チョコレート

申请号 JP2016575988 申请日 2016-06-22 公开(公告)号 JP6130981B1 公开(公告)日 2017-05-17
申请人 日清オイリオグループ株式会社; 发明人 大西 清美; 村山 典子; 粟飯原 知洋;
摘要 本発明の目的は、コーティング時に常温での乾きが速いことと、剥がれにくいことという非常に相反する性質を併せ持つチョコレート、および該チョコレートを用いた食品を提供することにある。 本発明は、 水 の含有量が0.8〜3質量%であり、50℃における 粘度 が10000〜35000cpsであるチョコレートである。本発明は、また、前記チョコレート中の油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で70〜100%、25℃で50〜100%、および、35℃で0〜25%である、チョコレートである。
权利要求

油脂を26〜52質量%および糖類を30〜70質量%含有するチョコレートであって、の含有量が0.8〜1.4質量%であり、50℃における粘度が15000〜35000cpsである、食品のコーティングに使用する、チョコレート。前記チョコレート中の油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で70〜100%、25℃で50〜100%、および、35℃で0〜25%である、請求項1に記載のチョコレート。前記チョコレート中の油脂に、エステル交換油脂が含まれる、請求項1または2に記載のチョコレート。粉乳を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載のチョコレート。乳糖を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のチョコレート。油脂を26〜52質量%および糖類を30〜70質量%含有するチョコレートであって、水の含有量が0.8〜3質量%であり、50℃における粘度が10000〜35000cpsであるチョコレートでコーティングされた状態にある食品。油脂を26〜52質量%および糖類を30〜70質量%含有する融液状態にあるチョコレートに、水を添加分散し、さらに乳化剤を添加する、水の含有量が0.8〜3質量%であり、50℃における粘度が10000〜35000cpsであるチョコレートの製造方法。

说明书全文

本発明は、コーティングされても剥がれにくく、口どけのよいチョコレートに関する。

ビスケット、パン、アイスクリームなどにチョコレートをコーティングした食品が市販されている。このような、コーティング用チョコレートに要求される特性は、コーティング後にチョコレートが速やかに乾くこと、ナイフなどで切る場合にひび割れが発生しにくいこと、表面の艶が良好であること、食した時の口溶けが良好であること、などが挙げられる。

中でも、生産にかかる時間の短縮、および、食品を包装するフィルムへのチョコレートの付着防止のために、「室温で乾きが速いこと」が要求される。また、ナイフ等で切った時や食する時にボロボロと落ちないように「剥がれにくいこと」も要求される。しかしながら、両者を満たすことは困難であった。

通常のチョコレートを食品のコーティング用に使用するとすぐに剥がれてしまう。特に、ドーナツやスポンジケーキなどの柔らかいパンや菓子に用いる場合に、外からが加わると、コーティングしたチョコレートが著しく剥離してしまう。その結果、最終製品の価値が損なわれる。

従来は、チョコレートを剥がれにくくするため、チョコレートに液状油を配合することが試されてきた。液状油を配合することにより、上記欠点はある程度改善される。しかしながら、液状油の配合によりチョコレートの融点が低下し、乾きが遅くなってしまう。また、チョコレートの表面に液状油がにじみ出すという問題が発生する。さらに、固体脂含有量が少なくなるので、口どけ(シャープさ)が悪くなる。

このような問題を解決するため、特開平6−133693号公報には、ジ飽和モノ不飽和グリセリド中、ジ飽和モノリノレートが35%以上であるジ飽和モノ不飽和グリセリドを含む油脂とラウリン系油脂とを併用したコーティング用チョコレートの製造方法が開示されている。

特開平6−133693号公報

しかしながら、室温時での乾きが速いことと、剥がれにくいことの両者を満足させるチョコレートはなかった。両者の物性は非常に相反する性質であり、両者を両立させることは非常に困難であった。

本発明の目的は、室温での乾きが速いことと、剥がれにくいことという非常に相反する性質を併せ持つチョコレート、および該チョコレートを用いた食品を提供することである。

また、食品である以上、良好な口どけや風味を有する必要がある。よって、本発明の目的は、上記の性質を備え、さらに口どけや風味が良好なチョコレート、該チョコレートを用いた食品を提供することである。

本発明者らは鋭意研究を重ねた。その結果、チョコレート中のの含有量を特定の範囲に調整し、さらに、50℃におけるチョコレートの粘度を特定の範囲に調整することにより、食品にコーティングしても乾きが早く、剥がれにくいチョコレートが得られた。これにより、本発明は完成された。

