ベルトプライ用の直線モノフィラメント

申请号 JP2016530386 申请日 2014-05-13 公开(公告)号 JP2016529150A 公开(公告)日 2016-09-23
申请人 エヌ. ヴイ. ベカルト エス. エイ.; エヌ. ヴイ. ベカルト エス. エイ.; 发明人 アイジュイン チャン; アイジュイン チャン;
摘要 【課題】空気式タイヤのベルトプライの補強のための直線鋼モノフィラメントであって、前記直線鋼モノフィラメントのアークハイトが、30mm未満であることを特徴とする、直線鋼モノフィラメントを提供すること。【解決手段】鋼モノフィラメントは、二重ねじり装置上で当該鋼モノフィラメントの軸に沿ってねじることによって塑性的に変形される。塑性的なねじり変形は、鋼モノフィラメント上の表面応 力 相違を解消し、ベルトプライ補強のための直線鋼モノフィラメントを提供する。本発明は、既存の装置を用いた簡単な解決策を提供して、タイヤ補強に適した直線鋼モノフィラメントを大量生産向けに高速で製造する。
权利要求

空気式タイヤのベルトプライの補強のための直線鋼モノフィラメントであって、前記直線鋼モノフィラメントのアークハイトが、30mm未満であることを特徴とする、直線鋼モノフィラメント。前記直線鋼モノフィラメントのアークハイトが、20mm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の直線鋼モノフィラメント。前記直線鋼モノフィラメントのアークハイトの中間値が、20mm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の直線鋼モノフィラメント。前記直線鋼モノフィラメントのアークハイトの中間値が、10mm未満であることを特徴とする、請求項3に記載の直線鋼モノフィラメント。前記直線鋼モノフィラメントのアークハイトの標準偏差が、3mm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の直線鋼モノフィラメント。前記直線鋼モノフィラメントのアークハイトの標準偏差が、2mm未満であることを特徴とする、請求項5に記載の直線鋼モノフィラメント。前記鋼モノフィラメントが、当該鋼フィラメント自体の軸の周りで塑性的にねじられており、それにより、表面ねじり度が作り出され、前記直線鋼モノフィラメントの前記表面ねじり角度が、0.5度から15度の間の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の直線鋼モノフィラメント。前記直線鋼モノフィラメントの前記表面ねじり角度が、1度から5度の間であることを特徴とする、請求項7に記載の直線鋼モノフィラメント。請求項1に記載の複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されることを特徴とする、空気式タイヤのベルトプライ。前記複数の平行な直線鋼モノフィラメントが、同じ方向にねじられ、前記ベルトプライ内に埋め込まれることを特徴とする、請求項9に記載の空気式タイヤのベルトプライ。前記複数の平行な直線鋼モノフィラメントが、異なる方向にねじられ、前記ベルトプライ内に交互に埋め込まれ、それにより、S字にねじられたモノフィラメントが、Z字にねじられたモノフィラメントと交互に位置し、またその逆で交互に位置することを特徴とする、請求項9に記載のベルトプライ。前記複数の平行な直線鋼モノフィラメントが、異なる方向にねじられ、S字にねじられたモノフィラメントは第1のグループを形成し、Z字にねじられたモノフィラメントは第2のグループを形成し、第1のグループは第2のグループと交互に位置し、またその逆で交互に位置することを特徴とする、請求項9に記載のベルトプライ。前記複数の平行な直線鋼モノフィラメントが、異なる方向にねじられ、グループを形成しており、各々のグループが、異なる方向にねじられたモノフィラメントを備えることを特徴とする、請求項9に記載のベルトプライ。請求項9から13に記載の少なくとも1つのベルトプライを備えることを特徴とする、空気式タイヤ。直線鋼モノフィラメントを製造するための方法であって、前記鋼モノフィラメントが、当該鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって塑性的に変形されることを特徴とする、方法。ねじりピッチと前記鋼モノフィラメントの直径の間の比Rが、7から240の間であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。前記ねじりピッチと前記鋼モノフィラメントの前記直径の間の比Rが、20から120の間であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。

说明书全文

本発明は、空気式タイヤ用のモノフィラメントに関し、より詳細には、空気式タイヤのベルトプライ補強のためのモノフィラメントに関する。本発明はまた、空気式タイヤ用のモノフィラメントを製造するためのプロセスないし方法に関する。

空気式タイヤは、通常、少なくとも1つのカーカスプライを備えるカーカス構造と、カーカス構造の径方向外側の位置にあるトレッドバンドと、カーカス構造とトレッドバンドの間に介在されたベルト構造とを備える。

