Protein-containing oily food

申请号 JP2008509817 申请日 2007-03-30 公开(公告)号 JP5251504B2 公开(公告)日 2013-07-31
申请人 不二製油株式会社; 发明人 理恵 武江; 久美子 吉岡;
摘要
权利要求
  • 油脂を連続相とし、可食物Aとして粒子径が30μm〜1mmの大豆蛋白及び粉糖を分散相に有し蛋白質含有量が10〜40重量%である油性食品ベースと、粒子径が1mmを超えるパフ状大豆蛋白である可食物Bとを混合することを特徴とする、蛋白質含有量が15重量%以上である蛋白含有油性食品の製造方法。
  • 油性食品がチョコレート、チョコレート様食品またはグレーズである、請求項1記載の蛋白含有油性食品の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、蛋白質を高い割合で配合されることで栄養的に価値があり、かつ従来の蛋白高配合食品に見られる口腔内でのモソつき・嚥下の困難さといった悪食感の改善と従来にない新規でソフトな食感と良好な口溶けを有する、蛋白含有油性食品を平易な方法で製造できる方法を提供する。

    近年における健康志向の高まりの中で蛋白質を高含有している食品が注目されている。 しかしながら、蛋白質を高配合させた無、あるいはきわめて微水の食品には、口腔内での吸水感、モソ感、のどに詰まる嚥下の困難さといった悪食感が発生し易い。

    嗜好的な面にさほど考慮をしなくてもいいサプリメントや薬品などといったものは別にして、嗜好性の高い食品にて悪食感を発現させずに、より高配合の蛋白質を無理なく効率よく摂取するためさまざまな方策が考え出されてきた。
    また、高蛋白であるかどうかは関係なく、蛋白質を多く含む穀粉を主体とした食品は旧来より多く考案・販売がなされているが、その製法は煩雑であり、また新規な食感に対する需要は大きいものであった。

    米、麦、コーンなどの穀類または穀類由来の食品を加熱・乾燥させた米パフや麦パフ、コーンパフ、コーンフレークなど、あるいはドライフルーツやナッツ類などの複数の粒状食品素材を固着させ一体化した菓子としてはおこしがあげられる。 製法としては糖液を110℃〜170℃まで煮詰め水分が蒸発した糖蜜の中におこし種を投入、混合し固着させた後、生地を冷却し製品にするものであり、古来より庶民的な菓子として親しまれてきた。 しかしながら、糖蜜は煮詰めて使うため、煮詰め直後の高温度の場合は粘度が低く扱いやすいが、冷めると粘性が上がり扱い難くなった。 また、得られた製品は糖蜜が冷えて固まっているので食感が極めて硬いため、手軽な蛋白供給食品としては不適切であった。

    また、米菓やあられ等の食品素材をアラビアガム及びトレハロースを主成分としてなる糖蜜を掛け、その後モールドに入れ型詰めし110℃〜120℃で加熱固着させる方法が開示されている(たとえば特許文献1)。

    しかし、従来のおこしに比べると特異な食感の食品は得られるものの、蛋白供給食品としての意図は記載されておらず、しかも喫食しやすいというレベルにまでの改善は為されていない。 またその製造工程において、特殊な製造ラインが必要となるため、本来あったおこし製造時の煩雑さは改善されず、現実的な方法ではない。

    また、結着材料を糖蜜ではなく28℃以上の融点の油脂やチョコレートを使用する方法が提案されている(たとえば特許文献2・特許文献3)。
    しかし、この発明にしても、蛋白質供給食品としての意図は記載されておらず、油脂を決着材に用いることで蛋白の口腔内での吸水感、モソ感、のどに詰まる食感はかなり改善されるが、食感を大幅に悪化させることなく高含有量の蛋白を効率的に摂取させることについては為し得ていない。

    特開平10−4886号公報

    特開平3−172146号公報

    特開2002−199846号公報

    本発明によって、蛋白質を高い割合で配合されることで、栄養的に価値があり、かつ従来の蛋白高配合食品に見られる口腔内でのモソつき、嚥下の困難さといった悪食感を改善した口溶け良好で新規な食感の蛋白含有油性食品と、該油性食品を平易な方法で製造する方法を見出すことを本発明の目的とする。

