重炭酸塩を含む、熱い飲料用の発泡系

申请号 JP2015504521 申请日 2013-04-03 公开(公告)号 JP2015512270A 公开(公告)日 2015-04-27
申请人 フリースラント・ブランズ・ベーフェー; 发明人 ポール・バスティアーン・ファン・セーフェンテル;
摘要 本発明は、その飲料の上部に泡を有する熱い飲料、特にコーヒーまたはココア飲料を調製するための紛体組成物であって、- 微粒子の形態の発泡剤成分またはクリーマー成分;- 重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せを含み;任意選択で、-微粒子の形態のインスタント風味成分、特にインスタントコーヒーまたはインスタントココアを含んでいてよい、紛体組成物に関する。
权利要求

その飲料の上部に泡を有する熱い飲料、特にコーヒー飲料またはココア飲料を調製するための紛体組成物であって、 - 微粒子の形態の発泡剤またはクリーマー成分;および - 重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せ を含み;任意選択で、 - 微粒子の形態のインスタント風味成分、特にインスタントコーヒーまたはインスタントココア を含んでいてよい、紛体組成物。前記重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せが、重炭酸塩または炭酸塩の微粒子と両親媒性物質の微粒子との凝集体を含む、請求項1に記載の紛体組成物。前記重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せが、両親媒性物質の微粒子で部分的にあるいは完全に被覆された重炭酸塩または炭酸塩の微粒子を含む、請求項1に記載の紛体組成物。前記両親媒性物質が、脂肪酸の塩、好ましくは脂肪酸の二価の塩、より好ましくは脂肪酸のカルシウム塩またはマグネシウム塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の紛体組成物。前記両親媒性物質が、6〜24個の炭素原子を有する非分岐状または分岐状の脂肪酸、特に6〜24個の炭素原子を有する非分岐状または分岐状の飽和脂肪酸、より好ましくはステアリン酸塩である、請求項4に記載の紛体組成物。前記重炭酸塩または炭酸塩および両親媒性物質が、自由流動性助剤または凝固防止剤、例えば、無機酸化物またはリン酸塩など、好ましくは二酸化ケイ素および二酸化チタンから選択される無機酸化物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。- 5〜12質量部の発泡剤またはクリーマー; - 0.05〜0.4質量部の重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せ; - 0.5〜3.5質量部のインスタント風味成分の微粒子; - 0〜8.5質量部の1種以上の追加の材料、特に食用酸(例えば、クエン酸など)、増粘剤、安定剤、タンパク質、泡安定剤、芳香剤、風味増強剤、および甘味料(例えば、砂糖)の群から選択することができる追加の材料 を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。前記重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せの含量が、前記発泡剤またはクリーマーの質量の0.5〜5質量%の範囲、特に1.0〜3質量%の範囲である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。前記組成物が、添加された酸味料を本質的に含まない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。記重炭酸塩または炭酸塩が、重炭酸塩カリウムである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。前記組成物が、投与量単位包装に包装される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。前記組成物が、コーヒー飲料、好ましくはカプチーノ飲料の調製のための組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。前記組成物が、微粒子の形態の発泡剤を含み、この発泡剤微粒子が、約1バール(絶対圧)の全圧を有する気相を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。前記発泡剤またはクリーマーが、150〜350g/lの範囲、特に180〜300g/lの範囲の緩い嵩密度を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物の調製方法であって、以下の成分: - 微粒子の形態の発泡剤またはクリーマー成分; - 重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せ; - 任意選択の、インスタント風味成分である微粒子状ココア;および - 任意選択の、微粒子の形態のさらなる成分 を準備する工程を含む、方法。その飲料の上部に泡を有する熱い飲料、特に、コーヒー飲料またはココア飲料を調製するための方法であって、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物を、熱い性液体、特に、熱い水の中で再構成させる工程を含む、方法。

说明书全文

本発明は、飲料を調製するための粉体組成物、飲料の製造方法、および、飲料の泡特性を高めるための(重)炭酸塩製品の使用に関する。

熱い飲料、例えばコーヒーを製造するための乾燥混合物には、非発泡性または発泡性のクリーマー成分が、風味成分、例えばインスタントコーヒーに加えて含まれることが多い。

独国特許出願第4407361号は、カプチーノを調製するための混合物であって、炭酸塩または重炭酸塩が存在するものに関する。熱いの中では、(重)炭酸塩は分解され得、これによって二酸化炭素ガスが生成し、これが泡の形成に寄与する。カプセル化された酸味料が存在することが好ましい。この酸味料は、酸塩基反応によって、分解反応を増強し、これによってよりさらに多くの二酸化炭素ガスが生成する。

