Separation of fine particulate material

申请号 JP2003532191 申请日 2002-10-03 公开(公告)号 JP2005503918A 公开(公告)日 2005-02-10
申请人 ザ ユニバーシティ オブ ノッティンガム; 发明人 キング、ピーター、ジョン; スウィフト、マイケル、ロバート; バータリー、ナスリーン;
摘要 本出願は、粒子が 流体 内で適切に振動したときに起こり得る微細粒子混合物の分離に関する。 特に、本発明は、種々の粒子タイプを含む粒子混合物を分離する方法であって、流体および上記粒子混合物を含む支持粒子床に振動を与えることであって、それによりそれぞれほぼ1つの粒子タイプが選択的に豊富な層への粒子混合物の分離を行う、振動を与えること、を含む方法を提供する。 この方法を行う装置も提供される。
权利要求
  • 種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法であって、
    流体および前記微粒子混合物を含む支持粒子床に振動を与え、それによりそれぞれほぼ1つの粒子タイプが選択的に豊富な層への前記微粒子混合物の分離が行なわれることを特徴とする種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記振動を加えることにより前記粒子床を介して流体が駆動される、請求項1に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 第1タイプの粒子および第2タイプの粒子は、前記流体中で前記両粒子が動く際の制動力が著しく異なる、請求項1または2に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 式d ρの値は、少なくとも10%、好ましくは20%異なり、式中、dは平均径であり、nは2±0.5、好ましくは2であり、ρは各種粒子タイプの粒子密度である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 流体媒体はガスであり、好ましくは空気である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記流体媒体は液体であり、好ましくは水である、先行の請求項のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記粒子は、20μm〜250μmの間、好ましくは150μm未満、最も好ましくは100μm未満のG 50粒径を有する、請求項5に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記粒子は、10μm〜3mm、好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満のG 50粒径を有する、請求項6に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記粒子床に与えられる前記振動は、3〜500Hz、より好ましくは10〜200Hz、より好ましくは30〜80Hzの範囲である、先行の請求項のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記振動は50〜70Hzの範囲にある、請求項5に直接または間接的に従った、請求項9に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記粒子は支持体上に配置され、前記床の上面は流動体に晒され、前記粒子の下面は、前記支持体の保持用流体不透過性床に隣接する、先行の請求項のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記支持体は容器であり、好ましくは略矩形または正方形の箱、あるいはシリンダである、請求項11に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記容器は、容積の25%〜75%の範囲で充填され、前記粒子を略垂直方向に振動させ、該振動に水平方向の成分は実質的にない、先行の請求項のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記容器は、容積の少なくとも90%充填され、前記粒子を略垂直方向または水平方向に振動させることを含む、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記粒子の動きを制御するよう、前記振動に対し水平方向の成分を意図的に導入することを含む、請求項12に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 第1の期間の間、略垂直方向の振動を有し、第2の期間の間、振動に水平方向の成分を含める、請求項12に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 層からの前記粒子は、1つまたは複数の抽出点により前記粒子床から抽出され、前記抽出点は、前記床内の種々の位置、好ましくは前記床内の種々の高さに配設され、前記抽出は、好ましくは、前記粒子床に振動を与えることによって行われる、先行の請求項のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 粒子タイプは、水平方向の成分を有する振動の影響で、吸引により前記容器から引き出されることができる、請求項17に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 抽出導管が粒子の分離層内に延び、分離した粒子は前記導管に沿って前記層から流出する、請求項17または18に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 前記分離プロセスは、単一段階プロセスである、先行の請求項のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • キャリア粒子が前記微粒子混合物に導入され、前記キャリア粒子は、前記混合物中の1つのタイプの粒子とほぼ同じd ρ値を有するように選択される、先行の請求項のいずれか1項に記載の種々の粒子タイプを含む微粒子混合物を分離する方法。
  • 種々のサイズおよび/または密度を有する粒子を含む微粒子混合物を分離する装置であって、
    該微粒子混合物および流体媒体のための支持体と、
    該支持体にほぼ直線の振動を与えることで、それぞれほぼ1つの粒子タイプが選択的に豊富な層への前記微粒子混合物の分離を行なう振動機とを備える、種々のサイズおよび/または密度を有する粒子を含む微粒子混合物を分離する装置。
  • 前記振動機は、ほぼ直線状に、好ましくは略垂直方向または略水平方向に、前記支持体を振動させる、請求項22に記載の分離装置。
  • 前記支持体は、略正方形の箱、矩形の箱、またはシリンダの何れかの容器である、請求項22または23に記載の分離装置。
  • 前記容器の底面および壁は、振動の軸に略平行または略垂直である、請求項22ないし24のいずれか1項に記載の分離装置。
  • 前記容器内の微粒子物質量を測定するセンサを含み、好ましくは重量検出器または容積検出器のいずれから選択される、請求項22ないし25のいずれか1項に記載の分離装置。
  • 前記容器は、操作者またはセンサが前記容器内の微粒子混合物の高さを確認することができるようにする透明部分を含む、請求項22ないし26のいずれか1項に記載の分離装置。
  • 前記容器に出入りする微粒子物質の流量を測定および/または制御する手段を備える、請求項22ないし28のいずれか1項に記載の分離装置。
  • 前記振動機は、種々のタイプの微粒子の略安定な層化を生じるように振動数および/または振幅を制御する振動数制御部および/または振幅制御部を有する、請求項22ないし28のいずれか1項に記載の分離装置。
  • 前記振動機は、種々のタイプの前記微粒子混合物の層化を安定化させるよう、振動波形を制御する制御部を組み込んでいる、請求項22ないし29のいずれか1項に記載の分離装置。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本出願は、粒子が流体内で適切に振動したときに起こり得る微細粒子混合物の分離に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    多粒子系の分離は、現代のプロセス産業において不可欠な作業である。 このことは、シリケートのようなさらにより低い価値の成分の存在下で高価値の材料を抽出する鉱物プロセシングにおいて特に重要である。 場合によっては、磁性および導電性に基づいてこのような分離を達成する特別な方法が適用されることもある。 しかしながら、分離プロセスの大部分は、サイクロン、または他の慣性分級機を用いての空気中での特異な挙動によるか、または流動化床のような濃厚相系での挙動による、粒径、密度、または質量の差異に依存している。 ハイドロサイクロン、沈降、またはフロス浮選のような「湿式」方法も使用される場合がある。
    【0003】
    しかしながら、これらのプロセスはみな、狭い特性範囲、特に単一のプロセス段階内では完全な分離を生じない。 目下のところ、化学的手段を用いて抽出の残りを行なうことが経済的であるレベルに混合物の所望の成分を濃縮させること、または多段階系を用いて経済的である量と同量の所望の材料を除去することのいずれかを重視する場合が多い。 特別な処理は、かなりのコストがかかり、さらになお相当の浪費を伴う可能性がある。 目下のところ、特に単一のプロセスにおける分離の効果は、粒径に関して、空気中での処理の場合は約100μm以下、湿式処理の場合は約50μm以下にかなり低下する。
    【非特許文献1】
    HM Jaeger, SR Nagel, RP Behringer, Rev. Mod. Phys. 68, 1259(1996年).
    【非特許文献2】
    HJ Herrmann, J.-P. Hovi, S. Luding, Bds., Physics of Dry Granular Media (NATO ASI Series E, Vol. 350, Kluwer, Dordrecht, (1998年).
    【非特許文献3】
    S.McNamara, WR Young, Phys. Rev. E 53,5089(1996年).
    【非特許文献4】
    J. Rajchenbach, Adv. Phys. 49, 229(2000年).
    【非特許文献5】
    JBKnightetal., Pkys. Rev. E 54, 5726(1996年).
    【非特許文献6】
    KM Aoki, T. Akiyama, Y.Maki, T. Watanabe, Phys. Rev. E 54, 874(1996年).
    【非特許文献7】
    CR Wasgren, CE Brennen, ML Hunt, J. Appl. Mechanics 63, 712(l996年).
    【非特許文献8】
    SS Hsiau, SI Pan, Powder Technology 96, 219(1998年).
    【非特許文献9】
    C. Bizon, MD Shattuck, JB Swift, WD McCormick, HL Swinney, Phys. Rev. Lett. 80, 57(1998年).
    【非特許文献10】
    PK Das, D. Blair, Phys. Lett. A 242, 326(1998年).
