冷凍温度域で軟らかい含チョコレート

申请号 JP2014527399 申请日 2014-03-28 公开(公告)号 JPWO2014163011A1 公开(公告)日 2017-02-16
申请人 不二製油株式会社; 发明人 佑希 臼井; 佑希 臼井; 暁之 石渡; 暁之 石渡;
摘要 冷凍 温度 域で軟らかく、かつ経時での物性変化が少ない含 水 チョコレートを提供することを課題とする。単糖類15〜50重量%、かつ単糖類を含む全糖質量25〜50重量%、非脂肪カカオ分12重量%以下、無脂乳固形分5〜15重量%、油分20〜40重量%、水分20〜50重量%、レシチン0.2重量%以下の組成とした水中油型乳化物の含水チョコレートを製造することで、アイスクリーム等と組み合わせても軟らかさが維持され、優れたチョコレート風味を有する冷菓が提供可能となる。
权利要求

単糖類15〜50重量%、かつ単糖類を含む全糖質量25〜50重量%、非脂肪カカオ分12重量%以下、無脂乳固形分5〜15重量%、油分20〜40重量%、分20〜50重量%、レシチン0.2重量%以下を含有することを特徴とする、水中油型乳化物である含水チョコレート。−18℃での硬さ(プランジャー面積0.785平方センチメートル、速度5センチメートル/秒でのレオメーター値)が400g以下である、請求項1に記載の含水チョコレート。単糖類15〜60重量%、非脂肪カカオ分15重量%以下および無脂乳固形分5〜18重量%であるチョコレートを60〜80重量%、クリームを10〜40重量%配合し、かつ水分20〜50重量%とすることを特徴とする、請求項1ないし2いずれか1項に記載の含水チョコレートの製造方法。

単糖類15〜50重量%、かつ単糖類を含む全糖質量25〜50重量%、非脂肪カカオ分12重量%以下、無脂乳固形分5〜15重量%、油分20〜40重量%、水分20〜50重量%、レシチン0.2重量%以下を含有し、冷凍7日後の−18℃での硬さ(プランジャー面積0.785平方センチメートル、速度5センチメートル/秒でのレオメーター値)が400g以下であることを特徴とする、水中油型乳化物である含水チョコレート。単糖類15〜60重量%、非脂肪カカオ分15重量%以下および無脂乳固形分5〜18重量%であるチョコレートを60〜80重量%、クリームを10〜40重量%配合し、かつ水分20〜50重量%とすることを特徴とする、請求項1に記載の含水チョコレートの製造方法。単糖類15〜50重量%、かつ単糖類を含む全糖質量25〜50重量%、非脂肪カカオ分12重量%以下、無脂乳固形分5〜15重量%、油分20〜40重量%、水分20〜40重量%、レシチン0.2重量%以下を含有し、冷凍7日後の−18℃での硬さ(プランジャー面積0.785平方センチメートル、速度5センチメートル/秒でのレオメーター値)が400g以下であることを特徴とする、水中油型乳化物である含水チョコレート。単糖類15〜60重量%、非脂肪カカオ分15重量%以下および無脂乳固形分5〜18重量%であるチョコレートを60〜80重量%、クリームを10〜40重量%配合し、かつ水分20〜40重量%とすることを特徴とする、請求項1に記載の含水チョコレートの製造方法。

说明书全文

本発明は、冷凍域において軟らかい物性を有する含チョコレート及びその製造法に関する。

チョコレートに水性成分を配合して製造される含水チョコレートは、洋菓子やデザート用途に広く利用されている。中でも、水性成分として生クリームを配合した生チョコレートは、特にその濃厚な風味と独特の滑らかな口どけが好まれ、そのまま喫食するだけでなく、フィリングやサンドなどの充填用途として洋菓子や冷菓などにも広く使用されている。

洋菓子や冷菓でソース状にチョコレート類を利用する場合、チョコレートシロップなどが用いられることが多いが、これは低温域で硬くならないよう糖分が多くカカオ分が少ない組成となっており、チョコレート風味としては物足りないものが多い。このような場面で、より風味が良好で軟らかい含水チョコレート類が使用できれば、洋菓子や冷菓の市場拡大に寄与できる。

しかし、カカオ脂を主体とするチョコレートを主原料として使用する含水チョコレートは、10℃以下の低温域において経時での物性変化が大きいことが分かっている。さらに0℃以下の冷凍温度域では、水分の凍結や油脂の結晶化により、硬くなってしまうのが現状である。

特許文献1においては、レシチンの含有量が0.2重量%以下である含水用の原料チョコレート類及び含水チョコレートが提案されており、冷蔵温度域における物性変化抑制を可能としている。ただし、冷凍温度域での効果は十分なものではない。