欧州特許出願第2025238号は、炭化水素およびタンパク質様材料を含有するマトリックスと、加圧下で封入されたガスとを含有する、粉末化された溶解性発泡剤材料であって、ガスが、液体を添加すると、標準の温度および圧(STP)条件下で、溶解性発泡剤材料1グラム当たり少なくとも1mlのガスを放出する量で存在し、粉末化された溶解性発泡剤材料が、200g/l〜500g/lの密度を有し、閉鎖気孔を有する材料に関する。このような微粒子は、当分野では発泡促進製品と呼ばれる。

加圧ガスが封入されたクリーマー粒子の調製には、その微粒子の製造をより複雑にし得る特別の装置が必要とされる。また、特に、そのような発泡促進製品を得るために高温および圧力を一般に使用することによる最終製品へのマイナスの栄養的変化または感覚的変化(味の低下)を考慮すると、特別の材料を用いる必要性の点でも制限が存在する。

さらに、このようなクリーマー微粒子は、比較的高い湿気への感受性に悩まされ得る。さらに、加圧ガスが貯蔵中に漏れ出すと、クリーマーの泡特性が低下するため、問題となり得る。

米国特許第5,780,092号および国際出願第98/34495号も、重炭酸塩および酸味料を含むインスタントコーヒー組成物に関する。

本発明者らは、特に、発泡したコーヒーまたはココア飲料を調製するための、炭酸塩または重炭酸塩および酸味料を含む公知の粉体組成物が、満足な発泡の品質(なめらかさ、きめ細やかな質感、泡安定性)および量(泡の高さ)を提供しないことを見出した。

独国特許出願第4407361号明細書

欧州特許出願第2025238号明細書

米国特許第5,780,092号明細書

国際出願第98/34495号パンフレット

本発明の目的は、満足な特性を有するコーヒー飲料またはココア飲料を調製するための代替的な粉体組成物を、加圧された発泡材料を使用することなく提供することである。

より詳細には、本発明の目的は、1つ以上の改良された特性、特に泡特性に関する特性、例えば、泡の高さ、泡の質感、泡安定性、泡の色、およびコーヒーまたはココア飲料の味を提供する組成物を提供することである。

本発明の1つ以上の他の目的は、以下の記述により明らかである。

その飲料の上部に泡を含み、その泡が魅力的な特性を有する熱い飲料(例えばコーヒーまたはココア飲料など)であって、その飲用を調製するために特定の形態の炭酸塩または重炭酸塩を含有する粉体組成物が用いられているものを提供することが可能であることが明らかとなった。

したがって、本発明は、その飲料の上部に泡を有する熱い飲料、特にコーヒー飲料またはココア飲料を調製するための紛体組成物であって、 - 微粒子の形態の発泡剤またはクリーマー成分;および - 重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せ を含み;任意選択で、 -微粒子の形態のインスタント風味成分、特にインスタントコーヒーまたはインスタントココア を含んでいてよい、紛体組成物を対象とする。

原則として、本発明の粉体組成物は、使用されることが意図されているその飲量の典型的な風味および芳香を提供する成分、例えばインスタントのコーヒーまたはココアを含む必要がない。この成分を含まない組成物を、最終的なインスタント飲量製品を配合するための材料製品として用いるか、あるいは、最終製品として、例えば、飲料、例えばコーヒー飲料またはココア飲料などに再構成される発泡剤/クリーマーとして消費者に提供することができる。

本発明に従って、驚くべきことに、炭酸塩または重炭酸塩が両親媒性物質の非存在下で存在する同様の製品を用いて得られる熱い飲料と比較して、高められた泡の高さ、よりきめの細かい泡の質感、より白い外観の泡、または高められた泡安定性を有する泡のトッピングを備えた熱い飲料、特にコーヒーまたはココア飲料、とりわけカプチーノ飲料を提供することが可能であることが見いだされた。

(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せを含む組成物を(熱い)水と接触させた後に、迅速に泡を達成することが可能なことは、とりわけ驚くべきことである。

