Infant lactose-containing food compositions

申请号 JP18522796 申请日 1996-07-15 公开(公告)号 JP3878690B2 公开(公告)日 2007-02-07
申请人 日本甜菜製糖株式会社; 森永乳業株式会社; 发明人 晃司 佐山; 泰三 名倉; 宏紀 早澤; 勉 有塚; 洋介 清水; 隆司 清水; 和美 難波; 幸一 高橋;
摘要
权利要求
  • 乳幼児の便の色調を母乳摂取時と同様の色調に改善する乳幼児用乳糖含有食品組成物であって、乳幼児に投与し得る状態に調整した実質的に牛乳蛋白質および/または牛乳蛋白質加工物を唯一の蛋白質源とする乳幼児用乳糖含有食品に、有効成分として少なくとも0.05%(重量)の割合でラフィノースが含有されていることを特徴とする乳幼児用乳糖含有食品組成物。
  • ラフィノースが、0.1〜0.2%(重量)の割合で含有されている請求項1の乳幼児用乳糖含有食品組成物。
  • 乳幼児用乳糖含有食品が、育児用調製粉乳、ペプチドミルク、未熟児用ミルクまたはフォローアップミルクである請求項1または2の乳幼児用乳糖含有食品組成物。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    この発明は、実質的に乳蛋白質および/または牛乳蛋白質加工物を唯一の蛋白質源とする母乳以外の乳幼児用乳糖含有食品を摂取した乳幼児の便の色調を、母乳摂取時と同様の色調に改善する乳幼児用乳糖含有食品組成物に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    種々の理由から母乳を与えられない乳児または母乳が不足している乳児に対して投与する母乳代替物として、乳蛋白質を唯一の蛋白質源とする育児用調製粉乳が開発されている。 また、乳児の発育状態、体質等を考慮して、乳蛋白質またはその加工物を唯一の蛋白質源とする各種乳幼児用食品等が多数開発されてきてもいる。 育児用調製粉乳以外のこれらの製品としては、生後6か月以降の乳幼児のためのフォローアップミルク、アレルギー体質の乳幼児のためのペプチドミルク等を例示することができる。
    【0003】
    しかしながら、これらの製品を改良する目的で、乳児の発育上必要な栄養素を強化し、栄養成分組成の母乳化が進展するにともない、これらの製品を摂取する乳児の便が、母乳栄養児のそれと明かに相違することが指摘されてきた。 すなわち、乳児の栄養所要量を充足するために鉄分を強化し、カゼイン蛋白質と乳清蛋白質との比率を母乳のそれと同様に増加させた(すなわち、乳清蛋白質の割合を増加させた)育児用調製粉乳を哺乳した乳児においては、便の色が緑色になる頻度が高くなることが知られている[ジャーナル・オブ・ペディアトリック・ガストロエンテロロジー・アンド・ニュートリッション(Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition) 、第4巻、第771ページ、1985年]。
    【0004】
    また、アレルギー体質の乳児のためのペプチドミルクを摂取した乳児においても同様に便の色が緑色になる頻度が高くなることが知られている[ペディアトリックス(Pediatrics)、第95巻、第50ページ、1995年]。
    さらに、最近、育児用調製粉乳の蛋白質のすべてを適度に加分解し、アレルギー性疾患の予防効果が期待されるペプチドミルクが開発されたが、この製品においても同様に便の色が緑色になる傾向が認められている(食品工業、第38巻、第4号、第55ページ、1995年)。
    【0005】
    これらの事実は、育児用調製粉乳またはその関連製品が種々の点で母乳の水準に未だ達していないことを例証するものであり、早急な改善が望まれていた。
    乳児の緑色便の問題を解決する方法として、例えば、育児用調製粉乳にフラクトオリゴ糖を2〜5%(重量)の割合で配合することにより緑色便を改善する試みがなされているが(特開平3−266937号公報)、この公開された発明によれば、2〜3%(重量)の割合でフラクトオリゴ糖を添加した育児用調製粉乳を摂取した乳児においても、黄色便となる割合は半数以下(44〜50%)にすぎず、比較対照として調査された母乳栄養児では90%以上が黄色便であることから、両者間には顕著な差異のあることが開示されている。
