Preparation of human recombinant collagen in the milk of transgenic animals

申请号 JP51719494 申请日 1994-01-19 公开(公告)号 JPH08506016A 公开(公告)日 1996-07-02
申请人 コラーゲン コーポレイション; 发明人 エー. バーグ、リチャード;
摘要 (57)【要約】 通常にヒトコラーゲン又はヒトプロコラーゲンを製造しない細胞内におけるこれらの蛋白質の製造は、非ヒト哺乳動物の乳腺に適合した発現系を構築することにより達成される。 例えば、組換えヒトプロコラーゲン又は組換えヒトコラーゲンを含むミルクを製造する能 力 を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得るために、発現系は、受精した卵母細胞内に顕微注射され、代理母内に再植え付けされ、妊娠期間終了まで養われ得る。 この方法で製造されたヒトプロコラーゲン又はヒトコラーゲンは、他のヒト又は非ヒトコラーゲンの混入していない単一の型のコラーゲンから構成され得る。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. ヒトコラーゲン及びヒトプロコラーゲンを調製する方法であって、 非ヒト哺乳動物のミルク内にヒトプロコラーゲン又はヒトコラーケンを分泌するようにコーディングヌクレオチド配列が発現される条件下において、上記非ヒト哺乳動物の乳腺のミルク蛋白質分泌上皮細胞内で特異的に発現させるコントロールヌクレオチド配列に作用的に結合した、少なくとも1つのヒトプロコラーゲンをコードする上記コーディングヌクレオチド配列を含む発現系を含むように修飾された上記非ヒト哺乳動物の乳腺からミルクを回収すること、 及び上記ミルクからヒトプロコラーケン又はヒトコラーゲンを回収することを含む方法。 2. ミルク内にヒトプロコラーゲン又はヒトコラーゲンを製造するための発現系であって、乳腺のミルク蛋白質分泌細胞内において特異的に発現させる能力を有するプロモーターに作用的に結合した、ヒトプロコラーゲンをコードするコーディングヌクレオチド配列を含む発現系。 3. 前記ヒトプロコラーゲンが、I型コラーゲンのpro−α1鎖、又はIII型コラーゲンのpro-α1鎖である請求項2記載の前記発現系。 4. 請求項2記載の前記発現系を含む受精した非ヒト卵。 5. 請求項2記載の前記発現系を含むよう修飾された非ヒト胚幹細胞(ES細胞)。 6. 請求項2記載の前記発現系を含むトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 7. プロコラーゲンに対する翻訳後修飾酵素の製造を行う少なくとも一つの発現系を含むよう更に修飾された請求項6記載の前記非ヒト哺乳動物。 8. ヒトコラーゲン又はヒトプロコラーゲンを含むミルク。 9. 単一のコラーゲン型の、プロコラーゲン又はコラーゲン分子のみを含むヒトプロコラーゲン又はヒトコラーゲンの組成物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 発明の名称トランスジェニック動物のミルク内のヒト組換えコラーゲンの製造法 本願は、1993年1月28日に出願された米国特許第08/011,643号の一部継続出願であり、その内容は参照により本書に組込まれる。 技術分野本発明はトランスジェニック哺乳動物のミルク内の組換え蛋白質、特にコラーゲンの製造に関する。 さらに詳しくは、本発明はトランスジェニック哺乳動物のミルク内にコラーゲン(又はプロコラーゲン)を分泌させることにより、有用である、精製された形態におけるヒトコラーゲンを供給する方法に関する。 技術的背景コラーゲンは、人間の再構成用の治療処置として有用である、主要な構造蛋白質である。 これらの目的で使用されるコラーゲンは、一般的には畜又は豚のような養殖動物の組織から材料を単離することによって供給される。 このような単離されたコラーゲンは幾つかの成功例をもって使用されていたが、上記コラーゲンは本質的にそれを処置された人間とは異質の蛋白質であり、免疫原性反応が問題となり得た。 動物由来のコラーゲンを免疫原性を減少させるための蛋白質分解酵素とともに処方することにより、この問題は極小化されてきた。 治療上の目的においては、牛又は豚のコラーゲンよりヒトコラーゲンを供給する方が利点が大きいであろうことは明白である。 精製されたヒトコラーゲンの供給源は限られており、唯一の確かな供給源は人間の胎盤である。 ヒトコラーゲンは、同時係属の米国特許出願第07/921,810号(コラーゲンコーポレイション)において開示されるように、人間の胎盤から精製することができる。 その胎盤は数種の型のコラーゲンを含んでおり、そのうち最も知られている型は、I、III、I V、及びVである。 これらの型の中から一つの型を分離、精製する過程は不完全なものであり、その結果として主要な型の他に、少量の他の型が含まれる。 胎盤から精製されたコラーゲンの製造は、更に付加的な過程の手段を必要とする。 それは、結果として生するコラーゲン産物が肝炎やHIVのようなヒトウイルスに感染していないことを確かめるためのものである。 この視点から、組換え技術を用いてヒトコラーゲンを供給する試みが行われてきた。 