従来技術の米国特許第4819705A号明細書は、馬低吸収性の自動車用の空気式タイヤを開示している。タイヤは、最大でも0.603mmの直径を有する金属コードが中に埋め込まれたゴム入り織物の2つの層を備える環状ベルト構造を有する。タイヤの断面上の径方向に面する2つのコードの中心間の径方向の相互距離は、1mmを超えない。金属コードは、一緒になってストランドになるようねじられた3つ、4つ、またはさらには5つの基本的なフィラメントでよく、各々のフィラメントは、0.12mmから0.25mmの直径を有する。金属コードの代替策として、上記で示された範囲内の直径を有する単一のねじられていない鋼モノフィラメントを使用することができる。

従来技術の米国特許第5858137A号明細書は、さらに、優れた取り扱い特性を維持するだけでなく、ベルトプライ内の許容できないフィラメントの破損がない優れた取り扱い特性を維持する空気式タイヤを開示している。空気式タイヤは、少なくとも2つのベルトプライを有し、その各々は、タイヤの赤道面に対して10度から30度の度で傾斜されたほぼ直線の鋼モノフィラメントの層を備える。鋼モノフィラメントは、1インチあたり25エンドから60エンドの範囲のエンド数で置かれ、各々のモノフィラメントは、0.25mmから0.40mmまでの直径と、Dがミリメートルのフィラメント直径である、少なくとも4080MPa−2000xDx95%の引っ張り強さと、3ロール曲げ疲労試験によって測定された少なくとも3500サイクルの疲労抵抗とを有する。

上記の用途に適したモノフィラメントの製造プロセスは、日本特許第3151118A号明細書または韓国特許第20080002263U号明細書に開示されたように、最初に鋼ロッドを所望のフィラメント直径まで延伸することと、次いで、フィラメントをローラ直線化装置を用いて直線化することとを含む。しかし、この製造プロセスは、フィラメント内における延伸プロセスでの残留曲げ応力により、複数の欠点を有する。第1に、ローラ直線化装置は、フィラメント内のすべての曲げ応力を解放することはできないので、完全な直線モノフィラメントを提供することに対して固有の限界を有する。第2に、フィラメント内の曲げ応力の変動により、ローラ直線化装置の微調整には時間がかかり、且つ、コストがかかる。第3に、直線化プロセスの結果は、大量生産におけるフィラメント内の曲げ応力の変動により、維持することができない。たとえばモノフィラメントの、ある部分は、直線状であるが、他の部分は範囲外である。

上記の従来技術は、モノフィラメント補強されたベルトプライを備える空気式タイヤを提供するが、モノフィラメントの真直度の均一性および整合性に関して依然として改良の余地がある。

本発明の目的は、従来技術の欠点を克服することである。

本発明の目的はまた、空気式タイヤ内のベルトプライ補強に適した直線鋼モノフィラメントを提供することである。

本発明のさらに別の目的は、真直度に関して改良された一貫性を備えた鋼モノフィラメントを得ることである。

本発明のさらに別の目的は、真直度が、大量生産において低減された標準偏差を有する鋼モノフィラメントを得ることである。

本発明のさらなる目的は、空気式タイヤ内のベルトプライ補強に適した直線鋼モノフィラメントを製造するための簡単なプロセスを提供することである。

本発明の1つの態様によれば、空気式タイヤにおけるベルトプライ補強用の直線鋼モノフィラメントは、直線鋼モノフィラメントのアークハイトが、30mm未満であり、好ましくは20mm未満であるという特性を有する。本発明の文脈では、用語「モノフィラメント」は、円形断面を備えた縦長の金属部分を指し、この金属部分は、他のフィラメントと共にねじられず、それ自体の軸周りでねじられ得る。

本発明の好ましい実施形態では、鋼モノフィラメントは、当該鋼フィラメント自体の軸周りで塑性的にねじられている。このねじりにより、鋼モノフィラメントは、ゼロではない表面ねじり角度を得る。好ましくは、直線鋼モノフィラメントの表面ねじり角度は、0.5度から15度の間、好ましくは1度から5度の間の範囲である。鋼モノフィラメントのねじりは、これが、曲げ応力における変動を取り去るという利点を有する。鋼モノフィラメントのねじりは、鋼モノフィラメントの長さにわたってほぼ一定であるため、鋼モノフィラメントは、応力においてそれほど大きな変動を示さず、故に、改良された一定の真直度を呈する。したがって、直線鋼モノフィラメントのアークハイトの中間値は、20mm未満であり、好ましくは10mm未満である。直線鋼モノフィラメントのアークハイトの標準偏差は、3mm未満であり、好ましくは2mm未満である。

