず他端チャック部43を回転させて止めた後に、今度は一端チャック部42を回転させる、のような回転を同期させないことを言うものとする。同方向回転部44は、後述する制御ユニット4にて制御される一対のモータ46と、この一対のモータ46によりそれぞれ回転する一対の回転軸47と、一対のモータ46をそれぞれ固定するための一対のモータ固定部48とを備えて構成される。一対のモータ固定部48に関し、本実施例では、左側のものが不動状態に固定され、右側のものはチャック上下位置変更手段45にて上下方向に移動可能に固定される。

<チャック上下位置変更手段45について> 図5及び図7において、チャック上下位置変更手段45は、一端チャック部42及び他端チャック部43の位置を上下方向に変化させることができるように構成される。本実施例の場合は、右側のモータ46が下方に移動し、これによって二つの位置を上下方向に変化させるような構造が採用されるものとする。もう少し具体的に構成及び構造を説明すると、チャック上下位置変更手段45は、下降用シリンダ49と、この下降用シリンダ49に対してエアを供給したりするためのエア供給装置50と、上下方向にのびるスライダレール51と、右側のモータ固定部48に設けられ且つスライダレール51にて案内される案内凸部(符号省略)とを備えて構成される。エア供給装置50は、ボックス34内に配設される(一例であるものとする)。また、スライダレール51は、フレーム5に固定される。チャック上下位置変更手段45は、後述する制御ユニット4にて制御される。

<制御ユニット4について> 図1及び図4において、制御ユニット4は、電線昇降ユニット2及び電線撚り合わせユニット3の作動に関し、これを制御するために備えられる。制御ユニット4は、ボックス34内に配設される(一例であるものとする)制御部本体52と、フレーム5の例えば右側に固定されて作業者により操作される操作部53とを備えて構成される。制御部本体52は、公知のPLC等を備えて構成される。操作部53は、例えばタッチパネルにより操作可能に構成される。尚、制御部本体52の記憶部には、ツイスト線102(図2及び18参照)の製造に必要な各種データ等が記憶される。操作部53は、数値入力をすることが可能なものが採用される。

<長尺なツイスト線102(線長差なし)を製造する方法について> 以上のようなツイスト線製造装置1において採用される製造工程としては、電線中間掛け工程と、電線一端チャック工程と、第一の電線吊り上げ工程と、第二の電線吊り上げ工程と、電線他端チャック工程と、テンション付加工程と、線長差吸収工程と、電線撚り合わせ工程と、テープ巻き工程と、取り外し工程とが挙げられる(ここでの工程は一例であるものとする。何故ならば、後述する短尺なツイスト線102の製造方法で挙げる工程などと多少異なるからである)。

以上のような製造工程において、電線撚り合わせ工程を基準にすれば、この電線撚り合わせ工程よりも前が特許請求の範囲に記載された前工程になるものとする。また、電線撚り合わせ工程よりも後が後工程になるものとする。

尚、以下の図12ないし図18を参照しながらの説明は、二本の電線101(図3参照)に線長差ΔLが生じてない場合の例であり、そのため上記線長差吸収工程が恰も行われないような製造になるが、この線長差吸収工程に関しては後述(図24ないし図26参照)するものとする。

図12ないし図18を参照しながら線長差なしの場合の各工程について説明をする(必要に応じて図1ないし図11も参照するものとする)。ここでは、作業者による操作部53の操作により装置が作動するものとし、操作の詳細については省略するものとする。

<電線中間掛け工程について> 図12において、電線中間掛け工程では、作業者近傍の例えば部品棚(電線ストック棚)から二本の長尺な電線101を取り出す作業と、二本の電線101の各Uターン部106を電線掛け部10に掛ける作業とが行われる。

電線掛け部10に掛ける作業において、各Uターン部106は、二本の電線101が長尺であることから、この中央位置に形成されるのではなく、各一端103に近い側にU字状に曲げて形成される。

尚、二本の電線101は、電線掛け部10で各Uターン部106が交差しないように(上下に重ならないように)掛けられるものとする。これは、各Uターン部106が交差した状態(電線交差の状態)になってしまうと、撚り合わせをした時に撚りピッチ(電線ピッチ)が変わってしまうからである。

電線掛け部10に各Uターン部106を掛けた後には、電線押さえ部11にて各Uターン部106を押さえ付ける作業が行われる(電線押さえ部11はヒンジ部分を有し、電線押さえ部11の状態をL字状から倒して平にすることで、各Uターン部106を上方から押さえ付けることができる)。

