タンパク質凝集防止剤

申请号 JP2017517957 申请日 2016-05-10 公开(公告)号 JPWO2016181975A1 公开(公告)日 2018-03-15
申请人 大阪有機化学工業株式会社; 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学; 发明人 松村 和明; ロビン ラジャン; 古川 剛; 前原 賢太郎; 猿渡 欣幸;
摘要 タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性が低下することを抑制することができるタンパク質凝集防止剤であって、式(I):(式中、R1は 水 素 原子 またはメチル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1〜4のアルキレン基、Xは−NH−基または−O−基を示す)で表わされるスルホベタインモノマーを含有するモノマー成分を重合させてなるスルホベタインポリマーを含有することを特徴とする。
权利要求

タンパク質の凝集を防止するために用いられるタンパク質凝集防止剤であって、式(I): (式中、R1は原子またはメチル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1〜4のアルキレン基、Xは−NH−基または−O−基を示す) で表わされるスルホベタインモノマーを含有するモノマー成分を重合させてなるスルホベタインポリマーを含有することを特徴とするタンパク質凝集防止剤。

说明书全文

本発明は、タンパク質凝集防止剤に関する。本発明のタンパク質凝集防止剤は、タンパク質が加熱されたときでもタンパク質が凝集することを効果的に防止することができることから、例えば、酵素の保存剤、抗体医薬、体内のアミロイド凝集抑制剤などの種々のタンパク質の凝集防止が望まれる用途に使用することが期待されるものである。

酸性条件下でのタンパク質の凝集を防止することができるタンパク質凝集防止剤として、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルおよびポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含むタンパク質凝集防止剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

前記タンパク質凝集防止剤は、界面活性剤が使用されていることから、酸性条件下である程度のタンパク質の凝集を抑制することができる。

しかし、例えば、鶏卵の卵黄および卵白などのタンパク質は、一般に熱に弱く、加熱によって容易に凝集するという性質を有するが、前記タンパク質凝集防止剤を用いてもタンパク質の加熱による凝集を十分に抑制することができない。

特開2006−343201号公報

本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性が低下することを抑制することができるタンパク質凝集防止剤を提供することを課題とする。

本発明は、タンパク質の凝集を防止するために用いられるタンパク質凝集防止剤であって、式(I):

(式中、R1原子またはメチル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1〜4のアルキレン基、Xは−NH−基または−O−基を示す) で表わされるスルホベタインモノマーを含有するモノマー成分を重合させてなるスルホベタインポリマーを含有することを特徴とするタンパク質凝集防止剤に関する。

本発明のタンパク質凝集防止剤によれば、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性が低下することを抑制することができるという優れた効果が奏される。

本発明のタンパク質凝集防止剤は、前記したように、タンパク質の凝集を防止するために用いられるタンパク質凝集防止剤であり、式(I):

(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、R4は炭素数1〜4のアルキレン基、Xは−NH−基または−O−基を示す) で表わされるスルホベタインモノマーを含有するモノマー成分を重合させてなるスルホベタインポリマーを含有することを特徴とする。

式(I)で表わされるスルホベタインモノマーにおいて、R1は、水素原子またはメチル基である。

R2は、炭素数1〜4のアルキレン基である。炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基が挙げられる。これらの基のなかでは、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から、メチレン基、エチレン基およびプロピレン基が好ましい。

R3は、炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基が挙げられる。これらの基のなかでは、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から、メチル基、エチル基およびプロピル基が好ましく、メチル基およびエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。

R4は、炭素数1〜4のアルキレン基である。炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基が挙げられる。これらの基のなかでは、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から、メチレン基、エチレン基およびプロピレン基が好ましい。

Xは、−NH−基または−O−基である。これらの基のなかでは、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から、−NH−基が好ましい。

式(I)で表わされるスルホベタインモノマーとしては、例えば、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネートなどの3−[(3−(メタ)アクリルアミドアルキル)ジアルキルアンモニオ]アルカン−1−スルホネート;

