Production of cans

申请号 JP2013504247 申请日 2011-04-12 公开(公告)号 JP2013523459A 公开(公告)日 2013-06-17
申请人 クラウン パッケイジング テクノロジー インコーポレイテッド; 发明人 ステュアート モンロー; アラン プレセ; ジョナサン ライリー; キース ヴィンセント;
摘要 本発明は、2ピース金属容器の製造に使用するのに適する方法及び装置を開示する。 詳細には、延伸加工工程及び絞り加工工程を組み合わせて、金属シートからカップを作る方法を開示する。 結果として得られたカップは、金属シートの到来基準寸法に比較して薄い基部肉厚を有するという利点を有する。
【選択図】 図16
权利要求
  • 2ピース食品容器を製造するための金属カップの製造方法であって、本方法は、
    i. 金属シートに施される延伸加工工程であって、前記シート上の環状領域をクランプして囲繞部を画定する段階と、前記囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸して前記囲繞部の表面積を増大させて肉厚を減少させる段階とを含み、前記環状クランプは、延伸加工工程時に、前記クランプ領域から前記囲繞部内への金属の流れを制限又は防止するようになっている、延伸加工工程と、
    ii. 前記金属シートを側壁及び一体の基部を有するカップに絞るための絞り加工工程であって、前記基部は、前記延伸されて薄肉化した囲繞部からの材料を含み、前記絞り加工工程は、前記延伸されて薄肉化した囲繞部の材料を外向きに引っ張って移動させるようになっており、それによって費用効率の高い方法でカップの軽量化を実現する絞り加工工程と、
    を含む方法。
  • 前記絞り加工工程は、前記延伸されて薄肉化した囲繞部の材料が前記側壁内に引っ張られて移動されるようになっている、請求項1に記載の方法。
  • 前記延伸加工工程は、前記金属シートの区域全体にわたって配置され相互に離間した複数の囲繞部に施される、請求項1又は2に記載の方法。
  • 前記延伸加工工程の前記環状にクランプする段階は、クランプ面を有する1つ又はそれ以上のクランプ要素を使用する段階を含み、前記クランプ面はテクスチャ加工面を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  • 前記延伸加工工程の前記環状にクランプする段階は、前記金属シートの対向面を、対応する対向する第1及び第2のクランプ要素(26、27)の間でクランプすることで行われ、前記第1及び第2のクランプ要素の各々は、幾何学的不連続部(261、271)を備えるクランプ面を有し、これにより前記延伸加工工程が行われる際に、前記第1及び第2のクランプ要素の間での前記金属シートの金属の流れを妨害することを助ける、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  • 前記幾何学的不連続部は、
    i. 前記第1のクランプ要素の前記クランプ面が、1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部(261)を備え、使用時、前記クランプされた環状領域(15)の金属を、前記第2のクランプ要素(27)のクランプ面に設けられた対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部(271)内に押し付けるようになっている、
    ii. 前記第2のクランプ要素のクランプ面が、代わりに、1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部を備え、使用時、前記クランプされた環状領域の金属を、前記第1のクランプ要素のクランプ面に代わりに設けられた対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部内に押し付けるようになっている、
    iii. (i)及び(ii)の組み合わせ、
    のいずれか1つを含む、請求項5に記載の方法。
  • 前記第1及び第2のクランプ要素(26、27)は、使用時、前記第1又は第2のクランプ要素のクランプ面に設けられた前記1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部(261)が、前記クランプされた環状領域(15)の金属を、前記第2又は第1のクランプ要素の対応するクランプ面に設けられた対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部(271)によってその中に完全に囲まれるように押し付ける、請求項6に記載の方法。
  • 前記延伸加工工程は、「延伸」パンチを用意する段階と、前記「延伸」パンチが前記囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸するように、前記「延伸」パンチ及び前記金属シートのいずれか一方を又は両方を互いに向けて移動させる段階とを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  • 前記「延伸」パンチは、1つ又はそれ以上のリリーフ形状部を有する端面を含む、請求項8に記載の方法。
  • 前記「延伸」パンチは、前記囲繞部の一方の表面に対向する1つ又はそれ以上の第1のパンチのグループと、前記囲繞部の反対側の表面に対向する1つ又はそれ以上の第2のパンチのグループとを含むパンチ組立体を含み、前記延伸加工工程は、前記第1及び第2のグループのいずれか一方又は両方を互いに向けて移動させて、前記囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸する段階を含む、請求項8又は9に記載の方法。
  • 前記絞り加工工程は、しごき加工工程を含む、又は該絞り加工工程の後にしごき加工工程が続く、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  • 2ピース食品容器のための金属カップの製造装置であって、本装置は、
    延伸加工工程時に、金属シートの環状領域をクランプして囲繞部を画定するようになった、金属シートをクランプするためのクランプ手段と、
    延伸加工工程において前記囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸して、表面積を増大させ前記囲繞部の肉厚を減少させるようになった延伸工具と、
    前記金属シートを、側壁と、前記延伸されて薄肉化した囲繞部からの材料を含む一体の基部とを有するカップに絞るための絞り加工手段と、
    を備え、
    前記クランプ手段は、更に、延伸加工工程時に、前記クランプ領域から前記囲繞部内への金属の流れを制限又は防止するようになっており、
    前記絞り加工手段は、絞り加工工程において、前記延伸されて薄肉化した囲繞部の材料を外向きに引っ張って移動させるようになっており、それによって費用効率の高い方法でカップの軽量化を実現する、装置。
  • 前記絞り加工手段は、前記延伸されて薄肉化した囲繞部の材料を前記側壁内へ引っ張って移動させるようになっている、請求項12に記載の装置。
  • 前記クランプ手段は、クランプ面を有するクランプ要素を備え、前記クランプ面はテクスチャ加工面を備える、請求項12又は13に記載の装置。
  • 前記クランプ手段は、第1のクランプ要素(26)及び第2のクランプ要素(27)を備え、前記第1及び第2のクランプ要素は、前記金属シートの対向面をクランプするようになっており、前記第1及び第2のクランプ要素の各々は、幾何学的不連続部(261、271)を備えるクランプ面を有し、これにより前記延伸加工工程が行われる際に、前記第1及び第2のクランプ要素の間での前記金属シートの金属の流れを妨害することを助ける、請求項12又は13に記載の装置。
  • 前記幾何学的不連続部は、
    i. 前記第1のクランプ要素の前記クランプ面が、1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部(261)を備え、使用時、前記クランプされた環状領域(15)の金属を、前記第2のクランプ要素(27)のクランプ面に設けられた対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部(271)内に押し付けるようになっている、
    ii. 前記第2のクランプ要素のクランプ面が、代わりに、1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部を備え、使用時、前記クランプされた環状領域の金属を、前記第1のクランプ要素のクランプ面に代わりに設けられた対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部内に押し付けるようになっている、
    iii. (i)及び(ii)の組み合わせ、
    のいずれか1つを含む、請求項15に記載の装置。
  • 前記第1及び第2のクランプ要素(26、27)は、使用時、前記第1又は第2のクランプ要素のクランプ面に設けられた前記1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部(261)が、前記クランプされた環状領域(15)の金属を、前記第2又は第1のクランプ要素の対応するクランプ面に設けられた対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部(271)によってその中に完全に囲まれるように押し付ける、請求項16に記載の装置。
  • 前記延伸工具は、「延伸」パンチを含み、前記装置は、使用時、前記「延伸」パンチが前記囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸するように、前記「延伸」パンチ及び前記金属シートのいずれか一方又は両方を互いに向けて移動させるようになっている、請求項12〜17のいずれかに記載の装置。
  • 前記「延伸」パンチは、非平面プロファイルを備える端面を有し、前記装置は、使用時、前記「延伸」パンチが前記囲繞部の全部又は一部を対応する非平面プロファイルに変形させて延伸するように、前記「延伸」パンチ及び前記金属シートのいずれか一方又は両方を互いに向けて移動させるようになっている、請求項18に記載の装置。
  • 前記「延伸」パンチは、1つ又はそれ以上のリリーフ形状部を有する端面を含む、請求項18又は19に記載の装置。
  • 前記「延伸」パンチは、前記囲繞部の一方の表面に対向する1つ又はそれ以上の第1のパンチのグループと、前記囲繞部の反対側の表面に対向する1つ又はそれ以上の第2のパンチのグループとを含むパンチ組立体を備え、前記第1及び第2のグループは、使用時、前記囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸するために互いに向かって移動可能である、請求項18〜20のいずれかに記載の装置。
  • 前記絞り加工手段は、最初に、前記シートをカッププロファイルに絞り、次に、1つ又はそれ以上の段階で前記カップを深絞りするようになっている、請求項12〜21のいずれかに記載の装置。
  • 前記カップにしごき加工工程を施す手段を更に含む、請求項12〜22のいずれかに記載の装置。
  • 請求項1〜23のいずれかに記載の方法又は装置によって形成されるカップを備える容器本体。
  • アクセス開口部を有するカップを備える容器本体であって、前記カップは、金属シートで形成され、側壁及び一体の基部を有し、前記基部は、肉厚が前記カップを形成するために用いられる前記金属シートの到来基準寸法よりも薄いように延伸された基部である、容器本体。
  • 前記容器本体のアクセス開口部に固定された蓋を更に備える、請求項25に記載の容器。
  • 说明书全文