さらに、本発明の粉末組成物は、良好な貯蔵安定性を有する。

本発明はさらに、その飲料の上部に泡を有する熱い飲料、特にコーヒーまたはココア飲料の調製方法であって、本発明の組成物を、熱い水性液体中で再構成させる工程を含む方法に関する。水性液体は、特に、水、ココア飲料を調製するための脂肪および/または非脂肪ココア部分を含む水性液体、ミルク、およびコーヒーの群から選択され得る。本明細書において用語「ミルク」は、酪農乳、酪農乳物質、例えば豆乳、ライスミルク、アーモンンドミルクなどに用いる。用語「ミルク」には、ココアミルクおよび他の風味ミルクも含まれる。

さらに、本発明は、重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との微粒子の形態の組合せの、泡が形成されたトッピングを有する熱い飲料、例えば泡が形成されたトッピングを有するコーヒーまたはココア飲料などのための発泡剤としての使用に関する。このような使用は、特に泡増強剤としての使用、より特に泡の高さを高めるための使用、あるいは泡のなめらかさを改善するための使用から選択される。

より詳細には、良好な結果が、重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せを、多孔性の発泡剤微粒子と共に用いることによって達成された。ここで、発泡剤微粒子の孔には、その圧力が約1バール(絶対)である気相が含まれている。

飲料に関する用語「熱い」は、当分野で一般的に理解される。典型的には、「熱い」は、少なくとも50℃、特に60〜100℃、より特に80〜95℃を意味する。

用語「または」は、本明細書において特に指定しない限り、「および/または」を意味する。

単数を表す用語は、本明細書において特に指定しない限り、「少なくとも1つ」を意味する。

単数の名詞(例えば、化合物、添加物など)に関しては、特に指定しない限り、複数が含まれることが意図されている。

「炭酸塩または重炭酸塩」は、一般的に「(重)炭酸塩」と略記される。

発泡剤またはクリーマー成分は、原則として、任意の既知の粉末形態の発泡剤またはクリーマー、例えば、商業的に入手可能なものまたは本明細書で引用した従来技術に開示されているものなどから選択される。通常、そのような多孔性粒子は、高圧噴霧ノズルを使用することによって典型的には霧化されることとなる(高圧)供給液体にガスを注入する噴霧乾燥技術によって調製される。発泡剤は、欧州特許出願第2025238号によって知られているように、加圧ガスが封入されている微粒子を含む発泡促進剤を含んでいてよい。

しかし、この微粒子は、微粒子内に封入された加圧されたガスを有している必要は全くない。良好な結果が、ほぼ大気圧(約1バール(絶対))、特に0.5〜1.5バール(絶対)、より特に0.7〜1.3バール(絶対)の気相を有する微粒子を使用することによって達成された。

発泡剤またはクリーマー成分の構成成分は、個々の成分の別個の微粒子として存在していてもよく、微粒子が発泡剤成分の混合物からなっていてもよい。

発泡剤またはクリーマーは、乳タンパク質を含んでいても、乳タンパク質を含んでいなくてもよい。

発泡剤またはクリーマーは、乳脂肪を含んでいても、乳脂肪を含んでいなくてもよい。

発泡剤またはクリーマーの組成物は、当分野で知られている発泡剤またはクリーマー組成物をベースとしていてよい。

有利な実施態様では、発泡剤またはクリーマーは、(泡形成に寄与する)タンパク質、好ましくは乳タンパク質、植物脂肪、および賦形剤(filler)、例えば、炭水化物賦形剤を含む。

そのような本発明による発泡剤またはクリーマーは、特に魅力的な泡の層を有する熱い飲料、とりわけカプチーノ飲料の調製を可能にする点において特に有利である。この泡は、有利には、なめらかでミルキーな外観を有する。この泡は、特に、カプチーノ様の泡またはフロスの質感を有し、ミルキーな印象を与える。

このタンパク質の供給源としてとりわけ好適なものは、スキムミルク粉末、ホエータンパク濃縮物、ホエー粉末、カゼイン塩などである。

植物脂肪としてとりわけ好適なものは、パーム核脂肪、ココナツ脂肪などである。

好ましい賦形剤は、炭水化物である。特に好適な賦形剤には、加水分解でんぷん、特に、10〜45のDEを有する加水分解でんぷん、グルコースシロップ、マルトデキストリン類、およびラクトース類が含まれる。