3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]エタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−アクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネート、3−[(3−メタクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]ブタン−1−スルホネートなどの3−[(3−(メタ)アクリロイルオキシアルキル)ジアルキルアンモニオ]アルカン−1−スルホネートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのスルホベタインモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

なお、本発明において、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを意味し、アクリルアミドおよびメタクリルアミドは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味し、アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、アクリレートおよびメタクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。また、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、アクリル酸およびメタクリル酸は、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。

モノマー成分における式(I)で表わされるスルホベタインモノマーの含有率は、本発明のタンパク質凝集防止剤の用途によって異なるので一概には決定することができないが、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、その上限値は100質量%である。したがって、本発明のタンパク質凝集防止剤に用いられるスルホベタインポリマーは、式(I)で表わされるスルホベタインモノマーの単独重合体であってもよい。

本発明においては、モノマー成分には、式(I)で表わされるスルホベタインモノマー以外のモノマーとして、水溶性モノマーを用いることができる。

水溶性モノマーは、25℃の水100gに対して50g以上の量で溶解する性質を有するモノマーを意味する。水溶性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリルモルホリド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水溶性モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの水溶性モノマーのなかでは、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンおよび(メタ)アクリロニトリルが好ましく、(メタ)アクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンがより好ましい。

モノマー成分における水溶性モノマーの含有率は、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下であり、その下限値は0質量%である。

なお、モノマー成分には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、水不溶性モノマーが含まれていてもよい。水不溶性モノマーは、25℃の水100gに対して50g未満の量で溶解する性質を有するモノマーを意味する。

水不溶性モノマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ基含有(メタ)アクリレート、脂環基含有(メタ)アクリレート、アリール基含有(メタ)アクリレート、アリール基含有(メタ)アクリレート以外の芳香族系モノマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水不溶性モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルキル(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

アルコキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルコキシ基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

脂環基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの脂環基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

アリール基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの炭素数6〜15のアリール基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアリール基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

アリール基含有(メタ)アクリレート以外の芳香族系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの芳香族系モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

モノマー成分を重合させる方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合法のなかでは、溶液重合法が好ましい。

モノマー成分を溶液重合法によって重合させる場合には、例えば、モノマー成分を水性溶媒に溶解させ、得られた溶液を攪拌しながら重合開始剤を当該溶液に添加することによってモノマー成分を重合させることができるほか、重合開始剤を水性溶媒に溶解させ、得られた溶液を撹拌しながらモノマー成分を当該溶液に添加することによってモノマー成分を重合させることができる。

水性溶媒は、水または水と水以外の親水性有機溶媒との混合溶媒である。水性溶媒における水の含有率は、通常、50質量%以上であり、その上限値は100質量%である。

親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの炭素数が1〜4の1価の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライムなどのエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド;ジメチルスルホキシド、スルホランなどのイオウ含有有機溶媒などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの親水性有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの親水性有機溶媒のなかでは、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から、炭素数が1〜4の1価の脂肪族アルコールが好ましく、メチルアルコール、エチルアルコールおよびプロピルアルコールがより好ましく、メチルアルコールおよびエチルアルコールがさらに好ましい。

水性溶媒の量は、特に限定されないが、通常、モノマー成分100質量部あたり、50〜400質量部であることが好ましく、100〜350質量部であることがより好ましい。

モノマー成分を重合させる際には、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾイソブチロニトリル、アゾイソ酪酸メチル、アゾビスジメチルバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ベンゾフェノン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、ベンゾケトン誘導体、フェニルチオエーテル誘導体、アジド誘導体、ジアゾ誘導体、ジスルフィド誘導体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。重合開始剤の量は、特に限定されないが、通常、モノマー成分100質量部あたり0.05〜20質量部程度であることが好ましい。

また、本発明においては、モノマー成分を重合させる際には、分子量を調整するために連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤は、通常、モノマー成分と混合することによって用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)プロピオン酸、メチル2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオネート、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸3−アジド−1−プロパノールエステル、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸ペンタフルオロフェニルエステル、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリセロールなどのメルカプタン基含有化合物、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの無機塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。連鎖移動剤の量は、特に限定されないが、通常、モノマー成分100質量部あたり0.01〜10質量部程度であればよい。