特許文献2では、液体油を5〜20重量%、レシチン以外の乳化剤を0.1〜0.5重量%、レシチンを0.1重量%以下とすることで、冷凍温度域で流通される冷菓の製造工程に有用な、5℃での充填適性と滑らかな物性を有する含水チョコレートが開示されている。ただし、冷菓として食する場面、すなわち冷凍温度域での軟らかさとしてはまだ十分ではない。

WO2005/79592号公報

特開2011-205940号公報

本発明の目的は、冷凍温度域、具体的には−25℃〜−5℃で軟らかく、かつ経時での物性変化が少ない含水チョコレートを提供することにある。

本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、単糖類を15〜50重量%含有し、全糖質量、非脂肪カカオ分などの組成が一定範囲を満たす含水チョコレートが上記課題を解決し得るという知見を見出し、本発明を完成させた。

即ち本発明は、 (1)単糖類15〜50重量%、かつ単糖類を含む全糖質量25〜50重量%、非脂肪カカオ分12重量%以下、無脂乳固形分5〜15重量%、油分20〜40重量%、水分20〜50重量%、レシチン0.2重量%以下を含有することを特徴とする、水中油型乳化物である含水チョコレート。 (2)−18℃での硬さが400g以下である、(1)に記載の含水チョコレート、 (3)単糖類15〜60重量%、非脂肪カカオ分15重量%以下および無脂乳固形分5〜18重量%であるチョコレートを60〜80重量%、クリームを10〜40重量%配合し、かつ水分20〜50重量%とすることを特徴とする、(1)ないし(2)に記載の含水チョコレートの製造方法、に関するものである。

本発明によれば、−25〜−5℃の冷凍温度域で軟らかく、経時での変化が少ない滑らかな含水チョコレートを実現することができる。そのためアイスクリームなどと組み合わせても軟らかさが維持され、優れたチョコレート風味のトッピングやソースを備えた冷菓を提供することができる。

以下、本発明を具体的に説明する。

本発明の含水チョコレートとは、チョコレート類にクリーム、液糖、洋酒、乳、豆乳、果汁、水などの水性成分を混合して得られる、水中油型乳化物のことをいう。そして、15重量%以上50重量%以下、好ましくは17重量%以上40重量%以下の単糖類を含有することを特徴とする。これより少ないと冷凍下で軟らかさを維持できなくなる場合があり、これより多いと相対的にカカオ分が少なくなるため風味面で劣る場合がある。単糖類としては、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、キシロース、マンノースなどを用いることができる。これら単糖類は液糖などの状態でも、チョコレート生地として配合してもよく、また、これらを併用してもよい。

単糖類以外に配合する糖類および糖質は特に限定されないが、例えばショ糖、麦芽糖、乳糖、還元糖類、各種オリゴ糖、各種糖アルコール類などが挙げられる。これらは、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。さらに、単糖類を含む全糖質の量を25〜50重量%とする。これより少ないと冷凍温度域で硬くなってしまう場合があり、これより多いと風味面で劣る場合がある。

本発明の含水チョコレートは非脂肪カカオ分を12重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは7重量%以下とする。これより多いと冷凍温度域で硬くなってしまう場合がある。なお、非脂肪カカオ分とは、カカオマスやココアなどのカカオ豆由来の原料から水分及び油分を除いたものをいう。

本発明の含水チョコレートは無脂乳固形分を5〜15重量%、好ましくは7〜13重量%とする。これより少ない量では風味面で劣る場合がある。

本発明の含水チョコレートは、油分が20〜40重量%、好ましくは22〜35重量%、さらに好ましくは25〜32重量%とする。これより多いと乳化が不安定となったり、油脂の結晶変化により経時で硬くなったりする場合がある。なお、ここでの油分は、カカオマスやココアなどのカカオ原料由来の脂肪分(ココアバター)や乳原料由来の乳脂肪分、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア油、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂、これらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂などの合計量をいう。

本発明の含水チョコレートは水分として20〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%を含有する。水分の由来は特に規定しないが、生クリームなどのクリーム由来も含む。水分が下限以下では水中油型として乳化させることが困難となる場合がある。またこの量を超えると水っぽく、風味面で劣る場合がある。

本発明の含水チョコレートは、レシチンの配合量を0.2重量%以下とする。これは主として原料チョコレートに由来するものである。これを超えると冷凍温度域で軟らかさを維持することが難しくなったり、経時的に硬くなったりする場合がある。