より具体的には、本発明は以下のものを提供する。 (1)水の含有量が0.8〜3質量%であり、50℃における粘度が10000〜35000cpsであるチョコレート。 (2)前記チョコレート中の油脂の固体脂含有量(SFC)が、10℃で70〜100%、25℃で50〜100%、および、35℃で0〜25%である、(1)のチョコレート。 (3)前記チョコレート中の油脂に、エステル交換油脂が含まれる、(1)または(2)のチョコレート。 (4)粉乳を含む、(1)〜(3)の何れか1つのチョコレート。 (5)乳糖を含む、(1)〜(4)の何れか1つのチョコレート。 (6)(1)〜(5)の何れか1つのチョコレートでコーティングされた食品。 (7)融液状態にあるチョコレートに、水を添加分散し、水の添加分散により上昇する粘度を、乳化剤を添加することで調整する、水の含有量が0.8〜3質量%であり、50℃における粘度が10000〜35000cpsであるチョコレートの製造方法。

本発明によれば、食品にコーティングしても乾きが速く、剥がれにくいチョコレートが提供される。本発明によれば、また、上記特性を持ち、口どけがよく、風味のよいチョコレートが提供される。本発明によれば、また、上記特性を持つチョコレートの製造方法が提供される。

水の含有量が0.2質量%および50℃の粘度が8000cpsのチョコレートをコーティングしたイーストドーナツをナイフで切断したときの断面である。(比較例1)

水の含有量が1.2質量%および50℃の粘度が18000cpsのチョコレートをコーティングしたイーストドーナツをナイフで切断したときの断面である。(実施例1)

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。

<チョコレート> 本発明において「チョコレート」とは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)又は法規上の規定等により限定されない。食用油脂および糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、調温工程、成形工程、冷却工程等)の一部又は全部を経て製造される。また、本発明におけるチョコレートは、ミルクチョコレートのほか、ホワイトチョコレート、カラーチョコレート等も含む。

本発明のチョコレートは、水の含有量が0.8〜3質量%である。チョコレートは、少量の水を含むことにより、融液状態における粘度が上昇する。融液状態における粘度が上昇することにより、チョコレートは、食品に上掛けされて固化した後に、剥がれにくいという特性が付与される。本発明のチョコレートの水の含有量は、好ましくは0.9〜2.5質量%であり、より好ましくは1.0〜2.0質量%である。なお、ここで融液状態とは、チョコレート中の油脂が融解した状態を意味する。

上述のように、チョコレートは少量の水を含むことにより、融液状態における粘度が上昇する。そして、過度の粘度の上昇は、コーティング以降の作業性を悪くする。従って、本発明のチョコレートは、50℃における粘度が10000〜35000cpsとなるように調整される。融液状態におけるチョコレートの粘度は、減粘作用のある乳化剤(レシチン、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(PGPR)など)を使用することで調整されてもよい。本発明のチョコレートは、50℃における粘度が、好ましくは15000〜30000cpsであり、より好ましくは18000〜28000cpsである。なお、チョコレートの粘度は、回転型粘度計であるBH型粘度計を用いて測定してもよい。例えば、No.6のローターを回転数4rpmに設定し、設定温度に保ったチョコレート中で3回転させた後、数値を読み取る。読み取った数値に装置係数を乗じて求める塑性粘度が計測できる。

本発明のチョコレートは、油脂を26〜52質量%含有することが好ましい。ここで油脂とは、ココアバター等の油脂そのものだけではなく、カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等のチョコレートの原料中に含まれる油脂をも含む。例えば、カカオマスの油脂(ココアバター)含有量は55質量%(含油率0.55)であり、ココアパウダーの油脂(ココアバター)含有量は11質量%(含油率0.11)であり、全脂粉乳の油脂(乳脂)含有量は25質量%(含油率0.25)である。チョコレート中の油脂含有量は、各原料のチョコレート中の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせた値の合計値である。本発明のチョコレートは、作業性や風味の点から油脂含有量はより好ましくは28〜44質量%であり、さらに好ましくは30〜40質量%であり、最も好ましくは32〜38質量%である。

本発明のチョコレートは、液状油が配合されない、もしくは、液状油の配合が少ない場合であっても、剥がれにくい特性を有する。従って、ココアバターもしくはその代替脂を豊富に使用できる。そのため、チョコレート中の油脂は固体脂含有量曲線が縦型になり、チョコレートの口どけが良好となる。本発明のチョコレートに含まれる油脂の各温度の固体脂含有量(SFC)は、以下のとおりである。すなわち、10℃で、好ましくは70〜100%、より好ましくは75〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。25℃で、好ましくは50〜100%、より好ましくは55〜95%、さらに好ましくは60〜90%である。35℃で、好ましくは0〜25%、より好ましくは0〜21%、さらに好ましくは0〜18%である。また、本発明のチョコレート中の油脂は、25℃のSFCと35℃のSFCの差が、好ましくは40〜80%であり、より好ましくは45〜75%あり、さらに好ましくは50〜70%である。なお、油脂のSFCは、IUPAC法2.150 Solid Content determination in Fats by NMRに準じて測定できる。