ヒト軟骨組織のプロコラーゲン遺伝子(Col2A1)のマウス3T3細胞内における発現が報告されている(Ala-Kokko,L.et al., J Biol Chem (1991) 266 :14175-14178)。 オルセンら(Olsen, AS et al.)はマウス繊維芽細胞内のヒトproα1(I)コラーゲン遺伝子のミニジーン(minig ene)型の発現を報告した(olsen,AS.et al., J.Biol.Chem (1991) 266 :1 117-1121)。 proα2(V)欠損のハムスター細胞内におけるヒトproα2(V) コラーゲンの完全な長さのcDNAがグリーンスパンらによって報告された(Gr eenspan,DS.et al., J.Biol.Chem .(1989) 264 :20683-20687)。 マウス繊維芽細胞はまた、proα1(I)鎖を発現するために使用されており、シュニーケらによって示されるように、その発現した蛋白質は結果としてコラーゲン三重ヘリックス(らせん)としてマウス(murine)proα2(I)鎖と複合体を形成していた(Schnieke et al., Proc.Natl.Acad.Sci .USA(1987) 84 :8869- 8873)。 ステーシーらによる研究によると、proα1(I)遺伝子の変異体を含むよう改良されたトランスジェニックマウスは生まれた後、生育することができなかった(Stacy,A. et al. Nature (1988) 32 2:131-136)。 加えて、トランスジェニックマウスは、系統的にI型プロコラーゲンのヒト遺伝子のミニジーン型を発現する能を獲得した(Khillan,JS.et al., J.Biol.Chem (1991) 266 :23373-23379; PC 国際公開W092/22333)。 これらのマウスは、改良コラーゲンの製造によって特徴づけられる骨疾患を研究するための模範的な系として役立つ。 先天的にコラーゲンを製造する細胞内のみに存在すると一般的に考えられている翻訳後酵素が多数(multiplicity)必要であるために、組換えヒトコラーゲンの製造は、面倒なものとなる。 翻訳後酵素の少なくとも8つが必要であると考えられている(Prockop et al., New Enland J.Med .(1984) 311 :376-386)。 この事は組換え製造における試みを、この蛋白質を先天的に製造する細胞に限定することとなり、その結果、必然的に蛋白質はキメラ型となってしまう。 三重ヘリックス内に、一部分をヒトの鎖、一部分を宿主である哺乳動物細胞の鎖を有するキメラコラーゲンを避けるために、この製造にはヒトの細胞を使用することができるかもしれない。 しかしながら、この場合でさえ、他のコラーゲン型を含まない特定の型のコラーゲン産生物を得ることができない。 更に後述のように、製造されるコラーゲンの多様性及びそれらの本質的な類似性は、それ自身のコラーゲンを製造するネイティブ又は組換えソースのいずれからも均一な産物の製造をも不可能ならしめる。 本発明は、後述の出版物によって示されるような哺乳動物のミルク内に外来の蛋白質の製造を確立する技術を用いて、ヒトプロコラーゲン又はヒトコラーゲンを先天的に製造しない細胞内においてこれらの蛋白質を合成することによって、上述の問題を解決する。 選定された型のコラーゲンは、発現系の構造とそれに伴う組換え酵素の製造によって、プロコラーゲン又はコラーゲンのいずれか一方として哺乳乳動物のミルク内に分泌される。 発明の開示本発明は、均一のコラーゲンの型を単離することができる形態において、ヒトコラーゲンの組換え産物を供給するものであり、かつ妥当な費用で商業上実用的な量のこれらの蛋白質を製造するようデザインされ得るものである。 本発明は哺乳動物のミルク内において組換え蛋白質を製造するよう開発された系を利用するものであり、要求されるコラーゲンをコードする遺伝子を発現するためばかりでなく、必要であれば要求されるどの様な翻訳後酵素の遺伝子をも発現するため、 これらの技術の利用を必要とする。 このように、一つの視点において本発明は、非ヒト哺乳動物の乳腺からミルクを回収することを含む、ヒトプロコラーゲン又はヒトコラーゲンの組換え製造の方法に関する。 哺乳動物は、乳腺内で作用し得るように調節された塩基配列の制御下においてヒトプロコラーゲンをコードするDNAを含む発現系を含むよう改良されていよう。 製造されたヒトプロコラーゲン又はヒトコラーゲンは様々な精製技術を用いてミルクから回収されていよう。 必要であれば、乳腺のミルク蛋白質分泌細胞内で要求される任意の翻訳後酵素を製造するための発現系を含むように、非ヒト哺乳動物を改良することもできる。 コラーゲン又はプロコラーゲンのいずれかが、細胞内での適当な蛋白質分解酵素の存在又は非存在に応じて、分泌されることができる。 発現系内に含まれるヌクレオチド配列内にコードされたプロコラーゲンは、適当なシグナル、即ち標的細胞内で作用し得、プロコラーゲンと本質的に関係した又はそれに類似のシグナル配列をコードするヌクレオチド配列によって誘発されるであろう。 このようにして、組換え発現の結果として製造されるプロコラーゲンはミルク内に分泌されるであろう。 宿主細胞が、コラーゲンからその前配列の切断を通常引き起こす酵素(例えば、プロコラーゲンN−プロテアーゼ 及び/又は プロコラーゲンC −プロテアーゼ)を含めば、プロコラーゲンは細胞からでる際、その前配列(プロシークエンス)が切断され、コラーゲンがその媒質内に分泌されるであろう。 