    【0006】
    また、腸内環境の改善により糞便臭を軽減し、色調、硬度等の便性を改善することを目的として、マッシュルーム抽出エキス単独、またはマッシュルーム抽出エキスと、食物繊維および/もしくはオリゴ糖とを含有する腸内環境改善剤に関する発明が開示されており(特開平5−238945号公報)、このオリゴ糖のより具体的な実施態様として大豆オリゴ糖が例示されている。 この公開された発明においては、マッシュルーム抽出エキスを必須の構成要件としており、このマッシュルーム抽出エキスとオリゴ糖または食物繊維の相乗効果によって腸内環境を清浄にし、糞便の臭気、色調、硬度等を著しく改善するものであることが開示されている。
    【0007】
    一方、ラフィノースは、大豆を主成分とするいわゆる大豆乳に、原料由来のオリゴ糖としてスタキオースと共に一定量含まれていることが知られている[ジャーナル・オブ・デーリー・リサーチ(Journal of Dairy Research )、第53巻、第293ページ、1986年]。 これらの商品の一部は欧米において現在も広範に利用されているが、大豆乳を摂取した乳児においては、ラフィノースが含まれているにもかかわらず、便は緑色になる頻度が高くなることが報告されている[ペディアトリックス(Pediatrics) 、第95巻、第50頁、1995年]。
    【0008】
    また、母乳栄養児と人工栄養児との便の最大の相違は、色調および排便の回数である。 母乳栄養児では、便の色調が黄色を示す頻度が高く、かつ1日当りの回数も多いのに対して、人工栄養児では、便の色調が緑色を示す頻度が高く、1日当りの回数も母乳栄養児に比較して明かに少ないことが知られている(小児保健研究、第43巻,第618ページ、1984年)。 この緑色便は、育児相談でも最も頻繁に問題となり、病的な状態を示す指標ではないが、母親の関心が高い問題の一つである。
    【0009】
    前記のように、便の色調が緑色となる現象は、胆のうから分泌される胆汁色素であるビリルビンとビリベルジンとの分泌比率、並びにそれらの腸管内における酸化または還元による直接的および間接的な変化によるものである。 従って、腸管内容物の酸化還元に影響を及ぼす物質(例えば、鉄等)が大量に存在する育児用調製粉乳等を投与された乳幼児では、その便が緑色を呈する頻度が高くなる。 さらに、このように鉄が強化された育児用調製粉乳等では、構成蛋白質に占める乳清蛋白質の割合を増加した場合、便がより緑色を呈する傾向が増加することも知られている[ジャーナル・オブ・ペディアトリック・ガストロエンテロロジー・アンド・ニュートリッション(Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition)、第4巻、第771ページ、1985年]。
    【0010】
    【発明が解決しようとする課題】
    以上のように、従来、母乳以外の乳幼児用食品を摂取した乳幼児の便の色調を母乳栄養児のそれと同等に改善する試みは成功しておらず、乳幼児の便の色調を改善する乳幼児用食品が待望されていた。
    この発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、従来の実質的に牛乳蛋白質および/またはその加工物を唯一の蛋白質源とする乳幼児用乳糖含有食品組成物を摂取した乳幼児に認められた緑色便がなく、乳幼児栄養にもより適当した乳幼児用乳糖含有食品組成物を提供することを目的としている。
    【0011】
    【課題を解決するための手段】
    この発明は、前記の課題を解決するものとして、乳幼児の便の色調を母乳摂取時と同様の色調に改善する乳幼児用乳糖含有食品組成物であって、乳幼児に投与し得る状態に調整した実質的に牛乳蛋白質および/または牛乳蛋白質加工物を唯一の蛋白質源とする乳幼児用乳糖含有食品に、有効成分として少なくとも0.05%(重量)の割合でラフィノースが含有されていることを特徴とする乳幼児用乳糖含有食品組成物を提供する。
    【0012】