    本発明者らは、蛋白質含有量を高めた状態で、粒度を特定の条件にすることで、栄養的に価値があり尚且つ、悪食感の発生を抑制し、口溶け良好で新規な食感の蛋白含有油性食品を平易な方法にて製造できることを見出し、本発明を完成するに到った。
    すなわち、本発明は(1)としては、粒径が30μm〜1mmの油脂以外の可食物Aを含み、かつ蛋白質含有率が15%以上である蛋白含有油性食品であり、(2)としては、可食物Aとして、または及び、粒径が粒径1mmを超える可食物Bとして、蛋白質を含む(1)記載の蛋白含有油性食品であり、(3)としては、油性食品がチョコレート、チョコレート様食品またはグレーズである(1)記載の蛋白含有油性食品である。

    本発明によって、蛋白を高い割合で配合されることによる栄養的な高付加価値があるうえに、従来の蛋白質高配合食品に見られる口腔内でのモソつき、嚥下の困難さといった食感的な悪評価を抑制し、従来にない良好な口溶け感を有する蛋白含有油性食品を平易な方法にて製造できる利点がある。

    以下、本発明をより詳細に説明する。 本発明において言うところの蛋白含有油性食品は油脂と油脂以外の可食物よりなり、油脂以外の可食物は所定の方法により測定した粒径が30μm〜1mmの油脂以外の可食物を含み、且つ蛋白含有油性食品全体に対して蛋白質を15重量%以上含有すれば特に限定はされない。 ただし、ここでいう油脂とは油脂単独で配合されるものを指し、油脂以外の可食物は含油食品であってもかまわない。 以降、単に「可食物」と特に断りのない場合は油脂以外の可食物を指すものとする。 また、粒径の測定方法として挙げられる「所定の方法により」とは改めて記述するが、以降、単に「粒径」と特に断りのない場合はその所定の方法によるものを指すものとする。

    可食物としては、蛋白以外は特に限定はされないが、一例を挙げると糖類や無脂乳固形分、無脂カカオ固形分などが挙げられる。 可食物は粒径が30μm〜1mm、より好ましくは50μm〜1mmの粗粒を含むことが望ましい。 油脂以外の可食物の粒度が30μmを下回ると、高蛋白含有食品によく見られる口腔内での吸湿、モソつき、嚥下の困難さといった悪食感に対する改善効果が弱くなる。

    また、可食物は悪食感に対する改善効果は、粒径1mm以下と1mmを超える場合とで異なる。 粒径1mm以下で上記のとおり30μm以上であると、悪食感の改善効果が得られ、蛋白質を多く含む可食物を用いれば蛋白含有油性食品全体としての蛋白質含有量の上昇にも寄与できる。 一方、粒径が1mmを超える場合だと、口腔内にて油性食品自体が持つ可食物の粒子とは異なる食品と認識され、蛋白含有油性食品全体としての蛋白質含有量の上昇にも効果があるが、本願発明が目的とする悪食感の改善効果が弱いものの、喫食時に異なった食感、クリスピー感が得られ、新規な食感に寄与できる。

    可食物は上記の通り粒径により機能に区別しているが、双方とも本願発明においては重要な命題であり、双方のバランスや製造工程の規定が重要である。 以下にその規定を説明する。
    蛋白含有油性食品を製造の際には以下の2つのパーツを合わせる形で用いることが望ましい。 すなわち、
    粒径1mm以下の可食物(以降、「可食物A」と称する)と油脂からなる油性食品部(以降、最終的に得られる蛋白含有油性食品と区別するため「油性食品ベース」と称する)と、
    「粒径1mm以上を超えるものを主体とする可食物」(以降、「可食物B」と称する)
    であり、その粒径を測定する方法としては、可食物Bは可食物のうち目開き1mmの篩の上部に残るものであり、可食物Aはその篩をパスした下側に相当する。

    蛋白含有油性食品を製造する工程としては可食物Aと油脂よりなる油性食品ベースを作成し、別途用意してあった可食物Bと混和する形で最終的な蛋白含有油性食品を作成するのが望ましい。
    すべての原料を一度に混ぜ合わせて作成すると、粒径の大きい粒子付近に均一に混和しきっていない可食物Aと油脂が偏在したり、粒径の大きい粒子が混和によって破壊されやすくなる。

    油性食品ベースは油脂が連続相を為す食品であれば特に限定はされないが、一例としては、チョコレートやチョコレート様食品、グレーズ(糖と油脂よりなる油性食品)といったものが挙げられる。
    油性食品ベースは油脂及び可食物Aより構成される。
    蛋白含有油性食品の構成物である可食物Aは上記定義によりその粒径が1mm以下であるが、同時に30μm以上、望ましくは50μm以上であることが好ましい。