しかしながら、これらの酵素が産生細胞に存在しなければ、プロコラーゲン自身が分泌されるであろう。 低濃度のこれら蛋白質分解酵素の場合、コラーゲン及びプロコラーゲンの混合物が結果として分泌されるであろう。 明らかに、これらの酵素の濃度は、先天的にコラーゲンを製造する細胞内において様々である。 組織及び、組織が作られる前駆物質の発達段階に応じて、より多い又はより少ない割合のプロコラーゲン又はコラーゲンが、分泌物に含まれるであろう。 かくて、本発明のコラーゲンを含むミルクは、ヒトコラーゲン自体、又はヒトプロコラーゲン自体、又は両方の混合物の形で、前記コラーゲンを含む。 ネイティブのプロコラーゲン遺伝子からプロシークエンスをコードする配列を削除するよう変更することは可能であるが、これを行う事は好ましくない。 なぜなら、前領域(プロリージョン)、特にC末端プロリージョンは、プロコラーゲン分子のコラーゲン部分による三重ヘリックスの形成を媒介するからである。 このように、前記プロシークエンスが発現ベクターから除かれたなら、その結果として単一のコラーゲン鎖はコラーゲン分子の特徴である三重ヘリックスを形成することができないであろう。 プロコラーゲンがミルク内に分泌されたならば、もちろん、適切な蛋白質分解酵素を供給することによって、コラーゲンが結果として生じる。 他の視点において、本発明は、乳腺内に発現することができるプロモーター及び他の制御配列が作用し得るように連結したヒトプロコラーゲンをコードするDNA配列を含む前述の方法において有用な、発現系に関する。 必要であれば、翻訳後酵素の製造のために、乳腺において作用し得る発現系にも使用し得る。 本発明はまた、受精した卵や非ヒト胚幹細胞(ES細胞) を含む胞胚を植え付けられた非ヒト哺乳動物に関するのはもちろん、発現系を含むよう改良されたES細胞及び受精した形態を含む非ヒト卵にも関する。 さらに、他の視点において、本発明は、プロコラーゲンやコラーゲンを含むミルク、及び均質形態におけるヒトプロコラーゲンやヒトコラーゲンにも関する。 類似の非ヒトコラーゲン分子や異なる型のコラーゲンの背景がない場合でも、所望の組換えコラーゲン型のみの製造をすることができる本発明の方法の実施により、これらの形態は入手可能となる。 発明の実施形態コラーゲンは十分に研究された蛋白質であり、コラーゲンをコードした遺伝子の発現も、今日まで研究されている(Adams, S.L., Amer J Respir Cell and M olec Biol (1989) 1 ;161-168)。 この研究論文には、存在を知られている型のコラーゲンが概説してあり、それらの共通の特質を記述してある。 様々な型のコラーゲンをコードしたmRNAは、コラーゲン産生細胞の細胞質内で、その後三重ヘリックスに組み立てられるプロコラーゲンサブユニットに翻訳される。 組み立てられたプロコラーゲンは、サブユニットの組立に役立つが三重ヘリックスには関与しないN末端及びC末端のプロペプチド伸長部を含む。 このプロシークエンスは、その後、プロコラーゲンが分泌される際、コラーゲン三重ヘリックスとなるよう切断される。 コラーゲンヘリックス自身は、テロペプチド(telopeptide )と呼ばれる非ヘリカル伸長部を含む。 三重ヘリックス領域は、X又はY又はその両方がP(プロリン)又はHP(ヒドロキシプロリン)である”−(GXY) n −”という形の”トリプレット”の配列を含むように、それぞれの第三位置にグリシンを有し、他の位置にたびたびプロリン(P)又はヒドロキシプロリン( HP)を有する、繰り返しアミノ酸配列を含む。 本質的な翻訳後段階の一つは、 体温における三重ヘリックスの安定性を確保するため、幾つかのプロリン残基のヒドロキシプロリンへの転化である。 他の重要な翻訳後修飾は、ジスルフィド交換、リシン残基の酸化、糖質の付加、及び三重ヘリックスコラーゲン分子のアセンブリと架橋である。 アダムス(Adams)の研究論文においては、13の遺伝学的にはっきり異なる型のコラーゲンが示され、 少なくとも23の遺伝子産物が存在することが示された。 間質組織内で発見された最も代表的な型は、I、III、V、VI型であり、軟骨内では、II、IX、X、XI 型が発見された。 これらの型の幾つかはホモトリプレックスとしてネイティブで存在し、他の型はヘテロトリプレックスとして存在する。 上記様々な型のコラーゲンは、論議されているコラーゲンの遺伝学的起源を示すように命名される。 例えば、I型コラーゲンの三重ヘリックスは、コラーゲンをコードする2つの異なった遺伝子の産物を含むヘテロトリプレックスである。 この型のコラーゲンは[α 1 (I)] 2 α 2 (I)と命名される。 このように、I型コラーゲントリプレックスはCol1A1遺伝子によってコードされた2つの鎖とCol1 A2遺伝子によってコードされた1つの蛋白質鎖を含む。 III型コラーゲンは[α 1 (III)] 3と命名され、Col3A1遺伝子から翻訳された3つの同一な鎖からなる。 II型コラーゲンも、[α 1 (II)] 3と命名されるホモポリマーであり、Col2A1遺伝子の翻訳産物からなる。 上述のように、コラーゲン産生細胞は数種類の型のコラーゲンを製造するので、従来においては、例えばIII型コラーゲンの混じらない均質なI型コラーゲンを得ることは不可能であった。 