Novel dna sequence

申请号 JP50138694 申请日 1993-06-09 公开(公告)号 JP4231105B2 公开(公告)日 2009-02-25
申请人 アレクシス・アクチエボラーグArexis Ab; 发明人 エネルベツク,クルト・スヴエン・マグヌス; カールソン,ペーテル・ニルス・イーヴアル; トヨルネル,ヤーン・ビルイエル・フレードリク; ニルソン,ジーネツト・アンニカ; ハンソン,ステイーグ・レンナート; ビユウルセル,カール・グンナー; リードベルイ,ウルフ・フレードリク・ポントウス;
摘要
权利要求
  • ヒトBSSL/CELをコードする配列表の配列番号:1のDNA分子。
  • イントロン配列を含み、請求項1に記載のDNAと緊縮ハイブリッド形成条件下でハイブリッド形成し、配列表の配列番号:1のDNA分子と機能的に同等な、ヒトBSSL/CELをコードするDNA分子。
  • ヒトBSSL/CELをコードする請求項1または2に記載のDNA分子を担持しそして該DNA分子の発現を媒介できる複製可能な発現ベクター。
  • さらに、非ヒト(ヒト以外の)哺乳動物の乳腺に対し発現を指令する調節要素を含む請求項3記載のベクター。
  • ベクターpS452(DSM7499)である請求項3記載のベクター。
  • 請求項3〜5のいずれかに記載のベクターを取り込んだ多細胞生物に由来する細胞。
  • (a)請求項1または2に記載のDNA分子を特定の宿主細胞中で複製できるベクターに挿入し;(b)得られた組換えベクターを宿主細胞に導入し;(c)得られた細胞をポリペプチド発現のための培地中または培地上で増殖させ;そして(d)そのポリペプチドを回収すること、より成るヒトBSSL/CELの生産方法。
  • 請求項1または2に記載のDNA分子を非ヒト哺乳動物の乳タンパク質遺伝子を調節する遺伝子に挿入することにより作られるハイブリッド遺伝子。
  • 請求項8記載のハイブリッド遺伝子を、該ハイブリッド遺伝子を取り込んだ非ヒト哺乳動物の成熟雌の乳腺中でヒトBSSL/CELを産生するように発現させる方法。
  • 請求項8記載のハイブリッド遺伝子が発現したときにヒトBSSL/CELを乳腺中で産生するように該ハイブリッド遺伝子を取り込んだ非ヒト哺乳動物細胞。
  • 胚細胞である請求項10記載の非ヒト哺乳動物細胞。
  • (a)請求項8記載のハイブリッド遺伝子が発現したときに乳腺中でヒトBSSL/CELを産生するように該ハイブリッド遺伝子を非ヒト哺乳動物の受精卵または胚の細胞に導入し、(b)前記受精卵または胚をその非ヒト哺乳動物の生殖系列に移植し、そして(c)前記受精卵または胚を成熟雌性非ヒト哺乳動物に発生させること、より成るヒトBSSL/CELを乳腺中で発現できるトランスジェニック非ヒト哺乳動物の作出方法。
  • マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタおよびウシより成る群より選択される、請求項12記載の方法により作出されたトランスジェニック非ヒト哺乳動物。
  • 請求項13に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物のF−1。
  • 说明书全文

    技術分野本発明はイントロン配列を含み、そして作用部位に応じて胆汁酸塩刺激リパーゼ(Bile Salt-Stimulated Lipase(BSSL))またはカルボキシルエステルリパーゼ(Carboxyl Ester Lipase(CEL))と呼ばれるヒトタンパク質をコードするDNA分子に関する。 そのDNA分子は、好ましくはトランスジェニック非ヒト(すなわちヒト以外の)哺乳動物での生産による組換えヒトBSSL/CELの生産に有利に用いられる。 その組換えヒトBSSL/CELは人乳代用品として乳児に授乳するための特殊調整粉乳(infant formula)の一成分として、あるいは例えば脂肪吸収不全、嚢胞性線維症および慢性膵炎などに対する医薬の製造に用いることができる。
    発明の背景
    食物脂質の加分解
    食物脂質は重要なエネルギー源である。 高エネルギートリアシルグリセロールはこれらの脂質の95%以上を構成する。 一部の脂質、例えばある種の脂肪酸と脂溶性ビタミンは必須食物成分である。 胃腸管吸収の前に、それらトリアシルグリセロールおよびマイナー成分、すなわちエステル化脂溶性ビタミンとコレステロール、およびジアシルホスファチジルグリセロールはエステル結合が加水分解される必要があり、それによってより疎水性の低い、吸収性のよい生成物が得られる。 これらの反応はリパーゼと呼ばれる特定の酵素群によって触媒される。
    大人の場合に関与する必須リパーゼは、胃リパーゼ、膵コリパーゼ依存性リパーゼ(トリ-およびジアシルグリセロールの加水分解)、膵ホスホリパーゼA2(ジアシルホスファチジルグリセロールの加水分解)およびカルボン酸エステルリパーゼ(CEL)(コレステリル-および脂溶性ビタミンエステルの加水分解)であると考えられる。 母乳保育新生児では、胆汁酸塩刺激リパーゼ(BSSL)が前述の脂質のいくつかについての加水分解に重要な役割を演じている。 胆汁酸塩と共に脂質消化生成物は混合ミセルを形成し、それがもとで吸収が生じる。
    胆汁酸塩刺激リパーゼ
    人間の泌乳乳腺は、一次胆汁酸塩による特異的活性化の後母乳保育児の内生的な腸内脂肪消化能に寄与する胆汁酸塩刺激リパーゼ(BSSL)を合成しかつ乳と共に分泌する

    全乳タンパク質の約1%にあたる


    この酵素は乳と共に胃を通過する間分解されることはなく、また十二指腸内容物中では胆汁酸塩によって、トリプシンやキモトリプシンなどの膵プロテアーゼによる不活性化から保護される。 しかしながらそれは乳を低温殺菌する、例えば62.5℃、30分間加熱すると不活性化する


    試験管内モデル実験は、BSSLが共存するとトリアシルグリセロール消化の最終生成物が異なることを示唆している


    新生児期にあっては管腔内胆汁酸塩濃度が比較的低いため、このことは生成物吸収にとって有益であり得る。


    カルボン酸エステルリパーゼ


    ヒト膵液のカルボン酸エステルリパーゼ(CEL)(Lombardo et al., 1978)は機能的にはBSSLと同一かまたは少なくとも酷似している


    それらはまた共通エピトープを共有し、同一のN-末端アミノ酸配列を有し(Abouakil et al.,1988)、そしてセリンエステラーゼ例えばエゼリンやジイソプロピルフルオロホスフェートなどの阻害剤により阻害される。 最近いくつかの研究室の研究で、乳リパーゼおよび膵リパーゼの双方からのcDNA構造が確認されているところ(Baba et al., 1991;Hui et al.,1991;Nilsson et al., 1990;Reue et al., 1991)、その結論は、乳酵素と膵酵素とが同じ遺伝子の産生物(本出願ではCEL遺伝子、EC 3.1.1.1と呼ぶ)であるというものである。 CEL遺伝子のcDNA配列および推測されるアミノ酸配列は、WO 91/15234(Oklahoma Medical Research Foundation)およびWO 91/18923(Aktiebolaget Astra)に記載されている。


    従ってCELは、BSSLと同一であると推定され、またCEL遺伝子によりコードされるポリペプチドは本発明の文脈ではBSSL/CELと称される。


    脂質吸収不全


    脂質吸収不全の、従って栄養不良の、共通的原因は、膵コリパーゼ依存性リパーゼおよび/または胆汁酸塩の管腔内レベルの低下である。 このようなリパーゼ欠乏の典型例は、患者の80%において生涯欠乏をもたらす一般的遺伝病である嚢胞性線維症患者、およびしばしば慢性アルコール中毒症によるところの、慢性膵炎患者である。