本発明のチョコレートは、テンパータイプであっても、非テンパータイプであってもどちらでもよい。ココアバターを多く配合する(例えば、チョコレートの油脂中に、30質量%を超える量を配合する)場合は、テンパータイプのチョコレートが好ましい。チョコレートに含まれる油脂に占めるココアバターの含有量が30質量%以下の場合は、非テンパータイプが好ましい。テンパータイプの場合、チョコレートに含まれる油脂に、好ましくはSOS型トリアシルグリセロール(以下、SOSと略すことがある)が含まれる。ここで、SOS型トリアシルグリセロールとは、グリセロール骨格の1,3位に飽和脂肪酸(S)が、2位にオレイン酸(O)が結合したトリアシルグリセロールである。飽和脂肪酸(S)は、好ましくは炭素数16以上の飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素数16〜22の飽和脂肪酸であり、さらに好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。また、飽和脂肪酸(S)は、好ましくは直鎖である。テンパータイプのチョコレートである場合、チョコレート中の油脂に占めるSOSの含有量は、好ましくは40〜90質量%であり、より好ましくは50〜90質量%であり、さらに好ましくは60〜90質量%である。

本発明のチョコレートが非テンパータイプである場合、チョコレートに含まれる油脂として、好ましくは、非テンパータイプのハードバターが使用される。非テンパータイプのハードバターは、ラウリン酸タイプと非ラウリン酸タイプとに大別される。ラウリン酸タイプのハードバターは、典型的には、パーム核油を分別して得られる硬質部(パーム核ステアリン)を水素添加により極度硬化したものが知られている。この種のハードバターの融解性状は極めてシャープである。しかし、ココアバターとの相溶性が極端に悪いため、チョコレートのココアバターの配合率を極力少なくしなければならない。よって、ラウリン酸タイプのハードバターを使用したチョコレートはカカオ風味に乏しい。

上記非ラウリン酸タイプのハードバターは、高トランス酸タイプのハードバターともいわれる。典型的には、低融点パームオレインまたは大豆油などの液体油を異性化水素添加したものが挙げられる。さらに、異性化水素添加したものを分別した高融点部又は中融点部も使用できる。非ラウリン酸タイプのハードバターは、融解性状がラウリン酸タイプと比較してややシャープさに欠ける。一方で、ココアバターとの相溶性はラウリン酸タイプよりは良い。そのため、チョコレートは、ココアバターを、ラウリン酸タイプよりも比較的多く配合できる。しかしながら、非ラウリン酸タイプのハードバターは、多量のトランス脂肪酸を含有するため、トランス脂肪酸の健康への悪影響が認識されるようになって以来、使用が敬遠される傾向にある。

本発明のチョコレートが非テンパータイプである場合、チョコレートに含まれる油脂として、より好ましくは、エステル交換油脂を含む非テンパータイプのハードバターが使用される。エステル交換油脂を含む非テンパータイプのハードバターを使用することで、チョコレートのココアバター含有量を高めることができる。したがって、風味の良いチョコレートが得られる。エステル交換油脂は、ラウリン系エステル交換油脂であってもよいし、非ラウリン系エステル交換油脂であってもよい。

上記ラウリン系エステル交換油脂は、エステル交換油脂の構成脂肪酸全量に占める炭素数が12以下の脂肪酸(ラウリン酸以下の脂肪酸)の含有量が10質量%以上(好ましくは、15〜65質量%)であるエステル交換油脂である。ラウリン系エステル交換油脂は、エステル交換の原料油脂として、ラウリン系油脂を含有することが好ましい。ラウリン系油脂とは、油脂を構成する全脂肪酸に占める炭素数が12以下の脂肪酸(ラウリン酸以下の脂肪酸)の含有量が30質量%以上の油脂である。ラウリン系油脂の例としては、ヤシ油、パーム核油、これらを分別して得られるパーム核オレイン、パーム核ステアリン等の分別油、これらをエステル交換した油脂、及びこれらの硬化油、ならびに、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)が挙げられる。ラウリン系油脂は、エステル交換の原料油脂中に、これらから選ばれる1種又は2種以上が用いられてもよい。

ラウリン系エステル交換油脂は、ラウリン系油脂のみをエステル交換したものでもよいし、ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂とを含む混合油脂をエステル交換したものでもよい。非ラウリン系油脂とは、油脂を構成する脂肪酸全量のうち炭素数16以上の脂肪酸が90質量%を超える油脂である。例として、菜種油、高エルシン酸菜種油、大豆油、コーン油、紅花油、綿実油、ヒマワリ油、カカオ脂(ココアバター)、シア脂、サル脂、パーム油等、並びにこれらを水素添加した油脂が挙げられる。非ラウリン系油脂は、エステル交換の原料油脂中に、これらから選ばれる1種又は2種以上が用いられてもよい。

ラウリン系エステル交換油脂が、ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂とを含む混合油脂のエステル交換油脂である場合、ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂との混合比(質量比)は、好ましくは30:70〜90:10であり、より好ましくは35:65〜80:20であり、さらに好ましくは40:60〜75:25である。