本発明の方法に従い非コラーゲン産生細胞内でコラーゲンを製造することにより、前記の均質なものを得ることが可能になる。 要求されるコラーゲンをコードする本発明の方法において使用される遺伝材料は、手に入れることができる。 I、II、III、IV、v型のヒトコラーゲンをコードする遺伝子は、現在入手可能である。 プロッコップら(Prockop,DJ et al)(前掲)は、コラーゲンが繊維芽細胞内で製造される時に生じる次のような翻訳と同時の及び翻訳後の修飾を示した。 それらは、鎖のN末端にあるシグナルペプチドの切断、Y位置のプロリンとリシン残基の水酸化、幾つかのX位置のプロリン残基の水酸化、ガラクトース、又はガラクトースと次いでグルコースの幾つかのヒドロキシリシンへの付加、マンノースのリッチなオリゴサッカライドのC−プロペプチドへの付加、これらドメイン構造によって規定された過程によるC末端プロペプチドの会合、最後にプロペプチド内の鎖内と鎖間のジスルフィド結合の形態、である。 プロコラーゲンの分泌後、N−プロペプチドは、プロコラーゲンN蛋白質分解酵素によって切断され、C−プロペプチドはそれと別のプロコラーゲンC蛋白質分解酵素によって切断される。 その後、コラーゲンは自己アセンブルしフィブリルとなり、リシン酸化酵素が、幾つかのリシン及びヒドロキシルリシンを、アルデヒド誘導体へ変換して近接した分子間内の同様の残基と架橋を形成する。 哺乳動物細胞はコラーゲンを内在的に製造しないので、それら哺乳動物細胞が、前記の翻訳後の出来事に必要な酵素群を含むかどうかは、完全に明らかになっていない。 トリプレックスへのアセンブルはC末端伸長部の配列によって媒介されるので、乳腺の上皮細胞が要求される蛋白質分解酵素を欠く場合には、上述のように適切な分泌シグナルをプロコラーゲン分子に与え、適した蛋白質分解酵素を加える事によって、細胞外においてトリプレックスへのアセンブルが行われ得ると考えられている。 あるいはまた、蛋白質分解酵素は、哺乳動物上皮細胞内に組換え体として製造され得る。 要求される翻訳後プロセッシングを生じさせるために哺乳動物細胞によって最も必要とされるのに適した酵素は、蛋白質ジスルフィドイソメラーゼ、及びプロリルヒドロキシラーゼのα−サブユニットである。 前記酵素群が内在的に製造されずに組換えにより供給されなければならないのなら、前記酵素群の製造のための発現系は、コラーゲン又はプロコラーゲン自体の発現系に伴って供給され得る。 プロビルヒドロキシラーゼのα−サブユニットの遺伝子は、まだ全く記述されていないが、蛋白質ジスルフィドイソメラーゼをコードする遺伝子は、タサネンらによって示されるように部分的に配列がきめられている(Tasanen,K.,et al, J.Biol.Chem .(1988) 263 :16218-16224 及びJ.Biol.Chem .(1992) 267 :11513-11519)。 両蛋白質をコードする遺伝子は、標準的な技術を用いて得ることができる。 上記2つの酵素は、蛋白質ジスルフィドイソメラーゼの2つのα−サブユニットと非共有結合したプロピルヒドロキシラーゼの2つのサブユニットからなる四量体蛋白質として協同して機能する。 蛋白質ジスルフィドイソメラーゼの2つのサブユニットは二量体として機能するが、プロピルヒドロキシラーゼの2つのα−サブユニットは活性状態となるために蛋白質ジスルフィドイソメラーゼと結合しなければならない(Vuari,et al .,1992)。 本発明の方法における使用のために十分に開発された系は、ウシ内におけるミルクの製造を利用する。 前記系はクリンペンフォートらによって概説される(Kr impenfort,P.et al. Biotechnology (1991) 9 :844-847)。 この記事には、ヒト蛋白質をコードする遺伝子を受精したウシ卵母細胞に顕微注射(マイクロインジェクション)すること、及び代理母内における、その注射後に生じる胚の成長が記載される。 前記ヒト遺伝子はウシαS 1カゼイン制御因子に融合された。 この一般的技術はまた、1991年6月13日に公開され、ジェンファーム(GenPharm) に譲渡されたPCT国際公開W091/08216に記載される。 ミルク内に蛋白質を分泌するトランスジェニック動物の開発による組換え蛋白質の製造法の更なる記載は、1988年4月20日に公開され、インテグレイティッドジエネティックス(Integrated Genetics)に譲渡された欧州出願第264166号の中に見い出される。 この開示は、蛋白質分泌をおよぼす乳清酸蛋白質制御系の使用を強調し、ヤギのミルク内の組織プラスミノーゲンアクティベーター(tpA)及びB型肝炎表面抗原(HB表面抗原)の製造のための上記系の使用を特記する。 外来蛋白質製造のための同様の系が、1988年1月1 4日に公開され、ファルマスーチカルプロテインズ社(Pharmaceutical Proteins Limited)に譲渡されたpCT国際公開W088/00239に記載される。 この出願では、β−ラクトグロブリンを含む、ヒツジの乳腺の産物の製造に適した制御DNA 配列を得るための手順が示され、ミルク内に外来の蛋白質を分泌するように改良されたトランスジェニックヒツジの構造が記載される。 