    【非特許文献11】
    A. Rosato, KJ Strandburg, F. Prinz, RH Swendsen, Phys. Rev. Lett. 58, 1038 (1987年).
    【非特許文献12】
    HK Pak, E. Van Doorn, RP Behringer, Phys. Rev. Lett. 74, 4643(l995年).
    【非特許文献13】
    M. Faraday, Philos. Trans. R. Soc. London 52, 299(1831年).
    【非特許文献14】
    P. Evesque, J. Rajchenbach, Phys. Rev. Lett. 62, 44(l989年).
    【非特許文献15】
    J. Duran, Phys. Rev. Lett. 84, 5126(2000年).
    【非特許文献16】
    B. Thomas, AM Squires, Phys. Rev. Lett. 8l, 574(1998年).
    【非特許文献17】
    K. Kumar, E. Falcon, KMS Bajaj, S. Fauve, Physica A 270, 97(1999年).
    【非特許文献18】
    JM Ottino, DV Khakhar, Annu. Rev. Fluid Mech. 32, 55(2000年).
    【非特許文献19】
    N. Burtally, PJ King, MR Swift, Science, 295, 1877-1879, (2002年).
    【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0004】
    粒子材料は広く自然に生じ、粒子および粉末を処理する能は、多数の工業プロセス(1、2)にとって重要である。 大粒子の力学的運動は、衝突の非弾性の性質(3)によって影響を受け、振動下で、大粒子は、流量(4)、対流(5、6)、架橋(7、8)、およびパターン形成(9、10)を呈する可能性があり、より大きな粒子が同様の密度(11)のより小さな粒子の集まりの上部に移動する「ブラジルナット効果」が既知である。 約0.5mm未満の直径の場合、空気が重要な役割を果たし、垂直方向振動(12)下で、自然発生的な「ファラデー」堆積および傾動をもたらす。
    【0005】
    本発明は、粒子の力学的運動のこれらの2つの重要な側面、すなわち周囲流体作用と粒子分離をともにもたらす徹底した調査に基づいている。
    【0006】
    ファラデーの時代から、振動誘導空気流は微細粒子(13)の動きに影響を与えることが知られているので、最も単純な発現は、垂直振動した粒子層(14)における自然発生的な堆積形成である。 しかしながら、これまで、この不安定性(15〜17)の原因である詳細な機構に対する一般的な意見の一致は何もなかった。
    【0007】
    同様に、現在のところ、粒子複合体(18)における偏析および分離に関するかなりの量の知識はあるが、関連する多くの物理的プロセスの明確な理解は依然として欠けている。 さらに、流体作用が重要でない大きな粒子系に対し多くの関心が集められている。
    【0008】
    比較的大きな粒径を有する粒子は、浮選またはサイクロン法により密度に応じて分離することができるが、著しく小さな粒子の分離は、従来から既知の方法では非常に困難である可能性がある。 本発明の方法および装置により、種々の粒子タイプを迅速かつ効率的に分離できるようになる。
    【0009】
    微細粒子を分離することが可能な効率的な単一段階プロセスを提供することが望ましいであろう。 さらに、粒子材料の分離に高い特異性を実現することが望ましいであろう。 また、現在可能であるよりも速い速度で分離を達成することも望ましいであろう。
    【0010】
    さらに、系内で粒子層(粒子が既に分離して層になっている)を分離する効率的な方法を達成することが望ましいであろう。
    【課題を解決するための手段】
    【0011】
    本発明の第1の態様によれば、種々の粒子タイプを含む粒子混合物を分離する方法であって、流体および粒子混合物を含む支持粒子床に振動を与えることであって、それによりそれぞれほぼ1つの粒子タイプが選択的に豊富な層への微粒混合物の分離を行なう、振動を与えることを含む方法が提供される。
    【0012】
    特定の好適な実施形態では、振動を加えることで流体が同時発生的に粒子床内に追いやられる。 流体は振動と同期して追いやられることが好ましい。 典型的には、流体は、粒子床を支持または結合している表面の振動により粒状床内に追いやられる。 「追いやられる」とは、流体が粒状床内を能動的に動くことを意味しているのであって、単に流体が存在するということを意味しているのではない。
    【0013】
    別の特定の好適な実施形態では、本発明の方法により形成された層からの粒子は、1つまたは複数の抽出点により上記容器から抽出されることができる。 抽出点は、床内の種々の位置に配設されてよく、抽出は、好ましくは、粒子床に振動を加えることによって行なわれる。
    【0014】
    好ましくは、粒子タイプは、粒子タイプがそれぞれ、同様のサイズおよび/または密度を有する粒子を含むという点で異なる。 さらに詳細には、種々の粒子タイプ間におけるように、式d ρの値は、好ましくは著しく異なっており、式中、dは平均径であり、nは約2(±0.5)、好ましくは2であり、ρは、各種タイプの粒子の密度である。 例えば、d ρは少なくとも5%異なることが好ましい。 したがって、ある特定の粒子タイプはある分布の粒子サイズを含み得り、d ρ分布は種々の粒子タイプを区別する。 同様のタイプ(例えば同様のd ρ値を有する)の粒子を含む層が形成される。 種々の層は、他の層とはほぼ異なる粒子タイプを有するという点で互いに区別される。
    【0015】
    さらなる態様によれば、本発明は、種々のタイプの粒子を含む粒子混合物を分離する装置を提供し、該装置は、粒子混合物および流体媒体のための支持体と、上記容器に振動を与えることでそれぞれほぼ1つの粒子タイプが選択的に豊富な層への微粒子混合物の分離を行なう振動機とを備える。
    【0016】
    流体媒体は、ガスが適しており、好ましくは空気である。 ガス中での分離は、通常、「乾式分離」と呼ばれる。 分離はまた、所望であれば、何らかの他のガス(例えば、窒素のようなほぼ不活性のガス)下で行なうこともできる。 流体として液体を有効に用いることもできる。 特に、良好な作用を得るためにが用いられている。 流体として液体を用いる分離は「湿式分離」と呼ばれる。 好ましくは、流体は粒子間の空間をほぼ占める。
    【0017】
    好ましくは、第1タイプの粒子および第2のタイプの粒子は、流体中でそれらの粒子が動く際に著しく差動的に制動する。 すなわち、中で粒子が振動する流体は、ある粒子タイプから別の粒子タイプのそれらの粒子の動きを著しく異なるレベルに制動する。 粒子にかかる制動力の作用は、粒子に作用する粘性制動力および粒子の質量の相互作用に起因する。 比較的大きく重量のある粒子は、比較的小さく軽量の粒子ほどその動きを制動されない。
    【0018】
    上記流体媒体が超臨界流体である、本発明の他の実施形態が提供される。 超臨界流体を用いることにより、流体媒体の粘性がガスの典型的な値から液体のより典型的な値に変わるようにすることができる。
    【0019】
    本発明は、ほぼ同じ粒状測定値を有し、種々の密度を有する粒子を分離する際、特に有利である。 これは、鉱物の分離の際、特に、化学的により活性の少ない金属(金属状態で生じる)を抽出する際、特に大切なものと考えられる。 このような金属(例えば白金、イリジウム)を含む鉱石は、微細に破砕され、可能な場合はスクリーニングされ、本発明にしたがって分離されることができる。 この高密度の金属は、より低密度の研削岩から容易に分離されるであろう。
    【0020】
    本発明者らが粒子の密度または粒子タイプについて述べるとき、粒子の実際の密度またはその粒子タイプを構成する粒子を指しているのであって、粒子タイプのバルク密度を指しているのではない。 本発明者らが粒子の直径について述べるとき、粒子タイプを構成する粒子の平均サイズに言及している。 例えば、粒子が通る最小スクリーンのメッシュサイズを指すこともできる。 本発明者らは、考察下の粒子タイプの50質量%が通るスクリーンのメッシュサイズであるG 50粒径にも言及するものとする。 したがって、粒子タイプは、一般に、同様の粒子の相として存在し、このような相は、以下でタイプと呼ばれる。 実際、多数の種々の粒径および/または密度を有する系には、複数の層または擬層、実際には同様の粒子タイプを含む多彩な種々の層が存在する可能性がある。 2つより多くの粒子タイプを本発明により分別することができる。 例えば、3、4、5、およびそれより多くの粒子タイプを有効かつ効率的に分離することができる。