    また、この発明の乳幼児用乳糖含有食品組成物においては、ラフィノースが、0.1〜0.2%(重量)の割合で含有されていること、そして乳幼児用乳糖含有食品が、育児用調製粉乳、ペプチドミルク、未熟児用ミルクまたはフォローアップミルクであることを望ましい態様としてもいる。
    すなわち、この発明の発明者等は、乳幼児の便の色調を改善するための食品について鋭意研究を行った結果、甜菜(ビート)由来の精製ラフィノースを、実質的に牛乳蛋白質またはその加工物を唯一の蛋白質源とする乳幼児用乳糖含有食品組成物に配合することにより、従来の乳幼児用食品組成物に比較して便の色調を著しく改善し得ることを見い出した。 すなわち、ラフィノースを配合し、実質的に牛乳蛋白質またはその加工物を唯一の蛋白質源とする乳幼児用乳糖含有食品組成物を摂取した乳幼児の便の色調は、直ちに黄金色ともいえる黄色になることを見い出し、この発明を完成させた。 しかも、ラフィノースの配合量が、従来便性の改善に有効であると報告されているオリゴ糖の有効量と比較しても著しく少量で十分であることは、これら乳幼児用乳糖含有食品組成物の乳幼児における栄養的な意義を考慮した場合、極めて重要な意味をもつことは明かである。
    【0013】
    【発明の実施の形態】
    以下、この発明の実施の形態について詳しく説明する。 なお、以下の説明において、百分率の表示は、便の色調が改善される比率を示した値を除き、重量による値である。
    この発明において使用する乳幼児用乳糖含有食品は、母乳代替品として乳幼児期に使用される育児用調製粉乳、離乳期以降に使用されるフォローアップミルク、アレルギー性体質の乳幼児に使用されるペプチドミルク、出生時の体重が標準よりも低い乳児に使用される未熟児用ミルク等の種々のミルクの総称であり、これらのミルクに含有される糖質の少なくとも50%が乳糖からなっている。
    【0014】
    すなわち、これらの乳幼児用乳糖含有食品は、カゼイン、乳清、これらの混合物(例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳等)等の乳蛋白質、これらの精製物(例えば、乳清蛋白濃縮物等)、これらの加水分解物等の乳蛋白質加工物または乳蛋白質と乳蛋白質加工物との混合物を実質的に唯一の蛋白質源としており、大豆蛋白質等の他の蛋白質を実質的に含有していない。
    【0015】
    この発明において使用するラフィノースは、甜菜(ビート)由来または化学的若しくは生化学的に合成された物質等いずれにあっても使用することができる。 ラフィノースは、母乳中には含まれていないが、前記のとおり大豆乳中にオリゴ糖としてスタキオースと共に一定量含まれており、大豆乳をベースにした乳幼児用食品として乳児栄養上かなり長期間の使用経験があり、さらにガラクトース、グルコース(ぶどう糖)およびフラクトース(果糖)からなる三糖類であり、構成糖の内容を勘案しても乳児栄養上も全く問題がないことは明らかである。 またラフィノースそのものは、難消化性の三糖類であることから、炭水化物としてのエネルギー効率は、乳糖または蔗糖に比較して低いことが知られており、成長・発育に多量のエネルギーを必要とする乳幼児用の食品に配合・添加する場合には可能な限り少量であることが望ましく、後記の試験例から明らかなとおり、乳幼児に投与する状態に調整された調乳液について、少なくとも0.05%、望ましくは0.1〜0.2%の割合でラフィノースを配合する。
    【0016】
    この発明の乳幼児用乳糖含有食品組成物は、実質的に牛乳蛋白質および/またはその加工物を唯一の蛋白質源とすること、並びに所定量のラフィノースを配合すること以外は、常法により製造することができる。 すなわち、乳幼児用乳糖含有食品組成物として必要な他の諸原料とともに、所定量のラフィノースを水に溶解し、常法により製造することもでき、所定量のラフィノース粉末を乳幼児用乳糖含有食品組成物として必要な他の諸原料粉末に常法により粉末混合することもできるので、製造において追加または繁雑な工程を必要とせず、極めて容易に製造することができる。
    【0017】
    この発明の乳幼児用乳糖含有食品組成物は、液状または粉状であり、液状の製品の場合は、所定温度に加温してそのまま乳幼児に投与することができ、粉状の製品の場合は所定温度の温水に所定濃度で溶解し(得られた液が調乳液である)乳幼児に投与することができ、従来の乳幼児用食品組成物の投与方法と何ら変わりなく投与し得る。