尚、図12における紙面縦方向の中心線は、電線掛け部10を上昇(吊り上げ)・下降させる際の軸を示すものであり、また、昇降用案内部7を模式的に示すものでもある。この他、紙面横方向の中心線は、以下の説明で用いる「第一の所定位置」、「第二の所定位置(希望吊り上げ高さの位置)」に相当する位置を示すものである。これらの位置に関しては、以下の工程において説明するものとする。この他、図12で示す電線掛け部10の位置は、本実施例において「初期位置」であると定義するものとする。

<電線一端チャック工程について> 図13(a)において、電線一端チャック工程では、二本の電線101の一端103を一端チャック部42にてチャックする作業が行われる。尚、以下の説明で分かるようになるが、一端チャック部42に対応する範囲、具体的には電線チャック位置の近傍となる範囲は、後述する撚り合わせが行われないことになる。

<第一の電線吊り上げ工程について> 図13において、第一の電線吊り上げ工程では、高速・低速昇降手段8を作動させて電線掛け部10の位置を上記「初期位置」から、この上方の「第一の所定位置」まで一気に上昇させることが行われる(長尺な電線101の場合、ゆっくり上昇させるとその分時間が掛かってしまうため、早い時間、すなわち高速で上昇させることにより時間短縮を図っている)。高速で上昇させることに関しては、制御部本体52の制御(指令)によりエア圧切り替え用電磁弁部28dがエア高圧に設定される。また、昇降切り替え用電磁弁部28eが上昇に設定される。これらにより、電線掛け部10の上昇が開始される。すなわち、二本の電線101の吊り上げが開始される。

第一の電線吊り上げ工程では、電線掛け部10の上昇に伴いUターン部106の位置が変化する。尚、Uターン部106から左側の電線部分(他端104側の電線部分)に対し作業者が手を添えるような作業をすれば、上昇に伴う二本の電線101のばたつきを抑えることができるようになる。

電線掛け部10が「第一の所定位置」に到達すると、希望吊り上げ高さ近くまで(手前まで)電線掛け部10が上昇したことになる(「第一の所定位置」とは、希望吊り上げ高さ近くの位置である。また、本実施例では、昇降用案内部7における略中央のセンサー部30の位置でもある)。

<第二の電線吊り上げ工程について> 図13(b)及び図14(a)において、第二の電線吊り上げ工程では、高速・低速昇降手段8を作動させて電線掛け部10の位置を上記「第一の所定位置」から、この僅か上方の「第二の所定位置(希望吊り上げ高さの位置)」までゆっくりと上昇させることが行われる(ゆっくりと低速で上昇させることにより、張力が唐突に掛からないようにすることをねらっている)。低速で上昇させることに関しては、「第一の所定位置」に合わせて対応するセンサー部30が配設され、このセンサー部30に対し遮光部31が通過すると、信号が制御部本体52に送られる。そして、制御部本体52の制御(指令)によりエア圧切り替え用電磁弁部28dがエア低圧に切り替えられると、電線掛け部10の低速での上昇が開始される。すなわち、「希望吊り上げ高さの位置」までの残り僅かな分だけ、二本の電線101の吊り上げが行われるように切り替えられる。

図14(a)において、電線掛け部10が「第二の所定位置」に到達すると、希望吊り上げ高さの位置まで電線掛け部10が上昇したことになる。本実施例においては、「第一の所定位置」でセンサー部30から信号が制御部本体52に送られると、制御部本体52ではタイマーが作動し、そして、所定の時間分(数秒)だけ電線掛け部10がゆっくりと上昇した後には、電線掛け部10が丁度、希望吊り上げ高さの位置で停止するような制御方法が採用されるものとする(制御方法は一例であるものとする)。

<電線他端チャック工程について> 図14(b)において、電線他端チャック工程では、二本の電線101の他端104を他端チャック部43にてチャックする作業が行われる。この時、二本の電線101の他端104に関しては、図24に示す如くの状態になる。すなわち、二つの端子金具108が端子当接部62により同じ位置に配置されるとともに、二つの端子金具108の近傍においては、二本の電線101がチャック本体部63に挟み込まれて保持された状態になる。また、二本の電線101は、撚り防止部65(横並びとなる一対のピン)に差し込まれた状態になるとともに、二本の電線101の電線間に電線間挿入部68が差し込まれた状態になる。