ラウリン系エステル交換油脂は、エステル交換油脂の構成脂肪酸全量に占める炭素数が12以下の脂肪酸(ラウリン酸以下の脂肪酸)の含有量が10質量%以上(好ましくは、15〜60質量%)であり、エステル交換処理されたものであれば、エステル交換処理の前後で、分別、水素添加等の、その他の加工処理が単回、もしくは複数回繰り返されてもよい。ラウリン系エステル交換油脂は、ヨウ素価が、好ましくは0〜40であり、より好ましくは5〜30であり、さらに好ましくは10〜25である。

上記非ラウリン系エステル交換油脂は、エステル交換油脂の構成脂肪酸全量に占める炭素数が12以下の脂肪酸(ラウリン酸以下の脂肪酸)の含有量が10質量%未満(好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜2質量%)であるエステル交換油脂である。非ラウリン系エステル交換油脂は、エステル交換の原料油脂として、非ラウリン系油脂を含有することが好ましい。非ラウリン系油脂は、上述のとおりである。非ラウリン系油脂は、エステル交換の原料油脂中に、1種又は2種以上が用いられてもよい。

非ラウリン系エステル交換油脂は、その原料油脂として、パーム系油脂を含有することが好ましい。パーム系油脂としては、パーム油及びパーム油の分別油であれば何れも使用できる。例として、(1)パーム油の1段分別油であるパームオレイン及びパームステアリン、(2)パームオレインを分別した分別油(2段分別油)であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション、(3)パームステアリンを分別した分別油(2段分別油)であるパームオレイン(ソフトパーム)及びパームステアリン(ハードステアリン)、並びに、それらの硬化油が挙げられる。パーム系油脂は、1種以上のパーム系油脂を混合して使用してもよい。

非ラウリン系エステル交換油脂が、エステル交換の原料油脂として、パーム系油脂を含有する場合、原料油脂に占めるパーム系油脂の含有量は、好ましくは20〜100質量%であり、より好ましくは40〜100質量%であり、さらに好ましくは60〜100質量%である。

非ラウリン系エステル交換油脂は、エステル交換油脂の構成脂肪酸全量に占める炭素数が12以下の脂肪酸(ラウリン酸以下の脂肪酸)の含有量が10質量%未満(好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜2質量%)であり、エステル交換処理されたものであれば、エステル交換処理の前後で、分別、水素添加等の、その他の加工処理が単回、もしくは複数回繰り返されてもよい。非ラウリン系エステル交換油脂は、ヨウ素価が、好ましくは10〜70であり、より好ましくは20〜55であり、さらに好ましくは25〜45である。

上記、ラウリン系エステル交換油脂および非ラウリン系エステル交換油脂は、それぞれ単独で用いられてもよいし、併用されてもよい。また、その他の油脂(例えば、ラウリン酸タイプのハードバター、高トランス酸タイプのハードバター、ココアバターなど)と併用されてもよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占める、ラウリン系エステル交換油脂および/または非ラウリン系エステル交換油脂の含有量は、好ましくは1〜100質量%であり、より好ましく30〜100質量%であり、さらに好ましく50〜95質量%であり、最も好ましくは60〜90質量%である。

本発明のチョコレートは、油脂のほかに、通常チョコレートに使用される食品材料を配合できる。例えば、カカオマス、ココアパウダー、糖類、乳製品(乳固形類等)、乳化剤、香料、色素等のほか、澱粉類、ガム類、熱凝固性タンパク、いちご粉末や抹茶粉末などの各種粉末類などの、各種食材や各種改質材が含まれていてもよい。

上記のうち、糖類としては、例として、砂糖(ショ糖)、乳糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、はちみつ、還元糖ポリデキストロース、ラフィノース、ラクチュロース、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、トレハロースなどが挙げられる。糖類は、糖アルコールであってもよい。本発明のチョコレートは、糖類を、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜65質量%、さらに好ましくは30〜60質量%含有する。

本発明のチョコレートは、また、糖類の1つとしてショ糖を30〜58質量%含有することが好ましい。ショ糖としては、実質的にショ糖の結晶であるグラニュー糖を粉にした粉糖を使用するのが適当である。本発明のチョコレートのショ糖含有量は、より好ましくは32〜54質量%であり、さらに好ましくは34〜50質量%である。チョコレートのショ糖含有量が上記範囲内にあると、食品にコーティングされたチョコレートが、剥がれにくくなる。

本発明のチョコレートは、また、糖類の1つとして乳糖を1〜20質量%含有することが好ましい。乳糖は、好ましくは結晶質であり、結晶として配合される。市販の乳糖のほとんどは結晶質である。乳糖の結晶は、α−乳糖であってもβ−乳糖であってもよい。α−乳糖は、無水物でも一水和物であってもよい。本発明のチョコレートの乳糖含有量は、より好ましくは2〜18質量%であり、さらに好ましくは3〜16質量%である。チョコレートの乳糖含有量が上記範囲内にあると、食品にコーティングされたチョコレートが、より剥がれにくくなる。なお、乳糖が結晶質であるかどうかは、粉末X線回折により確認できる。

