Hydrolase, nucleic acids as well as methods of making and using the same coding for it

申请号 JP2006509241 申请日 2004-03-08 公开(公告)号 JP2007524375A 公开(公告)日 2007-08-30
申请人 ダイヴァーサ コーポレイション; 发明人 シリルン ウォンサクル; ティム ヒッチマン; ウーヴェ テー ボルンショイアー; ジョナサン ライアン; ディヴィッド ポール ワイナー;
摘要 本発明は、ヒドロラーゼ、それをコードするポリヌクレオチド、並びにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを製造および使用する方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、ポリペプチド(例えばヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ(例えばホスホリパーゼA、B、CおよびD活性、パタチン活性、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性)、またはプロテアーゼ活性であり、熱安定性および耐熱性のヒドロラーゼ活性を含む)を有する酵素)、およびこれらの酵素をコードするポリヌクレオチド、並びに、これらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造および使用を対象とする。 本発明のポリペプチドおよびペプチドのヒドロラーゼ活性は、エステラーゼ活性、リパーゼ活性(脂質の加 水 分解)、酸分解反応(エステル化 脂肪酸 を遊離脂肪酸と交換するための反応)、エステル転移反応(トリグリセリド間の脂肪酸の交換)、エステル合成、エステル交換反応、ホスホリパーゼ活性およびプロテアーゼ活性(ペプチド結合の加水分解)を含む。 本発明のポリペプチドは、化粧品および栄養補助食品の製造などを含む広範な薬学、農業、および工業用途に使用し得る。 ある特徴では、本発明のポリペプチドはエナンチオマー的に純粋なキラル生成物の合成に使用される。
权利要求
  • 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:337、配列番号:339、配列番号:341、配列番号:343、配列番号:345、配列番号:347、配列番号:349、配列番号:351、配列番号:353、配列番号:355、配列番号:357、配列番号:359、配列番号:361、配列番号:363、配列番号:365、配列番号:367、配列番号:369、配列番号:371、配列番号:373、配列番号:375、配列番号:377、配列番号:379、配列番号:381、配列番号:383、配列番号:385、配列番号:387、配列番号:389、配列番号:391、配列番号:393、配列番号:395、配列番号:397、配列番号:399、配列番号:401、配列番号:403、配列番号:405、配列番号:407、配列番号:409、配列番号:411、配列番号:413、配列番号:415、配列番号:417、配列番号:419、配列番号:421、配列番号:423、配列番号:425、配列番号:427、配列番号:429、配列番号:431、配列番号:433、配列番号:435、配列番号:437、配列番号:439、配列番号:441、配列番号:443、配列番号:445、配列番号:447、配列番号:449、配列番号:451、配列番号:453、配列番号:455、配列番号:457、配列番号:459、配列番号:461、配列番号:463、配列番号:465、配列番号:467、配列番号:469、配列番号:471、配列番号:473、配列番号:475、配列番号:477、配列番号:479、配列番号:481、配列番号:483、配列番号:485、配列番号:487、配列番号:489、配列番号:491、配列番号:493、配列番号:495、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、配列番号:525、配列番号:527、配列番号:529、配列番号:531、配列番号:533、配列番号:535、配列番号:537、配列番号:539、配列番号:541、配列番号:543、配列番号:545、配列番号:547、配列番号:549、配列番号:551、配列番号:553、配列番号:555、配列番号:557、配列番号:559、配列番号:561、配列番号:563、配列番号:565、配列番号:567、配列番号:569、配列番号:571、配列番号:573、配列番号:575、配列番号:577、配列番号:579、配列番号:581、配列番号:583、配列番号:585、配列番号:587、配列番号:589、配列番号:591、配列番号:593、配列番号:595、配列番号:597、配列番号:599、配列番号:601、配列番号:603、配列番号:605、配列番号:607、配列番号:609、配列番号:611、配列番号:613、配列番号:615、配列番号:617、配列番号:619、配列番号:621、配列番号:623、配列番号:625、配列番号:627、配列番号:629、配列番号:631、配列番号:633、配列番号:635、配列番号:637、配列番号:639、配列番号:641、配列番号:643、配列番号:645、配列番号:647、配列番号:649、配列番号:651、配列番号:653、配列番号:655、配列番号:657、配列番号:659、配列番号:661、配列番号:663、配列番号:665、配列番号:667、配列番号:669、配列番号:671、配列番号:673、配列番号:675、配列番号:677、配列番号:679、配列番号:681、配列番号:683、配列番号:685、配列番号:687、配列番号:689、配列番号:691、配列番号:693、配列番号:695、配列番号:697、配列番号:699、配列番号:701、配列番号:703、配列番号:705、配列番号:707、配列番号:709、配列番号:711、配列番号:713、配列番号:715、配列番号:717、配列番号:719、配列番号:721、配列番号:723、配列番号:725、配列番号:727、配列番号:729、配列番号:731、配列番号:733、配列番号:735、配列番号:737、配列番号:739、配列番号:741、配列番号:743、配列番号:745、配列番号:747、配列番号:749、配列番号:751、配列番号:753、配列番号:755、配列番号:757、配列番号:759、配列番号:761、配列番号:763、配列番号:765、配列番号:767、配列番号:769、配列番号:771、配列番号:773、配列番号:775、配列番号:777、配列番号:779、配列番号:781、配列番号:783、配列番号:785、配列番号:787、配列番号:789、配列番号:791、配列番号:793、配列番号:795、配列番号:797、配列番号:799、配列番号:801、配列番号:803、配列番号:805、配列番号:807、配列番号:809、配列番号:811、配列番号:813、配列番号:815、配列番号:817、配列番号:819、配列番号:821、配列番号:823、配列番号:825、配列番号:827、配列番号:829、配列番号:831、配列番号:833、配列番号:835、配列番号:837、配列番号:839、配列番号:841、配列番号:843、配列番号:845、配列番号:847、配列番号:849、配列番号:851、配列番号:853、配列番号:855、配列番号:857、配列番号:859、配列番号:861、配列番号:863、配列番号:865、配列番号:867、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:873、配列番号:875、配列番号:877、配列番号:879、配列番号:881、配列番号:883、配列番号:885、配列番号:887、配列番号:889、配列番号:891、配列番号:893、配列番号:895、配列番号:897、配列番号:899、配列番号:901、配列番号:903、配列番号:905、配列番号:907、配列番号:909、配列番号:911、配列番号:913、配列番号:915、配列番号:917、配列番号:919、配列番号:921、配列番号:923、配列番号:925、配列番号:927、配列番号:929、配列番号:931、配列番号:933、配列番号:935、配列番号:937、配列番号:939、配列番号:941、配列番号:943、配列番号:945、配列番号:947、配列番号:949、配列番号:951または配列番号:953と、少なくとも約100残基の領域にわたって少なくとも50%の配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換え核酸であって、ヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードし、さらに前記配列同一性が配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される前記核酸。
  • 配列同一性が少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の領域にわたる若しくはそれより高い、または100%である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  • 配列同一性が、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550残基若しくはそれより多い残基の領域、または遺伝子若しくは転写物の全長にわたる配列同一性である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  • 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:337、配列番号:339、配列番号:341、配列番号:343、配列番号:345、配列番号:347、配列番号:349、配列番号:351、配列番号:353、配列番号:355、配列番号:357、配列番号:359、配列番号:361、配列番号:363、配列番号:365、配列番号:367、配列番号:369、配列番号:371、配列番号:373、配列番号:375、配列番号:377、配列番号:379、配列番号:381、配列番号:383、配列番号:385、配列番号:387、配列番号:389、配列番号:391、配列番号:393、配列番号:395、配列番号:397、配列番号:399、配列番号:401、配列番号:403、配列番号:405、配列番号:407、配列番号:409、配列番号:411、配列番号:413、配列番号:415、配列番号:417、配列番号:419、配列番号:421、配列番号:423、配列番号:425、配列番号:427、配列番号:429、配列番号:431、配列番号:433、配列番号:435、配列番号:437、配列番号:439、配列番号:441、配列番号:443、配列番号:445、配列番号:447、配列番号:449、配列番号:451、配列番号:453、配列番号:455、配列番号:457、配列番号:459、配列番号:461、配列番号:463、配列番号:465、配列番号:467、配列番号:469、配列番号:471、配列番号:473、配列番号:475、配列番号:477、配列番号:479、配列番号:481、配列番号:483、配列番号:485、配列番号:487、配列番号:489、配列番号:491、配列番号:493、配列番号:495、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、配列番号:525、配列番号:527、配列番号:529、配列番号:531、配列番号:533、配列番号:535、配列番号:537、配列番号:539、配列番号:541、配列番号:543、配列番号:545、配列番号:547、配列番号:549、配列番号:551、配列番号:553、配列番号:555、配列番号:557、配列番号:559、配列番号:561、配列番号:563、配列番号:565、配列番号:567、配列番号:569、配列番号:571、配列番号:573、配列番号:575、配列番号:577、配列番号:579、配列番号:581、配列番号:583、配列番号:585、配列番号:587、配列番号:589、配列番号:591、配列番号:593、配列番号:595、配列番号:597、配列番号:599、配列番号:601、配列番号:603、配列番号:605、配列番号:607、配列番号:609、配列番号:611、配列番号:613、配列番号:615、配列番号:617、配列番号:619、配列番号:621、配列番号:623、配列番号:625、配列番号:627、配列番号:629、配列番号:631、配列番号:633、配列番号:635、配列番号:637、配列番号:639、配列番号:641、配列番号:643、配列番号:645、配列番号:647、配列番号:649、配列番号:651、配列番号:653、配列番号:655、配列番号:657、配列番号:659、配列番号:661、配列番号:663、配列番号:665、配列番号:667、配列番号:669、配列番号:671、配列番号:673、配列番号:675、配列番号:677、配列番号:679、配列番号:681、配列番号:683、配列番号:685、配列番号:687、配列番号:689、配列番号:691、配列番号:693、配列番号:695、配列番号:697、配列番号:699、配列番号:701、配列番号:703、配列番号:705、配列番号:707、配列番号:709、配列番号:711、配列番号:713、配列番号:715、配列番号:717、配列番号:719、配列番号:721、配列番号:723、配列番号:725、配列番号:727、配列番号:729、配列番号:731、配列番号:733、配列番号:735、配列番号:737、配列番号:739、配列番号:741、配列番号:743、配列番号:745、配列番号:747、配列番号:749、配列番号:751、配列番号:753、配列番号:755、配列番号:757、配列番号:759、配列番号:761、配列番号:763、配列番号:765、配列番号:767、配列番号:769、配列番号:771、配列番号:773、配列番号:775、配列番号:777、配列番号:779、配列番号:781、配列番号:783、配列番号:785、配列番号:787、配列番号:789、配列番号:791、配列番号:793、配列番号:795、配列番号:797、配列番号:799、配列番号:801、配列番号:803、配列番号:805、配列番号:807、配列番号:809、配列番号:811、配列番号:813、配列番号:815、配列番号:817、配列番号:819、配列番号:821、配列番号:823、配列番号:825、配列番号:827、配列番号:829、配列番号:831、配列番号:833、配列番号:835、配列番号:837、配列番号:839、配列番号:841、配列番号:843、配列番号:845、配列番号:847、配列番号:849、配列番号:851、配列番号:853、配列番号:855、配列番号:857、配列番号:859、配列番号:861、配列番号:863、配列番号:865、配列番号:867、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:873、配列番号:875、配列番号:877、配列番号:879、配列番号:881、配列番号:883、配列番号:885、配列番号:887、配列番号:889、配列番号:891、配列番号:893、配列番号:895、配列番号:897、配列番号:899、配列番号:901、配列番号:903、配列番号:905、配列番号:907、配列番号:909、配列番号:911、配列番号:913、配列番号:915、配列番号:917、配列番号:919、配列番号:921、配列番号:923、配列番号:925、配列番号:927、配列番号:929、配列番号:931、配列番号:933、配列番号:935、配列番号:937、配列番号:939、配列番号:941、配列番号:943、配列番号:945、配列番号:947、配列番号:949、配列番号:951または配列番号:953記載の配列を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  • 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:143、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352、配列番号:354、配列番号:356、配列番号:358、配列番号:360、配列番号:362、配列番号:364、配列番号:366、配列番号:368、配列番号:370、配列番号:372、配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494、配列番号:496、配列番号:498、配列番号:500、配列番号:502、配列番号:504、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518、配列番号:520、配列番号:522、配列番号:524、配列番号:526、配列番号:528、配列番号:530、配列番号:532、配列番号:534、配列番号:536、配列番号:538、配列番号:540、配列番号:542、配列番号:544、配列番号:546、配列番号:548、配列番号:550、配列番号:552、配列番号:554、配列番号:556、配列番号:558、配列番号:560、配列番号:562、配列番号:564、配列番号:566、配列番号:568、配列番号:570、配列番号:572、配列番号:574、配列番号:576、配列番号:578、配列番号:580、配列番号:582、配列番号:584、配列番号:586、配列番号:588、配列番号:590、配列番号:592、配列番号:594、配列番号:596、配列番号:598、配列番号:600、配列番号:602、配列番号:604、配列番号:606、配列番号:608、配列番号:610、配列番号:612、配列番号:614、配列番号:616、配列番号:618、配列番号:620、配列番号:622、配列番号:624、配列番号:626、配列番号:628、配列番号:630、配列番号:632、配列番号:634、配列番号:636、配列番号:638、配列番号:640、配列番号:642、配列番号:644、配列番号:646、配列番号:648、配列番号:650、配列番号:652、配列番号:654、配列番号:656、配列番号:658、配列番号:660、配列番号:662、配列番号:664、配列番号:666、配列番号:668、配列番号:670、配列番号:672、配列番号:674、配列番号:676、配列番号:678、配列番号:680、配列番号:682、配列番号:684、配列番号:686、配列番号:688、配列番号:690、配列番号:692、配列番号:694、配列番号:696、配列番号:698、配列番号:700、配列番号:702、配列番号:704、配列番号:706、配列番号:708、配列番号:710、配列番号:712、配列番号:714、配列番号:716、配列番号:718、配列番号:720、配列番号:722、配列番号:724、配列番号:726、配列番号:728、配列番号:730、配列番号:732、配列番号:734、配列番号:736、配列番号:738、配列番号:740、配列番号:742、配列番号:744、配列番号:746、配列番号:748、配列番号:750、配列番号:752、配列番号:754、配列番号:756、配列番号:758、配列番号:760、配列番号:762、配列番号:764、配列番号:766、配列番号:768、配列番号:770、配列番号:772、配列番号:774、配列番号:776、配列番号:778、配列番号:780、配列番号:782、配列番号:784、配列番号:786、配列番号:788、配列番号:790、配列番号:792、配列番号:794、配列番号:796、配列番号:798、配列番号:800、配列番号:802、配列番号:804、配列番号:808、配列番号:808、配列番号:810、配列番号:812、配列番号:814、配列番号:816、配列番号:818、配列番号:820、配列番号:822、配列番号:824、配列番号:826、配列番号:828、配列番号:830、配列番号:832、配列番号:834、配列番号:836、配列番号:838、配列番号:840、配列番号:842、配列番号:844、配列番号:846、配列番号:848、配列番号:850、配列番号:852、配列番号:854、配列番号:856、配列番号:858、配列番号:860、配列番号:862、配列番号:864、配列番号:866、配列番号:868、配列番号:870、配列番号:872、配列番号:874、配列番号:876、配列番号:878、配列番号:880、配列番号:882、配列番号:884、配列番号:886、配列番号:888、配列番号:890、配列番号:892、配列番号:894、配列番号:896、配列番号:898、配列番号:900、配列番号:902、配列番号:904、配列番号:906、配列番号:908、配列番号:910、配列番号:912、配列番号:914、配列番号:916、配列番号:918、配列番号:920、配列番号:922、配列番号:924、配列番号:926、配列番号:928、配列番号:930、配列番号:932、配列番号:934、配列番号:936、配列番号:938、配列番号:940、配列番号:942、配列番号:944、配列番号:946、配列番号:948、配列番号:950、配列番号:952または配列番号:954記載の配列を有するポリペプチドをコードする、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  • 配列比較アルゴリズムがBLAST Ver.2.2.2アルゴリズムであって、フィルタリング設定がblastall -p blastp -d “nr pataa” -FFに設定され、他のオプションが規定値に設定されている、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  • ヒドロラーゼ活性がリパーゼ活性、プロテアーゼ活性、エステラーゼ活性またはホスホリパーゼ活性を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性が、トリアシルグリセロールをジアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、トリアシルグリセロールをモノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、ジアシルグリセロールをモノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、モノアシルグリセロールを遊離脂肪酸とグリセロールに加水分解することを含む、あるいは、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を加水分解することを含む、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性が、ジアシルグリセロールまたはモノアシルグリセロール、および遊離脂肪酸とからトリアシルグリセロールを合成することを含む、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性が、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-ジパルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)もしくは1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)、長鎖ポリ不飽和脂肪酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)またはエイコサペンタエン酸(EPA)を合成することを含む、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性がトリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)位置特異的である、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性がSn2-特異的、Sn1-またはSn3-特異的である、請求項11記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性が脂肪酸特異的である、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性が、加水分解、アルコール分解、エステル化、エステル転移またはエステル交換によって油を改変することを含む、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性が位置特異的または化学選択的である、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性が、エナンチオマー的に純粋なキラル生成物を合成することを含む、請求項15記載の単離または組換え核酸。
  • リパーゼ活性がウンベリフェリル脂肪酸(FA)エステルを合成することを含む、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • ヒドロラーゼ活性が熱安定性である、請求項7記載の単離または組換え核酸。
  • ポリペプチドが約37℃〜約95℃、約55℃〜約85℃、約70℃〜約95℃または約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下でリパーゼ活性を維持する、請求項18記載の単離または組換え核酸。
  • ヒドロラーゼ活性が耐熱性である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  • ポリペプチドが、37℃より高い温度から約95℃、55℃より高い温度から約85℃、または90℃よりも高い温度から約95℃の範囲の温度に曝露した後にヒドロラーゼ活性を維持する、請求項20記載の単離または組換え核酸。
  • 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:337、配列番号:339、配列番号:341、配列番号:343、配列番号:345、配列番号:347、配列番号:349、配列番号:351、配列番号:353、配列番号:355、配列番号:357、配列番号:359、配列番号:361、配列番号:363、配列番号:365、配列番号:367、配列番号:369、配列番号:371、配列番号:373、配列番号:375、配列番号:377、配列番号:379、配列番号:381、配列番号:383、配列番号:385、配列番号:387、配列番号:389、配列番号:391、配列番号:393、配列番号:395、配列番号:397、配列番号:399、配列番号:401、配列番号:403、配列番号:405、配列番号:407、配列番号:409、配列番号:411、配列番号:413、配列番号:415、配列番号:417、配列番号:419、配列番号:421、配列番号:423、配列番号:425、配列番号:427、配列番号:429、配列番号:431、配列番号:433、配列番号:435、配列番号:437、配列番号:439、配列番号:441、配列番号:443、配列番号:445、配列番号:447、配列番号:449、配列番号:451、配列番号:453、配列番号:455、配列番号:457、配列番号:459、配列番号:461、配列番号:463、配列番号:465、配列番号:467、配列番号:469、配列番号:471、配列番号:473、配列番号:475、配列番号:477、配列番号:479、配列番号:481、配列番号:483、配列番号:485、配列番号:487、配列番号:489、配列番号:491、配列番号:493、配列番号:495、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、配列番号:525、配列番号:527、配列番号:529、配列番号:531、配列番号:533、配列番号:535、配列番号:537、配列番号:539、配列番号:541、配列番号:543、配列番号:545、配列番号:547、配列番号:549、配列番号:551、配列番号:553、配列番号:555、配列番号:557、配列番号:559、配列番号:561、配列番号:563、配列番号:565、配列番号:567、配列番号:569、配列番号:571、配列番号:573、配列番号:575、配列番号:577、配列番号:579、配列番号:581、配列番号:583、配列番号:585、配列番号:587、配列番号:589、配列番号:591、配列番号:593、配列番号:595、配列番号:597、配列番号:599、配列番号:601、配列番号:603、配列番号:605、配列番号:607、配列番号:609、配列番号:611、配列番号:613、配列番号:615、配列番号:617、配列番号:619、配列番号:621、配列番号:623、配列番号:625、配列番号:627、配列番号:629、配列番号:631、配列番号:633、配列番号:635、配列番号:637、配列番号:639、配列番号:641、配列番号:643、配列番号:645、配列番号:647、配列番号:649、配列番号:651、配列番号:653、配列番号:655、配列番号:657、配列番号:659、配列番号:661、配列番号:663、配列番号:665、配列番号:667、配列番号:669、配列番号:671、配列番号:673、配列番号:675、配列番号:677、配列番号:679、配列番号:681、配列番号:683、配列番号:685、配列番号:687、配列番号:689、配列番号:691、配列番号:693、配列番号:695、配列番号:697、配列番号:699、配列番号:701、配列番号:703、配列番号:705、配列番号:707、配列番号:709、配列番号:711、配列番号:713、配列番号:715、配列番号:717、配列番号:719、配列番号:721、配列番号:723、配列番号:725、配列番号:727、配列番号:729、配列番号:731、配列番号:733、配列番号:735、配列番号:737、配列番号:739、配列番号:741、配列番号:743、配列番号:745、配列番号:747、配列番号:749、配列番号:751、配列番号:753、配列番号:755、配列番号:757、配列番号:759、配列番号:761、配列番号:763、配列番号:765、配列番号:767、配列番号:769、配列番号:771、配列番号:773、配列番号:775、配列番号:777、配列番号:779、配列番号:781、配列番号:783、配列番号:785、配列番号:787、配列番号:789、配列番号:791、配列番号:793、配列番号:795、配列番号:797、配列番号:799、配列番号:801、配列番号:803、配列番号:805、配列番号:807、配列番号:809、配列番号:811、配列番号:813、配列番号:815、配列番号:817、配列番号:819、配列番号:821、配列番号:823、配列番号:825、配列番号:827、配列番号:829、配列番号:831、配列番号:833、配列番号:835、配列番号:837、配列番号:839、配列番号:841、配列番号:843、配列番号:845、配列番号:847、配列番号:849、配列番号:851、配列番号:853、配列番号:855、配列番号:857、配列番号:859、配列番号:861、配列番号:863、配列番号:865、配列番号:867、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:873、配列番号:875、配列番号:877、配列番号:879、配列番号:881、配列番号:883、配列番号:885、配列番号:887、配列番号:889、配列番号:891、配列番号:893、配列番号:895、配列番号:897、配列番号:899、配列番号:901、配列番号:903、配列番号:905、配列番号:907、配列番号:909、配列番号:911、配列番号:913、配列番号:915、配列番号:917、配列番号:919、配列番号:921、配列番号:923、配列番号:925、配列番号:927、配列番号:929、配列番号:931、配列番号:933、配列番号:935、配列番号:937、配列番号:939、配列番号:941、配列番号:943、配列番号:945、配列番号:947、配列番号:949、配列番号:951または配列番号:953を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離または組換え核酸。
  • 核酸が少なくとも長さ約50、75、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000若しくはそれより多い残基、または遺伝子若しくは転写物の完全長である、請求項23記載の単離または組換え核酸。
  • ストリンジェントな条件が、0.2 x SSC中で約65℃にて約15分間の洗浄を含む洗浄工程を含む、請求項22記載の単離または組換え核酸。
  • 請求項1記載の配列の少なくとも10の連続する塩基を含み、結合またはハイブリダイゼーションによってヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するための核酸プローブ。
  • 少なくとも約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100または約50〜150の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項25記載の核酸プローブ。
  • ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するための核酸プローブであって、前記プローブが、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:337、配列番号:339、配列番号:341、配列番号:343、配列番号:345、配列番号:347、配列番号:349、配列番号:351、配列番号:353、配列番号:355、配列番号:357、配列番号:359、配列番号:361、配列番号:363、配列番号:365、配列番号:367、配列番号:369、配列番号:371、配列番号:373、配列番号:375、配列番号:377、配列番号:379、配列番号:381、配列番号:383、配列番号:385、配列番号:387、配列番号:389、配列番号:391、配列番号:393、配列番号:395、配列番号:397、配列番号:399、配列番号:401、配列番号:403、配列番号:405、配列番号:407、配列番号:409、配列番号:411、配列番号:413、配列番号:415、配列番号:417、配列番号:419、配列番号:421、配列番号:423、配列番号:425、配列番号:427、配列番号:429、配列番号:431、配列番号:433、配列番号:435、配列番号:437、配列番号:439、配列番号:441、配列番号:443、配列番号:445、配列番号:447、配列番号:449、配列番号:451、配列番号:453、配列番号:455、配列番号:457、配列番号:459、配列番号:461、配列番号:463、配列番号:465、配列番号:467、配列番号:469、配列番号:471、配列番号:473、配列番号:475、配列番号:477、配列番号:479、配列番号:481、配列番号:483、配列番号:485、配列番号:487、配列番号:489、配列番号:491、配列番号:493、配列番号:495、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、配列番号:525、配列番号:527、配列番号:529、配列番号:531、配列番号:533、配列番号:535、配列番号:537、配列番号:539、配列番号:541、配列番号:543、配列番号:545、配列番号:547、配列番号:549、配列番号:551、配列番号:553、配列番号:555、配列番号:557、配列番号:559、配列番号:561、配列番号:563、配列番号:565、配列番号:567、配列番号:569、配列番号:571、配列番号:573、配列番号:575、配列番号:577、配列番号:579、配列番号:581、配列番号:583、配列番号:585、配列番号:587、配列番号:589、配列番号:591、配列番号:593、配列番号:595、配列番号:597、配列番号:599、配列番号:601、配列番号:603、配列番号:605、配列番号:607、配列番号:609、配列番号:611、配列番号:613、配列番号:615、配列番号:617、配列番号:619、配列番号:621、配列番号:623、配列番号:625、配列番号:627、配列番号:629、配列番号:631、配列番号:633、配列番号:635、配列番号:637、配列番号:639、配列番号:641、配列番号:643、配列番号:645、配列番号:647、配列番号:649、配列番号:651、配列番号:653、配列番号:655、配列番号:657、配列番号:659、配列番号:661、配列番号:663、配列番号:665、配列番号:667、配列番号:669、配列番号:671、配列番号:673、配列番号:675、配列番号:677、配列番号:679、配列番号:681、配列番号:683、配列番号:685、配列番号:687、配列番号:689、配列番号:691、配列番号:693、配列番号:695、配列番号:697、配列番号:699、配列番号:701、配列番号:703、配列番号:705、配列番号:707、配列番号:709、配列番号:711、配列番号:713、配列番号:715、配列番号:717、配列番号:719、配列番号:721、配列番号:723、配列番号:725、配列番号:727、配列番号:729、配列番号:731、配列番号:733、配列番号:735、配列番号:737、配列番号:739、配列番号:741、配列番号:743、配列番号:745、配列番号:747、配列番号:749、配列番号:751、配列番号:753、配列番号:755、配列番号:757、配列番号:759、配列番号:761、配列番号:763、配列番号:765、配列番号:767、配列番号:769、配列番号:771、配列番号:773、配列番号:775、配列番号:777、配列番号:779、配列番号:781、配列番号:783、配列番号:785、配列番号:787、配列番号:789、配列番号:791、配列番号:793、配列番号:795、配列番号:797、配列番号:799、配列番号:801、配列番号:803、配列番号:805、配列番号:807、配列番号:809、配列番号:811、配列番号:813、配列番号:815、配列番号:817、配列番号:819、配列番号:821、配列番号:823、配列番号:825、配列番号:827、配列番号:829、配列番号:831、配列番号:833、配列番号:835、配列番号:837、配列番号:839、配列番号:841、配列番号:843、配列番号:845、配列番号:847、配列番号:849、配列番号:851、配列番号:853、配列番号:855、配列番号:857、配列番号:859、配列番号:861、配列番号:863、配列番号:865、配列番号:867、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:873、配列番号:875、配列番号:877、配列番号:879、配列番号:881、配列番号:883、配列番号:885、配列番号:887、配列番号:889、配列番号:891、配列番号:893、配列番号:895、配列番号:897、配列番号:899、配列番号:901、配列番号:903、配列番号:905、配列番号:907、配列番号:909、配列番号:911、配列番号:913、配列番号:915、配列番号:917、配列番号:919、配列番号:921、配列番号:923、配列番号:925、配列番号:927、配列番号:929、配列番号:931、配列番号:933、配列番号:935、配列番号:937、配列番号:939、配列番号:941、配列番号:943、配列番号:945、配列番号:947、配列番号:949、配列番号:951または配列番号:953の少なくとも約10の連続する塩基を含む核酸を含み、前記配列同一性が配列比較アルゴリズムによる分析または目視精査によって決定される前記核酸プローブ。
  • 少なくとも約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100または約50〜150の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項27記載の核酸プローブ。
  • 請求項1または22記載の配列を含む核酸またはその部分配列を増幅することのできる、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対。
  • 増幅プライマー配列対の各構成プライマーが、前記配列の約10〜50の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項29記載の増幅プライマー対。
  • 請求項1若しくは請求項22記載の核酸配列またはその部分配列を増幅することのできる増幅プライマー配列対で鋳型核酸を増幅することを含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法。
  • 請求項1または請求項22記載の配列を含む核酸を含む発現カセット。
  • 請求項1または請求項22記載の配列を含む核酸を含むベクター。
  • ウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージまたは人工染色体を含む、請求項1または請求項22記載の配列を含む核酸を含むクローニングビヒクル。
  • ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターを含む、請求項34記載のクローニングビヒクル。
  • 細菌人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1-誘導体ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)、哺乳動物人工染色体(MAC)を含む、請求項34記載のクローニングビヒクル。
  • 請求項1または請求項22記載の配列を含む核酸を含む形質転換細胞。
  • 請求項32記載の発現カセットを含む形質転換細胞。
  • バクテリア細胞、哺乳動物細胞、真菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または植物細胞である、請求項37または請求項38記載の形質転換細胞。
  • 請求項1または請求項22記載の配列を含む非ヒトトランスジェニック哺乳動物。
  • マウスである、請求項40記載の非ヒトトランスジェニック哺乳動物。
  • 請求項1または請求項22記載の配列を含むトランスジェニック植物。
  • トウモロコシ、モロコシ、ジャガイモ、トマト、コムギ、油糧種子植物、ナタネ、ダイズ、イネ、オオムギ、草本、またはタバコである、請求項42記載のトランスジェニック植物。
  • 請求項1または請求項22記載の配列を含むトランスジェニック種子。
  • 種子が、イネ、トウモロコシ種子、コムギ核、油糧種子、ナタネ種子、ヤシ核、ヒマワリ種子、ゴマ種子、コメ、オオムギ、ラッカセイ、タバコ種子である、請求項44記載のトランスジェニック種子。
  • 請求項1若しくは請求項22記載の配列またはその部分配列に相補的またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる核酸配列を含む、アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  • 約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80または約60〜100塩基長である、請求項46記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  • 請求項1若しくは請求項22記載の配列に相補的またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞に導入するまたは細胞中で発現させることを含む、細胞中のヒドロラーゼメッセージの翻訳を阻害する方法。
  • 請求項1または請求項22記載の配列の部分配列を含む二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子。
  • 約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25またはそれより長い二重鎖ヌクレオチド長である、請求項49記載の二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子。
  • 請求項1または請求項22記載の配列の部分配列を含む二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子を細胞に投与するまたは細胞内で発現させることを含む、細胞におけるヒドロラーゼの発現を阻害する方法。
  • (i)配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:143、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352、配列番号:354、配列番号:356、配列番号:358、配列番号:360、配列番号:362、配列番号:364、配列番号:366、配列番号:368、配列番号:370、配列番号:372、配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494、配列番号:496、配列番号:498、配列番号:500、配列番号:502、配列番号:504、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518、配列番号:520、配列番号:522、配列番号:524、配列番号:526、配列番号:528、配列番号:530、配列番号:532、配列番号:534、配列番号:536、配列番号:538、配列番号:540、配列番号:542、配列番号:544、配列番号:546、配列番号:548、配列番号:550、配列番号:552、配列番号:554、配列番号:556、配列番号:558、配列番号:560、配列番号:562、配列番号:564、配列番号:566、配列番号:568、配列番号:570、配列番号:572、配列番号:574、配列番号:576、配列番号:578、配列番号:580、配列番号:582、配列番号:584、配列番号:586、配列番号:588、配列番号:590、配列番号:592、配列番号:594、配列番号:596、配列番号:598、配列番号:600、配列番号:602、配列番号:604、配列番号:606、配列番号:608、配列番号:610、配列番号:612、配列番号:614、配列番号:616、配列番号:618、配列番号:620、配列番号:622、配列番号:624、配列番号:626、配列番号:628、配列番号:630、配列番号:632、配列番号:634、配列番号:636、配列番号:638、配列番号:640、配列番号:642、配列番号:644、配列番号:646、配列番号:648、配列番号:650、配列番号:652、配列番号:654、配列番号:656、配列番号:658、配列番号:660、配列番号:662、配列番号:664、配列番号:666、配列番号:668、配列番号:670、配列番号:672、配列番号:674、配列番号:676、配列番号:678、配列番号:680、配列番号:682、配列番号:684、配列番号:686、配列番号:688、配列番号:690、配列番号:692、配列番号:694、配列番号:696、配列番号:698、配列番号:700、配列番号:702、配列番号:704、配列番号:706、配列番号:708、配列番号:710、配列番号:712、配列番号:714、配列番号:716、配列番号:718、配列番号:720、配列番号:722、配列番号:724、配列番号:726、配列番号:728、配列番号:730、配列番号:732、配列番号:734、配列番号:736、配列番号:738、配列番号:740、配列番号:742、配列番号:744、配列番号:746、配列番号:748、配列番号:750、配列番号:752、配列番号:754、配列番号:756、配列番号:758、配列番号:760、配列番号:762、配列番号:764、配列番号:766、配列番号:768、配列番号:770、配列番号:772、配列番号:774、配列番号:776、配列番号:778、配列番号:780、配列番号:782、配列番号:784、配列番号:786、配列番号:788、配列番号:790、配列番号:792、配列番号:794、配列番号:796、配列番号:798、配列番号:800、配列番号:802、配列番号:804、配列番号:808、配列番号:808、配列番号:810、配列番号:812、配列番号:814、配列番号:816、配列番号:818、配列番号:820、配列番号:822、配列番号:824、配列番号:826、配列番号:828、配列番号:830、配列番号:832、配列番号:834、配列番号:836、配列番号:838、配列番号:840、配列番号:842、配列番号:844、配列番号:846、配列番号:848、配列番号:850、配列番号:852、配列番号:854、配列番号:856、配列番号:858、配列番号:860、配列番号:862、配列番号:864、配列番号:866、配列番号:868、配列番号:870、配列番号:872、配列番号:874、配列番号:876、配列番号:878、配列番号:880、配列番号:882、配列番号:884、配列番号:886、配列番号:888、配列番号:890、配列番号:892、配列番号:894、配列番号:896、配列番号:898、配列番号:900、配列番号:902、配列番号:904、配列番号:906、配列番号:908、配列番号:910、配列番号:912、配列番号:914、配列番号:916、配列番号:918、配列番号:920、配列番号:922、配列番号:924、配列番号:926、配列番号:928、配列番号:930、配列番号:932、配列番号:934、配列番号:936、配列番号:938、配列番号:940、配列番号:942、配列番号:944、配列番号:946、配列番号:948、配列番号:950、配列番号:952または配列番号:954と少なくとも約100残基の領域にわたって少なくとも50%の配列同一性を有する(前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される);または、
    (ii)請求項1または請求項22記載の核酸によってコードされる、
    単離または組換えポリペプチド。
  • 配列同一性が、少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い領域にわたる、または100%の配列同一性である請求項52に記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 配列同一性が、少なくとも酵素の約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050残基またはそれより多い残基領域、または酵素の全長にわたる、請求項52記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:143、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352、配列番号:354、配列番号:356、配列番号:358、配列番号:360、配列番号:362、配列番号:364、配列番号:366、配列番号:368、配列番号:370、配列番号:372、配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494、配列番号:496、配列番号:498、配列番号:500、配列番号:502、配列番号:504、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518、配列番号:520、配列番号:522、配列番号:524、配列番号:526、配列番号:528、配列番号:530、配列番号:532、配列番号:534、配列番号:536、配列番号:538、配列番号:540、配列番号:542、配列番号:544、配列番号:546、配列番号:548、配列番号:550、配列番号:552、配列番号:554、配列番号:556、配列番号:558、配列番号:560、配列番号:562、配列番号:564、配列番号:566、配列番号:568、配列番号:570、配列番号:572、配列番号:574、配列番号:576、配列番号:578、配列番号:580、配列番号:582、配列番号:584、配列番号:586、配列番号:588、配列番号:590、配列番号:592、配列番号:594、配列番号:596、配列番号:598、配列番号:600、配列番号:602、配列番号:604、配列番号:606、配列番号:608、配列番号:610、配列番号:612、配列番号:614、配列番号:616、配列番号:618、配列番号:620、配列番号:622、配列番号:624、配列番号:626、配列番号:628、配列番号:630、配列番号:632、配列番号:634、配列番号:636、配列番号:638、配列番号:640、配列番号:642、配列番号:644、配列番号:646、配列番号:648、配列番号:650、配列番号:652、配列番号:654、配列番号:656、配列番号:658、配列番号:660、配列番号:662、配列番号:664、配列番号:666、配列番号:668、配列番号:670、配列番号:672、配列番号:674、配列番号:676、配列番号:678、配列番号:680、配列番号:682、配列番号:684、配列番号:686、配列番号:688、配列番号:690、配列番号:692、配列番号:694、配列番号:696、配列番号:698、配列番号:700、配列番号:702、配列番号:704、配列番号:706、配列番号:708、配列番号:710、配列番号:712、配列番号:714、配列番号:716、配列番号:718、配列番号:720、配列番号:722、配列番号:724、配列番号:726、配列番号:728、配列番号:730、配列番号:732、配列番号:734、配列番号:736、配列番号:738、配列番号:740、配列番号:742、配列番号:744、配列番号:746、配列番号:748、配列番号:750、配列番号:752、配列番号:754、配列番号:756、配列番号:758、配列番号:760、配列番号:762、配列番号:764、配列番号:766、配列番号:768、配列番号:770、配列番号:772、配列番号:774、配列番号:776、配列番号:778、配列番号:780、配列番号:782、配列番号:784、配列番号:786、配列番号:788、配列番号:790、配列番号:792、配列番号:794、配列番号:796、配列番号:798、配列番号:800、配列番号:802、配列番号:804、配列番号:808、配列番号:808、配列番号:810、配列番号:812、配列番号:814、配列番号:816、配列番号:818、配列番号:820、配列番号:822、配列番号:824、配列番号:826、配列番号:828、配列番号:830、配列番号:832、配列番号:834、配列番号:836、配列番号:838、配列番号:840、配列番号:842、配列番号:844、配列番号:846、配列番号:848、配列番号:850、配列番号:852、配列番号:854、配列番号:856、配列番号:858、配列番号:860、配列番号:862、配列番号:864、配列番号:866、配列番号:868、配列番号:870、配列番号:872、配列番号:874、配列番号:876、配列番号:878、配列番号:880、配列番号:882、配列番号:884、配列番号:886、配列番号:888、配列番号:890、配列番号:892、配列番号:894、配列番号:896、配列番号:898、配列番号:900、配列番号:902、配列番号:904、配列番号:906、配列番号:908、配列番号:910、配列番号:912、配列番号:914、配列番号:916、配列番号:918、配列番号:920、配列番号:922、配列番号:924、配列番号:926、配列番号:928、配列番号:930、配列番号:932、配列番号:934、配列番号:936、配列番号:938、配列番号:940、配列番号:942、配列番号:944、配列番号:946、配列番号:948、配列番号:950、配列番号:952または配列番号:954記載の配列を有する、請求項52記載の単離または組換えポリペプチド。
  • ヒドロラーゼ活性を有する、請求項60記載の単離または組換えポリペプチド。
  • ヒドロラーゼ活性がエステラーゼ活性、リパーゼ活性、ホスホリパーゼ活性またはプロテアーゼ活性を含む、請求項52記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性が、トリアシルグリセロールをジアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、トリアシルグリセロールをモノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、ジアシルグリセロールをモノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、モノアシルグリセロールを遊離脂肪酸とグリセロールに加水分解することを含む、あるいは、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を加水分解することを含む、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性が、ジアシルグリセロールまたはモノアシルグリセロール、および遊離脂肪酸とからトリアシルグリセロールを合成することを含む、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性が、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-ジパルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)もしくは1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)、長鎖ポリ不飽和脂肪酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)またはエイコサペンタエン酸(EPA)を合成することを含む、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性がトリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)位置特異的である、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性がSn2-特異的、Sn1-またはSn3-特異的である、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性が脂肪酸特異的である、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性が、加水分解、アルコール分解、エステル化、エステル転移またはエステル交換によって油を改変することを含む、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性が位置特異的または化学選択的である、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性が、エナンチオマー的に純粋なキラル生成物を合成することを含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  • リパーゼ活性がウンベリフェリル脂肪酸(FA)エステルを合成することを含む、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • ヒドロラーゼ活性が熱安定性である、請求項57記載の単離または組換えポリペプチド。