    【0021】
    乾式分離について、本発明は、500μm未満、好ましくは350μm未満のG 50粒径を有する粒子を分離する際に有利である。 粒子の粒径が500μm以上に達すると、プロセスの効力が低下し、分離傾向が下がる。
    【0022】
    小さな粒径、例えば直径が100μm以下の粒子では、本発明はふるいのような他の分離方法に比して特定の利点を有する。 ふるいは、より小さいこれらの粒径では詰まる傾向が高い。
    【0023】
    乾式分離の場合での本発明の作用は、上記粒子が10μm〜250μmの間のG 50粒径を有する場合に特に有効であり、本発明が与える利点は、粒子のG 50粒径が150μm未満、最も好ましくは100μm未満であるときに特に示されるが、このことが利点である理由は、この範囲の粒径では、従来から既知の分離方法が不適確であると見られているからである。
    【0024】
    湿式分離の場合、本発明は、3mm未満、好ましくは、2mm未満のG 50粒径を有する。 粒子の分離に利点を有する。 湿式分離の場合での本発明の作用は、10μm〜1mmの間のG 50粒径を有する場合に特に有効である。
    【0025】
    気体に比べて液体の粘性に起因して、液体は、気体に対する種々の制動効果を達成するように使用され得ることが理解されよう。
    【0026】
    非常に好適な実施形態では、種々の粒子タイプ間におけるように、式d ρの値は少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは30%異なり、dは、平均直径であり、nは約2であり、ρは、各種タイプの粒子の密度である。 このような粒子タイプは、本発明により容易に分離される。 式d ρの値が30%以上異なる場合、混合物は次第に分離がしやすくなる。
    【0027】
    混合物には複数の種々の粒子タイプが存在し得る。 本発明は、多数の異なる粒子タイプを扱うことになるが、分離した微粒子状混合物から種々のタイプのより単純でより効果的な抽出を可能にするようにするためには、異なるタイプの数を低減することが好ましい。 この目的のため、本発明の方法に用いられる微粒子状混合物は、存在する粒子タイプの数を低減する初期のスクリーニングプロセスを受け得る。 しかしながら、本発明のプロセスは、従来技術の複雑な多段階プロセスに比して明らかな利点を提供するほぼ単一段階のプロセスである。
    【0028】
    粒子床に加えられる振動は、3〜500Hz、より好ましくは10〜200Hz、最も好ましくは30〜80Hzの範囲のものである。
    【0029】
    好適な一実施形態において、振動は、振動振幅の90〜100%、より好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の範囲の垂直または水平方向に変形される振幅を有する。
    【0030】
    振動は、重力が減った状態、例えばゼロ重力にて加えられ得る。
    【0031】
    粒子床に加えられる振動波形のタイプは重要である。 通常の試験は正弦波形を用いてなされるが、非正弦垂直振動が用いられる場合、不所望の効果が制御され得ることが認められている。
    【0032】
    本発明のいくつかの実施形態において、例えば、下記に示すように、混合物を層に分離した、一部が充填された容器は、水平方向の振動が床に特定の構成を得させるように加えられ得る。
    【0033】
    振動は、好ましくは粒子状床をほぼ流動化する。 好ましくは、振動を加えている間、振動により流体を床に引き出させる。 この分離は、各種粒子に異なって作用する粘性流体力の結果として行なわれるものと仮定される。 したがって、流体との相互作用に著しく顕著な粒子タイプは互いに分離されることができる。
    【0034】
    本発明は、ある理想化された粒子タイプ(例えば、比較的滑らかであり、ほぼ球状の粒子)において約1秒で90%よりも多くの分離を達成することができ、分離パラメータに応じて、約98%の分離は石炭および砂のようなより非理想的な粒子の混合物について約1〜2分で達成されることができる。
    【0035】
    本発明の好適な実施形態では、Γは、好ましくは少なくとも2である。 Γは、重力に起因する加速度との容器の最大加速度の比であり、Γ=Aω /gであり、式中、Aは、振動の振幅であり、gは、重力に起因する標準の加速度であり、ω=2πfであり、式中、fは振動の振動数である。
    【0036】
    本発明は、最も好ましくは、加えられる振動の振動数および振幅が粒子混合物の種々のタイプのほぼ安定した層の分化を生じるよう制御されるように動作される。 振動パラメータの制御は、手動または自動化手段(例えばコンピュータプログラム)によって行なわれることができる。 代替的に、あるいは付加的に、加えられる垂直方向(上下)振動の波形が制御され、かつ/または振動の水平方向成分は、分離した粒子状タイプの層の分化を安定させるように加えられる。 このことはまた、分離した粒子タイプの選択的な抽出を単純化する。
    【0037】
    周期的な場合、振動の形態は正弦であってもよく、またはより一般的な形態を有し得る。
    一般的な形態は、以下の1つまたは複数において、すなわち、分離の効果が高まること、および分離した領域を都合よく位置付けることにおいて利点を有する可能性がある。
    【0038】
    以下に説明するように、比較的低い振動数および高い振動数の振動は、粒子混合物の層の分化をもたらすようにすることができる。 2つの別タイプの粒子を有する系の場合、高振動数は、一方のタイプの粒子の層間に挟まれる他方の粒子タイプの帯域を生成することができる。 低振動数の振動の場合、種々の粒子タイプからなるちょうど2つの分離層がある。 この現象は、より詳細に以下で説明する。
    【0039】
    本発明は、一方のタイプの粒子と他方のタイプの粒子との比率が低くすぎる場合、あまり効率よく作用しない。 この問題を克服するために、キャリア粒子を導入することができる。 キャリア粒子は、低比率の粒子とほぼ同じサイズおよび/または密度を有するように選択される。 さらに詳細には、キャリア粒子は、抽出が望まれる混合物中の粒子のタイプとほぼ同じd ρの値を有するように選択されることが好ましい。 これは、もっぱら低濃度で存在する粒子量に「実体部分(body)」を付加する。 粒子(その一部は標的粒子であり、他は「キャリア」粒子である)をより効率的に分離することができる。 キャリア粒子は、標的粒子から容易に分離されるように選択される。 例えば、磁性キャリア粒子を有することによって、磁石を用いてキャリア粒子から標的粒子を分離することができる。 しかしながら、標的粒子およびキャリア粒子を分離する任意の適した方法を採用してもよい。 例えば、溶解、浮選などがある。 さらに、分離に役立つよう、固体潤滑剤が混合物に添加してもよい。
    【0040】
    回分法あるいは連続法において粒子を分離してもよい。 実際、本発明は、以下に記載するように連続処理において特定の有用性が見られる。
    【0041】
    分離装置は多数の構成部材を含む。 粒子床の振動は、好ましくは支持体上で行なわれる。 支持体は、好ましくは容器である。 支持体は、任意の適切な材料からなることができる。 好ましくは、粒子床は、それらを支持体に配置するかまたは容器内に保持し、かつ支持体または容器を振動させることによって、振動を引き起こされる。
    【0042】
    容器が用いられる場合、好ましくは箱形状であるが、正方形または矩形であってもよい。 あるいは、容器は円筒形であってもよい。 好ましくは容器の底面および壁は、振動軸に対し略平行または垂直である。 例えば、振動が優勢的に垂直方向に分解した成分を有する場合、粒子床が置かれる容器の底面は、振動に対し略垂直であることが好ましい。 あるいは、振動が優勢的に水平方向に分解した成分を有する場合、粒子床が置かれる容器底面は振動に対し略平行にある。
    【0043】
