コーティング付きチューインガムとその製造方法

申请号 JP2016509444 申请日 2014-04-23 公开(公告)号 JP2016516430A 公开(公告)日 2016-06-09
申请人 ペルフェッティ ヴァン メッレ ソシエタ ペル アチオニPERFETTI VAN MELLE S.p.A.; ペルフェッティ ヴァン メッレ ソシエタ ペル アチオニPERFETTI VAN MELLE S.p.A.; 发明人 ロベルト コッレ、; ロベルト コッレ、; ジャーニ バルディ、; ジャーニ バルディ、; マウリッツィオ デレオ、; マウリッツィオ デレオ、;
摘要 本発明は、サテン効果のあるコーティングを有し、任意選択で微粒子物質の形態のフィリングを含むチューインガムに関する。本発明はまた、前記チューインガムを得る方法に関する。
权利要求

以下の2つの領域: a)少なくとも1つのガムベースおよび少なくとも1つの甘味料が存在することを特徴とするガム領域、 b)糖またはポリオールおよびそれらの組み合わせを50%以上含有するコーティング領域であって、 最も外側の部分が、サテン効果を有し、かつ、1μmと6μmの間の範囲にある平均粗さRaによって特徴付けられる、コーティング領域 を含むチューインガム。5μmと30μmの間の範囲にある平均粗さRzによって、粗さがさらに特徴付けられる、請求項1に記載のチューインガム。平均粗さRaが2μmと5μmの間の範囲にあり、平均粗さRzが10μmと25μmの間の範囲にある、請求項1または2に記載のチューインガム。前記ガム領域a)内に含まれる粒状フィリング領域を含み、該粒状フィリングは、フィリングの質量を基準として、98%を超える量の微粒子物質と、0.1%と2%の間の量の液体とを含有する、請求項1〜3の何れかに記載のチューインガム。前記微粒子が、平均粒径が40μmと1000μmの間の範囲にある結晶状態の、デキストロース一和物、ソルビトール、エリスリトール、キシリトールおよびそれらの混合物を含有する請求項4に記載のチューインガム。前記液体成分が、前記フィリングの質量を基準として0.1%と1%の間の割合で含まれる、請求項4に記載のチューインガム。前記液体成分が、C6〜C12鎖のトリグリセリドから構成される、請求項4または6に記載のチューインガム。コーティング質量のうちの50%〜99%がコーティングされた乾燥した半仕上げドラジェを、ポリッシュ工程なしに、最も外側のサテンコーティングによりコーティング質量の100%が得られるまで、 i)シロップでコーティングする ii)ポリオールを含む粉末のコーティング材料を粉付けする iii)空気で乾燥する を含む最終コーティング工程に供する、請求項1〜3の何れかに記載のチューインガムの製造方法。工程e)およびg)における前記粉末の粒径が30μmと400μmの間にあることを特徴とする請求項8に記載の方法。前記粉末が、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、アラビアガムおよびそれらの組み合わせを含有する請求項9に記載の方法。前記サテンコーティングに使用される、コーティングシロップと粉末状材料との間の比が、2:1と4:1の間にある、請求項8〜10の何れかに記載のチューインガムの製造方法。

说明书全文

本発明は、微粒子フィリング(particulate filling)を有し、サテンコーティング(satin coating)されたチューインガムに関する。

チューインガムドラジェ(dragee)は、ガムベースおよび甘味料を含むガム領域と、コーティング領域を含む。既知の技術に従って製造されるコーティング領域は、通常、複数のコーティング工程の繰り返しによって得られ、その最も外側の表面は、通常、ポリッシュ(polish)される。ポリッシュされたドラジェは、例えば、Mentos Pure Fresh(登録商標)チューインガム、またはOrbit(登録商標)という名称で販売されている。

ポリッシュされた滑らかで光沢のある最も外側の表面を得るために、技術者は、最終コーティング工程において、粉末の使用を避け、(より希釈された、または結合剤をより少なくした)特定のコーティングシロップを用いて、プロセスパラメータを操作し、カルナバワックス、シェラック、添ポリデセン等のようなポリッシュ剤を最外層に用いてポリッシュ工程を実施し、滑らかなコーティング表面を調製することができる。粉末状または液体状のポリッシュ剤は、回転パン(pan)内において、土台となるコーティングされたドラジェの上に付けられ、ドラジェのタンブリングによって生じる摩擦を介して、薄くて光沢のあるフィルムに分布される。そうするために、パンを長時間、30分に及ぶ時間、回転させたままにする。