尚、電線他端チャック工程は、上述の第一の電線吊り上げ工程や第二の電線吊り上げ工程の前に行うようにしてもよいものとする。

上記のような二つの端子金具108の位置決めは、電線一端チャック工程でも行われるものとする。

<テンション付加工程について> 図14(b)において、電線掛け部10の位置を「第二の所定位置(希望吊り上げ高さの位置)」まで上昇させると、この時、二本の電線101には、テンション付加部12が下方に縮むことにより生じる「元に戻ろうとする力」が掛かることになる。すなわち、適度なテンションが掛かることになる。

本実施例においては、自動的にテンションが付加されるような工程がテンション付加工程になる。

<電線撚り合わせ工程について> 図15(a)において、電線撚り合わせ工程では、以下の第一工程〜第六工程が順に行われる。

先ず、第一工程では、左側の同方向回転部44にて他端チャック部43を例えば矢印方向に回転させることが行われる。次に、第二工程では、図15(b)に示す如く上記と逆方向にほんの数回、他端チャック部43を回転させることが行われる(所謂、撚り戻しが行われる)。これら二つの工程により、電線掛け部10の左側にツイスト部107が形成される。次に、第三工程では、チャック上下位置変更手段45を作動させて、図16(a)に示す如く電線掛け部10及び一端チャック部42の位置を少しだけ下方向に変化させることが行われる。この時、電線掛け部10に掛かっていたUターン部106の位置がずれるようになる。別な言い方をすれば、電線掛け部10に接していることが原因で、撚りが生じない虞のある、中間撚り無し部109の位置が右回転方向にずれるようになる。

次に、第四工程では、図16(b)に示す如く右側の同方向回転部44にて一端チャック部42を矢印方向に回転させることが行われる。次に、第五工程では、図17(a)に示す如く上記と逆方向にほんの数回、一端チャック部42を回転させることが行われる(所謂、撚り戻しが行われる)。これら二つの工程により、電線掛け部10の右側にもツイスト部107が形成される。最後に、第六工程では、下方向に変化させていた電線掛け部10及び一端チャック部42の位置を元に戻すことが行われる。この工程により、ツイスト部107が電線掛け部10の両側に均等な長さで配置される。

<テープ巻き工程について> 図18(a)において、この工程では、テープ巻きTPの作業が行われる。テープ巻きTPは、一端チャック部42及び他端チャック部43の近傍でツイスト部107の端部にテープ54を巻き付けて形成される。テープ巻きTPは、ホツレ防止のために施される。

<取り外し工程について> 図18(b)において、取り外し工程では、高速・低速昇降手段8を作動させて電線掛け部10の位置を「第二の所定位置(希望吊り上げ高さの位置)」から「初期位置」まで戻すことが行われる。また、ツイスト線102の一端103及び他端104を一端チャック部42及び他端チャック部43から取り外す作業も行われる。ツイスト線102の取り外しにより、一連の製造が完了する。

尚、以上の説明では、「電線中間掛け工程」→「電線一端チャック工程」→…→「電線他端チャック工程」→…の順番で製造が行われていたが、例えば、「電線中間掛け工程」→「第一の電線吊り上げ工程」→「第二の電線吊り上げ工程」→「電線一端チャック工程」→「電線他端チャック工程」→…の順番などであってもよいものとする。また、電線他端チャック工程の説明でも少しだけ挙げたが、「電線中間掛け工程」→「電線一端チャック工程」→「電線他端チャック工程」→「第一の電線吊り上げ工程」→「第二の電線吊り上げ工程」→…の順番などであってもよいものとする。

<短尺なツイスト線102(線長差なし)を製造する方法について> 次に、短尺なツイスト線102を製造する方法(製造工程)について説明をする。ここでは、電線中間掛け工程と、電線一端チャック工程と、電線吊り上げ工程(第三の電線吊り上げ工程)と、電線他端チャック工程と、テンション付加工程と、電線撚り合わせ工程と、テープ巻き工程と、取り外し工程とが挙げられる。

以下、図19ないし図23を参照しながら上記の各工程について説明をする(必要に応じて図1ないし図11も参照する)。

<電線中間掛け工程について> 図19において、電線中間掛け工程では、作業者近傍の例えば部品棚(電線ストック棚)から二本の短尺な電線101を取り出す作業と、二本の電線101の各Uターン部106を電線掛け部10に掛ける作業とが行われる。