    容器の寸法は重要ではなく、分離を必要とする材料のタイプおよびスケールに調整することができる。 好ましくは、分離が略垂直方向の振動下で行なわれる場合、容器は、高さが幅よりも大きい箱形状である。 好ましくは、容器は、高さが幅よりかなり大きく、例えば、容器のアスペクト比が2:1、3:1、または5:1よりも大きい。 これとは反対に、分離が略水平方向の振動下で行なわれる場合、容器は、幅が高さよりも大きい箱形状であり、この場合も同様に、2:1、3:1、または5:1またはそれより大きいアスペクト比が想定される。
    【0044】
    容器は、好ましくは、容器内の粒子物質量を測定するセンサを有する。 このセンサは、重量または容積の検出器である。 代替的に、あるいは付加的に、容器には透明部分を設けることができ、その透明部分により、操作者が、容器内の粒子混合物の高さおよび/または種々の層が位置する場所を確認することができる。 好ましくは、容器に出入りする粒子物質の流量を測定する手段が設けられる。 また、混合物の分離がどの程度なされているかを測定するセンサも提供される。
    【0045】
    センサはまた、容器への粒子の供給および/または容器からの粒子の抽出を制御するのに用いることができる。
    【0046】
    振動は、任意の適した手段、好ましくは電気機械振動機、例えば、拡声器、カム軸受駆動シャフト、または水圧振動機によって行なわれてもよい。 好ましくは、振動機は、振動機の振動パラメータを制御する振動数および/または振幅制御部を含む。 これらの制御部は、手動で作動されてもよく、あるいは自動化されてもよい。
    【0047】
    振動機は、信号発生器に結合されることができ、信号発生器の信号は、振動機に印加される前に振幅されることができる。 振動機は、手動制御入力装置または自動化制御装置によって制御されることができる。
    【0048】
    制御装置は、振動数、特定方向の振動の分解、および振幅などのような振動パラメータを制御する手段を含むことが好ましい。 これらは、操作者によって直接影響されてもよく、あるいは別個の装置のセンサからのフィードバック情報を解析し、プログラムの管理下で装置を制御するプロセッサによって制御されてもよい。
    【0049】
    導管(好ましくは、管またはパイプ)が粒子床に挿入され、導管の開端は、粒子が分離を達成した特定の層/領域にある場合、分離した粒子は導管に沿って開端から、垂直方向の振動および垂直導管の場合は粒子床の表面の上部の高さよりも上方に、流れることができる。 この現象は、混合物中に挿入される導管の長手方向軸が、混合物に加えられる振動の方向にほぼ平行である場合に最大となる。 例えば、振動が、優勢的に垂直方向に分解した振動成分を有する場合、混合物は、その長手方向軸が混合物中にほぼ垂直に挿入されて配置された導管を上方に流れるであろう。 同様に、振動が、優勢的に水平方向に分解した振動成分を有する場合、混合物は、その長手方向軸が混合物中にほぼ水平方向に挿入されて配置された導管に沿って流れることになる。 したがって、2つの導管の端が種々の材料層に配置されるように2つの導管を混合物中に挿入することができ、一方の導管が、分離した第1のタイプの粒子を搬送し、他方の導管が、分離した第2のタイプの粒子を搬送するようになっている。 粒子床は、混合した材料で補充することができる。 導管の直径を制御することによって、かつ/または弁制御部を設けることによって、連続プロセスが行われるときに、容器が溢れないように流量を制御することが可能である。 この作用は、振動誘導式粒子サイフォニングと呼ぶことができる。 分離したタイプは、さらなる処理へ搬送され得る。
    【0050】
    代わりに、あるいは付加的に、層から材料を抽出するためにこの振動作用を用いて、より従来的な手段、例えばスクリュー供給機構、または吸気により容器から粒子タイプが引き出される。
    【0051】
    垂直方向から水平方向にわたる任意の度での振動が想定される場合、粒子は概して、好ましくは振動方向にほぼ垂直である1つまたは複数の壁によって境界を定められることが好ましい。
    【0052】
    同じ密度を有する粒子の振動-分離、例えば大きな薬学的結晶から小さな薬学的結晶の分離が必要とされる場合、サイズが数%、例えば30%、50%、または100%異なる粒子を振動により容易に分離することができる。
    【0053】
    いくつかの環境において起こり得る静電気の形成を回避することが好ましい。 このことは、制限期間の振動によって達成されることができる。 振動容器から離れた材料の連続抽気流(bleed)を有することも好ましい。 このことは、静電気を消散させることにも役立つ。 容器の材料は、静電気を最小にするように選択することができる。 静電気防止補助剤を粒子-流体系に加えることもできる。
    【0054】
    界面活性剤を液体系に(例えば水)に加え、粒子が凝集する傾向をなくすようにすることもできる。 この傾向は、より小さな粒子径にてさらに顕著になる。 代替的に、あるいは付加的に、界面活性剤を湿潤補助剤として系に加えてもよい。
    【0055】
    特に好適な実施形態では、容器は部分的に充填される。 「部分的に充填された」とは、容積の90%以下を意味する。 好ましくは、容器は、容積の25〜75%の範囲で充填されている。 部分的に充填されたボックスでは、振動は、特に有利な実施形態の場合、ほぼ垂直方向に分解する。 振動は正弦波形であってもよく、分離の空間的形態は角度振動数ω=2πf、および振動の振幅Aの双方によって決まり、便宜上、Γ=Aω /gとして表され、式中、gは重力に起因する加速度である。 乾式分離の場合、より少ない流体制動成分がより多い流体制動成分の上方に見られる低振動数分離形態が存在する。 より少ない制動成分は、より多い流体制動成分の層間にサンドイッチ構成として見られる高振動数分離形態が存在する。 これらの種々の挙動が見られる領域は、実験により決定されることができる。 これらの現象は、より詳細に以下で説明される。 最適な分離は、ωおよびΓ平面内の特定の経路に沿って得ることができる。 また、分離の質に関して、および分離した成分間の分離境界の安定性を制御することに関して、非正弦波形の振動を用いることに利点がある。 湿式分離の場合、より少ない流体制動成分がより多い流体制動成分の上方に見られる低振動数分離形態が存在する。
    【0056】
    十分に文献に記載されているファラデー効果は、ボックス内での粒子の垂直方向の振動が粒子の上部の傾斜面を形成する方法である。 部分的に充填された容器の場合、この効果は通常、低い振動数の領域に起こる。 低振動数によっては、床の他の傾斜間に振動が生じ場合もある。 このような振動の傾動が望ましくない用途もある。 この状況を改善するには、ほぼ垂直な方向のみに1回または第1の時間期間の間(床面にファラデーの傾動を受ける場合がある)、振動を有し、第2の時間に、または第2の時間期間の間、振動の水平方向成分を導入して、所望の構成に床を操作するようにすることができる。 振動の制御を行うことは、持続的または中断的であってもよいが、持続的であることが好ましい。 振動に横方向の成分を導入することにより、床の表面の動きを制御できることが見い出された。 一実施形態では、ほぼ垂直方向のみの振動により、より速い分離が達成され、続いて、振動に水平方向成分を導入することにより、床の表面が制御される。
    【0057】
    さらに特定の好適な実施形態では、容器はほぼ混合物で充填されることができる。 このタイプの分離は、適用されたΓ値にて細粒子が容器の上面および下面の双方に衝当するように容器が充填されることを必要とする。 加えられる振動が強力であるほど(Γが高いほど)、重力に打ち勝って振動からの加速度が高くなる。 しかしながら、容器は、流動化を損う程度までいっぱいに充填されてはならない。 「いっぱいに充填される」とは、容積の90%を上回ることを意味する。 例えば、容器は、容積の92%、好ましくは95%、最も好ましくは98%を上回って充填される。 「いっぱいに充填された」ボックスの場合、振動は、ほぼ垂直方向に分解され得る。 正弦波振動の場合、分離の空間的形態は、上述した角度振動数、ω=2πfによって決まる。 この場合、分離の通常の形態は、一連の帯のようなものである。 単一のサンドイッチが起こるまで振動が続くにつれ、これらの数が減る。 このような分離形態は、広範の振動数にわたって見られる。 この分離は、非正弦波振動が加えられる場合、粒子の各級の単一の領域として生じる。
    【0058】