本発明の別の態様によれば、空気式タイヤのベルトプライは、30mm未満のアークハイトを有する複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強される。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントは、異なる方向にねじられてもよく、ベルトプライ内に交互に埋め込まれてもよく、それにより、S字にねじられたモノフィラメントは、Z字にねじられたフィラメントと交互に位置し、またその逆で交互に位置する。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントは、異なる方向にねじられてもよく、ベルトプライ内に別個のグループを形成することができる。グループの1つのタイプは、S字にねじられたモノフィラメントのみを含むことができ、グループの別のタイプは、Z字にねじられたモノフィラメントのみを含むことができる。S字にねじられたモノフィラメントを備えたグループは、Z字にねじられたモノフィラメントを備えたグループと交互にされ得る。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントは、異なる方向にねじられてもよく、ベルトプライ内に別個のグループを形成することができる。各々のグループは、S字にねじられたモノフィラメントおよびZ字にねじられたモノフィラメントの両方を含むことができる。

本発明の別の態様によれば、空気式タイヤは、30mm未満のアークハイトを有する複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライを備える。

本発明のさらに別の態様によれば、直線鋼モノフィラメントを製造するための方法は、鋼モノフィラメントの軸に沿ってねじることによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させることである。ねじりピッチと鋼モノフィラメントの直径の間の比Rは、7から240の間、好ましくは20から120の間の範囲になり得る。

鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させるためのプロセスおよび装置の概略図である。

鋼モノフィラメントのねじり方向の概略図である。

鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させるためのプロセスおよび装置の概略図である。

鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させるためのプロセスおよび装置の概略図である。

鋼モノフィラメントのそれぞれの軸に沿ったねじりによって2つの鋼モノフィラメントを塑性的に変形させ、異なる方向にねじられた2つのフィラメントを1つのスプール上に巻き付けるためのプロセスおよび装置の概略図である。

鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させ、同じ方向にねじられた複数のフィラメントを1つのスプール上に巻き付けるためのプロセスおよび装置の概略図である。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの概略断面図である。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの概略断面図であって、鋼モノフィラメントが同じ方向にねじられている概略断面図である。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの概略断面図であって、鋼モノフィラメントが、同じ方向にねじられ、グループ化されてベルトプライ内に埋め込まれている概略断面図である。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの概略断面図であって、鋼モノフィラメントが。異なる方向にねじられ、ベルトプライ内に交互に埋め込まれている概略断面図である。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの概略断面図であって、鋼モノフィラメントが、異なる方向にねじられ、グループ内に交互に置かれてベルトプライ内に埋め込まれている概略断面図である。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの概略断面図であって、鋼モノフィラメントが、異なる方向にねじられ、グループ内に交互に置かれてベルトプライ内に埋め込まれている概略断面図である。

複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの概略断面図であって、鋼モノフィラメントが、グループ化され、異なる方向にねじられ、異なる方向を有するモノフィラメントのグループが、ベルトプライ内に交互に埋め込まれている概略断面図である。

鋼モノフィラメントのアークハイトを測定するための方法および試験装置の概略図である。

鋼モノフィラメントの表面ねじり角度を測定するための方法の概略図である。

図1は、鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させるためのプロセスおよび装置を概略的に示す。装置は、従来技術の英国特許第2098251A号明細書に開示されたような鋼コードを製造するための二重ねじり装置2である。二重ねじり装置は、しばしば、「バンチャー(buncher)」とも称される。二重ねじり装置2は、離間して設定され対向している2つのトーションディスク15を備える。2つのトーションディスク15上には、プーリ14、18、24、28が設置される。2つのフライヤ16および26が、2つのトーションディスク15のリムに連結される。第1のフィラメント10は、第1のスプール12から延伸され、プーリ13、14上を進み、さらにフライヤ16およびプーリ18上を進み、最後にスプール19上に巻き付けられる。第2のフィラメント20は、第2のスプール22から延伸され、プーリ23、24上を進み、さらにフライヤ26およびプーリ28上を進み、最後にスプール29上に巻き付けられる。第1のスプール12および第2のスプール22の両方は、二重ねじり装置2のロータの内側に固定式に装着される。フライヤ16、プーリ14、およびプーリ18は、第1のフィラメント10のための回転する部分を構成する。作動において、フライヤ16が1回転したとき、第1のフィラメント10には、フライヤ16と同じ回転方向に2回のねじりが与えられ、1つ目はプーリ14の前の位置であり、2つ目はプーリ18の後の位置である。フィラメントのねじり方向は、ねじり位置において回転する側から固定側を見ることによって規定される。回転する部分が時計回り方向に回転しているとき、これはS字方向である。たとえば、プーリ14の前のねじり位置では、見る方向は、回転する側、プーリ14から固定側、プーリ13である。プーリ14およびフライヤ16の回転方向が、時計回り方向である場合、これはS字方向である。プーリ18後のねじり位置では、見る方向は、回転する側、プーリ18から固定側、スプール19である。プーリ18およびフライヤ16の回転する方向が、時計回り方向である場合、これはS字方向と呼ばれる。同様に、フライヤ26、プーリ24、およびプーリ28は、第2のフィラメント20のための回転する部分を構成する。フィラメント20に関して見る方向は、フィラメント10のものと異なるので、フィラメント10およびフィラメント20は反対方向にねじられる。したがって、スプール19上のフィラメント10はスプール29上のフィラメント20に対して反対方向に塑性的にねじられる。