例えば、米国特許第8124145号明細書、国際公開第2009/138208号および国際公開第2011/158123号に開示されているように、微粒子物質で覆われたチューインガムドラジェもまた知られている。しかしながら、完成品の粗さの定量的な制御に関する具体的な教示は存在しない。

粗さは、プロフィロメータを用いて定量的に測定することができるが、我々の知る限り、この技術は、菓子の分野においては使用されたことがない。

微粒子物質で覆われたチューインガムは、おそらく独特の魅を有しており、その最も外側の微粒子は、微粒子フィリングであると予想される。微粒子物質の形態のフィリングを含むチューインガムは、ドラジェの形態とすることもでき、例えば、欧州特許出願公開第0320580号明細書および欧州特許出願公開第1151672号明細書に開示されている。しかしながら、出願人は、製造工程の間における粉末化(powdered)フィリングの全体的または部分的な損失に係る問題が依然として存在することを見出した。その損失は、フィリングを取り囲むガム領域内の脆弱な領域または小さな穴に起因し、製造時に明らかな不利益をもたらす上、消費者への製品の受容性を低下させる。フィリングから失われた微粒子は、例えば、ドラジェの最外部を有するチューインガムの最外部に付着して、コーティングの粗さおよび平滑さを変化させる。

出願人は、サテン効果(satin effect)を有する制御された粗さを有し、微粒子フィリングの損失が小さい、先行技術のものよりも質的に優れたチューインガムを見出した。

本発明のチューインガムは、少なくとも2つの領域を有し、第一の領域は、ガムベースおよび少なくとも1つの甘味料の存在を特徴とし、第二の領域は、糖またはポリオールおよびそれらの組み合わせを50%超含有するコーティング領域であり、その最も外側の部分はサテン効果を有し、表面粗さが制御され、平均粗さRaが1μmと6μmの間の(between)範囲にあることを特徴とする。

一実施形態では、さらなる領域が、顆粒状(granular)フィリングから構成され、ガム領域の内側に含まれ、該顆粒状フィリングは、フィリングの質量を基準として98質量%を超える量の微粒子物質と、0.1質量%〜2質量%の量の液体とによって特徴付けられる。ここで、「液体成分」とは、顆粒状フィリングに添加される、室温で液体の物質を意味する。したがって、結晶水や微粒子物質の固体マトリックス中に捕捉された他の液体のように、顆粒状部における残留物(residue)として含まれている液体は除かれる。

「顆粒状フィリング」とは、互いに結合していない小さな固体粒子からなるフィリングを意味する。例えば、顆粒状フィリングは、主に様々な粒径の糖の結晶からなることができる。あるいは、主に、多かれ少なかれ複雑な顆粒(granulates)からなることができる。顆粒状フィリングは、糖類、ポリアルコール、香料(flavours)、プロセスアジュバント(process adjuvants)および添加剤等の、微粒子物質の形態である複数の成分からなることができる。

微粒子フィリング中の上記のような液体成分のパーセンテージの存在は、粒子の集合としての外観は変化させず、流動性等のいくつかの特性を、たとえ定量的には変化した形態となったとしても、定性的には維持することを可能とする。

既知の技術に従って実施されるコーティングからなるコーティング領域は、その最も外側の部分がサテン効果を有し、平均粗さRaが1μmと6μmの間の範囲および/または平均粗さRzが5μmと30μmの間の範囲にあることを特徴とする。

「サテン効果」とは、コーティング(その最も外側の部分が微粒子物質で得られる)を伴う、先行技術のドラジェよりも小さく、先行技術のポリッシュしたチューインガムドラジェよりも大きい表面粗さ(簡単のため、以降は単に「粗さ」という)を意味する。

本発明の好ましい実施形態は、顆粒状フィリングからなる第一の領域と、該フィリング領域を取り囲む、ガムベースおよび少なくとも1つの甘味料を伴う第二の領域と、該第二の領域を取り囲み、最も外側の部分がサテン効果を有する第三のコーティング領域とを含むチューインガムである。

好ましい実施形態における有利な点は、最も外側の表面の粗さが制御されていること、および、フィリングの損失に由来する粉末が存在しないことである。

本発明はまた、前記チューインガムの製造方法に関する。該方法は、既知の方法に従い、少なくとも1つのガムベースと甘味料とをミキサーに加えて混合することによる、ガム生地(dough)の調製を含む。

ガム生地が得られたら、押出、ダイ成形(dye forming)、切断、圧延およびスコアリング(scoring)のうちの1以上の工程によって、スティックまたはスラブ(slabs)等の複数のチューインガムピースまたは複数のコアに変形される。

