呈味持続性チューインガムとその製造方法

申请号 JP2008502846 申请日 2007-03-01 公开(公告)号 JPWO2007100055A1 公开(公告)日 2009-07-23
申请人 明治製菓株式会社; 发明人 隆一 ▼高▲宮; 隆一 ▼高▲宮; 仁美 関根; 仁美 関根; 充裕 千馬; 充裕 千馬;
摘要 本発明は、予めガムベースを酸味料及び高甘味度甘味料の少なくとも一方と所定 温度 で加熱混合し、呈味吸着ガムベースを作製し、a)当該呈味吸着ガムベースを糖質と混合した後に糖質を加熱溶融し、その後冷却して所定温度を維持した状態でシード剤を添加混合するか、又は、b)糖質を加熱溶融し、その後冷却して所定温度を維持した状態でシード剤と当該呈味吸着ガムベースを添加し、得られた糖質、呈味吸着ガムベース及びシード剤を含む流動性チューインガム生地を成形型に充填し成型することを特徴とする呈味持続性のチューインガムの製造方法、並びに、その製造方法により製造される呈味持続性のチューインガムを提供するものである。本発明によれば、キャンディのような噛みだしで咀嚼していくとチューイング性を有するチューインガムにおいて、呈味を持続させて、長く味持ちするチューインガムを提供できる。
权利要求
  • 下記の工程工程1:予めガムベースを酸味料及び高甘味度甘味料の少なくとも一方と60〜160℃で加熱混合し、呈味吸着ガムベースを作製する工程と、
    工程2a:当該呈味吸着ガムベースを糖質と混合した後に、加熱して当該糖質を110〜160℃で溶融する工程と、
    工程3a:当該糖質を混合溶融した呈味吸着ガムベースを冷却して、65〜95℃に温度を維持した状態で、シード剤を添加混合する工程と、
    工程4:前記工程3aで得られた、糖質、呈味吸着ガムベース及びシード剤を含む流動性チューインガム生地を成形型に充填して成型する工程と、
    工程5:成型した当該チューインガム生地を冷却固化し、成形型から剥離する工程とを含むことを特徴とする呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 下記の工程工程1:予めガムベースを酸味料及び高甘味度甘味料の少なくとも一方と60〜160℃で加熱混合し、呈味吸着ガムベースを作製する工程と、
    工程2b:糖質を110〜180℃で加熱溶融する工程と、
    工程3b:当該糖質を冷却して65〜95℃に温度を維持した状態で、シード剤と当該呈味吸着ガムベースを添加混合する工程と、
    工程4:前記工程3bで得られた、糖質、呈味吸着ガムベース及びシード剤を含む流動性チューインガム生地を成形型に充填して成型する工程と、
    工程5:成型した当該チューインガム生地を冷却固化し、成形型から剥離する工程とを含むことを特徴とする呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 前記酸味料の含有量が、前記チューインガム生地の0.5〜10重量%である請求項1又は2のいずれか一方に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 前記高甘味度甘味料の含有量が、前記チューインガム生地の0.05〜1.5重量%である請求項1又は2のいずれか一方に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 前記酸味料がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フマル酸及びアスコルビン酸よりなる群から選択される1種以上のものである請求項1又は2のいずれか一方に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 前記高甘味度甘味料がスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア及びサッカリンよりなる群から選択される1種以上のものである請求項1又は2のいずれか一方に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 前記シード剤がチューインガム生地に含まれる糖質と同一糖質の結晶粉末である請求項1又は2のいずれか一方に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 前記糖質が糖アルコールである請求項1又は2のいずれか一方に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 前記糖アルコールがキシリトール、エリスリトール、ソルビトール及びマルチトールよりなる群から選択される1種以上のものである請求項8に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 前記糖アルコールの糖質中の含有量が糖質全重量の80〜100重量%である請求項9に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
  • 請求項1又は2のいずれか一方に記載の製造方法により得られる呈味持続性チューインガム。
  • 说明书全文