特に、組成物は、表1に基づくものであってよい。

表1において、用途により、異なる欄に記載されている脂肪、タンパク質、および賦形剤の割合を、互いに組合せることができる。すなわち、表は、4つの独立した実施態様を開示することを意図していない。例えば、発泡剤における脂肪の好ましい量を、最も好ましいタンパク質の範囲と組合せることができ、その逆も可能である。同様に、脂肪の含量範囲の下限値を、別の欄の脂肪含量範囲の上限と組合せることができる。

発泡剤またはクリーマーは、マトリックスの構造安定性を向上させるための1種以上の可塑剤をさらに含んでいてよい。1種以上の可塑剤を存在させることは、泡を促進するために特に好ましい。存在する場合には、可塑剤は、ポリオールまたは糖アルコール、例えばグリセロール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、トレハロース、および/または、脂肪以外の脂質、例えば、脂肪酸、モノグリセリド類、リン脂質からなる群から選択されることが好ましい。

より詳細には、発泡剤は、泡の性能/品質、例えば泡の体積または安定性などを向上させるため、pHを安定化するため、あるいはタンパク質が(再構成後に)凝集することを防止するための、追加の安定化剤をさらに含んでいてよい。

好ましい安定化剤は、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウム、およびオルトリン酸塩である。

さらに、自由流動性助剤、好ましくは二酸化ケイ素またはリン酸三カルシウムが存在していてもよい。

((タンパク質をベースとする)発泡材料に加えて)追加の乳化剤を発泡剤に存在させる必要はない。追加の乳化剤が望まれる場合には、特に、ナトリウムステアロイル-2-ラクチレートが存在していてよい。

発泡剤またはクリーマー成分は、通常、少なくとも150g/lの緩い嵩密度を有する。通常、緩い嵩密度は、350g/l以下、特に180〜300g/lの範囲、より特に200〜240g/lの範囲である。この範囲の密度は、当業者が既知の技術を用いて得ることができる。例えば、噴霧直前の水性供給スラリー中へのガスの注入技術であって、好ましくは窒素ガス使用して行うものを用いることができる。これによって、このような低い密度の製品を調製することが可能になる。このような微粒子は、典型的には、特に5〜30ミクロンの空隙を有する多孔性構造を有する。

原則として、(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せは、任意の食品グレードの(重)炭酸塩および両親媒性物質を含んでいてよい。(重)炭酸塩および両親媒性物質は、一般に、区別可能な物理的相に存在し、これらの相は、一緒になって、あるいは場合により1種以上の他の相と一緒になって、階層構造を有する微粒子を形成する。この態様では、階層構造を有する微粒子は、25℃で一般に固体である2つ以上の物理的層からなる微粒子である。これらの層は、それらが接触する面での物理的または化学的相互作用によって互いに結合されていてよい。

階層構造を有する組合せの典型的な例は、被覆されたかまたは封入された(重)炭酸塩微粒子、ならびに、(重)炭酸塩微粒子、両親媒性物質の微粒子、および(存在する場合には)1種以上の他の成分の微粒子の凝集体である。

組合せは、特に、脂肪(トリグリセリド類)、自由流動性剤、および抗凝固剤の群から選択される1種以上の追加の成分を含んでいてよい。

特定の実施態様では、組合せは、両親媒性物質に封入されたかまたは両新媒性物質で被覆された(重)炭酸塩微粒子と、任意のさらなる他の成分とを含む。そのような実施態様では、被覆は、粉末コーティングであることが好ましい。本質的に全ての(重)炭酸塩微粒子の表面が、両親媒性物質および任意の他の成分に封入されているかまたは両新媒性物質および任意の他の成分で被覆されていることは必要ではない。(重)炭酸塩微粒子の表面の相当程度の部分が、別の物質で被覆されないままであってもよい。このことは、比較的急速な再構成速度を得るために有利であると考えられる。

さらなる実施態様では、(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せは、(重)炭酸塩微粒子、両親媒性物質の微粒子、および(存在する場合には)1種以上のさらなる成分の微粒子を含む凝集体である。