    膵リパーゼ欠乏症患者の現行治療は、極めて多い用量のブタ膵酵素の粗製調製物を経口投与する方法である。 しかしながら、コリパーゼ依存性膵リパーゼは胃内に広がる低pHにより失活する。 この作用は大量の酵素を用いても完全には克服し得ない。 従って大量投与は大抵の患者にとって不十分である上に、それら調製物は純粋でなくまた口あたりが悪い。


    胃の酸性域は通過して空腸の比較的アルカリ性の環境においてのみ酵素を放出するある種の錠剤が組成されている。 しかしながら、多くの膵疾患患者は、異常酸性空腸を有し、そしてそのような場合には、錠剤が酵素を放出し得なくなることがある。


    さらに、現在上市されている調製物は人間以外の給源のものであるため、患者に有害な作用を生じかねない、あるいは治療効率低下を招きかねない免疫反応のリスクがある。 現在の調製物についてのもう一つの短所は、コリパーゼ依存性リパーゼ以外の脂肪分解活性含量について述べられていない点である。 実際、それらの大抵のものは極めて低レベルのBSSL/CEL活性を含んでいる。 補給療法にも拘わらず嚢胞性線維症を罹う患者が脂溶性ビタミンおよび必須脂肪酸の欠乏症を罹うのは、このことが一つの理由であり得る。


    従って、ヒトリパーゼに由来する性質および構造を有すると共に広い基質特異性を有し、また、一種または数種の膵脂肪分解酵素の欠乏症を罹う患者に経口投与できる製品が大いに必要とされている。 本発明を用いることにより導くことのできる製品は、それ自体で、あるいは他のリパーゼを含有する調製物との組み合せでこのニーズを充足する。


    特殊調整粉乳


    人乳保育の方が特殊調整粉乳より乳児にとって優れていると考えられていることはよく知られている。 人乳はバランスよく栄養素を給するだけでなく乳児による消化が容易である。 すなわち、乳児において生理学的機能を有することが知られているいくつかの生物活性成分は、感染防御に関与する成分および人乳由来栄養素摂取を容易にする成分を含め、人乳の一成分であるかまたはその消化中に生産されるものである。


    特殊調整粉乳調製に多大の努が払われているにも拘わらず、人乳の有益な性質を実質的な程度に有する粉乳の生産は可能になっていない。 すなわち、しばしば乳に基づいて調製される特殊調整粉乳は一般に、乳児により不完全に消化され、また乳児の生理学的機能に対する作用を有していることが知られている物質を欠いている。 人乳に似た栄養価の特殊調整粉乳を得るために、人乳の乳児消化の際に通常形成されまたは摂取されるタンパク質断片、ビタミン、無機質などを含む多くの添加物が特殊調整粉乳に含められるが、その結果、肝臓および腎臓などといった重要臓器に対する緊張が高まりまた長期的には障害を生じる可能性があるという危険が伴う。 牛乳ベース粉乳の使用に伴うもう一つの短所は乳児にウシタンパク質に対するアレルギーを誘発する危険が高まる点である。


    牛乳ベースの特殊調整粉乳の代替品として、いわゆる乳銀行(milk bank)から入手できる人乳が用いられている。 しかしながら、乳銀行からの人乳による新生児授乳は、人乳中にはHIVおよびCMVなどの感染体が存在する怖れがあるために近年段々と避けられるようになってきている。 人乳中の感染体を破壊するために、使用前にその人乳を低温殺菌することが必要となっている。 しかしながら、低温殺菌によって乳成分の栄養価および生物学的作用が低下してしまい、例えば前述の如くBSSLは失活してしまう。


    特殊調整粉乳へのリパーゼ添加


    出生時には、特に顕著には早産した乳児では、膵臓および肝臓機能が十分には発達していない。 生理学的理由から、脂肪吸収不全は共通所見であり、管腔内の膵コリパーゼ依存性リパーゼと胆汁酸塩濃度とが低下することからくるものと考えられている。 しかしながら、BSSLの故に、母乳保育児の方が低温殺菌人乳または特殊調整粉乳保育児よりもかかる吸収不全の頻度ははるかに低い


    低温殺菌乳および牛乳ベース特殊調整粉乳に伴り前述の短所を避けるには、従って人乳により近い組成を持った特殊調整粉乳、すなわち、人乳タンパク質より成る粉乳を調製するのが望ましい。


    BSSL/CELはいくつかのユニークな性質を有しているために特殊調整粉乳の補給に理想的に適している:


    ・それはもともと経口投与のために設計されている。 従ってそれは胃通過中は抵抗的であるが小腸内容物中で活性化される。


    ・その特異的活性化メカニズムは、貯蔵中およびその作用部位への通過中に食物または組織脂質の有害な脂肪分解が起こることを妨げるはずである。


    ・その広い基質特異性のために、それは独自で、脂溶性ビタミンエステルを含む大部分の食物脂質の完全消化を媒介する可能性を有している。


    ・BSSL/CELは、長鎖ポリ不飽和脂肪酸を含むエステル結合を加水分解するのに膵コリパーゼ依存性リパーゼよりも優れている可能性がある。


    ・胃リパーゼが存在する場合、およびコリパーゼ依存性リパーゼが存在しないかまたは低レベルである場合、たとえ新生児におけるように胆汁酸塩レベルが低くても、BSSL/CELは試験管内で完全トリアシルグリセロール消化を確実なものとすることができる。 BSSL/CELの存在下では、トリアシルグリセロール消化の最終生成物は、他の二種類のリパーゼにより生成する遊離脂肪酸とモノアシルグリセロールではなくて遊離脂肪酸と遊離グリセロールとなる


    このことは、特に管腔内胆汁酸塩レベルが低い場合に、生成物吸収に有利に働き得る。


    しかしながら、特殊調整粉乳の補足のためにBSSL/CELを利用するには、大量の生産物へのアクセスが必要となる。 人乳タンパク質は直接人乳から精製してもよいが、大規模粉乳生産に必要な大量を得るにはこれは、現実的で十分経済的な方法ではなく、従って人乳タンパク質より成る特殊調整粉乳を調製し得るようにするには他の方法を開発する必要がある。 本発明はそのようなBSSL/CELを大量に調製する方法を提供する。


    トランスジェニック動物乳でのタンパク質生産


    薬理活性タンパク質をコードする遺伝子を単離すれば、異種の系でかかるタンパク質をより安価に生産できるようになった。 魅力ある乳タンパク質発現系はトランスジェニック動物である(総括文献としてはHennighausen et al., 1990参照)。 例えばトランスジェニック動物技術から導かれる胆汁酸塩活性化リパーゼより成る食物組成物がEP 317,355(Oklahoma Medical Research Foundation)に記載されている。


    トランスジェニック動物においては、タンパク質コーディング配列は、cDNAとして、あるいはゲノム配列として導入することができる。 トランスジェニック動物における調節された遺伝子発現にはイントロンが必要となり得るので(Brinster et al., 1988;Whitelaw et al., 1991)、多くの場合に、cDNA型でなくゲノム型の構造遺伝子を用いるのが好ましい。 WO 90/05188(Pharmaceutical Proteins Limited)は、タンパク質をコードする遺伝子中に天然に存在するイントロンのうちの少なくとも一つ(全部ではない)を含んで成るタンパク質コーディングDNAをトランスジェニック動物に用いることを記載している。


    発明の目的本発明の一つの目的は、低温殺菌乳およびウシタンパク質に基づく粉乳に伴う短所を避けるために、特殊調整粉乳に用いるための組換えヒトBSSL/CELを高収量かつ現実的価格で生産するための手段を提供することにある。


    発明の簡単な説明本発明のこの目的はヒトCEL遺伝子のクローン化および配列決定することにより達成された。 BSSL/CELの収率向上のために、ヒトCEL遺伝子の既知のcDNA配列に代えてイントロン配列を含有するDNA分子を得、これをトランスジェニック非ヒト哺乳動物におけるヒトBSSL/CEL生産に用いた。