    本発明は、呈味持続性チューインガム及びその製造方法に関するものである。 本願は、2006年3月2日に、日本国に出願された特願2006−055719号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

    チューインガムの成型方法には大きく2つの方法が知られている。 すなわち、1)一般に、ガムベースに糖質、香料、酸味料、着色料等を添加、混合したチューインガム生地を圧延ロール(文献1:特開平9−271325号公報)等で帯状または状に加圧成型する方法と、また、2)前記原料を混合したチューインガム生地を粉末もしくは顆粒化したものを打錠によりタブレット状に成型する方法とがある(文献2:特表2005−531319号公報)。 一方、ガムベースと粉糖、砂糖、飴を加熱溶融状態で混合して、常法により裁断成型して得る、糖質がガラス状態で存在するチューイングキャンディとも呼べるようなものも知られている(文献3:特開昭47−23569号公報、文献4:特開昭53−24066号公報)。

    しかし、これらのチューイングキャンディの製造方法は、キャンディとガムベースを加熱溶融状態にして混合した後は、圧延及び裁断成型するという従来の製造方法の域を出ていない。 更に、このような糖質がガラス状態で存在するチューイングキャンディは、噛み始めは酸味、甘味等の呈味を強く感じるが、咀嚼していくと呈味が急速に減少し、通常のチューインガムよりも味持ちしない。

    特開平9−271325号公報

    特表2005−531319号公報

    特開昭47−23569号公報

    特開昭53−24066号公報

    本発明の課題は、キャンディのような噛みだしで咀嚼していくとチューイング性を有するようになるチューインガムにおいて、呈味を持続させて、長く味持ちするチューインガム及びその製造方法を提供することにある。

    本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
    予めガムベースを酸味料及び高甘味度甘味料の少なくとも一方と60〜160℃で加熱混合し、呈味吸着ガムベースを作製し、
    (a)呈味吸着ガムベースを糖質と混合した後に、糖質を加熱溶融し、その後冷却して65〜95℃の温度を維持した状態でシード剤を添加混合するか、又は、
    (b)糖質を加熱溶融し、その後当該糖質を冷却して65〜95℃の温度を維持した状態で、シード剤と当該呈味吸着ガムベースを添加混合し、
    糖質、呈味吸着ガムベース及びシード剤を含む流動性チューインガム生地を成形型に充填し成型することを特徴とする呈味持続性のチューインガムの製造方法、並びに、その製造方法により製造される呈味持続性のチューインガムを提供することにより発明を完成するに至った。

    すなわち、本発明は以下の発明を包含する。 (1)下記の工程1〜5
    工程1:予めガムベースを酸味料及び高甘味度甘味料の少なくとも一方と60〜160℃で加熱混合し、呈味吸着ガムベースを作製する工程と、
    工程2a:当該呈味吸着ガムベースを糖質と混合した後に、加熱して当該糖質を110〜160℃で溶融する工程と、
    工程3a:当該糖質を混合溶融した呈味吸着ガムベースを冷却して、65〜95℃に温度を維持した状態で、シード剤を添加混合する工程と、
    工程4:前記工程3aで得られた、糖質、呈味吸着ガムベース及びシード剤を含む流動性チューインガム生地を成形型に充填して成型する工程と、
    工程5:成型した当該チューインガム生地を冷却固化し、成形型から剥離する工程と、を含むことを特徴とする呈味持続性チューインガムの製造方法(工程2aおよび工程3aを含む製法a)。

    (2)下記の工程1〜5
    工程1:予めガムベースを酸味料及び高甘味度甘味料の少なくとも一方と60〜160℃で加熱混合し、呈味吸着ガムベースを作製する工程と、
    工程2b:糖質を110〜180℃で加熱溶融する工程と、
    工程3b:当該糖質を冷却して65〜95℃に温度を維持した状態で、シード剤と当該呈味吸着ガムベースを添加混合する工程と、
    工程4:前記工程3bで得られた、糖質、呈味吸着ガムベース及びシード剤を含む流動性チューインガム生地を成形型に充填して成型する工程と、
    工程5:成型した当該チューインガム生地を冷却固化し、成形型から剥離する工程と、を含むことを特徴とする呈味持続性チューインガムの製造方法(工程2bおよび工程3bを含む製法b)。