    【0018】
    次に試験例を示してこの発明の作用効果を詳しく説明する。
    試験例この試験は、牛乳蛋白質またはその加工物が唯一の蛋白質源であり、乳糖を主たる糖質とする各種乳幼児用乳糖含有食品に対するラフィノースの添加量が、乳幼児の便の色調に与える影響を調べるために行った。
    1)試料の調製表1に示す割合(表1のラフィノース添加量25〜200mg/ 100mlの欄)でラフィノース(日本甜菜製糖社製)を添加したことを除き、実施例1ないし実施例4および参考例と同一の方法により製造した育児用調製粉乳、ペプチドミルク、未熟児用ミルク、フォローアップミルクおよび乳糖無添加ミルク(対照)を調製した。
    【0019】
    一方、ラフィノースを添加しないことを除き、実施例1ないし実施例4および参考例と同一の方法により製造した育児用調製粉乳、ペプチドミルク、未熟児用ミルク、フォローアップミルクおよび乳糖無添加ミルクを調製し、対照試料とした(表1のラフィノース添加量0mg/ 100mlの欄)。
    2)試験方法各試料を所定の濃度で溶解して調乳し、各群30人の乳幼児に継続的に哺乳または摂取させ、試験開始3日後から3日間の便を採取し、その色調を男女5人が肉眼で観察し、便の色調が黄色を示した乳幼児の人数を確認してラフィノースの添加効果を試験した。
    【0020】
    なお、各群の乳幼児の構成は、男女15人、育児用調製粉乳について2〜4か月齢、ペプチドミルクについて2〜4か月齢、未熟児用ミルクについて2〜4か月齢、フォローアップミルクについて6〜8か月齢、乳糖無添加ミルクについて2〜4か月齢である。
    3)試験結果この試験の結果は、表1に示すとおりである。 表1から明らかなとおり、ラフィノースによる便の色調改善効果は、乳幼児用乳糖含有食品組成物の種類によって若干相違するが、対照(乳糖無添加ミルク)を除き、摂取または哺乳可能な状態の食品(調乳液)にラフィノースが少なくとも50mg/ 100ml(0.05%)の割合で添加された試料では、乳幼児の便の色調が黄色に改善される比率が50%以上に増加し、ラフィノースが100mg/ 100ml(0.1%)の割合で添加された試料では、乳幼児の便の色調が黄色に改善される比率が60〜80%に、ラフィノースが200mg/ 100ml(0.2%)の割合で添加された試料では、乳幼児の便の色調が黄色に改善される比率が70〜90%に、それぞれ増加することが認められた。
    【0021】
    一方、牛乳蛋白質またはその加工物を唯一の蛋白質源とするが、乳糖を含有しない乳糖無添加ミルクの場合は、ラフィノースの添加量の如何にかかわらず、乳幼児の便の色調が黄色に改善される比率の増加が認められなかった。
    これらの結果は、この発明の乳幼児用乳糖含有食品組成物による乳幼児の便の色調改善効果が、ラフィノース単独の効果として達成されるものではなく、牛乳蛋白質またはその加工物を唯一の蛋白質源とし、かつ乳糖を主たる糖質とする乳幼児用乳糖含有食品にラフィノースが添加されたことの効果であることを示している。 また、これらの結果は、ラフィノースが含まれているにもかかわらず、牛乳蛋白質および乳糖を全く含有しない大豆乳の場合には、これを哺乳した乳児の便が緑色になる頻度が高くなるという前記の報告[ペディアトリックス(Pediatrics)、第95巻、第50頁、1995年]とも一致した。
    【0022】
    以上の結果から、牛乳蛋白質またはその加工物を唯一の蛋白質源とし、かつ乳糖を含有する乳幼児用乳糖含有食品では、わずか0.05%のラフィノースの添加により50%以上の乳幼児の便の色調が改善されることが確認された。 これは、従来の技術では達成できなかった顕著な効果である。
    なお、ラフィノースの添加量が0.2%を超える試料についても同様に試験を行ったが、0.2%の割合で添加された試料と比較して、顕著な便の色調の改善は認められなかった。 また、乳幼児用乳糖含有食品の種類および製造法を変更して試験したが、ほぼ同様な結果が得られた。
    【0023】
    【表1】