    従って、一つの観点において、本発明は、配列表に配列番号:1として示されているDNA分子、または配列表に配列番号:1として示されているDNA分子またはその特定部分と緊縮(ストリンジェント)ハイブリッド形成条件下にハイブリッド形成する前記DNA分子の類縁体に関する。


    ヒトBSSL/CEL DNA分子の単離に用いられる手順は後述の実施例に概説されている。


    前述の緊縮ハイブリッド形成条件は、その通常の意味あいにおいて、すなわち、ハイブリッド形成がSambrock et al.(1989)などの普通の実験室マニュアルに従って行われるものとして理解されるべきである。


    もう一つの観点において、本発明は、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列を非ヒト哺乳動物の乳タンパク質をコードする遺伝子中に挿入して、そのハイブリッド遺伝子が発現したときにヒトBSSL/CELが産生されるようにそのハイブリッド遺伝子を取り込んだ哺乳動物の成熟雌の乳腺で発現できるハイブリッド遺伝子を形成して成る哺乳動物発現系を提供する。


    更にもう一つの観点では、本発明は、前記定義に係る哺乳動物発現系を哺乳動物の受精卵または胚細胞中に注入してその発現系をその哺乳動物の生殖系列に取り込みそして得られた注入受精卵または胚を成熟雌哺乳動物に発生させることにより成る、ヒトBSSL/CELを発現できるトランスジェニック非ヒト哺乳動物の生産方法に関する。


    発明の詳細な説明配列表に配列番号:1として示される全長が11531bpであるDNA分子は次の特徴を有する:


    本発明の文脈において、「遺伝子」という用語はポリペプチド鎖の生産に関与する、そしてコーディング領域に先行しまた後続する領域(5′-上流および3′-下流配列)および個々のコーディングセグメント(いわゆるエキソン)間、または5′-上流または3′-下流領域に配された介在配列、いわゆるイントロン、を包含するDNA配列を示すのに用いられる。 5′-上流領域は遺伝子の発現を調節する調節配列、典型的にはプロモーター、を含む。 3′-下流領域は、遺伝子の転写停止に関与する配列および所望により転写物のポリアデニル化を担う配列および3′非翻訳領域を含む。


    ここに説明する本発明のDNA分子は、天然および合成のDNA配列を含んでよく、天然配列は典型的には、例えば後述のとおり、通常哺乳動物起源のゲノムDNAから直接導かれる。 合成配列はDNA分子を合成的に調製するための常法により調製することができる。 DNA配列は更に、混合ゲノムおよび合成起源のものであってよい。


    もう一つの観点において、本発明は、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列を担持しそして該配列の発現を媒介できる複製可能な発現ベクターに関する。


    本発明の文脈において、「複製可能な」という用語は、そのベクターが導入された所与のタイプの宿主細胞中で複製できることを意味している。 ヒトBSSL/CEL DNA配列のすぐ上流には、シグナルペプチドをコードする配列を配してもよく、その存在によりベクターを取り込んだ宿主細胞により発現されたヒトBSSL/CEL分泌が確実なものとなる。 シグナル配列は、ヒトBSSL/CEL DNA配列と天然に関連したものであっても、あるいはその他の起源のものであってもよい。


    ベクターは、組換えDNA法に都合よく付すことのできるいずれのベクターであってよく、またベクターの選択はしばしばそれを導入しようとする宿主細胞に依存する。 すなわち、ベクターは、自律的に複製するベクター、すなわち、染色体外物として存在しその複製が染色体複製とは独立しているベクターであってよく、かかるベクターの例はプラスミド、ファージ、コスミド、ミニ-クロモゾームまたはウイルスである。 あるいはまた、ベクターは、宿主細胞に導入されると宿主細胞ゲノムに統合され、そしてその一体化された染色体(1本または複数本)と共に複製されるものであってもよい。 適切なベクターの例は細菌発現ベクターおよび酵母発現ベクターである。 本発明のベクターは前記定義に係る本発明のDNA分子のいずれのものを有していてもよい。


    本発明は更に、前記定義に係る複製可能な発現ベクターを取り込んだ細胞に関する。 原則としてこの細胞はいずれのタイプの細胞であってもよく、すなわち、原核細胞、単細胞真核生物、または多細胞生物例えば哺乳動物に由来する細胞であってよい。 哺乳動物細胞は特に目的に適しているところ、更に後述する。


    もう一つの重要な観点において、本発明は、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列を特定の宿主細胞中で複製できるベクターに挿入し、得られた組換えベクターを、ヒトBSSL/CELの発現に適した条件下に適切な培地中または上で増殖される宿主細胞に導入し、そしてヒトBSSL/CELを回収することより成る組換えヒトBSSL/CELの生産方法に関する。


    細胞増殖に用いる培地は目的に適したいずれの慣用の培地であってもよい。 適切なベクターは、前述のいずれのベクターであってもよく、また適切な宿主細胞は前掲のいずれの細胞タイプであってもよい。 ベクターの構築およびその宿主細胞への導入に用いる方法は、組換えDNA分野においてかかる目的に対して知られたいずれの方法であってもよい。 細胞により発現された組換えヒトBSSL/CELは、細胞のタイプおよびベクターの組成に依存して、分泌させる、すなわち細胞膜を通して輸送させることができる。


    ヒトBSSL/CELが組換え宿主により細胞内に生産される。 すなわち細胞によって分泌されない場合、それは、機械的手段、例えば音波またはホモジナイゼーション、または酵素的または化学的手段により細胞を破砕し次いで精製することより成る標準的方法により回収することができる。 分泌されるようにするには、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列にシグナルペプチドをコードする配列を先行させるべきであり、その存在により細胞からのヒトBSSL/CEL分泌が確実となるため、発現されたヒトBSSL/CELの有意割合が培地中に分泌され回収される。


    現時点で好ましい、本発明による組換えヒトBSSL/CELの生産方法は、ヒトBSSL/CELを乳中に分泌できるトランスジェニック非ヒト哺乳動物を用いた方法である。 トランスジェニック非ヒト哺乳動物の使用には、高収量の組換えヒトBSSL/CELを妥当なコストで入手できるという長所があり、そして特に非ヒト哺乳動物が雌牛である場合には組換えヒトBSSL/CELが例えば特殊調製粉乳の普通成分である乳中に生産されるために、組換えヒトBSSL/CELを乳ベース製品中の補足栄養素として用いようとする場合に大した精製が必要とならないという長所がある。 更にまた、非ヒト哺乳動物などの高等生物中で生産すると、例えば前述の如き翻訳後プロセシングや適切な折りたたみに関し、哺乳動物タンパク質のプロセシングが正しく行われるようになる。 更にまた、大量の実質的に純粋なヒトBSSL/CELを得ることができる。


    従って、更にもう一つの重要な観点において、本発明はヒトBSSL/CELをコードするDNA配列を非ヒト哺乳動物の乳タンパク質をコードする遺伝子中に挿入して、そのハイブリッド遺伝子を取り込んだ哺乳動物の成熟雌の乳腺で発現できるハイブリッド遺伝子を形成して成る哺乳動物発現系に関する。


    ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列は、好ましくは、配列表中に配列番号:1として示されているようなDNA配列、またはゲノムヒトBSSL/CEL遺伝子またはその類縁体である。


    発現組織としての乳腺および乳タンパク質をコードする遺伝子は、乳タンパク質が天然に乳腺で高発現レベルで生産されることから、一般に、トランスジェニック非ヒト哺乳動物での異種タンパク質生産に用いるのに特に適していると考えられる。 更に、乳は集め易く、また大量に入手できる。 この関連では、組換えヒトBSSL/CEL生産への乳タンパク質遺伝子の使用には、それが、発現および産生場所(乳腺)の調節の面で、その天然の産生条件に似た条件下で生産されるという、もう一つの長所がある。