    本発明は金属カップの製造に関し、詳細には(限定されるものではないが)「ツーピース」の金属容器の製造に適する金属カップに関する。

    1978年6月20日登録の米国特許第4,095,544号明細書(NATIONAL STEEL CORPORATION)には、従来のツーピース金属容器を作るためのカップセクションを製造する「絞り加工及び壁しごき加工」(DWI)及び「深絞り加工」(DRD)プロセスが詳述されている。 (米国において、DWIは一般にはD&Iと呼ばれることに留意されたい)。 用語「ツーピース」は、i)カップセクション及び、ii)後でカップセクションの開口を閉じて容器を形成するための蓋を呼ぶ。

    DWI(D&I)プロセスにおいて(米国特許第4,095,544号明細書の図6から10に示すような)、金属シートのロールから打ち抜かれた平らで(一般に)円形のブランクは、パンチの作用により、絞り加工ダイスを通って絞り加工されて浅い第1段階のカップを形成するようになっている。 この最初の絞り加工段階は、ブランクの意図的な薄肉化につながらない。 その後、一般に緊密嵌合したパンチ又はラムの端面に取り付けられるカップは、カップの側壁の厚さを低減するために1つ又はそれ以上の環状の壁しごき加工ダイスに押し込まれ、結果的にカップの側壁が延伸する。 従って、このしごき加工プロセスでは、第1段階のカップの公称直径は全く変化しないはずである。

    図1は、従来のDWI(D&I)プロセスで得られる容器本体の金属分布を示す。 図1は例示的であり、正確なスケール調整は意図されていない。 図1には3つの領域が示されている。
    領域1は、しごき加工されていない基部の材料である。 この領域はブランクの到来標準寸法とほぼ同じ厚さのままであり、つまり、この領域は従来のDWIプロセスの別の製造工程の影響を受けていない。
    領域2は、しごき加工された側壁の中間セクションである。 この厚さは(従って、所望のしごき加工量は)、容器本体に要求される性能によって決まる。
    領域3は、しごき加工された側壁の上端セクションである。 一般に、缶の製造において、このしごき加工された上端セクションは、ブランクの到来標準寸法の厚さの約50−75%である。

    DRDプロセスにおいて(米国特許第4,095,544号明細書の図1から5に示すような)、同じ絞り加工技術を使用して第1段階のカップを形成する、しかしながら、しごき加工プロセスを用いる代わりに、次に、第1段階のカップには、カップを徐々に縮径して結果的にカップの側壁を延伸するように作用する1つ又はそれ以上の深絞り加工(re−drawing)が施される。 単独で、多くの従来の深絞り加工工程は、結果的にカップ材料の厚さを変えることを目的としていない。 しかしながら、一般的なDRDプロセスで製造される容器本体を例にとると、実際には、一般に、完成した容器本体の上端において幾分肥厚化している(10%又はそれ以上のオーダー)。 この肥厚化は、深絞り加工プロセス固有の作用であり、大径のカップを小径のカップに深絞り加工する場合は材料への圧縮作用によって説明できる。

    小径又は複合径の絞りダイスを使用して絞り及び深絞り加工段階で延伸することで側壁を薄くすることを通じてカップ側壁の厚さの低減を行う、別の公知のDRDプロセスがあることに留意されたい。

    もしくは、しごき加工及び深絞り加工の組み合わせを第1段階のカップに使用することができ、これによりカップの直径及び側壁の厚さが低減する。 例えば、ツーピース金属容器(缶)の製造分野において、容器本体は、一般にブランクを第1段階のカップに絞り加工して、所望の公称直径の容器本体に達するまでカップに複数の深絞り加工工程を施し、次に、側壁をしごき加工して所望の側壁の厚さ及び高さとすることで作られる。

    しかしながら、大規模工業で用いられるDWI(D&I)及びDRDプロセスには、カップ基部の材料の厚さ(従って、重量)を低減するように作用しないという重大な制限がある。 特に、絞り加工は、絞り加工される物体の厚さの低減につながらず、しごき加工だけがカップの側壁に作用する。 本質的に、ツーピース容器のカップを製造するための公知のDWI(D&I)及びDRDプロセスに関して、基部の厚さは、ブランクの到来標準寸法から広範に変わらないままである。 これにより、基部は、性能目標に要求される厚さよりもはるかに厚くなる場合がある。

    金属パッキン業界は競争が激しく、重量軽減は運送コスト及び原材料コストを低減するので主目的である。 例えば、一般的なツーピース金属食品容器の製造コストの約65%は原材料コストである。

    米国特許第4,095,544号明細書

    国際出願PCT/EP11/051666号

    従って、コスト効率の良い方法で金属カップセクションの軽量化を向上させるニーズがある。 本明細書において、用語「カップセクション」及び「カップ」は同義であることに留意されたい。

    従って、本発明の第1の態様では、以下の工程を含む金属カップの製造方法が提供される。
    i. 金属シート上で行われる延伸加工工程であって、金属シート上の環状領域をクランプして囲繞部を画定する段階と、該囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸し、それにより囲繞部の表面積を増大させて肉厚を減少させる段階とを含み、環状クランプは、この延伸加工工程中、クランプ領域から囲繞部内への金属の流れを制限又は防止するようになっている。
    ii. 金属シートを側壁及び一体の基部を有するカップに絞るための絞り加工工程であって、基部は、延伸されて薄肉化した囲繞部からの材料を含み、絞り加工工程は、延伸されて薄肉化した囲繞部の材料を外向きに引っ張って移動させるようになっている。

    本発明の方法は、金属の損失又は浪費を要することなく、金属シートの到来基準寸法(すなわち、延伸加工工程前)よりも薄い基部を有するカップの製造を達成する利点を有する(公知のプロセスに対して)。 2ピース容器の製造に適用した場合、本発明は、既存の製造技術と比較して1,000個の容器当たり数ドル程度のコスト節約を行うことを可能にする。