    (3)前記酸味料の含有量が、前記チューインガム生地の0.5〜10重量%である前記(1)又は(2)に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
    (4)前記高甘味度甘味料の含有量が、前記チューインガム生地の0.05〜1.5重量%である前記(1)又は(2)に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
    (5)前記酸味料がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フマル酸及びアスコルビン酸よりなる群から選択される1種以上のものである前記(1)又は(2)に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
    (6)前記高甘味度甘味料がスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア及びサッカリンよりなる群から選択される1種以上のものである前記(1)又は(2)に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
    (7)前記シード剤がチューインガム生地に含まれる糖質と同一糖質の結晶粉末である(1)又は(2)に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
    (8)前記糖質が糖アルコールである前記(1)又は(2)に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
    (9)前記糖アルコールがキシリトール、エリスリトール、ソルビトール及びマルチトールよりなる群から選択される1種以上のものである前記(8)に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
    (10)前記糖アルコールの糖質中の含有量が糖質全重量の80〜100重量%である前記(9)に記載の呈味持続性チューインガムの製造方法。
    ここで、前記チューインガム生地全体に対する糖質の配合量としては、例えば50〜90重量%の含有率が好適に挙げられる。
    (11)前記(1)乃至(10)のいずれか1つに記載の製造方法により得られる呈味持続性チューインガム。 特に、前記(1)又は(2)に記載の製造方法により得られる呈味持続性チューインガム。

    本発明により、噛みだしはキャンデーのような歯切れ感があるが、咀嚼するにつれてチューイング性が出てくるため、従来のチューインガムとは異なる食感が得られるチューインガムで呈味を長く持続させることができ、嗜好性を向上させることができる。

    咀嚼時間毎の酸味の強さを官能値として示し、実施例1と比較例1とを比較して示したグラフである。

    咀嚼時間毎の甘味の強さを官能値として示し、実施例2と比較例2とを比較して示したグラフである。

    咀嚼時間毎の酸味の強さと甘味の強さを総合して呈味としての強さを官能値として示し、実施例5と比較例3とを比較して示したグラフである。

    咀嚼時間毎の酸味の強さを官能値として示し、実施例6と比較例4とを比較して示したグラフである。

    咀嚼時間毎の甘味の強さを官能値として示し、実施例7と比較例5とを比較して示したグラフである。

    本発明では、先ず、工程1において、味持ちを長くするために、予めガムベースを、呈味成分である酸味料及び/又は高甘味度甘味料と加熱混合し、呈味吸着ガムベースを作製する。 ここで本発明のガムベースとしては、例えば、チクル等の天然樹脂、ロジンのグリセリンエステルであるエステルガム、酢酸ビニル、ポリイソブチレンあるいはポリブテンなどの合成ゴム等が挙げられ、ガムベースとは、その中の1種又は2種以上が混合されたものである。 また、ガムベースの配合量はチューインガム生地全体の10〜40重量%が好ましい。
    また、呈味吸着ガムベースを作製する際に、加熱混合する温度範囲は60〜160℃であり、好ましくは80〜130℃がよい。 60℃未満では十分に味持ちせず、160℃を越えると焦げや褐変のおそれが出てくる。 本発明の酸味料とはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フマル酸、アスコルビン酸等を言い、高甘味度甘味料とはスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、サッカリン等を言う。 複数の酸味料同士又は高甘味度甘味料同士を併用してもよく、また酸味料と高甘味度甘味料を併用してもよい。 このとき酸味料の含有量はチューインガム生地の通常0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜8重量%がよい。 0.5重量%未満では十分に味持ちせず、10重量%を越えると酸味が強すぎて味のバランスを崩す。 また、高甘味度甘味料の含有量はチューインガム生地の通常0.05〜1.5重量%であり、好ましくは0.1〜1重量%がよい。 0.05重量%未満では十分に味持ちせず、1.5重量%を越えると甘味が強すぎて味のバランスを崩す。 なお、この工程1では、後述する糖質は混合しない。