    本発明の文脈において、「ハイブリッド遺伝子」という用語は一つは前記定義に係るヒトBSSL/CELをコードするDNA配列ともう一つはハイブリッド遺伝子産物の発現を媒介できる乳タンパク質遺伝子のDNA配列とより成るDNA配列を表わしている。 「乳タンパク質をコードする遺伝子」という用語は、遺伝子全体、およびハイブリッド遺伝子の発現を媒介できかつ目的組織、すなわち乳腺、に標的を定めることができるその亜配列(subsequence)を示す。 通常、前記亜配列は、一以上のプロモーター領域、転写開始部位、3′および5′非コーディング領域および構造配列を少なくとも取り込んだものである。 ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列は、例えばそのクローン化後にDNA配列と関係付けられている可能性のあるベクター配列などの原核配列を実質的に含んでいないのが好ましい。


    ハイブリッド遺伝子は、好ましくは、試験管内でヒトBSSL/CELをコードするDNA配列を当該技術分野において知られた方法を用いることにより乳タンパク質遺伝子に挿入することによって形成される。 あるいはまた、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列は、相同組換えにより生体内で挿入することができる。


    通常、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列は、選択した乳タンパク質の第一エキソンの一つ、あるいは第一エキソンと好ましくは調節上重要であると思われる実質的部分の5′フランキング配列とより成るその有効亜配列に挿入されることになる。


    ハイブリッド遺伝子は、好ましくは、ハイブリッド遺伝子産生物が乳腺中に正しく分泌され得るようにシグナルペプチドをコードする配列を含む。 シグナルペプチドは、典型的には、当該乳タンパク質遺伝子に普通にあるもの、あるいはヒトBSSL/CELをコードするDNA配列と関係するものである。 しかしながら、ハイブリッド遺伝子産生物の乳腺への分泌を媒介できるその他のシグナル配列も適している。 もちろん、ハイブリッド遺伝子の様々な要素は、遺伝子産生物の正しい発現とプロセシングが可能となるような仕方で融合されるべきである。 従って通常、選択したシグナルペプチドをコードするDNA配列は、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列のN-末端部に正しく融合されるべきである。 ハイブリッド遺伝子において、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列は、通常、その停止コドンを含むが、それ自体のメッセージクリーバンス(message cleavance)およびポリアデニル化部位は含まない。 ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列の下流には通常、乳タンパク質遺伝子のmRNAプロセシング配列が保持される。


    多くの要因が、特定のハイブリッド遺伝子の実際の発現レベルを担っていると考えられる。 プロモーターのおよび前述の如き他の調節配列の能力、哺乳動物のゲノムにおける発現系の一体化部位、乳タンパク質をコードする遺伝子におけるヒトBSSL/CELをコードするDNA配列の一体化部位、転写後調節を担う要素およびその他の同様の要因が得られる発現レベルに極めて重要であり得る。 当業者であれば、ハイブリッド遺伝子の発現レベルに影響する各種要因に関する知識に基づいて、本発明の目的に有用な発現系の設計の仕方はわかるであろう。


    様々に異なる乳タンパク質が乳腺により分泌される。 乳タンパク質には主に二つのグループ、すなわちカゼインと乳清タンパク質、が存在する。 異なる生物種からの乳の組成は、これらのタンパク質に関し、質的にも量的にも異なっている。 大部分の非ヒト哺乳動物は、異なる三つのタイプのカゼイン、すなわちα-カゼイン、β-カゼインおよびκ-カゼイン、を生産する。 最も共通的なウシ乳清タンパク質はα-ラクトアルブミンおよびβ-ラクトアルブミンである。 様々な起源の乳の組成はClark et al.(1987)に更に開示されている。


    使用すべき乳タンパク質遺伝子は発現系を挿入しようとしているものと同じ生物種に由来するものであってよく、あるいはそれは別の生物種に由来するものであってよい。 これに関連して、遺伝子発現の標的を乳腺に定める調節要素は生物種の境界を越えて機能を発揮する(これはあり得べき共通の祖先によるものであるかもしれない)ことが示されている(Henninghausen et al., 1990)。


    本発明の発現系の構築に使用すべき乳タンパク質をコードする適切な遺伝子またはそれらの有効亜配列は、通常、様々な哺乳動物由来の乳清タンパク質の中にみられ、例えば(好ましくはマウス由来の)乳清酸性タンパク質(Whey acidic protein(WAP))遺伝子、および(好ましくはヒツジ由来の)β-ラクトグロブリン遺伝子などである。 また、様々な起源のカゼイン遺伝子もヒトBSSL/CELのトランスジェニック(形質転換による)生産に適していると認め得る可能性があり、例えばウシαS1-カゼインおよびウサギβ-カゼインなどが例示される。 現在好ましいとされる遺伝子はマウスWAP遺伝子であるが、それは該遺伝子が様々なトランスジェニック動物の乳において多くの外来ヒトタンパク質について高レベルの発現を与えることができることが見出されているからである(Henninghausenet al., 1990)。


    本発明の発現系と好適に関係付けられるもう一つの配列は高レベル発現を媒介できるいわゆる発現安定化配列である。 かかる安定化配列が乳タンパク質遺伝子の近傍および上流に存在するとの強い示唆が存在する。


    本発明の発現系に挿入されるヒトBSSL/CELをコードするDNA配列はゲノムまたは合成由来またはそのいずれの組合せのものであってもよい。 一部の発現系については十分な発現を得るにはイントロンおよび他の調節領域が必要となることが見出されている(Henninghausen et al., 1990)。 場合によっては、ベクター構築物におけるポリペプチドをコードする要素としてcDNA要素ではなくむしろゲノム構造を導入するのが有益であり得る(Brinster et al.)。 イントロン-エキソン構造はcDNAベースのベクターを用いた場合に得られるよりも高い定常状態がmRNAレベルを与え得る。


    もう一つの観点において、本発明は、ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列を非ヒト動物の乳タンパク質をコードする遺伝子に挿入して成るハイブリッド遺伝子であって、前記DNA配列が乳タンパク質遺伝子に該ハイブリッド遺伝子を取り込んだ哺乳動物の成熟雌の乳腺において発現できるように挿入されているものに関する。 このハイブリッド遺伝子およびその構成要素は上記において詳述されている。 ハイブリッド遺伝子は、前述のような本発明の発現系の構築上、重要な中間体である。


    もう一つの観点において、本発明は前述のような発現系を取り込んだ非ヒト哺乳動物細胞に関する。 その哺乳動物細胞は、好ましくは、胚細胞または前核である。 発現系は、以下に説明されまた後記実施例に詳しく例説されるような方法を用いて、哺乳動物細胞に挿入するのが適切である。


    更にもう一つの観点において、本発明は前述の本発明の発現系を哺乳動物の受精卵または胚細胞に注入してその発現系をその哺乳動物の生殖系列に取り込みそして得られた注入受精卵または胚を成熟雌性哺乳動物に発生させることより成る、ヒトBSSL/CELを発現できるトランスジェニック非ヒト哺乳動物の作出方法に関する。


    哺乳動物の生殖系列への発現系取り込みは任意の適切な方法、例えば“Manipulating the Mouse Embryo”;A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1986に記載されているような方法を用いて行うことができる。 例えば、数百分子の発現系を選択した哺乳動物の受精卵、例えば受精した一細胞卵またはその前核、または胚に直接注入でき、次いでその微注入卵を引き続き偽妊娠養母(foster mother)の卵管に移しそして発生させる。 通常は、注入卵のすべてがヒトBSSL/CELを発現する成熟雌に発生するわけではない。 すなわち、統計的観点からは約半数の哺乳動物は雄であるが、その雄から雌を以後の世代において育種することができる。


    ヒトBSSL/CELをコードするDNA配列は、一旦、生殖系列と一体となれば、高レベルで発現でき、当該哺乳動物の安定系統において正しくプロセシングされそして機能的なヒトBSSL/CELを生産することができる。