    可食物Aとしては、蛋白含有油性食品全体として定義した可食物と同様のものを原料として使用できるが、蛋白含有油性食品全体としての蛋白質含量の規定を満たせば特に蛋白を必須とすることはない。 ただ蛋白含有油性食品をより高蛋白にするのであれば、蛋白質を多く含む原料を用いることが望ましい。

    原料としては特に限定はされないが、一例を挙げると蛋白質含有素材や糖類、無脂乳固形分、無脂カカオ固形分などが挙げられる。
    この中で糖類も必須の配合ではないものの、蛋白含有油性食品の嗜好性を向上させ、また口腔内でのモソつき、嚥下の困難さといった悪食感の改善には、糖類の配合がより効果的である。

    蛋白質含有素材は、動物性蛋白質であっても植物性蛋白質であってもよく、これらの混合物であってもよい。 植物性蛋白質としては例えば大豆蛋白、エンドウ蛋白、小麦蛋白等が例示できる。 動物性蛋白質としては、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエー蛋白、乳蛋白、ゼラチン、卵白粉末、卵黄粉末、または全卵粉末等並びにこれら蛋白を分解した蛋白質やペプチドが例示できる。 これら2種以上混合して使用してもよい。

    可食物Aにて使用する糖類は特に限定はされないが、蔗糖、麦芽糖、ブドウ糖、粉飴、果糖、乳糖、トレハロース、粉末マルトース等が例示できる。

    上記蛋白質含有素材や糖類以外に可食物Aにて使用するものとしては、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等の乳製品、カカオマス、ココアパウダー、調整ココアパウダー等のカカオ分、チーズ粉末、コーヒー粉末、果汁粉末、米粉、小麦粉、等が例示できる。
    油性食品ベースに用いられる油脂は特に限定はされないが、既成の油性食品に用いられる類の油脂であれば何をもちいてもかまわない。 一例を挙げれば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ脂、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物油脂、並びに、それら油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が例示できる。 特に口腔中で速やかに溶けるタイプの油脂(カカオ脂やチョコレート用のハードバターなどが一例として挙げられる)が好適に用いられる。

    油性食品ベースの油脂含有量としては油性食品ベース全体に対して、好ましくは30重量%以上、より好ましくは35〜80重量%、さらにより好ましくは40〜80重量%とするのが望ましい。 30%未満では油脂以外の可食物Aの割合が多くなるため油性食品の粘度が上がり、可食物Bと油性食品ベースとを混和する際にからみにくくなり、結着が低下する。 一方油脂食品ベースの油脂含量の上限は特に存在しないが90重量%を上回ると油脂以外の可食物Aの割合が少なくなり可食物Bとからめて一体化し最終製品にした際、衝撃にやや弱く脆くなることがある。

    前述のとおり、蛋白含有油性食品全体としての蛋白質含量の規定を満たせば特に蛋白質含有量に制限はないが、油性食品ベースの蛋白質含有量としては、油性食品ベース全体に対して好ましくは5重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜40重量%とするのが望ましい。 5重量%以下では蛋白含有油性食品全体に対しての蛋白質含有率を規定以上にするためには可食物Bの量を増やす必要があり、より高い蛋白質含量の蛋白含有油性食品を得る上では不利である。 また50重量%を上回ると油性食品ベースの粘度が上昇し可食物Bがからまりにくくなる。 可食物Bをからめやすくするために、油性食品ベースにレシチンや乳化剤、粘度低下剤を添加してもよい。
    油性食品ベースの製造方法については、上記条件以外は特に既存の連続相を為す食品油性食品、一例としてはチョコレートやチョコレート様食品、グレーズなどといったものの製造法を適宜用いることができる。 特に制限はないが一例をあげると、フックのミキサーをつかって原料を混合する方法が挙げられる。

    前述の通り、蛋白含有油性食品全体としての蛋白質含量の規定を満たせば、特に可食物A・可食物Bについての組成的・配合比率などの規定は必須のものではなく、特に可食物Bがなくても、悪食感を改善し且つ蛋白含有量を規定以上にすることは可能である。 しかし、悪食感を改善しつつ、且つより効率的に蛋白質含有量上昇させるためには粒径が1mm以上の可食物Bと1mm以下の可食物Aの双方の可食物がバランスよく含まれている方がより蛋白質を高く含有でき、かつ、より悪食感の改善効果が得られ望ましい。