一実施形態では、チューインガムピースまたはコアを充填する機能を有する顆粒状の物質が、押出と同時または押出の後に、かつ、ダイ成形、切断、圧延およびスコアリング工程の前に、混合物中に導入される。顆粒状フィリングは、特にポリアルコールのような、負の溶解熱を有する固体を含有することが好ましい。

本発明のチューインガムの製造方法は、説明したように、ポリッシュ工程を省略し、コーティングを付けることを含む。

多くの種類のコーティングが可能であるが、本発明の範囲においては、コーティングは、ハードコーティング、ソフトコーティングおよびそれらの組み合わせによる1以上の層を意味する。コーティングは、糖またはポリオールの単独または組み合わせに基づくことができる。

コーティングは、パンの中で行うことができ、粉末を付けることや、エングロッシングおよびスムージングシロップ(engrossing and smoothing syrup)の1以上の層を付けることを含むことができる。

本発明によれば、ポリッシュ工程がなく、好ましくは一種類のシロップのみを用いることを特徴とする制御されたプロセスによって、サテン効果を有する制御された粗さを有する仕上げが得られるため、コーティング作業が簡素化される。このように本発明は、ポリッシュ工程を必要とせず、ただ一種類のシロップを調製すればよく、結果として、時間および原材料のコストの節約となるため有利である。

本発明のサテン仕上げのチューインガムは、コーティング質量のうち50〜99%がコーティングされた乾燥した半仕上げ(semi-finished)ドラジェを、最も外側のサテンコーティングによりコーティング質量の100%が得られるまで、最終コーティング工程に供するプロセスによって調製することができる。ここで、最終コーティング工程は、 i)シロップでコーティングする ii)ポリオールを含む粉末のコーティング材料を粉付けする(dusting) iii)空気で乾燥する を含む。

工程i)〜iii)は4回未満繰り返すことが好ましい。サテン効果をもたらす本発明の粉末は、単一の材料からなるか、または異なる材料の組み合わせを含むかのいずれかであるが、2つの異なる材料を含むことが好ましい。

最も外側の部分のサテンコーティングは、顆粒状フィリングの存在とは関係なく、本発明に従う方法によって、液体フィリングを有するコアも含め先行技術によるチューインガムのコア上に、得ることができる。

フィリング、コアおよびコーティング領域に、添加剤、香料、清涼剤、ビタミン、ミネラル、およびハーブ抽出物等の他の成分を添加することができる。

発明の詳細な説明 本発明のチューインガムは、スティック、スラブ、タバコ、クッション、長方形、立方体、ディスクの形状等、任意の形状とすることができる。

本発明のチューインガムは、2つの領域を含む。すなわち、 a)少なくとも1つのガムベースおよび少なくとも1つの甘味料が存在することを特徴とするガム領域; b)糖またはポリオールおよびそれらの組み合わせを50%超含有するコーティング領域であって、最も外側の部分は、サテン効果を伴う制御された粗さを有し、かつ、平均粗さRaが1μmと6μmの間の範囲にあることを特徴とするコーティング領域。

さらなる実施形態では、ガムは、チューインガム領域に含まれる顆粒状フィリングからなる領域を含んでいてもよく、該顆粒状フィリングは、そのフィリングに対して98質量%を超える量の微粒子物質と、0.1質量%と2質量%の間の量の液体とによって特徴付けられる。調製工程の最初の2工程は、ガムベースと少なくとも1つの甘味料を有する領域の調製に関係する。第1工程a)は、少なくともガムベースおよび甘味料から、既知の技術によって、チューインガム生地を得るための工程であり、その生地から、第2工程b)において、ドラジェ形態のチューインガムのコアが得られる。

ガムベースは、既知の技術に従って製造することができる。

甘味料は、糖類(スクロースおよびグルコース等の固体状、または、グルコースシロップ等のシロップ状)、ポリオール(ソルビトール等の固体状、または、マルチトールシロップ等のシロップ状)およびそれらの組み合わせから選択することができる。ポリオールは、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト(グルコピラノシルマンニトールとグルコピラノシルソルビトールの混合物)、エリスリトール、キシリトール、マルチトールシロップ、およびそれらの混合物から選択することができる。チューインガム組成物の硬さ、風味およびテクスチャー感を調整するため、例示した各々の成分としては、様々な粒径のグレードが使用可能であり、互いに混合して用いることもできる。

混合物はまた、以下の1つ以上の物質を含んでいてもよい:高甘味度甘味料(intensive sweetener)、固体または液体状の香料、湿潤剤、乳化剤または可塑剤等の技術アジュバント(technological adjuvants)、活性薬物成分、植物抽出物、ビタミンまたはミネラル塩等の機能成分、および着色剤。