図1Aは、鋼モノフィラメントのねじり方向を概略的に示す。鋼モノフィラメントの表面上の黄銅コーティングが、化学的に除去されたとき、鋼モノフィラメントの表面上の薄い溝の形態である延伸線が、鋼モノフィラメントのねじれ方向を表す。拡大された図では、フィラメント10のセグメントは、目に対して垂直な方向に平面上に置かれ、フィラメント10の表面上の延伸線25は、左上から右下まで延びる。フィラメント10はS方向にあると呼ばれる。比較すると、フィラメント20の表面上の延伸線25は、右上から左下まで延びる。フィラメント20はZ方向にあると呼ばれる。 図1に示されるプロセスは、2つの利点を有し、第1に、フライヤの各々の回転により、2つの回転またはねじりがフィラメントに与えられる。第2に、2つの鋼フィラメントは、別個にかつ同時にねじられる。1つの供給スプールおよび巻き上げのための1つのスプールを備えた単一のねじり装置と比較して、4倍の出力が存在する。 図1のプロセスの結果は、本発明に係る直線鋼モノフィラメントをこん包ないしパッキングする第1の形態であり、各々のスプールは、1回ねじられた直線鋼モノフィラメントを含む。

図1Bは、鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させるためのプロセスおよび装置を概略的に示す。二重ねじり装置2は、図1に示されるのとほぼ同じであるが、2つのトーションディスク15のリムに連結されたフライヤ16および26が除去されている点が異なる。この場合、第1のフィラメント10は、第1のスプール12から延伸され、プーリ13、14、一方の側のトーションディスク15のリム、他方の側のトーションディスク15のリム、プーリ18上を進み、最後にスプール19上に巻き付けられる。第2のフィラメント20は、第2のスプール22から延伸され、プーリ23、24、一方の側のトーションディスク15のリム、他方の側のトーションディスク15のリム、プーリ28上を進み、最後にスプール29上に巻き付けられる。フィラメント10および20は、図1に示されるものに類似する経路を通り抜けるため、スプール19上のフィラメント10は、スプール29上のフィラメント20に対して反対方向に塑性的にねじられる。

図1Cは、鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させるためのプロセスおよび装置を概略的に示す。二重ねじり装置2は、図1に示されるものに類似しているが、モノフィラメント10が装置2の外側から供給され、仕上げられたモノフィラメント10が、装置2の内側でピックアップシステム(図示せず)によって駆動されるスプール19上に巻き付けられる点が異なる。装置2の内側の限定された空間のため、図1Cに示されるようなピックアップシステムの1つの組のみが存在し得る。この場合、第1のフィラメント10は、第1のスプール12から延伸され、プーリ17、18上を進み、さらにフライヤ16およびプーリ14、13上を進み、最後にスプール19上に巻き付けられる。

図2は、鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させ、異なる方向にねじられた2つのフィラメントを1つのスプール上に巻き付けるためのプロセスおよび装置を概略的に示す。フィラメント10および20、ならびに二重ねじり装置2は、図1に示されるものと同じである。第2のフィラメント20が、第1のフィラメント10と同じスプール19上に巻き付けられるように一連のプーリ21に誘導される点が異なる。フィラメント10のねじり方向は、フィラメント20のものと異なるため、スプール19は、従来技術の国際公開第03/076342A1号パンフレットにしたがって密接に一緒に巻き付けられた、異なるねじり方向を有する2つのフィラメントで充填される。 図2のプロセスの結果は、本発明に係る直線鋼モノフィラメントをパッキングする第2の形態であり、各々のスプールは、一方はS字にねじられたもの、他方はZ字にねじられたものである2つのねじられた直線鋼フィラメントを含む。

図3は、鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって鋼モノフィラメントを塑性的に変形させ、同じ方向にねじられた複数のフィラメントを1つのスプール上に巻き付けるためのプロセスおよび装置を概略的に示す。フィラメント10および20、ならびに二重ねじり装置2は、図1に示されるものと同じである。複数の二重ねじり装置2が、平行に配置され、同じ方向に回転する点が異なる。1つのねじり方向にねじられたすべてのフィラメント10は、スプール19上に巻き付けられるように一連のプーリ31によって誘導され、一方で反対方向にねじられたすべてのフィラメント20は、プーリ32上で誘導され、スプール29上に巻き付けられる。フィラメントは、従来技術の国際公開第03/076342A1号パンフレットにしたがって密接に一緒にスプール上に巻き付けられ得る。同じねじり方向を有する複数の鋼モノフィラメントが、1つのスプール上に巻き付けられることが可能であるため、スプールの充填速度は倍単位に増大され、これはまた、ベルトプライ形成プロセスにおけるカレンダー工程の空間を節約するのにも役立つ。 図3に示されるプロセスは、本発明に係る直線モノフィラメントのパッキングの第3の形態を生じさせ、各々のスプールは、同じ方向、すなわちすべてS字またはすべてZ字にねじられた複数の直線モノフィラメントを含む。