    さらに他の好適な実施形態では、振動の方向は、水平方向であるか、または水平方向に近しいものであってもよい。 その場合、この実施形態では、上述したように、容器は「充填され」なければならない。 例えば、容器は、好ましくは容積の92%、より好ましくは95%、最も好ましくは容積の98%を上回って充填される。 これにより、流体が振動により粒子床内に追いやられるように粒子混合物を分離することができるようになる。 このタイプの分離では、振動は水平方向に加えられ、容器は、分離に用いられるΓ値にて、粒子床が流動化によって容器を充填することで各振動サイクル中に床内に流体を追いやるように充填されるものとする。 この場合、分離の通常形態は、単一のサンドイッチが生じるまで振動が続くにつれ数が減る一連の帯域のようなものである。 この分離形態は、広範の振動数にわたって見られる。 この分離は、非正弦波の振動が加えられる場合、粒子の各級の単一の領域として生じる場合がある。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0059】
    本発明を説明するために、いくつかの特定のプロセスを、例示としてのみ、添付の図面を参照しながら説明する。
    【0060】
    上記実験では、密度ρ =8900kg/m の青銅球と、密度ρ =2500kg/m のソーダガラス球とを使用する。 ガラス球および青銅球の動的安息角はそれぞれ、23.4°±0.8°および23.9°±0.8°以内である。 弾性は、ガラス球および青銅球を真空のガラス箱中で、本実験に匹敵する速度で振動させることにより調査した。 反発係数は1に匹敵し、かつ1に近いようである。
    【0061】
    大きさが近い球は個々の粒子の独立した運動ではなく、結晶ブロック全体の運動により、振動下で細密結晶構造を形成することが多い。 したがって、結晶化効果を回避するために、ガラス球および青銅球はふるいにかけられてサイズスプレッドを生成するようにする。
    【0062】
    平均直径の4つの比率について調査した。 混合物Aは直径が125〜150μmの範囲の青銅球と、直径が63〜90μmの範囲のガラス球とからなる。 混合物Bは90〜125μmの範囲の青銅と、90〜125μmの範囲のガラスとからなる。 混合物Cは63〜90μmの範囲の青銅と、125〜150μmの範囲のガラスとからなり、混合物Dは45〜53μmの範囲の青銅と、125〜150μmの範囲のガラスとからなる。 各混合物に対して、青銅成分のガラス成分に対する体積比として25%:75%(1と称する)と、50%:50%(2と称する)と、75%:25%(3と称する)とを調査した。
    【0063】
    選択された混合物は、深さが平均で20mmであり、高さ50mmのソーダガラス角箱に収容されている。 特記しない限り、水平面の内部寸法は40mm×10mmを使用した。 箱は、図1に示す装置を用いて振動させられる。 ガラス箱は、1対の電磁変換器の間に保持されたラーメンにボルト締めされた金属製のマウントに接着される。 変換器アセンブリは塊状のコンクリートブロック(約250kg)に取り付けられる。 この構成により、対象となる振動数範囲(10Hz<f<200Hz)における一次元運動が正確なものとなり、振動軸は垂直に対して0.2°以内で一直線に合わせられる。 この垂直運動は、0〜8gおよび0〜80gの範囲を取り扱う1対の静電容量カンチレバー加速度計により監視される。 振動の波形はオシロスコープ上で監視される。
    【0064】
    根気よく微小ガラス球を振り続けると、静電荷が発生する。 その後微小ガラス球は壁面に付着し、写真を劣化させる。 しばらくの間、非常に勢いよく振り続けていると、最終的には電荷の蓄積が粒子の力学的運動に影響し始め、後述する現象の多くの進行を遅くする。 帯電防止界面活性剤を微量加えることにより、運動に大きく影響することなく、静電荷の蓄積を遅くすることができる。 しかしながら、本調査では、かなりの静電効果が明らかとなるように、調査中の混合物を新たに調製したものと取り替えることが好ましいと考えた。
    【0065】
    組成の変更青銅/ガラス組成を変更することの効果は、青銅およびガラスの直径が125〜150μmおよび63〜90μmであり、青銅の体積百分率がそれぞれ25%、50%および75%である、混合物A1、A2、およびA3の挙動を比較および対比することにより調査される。 混合物A1に見られる、fおよびΓの関数としての挙動のアウトラインを図2に概略的に示す。 データ点は、よく混合された状態から始めて、複数の固定振動数でΓをゆっくり増大させることにより取得した。
    【0066】
    低振動数側では、振動の振幅が増大するにつれて、上面の全般的な対流および傾斜が観察される。 図1にαで示される線では、ガラスの豊富な領域と青銅の豊富な領域との間に、鮮明な分離境界が即座に現れる。 青銅の豊富な領域は急速に、下側のガラスの豊富な「相」の上にある、単一の上部の青銅の豊富な「相」と合体し、「青銅が上」構成となる。 相間の境界は非常に鮮明で、1つの粒径だけが幅広い。 他の粒子系で観察される効果である粗大化により、単一の上部の青銅の豊富な領域への展開(development)が生じる。 最終的に、青銅の豊富な相は、振動を中止して、目視検査で評価すると、fおよびΓに応じて2〜20%の範囲の少ない比率でガラスを含有することになり、一方下側の領域はほぼ完全にガラスからなる。
    【0067】
    「青銅が上」構成において、青銅の豊富な領域およびガラスの豊富な領域それぞれにおいて対流が発生するが、これらは混ざろうとはしない。 α以上では、「青銅が上」領域AおよびCにおいて、分離境界および上面の両方が波状の変動を示す。 Γおよびfの値が小さいと、図2の領域Bにおいて、2つの交互の傾斜間での単純な前後振動が生じる。 Γの値が高くなると、変動は周期成分および非周期成分の両方を含む。 領域Aに対応する値のΓでは、上面のねじれおよびよれとともに、ガラスの豊富な領域と青銅の豊富な領域との間の界面にかなりの「ねじれ」が観察される。 驚いたことに、これらの外乱にもかかわらず、明瞭な相間の鮮明な分離境界が保たれる。 しかしながら、領域Aのより高い部分では、ねじれおよびよれが激しくなり、上部の青銅層からガラスが出てくる。 鮮明な分離境界とともに、部分的な分離はなお保たれるが、青銅の豊富な領域はより高い比率でガラスを含有するようになる。
    【0068】
    高振動数側では、青銅の豊富な相とガラスの豊富な相との間に、鮮明な分離境界(図2のβ)が現れる線がある。 しかしながら、ここでは、青銅の豊富な領域は急速に合併して、上側のガラスの豊富な領域と下側のガラスの豊富な領域との間に、中間の高さで安定な単一の層を形成する。 これをサンドイッチ構成と呼ぶことにする。 サンドイッチの上面は水平に近い。 また、青銅の豊富な層はガラスをある程度含有するが、ガラスの豊富な領域はほぼ完全に青銅を含有しない。 サンドイッチ構成の形成過程を図3に示す。 後に「サンドイッチ充填」となる領域に青銅が集中する。 初期の段階ではこの領域はまたガラスの豊富なポケットを含有するが、このポケットはサンドイッチが生成されるにつれて後に押出される。 サンドイッチ領域では、ガラス相は最終的にはほぼ純粋なガラスとなり、一方青銅の豊富な相はfおよびΓに応じて4〜20%のガラスを含有する。
    【0069】
    サンドイッチ領域Dにおいて、Γの値が多少高くなると、青銅の豊富な層においてガラスの「雨滴」の形成が観察される場合がある。 これらの滴は下側のガラス層に落ちるか、上昇して上側のガラス層と一緒になる。 ガラスの中には連続的ではあるがゆっくりと青銅の豊富な層に入るものがあり、この滴の上昇または降下のプロセスにより平衡が保たれているようである。
    【0070】
    線αおよびβが交わる領域Eでは、ガラスの豊富な領域と青銅の豊富な領域とが形成される際、領域Cの「青銅が上」構成と領域Dのサンドイッチ構成との間で複雑な振動が生じる。
    【0071】
    線αおよびβの位置は、測定の時間尺度にいくらか依存している。 鮮明な分離境界が形成され、かつ約2分後には明瞭なガラスの豊富な相と青銅の豊富な相への分離がほぼ完了することに対応できるように、αおよびβが選択される。 Γが10%低くなると、形成には何分もかかり、一方Γが10パーセント高くなると、1分よりはるかに少ない時間内に分離がほぼ完了する。
    【0072】
    分離の後、鮮明な分離境界でのかなりの速度せん断とともに、ガラスの豊富な領域および青銅の豊富な領域のそれぞれにおいて対流が観察され得るが、2つの相を混合する対流は存在しない。 領域Cでは、青銅の豊富な領域とガラスの豊富な領域とは同じ方向に対流を有するので、このせん断が特に明白となる傾斜構成が見られることが多い。 低振動数側および高振動数側の両方で、青銅の豊富な相ではガラスの豊富な相よりもかなり高い運動活性が観察され、それに対応して前者では対流のスピードも大きくなる。