更に、1988年3月10日に公開され、イミュネックスコーポレーシヨン(Immunex Corporation)に譲渡されたPCT国際公開W088/01648では、ウシα−ラクトアルブミン遺伝子の制御配列の制御下において、ミルク内へ外来蛋白質を分泌するトランスジェニック動物の構造が概説される。 最後に、1988年12月29日に公開され、バイオジェン(Biog en)に譲渡されたPCT国際公開WO88/10118では、ミルク内での様々な組換えヒト蛋白質の製造のためのトランスジェニックしたマウス及びより大きな哺乳動物の構築が記載される。 ミルク内の様々な蛋白質の製造を記載した他の出版物には、 トランスジェニックマウスのミルク内のヒトα-アンチトリプシンの製造を記載したアーチボールドらによる論文がある(Archibold,A.L.et al. Proc.Natl Acad.Sci USA(1990) 87 :5178-5182)。 この製造は、α1−アンチトリプシンのミニジーンに融合されたβ−ラクトグロブリン遺伝子から構築されたハイブリッド遺伝子を利用する。 ピティウスらの論文には、マウス乳清酸蛋白質プロモーターを用いる、トランスジェニックマウスの乳腺内の組織プラスミノーゲンアクティベーターの製造が記載される(Pittius,C.W.et al. Proc.Natl.Acad Sci .USA(1988) 85 :5874-5878)。 ヘニヒハウゼンの論文では、バイオリアクターとしての乳腺の使用、及びミルク内での様々な外来(ないし異種、foreign )蛋白質の製造のレビューが提供される(Hennighausen,L, Protein Expressio n and Purification (1990) 1 :3-8)。 この記事では、産生物のレベルに影響を与える因子が記載され、発現系の構造の推薦される形態が示される。 前述の各刊行物(publications)の開示は、参照により本書に組込まれている。 このように、乳腺内における外来蛋白質の製造、及びミルク内へ上記蛋白質を分泌させる制御配列を含む適切な宿主ベクターを構築する技術は当業者の間で公知である。 加えて、マウスはもとより、ウシやヒツジやヤギのようなより大きな哺乳動物種を含む、前記系を有するトランスジェニック哺乳動物を構築する技術は、公知である。 トランスジェニックマウスの内のヒトコラゲナーゼの製造に記載(D'Armien to et al., Cell (1992) 71 :955-961)された方法論と同様の方法論を用いて、ミルク蛋白質を産生する細胞内のプロコラーゲン遺伝子の発現の系を構築することができる。 幾つかの型のプロコラーゲンをコードした遺伝子が得られており、付加的な型の遺伝子を、同様にして得ることができる。 ヒトCol1A1遺伝子の調製とクローニングは開示されている(Barsh et al., J.Bio1.Chem. (1984) 259 :14906-14 913)。 簡単に言えば、ヒトゲノムコスミドライブラリーはパッケージングされ、更に、塗布、成長、及びCol1A1遺伝子に特異的な核酸配列を用いてスクリーニングされた大腸菌に遺伝子導入(transduce)するのに使用される。 陽性のコロニーは分離され、ブイヨン内で成熟させられ、そのDNAが単離される。 制限エンドヌクレアーゼが、選択された部位においてDNAを切断するのに用いられる。 その消化されたDNAが、ゲル電気泳動及びDNAシークエンシングにより検査される。 ヒトゲノムライブラリーから単離されたコスミドクローンCG103は、完全なヒトCol1A1遺伝子を含むことが示された。 コラーゲン遺伝子のフラグメントは、コスミドライブラリー(Barsh et al.) (前掲)及びバクテリオファージライブラリー(Chu et al., J.Biol. Chem (1 985) 260 :4357-4363(III型コラーゲン);Chu et al., Nature (1984) 310 :3 37-340(I型コラーゲン))から選択されている。 Col1A1遺伝子は、シャロン4 Aバクテリオファージベクターを用いて、3つの重複ゲノムのクローンにおいて得られた。 Col1A2遺伝子はまた、シャロン4Aライブラリー内の5つの重複クローンから得られた(deWet et al., J.Biol.Chem (1987) 262 :16032-16036) 。 第一のイントロンは、トランスジェニックマウス内で組織特異的方法でα1( 1)遺伝子発現を制御するのに重要である(Slack,JL.et al., Mol.Cell Bi ol. (1991) 11 :2066-2074)ことが示されている。 完全な遺伝子を使用することはトランスジェニック動物実験においてより効果的であることが示されるが(Palmiter et al., Proc.Natl.Acad.Sci. USA(1 991) 88 :478-482)、完全な遺伝子を用いる代わりとして、完全長のcDNAを使用することができる。 λファージライブラリーから単離されたI型コラーゲン(Lee et al.,J.Biol.Chem.(1988) 263 :13414-13418)のα−2鎖のcD NAにおいて単離されるように、完全長のcDNAはcDNAライブラリーから単離され得る。 乳腺の上皮細胞に適合する発現系を構築するために、Col1A1又は他のプロコラーゲン遺伝子は、DNAフラグメントとして、ミルク特異的な蛋白質の発現のためのプロモーター及び他の付加的に要求される制御配列を含む同様に作製されたDNAフラグメントに結合される。 