<電線一端チャック工程について> 図20(a)において、電線一端チャック工程では、二本の電線101の一端103を一端チャック部42にてチャックする作業が行われる。

<電線吊り上げ工程(第三の電線吊り上げ工程)について> 図20(b)において、第三の電線吊り上げ工程では、高速・低速昇降手段8を作動させて電線掛け部10の位置を上記「初期位置」から、この僅か上方の「希望吊り上げ高さの位置」までゆっくりと低速で上昇させることが行われる。低速で上昇させることに関しては、電線101が短尺であることに基づいて、制御部本体52の制御(指令)によりエア圧切り替え用電磁弁部28dがエア低圧に設定される。また、昇降切り替え用電磁弁部28eが上昇に設定される。そして、作業者の例えばボタン操作があると、電線掛け部10のゆっくりとした上昇が開始される。すなわち、二本の電線101の吊り上げが開始される。

ここで電線吊り上げ工程に関し「第三の」としているのは、上述の長尺なツイスト線102の製造方法において「第一の」、「第二の」を使っているからであり、また、これらと異なる作動をするため区別する必要があるからである。

尚、短尺なツイスト線102の製造方法においては、昇降用案内部7に設けられたセンサー部30が使用されず、次のように作動するものとする。すなわち、作業者の例えばボタン操作があると、その信号が制御部本体52に送られてタイマーが作動し、そして、所定の時間分(数秒)だけ電線掛け部10がゆっくりと上昇した後には、電線掛け部10が丁度、希望吊り上げ高さの位置で停止するように作動するものとする。

この他、制御部本体52には、電線101の長さ(線長)や上昇ストローク、タイマー時間等のデータが予めタイムテーブルに多数のパターンで記憶されるものとする。短尺なツイスト線102を製造する場合においては、製造開始時に設定された電線101の長さからタイマー時間が決定され、このタイマー時間だけ低圧のエアが昇降用シリンダ27に供給されるようになる。電線掛け部10がゆっくりと上昇し、そして、上記決定された時間で停止すると、丁度、希望吊り上げ高さの位置に電線掛け部10がくる。

<電線他端チャック工程について> 図20(c)において、電線他端チャック工程では、二本の電線101の他端104を他端チャック部43にてチャックする作業が行われる(電線チャックの状態は図24参照)。

<テンション付加工程について> 図20(c)において、電線掛け部10の位置を「希望吊り上げ高さの位置」まで上昇させると、この時、二本の電線101には、テンション付加部12が下方に縮むことにより生じる「元に戻ろうとする力」が掛かることになる。すなわち、適度なテンションが掛かることになる。

<電線撚り合わせ工程について> 図21(a)において、電線撚り合わせ工程では、以下の第一工程〜第六工程が順に行われる。

先ず、第一工程では、左側の同方向回転部44にて他端チャック部43を例えば矢印方向に回転させることが行われる。次に、第二工程では、図21(b)に示す如く上記と逆方向にほんの数回、他端チャック部43を回転させて撚り戻しが行われる。これら二つの工程により、電線掛け部10の左側にツイスト部107が形成される。次に、第三工程では、チャック上下位置変更手段45を作動させて、図21(c)に示す如く電線掛け部10及び一端チャック部42の位置を少しだけ下方向に変化させることが行われる。この時、電線掛け部10に掛かっていたUターン部106の位置がずれるようになる。別な言い方をすれば、撚り無し部109の位置が右回転方向にずれるようになる。

次に、第四工程では、図22(a)に示す如く右側の同方向回転部44にて一端チャック部42を矢印方向に回転させることが行われる。次に、第五工程では、図22(b)に示す如く上記と逆方向にほんの数回、一端チャック部42を回転させて撚り戻しが行われる。これら二つの工程により、電線掛け部10の右側にもツイスト部107が形成される。最後に、第六工程では、下方向に変化させていた電線掛け部10及び一端チャック部42の位置を図22(c)に示す如く元に戻すことが行われる。この工程により、ツイスト部107が電線掛け部10の両側に均等な長さで配置される。

<テープ巻き工程について> 図23(a)において、この工程では、テープ巻きTPの作業が行われる。テープ巻きTPは、一端チャック部42及び他端チャック部43の近傍でツイスト部107の端部に形成される。テープ巻きTPは、ホツレ防止のために施される。