プロセスおよび装置(図示せず)におけるさらなる改良は、図3の平行な二重ねじり装置2および図2の一連のプーリ21を組み合わせ、互いの隣に交互に配設された、異なるねじり方向を有する複数の鋼モノフィラメントで、スプール19を充填することである。

図4は、複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの断面図を概略的に示す。ベルトプライ40は、複数の平行な鋼モノフィラメント42によって補強される。この実施形態では、モノフィラメントのねじり方向に関して区別がなされないため、図1、2、および3に示されたプロセスからのスプールはすべて、この用途に適する。

図5は、複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの断面図を概略的に示し、この場合、鋼モノフィラメントは同じ方向にねじられる。ベルトプライ50は、複数の平行な直線鋼モノフィラメント52によって補強され、鋼モノフィラメント52は、同じ方向にねじられる。鋼モノフィラメント52は、図1のスプールによって供給可能であり、この場合、スプールは、同じねじり方向を有する鋼モノフィラメント52を含む。カレンダー空間を節約するために、同じねじり方向を有する鋼モノフィラメント52は、図3のスプールによって供給可能であり、この場合、スプールは、同じねじり方向を有する複数の鋼モノフィラメント52を含む。

図5Aは、複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの断面図を概略的に示し、この場合、鋼モノフィラメントは、同じ方向にねじられ、グループ化されてベルトプライ内に埋め込まれる。ベルトプライ50は、複数の平行な直線鋼モノフィラメント52によって補強され、鋼モノフィラメント52は、同じ方向にねじられる。2つの鋼モノフィラメント52ごと一グループとして、さらに一緒にグループ化されてベルトプライ50内に埋め込まれる。同じねじり方向を有する鋼モノフィラメント52は、図3のスプールによって供給可能であり、この場合、スプールは、同じねじり方向を有する複数の鋼モノフィラメント52を含む。

図6は、複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの断面図を概略的に示し、この場合、鋼モノフィラメントは、異なる方向にねじられ、ベルトプライ内に交互に埋め込まれる。ベルトプライ60は、複数の平行な直線鋼モノフィラメント62および64によって補強される。鋼モノフィラメント62および64は、異なる方向に塑性的にねじられ、ベルトプライ60内に交互に埋め込まれる。たとえば、S字にねじられた鋼モノフィラメント62は、Z字にねじられたモノフィラメント64と交互に位置し、またその逆で交互に位置する。

図7および図7Aは、複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの断面図を概略的に示し、この場合、鋼モノフィラメントは異なる方向にねじられ、グループ化されてベルトプライ内に埋め込まれる。ベルトプライ70は、複数の平行な鋼モノフィラメント72および74によって補強される。鋼モノフィラメント72および74は、異なる方向にねじられ、グループ化されてベルトプライ70内に埋め込まれる。たとえば、S字にねじられた鋼モノフィラメント72は、Z字にねじられたモノフィラメント74と交互に位置し、またその逆で交互に位置する。

図8は、複数の平行な直線鋼モノフィラメントによって補強されたベルトプライの断面図を概略的に示し、この場合、鋼モノフィラメントは、グループ化され、異なる方向にねじられ、異なる方向を有するモノフィラメントのグループは、ベルトプライ内に交互に埋め込まれる。ベルトプライ80は、複数の平行な直線鋼モノフィラメント82および84によって補強される。鋼モノフィラメント82および84は、異なる方向にねじられ、鋼モノフィラメント82のグループおよび鋼モノフィラメント84のグループは、ベルトプライ80内に交互に埋め込まれる。たとえば、S字にねじられた鋼モノフィラメント82のグループは、Z字にねじられた鋼モノフィラメント84のグループと交互に位置し、またその逆で交互に位置する。

通常、本発明からの鋼モノフィラメントは、真直度に関して良好な品質を有し、アークハイトが低減され、真直度のレベルは、鋼モノフィラメントの長さにわたって、およびさまざまな異なる鋼モノフィラメントにわたってより一貫性があり、一定である。これは、塑性的ねじり変形が、表面応力上の相違を解消し、それにより、鋼モノフィラメントのアークハイトが、ベルトプライ補強に適した範囲、すなわち30mmを下回る範囲内に保たれ得るためにそのようになる。したがって、鋼モノフィラメントのねじり方向の相違が、ベルトプライ製作プロセスにおいてカレンダー作用の品質問題を生じさせることはない。しかし、安全策をとるために、2つの理由により、上記で述べられた手法を使用してベルトプライ内に鋼モノフィラメントを配置することが推奨される。第1に、異なるねじり方向を有する鋼モノフィラメントは、さらに、鋼モノフィラメント上の表面応力の相違からのベルトプライに対する影響を中和してプロセスまたは品質の問題を回避することができる。第2に、複数の鋼モノフィラメントを、図2および3に開示されたようにグループ化し、1つのスプール上に巻き付けてカレンダー工程の空間および設定時間を節約することができるが、その理由は、使用されるスプールが少ないためである。一方で、より多くの鋼モノフィラメントを同じ幅を有するベルトプライ内に埋め込んでベルトプライの強度を増大させることができるが、その理由は、同じグループ内のモノフィラメント間の空隙が、通常、図4、5、および6に示されるような均一に分配されるものと比べて小さいためである。