モノマー成分を重合させる際の重合反応温度および雰囲気については、特に限定がない。通常、重合反応温度は、50〜120℃程度である。重合反応時の雰囲気は、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気であることが好ましい。また、モノマー成分の重合反応時間は、重合反応温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、3〜20時間程度である。

以上のようにしてモノマー成分を重合させることにより、スルホベタインポリマーが得られる。

スルホベタインポリマーの重量平均分子量は、タンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制する観点から、好ましくは3000〜10万、より好ましくは5000〜5万である。なお、スルホベタインポリマーの重量平均分子量は、以下の実施例に記載の方法に基づいて測定したときの値である。

モノマー成分を水性溶媒の存在下で溶液重合によって調製した場合、生成したスルホベタインポリマーを含有する反応溶液をそのままの状態でタンパク質凝集防止剤として用いることができるが、必要により、タンパク質凝集防止剤がスルホベタインポリマーを所望の含有率で含有するように、前記反応溶液に水性溶媒を添加してもよく、反応溶液に含まれている水性溶媒を蒸発させてもよい。

本発明のタンパク質凝集防止剤におけるスルホベタインポリマー(固形分)の含有率は、当該タンパク質凝集防止剤の用途などによって異なることから一概には決定することができないが、通常、3〜80質量%程度である。本発明のタンパク質凝集防止剤におけるスルホベタインポリマー(固形分)の含有率は、溶媒をタンパク質凝集防止剤に添加したり、タンパク質凝集防止剤に含まれている溶媒を蒸発させたりすることによって容易に調整することができる。

また、本発明のタンパク質凝集防止剤には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、本発明のタンパク質凝集防止剤の使用目的に応じた添加剤などが含まれていてもよい。

以上説明したように、本発明のタンパク質凝集防止剤は、タンパク質を熱処理した場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質の活性の低下を抑制することができることから、例えば、酵素の保存剤、抗体医薬、体内のアミロイド凝集抑制剤などの種々のタンパク質の凝集防止が望まれる用途に使用することが期待されるものである。

次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。

実施例1 攪拌棒、ジムロート、温度計および窒素ガス導入管を備えた1L容のフラスコ内に、3−[(3−アシルアミドプロピル)ジメチルチンモニオ]プロパン−1−スルホネート3.925g、水15g、メチルアルコール45gおよび2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸0.2187gを入れ、フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコ内の内容物を70℃に昇温し、撹拌した。その後、撹拌下でフラスコ内に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1947gを入れ、フラスコ内のモノマー成分を6時間重合させることによりスルホベタインポリマー溶液を得た。

フラスコ内の内容物を室温まで冷却させた後、フラスコから取り出し、得られたスルホベタインポリマーの重量平均分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPCという)分析装置〔東ソー(株)製、HLC8220GPC〕で調べたところ、得られたポリマーの重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、5500であった。なお、得られたスルホベタインポリマーの重量平均分子量をGPCで調べる際に展開液として100mM臭化ナトリウム水溶液を用いた。

前記で得られたスルホベタインポリマー溶液をタンパク質凝集防止剤として用い、当該タンパク質凝集防止剤によるタンパク質の凝集抑制効果を以下の方法に基づいて調べた。

タンパク質凝集防止剤1mLあたり3mgの割合でリゾチーム(PBS)を添加した。得られた溶液を目視によって観察したが、リゾチームの凝集が認められなかった。

次に、前記で得られた溶液を90℃の温度で30分間加熱した後、室温に冷却した。この冷却した溶液を目視によって観察したが、リゾチームの凝集が認められなかった。

比較例1 水1mLあたり3mgの割合でリゾチーム(PBS)を添加した。得られた水溶液を目視によって観察したが、リゾチームの凝集が認められなかった。

次に、前記で得られた水溶液を90℃の温度で30分間加熱した後、室温に冷却した。この冷却した溶液を目視によって観察したところ、リゾチームの凝集が認められた。

比較例2 3−[(3−アシルアミドプロピル)ジメチルチンモニオ]プロパン−1−スルホネートを水に溶解させることにより、3−[(3−アシルアミドプロピル)ジメチルチンモニオ]プロパン−1−スルホネートの含有率が約5質量%である水溶液を得た。前記で得られた水溶液をタンパク質凝集防止剤として用いた。このタンパク質凝集防止剤1mLあたり3mgの割合でリゾチーム(PBS)を添加した。得られた溶液を目視によって観察したが、リゾチームの凝集が認められなかった。