この(重)炭酸塩は、典型的には、(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せの主成分であり、通常、組合せの50質量%、好ましくは少なくとも85質量%、より好ましくは少なくとも92質量%、特に少なくとも95質量%、あるいは少なくとも97質量%を占める。組合せの(重)炭酸塩含量は、通常99.9質量%以下、好ましくは99.5質量%以下、特に99.2質量%以下である。

(重)炭酸塩は、任意の食品グレードの炭酸塩および重炭酸塩であってよく、好ましくは重炭酸塩であってよい。重炭酸塩の利点は、その分解特性にある。良好な発泡への寄与が、(風味/芳香成分、例えばコーヒー飲料成分などに存在し得る酸に加えて)追加の酸味料を必要とすることなく、熱い水と接触させることによって容易に得られうる。通常、炭酸塩または重炭酸塩は、ナトリウム塩またはカリウム塩である。カリウムが、健康および味の観点から好ましい。

(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せは、通常、微粒子の形態である。これらの微粒子は、通常、微小粒子(1〜1000μmの大きさを有する粒子)である。

200μm(60メッシュ)のふるいを用いるふるい試験法で測定して、好ましくは、少なくとも90質量%の微粒子は、200μm未満の大きさを有する微粒子からなり、より好ましくは、本質的に全ての微粒子は、200μm未満の大きさを有する。

75μm(200メッシュ)のふるいを用いるふるい試験法で測定して、好ましくは、最大で85質量%の微粒子が、75μm以上の大きさを有する微粒子からなる。

(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せの物理的状態は、典型的には、室温(25℃)で本質的に固体である。このことは、(重)炭酸塩に加えて、組合せの他の層(または他の複数の層)が、本質的に室温で固体であることを意味する。

したがって、両親媒性物質は、一般に、室温より高い融点を有する。好ましくは、両親媒性物質は、40℃より高い融点、特に40〜200℃の範囲、特に50〜190℃の範囲、より特に60〜180℃の範囲の融点を有する。理論に高速されるものではないが、とりわけ両親媒性物質が100℃より高い融点(あるいは特別の用途においては飲料の調製に用いられる熱い液体の温度より高い融点)を有する場合には、組合せの(重)炭酸塩の表面の一部が両親媒性物質または別の成分で被覆されていないことが期待される。

微粒子が被覆されているかまたは封入された微粒子である場合、これらの(滑り)融点範囲が、被覆材料または封入材料に当てはまる。

組合せは、熱い水中では不安定であり、すなわち、少なくともそのかなりの部分、好ましくは組合せの本質的に全てが崩壊する。両親媒性物質(を含む相)も、熱い水中では不安定である。熱い水に接触する結果として、両親媒性物質を含む相は、例えば、この相のかなりの部分が融解することによって、あるいはこの相のかなりの部分が分散/溶解することによって、崩壊する。こうして、炭酸塩または重炭酸塩は、水と十分に接触することが可能になり、二酸化炭素ガスが生成し、この二酸化炭素の生成が特に熱い水の熱によって引き起こされることとなる。

両親媒性物質は、場合により他の成分との組合せにおいて、重炭酸塩または炭酸塩のその環境に対する保護を、特にその貯蔵中に提供し、これによって、製品の貯蔵中、その製品を飲料の調製に使用することとなる時に少なくとも全ての重炭酸塩または炭酸塩が二酸化炭素を生成させるために利用可能であることを確実にすると考えられる。しかし、(重)炭酸塩微粒子の表面のかなりの部分が別の物質で被覆されていない実施態様、例えば凝集体である実施態様においても、満足できる貯蔵寿命が達成される一方、良好な泡特性がもたらされる。

存在する場合には、被覆は、比較的薄くてよく、(重)炭酸塩微粒子の表面が完全に被覆されていなくても効果的であると考えられる。被覆の量は、(重)炭酸塩の質量に基づいて約15質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に3質量%以下であることができる。被覆の量は、通常、(重)炭酸塩の質量に基づいて少なくとも0.1質量%、好ましくは少なくとも0.5質量%、特に少なくとも0.8質量%である。

好適な(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せは、例えば、商業的にKudos Blends LTD (Cleobury Mortimer, UK)から得られる、例えば、KUDOS(登録商標)重炭酸カリウムHPグレードなど、または、被覆された製品がベーキングパウダー用であることが言及されている、国際公開第2011/114151号に基づく製品であってよい。この文献に記載された被覆の特徴、微粒子の特徴、および被覆微粒子の調製方法に関する内容を、参照により本明細書に組み込む。