アークハイトは、規定された「コード長さ」上の「アークハイト」を測定することによって、鋼モノフィラメントの真直度からの偏差を検証するためのパラメータである。図9は、鋼モノフィラメントのアークハイトを測定するための方法および装置を概略的に示す。試験装置90は、ボード92を備え、ボード92上には、2つのピン94が、ピンの中心で測定して300mm離間されて設定されており、スケール「0」を有する2つのピン94の中間にある1つのスケール96は、2つのピン94の接線と合致する。試験方法は、最初に、鋼モノフィラメントの検査サンプル98を40cmから45cmの間で切断するステップと、第2に、検査サンプル98をボード92上に置き、検査サンプル98を2つのピン94に向かって押し出すステップと、最後に、検査サンプル98が2つのピン94に接触したときのアークの最も高い点においてスケール96上の数字を読み取るステップとを含む。検査サンプル98のアークの最も高い点におけるスケール96上の数字は、鋼モノフィラメントのアークハイトである。場合によっては、鋼モノフィラメント上の表面応力の大きな相違により、検査サンプルは、300mm未満の直径を有する円になるようにカールすることがある。このような種類の場合、鋼モノフィラメントのアークハイトは、150mmを上回る。留意される別の状況は、スプールフランジ上でフィラメントを巻き出す際、捻転またはねじりが、スプールが固定されている場合にフィラメント上に作り出される。フィラメントの360度の巻き出しにつき1つのねじりが存在する。その結果、充填スプールでは、ほとんど空のスプールのものより少ないねじりが存在し、その理由は、360度の巻き出しを行うために必要とされるフィラメントの長さは、空のスプールより充填スプールの方が大きいためである。クライスラー コーポレーション(Chrysler Corporation)、フォード モーター カンパニー(Ford Motor Company)およびゼネラル モーターズ コーポレーション(General Motors Corporation)による統計的工程管理(Statistical Process Control)(SPC)参照マニュアルは、サンプリングし、アークハイトの中間値および標準偏差を算出する方法の指針を提供している。

表面ねじり角度は、鋼ワイヤの軸に対して鋼ワイヤ上の延伸線によって形成された角度である。鋼ワイヤの延伸線は、延伸プロセスに起因して不完全であり、たとえば、延伸後の鋼ワイヤの表面上の薄い溝の形態をなしている。 表面ねじり角度パラメータは、鋼モノフィラメントの塑性的ねじり変形を特徴付けるためのものである。図10は、鋼モノフィラメントの表面ねじり角度を測定するための方法を概略的に示す。第1に、鋼モノフィラメントの黄銅コーティングが、鋼モノフィラメントの表面上の湿潤延伸プロセスからの傷を露出させるために除去されなければならない。黄銅コーティングを除去するための1リットルの剥がし溶液の調製は、16グラムの(NH4)2S2O8を量り600mlのビーカーに入れ、400mlの脱塩中に溶解させるステップと、1リットル容積フラスコに定量的に移すステップと、120mlのNH3Od=0.91を加えるステップと、脱塩水でマークまで満たすステップと、よく振るステップとを含む。試験サンプルを準備するプロセスは、鋼モノフィラメントのサンプルを約50mmの長さで切断するステップと、サンプルを剥がし容液中5分間溶解させて黄銅コーティングを除去するステップと、次のステップのためにサンプルを乾燥させるステップとを含む。第2に、サンプルの写真が、500倍率の走査型電子顕微鏡上でとられる。写真内では、約500μm×400μmのサイズの場合、サンプルは中心に位置しなければならず、サンプルの縁は写真の縁と平行にならなければならない。第3に、表面ねじり角度は、オリンパス ソフトイメージング ソリューションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング(Olympus SoftImaging Solutions GmbH)による画像処理ソフトウェア、アナリシス(analySIS) バージョン5.1(著作権1986年〜2009年)を用いて写真上で測定される。図10は、表面ねじり角度の測定を概略的に示す。プロセスは、以下のステップ、すなわち最初に機能ボタン「矩形」を用いて写真100上に矩形102を描くステップと、約400μmの長さの線104が、サンプル101の中央領域、すなわちサンプル101の中心線からサンプル101の直径の+−20%内に位置することを確実にするステップとを含む。線104は、常に、写真100の縁と平行であり、サンプルの縁103は、写真の縁と平行であるため、線104は、サンプルの縁103およびサンプル101の中心線(図示せず)に対して平行である。第2に、機能ボタン「4点角度」を用いてサンプル101の中心領域内に描いた線の1つに一致する直線106を描き、線104に一致する直線108を描くことにより、表面ねじり角度を測定し、ソフトウェアは、直線106と直線108の間の鋭角Aの評価を与え、これが、鋼モノフィラメントの表面ねじり角度である。