ダルミエントら(D'Armiento et al.)の示したところによると、プロモーターを遺伝子に結合させる時、その遺伝子産物の蛋白質のために翻訳開始部位を保護する必要がある。 これは、選択されたプロモーターの5'末端にも特異的である翻訳開始部位のすぐ上流に特異的な制限エンドヌクレアーゼ部位を導入することによって完成されるであろう。 これらのフラグメントが前記制限エンドヌクレアーゼを用いて作製された時、プロモーターの3'末端部位はCol1A1遺伝子の5'末端に適合するであろう。 結合が起こる時、 ダルミエントら(D'Armiento et al.(前掲))によって示されたヒトコラゲナーゼ遺伝子へのヘプトグロブリンプロモーターの結合と同様に、プロコラーゲン遺伝子の翻訳開始部位から翻訳されるメッセンジャーRNAをコードする遺伝子の適切な部位において、プロモーターは結合するであろう。 プロモーター−遺伝子構成物は、制限エンドヌクレアーゼとともにファージDNAを使用することによりバクテリオファージベクタークローニング系内に結合される。 外来DNAの両端はそのDNAをクローニングするためのベクター構成物に結合される。 発現されるメッセンジヤーRNAの翻訳開始部位を含むcDNAはまた、トランスジェニック動物内への導入のための機能的構成物を供給するためにプロモーターに結合される。 この方法は、ウシα−S1−カゼイン遺伝子の5'及び3' 非翻訳領域に融合されたヒトラクトフェリンcDNAに用いられた(Krimpenfor t)。 前記プロモーターの上流領域が遺伝子発現の制御に関与するであろうことも、 理解される。 特に、細胞外マトリックス及びホルモンが、適切な遺伝子の上流配列に影響を与えることにより、ウシβ−カゼインの発現を制御することが示されている(Schmidhauser,Cet al., Proc.Natl.Acad.Sci. USA(1990) 87 :91 18-9122)。 加えて、転写と翻訳の終了のシグナルも、発現のレベルを上昇させるのに有用である。 前記構成物がバクテリオファージ内でクローニングされ得るようにプロコラーゲン遺伝子のサイズを縮小するために、上記遺伝子自身を、そのイントロンのサイズを縮小することにより短くすることができる。 これは、重複フラグメントとしてクローニングされたプロコラーゲン遺伝子において行われ得る。イントロンのフラグメントの接合部位は、同定され、イントロンを短くするために特異的なエンドヌクレアーゼで処理され得るが、結合に適合した制限部位は残される。制限部位は、プロコラーゲン遺伝子のフラグメントの結合において単一構成物となるよう、制限部位は部位特異的突然変異誘発(D'Armiento et al.,前掲)によって改良され得る。イントロンの除去を果たす他の方法は、上記遺伝子内の2つ又はそれ以上のエキソンを置換するためにcDNAを含む融合遺伝子を作製することである。コラーゲンの製造に必要な翻訳後修飾酵素の一つは、プロリルヒドロキシラーゼのα−サブユニットに結合した時に、プロリルヒドロキシラーゼとして単離される四量体蛋白質を形成する蛋白質ジスルフィドイソメラーゼである。蛋白質ジスルフィドイソメラーゼの遺伝子は、コスミドベクターpcos2 EMBL(Poustka et al., Proc.Natl.Acad.Sci. USA(1984) 81 :4129-4133)内で作製されるヒトゲノムライブラリーから得られている。上記ライブラリーは、ヒト蛋白質ジスルフィドイソメラーゼに特異的なcDNAフラグメントを用いてスクリーニングされ、完全な遺伝子には少なくとも2つ含まれる幾つかのクローンが得られた(Tasanen et al., J.Biol.Che m. (1988) 263 :16218-16224)。本発明の発現系に使用するために、前記遺伝子は、制限エンドヌクレアーゼを用いてコスミドDNAから切り離されることができ、ヘプトグロブリン(heptog lobin)−コラゲナーゼDNA構成物に用いられたのと同様のストラテジーを用いてミルク特異的蛋白質プロモーターに結合され得る。哺乳動物細胞が製造されたプロコラーゲンの翻訳後修飾に適した酵素群を供給することができない場合には、上記トランスジェニック動物は、上記酵素群のための発現系を有するよう改良される必要があろう。上記発現系の構築は、プロコラーゲン遺伝子発現のために本書面に記載されたのと同様である。翻訳後酵素の発現系は、要求されるコラーゲン産物の発現系と共にトランスジェニック動物に供給される。ミルク内の発現のためのプロモーターの選択は、α−S1−カゼインの5'及び3'制御配列のような好ましくはミルク特異的な蛋白質の一つからであろう。上記制御配列は、ヒトラクトフェリンcDNAに融合され、α-S1-カゼインプロモーター、及びヒトラクトフェリン遺伝子のシグナル配列を用いる構成物を供給するものとなろう。ヒツジのミルク内において外来蛋白質を発現するのに用いられる他の構成物は、ヒトアンチトリプシン遺伝子フラグメントに融合されたヒツジβ-ラクトグロブリン(lactoglobin)プロモーターを含む(Wright et al., Biotechnology (1991) 9 :830-833)。