    更に興味あることは、(a)非ヒト哺乳動物の哺乳動物BSSL/CEL発現能を破壊して実質的に哺乳動物BSSL/CELが発現されないようにし、そして前述の本発明の発現系またはヒトBSSL/CELをコードするDNA配列を前記哺乳動物の生殖系列に、該哺乳動物中でヒトBSSL/CELが発現されるように挿入し;および/または(b)前記哺乳動物BSSL/CEL遺伝子またはその部分を前述の本発明の発現系またはヒトBSSL/CELをコードするDNA配列で置換することより成る、ヒトBSSL/CELを発現できかつその哺乳動物自体からのBSSL/CELを実質的に発現できないトランスジェニック非ヒト哺乳動物の作出方法である。


    前述のBSSL/CEL発現能は、BSSL/CELの発現を担うDNA配列に突然変異を導入することにより都合よく破壊される。 かかる突然変異は、DNA配列の解読枠をはずす変異、あるいは停止コドンの導入、またはDNA配列の一以上のヌクレオチドの欠失であってよい。


    哺乳動物BSSL/CEL遺伝子またはその一部を、相同組換えの周知の原理を用いることにより、前述の発現系またはヒトBSSL/CELをコードするDNA配列で置換することができる。


    もう一つの観点において、本発明は、前述の方法により作出されたトランスジェニック非ヒト哺乳動物に関する。


    その最も広い観点における本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、いずれかの特定のタイプの哺乳動物に限定されるものではないが、その哺乳動物は、通常、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびウシより成る群より選択される。 ヒトBSSL/CELの大規模生成には、大型動物例えばヒツジ、ヤギ、ブタそして特にウシが、それらの大量乳生産故に、通常好ましい。 しかしながら、マウス、ウサギおよびラットも、これらの動物の場合の方が例えばウシを用いた場合よりも取扱いが簡単で、またトランスジェニック動物をより速やかに得られることから、対象であり得る。


    更に、ヒトBSSL/CELを生産できる前述のトランスジェニック哺乳動物の子孫も、本発明の範囲に包含される。


    もう一つの観点において、本発明は、組換えヒトBSSL/CELより成る非ヒト哺乳動物からの乳を包含する。


    更にもう一つの観点において、本発明は、組換えヒトBSSL/CEL、特に前述の本発明のポリペプチド、を含んで成る特殊調整粉乳に関する。 この特殊調整粉乳は、その組換えヒトBSSL/CELまたはポリペプチドを精製または部分精製された形で特殊調整粉乳の通常成分に添加することにより調製することができる。 しかしながら、通常、特にそれがウシ由来である場合に、特殊調整粉乳を前述の本発明の乳から調製するのが好ましい。 特殊調整粉乳は常法を用いて調製することができ、またいずれか必要な添加物、例えば無機質、ビタミンなどを含むことができる。


    実施例実施例1:CEL遺伝子のゲノム組織、配列分析および染色体局在化特に他に何も述べられていなければ、標準的分子生物学技術を用いた(Maniatic et a1., 1982;Ausubel et al., 1987;Sambrook et al., 1989)。


    ゲノム組換体の単離


    二種類の異なるヒトゲノムファージライブラリー、λDASH(Clonentech Laboratories Inc., Palo Alto,カリホルニア州、米国)およびλEMBL-3 SP6/T7(Stratagene, La Jolla,カリホルニア州、米国)を、オリゴラベリング法(Feinberg et al., 1983)により〔α-

    32 P〕dCTPで標識された様々なサブクローン化cDNA制限断片(Nilsson et al., 1990)をプローブとして用いてプラークハイブリッド形成法によりスクリーニングした。


    ゲノムクローンのマッピング、サブクローン化および配列決定


    陽性クローンを各種制限酵素で消化し、1%アガロースゲル上で電気泳動した後、ナイロン膜に真空移動させた(Pharmacia LKBBTG, Uppsala,スエーデン)。 その膜を様々なcDNAプローブとハイブリッド形成した。 それらプローブとハイブリッド形成する制限断片を等速電気泳動法


    を用いて単離した。 <800bpの、比較的小さい断片は大腸菌(E. coli)TG1を宿主細菌として用いて、M13mp188, M13mp19、M13BM20またはM13BM21ベクターに直接導入したのに対し、比較的大きい断片の方は大腸菌DH5αを宿主細菌として用いてpTZ 18RまたはpTZ 19Rベクターにサブクローン化し、そして更に消化した。 (下記実施例2に用いられるプラスミドThe plasmids, pS309, pS310およびpS451はそのようにして生産された)。 単離された断片の一部はハイブリッド形成の際のプローブとしても用いた。 すべてのヌクレオチド配列はKlenow酵素および特定オリゴヌクレオチドのM13ユニバーサル シーケンシングプライマーを用いてジデオキシ鎖停止法(Sanger et al., 1977)により決定した。 配列情報は、


    に記載されているようなソフトウエアMS-EdSeqを用いることによりオートラジオグラムから検索した。 配列は、UWGCGソフトウエアパッケージ(Devereux et al., 1984)から得られたプログラムを用いて分析した。


    プライマー延長


    グアニジウム イソチオシアネート−CsCl法(Chirgwin et al., 1979)を用いてヒト膵臓、泌乳乳腺および脂肪組織から全RNAを単離した。 プライマー延長は全RNAおよびアンチセンス26-マーオリゴヌクレオチド(5′-AGGTGAGGCCCAACACAACCAGTTGC-3′)(nt位33〜58)を用いて(Ausubel et al., 1987)に従って行った。 プライマーと20μgの全RNAとのハイブリッド形成は、30μlの0.9M NaCl、0.15M Hepes pH7.5および0.3M EDTA中、30℃で一夜行われた。 逆転写酵素を用いた延長反応の後、延長生成物を6%変性ポリアクリルアミドゲルを通しての電気泳動により分析した。


    体細胞ハイブリッド


    NIGMS Human Genetic Mutant Cell Repository(Coriell Institute for Medical Research, Camden,ニュージャージー州)から得たヒト-齧歯動物体細胞ハイブリッド系統をCEL遺伝子の染色体帰属に用いた。 胎児ヒト雄性線維芽細胞(fetal humanmale fibroblast)(IMR-91)をチミジンキナーゼ欠乏マウス細胞系統B-82と融合させてヒト-マウス体細胞ハイブリッドGM09925〜GM09940を導いた(Taggart et al., 1985; Mohandas et al., 1986)。 ハイブリッドGM10324およびGM02860はHPRTおよびAPRT欠乏マウス細胞系統A9(Callen et al., 1986)との融合から得、一方、ハイブリッドGM10611はレトロウイルスベクターSP-1感染ヒトリンパ芽球細胞系統GM07890とチャイニーズハムスター卵巣系統UV-135とをマイクロセル融合させて得た(Warburton et al., 1990)。 ハイブリッドGM10095はバランスのとれた46, X, t(X;9)(q13;34)核タイプを有する雌のリンパ球をチャイニーズハムスター細胞系統CHW1102と融合させることにより誘導した(Mohandas et al., 1979)。 細胞遺伝学的分析のほかサザンブロット分析および系内(in situ)ハイブリッド形成分析により測定されたハイブリッド系統のヒト染色体含量を表1に示す。 マウス、チャイニーズハムスターおよびヒトの親細胞系統および16ハイブリッド細胞系統から単離した高分子量DNAをEcoRI消化し、0.8%アガロースゲル中で分画しそしてナイロンフィルターに移した。 〔α-

    32 P〕dCTP-標識CEL cDNAプローブ(全長cDNA)をオリゴラベリングにより調製し(FeinbergおよびVogelstein, 1983)、そしてフィルターとハイブリッド形成させた。 それらフィルターを6×SSC/0.5%SDS中および2×SSC/0.5%SDS中で各々60分間65℃で洗浄した。


    ポリメラーゼ連鎖反応


    白血球から単離された全ヒトゲノムDNA、体細胞ハイブリッドおよび一部の陽性ゲノム組換体からのDNAおよびヒト泌乳乳腺およびヒト膵臓からの全RNAをエキソン10およびエキソン11について増幅した。 2μgのDNAを用いた。 使用したプライマーは表2に掲げる。 30サイクルのPCRを100μl容〔10mM Tris-HCl, pH8.3, 50mM KCl, 1.5mM MgCl