    次に、工程2および工程3において、前記工程1で得られた呈味吸着ガムベースと、糖質とを少なくとも含む、流動性チューインガム生地を製造する。
    本発明のチューインガム生地では、糖質を少なくともその一部において結晶化させるために、糖質を加熱して一旦溶融させてから冷却して、所定の温度範囲でシード剤を添加することが必要である。 このため本発明の製造方法では、製法a)および製法b)のいずれの方法においても、糖質の加熱溶融工程および冷却工程を有する。
    工程2においては、糖質の加熱溶融工程として、工程2a)のように呈味吸着ガムベースに糖質を混合した後に糖質と当該ガムベースとを一緒に加熱溶融してもよいし、あるいは、工程2b)のように、糖質を予め単独で加熱溶融してもよい。 このような、糖質を加熱溶融する工程を経ることによって糖質を再結晶させたときに糖質の連続層を得ることが可能となる。
    工程2において、工程2a)のように呈味吸着ガムベースに糖質を混合した後に糖質と当該ガムベースとを一緒に溶融する場合、その溶融温度は110〜160℃が好ましい。 また、工程2b)のように糖質を単独で加熱溶融する場合、溶融温度は110〜180℃が好ましい。
    呈味吸着ガムベースと糖質とを混合し、全体を加熱溶融させたものも、呈味吸着ガムベースと糖質とをそれぞれ単独で加熱溶融した後に、溶融した呈味吸着ガムベースと溶融した糖質を混合したものも、呈味吸着ガムベースと糖質は分離した状態になっており、このままではチューインガム生地とはならない。
    そこで、チューインガム生地中の呈味吸着ガムベースと糖質を一体化させるために、後述するシード剤を添加する。

    本発明の糖質としては、グルコースやマンノース等の単糖、スクロース、トレハロースやマルトース等の二糖、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、パラチニットなどの糖アルコール、水飴等、通常チューインガムに使用するものを使用できる。 また、糖質の配合量はチューインガム生地全体の50〜90重量%が好ましい。 特にキシリトール、エリスリトール、ソルビトール及びマルチトールよりなる群から選択される1種以上の糖質が糖質全重量の80〜100重量%である場合、流動状態を保持しやすく、また型に充填後に固化しやすいので好ましい。 また、糖質を溶融する際には、水や水飴等を添加して、水分を含んだ状態で加熱すると溶融しやすいので好ましい。

    次いで、工程3においては、溶融した糖質を冷却して、所定の温度範囲でシード剤を添加する。 この添加の際の温度範囲は、製法a)および製法b)のいずれの方法においても、65〜95℃が好ましい。 工程3a)では、糖質と呈味吸着ガムベースとを混合溶融した混合物を冷却して、65〜95℃の温度範囲を維持した状態で、シード剤を添加混合する。 また、工程3b)では、単独で溶融した糖質を冷却して、65〜95℃の温度範囲を維持した状態で、シード剤とともに前記呈味吸着ガムベースを添加混合する。
    ここで本発明のシード剤とは、溶融した糖質を起晶させる増粘促進剤であり、得られるチューインガムに含有される糖質と同一の糖質結晶である。 但し、糖質が2種類以上ある場合はその中の1種の糖質結晶でよい。 また、シード剤の添加量の割合は溶融した糖質に対して4〜30重量%が好ましく、溶融した糖質に含まれる、シード剤と同一の糖質に対しては5〜40重量%が好ましい。 シード剤を添加しないと、前述したように、呈味吸着ガムベースと溶融した糖質が分離した状態のままであり、呈味吸着ガムベースと糖質が一体化したチューインガム生地を得ることができない。