ゴム補強のための鋼モノフィラメントの一般的な鋼組成は、0.65%の最小炭素含有量、0.40%から0.70%の範囲であるマンガン含有量、0.15%から0.30%の範囲であるシリコン含有量、0.03%の最大硫黄含有量、0.30%の最大リン含有量を有し、すべての割合は、重量パーセントである。銅、ニッケルおよび/またはクロムなどの元素は、最大0.4重量%まで変動する微量および量で存在し得る。高い引っ張り性の鋼モノフィラメントのための一般的な鋼組成は、約0.80重量%の最小炭素含有量、たとえば0.78〜0.82重量%を有する。

鋼モノフィラメントは、上記の組成を備えたワイヤロッドから、次のステップにしたがって製造される。ワイヤロッドは、表面上に存在する酸素を除去するために、最初に、機械的スケール除去によって、および/またはH2SO4またはHCl溶液中の化学ピクリングによって洗浄される。ワイヤロッドは、次いで、水で濯がれ乾燥される。乾燥されたワイヤロッドは、次いで、元の直径、たとえば約5.5mmから8mmを第1の中間直径まで低減するために、第1の一連の乾燥延伸工程にかけられる。

たとえば約3.0mmから3.5mmのこの第1の中間直径d1において、乾燥延伸された鋼モノフィラメントは、パテンティングと呼ばれる第1の中間熱処理にかけられる。パテンティングは、最初に、約1000℃の温度までオーステナイト化し、その後約600℃〜650℃の温度においてオーステナイトからパーライトへの変態段階が続くことを意味する。鋼モノフィラメントは、次いで、さらなる機械的変質のために待機する。

その後、鋼モノフィラメントは、第1の中間直径d1から、直径低減ステップの第2の数の第2の中間直径d2までさらに乾燥延伸される。第2の直径d2は、通常、1.0mmから2.5mmの範囲である。

この第2の中間直径d2において、鋼モノフィラメントは、第2のパテンティング処理にかけられ、すなわち約1000℃の温度で再度オーステナイト化し、その後、600℃〜650℃の温度に急冷して、オーステナイトからパーライトへの変態を可能にする。

第1および第2の乾燥延伸ステップにおける合計低減が、それほど大きくない場合、直接延伸工程が、モノフィラメントロッドから直径d2まで行われ得る。

この第2のパテンティング処理後、鋼モノフィラメントには、通常、黄銅コーティングが設けられ、すなわち銅が鋼モノフィラメント上にめっきされ、亜鉛が銅上にめっきされる。熱拡散処理が施されて黄銅コーティングを形成する。

黄銅コーティングされた鋼モノフィラメントは、次いで、湿潤延伸機による最後の一連の断面低減にかけられる。最終生成物は、0.60重量パーセントを上回る炭素含有量、通常は2000MPaを上回る引っ張り強さを有し、エラストマー生成物の補強に適応した鋼モノフィラメントである。

ゴム補強に適合した鋼モノフィラメントは、通常、0.05mmから0.60mm、たとえば0.10mmから0.40mmの範囲である最終直径を有する。モノフィラメント直径の例は、0.10mm、0.12mm、0.15mm、0.175mm、0.18mm、0.20mm、0.22mm、0.245mm、0.28mm、0.30mm、0.32mm、0.35mm、0.38mm、0.40mmである。

鋼モノフィラメントは、さらに、図1、図2、または図3によって示されたプロセスにしたがって、前記装置上で処理されて、鋼モノフィラメントの軸に沿ったねじりによって塑性的に変形される。