    【0024】


    参考例市販カゼイン(日本プロテイン社製)13.5kg、調整脂肪(日本油脂社製20.8kg、可溶性多糖類(昭和産業社製)59.0kg、ショ糖(日本甜菜製糖社製)5.2kg、ビタミン混合物(田辺製薬社製)23g、ミネラル混合物(富田製薬社製)550gおよびラフィノース(日本甜菜製糖社製)880gを、水200lに添加し、標準化し、調乳液を均質化し、121℃で2秒間殺菌し、次いで殺菌した調乳液を濃縮し、噴霧乾燥し、粉末状の乳糖無添加ミルク約97kgを得た。


    【0025】


    次に実施例を示してこの発明をさらに詳しく説明するが、この発明は以下の例に限定されるものではない。


    【0026】


    【実施例】


    実施例1


    市販の乳清粉末(ドモ社製)4.3kgを水道水38.7lに溶解し、1規定の水酸化ナトリウムによりpHを8.0に調整し、市販のトリプシン(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)17.2gを添加し、37℃で12時間加水分解し、のち80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却し、連続遠心分離により沈殿物を除去し、透明な上清液を得た。 得られた上清液を30%に濃縮し、噴霧乾燥し、分解度約50%の粉末状乳清蛋白質加水分解物約3.6kgを得た。


    【0027】


    原料乳200kgに、前記加水分解物3.6kg、脱塩乳清粉末(ドモ社製)2.8kg、調整脂肪(日本油脂社製)25.65kg、乳糖(メグレ社製)43.7kg、ビタミン混合物(田辺製薬社製)22g、ミネラル混合物(富田製薬社製)550gおよびラフィノース(日本甜菜製糖社製)410gを添加し、標準化し、調乳液を均質化し、121℃で2秒間殺菌し、次いで殺菌した調乳液を濃縮し、噴霧乾燥し、育児用調製粉乳約90kgを得た。


    【0028】


    この育児用調製粉乳の13%調乳液100mlには、50mgのラフィノースが含有されており、この調乳液を生後1〜5か月の乳児に哺乳させ、試験例と同一の方法により試験した結果、便の色調は2日以内に黄色ないし黄緑色に改善された。


    実施例2


    市販乳清粉末(ドモ社製)47kgを水道水450lに溶解し、1規定の水酸化ナトリウムでpHを8.0に調整し、市販のトリプシン(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)190gを添加し、37℃で12時間加水分解し、のち80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却し、連続遠心分離により沈殿物を除去し、透明な上清液を得た。 得られた上清液を30%に濃縮し、噴霧乾燥し、分解度約50%の乳清蛋白質加水分解物約40kgを得た。


    【0029】


    市販カゼイン(日本プロテイン社製)10kgを、10%の水酸化ナトリウム溶液でpH7.3に調整した温水に溶解し、18%濃度のカゼイン溶液を調製し常法により加熱殺菌し、室温に放冷し、10%水酸化ナトリウムでpHを9.0に調整し、市販のパパイン(天野製薬社製)100gとパンクレアチンF(天野製薬社製)100gを添加し、45℃で16時間加水分解し、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却し、セライト瀘過により沈殿物を除去し透明な瀘過液を濃縮し、噴霧乾燥し、カゼイン加水分解物約7kgを得た。