ガム生地は、任意の既知の方法に従って、例えば、連続押出機または非連続式混合装置を用いて調製することができる。

生地を調製した後、例えば、押出加工およびそれに続くダイ成形または圧延およびスコアリングによって、生地を加工して、チューインガムまたはコアの複数のピース(pieces)を得る。

製造方法はまた、チューインガム本体(body)を埋める(fill)ように設計された物質を押出成形された生地に導入する工程を含むことができ、該導入工程は、押出成形工程の後または同時に、かつ、圧延またはダイ成形工程の前に行われる。フィリングは、液体、固体、顆粒状またはゼラチン状とすることができる。本発明のいくつかの実施形態は、ガムが、完全にチューインガム領域によって囲まれるフィリングの量を含むことを要求する。液体または顆粒状のフィリングは、咀嚼の最初の工程の間にガムから速やかに出ていき、チューインガムによって付与される初期の感覚に寄与する。

また、好ましい顆粒状または粉末のフィリングの場合は、デキストロース、デキストロース一水和物、ソルビトール、エリスリトールおよびキシリトール、およびそれらの混合物等の負の溶解熱を有する成分の使用は、初期の清涼感に寄与する。

顆粒状フィリングは、好ましくは、以下のものを少なくとも1つ伴う微粒子物質を含む:該フィリングに対して98%を超える量の、結晶状態の(in crystals)、デキストロース一水和物、ソルビトール、エリスリトールおよびキシリトール並びにそれらの混合物。フィリングは、添加される液体成分を、該フィリングの質量の0.1%と2%の間の割合で含有する。微粒子物質の平均粒径は、40μmと1000μmの間の範囲にあることが好ましく、250μmと800μmの間の範囲にあることがさらに好ましい。フィリングは、さらに、「そのままの(as is)」またはサポートされた(supported)若しくはカプセル化されたいずれかのメントールや清涼剤等の、粉末状の香料を含むことが好ましい。

微粒子フィリングは、有機酸を含む添加剤、レーキおよび顔料を含む着色剤、および、デンプン、加工デンプン、シリカ、タルクおよびステアリン酸マグネシウム等のプロセスアジュバントのような固体形態の他の成分を含有することができる。

顆粒状フィリングは、有利には、該フィリング成分に自然に(naturally)含まれる任意の残留物に加えて、室温で液体の成分を含有する。特に、濃度がフィリングの0.1%より高く1質量%より少ない(フィリングの0.8質量%、0.6質量%、0.4質量%および0.2質量%よりも低い濃度を含む)液体成分が好ましく用いられる。

液体成分は、トリグリセリド(C6〜C12鎖)を含むことができる。該液体成分は、C6〜C12鎖のトリグリセリドで構成されることが好ましい。トリグリセリドは、フィリング質量の0.8%、0.6%、0.4%および0.2%より低いパーセンテージを含め、1質量%より低い割合で含有されることが好ましい。粉末化フィリングの質量の0.3%、0.1%および0.05%よりも低い濃度を含め、0.5%未満の割合で粉末化フィリング中に含まれる、種々の濃度のシロップまたは水性懸濁液等の、液体親水性成分は、任意選択で存在させることができる。上記パーセンテージで組み合わされた親水性液体成分とトリグリセリドとを同時に存在させることもできる。

したがって、液体成分は、フィリング中、好ましくは2%と0.01%の間、より好ましくは1%と0.1%の間、さらに好ましくは0.8%と0.2%の間の割合を占める。

微粒子物質の形態のフィリングは、好ましくは、フィリングの質量の50%を超える割合で、250μmと1000μmとの間の範囲の平均粒径を有するキシリトール結晶を含む。

トリグリセリドおよび親水性の液体を含む、上記のようなわずかな割合の液体成分を、顆粒状フィリングに挿入すると、コーティングおよび/またはラッピングを含む後の工程においてフィリングの損失が少ないフィリングが生成する。実際、顆粒状フィリング中の一部の粒子は、成形されたチューインガムセンター(centres)の閉鎖領域(closing areas)中に存在し得る小さな孔のようなガム領域の欠陥を通して、フィリング領域からリークし、品質の問題を引き起こす可能性がある。実際、フィリングからリークした顆粒は、コーティングの最も外側の部分に付着して、本発明を特徴付ける制御された粗さを損なわせることによって、コーティングされたドラジェの外観を台無しにし得る。リークした顆粒は、最終的に、通常ガムを入れて販売するパッケージの内部を部分的に汚し、さらに製品の品質を損ねることがある。