  • ポリペプチドが約37℃〜約95℃、約55℃〜約85℃、約70℃〜約95℃または約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下でヒドロラーゼ活性を維持する、請求項68記載の単離または組換えポリペプチド。
  • ヒドロラーゼ活性が耐熱性である、請求項56記載の単離または組換えポリペプチド。
  • ポリペプチドが、37℃より高い温度から約95℃、55℃より高い温度から約85℃、または90℃よりも高い温度から約95℃の範囲の温度に曝露した後にヒドロラーゼ活性を維持する、請求項70記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 請求項52記載のポリペプチドを含み、シグナル配列を欠く単離または組換えポリペプチド。
  • 請求項52記載のポリペプチドを含み、異種シグナル配列を含む単離または組換えポリペプチド。
  • ヒドロラーゼ活性が約37℃にて、タンパク質1mgあたり約100〜約1000ユニット、タンパク質1mgあたり約500〜約750ユニット、タンパク質1mgあたり約500〜1200ユニット、またはタンパク質1mgあたり約750〜1000ユニットの比活性を含む請求項56記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 耐熱性が、上昇した温度まで加熱後に37℃におけるヒドロラーゼの比活性の少なくとも半分の活性を維持することを含む、請求項70記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 耐熱性が、上昇した温度まで加熱後に37℃においてタンパク質1mgあたり約500〜1200ユニットの比活性を維持することを含む、請求項70記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 少なくとも一つのグリコシル化部位を含む、請求項52記載の単離または組換えポリペプチド。
  • グリコシル化がN-結合グリコシル化である、請求項77記載の単離または組換えポリペプチド。
  • P.パストリスまたはS.ポンベで発現させるとグリコシル化される、請求項78記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 約pH6.5、pH6.0、pH5.5、pH5.0、pH4.5またはpH4.0を含む条件下でヒドロラーゼ活性を維持する、請求項56記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 約pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10またはpH10.5を含む条件下でヒドロラーゼ活性を維持する、請求項56記載の単離または組換えポリペプチド。
  • 液体、固体、またはゲルを含む、請求項52記載のポリペプチドを含むタンパク質調製物。
  • 請求項52記載のポリペプチドおよび第二のドメインを含むヘテロ二量体。
  • 第二のドメインがポリペプチドであり、ヘテロ二量体が融合タンパク質である、請求項83記載のヘテロ二量体。
  • 第2のドメインがエピトープまたはタグである、請求項84記載のヘテロ二量体。
  • 請求項52記載のポリペプチドを含むホモ二量体。
  • 前記ポリペプチドペプチドが請求項52記載の配列またはその部分配列を含む固定化ポリペプチド。
  • ポリペプチドが細胞上、金属上、樹脂上、ポリマー上、セラミック上、ガラス上、微小電極上、グラファイト粒子上、ビーズ上、ゲル上、プレート上、アレイ上、またはキャピラリー管上に固定化されている、請求項87記載の固定化ポリペプチド。
  • 固定化された請求項52記載のポリペプチドを含むアレイ。
  • 固定化された請求項1または請求項22記載の核酸を含むアレイ。
  • 請求項52記載のポリペプチドに特異的に結合する単離または組換え抗体。
  • モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項91記載の単離または組換え抗体。
  • 請求項52記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体を含むハイブリドーマ。
  • 請求項52記載のポリペプチドまたはその部分配列を含む動物用食品補助物。
  • ポリペプチドがグリコシル化されている、請求項94記載の動物用食品補助物。
  • 請求項52記載のポリペプチドを含む食用酵素デリバリーマトリックス。
  • ペレットを含む、請求項96記載の食用酵素デリバリーマトリックス。
  • ポリペプチドがグリコシル化されている、請求項97記載の食用酵素デリバリーマトリックス。
  • ポリペプチドが耐熱性または熱安定性のヒドロラーゼ活性を有する、請求項96記載の食用酵素デリバリーマトリックス。
  • 以下の工程を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを単離または同定する方法:
    (a)請求項91記載の抗体を提供する工程;
    (b)ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;
    (c)工程(b)のサンプルを工程(a)の抗体と、前記抗体が前記ポリペプチドへ特異的に結合することのできる条件下で接触させ、それによりヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを単離または同定する工程。
  • 請求項1または請求項22記載の核酸またはその部分配列を液性免疫応答を生じさせるに充分な量で非ヒト動物に投与し、それによって抗ヒドロラーゼ抗体を生じさせることを含む、抗ヒドロラーゼ抗体の作製方法。
  • 請求項52記載のポリペプチドまたはその部分配列を液性免疫応答を生じさせるに充分な量で非ヒト動物に投与し、それによって抗ヒドロラーゼ抗体を生じさせることを含む、抗ヒドロラーゼ抗体の作製方法。
  • 以下の工程を含む、組換えポリペプチドを製造する方法:
    (a)プロモーターに機能可能に連結した核酸を提供する工程であって、前記核酸が請求項1または22記載の配列を含む核酸である、前記工程;および、
    (b)工程(a)の核酸を、ポリペプチドの発現が可能な条件下で発現させ、それによって組換えポリペプチドを生成させる工程。
  • 更に、工程(a)の核酸で宿主細胞を形質転換し、続いて工程(a)の核酸を発現させ、それにより形質転換細胞において組換えポリペプチドを生成させることを含む、請求項103記載の方法。
  • (a)請求項56記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)ヒドロラーゼ基質を提供する工程;および(c)前記ポリペプチドを工程(b)の基質と接触させ、前記基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出する工程、
    を含み、基質の量の減少または反応生成物の量の増加によりヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを検出することを含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを同定する方法。
  • 基質が脂肪酸、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)である、請求項105記載の方法。
  • (a)請求項56記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験基質を提供する工程;および(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験基質と接触させ、前記基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出する工程、
    を含み、前記基質の量が減少または前記反応生成物が増加すれば前記試験基質をヒドロラーゼ基質として同定することを含む、ヒドロラーゼ基質を同定する方法。
  • (a)請求項1または請求項22記載の配列を有する核酸または前記核酸を含むベクターを、前記核酸がポリペプチドに翻訳され得る条件下で発現させる工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)前記ポリペプチドを前記試験化合物と接触させる工程;および、
    (d)工程(b)の試験化合物が前記ポリペプチドに特異的に結合するかどうかを測定する工程、
    を含む、試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する方法。
  • (a)請求項52記載の配列を有するポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)前記ポリペプチドを前記試験化合物と接触させる工程;および、
    (d)工程(b)の試験化合物が前記ポリペプチドに特異的に結合するかどうかを測定する工程、
    を含む、試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する方法。
  • (a)請求項56記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験化合物に接触させ、ヒドロラーゼ活性を測定する工程、
    を含み、前記試験化合物の非存在下で測定されるヒドロラーゼ活性に比較して前記試験化合物の存在下で測定されるヒドロラーゼ活性が変化すれば、前記試験化合物がヒドロラーゼ活性を調節すると決定する、ヒドロラーゼ活性の調節因子を同定する方法。
  • ヒドロラーゼ活性が、ヒドロラーゼ基質を提供すること、および基質の量の減少若しくは反応生成物の量の増加を検出する、または、基質の量の増加若しくは反応生成物の量の減少を検出すること、によって測定される、請求項110記載の方法。
  • 試験化合物非存在下における基質の量若しくは反応生成物の量に比較して、前記試験化合物存在下における基質の量が減少若しくは反応生成物の量が増加すれば、前記試験化合物をヒドロラーゼ活性の活性化因子であると同定する、請求項111記載の方法。
  • 試験化合物非存在下における基質の量若しくは反応生成物の量に比較して、前記試験化合物存在下における基質の量が増加若しくは反応生成物の量が減少すれば、前記試験化合物をヒドロラーゼ活性の阻害因子であると同定する、請求項111記載の方法。
  • プロセッサおよびデータ保存装置を含むコンピュータシステムであって、前記データ保存装置にはポリペプチド配列または核酸配列が保存され、前記ポリペプチド配列は請求項52記載の配列または請求項1若しくは請求項22記載の核酸配列によってコードされるポリペプチドを含む、前記コンピュータシステム。
  • 更に、配列比較アルゴリズムおよび少なくとも一つの参照配列が保存されたデータ保存装置を含む、請求項114記載のコンピュータシステム。
  • 配列比較アルゴリズムが多型性を表示するコンピュータプログラムを含む、請求項115記載のコンピュータシステム。
  • 配列の1以上の特徴を同定するアイデンティファイアーを更に含む請求項114記載のコンピュータシステム。
  • ポリペプチド配列または核酸配列が保存されたコンピュータ読取り可能媒体であって、前記ポリペプチド配列が請求項52記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記コンピュータ読取り可能媒体。
  • 以下の工程を含む、配列中の特徴を同定する方法:
    (a)配列中の1以上の特徴を同定するコンピュータプログラムを用いて配列を読む工程であって、前記配列はポリペプチド配列または核酸配列を含み、前記ポリペプチド配列は請求項52記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;および、
    (b)前記コンピュータプログラムにより前記配列中の1以上の特徴を同定する工程。
  • 以下の工程を含む、第1の配列と第2の配列とを比較する方法;
    (a)配列を比較するコンピュータプログラムを用いて第1の配列及び第2の配列を読む工程であって、前記第1の配列はポリペプチド配列または核酸配列を含み、前記ポリペプチド配列は請求項52記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;および、
    (b)前記第1の配列と前記第2の配列間の相違を前記コンピュータプログラムにより決定する工程。
  • 第1の配列と第2の配列間の相違を決定する工程が、更に多型性を同定する工程を含む、請求項120記載の方法。
  • 配列中の1以上の特徴を同定するアイデンティファイアーを更に含む、請求項120記載の方法。
  • コンピュータプログラムを用いて第1の配列を読み、前記配列中の1以上の特徴を同定することを含む、請求項122記載の方法。
  • 以下の工程を含む、環境サンプルからヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法:
    (a)請求項29記載の増幅プライマー配列対を提供する工程;
    (b)環境サンプルから核酸を単離する、または環境サンプルを前記サンプル中の核酸が前記増幅プライマー対へハイブリダーゼションのために接近可能となるように処理する工程;および、
    (c)工程(b)の核酸を工程(a)の増幅プライマー対と合わせ、前記環境サンプルからの核酸を増幅し、それによって前記環境サンプルからヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程。
  • 増幅プライマー配列対の各構成プライマーが、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:337、配列番号:339、配列番号:341、配列番号:343、配列番号:345、配列番号:347、配列番号:349、配列番号:351、配列番号:353、配列番号:355、配列番号:357、配列番号:359、配列番号:361、配列番号:363、配列番号:365、配列番号:367、配列番号:369、配列番号:371、配列番号:373、配列番号:375、配列番号:377、配列番号:379、配列番号:381、配列番号:383、配列番号:385、配列番号:387、配列番号:389、配列番号:391、配列番号:393、配列番号:395、配列番号:397、配列番号:399、配列番号:401、配列番号:403、配列番号:405、配列番号:407、配列番号:409、配列番号:411、配列番号:413、配列番号:415、配列番号:417、配列番号:419、配列番号:421、配列番号:423、配列番号:425、配列番号:427、配列番号:429、配列番号:431、配列番号:433、配列番号:435、配列番号:437、配列番号:439、配列番号:441、配列番号:443、配列番号:445、配列番号:447、配列番号:449、配列番号:451、配列番号:453、配列番号:455、配列番号:457、配列番号:459、配列番号:461、配列番号:463、配列番号:465、配列番号:467、配列番号:469、配列番号:471、配列番号:473、配列番号:475、配列番号:477、配列番号:479、配列番号:481、配列番号:483、配列番号:485、配列番号:487、配列番号:489、配列番号:491、配列番号:493、配列番号:495、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、配列番号:525、配列番号:527、配列番号:529、配列番号:531、配列番号:533、配列番号:535、配列番号:537、配列番号:539、配列番号:541、配列番号:543、配列番号:545、配列番号:547、配列番号:549、配列番号:551、配列番号:553、配列番号:555、配列番号:557、配列番号:559、配列番号:561、配列番号:563、配列番号:565、配列番号:567、配列番号:569、配列番号:571、配列番号:573、配列番号:575、配列番号:577、配列番号:579、配列番号:581、配列番号:583、配列番号:585、配列番号:587、配列番号:589、配列番号:591、配列番号:593、配列番号:595、配列番号:597、配列番号:599、配列番号:601、配列番号:603、配列番号:605、配列番号:607、配列番号:609、配列番号:611、配列番号:613、配列番号:615、配列番号:617、配列番号:619、配列番号:621、配列番号:623、配列番号:625、配列番号:627、配列番号:629、配列番号:631、配列番号:633、配列番号:635、配列番号:637、配列番号:639、配列番号:641、配列番号:643、配列番号:645、配列番号:647、配列番号:649、配列番号:651、配列番号:653、配列番号:655、配列番号:657、配列番号:659、配列番号:661、配列番号:663、配列番号:665、配列番号:667、配列番号:669、配列番号:671、配列番号:673、配列番号:675、配列番号:677、配列番号:679、配列番号:681、配列番号:683、配列番号:685、配列番号:687、配列番号:689、配列番号:691、配列番号:693、配列番号:695、配列番号:697、配列番号:699、配列番号:701、配列番号:703、配列番号:705、配列番号:707、配列番号:709、配列番号:711、配列番号:713、配列番号:715、配列番号:717、配列番号:719、配列番号:721、配列番号:723、配列番号:725、配列番号:727、配列番号:729、配列番号:731、配列番号:733、配列番号:735、配列番号:737、配列番号:739、配列番号:741、配列番号:743、配列番号:745、配列番号:747、配列番号:749、配列番号:751、配列番号:753、配列番号:755、配列番号:757、配列番号:759、配列番号:761、配列番号:763、配列番号:765、配列番号:767、配列番号:769、配列番号:771、配列番号:773、配列番号:775、配列番号:777、配列番号:779、配列番号:781、配列番号:783、配列番号:785、配列番号:787、配列番号:789、配列番号:791、配列番号:793、配列番号:795、配列番号:797、配列番号:799、配列番号:801、配列番号:803、配列番号:805、配列番号:807、配列番号:809、配列番号:811、配列番号:813、配列番号:815、配列番号:817、配列番号:819、配列番号:821、配列番号:823、配列番号:825、配列番号:827、配列番号:829、配列番号:831、配列番号:833、配列番号:835、配列番号:837、配列番号:839、配列番号:841、配列番号:843、配列番号:845、配列番号:847、配列番号:849、配列番号:851、配列番号:853、配列番号:855、配列番号:857、配列番号:859、配列番号:861、配列番号:863、配列番号:865、配列番号:867、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:873、配列番号:875、配列番号:877、配列番号:879、配列番号:881、配列番号:883、配列番号:885、配列番号:887、配列番号:889、配列番号:891、配列番号:893、配列番号:895、配列番号:897、配列番号:899、配列番号:901、配列番号:903、配列番号:905、配列番号:907、配列番号:909、配列番号:911、配列番号:913、配列番号:915、配列番号:917、配列番号:919、配列番号:921、配列番号:923、配列番号:925、配列番号:927、配列番号:929、配列番号:931、配列番号:933、配列番号:935、配列番号:937、配列番号:939、配列番号:941、配列番号:943、配列番号:945、配列番号:947、配列番号:949、配列番号:951または配列番号:953記載の配列またはその部分配列の少なくとも約10〜50の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項124記載の方法。
  • 以下の工程を含む、環境サンプルからヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法:
    (a)請求項1または請求項22、またはその部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;
    (b)環境サンプルから核酸を単離する、または、環境サンプルを前記サンプル中の核酸が工程(a)のポリヌクレオチドプローブにハイブリダイゼーションのために接近可能であるように処理する工程;および、
    (c)工程(b)の単離された核酸または処理された環境サンプルを工程(a)のポリヌクレオチドプローブと一緒にする工程;
    (d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離し、それによって、環境サンプルからヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程。
  • 環境サンプルが水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、大気サンプルまたは生物学的サンプルを含む、請求項124または請求項126記載の方法。
  • 生物学的サンプルが細菌細胞、原生動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、真菌細胞、または哺乳動物細胞に由来する請求項127記載の方法。
  • 以下の工程を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸の変種を作製する方法:
    (a)請求項1または請求項22記載の配列を含む鋳型核酸を提供する工程;および、
    (b)前記鋳型配列における1以上のヌクレオチドを改変、欠失または付加、またはそれらの組合せにより、前記鋳型核酸の変種を作製する工程。
  • 変種核酸を発現させて変種ヒドロラーゼポリペプチドを生成させることを更に含む、請求項129記載の方法。
  • 改変、付加または欠失が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結アッセンブリ(SLR)およびそれらの組合せを含む方法により導入される、請求項129記載の方法。
  • 改変、付加、欠失が、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成、およびそれらの組合せによって導入される、請求項129記載の方法。
  • 鋳型核酸によってコードされるポリペプチドの活性または安定性に対して変異した若しくは異なる活性を有する、または、変異した若しくは異なる安定性を有するヒドロラーゼが生成されるまで反復される、請求項129記載の方法。
  • 変種ヒドロラーゼポリペプチドが耐熱性であって、上昇した温度に曝露した後にある程度の活性を維持する、請求項133記載の方法。
  • 変種ヒドロラーゼポリペプチドが鋳型核酸によってコードされるポリペプチドに比較してグリコシル化が増加する、請求項133記載の方法。
  • 変種ヒドロラーゼポリペプチドが高温下でヒドロラーゼ活性を有し、鋳型核酸によってコードされるヒドロラーゼが高温下で活性を有しない、請求項133記載の方法。
  • 鋳型核酸のコドン使用とは異なるコドン使用を有するヒドロラーゼコード配列が生成されるまで反復される、請求項129記載の方法。
  • 鋳型核酸のものよりも高いもしくは低い、メッセージ発現レベルもしくは安定性を有するヒドロラーゼ遺伝子が生成されるまで反復される、請求項129記載の方法。
  • 以下の工程を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主細胞における前記核酸の発現を増加させる方法:
    (a)請求項1または請求項22記載の配列を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中の非優先コドンまたは低優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドンまたは中性的に使用されるコドンに置換し、それによって核酸を改変して発現を増加させる工程であって、前記優先コドンとは宿主中の遺伝子内のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先コドンまたは低優先コドンとは前記宿主中の遺伝子内のコード配列において低頻度に提示されるコドンである、前記工程。
  • 以下の工程を含む、ヒドロラーゼポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変する方法:
    (a)請求項1または請求項22記載の配列を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中のコドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同一のアミノ酸をコードする異なるコドンに置換し、それによってヒドロラーゼをコードする核酸中のコドンを改変する工程。
  • 以下の工程を含む、ヒドロラーゼポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主における前記核酸の発現を増加させる方法:
    (a)請求項1または請求項22記載の配列を含む、ヒドロラーゼポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中の非優先コドンまたは低優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドンまたは中性的に使用されるコドンに置換し、それによって核酸を改変して発現を増加させる工程であって、前記優先コドンとは宿主細胞中の遺伝子内のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先コドンまたは低優先コドンとは前記宿主細胞中の遺伝子内のコード配列において低頻度に提示されるコドンである、前記工程。
  • 以下の工程を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主細胞における前記核酸の発現を減少させる方法:
    (a)請求項1または請求項22記載の配列を含む、ヒドロラーゼポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中の少なくとも一つの優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする非優先コドンまたは低優先コドンに置換し、それによって核酸を改変して宿主細胞でのその発現を減少させる工程であって、前記優先コドンとは宿主細胞中の遺伝子内のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先コドンまたは低優先コドンとは前記宿主細胞中の遺伝子内のコード配列において低頻度に提示されるコドンである、前記工程。
  • 宿主細胞が細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞または哺乳動物細胞である、請求項141または請求項142記載の方法。
  • 以下の工程を含む、複数の改変ヒドロラーゼ活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作製する方法であって、前記改変ヒドロラーゼ活性部位または基質結合部位が第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする配列を含む第1の核酸に由来する前記方法:
    (a)第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする第1の核酸を提供する工程であって、前記第1の核酸の配列が、請求項1または請求項22記載の配列またはその部分配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、前記核酸がヒドロラーゼ活性部位またはヒドロラーゼ基質結合部位をコードする、前記工程;
    (b)前記第1の核酸中の複数の標的コドンにおいて天然のアミノ酸変種をコードする、変異性オリゴヌクレオチドの組を提供する工程;および、
    (c)前記変異性オリゴヌクレオチドの組を用いて、変異させた各アミノ酸コドンにおいて一群のアミノ酸変種をコードする、一組の活性部位コード変種核酸または結合部位コード変種核酸を生成し、それによって複数の改変ヒドロラーゼ活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作製する工程。
  • 工程(a)の第1の核酸を、最適化定方向進化システム、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、または合成連結再アッセンブリ(SLR)を含む方法によって変異させることを含む、請求項144記載の方法。
  • 変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド指向変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)またはそれらの組合せを含む方法によって、工程(a)の第1の核酸または変種に変異導入することを含む請求項144記載の方法。
  • 組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成、またはそれらの組合せを含む方法によって工程(a)の第1の核酸または変種に変異導入することを含む請求項144記載の方法。
  • 以下の工程を含む、小分子を作製する方法:
    (a)小分子を合成または改変できる複数の生合成酵素を提供する工程であって、前記酵素の一つが請求項1または請求項22記載の配列を含む核酸によってコードされるヒドロラーゼ酵素を含む、前記工程;
    (b)工程(a)の酵素の少なくとも一つに対する基質を提供する工程;および(c)複数の生体触媒反応を容易にする条件下で工程(b)の基質を前記酵素と反応させ、一連の生体触媒反応によって小分子を生成させる工程。
  • 以下の工程を含む小分子を改変する方法:
    (a)ヒドロラーゼ酵素を提供する工程であって、前記酵素は請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項22記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるポリペプチドを含む酵素である、前記工程;
    (b)小分子を提供する工程;
    (c)工程(a)の酵素を、前記ヒドロラーゼ酵素によって触媒される酵素反応を容易にする条件下で、工程(b)の小分子と反応させる工程。
  • 工程(a)の酵素に対する複数の小分子基質を含み、それによって前記ヒドロラーゼ酵素によって触媒される少なくとも一つの酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを作製することを含む、請求項149記載の方法。
  • 酵素による複数の生体触媒反応を容易にして前記複数の酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを生成させる条件下で複数の追加の酵素を含む、請求項149記載の方法。
  • ライブラリーを試験して、前記ライブラリー中に所望の活性を示す特定の改変小分子が存在するかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項151記載の方法。
  • ライブラリーを試験する工程が、更に、改変小分子の一部を所望の活性を有する特定の改変小分子の存在または非存在について試験し、前記所望の活性を有する特定の改変小分子を生成する少なくとも一つの特異的な生体触媒反応を同定することによって、ライブラリー中の複数の改変小分子の一部を生成するために使用された生体触媒反応の一つを除く全てを系統的に除去する工程を含む、請求項152記載の方法。
  • 以下の工程を含む、ヒドロラーゼ酵素の機能的断片を決定する方法:
    (a)ヒドロラーゼ酵素を提供する工程であって、前記酵素は請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む酵素である、前記工程;
    (b)工程(a)の配列から複数のアミノ酸残基を欠失させ、残存する部分配列についてヒドロラーゼ活性を試験し、それによってヒドロラーゼ酵素の機能的断片を決定する工程。
  • ヒドロラーゼ活性が、ヒドロラーゼ基質を提供すること、および、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出すること、によって測定される、請求項154記載の方法。
  • 以下の工程を含む、リアルタイム代謝フラックス分析を用いた、新規な、または、改変された表現型について全細胞を操作する方法:
    (a)細胞の遺伝的構成を改変することによって改変細胞を作製する工程であって、前記遺伝的構成が細胞に請求項1または請求項22記載の配列を含む核酸を導入することによって改変される、前記工程;
    (b)前記改変細胞を培養して複数の改変細胞を生成させる工程;
    (c)リアルタイムで工程(b)の細胞培養物を監視することにより、前記細胞の少なくとも一つの代謝パラメーターを測定する工程;および、
    (d)工程(c)のデータを解析して、測定されたパラメーターが同様な条件下における未改変細胞の対応する測定値と異なるかどうかを決定し、それによってリアルタイム代謝フラックスを用いて細胞の操作された表現型を同定する工程。
  • 細胞の遺伝的構成が細胞中の配列の欠失または配列の改変、もしくは遺伝子の発現をノックアウトすることによって改変される、請求項156記載の方法。
  • 新規に操作された表現型を含む細胞を選抜することを更に含む、請求項157記載の方法。
  • さらに、選抜した細胞を培養し、新規に操作された表現型を含む新規な細胞株を生成させることを含む、請求項158記載の方法。
  • 以下の工程を含む、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を加水分解する方法:
    (a)ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程であって、前記ポリペプチドは請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;
    (b)トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)前記ポリペプチドがトリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を加水分解する条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させる工程。
  • 以下の工程を含む、組成物からトリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を除去またはその量を低減する方法:
    (a)ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程であって、前記ポリペプチドは請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;
    (b)トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)前記ポリペプチドがトリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を除去またはその量を低減する条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させる工程。
  • ヒドロラーゼポリペプチドのグリコシル化を含む、ヒドロラーゼポリペプチドの耐熱性または熱安定性を増大させる方法であって、前記ポリペプチドが請求項52記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドの少なくとも30個の連続するアミノ酸を含む、前記方法。
  • ヒドロラーゼ比活性が、約37℃より高い温度から約95℃の範囲の温度において熱安定性または耐熱性である、請求項163記載の方法。
  • 請求項1または請求項24記載の核酸を含むベクターを発現させることを含む、細胞で組換えヒドロラーゼポリペプチドを過剰発現させる方法であって、過剰発現が高活性プロモーター、二シストロン性ベクター、またはベクターの遺伝子増幅によって行われる、前記方法。
  • 請求項52記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む洗剤組成物であって、前記ポリペプチドがヒドロラーゼ活性を有する、前記洗剤組成物。
  • ヒドロラーゼが、非界面活性ヒドロラーゼまたは界面活性ヒドロラーゼである、請求項166記載の洗剤組成物。
  • ヒドロラーゼが、非水性液状組成物、鋳造固形物、顆粒形態、粒状形態、打錠剤、ゲル状形態、ペーストまたはスラリー状形態として製剤化される請求項165の洗剤組成物。
  • 以下の工程を含む物体の洗浄方法:
    (a)ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物を提供する工程であって、前記ポリペプチドは請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;
    (b)物体を提供する工程;および(c)前記組成物が前記物体を洗浄することができる条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の物体と接触させる工程。
  • 以下の工程を含む、動物によって消費されるに先立って、飼料または食物中の油を加水分解する方法:
    (a)油を含む飼料材料を入手する工程であって、前記油はヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドで加水分解されていてもよく、ここで前記ポリペプチドは請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;および、
    (b)前記油が加水分解され処理済食物または飼料が生成されるために十分な量で十分な時間、工程(a)のポリペプチドを前記飼料または食物材料に加え、それによって動物が消費する前に前記食物または飼料中の油を加水分解する工程。
  • 食物または飼料がコメ、トウモロコシ、オオムギ、コムギ、豆類、またはジャガイモである請求項169記載の方法。
  • 請求項52記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む飼料または食物。
  • 油、および請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む組成物。
  • 請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む医薬組成物。
  • 核酸が植物プロモーターに機能可能に連結されている、請求項32記載の発現カセット。
  • 植物発現ベクターをさらに含む、請求項174記載の発現カセット。
  • 植物発現ベクターが植物ウィルスを含む、請求項175記載の発現カセット。
  • 植物プロモーターが、ジャガイモのプロモーター、イネのプロモーター、トウモロコシのプロモーター、コムギまたはオオムギのプロモーターを含む、請求項174記載の発現カセット。
  • プロモーターが、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのT-DNA由来のプロモーターを含む、請求項174記載の発現カセット。
  • プロモーターが構成的プロモーターである、請求項174記載の発現カセット。
  • 構成的プロモーターがCaMV35Sである、請求項179記載の発現カセット。
  • プロモーターが誘導性プロモーターまたは組織特異的プロモーターである、請求項174記載の発現カセット。
  • 組織特異的プロモーターが、種子特異的、葉特異的、根特異的、茎特異的または離脱-誘導プロモーターである、請求項181記載の発現カセット。
  • 植物細胞が、ジャガイモ、イネ、トウモロコシ、コムギ、タバコまたはオオムギの細胞である、請求項39記載の形質転換細胞。
  • 以下の工程を含むトランスジェニック植物の作製方法:
    (a)請求項1または請求項22記載の配列を含む異種核酸配列を細胞に導入し、それにより形質転換植物細胞を生成する工程;
    (b)前記形質転換細胞からトランスジェニック植物を生成する工程。
  • 工程(a)が更に、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションによって異種核酸を導入することを含む、請求項184記載の方法。
  • 工程(a)が更に、DNA粒子ボンバードメントによって異種核酸を植物組織に直接導入することを含む、請求項184記載の方法。
  • 工程(a)が更に、アグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主を使用して異種核酸を植物細胞DNAに導入することを含む、請求項184記載の方法。
  • 以下の工程を含む、植物細胞中で異種核酸配列を発現させる方法:
    (a)プロモーターに機能可能に結合した異種核酸配列で植物細胞を形質転換する工程であって、前記異種核酸配列が請求項1または請求項22記載の配列を含む、前記工程;
    (b)前記植物細胞中で前記異種核酸配列が発現する条件下で植物を生育させる工程。
  • 請求項52記載のポリペプチドの部分配列を有するペプチドを含む、シグナル配列。
  • 請求項52記載のポリペプチドの部分配列を有するペプチドからなる、シグナル配列。
  • 請求項189または請求項190記載のシグナル配列を含む第一のドメインおよび少なくとも第二のドメインを含む、キメラタンパク質。
  • タンパク質が融合タンパク質である、請求項191記載のキメラタンパク質。
  • 第二のドメインが酵素を含む、請求項191記載のキメラタンパク質。
  • 酵素がヒドロラーゼである、請求項193記載のキメラタンパク質。
  • 以下の工程を含む、構造脂質を生体触媒合成する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程;
    (b)トリアシルグリセリド(TAG)を含む組成物を提供する工程;
    (c)トリアシルグリセリド(TAG)のSn2位にあるアシル残基をポリペプチドが加水分解する条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させ、それによって1,3-ジアシルグリセリド(DAG)を生成する工程;
    (d)R1エステルを提供する工程;
    (e)R1-特異的ヒドロラーゼを提供する工程;および、
    (f)R1-特異的ヒドロラーゼがSn2位のエステル化を触媒する条件下で工程(c)の1,3-DAGを工程(d)のR1エステルおよび工程(e)のR1-特異的ヒドロラーゼと接触させ、それによって構造脂質を生成する工程。
  • ヒドロラーゼがSn2-特異的リパーゼである、請求項195記載の方法。
  • 構造脂質がココアバター代替物(CBA)、合成ココアバター、天然ココアバター、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-パルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)または1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)を含む、請求項195記載の方法。
  • 以下の工程を含む、構造脂質を生体触媒合成する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程;
    (b)トリアシルグリセリド(TAG)を含む組成物を提供する工程;
    (c)ポリペプチドがトリアシルグリセリド(TAG)のSn1位またはSn3位にあるアシル残基を加水分解する条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させ、それによって1,2-DAGまたは2,3-DAGを生成する工程;および、
    (d)動力学的に制御された条件下で工程(c)の1,2-DAGまたは2,3-DAGにおけるアシル移動を促進し、それによって1,3-DAGを生成する工程。
  • R1エステルおよびR1-特異的リパーゼを提供する工程、および、前記R1-特異的リパーゼがSn2位のエステル化を触媒する条件下で工程(d)の1,3-DAGをR1エステルおよびR1-特異的リパーゼと接触させ、それによって構造脂質を生成する工程をさらに含む、請求項198記載の方法。
  • リパーゼがSn1またはSn3-特異的リパーゼである、請求項198記載の方法。
  • 構造脂質がココアバター代替物(CBA)、合成ココアバター、天然ココアバター、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-パルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)または1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)を含む、請求項198記載の方法。
  • 工程(d)がさらに、イオン交換樹脂を使用することを含む、請求項198記載の方法。
  • 動力学的に制御された条件が、1,3-DAG対2,3-DAGの比が2:1よりも大きい最終生成物を生成する結果となる非平衡条件を含む、請求項198記載の方法。
  • 工程(b)の組成物が蛍光脂肪酸(FA)を含む、請求項195または請求項198記載の方法。
  • 工程(b)の組成物がウンベリフェリルFAエステルを含む、請求項195または請求項198記載の方法。
  • 最終生成物がエナンチオマー的に純粋である、請求項195または請求項198記載の方法。
  • 以下の工程を含む、プロピオン酸のラセミエステルからプロピオン酸の1つの光学異性体を調製する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程であって、前記ヒドロラーゼはプロピオン酸の1つの光学異性体に対する立体選択性を有する、前記工程;
    (b)ラセミエステルを提供する工程;
    (c)エステルの加水分解を選択的に触媒することができる工程(a)のポリペプチドを工程(b)のラセミエステルと接触させ、それによってプロピオン酸の前記光学異性体を生成する工程。
  • プロピオン酸の光学異性体が2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロピオン酸のS(+)体を含み、そしてラセミエステルが2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロピオン酸のラセミ(R,S)エステルを含む、請求項207記載の方法。
  • 以下の工程を含む、2-置換酸のエステルのラセミ混合物を立体選択的に加水分解する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程であって、前記ヒドロラーゼは立体選択的である、前記工程;
    (b)2-置換酸のエステルのラセミ混合物を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)工程(b)のポリペプチドが前記エステルを選択的に加水分解し得る条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させる工程。
  • ヒドロラーゼが固定化されている、請求項195、請求項198または請求項209記載の方法。
  • 2-置換酸が、2-アリールオキシ置換酸、R-2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸または2-アリールプロピオン酸を含む、請求項209記載の方法。
  • 2-置換酸がケトプロフェンを含む、請求項209記載の方法。
  • 以下の工程を含む、油または脂肪を改変する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程;
    (b)油または脂肪を提供する工程;および、
    (c)前記ヒドロラーゼが前記油または脂肪を改変し得る条件下で工程(a)のヒドロラーゼを工程(b)の油または脂肪と接触させる工程。
  • 改変が油または脂肪のヒドロラーゼ触媒加水分解を含む、請求項213記載の方法。
  • 加水分解が、油または脂肪の完全または部分的加水分解である、請求項214記載の方法。
  • 油が、ポリ不飽和脂肪酸のグリセロールエステル、または、魚油、動物油もしくは植物油を含む、請求項214記載の方法。
  • 植物油が、オリーブ、キャノーラ、ヒマワリ、ヤシ、ダイズもしくはラウリン系の油または米糠油を含む、請求項216記載の方法。
  • 以下の工程を含む、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)エステルを加水分解する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程;
    (b)ポリ不飽和脂肪酸エステルを含む組成物を提供する工程;および、
    (c)前記ヒドロラーゼが前記ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を加水分解し得る条件下でヒドロラーゼを工程(b)の組成物と接触させる工程。
  • 以下の工程を含む、飽和脂肪酸エステルに優先してポリ不飽和脂肪酸エステルを選択的に加水分解する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程であって、前記ヒドロラーゼはリパーゼ活性を有し、かつポリ不飽和脂肪酸(PUFA)エステルを選択的に加水分解する、前記工程;
    (b)ポリ不飽和エステルおよび飽和エステルの混合物を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)前記ポリペプチドが前記ポリ不飽和脂肪酸エステルを選択的に加水分解し得る条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させる工程。
  • 以下の工程を含む、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を含む食物または飼料添加物を調製する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程であって、前記ヒドロラーゼはポリ不飽和脂肪酸(PUFA)エステルを選択的に加水分解する、前記工程;
    (b)PUFAエステルを含む組成物を提供する工程;および、
    (c)前記ポリペプチドが前記ポリ不飽和脂肪酸エステルの加水分解を選択的に触媒し得る条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させ、それによってPUFA-含有食物または飼料添加物を製造する工程。
  • 以下の工程を含む、ラテックスを処理する方法:
    (a)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程であって、このポリペプチドは不飽和エステルに優先して飽和エステルに対して選択性を有し、それによって前記飽和エステルをその対応する酸およびアルコールに変換する、前記工程;
    (b)飽和および不飽和エステルを含むラテックス組成物を提供する工程;
    (c)前記ポリペプチドが前記飽和エステルを選択的に加水分解し得る条件下で工程(a)のヒドロラーゼを工程(b)の組成物と接触させ、それによってラテックスを処理する工程。
  • アクリル酸エチルに優先してプロピオン酸エチルが選択的に加水分解される、請求項221記載の方法。
  • 工程(b)のラテックス組成物が、アクリル、ビニルおよび不飽和酸モノマー、アクリル酸アルキルモノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルおよびアクリル酸ブチル、アクリレート酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸およびそれらの混合物を含むポリマーを含む、請求項221記載の方法。
  • ラテックス組成物が毛定着性である、請求項221記載の方法。
  • 工程(c)の条件が、約pH4からpH8の範囲内のpHおよび約20℃から約50℃の範囲内の温度を含む、請求項221記載の方法。
  • 以下の工程を含む、潤滑油を精製する方法:(a)請求項56記載のヒドロラーゼを含む組成物を提供する工程;(b)潤滑油を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼが前記潤滑油の中の油を選択的に加水分解し得る条件下で潤滑油をヒドロラーゼで処理し、それによって潤滑油を精製する工程。
  • 潤滑油が油圧油である、請求項226記載の方法。
  • 以下の工程を含む、繊維製品を処理する方法:(a)請求項56記載のヒドロラーゼを含む組成物を提供する工程であって、前記ヒドロラーゼはカルボキシルエステルを選択的に加水分解し得る、前記工程;(b)繊維製品を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼがカルボキシルエステルを選択的に加水分解し得る条件下で前記繊維製品をヒドロラーゼで処理し、それによって繊維製品を処理する工程。
  • 繊維製品の処理が、最終繊維製品の手ざわりおよび垂れ具合の向上、染色、難燃性の獲得、撥水性の獲得、光学的な明るさの獲得、または樹脂加工の獲得を含む、請求項228記載の方法。
  • 繊維製品が、綿、ビスコース、レーヨン、リオセル、亜麻、リネン、カラムシ、すべてのそれらの混紡、または、それらとポリエステル、ウール、ポリアミド繊維、アクリル繊維もしくはポリアクリル繊維との混紡を含む、請求項228記載の方法。
  • 請求項56記載のヒドロラーゼを含む、繊維製品、織物糸または繊維。
  • ヒドロラーゼが繊維製品、織物糸、または繊維の表面に吸着または固定されている、請求項231記載の繊維製品、織物糸、または繊維。
  • 食物または油の汚れを除去またはその量を低減する方法であって、請求項56記載のヒドロラーゼを、前記ヒドロラーゼが汚れの中の油または脂肪を加水分解し得る条件下で、食物または油の汚れと接触させる工程を含む、前記方法。
  • ヒドロラーゼの、界面活性剤による変性および熱による非活性化に対する安定性が向上されている、請求項233記載の方法。
  • ヒドロラーゼが洗剤または洗濯水である、請求項233記載の方法。
  • 請求項56記載のヒドロラーゼを含む食品組成物。
  • 脂肪を含む栄養素をさらに含む、請求項236記載の食品組成物。
  • ヒドロラーゼが胆汁酸塩によって活性化される、請求項236記載の食品組成物。
  • 牛乳ベースの乳幼児用調製乳をさらに含む、請求項236記載の食品組成物。
  • ヒドロラーゼが長鎖脂肪酸を加水分解し得る、請求項239記載の食品組成物。
  • 以下の工程を含む、ミルクまたは植物ベースの食品組成物の脂肪含有量を低減する方法:(a)請求項56記載のヒドロラーゼを含む組成物を提供する工程;(b)ミルクまたは植物油を含む組成物を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼが前記組成物中の油または脂肪を加水分解し得る条件下で工程(b)の組成物をヒドロラーゼで処理し、それによってその脂肪含有量を低減する工程。
  • 栄養素を含むヒトまたは非反芻動物用の食品組成物であって、前記栄養素は脂肪を含み、ヒドロラーゼを全くまたはほとんど含まず、そして効果的な量の請求項56記載のヒドロラーゼを含み、それによってヒトまたは非反芻動物の脂肪吸収および成長を増進させる、前記組成物。
  • 以下の工程を含む、エステル交換反応を触媒して新たなトリグリセリドを生成する方法:(a)請求項56記載のヒドロラーゼを含む組成物を提供する工程であって、前記ヒドロラーゼはエステル交換反応を触媒し得る、前記工程;(b)トリグリセリドと遊離脂肪酸の混合物を提供する工程;(c)前記ヒドロラーゼが遊離脂肪酸とトリグリセリドのアシル基との交換を触媒し得る条件下で工程(b)の組成物をヒドロラーゼで処理し、それによって付加脂肪酸のエンリッチされた新たなトリグリセリドを生成する工程。
  • ヒドロラーゼがSn1、Sn3-特異的リパーゼである、請求項243記載の方法。
  • 以下の工程を含む、トランス酸および中間鎖脂肪酸の含有量の少ないマーガリン油を調製するためのエステル転移方法:(a)ステアリン酸、低分子量一価アルコールのステアリン酸モノエステルおよびそれらの混合物からなる群より選択されるステアリン酸原料物質を含むエステル転移反応混合物を提供する工程;(b)液体の植物油を提供する工程;(c)請求項56記載のヒドロラーゼを提供する工程であって、このポリペプチドは1,3-特異的リパーゼ活性を含む、前記工程;(d)ステアリン酸原料物質および植物油トリグリセリドをエステル転移して、反応混合物のグリセリド成分の1-、3-位にあるエステル基を非グリセリド脂肪酸成分と実質的に平衡化する工程:(e)エステル転移混合物のグリセリド成分からエステル転移化遊離脂肪酸成分を分離して、エステル転移化マーガリン油生成物と、植物油から遊離された脂肪酸、脂肪酸モノエステルまたはそれらの混合物を含む脂肪酸混合物とを提供する工程;および、(f)前記脂肪酸混合物を水素添加する工程。
  • 1-パルミトイル-3-ステアロイル-2-モノレイン(POSt)および1,3-ジステアロイル-2-モノレイン(StOSt)を含む組成物を製造する方法であって、請求項56記載のリパーゼを提供する工程を含み、ここで前記リパーゼは、1,3-ジパルミトイル-2-モノレイン(POP)とステアリン酸またはトリステアリンとの1,3-特異的リパーゼ-触媒エステル交換によって1-パルミトイル-3-ステアロイル-2-モノレイン(POSt)または1,3-ジステアロイル-2-モノレイン(StOSt)のエンリッチされた生成物を製造することが可能である、前記方法。
  • リポポリサッカライド(LPS)-媒介毒性を軽減または予防する方法であって、請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む医薬組成物を患者に投与する工程を含む、前記方法。
  • エンドトキシンを解毒する方法であって、前記エンドトキシンを請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドと接触させる工程を含む、前記方法。
  • リピドAから2'または3'脂肪酸鎖を脱アシル化する方法であって、前記リピドAを請求項56記載のポリペプチドまたは請求項1もしくは請求項22記載の核酸によってコードされるポリペプチドと接触させる工程を含む、前記方法。
  • 说明书全文