本発明においては、含水チョコレート調製時の乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種あるいは2種類以上を使用することが好ましく、これにより冷凍温度域での軟らかい物性が得られやすくなる。また、配合量は0.1〜0.5重量%が適切である。具体的な市販乳化剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステルとして「リョートーシュガーエステルS−1670」「(同)S−770」「(同)S−570」(いずれも三菱化学フーズ株式会社製)などの使用が、グリセリン脂肪酸エステルとして「SYグリスターMSW−7S」(坂本薬品工業株式会社製)などの使用が、それぞれ例示できる。

本発明の含水チョコレートは、冷凍温度域で軟らかい物性を有する。具体的には−18℃での硬さ(プランジャー面積0.785平方センチメートル、速度5センチメートル/秒でのレオメーター(不動工業株式会社製)値)が400g以下、好ましくは200g以下、さらに好ましくは100g以下であれば、官能評価でも軟らかい物性であると評価できる。そして、アイスクリーム等の冷菓と共に食する際に、これまでにない、とろりと軟らかい食感を味わうことができる。

本発明は単糖類、非脂肪カカオ分、無脂乳固形分、油分、水分、乳化剤の配合量が特定範囲であることを特徴とし、それぞれの起源すなわち由来とする原材料は特に規定しない。ただし、単糖類を15〜60重量%、非脂肪カカオ分が15重量%以下、無脂乳固形分5〜18重量%であるチョコレート生地を60〜80重量%使用し、さらにクリームを10〜40重量%配合して含水チョコレートを製造することが望ましい。また、冷蔵流通下における保存性を有するよう、水分活性0.9以下とすることがより望ましい。

本発明の含水チョコレートの製造方法としては、以下が例示される。 まず、単糖、砂糖、カカオマス、ココア、全粉乳、植物油、レシチンなどを常法に従いロール掛け、コンチングし、原料となるチョコレート生地を製造する。別途、生クリーム、水、乳化剤などの水性成分を混合、加温し、ここに先のチョコレート生地を加え混合、撹拌、殺菌、冷却して含水チョコレートが得られる。ここでの冷却は冷凍温度域で行うことが好ましい。

以下に実施例および比較例を記載し、本発明をより詳細に説明する。また、例中の%及び部は重量基準を意味する。なお、この発明の技術思想がこれらの例示によって限定されるものではない。

[実施例1] ぶどう糖、砂糖、全粉乳、ココアバター、カカオマス、ココア、植物油脂、レシチンを表1(1)に従い配合し、常法により原料となるチョコレート生地を製造した。次いで、コンビミックス(プライミクス株式会社製)を用いて、生クリーム(製品名:明治十勝フレッシュクリーム47、明治乳業株式会社製)、水、乳化剤をすべて混合し、上記操作で得たチョコレート生地を表2の配合量に従って加え、加温しながら攪拌を行い、次いでこれを−18℃で冷却し、水中油型乳化物である含水チョコレートを得た。

[実施例2] 表1(2)の配合にて、原料チョコレートを常法に従い製造し、表2に従い実施例1と同様に含水チョコレートを得た。

[実施例3] 表1(3)の配合にて、原料チョコレートを常法に従い製造し、表2に従い実施例1と同様に含水チョコレートを得た。

[実施例4] 表1(4)の配合にて、原料チョコレートを常法に従い製造し、表2に従い実施例1と同様に含水チョコレートを得た。

[比較例1] 表1(5)の配合にて、原料チョコレートを常法に従い製造し、表2に従い実施例1と同様に含水チョコレートを得た。

[比較例2] 表1(6)の配合にて、原料チョコレートを常法に従い製造し、表2に従い実施例1と同様に含水チョコレートを得た。

(硬さの測定) それぞれの含水チョコレートの硬さを、冷凍の翌日及び7日後に測定した。 測定機器:レオメーター(不動工業株式会社製) 測定条件:プランジャー面積0.785平方センチメートル、速度5センチメートル/秒

(官能評価) 冷凍7日後の含水チョコレートに関し、パネラー7名にて食感の官能評価を行った。評価基準は以下とした。 ◎:とろりと軟らかく、口溶け良好 ○:スプーンが容易に通る軟らかさ、口溶け良好 △:やや硬く、口溶けもやや劣る ×:硬く、口溶けが悪い

(表1)原料とするチョコレート生地の配合および組成(単位:部)

(表2)含水チョコレート配合(単位:部)

(表3)含水チョコレートの組成および評価

(結果) 表3に示す通り、実施例の含水チョコレートは、いずれも冷凍下で軟らかい物性を有しており、冷菓用途として好適に使用できることが示された。単糖類の配合量が少ない比較例1、非脂肪カカオ分の多い比較例2はいずれも硬く、口溶けに劣っていた。

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