<取り外し工程について> 図23(b)において、取り外し工程では、高速・低速昇降手段8を作動させて電線掛け部10の位置を「希望吊り上げ高さの位置」から「初期位置」まで戻すことが行われる。また、ツイスト線102の一端103及び他端104を一端チャック部42及び他端チャック部43から取り外す作業も行われる。ツイスト線102の取り外しにより、一連の製造が完了する。

<ツイスト線102(線長差あり)を製造する方法について> 次に、長尺又は短尺なツイスト線102を製造するにあたり、二本の電線101に線長差ΔL(図3参照)が生じている場合の方法(製造工程)について説明をする。ここでは、図12ないし図23を参照しながら上述した方法に対し、線長差吸収工程が機能する点で相違する。

<電線他端チャック工程について> 図24において、電線他端チャック工程では、二本の電線101の他端104を他端チャック部43にてチャックする作業が行われる。この時、二本の電線101の他端104に関しては、図に示す如くの状態になる。すなわち、二つの端子金具108が端子当接部62により同じ位置に配置されるとともに、二つの端子金具108の近傍においては、二本の電線101がチャック本体部63に挟み込まれて保持された状態になる。また、二本の電線101は、撚り防止部65(横並びとなる一対のピン)に差し込まれた状態になるとともに、二本の電線101の電線間に電線間挿入部68が差し込まれた状態になる。

<テンション付加工程について> 図25において、テンション付加工程では、二本の電線101の他端104に対し自動的にテンションが付加されるようなことが行われる。具体的には、電線掛け部10の位置を「第二の所定位置(希望吊り上げ高さの位置)」まで上昇させると(図14(b)参照)、この時、テンション付加部12(図5参照)が下方に縮むことから、二本の電線101には、テンション付加部12の「元に戻ろうとする力」が自動的に掛かることになる(自然に掛かることになる)。

<線長差吸収工程について> 図25において、線長差吸収工程では、二本の電線101に生じた線長差ΔL(図3参照)が自動的に吸収されることが行われる。具体的には、テンション付加部12の「元に戻ろうとする力」が二本の電線101に掛かると、上記線長差ΔLにより、短い方の電線101が図に示す如く真っ直ぐに張った状態になる。そしてこの時、短い方の電線101が電線間挿入部68を押すことから、電線間挿入部68の移動に伴って長い方の電線101は、チャック本体部63と撚り防止部65との間で略「く」字状に湾曲した状態になる。また、長い方の電線101は、上記略「く」字状の湾曲部分が形成されることから、撚り防止部65よりも上方位置では真っ直ぐに張った状態になる。従って、線長差吸収工程では、線長差ΔLが自動的に吸収されるようになる(自然に吸収されるようになる)。

線長差ΔLが吸収されると、この後のツイスト部107(図26参照)の形成が信頼性のあるものになるのは勿論である(ツイスト部107が不均一な状態で形成されないため、信頼性のあるものになる。別な言い方をすれば、撚りピッチの精度が低下しないため、信頼性のあるものになる)。

尚、図27に示す如く線長差吸収部66を一端チャック部42に対しても設けることで、両端側で線長差吸収工程を行えるようになる。この場合、線長差ΔLの吸収にバリエーションを持たせることができるようになるのは勿論である。

<ツイスト線製造装置1及び製造方法の効果について> 以上、図1ないし図27を参照しながら説明してきたように、ツイスト線製造装置1及び製造方法によれば、二本の電線101に、一方が他方よりも長くなるような寸法公差内のバラツキ(線長差ΔL)があったとしても、これを線長差吸収部66などにて吸収しながらツイスト線102の製造をすることができる。

また、本発明のように、線長差ΔLを吸収することができれば、ツイスト線102におけるツイスト部107の形成状態を安定させることができる。

また、ツイスト線製造装置1及び製造方法によれば、線長差吸収部66がツイスト線102の、他端側の端末撚り無し部111に対応する位置に配設されることから、ツイスト部107の形成に支障を来すことがなく、結果、ツイスト部107の形成状態を更に安定させることができる。

以上から分かるように、ツイスト線製造装置1及び製造方法によれば、ツイスト部107の形成状態を安定させることができ、以て線間ギャップ・特性インピーダンスの測定等を行うことなく品質を保証することができる。従って、ツイスト線102の信頼性が高くコスト低減に寄与することが可能なツイスト線製造装置1及び製造方法を提供することができるという効果を奏する。