    コンパクトディスクで提出した配列表への参照 本発明は、配列表を含むコンパクトディスク(4部提出)を含む。 前記配列表の全体の内容が参照により本明細書に含まれるものとする。 前記配列表は以下のようにコンパクトディスクに特定される。
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    Sequence Listing.txt 2004年3月5日 2,283,520

    技術分野 本発明は分子生物学、細胞生物学および生化学に関する。 ある特徴では、本発明は、ヒドロラーゼ、それをコードするポリヌクレオチド並びにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを製造および使用する方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、ポリペプチド(例えばヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有する酵素であり、熱安定性および耐熱性のヒドロラーゼ活性を含む)、およびこれらの酵素をコードするポリヌクレオチド、並びに、これらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造と使用を対象とする。 本発明のポリペプチドおよびペプチドのヒドロラーゼ活性としては、エステラーゼ活性、リパーゼ活性(脂質の加分解)、酸分解反応(エステル化脂肪酸を遊離脂肪酸と交換するための反応)、エステル転移反応(トリグリセリド間の脂肪酸の交換)、エステル合成、エステル交換反応、ホスホリパーゼ活性(例えばホスホリパーゼA、B、CおよびD活性、パタチン活性、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性)、およびプロテアーゼ活性(ペプチド結合の加水分解)が挙げられる。 本発明のポリペプチドは、化粧品および栄養補助食品の製造などの広範な薬学、農業、および工業用途に使用し得る。 ある特徴では、本発明のポリペプチドはエナンチオマー的に純粋なキラル生成物の合成に使用される。

    ある特徴では、本発明のポリペプチドは生体触媒の使用による構造脂質(グリセロール骨格上に明確な態様で分布された明確な脂肪酸の組を有する脂質)の合成に使用され、ここで構造脂質としては、ココアバター代替物(CBA)、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を含む脂質、ジアシルグリセリド(DAG)(例えば1,3-ジアシルグリセリド)、モノグリセリド(MAG)(例えば2-モノグリセリド)、およびトリアシルグリセリド(TAG)が挙げられる。 ある特徴では、本発明のポリペプチドは、魚油、動物油、植物油などの油、および、ポリ不飽和脂肪酸などの脂質を改変するために使用される。 リパーゼ活性を有する本発明のヒドロラーゼは、加水分解、アルコール分解、エステル化、エステル転移および/またはエステル交換によって油を改変し得る。 本発明の方法は、生体触媒的合成反応において明確な位置特異性または明確な化学選択性を有するリパーゼを使用し得る。
    さらに、本発明のポリペプチドは、食品加工、醸造、入浴添加剤、アルコール生成、ペプチド合成、エナンチオ選択性、皮革工業における皮革の製造、廃棄物処理および動物の分解、写真工業における銀の回収、医療、絹の脱ガム、バイオフィルムの減成、バイオマスのエタノールへの変換、生体防御、抗菌剤および消毒剤、身だしなみ用品および化粧品、バイオテク試薬、トウモロコシ湿潤混練りのでん粉収量の増加、並びに医薬(例えば消化促進剤および抗炎症(抗催炎)剤)に用いることができる。

    背景 ヒドロラーゼ(例えばエステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、およびプロテアーゼ)のための主要な工業的応用例としては、洗剤産業(ここでは、洗濯物の汚れの脂肪質を、除去が容易な親水性物質に分解するために使用される);食品および飲料産業(ここでは、チーズの製造、チーズの熟成および風味付け、パン製品の防腐剤として、およびマーガリンや他のパンに塗る天然バター味のものの製造に使用される);廃棄物システムにおける使用;並びに医薬産業(ここでは消化剤として使用される)が挙げられる。

    油および脂肪は、化学産業における重要な再生可能原料である。 これらは、米糠油、ナタネ(キャノーラ)、ヒマワリ、オリーブ、ヤシ、またはダイズなどの植物の油糧種子を加工することによって大量に得ることができる。 有用な油および脂肪の他の原料としては、魚、食事廃棄物および精製動物脂肪が挙げられる。 これらの油および脂肪は、トリグリセリドまたは脂質(即ちグリセロール骨格上でエステル化された脂肪酸(FA))の混合物である。 それぞれの油または脂肪は、FA含有量およびグリセロール骨格上におけるそれらの位置化学的分布によって定義される広範な種類の脂質構造を含む。 個別の脂質のこれらの特性によって、純粋なトリグリセリドの物理的特性が決まる。 したがって、脂肪または油のトリグリセリド含有量は大方において油の物理的、化学的、および生物学的特性を決定する。 脂質の価値はそれらの純度に従って大きく上がる。 高い純度は、分画クロマトグラフィーまたは蒸留によって脂肪または油試料の混合バックグラウンドから所望のトリグリセリドを分離することによって達成することができる。 しかしながら、これは高価であり、かつ多くの場合、トリグリセリドが自然に得られる低いレベルによって収量が制限される。 加えて、油の中の多くの構造的および物理的または化学的に類似するトリグリセリドの存在によって、多くの場合製品の純度は低くなる。
    天然原料からトリグリセリドまたは他の脂質を精製するための別の方法は、脂質を合成することである。 このような工程の生成物は構造脂質と呼ばれるが、それはそれらがグリセロール骨格上に明確な態様で分布された明確な脂肪酸の組を有しているからである。 また、脂質の価値は、脂質内の脂肪酸の含有量および分布を制御することによっても大きく上がる。 そのような制御を行うためにリパーゼを使用することができる。

    ホスホリパーゼはリン脂質のエステル結合を加水分解する酵素である。 リン脂質の代謝におけるそれらの重要性に対応して、これらの酵素は原核生物および真核生物の間に大きく広まった。 ホスホリパーゼは生体膜の代謝、構成および再構成に作用し、またシグナルカスケードにも関与する。 ホスホリパーゼには、リン脂質分子における標的となる結合の位置に従ったそれらの特異性の違いによるいくつかのタイプが知られている。 ホスホリパーゼA1(PLA1)は、第1位の脂肪酸を取り除き、遊離脂肪酸および1-リゾ-2-アシルホスホリピドを産生する。 ホスホリパーゼA2(PLA2)は、第2位の脂肪酸を取り除き、遊離脂肪酸および1-アシル-2-リゾホスホリピドを産生する。 PLA1およびPLA2酵素は、細胞内または細胞外、膜結合性または可溶性であり得る。 細胞内PLA2は、殆ど全ての哺乳動物細胞に見ることができる。 ホスホリパーゼC(PLC)は、リン酸残基を取り除き、1,2-ジアシルグリセロールおよびリン酸ベースを産生する。 ホスホリパーゼD(PLD)は、1,2-ジアシルグリセロールリン酸および塩基を産生する。 PLCおよびPLDは、細胞の機能およびシグナル伝達にとって重要である。 パタチンは、PLAとして機能すると考えられている別の種類のホスホリパーゼである。

    一般に、酵素(エステラーゼ、リパーゼおよびプロテアーゼなどのヒドロラーゼを含む)は、狭い範囲の環境条件(温度、pH等)において活性を有し、そして多くは特定の基質に対して高度に特異的である。 ある酵素の活性の範囲が狭い場合にはその応用性が制限され、そのため、(a) 同様の活性を持つが、異なる環境下で活性を示す、または (b) 異なる基質に対する、酵素を選択する必要性を生じる。 例えば、ある反応を50℃において触媒することが可能なある酵素は、35℃では活性が非常に低いために、該酵素は低温では使用できないかもしれない。 この理由のため、洗濯洗剤は、一般に選択されたタンパク質分解酵素を含み、それによって該洗剤が広範な洗浄温度およびpHにおいて使用されることを可能にする。 酵素の特異性、そして工業、研究、および医薬においてヒドロラーゼの使用が増えているという観点から、当分野においては、新規の酵素および新規の酵素阻害剤に対する継続的な要望が存在する。

    要約 本発明は、例えば酵素および触媒性抗体などのポリペプチドであって、ヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有する上記ポリペプチド、ここで該ヒドロラーゼ活性は、熱安定性および耐熱性ヒドロラーゼ活性、およびエナンチオ特異的活性を含む、およびこれらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(ベクター、宿主細胞、トランスジェニック植物およびトランスジェニック非ヒト動物を含む)、並びにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作製方法および使用方法を提供する。

    本発明は、本発明の例示的な核酸と、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550またはそれよりも多い残基の領域にわたって、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い、あるいは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換え核酸を提供し、ここで前記核酸はヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする。 配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定することができる。

    本発明の例示的な核酸としては、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:337、配列番号:339、配列番号:341、配列番号:343、配列番号:345、配列番号:347、配列番号:349、配列番号:351、配列番号:353、配列番号:355、配列番号:357、配列番号:359、配列番号:361、配列番号:363、配列番号:365、配列番号:367、配列番号:369、配列番号:371、配列番号:373、配列番号:375、配列番号:377、配列番号:379、配列番号:381、配列番号:383、配列番号:385、配列番号:387、配列番号:389、配列番号:391、配列番号:393、配列番号:395、配列番号:397、配列番号:399、配列番号:401、配列番号:403、配列番号:405、配列番号:407、配列番号:409、配列番号:411、配列番号:413、配列番号:415、配列番号:417、配列番号:419、配列番号:421、配列番号:423、配列番号:425、配列番号:427、配列番号:429、配列番号:431、配列番号:433、配列番号:435、配列番号:437、配列番号:439、配列番号:441、配列番号:443、配列番号:445、配列番号:447、配列番号:449、配列番号:451、配列番号:453、配列番号:455、配列番号:457、配列番号:459、配列番号:461、配列番号:463、配列番号:465、配列番号:467、配列番号:469、配列番号:471、配列番号:473、配列番号:475、配列番号:477、配列番号:479、配列番号:481、配列番号:483、配列番号:485、配列番号:487、配列番号:489、配列番号:491、配列番号:493、配列番号:495、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、配列番号:525、配列番号:527、配列番号:529、配列番号:531、配列番号:533、配列番号:535、配列番号:537、配列番号:539、配列番号:541、配列番号:543、配列番号:545、配列番号:547、配列番号:549、配列番号:551、配列番号:553、配列番号:555、配列番号:557、配列番号:559、配列番号:561、配列番号:563、配列番号:565、配列番号:567、配列番号:569、配列番号:571、配列番号:573、配列番号:575、配列番号:577、配列番号:579、配列番号:581、配列番号:583、配列番号:585、配列番号:587、配列番号:589、配列番号:591、配列番号:593、配列番号:595、配列番号:597、配列番号:599、配列番号:601、配列番号:603、配列番号:605、配列番号:607、配列番号:609、配列番号:611、配列番号:613、配列番号:615、配列番号:617、配列番号:619、配列番号:621、配列番号:623、配列番号:625、配列番号:627、配列番号:629、配列番号:631、配列番号:633、配列番号:635、配列番号:637、配列番号:639、配列番号:641、配列番号:643、配列番号:645、配列番号:647、配列番号:649、配列番号:651、配列番号:653、配列番号:655、配列番号:657、配列番号:659、配列番号:661、配列番号:663、配列番号:665、配列番号:667、配列番号:669、配列番号:671、配列番号:673、配列番号:675、配列番号:677、配列番号:679、配列番号:681、配列番号:683、配列番号:685、配列番号:687、配列番号:689、配列番号:691、配列番号:693、配列番号:695、配列番号:697、配列番号:699、配列番号:701、配列番号:703、配列番号:705、配列番号:707、配列番号:709、配列番号:711、配列番号:713、配列番号:715、配列番号:717、配列番号:719、配列番号:721、配列番号:723、配列番号:725、配列番号:727、配列番号:729、配列番号:731、配列番号:733、配列番号:735、配列番号:737、配列番号:739、配列番号:741、配列番号:743、配列番号:745、配列番号:747、配列番号:749、配列番号:751、配列番号:753、配列番号:755、配列番号:757、配列番号:759、配列番号:761、配列番号:763、配列番号:765、配列番号:767、配列番号:769、配列番号:771、配列番号:773、配列番号:775、配列番号:777、配列番号:779、配列番号:781、配列番号:783、配列番号:785、配列番号:787、配列番号:789、配列番号:791、配列番号:793、配列番号:795、配列番号:797、配列番号:799、配列番号:801、配列番号:803、配列番号:805、配列番号:807、配列番号:809、配列番号:811、配列番号:813、配列番号:815、配列番号:817、配列番号:819、配列番号:821、配列番号:823、配列番号:825、配列番号:827、配列番号:829、配列番号:831、配列番号:833、配列番号:835、配列番号:837、配列番号:839、配列番号:841、配列番号:843、配列番号:845、配列番号:847、配列番号:849、配列番号:851、配列番号:853、配列番号:855、配列番号:857、配列番号:859、配列番号:861、配列番号:863、配列番号:865、配列番号:867、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:873、配列番号:875、配列番号:877、配列番号:879、配列番号:881、配列番号:883、配列番号:885、配列番号:887、配列番号:889、配列番号:891、配列番号:893、配列番号:895、配列番号:897、配列番号:899、配列番号:901、配列番号:903、配列番号:905、配列番号:907、配列番号:909、配列番号:911、配列番号:913、配列番号:915、配列番号:917、配列番号:919、配列番号:921、配列番号:923、配列番号:925、配列番号:927、配列番号:929、配列番号:931、配列番号:933、配列番号:935、配列番号:937、配列番号:939、配列番号:941、配列番号:943、配列番号:945、配列番号:947、配列番号:949、配列番号:951または配列番号:953に示される核酸配列およびその部分配列を含む単離または組換え核酸が挙げられ、それは例えば長さが少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500またはそれより多い残基であるか、または完全長の遺伝子もしくは転写物である。

    本発明の例示的な核酸としてはまた、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:143、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352、配列番号:354、配列番号:356、配列番号:358、配列番号:360、配列番号:362、配列番号:364、配列番号:366、配列番号:368、配列番号:370、配列番号:372、配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494、配列番号:496、配列番号:498、配列番号:500、配列番号:502、配列番号:504、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518、配列番号:520、配列番号:522、配列番号:524、配列番号:526、配列番号:528、配列番号:530、配列番号:532、配列番号:534、配列番号:536、配列番号:538、配列番号:540、配列番号:542、配列番号:544、配列番号:546、配列番号:548、配列番号:550、配列番号:552、配列番号:554、配列番号:556、配列番号:558、配列番号:560、配列番号:562、配列番号:564、配列番号:566、配列番号:568、配列番号:570、配列番号:572、配列番号:574、配列番号:576、配列番号:578、配列番号:580、配列番号:582、配列番号:584、配列番号:586、配列番号:588、配列番号:590、配列番号:592、配列番号:594、配列番号:596、配列番号:598、配列番号:600、配列番号:602、配列番号:604、配列番号:606、配列番号:608、配列番号:610、配列番号:612、配列番号:614、配列番号:616、配列番号:618、配列番号:620、配列番号:622、配列番号:624、配列番号:626、配列番号:628、配列番号:630、配列番号:632、配列番号:634、配列番号:636、配列番号:638、配列番号:640、配列番号:642、配列番号:644、配列番号:646、配列番号:648、配列番号:650、配列番号:652、配列番号:654、配列番号:656、配列番号:658、配列番号:660、配列番号:662、配列番号:664、配列番号:666、配列番号:668、配列番号:670、配列番号:672、配列番号:674、配列番号:676、配列番号:678、配列番号:680、配列番号:682、配列番号:684、配列番号:686、配列番号:688、配列番号:690、配列番号:692、配列番号:694、配列番号:696、配列番号:698、配列番号:700、配列番号:702、配列番号:704、配列番号:706、配列番号:708、配列番号:710、配列番号:712、配列番号:714、配列番号:716、配列番号:718、配列番号:720、配列番号:722、配列番号:724、配列番号:726、配列番号:728、配列番号:730、配列番号:732、配列番号:734、配列番号:736、配列番号:738、配列番号:740、配列番号:742、配列番号:744、配列番号:746、配列番号:748、配列番号:750、配列番号:752、配列番号:754、配列番号:756、配列番号:758、配列番号:760、配列番号:762、配列番号:764、配列番号:766、配列番号:768、配列番号:770、配列番号:772、配列番号:774、配列番号:776、配列番号:778、配列番号:780、配列番号:782、配列番号:784、配列番号:786、配列番号:788、配列番号:790、配列番号:792、配列番号:794、配列番号:796、配列番号:798、配列番号:800、配列番号:802、配列番号:804、配列番号:808、配列番号:808、配列番号:810、配列番号:812、配列番号:814、配列番号:816、配列番号:818、配列番号:820、配列番号:822、配列番号:824、配列番号:826、配列番号:828、配列番号:830、配列番号:832、配列番号:834、配列番号:836、配列番号:838、配列番号:840、配列番号:842、配列番号:844、配列番号:846、配列番号:848、配列番号:850、配列番号:852、配列番号:854、配列番号:856、配列番号:858、配列番号:860、配列番号:862、配列番号:864、配列番号:866、配列番号:868、配列番号:870、配列番号:872、配列番号:874、配列番号:876、配列番号:878、配列番号:880、配列番号:882、配列番号:884、配列番号:886、配列番号:888、配列番号:890、配列番号:892、配列番号:894、配列番号:896、配列番号:898、配列番号:900、配列番号:902、配列番号:904、配列番号:906、配列番号:908、配列番号:910、配列番号:912、配列番号:914、配列番号:916、配列番号:918、配列番号:920、配列番号:922、配列番号:924、配列番号:926、配列番号:928、配列番号:930、配列番号:932、配列番号:934、配列番号:936、配列番号:938、配列番号:940、配列番号:942、配列番号:944、配列番号:946、配列番号:948、配列番号:950、配列番号:952または配列番号:954に示される配列およびその部分配列およびその変種を有するポリペプチドをコードする単離または組換え核酸が挙げられる。 ある特徴では、前記ポリペプチドはヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有する。 ある特徴では、前記ヒドロラーゼ活性は位置選択的および/または化学選択的な活性である。

    ある特徴では、本発明はまた、それが混合培養から得られたという意味において共通の新規性を有するヒドロラーゼコード核酸を提供する。 本発明は、本発明の核酸、例えば本発明の例示的な核酸と、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、75、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550またはそれよりも多い残基の領域にわたって、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれよりも高い、あるいは完全な(100%)配列同一性を有する配列を有する核酸、を含む混合培養から単離されたヒドロラーゼコード核酸を提供し、ここで該核酸はヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードし、そして配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。 ある特徴では、本発明は、本発明の核酸を含む混合培養物から単離されたヒドロラーゼコード核酸を提供する。

    ある特徴では、本発明はまた、それが環境源(例えば混合環境源)から得られたという意味において共通の新規性を有するヒドロラーゼコード核酸を提供する。 ある特徴では、本発明は、環境源(例えば混合環境源)から単離されたヒドロラーゼコード核酸を提供し、ここで該核酸は、本発明の例示的な核酸と、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550またはそれよりも多い残基の領域にわたって、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれよりも高い、もしくは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、ここで該核酸はヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードし、そして配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。 ある特徴では、本発明の核酸を含む環境源(例えば混合環境源)から単離されたヒドロラーゼコード核酸を提供する。

    ある特徴では、配列比較アルゴリズムはBLASTバージョン2.2.2アルゴリズムであり、フィルタリング設定はblastall p blastp d “nr pataa” FFに設定され、他の全てのオプションは規定値である。
    本発明のまた別の特徴は、本発明の核酸配列、前記と実質的に同一の配列および前記と相補的な配列の少なくとも10の連続する塩基を含む単離または組換え核酸である。