    可食物A同様に可食物Bの原料としては、蛋白含有油性食品全体として蛋白質含量が規定を上回れば特に限定はされず、可食物Aとは粒度が異なる以外は同様のものを使用でき、また、別工程にて粒度1mmを超えるものに成型したものも含まれる。 特に限定はされないが、一例としては、穀物由来の粉体を用いたパフ(一例としてはコーンパフ、大豆パフ、米パフ、麦パフ)や焼成物(粗砕きしたビスケット、アラレなど)、膨化食品(ぽん菓子)などが挙げられる。

    得られた油性食品ベースと可食物Bとをまぜあわせて蛋白含有油性食品を作成する。
    最終的な蛋白含有油性食品に対する可食物Bの割合は下限が好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、上限は80重量%以下、好ましくは70重量%であることが望ましい。 多い方がより悪食感を改善しつつ、蛋白質含量を効率的に上昇させることが可能だが、必要以上に多いと、悪食感の改善に効果のある可食物Aの割合が相対的に低下し、悪食感の改善効果が弱まる。

    なお、油性食品ベースの粒度は複数の粒度分布をもつ粒子の集合を混和し、しかも油脂を連続相とした中に粒子が分散しているため、油性食品素材としてその粒度分布を測定することは困難で且つ製品を管理する上では現実的ではないので、油性食品素材メーカーでは比較的一般的である、マイクロメーターによる測定をもって本発明の粒度の規定に用いる。

    より具体的にはマイクロメーター(株式会社ミツトヨ社製 商品名「デジマチック標準外側マイクロメータ MDC−M」)にて測定面に融解した油性食品素材(液油により希釈し油分50%以上)を付着させ、測定面同士を近接させていく。
    油性食品素材の付着量は、測定時にマイクロメーター測定面の幅が狭まり、測定値が示された時点で油性食品素材が測定面よりはみ出す程度の量であり、少なくとも測定面に一様に分布する程度をもって測定する。

    量がすくないと測定面同士の空隙に十分な量の粒子が存在せず測定誤差が生じやすくなるので、測定面からはみ出さない場合は測定値として用いない。
    測定後、測定面を清浄な状態にして再度同様の手順で5回測定し、最大と最小の値を除く3回の平均値を持って油性食品素材の粒度とする。
    また、可食物Bは目開き1mmの篩の目を通過しない粒径のものと定義したが、ここで添加する可食物Bの中に1mm以下の可食物があっても可食物Aとして効果が得られるため特にかまわない。
    ただ前述のとおり、可食物Bは油性食品ベースと合わせる形で添加することが望ましいため、油性食品ベースと配合する可食物に占める粒径1mm以上の部分は70重量%以上であることがより効果的である。

    蛋白含有油性食品として蛋白質量は15%以上、望ましくは20%以上を含有することが望ましい。 蛋白質量が15%未満の場合は、蛋白質の摂取量が効率的ではなく、本願発明において主目的である栄養的な価値が達成できない。
    ただし前述の通り、蛋白含有油性食品トータルとしての存在量が15%以上でありさえすれば、その供給源は可食物A、可食物Bのどちらであっても構わない。
    得られた油性食品ベースと可食物Bとの混合方法も特に制限はないが、パフに代表される粒径の大きい可食物Bは強い攪拌によってはつぶれてしまうこともあるため、ゴムベラによる軽い手混練であった方が最終蛋白含有油性食品の食感が良好である。

    このようにして本発明により、栄養的に価値があり尚且つ、悪食感の発生を抑制し、口溶け良好で新規な食感の蛋白含有油性食品を平易な方法にて製造できる。

    以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。 なお、例中、%及び部は重量基準を意味する。 又、下記実施例1〜7のうち、実施例1〜3が本発明の実施例であり、実施例4〜7は参考例である。

    <実施例1>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算(粗蛋白質(cp)以下同じ)で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)35重量部と粉糖(粒度70〜150μm)20重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)45重量部とで油性食品ベースとする。
    作製した油性食品ベースにテンパリング操作を施した後、この油性食品ベース80重量部にパフ状大豆蛋白(商品名:ソヤパフ30、蛋白質 31%(蛋白質乾物換算で33%)、
    1mmの目開きを通過しない部分が90%以上、比重 0.2 不二製油株式会社製)20重量部を軽い手による混練で混合してモールドに流し、10℃・30分後にデモールドして蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白分 30.0%)
    なお、油性食品ベースの粒度は前述の[発明を実施するための最良の形態]に記載のマイクロメーターによる測定方法を用いた。
    実施例1における油性食品ベースの粒度は上記手法にて測定したところ、110μmであった。
    また、可食物Bはマイクロメーターで測定するためには粒子が大きすぎるため、粒子の大きさの測定は以下のように定義する。 即ち、試料を篩い振動機(IIDA SEISAKUSYO製)を用い、自動的に振動を与えながら、各種サイズのメッシュの篩いを大きい方から通過させ、各メッシュの篩い下%重量を測定した。