さらに、本発明者らは、驚くべきことに、(重)炭酸塩が存在する本組合せの1種以上の追加の成分、特に両親媒性物質が、泡特性にプラスの寄与をし得ることを見いだした。より詳細には、この点に関して良好な結果が、脂肪酸塩を両親媒性物質として含む組合せを用いることによって達成された。脂肪酸は、他のほとんどの乳化剤、例えばモノグリセリド類およびジグリセリド類と同様に、一般に泡特性、例えば泡安定性などに悪影響を及ぼすと考えられるため、これはとりわけ驚くべきことである。

脂肪酸塩は、通常、二価金属の脂肪酸塩、特にアルカリ土類金属の脂肪酸塩、好ましくは脂肪酸カルシウムおよび脂肪酸マグネシウムから選択される。特に良好な結果が、二価金属、例えばカルシウムなどの塩を用いることによって、泡特性の改良に関して、とりわけ、両親媒性物質との組合せとして(重)炭酸塩が備えられていない組成物と比較た場合の泡の質感(すなわち、より小さい平均気泡サイズ)および泡の色(すなわち、より白い泡の色)に関して達成された。驚くべきことに、水性液体に実質的に不溶性である脂肪酸のアルカリ土類金属塩を使用することが可能であり、その使用により満足できる官能特性を有する飲料を得ることができる。

塩の脂肪酸部分は、通常、6〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸から選択される。脂肪酸は、非分岐状または分岐状の脂肪酸であってよい。脂肪酸は、飽和であっても不飽和であってもよい。例えば、(重)炭酸塩と脂肪酸塩との組合せを用いることによって、脂肪酸塩なしの(重)炭酸塩と比較して、(より微細に分割された泡構造または泡の層を有する)よりきめ細やかな泡表面が観察された。良好な結果が、非分岐状の飽和脂肪酸の塩、特にステアリン酸塩を用いることによって達成された。

好適な脂肪酸塩の他の例は、ソルビン酸塩、オクタン酸塩、デカン酸塩、ドデカン酸塩、ミリスチン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、リシノール酸塩、ベヘン酸塩、エルカ酸塩、パルミチン酸塩、エイコサペンタエン酸塩、およびドコサヘキサエン酸塩である。明らかに、脂肪酸塩は、脂肪酸塩の混合物であってよい。混合物は、例えば、天然の脂肪混合物から、例えば、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、または他の植物油、魚油、鯨油脂肪、獣脂、および/または他の動物性脂肪の鹸化によって得ることができる。

組合せに含まれる両親媒性物質の合計含量、特に脂肪酸塩の合計含量は、通常、組合せ中の(重)炭酸塩以外の成分の合計質量に基づいて、少なくとも15質量%、好ましくは少なくとも30質量%、特に少なくとも50質量%、より特に少なくとも60質量%である。この含量は、組合せ中の(重)炭酸塩以外の成分の合計質量に基づいて、100質量%以下、好ましくは98質量%以下、特に95質量%以下、より特に90質量%以下であってよい。

好ましくは、(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せは、自由流動性助剤または抗凝固剤、より好ましくは無機酸化物の形態のものを含む。特に、無機酸化物は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、ケイ酸塩、二酸化ケイ素の群から選択ことができる。ケイ酸塩は、例えば、ケイ酸のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩であってよい。無機酸化物は、本組成物を飲料の調製に使用する前の(重)炭酸塩微粒子の貯蔵安定性に寄与し得る。他の好適な自由流動性助剤または抗凝固剤は、当分野で知られており、リン酸トリカルシウムが挙げられる。さらに、少なくともいくつかの実施態様では、このような添加剤が、望ましい泡特性に寄与すること、例えば白色化効果を有する(TiO2)ことが想定される。

(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せに含まれる自由流動性助剤または抗凝固剤、特に無機酸化物の含量は、通常、組合せ中の(重)炭酸塩以外の成分の合計質量に基づいて、85質量%以下、好ましくは70質量%以下、特に50質量%以下、より特には40質量%以下であってよい。自由流動性助剤または抗凝固剤、特に無機酸化物の含量は、組合せ中の(重)炭酸塩以外の成分の合計質量に基づいて、好ましくは1質量%以上、特に5質量%以上、より特に40質量%以上である。