    ある特徴では、リパーゼ活性には、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を加水分解することが含まれる。 このリパーゼ活性は、トリアシルグリセロールをジアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、トリアシルグリセロールをモノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、ジアシルグリセロールをモノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、モノアシルグリセロールを遊離脂肪酸とグリセロールに加水分解することを含み得る。 リパーゼ活性は、ジアシルグリセロールまたはモノアシルグリセロール、および遊離脂肪酸とからトリアシルグリセロールを合成することを含み得る。 リパーゼ活性は、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-ジパルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)もしくは1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)、長鎖ポリ不飽和脂肪酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)またはエイコサペンタエン酸(EPA)を合成することを含み得る。 リパーゼ活性は、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)位置-特異的であってもよい。 リパーゼ活性は、Sn2-特異的、Sn1-またはSn3-特異的であってもよい。 リパーゼ活性は脂肪酸特異的であってもよい。 リパーゼ活性は、加水分解、アルコール分解、エステル化、エステル転移またはエステル交換によって油を改変することを含み得る。 リパーゼ活性は位置選択的または化学選択的であってもよい。 リパーゼ活性は、エナンチオマー的に純粋なキラル産物の合成を含み得る。 リパーゼ活性はウンベリフェリル脂肪酸(FA)エステルの合成を含み得る。

    ある特徴では、単離または組換え核酸は、熱安定性のヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有するポリペプチドをコードする。 前記ポリペプチドは、約37℃から約95℃;約55℃から約85℃;約70℃から約95℃;または約90℃から約95℃の温度範囲を含む条件下で活性を維持することができる。
    別の特徴では、単離または組換え核酸は、ヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有する耐熱性のポリペプチドをコードする。 前記ポリペプチドは、37℃以上から約95℃の範囲の温度または55℃以上から約85℃の範囲のいずれかの温度に暴露した後活性を維持することができる。 ある特徴では、前記ポリペプチドは、pH4.5で90℃以上から約95℃の範囲の温度に暴露した後活性を維持することができる。

    本発明は、本発明の配列、例えば、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:337、配列番号:339、配列番号:341、配列番号:343、配列番号:345、配列番号:347、配列番号:349、配列番号:351、配列番号:353、配列番号:355、配列番号:357、配列番号:359、配列番号:361、配列番号:363、配列番号:365、配列番号:367、配列番号:369、配列番号:371、配列番号:373、配列番号:375、配列番号:377、配列番号:379、配列番号:381、配列番号:383、配列番号:385、配列番号:387、配列番号:389、配列番号:391、配列番号:393、配列番号:395、配列番号:397、配列番号:399、配列番号:401、配列番号:403、配列番号:405、配列番号:407、配列番号:409、配列番号:411、配列番号:413、配列番号:415、配列番号:417、配列番号:419、配列番号:421、配列番号:423、配列番号:425、配列番号:427、配列番号:429、配列番号:431、配列番号:433、配列番号:435、配列番号:437、配列番号:439、配列番号:441、配列番号:443、配列番号:445、配列番号:447、配列番号:449、配列番号:451、配列番号:453、配列番号:455、配列番号:457、配列番号:459、配列番号:461、配列番号:463、配列番号:465、配列番号:467、配列番号:469、配列番号:471、配列番号:473、配列番号:475、配列番号:477、配列番号:479、配列番号:481、配列番号:483、配列番号:485、配列番号:487、配列番号:489、配列番号:491、配列番号:493、配列番号:495、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、配列番号:525、配列番号:527、配列番号:529、配列番号:531、配列番号:533、配列番号:535、配列番号:537、配列番号:539、配列番号:541、配列番号:543、配列番号:545、配列番号:547、配列番号:549、配列番号:551、配列番号:553、配列番号:555、配列番号:557、配列番号:559、配列番号:561、配列番号:563、配列番号:565、配列番号:567、配列番号:569、配列番号:571、配列番号:573、配列番号:575、配列番号:577、配列番号:579、配列番号:581、配列番号:583、配列番号:585、配列番号:587、配列番号:589、配列番号:591、配列番号:593、配列番号:595、配列番号:597、配列番号:599、配列番号:601、配列番号:603、配列番号:605、配列番号:607、配列番号:609、配列番号:611、配列番号:613、配列番号:615、配列番号:617、配列番号:619、配列番号:621、配列番号:623、配列番号:625、配列番号:627、配列番号:629、配列番号:631、配列番号:633、配列番号:635、配列番号:637、配列番号:639、配列番号:641、配列番号:643、配列番号:645、配列番号:647、配列番号:649、配列番号:651、配列番号:653、配列番号:655、配列番号:657、配列番号:659、配列番号:661、配列番号:663、配列番号:665、配列番号:667、配列番号:669、配列番号:671、配列番号:673、配列番号:675、配列番号:677、配列番号:679、配列番号:681、配列番号:683、配列番号:685、配列番号:687、配列番号:689、配列番号:691、配列番号:693、配列番号:695、配列番号:697、配列番号:699、配列番号:701、配列番号:703、配列番号:705、配列番号:707、配列番号:709、配列番号:711、配列番号:713、配列番号:715、配列番号:717、配列番号:719、配列番号:721、配列番号:723、配列番号:725、配列番号:727、配列番号:729、配列番号:731、配列番号:733、配列番号:735、配列番号:737、配列番号:739、配列番号:741、配列番号:743、配列番号:745、配列番号:747、配列番号:749、配列番号:751、配列番号:753、配列番号:755、配列番号:757、配列番号:759、配列番号:761、配列番号:763、配列番号:765、配列番号:767、配列番号:769、配列番号:771、配列番号:773、配列番号:775、配列番号:777、配列番号:779、配列番号:781、配列番号:783、配列番号:785、配列番号:787、配列番号:789、配列番号:791、配列番号:793、配列番号:795、配列番号:797、配列番号:799、配列番号:801、配列番号:803、配列番号:805、配列番号:807、配列番号:809、配列番号:811、配列番号:813、配列番号:815、配列番号:817、配列番号:819、配列番号:821、配列番号:823、配列番号:825、配列番号:827、配列番号:829、配列番号:831、配列番号:833、配列番号:835、配列番号:837、配列番号:839、配列番号:841、配列番号:843、配列番号:845、配列番号:847、配列番号:849、配列番号:851、配列番号:853、配列番号:855、配列番号:857、配列番号:859、配列番号:861、配列番号:863、配列番号:865、配列番号:867、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:873、配列番号:875、配列番号:877、配列番号:879、配列番号:881、配列番号:883、配列番号:885、配列番号:887、配列番号:889、配列番号:891、配列番号:893、配列番号:895、配列番号:897、配列番号:899、配列番号:901、配列番号:903、配列番号:905、配列番号:907、配列番号:909、配列番号:911、配列番号:913、配列番号:915、配列番号:917、配列番号:919、配列番号:921、配列番号:923、配列番号:925、配列番号:927、配列番号:929、配列番号:931、配列番号:933、配列番号:935、配列番号:937、配列番号:939、配列番号:941、配列番号:943、配列番号:945、配列番号:947、配列番号:949、配列番号:951または配列番号:953、またはその断片もしくは部分配列を含む本発明の例示的な核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む単離または組換え核酸を提供する。 ある特徴では、前記核酸はヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有するポリペプチドをコードする。 前記核酸は、長さが少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500またはそれより多い残基であるか、または完全長の遺伝子もしくは転写物である。 ある特徴では、前記ストリンジェントな条件には、0.2XのSSC中で約65℃で約15分の洗浄を含む洗浄工程が含まれる。

    本発明は、核酸プローブ(例えばヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性))を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するためのプローブを提供する。 前記プローブは、本発明の配列またはその断片もしくは部分配列を含む配列の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000またはそれより多い連続する塩基を含み、前記プローブは結合またはハイブリダイゼーションによって前記核酸を同定する。 前記プローブは、本発明の配列またはその断片もしくは部分配列を含む配列の少なくとも約10から50、約20から60、約30から70、約40から80、または約60から100の連続する塩基を含む。 前記プローブは、本発明の核酸配列またはその部分配列の少なくとも約10から50、約20から60、約30から70、約40から80、または約60から100の連続する塩基を含む。

    本発明は、ヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅させる増幅プライマー対を提供する。 前記プライマー対は、本発明の配列またはその断片もしくは部分配列を含む核酸を増幅させることができる。 前記増幅プライマー配列対の1つまたは各メンバーは、前記配列の少なくとも約10から50の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。
    本発明は、ヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法を提供する。 前記方法は、本発明の核酸配列またはその断片もしくは部分配列を増幅させることができる増幅プライマー配列対による鋳型核酸の増幅を含む。

    本発明は、本発明の核酸配列またはその部分配列を含む発現カセットを提供する。 ある特徴では、前記発現カセットは、プロモーターに機能可能に連結された前記核酸を含むことができる。 前記プロモーターはウイルスプロモーター、細菌プロモーター、哺乳動物プロモーターまたは植物プロモーターであろう。 ある特徴では、前記植物プロモーターは、ジャガイモ、イネ、トウモロコシ、コムギ、タバコまたはオオムギのプロモーターであり得る。 前記プロモーターは構成的プロモーターであろう。 前記構成的プロモーターはCaMV35Sを含むことができる。 別の特徴では、前記プロモーターは誘導性プロモーターであり得る。 ある特徴では、前記プロモーターは組織特異的プロモーターまたは環境によって調節されるプロモーターまたは発生に応じて調節されるプロモーターであり得る。 したがって、前記プロモーターは例えば種子特異的、葉特異的、根特異的、茎特異的または離脱-誘導プロモーターであり得る。 ある特徴では、前記発現カセットはさらに植物または植物ウイルス発現ベクターを含むことができる。

    本発明は、本発明の発現カセット(例えばベクター)または本発明の核酸を含むクローニングビヒクルを提供する。 前記クローニングビヒクルはウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージまたは人工染色体であろう。 前記ウイルスベクターはアデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノ付随ウイルスベクターを含むことができる。 前記クローニングビヒクルは細菌の人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1-由来ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)または哺乳動物人工染色体(MAC)を含むことができる。
    本発明は、本発明の核酸または本発明の発現カセット(例えばベクター)または本発明のクローニングビヒクルを含む形質転換細胞を提供する。 ある特徴では、前記形質転換細胞は、細菌細胞、哺乳動物細胞、真菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞または植物細胞であり得る。 ある特徴では、前記植物細胞はジャガイモ、コムギ、イネ、トウモロコシ、タバコまたはオオムギ細胞であり得る。

    本発明は、本発明の核酸または本発明の発現カセット(例えばベクター)を含む非ヒトトランスジェニック動物を提供する。
    本発明は、本発明の核酸または本発明の発現カセット(例えばベクター)を含むトランスジェニック植物を提供する。 前記トランスジェニック植物はイネ、トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、コムギ、ナタネ、アブラナ、ダイズ、イネ、オオムギまたはタバコであり得る。 本発明は、本発明の核酸または本発明の発現カセット(例えばベクター)を含むトランスジェニック種子を提供する。 前記トランスジェニック種子はトウモロコシ、コムギ、ナタネ、アブラナ(キャノーラ)、ダイズ、ヤシ、ヒマワリ、ゴマ、ラッカセイまたはタバコの種子であり得る。

    本発明はアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、本発明の核酸に相補的な核酸配列、または本発明の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含む。 本発明は、細胞内のヒドロラーゼメッセージの翻訳を阻害する方法を提供する。 前記方法は、本発明の核酸に相補的な核酸配列または本発明の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを前記細胞に投与するか、または前記細胞で発現させることを含む。

    本発明は、本発明の例示的なポリペプチドまたはペプチドと少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550またはそれ多くの残基にわたって、または前記ポリペプチドの完全長にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い、または完全な(100%)配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。

    本発明の例示的なポリペプチドまたはペプチド配列には、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:143、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352、配列番号:354、配列番号:356、配列番号:358、配列番号:360、配列番号:362、配列番号:364、配列番号:366、配列番号:368、配列番号:370、配列番号:372、配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494、配列番号:496、配列番号:498、配列番号:500、配列番号:502、配列番号:504、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518、配列番号:520、配列番号:522、配列番号:524、配列番号:526、配列番号:528、配列番号:530、配列番号:532、配列番号:534、配列番号:536、配列番号:538、配列番号:540、配列番号:542、配列番号:544、配列番号:546、配列番号:548、配列番号:550、配列番号:552、配列番号:554、配列番号:556、配列番号:558、配列番号:560、配列番号:562、配列番号:564、配列番号:566、配列番号:568、配列番号:570、配列番号:572、配列番号:574、配列番号:576、配列番号:578、配列番号:580、配列番号:582、配列番号:584、配列番号:586、配列番号:588、配列番号:590、配列番号:592、配列番号:594、配列番号:596、配列番号:598、配列番号:600、配列番号:602、配列番号:604、配列番号:606、配列番号:608、配列番号:610、配列番号:612、配列番号:614、配列番号:616、配列番号:618、配列番号:620、配列番号:622、配列番号:624、配列番号:626、配列番号:628、配列番号:630、配列番号:632、配列番号:634、配列番号:636、配列番号:638、配列番号:640、配列番号:642、配列番号:644、配列番号:646、配列番号:648、配列番号:650、配列番号:652、配列番号:654、配列番号:656、配列番号:658、配列番号:660、配列番号:662、配列番号:664、配列番号:666、配列番号:668、配列番号:670、配列番号:672、配列番号:674、配列番号:676、配列番号:678、配列番号:680、配列番号:682、配列番号:684、配列番号:686、配列番号:688、配列番号:690、配列番号:692、配列番号:694、配列番号:696、配列番号:698、配列番号:700、配列番号:702、配列番号:704、配列番号:706、配列番号:708、配列番号:710、配列番号:712、配列番号:714、配列番号:716、配列番号:718、配列番号:720、配列番号:722、配列番号:724、配列番号:726、配列番号:728、配列番号:730、配列番号:732、配列番号:734、配列番号:736、配列番号:738、配列番号:740、配列番号:742、配列番号:744、配列番号:746、配列番号:748、配列番号:750、配列番号:752、配列番号:754、配列番号:756、配列番号:758、配列番号:760、配列番号:762、配列番号:764、配列番号:766、配列番号:768、配列番号:770、配列番号:772、配列番号:774、配列番号:776、配列番号:778、配列番号:780、配列番号:782、配列番号:784、配列番号:786、配列番号:788、配列番号:790、配列番号:792、配列番号:794、配列番号:796、配列番号:798、配列番号:800、配列番号:802、配列番号:804、配列番号:808、配列番号:808、配列番号:810、配列番号:812、配列番号:814、配列番号:816、配列番号:818、配列番号:820、配列番号:822、配列番号:824、配列番号:826、配列番号:828、配列番号:830、配列番号:832、配列番号:834、配列番号:836、配列番号:838、配列番号:840、配列番号:842、配列番号:844、配列番号:846、配列番号:848、配列番号:850、配列番号:852、配列番号:854、配列番号:856、配列番号:858、配列番号:860、配列番号:862、配列番号:864、配列番号:866、配列番号:868、配列番号:870、配列番号:872、配列番号:874、配列番号:876、配列番号:878、配列番号:880、配列番号:882、配列番号:884、配列番号:886、配列番号:888、配列番号:890、配列番号:892、配列番号:894、配列番号:896、配列番号:898、配列番号:900、配列番号:902、配列番号:904、配列番号:906、配列番号:908、配列番号:910、配列番号:912、配列番号:914、配列番号:916、配列番号:918、配列番号:920、配列番号:922、配列番号:924、配列番号:926、配列番号:928、配列番号:930、配列番号:932、配列番号:934、配列番号:936、配列番号:938、配列番号:940、配列番号:942、配列番号:944、配列番号:946、配列番号:948、配列番号:950、配列番号:952および配列番号:954、並びにその部分配列および変種が含まれ、それは例えば長さが少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500またはそれより多い残基であるか、または完全長の酵素である。 本発明の例示的なポリペプチドまたはペプチド配列には本発明の核酸によってコードされる配列が含まれる。 本発明の例示的なポリペプチドまたはペプチド配列には、本発明の抗体が特異的に結合するポリペプチドまたはペプチドが含まれる。 ある特徴では、本発明のポリペプチドは少なくとも1つのヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)プロテアーゼ活性を有する。 ある特徴では、前記活性は位置選択的および/または化学選択的である。
    本発明の別の特徴は、本発明のポリペプチドまたはペプチド配列、前記と実質的に同一の配列、および前記と相補的な配列の少なくとも10の連続する塩基を含む単離または組換えポリペプチドまたはペプチドである。

    ある特徴では、リパーゼ活性には、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)を加水分解することが含まれる。 このリパーゼ活性は、トリアシルグリセロールをジアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、トリアシルグリセロールをモノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、ジアシルグリセロールをモノアシルグリセロールと遊離脂肪酸に加水分解すること、または、モノアシルグリセロールを遊離脂肪酸とグリセロールに加水分解することを含み得る。 リパーゼ活性は、ジアシルグリセロールまたはモノアシルグリセロール、および遊離脂肪酸とからトリアシルグリセロールを合成することを含み得る。 リパーゼ活性は、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-ジパルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)もしくは1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)、長鎖ポリ不飽和脂肪酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)またはエイコサペンタエン酸(EPA)を合成することを含み得る。 リパーゼ活性は、トリアシルグリセロール(TAG)、ジアシルグリセロール(DAG)またはモノアシルグリセロール(MAG)位置-特異的であってもよい。 リパーゼ活性は、Sn2-特異的、Sn1-またはSn3-特異的であってもよい。 リパーゼ活性は脂肪酸特異的であってもよい。 リパーゼ活性は、加水分解、アルコール分解、エステル化、エステル転移またはエステル交換によって油を改変することを含み得る。 リパーゼ活性は位置選択的または化学選択的であってもよい。 リパーゼ活性は、エナンチオマー的に純粋なキラル産物の合成を含み得る。 リパーゼ活性は、ウンベリフェリル脂肪酸(FA)エステルの合成を含み得る。

    ある特徴では、前記ヒドロラーゼ活性は熱安定性であり得る。 前記ポリペプチドは、約37℃から約95℃、約55℃から約85℃、約70℃から約95℃、または約90℃から約95℃の温度範囲を含む条件下でヒドロラーゼ活性を維持することができる。 また別の特徴では、前記ヒドロラーゼ活性は耐熱性であってよい。 前記ポリペプチドは、37℃より高い温度から約95℃の範囲の温度、または55℃より高い温度から約85℃の範囲の温度に暴露した後ヒドロラーゼ活性を維持することができる。 ある特徴では、前記ポリペプチドは、pH4.5で約90℃以上から約95℃の範囲の温度に暴露した後ヒドロラーゼ活性を維持することができる。

    ある特徴では、単離または組換えポリペプチドは、シグナル配列の欠失した本発明のポリペプチドを含み得る。 ある特徴では、単離または組換えポリペプチドは、非相同シグナル配列(例えば非相同ヒドロラーゼまたは非ヒドロラーゼシグナル配列など)を含む本発明のポリペプチドを含み得る。 ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列を含む第一のドメインおよび少なくとも第二のドメインを含むキメラタンパク質を提供する。 前記タンパク質は融合タンパク質であり得る。 前記第二のドメインは酵素を含むことができる。 前記酵素はヒドロラーゼ(例えば、本発明のヒドロラーゼ、または別のヒドロラーゼ)であり得る。

    ある特徴では、ヒドロラーゼ活性は、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約100から約1000ユニットの範囲の比活性を含む。 別の特徴では、前記ヒドロラーゼ活性は、タンパク質1ミリグラムにつき約500から約750ユニットの比活性を含む。 また別には、前記ヒドロラーゼ活性は、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約500から約1200ユニットの範囲の比活性を含む。 ある特徴では、前記ヒドロラーゼ活性は、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約750から約1000ユニットの範囲の比活性を含む。 また別の特徴では、前記耐熱性は、上昇温度に加熱した後37℃で前記ヒドロラーゼ比活性の少なくとも半分が維持されることを含む。 また別には、前記耐熱性は、上昇温度に加熱した後、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約500から約1200ユニットの範囲の比活性が維持されることを含む。

    本発明は、少なくとも1つのグリコシル化部位を含む本発明の単離または組換えポリペプチドを提供する。 ある特徴では、グリコシル化はN-結合グリコシル化であり得る。 ある特徴では、前記ポリペプチドは、P. パストリス(pastoris)またはS. ポンベ(pombe)で発現した後でグリコシル化され得る。
    ある特徴では、前記ポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5またはpH4を含む条件下でヒドロラーゼ活性を維持することができる。 別の特徴では、前記ポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5またはpH11を含む条件下でヒドロラーゼ活性を維持することができる。

    本発明は本発明のポリペプチドを含むタンパク質調製物を提供する。 前記タンパク質調製物は液体、固体またはゲルを含む。
    本発明は、本発明のポリペプチドおよび第二のタンパク質またはドメインを含むヘテロ二量体を提供する。 ある特徴では、前記第二のドメインはポリペプチドで、前記へテロ二量体は融合タンパク質であり得る。 ある特徴では、前記第二のドメインはエピトープまたはタグであり得る。 ある特徴では、本発明は、本発明のポリペプチドを含むホモ二量体を提供する。

    本発明はヒドロラーゼ活性を有する固定ポリペプチドを提供する。 前記ポリペプチドは、本発明のポリペプチド、本発明の核酸によってコードされるポリペプチド、または本発明のポリペプチドおよび第二のドメインを含むポリペプチドを含む。 ある特徴では、前記ポリペプチドは細胞、金属、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、グラファイト粒子、ビーズ、ゲル、プレート、アレイまたはキャピラリー管に固定することができる。
    本発明は、固定された本発明の核酸を含むアレイを提供する。 本発明は本発明の抗体を含むアレイを提供する。

    本発明は、本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドと特異的に結合する単離または組換え抗体を提供する。 前記抗体はモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもあり得る。 本発明は、本発明の抗体、例えば本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドと特異的に結合する抗体を含むハイブリドーマを提供する。

    本発明は、本発明のポリペプチド(例えば本発明の核酸によってコードされるポリペプチド)を含む動物用食品補助物を提供する。 ある特徴では、前記食品補助物中の前記ポリペプチドはグリコシル化することができる。 本発明は、本発明のポリペプチド(例えば本発明の核酸によってコードされるポリペプチド)を含む食用酵素デリバリーマトリックスを提供する。 ある特徴では、前記デリバリーマトリックスはペレットを含む。 ある特徴では前記ポリペプチドはグリコシル化することができる。 ある特徴では前記ヒドロラーゼ活性は耐熱性である。 別の特徴では、前記ヒドロラーゼ活性は熱安定性である。

    本発明は、以下の工程を含むヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを単離または同定する方法を提供する:(a)本発明の抗体を提供する工程;(b)ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;(c)前記抗体が前記ポリペプチドと特異的に結合する条件下で工程(a)の抗体と工程(b)のサンプルを接触させ、それによってヒドロラーゼを単離または同定する工程。

    本発明は、以下の工程を含む抗ヒドロラーゼ抗体を製造する方法を提供する:非ヒト動物に液性免疫応答を生じさせるために十分な量で本発明の核酸または本発明のポリペプチドまたはその部分配列を投与し、それによって抗ヒドロラーゼ抗体を製造する。 本発明は、非ヒト動物に免疫応答を生じさせるために十分な量で本発明の核酸または本発明のポリペプチドまたはその部分配列を投与することを含む抗ヒドロラーゼ免疫を生じさせる方法を提供する。

    本発明は以下の工程を含む組換えポリペプチドを製造する方法を提供する:(a)プロモーターに機能可能に連結された本発明の核酸を提供する工程;(b)前記ポリペプチドの発現を可能にする条件下で工程(a)の核酸を発現させ、それによって組換えポリペプチドを製造する工程。 ある特徴では、前記方法はさらに、宿主細胞を工程(a)の核酸で形質転換し、続いて工程(a)の核酸を発現させ、それによって形質転換細胞で組換えポリペプチドを製造することを含むことができる。

    本発明は、以下の工程を含むヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを同定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)ヒドロラーゼ基質を提供する工程;および、(c)工程(a)のポリペプチドまたはその断片または変種を工程(b)の基質と接触させ、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出し、基質量の減少または反応生成物量の増加によってヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを検出する工程。 別の特徴では、前記基質は、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)、ジアシルグリセリド(例えば1,3-ジアシルグリセリド(DAG))、モノグリセリド(例えば2-モノグリセリド(MAG))またはトリアシルグリセリド(TAG)であり得る。

    本発明は、以下の工程を含むヒドロラーゼ基質を同定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)試験基質を提供する工程;および、(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験基質と接触させ、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出し、基質量の減少または反応生成物量の増加によって前記試験基質をヒドロラーゼ基質と同定する工程。

    本発明は、試験化合物がポリペプチドと特異的に結合するか否かを決定する方法を提供する。 前記方法は以下の工程を含む:(a)核酸または核酸を含むベクターを前記核酸のポリペプチドへの翻訳を許容する条件下で発現させるか(前記核酸は本発明の核酸を含む)、または本発明のポリペプチドを提供する工程;(b)試験化合物を提供する工程;(c)前記ポリペプチドを前記試験化合物と接触させる工程;および、(d)工程(b)の試験化合物が前記ポリペプチドと特異的に結合するか否かを決定する工程。

    本発明は、以下の工程を含むヒドロラーゼ活性の調節物質を同定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)試験化合物を提供する工程;(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験化合物と接触させてヒドロラーゼの活性を測定し、試験化合物の非存在下のヒドロラーゼ活性と比較して試験化合物の存在下で測定されるヒドロラーゼ活性が変化した場合に、前記試験化合物がヒドロラーゼ活性を調節すると決定する工程。 ある特徴では、前記ヒドロラーゼ活性は、ヒドロラーゼ基質を提供すること、および、基質量の減少もしくは反応生成物量の増加、または基質量の増加若しくは反応生成物量の減少、を検出することによって測定することができる。 試験化合物非存在下での基質量または反応生成物量と比較して試験化合物存在下で基質量が減少または反応生成物量が増加すれば、試験化合物をヒドロラーゼの活性化物質と同定する。 試験化合物非存在下での基質または反応生成物量と比較して試験化合物存在下で基質量が増加または反応生成物量が減少すれば、試験化合物をヒドロラーゼの阻害物質と同定する。

    本発明は、プロセッサおよびデータ保存装置を含むコンピュータシステムを提供し、前記データ保存装置には本発明のポリペプチド配列(例えば本発明の核酸によってコードされるポリペプチド)または本発明の核酸配列が保存されている。
    ある特徴では、前記コンピュータシステムはさらに配列比較アルゴリズムおよび少なくとも1つの参照配列が保存された保存装置を含むことができる。 別の特徴では、前記配列比較アルゴリズムは多型性を表示するコンピュータプログラムを含む。 ある特徴では、前記コンピュータシステムはさらに、前記配列における1つまたは2つ以上の特徴を同定するアイデンティファイアーを含むことができる。 本発明はコンピュータ読み出し可能媒体を提供し、前記媒体には、本発明のポリペプチド配列または本発明の核酸配列が保存されている。 本発明は、以下の工程を含む配列の特徴を同定する方法を提供する:(a)配列内の1つまたは2つ以上の特徴を同定するコンピュータプログラムを用いて配列を読み取る工程(前記配列は本発明のポリペプチド配列または本発明の核酸配列を含む);および、(b)前記コンピュータプログラムにより前記配列の1つまたは2つ以上の特徴を同定する工程。 本発明は、以下の工程を含む第一の配列と第二の配列を比較する方法を提供する:(a)配列を比較するコンピュータプログラムを用いて第一の配列および第二の配列を読み取る工程(前記第一の配列は本発明のポリペプチド配列または本発明の核酸配列を含む);および、(b)第一の配列と第二の配列間の相違を前記コンピュータプログラムにより決定する工程。 第一の配列と第二の配列間の相違を決定する工程はさらに多型性を同定する工程を含むことができる。 ある特徴では、前記方法はさらに、配列内の1つまたは2つ以上の特徴を同定するアイデンティファイヤーを含むことができる。 別の特徴では、前記方法は、コンピュータプログラムを用いて第一の配列を読み取り、さらに前記配列内の1つまたは2つ以上の特徴を同定することを含むことができる。

    本発明は、以下の工程を含む、環境サンプルからヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法を提供する:(a)ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するために増幅プライマー配列を提供する工程(前記プライマー対は本発明の核酸を増幅することができる);(b)前記環境サンプルから核酸を単離するか、または前記サンプル内の核酸がハイブリダイゼーションのために前記増幅プライマー対に接近できるように前記環境サンプルを処理する工程;および、(c)工程(b)の核酸を工程(a)の増幅プライマー対と一緒にして前記環境サンプルの核酸を増幅し、それによって環境サンプルからヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程。 前記増幅プライマー配列対の一方または各メンバーは、本発明の配列の少なくとも約10から50の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。

    本発明は、以下の工程を含む環境サンプルからヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法を提供する:(a)本発明の核酸配列またはその部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;(b)前記環境サンプルから核酸を単離するか、または前記サンプル内の核酸がハイブリダイゼーションのために工程(a)のポリヌクレオチドに接近できるように前記環境サンプルを処理する工程;(c)工程(b)の単離された核酸または処理された環境サンプルを工程(a)のポリヌクレオチドプローブと一緒にする工程;および、(d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離し、それによって環境サンプルからヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程。 前記環境サンプルは水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、大気サンプルまたは生物学的サンプルを含むことができる。 また別の特徴では、前記生物学的サンプルは、細菌細胞、原虫細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、真菌細胞または哺乳動物細胞に由来することができる。

    本発明は、以下の工程を含むヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸の変種を作製する方法を提供する:(a)本発明の核酸を含む鋳型核酸を提供する工程;(b)前記鋳型配列内の1つまたは2つ以上のヌクレオチドの改変、欠失もしくは付加、またはそれらの組み合わせを実施して前記鋳型核酸の変種を作製する工程。 ある特徴では、前記方法はさらに、変種核酸を発現させて変種ヒドロラーゼポリペプチドを生成することを含む。 前記改変、付加または欠失は、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)またはそれらの組み合わせを含む方法により導入することができる。 また別の特徴では、前記改変、付加または欠失は、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成、またはそれらの組み合わせによって導入することができる。

    ある特徴では、前記方法は、鋳型核酸によってコードされるポリペプチドの活性または安定性とは変異したもしくは異なる活性または変異したもしくは異なる安定性を有するヒドロラーゼが得られるまで反復することができる。 ある特徴では、前記変種ヒドロラーゼ変種は耐熱性であり、上昇温度に暴露された後ある程度の活性を維持する。 また別の特徴では、前記変種ヒドロラーゼポリペプチドは、鋳型核酸によってコードされるヒドロラーゼと比較して高いグリコシル化を有する。 また別には、前記変種ヒドロラーゼポリペプチドは高温化でヒドロラーゼ活性を有するが、鋳型核酸によってコードされるヒドロラーゼは高温下では活性をもたない。 ある特徴では、前記方法は、鋳型核酸のコドン使用とは変異したコドン使用を示すヒドロラーゼコード配列が得られるまで反復することができる。 前記方法は、別の特徴では、鋳型核酸のメッセージ発現レベルまたは安定性レベルより高いまたは低いレベルのそれを有するヒドロラーゼ遺伝子が得られるまで前記方法を反復することができる。

    本発明は、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞でのその発現を高める方法を提供する。 前記方法は以下の工程を含む:(a)ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b)工程(a)の核酸の非優先コドンまたは低優先コドンを特定し、前記コドンを同じアミノ酸をコードする優先コドンまたは中性的に使用されるコドンに置換し、それによって核酸を改変して宿主細胞内での前記の発現を増加させる工程(前記優先コドンとは宿主細胞の遺伝子内のコード配列において高頻度で提示されるコドンであり、非優先コドンまたは低優先コドンとは宿主細胞の遺伝子内のコード配列において低頻度で提示されるコドンである)。
    本発明は、以下の工程を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変する方法を提供する:(a)本発明の核酸を提供する工程;および、(b)工程(a)の核酸のコドンを特定し、前記コドンを同じアミノ酸をコードする異なるコドンで置換し、それによってヒドロラーゼをコードする核酸内のコドンを改変する工程。

    本発明は、以下の工程を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞でその発現を高める方法を提供する:(a)ヒドロラーゼポリペプチドをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b)工程(a)の核酸内の非優先コドンまたは低優先コドンを特定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドンまたは中性的に使用されるコドンで置換する工程であって(優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度で提示されるコドンであり、非優先または低優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度で提示されるコドンである)、それによって前記核酸を改変して宿主細胞でのその発現を高める工程。
    本発明は、以下の工程を含む、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞でその発現を低下させる方法を提供する:(a)本発明の核酸を提供する工程;および、(b)工程(a)の核酸内の少なくとも1つの好ましいコドンを特定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする非優先コドンまたは低優先コドンで置換する工程であって(優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度提示されるコドンであり、非優先または低優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度提示されるコドンである)、それによって前記核酸を改変して宿主細胞でのその発現を低下させる工程。 ある特徴では、前記宿主細胞は細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞または哺乳動物細胞である。

    本発明は、複数の改変ヒドロラーゼ活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作製する方法を提供する(前記改変活性部位または基質結合部位は、第一の活性部位または第一の基質結合部位をコードする配列を含む第一の核酸に由来する)。 前記方法は以下の工程を含む:(a)第一の活性部位または第一の基質結合部位をコードする第一の核酸を提供する工程(前記第一の核酸配列は本発明の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、前記核酸はヒドロラーゼ活性部位またはヒドロラーゼ基質結合部位をコードする);(b)第一の核酸内の複数の標的コドンで天然に存在するアミノ酸変種をコードする一組の変異導入オリゴヌクレオチドを提供する工程;(c)前記一組の変異導入オリゴヌクレオチドを用いて、変異導入アミノ酸コドンの各々一連のアミノ酸変種をコードする一組の活性部位コード変種または基質結合部位コード変種核酸を生成し、それによって複数の改変ヒドロラーゼ活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作製する工程。 ある特徴では、前記方法は、最適化定方向進化システム、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、または合成連結再アッセンブリ(SLR)、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド指向変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)またはそれらの組み合わせを含む方法によって、工程(a)の第一の核酸に変異導入することを含む。 別の特徴では、前記方法は、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成およびそれらの組み合わせを含む方法によって、工程(a)の第一の核酸または変種に変異導入することを含む。

    本発明は、以下の工程を含む小分子の製造方法を提供する:(a)小分子を合成または改変することができる複数の生合成酵素を提供する工程(前記酵素の1つは本発明の核酸によってコードされるヒドロラーゼ酵素を含む);(b)工程(a)の酵素の少なくとも1つのための基質を提供する工程;および、(c)複数の生物触媒反応を促進する条件下で工程(b)の基質を前記酵素と反応させて一連の生物触媒反応により小分子を生成する工程。