本発明のチョコレートは、また、粉乳を4〜32質量%含有することが好ましい。本発明に使用する粉乳としては、乳由来の粉末であれば特に制限はない。例として、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、クリームパウダー、バターミルクパウダーが挙げられる。粉乳は1種または2種以上を選択して使用できる。粉乳は、好ましくは、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダーから選ばれる1種以上、より好ましくは、全脂粉乳、脱脂粉乳から選ばれる1種以上が含まれる。本発明のチョコレートに使用される粉乳は、また、上記例示した粉乳のように、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥により、製造されたものが好ましい。本発明のチョコレートの粉乳含有量は、より好ましくは8〜28質量%であり、さらに好ましくは12〜24質量%である。チョコレートの粉乳含有量が上記範囲内にあると、チョコレートの風味がマイルドになる。また、食品にコーティングされたチョコレートが、より剥がれにくくなる。

<チョコレートの製造方法> 本発明のチョコレートは、常法に従い、油脂、糖類および粉乳などの原材料の混合、ロールリファイニングなどによる微粒化、必要に応じてコンチング処理等を行い製造できる。コンチング処理を行う場合、コンチング処理における加熱は、チョコレートの風味を損なわないように、好ましくは40〜60℃で行う。なお、本発明の製造方法において、工程と処理とは、同じ意味として使用している。

本発明のチョコレートの製造方法において、チョコレートの水分(水含有量)を調整するために、原材料として水を有する含水素材や吸湿性の高い素材などを使用してもよい。また、融液状態にあるチョコレートに、水を添加分散させる工程(以下の[水添加工程])を有してもよい。ここで融液状態とは、チョコレート中の油脂が融解された状態を指す。なお、本発明のチョコレートは、既製のチョコレートを加熱融解させ、融液状態とした上で、以下の、[水添加工程]およびそれに続く工程を経て、製造されてもよい。

[水添加工程] 本発明のチョコレートの製造方法において、水添加工程における融液状態にあるチョコレートの温度は、好ましくは30〜70℃であり、より好ましくは33〜60℃であり、さらに好ましくは35〜55℃である。水添加工程における融液状態にあるチョコレートの温度が上記範囲内にあると、チョコレートの風味を損なわずに、水を添加分散できる。添加される水の量は、チョコレートの水の含有量が0.8〜3質量%となるように適宜設定されればよい。目安としては、融液状態のチョコレート100質量部に対して、好ましくは0.5〜2質量部であり、より好ましくは0.5〜1.5質量部である。なお、チョコレートの水含有量は、常法に従って、常圧乾燥減量法や、カールフィッシャー水分計を用いて測定できる。

水添加工程において添加される水は、水のみであってもよいが、水と共に水以外の成分を含む組成物(以下、このような組成物を「含水材」という)であってもよい。水添加工程において添加する水は、添加量が同じであっても、水と共に添加する成分によって、融液状態のチョコレートの粘度上昇速度が変化し得る。具体的には、水のみ、又は、水含有量の高い含水材(果汁、乳等)を添加すると、チョコレートの粘度は急激に上昇する。他方、糖液やタンパク液などの含水材を添加すると、比較的緩やかに粘度が上昇する。急激に粘度が上昇すると、融液状態のチョコレート中に水が十分に分散できない。そのため、水添加工程における水は、含水材、特に糖液やタンパク液であることが好ましい。

糖液の例としては、果糖、ブドウ糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖などの糖と水とを含む、還元水飴や果糖ブドウ糖液糖、ソルビトール液などの溶液が挙げられる。タンパク液の例としては、タンパク質と水とを含む、卵白メレンゲ、濃縮乳、生クリームなどが挙げられる。糖液やタンパク液に含まれる水の含有量は、溶液全体に対して好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは10〜50質量%である。水添加工程において、水を含水材の形態で添加する場合、その添加量は融液状態のチョコレートに対する正味の水の量が上記目安の範囲となるように添加すればよい。なお、チョコレートの水含有量を調整するために添加される水乃至含水材は、その添加量がチョコレート100質量部に対して5質量部以下である場合、本発明のチョコレートの組成には含めない。

水添加工程において使用する水や含水材の温度は、水や含水材を添加する融液状態のチョコレートの温度と同程度であることが好ましい。そうすることで、融液状態のチョコレートの温度が一定に保たれ、水や含水材は均一に分散しやすい。水を融液状態のチョコレートに添加した後は、撹拌などにより水をチョコレート中に均一に分散させてもよい。