    【0073】
    「青銅が上」領域Cとサンドイッチ領域Dとの間の境界を線γとして示す。 この線が下側からあるいは左側から接近されるにつれて、上側の青銅層は傾斜面をなだれ落ち、円柱状のロールとして深部に入り込み、そして広がって上側のガラスの豊富な層と下側のガラスの豊富な層との間にサンドイッチを形成する。 このプロセスを反転と呼ぶことにする。 二つの相間の鮮明な分離境界が失われることはない。 線γが右側から接近されると、サンドイッチ構成は反転の助けなしにゆっくりと「青銅が上」構成に変化する。 より正確に言えば、上側のガラス層から青銅の豊富な領域を介して下側のガラス層に拡散するガラスにより、構成は連続的に変化する。 Γの値が低くなると、これには実際非常に長い時間がかかり得る。
    【0074】
    Fで示される領域では、反転プロセスが連続的に繰り返される。 かかるプロセスの半周期を図4に示す。 領域CからFに入ると、サンドイッチの青銅の豊富な層は水平に近い状態を保ちながら、表面までゆっくりと上昇する。 一旦そこに到達すると、表面が傾く。 そして青銅は斜面をなだれ落ち、ガラスの深部に入り込んで安定な下側にある水平な層を形成する。 そして、青銅は再び表面までゆっくりと上昇し、このプロセスが繰り返される。 この挙動を第一種連続反転として記述する。 δの印をつけられた線では、この繰り返しプロセスの周期は何分もかかるが、線εの近くでは周期は約1分まで落ち込んだ。
    【0075】
    G領域内では、別のタイプの振動、第二種連続反転が見られる。 このプロセスを図5に示す。 青銅層は床(bed)の上面に向かって移動するが、上面に達する前に青銅層は中央でくびれて割れる。 ガラスがこの間隙を上方に突き抜け、2つの青銅の領域は箱の左側および右側の下側に落ちて床の下部に単一のサンドイッチ層を再形成する。 このプロセスの間、青銅の本体は複数の小さな断片を発する。 これらの鮮明に境界で区切られた断片はそれぞれ元のままであり、最終的には単一のサンドイッチ層と一緒になる。 そして、この単一の水平な層はゆっくりと表面に移動して、このプロセスが繰り返される。 この振動の開始はいくらか不安定なものであり、この形態の挙動に境界を画定するのは難しい。
    【0076】
    混合物A2の、fおよびΓの関数としての挙動のアウトラインを図6に概略的に示す。 示されるデータは、よく混合された状態から始めて複数の固定振動数でΓをゆっくり増大させることにより取得した。 混合物A1に関しては、低振動数側では、αの印をつけられた線で「青銅が上」構成への分離の開始が観察される。 高振動数側では、サンドイッチ構成への分離が観察され、線βでこの分離は開始する。 線αと線βとの交差点にはEの印をつけられた小さな領域があり、ここでは「青銅が上」構成とサンドイッチ構成との間での複雑な振動が生じる。 図6では分離界面の活発なねじれおよび上面の激しいよれが生じる領域Aに注目する。 しかしながら、この混合物の組成では、その活性にもかかわらず、青銅の豊富な領域が最上部にとどまる。 領域Bでは単純な傾斜振動が生じる。 広範囲にわたる「青銅が上」領域Cとサンドイッチ領域Dとの間の境界も示される。 Γが中間の振動数でゆっくり増大させられると、β線より上では、中央の青銅層を介してガラスが拡散することにより、サンドイッチの最上層が薄くなる。 最終的には、線γの近くでは、上部層が青銅層を完全には覆わなくなる。 この構成を「擬サンドイッチ」と呼ぶことにする。 Γが十分に高くなると、線δでは、上部のガラスが完全に退き、「青銅が上」構成が見られるようになる。 これらのプロセスは非常に遅く、各測定には何分も取っておく必要がある。 高振動数側でよく見られる配置である、1対の対流渦により上面が対称的にドーム状になると、擬サンドイッチが箱の右端および左端の両方でガラスを有するようになる。 擬サンドイッチは、上面が傾斜したときにも生じる。 ガラスは傾斜の上側の領域または下側の領域のいずれかでのみ見られ得る。 混合物A2の場合、領域E近傍で傾斜構成が見られるが、高振動数側では対称的な構成が好ましい。
    【0077】
    混合物A2の場合、反転振動は見られない。 Γを一定に保ちながらfを変化させて、系を領域CとDとの間におくと、分刻みの時間尺度で観察したときでも「青銅が上」構成とサンドイッチ構成との間の変換のプロセスは非常にゆっくりしていて、挙動はヒステリシスによる。
    【0078】
    混合物A3の等価な情報を図7に示す。 もう一度、線αでの「青銅が上」構成の形成を観察する。 領域Aでは分離は失敗しない。 A3の場合、完全なサンドイッチの形成は観察されず、代わりに線βで対称的な擬サンドイッチの形成の領域の開始が観察される。 中間の領域Eでは2つの構成を伴う複雑な振動が生じる。 線βより上でΓが増大すると、擬サンドイッチの上部のガラス領域が後退し、完全な「青銅が上」構成が線γの近くで回復される。 f−Γ面のどこでも反転プロセスは観察されず、青銅の豊富な層を介してガラスがゆっくりと拡散することにより、構成の変換が生じる。
    【0079】
    10mm×40mmの箱の内部での全ての実験において、原則的な分離の特徴は二次元に近く、青銅の豊富な領域とガラスの豊富な領域の構成は、箱の反対側の大きな面から見たとき非常に類似している。
    【0080】
    A1、A2、およびA3の挙動を比較する際、以下のことに注目する。 全ての混合物が、極めて鮮明な分離境界を有する非常に良好な分離を示す。 青銅の比率が増大してもΓが若干しか上昇しない線αおよび線βにおいて、Γの増大とともに分離が開始する。 青銅の比率が増大すると、体系的に低振動数側でαとβの間の界面領域が生じる。 「青銅が上」挙動の領域が増大すると同時に、A1で見られるサンドイッチ挙動の領域が、A3による擬サンドイッチ挙動の制限された領域に退く。
    【0081】
    なお、反転プロセスはA1のような青銅に乏しい混合物でのみ生じる。 より一般的には、青銅の豊富な領域とガラスの豊富な領域の新しい構成はゆっくりした拡散プロセスにより生じる。 より四角に近い断面を有する箱の中で同様の実験を繰り返すと、「青銅が上」構成、サンドイッチ構成、あるいは擬サンドイッチ構成への分離の非常に類似したプロセスが生じる。 しかしながら、10mm×10mmの箱を用いることにより、反転動作は効果的に抑制される。 このように箱の寸法を制限することによっても、傾斜振動が抑制される。
    【0082】
    図2、図6、および図7のデータ点はそれぞれ、その組成の特定のサンプルに対するものである。 開始線αおよびβは組成により大きく変化することはないが、図2、図6、および図7の上部構造は組成により大きく変化する。 この挙動は、同じ公称組成のサンプル間の我々のデータの変化に反映される。 開始線αおよびβは、Γが約±5%以内でサンプル毎に再現可能であるが、上側の線にはそれよりかなり大きな変化がある。 例えば図2の領域Fの境界は、サンプル毎により大きな挙動の変化を示す。 数分の時間尺度で測定した、新たに調製した混合物A1のサンプルの領域Fの下限は、Γが8から約11まで変化する。 これはほぼ確実に組成の変化を反映している。 サンプルをふるいにかけてある限度内の大きさにしたが、これらの限度間のサイズの分布は制御しなかった。
    【0083】
    サイズ比率の変更差動空気制動が支配的な分離のメカニズムである場合、2つの成分のあるサイズ比率に分離を期待し、他のものには期待しないだろう。 それぞれ密度がρ およびρ で、平均直径がd およびd である青銅粒子およびガラス粒子の混合物の場合、ストークスの法則に基づく単純な力学的モデルは、2つの成分に対する空気の効果の相対強度が、比率S=(ρ )/(ρ )により記述され得ることを示唆している。 ここで、このパラメータSの値が異なる4つのタイプの混合物の挙動を比較することにする。
    【0084】
    直前で考察した混合物A1、A2、およびA3の場合、S=12であり、ガラス成分ははるかに多湿である。 分離は「青銅が上」、サンドイッチ、および擬サンドイッチ挙動の明瞭な領域を有する鮮明な境界を示す。
    【0085】
    混合物BはS=3.6であり、ガラス成分は空気によりかなり湿っている。 組成B1の混合物の予備データは、バータレイ氏等[19]が既に報告している。 図8は、上記で用いたものと同じ時間尺度規準を用いた、より詳細な調査の結果を示す。