    本発明は、以下の工程を含む小分子の改変方法を提供する:(a)ヒドロラーゼ酵素を提供する工程(前記酵素は本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む);(b)小分子を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼ酵素によって触媒される酵素反応が促進される条件下で工程(a)の酵素を工程(b)の小分子と反応させ、それによってヒドロラーゼ酵素反応により小分子を改変する工程。 ある特徴では、前記方法は、工程(a)の酵素のための複数の小分子基質を提供し、それによってヒドロラーゼ酵素により触媒される少なくとも1つの酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを作製することを含むことができる。 ある特徴では、前記方法は、前記酵素による複数の生物触媒反応を促進する条件下で複数の酵素を追加して、複数の酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを作製することを含むことができる。 別の特徴では、前記方法はさらに、所望の活性を示す特定の小分子がライブラリー内に存在するか否かを決定するために前記ライブラリーを試験する工程を含むことができる。 前記ライブラリーの試験工程はさらに、所望の活性をもつ特定の改変小分子の有無について改変小分子の一部分を試験することによって、ライブラリー内の複数の改変小分子の前記一部分を生成するために用いられた生物触媒反応の1つ以外の全てを系統的に排除し、所望の活性をもつ特定の改変小分子を生成する少なくとも1つの特異的な生物触媒反応を同定する工程を含むことができる。

    本発明は、以下の工程を含むヒドロラーゼ酵素の機能的断片を決定する方法を提供する:(a)ヒドロラーゼ酵素を提供する工程(前記酵素は本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む);および、(b)工程(a)の配列から複数のアミノ酸残基を欠失させ、ヒドロラーゼ活性について残余の配列を試験し、それによってヒドロラーゼ酵素の機能的断片を決定する工程。 ある特徴では、前記ヒドロラーゼ活性は、ヒドロラーゼ基質を提供すること、および、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出することによって測定される。

    本発明は、リアルタイム代謝フラックス分析によって新規または改変表現型の全細胞操作のための方法を提供する。 前記方法は以下の工程を含む:(a)細胞の遺伝的構成を改変することによって改変細胞を作製する工程(前記遺伝的構成は本発明の核酸を細胞に導入することによって改変される);(b)前記改変細胞を培養して複数の改変細胞を生成する工程;(c)工程(b)の細胞培養をリアルタイムでモニターすることによって前記細胞の少なくとも1つの代謝パラメーターを測定する工程;さらに(d)工程(c)のデータを分析して、前記測定パラメーターが類似の条件下で未改変細胞の対応する測定値と異なるか否かを決定し、それによって細胞の操作された表現型をリアルタイム代謝フラックス分析により同定する工程。 ある特徴では、細胞の遺伝的構成は、細胞内の配列の欠失もしくは改変または遺伝子発現のノックアウトを含む方法によって改変することができる。 ある特徴では、前記方法はさらに、新規に操作された表現型を含む細胞の選別を含むことができる。 別の特徴では、前記方法は、選別細胞を培養し、それによって新規に操作された表現型を含む新規な細胞株を作製することを含むことができる。

    本発明は、ヒドロラーゼポリペプチドの耐熱性または熱安定性を高める方法を提供する。 前記方法は、ヒドロラーゼポリペプチドをグリコシル化し(前記ポリペプチドは本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸配列によってコードされるポリペプチドの少なくとも30の連続するアミノ酸を含む)、それによってヒドロラーゼポリペプチドの耐熱性または熱安定性を高める。 ある特徴では、本ヒドロラーゼ比活性は約37℃より高い温度から約95℃の範囲の温度で熱安定性または耐熱性であり得る。

    本発明は、細胞で組換えヒドロラーゼポリペプチドを過剰発現させる方法を提供する。 前記方法は、本発明の核酸または本発明の核酸配列(前記配列の同一性は配列比較アルゴリズムによる分析または目視精査によって決定される)を含むベクターを発現させることを含み、前記過剰発現は、高活性プロモーターの使用、二シストロン性ベクターの使用によって、または前記ベクターの遺伝子増幅によって達成される。

    本発明は、本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む洗剤組成物を提供する。 前記ポリペプチドはヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ活性)を有する。 ある特徴では、前記ヒドロラーゼは非界面活性ヒドロラーゼであり得る。 別の特徴では、前記ヒドロラーゼは界面活性ヒドロラーゼであり得る。
    本発明は以下の工程を含む物体の洗浄方法を提供する:(a)ヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ活性)を有する本発明のポリペプチドを含む組成物を提供する工程(前記ポリペプチドは本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む);(b)物体を提供する工程;および、(c)前記組成物が前記物体を洗浄することができる条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の物体と接触させる工程。

    本発明は、以下の工程を含むトランスジェニック植物の製造方法を提供する:(a)異種核酸配列を細胞に導入し(前記異種核酸配列は本発明の核酸配列を含む)、それによって形質転換植物細胞を作製する工程;および、(b)前記形質転換細胞からトランスジェニック植物を作出する工程。 ある特徴では、工程(a)はさらに、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションにより前記異種核酸配列を導入することを含むことができる。 別の特徴では、工程(a)はさらに、DNA粒子ボンバードメントによって植物組織に直接前記異種核酸配列を導入することを含むことができる。 また別には、工程(a)はさらに、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主を用いて植物細胞DNAに前記異種核酸配列を導入することを含むことができる。 ある特徴では、前記植物細胞はジャガイモ、トウモロコシ、イネ、コムギ、タバコまたはオオムギ細胞であり得る。

    本発明は、以下の工程を含む植物細胞で異種核酸配列を発現させる方法を提供する:(a)プロモーターに機能可能に連結された異種核酸配列で植物細胞を形質転換する工程(前記異種核酸配列は本発明の核酸を含む);(b)前記異種核酸配列が前記植物細胞で発現する条件下で前記植物を生長させる工程。 本発明は、以下の工程を含む植物細胞で異種核酸配列を発現させる方法を提供する:(a)プロモーターに機能可能に連結された異種核酸配列で前記植物細胞を形質転換する工程(前記異種核酸配列は本発明の核酸を含む);(b)前記異種核酸配列が前記植物細胞で発現する条件下で前記植物を生長させる工程。

    本発明は、本発明のポリペプチドの部分配列を有するペプチドを含む、または前記ペプチドからなる、シグナル配列を提供する。 本発明は、本発明のシグナル配列を含む第一のドメインおよび少なくとも第二のドメインを含むキメラタンパク質を提供する。 前記タンパク質は融合タンパク質であり得る。 前記第二のドメインは酵素を含むことができる。 前記酵素はヒドロラーゼであり得る。

    本発明は、以下の工程を含む、構造脂質を生体触媒合成する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程;(b)トリアシルグリセリド(TAG)を含む組成物を提供する工程;(c)トリアシルグリセリド(TAG)のSn2位にあるアシル残基をポリペプチドが加水分解する条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させ、それによって1,3-ジアシルグリセリド(DAG)を生成する工程;(d)R1エステルを提供する工程;(e)R1-特異的ヒドロラーゼを提供する工程;および、(f)R1-特異的ヒドロラーゼがSn2位のエステル化を触媒する条件下で工程(c)の1,3-DAGを工程(d)のR1エステルおよび工程(e)のR1-特異的ヒドロラーゼと接触させ、それによって構造脂質を生成する工程。 前記ヒドロラーゼはSn2-特異的リパーゼであり得る。 前記構造脂質は、ココアバター代替物(CBA)、合成ココアバター、天然ココアバター、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-パルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)または1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)を含み得る。

    本発明は、以下の工程を含む、構造脂質を生体触媒合成する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程;(b)トリアシルグリセリド(TAG)を含む組成物を提供する工程;(c)ポリペプチドがトリアシルグリセリド(TAG)のSn1位またはSn3位にあるアシル残基を加水分解する条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させ、それによって1,2-DAGまたは2,3-DAGを生成する工程;および、(d)動学的に制御された条件下で工程(c)の1,2-DAGまたは2,3-DAGにおけるアシル移動を促進し、それによって1,3-DAGを生成する工程。 前記方法はさらに、R1エステルおよびR1-特異的リパーゼを提供する工程、および、前記R1-特異的リパーゼがSn2位のエステル化を触媒する条件下で工程(d)の1,3-DAGをR1エステルおよびR1-特異的リパーゼと接触させ、それによって構造脂質を生成する工程を含み得る。 前記リパーゼはSn1またはSn3-特異的リパーゼであり得る。 前記構造脂質はココアバター代替物(CBA)、合成ココアバター、天然ココアバター、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-パルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)または1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)を含み得る。 前記方法のある特徴では、工程(d)はさらにイオン交換樹脂を使用することを含む。 前記動力学的に制御された条件は、1,3-DAG対2,3-DAGの比が2:1よりも大きい最終生成物を生成する結果となる非平衡条件を含み得る。 工程(b)の組成物は蛍光脂肪酸(FA)を含み得る。 工程(b)の組成物はウンベリフェリルFAエステルを含み得る。 前記最終生成物はエナンチオマー的に純粋であり得る。

    本発明は、以下の工程を含む、プロピオン酸のラセミエステルからプロピオン酸の1つの光学異性体を調製する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程(前記ヒドロラーゼはプロピオン酸の1つの光学異性体に対する立体選択性を有する);(b)ラセミエステルを提供する工程;(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)のラセミエステルと接触させ(前記ポリペプチドは工程(b)のエステルの加水分解を選択的に触媒することができる)、それによってプロピオン酸の前記光学異性体を生成する工程。 前記プロピオン酸の前記光学異性体は2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロピオン酸のS(+)体を含み得、そして前記ラセミエステルは、2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロピオン酸のラセミ(R,S)エステルを含む。

    本発明は、以下の工程を含む、2-置換酸のエステルのラセミ混合物を立体選択的に加水分解する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程(前記ヒドロラーゼは立体選択的である);(b)2-置換酸のエステルのラセミ混合物を含む組成物を提供する工程;および、(c)工程(b)のポリペプチドが前記エステルを選択的に加水分解し得る条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させる工程。 前記ヒドロラーゼは固定化されていてもよい。 前記2-置換酸は、2-アリールオキシ置換酸、R-2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸または2-アリールプロピオン酸を含み得る。 前記2-置換酸はケトプロフェンを含み得る。

    本発明は、以下の工程を含む、油または脂肪を改変する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程;(b)油または脂肪を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼが前記油または脂肪を改変し得る条件下で工程(a)のヒドロラーゼを工程(b)の油または脂肪と接触させる工程。 前記改変は、油または脂肪のヒドロラーゼ触媒加水分解を含み得る。 前記加水分解は、油または脂肪の完全または部分的加水分解であり得る。 前記油はポリ不飽和脂肪酸のグリセロールエステル、または、魚油、動物油もしくは植物油を含み得る。 前記植物油はオリーブ、キャノーラ、ヒマワリ、ヤシ、ダイズもしくはラウリン系の油または米糠油を含み得る。

    本発明は、以下の工程を含む、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)エステルを加水分解する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程;(b)ポリ不飽和脂肪酸エステルを含む組成物を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼがポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を加水分解し得る条件下で前記ヒドロラーゼを工程(b)の組成物と接触させる工程。
    本発明は、以下の工程を含む、飽和脂肪酸エステルに優先してポリ不飽和脂肪酸エステルを選択的に加水分解する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程(前記ヒドロラーゼはリパーゼ活性を有し、かつ、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)エステルを選択的に加水分解する);(b)ポリ不飽和エステルおよび飽和エステルの混合物を含む組成物を提供する工程;および、(c)前記ポリペプチドがポリ不飽和脂肪酸エステルを選択的に加水分解し得る条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させる工程。

    本発明は、以下の工程を含む、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を含む食物または飼料添加物を調製する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程(前記ヒドロラーゼはポリ不飽和脂肪酸(PUFA)エステルを選択的に加水分解する);(b)PUFAエステルを含む組成物を提供する工程;および、(c)前記ポリペプチドが前記ポリ不飽和脂肪酸エステルの加水分解を選択的に触媒し得る条件下で工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させ、それによってPUFA-含有食物または飼料添加物を製造する工程。

    本発明は、以下の工程を含む、ラテックスを処理する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを提供する工程(このポリペプチドは不飽和エステルに優先して飽和エステルに対して選択性を有し、それによって前記飽和エステルをその対応する酸およびアルコールに変換する);(b)飽和および不飽和エステルを含むラテックス組成物を提供する工程;(c)前記ポリペプチドが飽和エステルを選択的に加水分解し得る条件下で工程(a)のヒドロラーゼを工程(b)の組成物と接触させ、それによってラテックスを処理する工程。 プロピオン酸エチルは、アクリル酸エチルに優先して選択的に加水分解され得る。 工程(b)のラテックス組成物は、アクリル、ビニルおよび不飽和酸モノマー、アクリル酸アルキルモノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルおよびアクリル酸ブチル、アクリレート酸(acrylate acids)、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸およびそれらの混合物を含むポリマーを含み得る。 前記ラテックス組成物は毛定着性であり得る。 工程(c)の条件は、約pH4からpH8の範囲内のpHおよび約20℃から約50℃の範囲内の温度を含み得る。

    本発明は、以下の工程を含む、潤滑油を精製する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを含む組成物を提供する工程;(b)潤滑油を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼが前記潤滑油の中の油を選択的に加水分解し得る条件下で潤滑油をヒドロラーゼで処理し、それによって潤滑油を精製する工程。

    本発明は、以下の工程を含む、繊維製品を処理する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを含む組成物を提供する工程(前記ヒドロラーゼはカルボキシルエステルを選択的に加水分解し得る);(b)繊維製品を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼが前記カルボキシルエステルを選択的に加水分解し得る条件下で繊維製品をヒドロラーゼで処理し、それによって繊維製品を処理する工程。 前記繊維製品の処理は、最終繊維製品の手ざわりおよび垂れ具合の向上、染色、難燃性の獲得、撥水性の獲得、光学的な明るさの獲得、または樹脂加工の獲得を含み得る。 前記繊維製品は、綿、ビスコース、レーヨン、リオセル、亜麻、リネン、カラムシ、すべてのそれらの混紡、または、それらとポリエステル、ウール、ポリアミド繊維、アクリル繊維もしくはポリアクリル繊維との混紡を含み得る。 本発明は、本発明のヒドロラーゼを含む繊維製品、織物糸または繊維を提供し、前記ヒドロラーゼは前記繊維製品、織物糸、または繊維の表面に吸着または固定されていてもよい。

    本発明は、食物または油の汚れを除去またはその量を低減する方法を提供し、前記方法は、ヒドロラーゼが汚れの中の油または脂肪を加水分解し得る条件下で本発明のヒドロラーゼを食物または油の汚れと接触させる工程を含む。 前記ヒドロラーゼは、界面活性剤による変性および熱による非活性化に対する安定性が向上されていてもよい。 前記ヒドロラーゼは洗剤または洗濯水を有していてもよい。

    本発明は、本発明のヒドロラーゼを含む食品組成物を提供する。 前記食品組成物はさらに、脂肪を含む栄養素を含み得る。 前記ヒドロラーゼは胆汁酸塩によって活性化され得る。 前記食品組成物はさらに、乳ベースの乳幼児用調製乳を含み得る。 前記ヒドロラーゼは長鎖脂肪酸を加水分解し得る。
    本発明は、以下の工程を含む、ミルクまたは植物ベースの食品組成物の脂肪(fat)含有量を低減する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを含む組成物を提供する工程;(b)ミルクまたは植物油を含む組成物を提供する工程;および、(c)前記ヒドロラーゼが前記組成物中の油または脂肪を加水分解し得る条件下で工程(b)の組成物をヒドロラーゼで処理し、それによってその脂肪含有量を低減する工程。 本発明は、栄養素を含むヒトまたは非反芻動物用の食品組成物を提供する。 前記栄養素は脂肪を含み、ヒドロラーゼを全くまたはほとんど含まず、そして効果的な量の請求項56記載のヒドロラーゼを含み、これによってヒトまたは非反芻動物の脂肪吸収および成長を増進させる。

    本発明は、以下の工程を含む、エステル交換(interesterification)反応を触媒して新たなトリグリセリドを生成する方法を提供する:(a)本発明のヒドロラーゼを含む組成物を提供する工程(前記ヒドロラーゼはエステル交換反応を触媒し得る);(b)トリグリセリドと遊離脂肪酸の混合物を提供する工程;(c)前記ヒドロラーゼが遊離脂肪酸とトリグリセリドのアシル基との交換を触媒し得る条件下で工程(b)の組成物をヒドロラーゼで処理し、それによって付加脂肪酸のエンリッチされた新たなトリグリセリドを生成する工程。 前記ヒドロラーゼはSn1、Sn3-特異的リパーゼであり得る。
    本発明は、以下の工程を含む、トランス酸および中間鎖脂肪酸の含有量の少ないマーガリン油を調製するためのエステル転移(transesterification)方法を提供する:(a)ステアリン酸、低分子量一価アルコールのステアリン酸モノエステルおよびそれらの混合物からなる群より選択されるステアリン酸原料物質を含むエステル転移反応混合物を提供する工程;(b)液体の植物油を提供する工程;(c)本発明のヒドロラーゼを提供する工程(このポリペプチドは1,3-特異的リパーゼ活性を含む);(d)ステアリン酸原料物質および植物油トリグリセリドをエステル転移して、反応混合物のグリセリド成分の1-、3-位にあるエステル基を非グリセリド脂肪酸成分と実質的に平衡化する工程:(e)エステル転移混合物のグリセリド成分からエステル転移化遊離脂肪酸成分を分離して、エステル転移化マーガリン油生成物と、植物油から遊離された脂肪酸、脂肪酸モノエステルまたはそれらの混合物を含む脂肪酸混合物とを提供する工程;および、(f)前記脂肪酸混合物を水素添加する工程。

    本発明は、1-パルミトイル-3-ステアロイル-2-モノレイン(POSt)および1,3-ジステアロイル-2-モノレイン(StOSt)を含む組成物を製造する方法を提供する。 前記方法は請求項56に示すリパーゼを提供する工程を含み、前記リパーゼは、1,3-ジパルミトイル-2-モノレイン(POP)とステアリン酸またはトリステアリンとの1,3-特異的リパーゼ-触媒エステル交換(interesterification)によって、1-パルミトイル-3-ステアロイル-2-モノレイン(POSt)または1,3-ジステアロイル-2-モノレイン(StOSt)のエンリッチされた生成物を製造することが可能である。
    本発明は、リポポリサッカライド(LPS)-媒介毒性を軽減または予防する方法を提供し、前記方法は本発明のポリペプチドを含む医薬組成物を患者に投与する工程を含む。 本発明は、エンドトキシンを解毒する方法を提供し、前記方法は前記エンドトキシンを本発明のポリペプチドと接触させる工程を含む。 本発明は、リピドAから2'または3'脂肪酸鎖を脱アシル化する方法を提供し、前記方法は前記リピドAを本発明のポリペプチドと接触させる工程を含む。

    本発明の1つまたは2つ以上の実施態様の詳細は添付の図面および下記の説明で示される。 本発明のその他の特徴、目的および利点はこれらの記載および図面から、さらに特許請求の範囲から明らかになろう。
    本明細書に引用したすべての刊行物、特許、特許出願、GenBank配列およびATCC寄託物は、すべての目的のために参照により本明細書に明確に含まれる。

    詳細な説明 ある特徴では、本発明はヒドロラーゼ、それをコードするポリヌクレオチド、およびこれらポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造および使用方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、ポリペプチド(例えばヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、またはプロテアーゼ活性)(熱安定性および耐熱性ヒドロラーゼ活性を含む)を有する酵素)、およびこれらの酵素をコードするポリヌクレオチド、並びにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造および使用を目的とする。 本発明のポリペプチドおよびペプチドのヒドロラーゼ活性は、エステラーゼ活性、リパーゼ活性(脂質の加水分解)、酸分解反応(エステル化脂肪酸を遊離脂肪酸と交換するため)、エステル転移(transesterification)反応(トリグリセリド間の脂肪酸の交換(
    exchange))、エステル合成、、エステル交換(interchange)反応、ホスホリパーゼ活性(例えばホスホリパーゼA、B、CおよびD活性、パタチン活性、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性)、およびプロテアーゼ活性(ペプチド結合の加水分解)を含む。 本発明のポリペプチドは様々な医薬、農業および工業関係で使用することができ、これには化粧品および栄養補助剤の製造が含まれる。 別の特徴では、本発明のポリペプチドはエナンチオマー的に純粋なキラル生成物を合成するために使用される。 本発明のポリペプチドは様々な医薬、農業および工業関係で使用することができ、これには化粧品および栄養補助剤の製造が含まれる。

    本発明の酵素は高度な選択性を有する触媒であり得る。 これらは、従来の合成化学では不可能であった立体-、位置-、および化学-選択性を有する反応を触媒する能力を持ち得る。 本発明の酵素は多用途であり得る。 様々な特徴では、これらは、有機溶剤の中で機能し得、極端なpH(例えば高pHおよび低pH)、極端な温度(例えば高温および低温)、極端な塩濃度(例えば高塩濃度および低塩濃度)で機能し得、そして通常の生理学的な基質と構造的に非関連の化合物との反応を触媒し得る。

    リパーゼ活性を有する本発明のヒドロラーゼ ある特徴では、本発明のポリペプチドはリパーゼ活性を有し、リパーゼとして(例えば構造脂質(グリセロール骨格上に明確な態様で分布された明確な脂肪酸の組を有する脂質)の生体触媒合成において)使用し得る。 前記構造脂質は、ココアバター代替物、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)、1,3-ジアシルグリセリド(DAG)、2-モノグリセリド(MAG)およびトリアシルグリセリド(TAG)(例えば1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)、1-パルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)または1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM)など)、長鎖ポリ不飽和脂肪酸(例えばアラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)など)を含む。

    ある特徴では、本発明は、図28に説明されるように、グリセロールからの、POS(パルミチン-オレイン-ステアリン)、POP(パルミチン-オレイン-パルミチン)およびSOS(ステアリン-オレイン-ステアリン)から構成されるトリグリセリド混合物の例示的な合成(本発明のリパーゼを使用する)を提供する。 この例示的な合成は、遊離脂肪酸と脂肪酸エステルとの反応を使用する。 ある特徴では、この反応は、粗製グリセロールおよび遊離脂肪酸および脂肪酸エステルを使用する脂肪酸の連続的添加によって、ワンポットで行うことが可能である。 ある特徴では、図29に説明されるように、ステアラートとパルミタートを一緒に混合してDAGの混合物が生成される。 ある特徴では、図29に説明されるように、ジアシルグリセリドはその後オレアートでアシル化されてココアバター同等物の成分を生成する。 また別の特徴では、POS、POPおよびSOSの割合は:ステアラート対パルミタートの比;パルミタートとステアラートに対する酵素の相対的な選択性;または酵素エナンチオ選択性(POS/SOPの値を変化させ得る)に従って変更させ得る。 本発明のこの特徴を使用すれば、ココアバター同等物または他のココアバター代替物のワンポット合成が可能である。

    ある特徴では、位置選択性および/または化学選択性を示すリパーゼが、脂質の構造的合成または脂質の加工に使用される。 したがって、本発明の方法は、生体触媒合成反応において明確な位置特異性または明確な化学選択性(例えば脂肪酸特異性)を有するリパーゼを使用する。 例えば、本発明の方法は、SN1、SN2および/またはSN3位置特異性およびそれらの組み合わせを有するリパーゼを使用し得る。 ある特徴では、本発明の方法はトリアシルグリセリド(TAG)の2-位に対する位置選択性を示すリパーゼを使用する。 このSN2位置特異性は、図6に示すように、様々な構造脂質(例えば1,3-DAGを含むトリアシルグリセリド(TAG)およびココアバターの成分)の合成に使用し得る。

    本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、構造脂質の生体触媒合成、並びに、本発明の構造的合成方法で作製された、または本発明の方法で加工された脂質を含む栄養補助食品(例えばポリ不飽和脂肪酸および油)、様々な食物および飼料添加物(例えば乳化剤、油脂代用品、マーガリンおよびパン塗布物)、化粧品(例えば乳化剤、クリーム)、医薬および薬剤運搬剤(例えばリポソーム、錠剤、調合物)、および動物飼料添加剤(例えばリノレイン酸などのポリ不飽和脂肪酸)の製造に使用し得る。
    ある特徴では、本発明のリパーゼは蛍光脂肪酸(FA)エステル(例えばウンベリフェリルFAエステル)に対して作用し得る。 ある特徴では、本発明の方法によって製造または改変したリパーゼのFA特異性の特徴は、一連のウンベリフェリルFAエステル(例えばパルミタート、ステアラート、オレアート、ラウラート、PUFA、ブチラート)に対するそれらの相対活性を測定することによって求めることができる。 以下の表1は、本発明の例示的なリパーゼのいくつかの活性を示す。 前記活性は、ブチラートおよびオレアートについて試験された。




















    本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、エナンチオマー的に純粋なキラル生成物の合成に使用し得る。 ある特徴では、本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、ラセミ混合物からD-アミノ酸および対応するエステルを調製するために使用し得る。 例えば、ラセミアスパラギン酸からD-アスパラギン酸を調製し得る。 ある特徴では、光学活性を有するD-ホモフェニルアラニンおよび/またはそのエステルが調製される。 エナンチオ選択的に合成されたD-ホモフェニルアラニンは、高血圧症および鬱血性心不全の治療に使用されるエナラプリル、リシノプリル、およびキナプリルなどの多くの薬物のための出発材料となり得る。 本発明の方法および組成物によって製造されたD-アスパラギン酸およびその誘導体は、医薬品において(例えば敗血症もしくはサイトカイン-誘導全身性低血圧症を予防もしくは治療するためにアルギノスクシナート合成酵素を阻害するために、または免疫抑制剤として)使用し得る。 本発明の方法および組成物によって製造されたD-アスパラギン酸およびその誘導体は、食物用の味覚変革組成物として、例えば甘味剤(例えばALITAME(登録商標))として使用し得る。 例えば、本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロピオン酸のラセミ(R,S)エステルから2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロピオン酸の光学異性体S(+)体を合成するために使用し得る(例えば米国特許第5,229,280号を参照されたい)。

    ある特徴では、本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、2-置換酸(例えば、R-2-(4-ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸、2-アリールプロピオン酸、ケトプロフェンなどの2-アリールオキシ置換酸)のエステルのラセミ混合物を立体選択的に加水分解して、エナンチオマー的に純粋なキラル生成物を合成することに使用し得る。 例えば米国特許第5,108,916号を参照されたい。
    ある特徴では、これらの反応のための本発明のリパーゼは、例えば以下に説明するように固定化される。 別の特徴では、本発明の方法は、有機溶媒を必要とせず、比較的速い反応速度で進行し得、かつ、アミノ酸に対する保護基を必要としない。 例えば米国特許第5,552,317号;同5,834,259を参照されたい。

    本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、魚油、動物油および植物油などの油、並びに、ポリ不飽和脂肪酸などの脂質を加水分解するために使用し得る。 ある特徴では、本発明のポリペプチドは、脂肪酸(ポリ不飽和脂肪酸など)(例えば魚油脂肪酸)を加工して飼料添加物に、または飼料添加物として使用するために使用される。 乳牛用の飼料にポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を添加すると繁殖力およびミルク収量が向上することが示されている。 魚油は高い割合のPUFAを含み(下記の表2を参照されたい)、したがって、本発明の方法のための出発材料としてのPUFAの安価な原料となる可能性がある。 本発明の生体触媒方法は魚油をマイルドな条件下で加工することが可能であり、したがって、いくつかの加工法で利用される過酷な条件を回避することができる。 過酷な条件は、PUFAの不要な異性化、重合および酸化を促進する可能性がある。 ある特徴では、本発明の方法は、魚油のリパーゼ-触媒完全加水分解または魚油のPUFAの選択的加水分解によって、貴重なPUFAを無傷に保つようなマイルドな代替を提供することを含む。 ある特徴では、前記方法はさらに、油脂を化学的または物理的に分裂させることによって脂質を加水分解することを含む。

    ある特徴では、本発明のリパーゼおよび方法は、魚油を完全に加水分解するために使用される。 リパーゼは、例えば図10に示すような脂質からのグリセロールの遊離を検出する共役酵素アッセイを含む方法を用いて、様々な条件下で魚油を完全に加水分解する能力をスクリーニングしてもよい。 このアッセイは、脂質エマルジョンの存在下においてその有効性が確認されており、これらの条件下でも感度を保つ。 また別の特徴では、単一または複数のリパーゼを使用して魚油の完全分解が触媒される。 PUFAの存在によって、本発明のいくつかのリパーゼの使用が必要となり得る。 ある特徴では、本発明のPUFA-特異的リパーゼを一般のリパーゼと組み合わせて所望の効果が達成される。
    本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、PUFAを含まない他の油(例えばオリーブ油)を部分的にまたは完全に加水分解するために使用し得る。
    本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、PUFAグリセロールエステルの加水分解を触媒するために使用し得る。 これらの方法は、飼料添加物を製造するために使用し得る。 ある特徴では、本発明のリパーゼは、単純エステルおよび魚油からのPUFAの遊離を触媒する。 標準的なアッセイおよび解析方法を使用してもよい。

    本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、不飽和エステルに優先して飽和エステルを選択的に酸またはアルコールに加水分解するために使用し得る。 本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、様々な目的のために(例えば毛定着性組成物に使用されるラテックスを処理して不快な匂いを除去するために)ラテックスを処理するために使用し得る。 本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、動物(例えばヒトなどの哺乳動物)におけるリパーゼ欠乏症の治療に使用し得る。 本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、油圧油などの潤滑油を調製するために使用し得る。 本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、洗剤の製造および使用に使用し得る。 本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、繊維製品、繊維または織物糸の化学的表面加工用の加工に使用し得る。 ある特徴では、本発明の方法および組成物(リパーゼ)は、例えばハロゲン-置換カルボン酸またはそのエステル(即ちフッ素化、塩素化もしくは臭化カルボン酸またはそのエステル)を使用して、繊維製品における難燃性を獲得するために使用し得る。 ある特徴では、本発明は、環境ライブラリーからリパーゼを生成する方法を提供する。

    エステラーゼまたはアシラーゼ活性を有する本発明のヒドロラーゼ ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ活性は、アシラーゼまたはエステラーゼ活性を含む。 ある特徴では、この加水分解活性は、ラクトン環の加水分解またはアシルラクトンもしくはジオールラクトンのアシル化を含む。 ある特徴では、この加水分解活性はエステラーゼ活性を含む。 ある特徴では、前記エステラーゼ活性は、エステル基を有機酸とアルコールに加水分解することを含む。 ある特徴では、前記エステラーゼ活性は、フェルロイルエステラーゼ活性を含む。 ある特徴では、前記エステラーゼ活性はリパーゼ活性を含む。 また別の特徴では、本発明の酵素のエステラーゼ活性は、リパーゼ活性(脂質の加水分解におけるもの)、酸分解反応(エステル化脂肪酸を遊離脂肪酸と交換するため)、トランス転移(transesterification)反応(トリグリセリド間の脂肪酸の交換(exchange))、エステル合成およびエステル交換(interchange)反応を含む。 本発明の酵素はまた、医薬、農薬またはそれらの中間体の製造における有機合成反応にも使用し得る。

    ある特徴では、本発明のポリペプチドはエステラーゼまたはアシラーゼ活性を有し、例えばラクトン環を加水分解するためまたはアシルラクトンもしくはジオールラクトンをアシル化するために使用し得る。 ある特徴では、本発明のポリペプチドの加水分解活性はエステラーゼ活性を含む。 ある特徴では、前記エステラーゼ活性は、エステル基を有機酸とアルコールに加水分解することを含む。 ある特徴では、前記エステラーゼ活性はフェルロイルエステラーゼ活性を含む。 ある特徴では、前記エステラーゼ活性はリパーゼ活性を含む。 また別の特徴では、本発明の酵素のエステラーゼ活性は、リパーゼ活性(脂質の加水分解におけるもの)、酸分解反応(エステル化脂肪酸を遊離脂肪酸と交換するため)、エステル転移(transesterification)反応(トリグリセリド間の脂肪酸の交換(exchange))、エステル合成およびエステル交換(interchange)反応を含む。 本発明の酵素はまた、医薬、農薬またはそれらの中間体の製造における有機合成反応にも使用し得る。 本発明のポリペプチドまたはペプチドのエステラーゼ活性は、リパーゼ活性(脂質の加水分解におけるもの)、酸分解反応(エステル化脂肪酸を遊離脂肪酸と交換するため)、エステル転移(transesterification)反応(トリグリセリド間の脂肪酸の交換(exchange))、エステル合成およびエステル交換(interchange)反応を含む。 本発明のポリペプチドまたはペプチドはまた、医薬、農薬またはそれらの中間体の製造における有機合成反応にも使用し得る。

    プロテアーゼ活性を有する本発明のヒドロラーゼ ある特徴では、本発明は、プロテアーゼ活性を有するポリペプチド、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、並びにこれらポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造および使用方法を提供する。 ある特徴では、本発明のプロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒するために用いられる。 本発明のプロテアーゼは、食品または飼料、織物地、洗剤などの製造および/または加工に用いることができる。 本発明のプロテアーゼは医薬組成物および食品補強物で用いることができる。
    本発明のプロテアーゼ調製物(飼料もしくは食品の処理または加工用、繊維および織物地の処理用、廃棄物処理、植物処理のための調製物を含む)は、さらに1つまたは2つ以上の酵素、例えばペクテートリアーゼ、セルラーゼ(エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ)、ベータ-グルカナーゼ(エンド-ベータ-1,3-(4)-グルカナーゼ)、リパーゼ、クチナーゼ、パーオキシダーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、トランスグルタミナーゼ、または前記の混合物を含むことができる。
    ポリペプチドは、プロテアーゼ活性について任意の方法によって日常的にアッセイすることができる(例えば前記タンパク質が本発明に包含されるものであるか否かを調べるために試験することができる)。 例えば、プロテアーゼ活性は、ザイモグラムを用いたカゼインの加水分解、ゼラチンから蛍光の遊離、または種々の小型ペプチド基質からp-ニトロアナリドの遊離によってアッセイすることができる(前記および他の典型的なプロテアーゼアッセイは下記の実施例に示されている)。

    ホスホリパーゼ活性を有する本発明のヒドロラーゼ ある特徴では、本発明は、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを提供する。 本発明のホスホリパーゼは、ホスホリパーゼA、B、C、D、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)またはパタチン酵素活性を有し得る。 本発明のホスホリパーゼは、植物油(例えば油糧種子リン脂質)などの油におけるグリセロールリン酸エステル結合を効果的に切断して、水抽出可能なリン酸化塩基およびジグリセリドを生成し得る。 別の特徴では、本発明のホスホリパーゼは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリンおよびスフィンゴミエリンにおけるグリセロールリン酸エステル結合を切断し得る。