[粘度調整工程] 上記[水添加工程]における水の添加により粘度が上昇した融液状態のチョコレートは、乳化剤などを添加して、50℃における粘度が10000〜35000cpsとなるように調整してもよい。融液状態におけるチョコレートの粘度は、減粘作用のある乳化剤(レシチン、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(PGPR)など)を使用することで調整してもよい。減粘作用のある乳化剤の使用量は、目安として、融液状態のチョコレート100質量部に対して好ましくは0.05〜2質量部であり、より好ましくは0.3〜1質量部である。減粘作用のある乳化剤として、好ましくはレシチンとPGPRとが併用される。レシチンとPGPRは、好ましくは質量比4:6〜8:2で併用される。なお、粘度調整のために添加される乳化剤は微量であるため、本発明のチョコレートの組成には含めない。 なお、水添加工程後の融液状態のチョコレートの粘度が規定の範囲となるように、原材料を混合するときに予め減粘作用のある乳化剤を添加しておいてもよい。この場合、[粘度調整工程]は省略されてもよい。

[冷却固化工程] 水添加工程を経た融液状態のチョコレートは、冷却固化してもよい。この工程により、融液状態から固形のチョコレートを効率的に製造できる。

冷却固化の方法は特に限定されない。モールド成形や食品へのコーティングといったチョコレート製品に応じて、適宜選択すればよい。融液状態のチョコレートは、例えば、冷却トンネル(クーリングトンネル)での冷風吹付、冷却プレートとの接触、により冷却固化できる。

冷却固化の条件は、融液状態のチョコレートが固化する限り特に限定されない。冷却温度は、好ましくは0〜20℃であり、より好ましくは0〜10℃である。冷却時間は、好ましくは5〜90分間、より好ましくは10〜60分間である。

[保温工程] 本発明のチョコレートの製造方法において、上記冷却固化後のチョコレートに、さらに特定の温度に保管する[保温工程]を適用してもよい。保温工程は、冷却固化後のチョコレートを、好ましくは24〜36℃、より好ましくは26℃〜34℃、さらに好ましくは28〜32℃において、好ましくは1〜240時間、より好ましくは6〜144時間、さらに好ましくは12〜96時間、保温する工程である。保温工程により、コーティングしたチョコレートをより剥がれにくくできる。また、冷却固化後のチョコレートは、保温工程を適用する前に、好ましくは16〜24℃、より好ましくは18〜22℃において、好ましくは6〜240時間、より好ましくは12〜192時間、プレエージング処理されてもよい。

本発明のチョコレートは、保温工程の後、プレエージング処理と同様のエージング処理をしてもよい。エージング処理は、好ましくは16〜24℃、より好ましくは18〜22℃において、好ましくは6〜240時間、より好ましくは12〜192時間静置する処理である。

本発明のチョコレートがテンパータイプである場合、上記[粘度調整工程]の後、テンパリング処理もしくはシーディング処理を行ってもよい。

上記テンパリング処理は、融液状態にあるチョコレートに安定結晶の結晶核を生じさせる操作である。具体的には、例えば、40〜50℃で融解しているチョコレートを、品温を27〜28℃程度まで下げた後に、再度29〜31℃程度まで加温する操作として知られる。

上記シーディング処理は、テンパリング処理の替りに、安定結晶の結晶核として機能するシーディング剤を使用して、融液状態にあるチョコレート中に安定結晶の結晶核を生じさせる処理である。シーディング処理は、テンパリング処理と同様に、チョコレート中の油脂をV型の安定結晶として固化させるために行う。

本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、シーディングの効果をより効率良く得るために、チョコレートに含まれる油脂中に、SOSの一部乃至全部として、1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロール(StOSt)が含まれることが好ましい。本発明の、シーディング前の融液状態のチョコレートに含まれる油脂に占めるStOSt含有量は、好ましくは24〜70質量%であり、より好ましくは26〜70質量%であり、さらに好ましくは27〜60質量%であり、最も好ましくは30〜55質量%である。StOSt含有量が上記範囲内にあると、チョコレートの口どけを損なうことなく、シーディングの効果がより効率よく得られる。

本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、また、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤が添加される。ここで、Xは炭素数が16〜22である飽和脂肪酸を示し、好ましくは炭素数18〜22の直鎖飽和脂肪酸である。Oはオレイン酸を示し、XOXはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1,3位にXが結合したトリアシルグリセロールを示す。XOXは、好ましくは1,3−ジベヘニル−2−オレオイルグリセロール(BOB)やStOStであり、より好ましくはStOStである。なお、XOXの結晶がβ型であるかどうかは、粉末X線回折により確認できる。

上記シーディング剤は、β型XOX結晶からなるものでもよく、β型XOX結晶のほか、その他の油脂(ヒマワリ油、パームオレイン等)や、固形分(糖類、粉乳等)等を含んでもよい。シーディング剤中のβ型XOX結晶の含有量は、シーディングの効果を得やすいという観点から、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上である。シーディング剤中のβ型XOX結晶量の上限は、特に制限がない。100質量%でもよい。上限は、ハンドリング適性やチョコレート生地中の分散性を上げるという観点では、50質量%以下であることが好ましい。