    【0086】
    混合物A1のデータに対して多くの類似点がある。 「青銅が上」の形成に対する分離線αおよびサンドイッチ形成に対する分離線βが再び現れ、下側または左側から近づいたとき反転により2つの構成間の変換が生じる線γも現れる。 領域Aの上部では、分離が失敗し得る。 領域Fは第一種連続反転の1つである。 しかしながら、A1でfおよびΓが非常に高いときに見られる第二種連続反転振動の領域は、非常に粗削りで対称的とは程遠い反転が、領域G内で非常に不安定かつゆっくりと開始するB1で画定することはさらに一層難しい。
    【0087】
    混合物A2の挙動は、B2のそれと多くの点で類似している。 高振動数側ではΓの限定された範囲にわたってサンドイッチ挙動が見られ、Γが上昇すると拡散により「青銅が上」への変換が生じ、擬サンドイッチ構成を通過する。 B3では、A3のfおよびΓのほとんど同じ領域にわたって擬サンドイッチ挙動のみが観察される。
    【0088】
    Aシリーズの混合物およびBシリーズの混合物の挙動間の主たる差は以下の通りである:対応する条件下では、B混合物の青銅の豊富な領域は、A混合物よりもガラスの含有量が少ない;青銅の豊富な相でのガラス滴および結果としての雨滴の形成は、混合物AではBの場合よりもはるかに不明瞭である;Aシリーズの運動は、f−Γ面の多くの部分でBシリーズよりもいくらか速い。
    【0089】
    混合物Cの場合、パラメータS=1である。 C1の場合、Γの値が低く、25〜90Hzという限定された振動数範囲でのみ見ることが可能な微量の鮮明な境界を有する、不十分な分離が観察される。 若干低振動数の側では、上面の近くで青銅が増大された領域の形成が観察され、若干高振動数側では、中間の高さで青銅が増大された領域の形成が観察される。 青銅が増大された領域の変動性の挙動もいくらか観察される。 しかしながら、分離は常に非常に粗末なものである。 分離が確かに存在する鮮明な分離境界は、他の成分をかなりの比率で含有する領域を区別している。 全ての振動数で、Γを増大させると、いかなる分離の傾向をも妨害する大域的な対流が誘発される。 混合物C2およびC3は、より一層弱い分離の傾向を示す。
    【0090】
    混合物Dの場合、S=0.4である。 青銅の空気制動は、ガラスのそれよりも今は大きい。 混合物D1の場合、Γをゆっくり増大させると、調査した全ての振動数で最上部のガラスとの分離が見られる。 鮮明な分離境界が観察される。 約100Hzの振動数ではΓが約2で分離が開始し、20HzではΓ=1.6まで減少し、180HzではΓ=1.7である。 低振動数側では、青銅の豊富な下側の層の上にほぼ純粋なガラスが形成される。 高振動数側では、2つの物質内の対流渦の影響により、下側の青銅領域がドーム状になる。 Γを増大させると、任意特定の振動数で大域的な対流により混合が生じる。 これは100Hz周辺ではΓ=3.2で発生し、20Hzおよび180HzではともにΓ=2.3で発生する。 Γの値が高くなると、急速な大域的な対流により、弱い分離の試みが妨害される。 それにもかかわらず、高振動数側ではサンドイッチの形成の試みは確認されることができる。
    【0091】
    青銅の濃度を増大させると、「ガラスが上」分離が見られるΓの値の帯域が狭くなり、D3の場合、ガラスの豊富な領域と青銅の豊富な領域との間の境界の鮮明さがより散漫になる。
    【0092】
    要するに、混合物A、とりわけガラスがより豊富なものに対して、非常に強力な分離のメカニズムが観察される。 激しい運動の下で青銅本体から分離されたときでも、小さな青銅の豊富な領域は鮮明な境界とともに元のままである。 混合物Bは、ほんの少しだけ弱い分離の傾向を示す。 混合物AおよびBの場合、支配的な傾向は、青銅が最上部に分離する傾向である。 2種が同程度に湿っていると想定される混合物Cの場合、非常に弱い分離の傾向が示され、混合物Dの場合、最上部でガラスと分離する傾向がある。 しかしながら、この分離はAおよびBの場合よりかなり弱く、Γが高くなると大域的な対流により妨害される。
    【0093】
    パラメータSを使用する際の大まかな基礎に触れなければならない。 Sが唯一の決定的なパラメータでないことは明らかであり、特にSの値が小さいときサイズ比率が何らかの役割を果たし、サイズ隔離メカニズムの効果が働く可能性がある。 それにもかかわらず、これらの結果は、差動空気制動の仮説を幅広く支持するものとなる。
    【0094】
    さらなる実験バータレイ氏等は、振動数によりほぼ線形的に変化する十分に低い圧力で混合物B1の分離が消えることを報告した[19]。 これらの圧力は系を粒状の床として扱い、ストークスの法則を用いて粘性制動を誘導することに基づく、単純な理論と合理的に一致している。 これらの実験を混合物AおよびBについて繰り返し、2つの混合物に対して同様の圧力を見出した。 振動を加えて分離を生じさせ、その後圧力をゆっくりと低下させる。 十分に低い圧力の範囲を通して、分離境界はより散漫なものとなる。 ガラスの豊富な領域はより多くの青銅を含有することになり、一方青銅の豊富な領域はガラスの濃度が高くなる。 対流の速度は増大し、箱のより大きな面では下向きの対流がかなり存在する。 対流は、最終的には大域的な混合の原因となる。 A1の場合、これは40Hzでは約20〜25mbarで、160Hzでは75〜85mbarで生じる。 これらの値は混合物B1の値と大きくは異ならない。 ガラス壁および穴の開いた底部で構成される箱を用いて実験を行うことにより、分離プロセスにおける空気の関与をさらに検査した。 底面は、3mmの金属泡層で支持された、63μmの織鋼ふるい目層からなる。 この構造は極めて空気の透過性が良く、粒子の衝突に対して頑強である。 箱の上面は開いていてもよく、小さな栓を用いて閉じらていてもよい。
    【0095】
    箱の上面が開いているとき、何れの混合物にも分離の傾向は見られない。 それどころか、大域的な混合の対流が観察される。 しかしながら、箱の上面が閉じられているとき、最上部の青銅の豊富な層による混合物AとBの分離が観察される。 これにより、単に流体を存在させておくのではなく、粒子の床により流体を積極的に駆動する必要があると確信するに至った。
    【0096】
    考察同じサイズのガラス/青銅混合物の両方、ならびに他の混合物、とりわけパラメータSが1よりかなり大きい混合物において、非常に強力な分離効果に対する証拠を生み出した。 これらの分離効果は、均質な青銅の豊富な相と均質なガラスの豊富な相との間の非常に鮮明な界面、およびこれらの相および界面の激しい外乱に対する免疫性の両方について注目に値することである。 例えば、反転振動中に、界面は元のままで青銅の豊富な相の大きな断片および小さな断片の両方が循環し得ることを示した。 分離の奇妙だが重要な特徴は、大域的な混合の対流ではなく、各成分における対流だけが発生することである。
    【0097】
    ガラスが本質的に純粋で、青銅が体積百分率で1〜2%のガラスしか含有しない混合物AおよびBのそれぞれに対し、分離を数秒以内に生成することができる。 分離のメカニズムは隙間にある空気に基づくことは明らかである。 十分に低い圧力では、分離効果は全て消える。 不調(failure)圧力の大きさおよび振動数依存性も、この仮説を支持する。 なお、粒子の大きさがともに増大すると、分離のメカニズムは弱まり、鮮明な分離境界はますます散漫になる。 分離効果は大きさが400μm付近で大部分が消えた。 この大きな粒子に対する不調は、空気駆動メカニズムに対し予想されるべきである。 それが2種の差動空気制動であるという提案は、パラメータSを変化させる本実験、および混合物AおよびBにおいて青銅の豊富な相におけるはるかに大きな運動活性を目で観察することにより支持される。 混合物Dでは、上部のガラス相では活性が大きくなる。
    【0098】
    ガラスおよび青銅の強い分離の傾向を仮定すると、差動空気制動に基づき、観察された特徴の多くは容易に説明できる。 相が制動されればされるほど、混合物AおよびBの場合のガラスの豊富な相は相対的に緊密で不活性なものとなる。 青銅がかかる相に再び入るのは難しい。 一方青銅の豊富な相は相対的に膨張し、ガラスが入ることが可能となるであろう。 後に上方または下方に「雨のように流れる」ガラス滴の形成により、平衡が保たれる。 混合物Aでは、混合物Bより青銅が大きく、青銅の豊富な相には隙間が多くなる。 これにより、Aにおいて対応するさらなる滴が形成されかつ雨のように落ちるとともに、Aの青銅の豊富な相内のガラスの比率がBのそれよりも大きいことが観察されるのはなぜかを説明できる。