(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せは、一般に、使用前は乾燥しており、その水分含有量は、好ましくは組合せの1.5質量%未満、特に1.0質量%未満、より特に0.25質量%未満である。被覆された(重)炭酸塩の場合、これらの範囲は、特に、その被覆にも適用される。

有利な実施態様では、組成物は、本組成物を使用することが意図される飲料のための風味および芳香成分、特に、インスタントコーヒーまたはココア飲料微粒子を含む。原則として、任意の風味および芳香成分、例えば、本明細書において引用した従来技術において言及されているもの、を使用することができる。

より詳細には、コーヒー飲料のための組成物において、さらに、インスタントコーヒーが、追加の酸味料の不存在下においても、望ましい特性を有する泡の形成に寄与すると考えられる。より詳細には、コーヒー飲料のために、アラビカ(Arabica)コーヒーを(合計コーヒー成分に基づいて好ましくは50〜100質量%)含むインスタントコーヒが、本発明による組成物における使用に有利である。

(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せは、通常、紛体組成物の少量の部分を構成する。通常、(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せの含量は、発泡剤およびクリーマー成分の質量に対して10質量%未満、好ましくは5質量%以下、特に3質量%以下、より特に約2.0質量%以下である。通常、この含量は、0.5質量%以上、特に1.0質量%以上、より特に1.5質量%以上である。(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せは、通常、最終発泡剤/クリーマー製品に均一に分布するように組み入れられる。これは、噴霧乾燥工程中に、噴霧乾燥されたクリーマーまたは発泡剤の微粒子がほとんど乾燥状態(好ましくは8質量%未満の水分、より好ましくは5質量%未満の水分)になる際に、有利に達成される。

特定の実施態様において、本発明の紛体組成物は、 - 5〜12質量部の微粒子の形態の発泡剤またはクリーマー; - 0.05〜0.4質量部、好ましくは0.1〜0.3質量部の(重)炭酸塩と両親媒性物質との組合せ; - 存在する場合には、0.5〜3.5質量部の風味成分の微粒子、好ましくはコーヒーおよびココア飲料粒子;および - 任意選択で、最高で8.5質量部までの1種以上の追加の材料 からなる。

1種以上の追加の材料は、通常、インスタントの熱い飲料、例えばコーヒーまたはココア飲料などのための紛体組成物について知られている追加の材料(例えば引用した従来技術に記載されている材料など)の群から選択することができ、存在する場合には、通常知られている含量で配合される。

より詳細には、1種以上の材料は、食用酸(例えば、クエン酸など)(好ましくは0.05〜0.15質量%)、増粘剤、安定剤、タンパク質、泡安定剤、芳香剤(風味成分の微粒子中に存在するもの以外の芳香剤)、風味増強剤、および甘味料(例えば、砂糖)の群から選択されて存在する。

特に、砂糖は、5〜8質量部の割合で存在位していてよい。

食用酸の存在は有利となり得るが、良好な結果が、添加された酸味料の非存在下、すなわち、コーヒーまたはココア飲料成分中に(天然に)存在するか、あるいは発泡剤またはクリーマー粒子中に存在する可能性があるあらゆる酸味料に加えて添加された酸味料、例えば食用酸、例えばクエン酸の非存在下で達成された。したがって、有利な実施態様では、本組成物は、このような添加された酸味料、または少なくとも添加された被覆された酸味料を本質的に全く含まない。「本質的に全く含まない」とは、本明細書において、そのような酸味料が、(重)炭酸塩の分解速度を有意に変更する量では全く存在しないことを指す。特に、そのような実施態様では、添加された酸味料の含量は、組成物の総量の0.1質量%未満、より特に0〜0.01質量%である。

泡特性を考慮すると、(熱い飲料の調製のための)紛体組成物は、水中での再構成後に、中性または酸性のpHを有する液体をもたらすことが好ましい。このpHは、中性pHより低いことが好ましく、タンパク質成分が、それが存在する場合に、凝集するかまたは(部分的に)不溶性となる酸性pHより高いことが好ましい。一般に、熱い水中での再構成後に、pHは、およそ中性のpHと、中性のpHより最高で2単位まで低い酸性pH、特に中性のpHより最高で1単位まで低い酸性pHとの間である。典型的には、見かけのpH(約65℃にて標準pH電極を用いて測定したpH)は、7以下、好ましくは5〜7.0、特に6〜7.0、より特に6.2〜6.7である。