    延伸加工工程は、金属シートの到来基準寸法よりも薄い基部を有するカップの製造を達成するのに不可欠である。 延伸加工工程からもたらされる囲繞部の増大された表面積は、「余剰材料」を提供する。 この「余剰材料」は、後続の絞り加工工程中、外向きに引っ張られて移動される。

    絞り加工工程は、延伸されて薄肉化した囲繞部の材料が基部内に留まるのではなく、引っ張られて側壁内に移動されるようになっていることが最も好ましい。 これは、最終的に得られるカップの側壁の高さと密封容積の両方を増大させるという利益を有する。 背景技術の説明で述べたように、側壁の肉厚は、容器(缶)体に用いられるカップの性能特性に影響を与えるので重要である。 本発明のこの態様は、カップの基部の肉厚及び重量を最小限に抑えながら、カップの性能上重要な部分(すなわち側壁)への材料の移動を可能にする利点を有する。

    延伸加工工程時、囲繞部が確実に延伸されて薄肉化するように、金属シートは、延伸加工工程時にクランプ領域から囲繞部内への金属の流れを制限又は防止するのに十分にクランプされる。 クランプ荷重が不十分であれば、囲繞部が何らかの薄肉化を受けるのではなく、クランプ領域から(又はクランプ領域の外側から)の材料は、単に囲繞部内に引き込まれるだけとなるはずである。 延伸化及び薄肉化は、クランプ領域から(又はクランプ領域の外側から)囲繞部への一定限度の材料の流れを許す場合、すなわち金属の流れを完全に防止するのではなく限定する場合に、依然として生じることが分かっている。 絞り加工工程中に延伸されて薄肉化した材料の外向きで側壁内への後続の移動は、添付の図面(特に図12b、図13c、及び図13d参照)に示す本発明の実施形態に例示されている。

    本発明の方法は、最終的に得られるカップが容器本体に用いられる金属容器の製造に利用することが最適である。 最終的に得られるカップは、カップの開口端への蓋の固定によって密閉容器に形成することができる。 例えば、金属缶端部は、最終的に得られるカップの開口端に接合できる(図16参照)。

    本発明の方法は、平面図において円形及び非円形の両方のカップで用いるのに適している。 しかしながら、本方法は、円形のカップで最良に作用する。

    従来のDWI及びDRDプロセスを用いて製造されたカップセクションの基部内の材料の量を最小限に抑える1つの方法は、より薄い標準寸法の原料ストックを用いることであろう。 しかしながら、ブリキ板のメートルトン(tonne)毎のコストは、標準寸法が減少するにつれて増大する。 このコスト増大は、薄鋼の圧延、洗浄、及びスズメッキの追加コストによって説明される。 2ピース容器の製造時の材料使用量を考慮に入れた場合、容器を製造するための材料の到来基準寸法に対する正味全体コストの変化を図2のグラフに示す。 このグラフは、コストの観点から、最も薄い標準寸法の材料を追求することが必ずしもコストを減少させるとは限らないことを示す。 実質上、所定の側壁肉厚の任意の容器に対して、最も安価な材料の標準寸法がある。 このグラフは、容器の上端及び中間セクション肉厚を低減する効果は、コスト曲線を押し下げることを示している。 図3に、缶製造で一般に用いられる英国供給のブリキ板に関する実際のデータに基づいた同じグラフを示す。 図3に示す材料に関しては、コスト面から見て0.285mmが最適な肉厚を表しており、より薄い標準寸法の材料を用いると、缶生産に対する正味全体コスト高くなる。 図3のグラフは、0.285mmの最適到来基準寸法厚さから逸脱する場合の1,000個の缶当たりの正味全体コストの増加割合を示す。

    本発明の最終的に得られるカップは、より薄い(従ってより軽い)基部という利益を有する。 また、採用される絞り加工工程によっては、延伸されて薄肉化した囲繞部から外向きに移動される材料は、側壁の高さを最大化するのに貢献することができる。 このようにして、本発明は、2ピース容器用のカップセクションを製造する公知の方法と比較して、所定量の金属に対して増大された密封カップ容積を提供する。 更に、本発明は、カップを形成するのに用いられる金属シートに対してより厚い(従ってより安価な)到来基準寸法の材料を用いることを可能にするので、各容器を製造するコスト(メートルトン又は単位容積ベースのコスト)が減少する。

    「環状領域」クランプは、金属シートが連続的に又は間隔をあけて環状にクランプされることを意味している。

    好都合には、金属シートの環状領域に押し付けられる高度に研磨されたクランプ面を有する環状リング形態のクランプ要素を含むクランプ手段が採用さる。 しかしながら、テクスチャ加工されたクランプ面を備えたクランプ要素を用いる場合、同じ延伸効果を得るのに低減されたクランプ荷重が可能であることが分かっている。 テクスチャ加工は、クランプ面の表面を粗面化する効果を有し、それにより所定のクランプ荷重に対する金属シートの環状領域上のクランプ要素の保持作用を増大させる。 従って、テクスチャ加工されたクランプ要素は、延伸加工工程中、クランプ領域からの金属の流れをより制限又は防止することができ。 例示的に、クランプ面の表面粗面化は、当初は滑らかなクランプ面に、クランプ面の表面を浸食して点食、粗面化された表面を形成する放電加工(EDM)を施すことによってもたらされる。

    1つの形態において、クランプは、好都合には、各々が幾何学的不連続部のないクランプ面を有する対応する対向する第1及び第2のクランプ要素の間において金属シートの両面をクランプすることによって達成することができる。 例えば、第1及び第2のクランプ要素は、好都合には、全体的に平面の滑らかなクランプ面を有することができる。 しかしながら、第1及び第2のクランプ要素の対向するクランプ面内に幾何学的不連続部を導入することにより、延伸加工工程中の材料の望ましくない滑り又は絞りが低減された改善されたクランプがもたらされることが分かっている。 これは、所定の量の延伸を達成するために延伸加工工程中に必要なクランプ荷重を減少させるという利益を有する。 「幾何学的不連続部」とは、クランプ要素が金属シートの対向面をクランプするために用いられる場合、延伸加工荷重が加えられる際のクランプ要素間における金属の流れを妨げるように金属シート上に作用する、第1及び第2のクランプ要素のそれぞれのクランプ面内の構造的特徴を意味する。

    1つの形態において、幾何学的不連続部は、使用時、クランプされた環状領域の金属を第2のクランプ要素の面に設けられる対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部へ押し付ける1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部を備える第1のクランプ要素の面を形成することによって提供ができる。 リリーフ形状部は、好都合には、対応する1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部に適合する形状及び大きさを有する、クランプ面の切り欠き又は凹部として提供される。 使用時、第1及び第2のクランプ要素は、延伸加工荷重が加えられる際の第1及び第2のクランプ要素の間の金属シートの流れを妨げるために存在する1つ又はそれ以上のビード、リッジ、又は段部、及び対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部の作用でもって、金属シートの対向面をクランプすることになる。 この金属の流れの妨げは、全体的に滑らかなクランプ面を有する第1及び第2のクランプ要素の間の単なる金属シートのクランプを超える、所定のクランプ荷重に対する改善されたクランプ作用を可能にする。 金属のピンチング又はコイニングを防止するために、1つ又はそれ以上のビード/リッジ/段部と対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部との間に十分な隙間を有することは、それが後続の絞り加工工程(又は任意の後続のしごき加工工程)中に引裂を起こす場合がある弱化点の形成を最小限に抑えるのに役立つので有用であることが分かっている。 所定量の延伸加工に必要なクランプ荷重の大幅な低減は、使用時、第1及び第2のクランプ要素が、1つ又はそれ以上のビード/リッジ/段部がクランプされた環状領域の金属を対応するリリーフ形状部によってその中に完全に囲まれるよう押し付けようになっている場合に見られる。 このクランプ構成の一例を本発明の実施形態の説明に示す(図7aに示す実施形態参照)。