    ある特徴では、本発明のホスホリパーゼは、植物油の抽出、特に本明細書に説明されるように“油脱ガム”と呼ばれる処理における“リン脂質ガム”の除去などの様々な植物油の処理工程に使用し得る。 米糠、ダイズ、ナタネ、ラッカセイ、ゴマ、ヒマワリおよびトウモロコシなどの様々な原料からの植物油の生産に使用し得る。 本発明のホスホリパーゼ酵素は、いかなる植物処理工程においてPLA(例えばホスホリパーゼA2)に代わって使用することができる。 本発明のホスホリパーゼ(例えばホスホリパーゼA、B、C、D、パタチン酵素)は植物油の酵素的脱ガムに使用し得るが、それはリン酸基は水溶性であって除去し易いためである。 ジグリセリド生成物は油に残るため、損失を軽減させる。 本発明のPLCは、PLA1およびPLA2に加えてまたはそれらの代わりに、ENZYMAX(登録商標)プロセスのような商業油の脱ガムに使用し得、そこにおいてリン脂質はPLA1およびPLA2によって加水分解される。

    また別の特徴では、本発明の酵素は、ホスファチジルイノシトール-特異的ホスホリパーゼC(PI-PLC)活性、ホスファチジルコリン-特異的ホスホリパーゼC活性、ホスファチジン酸ホスファターゼ活性、ホスホリパーゼA活性および/またはパタチン-関連ホスホリパーゼ活性を有する。 これらの酵素は単独で使用してもよいし、お互いにもしくは本発明の他の酵素と、または、他の酵素と組み合わせて使用してもよい。 ある特徴では、本発明は、これらの酵素(本発明のホスファチジルイノシトール-特異的ホスホリパーゼC、ホスファチジルコリン-特異的ホスホリパーゼC、ホスファチジン酸ホスファターゼ、ホスホリパーゼAおよび/またはパタチン-関連ホスホリパーゼを含む)が単独でまたは組み合わされて油(例えば米糠油、植物油、例えばダイズ油、トウモロコシ油、キャノーラ油およびヒマワリ油などの高リン油)の脱ガムに使用されるような方法を提供する。
    本発明のこれらの酵素および処理方法は、高リン油、特に米糠油、ダイズ油、トウモロコシ油、キャノーラ油およびヒマワリ油のより完全な脱ガムを達成するために使用し得る。 PI-PLCによって切断されると、ホスファチジルイノシトールはジアシルグリセロールとホスホイノシトールに変換される。 ジアシルグリセロール区画は水相に(油収量の増加)およびホスホイノシトール区分は水相に、そこでは、遠心分離の際に重相の構成物として除去される。 本発明の酵素(例えば本発明のPI-PLC)は、化学的または物理的のいずれの油精製法に導入され得る。

    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばPLCホスホリパーゼ)は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジン酸などの様々なリン脂質基質を利用する。 加えて、これらの酵素は、これらのリン脂質のリゾリン脂質形体に対して異なる度合いの活性を有し得る。 様々な特徴において、本発明のPLC酵素は、基質としてホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンに対して選択性を示し得る。
    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばホスファチジルイノシトールPLCホスホリパーゼ)は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジン酸などの様々なリン脂質基質を利用する。 加えて、これらの酵素は、これらのリン脂質のリゾリン脂質形体に対して異なる度合いの活性を有し得る。 様々な特徴において、本発明のホスファチジルイノシトールPLC酵素は、基質としてホスファチジルイノシトールに対して選択性を示し得る。

    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばパタチン酵素)は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジン酸などの様々なリン脂質基質を利用する。 加えて、これらの酵素は、これらのリン脂質のリゾリン脂質形体に対して異なる度合いの活性を有し得る。 様々な特徴において、本発明のパタチンはアミノ酸配列類似性の保存度に基づく。 様々な特徴では、これらの酵素は多様な組の生化学的特性を示し、PLA1、PLA2、PLCまたはPLD酵素の組に特徴的な反応を遂行し得る。
    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばPLDホスホリパーゼ)は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジン酸などの様々なリン脂質基質を利用する。 加えて、これらの酵素は、これらのリン脂質のリゾリン脂質形体に対して異なる度合いの活性を有し得る。 ある特徴では、これらの酵素は、エステル転移反応を行って構造リン脂質を生産するのに有用である。

    定義
    本明細書で用いられる“ヒドロラーゼ”という用語は、いかなるヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド(例えば抗体、酵素)およびペプチド(例えば“活性部位”)を含む、即ち、本発明のポリペプチドは、いかなるヒドロラーゼ活性(リパーゼ、エステラーゼ、ホスホリパーゼおよび/またはプロテアーゼ活性を含む)を有していてもよい。
    “リパーゼ”という用語は、いかなるリパーゼ活性(脂質合成または脂質加水分解活性を含む)を有するすべてのリパーゼを含む、即ち、本発明のポリペプチドはいかなるリパーゼ活性を有していてもよい。 本発明のリパーゼは、加水分解、アルコール分解、酸分解、エステル化およびアミノ分解反応の触媒を通して脂質の生物変換における活性を有する酵素を含む。 ある特徴では、本発明のリパーゼは脂質エマルジョンを加水分解し得る。 ある特徴では、本発明の酵素は、トリグリセリドのsn-1および/またはsn-3結合に優先的に作用してグリセロール骨格から脂肪酸を遊離させることができる。 例えば、本発明のポリペプチドのリパーゼ活性は、ココアバター、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)、1,3-ジアシルグリセリド(DAG)、2-モノグリセリド(MAG)およびトリアシルグリセリド(TAG)の合成を含む。 前記用語はさらに、高温、低温、アルカリ性pHおよび酸性pHにおいて結合を異性化することが可能なリパーゼを含む。

    “ホスホリパーゼ”という用語は、いかなるホスホリパーゼ活性を有する酵素を含む、即ち、本発明のポリペプチドはいかなるホスホリパーゼ活性を有していてもよい。 例えば、本発明のホスホリパーゼ活性は、例えば植物油などの油におけるグリセロールリン酸エステル結合を切断する(グリセロールリン酸エステル結合の加水分解を触媒する)ことを含む。 本発明のホスホリパーゼ活性は、水抽出が可能なリン酸化塩基およびジグリセリドを生成し得る。 本発明のホスホリパーゼ活性はまた、高温、低温、アルカリpHおよび酸性pHにおいてグリセロールリン酸エステル結合を加水分解することを含む。 “ホスホリパーゼ”という用語はまた、グリセロールリン酸エステルを切断して、水抽出が可能なリン酸化塩基およびジグリセリドを生成することを含む。 “ホスホリパーゼ活性”という用語はまた、リン脂質におけるグリセリンとリン酸のエステル結合を切断することを含む。 “ホスホリパーゼ活性”という用語はまた、油(例えば植物油)などの基質に結合する能力などの他の活性も含み、その基質はさらに、植物および動物のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリンおよびスフィンゴミエリンを含む。 前記ホスホリパーゼ活性は、ホスホリパーゼC(PLC)活性、ホスホリパーゼA1またはホスホリパーゼA2活性などのホスホリパーゼA(PLA)活性、ホスホリパーゼB1またはホスホリパーゼB2活性などのホスホリパーゼB(PLB)活性、ホスホリパーゼD1またはホスホリパーゼD2活性などのホスホリパーゼD(PLD)活性を含む。 前記ホスホリパーゼ活性は、糖タンパク質(例えばジャガイモの塊茎またはSolanum tuberosumのようなナス属植物に見られる糖タンパク質として)の加水分解を含み得る。 前記ホスホリパーゼ活性は、パタチンエステラーゼ活性などのパタチン酵素活性を含み得る(例えば、Jimenez (2002) Biotechnol Prog. 18:635-640を参照されたい)。 前記ホスホリパーゼ活性は、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性を含み得る。

    “プロテアーゼ”という用語は、プロテアーゼ活性(ペプチダーゼおよび/またはプロテイナーゼ活性を含む)を有する全てのポリペプチドを含む;即ち、本発明のポリペプチドはいかなるプロテアーゼ活性を有していてもよい。 本発明のプロテアーゼ活性は、ペプチド結合の加水分解の触媒を含むことができる。 本発明のプロテアーゼは、両方向のペプチド加水分解反応を触媒することができる。 前記反応の方向は、例えば基質および/または生成物の濃度、温度、プロテアーゼの選択などを操作することによって定めることができる。 前記プロテアーゼ活性はエンドプロテアーゼ活性および/またはエキソプロテアーゼ活性を含むことができる。 前記プロテアーゼ活性は、プロテアーゼ活性、例えばカルボキシペプチダーゼ活性、ジペプチジルペプチダーゼもしくはアミノペプチダーゼ活性、セリンプロテアーゼ活性、メタロプロテイナーゼ活性、システインプロテアーゼ活性および/またはアスパラギンプロテアーゼ活性を含むことができる。 ある特徴では、プロテアーゼ活性は、キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、カリクレインおよび/またはスブチリシン活性と同じまたは類似の活性を含むことができる。

    エステラーゼという用語は、エステラーゼ活性を有するすべてのポリペプチドを含む、即ち、本発明のポリペプチドはいかなるエステラーゼ活性を有していてもよい。 例えば、本発明は、エステル基を有機酸とアルコールに加水分解することが可能なポリペプチドを提供する。 “エステラーゼ”という用語はまた、リパーゼ活性(脂質の加水分解におけるもの)、酸分解反応(エステル化脂肪酸を遊離脂肪酸と交換するため)、エステル転移(transesterification)反応(トリグリセリド間の脂肪酸の交換(exchange))、エステル合成およびエステル交換(interchange)反応を含む。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼはラクトン環を加水分解し得るか、またはアシルラクトンもしくはジオールラクトンをアシル化し得る。 本発明のポリペプチドは、(例えば医薬および農薬の合成における化学酵素的反応に使用される場合において)エナンチオ特異的であり得る。 本発明のポリヌクレオチドは、エステラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。

    ヒドロラーゼ変種(例えば“リパーゼ変種”、“エステラーゼ変種”、“プロテアーゼ変種”、“ホスホリパーゼ変種”)は、“前駆体”のアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有し得る。 前記前駆体は、天然に存在するヒドロラーゼおよび/または組換えヒドロラーゼを含み得る。 ヒドロラーゼ変種のアミノ酸配列は、前駆体アミノ酸配列の1つまたはそれより多いアミノ酸の置換、欠失または挿入によって前駆体ヒドロラーゼアミノ酸配列から“誘導”される。 そのような改変は、前駆体ヒドロラーゼ酵素それ自体の操作であるよりも、むしろ前駆体リパーゼのアミノ酸配列をコードする“前駆体DNA配列”に対するものである。 前記前駆体DNA配列のそのような操作に適した方法には、本明細書に開示される方法と共に、当業者に知られる方法が含まれる。

    “抗体”という用語は、1つの免疫グロブリン遺伝子もしくは複数の免疫グロブリン遺伝子またはその断片から誘導されたか、その後設計されたか、または実質的にコードされたペプチドまたはポリペプチドであって、抗原またはエピトープに特異的に結合することができるものを含む。 例えば以下を参照されたい:Fundamental Immunology, Third Edition, WE Paul, ed., Raven Press, NY (1993);Wilson (1994) J. Immunol. Methods 175:267-273;Yarmush (1992) J. Biochem. Biophys. Methods 25:85-97。 抗体という用語は、抗原に結合する能力を保持する抗原結合部分、すなわち“抗原結合部位”(例えば断片、部分配列、相補性決定領域(CDR))を含み、(i)Fab断片(VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片);(ii)F(ab')2断片(ヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結された2つのFab断片を含む二価断片);(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の1つの腕のVLおよびVHドメインからなるFv断片;(v)dAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546)(VHドメインからなる);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。 単鎖抗体もまた言及により“抗体”という用語に含まれる。 したがって、本発明は、本発明のヒドロラーゼに特異的に結合する抗体(抗原結合部位および単鎖抗体を含む)を提供する。 本発明の方法を実施するにあたっては、ヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドを使用することもできる。

    本明細書で用いられる“アレイ”または“マイクロアレイ”または“バイオチップ”または“チップ”という用語は複数の標的成分であって、各標的成分は、基質表面の一定面積上に固定された一定量の1つまたは2つ以上のポリペプチドもしくは核酸を含む(更なる詳細は下記に記載される)。
    本明細書で用いられるように、“コンピュータ”、“コンピュータプログラム”および“プロセッサ”は前記のもっとも広い一般的な意味で用いられ、下記で詳細に述べるような装置の全てが含まれる。
    具体的なポリペプチドまたはタンパク質の“コード配列”または前記を“コードする配列”は、適切な調節配列の制御下に置かれたとき、ポリペプチドまたはタンパク質に転写および翻訳される核酸配列である。

    本明細書で用いられる“発現カセット”という用語は、前記のような配列と適合する宿主で構造遺伝子(タンパク質コード配列、例えば本発明のヒドロラーゼ)の発現を達成することができるヌクレオチド配列を指す。 発現カセットは、前記ポリペプチドコード配列(および場合によって他の配列、例えば転写終了シグナル)と機能可能に連結された少なくとも1つのプロモーターを含む。 発現の実施に必要なまたは有用なさらに別の因子(例えばエンハンサー)もまた用いることができる。
    本明細書で用いられる“機能可能に連結された”とは、プロモーターがDNA配列の上流に、前記プロモーターが前記DNA配列の転写を媒介するように、連結されていることを意味する。 したがって、発現カセットはまた、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、任意の形態の組換え“裸のDNA”ベクターなどを含む。

    “ベクター”は、細胞に感染、トランスフェクション、一過性もしくは永久的に形質導入することができる核酸を含む。 ベクターは、裸の核酸またはタンパク質もしくは脂質と複合体を形成した核酸でもよいことは理解されよう。 ベクターは場合によってウイルスまたは細菌の核酸および/またはタンパク質および/または膜(例えば細胞膜、ウイルスの脂質エンベロープなど)を含む。 ベクターには、DNA断片が結合し複製できるようになったレプリコン(例えばRNAレプリコン、バクテリオファージ)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。 したがって、ベクターには、自律的自己複製性環状もしくは直鎖状DNAまたはRNA(例えばプラスミド、ウイルスなど、例えば米国特許出願第5,217,879号参照)が含まれ(ただし前記に限定されない)、さらに発現および非発現プラスミドが含まれる。 組換え微生物または細胞培養が“発現ベクター”の宿主として記載されている場合は、染色体外環状および直鎖状DNA並びに宿主染色体に取り込まれたDNAの両方が含まれる。 ベクターが宿主細胞により維持される場合は、前記ベクターは自律性構造物として有糸分裂時に細胞によって安定的に複製されるか、または宿主のゲノム内に取り込まれるであろう。

    “遺伝子”という用語には、転写生成物(前記は順次翻訳されたポリペプチド鎖を生じるか、または遺伝子の転写、再生または安定性を調節する)の生成に必要なDNAのセグメントを含む核酸配列が含まれ得る。 遺伝子はコード領域に先行または後続する領域、例えばリーダーおよびトレイラー、プロモーターおよびエンハンサー並びに(適用がある場合には)個々のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)をとりわけ含むことができる。
    “核酸”または“核酸配列”という語句にはオリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドが含まれ得、それらのいずれかの断片、ゲノム由来もしくは合成起源のDNAまたはRNA(例えばmRNA、rRNA、tRNA、RNAi)(前記は一本鎖でも二本鎖でもよく、センスまたはアンチセンス鎖を表すことができる)、ペプチド核酸(PNA)または天然もしくは合成起源を問わず任意のDNA様もしくはRNA様物質(例えばRNAi(二本鎖“干渉”RNA)、リボヌクレオプロテイン(例えばiRNA))を指す。 前記用語は、天然のヌクレオチドの公知の類似体を含む核酸(すなわちオリゴヌクレオチド)を包含する。 前記用語はまた合成骨格をもつ核酸様構造物を包含する(例えば以下を参照されたい:Mata (1997) Toxicol. Appl. Pharmacol. 144:189-197; Strauss-Soukup (1997) Biochemistry 36:8692-8698; Samstag (1996) Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153-156)。

    本明細書で用いられる“プロモーター”という用語には、細胞(例えば植物細胞)内でコード配列の転写を駆動させることができる全ての配列が含まれる。 したがって、本発明の構築物で用いられるプロモーターには、遺伝子の転写のタイミングおよび/または速度の調節または調整に必要とされるcis-作用性転写制御エレメントおよび調節配列が含まれる。 例えば、プロモーターは、cis-作用性転写制御エレメント(エンハンサー、プロモーター、転写ターミネーター、複製起点、染色体組み込み配列、5'および3'非翻訳領域またはイントロン配列が含まれ、前記は転写調節に必要である)であろう。 前記のcis-作用性配列は、典型的にはタンパク質または他の生物学的分子と相互作用して転写を実行する(転写のON、OFFの切り替え、調節または調整など)。 “構成的”プロモーターは、大部分の環境条件下および発育または細胞分化の状態で持続的に発現を駆動するプロモーターである。 “誘導性”または“調節性”プロモーターは環境条件または発育条件の影響下で本発明の核酸の発現を誘導する。 例えば誘導性プロモーターによって転写に影響を与えることができる環境条件の例には、嫌気的条件、上昇温度、乾燥または光の存在が含まれる。
    “組織特異的”プロモーターは、例えば植物または動物の特定の細胞または組織または器官でのみ活性を有する転写制御エレメントである。 組織特異的調節は、ある組織に特異的なタンパク質をコードする遺伝子の発現を担保するある種の固有の因子によって達成できる。 そのような因子は哺乳動物および植物に存在し、特定の組織を発達させることが知られている。

    “植物”という用語には完全な植物、植物の部分(例えば葉、茎、花、根など)、植物のプロトプラスト、種子および植物細胞並びにその子孫が含まれる。 本発明の方法で用いることができる植物クラスは、一般的には、形質転換技術を施しやすい高等植物クラスと同様の幅があり、裸子植物と同様に被子植物(単子葉および双子葉植物)が含まれる。 これらには多様な倍数性レベルを有する植物(倍数体、二倍体、半数体および半接合状態を含む)が含まれる。 本明細書で用いられる“トランスジェニック植物”には、異種核酸配列(例えば本発明の核酸および種々の組換え構築物、例えば発現カセット)が挿入された植物または植物細胞が含まれる。
    “アミノ酸”または“アミノ酸配列”にはオリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列、または前記のいずれかの断片、部分またはサブユニット、並びに天然に存在する分子および合成分子が含まれ得る。
    “ポリペプチド”および“タンパク質”という用語には、ペプチド結合または改変ペプチド結合によって互いに結合したアミノ酸、すなわちペプチドイソステアーが含まれ、20個の遺伝子によってコードされるアミノ酸以外の改変アミノ酸を含むことができる。 “ポリペプチド”という用語にはまたペプチドおよびポリペプチド断片、モチーフなども含まれる。 前記用語はまたグリコシル化ポリペプチドを含む。 本発明のペプチドおよびポリペプチドにはまた、下記でさらに詳細に記載されるように全ての“模倣体”および“ペプチド模倣体”が含まれる。

    “単離”という用語は、物質がその本来の環境(物質が天然に存在する場合はその天然の環境)から移されたことを意味し得る。 例えば、生きている動物に存在する天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、天然の系に一緒に存在する物質のいくつかまたは全てから分離されている前記ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。 そのようなポリヌクレオチドはベクターの部分であってもよいし、および/またはそのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部であってもよく、それでもなおそのようなベクターまたは組成物は前記の天然の環境の一部分ではないという点で、単離されたものである。 本明細書において、単離物質または組成物はまた“精製”された組成物であってもよく、すなわち、完全な純粋性は要求されず、むしろ相対的な定義が意図される。 ライブラリーから得られる個々の核酸は電気泳動による均質度まで通常的に精製される。 また別の特徴では、本発明は、ライブラリーまたは他の環境中のゲノムDNAもしくは他の配列から少なくとも10、10 2 、10 3 、10 4 、10 5またはそれ以上に精製された核酸を提供する。

    “組換え体”という用語は、核酸が、天然の環境では隣接していない“骨格”核酸に隣接していることを意味し得る。 ある特徴では、核酸は、“骨格分子”核酸集団で5%またはそれ以上の数の核酸挿入物を表す。 本発明の“骨格分子”には、問題の核酸挿入物を維持または操作するために用いられる核酸、例えば発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、組み込み核酸、および他のベクターまたは核酸が含まれる。 ある特徴では、組換え骨格分子集団で濃縮された核酸は、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれより多い数の核酸挿入物を表す。 “組換え”ポリペプチドまたはタンパク質は、組換えDNA技術によって製造されたポリペプチドまたはタンパク質、例えば所望のポリペプチドまたはタンパク質をコードする外因性DNA構築物によって形質転換された細胞から製造されたものを指す。 “合成”ポリペプチドまたはタンパク質は、下記でさらに詳細に記載されるように化学的合成によって調製されたものである。
    プロモーター配列は、下記でさらに考察されるように、前記プロモーターで転写を開始するRNAポリメラーゼがコード配列のmRNAへの転写を開始する場合には“機能可能に連結”されているであろう。

    “オリゴヌクレオチド”には、一本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2本の相補的なポリデオキシヌクレオチド鎖が含まれ得、前記は化学的に合成することができる。 そのような合成オリゴヌクレオチドは5'リン酸をもたず、したがってキナーゼの存在下でATPによりリン酸を付加されなければ別のオリゴヌクレオチドに連結されないであろう。 合成オリゴヌクレオチドは脱リン酸化されていない断片に連結する。
    2つの核酸またはポリペプチドの関係で“実質的に同一”という語句は、公知のいずれかの配列比較アルゴリズム(下記で詳細に考察される)を用いるかまたは目視精査により最大一致のための比較およびアラインメントを実施したとき、例えば少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高いヌクレオチドまたはアミノ酸残基(配列)同一性を有する2つまたは3つ以上の配列を指すことができる。 また別の特徴では、本発明は、本発明の核酸、例えば本発明の典型的な配列と、少なくとも約10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000残基にわたって、または前記核酸もしくはポリペプチドの約50残基からその完全長の範囲の領域にわたって実質的な配列同一性を有する核酸およびポリペプチド配列を提供する。 本発明の核酸配列は、ポリペプチドコード領域の全長にわたって実質的に同一であろう。

    また、“実質的に同一”のアミノ酸配列とは、1つまたは2つ以上の保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失または挿入(特にそのような置換が分子の活性をもたない部位で生じている場合であって、前記ポリペプチドがその機能的特性を本質的に維持していることを条件として)によって参照配列と異なる配列である。 保存的アミノ酸置換は、例えばあるアミノ酸を同じクラスの別のアミノ酸で置換する(例えば疎水性アミノ酸(例えばイソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニン)で別の疎水性アミノ酸を置換、または極性アミノ酸で別のアミノ酸を置換、例えばアルギニンでリジンを置換、グルタミン酸でアスパラギン酸を置換、またはグルタミンでアスパラギンを置換)。 1つまたは2つ以上のアミノ酸を例えばヒドロラーゼから欠失させて、その生物学的活性を顕著に変更することなく、前記ポリペプチドの構造を改変させることができる。 例えば、ヒドロラーゼ活性に要求されないアミノ末端またはカルボキシル末端アミノ酸を除去することができる。

    “ハイブリダイゼーション”は、核酸の鎖が相補的な鎖と塩基対形成によって結合するプロセスを意味する。 ハイブリダイゼーション反応は鋭敏で選択性があり、前記が低い濃度でしか存在しないサンプルにおいてさえ問題の固有配列を同定することができる。 ストリンジェントな条件は、例えば前ハイブリダイゼーション溶液またはハイブリダイゼーション溶液中の塩もしくはホルムアミドの濃度によって、またはハイブリダイゼーション温度によって限定することができ、当業界でよく知られている。 例えば、ストリンジェンシーは、下記で詳細に記載されるように、塩濃度の減少、ホルムアミド濃度の増加、またはハイブリダイゼーション温度の上昇、ハイブリダイゼーション時間の変更によって高めることができる。 また別の特徴では、本発明の核酸は、本明細書に示す種々の(例えば高度、中程度および低)ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするその能力によって定義される。

    “変種”という用語には、1つまたは2つ以上の塩基対、コドン、イントロン、エクソンまたはアミノ酸残基で改変され、しかもなお本発明のヒドロラーゼの生物学的活性を維持する本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドが含まれ得る。 変種は、例えば変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリーPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、GSSMおよびそれらの任意の組み合わせを含む手段のいずれかにより作製することができる。 例えば、野生型ヒドロラーゼとは異なるpHまたは温度で活性を有する変種ヒドロラーゼを作製する技術は本明細書に含まれている。

    “飽和変異導入”または“GSSM”という用語には、下記に詳細に記載されているように、縮退オリゴヌクレオチドプライマーを用いて点変異をポリヌクレオチドに導入する方法が含まれる。 “最適化定方向進化システム”または“最適化定方向進化”という用語には、関連する核酸配列(例えば関連する遺伝子)の断片を再アッセンブリングする方法が含まれ、下記で詳細に説明される。 “合成連結再アッセンブリ”または“SLR”という用語には、非確率的態様でオリゴヌクレオチド断片を連結する方法が含まれ、下記で詳細に説明される。
    “シロップ”という用語は、モノ-、オリゴ-またはポリサッカライドなどの炭水化物を含む水性の溶液またはスラリーであると定義し得る。

    核酸の作製および操作
    本発明は、本発明のポリペプチド(例えばヒドロラーゼ、抗体)をコードする核酸(発現カセット、例えば発現ベクターを含む)を提供する。 本発明はまた、本発明の核酸を用いて新規なヒドロラーゼ配列を見つけるための方法を含む。 さらにまた、本発明の核酸を例えば合成連結再アッセンブリ、最適化定方向進化系および/または飽和変異導入によって改変する方法が提供される。
    本発明の核酸は、例えばcDNAライブラリーのクローニングおよび発現、メッセージまたはゲノムDNAのPCRによる増幅などによって作製、単離および/または操作することができる。 本発明の方法の実施では、相同な遺伝子は、本明細書に記載されるように鋳型核酸の操作によって改変することができる。 本発明は、当業界で公知の任意の方法または手順または装置(前記は学術文献および特許文献に詳しく記載されている)と併用して実施することができる。

    一般技術 :本発明の実施に用いられる核酸は、RNAであれ、iRNAであれ、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルスまたは前記のハイブリッドであれ、種々の供給源から単離することも、遺伝的に操作、増幅することも、および/または組換えにより発現/作製することもできる。 これらの核酸から作製された組換えポリペプチドは個々の単離またはクローニングし、所望の活性について試験することができる。 任意の組換え発現系(細菌、哺乳動物、酵母、昆虫または植物細胞発現系を含む)を用いることができる。
    また別には、これら核酸は既知の化学的合成技術によってin vitroで合成することができる。 前記技術は例えば以下に記載されている:Adams (1983) J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444; Frenkel (1995) Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers (1994) Biochemistry 33:7886-7896; Narang (1979) Meth. Enzymol. 68:90; Brown (9179) Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage (1981) Tetra. Lett. 22:1859; 米国特許第4,458,066号。
    核酸操作のための技術、例えばサブクローニング、プローブの標識(例えばクレノーポリメラーゼ、ニックトランスレーション、増幅を用いるランダムプライマー標識)、配列決定、ハイブリダイゼーションなどは学術文献および特許文献に詳しく記載されている。 例えば以下を参照されたい:Sambrook, ed., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Ed.), Vol1-3, Cold Spring Harbor Laboratory (1989); Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, ed. John Wiley & Sons, Inc., New York (1997); Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization with Nucleic Acids Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, Tijssen, ed. Elsevier, NY (1993)。

    本発明の方法の実施に用いられる核酸を入手および操作するために有用なまた別の手段は、ゲノムサンプルからのクローニング、および所望の場合には、例えばゲノムクローンもしくはcDNAクローンから単離または増幅した挿入物のスクリーニングおよび再クローニングである。 本発明の方法で用いられる核酸の供給源には、哺乳動物人工染色体(MAC)(例えば米国特許5,721,118号、同6,025,155号を参照されたい)、ヒト人工染色体(Rosenfeld (1997) Nat. Genet. 15:333-335)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、P1人工染色体(Woon (1998) Genomics 50:306-316)、P1由来ベクター(PAC)(Kern (1997) Biotechniques 23:120-124)、コスミド、組換えウイルス、ファージまたはプラスミドに含まれるゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーが含まれる。
    ある特徴では、本発明のポリペプチドをコードする核酸は、翻訳されたポリペプチドまたはその断片の分泌を誘導することができるリーダー配列とともに適切な局面でアッセンブリングされる。

    本発明は融合タンパク質およびそれらをコードする核酸を提供する。 本発明のポリペプチドは異種ペプチドまたはポリペプチド、例えば所望の特性(例えば安定性増強または精製の簡便化)を付与するN-末端識別ペプチドと融合させることができる。 本発明のペプチドおよびポリペプチドはまた、より強い免疫原性をもつペプチドを製造するために、組換えにより合成されたペプチドをより容易に単離するために、抗体および抗体発現B細胞を特定および単離するために、その他の同様な目的のために、前記に結合した1つまたは2つ以上の追加のドメインを有する融合タンパク質として合成および発現させることができる。 検出および精製を容易にするドメインには、例えば金属キレートペプチド(例えばポリヒスチジン鎖およびヒスチジン-トリプトファンモジュール(前記は固定金属上での精製を可能にする)、プロテインAドメイン(前記は固定免疫グロブリン上での精製を可能にする)、およびFLAGS伸長/アフィニティー精製系(Immune Corp, Seatle WA)で利用されるドメインが含まれる。精製ドメインおよびモチーフ構成ペプチドまたはポリペプチド間の切断可能リンカー配列(例えばXa因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego CA))の挿入は精製を容易にする。例えば、発現ベクターは、6つのヒスチジン残基とそれに続くチオレドキシンおよびエンテロキナーゼ切断部位に連結されたエピトープコード核酸配列を含むことができる(例えば以下を参照されたい:Williams (1995) Biochemistry 34:1787-1797; Dobeli (1998) Protein Expr. Purif. 12:404-414)。前記ヒスチジン残基は検出および精製を容易にし、一方、エンテロキナーゼ切断部位は融合タンパク質の残りの部分からエピトープを精製するための手段を提供する。融合タンパク質をコードするベクターおよび融合タンパク質の利用に関する技術は学術文献および特許文献に詳しく記載されている(例えば以下を参照されたい:Kroll (1993) DNA Cell. Biol., 12:441-53)。

    転写および翻訳制御配列 :本発明は、RNA合成/発現を誘導または調節するために発現(例えば転写または翻訳)制御配列(例えばプロモーターまたはエンハンサー)に機能可能に連結された本発明の核酸(例えばDNA、iRNA)配列を提供する。 前記発現制御配列は発現ベクター内に存在するであろう。 典型的な細菌プロモーターにはlacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PLおよびtrpが含まれる。 典型的な真核細胞プロモーターにはCMV前初期、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルスのLTRおよびマウスのメタロチオネインIが含まれる。
    細菌でのポリペプチド発現に適したプロモーターには、大腸菌のlacまたはtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPRプロモーター、ラムダPLプロモーター、糖分解酵素(例えば3-ホスホグセレートキナーゼ(PGK))をコードするオペロン由来のプロモーターおよび酸性ホスファターゼプロモーターが含まれる。 真核細胞プロモーターには、CMV前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、、レトロウイルスのLTRおよびマウスのメタロチオネインIプロモーターが含まれる。 原核細胞または真核細胞またはそれらのウイルスで遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーターもまた用いることができる。

    組織特異的植物プロモーター :本発明は、組織特異的態様で発現させることができる、例えば組織特異的態様で本発明のヒドロラーゼを発現させることができる発現カセットを提供する。 本発明はまた、本発明のヒドロラーゼを組織特異的態様で発現することができる植物または種子を提供する。 組織特異性は、種子特異的、茎特異的、葉特異的、根特異的、果実特異的などであり得る。
    ある特徴では、構成的プロモーター(例えばCaMV35Sプロモーター)は、植物もしくは種子の特定の部分または植物全体での発現に用いることができる。 例えば、本発明のヒドロラーゼの過剰発現のためには、植物のいくつかの組織または全ての組織(例えば再生植物)で核酸の発現を誘導する植物プロモーター断片を用いることができる。 そのような“構成的”プロモーターは、ほとんどの環境条件下および発育または細胞分化状態で活性を示す。 構成的プロモーターの例には、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35S転写開始領域、アグロバクテリア・ツメファシエンス(Agrobacteria tumefaciens)のT−DNA由来1'-または2'-プロモーター、および当業者に公知の種々の植物遺伝子のその他の転写開始領域が含まれる。 そのような遺伝子には、例えばアラビドプシス(Arabidopsis)のACT11(Huang (1996) Plant Mol. Biol. 33:125-139);アラビドプシスのCat3(GenBank No. U43147、Zhong (1996) Mol. Gen. Genet. 251:196-203);ブラシーカ=ナプス(Brassica napus)のステアロイル-アシルキャリアタンパク質デサチュラーゼをコードする遺伝子(GenBank No. X74782、Solocombe (1994) Plant Physiol. 104:1167-1176);トウモロコシのGPc1(GenBank No. X15596、Martinez (1989) J. Mol. Biol. 208:551-565);トウモロコシのGpc2(GenBank No. U45855、Manjunath (1997) Plant Mol. Biol. 33:97-112);米国特許4,962,028号、同5,633,440号に記載された植物プロモーターが含まれる。

    本発明は、ウイルス由来の組織特異的または構成的プロモーターを用いる。 前記には、例えばトバモウイルスのサブゲノムプロモーター(Kumagai (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:1679-1683);イネのツングロ杆状ウイルス(RTBV)(前記は、強力な師部特異的レポータ遺伝子発現を駆動するそのプロモーターにより感染したイネの師部細胞でのみ複製する);キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CVMV)プロモーター(前記は、管状エレメント、葉の葉肉細胞および根の先端でもっとも強い活性を有する)(Verdaguer(1996) Plant Mol. Biol. 31:1129-1139)。
    あるいは、植物プロモーターは、特定の組織、器官または細胞タイプでヒドロラーゼ発現核酸の発現を誘導するか(すなわち組織特異的プロモーター)、またはそれとは別により厳密な環境もしくは生育制御下に置くか、または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。 転写に影響を与えることができる環境条件の例には、嫌気性条件、上昇温度、光の存在、化学物質/ホルモンの噴霧が含まれる。 例えば、本発明は、トウモロコシの乾燥誘導性プロモーター(Busk (1997) 上掲書);ジャガイモの低温、乾燥および高塩誘導性プロモーター(Kirch (1997) Plant Mol. Biol. 33:897-909)を取り込んでいる。