本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、また、融液状態のチョコレートに添加するβ型XOX結晶の量は、チョコレートに含まれる油脂に対して好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.2〜8質量%であり、さらに好ましくは0.3〜3質量%ある。β型XOX結晶の添加量が上記範囲内にあると、融液状態のチョコレートの温度が高温(例えば、32〜40℃)であり、さらに、高温を保持しても、安定したシーディングの効果が期待できる。β型XOX結晶を融液状態にあるチョコレートに添加した後は、撹拌等によりβ型XOX結晶をチョコレート生地中に均一に分散させてもよい。なお、シーディング剤に含まれる油脂中のXOX含有量を、油脂中のβ型XOX結晶含有量として取り扱う。

本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、また、融液状態にあるチョコレートの温度は32〜40℃であることが好ましい。チョコレートの温度を32〜40℃に保持することにより、油脂が結晶化することによるチョコレートの粘度の増加を抑制できる。融液状態にあるチョコレートの温度はより好ましくは34〜39℃であり、さらに好ましくは35〜39℃であり、最も好ましくは37〜39℃である。シーディング処理における融液状態にあるチョコレートの温度が高い場合、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤の添加量を増やすことで効率的にシーディング処理ができる。

本発明のチョコレートは、冷却固化後型抜きして、そのまま食することができる。また、本発明のチョコレートは、製菓製パン製品(例えば、パン、ケーキ、洋菓子、焼き菓子、ドーナツ、シュー菓子等)に、コーティング素材、包餡素材、又は、生地へ混ぜ込むチップ素材として使用できる。本発明のチョコレートを使用することにより、多彩なチョコレート食品(チョコレートを原料の一部に含む食品)が得られる。本発明のチョコレートは、口どけ、風味がよく、特に、食品へのコーティング素材として使用する場合、乾きが速く、剥がれにくい特長を有する。

以下に、実施例を提示することにより、本発明をさらに具体的に説明する。

本実施例では、以下の方法により、チョコレートの評価を行った。 (1)融液状態にあるチョコレートの粘度 融液状態にあるチョコレートの粘度(単位:cps)は、BH型粘度計(東機産業社製)を使用して測定した。つまり、No.6のローターを回転数4rpmに設定した。次いで、測定温度に調温したチョコレートの中で、ローターを3回転させて数値を読み取った。読み取った数値に装置係数(2500)を乗じて粘度を求めた。 (2)チョコレートの水分 チョコレートの水分(水含有量)は、常法に従い、常圧乾燥減量法により測定した。 (3)チョコレート中の油脂の固体脂含有量 油脂のSFCは、IUPAC法2.150 Solid Content determination in Fats by NMRに準じて測定した。油脂サンプルの調温は、60℃で完全融解させた後、10℃で60分間保持した。さらに、非テンパータイプの場合は20℃72時間保持、テンパータイプの場合は20℃168時間保持した。その後、各測定温度で30分間保持した後に固体脂含有量を測定した。

[チョコレートの原材料] チョコレートの主原材料として、以下のものを使用した。 ・ココアバター(大東カカオ株式会社製、商品名:TCココアバター) ・カカオマス(大東カカオ株式会社製、商品名:カカオマスQM−P) ・ココアパウダー(大東カカオ株式会社製、商品名:ココアパウダーDF500) ・砂糖(株式会社徳倉製、商品名:POWDER SUGAR) ・乳糖(LIPRINO FOODS製、商品名:Lactose) ・全脂粉乳(よつ葉乳業株式会社、商品名:全脂粉乳) ・脱脂粉乳(森永乳業株式会社、商品名:脱脂粉乳) ・レシチン(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:レシチンDX) ・PGPR(ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、太陽化学株式会社製) ・HPKS(パーム核ステアリン極度硬化油、マレーシアISF社製) ・菜種油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清キャノーラ油) ・エステル交換油脂(以下に記載の方法により調製した)