    前述の段落では、第1のクランプ要素の面内に配置された1つ又はそれ以上のビード/リッジ/段部、及び第2のクランプ要素の面内に配置された対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部に言及しているが、本発明はこれに限定されない。 詳細には、1つ又はそれ以上のビード/リッジ/段部を代替的に第2のクランプ要素の面内に配置して、対応する1つ又はそれ以上のリリーフ形状部を第1のクランプ要素の面内に配置することもできる。 更に別の方法として、第1及び第2のクランプ要素の面の各々が、ビード/リッジ/段部と対応するリリーフ形状部を混合したものを含むこともできる。 しかしながら、それぞれのクランプ要素のクランプ面内に単一のビード/リッジ/段部、及び対応する単一のリリーフ形状部を設けることで所定量の延伸に必要なクランプ荷重の大幅な低減を達成することができると考えられている(図6a及び図7aに示す実施形態参照)。 前述の段落で指摘したように、クランプ荷重の大幅な減少は、使用時、第1及び第2のクランプ要素が、第1又は第2のクランプ要素のクランプ面内に設けられたビード/リッジ/段部が、クランプされた環状領域の金属を第2又は第1のクランプ要素のクランプ面内の対応するリリーフ形状部によってその中に完全に囲まれるよう押し付けるようになっている場合に見られた(本発明の実施形態の説明における表1参照)。

    第1及び第2のクランプ要素は連続的である必要はなく、例えば、第1及び第2のクランプ要素の各々又はその一方にセグメント化された手段(tooling)を用いてもよいことに留意されたい。 換言すれば、クランプ要素の各々又はその一方は、それ自体が、使用時、各々が金属シートの別個の領域上に作用する2つ又はそれ以上の別個のクランプ部を含むことができる。

    延伸加工工程は、「延伸」パンチを用意する段階と、「延伸」パンチが囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸するように「延伸」パンチと金属シートのいずれか一方又は両方を互いに向けて移動させる段階とを含むことが好ましい。

    最も簡素な形態において、「延伸」パンチは、金属シートと接触するように押し付けられる場合、囲繞部の全部又は一部の変形と延伸の両方を行う端面を有する単一パンチである。 「延伸」パンチの端面には非平面プロファイルが提供され、「延伸」パンチと金属シートのいずれか一方又は両方が互いに向けて移動され、これにより「延伸」パンチが囲繞部の全部又は一部を対応する非平面プロファイルに変形させて延伸することが好ましい。 好都合には、端面にはドーム状又は部分球状のプロファイルが提供され、このプロファイルは、使用時、囲繞部の全部又は一部を対応したドーム状又は部分球状プロファイルに延伸して変形させるように作用する。 一例として、図4に、ドーム状プロファイルの端面が提供された単一の「延伸」パンチを用いてシートの囲繞部に施される延伸加工工程後の金属シート部分の厚さの変動を示す。 シートは、0.0115インチ(0.29mm)の到来基準寸法厚を有していたが、延伸加工工程後には、シートの到来基準寸法と比較して厚さの25%ピーク減少を表す0.0086インチ(0.22mm)の囲繞部最小肉厚であった。 図示の例では、延伸加工工程で得られる薄肉化の度合いは、パンチによって定められる直径全体にわたって不均一であった。 パンチの端面のプロファイルを変えることは、囲繞部の厚さのプロファイル、詳細には最大薄肉化の位置に影響を与えることが分かっている。 例示的に、垂直断面では、パンチの端面は、複合半径を有してもよく、プロファイルが楕円形であってもよい。 囲繞部全体にわたって異なるレベルの薄肉化を達成することを可能にするためには、「延伸」パンチは、1つ又はそれ以上のリリーフ形状部を有する端面を含むことが好ましい。 例えば、端面は、1つ又はそれ以上の凹部又は切り欠きを含むことができる(図9参照)。

    単一のパンチを有する別の方法として、「延伸」パンチは、代わりに、囲繞部の一方の表面に対向する1つ又はそれ以上の第1のパンチのグループと、囲繞部の反対側の表面に対向する1つ又はそれ以上の第2のパンチのグループとを含むパンチ組立体を含むことができ、延伸加工工程は、第1及び第2のグループのいずれか一方又は両方を互いに向けて移動させて囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸する工程を含む。 そのようなパンチ組立体は、例えば、囲繞部を波状プロファイルに変形することを可能にすることができ、波状プロファイルは、囲繞部を図5a及び図5bよりも更に均一に延伸することを可能にする(図8に示す例を参照)。

    単一パンチ又はパンチ組立体を用いる更に別の方法として、延伸加工工程は、代わりに、スピニング加工によって達成することができる。 例えば、スピニング加工は、回転可能に及び/又は枢動可能に取り付けられたプロファイル工具の使用を含むことができ、該工具と金属シートの囲繞部とが互いに接触し、プロファイル工具と金属シートのいずれか一方又は両方が互いに対して回転及び/又は枢動し、これによりプロファイル工具が徐々に囲繞部のプロファイルを作って延伸する。

    延伸加工工程において用いられる「金属シート」は、種々の形状とすることができる。 好都合には、延伸加工工程を開始する前に、より大きい一面の金属シートから、カップに形成するのに適したブランクが切り取られる。 この場合、本発明においては、ブランクが「金属シート」である。 もしくは、延伸加工工程は、そのようなより大きい一面の金属シート上で行われ、ブランクは、延伸加工後に金属シートから切り取られる。 この場合、本発明においては、より大きい一面の金属シートが「金属シート」である。

    好都合には、延伸加工工程は、互いに離間して金属シートの区域全体にわたって配置される複数の囲繞部上で行われる(例えば、図10参照)。 次に、個々のブランクは、対応するカップを形成するための後続の絞り加工に備えて、延伸された金属シートから切り取られる。 生産性を最大化するために、囲繞部のうちの2つ又はそれ以上が同時に延伸される。 この同時延伸加工は、好都合には、互いに間隔をあけて配置され、各々がドーム状端面を有する対応する数の「延伸」パンチを使用して行うことができ、その場合、各々の「延伸」パンチがその対応する囲繞部を変形させて延伸するように、各々の「延伸」パンチと金属シートのいずれか一方又は両方が互いに向かって移動する。 このようにして、この工程は、幾つかの別個の延伸されたディンプルを有するように見える金属シートをもたらすことになる。 しかしながら、所定の一面の金属シート内で一度に同時に延伸される囲繞部の数を最大化することの生産性の利益と、結果として生じる使用工具にかかる高いピーク負荷との間にはトレードオフがある。 例えば、7つ又はそれ以上の囲繞部を持つ金属シートを形成する場合、囲繞部の全てが一度に延伸加工されないことが好ましい。 あるいは、使用工具に生じるピーク負荷を減少させるために、囲繞部のいずれかの同時延伸加工を重ならないようにすることが好ましく、例えば、好都合には、延伸加工は、半径方向内向き又は外向きに進むことになる(図11a及び図11bに示すように)。

    延伸されたカップ上で行われる絞り加工工程は、単一の絞り加工段階だけを有してもよく、代わりに、最初の絞り加工段階と、1回又はそれ以上の後続の深絞り加工段階を含んでもよい。 単一の絞り加工段階又は最初の絞り加工段階では、カップのプロファイルが形成され、任意の後続の深絞り加工段階では、段階的なカップ直径の低減及び側壁高さの増大が達成されることになろう。 絞り加工工程は、好都合には、延伸した金属シートを1つ又は一連の絞りダイスによって絞り加工して、延伸及び薄肉化した囲繞部の材料を、好ましくは側壁内へ、外向きに引っ張って移動させることによって行われる。 囲繞部の延伸及び薄肉化された材料が全部基部内に残っていても側壁内に移動されても、この作用は、依然として、金属シートの到来基準寸法よりも少ない肉厚を備えた基部を有するカップを提供する。