用いられる第三のプロモーターはヒト組織プラスミノーゲンアクティベーターの改良型としてcDNAに融合された乳清酸プロモーターであり(Ebert et al., Biotechnol ogy (1991) 9 :835-838)、ヒツジ内でミルクヒト組織プラスミノーゲンアクティベーターが発現されるトランスジェニックヒツジを作成するのに用いられる。上記遺伝子の配列は、正確な翻訳開始部位を含む機能的な遺伝子がmRNA内において保護されるように選択された、利用可能な特定の制限エンドヌクレアーゼ部位を調べられる。哺乳動物細胞内の翻訳後酵素を供給することが要求される場合、最も重要な候補は、プロリルヒドロキシラーゼ及び蛋白質ジスルフィドイソメラーゼであると考えられている。ヒヨコのプロリルヒドロキシラーゼのα−サブユニットの遺伝子は、まだ完全に単離されていないが、50kb程度の大きさであることが知られている(RABerg,unpublished information)。完全な遺伝子は、Col1A1遺伝子及び蛋白質ジスルフィドイソメラーゼの遺伝子でなされたように、ヒトゲノムコスミドライブラリーから得られるであろうことが予期される。ヒヨコα−サブユニット(Bassuk et al., Proc.Natl.Acad.Sci USA(1989) 86 :7382-7386)及びヒトα−サブユニット(Helaakoski,T., Pr oc. Natl. Acad. Sci USA(1989) 86 :4392-4396)のcDNAが記載されている。上記遺伝子はまだ入手可能でないが、プロリルヒドロキシラーゼのヒトα−サブユニットのcDNAは、トランスジェニック動物内へ導入するためのDNA構成物を製造するためにミルク特異的な蛋白質のプロモーターに融合され得る。これらの系を用いて、ヒトコラーゲン又はヒトプロコラーゲンをミルク内に分泌する動物が得られる。要求されるプロコラーゲン鎖をコードする遺伝子は、α S1カゼイン遺伝子、β−ラクトアルブミン又はα−ラクトアルブミン遺伝子、 β−ラクトグロブリン又はラクトフェリン遺伝子と結合した制御遺伝子のような、哺乳動物種の哺乳動物細胞内で機能するのに適した制御配列と結合される。 5 '及び3'の両方の制御配列を使用することができる。要求される翻訳後酵素をコードする遺伝子は、哺乳動物細胞特異的制御配列を用いて、発現系内に同様に構築される。その結果である発現系は、例えば、米国特許第4,873,191号で開示される技術のように、顕微注射され使用される。前記発現系構成物は、PCR又はクローニングによって増幅され、アガロースゲル電気泳動により精製される。電気溶離後、1-10μg/mlに調製されるよう濃縮が行われ、ウシや他の動物から新たに取り出された卵巣から得られる卵母細胞内に顕微注射される。上記卵母細胞は、ろ胞から吸引され、ヘパリンで受精前変化を起こされた(capacitated)解凍された凍結精子との受精に先んじて沈降し、動き得る画分を単離するためにパーコール勾配によって前分離される。受精した卵母細胞は、例えば15,000×gで8分間、遠心分離され、注入するための前核(pronuclei)を目で見える状態にし、その後、卵管の組織に調製された培養液内で、接合体から桑実胚又は胚盤胞の段階まで培養される。上記培養液は、卵管から取り出された内腔組織を用いて作製され、培養液中に希釈される。上記接合体は、顕微注射の後、2時間培養液中に静置しなければならない。その後、コプロスタノールを与えることにより、ウシのような意図された受容哺乳動物内で、発情が同調される。発情は2日で発生され、発情後5〜7日に、 胚が受容個体に移される。成功した遺伝子導入(transfer)を、サザンブロットにより、その子において評価することができる。 Col1A1遺伝子の発現に影響を及ぼす前記系を利用することにより、例えば、その子は、Col1A1遺伝子から誘導されたプローブを用いたサザンハイブリッド形成によって、Col1AI遺伝子の存在を評価することができる。あるいは、要求される構成物は、胚幹細胞(ES細胞)、及びトランスジーンによって確実に改良されるよう培養された細胞内に導入され得る。上記改良された細胞は、その後、胚芽期の胞胚に注入され、その胞胚は、擬似妊娠した宿主内に戻される。その結果得られるトランスジェニック動物は、ES及び宿主細胞という点でキメラであり、排他的にESの子孫の細胞からなる非キメラ株を、従来の交雑育種によって得ることができる。この技術は、例えば、1991年7月25日に公開されたPCT国際公開W091/10741に記載されている。要求されるミルク内のプロコラーゲン又はコラーゲンの製造のために、プロコラーゲン遺伝子及び翻訳後酵素コーディング遺伝子の両方の発現系が、トランスジェニック動物内に存在しなければならない。これを達成するためには幾つかの方法がある。まず第一に、哺乳動物宿主は、予め乳腺の上皮細胞内に翻訳後酵素を要求されるレベルだけ製造することができる。あるいは、卵内に顕微注射される、又はE S細胞内に移植される前記構成物は、同様に構築される発現系、例えばプロリルヒドロキシラーゼ及び蛋白質ジスルフィドイソメラーゼの発現系に伴う要求されるプロコラーゲン遺伝子発現系の混合物を含み得る。その後、成功したミルク内でのコラーゲンの製造を、アンチプロコラーゲン抗体を用いるか、ミルクのヒドロキシプロリンのレベルの解析によるか、又はプロリルヒドロキシラーゼの活性の結果としてのコラーゲン内の特有のアミノ酸を見つけることによって決定することができる。