異なるプロセスからの鋼モノフィラメント上のアークハイトおよび表面ねじり角度に対する比較試験は、以下のデータを開示する。

「WWD」は、鋼モノフィラメントが、いかなる直線化プロセスも有さずに湿潤延伸プロセスから仕上げられることを意味し、この場合、鋼モノフィラメントのアークハイトは、湿潤ワイヤ延伸プロセスからのモノフィラメントの不均一な表面応力により常に50mmを上回り、表面ねじり角度は、鋼モノフィラメントがいかなる塑性的ねじり変形も有さないために該当しない。「WWD+ローラ直線化装置」は、鋼モノフィラメントが、最初に湿潤延伸プロセスで仕上げられ、第2に、ローラ直線化装置によって直線化されることを意味し、この場合、鋼モノフィラメントのアークハイトは、30mmから40mmの間であり、その理由は、ローラ間の連続的な曲げが、モノフィラメントのいくらかの表面応力を解放するためであり、表面ねじり角度は、鋼モノフィラメントが、いかなる塑性的ねじり変形も有さないために該当しない。「WWD+塑性的ねじり変形」は、鋼モノフィラメントが、第1に湿潤延伸プロセスで仕上げられ、第2に、本発明によって開示されたように塑性的ねじり変形によって直線化されることを意味し、この場合、鋼モノフィラメントのアークハイトは、30mm未満であり、その理由は、塑性的ねじり変形が、鋼モノフィラメントの表面応力の相違を制御するためであり、表面ねじり角度は、1から5度の間である。本発明に係る鋼モノフィラメントのアークハイトは、30mm未満であり、これは、空気式タイヤのベルトプライ補強に適している。

異なるプロセスからの直線鋼モノフィラメントのアークハイトについての4セットの試験もまた、本発明が、直線鋼モノフィラメントのアークハイトを制御する上で安定的であることを確認する。

上記の試験では、「WWD+ローラ直線化装置」プロセスからの鋼モノフィラメントの、ある部分のアークハイトは、30mm未満になり得るが、同じ鋼モノフィラメント上には、アークハイトが30mmを上回る部分が常に存在しており、その理由は、ローラ直線化装置は、フィラメント上のすべての表面応力を解放することはできず、アークハイトの標準偏差は7mmの大きさであるためである。対照的に、本発明の「WWD+塑性的ねじり変形」は、鋼モノフィラメントの長さにわたって一定のねじりを提供し、それによって、応力の変動をかなり低減し、故に、1.5mmの小ささのアークハイトの標準偏差を有する改良された一定の真直度を呈する。

ねじられていない鋼モノフィラメントの真直度は、鋼モノフィラメント上の表面応力の分布によって決まる。通常、湿潤延伸プロセスからのモノフィラメントは、大きいアークハイトを有し、その理由は、鋼モノフィラメント上の表面応力が、不均一に分布し、すなわち一方の側の表面応力は、他方の反対側のものより高く、鋼モノフィラメントは、アーク形態にカールして表面応力の相違を反映させるためである。ローラ直線化装置は、連続的な曲げによって表面応力の相違を部分的に解消することができる。したがって、「WWD+ローラ直線化装置」からの鋼モノフィラメントのアークハイトは、「WWD」からのものより低い。しかし、ローラ直線化装置は、その限界を有する。第1に、ローラ直線化装置は、フィラメント上のすべての表面応力を解放することはできないので、完全な直線モノフィラメントを提供することに対して限界がある。第2に、ローラ直線化装置の微調整は、時間がかかり、フィラメント内の曲げ応力の変動によりコストがかかる。第3に、直線化プロセスの結果は、大量生産におけるフィラメント内の曲げ応力の変動により、維持することができない。たとえば、モノフィラメントの、ある部分は直線であるが、他の部分は範囲外である。本発明は、塑性的ねじり変形を使用して表面応力を根本的に変更し、鋼モノフィラメント上の表面応力の相違を許容範囲に制御し、またはさらには解消し、最終的には、30mm未満のアークハイトを有する直線鋼モノフィラメントを提供する。タイヤ補強のための鋼モノフィラメントの他の特性、たとえば引っ張り強さおよび疲労を弱体化させることなく、真直度の良好な結果を維持するために、塑性的ねじり変形には限界が存在する。表面ねじり角度は、表面応力の相違を制御し、30mm未満のアークハイトを有する直線鋼モノフィラメントを提供するのに十分な塑性的ねじり変形が鋼モノフィラメント上に存在することを確実にするために、0.5°を上回り、好ましくは1度を上回らなければならない。他方では、表面ねじり角度は、塑性的ねじり変形が、最終的に、タイヤ補強のための鋼モノフィラメントの他の特性、たとえば引っ張り強さおよび疲労を弱体化させないことを確実にするために、15度未満、好ましくは5度未満でなければならない。その結果、ねじりピッチと鋼モノフィラメントの直径の間の比Rは、7から240の間、好ましくは20から120の間の範囲になる。1つの実施形態では、0.30mmの直径を有する鋼モノフィラメントは、図1に示されるような二重ねじり装置2上で、ねじりピッチ20mmで塑性的にねじられる。装置2のロータが、1分間あたり6000回転の速度で回転するとき、鋼モノフィラメントのプロセス速度は、1分間あたり240メートルである。従来技術と比較して、本発明は、既存の装置を用いた簡単な解決策を提供して、タイヤ補強に適した直線鋼モノフィラメントを大量生産向けに高速で製造する。

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