    製法b)において、工程2b)のように糖質を単独で加熱溶融した場合には、工程3b)にて好ましい温度(65〜95℃)に冷却後、シード剤と呈味吸着ガムベースを添加する。 但し、その際に添加する順番は問わず、シード剤が先であっても後であってもよく、同時に添加してもよい。
    また、製法a)又は製法b)のいずれの場合にも、香料、着色料、ライスワックスやカルナバワックス等のワックス、飽和脂肪酸のステアリン酸主体のモノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤や炭酸カルシウムやタルクなどの無機質充填剤等の原料を、呈味吸着ガムベースを作製する前にガムベースに直接添加してもよいし、シード剤を添加混合する際に加えてもよい。 また、これらの原料は、糖質の溶融前に呈味吸着ガムベースへ加えてもよいし、溶融後もしくはシード剤添加後に加えてもよい。
    さらに、製法a)又は製法b)のいずれの場合にも、予めガムベースと吸着混合するものとは別に、酸味料や高甘味度甘味料を更に加えてもよい。 これらは、糖質の溶融前に加えてもよく、溶融後もしくはシード剤添加後に加えてもよい。
    熱に弱い添加成分は、成形型に充填する直前にチューインガム生地に加えたり、チューインガム生地とは別々に成形型に充填してもよい。

    次に、工程4において、前記工程3で得られた流動性チューインガム生地を成形型に充填して成型する。 流動性チューインガム生地には、少なくとも糖質、呈味吸着ガムベース及びシード剤が含まれる。 最後に、工程5においては、流動性チューインガム生地を成形型に充填後、冷却してチューインガム生地を固化させる。 その後、成形型から剥離する。 成形型としては、樹脂型、金属型、シリコン型、スターチ型等を使用できる。 充填したチューインガム生地を固化するための冷却の温度は、5〜30℃の範囲が好ましい。 また、シリコン型、スターチ型等の変形することで内容物の剥離が可能な型以外を使用する場合は、底面に穴が空いており、その穴にピンを差し込んで底面の一部とした構成の成形型を使用すると、剥離するときに穴に差し込んだピンを押すことで、チューインガムが型から押し出されやすくなるため好ましい。 2種以上の異なったチューインガム生地を充填して、風味や色、咀嚼感等の異なる2種以上のチューインガム生地が一体となったチューインガムを作ることもできる。 また、得られたチューインガムに糖衣を施す等の加工を行ってもよい。

    以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。

    実施例1
    予めガムベース20重量部とクエン酸2重量部を120℃で加熱混合し、クエン酸が吸着された呈味吸着ガムベースを作製した。 当該呈味吸着ガムベース24重量部を、キシリトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部、乳化剤0.2重量部と混合し、130℃まで加熱し、溶融した混合物を得た。 当該混合物を冷却し85℃とし、当該混合物に香料4重量部と色素0.5重量部を添加混合した。 更にキシリトール粉末8重量部をシード剤として添加混合すると、結晶が析出し、呈味吸着ガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。 当該チューインガム生地を縦20mm、横12mm、深さ8mmの金属型に2gずつ充填し、20℃まで冷却し、当該金属型の底面をピンで押し出し、チューインガムを得た。

    比較例1 (実施例1に対応する比較例)
    ガムベース20重量部と、クエン酸2重量部、キシリトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部および乳化剤0.2重量部とを、130℃で加熱混合し、混合物を得た。 当該混合物を冷却し85℃とし、当該混合物に香料4重量部と色素0.5重量部とを添加混合した。 更にキシリトール粉末8重量部を添加混合すると、結晶が析出し、ガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程によってチューインガムを得た。