    組織特異的プロモーターは、組織内の一定の時間枠内の生育段階内でのみ転写を促進することができる。 例えば以下を参照されたい:Blazquez (1998) Plant Cell 10:791-800(前記はアラビドプシスのLEAFY遺伝子のプロモーターの性状を明らかにする)。 さらにまた例えば以下を参照されたい:Cardon (1997) Plant J 12:367-377(前記は、A.タリアーナ(thaliana)の花の分裂組織の実体遺伝子AP1のプロモーター領域中の保存配列モチーフを認識する転写因子SPL3について記載している);およびMandel (1995) Plant Molecular Biology, vol 29, pp995-1004(前記は分裂組織プロモーターeIF4について記載している)。 特定の組織のライフサイクルの全体を通して活性を有する組織特異的プロモーターを用いることができる。 ある特徴では、本発明の核酸は、主としてワタの繊維細胞でのみ活性を示すプロモーターに機能可能に連結される。 ある特徴では、本発明の核酸は、例えば上掲書(Rinehart (1996))に記載されたように、主としてワタの繊維細胞の伸張期間に活性を示すプロモーターに機能可能に連結される。 核酸は、ワタの繊維細胞で優先的に発現されるようにFbl2A遺伝子プロモーターに機能可能に連結することができる(上掲書)。 さらに以下を参照されたい:John (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5769-5773;John et al., US Patent No. 5,608,148, 5,602,321(前記にはワタの繊維特異的プロモーターおよびトランスジェニックな綿の木を構築する方法が記載されている)。 根特異的プロモーターもまた本発明の核酸の発現に用いられる。 根特異的プロモーターの例には、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子由来のプロモーターが含まれる(DeLisle (1990) Int. Rev. Cytol. 123:39-60)。 本発明の核酸の発現に用いることができる他のプロモーターには、例えば胚珠特異的、胚特異的、内胚葉特異的、珠皮特異的、種子外皮特異的プロモーター、または前記のいくつかの組み合わせ;葉特異的プロモーター(例えば以下を参照されたい:Busk (1997) Plant J. 11:1285-1295、前記にはトウモロコシの葉特異的プロモーターが記載されている);アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)由来のORF13プロモーター(前記は根で高い活性を示す(上掲書(Hansen, 1997)を参照されたい));トウモロコシの花粉特異的プロモーター(例えば以下を参照されたい:Guerrero (1990) Mol. Gen. Gnet. 224:161-168);果実成熟時、葉の老化および離脱時に活性を示すトマトのプロモーター(前記より低頻度で花のプロモーターも用いることができる)(例えば以下を参照されたい:Blume (1997) Plant J. 12:731-746);ジャガイモのSK2遺伝子由来のめしべ特異的プロモーター(例えば以下を参照されたい:Ficker (1997) Plant Mol. Biol. 35:425-431);エンドウマメのBlec4遺伝子(前記はトランスジェニックアルファルファの栄養および生殖茎頂の表皮組織で活性を示し、活発に生長しているシュートまたは繊維の表皮層で外来遺伝子を発現するために有用である);珠皮特異的BEL1遺伝子(例えば以下を参照されたい:Reiser (1995) Cell 83:735-742, GenBank No. U39944);および/または米国特許第5,589,583号(Klee)(分裂組織および/または急速に分裂している細胞で高レベルの転写を付与することができる植物プロモーターについて記載)のプロモーターが含まれる。

    また別には、植物ホルモン(例えばオーキシン)の暴露に際して誘導することができる植物プロモーターを用いて本発明の核酸を発現させる。 例えば、本発明は以下を用いることができる:ダイズ(Glycine max L.)のオーキシン応答エレメントE1プロモーター断片(AuxRE)(Liu (1997) Plant Physiol. 115:397-407);オーキシン応答アラビドプシスGST6プロモーター(サリチル酸および過酸化水素にも反応性である)(Chen (1996) Plant J. 10:955-966);タバコのオーキシン誘導parCプロモーター(Sakai (1996) 37:906-913);植物ビオチン応答エレメント(Streit (1997) Mol. Plant Microbe Interact. 10:933-937);およびストレスホルモンアブシジン酸に応答するプロモーター(Sheen (1996) 274:1900-1902)。
    本発明の核酸はまた、植物に適用可能な化学的試薬(例えば農薬または抗生物質)の暴露に際して誘導することができる植物プロモーターに機能可能に連結することもできる。 例えば、トウモロコシのIn2-2プロモーター(ベンゼンスルホンアミド農薬の毒性緩和剤によって活性化される)を用いることができる(De Veylder (1997) Plant Cell Physiol. 38:568-577)。 種々の農薬の毒性緩和剤の適用によって、根、排水組織、茎頂分裂組織での発現を含む別個の遺伝子発現パターンが誘導される。 コード配列は、例えばテトラサイクリン誘導プロモーター(例えばアヴェナ・サティヴァL.(エンバク)のアルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子(Masgrau (1997) Plant J. 11:465-473)を含むタバコのトランスジェニック植物で開示されたとおり)、またはサリチル酸応答エレメント(Stange (1997) Plant J. 11:1315-1324)の制御下に置くことができる。 化学的に(例えばホルモンまたは殺虫剤によって)誘導されるプロモーター(すなわち野外でトランスジェニック植物に適用することができる化学物質に対し応答するプロモーター)を用いて、本発明のポリペプチドの発現を植物の発育の特定の段階で誘導することができる。 したがって、本発明はまた、その宿主域が、トウモロコシ、コメ、オオムギ、ムギ、ジャガイモまたは他の穀物などの標的植物種に限定される、作物の任意の発育段階で誘導可能な本発明のポリペプチドをコードする誘導性遺伝子を含むトランスジェニック植物を提供する。

    組織特異的植物プロモーターは標的組織以外の組織で機能可能に連結された配列の発現を駆動することができる。 したがって、組織特異的プロモーターは、標的組織または細胞タイプで優先的に発現を駆動させることができるが、他の組織でもまた同様にある程度の発現を誘導することができるプロモーターである。
    本発明の核酸はまた、化学的試薬に暴露されたときに誘導される植物プロモーターに機能できるように連結することができる。 前記の試薬には、例えば農薬、合成オーキシンまたは抗生物質が含まれる。 前記はトランスジェニック植物に適用、例えば噴霧することができる。 本発明のプロテアーゼ生成核酸の誘導性発現によって、栽培者は最適な澱粉/糖の比を有する植物を選別することができる。 植物の部分の発現はしたがって制御可能である。 このようにして、本発明は、植物および植物の部分の収穫を促進する手段を提供する。 例えば、種々の実施態様では、トウモロコシのIn2-2プロモーター(ベンゼンスルホンアミド農薬の毒性緩和剤によって活性化される)が用いられる(De Veylder (1997) Plant Cell Physiol. 38:568-577)。 種々の農薬の毒性緩和剤の適用によって、根、排水組織、茎頂分裂組織での発現を含む別個の遺伝子発現パターンが誘導される。 本発明のコード配列は、例えばテトラサイクリン誘導性プロモーター(例えばアヴェーナ=サティヴァL.(エンバク)のアルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子(Masgrau (1997) Plant J. 11:465-473)を含むタバコのトランスジェニック植物で開示されたとおり)、またはサリチル酸応答エレメント(Stange (1997) Plant J. 11:1315-1324)の制御下に置くことができる。
    適切なポリペプチド発現を所望する場合には、コード領域の3'末端にポリアデニル化領域が含まれていなければならない。 ポリアデニル化領域は、天然の遺伝子、様々な他の植物遺伝子、またはアグロバクテリウムの中のT-DNAの遺伝子に由来することができる。

    発現ベクターおよびクローニングビヒクル :本発明は、本発明の核酸、例えば本発明のヒドロラーゼおよび抗体をコードする配列を含む発現ベクターおよびクローニングビヒクルを提供する。 本発明の発現ベクターおよびクローニングビヒクルは、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、細菌人工染色体、ウイルスDNA(例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびSV40の誘導体)、P1系人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、および問題の特定宿主(例えばバチルス、アスペルギルスおよび酵母)に特異的な他の任意のベクターが含まれる。 本発明のベクターには染色体配列、非染色体配列および合成DNA配列が含まれる。 多くの適切なベクターが当業者に知られており、市場で入手できる。 典型的なベクターには以下が含まれる:細菌系:pQEベクター(Qiagen)、pBluescriptプラスミド、pNHベクター、ラムダ-ZAPベクター(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pDR540、pRIT2T(Pharmacia);真核細胞系:pXT1、pSG5(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40(Pharmacia)。 しかしながら、他の任意のプラスミドまたは他のベクターもまた、それらが宿主内で複製可能で、さらに生存可能である限り用いることができる。 低コピー数または高コピー数ベクターを本発明に関して用いることができる。

    発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写終了因子を含むことができる。 発現を増幅させるために、ベクターはまた適切な配列を含むことができる。 哺乳動物発現ベクターは、複製起点、必要な任意のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写終了配列および5'フランキング非翻訳配列を含むことができる。 いくつかの特徴では、SV40スプライシングおよびポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
    ある特徴では、発現ベクターは1つまたは2つ以上の選別可能なマーカー遺伝子を含み、前記ベクターを含む宿主細胞の選別を可能にする。 そのような選別可能マーカーには、真核細胞培養に対してはジヒドロ葉酸還元酵素をコードする遺伝子またはネオマイシン耐性を付与する遺伝子、大腸菌ではテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性を付与する遺伝子、およびビール酵母菌(S. cerevisiae)TRP1遺伝子が含まれる。 プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選別可能なマーカーを有する他のベクターを用いて、所望される任意の遺伝子から選択できる。

    真核細胞でポリペプチドまたはその断片を発現させるためのベクターはまた発現レベルを高めるためにエンハンサーを含むことができる。 エンハンサーはDNAのcis-作用性エレメントであり、通常は長さが約10から約300bpであってプロモーターに作用してその転写を高める。 例には、複製起点の後期側100bpから270bpにあるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側にあるポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーが含まれる。
    DNA配列は多様な方法によってベクターに挿入することができる。 一般的には、前記DNA配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼによる挿入物およびベクターの消化に続いてベクター内の所望の位置に連結される。 また別には、挿入物とベクターの両方の平滑端を連結することもできる。 多様なクローニング技術が当業界で公知であり、例えばAusubel and Sambrookに記載されている。 そのような技術および他の技術は当業者の技術範囲内であろう。

    ベクターはプラスミド、ウイルス粒子またはファージの形態を有し得る。 他のベクターには染色体配列、非染色体配列および合成DNA配列、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組み合わせに由来するベクター、ウイルスDNA、例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、および仮性狂犬病ウイルスが含まれる。 原核細胞および真核細胞宿主で使用できる多様なクローニングベクターおよび発現ベクターは例えばSambrookによって記載されている。
    使用できる具体的な細菌ベクターには、以下の既知のクローニングベクターの遺伝子エレメントを含む市販のプラスミドが含まれる:pBR322(ATCC37017)、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)、GEM1(Promega Biotec, Madison, WI, USA)、pQE70、pQE60、pQE-9(Qiagen)、pD10、psiX174Bluescript IIKS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)、pKK232-8およびpCM7。 具体的な真核細胞ベクターには、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmacia)が含まれる。 しかしながら他のベクターのいずれも前記が宿主細胞内で複製可能で生存可能である限り使用することができる。

    本発明の核酸は、発現カセット、ベクターまたはウイルスで発現させることができ、さらに一過性または安定的に植物細胞および種子で発現させることができる。 ある典型的な一過性発現系はエピソーム発現系、例えばカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)のウイルスRNA(スーパーコイルDNAを含むエピソームミニ染色体の転写によって核内で生成される)を用いる(例えば以下を参照されたい:Covey (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1633-1637)。 また別には、コード配列(すなわち本発明の完全な配列または部分配列)を植物宿主細胞ゲノムに挿入して宿主染色体DNAの一体化部分を形成することができる。 センスまたはアンチセンス転写物を前記のようにして発現させることができる。 本発明の核酸由来の配列(例えばプロモーターまたはコード配列)を含むベクターは植物細胞または種子に選別可能な表現型を付与するマーカー遺伝子を含むことができる。 例えば、殺菌物質耐性、特に抗生物質耐性(例えばカナマイシン、G418、ブレオマイシン、ヒグロマイシンに対する耐性)、または農薬耐性(例えばクロロスルフロンまたはバスタに対する耐性)をコードすることができる。

    植物で核酸およびタンパク質を発現することができる発現ベクターは当業界で既知で、例えばアグロバクテリウム亜種、ジャガイモのウイルスX(例えば以下を参照されたい:Angell (1997) EMBO J. 16:3675-3648)、タバコモザイクウイルス(例えば以下を参照されたい:Casper (1996) Gene 173:69-73)、トマトのブッシースタントウイルス(例えば以下を参照されたい:Hillman (1989) Virology 169:42-50)、タバコのエッチウイルス(例えば以下を参照されたい:Dolja (1997) Microbiol. Immunol. 37:471-476)、カリフラワーモザイクウイルス(例えば以下を参照されたい:Cecchini (1997) Mol. Plant Microbe Interact. 10:1094-1101)、トウモロコシAc/Ds転移因子(例えば以下を参照されたい:Rubin (1997) Mol. Cell. Biol. 17:6294-6302; Kunze (1996) Curr. Top. Microbiol. Immunol. 204:161-194)、およびトウモロコシサプレッサー-ミューテータ(Spm)転移因子(例えば以下を参照されたい:Schlappi (1996) Plant Mol. Biol. 32:717-725)、並びに前記の誘導体が含まれよう。

    ある特徴では、発現ベクターは、2つの生物で(例えば、発現のために哺乳動物細胞または昆虫細胞で、クローニングおよび増幅のために原核細胞で)維持され得るように2つの複製系を含むことができる。 さらにまた、組込み発現ベクターについては、発現ベクターは宿主細胞ゲノムと相同な少なくとも1つの配列を含むことができる。 発現ベクターは、前記発現構築物にフランキングする2つの相同な配列を含むことができる。 組み込みベクターは、ベクター内に含まれる適切な相同配列を選択することによって固有の遺伝子座に誘導することができる。 組込みベクターのための構築物は当業界でよく知られている。
    本発明の発現ベクターはまた選別可能なマーカー遺伝子を含み、形質転換された細菌株の選別を可能にすることができる。 前記遺伝子は、例えば細菌を薬剤(例えばアンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリン)に耐性にする遺伝子である。 選別可能マーカーにはまた、生合成遺伝子、例えばヒスチジン、トリプトファンおよびロイシン生合成経路の遺伝子が含まれる。

    宿主細胞および形質転換細胞 :本発明はまた、本発明の核酸配列、例えば本発明のヒドロラーゼまたは抗体をコードする配列、または本発明のベクターを含む形質転換細胞を提供する。 前記宿主細胞は、当業者に既知の任意の宿主細胞であって、原核細胞、真核細胞、例えば細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞または植物細胞が含まれるであろう。 本発明の酵素は、いかなる宿主細胞(例えばいかなる細菌細胞、いかなる酵母細胞(例えばピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)またはシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))の中でも発現させ得る。典型的な細菌細胞には、大腸菌、ラクトコッカス=ラクチス(Lactococcus lactis)、ストレプトミセス、枯草菌(Bacillus subtilis)、セレウス菌(Bacillus cereus)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)並びにバチルス、ストレプトミセスおよびスタフィロコッカス属のあらゆる種が含まれる。典型的な昆虫細胞には、ドロソフィラS2およびスポドプテラSf9が含まれる。典型的な動物細胞にはCHO、COSまたはボウズ=メラノーマまたは任意のマウスおよびヒト細胞株が含まれる。適切な宿主を選択することは当業者の技術範囲内である。多様な高等植物種を形質転換する技術はよく知られており、技術文献および学術文献に記載されている。例えば以下を参照されたい:Weising (1988) Ann. Rev. Genet. 22:421-477;米国特許5,750,870号。
    ベクターは、多様な任意の技術を用いて前記宿主細胞に導入することができる。 前記技術には、形質転換、トランスフェクション、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃またはTi媒介遺伝子伝達が含まれる。 具体的な方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる(L. Davis, M. Dibner, I. Battey, Basic Methods in Molecular Biology, (1986))。

    適切な場合には、操作によって作出した宿主細胞は、プロモーターの活性化に適切なように改変した通常の栄養培地で培養し、形質転換体を選別するか、または本発明の遺伝子を増幅することができる。 適切な宿主株を形質転換し、さらに適切な細胞密度に前記宿主株を増殖させた後、選択したプロモーターを適切な手段(例えば温度シフトまたは化学的誘導)によって誘導し、さらに追加の期間培養して所望のポリペプチドまたはその断片を産生させることができる。
    ある特徴では、本発明の核酸またはベクターはスクリーニングのために細胞に導入される。 したがって前記核酸はその後の核酸の発現に適した態様で細胞に導入される。 導入方法は、主として標的細胞タイプによって決定される。 典型的な方法にはCaPO 4沈殿、リポソーム融合、リポフェクション(例えばLIPOFECTIN(登録商標))、エレクトロポレーション、ウイルス感染などが含まれる。 候補核酸は宿主細胞ゲノムに安定的に組み込まれるか(例えばレトロウイルス導入による)、または細胞質に一過性もしくは安定的に存在することができる(すなわち慣例的なプラスミドを使用し、標準的な調節配列、選別マーカーなどを利用する)。 多くの医薬的に重要なスクリーニングではヒトまたはモデル動物細胞の標的が要求されるので、そのような標的にトランスフェクションすることができるレトロウイルスが好ましい。

    細胞を遠心分離によって採集し、物理的または化学的手段により破壊し、得られた粗抽出物を更なる精製のために維持することができる。 タンパク質の発現に用いた微生物細胞は任意の一般的な方法によって破壊することができる。 前記方法には、凍結融解の繰り返し、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用が含まれる。 前記のような方法は当業者にはよく知られている。 発現ポリペプチドまたはその断片は、組換え細胞培養から以下を含む方法によって回収および精製することができる:硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性反応によるクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィー。 タンパク質の再折りたたみ工程は、ポリペプチドの構造の完成に際して必要に応じて用いることができる。 所望の場合には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程に用いることができる。

    種々の哺乳動物細胞培養系もまた組換えタンパク質の発現に用いることができる。 哺乳動物発現系の例には、サル腎線維芽細胞のCOS-7株および、コンパチブルベクターからタンパク質を発現させることができる他の細胞株、例えばC127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株が含まれる。
    宿主細胞内の構築物を通常の態様で用い、前記組換え配列によってコードされる遺伝子生成物を産生させることができる。 組換え体の作製方法で用いる宿主細胞に依存して、前記ベクターを含む宿主細胞により産生されるポリペプチドはグリコシル化されることも、グリコシル化されないこともある。 本発明のポリペプチドはまた最初のメチオニン残基を含んでいることも含まないこともある。

    無細胞翻訳系もまた本発明のポリペプチドの製造に利用することができる。 無細胞翻訳系は、前記ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸に機能可能に連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを用いることができる。 いくつかの特徴では、前記DNA構築物は、in vitro転写反応実施前に直鎖化することができる。 続いて適切な無細胞翻訳抽出物(例えばウサギ網状赤血球抽出物)とともに前記転写mRNAをインキュベートし、所望のポリペプチドまたはその断片を生成する。
    発現ベクターは1つまたは2つ以上の選別可能な遺伝子を含み、形質転換された宿主細胞の選別用表現型特質(真核細胞の場合にはジヒドロ葉酸還元酵素またはネオマイシン耐性、大腸菌では例えばテトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性)を提供することができる。

    核酸の増幅 本発明の実施では、本発明のポリペプチドをコードする核酸または改変核酸は、例えば増幅によって再生させることができる。 本発明は、ヒドロラーゼ(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)をコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供し、前記プライマー対は、例示的な配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、配列番号:107、配列番号:109、配列番号:111、配列番号:113、配列番号:115、配列番号:117、配列番号:119、配列番号:121、配列番号:123、配列番号:125、配列番号:127、配列番号:129、配列番号:131、配列番号:133、配列番号:135、配列番号:137、配列番号:139、配列番号:141、配列番号:143、配列番号:145、配列番号:147、配列番号:149、配列番号:151、配列番号:153、配列番号:155、配列番号:157、配列番号:159、配列番号:161、配列番号:163、配列番号:165、配列番号:167、配列番号:169、配列番号:171、配列番号:173、配列番号:175、配列番号:177、配列番号:179、配列番号:181、配列番号:183、配列番号:185、配列番号:187、配列番号:189、配列番号:191、配列番号:193、配列番号:195、配列番号:197、配列番号:199、配列番号:201、配列番号:203、配列番号:205、配列番号:207、配列番号:209、配列番号:211、配列番号:213、配列番号:215、配列番号:217、配列番号:219、配列番号:221、配列番号:223、配列番号:225、配列番号:227、配列番号:229、配列番号:231、配列番号:233、配列番号:235、配列番号:237、配列番号:239、配列番号:241、配列番号:243、配列番号:245、配列番号:247、配列番号:249、配列番号:251、配列番号:253、配列番号:255、配列番号:257、配列番号:259、配列番号:261、配列番号:263、配列番号:265、配列番号:267、配列番号:269、配列番号:271、配列番号:273、配列番号:275、配列番号:277、配列番号:279、配列番号:281、配列番号:283、配列番号:285、配列番号:287、配列番号:289、配列番号:291、配列番号:293、配列番号:295、配列番号:297、配列番号:299、配列番号:301、配列番号:303、配列番号:305、配列番号:307、配列番号:309、配列番号:311、配列番号:313、配列番号:315、配列番号:317、配列番号:319、配列番号:321、配列番号:323、配列番号:325、配列番号:327、配列番号:329、配列番号:331、配列番号:333、配列番号:335、配列番号:337、配列番号:339、配列番号:341、配列番号:343、配列番号:345、配列番号:347、配列番号:349、配列番号:351、配列番号:353、配列番号:355、配列番号:357、配列番号:359、配列番号:361、配列番号:363、配列番号:365、配列番号:367、配列番号:369、配列番号:371、配列番号:373、配列番号:375、配列番号:377、配列番号:379、配列番号:381、配列番号:383、配列番号:385、配列番号:387、配列番号:389、配列番号:391、配列番号:393、配列番号:395、配列番号:397、配列番号:399、配列番号:401、配列番号:403、配列番号:405、配列番号:407、配列番号:409、配列番号:411、配列番号:413、配列番号:415、配列番号:417、配列番号:419、配列番号:421、配列番号:423、配列番号:425、配列番号:427、配列番号:429、配列番号:431、配列番号:433、配列番号:435、配列番号:437、配列番号:439、配列番号:441、配列番号:443、配列番号:445、配列番号:447、配列番号:449、配列番号:451、配列番号:453、配列番号:455、配列番号:457、配列番号:459、配列番号:461、配列番号:463、配列番号:465、配列番号:467、配列番号:469、配列番号:471、配列番号:473、配列番号:475、配列番号:477、配列番号:479、配列番号:481、配列番号:483、配列番号:485、配列番号:487、配列番号:489、配列番号:491、配列番号:493、配列番号:495、配列番号:497、配列番号:499、配列番号:501、配列番号:503、配列番号:505、配列番号:507、配列番号:509、配列番号:511、配列番号:513、配列番号:515、配列番号:517、配列番号:519、配列番号:521、配列番号:523、配列番号:525、配列番号:527、配列番号:529、配列番号:531、配列番号:533、配列番号:535、配列番号:537、配列番号:539、配列番号:541、配列番号:543、配列番号:545、配列番号:547、配列番号:549、配列番号:551、配列番号:553、配列番号:555、配列番号:557、配列番号:559、配列番号:561、配列番号:563、配列番号:565、配列番号:567、配列番号:569、配列番号:571、配列番号:573、配列番号:575、配列番号:577、配列番号:579、配列番号:581、配列番号:583、配列番号:585、配列番号:587、配列番号:589、配列番号:591、配列番号:593、配列番号:595、配列番号:597、配列番号:599、配列番号:601、配列番号:603、配列番号:605、配列番号:607、配列番号:609、配列番号:611、配列番号:613、配列番号:615、配列番号:617、配列番号:619、配列番号:621、配列番号:623、配列番号:625、配列番号:627、配列番号:629、配列番号:631、配列番号:633、配列番号:635、配列番号:637、配列番号:639、配列番号:641、配列番号:643、配列番号:645、配列番号:647、配列番号:649、配列番号:651、配列番号:653、配列番号:655、配列番号:657、配列番号:659、配列番号:661、配列番号:663、配列番号:665、配列番号:667、配列番号:669、配列番号:671、配列番号:673、配列番号:675、配列番号:677、配列番号:679、配列番号:681、配列番号:683、配列番号:685、配列番号:687、配列番号:689、配列番号:691、配列番号:693、配列番号:695、配列番号:697、配列番号:699、配列番号:701、配列番号:703、配列番号:705、配列番号:707、配列番号:709、配列番号:711、配列番号:713、配列番号:715、配列番号:717、配列番号:719、配列番号:721、配列番号:723、配列番号:725、配列番号:727、配列番号:729、配列番号:731、配列番号:733、配列番号:735、配列番号:737、配列番号:739、配列番号:741、配列番号:743、配列番号:745、配列番号:747、配列番号:749、配列番号:751、配列番号:753、配列番号:755、配列番号:757、配列番号:759、配列番号:761、配列番号:763、配列番号:765、配列番号:767、配列番号:769、配列番号:771、配列番号:773、配列番号:775、配列番号:777、配列番号:779、配列番号:781、配列番号:783、配列番号:785、配列番号:787、配列番号:789、配列番号:791、配列番号:793、配列番号:795、配列番号:797、配列番号:799、配列番号:801、配列番号:803、配列番号:805、配列番号:807、配列番号:809、配列番号:811、配列番号:813、配列番号:815、配列番号:817、配列番号:819、配列番号:821、配列番号:823、配列番号:825、配列番号:827、配列番号:829、配列番号:831、配列番号:833、配列番号:835、配列番号:837、配列番号:839、配列番号:841、配列番号:843、配列番号:845、配列番号:847、配列番号:849、配列番号:851、配列番号:853、配列番号:855、配列番号:857、配列番号:859、配列番号:861、配列番号:863、配列番号:865、配列番号:867、配列番号:869、配列番号:871、配列番号:873、配列番号:875、配列番号:877、配列番号:879、配列番号:881、配列番号:883、配列番号:885、配列番号:887、配列番号:889、配列番号:891、配列番号:893、配列番号:895、配列番号:897、配列番号:899、配列番号:901、配列番号:903、配列番号:905、配列番号:907、配列番号:909、配列番号:911、配列番号:913、配列番号:915、配列番号:917、配列番号:919、配列番号:921、配列番号:923、配列番号:925、配列番号:927、配列番号:929、配列番号:931、配列番号:933、配列番号:935、配列番号:937、配列番号:939、配列番号:941、配列番号:943、配列番号:945、配列番号:947、配列番号:949、配列番号:951または配列番号:953を含む核酸配列を増幅させることができる。 当業者は、これら配列の任意の部分またはその完全長のための増幅プライマー配列対を設計することができる。

    増幅反応はまたサンプル中の核酸の量(例えば細胞サンプル中のメッセージの量)の定量、核酸の標識(例えば前記核酸をアレイまたはブロットに適用する)、前記核酸の検出、またはサンプル中の特定の核酸量の定量に用いることができる。 本発明のある特徴では、細胞またはcDNAライブラリーから単離したメッセージが増幅される。 当業者は適切なオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択および設計することができる。 増幅方法はまた当業界でよく知られており、例えば以下が含まれる:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば以下を参照されたい:PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications, ed. Innis, Academic Press, NY (1990); PCR Strategies (1995) ed. Innis, Academic Press, Inc., NY)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば以下を参照されたい:Wu (1989) Genomics 4:560; Landegren (1988) Science 241:1077; Barringer (1990) Gene 89:117)、転写増幅(例えば以下を参照されたい:Kwoh (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173)、およびセルフサステイン配列複製(例えば以下を参照されたい:Guatelli (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874)、Qベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)、自動Q-ベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)および他のRNAポリメラーゼ媒介技術(例えば以下を参照されたい:NASBA, Cangene, Mississauga, Ontario)。 さらにまた以下を参照されたい:Berger (1987) Methods Enzymol. 152:307-316; Sambrook; Ausubel; 米国特許第4,683,195号および4,683,202号; Sooknanan (1995) Biotechnology 13:563-564。

    本発明はまた、本発明の配列を含む増幅プライマー対を提供し、例えば、前記プライマー対は、本発明の核酸の最初(5'側)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40またはそれより多い残基によって示される配列を有する第一のメンバー、および、前記第一のメンバーの相補鎖の最初(5'側)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40またはそれより多い残基によって示される配列を有する第二のメンバーを含む。

    配列同一性の程度の決定
    本発明は、少なくとも核酸または本発明の例示的な核酸(例えば配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11などに示す配列を有するもの)と完全な(100%)配列同一性を有する核酸;および、本発明のポリペプチド(例えば配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12などに示す配列を有する例示的なポリペプチド)と少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い、または完全な(100%)配列同一性を有するポリペプチドを提供する。 別の特徴では、前記配列同一性は少なくとも約5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000またはそれより多い連続する残基または前記核酸もしくはポリペプチドの全長の領域にわたり得る。 配列同一性(相同性)の程度は、任意のコンピュータプログラムおよび付属のパラメーター(本明細書に記載されたもの、例えばBLAST2.2.2またはFASTA ver. 3.0t78を含む)を初期設定パラメーターとともに用いて決定することができる。

    図30は、本発明の例示的な核酸およびポリペプチドの選択した特徴を説明する表であり、例示的な配列と公的データベースとの配列同一性比較の結果を含む。 図30に示すすべての配列は、2組のデータベースに対してBLAST検索にかけている(以下詳述する)。 第一の組のデータベースはNCBI(米国国立バイオテクノロジー情報センター)を通じて利用可能である。 これらのデータベースに対する検索からのすべての結果は、“NR 説明”、“NR アクセッション番号”、“NR Evalue”または“NR 生物種”と記された列に見られる。 “NR”は、NCBIの管理する重複のないヌクレオチドデータベースを示す。 このデータベースは、GenBank、GenBank更新情報、およびEMBL更新情報の複合体である。 “NR 説明”列の記入事項は、与えられたいかなるNCBI記録における定義行を示し、それは配列の説明(例えば由来生物種、遺伝子名/タンパク質名、または配列の機能のいくらかの説明)を含む。 “NR アクセッション番号”列の記入事項は、配列記録に与えられた個別の識別名を示す。 “NR Evalue”列の記入事項は期待値(Evalue)を示し、それは、問い合わせ配列(本発明の配列)とデータベース配列との間に見られたものと同程度のアラインメントスコアが、そのBLAST検索で行われたのと同じ回数で行う無作為配列の間の比較において見られる可能性を表す。 “NR 生物種”列の記入事項は、最も近いBLASTヒットとして同定された配列の由来生物種を示す。

    第二の組のデータベースは集団としてGeneseq(登録商標)データベースとして知られ、これはThomson Derwent(Philadelphia, PA)を通じて利用可能である。 このデータベースに対する検索からのすべての結果は、“Geneseq タンパク質説明”、“Geneseq タンパク質アクセッション番号”、“Geneseq タンパク質 Evalue”、“Geneseq DNA 説明”、“Geneseq DNA アクセッション番号”または“Geneseq DNA Evalue”と記載された列に見られる。 これらの列に見られる情報は、それがNCBIデータベースの代わりにGeneseq(登録商標)データベースに対して行ったBLAST検索から得たものであるという点を除いて、上に記載したNRの列に見られる情報と対応する。

    加えて、この表は“予想EC番号”の列を含む。 EC番号は、国際生化学・分子生物学連合(IUBMB)の命名委員会の酵素委員会によって確立された標準化酵素命名法の理論体系に従って、酵素の種類に割り当てられた番号である。 “予想EC番号”列における結果は、Kegg(京都遺伝子・ゲノム百科事典)データベースに対するBLAST検索によって決定している。 最上位BLASTマッチのEvalueが e -6以下の場合は、その最上位マッチに与えられたEC番号が表に記入される。 最上位ヒットのEC番号は、本発明の配列のEC番号が何であり得るかの案内として使用する。 “問い合わせDNA長”および“問い合わせタンパク質長”の列は、NCBIもしくはGeneseqデータベースのいずれかに対して検索もしくは問い合わせした本発明の配列の中のヌクレオチドの数もしくはアミノ酸の数をそれぞれ示す。 “GeneseqまたはNR DNA長”および“GeneseqまたはNR タンパク質長”の列は、BLAST検索からの最上位マッチの配列の中のヌクレオチドの数もしくはアミノ酸の数をそれぞれ示す。 これらの列に提供される結果は、NCBIデータベースまたはGeneseqデータベースのいずれかの、より低いEvalueを戻した検索からのものである。 “GeneseqまたはNR %同一性 タンパク質”および“GeneseqまたはNR %同一性 DNA”の列は、本発明の配列と最上位BLASTマッチの配列の間の百分率配列同一性を示す。 これらの列に提供される結果は、NCBIデータベースまたはGeneseqデータベースのいずれかの、より低いEvalueを戻した検索からのものである。

    相同な配列にはまたRNA配列が含まれる(RNA配列では前記核酸配列のチミンはウリジンに置換されている)。 相同な配列は本明細書に記載されている方法のいずれかを用いて入手できるが、またシークェンシングエラーの修正から得ることができる。 本明細書に示される核酸配列は、伝統的な一文字様式(例えば以下を参照されたい:Lubert Stryer, Biochemistry, 3 rd Ed., WH Freeman & Co., New York)または配列内のヌクレオチドの実体を記録する他の任意の様式で表現することができることは理解されよう。
    本発明のこの特徴では本明細書で特定した種々の配列比較アルゴリズムが用いられる。 タンパク質および/または核酸配列の同一性(相同性)は、当業界で公知の多様な配列比較アルゴリズムおよびプログラムのいずれかを用いて評価することができる。 そのようなアルゴリズムおよびプログラムには、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTAおよびCLUSTALWが含まれるが、ただしこれらに限定されない(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448, 1988; Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Thompson et al., Nucleic Acids Res. 22(2):4673-4680, 1994; Higgins et al., Methods Enzymol. 266:383-402, 1996; Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Altschul et al., Nature Genetics 3:266-272, 1993)。

    相同性または同一性は配列分析ソフト(例えばジネティクスコンピュータグループ(Universty of Wisconsin Bitechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)の配列分析ソフトウェアパッケージ)を用いて測定できる。 そのようなソフトは、種々の欠失、置換および他の改変に対して相同性の程度を決めることによって類似の配列を見つける。 2つまたは3つ以上の核酸またはポリペプチド配列に関して“相同性”および“同一性”という用語は、比較ウィンドウまたは指定の領域上で、任意の数の配列比較アルゴリズムを使用するかまたは手動アラインメントおよび目視精査による測定にしたがって最大一致を求めて比較およびアラインメントを実施したとき、同じであるかまたは特定のパーセンテージのアミノ酸残基またはヌクレオチドが同じである2つまたは3つ以上の配列を指す。 配列比較の場合、一方の配列は参照配列(例えば本発明の例示的な核酸またはポリペプチド配列)として機能し、前記に対してテスト配列が比較される。 配列比較アルゴリズムを用いるとき、テスト配列および参照配列はコンピュータに入力され、サブ配列同等物が必要な場合に指定され、さらに配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。 規定値プログラムパラメーターを用いることができるが、また別のパラメーターを指定することもできる。 続いて配列比較アルゴリズムは、前記のプログラムパラメーターを基に参照配列に対するテスト配列のパーセント配列同一性を計算する。