このようにして得られたコアは、その後の製造工程に送られる。後述するように、コーティングされたガムは、ハードまたはソフトコーティングの付着を必要とする。

ある実施形態は、顆粒状フィリングの存在を含まない。フィリングのコンシステンシー(consistency)が十分であれば、フィリングが完全にチューインガム領域に囲まれている必要はなく、一つ以上の側面で見えるかもしれない。

本発明のチューインガムは、コーティング領域を構成するコーティングを含む。様々な形態のコーティングが可能であり、最も一般的なソフトコーティングおよびハードコーティングを、単独で、または互いに組み合わせて用いることができる。

ソフトコーティングは、チューインガムのコアにシロップを付け、順に続けて、粉末または顆粒を付けること(粉付けすること)によって得られる。シロップは、単糖類または二糖類、ことによると水素化物を、水に溶解して得られ、そこへ、グルコースシロップ等の多糖類、またはアラビアガムもしくはゼラチン等の結合剤を添加してもよい。粉末または顆粒は、シロップまたは別の成分の一つと同じ性質を有していてもよい。例えば、シロップが水に溶解したスクロースおよびアラビアガムを含む場合、スクロース結晶を微粒子物質として用いることができる。しかし、微粒子物質はまた、糖とアラビアガムの混合物のような、より複雑な物質からなっていてもよい。前記手順は1回以上、典型的には7〜10回まで繰り返される。結果として、水が、付着した粉末の大きな表面にわたって分布して固定化された、柔らかい外皮となる。

ハードコーティングは、シロップ、粉末(任意選択)および乾燥用空気を順次適用する(付けるもしくは当てる)ことによって得られる。分布時間(distribution time)と呼ばれる時間(その間にシロップまたは粉末が球体の表面に均一に分布される)を前記適用同士の間に挿入することができる。この場合、水が乾燥用空気によって除去され、それによってシロップが濃縮されて、やがて結晶化する。この手順は1回以上、20回を超えてすら、繰り返される。結果として、任意選択のキュアリング(curing)時間の後、カリカリの外皮となる。

本発明に関しては、ソフトコーティングまたはハードコーティングの最終部分は、制御された粗さを有する最外部によりコーティングする仕上げのための処理工程の前に、できる限り滑らかな表面となるような措置をとりながら実施される。

当業者は、コーティングの最終部分を滑らかにする方法を知っている。なぜなら、それが、通常のポリッシュ工程に用いるコーティング(大半の市販されているチューインガムドラジェにおけるコーティングの最も外側の部分を構成している)を調製するために習慣的に必要とされるからである。熟練した技術者は、シロップの粘度および濃度を制御する(通常は低くする)方法を知っており、コーティングを滑らかにするため、おそらく、最後のシロップの適用に際し、粉付けを回避または低減させる。この方向で技術者を助けるために、プロセスパラメータを設定することもでき、例えば、パンの回転数を変更する、空気の温度を低下する(使用する場合)、より長い分布時間を導入することができる。

コーティングの最も外側の部分に光沢のある外観を付与するために通常用いられる添加剤および成分は、存在しないことが好ましい。これらの添加剤および成分は、通常、天然ワックス、合成ワックス、シェラックを、単独で、またはオイル、アルコール、乳化剤のような溶剤および添加剤と組み合わせたものである。本発明において、存在しない方が好ましいワックスは、カルナバワックス、キャンデリラ、蜜蝋、石油ワックス、マイクロクリスタリンワックス、水添ポリ−1−デセンである。

あるいは、これらのポリッシュ剤が存在していても、それらは表面をポリッシュするためには使用されない。出願人は、ポリッシュ剤を他の粉末と混合して用いた場合には、ポリッシュ剤はコーティングされたドラジェのスリップ剤(slip agents)として使用しうることを見出した。好ましくは、サテン仕上げ表面の平滑化を避けるため、完成したドラジェは乾燥後は回転させず、ポリッシュ剤(存在する場合)は光沢のあるフィルムに広げる(to be spread in a glossy film)。香料、高甘味度甘味料、液体または粉末の着色剤は、任意選択でカプセル化またはサポートされていてもよく、単独でまたは互いに混合して、両タイプのコーティングにおいて使用することができる。

また、コーティングの一部は1つの技術によって得られ、一部は別の技術によって得られることができ、それによってテクスチャー、色、風味等の無限の順列が生じる。

本発明のコーティング領域は、最も外側の部分にサテン仕上げを含む。

上記効果は、コーティング質量のうち50%〜99%がコーティングされた乾燥した半仕上げ(semi-finished)ドラジェを、最も外側のサテンコーティングによりコーティング質量の100%が得られるまで、 i)シロップでコーティングする ii)ポリオールを含む粉末のコーティング材料を粉付けする iii)空気で乾燥する を含む最終コーティング工程に供するプロセスによって得られるであろう。