次に、前記で得られた溶液を90℃の温度で30分間加熱した後、室温に冷却した。この冷却した溶液を目視によって観察したところ、リゾチームの凝集が認められた。

以上の結果から、実施例1で得られたタンパク質凝集防止剤が存在しない場合およびスルホベタインポリマーを調製する際に用いられた原料モノマーである3−[(3−アシルアミドプロピル)ジメチルチンモニオ]プロパン−1−スルホネートを用いてリゾチームを加熱した場合には、リゾチームが凝集するのに対し、実施例1で得られたタンパク質凝集防止剤の存在下でリゾチームを加熱した場合には、加熱された場合であっても当該リゾチームの凝集が効果的に抑制されることがわかる。

実験例1 比較例1で得られた水溶液を用い、当該水溶液2mLとチオフラビンT溶液(PBS16μg/mL)100μLとを混合し、シグマアルドリッチ社製、品番:T3516を用いて前記で得られた混合溶液(液温:約25℃)の波長440nmにおける励起波長および波長480nmにおける発光波長での蛍光強度を測定し、式: [基本蛍光強度]=[発光波長での蛍光強度]÷[励起波長での蛍光強度] に基づいて基本蛍光強度を求めた。

次に、実施例1で得られたリゾチーム(PBS)が添加された溶液を用い、当該溶液2mLとチオフラビンT溶液(PBS16μg/mL)100μLとを混合し、得られた混合溶液(液温:約25℃)を用いて前記と同様にして蛍光強度を求め、基本蛍光強度に対する当該蛍光強度の比率を求めたところ、当該蛍光強度の比率は、19.2%であった。

比較実験例1 実験例1において、実施例1で得られたリゾチーム(PBS)が添加された溶液の代わりに、比較例2で得られたリゾチーム(PBS)が添加された溶液(液温:約25℃)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして実験を行なった。その結果、比較例2で得られたリゾチーム(PBS)が添加された溶液を用いたとき、基本蛍光強度に対する蛍光強度の比率は、57.0%であった。

比較実験例2 実験例1において、実施例1で用いられたスルホベタインポリマーの代わりにアルギニンが当該スルホベタインポリマーと同量で添加された溶液(液温:約25℃)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして実験を行なった。その結果、アルギニンが添加された溶液を用いたとき、基本蛍光強度に対する蛍光強度の比率は、66.3%であった。

比較実験例3 実験例1において、実施例1で用いられたスルホベタインポリマーの代わりに3−(エチルジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナート(Anatrace社製、品番:NDSB195)が当該スルホベタインポリマーと同量で添加された溶液(液温:約25℃)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして実験を行なった。その結果、3−(エチルジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナートが添加された溶液を用いたとき、基本蛍光強度に対する蛍光強度の比率は、45.0%であった。

比較実験例4 実験例1において、実施例1で用いられたスルホベタインポリマーの代わりに1−(3−スルホプロピル)ピリジウム(Anatrace社製、品番:NDSB201)が当該スルホベタインポリマーと同量で添加された溶液(液温:約25℃)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして実験を行なった。その結果、1−(3−スルホプロピル)ピリジウムが添加された溶液を用いたとき、基本蛍光強度に対する蛍光強度の比率は、98.8%であった。

比較実験例5 実験例1において、実施例1で用いられたスルホベタインポリマーの代わりに3−[(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネナート(Anatrace社製、品番:NDSB211)が当該スルホベタインポリマーと同量で添加された溶液(液温:約25℃)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして実験を行なった。その結果、3−[(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン−1−スルホネナートが添加された溶液を用いたとき、基本蛍光強度に対する蛍光強度の比率は、63.8%であった。