    <比較例1>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)35重量部と粉糖(粒度70〜150μm)20重量部からなる可食物Aと、テンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)45重量部を混合し、さらにロールリファイナー(BUHLER社株式会社製「Three−roll mill SDY−300」)により粉砕し、実施例1と同様の粒度測定法にて20μmとなる油性食品ベースを得た。
    作製した油性食品ベースにテンパリング操作を施した後、この油性食品ベース80重量部にパフ状大豆蛋白(商品名:ソヤパフ30、蛋白質31%(蛋白質乾物換算で33%)、1mmの目開きを通過しない部分が90%以上、比重 0.2、不二製油株式会社製)20重量部を実施例1と同様の方法にて混合し、モールドに流し10℃・30分後にデモールドして蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油.性食品中の蛋白質分30.0%)
    配合及び油性食品ベースの粒度、食感評価を表1に示す。

    〔表1〕

    ※ 官能評価は10人のパネラーによって評価した。


    評価基準は◎:優、○:良、△:可、×:不可。 本件では商業的に実用可能なレベルを△・○・◎とし、×は従来並みあるいはそれ以下、新規な機能が発現しているとは言いがたいレベルとした。

    実施例1の蛋白含有油性食品は食感良好で、且つ口腔内でのモソつきが抑制され、喉通りも良好である。
    しかし、比較例1の蛋白含有油性食品は油性食品ベースの粒子径が従来よく見られるチョコレートなどの油性食品程度まで細かいという点以外は実施例1と配合、製造工程ともに同等であるにもかかわらず、口腔内で蛋白含有油性食品が唾液を急激に吸収し、モソついた悪食感が発生、また喉通りの悪い商品価値の低いものであった。

    <実施例2>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)40重量部と粉糖(粒度70〜150μm)40重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)20重量部とで実施例1と同様の粒度測定法にて98μmとなる油性食品ベースを得た。
    作製した油性食品ベースにテンパリング操作を施した後、この油性食品ベース80重量部にパフ状大豆蛋白(商品名:ソヤパフ30、蛋白質31%(蛋白質乾物換算で33%)、1mmの目開きを通過しない部分が90%以上、比重 0.2、不二製油株式会社製)20重量部を混合し、モールドに流し10℃・30分後にデモールドして蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白質分33.4%)

    <実施例3>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)20重量部と粉糖(粒度70〜150μm)50重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)30重量部とで実施例1と同様の粒度測定法にて97μmとなる油性食品ベースを得た。
    油性食品ベースを作成したあとの操作は実施例2と同様の配合と操作にて行い、蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白質分19.8%)

    <比較例3>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)5重量部と粉糖(粒度70〜150μm)5重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)90重量部とで実施例1と同様の粒度測定法にて112μmとなる油性食品ベースを得た。
    作製した油性食品ベースにテンパリング操作を施した後、この油性食品ベース80重量部にパフ状大豆蛋白(商品名:ソヤパフ30、蛋白質31%(蛋白質乾物換算で33%)、1mmの目開きを通過しない部分が90%以上、比重0.2 不二製油株式会社製)20重量部を混合し、モールドに流し10℃・30分後にデモールドして蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白質分9.6%)
    実施例2、実施例3、比較例3の配合及び油性食品ベースの粒度、食感評価を実施例1とあわせて、表2に示す。

    〔表2〕

    実施例2は油性食品ベースの油脂以外の固形分の割合が多くなるため、やや喉通りが悪い感じはあり、また可食物Bと合わせた際に油性食品の粘度が上がり、まとまりにくい点がみられたものの、食感良好であり、美味しく、またトータル蛋白質量も高いものであった。
    実施例3はトータル蛋白質量はやや下がるものの、油性食品ベース油分が30重量%に増えること、さらに糖が多いことで嗜好性が高く、喉通りが良好になり食感良好であり、美味しいものであった。
    しかし、比較例3は、食感良好で喉通りも良好ではあったがやや油性感が強く、またデモールドの際に破損しやすく、さらに本来の目的であるトータル蛋白質量が低く栄養的価値の低いものであった。