    囲繞部を対応するドーム状形状に延伸して薄肉化するために、ドーム状プロファイルを備えた端面を有するパンチを用いて延伸加工工程が行われた例を挙げると、絞り加工工程の作用は(単一又は複数の絞り加工段階から成る)、囲繞部の材料が外向きに徐々に引っ張られて移動される際に「ドーム」の高さを低くすることである。 絞り加工工程は、延伸されて薄肉化したドーム状の囲繞部を実質的に平坦化するのには十分であるが、これは本発明の必須要件ではない。 例えば、炭酸飲料用の(又は他の加圧製品用の)容器としての使用が意図されたカップの場合、この容器は、通常、製品からの加圧に抗するために、内向きにドーム状の基部を有する。 本発明のカップがこのような容器用として意図される場合、延伸加工工程がもたらす「ドーム」の一部を保持することが好ましい場合もある。 このカップの基部内のドームの保持は、絞り加工工程時に囲繞部に隣接して配置されるプラグ、挿入体、又は等価の手段の使用によって助けることができ、プラグ又は挿入体は、絞り加工工程中のドームの何らかの平坦化に歯止めをかける機能を果たす。 カップがしごき加工工程を受ける場合、「ドーム」の一部を保持することが望ましく、ドームを平坦化するしごき加工工程に起因する逆張を回避するために、プラグ、挿入体、又は等価の手段を用いることも必要かもしれない。 代替的に、又は加えて、缶内圧力に抗するために必要な所望の最終プロファイルを備えたカップのドーム状基部を提供するために、カップは、後でリフォーミング加工工程を受けることもある。

    種々の形態の装置を用いて、絞り加工工程を行うことができる。 絞り加工工程の段階は、一般的に、最初に、「絞り」ダイスと「絞り」ダイスを通って移動して絞り加工を行うようになった「絞り」パンチとの間の位置に金属シート(又は成形されたカップ)を摺動自在にクランプする工程を含むであろう。 カップ形状のプロファイルを形成するための最初の絞り加工段階は、好都合には、従来のカッピングプレスで行うことができる。 カップ上の任意の後続の深絞り加工段階は、好都合には、1つ又は一連の深絞りダイスを有するボディメーカ/プレスを用いて行うことができる。 しかしながら、絞り加工工程は、従来の絞りパンチ/絞りダイス配列の使用に限定されない。 例えば、絞り加工工程は、圧縮空気/ガス又は液体を用いて金属シートを絞りダイス又は金型に押し付けて絞る、吹き込み成形を含むことができる。 実質的に、絞り加工工程(単一又は複数の段階から成る)は、絞り力を印加する何らかの手段を包含する。

    「摺動自在にクランプする」とは、金属シート上の絞りダイスの変形作用に応えて、どのようなクランプ手段が用いられていようと(例えば、絞りパッド)、それに対して金属シートが摺動できるように絞り加工時のクランプ荷重が選択されることを意味する。 この摺動自在クランプの意図は、絞り加工時の材料のしわ発生を防止又は制限することである。

    本発明の第2の態様は、本発明の方法を機能させるための装置に関する。 そのような装置の特徴の一部は前述の通りである。 しかしながら、完全にするために、本装置の特許請求の範囲を以下に簡単に説明する。 用語「装置」は、単一のプラント要素を包含するだけでなく、集合的に、特許請求の範囲に記載の本発明の方法を機能させることができる個別のプラント要素の集合(例えば、プラントの異なる要素によって行われる連続的作業を備える自動車プラントの組立ラインと同様のもの)を含む。

    本発明の第2の態様によれば、
    金属プレート上の環状領域をクランプして囲繞部を画定するようになった、延伸加工工程時に金属シートをクランプするためのクランプ手段と、
    延伸加工工程において囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸し、それにより表面積を増大させて囲繞部の肉厚を減少させるようになった延伸工具と、
    金属シートを側壁及び一体の基部を有するカップに絞るための手段と、
    を備え、
    クランプ手段は、延伸加工工程時に、クランプ領域から囲繞部内への金属の流れを制限又は防止するようになっており、
    基部は、延伸されて薄肉化した囲繞部からの材料を含み、絞り加工手段は、絞り加工工程において、延伸されて薄肉化した囲繞部の材料を外向きに引っ張って移動させるようになっている、金属カップの製造装置が提供される。

    理想的には、材料の単位重量当たりのカップ容積を最大化する(すなわち、原材料を活用する)ために、絞り加工手段は、更に、延伸されて薄肉化した囲繞部の材料を側壁内へ引っ張って移動させるようになっている。

    クランプ手段は、連続環状スリーブの形態のクランプ要素を含むことができ、代替的に、クランプ手段は、金属シートに押し付けられて作用するように環状に分散された個別のクランプ要素部の集合とすることができる。

    クランプ手段は、金属シートの対向面をクランプするようになった第1のクランプ要素及び第2のクランプ要素を含むことが好ましい。 それぞれのクランプ面は、本発明の方法に関して前述の特徴、すなわち、各クランプ面に幾何学的不連続部がないという特徴、又は、好ましくは、所定量の延伸に対するクランプ荷重の低減という利益をもたらすために、各クランプ面に幾何学的不連続部を設けるという特徴を有することができる。

    好ましくは、延伸工具は「延伸」パンチを含み、本装置は、使用時「延伸」パンチが囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸するように、「延伸」パンチと金属シートのいずれか一方又は両方が互いに向かって移動するようになっている。 本発明の方法で説明したように、「延伸」パンチは、使用時、単に金属シートの囲繞部に対して押し付けて延伸加工工程を行う端面を有する単一のパンチとすることができる。 使用時、端面が囲繞部を対応する形状のドーム状又は部分球状のプロファイルに延伸する、ドーム状又は略部分球状のプロファイルを有する単一のパンチを「延伸」パンチとして用いる試みを行った。 代替的に、垂直断面において、パンチの端面は複合半径を有すること、又は楕円形のプロファイルとすることができる。 囲繞部全体にわたって異なるレベルの薄肉化を達成することを可能にするために、「延伸」パンチは、1つ又はそれ以上のリリーフ形状部を有する端面を含むことが好ましい場合もある。 例えば、端面は、1つ又はそれ以上の凹部又は切り欠き(図9参照)を含むことができる。

    代替的な実施形態において、「延伸」パンチは、囲繞部の一方の表面に対向する1つ又はそれ以上の第1のパンチのグループ、及び囲繞部の反対側の表面に対向する1つ又はそれ以上の第2のパンチのグループを含むパンチ組立体を含み、第1及び第2のグループは、使用時、囲繞部の全部又は一部を変形させて延伸するために互いに向かって移動可能である。

    本発明の方法の説明で言及したように、絞り加工工程は、好都合には、カップを1つ又は一連の絞りダイスによって絞り加工して、延伸されて薄肉化した囲繞部からの材料を好ましくは側壁内へ外向きに移動させることによって行われる。 絞り加工手段は、絞りパンチ(又は一連のパンチ)と対応する絞りダイスとを含むことが好ましい。

    更に、本装置は、しごき加工工程において側壁の肉厚の低減と高さの増大の両方を行う1つ又は一連のしごきダイスを更に含むことが好ましい。

    本発明の方法及び装置は、特定の金属に限定されない。 本発明の方法及び装置は、一般にDWI(D&I)加工及びDRD加工に使用される任意の金属に用いることが特に適している。 また、本発明の方法及び装置によってもたらされるカップの最終用途に関して制限はない。 制限がないので、本カップは、食品用途、飲料用途、又は他の任意の用途の、任意の種類の容器の製造に用いることができる。 しかしながら、本発明は、特に公知の製造技術に対してなされるコスト節約に関して、食品用容器の製造に特に有用である。