    2 , 200μMの各dNTP、100μg/mlゼラチン、100pmolの各プライマー1.5U Taq DNAポリメラーゼ(Perkin-Elmer Cetus, Norwalk,コネチカット州,米国)〕中で行い、そしてすべてのプライマー対についてアニーリング温度を55℃とした。 RNA配列は組合せられた相補DNA(cDNA)およびPCR法を用いることにより増幅した。 cDNAは50mM Tris-HCl、pH8.3、50mM KCl、10mM MgCl

    2 、10μg/ml BSA、1mMの各dNTP、500ngのオリゴ(dt)

    12-18 、40Uリボヌクレアーゼ阻害剤および200U逆転写酵素(MoMuLV)を含む40μlの溶液(BRL, Bethesda Research Laboratories,ニューヨーク州,米国)中の10μg全RNAから30分間42℃で合成した。 cDNAを沈殿させそして25μlのH

    2 Oに再懸濁し、これの2μlを前述のとおりに増幅した。 増幅した断片を2%アガロースゲル上で分析した。 一部の断片は更にサブクローン化しそして配列決定した。


    ヒトCEL遺伝子の遺伝子構造


    各ゲノムライブラリーにおいて、10

    6組換体をスクリーニングし、そしてそれらスクリーニングにより得られたいくつかの陽性クローンをすべて単離しそしてマッピングした。 λBSSL1およびλBSSL5Aと称される2個のクローンを更に分析した。 いくつかの酵素による制限酵素消化、サザンブロッティングの後cDNAプローブとのハイブリッド形成により、λBSSL5Aクローンが全CEL遺伝子をカバーしていること、およびλBSSL1が5′-半分と約10kbの5′-フランキング領域をカバーしていることが示された(Fig.1)。 これら二つのクローンは両方で約25kbのヒトゲノムをカバーする。


    サブクローン化および制限酵素消化の後、配列決定に適した断片が得られ、そして1640bpの5′-フランキング領域と41bpの3′-フランキング領域を含むCEL遺伝子の全列を決定することができた。 これらのデータから、ヒトCEL遺伝子(配列番号:1)は10イントロンにより中断された11エキソンを含む9850pbの領域にひろがっていることがわかった(Fig.1)。 このことはエキソンそして特にイントロンが比較的小さいことを意味している。 事実、エキソン1〜10のサイズはそれぞれ87〜204pbの範囲であるのに対しエキソン11は841bp長である。 イントロンのサイズはそれぞれ85〜2343bpの範囲である。 表3からわかるように、すべてのエキソン/イントロン境界はAG/GTルールに従い、そしてMount et al.(1982)により示唆されたコンセンサス配列によく一致する。 CEL遺伝子のコーティング部分をcDNA(Nilsson et al., 1990)と比較したところ、ヌクレオチド配列に唯一の相違点が認められた;エキソン1の第2ntはCであるが、それはcDNA配列ではTである。 この位置は翻訳開始コドンATGの10nt上流にあるため、この相違点はアミノ酸配列に影響しない。


    Aluクラスの反復DNA要素の7つの構成メンバーが配列決定領域、標識Alu1-Alu7(5′-3′)に存在する(Fig.1)。 すなわち1つの構成メンバーは5′-フランキング領域にあり、そして他の6つの構成メンバーはCEL遺伝子内にある。


    転写開始部位および5′-フランキング領域


    (一以上の)ヒトCEL遺伝子転写開始部位をマッピングするために、プライマー延長分析をヒト膵臓、泌乳乳腺および脂肪組織からの全RNAを用いて行った。 結果は、イニシェーターであるメチオニンの上流、12bpのところに主な転写開始部位そして8塩基のところに従たる開始部位があることを示した。 転写開始部位は膵臓および泌乳乳腺の双方において同じであるのに対し、脂肪組織では全くシグナルを検出できなかった(Fig.2)。 配列決定領域は1640ntの5′-フランキングDNAを含む。 配列類似性に基づいて、TATAボックス様配列のCATAAATが転写開始部位の30nt上流にみられた(Fig.4)。 この領域においては、CAATボックス構造もGCボックスも明白でなかった。


    5′-フランキング配列を、他の乳腺-および膵-特異的遺伝子において転写因子結合配列として知られるヌクレオチド配列について両鎖ともコンピュータースクリーニングした。 いくつかの推定認識配列が見出された(Fig.4参照)。


    CEL遺伝子の染色体局在化


    ヒトコントロールDNAにおいてCEL cDNAプローブは約13kb、10kb、2.2kbおよび2.0kbの4EcoRI断片を検出したのに対し、マウスおよびハムスターコントロールDNAにおいては、それぞれ約25kbおよび8.6kbの単一断片が検出された。 ハイブリッドクローン中のヒトCEL遺伝子配列の存在はヒト染色体9とのみ相関した(表1)。 分析した16ハイブリッドのうちの一つだけがヒトCEL遺伝子に陽性であった;このハイブリッドは唯一のヒト染色体として染色体9を含有した。 この染色体への局在化の不一致は全くみられなかったのに対し、他のいずれの染色体への局在化について少くとも二つの不一致があった(表1)。 CEL遺伝子を更に進め局在化するために、我々はder(9)トランスロケーション染色体(9pter→9q34:Xq13→Xqter)を唯一のヒトDNAとして保持するヒト-チャイニーズハムスターハイブリッド(GM 10095)を用いた。 我々はサザンブロットによってはこのハイブリッドにCEL遺伝子配列を全く検出できなかったが、このことは、CEL遺伝子が9q34-9qter領域に在ることを示している。


    実施例2:発現ベクターの構築トランスジェニック動物からの乳中に組換えヒトCELを生産するための発現ベクターを構築するために、次の方策を用いた(Fig.5)。


    前述の方法を用いて、ヒトCEL遺伝子の異なる部分を含む三つのpTZベースのプラスミド(Pharmacia, Uppsala,スエーデン)、pS309、pS310およびpS311、を得た。 プラスミドpS309はCEL遺伝子を5′-非転写領域から第4イントロンの一部までカバーするSphI断片を含有する。 プラスミドpS310はCEL遺伝子配列を第1イントロンの一部から第6イントロンの一部までカバーするSacI断片を含有する。 第三に、プラスミドpS311はCEL遺伝子の変種を第5イントロンの主要部分から残りのイントロン/エキソン構造までカバーするBamHI断片を含有する。 このプラスミドにおいては、通常16リピートをコードするエキソン11の反復配列は9リピートを有する端を切り取った変種に変異された。


    プラスミドpUC19のHindIIIおよびSacI部位にクローン化されたヒトCEL cDNAの一部を含むもう一つのプラスミド、pS283、をゲノム配列の融合に用いた。 pS283は都合のよい制限酵素部位KpnIをCELの5′-非翻訳リーダー配列に位置させるのにも用いられた。 次にプラスミドpS283をNcoIおよびSacIで消化しそして約2.7kbの断片を単離した。 プラスミドpS309をNcoIおよびBspEIで消化し、そしてCEL遺伝子の5′-部分を含む約2.3kbの断片を単離した。 プラスミドpS310をBspEIおよびSacIで消化しそしてCEL遺伝子の中間領域の一部を含む約2.7kbの断片を単離した。 これら三つの断片を結合しそしてコンピテント大腸菌、TG2株に形質転換しそして形質転換体をアンピシリン選抜によって単離した。 多くの形質転換体からプラスミドを調製し、そして所望の構築物を含むpS312と呼ばれる一つのプラスミド(Fig.6)を以後の実験に用いた。


    停止コドンの下流に位置するBamHI部位が以後のクローン化を容易にするためにSalI部位に変えられたpS311の変性体を得るために、次の方法を用いた。 pS311を部分的BamHI消化により直線化した。 直線化した断片を単離し、そしてBamHIをSalI部位(5′-GATCGTCGAC-3′)に変えることによってBamHI部位を破壊する合成DNAリンカーを挿入した。 その合成リンカーの一体化位置には二つの可能性があったので得られたプラスミドを制限酵素切断によって分析した。 エキソン11の下流の所望位置にリンカーが挿入されたプラスミドを単離しそしてpS313と称した。