工程i)〜iii)は、好ましくは4回未満、より好ましくは3回未満、最も好ましくは2回繰り返される。

シロップによるコーティングまたはポリオールを含む粉末による粉付けの後に、分布時間を挿入してもよい。ポリッシュ工程は実施しない。最も外側のサテンコーティングに使用される粉末は、おそらくプロセスの他の部分で使用される粉末と同じでもよく、異なっていてもよい。最も外側のサテンコーティングに使用される粉末は、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、アラビアガムおよびそれらの組み合わせのうちのいずれかを含むことが好ましく、それらのいずれかからなることがより好ましい。

粉末は、コーティングの大部分を構成する物質と同じものからなっていてもよく、異なる物質からなっていてもよい。例えば、コーティングの主成分がイソマルトであれば、グルコピラノシルソルビトール:グルコピラノシルマンニトール(GPM:GPS)の比からは独立して、イソマルト粉末を用いることができる。コーティングの主成分がキシリトールであれば、粉末は、マンニトールとアラビアガムの混合物からなることができる。あるいは、コーティングの主成分がマルチトールであれば、マルチトールとアラビアガムの粉末混合物を用いることができる。

あるいは、最も外側のサテンコーティングに使用される粉末は、それらを組み合わせたより多くの粉末(more powders combined among themselves)からなることが好ましく、2種または3種の粉末からなることが好ましい。第1の粉末は、好ましくは、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、アラビアガムおよびそれらの組み合わせからなる。第2の粉末は、好ましくは、タルク、二酸化ケイ素、二酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、カルナバワックスからなる。第3の粉末は、好ましくは、着色スペックル(coloured speckles)(食用グリッターとしても知られている)からなる。スペックルとしても知られているグリッターは、異なる色や粒径のものが利用可能であり、例えば、Watson Foods Company Inc.(301 Heffernan Dr.,West Haven,米国)から入手することができる。

第1の粉末は、最も外側のサテンコーティングに使用される粉末のうち、好ましくは50%〜97%、より好ましくは65%〜90%を占める。第2の粉末は、最も外側のサテンコーティングに使用される粉末のうち、好ましくは0.1%〜10%、より好ましくは4%〜9%を占める。

サテンコーティングに使用される、乾燥したコーティングシロップと粉末状の材料との比は、好ましくは2:1〜4:1、より好ましくは2.5:1〜3.5:1である。サテンコーティングに使用されるシロップは、好ましくは、60%〜90%のポリオール、3%〜9%の結合剤、10%〜20%の水(ウェットシロップに対する割合)から構成される。必要に応じて、着色剤、甘味料および香料が存在していてもよい。

サテンコーティングに使用されるシロップは、より好ましくは、70%〜80%のポリオールと、5%〜8%の結合剤、12%〜17%の水(ウェットシロップに対する割合)から構成される。

好ましいポリオールは、キシリトール、イソマルト、マルチトール、マンニトール ソルビトールおよびそれらの混合物である。好ましい混合物は、3:1〜5:1のキシリトール:マンニトールである。

好ましい結合剤は、アラビアガム、デンプン(天然または加工)、マルトデキストリン、ゼラチンである。

サテンコーティングは、半仕上げドラジェに、すなわち、まだ完成はしていないが、すでにコーティングの一部または大部分を有するドラジェに、付けられる。実際には、半仕上げドラジェは、すでに最終コーティングのうち50%〜99%(コーティングの質量を基準とする%)のコーティングがされていることが好ましく、この割合は70%〜99%がより好ましく、85%〜95%がさらに好ましい。サテン仕上げは、コーティングが100%となって完了するため、コーティングの1%〜50%、より好ましくは1%〜30%、さらに好ましくは5%〜15%を占める(コーティングの質量基準の%)。

仕上がった製品における割合として、最終的なサテンコーティングは、0.1質量%〜10質量%を占めていてもよく、0.5質量%〜5質量%が好ましく、1質量%〜4質量%がより好ましい。

「サテン効果」は、低水準の粗さを意味し、平均粗さRaが1μmと6μmの間の範囲、かつ/または粗さRzが5μmと30μmの間の範囲にあることを特徴とする。

出願人は、粗さの程度(measure)は、粉末のサイズの程度に関連して低減されることを見出したが、これは、説明したプロセスのみに帰することができる。仕上がったピースの粗さを所望の値に制御するため、出願人は、目標の粗さよりも相応に(accordingly)大きなサイズの粉末を用いることを提案した。