    <比較例4>
    粉糖(粒度70〜150μm)20重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)80重量部とで実施例1と同様の粒度測定法にて115μmとなる油性食品ベースを得た。
    作製した油性食品素材にテンパリング操作を施した後、この油性食品ベース80重量部にパフ状大豆蛋白(商品名:ソヤパフ30、蛋白質31%(蛋白質乾物換算で33%)、1.7mmの目開きを通過する部分が10%以下、比重 0.2 不二製油株式会社製)20重量部を混合し、モールドに流し、10℃・30分後にデモールドし蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白質分6.2%)

    <実施例4>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)45重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)55重量部とで実施例1と同様の粒度測定法にて95μmとなる油性食品ベースを得た。
    作製した油性食品素材にテンパリング操作を施した後、この油性食品ベース80重量部にパフ状大豆蛋白(商品名:ソヤパフ30、蛋白質31%(蛋白質乾物換算で33%)、1mmの目開きを通過しない部分が90%以上、比重 0.2 不二製油株式会社製)20重量部を混合し、モールドに流し10℃・30分後にデモールドて蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白質分36.8%)
    比較例4、実施例4の配合及び油性食品ベースの粒度、食感評価を実施例1とあわせて、表3に示す。

    〔表3〕

    比較例4は食感良好で喉通りも良いが、油性食品ベース側に蛋白が入っていないため、蛋白含有油性食品全体としても蛋白質量が6.6%しか入っていないため栄養的価値の低いものであった。
    実施例4は油性食品ベースに糖が入っていないためと大豆特有のモソついた悪食感がやや発生するものの、蛋白質量としてはきわめて高く、商品価値のあるものであった。

    <実施例5>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)35重量部と粉糖(粒度70〜150μm)20重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)45重量部とで実施例1と同様の粒度測定法にて110μmとなる油性食品ベースを得た。
    さらに、作製した油性食品ベースにテンパリング操作を施した後、モールドに流し10℃・30分後にデモールドして蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白質分29.8%)

    <実施例6>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)5重量部と粉糖(粒度70〜150μm)25重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)75重量部とで実施例1と同様の粒度測定法にて98μmとなる油性食品ベースを得た。
    作製した油性食品ベースにテンパリング操作を施した後、この油性食品ベース32重量部にパフ状大豆蛋白(試作品:蛋白質31%(蛋白質乾物換算で33%)、1mmの目開きを通過しない部分が90%以上、比重0.4 不二製油株式会社製)68重量部を混合し、モールドに流し10℃・30分後にデモールドして蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白質分22.4%)

    <実施例7>
    大豆蛋白(商品名:プロリーナ800、蛋白質85%(蛋白質乾物換算で90%)、粒径95μm、不二製油株式会社製)5重量部と粉糖(粒度70〜150μm)25重量部からなる可食物Aとテンパリングタイプの食用油脂(商品名:メラノSS70、不二製油株式会社製)75重量部とで実施例1と同様の粒度測定法にて98μmとなる油性食品ベースを得た。
    作製した油性食品ベースにテンパリング操作を施した後、この油性食品ベース25重量部にパフ状大豆蛋白(試作品:蛋白質31%(蛋白質乾物換算で33%)、1mmの目開きを通過しない部分が90%以上、比重0.4 不二製油株式会社製)75重量部を混合し、モールドに流し10℃・30分後にデモールドして蛋白含有油性食品を得た。 (蛋白含有油性食品中の蛋白質分24.3%)
    実施例5、実施例6、実施例7の配合及び油性食品ベースの粒度、食感評価を実施例1とあわせて、表3に示す。

    〔表4〕

    実施例5のように可食物Bをまったく含有しない状態は大豆特有のモソついた悪食感がやや発生するものの、商品価値のあるものであった。
    可食物Bの割合を増やした実施例6、実施例7の場合、実施例6程度であれば食感良好で喉通りもよく、美味しいものではあったが、実施例7のように可食物Bを75重量部まで多量に混合すると油脂食品ベースが可食物Bの周囲にからまりにくく、パフが結着しにくい・結着しても一部脱離がおきやすいもので、蛋白含有油性食品自体としては食感良好で喉通りよく、美味しい物ではあったがややまとまりが悪いものであった。

    本発明によって、蛋白質を高い割合で配合されることで、栄養的に価値があり、かつ従来の蛋白質高配合食品に見られる口腔内でのモソつき、嚥下の困難さといった悪食感を改善した口溶け良好で新規な食感の蛋白含有油性食品と、該油性食品を平易な方法で製造することができる。

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