    CELゲノム配列を取り込み、そして端を切り取ったCEL変種をコードする発現ベクター構築物を得るために、泌乳期にある乳腺細胞中での段階および組織特異的発現を媒介するように設計されたプラスミドpS314を用いた。 プラスミドpS314はNotI断片としてクローン化されたマウス乳清酸性タンパク質(WAP)遺伝子(Campbell et al. 1984)からのゲノム断片を含有する。 このゲノム断片は、約4.5kbの上流調節配列(upstream regulatory sequences; URS)、全転写エキソン/イントロン領域および最終エキソンの下流の約3kbの配列を有する。 天然WAP翻訳開始コドンの24kb上流の第1エキソン中にユニークKpnI部位が在る。 もう一つのユニーク制限酵素部位はエキソン3に位置するSalI部位である。 pS314において、このSalI部位は消化、Klenowを用いた充填および再結合により破壊された。 その代わりに、エキソン1中のKpnI部位の下流に新しい部位を直接導入した。 これはKpnI消化しそしてこの位置にアニールされた合成オリゴマーSYM2401 5′-CGTCGACGTAC-3′およびSYM2402 5′-GTCGACGGTAC-3′を導入することにより行った(Fig.8)。 ヒトCELゲノム配列は次の方策によりこれらの部位、KpnIおよびSalI、の間に挿入した。 第一に、pS314をKpnIとSalIとで消化しそして切断プラスミドを表わす断片を電気泳動的に単離した。 第二に、pS312をKpnIとBamHIとで消化し、そしてヒトCEL遺伝子の5′部分を表わす約4.7kb断片を単離した。 第三に、pS313をBamHIとSalIとで消化し、そしてヒトCEL遺伝子の3′-部分を単離した。 これら三つの断片を結合し、コンピテント大腸菌細菌に形質転換し、そして形質転換体をアンピシリン選抜後に単離した。 いくつかの形質転換体からプラスミドを調製し、そして制限酵素地図作成と配列分析により入念に分析した。 所望の発現ベクターを表わす一つのプラスミドを規定しそしてpS317と名付けた。


    全長CELをコードするゲノムCEL発現ベクターを構築するために、pS317を次のとおり改変した(Fig.5)。 第一に、第5イントロンから第11エキソンの下流に及ぶヒトCEL遺伝子の5.2kb BamHI断片を含むpTZ18Rプラスミド(Pharmacia)、pS451、をHindIIIとSacIとで消化した。 この消化により、イントロン9に位置するHindIIIからエキソン11に位置するSacI部位に及ぶ約1.7kbの断片が生じた。 第二に、プラスミドpS313をSacIとSalIとで消化し、そして、エキソン11の3′部分と生成したSalI部位を含む71bp断片を単離した。 第三に、残りのWAP/CEL組換え遺伝子およびプラスミド配列をpS317から約20kbのSalI/HindIIIとして単離した。 これら三つの断片を結合しそして細菌に形質転換した。 プラスミドをいくつかの形質転換体から調製した。 それらプラスミドを様々な制限酵素で消化しそして配列分析にかけた。 所望の組換え遺伝子を含む一つのプラスミドを確認した。 最終発現ベクターをpS452と名付けた(Fig.7)。


    原核プラスミド配列を除くために、pS452をNotIで消化した。 次に、ヒトCELゲノム断片に隣接するマウスWAP配列より成る組換えベクター要素をアガロース電気泳動により単離した。 単離した断片を更に電気溶出(electro elution)を用いて精製してから、それをマウス胚に注入した。


    トランスジェニック動物の乳腺で発現させるための組換えWAP/CEL遺伝子をFig.8に示す。


    寄託次のプラスミドはブタペスト条約に従ってDSM(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen)に寄託されている:


    実施例3:トランスジェニック動物の生産


    実施例2に従ってNotI断片をプラスミドのpS452から単離した。 このDNA断片はヒトBSSL/CELをコードするゲノム配列に結合したマウスWAPプロモーターを含有した。 単離された断片を3ng/μlの濃度で、排卵過度を起こすために、5IU妊馬血清ゴナドトロピンでプライムされたドナーマウスから得られた350個のC57B1/6J×CBA/2J-f

    2胚の前核に注入した。 C57B1/6J×CBA/2J-f

    1動物は


    デンマーク,から入手した。 卵管から胚を集めた後、それらをM2培地(Hogan et al., 1986)中ヒアルロニダーゼ処理により推積細胞(cumulus cells)から分離した。 それら胚を洗浄後、M16培地(Hogan et al., 1986)に移しそして5%CO

    2雰囲気のインキュベーターに保った。 それら注入は、NarishigiハイドローリックマイクロマニピュレーターおよびNomarski光学装置を備えたNikon倒立顕微鏡を用い、軽パラフィン油で覆ったM2の微滴中で行った。 注射後に健常と思われる胚を0.37mlの2.5%Avertinを腹腔内投与した偽妊娠C57B1/6J×CBA/2J-f

    1受容固体に移植した。 動物誕生の3週間後に得られた尾部生検標本からのDNAのPCR分析により、トランスジーンを組み込んだマウスを確認した。 陽性結果をサザンブロット分析により確認した。


    実施例4:トランスジェニックマウスにおけるBSSL/CELの発現切除尾部サンプルから調製したDNAの分析によりトランスジェニックマウスを確認した。 それら組織サンプルをプロティナーゼKでインキュベートしそしてフェノール/クロロホルム抽出した。 発現ベクター断片を表わす異種導入DNAが存在する場合に特定の断片を増幅するプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応に、その単離されたDNAを用いた。 また、それら動物をDNAハイブリッド形成実験により分析することによって、PCRデータを確認し、あり得る再配列、組み込まれたベクター要素の構造をテストしそして組み込まれたベクター要素のコピー数についての情報を得た。


    一組の実験において、それら二つの方法で18匹のマウスを分析した結果、1匹のマウスがpS452に由来する異種DNAベクター要素を有していることが実証された。 PCR分析およびハイブリッド形成実験の結果は同じであった(Fig.9)。


    ベクターDNA要素を有していることが確認されたマウス(好祖動物)を次いで交配させ、そしてF1-腹産仔を同じ方法によりトランスジーンについて分析した。


    泌乳雌動物に2IUオキシトシンを腹腔内注射しそして10分後に0.40mlの2.5%Avertinを腹腔内投与して麻酔した。 乳補集器をシリコン処理チューブを介して乳首に取り付け、そして乳腺をゆるくもむことにより1.5mlエッペンドルフ管に捕集した。 乳量は1匹のマウスおよび1回の捕集につき、泌乳日に依存して0.1〜0.5mlの幅で変動した。


    組換えヒトBSSL/CELの有無の分析は、SDS-PAGE、ニトロセルロース膜への移動および天然ヒトBSSL/CELに対するポリクローナル抗体とのインキュベーションにより行った。 その結果、トランスジェニックマウスの乳に組換えヒトBSSL/CELが発現していることが実証された。 Fig.10はトランスジェニックマウスの乳中に組換えヒトBSSL/CELが存在することを実証している:約116.5におけるバンド。


    トランスジェニック動物の安定系統を生産した。


    同様の方法により、ヒトBSSL/CELを発現できるウシまたはヒツジを作ることができる。


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    図面の説明


    Fig.1


    CEL遺伝子座。 二つの部分重複クローン、λBSSL1およびλBSSL5A、の局在化および制限酵素地図。 エキソン-イントロン組織および使用制限酵素部位が下に示されている。 エキソンは番号1〜11のボックスによって示されている。 Asp=Asp700、B=BamHI、E=EcoRI、S=SacI、Sa=SalI、Sp=SphIおよびX=XbaI。 Alu反復要素の位置と向きは太字矢印によって示されている。 a〜hは異なるサブクローン化された断片を表わす。