    【0099】
    他の態様は、単に強力な差動空気制動分離メカニズムが存在することから導き出すことはさらに難しい。 「青銅が上」構成とサンドイッチ構成のどちらが好まれるかということ、後者におけるサンドイッチ層の位置、および反転挙動はさらに予測が難しい。 大域的ではなく局所的な対流と分離そのものとの間の奇妙な関係もまた、明らかにする必要がある。
    【0100】
    バータレイ氏等は、より少なく制動された成分がわずかに豊富な領域は、より膨張していることを記した[19]。 より活発な成分は、その成分を拡大するような領域に優先的に拡散する傾向がある。 これにより、「相分離」をもたらす力学的不安定性が生じ得ることが示唆される。 底に穴の開いた箱を用いた本実験により、単に空気が存在するだけでは分離の発生には十分ではないことが示された。 粒状の床により空気が自由に上下に移動できる場合、分離は生じない。 しかしながら、穴の開いていない箱では、空気は、振動の間に箱に対して移動すると、床に無理やり押し進められる。 その後、強力な分離が生じる可能性がある。 上面を密封した底に穴の開いた箱の場合、粒状の床の上の空気の体積により、振動の間に空気は部分的にしか床に無理やり押し進められないので、この場合はこれら2つの状況の中間のものとなる。 その後、サンドイッチではなく、「青銅が上」の形成が観察される。 この重要な証拠から、分離のメカニズムは、バータレイ氏等によって提案されたもの[19]より理解しがたいものであることは明らかである。 好適なコンピュータ・シミュレーションにより、この状況は明らかになり得る。 ストークスの法則を用いて粘性制動を組み込んだ、予備的なシミュレーションにより、分離は床に無理やり押し進められる空気に依存していることが確かめられる。
    【0101】
    図9は、入口パイプ102を介して第1の粒子および第2の粒子の混合物が連続的に供給される容器100を示す。 この配置は回分法および連続法の両方に使用することができることを理解するべきである。 本例は部分的に充填された箱を示す。 電気機械式発振器104により、この箱を垂直に振動させる。 数分間で2つの別個の帯域が形成され、それらの間には鮮明な境界が存在する。 上側のより濃密な材料の帯域106と、下側のより希薄な材料の帯域/層108がある。 このことは、入り込んで粒子は直径が同程度だが、密度が異なることをあらかじめ仮定している。
    【0102】
    第1の抽出導管112は上側の層106まで延伸し、第2の抽出導管110は下側の層108まで延伸する。 チューブを図9に示すように層に配置すると、分離した粒子が層から流出することがわかった。 このことは、粒子を異なる種の粒子に分離した後、層から粒子を連続的に抽出する方法を提供する。 したがって、連続法を実施することができる。 材料がパイプ102を介して添加され、パイプ110および112を介して抽出されるよう、流量を操作するべきである。 パイプ110および112が適当な粒子の層に適切に配置されることを確実にするために、パイプ110および112の下端の位置は調節可能にすることが望ましい場合もある。
    【0103】
    電気機械式発振器は手動制御入力装置113により制御される。 手動制御入力は、信号発生器114と増幅器115とに接続されている。 増幅器は電気機械式発振器に接続されている。
    【0104】
    もちろん、上方の垂直パイプの代わりに、箱の側面に粒子の出口を設けてもよい。
    【0105】
    図10は、図9と類似した部分的に充填された容器の配置を示す。 しかし、今回は振動数が比較的高く、それにより図9(比較的低い振動数)に示す2層ではなく、3層が形成される。 中央の層は最上層および最下層より濃密な層である。 パイプ110が下側のより希薄な層まで掘り下げられ、パイプ112はより濃密な「サンドイッチされた」層まで掘り下げられていることがわかる。
    【0106】
    図11は、垂直振動を加えた「充填された」容器の配置を示す。 パイプ110および112が分離された粒子からなる床まで掘り下げられることが示されている。 振動の間に床の膨張が達成されるように、少量の空間が容器116に残される。
    【0107】
    図12は、高い振動数のほぼ水平な振動を受けている「充填された」容器の配置を示す。 これにより、層がほぼ垂直な層に分別されていることを除いて、図10および図11のようなサンドイッチ層が形成される。 振動の間に床の膨張が達成され得るように、少量の空間が容器116に残される。 パイプ110、111、および112は別個の粒子からなる床まで掘り下げられることが示されている。
    【0108】
    非理想的な粒子、すなわち、例えばほぼ球状などの均一な形状を持たない粒子を用いて試験した。 一例では、砂および石炭の塵粒子を用いて試験した。 本発明の方法は、これら混合物に対し非常に良い効果があることがわかった。 粒子の形状があまり規則的でない性質のものであっても、本発明の原理にも効能にも悪影響を及ぼさないようである。
    【図面の簡単な説明】
    【0109】
    【図1】ガラスボックスおよびボックス取付台(a)、加速度計(b)、2つの電磁変換器(c)、および接続フレーム(d)を示した、実験装置の図を示す。
    【図2】「ブロンズオンザトップ(青銅が上)」(α)の開始、サンドイッチ分離(β)の開始、2つの(γ)間の遷移境界、ならびに第一種のスロー(δ)および急速(ε)反転振動を示す、振動数およびΓの関数として、混合物A1の挙動を示す。 この図はまた、「ブロンズオンザトップ」(C)、極度のスラッシングおよび落差(A)、単純な傾斜振動(B)、サンドイッチ構成(D)、「ブロンズオンザトップ」およびサンドイッチ構成(E)間の振動、第一種連続的反転振動(F)、および連続的な第二種の連続的反転振動(G)も示されている。
    【図3】サンドイッチ構成の形成を示した、160Hz、Γ=6.8での混合物A1の挙動を示す。 これらの写真は、左上から右下にかけての時系列を形成している。 5番目の写真は50秒後に撮影され、9番目の写真は7分後に撮影された。 青銅が豊富な領域は濃い灰色に見え、ガラスは白く見える。
    【図4】第一種連続反転振動の半分の期間を示した、70Hz、Γ=16.7での混合物A1の挙動を示す。 これらの写真は、左上から右下にかけて時系列を形成している。 フル振動の期間は30秒である。
    【図5】第二種の連続的な逆振動の一部を示した、70Hz、Γ=16での混合物A1の挙動を示す。 これらの写真は、左上から右下にかけて時系列を形成する。 フル振動の期間は37秒である。 多数の青銅断片(無傷の状態であり、後に青銅本体に合わさる)の形成に留意されたい。
    【図6】「ブロンズオンザトップ」(α)の開始、サンドイッチ分離(β)の開始、および2つ(γおよびδ)間の遷移を示した、振動数とΓの関数として、混合物A2の挙動を示す。 「ブロンズオンザトップ」(C)、極度のスラッシングおよび落差(A)、単純な傾斜振動(B)、サンドイッチ形成(D)、および「ブロンズオンザトップ」と傾斜(E)間の振動の領域も示されている。 線δおよびγ間の擬(擬似)サンドイッチゾーンはFとして示されている。
    【図7】「ブロンズオンザトップ」(α)の開始、擬(擬似)サンドイッチ分離(β)の開始、および2つ(γ)間の遷移境界を示す。 「ブロンズオンザトップ」(C)、極度のスラッシングおよび落差(A)、単純な傾斜振動(B)、および擬(擬似)サンドイッチ構成(D)も示されている。 「ブロンズオンザトップ」および擬サンドイッチ構成間の振動は(E)において生じる。
    【図8】「ブロンズオンザトップ」(α)の開始、サンドイッチ分離(β)の開始、2つ(γ)間の遷移境界、および第一種のスロー(δ)および急速(ε)逆振動の開始を示す、振動数とΓの関数として、混合物B1の挙動を示す。 「ブロンズオンザトップ」(C)、極度のスラッシングおよび落差(A)、単純な傾斜振動(B)、サンドイッチ構成(D)、「ブロンズオンザトップ」およびサンドイッチ構成(E)間の振動、および第一種の連続的な逆振動(F)の領域も示されている。 ゾーンGでは、第二種の連続的な逆振動に同様の現象が非常に散発的に生じる。
    【図9】粒子分離装置の例である。
    【図10】粒子分離装置の例である。
    【図11】粒子分離装置の例である。
    【図12】粒子分離装置の例である。

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