    本発明の実施形態は、添付の明細書を参照して以下の図面に示される。

    従来のDWIプロセスによる従来の容器本体の側面図である。 容器本体の基部及び側壁領域の材料分布を示す。

    一般論として一般的なツーピース金属容器を製造するための正味全体コストが金属シートの到来標準寸法によってどのように変わるかを示すグラフである。 このグラフは、側壁領域の厚さの低減が正味全体コストの低減にどのように影響するかを示す。

    図2に対応するグラフであるが、英国で供給されるブリキ板の実際の価格に基づいている。

    ドーム状プロファイルの端面を有する「延伸」パンチを用いた延伸加工工程を受けた金属シートの「囲繞部」の肉厚の変化を示すグラフである。

    本発明の延伸加工工程を行うために用いられる延伸装置の側面図である。 延伸加工工程が開始される前の延伸装置を示す。

    図5aの延伸装置を示すが、延伸加工工程の完了時の延伸装置を示す。

    延伸加工工程中に金属シートをクランプするために用いられるクランプ手段の第1の実施形態の断面を示す。

    図6aに示すクランプ手段の使用によってもたらされる金属シートの一部の断面を示す。

    延伸加工工程中に金属シートをクランプするために用いられるクランプ手段の第2の実施形態の断面を示す。

    図7aに示すクランプ手段の使用によってもたらされる金属シートの一部の断面を示す。

    図5a及び図5bに示す延伸パンチの代替的実施形態を示す。

    図5a及び図5bに示す延伸パンチの更に別の代替的実施形態を示し、延伸パンチの端面は種々のリリーフ形状部を含む。

    互いに分離されて金属シートの区域全体にわたって配置される複数の「囲繞部」に、本発明の延伸加工工程が施された一面の金属シートを示す。

    延伸加工工程を行って図10に示す延伸されたシートを提供する際に、囲繞部のうちの2つ又はそれ以上のいずれかの同時延伸をずらして、使用工具が受ける負荷を減少させることができる方法を示す。

    延伸加工工程を行って図10に示す延伸されたシートを提供する際に、囲繞部のうちの2つ又はそれ以上のいずれかの同時延伸をずらして、使用工具が受ける負荷を減少させることができる方法を示す。

    絞り加工工程の最初の絞り加工段階を行って延伸された板金からカップを形成するために用いられるカッピングプレスの工具の側面図である。 最初の絞り加工段階が開始される前の工具を示す。

    図12aに対応する図であるが、最初の絞り加工段階の完了時の図である。

    絞り加工工程の深絞り加工段階でカップを深絞りするために用いられるボディメーカ組立体の斜視図である。 深絞り加工段階の開始から終了までのボディメーカの動作を示す。

    絞り加工工程の深絞り加工段階でカップを深絞りするために用いられるボディメーカ組立体の斜視図である。 深絞り加工段階の開始から終了までのボディメーカの動作を示す。

    絞り加工工程の深絞り加工段階でカップを深絞りするために用いられるボディメーカ組立体の斜視図である。 深絞り加工段階の開始から終了までのボディメーカの動作を示す。

    絞り加工工程の深絞り加工段階でカップを深絞りするために用いられるボディメーカ組立体の斜視図である。 深絞り加工段階の開始から終了までのボディメーカの動作を示す。

    図13aから図13dのボディメーカ組立体に用いられる深絞りダイスの詳細図である。

    板金ブランクが平面のシートから完成品のカップまで進む際の本発明の方法の種々の段階における板金を示す。

    2ピース容器の一部としての本発明のカップの使途を示す。

    延伸加工工程

    金属シート10の平坦部分は、延伸装置20内に配置される(図5a及び図5bに一例を示す)。 0.280mmの到来基準寸法厚さ(t in-going )を備えた鋼のブリキ板(硬度4)を金属シート10として用いた。 しかしながら、本発明は、特定の標準寸法又は金属に限定されない。 一般的に、金属シート10の一部は、金属シートのロール(図示せず)から切り取られる。 延伸装置20は、シリンダ24(図5a及び図5bを参照)から加えられる荷重の作用を受けて、平行な軸線23に沿って互いに対して移動可能な2つのプラテン21、22を有する。 荷重は、任意の従来の手段、例えば、空気圧、油圧により、又は高圧窒素ボンベによって加えることができる。

    プラテン21上には、延伸パンチ25及び第1のクランプリング26の形態のクランプ要素が取り付けられている。 第1のクランプリング26は、延伸パンチ25の半径方向外側に位置付けられている。 延伸パンチ25はドーム状の端面を備える(図5a及び図5bを参照)。

    プラテン22上には、第2のクランプリング27が取り付けられている。 第2のクランプリング27は、環状端面28を有する管状挿入体である(図5a及び図5bを参照)。 使用時、シリンダ24を介して荷重が加えられ、金属シート10の平坦部分が第1及び第2のクランプリング26、27の間で環状にしっかりとクランプするようにプラテン21、22を軸23に沿って互いに向けて移動させて、金属シートの一部のクランプされた環状領域15を画定する。 このようにして、第1のクランプリング26及び第2のクランプリング27の各々は、クランプ要素としての機能を果たす。 クランプされた環状領域15は、金属シート10上に囲繞部16を画定する。

    次に、延伸パンチ25が第1のクランプリング26を通って軸線方向に移動され、囲繞部16の金属をドーム状プロファイル17(図5b参照)に徐々に変形させて延伸(薄肉化)する。

    理想的には、延伸加工工程中に加えられるクランプ荷重は、延伸時にクランプされた環状領域15から(又はクランプ領域の外側から)の材料が殆ど又は全く囲繞部16に流入しないことを保証する十分な大きさである。 これは、囲繞部16に生じる延伸及び薄肉化の量を最大化するのに役立つ。 しかしながら、前述の発明の概要で説明したように、囲繞部16の金属の延伸及び薄肉化は、クランプされた環状領域15から(又はクランプ領域の外側から)囲繞部への限定された量の金属の流れを可能にする場合でも依然として生じ得ることが分かっている。

    図6a及び図7aに、延伸加工工程時に金属シート10をクランプするために用いられる第1のクランプリング26及び第2のクランプリング27の2つの実施形態の詳細図を示す。

    図6aは、第1のクランプリングの半径方向内側端に広がる幅wを有する環状段部261を備える第1のクランプリング26の面を示す。 対応する環状切り欠き271は、第2のクランプリング27の面に設けられる。 図示の実施形態では、段部261及び切り欠き271は、1mmの高さh及び0.5mmの半径R 261、271を有する。 段部261及び切り欠き271の軸線方向に延びる側部s 261、271は、側部が、クランプが意図される金属シートの肉厚tよりも大きな距離(図6aの距離Δを参照)だけ半径方向に互いにオフセットしている。 これにより、クランプ時に金属シートがピンチング又はコイニングされるのが防止されるので、後続の絞り加工工程(又は任意の後続のしごき加工工程)時に引裂が起きる可能性のある弱化領域の形成を最小限に抑えるのに役立つ。