実際、コーティングの最も外側にあるサテン仕上げの製造について説明したプロセスで使用される粉末は、重量平均粒子径が、好ましくは10μmと500μmの間の範囲にあり、より好ましくは30μmと400μmの間、さらに好ましくは40μmと300μmの間である。

したがって、そのプロセスは、表面に変化せずに付けられた(applied unchanged)場合に粉末によって与えられるであろう不規則性を低減させ、制御された粗さを有する表面をもたらす。

Raは、例えばTaylor Hobson Ltd(PO Box 36, 2 New Star Road,Leicester,LE4 9JQ,英国)から入手可能な、既知の粗さ計またはプロフィロメータを用いて測定することができる。粗さ計においては、非常に微細な先端が、表面を、該表面を損傷することなく、ラインに沿って探る。その他の機器は、機械的なプローブは使用せずに、レーザーのような光のビームを使用する。プローブによって検出された実表面の断面曲線(surface profile)から、表面粗さの様々な指標を計算することができるが、それらの中でも、RaおよびRzが最も一般的である。

中心線(median line)から輪郭点(profile point)までの距離の平方の和を最小にする中心輪郭曲線(median profile line)は、Raを測定するための基準として用いられる。輪郭曲線(profile)は、推定粗さに応じて従来規定されている長さLに沿って探られ、測定される。中心線をx軸に取ると、Raは、xに常に直交するy軸上の輪郭曲線の値の絶対値の平均として定義される。輪郭曲線上のn個の離散点(xi;yi)をサンプリングした場合、Raは、以下の等式により算出される。

Rzを測定するため、輪郭曲線のLに沿った、y1、y2、y3、y4、y5軸の最も高い5つのピークとy1’、y2’、y3’、y4’、y5’軸の5つの最も低い谷を参照する。したがって、Rzは、以下の式によって定義される。

y軸は、常に中心線を基準として測定されるため、谷に係るyi’値は負の値となり、それらの和を減じると、結果は正の値となる。

Rxは、最大値における平均値であるため、同じ輪郭曲線についてはRz>Raであり、RaとRzの差は、典型的には粗さの不規則性を表す。

本発明によって得られる、サテン効果を有するコーティングの外側の部分における粗さの測定値は、従来技術によって得られる、標準的に(normally)平滑化およびポリッシュされたドラジェの粗さと、最も外側の部分に微粒子物質を有するドラジェの粗さとの間の中間値である。本発明における粗さは、平均粗さRaが1〜6μmの範囲および/または平均粗さRzが5〜30μmの範囲であることを特徴とする。従来技術によって平滑化およびポリッシュされた市販のドラジェの粗さは、典型的に、Raの平均値<1μmおよびRzの平均値<3μmによって特徴付けられる。従来技術によって得られる、微粒子物質から製造された最外層を有する市販のドラジェの粗さは、Raの平均値>6μmおよびRzの平均値>30μmによって特徴付けられる。

特に、RaおよびRzは平均値であるため、より高いRaおよびRzは、表面における不規則性がより高いことを示す。本発明は、従来技術のポリッシュされたドラジェよりも高く、従来技術の微粒子コーティングよりも低い表面不規則性の度合いを示す。

Raの平均値は、2μmと5μmの間にあることが好ましく、同時に、Rzの平均値は10μmと25μmの間にある。ここで、「平均値」とは、複数、特に10個のコーティングされたチューインガムピースについて、RaおよびRzの測定を繰り返すことを意味する。

本発明のチューインガムは、フィリング領域、ガムベースを有する領域およびコーティング領域内に、他の従来の成分を含むことができる。具体的には、さらなる糖類、添加剤、技術アジュバント、香料、清涼剤、ビタミン、ミネラル、ハーブ抽出物を使用することができる。

糖類は、デキストロースもしくはスクロース等の固体形態、またはグルコースシロップ等のシロップ形態で使用することができる。

添加剤は、ポリアルコール、高甘味度甘味料、酸味料、充填剤、増粘剤および湿潤剤を含んでいてもよい。ポリアルコールは、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、イソマルト、マルチトールおよびエリスリトール等の固体形態、およびマルチトールまたはソルビトールシロップ溶液等の液体形態で使用できる。