他の異った方法において、プロコラーゲン遺伝子の発現系及び他のいかなる要求される翻訳後酵素コーディング遺伝子の発現系をも、受精した卵の様々な群内に注入されるか、又はES細胞の様々な群内に移入され、そして、プロコラーゲン又はコラーゲン遺伝子、及び翻訳後酵素コーデイング遺伝子それぞれを発現することができるトランスジェニック動物を開発するために、上述のように別個に用いることができる。上記トランスジェニック動物は、その後、交雑育種させることができ、その子は上記系の両方を発現する能力を評価され得る。上記トランスジェニック動物の子の少なくとも幾つかは、コラーゲン産物及び翻訳後酵素産物の両方を製造する能力を有するであろう。更なる他の試みにおいて、受精した卵又はES細胞を、プロコラーゲン遺伝子又は翻訳後酵素コーディング遺伝子の一つ又はその他を発現する能力を有するよう予め改良されたトランスジェニック動物から作製することができる。その後、全ての要求される構成要素の発現系を含むトランスジェニック動物に改良するために、トランスジェニック動物内に欠いている蛋白質の発現系を、上記卵は顕微注射されるか、又はES細胞は移入され得る。同様に、一つの要求される遺伝子について予め改良されたトランスジェニック動物を、改良されたES細胞が中に植え付けられた胞胚のソースとして用いることができる。更に、キメラ動物は、結果として、全ての要求される蛋白質の遺伝子を有する子を得るために交雑育種に用いられ得るものとなるであろう。前述の両方の特定の翻訳後酵素の発現系は、必要であれば、本質的に同時に供給されなければならないということに注意する必要があろう。なぜなら、これらの酵素は四量体蛋白質として協同で機能する、即ち、上述のようにプロリルヒドロキシラーゼの2つのα−サブユニットはそれが活性状態となるために蛋白質ジスルフィドイソメラーゼと結合していなければならないからである。適したトランスジェニック哺乳動物を前述のいずれかの方法を用いても得ることができたとき、プロコラーゲン又はコラーゲンがミルク内に分泌される。トランスジェニック動物のプロコラーゲン又はコラーゲン産物は、供給された発現系内のプロコラーゲン遺伝子の性質により決定されるであろう。ホモトリプレックスにおいては、単一の遺伝子のみが挿入される。典型的なI型ヒトコラーゲンのようなヘテロトリプレックスの製造においては、Col1A1及びCol1A2遺伝子の両方が最初の顕微注射において利用されるか、又は、ヒトCol1A1をトランスジェニックされた動物が、ヒトCol1 A2をトランスジェニックされた動物と交雑育種されるか、いずれでもよい。 III 型コラーゲン遺伝子Col3A1は、トランスジェニック動物を作製するのに用いることができ、一つのコラーゲンポリペプチド鎖のみが要求されるので、同様にすればよい。前記発現系において供給されるプロコラーゲン遺伝子において、もしコラーゲンに転化するために要求される蛋白質分解酵素が欠乏しているならば、プロコラーゲンがミルク内に分泌される。これらの蛋白質分解酵素が分泌上皮細胞に欠乏しており、組換え系によって供給されない限りにおいて、プロコラーゲンがミルク内に分泌され、コラーゲン自身に用いられるであろう手順と同様の方式で回収され得る。精製前又は精製後において、当該技術において公知であるようなプロシークエンスを切断するための特異的な蛋白質分解酵素を用いて、上記プロコラーゲンを転化することもできる。他方、もし蛋白質分解酵素が細胞内に先天的に存在するか、又は組換え系によって供給されるのであれば、コラーゲンが直接分泌されるであろう。これらの酵素のレベルによっては、プロコラーゲンとコラーゲンの混合物をミルク内に得ることができる。必要とされれば、全ての適切な分子をコラーゲン自身に転化するための、蛋白質分解酵素で上記ミルクを処理する事によって、そのミルクを転化することができる。上述のように、所定の型のヒトコラーゲンの従来における調製は、これらの材料の類似性による点、及びそれ自身のゲノムによってコードされているコラーゲンを製造するのに従来から用いられるネイティブ又は他の組換え細胞の能力の点において、常に他の型のコラーゲンの存在により汚されている。本発明の方法を用いることにより、同時に発現される他の型のコラーゲン又はプロコラーゲンを含まない、与えられた型のコラーゲン又はプロコラーゲンを得ることが可能である。ミルクからのコラーゲン又はプロコラーゲンの精製は、それらの特性の溶解度及び化学的性質を用いてなされる。例えば、ミルクを酸性化することにより、カゼインのようなミルク特異的蛋白質を沈澱させてコラーゲン又はプロコラーゲンを液内に残留せしめることができよう。このコラーゲン又はプロコラーゲンは、 塩、アルコール、又はプロピレングリコールの添加によって、酸性溶液から沈澱できよう(Miller,E.J. and Rhodes,R.K., Methods in Enzymology (1982) 82 :33-64;Sage,H.and Bernstein,P., ibid .,96-127)。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 B 8615−4C C07K 14/78 8318−4H C12N 5/10 15/09 C12P 21/02 C 9282−4B

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