    図6bは、図6aに示すクランプ配列の使用によってもたらされる金属シートの部分図である、

    図7aは、第1のクランプリングの半径方向内側端及び半径方向外側端から離れて配置される環状ビード261を備える第1のクランプリング26の面を示す。 対応する環状凹部271は、第2のクランプリング27の面に設けられる。 この代替的実施形態では、図6aの実施形態とは対照的に、ビード261は、凹部271によってその中に完全に囲むことができる。 換言すれば、使用時、図7aのビード261は、クランプされた環状領域15の金属を凹部271によってその中に完全に囲まれるように押し付ける。 本実施形態では、ビード261は、約0.5mmの高さ、それぞれ約0.3mm及び約0.75mmの半径R 261、271を有する。 図7aから分かるように、図6aの実施形態と同様に、ビード261及び凹部271は、クランプ中に金属シートがピンチング又はコイニングされるのが防止されるようにプロファイルが形成されている。

    図7bは、図7aに示すクランプ配列の使用によってもたらされる金属シートの部分図を示す。

    両方のクランプの実施形態は、0.277mm及び0.310mm標準寸法の金属シートに用いた。 しかしながら、この説明は、本発明の方法又は装置の範疇又は適用性を限定することを意図していない。

    下記の表1は、両方のクランプの実施形態(図6a及び図7a)に関して、所定量の延伸を実現するために延伸加工工程時に必要な軸線方向クランプ荷重を示す。 表1のデータは、カップの平面基部のクランプ及び延伸(国際出願PCT/EP11/051666号(CROWN Packaging Technology,Inc)の図7a、7b、8a、及び8bに示すような)に基づくが、クランプ及び延伸が行われる領域がどちらの場合も平面なので、このデータは、本発明にも同じように適用できることに留意されたい。 表1は、凹部271によってその中の完全に囲まれるようになっているビード261を有することで(図7aの実施形態)、必要なクランプ荷重が、図6aのクランプ配列を用いた場合に必要な荷重に比べて約50%だけ大幅に減少することを明確に示す。 必要な軸線方向クランプ荷重のこの差異の理由は、対応する凹部271の内に完全に延びることができるビード261を有することで、延伸加工工程時の金属の流れが大きく妨害されて、結果的に改善されたクランプ効果がもたらされるからである。 金属の流れの妨害は、金属の流れがビード261の両方の軸線方向に延びる側部s 261によって妨害されるので、図7aの実施形態に関しては大きく、一方で、図6aの実施形態に関しては、金属の流れはそのビードの単一の軸線方向に延びる側部s 261によって妨害されるだけである。

    代替的実施形態では、単一の延伸パンチ25は、パンチ組立体250(図8に示すような)に置換される。 パンチ組立体250は、
    i)中央コアパンチ要素251bを取り囲む環状パンチ要素251aの第1のグループ251と、
    ii)環状パンチ要素252aの第2のグループ252と、
    を有する。

    理解を容易にするために、図8には、パンチ組立体250及び金属シート10の一部分のみを示す。 図8には示していないが、使用時、金属シート10の環状領域15は、延伸加工工程時に、図5a及び図5bに示す実施形態と同様に環状に配置できるはずである。

    使用時、第1及び第2のパンチ要素のグループ251、252は、金属シート10の囲繞部16の対向面に向かい合う。 延伸加工工程は、第1及び第2のパンチ要素のグループ251、252の両方を互いに向けて移動させて、囲繞部16の金属を変形させて延伸(薄肉化)することによって行われる。 囲繞部16は、波状プロファイル170(図8参照)に変形される。

    更に別の実施形態では、単一の延伸パンチ25は、その端面に設けられた凹部/切り欠き253の形態の幾つかのリリーフ形状部を有する(図9参照)。 図9に示す実施形態において、単一の環状凹部/切り欠きによって取り囲まれる中央凹部/切り欠きが存在する。 しかしながら、凹部/切り欠きの別の構成を利用することができる。

    図5a、5bの実施形態には、金属シート10の一部分の単一の囲繞部をパンチング加工する工程が示されている。 しかしながら、図5a、5bに示す装置は、互いに分離されて金属シート10の区域全体にわたって配置される複数の囲繞部16を延伸して薄肉化するために利用できる。 図10は、シートの区域全体にわたって配置された、延伸されて薄肉化した複数のドーム状の囲繞部16、17を画定するために、この延伸加工工程が施された金属シート10の一部分を示す。 これは金属シート10の区域全体にわたって複数の連続した延伸加工工程を行う単一の延伸パンチを用いて行われるが、本装置は、金属シートの区域全体にわたって配置された対応する複数の囲繞部で行われることになる同時延伸加工工程を可能にする複数の延伸パンチを含むことが好ましい。 しかしながら、延伸のために使用工具が受ける荷重を減少させるためには、シート全体にわたる囲繞部の全てが同時に延伸されないように、いずれかの同時延伸加工工程をずらすことが有用である。 図11a及び図11bは、囲繞部「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、及び「f」の6つのグループを示している。 使用時、各グループ内の全ての囲繞部が同時に延伸されることになるはずである。 図11aに示す実施形態では、延伸加工は、グループ「a」からグループ「b」、グループ「c」、グループ「d」、グループ「e」、グループ「f」へと半径方向外向きに進むことになる。 図11bに示す代替的実施形態では、延伸は、グループ「f」からグループ「e」、グループ「d」、グループ「c」、グループ「b」、グループ「a」へと半径方向内向きに進むことになる。 延伸加工の完了時点で、後続の絞り加工に備えて、個々のブランクは、延伸加工された金属シートから切り取られることになる。

    図10、図11a、及び図11bは例示的であり、縮尺通りであることは意図されていないことに留意されたい。

    絞り加工工程の最初の絞り加工段階

    延伸加工工程の完了時点で、延伸されて薄肉化したドーム状の囲繞部16、17を備える金属シート10は、カッピングプレス30に移送される。 カッピングプレス30は、絞りパッド31及び絞りダイス32を有する(図12a及び図12b参照)。 絞りパンチ33は、共通の軸線34で示すように、絞りダイス32と同軸である。 絞りパンチ33には凹部35が設けられている。 円周方向の切断要素36は絞りパッド31を取り囲む。

    使用時、金属シート10の一部分は、絞りパッド31の対向面と絞りダイス32との間の適切な位置に保持される。 シート10は、ドーム状の囲繞部16、17が絞りダイス32の穴の上方中央に位置するように配置される。 金属シート10が位置決めされた後に、円周方向の切断要素36は下向きに移動され、金属シート10からブランク11が切り取られる(図12a参照)。 余剰材料は、図12a上に12で示されている。

    ブランク11がシート10から切り取られた後に、絞りパンチ33が軸線方向下向きに移動され、ブランク11と接触する(図12b参照)。 絞りパンチ33は、最初に、ドーム状の囲繞部16、17に隣接して半径方向外側に配置された環状領域18a上のブランク11に接触する(図12a参照)。 絞りパンチ33に設けられた凹部35は、絞り加工時にドーム状の囲繞部16、17のつぶれを防止する。 絞りパンチ33は、絞りダイス32を通って下向きに移動し続け、ブランク11を、ダイスの形成面37に押し付けて、側壁19 sw及び一体の基部19 bを有するカップ19のプロファイルに徐々に絞る。 しかしながら、ブランク11を押し付ける絞りパンチ33の作用は、ドーム状の囲繞部16、17の材料を外向きに引っ張って移動させる(図12bに矢印Aで示す)作用も生じる。 この最初の絞り加工段階は、ドーム状領域の材料が外向きに絞られたことによるドーム状領域の高さの減少をもたらす。 絞りの深さによっては、この絞り加工は、延伸されて薄肉化した材料を全部基部19 b内に残すのではなく、最初の絞り加工段階時に、ドーム状の囲繞部16、17の延伸及び薄肉化した材料の一部を側壁19 sw内に引っ張って移動させるのに十分である場合もある。 図12bは、基部の17'で示す高さが減少したドーム状領域を有する、カッピングプレス30の使用によってもたらされる絞りカップ19の別の図を含む。 図12aは、絞りダイス32の端面とその形成面37との間の接合部における半径R 32の詳細図を示す。 従来の絞り加工工程と同様に、半径R 32及び絞りパッド31がブランク11の周辺部に加える荷重は、絞りパンチ33が下向きに徐々に移動してブランクをカップ19に絞る場合、絞りパッド31の対向面と絞りダイス32との間及びその形成面37に沿って、ブランクが半径方向内向きに摺動できるように選択される。 これにより、ブランク11が延伸(薄肉化)される(又は最悪、絞りダイスの端面と形成面37との間の接合部の周りで引裂する)のではなく、大部分が絞られることが保証される。 半径R 32の大きさに依存して、それほどではないにせよ、延伸又は薄肉化が無視できる、絞りパッド31が印加するクランプ荷重の大きさは、最初の絞り加工段階時に生じるはずである。 しかしながら、本発明の代替的実施形態では、絞り加工及び別の延伸加工の組み合わせが絞りパンチ33の作用のもとで生じるので、絞りパッド31が印加する荷重が十分になることが可能である。 最初の絞り加工段階によってもたらされるカップ19は、「第1段階のカップ」とも呼ばれる。