[エステル交換油脂の調製] (非ラウリン系エステル交換油脂−1:以下、NLIE−1とも表す) 8.8質量部のハイオレイックヒマワリ油、48.4質量部のパームステアリン(ヨウ素価36)、18.8質量部の大豆油の極度硬化油及び24.0質量部のパーム油を混合した。得られた混合油(パルミチン酸40.9質量%、ステアリン酸20.0質量%、オレイン酸30.6質量%、リノール酸6.3質量%、リノレン酸0.2質量%、トランス型脂肪酸0質量%)を、ナトリウムメチラートを触媒としてランダムエステル交換することにより、エステル交換油脂を得た。得られたエステル交換油脂を36〜38℃でドライ分別し、高融点部を除去することで低融点部を得た。得られた低融点部を0〜2℃でアセトン分別し、低融点部を除去することで高融点部(ヨウ素価32)を得た。得られた高融点部を常法に従って精製し、これを非ラウリン系エステル交換油脂−1とした。 (ラウリン系エステル交換油脂−1:以下、LIE−1とも表す) 50質量部のパーム核極度硬化油と50質量部のパーム極度硬化油とを混合した。80℃で攪拌しながら、得られた混合油脂100質量部に対して0.1質量部のナトリウムメチラートを触媒として添加した。さらに、80℃で30分間撹拌することにより、ランダムエステル交換反応を行った。得られたエステル交換油脂を、常法に従って精製し、これをラウリン系エステル交換油脂−1とした。 (ラウリン系エステル交換油脂−2:以下、LIE−2とも表す) 50質量部の構成脂肪酸が炭素数8と10の飽和脂肪酸からなる中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)と50質量部の菜種極度硬化油とを混合した。80℃で攪拌しながら、得られた混合油脂100質量部に対して0.1質量部のナトリウムメチラートを触媒として添加した。さらに、80℃で30分間撹拌することにより、ランダムエステル交換反応を行った。得られたエステル交換油脂を、常法に従って精製し、これをラウリン系エステル交換油脂−2とした。

[含水材] 含水材として、以下のものを使用した。 ・液糖(水分25質量%、昭和産業株式会社製果糖ブドウ糖液糖)

[チョコレートの調製1] 比較例1〜3および実施例1〜2のチョコレート配合は表1に従った。常法により、混合、微粒化、精練し、融液状態のチョコレートを得た。なお、レシチンは予め混合段階から添加した。50℃で融液状態のチョコレートに対して、表中で水の添加「有り」のものは、チョコレート100質量部に対して4質量部の液糖(水分25質量%果糖ブドウ糖液糖)を、添加分散させた。引き続き50℃でのチョコレートの粘度を測定した。イーストドーナツ上に、各融液状態のチョコレートをコーティングした後、冷却固化した。

[チョコレートの評価1] 上記で調製したイーストドーナツにコーティングした各チョコレートの、作業性、乾き、付着、および、口どけを、以下の基準に従って評価した。結果を表1に示した。

(作業性の評価) 予め28℃に調温されたイーストドーナッツの片面を、50℃に調温した融液状態のチョコレートに浸した。次いで、イーストドーナツを持ち上げて、余分なチョコレートを落とした後、10℃で5分間冷却固化した。その時の作業性(コーティング性)を、以下の判断基準に従って評価した。 ◎:チョコレートの粘り気が少なく、ドーナツ上に均一にコーティングできる。 また、ドーナツからチョコレートが垂れることがない。 ○:チョコレートがドーナツ上にコーティングできる。 チョコレートの固まりや垂れがほとんど生じない。 △:チョコレートの粘度がやや高くなり、コーティングが難しい。 ×:チョコレートの固まりができてドーナツに付着するなど、コーティングできない。

(乾きの評価) 上記のチョコレートをコーティングしたドーナツについて、コーティング15分後、チョコレートの表面を指で触れた際の乾き具合を、以下の基準に従って評価した。 ◎:全く指に付着しない。 〇:ほとんど指に付着しない。 △:やや指に付着する。 ×:指に付着する。

(付着の評価) 付着の評価は、チョコレートでコーティングされたイーストドーナツを20℃で1時間静置した後、ナイフで切断したときの断面を観察することにより、以下の判断基準に従って評価した。 ◎:ひび割れがほとんどなく、ドーナツに密着している。 〇:ややひび割れが生じるが、ドーナツからの剥がれ落ちがほとんどない。 △:ひび割れが生じ、ドーナツから剥がれる部分がある。 ×:複数のひび割れが細かく生じて、ドーナツからの剥がれ落ちが多い。

(口どけの評価) 付着の評価の後、コーティングしたチョコレート部分のみの口どけを、5名のパネラーにより、以下の判断基準に従って総合的に評価した。 ◎:口どけが非常によい 〇:口どけがよい △:口どけはよいが、切れがややない。 ×:口どけがわるく、融け残り感がかなり感じられる。

[チョコレートの調製2] 比較例4および実施例3〜4のチョコレート配合は表2に従った。常法により、混合、微粒化、精練し、融液状態のチョコレートを得た。なお、レシチンは予め混合段階から添加した。50℃で融液状態のチョコレートに対して、表中で水の添加「有り」のものは、チョコレート100質量部に対して4質量部の液糖(水分25質量%果糖ブドウ糖液糖)を、添加分散させた。引き続き、融液状態のチョコレートにPGPRをチョコレート100質量部に対して0.2質量部添加分散して、50℃での粘度を調製した。イーストドーナツ上に、各融液状態のチョコレートをコーティングした後、冷却固化した。

[チョコレートの評価2] 上記で調製したイーストドーナツにコーティングした各チョコレートの、作業性、乾き、付着、および、口どけを、[チョコレートの評価1]と同様の基準に従って評価した。結果を表2に示した。

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