    Fig.2


    ヒト泌乳乳腺、膵臓および脂肪組織からのRNAのプライマー延長分析。 CEL遺伝子のnt位置33〜58に対して相補的な末端放射性標識26-マーオリゴヌクレオチドを用いてRNAの逆転写をプライムした。 レーンAは分子サイズマーカー(配列決定用ラダー(ladder))であり、レーンBは、膵RNAであり、レーンCは脂肪組織RNAであり、そしてレーンDは泌乳乳腺RNAである。


    Fig.3


    ヒトCELおよびラット遺伝子5′-フランキング領域のドットプロット分析。 相同性領域はA〜Hで示されまたこれら部分を表わす配列が記されているところ、上側はヒト、下側はラットである。


    Fig.4


    ヒトCEL遺伝子の5′-フランキング配列の分析。 推定認識配列は、相補鎖を表わす強調下線または下線である。 太字はラットCEL位置を示す(領域A〜H)。 TATAボックスは点の下線で示してある。


    グルココルチコイドレセプター結合部位のコンセンサス配列、GGTACANNNTGTTCT、(Beato, M., 1989)に対しいずれも80%の類似性を示す二つの配列、すなわち、一つは相補鎖のnt位置−231(1A)にそして二つ目はnt位−811(1B)に存在する。 更に、nt位置−861(2)には、エストロジエンレセプター結合部位のコンセンサス配列、AGGTCANNNTGACCT、(Beato, M., 1989)に対し87%の類似性を示す配列が存在する。


    LubonおよびHenninghausen(1987)は乳清酸性タンパク質(WAP)遺伝子のプロモーターおよび5′-フランキング配列を分析し、そして泌乳乳腺細胞の核タンパク質に対する結合部位を確立した。 そのうちの一つである11bp保存配列、AAGAAGGAAGTは、研究された多くの乳タンパク質遺伝子、例えばラットα-ラクトアルブミン遺伝子(Qasba et al., 1984)およびラットα-カゼイン遺伝子(Yu-Lee et al., 1986)、などに存在する。 CEL遺伝子の5′-フランキング領域においては、相補鎖のnt位置−1299(3)に、この保存配列に対して82%の類似性を示す配列が存在する。


    β-カゼイン遺伝子調節の研究において、妊娠または泌乳マウスからの核抽出物中に組織特異的乳腺因子(MGF)が認められたところ、その認識配列が同定された(ANTTCTTGGNA)。 ヒトCEL遺伝子の5′-フランキング領域に存在する二つの配列(一つは、相補鎖のnt位置−368(4A)、もう一つはnt位置−1095(4B))はいずれもMGF結合部位のコンセンサス配列に対し82%の類似性を示す。 5′-フランキング領域にはこれら二つの推定MGF結合部位のほかに、イントロンI中、相補鎖のnt275に、MGF結合部位のコンセンサス配列に100%一致する配列、AGTTCTTGGCAが存在する。


    更に、すべて、ラット膵特異的エンハンサー要素、GTCACCTGTGCTTTTCCCTG、(Boulet et al., 1986)のコンセンサス配列に対し65%の類似性を示す四つの配列(一つはnt位置−359(5A)、二つ目はnt位置−718(5B)、三つ目はnt位置−1140(5C)そして最後はnt位置−1277(5D))が存在する。


    Fig.5


    プラスミドpS452の生産方法。 更に詳細には実施例2参照。


    Fig.6


    プラスミドpS312の概略構造。


    Fig.7


    プラスミドpS452の概略構造。


    Fig.8


    実施例2に記載されているような、WAP遺伝子の第1エキソンへのヒトBSSL/CELゲノム構造の物理的導入を示す物理的地図。


    Fig.9


    A. トランスジェニック動物の確認に用いられるPCR-プライマーの局在化を概略的に示したもの。 5′-プライマーは、WAPとBSSL/CEL間の融合部の−148bp上流の位置に始まるWAP配列内に位置する。 3′-プライマーは、融合点の398bp下流に終る第1BSSL/CELイントロンに局在する。


    B. 使用PCRプライマーの配列。


    C. 潜在的始祖動物のPCR分析の典型的分析を示すアガロースゲル。


    M:分子量マーカー。 レーン1:プラスミドpS452から生じたコントロールPCR-生成物。 レーン2〜13:潜在的始祖動物からのDNA調製物を用いたPCR反応。


    Fig.10


    pS452の組換えマウスWAP/ヒトCEL遺伝子を遺伝子導入したマウス系統からの乳の免疫ブロット分析。 タンパク質をSDS-PAGEで分離しImmobilon膜(Millipore社)に移し、そして高度精製ヒト天然CELを用いて生産したポリクローナルウサギ抗体、次いでアルカリ性ホスファターゼ標識のブタ抗-ウサギIgG(Dakopatts社)を用いて可視化した。 レーン1、低分子量マーカー、それぞれ106、80、49.5、32.5、27.5および18.5kDa。 レーン2、高分子量マーカー、それぞれ205、116.5、80および49.5kDa。 レーン3、ヒト乳からの25ngの精製非組換えCEL。 レーン4、1:10希釈されたCELトランスジェニックマウスからの2μlの乳サンプル。 レーン5および6、コントロールサンプルとしての、1:10希釈された2匹の異なる非CELトランスジェニックマウスからの2μlの乳サンプル。


    配列表(1)一般情報(i)出願人:


    (A)名称:AB ASTRA


    (B)通り:Kvarnbergagatan 16


    (C)市:Sodertalje


    (E)国:Sweden


    (F)郵便コード(ZIP):S-151 85


    (G)電話:+46-8-553 26000


    (H)ファックス:+46-8-553 28820


    (I)テレックス:19237 astra s


    (ii)発明の名称:新規DNA配列(iii)配列の数:1


    (iv)コンピューター読み取り可能形態(A)媒体タイプ:フロッピーディスク(B)コンピューター:IBM PC コンパチブル(C)オペレーティングシステム:PC-DOS/MS-DOS


    (D)ソフトウエア:Patent In Release #1.0, Version #1.25(EPO)


    (vi)優先権基礎出願データ:


    (A)出願番号:SE 9201809-2


    (B)出願日:1992年6月11日(vi)優先権基礎出願データ:


    (A)出願番号:SE 9201826-6


    (B)出願日:1992年6月12日(vi)優先権基礎出願データ:


    (A)出願番号:SE 9202088-2


    (B)出願日:1992年7月3日(vi)優先権基礎出願データ:


    (A)出願番号:SE 9300902-5


    (B)出願日:1992年3月19日(2)配列番号:1の情報:


    (i)配列の特性:


    (A)配列の長さ:11531塩基対(B)配列の型:核酸(C)鎖の数:二本鎖(D)トポロジー:直線状(ii)配列の種類:DNA(genomic)


    (vi)起源:


    (A)生物名:ホモサピエンス(Homo sapiens)


    (F)組織の種類:乳腺(ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:CDS


    (B)存在位置:join(1653..1727, 4071..4221, 4307..4429, 4707..4904, 6193..6323, 6501..6608, 6751..6868, 8335..8521, 8719..8922, 10124..103321, 10650..11394)


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:mat

    - peptide


    (B)存在位置:join(1722..1727, 4071..4221, 4307..4429, 4707..4904, 6193..6323, 6501..6608, 6751..6868, 8335..8521, 8719..8922, 10124..10321, 10650..11391)


    (D)他の情報:/EC

    -番号=3.1.1.1


    /産物=「胆汁酸塩刺激リパーゼ」


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:5′UTR


    (B)存在位置:1..1640


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:TATA

    - signal


    (B)存在位置:1611..1617


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:1641..1727


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:4071..4221


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:4307..4429


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:4707..4904


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:6193..6323


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:6501..6608


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:6751..6868


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:8335...8521


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:8719..8922


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:10124..10321


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:exon


    (B)存在位置:10650..l1490


    (ix)配列の特徴:


    (A)名称/記号:3′UTR


    (B)存在位置:11491..11531


    (ix)配列:配列番号:1:


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