この他、ツイスト線製造装置1及び製造方法によれば、ツイスト線102の製造に必要なスペースを従来例のような水平方向でなく鉛直方向に確保するような構成及び構造の装置、方法になることから、従来例と比べて格段に装置全長を短くすることができる。

また、ツイスト線製造装置1及び製造方法によれば、二本の電線101の一端103及び他端104を近い位置に配置して製造するような構成及び構造の装置、方法になることから、出来上がったツイスト線102の端部位置が近く、従来例のような端部位置までいちいち歩いて行く必要がないため、結果、作業者の負担を格段に軽減することができる。

さらに、ツイスト線製造装置1及び製造方法によれば、二本の電線101を吊り上げる際の速度を変えることができるような構成及び構造の装置、方法になることから、例えば長尺なツイスト線102を製造する場合、希望吊り上げ高さの位置の手前で低速にすれば、また、短尺なツイスト線102を製造する場合、初期位置から希望吊り上げ高さの位置まで低速にすれば、二本の電線101に対し大きな張力を唐突に掛けることがなく、その結果、破損等の不具合を防止することができる。

従って、以上から分かるように本発明によれば、設置スペース等の削減や作業性の向上を図ることが可能であり、また、二本の電線101に対し大きな張力を掛けないようにすることも可能なツイスト線製造装置1及び製造方法を提供することができるという効果を奏する。

本発明によれば、二本の電線101の中間に生じる各Uターン部106を掛けて吊り上げるような構成及び構造の装置、方法になることから、ツイスト線102の出来上がりを、上方でUターンさせた状態にすることができる。その結果、装置高さが1/2になることから、設置スペースを更に削減することができる。

尚、以上の説明では、昇降用案内部7における略中央位置のセンサー部30(図1参照。引用符号30aが該当する)を「第一の所定位置」に設定しているが、更に長尺なツイスト線102の製造を必要とする場合には、例えば図1の一番上のセンサー部30(引用符号30bが該当する)の位置を「第一の所定位置」に設定すればよい。これにより、特に図示しないが、更に長尺なツイスト線102を製造することができる。

この他、詳細な説明は省略するが、短尺なツイスト線102を製造する場合には、二本の電線101の一端103及び他端104を、例えば一端チャック部42及び右側のオプションチャック部13にてチャックし、その後、一端チャック部42を回転させて撚り合わせを行えばよい。尚、二本の電線101に線長差ΔL(図3参照)が生じている場合には、他端チャック部43の側を使用すればよい。

本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。

本発明のような線長差ΔLを吸収することに関しては、従来例のような横長タイプの製造装置にも適用することができるものとする。

1…ツイスト線製造装置、 2…電線昇降ユニット、 3…電線撚り合わせユニット、 4…制御ユニット、 5…フレーム、 6…昇降部、 7…昇降用案内部、 8…高速・低速昇降手段、 9…昇降部本体、 10…電線掛け部、 11…電線押さえ部、 12…テンション付加部、 13…オプションチャック部、 14…電線ガード、 15…上側本体、 16…下側本体、 17…前壁、 18…左側壁、 19…右側壁、 20…後壁、 21…ガイド凸部、 22…凹部、 23…載置部、 25…ガイド凹部、 27…昇降用シリンダ、 28…エア供給装置、 29…連結アーム、 30…センサー部、 31…遮光部、 32…遮光片、 33…センサー部、 34…ボックス、 35…電源装置、 36…信号線、 37…センサー本体、 38…発光部、 39…受光部、 40…空間、 41…取り付け部、 42…一端チャック部、 43…他端チャック部、 44…同方向回転部(チャック回転部)、 45…チャック上下位置変更手段、 46…モータ、 47…回転軸、 48…モータ固定部、 49…下降用シリンダ、 50…エア供給装置、 51…スライダレール、 52…制御部本体、 53…操作部、 54…テープ、 61…ベース部、 62…端子当接部、 63…チャック本体部、 64…ブロック形状部、 65…撚り防止部、 66…線長差吸収部、 67…ブロック回転軸部、 68…電線間挿入部、 101…電線、 102…ツイスト線、 103…一端、 104…他端、 105…中間、 106…Uターン部、 107…ツイスト部、 108…端子金具、109…中間撚り無し部、 110…一端側の端末撚り無し部、 111…他端側の端末撚り無し部、 TP…テープ巻き

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