以下の例は、ガムベースおよび甘味料を有する領域からなるチューインガム配合物を報告する。

例1:ガムベースおよび甘味料を有する領域

例2〜6:顆粒状フィリング

例7〜11:ガムセンター 粉末フィリングで充填されたガムコアを調製するため、例2〜6の顆粒状フィリングを既知の技術(欧州特許出願公開第0320580号明細書)に従って挿入しながら、例1のガム生地を押出およびダイ成型した。例7〜11についての表は、センターを形成するガム領域およびフィリング領域の割合(センターに対する割合)を報告する。

例12〜14:コーティングシロップ キシリトールコーティングに用いる従来技術のシロップ

以下のコーティングの例におけるシロップの%は、乾燥シロップを指す。

参照例15 例11のセンターをパンに配置し、例12のコーティング(エングロッシング)シロップを繰り返し付ける、既知のハードコーティングによってコーティングした。

ハードコーティングにおいて、シロップ付着の最初の工程は、通常、エングロッシングと呼ばれる。この段階では、より濃縮されたシロップが使用され、通常、後の工程におけるものよりも結合剤の含有量が高い。コーティング粉末も使用されるが、ドラジェの最も外側の表面については効果がない。なぜなら、それらは、後続のシロップ適用の間に覆われてしまうためである。

既知の技術に従って強制空気と分布時間が適用され、粉末が、例12のシロップの幾つかの逐次適用の合間に付けられる。粉末は、コーティングの最初の部分かつシロップの多数の逐次適用の合間において、比較的少ないパーセンテージで適用され、最終コーティングの粗さには影響しない。香料および甘味料もまた、シロップに混合して付けられる。

最終質量の予め決められたパーセンテージとなるまでセンターをエングロッシングした直後に、スムージングシロップ13を繰り返し付け、強制空気と分布時間がそれに続く。最後に、ポリッシュ剤としてカルナバワックスが用いられる。記載した手順において、1回の付着毎のシロップの量、時間、温度、空気の相対湿度、回転速度は、商業的に許容可能な時間内に滑らかな仕上げが得られるように設定される。相対的な量は、仕上がったドラジェに対する%として下表に報告される(シロップの%は乾燥質量として報告する)。

得られたものは、滑らかで白く、ポリッシュされたチューインガムドラジェである。室温にて1〜2日後のコーティングのテクスチャーは、カリカリしている。

参照例16(国際公開第2011/158123号) 例11のセンターをパンに配置する。例14のコーティングシロップを、シロップが正確かつ均一な分布となるまで、回転しているパンに入れたチューインガムセンターに連続的に加える。そして、コーティングの大部分を占める粉末物質、本例ではキシリトールを、一定時間かけてシロップで覆われたセンターに加えて、粉末をコーティングシロップに付着させて組み込ませる。その後、コーティングを空気で乾燥し、シロップから水分を蒸発させて、チューインガムピース上の、固形ではあるがソフトなコーティングを得る。

得られたものは、不規則な外側コーティングを有する青白色のチューインガムドラジェである。コーティングのテクスチャーは、柔らかく、少しカリカリしている。

例17 例11のセンターをパンに配置し、例12のエングロッシングシロップを、繰り返し付ける既知のハードコーティング方法を用いて、コーティングした。既知の方法に従い、強制空気と分布時間が適用され、粉末が、例12のシロップの幾つかの逐次適用の合間に付けられる。粉末は、コーティングの最初の部分かつシロップの多数の逐次適用の合間において、比較的少ないパーセンテージで適用され、最終コーティングの粗さには影響しない。香料および甘味料もまた、シロップに混合して付けられる。

センターが、最終質量にかなり近い、予め決められた全コーティング質量の88%(コーティングに対する%)を占める質量となるまでコーティングされたら、サテン仕上げを提供する以下の工程からなる最終コーティングが実施される。 i)シロップでコーティングする ii)分布時間を経過させる iii)粉末を粉付けする iiii)分布時間を経過させる iiiii)空気で乾燥する この最終コーティングは、その後に他のいずれのコーティング工程も行わず、2回繰り返し行われる。

得られたものは、サテンの着いた、白くてわずかにざらざらしたドラジェである。コーティングのテクスチャーは、カリカリしている。

例18:測定 例15、16および17それぞれから得られた10個のチューインガムドラジェについて、プロフィロメータ Form Talysurf Intra(Tayler Hobson)を用いて表面粗さを測定する。RaおよびRzは、装置のソフトウェアによって算出される。1つの例あたり10個の異なるドラジェの平均値を報告する。

例17の粗さのパラメータRaおよびRzは、例15(先行技術のポリッシュドラジェ)または例16(先行技術の粗いコーティング)と比較すると、中間値である。平均値±標準偏差は、重なり合っておらず、すなわち、例17の粗さは、例15および16のそれとは明確に区別されることを示している。

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