    実施例2
    予めガムベース20重量部とアセスルファムカリウム0.2重量部を120℃にて混合し、アセスルファムカリウムが吸着された呈味吸着ガムベースを作製した。 当該呈味吸着ガムベース22重量部と、キシリトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部および乳化剤0.2重量部とを混合し、130℃まで加熱し、溶融した混合物を得た。 当該混合物を冷却して85℃とし、当該混合物に香料4重量部と色素0.5重量部を添加混合した。 更にキシリトール粉末8重量部をシード剤として添加混合すると、結晶が析出し、呈味吸着ガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程によってチューインガムを得た。

    比較例2 (実施例2に対する比較例)
    ガムベース20重量部と、アセスルファムカリウム0.2重量部、キシリトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部および乳化剤0.2重量部とを、130℃で加熱混合し、混合物を得た。 当該混合物を冷却し85℃とし、当該混合物に香料4重量部と色素0.5重量部を添加混合した。 更にキシリトール粉末8重量部を添加混合すると、結晶が析出しガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程によってチューインガムを得た。

    試験例1
    実施例1と比較例1で得られたチューインガムを、専門パネラー4人に食してもらい、以下の評価基準で咀嚼時間毎の酸味の強さを評価し、その平均値をプロットした。

    0 全く酸味を感じない 1 ほとんど酸味を感じない 2 やや酸味を感じる 3 酸味をはっきり感じる 4 酸味を強く感じる 5 酸味が強すぎる その結果は図1に示される通りである。 比較例1では2分後にはほとんど酸味を感じなくなるのに対し、実施例1では5分後まで酸味が持続することが確認された。 すなわち、実施例1のチューインガムは食したときにキャンディのような硬く弾性のない食感であったが、咀嚼するにつれ弾力性が出て、チューインガム様の食感となるとともに、酸味が長時間持続するものであった。 一方、比較例1のチューインガムは、食したときにキャンディのような硬く弾力性のない食感であったが、咀嚼するにつれ弾力性が出て、チューインガム様の食感となったが、酸味はすぐに無くなってしまった。

    試験例2
    実施例2と比較例2で得られたチューインガムを、専門パネラー4人に食してもらい、以下の評価基準で咀嚼時間毎の甘味の強さを評価し、その平均値をプロットした。

    0 全く甘味を感じない 1 ほとんど甘味を感じない 2 やや甘味を感じる 3 甘味をはっきり感じる 4 甘味を強く感じる 5 甘味が強すぎる その結果は図2に示される通りである。 比較例2では2分後にはほとんど甘味を感じなくなるのに対し、実施例2では4分後まで甘味が持続することが確認された。

    実施例3
    クエン酸2重量部の代わりにリンゴ酸8重量部を使う以外は、実施例1と同様にしてチューインガムを得た。

    実施例4
    アセスルファムカリウム0.2重量部の代わりにスクラロース0.8重量部を使用する以外は、実施例2と同様にしてチューインガムを得た。

    実施例5
    予めガムベース20重量部と酒石酸4重量部及びステビア0.3重量部を90℃にて加熱混合し、酒石酸とステビアが吸着された呈味吸着ガムベースを作製した。 また、マルチトール60重量部と、水飴(糖度75)6重量部および乳化剤0.2重量部とを混合し、130℃まで加熱し、マルチトールを溶融した混合物を得た。 当該混合物を冷却し85℃とし、当該混合物に前記呈味吸着ガムベース22重量部と香料4重量部および色素0.5重量部とを添加混合した。 そこへ更に、マルチトール粉末8重量部をシード剤として添加混合すると、結晶が析出し、呈味吸着ガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程によってチューインガムを得た。

    比較例3 (実施例5に対する比較例)
    ガムベース22重量部、マルチトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部および乳化剤0.2重量部を混合し、130℃まで加熱し、混合物を得た。 当該混合物を85℃まで冷却し、酒石酸4重量部と、ステビア0.3重量部、香料4重量部および色素0.5重量部とを当該混合物に添加混合した。 そこへ更に、マルチトール粉末8重量部を添加混合すると、結晶が析出しガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程を実施してチューインガムを得た。