比較実験例6 実験例1において、実施例1で用いられたスルホベタインポリマーの代わりに3−ベンジルジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナート(Anatrace社製、品番:NDSB256)が当該スルホベタインポリマーと同量で添加された溶液(液温:約25℃)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして実験を行なった。その結果、3−ベンジルジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナートが添加された溶液を用いたとき、基本蛍光強度に対する蛍光強度の比率は、62.0%であった。

前記した実験例1および比較実験例1〜6の結果から、実験例1によれば、スルホベタインポリマーが用いられていることから基本蛍光強度に対する蛍光強度の比率が低いので、タンパク質の凝集を効果的に抑制することができることがわかる。

実験例2 実施例1で得られたタンパク質凝集防止剤1mLあたり3mgの割合でリゾチーム(PBS)を添加した。得られた溶液を目視によって観察したが、リゾチームの凝集が認められなかった。

次に、前記で得られた溶液を90℃の温度で30分間加熱した後、室温に冷却した。この冷却した溶液を目視によって観察したが、リゾチームの凝集が認められなかった。

次に、90℃の温度で30分間加熱した後の前記溶液の波長600nmにおける吸光度の経時変化を分光光度計〔(株)島津製作所、品番:UVPC1600〕を用いて調べた。その結果、90℃の温度で30分間加熱し、室温に冷却したときの溶液の吸光度は0.85であり、室温に冷却されてから6分間経過後の溶液の吸光度は0.8であった。

一方、水1mLあたり3mgの割合でリゾチーム(PBS)を添加することにより、リゾチーム水溶液を調製した。

前記で得られたリゾチーム水溶液を加熱せずにそのままの状態で用い、波長600nmにおける吸光度の経時変化を前記と同様にして調べた。その結果、初期のリゾチーム水溶液の吸光度は0.73であり、6分間経過後の溶液の吸光度は0.48であった。

以上の結果から、タンパク質の水溶液を室温で放置するとタンパク質の活性が大きく低下するのに対し、実施例1で得られたタンパク質凝集防止剤を用いた場合には、タンパク質が加熱されているにもかかわらず、タンパク質の活性の低下が抑制されることがわかる。

実験例3 鶏卵の卵殻の一部を取り除くことによって卵白を取り出し、取り出した卵白をシャーレに入れ、実施例1で得られたタンパク質凝集防止剤を卵白全体に万遍なくスプレーにて付着させた後、80℃の恒温室に5時間入れた。また、対照として、鶏卵の卵殻の一部を取り除くことによって卵白を取り出し、取り出した卵白をシャーレに入れ、当該シャーレを80℃の恒温室に5時間入れた。

その結果、実施例1で得られたタンパク質凝集防止剤を付着させた卵白には凝集が認められなかったが、タンパク質凝集防止剤を付着させなかった卵白には凝集が認められた。

したがって、本発明のタンパク質凝集防止剤を用いることにより、鶏卵の卵白が加熱された場合であっても、これらに含まれているタンパク質が凝集することを抑制することができることがわかる。

以上説明したように、本発明のタンパク質凝集防止剤は、タンパク質が加熱によって凝集することを効果的に抑制することができることがわかる。また、本発明のタンパク質凝集防止剤を用いることにより、タンパク質が加熱された場合であっても、タンパク質が有する活性が低下することを効果的に抑制することができることがわかる。

本発明のタンパク質凝集防止剤は、タンパク質を熱処理した場合であってもタンパク質の凝集を抑制することができ、さらにタンパク質が加熱された場合であってもタンパク質の活性の低下を抑制することができることから、例えば、酵素の保存剤、抗体医薬、体内のアミロイド凝集抑制剤などの種々のタンパク質の凝集防止が望まれる用途に使用することが期待されるものである。

したがって、本発明のタンパク質凝集防止剤は、例えば、食品加工分野、抗体医薬分野、移植医療分野、酵素製造分野、製薬関連分野などの種々の分野で使用することが期待される。

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