組成物は、例えばサシェなどの投与量単位包装、典型的には1回の投与当たり約2〜18g、特に1回の投与当たり6〜14gを提供する包装であって、家庭内で使用するための多目的包装に包装することができる。例えば、50〜500gの容器に、あるいはコーヒーまたはココアの自動販売機に使用するための多目的容器に包装することができる。

本発明の組成物は、上述したものなどの所望の材料を入手すること、例えば、商業的に入手可能な材料を購入すること、あるいはそれ自体知られている方法で材料を調製すること、およびそれらを混合することによって製造することができる。したがって、本発明はさらに、本発明の組成物の調製方法であって、微粒子の形態の発泡剤またはクリーマー成分;重炭酸塩または炭酸塩であって、重炭酸塩または炭酸塩と両親媒性物質との組合せとして存在するもの;任意選択の、微粒子形態のインスタントコーヒー、ココア飲料、または別の風味成分;および、任意選択の、本発明の組成物に使用することが好適である微粒子の形態のさらなる材料、を準備する工程と、準備した材料をブレンドする工程とを含む方法に関する。

本発明はさらに、コーヒー飲料またはココア飲料を調製するための方法であって、本発明の組成物を、熱い水性液体の中で再構成させる工程を含む方法に関する。有利な実施態様では、紛体組成物は自動販売機に供給され、ここで、組成物は、飲用ホルダー(カップ、ビーカー)内にコーヒー飲料またはココア飲料を供給する前または供給する際に、あるいはホルダーに紛体組成物を供給した後に、再構成される。

通常、コーヒー飲料またはココア飲料を調製するための方法において、100mlの水当たりの紛体組成物の比率は、2〜15g/100mlの範囲である。 次に、以下の実施例によって本発明を例証する。

[実施例1] インスタントのレギュラースプレードライコーヒー(2 g)および発泡剤Cappa 25H(8 g)のブレンドであって、25質量%の硬化ヤシ油、41質量%のスキムミルク固体、28質量%のグルコースシロップ固体DE 28、および1.5質量%未満のリン酸二カリウムを含有し、かさ密度240 g/Lを有するもの(供給業者:Friesland Campina Kievit)を、さまざまな量の重炭酸カリウムと共に混合した。重炭酸カリウムは、標準品質のもの(FINEグレードの重炭酸カリウム、Kudos Blendsによって供給されたもの)と、本発明に従うもの(HPグレードの重炭酸カリウム、Kudos Blendsによって供給されたもの)とのいずれかを用いた。HPグレードの製品は、重炭酸塩と、両親媒性物質との組合せである。重炭酸塩を全く添加していない混合物を用いて比較を行った(比較例)。追加の食用酸(クエン酸)の効果も評価した。全ての試料を、味についても評価した。いずれの試料にも、味の変化は観察されなかった。

色:白の程度が小さいものから大きいものへの順番:1〜5の尺度を用いた。 泡の構造または外観:気泡サイズを泡構造の主要特性として測定した。以下の泡のグループに区分した:大、並み、および微細の気泡構造。

泡の高さ、色、および構造の全ての観点について、優れた結果が、両親媒性物質を含有するHPグレードの重炭酸塩の使用に基づく組成物を用いることによって得られたことを、明確に結論づけることができる。

[実施例2] 表中の以下の実施例は、コーヒーの量、および、これに関連する熱い飲料混合物を再構成した後の酸性度プロファイルへの効果を記述する。飲料混合物は、コーヒーの量の変化は別として、8 gの発泡剤Cappa 25Hおよび200 gのHPグレードの重炭酸塩を含有している。熱い飲料混合物の組成物の効果を、明らかに観察することができる。より詳細には、酸性の特徴を有する成分の量が、泡の高さおよび泡の外観に影響を及ぼした。

上述した配合物を、工業的条件でより大規模なスケールで製造した。予備的に加速した貯蔵寿命の結果は、先の実施例において既に記述したものと同様の優れた性能を示した。この試験は、重炭酸塩との組合せで両親媒性物質が存在しない条件下では最終的な飲料混合物中の重炭酸塩の性能を妨害する可能性がある湿気または他の因子に対する保護が、本発明に従う重炭酸塩を使用することによってもたらされるという事実も実証している。

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