    図12a及び図12bに示されていない本発明の代替的実施形態では、絞り深さが十分である場合、最初の絞り加工段階で実質的に平坦に引っ張られて実質的に平坦な基部19 bを有するカップ19を形成するようになったドーム状の囲繞部16、17がもたらされる。

    絞り加工工程の深絞り加工段階

    図12a及び図12bで説明したカッピング加工によってもたらされる第1段階のカップ19は、ボディメーカ組立体40(図13aから図13d参照)に搬送される。 ボディメーカ組立体40は、2つの半体41、42(図13aから図13dに矢印で示す)を含む。

    ボディメーカ組立体40の第1の半体41は、円周方向のクランプリング44と同一軸線上に取り付けられた環状の深絞りパンチ43を有する。 図13aから図13dから分かるように、クランプリング44は、スリーブのように深絞りパンチ43を円周方向に取り囲む。 以下の説明及び図13a−13dから理解できるように、深絞りパンチ43は、円周方向クランプリング44を通って移動可能であり、これとは独立している。

    ボディメーカ組立体40の第2の半体42は、深絞りダイス45を有する。 深絞りダイス45は、カップ19の内径に対応する外径を有する管状部を有する(図13aから図13d参照)。 深絞りダイス45は、その内側軸面上に環状端面47で終端する形成面46を有する(図13aから図13d参照)。

    使用時、第1段階のカップ19は、最初に、深絞りダイス45上に取り付けられる(図13aに示すように)。 次に、図13bに示すように、カップ19の基部の環状領域18bが深絞りダイス45の環状端面47と円周方向クランプリング44の表面との間でクランプされるように、ボディメーカ組立体40の2つの半体41、42が互いに対して軸線方向に移動される。

    クランプされた時点で、次に、深絞りパンチ43がクランプリング44及び深絞りダイス45を通って軸線方向に押し出され(図13c及び図13d上の矢印B参照)、深絞りダイスの形成面46に沿って、カップ19の材料を徐々に深絞りする。 深絞りパンチ43及び深絞りダイス45の使用は2つの効果をもつ。
    i)側壁19 swからの材料を半径方向内向きに、次いで深絞りダイス45の形成面46に沿って軸線方向に絞る効果(図13c及び図13d上に矢印Cで示すように)。 このようにして、深絞り加工段階中にカップの直径が減少する(図13aを図13dと比較することによって示すように)。
    ii)基部19 bの高さが減少したドーム状領域17'に残っている延伸されて薄肉化した材料を、基部から直径が減少した側壁内へ更に徐々に引き出して移動させる効果(図13c及び図13d上に矢印Dで示すように)。 これは、基部19 bを平坦化する効果を有する(特に図13d参照)。

    図13dに、深絞りパンチ43がその行程の終点に到達した場合の深絞りカップ19の最終状態を示す。 元はドーム状であった基部19 bの領域17'は、ここでは引っ張られて実質的に平坦になり、基部19bの肉厚が到来金属シート10よりも薄いカップ本体又は容器本体となっていることが明確に分かる。 前述のように、基部19 bのこの減少した肉厚及び結果として生じる減量は、先行して行った延伸加工工程によって可能となる。

    図14の深絞りダイス45の詳細図に示すように、深絞りダイス45の形成面46と環状端面47との間の接合部は、1mmから3.2mmの範囲の半径R 45が備える。 半径R 45を設けることで、そうでなければ形成面46と環状端面47との間の接合部に存在することになる尖った隅部が緩和されるので、カップ19の金属がこの接合部の周りで深絞りされる際に引裂する危険性が低減する。

    図13aから図13dに示す深絞り加工段階の後に、カップ19の直径の更なる低減を引き起こすために1つ又はそれ以上の更なる深絞り加工段階を行うこともできる。

    図13aから図13dでは環状端面を有する環状深絞りパンチ43を使用しているが、パンチは、代替的に、閉じた端面を有してもよいことに留意されたい。 閉じた端面は、対応するプロファイルをカップの基部にプレス成形するようなプロファイルに形成することができる。

    前述の図13aから図13dに示す絞り加工工程は、逆の深絞りとして知られている。 これは、深絞りパンチ43が第1段階のカップのプロファイルを反転させるように方向付けられるからである。 実際には、深絞りパンチは、材料の方向を反転させて、延伸されたカップを裏返しにする。 これは、図13aから図13dのカップのプロファイルを比較することによって分かる。 カップの逆深絞りは、次の利点を有する。
    i)高さが減少した基部のドーム状領域17'の制御不能なバックリングを防止する(特に、閉じた端面を有する深絞りパンチを用いる場合)。
    ii)ドーム状領域17'から側壁19 swへの材料の移動を最大化する。

    図13aから図13dに示す実施形態は逆深絞りを示すが、従来の深絞りの場合、つまり、深絞りを反転させるために深絞りパンチが反対方向に作用してカップを裏返しにしない場合にも効果があることに留意されたい。

    図15に、何らかの形成加工工程が行われる前(図a)から延伸装置20での延伸加工工程の後(図b)、カッピングプレス30での最初の絞り加工段階の後(図c)、及び最後のボディメーカ組立体40での深絞り加工段階の後(図d)までに金属シート10が受ける変化を示す。 図は、完成品のカップの基部(f stretch )が金属シート10の到来基準寸法(t in-going )と比較して減少した肉厚、すなわちt stretch <t in-goingを有することを明確に示している。 前述のように、この減少した肉厚(金属シートの到来基準寸法と比較して)は、本発明の延伸加工によって可能となる。 ドーム状の囲繞部16、17の材料を外向きに徐々に引っ張って移動させる最初の絞り加工段階の効果は図15b及び15cに示されており、最初の絞り加工段階の結果として、位置Xの材料は、位置X'まで外向きに引っ張られて移動される。 深絞り加工段階の効果は図15に示されており、位置X'の材料は、側壁19 sw内の位置X''まで引っ張られて移動される。

    薄肉化した基部を備えたカップの側壁19 swの高さを最大化するために、カップは、しごき加工工程において一連のしごきダイス(図示せず)を通じて絞られることによって、側壁のしごき加工を受けることができる。 このしごき加工工程は、側壁の高さを増大させて肉厚を減少させる効果を有する。

    図16に、最終的に得られるカップ19が容器本体110を形成するためのしごき加工工程を受けた容器100を示す。 容器本体110は、アクセス開口部に外向きの張り出し部111を備える。 缶端部120はシーミングパネル121を備え、シーミングパネル121によって、張り出し部111にシーミングすることによって缶端部を容器本体に固定することができる。

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