    試験例3
    実施例5と比較例3で得られたチューインガムを、専門パネラー4人に食してもらい、以下の評価基準で咀嚼時間毎の呈味の強さを評価し、その平均値をプロットした。
    0 全く呈味を感じない 1 ほとんど呈味を感じない 2 やや呈味を感じる 3 呈味をはっきり感じる 4 呈味を強く感じる 5 呈味が強すぎる 結果は図3に示される通りである。 比較例3は2分後でほとんど呈味を感じなくなるのに対し、実施例5では9分後も呈味が持続することが確認された。

    実施例6
    ガムベース20重量部、クエン酸2重量部を120℃にて混合し、クエン酸が吸着された呈味吸着ガムベースを作製した。 キシリトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部および乳化剤0.2重量部を混合し、170℃まで加熱し、キシリトールを溶融した混合物を得た。 当該混合物を85℃まで冷却し、当該混合物に、前記呈味吸着ガムベース24重量部と、香料4重量部および色素0.5重量部とを添加混合した。 そこへ更に、キシリトール粉末8重量部を添加混合すると、結晶が析出し、ガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程によってチューインガムを得た。

    比較例4 (実施例6に対する比較例)
    キシリトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部および乳化剤0.2重量部を混合し、170℃まで加熱し、混合物を得た。 当該混合物を85℃まで冷却し、予め100℃で溶融したガムベース22重量部と、クエン酸2重量部、香料4重量部および色素0.5重量部とを、当該混合物に添加混合し、キシリトール粉末8重量部を添加混合すると、結晶が析出しガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程によってチューインガムを得た。

    試験例4
    実施例6と比較例4で得られたチューインガムを、専門パネラー4人に食してもらい、以下の評価基準で咀嚼時間毎の酸味の強さを評価し、その平均値をプロットした。
    0 全く酸味を感じない 1 ほとんど酸味を感じない 2 やや酸味を感じる 3 酸味をはっきり感じる 4 酸味を強く感じる 5 酸味が強すぎる その結果は図4に示される通りである。 比較例4では2分後には酸味がほとんど感じなくなるのに対し、実施例6では9分後も酸味が持続することが確認された。

    実施例7
    ガムベース20重量部、アセスルファムカリウム0.2重量部を120℃にて加熱混合し、クエン酸が吸着された呈味吸着ガムベースを作製した。 キシリトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部、乳化剤0.2重量部を混合し、170℃まで加熱し、混合物を得た。 当該混合物を85℃まで冷却し、当該呈味吸着ガムベース22重量部と、香料4重量部および色素0.5重量部とを当該混合物に添加混合した。 そこへ更に、キシリトール粉末8重量部をシード剤として添加混合すると、結晶が析出しガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程によってチューインガムを得た。

    比較例5 (実施例7に対する比較例)
    キシリトール60重量部、水飴(糖度75)6重量部および乳化剤0.2重量部を混合し、170℃まで加熱し、混合物を得た。 当該混合物を85℃まで冷却し、予め100℃で溶融したガムベース22重量部と、アセスルファムカリウム0.2重量部、香料4重量部および色素0.5重量部とを、当該混合物に添加混合した。 そこへ更に、キシリトール粉末8重量部を添加混合すると、結晶が析出しガムベースと糖の溶融液が一体となった、流動性を有するチューインガム生地を得た。
    次に、得られたチューインガム生地をもちいて、以下の工程は実施例1と同様の工程によってチューインガムを得た。

    試験例5
    実施例7と比較例5で得られたチューインガムを、専門パネラー4人にて、以下の評価基準で咀嚼時間毎の甘味の強さを評価した。
    0 全く甘味を感じない 1 ほとんど甘味を感じない 2 やや甘味を感じる 3 甘味をはっきり感じる 4 甘味を強く感じる 5 甘味が強すぎる 結果は図5に示される通りである。 比較例5では2分後には甘味はほとんど感じなくなるのに対し、実施例7では8分後も甘味が持続することが確認された。

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