    【0030】


    前記乳清蛋白質加水分解物40kg、カゼイン加水分解物7kg、精製乳糖(メグレ社製)46kgおよび可溶性多糖類(昭和産業社製)14.6kgを精製水300lに溶解し、調整脂肪(日本油脂社製)40kg、ビタミン混合物(田辺製薬社製)35g、ミネラル混合物(富田製薬社製)920gおよびラフィノース(日本甜菜製糖社製)1120gを混合溶解し、均質化し、120℃で2秒間殺菌し、濃縮し、噴霧乾燥し、粉末状のペプチドミルク約145kgを得た。


    【0031】


    このペプチドミルクに含まれる乳蛋白質は全てが酵素分解されており、13%調乳液100ml当り100mgのラフィノースが含有されていた。


    この調乳液を生後1〜5か月の乳児に哺乳させ、試験例と同一の方法により試験した結果、便の色調は2日以内に黄色ないし黄緑色に改善された。


    実施例3


    原料乳200kgに、脱塩乳清粉末(ドモ社製)7.5kg、市販カゼイン(日本プロテイン社製)2.1kg、調整脂肪(日本油脂社製)12.5kg、乳糖(メグレ社製)27.8kg、可溶性多糖類(昭和産業社製)15.8kg、ビタミン混合物(田辺製薬社製)22g、ミネラル混合物(富田製薬社製)840gおよびラフィノース(日本甜菜製糖社製)870gを添加し、標準化し、調乳液を均質化し、121℃で2秒間殺菌し、次いで殺菌した調乳液を濃縮し、噴霧乾燥し、粉末状の未熟児用ミルク約90kgを得た。


    【0032】


    この未熟児用ミルクの14%調乳液100ml当り120mgのラフィノースが含有されていた。 この調乳液を体重1500〜2400gの未熟児に哺乳させ試験例と同一の方法により試験した結果、便の色調は2日以内に黄色ないしは黄緑色に改善された。


    実施例4


    原料乳200kgに、脱塩乳清粉末(ドモ社製)7.5kg、市販カゼイン(日本プロテイン社製)2.1kg、調整脂肪(日本油脂社製)12.5kg、乳糖(メグレ社製)27.8kg、可溶性多糖類(昭和産業社製)15.8kg、ビタミン混合物(田辺製薬社製)22g、ミネラル混合物(富田製薬社製)840gおよびラフィノース(日本甜菜製糖社製)560gを添加し、標準化し、調乳液を均質化し、121℃で2秒間殺菌し、次いで殺菌した調乳液を濃縮し、噴霧乾燥し、粉末状のフォローアップミルク約90kgを得た。


    【0033】


    このフォローアップミルクの14%調乳液100ml当り75mgのラフィノースが含有されていた。 この調乳液を生後6〜10か月の乳児に哺乳させ、試験例と同一の方法により試験した結果、便の色調が2日以内に黄色に改善された。


    【0034】


    【発明の効果】


    以上詳しく説明したとおり、この発明は、乳幼児に投与し得る状態に調整した実質的に牛乳蛋白質および/または牛乳蛋白質加工物を唯一の蛋白質源とする乳幼児用乳糖含有食品に、有効成分として少なくとも0.05%(重量)の割合でラフィノースが含有されている乳幼児用乳糖含有食品組成物であり、この発明によって次のとおりの効果が奏せられる。


    1)この発明の乳幼児用乳糖含有食品組成物を哺乳または摂取した乳幼児の便の色調は、母乳栄養児のそれと同様の黄色便になるため、母親の育児不安を解消することが可能である。


    2)この発明の乳幼児用乳糖含有食品組成物は乳幼児の発育に何ら支障がない。


    3)この発明の乳幼児用乳糖含有食品組成物は、追加または複雑な工程を必要とせず、従来の製造法と同様に、容易に製造することができる。

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