    本明細書で用いられる“比較ウィンドウ”は、任意数の連続残基セグメントに対する参照を含む。 例えば本発明の別の特徴では、本発明の例示的なポリペプチドまたは核酸配列の20から完全長の間のいずれかの範囲の連続残基が、同じ数の連続した箇所の参照配列と前記2つの配列を最適にアラインメントした後で比較される。 参照配列が本発明の例示的なポリペプチドまたは核酸配列と必要な配列同一性を有するならば、例えば、また別の特徴では、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い、または完全な(100%)配列同一性を本発明の例示的なポリペプチドまたは核酸配列に対して有するならば、前記配列は本発明の範囲に包含される。 また別の実施態様では、約20から600、約50から200、および約100から150の範囲の部分配列が、同じ数の連続した箇所の参照配列と前記2つの配列を最適にアラインメントした後で比較される。

    配列比較のアラインメントを実施する方法は当業界では既知である。 配列比較の最適アラインメントは、例えばSmith & Watermanの局所相同性アルゴリズム(Adv. Appl. Math. 2:482 (1981))によって、Needleman & Wunschの相同性アラインメントアルゴリズム(J. Mol. Biol. 48:443 (1970))によって、Pearson & Lipmanの類似性検索方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988))によって、前記アルゴリズムのコンピュータによる実施によって(GAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI)、または手動アラインメントと目視精査によって実施できる。相同性または同一性決定のための他のアルゴリズムには、BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)の他に、ALIGN、AMAS(Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS(Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET(Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR、BIOSCAN(Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS(BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals & Points、BMB、CLUSTALV、CLUSTALW、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith-Watermanアルゴリズム、DARWIN、ラスベガスアルゴリズム、FNAT(Forced Nucleotide Alignment Tool)、フレームアライン、フレームサーチ、DYNAMIC、FILTER、FSAP(Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP(Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC(Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN(Local Sequence Alignment)、LCP(Local Content Program)、MACAW(Multiple Alignment Construction & Analysis Workbench)、MAP(Multiple Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、PIMA(Pattern-Induced Multi-Sequence Alignment)、SAGA(Sequence Alignment by Genetic Algorithm)およびWHAT-IFが含まれる。 前記のようなアラインメントプログラムはまたゲノムデータベースのスクリーニングに用いられ、実質的に同一の配列をもつポリヌクレオチド配列を同定することができる。 多数のゲノムデータベースが利用可能で、例えばヒトゲノムの実質的部分がヒトゲノム配列決定プロジェクト(Gibbs, 1995)の一部分として利用可能である。 いくつかのゲノムの配列、例えばM. ジェニタリウム(genitalium)(Fraser et al., 1995)、M. ジャナスキイー(jannaschii)(Bult et al., 1996)、H. インフルエンザ(Fleischmann et al. 1995)、大腸菌(Blattner et al. 1997)、酵母(S. cerevisiae)(Mewes et al. 1997)およびD.メラノガスター(melanogaster)(Adams et al., 2000)の配列が決定された。 顕著な進展がモデル生物(例えばマウス、C. エレガンスおよびアラビドプシス種(Arabidopsis sp))のゲノム配列決定で達成された。 いくつかの機能的情報の注釈をもつゲノム情報を含むデータベースが種々の機関で維持されており、インターネットでアクセスすることができる。

    BLAST、BLAST2.0およびBLAST2.2.2アルゴリズムもまた本発明の実施に用いることができる。 前記アルゴリズムは例えば以下に記載されている:Altschul (1977) Nuc. Acids Res. 25:3389-3402; Altschul (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410。 BLAST分析を実施するソフトは、National Center for Biotechnology Informationから公開されている。 このアルゴリズムは、審査配列内の長さがWの短いワードを同定することによって高スコアをもつ配列対(HSP)をまず初めに同定することを必要とする。 前記は、データベース配列中の同じ長さを持つワードとアラインメントを実施したとき、一致するかまたはいくらかの正の値をもつ閾値スコアTの条件を満たす。 Tは近傍ワードスコア閾値と称される(Altschul (1990)上掲書)。 これらの最初の近傍ワードヒットはそれらを含むより長いHSPを見つけるための検索開始のシードとして機能する。 前記ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加する限り各配列の両方向に沿って伸長される。 累積スコアは、ヌクレオチド配列についてはパラメーターM(一致残基対のための褒賞スコア、常に>0)を用いて計算される。 アミノ酸配列の場合、スコアリングマトリックスを用いて累積スコアが計算される。 各方向のワードヒットの伸長は以下の場合に停止する:累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ下降したとき;累積スコアが、1つまたは2つ以上の負のスコアを与える残基アラインメントの累積のために0またはそれ以下になったとき;またはどちらかの配列の末端に達したとき。 BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは前記アラインメントの感度および速度を決定する。 BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、規定値として11のワード長、10の期待値(E)、M=5、N=-4および両鎖の比較を用いる。 アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、3のワード長および10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4および両鎖の比較を用いる。

    BLASTアルゴリズムはまた2つの配列間の類似性の統計的分析を実施する(例えば以下を参照されたい:Karlin & Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873)。 BLASTアルゴリズムによって提供される類似性測定の1つは最小合計確率(P(N))であり、前記は2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の一致が偶然によって生じる確率を示す。 例えば、テスト核酸と参照核酸の比較で最小合計確率が約0.2未満、好ましくは約0.01未満、もっとも好ましくは約0.001未満であるならば、前記核酸は参照配列と類似であると考えられる。 ある特徴では、タンパク質および核酸配列相同性はベーシック=ローカル=アラインメント=サーチ=ツール(Basic Local Alignment Search Tool, “BLAST”)を用いて評価される。 例えば、5つの特別なBLASTプログラムを用いて以下のタスクを実施することができる:(1)BLASTPおよびBLAST3はアミノ酸の審査配列をタンパク質配列データベースと比較する;(2)BLASTNはヌクレオチドの審査配列をヌクレオチド配列データベースと比較する;(3)BLASTXは審査ヌクレオチド配列(その両方の鎖)の概念的6フレーム翻訳生成物をタンパク質配列データベースと比較する;(4)TBLASTNは審査タンパク質配列(両方の鎖)を全ての6つの読み枠で翻訳されるヌクレオチド配列データベースと比較する;さらに(5)TBLASTXはヌクレオチド審査配列の6枠翻訳をヌクレオチド配列データベースの6枠翻訳と比較する。 BLASTプログラムは類似のセグメントを同定することによって相同な配列を同定する。 前記セグメントは本明細書では審査アミノ酸または核酸配列とテスト配列間の“高スコアセグメントペア”と称され、好ましくはタンパク質または核酸配列データベースから得られる。 高スコアセグメントペアは好ましくは、スコアリングマトリックス(その多くは当業界で公知である)によって特定される(すなわちアラインメントが実施される)。 好ましくは、使用されるスコアリングマトリックスはBLOSUM62マトリックスである(Gonnet et al., Science 256:1443-1445 (1992); Henikoff and Henikoff, Proteins 17:49-61 (1993))。 好ましさは劣るが、PAMまたはPAM250もまた用いることができる(例えば以下を参照されたい:Schwartz and Dayhoff, eds., 1978, Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure, Washington: National Biomedical Research Foundation)。

    本発明のある特徴では、核酸が本発明の範囲内のものであるために必要な配列同一性を有するか否かを決定するためにNCBI BLAST 2.2.2プログラムが用いられる。 規定値オプションはblastpである。 BLAST 2.2.2プログラムには約38の設定オプションがある。
    本発明のこの典型的な特徴では、全ての規定値がフィルタリング設定規定値を除いて用いられる(すなわち全てのパラメーターはフィルタリング(前記はOFFに設定される)を除いて規定値に設定される)。 フィルタリングは規定値の代わりに“-FF”設定が用いられ、前記はフィルタリングを無効にする。 規定値のフィルタリングはしばしば、配列の長さが短いためにKarlin-Altschulバイオレーションを生じる。
    本発明のこの典型的な特徴で、そして前述のように図30の値を決定するために、用いられる規定値には以下が含まれる:
    “低複雑度用フィルター:ON
    >ワードサイズ:3
    >マトリックス:Blosum62
    >ギャップコスト:存在する場合:11
    >ギャップが伸長する場合:1”
    他の規定値は以下のとおりである:低複雑度用フィルターはOFF、タンパク質のためのワードサイズは3、BLOSUM62マトリックス、ギャップ存在のペナルティーは-11、およびギャップ伸長のペナルティーは-1。 典型的なNCBI BLAST2.2.2プログラム設定は下記の実施例1に示されている。 “-W”オプションの規定値は0であることに留意されたい。 これは、設定されなければワードサイズの規定値はタンパク質で3、ヌクレオチドで11であることを意味する。

    コンピュータシステムおよびコンピュータプログラム製品
    配列同一性、構造的相同性、モチーフなどをコンピュータシステムで決定および同定するために、コンピュータによって読み取りさらにアクセスすることができる任意の媒体上に本発明の配列を保存、記録し、さらに操作することができる。 したがって、本発明は、本発明の核酸およびポリペプチド配列を記録または保存させたコンピュータ、コンピュータシステム、コンピュータ読み出し可能媒体、コンピュータプログラム製品などを提供する。 本明細書で用いられる“記録”および“保存”という用語はコンピュータ媒体に情報を保存するプロセスを指す。 当業者は、コンピュータ読み出し可能媒体に情報を記録するための任意の公知の方法を容易に利用して、本発明の1つまたは2つ以上の核酸および/またはポリペプチド配列を含む製品を製造することができる。
    本発明のまた別の特徴は、本発明の少なくとも1つの核酸および/またはポリペプチド配列が記録されているコンピュータ読み出し可能媒体である。 コンピュータ読み出し可能媒体には、磁気により読み出し可能な媒体、光学的に読み出し可能な媒体、電子的に読み出し可能な媒体および磁気/光学媒体が含まれる。 例えば前記コンピュータ読み出し可能媒体はハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、または読み出し専用メモリー(ROM)の他、当業者に公知の他のタイプの媒体であろう。

    本発明の特徴には、システム(例えばインターネット使用システム)、特にコンピュータシステムが含まれる。 前記は本明細書に記載されている配列および配列情報を保存し、これを操作する。 コンピュータシステム(100)の一例が図1の組み立て分解図に示されている。 本明細書で用いられる“コンピュータシステム”は、本発明のヌクレオチドまたはポリペプチド配列の分析に用いられるハードウェア構成部分、ソフトウェア構成部分およびデータ保存構成部分を指す。 コンピュータシステム(100)は、配列データを処理し、これにアクセスし、さらに前記を操作するプロセッサーを含むことができる。 プロセッサ(105)は既知のタイプの中央演算ユニットのいずれか、例えばインテル社(Intel Corporation)のペンチアムIIIまたはサン(Sun)、モトローラ(Motorola)、コンパック(Compaq)、AMDまたはインターナショナル・ビジネス・マシーン(IBM)の類似のプロセッサーであろう。 コンピュータシステム(100)は汎用システムであり、前記はプロセッサー(105)および1つまたは2つ以上のデータ保存のための内部データ保存成分(110)、および前記データ保存成分に保存されたデータを検索するための1つまたは2つ以上のデータ検索装置を含む。 従来の利用可能なコンピュータシステムのいずれも適切であることは当業者には理解されよう。

    ある特徴では、コンピュータシステム(100)は、バス(メインメモリー(115)(好ましくはRAMとして提供されている)に連結されている)に連結されたプロセッサー(105)、および1つまたは2つ以上の内部データ保存装置(110)(例えばハードドライブおよび/またはそれにデータが記録される他のコンピュータ読み出し可能媒体)を含む。 コンピュータシステム(100)はさらに、内部データ保存装置(110)のデータを読み取るための1つまたは2つ以上のデータ検索装置(118)を含む。 データ検索装置(118)は、例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープドライブ、または遠隔データ保存システムに連結することができる(例えばインターネットを介して)モデムであろう。 いくつかの実施態様では、内部データ保存装置(110)は取り外し可能なコンピュータ読み出し可能媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、磁気テープなどで、制御ロジックおよび/またはそれに記録されたデータを含んでいる。 コンピュータシステム(100)は便利には、データ検索装置にいったん挿入されたデータ保存成分から前記制御ロジックおよび/またはデータを読み出すための適切なソフトを含むか、または前記ソフトによってプログラムされる。 コンピュータシステム(100)は、コンピュータのユーザーに出力結果を表示するために用いられるディスプレー(120)を含む。 コンピュータシステム(100)は他のコンピュータシステム(125a−c)とネットワークまたは広域ネットワークで連結され、コンピュータシステム(100)への中央アクセスを提供することができることは留意されるべきであろう。 本発明のヌクレオチドまたはアミノ酸配列にアクセスし前記を処理するためのソフトは実行時にはメインメモリー(115)に存在するであろう。 いくつかの特徴では、コンピュータシステム(100)はさらに本発明の核酸配列を比較するための配列比較アルゴリズムを含むことができる。 前記アルゴリズムおよび配列はコンピュータ読み出し可能媒体に保存することができる。 “配列比較アルゴリズム”は、データ保存手段内に保存されている他のヌクレオチド配列および/または化合物とヌクレオチド配列を比較するためにコンピュータシステム(100)に(端末または遠隔端末から)提供される1つまたは2つ以上のプログラムを指す。 例えば、配列比較アルゴリズムは、コンピュータ読み出し可能媒体に保存されている本発明のヌクレオチド配列をコンピュータ読み出し可能媒体に保存されている参照配列と比較し、相同性または構造モチーフを決定することができる。

    上記のアルゴリズムとともに用いられるパラメーターは、配列の長さおよび調べられる相同性の程度に応じて適用することができる。 いくつかの特徴では、前記パラメーターは、ユーザーの指示がない場合に前記アルゴリズムによって用いられる規定値パラメーターであろう。 図2は、新規なヌクレオチドまたはタンパク質配列を配列データベースと比較して、新規な配列とデータベースの配列との間の相同性レベルを決定するためのプロセス(200)の1つの特徴を示すフローチャートである。 前記データベースの配列は、コンピュータシステム(100)内に保存された個人的データベースでも、公的データベース(例えばインターネットを介して利用可能なGENBANK)でもよい。 プロセス(200)は開始状態(201)で始まり、続いて、比較されるべき新規な配列がコンピュータシステム(100)内のメモリーに保存される状態(202)に移行する。 上記で考察したように、前記メモリーは任意のタイプのメモリー(RAMまたは内部保存装置を含む)であろう。 続いてプロセス(200)は状態(204)に移行し、ここで配列データベースが分析および比較のために開かれる。 続いてプロセス(200)は、データベースに保存されている第一の配列がコンピュータのメモリーに読み出される状態(206)に移行する。 続いて比較が状態(210)で実施され、第一の配列が第二の配列と同じであるか否かが決定される。 この工程は、新規な配列とデータベースの第一の配列との間の正確な比較の実施に限定されないことに留意することが重要である。 2つのヌクレオチド配列またはタンパク質配列を(たとえそれらが同一ではなくても)比較するよく知られた方法を当業者は心得ている。 例えばギャップを1つの配列に導入してこれら2つのテスト配列間の相同性レベルを高めることができる。 比較時にギャップまたは他の特徴を配列に導入するか否かを制御するパラメーターは通常はコンピュータシステムのユーザーによって入力される。 いったん2つの配列の比較が状態(210)で実施されたら、決定の状態(210)で前記2つの配列が同じか否かの決定が下される。 もちろんのこと、“同じ”という用語は完全に同一である配列に限定されない。 ユーザーによって入力された相同性パラメーター内にある配列は、プロセス(200)で“同じ”と示され、プロセス(200)は状態(214)に移行する(前記状態でデータベース由来の配列の名称がユーザーに表示される)。 前記状態はディスプレーされた名称の配列が入力した相同性の特徴を満たすことをユーザーに知らせる。 保存配列の名称がユーザーに表示されたら、プロセス(200)は、それ以上の配列がデータベースに存在するか否かの決定が下される決定状態(218)に移行する。 それ以上データベースに配列が存在しない場合には、プロセス(200)は終了状態(220)で終了する。 しかしながらデータベースにさらに配列が存在する場合は、プロセス(200)は状態(224)に移行し、前記状態でポインターは、データベースの次の配列に移行し前記新たな配列と比較することができる。 このようにして、新たな配列はアラインメントを実施されデータベースの各配列と比較される。 配列が相同でないという決定が決定状態(212)で下された場合、プロセス(200)は直ちに決定状態(218)に移行し、データベース内に比較されるべき他の配列が存在するか否かが決定されることは留意されよう。 したがって、本発明のある特徴は、プロセッサー、本発明の核酸配列および比較を実施するための配列コンペアラーが保存されているデータ保存装置を含むコンピュータシステムである。 前記配列コンペアラーは、比較される配列間の相同性レベルを示すかまたは構造モチーフを同定することができる。 前記はまたこれらの核酸コードまたはポリペプチドコードと比較される配列内の構造モチーフを同定することができる。 図3は、2つの配列が相同であるか否かを決定するコンピュータシステムのプロセス(250)のある実施態様を示すフローチャートである。 プロセス(250)は開始状態(252)で開始し、続いて比較されるべき第一の配列がメモリーに保存される状態(254)に移行する。 続いて比較されるべき第二の配列が状態(256)でメモリーに保存される。 続いてプロセス(250)は状態(260)に移行し、前記状態(260)で第一の配列中の第一の記号が読み取られ、続いて状態(262)に移行し、前記状態(262)で第二の配列の第一の記号が読み取られる。 前記配列がヌクレオチド配列の場合、前記記号は通常はA、T、C、GまたはUのいずれかであることは理解されよう。 前記配列がタンパク質配列の場合は、前記記号は一文字のアミノ酸コードであり、それによって第一および第二の配列は容易に比較することができる、続いて2つの記号が同じものであるか否かの決定が決定状態(264)で下される。 それらが同じものである場合、プロセス(250)は状態(268)に移行し、前記状態(268)で第一および第二の配列の次の記号が読み取られる。 続いて、前記次の記号が同じものであるか否かの決定が下される。 それらが同じものである場合には、プロセス(250)は2つの記号が同じでなくなるまでこのループを繰り返す。 次の2つの記号が同じでないという決定が下された場合、プロセス(250)は決定状態(274)に移行して、いずれかの配列に読み取られるべき記号がそれ以上存在するか否かが決定される。 読み取られるべき記号がそれ以上存在しない場合は、プロセス(250)は状態(276)に移行し、第一および第二の配列間の相同性レベルがユーザーに表示される。 相同性レベルは、第一の配列内の記号の総数のうち同じであった配列間の記号の割合を計算することによって決定される。 したがって、第二の配列の各全ての記号と最初の100ヌクレオチド配列内の全ての記号のアラインメントが達成された場合、前記相同性レベルは100%であろう。

    また別には、前記コンピュータプログラムは本発明の配列と参照配列とを比較して、前記配列が1つまたは2つ以上の位置で異なるか否かを決定することができる。 前記プログラムは、リファレンス配列または本発明の配列にいずれかの配列に対して、挿入、欠失または置換されたヌクレオチドまたはアミノ酸残基の長さまたはそれらが何であるかを記録することができる。 前記コンピュータプログラムは、本発明の配列に対して参照配列が一ヌクレオチド多型性(SNP)を含むか否か、または本発明の配列が公知の配列のSNPを含むか否かを決定するプログラムであってよい。 したがって、いくつかの特徴では、前記コンピュータプログラムはSNPを同定するプログラムである。 前記方法は上記に述べたコンピュータシステムによって実施することができ、前記方法は図3に示されている。 前記方法は、前記コンピュータプログラムを使用することにより本発明の配列およびリファレンス配列を読み取り、前記コンピュータプログラムにより相違を同定することによって実施することができる。

    他の特徴では、前記コンピュータ使用システムは、本発明の核酸またはポリペプチド内の特徴を同定するアイデンティファイヤーを含む。 “アイデンティファイヤー”は、核酸配列内のある種の特徴を同定する1つまたは2つ以上のプログラムを指す。 例えば、アイデンティファイヤーは核酸配列内の開放読み枠(ORF)を同定するプログラムを含むことができる。 図4は、配列内の1つの特徴の存在を検出するためのアイデンティファイヤープロセス(300)のある特徴を示す流れ作業図である。 プロセス(300)は開始状態(302)で開始し、続いて状態(304)に移行し、前記状態(304)で特徴についてチェックされるべき第一の配列がコンピュータシステム(100)のメモリー(115)に保存される。 プロセス(300)は続いて状態(306)に移行し、前記状態(306)で配列の特徴のデータベースが開かれる。 そのようなデータベースは各特徴の属性リストを前記特徴の名称とともに含むであろう。 例えば、特徴の名称は“開始コドン”であり、その属性は“ATG”であろう。 別の例では、特徴の名称は“TAATAAボックス”であり、特徴の属性は“TAATAA”であろう。 そのようなデータベースの例は、ウィスコンシン大学のGenetics Computer Groupによって作製されている。 また別には、前記特徴は構造的なポリペプチドモチーフ例えばアルファへリックス、ベータシートまたは機能的ポリペプチドモチーフ、例えば酵素活性部位、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフまたは当業者に公知の他のモチーフであろう。 特徴のデータベースが状態(306)で開かれると直ちにプロセス(300)は状態(308)に移行し、前記状態(308)で第一の特徴がデータベースから読み取られる。 続いて第一の特徴の属性と第一の配列との比較が状態(310)で実施される。 続いて、前記特徴の属性が第一の配列内で見出されるか否かの決定が決定状態(316)で下される。 前記属性が見出された場合、プロセス(300)は状態(318)に移行し、前記状態(318)で見出された特徴の名称がユーザーに表示される。 続いてプロセス(300)は決定状態(320)に移行し、前記状態(320)でそれ以上の特徴がデータベースに存在するか否かの決定が下される。 特徴がそれ以上存在しない場合は、プロセス(300)は終了状態(324)で終了する。 しかしながら、それ以上の特徴がデータベースに存在する場合、プロセス(300)は状態(326)で次の配列特徴を読み取り、状態(310)に戻り、前記状態で次の特徴の属性が第一の配列に対して比較される。 第一の配列で前記特徴の属性が決定状態(316)で見出されない場合、プロセス(300)は直接決定状態(320)に移行し、特徴がそれ以上データベースに存在するか否かを決定する。 したがって、ある特徴では、本発明は開放読み枠(オープンリーディングフレーム、ORF)を同定するコンピュータプログラムを提供する。

    本発明のポリペプチドまたは核酸配列を、種々のデータプロセッサプログラムで多様な様式で保存し操作することができる。 例えば配列は、当業者に知られた多様なデータベースプログラム(例えばDB2、SYBASEまたはORACLE)でワードプロセッシングファイル(例えばマイクロソフトワードまたはワードパーフェクト)のテキストとしてまたはアスキーファイルとして保存することができる。 さらに、多くのコンピュータプログラムおよびデータベースを配列比較アルゴリズム、アイデンティファイヤー、または本発明の核酸配列と比較するべきリファレンスヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の供給源として用いることができる。 本発明の実施に用いられるプログラムおよびデータベースには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):MacPattern(EMBL)、DiscoveryBase(Molecular Applications Group)、GeneMine (Molecular Applications Group)、Look(Molecular Applications Group)、MacLook(Molecular Applications Group)、BLASTおよびBLAST2(NCBI)、BLASTNおよびBLASTX(Alyschul et al. J. Mol. Biol. 215:403, 1990)、FASTA(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:2444,1988)、FASTDB (Brutlag et al. Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990)、Catalyst(Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE(Molecular Simulations Inc.)、Cerius2.DBAccess(Molecular Simulations Inc.)、HypoGen(Molecular Simulations Inc.)、Insight II(Molecular Simulations Inc.)、Discover(Molecular Simulations Inc.)、CHARMm(Molecular Simulations Inc.)、Felix(Molecular Simulations Inc.)、DelPhi(Molecular Simulations Inc.)、QuanteMN(Molecular Simulations Inc.)、Homology(Molecular Simulations Inc.)、Modeler(Molecular Simulations Inc.)、ISIS(Molecular Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design(Molecular Simulations Inc.)、WebLab(Molecular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer(Molecular Simulations Inc.)、Gene Explorer(Molecular Simulations Inc.)、SeqFold(Molecular Simulations Inc.)、MDL Available Chemicals Directoryデータベース、MDL Drug Data Reportデータベース、Comprehensive Medical Chemistryデータベース、Derwent's World Drug Indexデータベース、BioByteMasterFileデータベース、Genbankデータベース。 本発明の開示により他の多くのプログラムおよびデータベースも当業者には明白であろう。
    上記のプログラムを用いて検出することができるモチーフには、ロイシンジッパー、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフ、グリコシル化部位、普遍化部位、アルファヘリックス、ベータシートをコードする配列、コードされたタンパク質の分泌を誘導するシグナルペプチドをコードするシグナル配列、転写調節に関与する配列(例えばホメオボックス)、酸性ストレッチ、酵素活性部位、基質結合部位および酵素切断部位が含まれる。

    核酸のハイブリダイゼーション
    本発明は、本発明の核酸(例えば本発明の例示的な配列(例えば配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11などに示す配列およびその部分配列))、または、本発明のポリペプチドをコードする核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする単離または組換え核酸を提供する。 前記ストリンジェントな条件は、高度にストリンジェントな条件、中程度にストリンジェントな条件、低ストリンジェント条件であってよく、本明細書に記載されている高ストリンジェンシー条件および低ストリンジェンシー条件を含む。
    また別の実施態様では、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される本発明の核酸は、本発明の核酸の約5残基から完全長の間であろう。 例えばそれらは、長さが少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000またはそれより多い残基であろう。 完全長より短い核酸もまた含まれる。 これらの核酸は、例えばハイブリダイゼーションプローブ、標識プローブ、PCRオリゴヌクレオチドプローブ、iRNA、アンチセンス、または抗体結合ペプチド(エピトープ)、モチーフ、活性部位などをコードする配列として有用である。

    ある特徴では、本発明の核酸は、約37℃から42℃で約50%のホルムアミドの条件を含む高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる能力によって定義される。 ある特徴では、本発明の核酸は、約30℃から35℃で約35%から25%のホルムアミドの条件を含む低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる能力によって定義される。
    また別には、本発明の核酸は、42℃の約50%ホルムアミド、5XのSSPE、0.3%SDSおよび反復配列ブロック核酸(例えばcot-1またはサケ精子DNA(例えば200n/mLのせん断変性サケ精子DNA))の条件を含む高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる能力によって定義される。 ある特徴では、本発明の核酸は、35℃の低温で約35%のホルムアミドを含む低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる能力によって定義される。

    ハイブリダイゼーションの後、フィルターは6XのSSC、0.5%SDSにより50℃で洗浄することができる。 この条件は、25%を超えるホルムアミドで“中程度”の条件、25%より低いホルムアミドで“低い”条件と考えられる。 “中程度にストリンジェントな”ハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが30%のホルムアミドで実施されるときである。 “低ストリンジェント”ハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが10%のホルムアミドで実施されるときである。
    ストリンジェンシーの個々のレベルに対応する温度範囲は問題の核酸のプリン対ピリミジンの比を計算し、したがって温度を調節することによってさらに狭めることができる。 本発明の核酸はまた文献(AusubelおよびSambrook)に示される高度、中程度および低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするその能力によっても定義される。 上記の範囲および条件のヴァリエーションは当業界でよく知られている。 ハイブリダイゼーション条件は下記でさらに考察される。

    上記の方法は、プローブ配列に対して相同性が低い核酸を同定するために改変することができる。 例えば、検出可能なプローブに対して相同性が低い核酸を得るために、ストリンジェンシーが低い条件を用いることができる。 例えば、約1MのNa +濃度を有する緩衝液中でハイブリダイゼーション温度を68℃から42℃まで5℃ずつ下げることができる。 ハイブリダイゼーション後に、フィルターをハイブリダイゼーション温度で2XのSSC、0.5%SDSで洗浄することができる。 前記の条件は、50℃以上で“中程度”の条件、50℃未満で“低”条件と考えられる。 “中程度”のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが55℃で実施される場合である。 “低ストリンジェンシー”のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが45℃で実施される場合である。
    また別には、ハイブリダイゼーションはホルムアミドを含む緩衝液(例えば6XのSSC)で42℃の温度で実施することができる。 この事例では、ハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミドの濃度は50%から0%まで5%ずつ減少させて、プローブとの相同性が低いクローンを同定することができる。 ハイブリダイゼーション後に、フィルターを6XのSSC、0.5%SDSで50℃で洗浄することができる。 この条件は、25%を超えるホルムアミドで“中程度”の条件、25%未満のホルムアミドで“低”条件と考えられる。 “中程度”のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが30%のホルムアミドで実施される場合である。 “低ストリンジェンシー”のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが10%のホルムアミドで実施される場合である。

    しかしながら、ハイブリダイゼーションの様式の選択は決定的なものではなく、ある核酸が本発明の範囲内に包含されるか否かを決定する条件を示すのは洗浄条件のストリンジェンシーである。 本発明に包含される核酸を同定するために用いられる洗浄条件には例えば以下が含まれる:約0.02Mの塩濃度でpH7、少なくとも約50℃または約55℃から約60℃;または約0.15Mの塩濃度のNaClで72℃で約15分;または約0.2XのSSCの塩濃度で少なくとも約50℃または約55℃から約60℃の温度で約15から20分;またはハイブリダイゼーション複合体が、0.1%のSDSを含む約2XのSSCの塩濃度を有する溶液で室温で15分2回室温で洗浄し、続いて0.1%のSDSを含む約0.1XのSSCで68℃で15分2回室温で洗浄する;または前記と同等な条件。 SSC緩衝液および同等な条件に関してはSambrook, TijssenおよびAusubelの著書を参照されたい。
    前記方法は本発明の核酸の単離に用いることができる。

    オリゴヌクレオチドプローブおよびその使用方法
    本発明はまた、ヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ活性)を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するための核酸プローブを提供する。 ある特徴では、前記プローブは、本発明の核酸の少なくとも10の連続する塩基を含む。 また別には、本発明のプローブは、本発明の核酸で示される配列の少なくとも約5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、150、160、170、180、190、200もしくはそれより多い、または約10から50、約20から60、約30から70の連続する塩基であり得る。 前記プローブは、結合および/またはハイブリダイゼーションによって核酸を同定する。 前記プローブは、例えばキャピラリーアレイを含む本発明のアレイ(下記の考察を参照されたい)で用いることができる。 本発明のプローブはまた他の核酸またはポリペプチドの単離に用いることができる。

    本発明のプローブを用いて、生物学的サンプル(例えば土壌サンプル)が、本発明の核酸(例えばヒドロラーゼをコードする核酸)を有する生物または前記核酸が得られた生物を含むか否かを決定することができる。 そのような方法では、前記核酸が単離された生物を潜在的に保有する生物学的サンプルを入手し、前記サンプルから核酸を得る。 前記プローブがサンプル中に存在する相補的配列のいずれかと特異的にハイブリダイズすることができる条件下で、前記核酸を前記プローブと接触させる。 必要な場合には、相補性配列を含まない対照配列とともに相補性配列を含むことが判明しているサンプルの相補性配列と前記プローブを接触させることによって、前記プローブが特異的にハイブリダイズすることができる条件を決定することができる。 ハイブリダイゼーション条件(例えばハイブリダイゼーション緩衝液の塩濃度、ハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド濃度またはハイブリダイゼーションの温度)を変化させて、前記プローブが相補性核酸と特異的にハイブリダイズすることができる条件を同定することができる(個々のハイブリダイゼーション条件に関しては考察を参照されたい)。
    前記核酸が単離された生物をサンプルが含む場合、プローブの特異的なハイブリダイゼーションが検出される。 ハイブリダイゼーションは、プローブを検出可能な薬剤(例えば放射性同位元素、蛍光染料、または検出可能な生成物の形成を触媒することができる酵素)で標識することによって検出できる。 標識プローブを用いてサンプル中の相補性核酸の存在を検出する多くの方法が当業者にはよく知られている。 前記方法にはサザンブロット、ノザンブロット、コロニーハイブリダイゼーション法およびドットブロットが含まれる。 前記方法の各々のプロトコルは文献(AusubelおよびSambrook)に示されている。

    また別には、2つ以上のプローブ(そのうちの少なくとも1つは核酸サンプルに存在する任意の相補性配列と特異的にハイブリダイズすることができる)を増幅反応で用いて、サンプルが本発明の核酸配列を含む生物(例えば前記核酸が単離された生物)を含むか否かを決定することができる。 ある特徴では、前記プローブはオリゴヌクレオチドを含む。 ある特徴では、前記増幅反応はPCR反応を含むことができる。 PCRプロトコルは文献(AusubelおよびSambrook)に記載されている(増幅反応に関しては考察を参照されたい)。 そのような方法では、サンプル中の核酸をプローブと接触させ、増幅反応を実施し、さらに生成された増幅生成物のいずれかを検出する。 増幅生成物は、反応生成物のゲル電気泳動を実施し、前記ゲルをインターカレーション試薬(例えば臭化エチジウム)で染色することによって検出することができる。 また別には1つまたは2つ以上のプローブを放射性同位元素で標識し、ゲル電気泳動の後で放射性増幅生成物の存在を検出してもよい。

    本発明の核酸配列の3'または5'末端近くの配列に由来するプローブもまた染色体ウォーキング法に用いて、さらに別の、例えばゲノム配列を含むクローンを同定することができる。 そのような方法は、問題のさらに別のタンパク質をコードする遺伝子の宿主生物からの単離を可能にする。
    ある特徴では、本発明の核酸配列をプローブとして用いて関連核酸が特定および単離される。 いくつかの特徴では、そのようにして特定された関連核酸は、本発明の核酸が最初に単離された生物以外の生物に由来するcDNAまたはゲノムDNAであろう。 そのような方法では、核酸サンプルを、プローブが特異的に関連配列とハイブリダイズすることができる条件下で前記プローブと接触させる。 続いて、関連生物に由来する核酸とプローブのハイブリダイゼーションが上記に記載した方法のいずれかを用いて検出される。

    核酸ハイブリダイゼーション反応では、具体的なストリンジェンシーレベルを達成するために用いられる条件は、ハイブリダイズされる核酸の性質にしたがって変動するであろう。 例えば、核酸のハイブリダイズ領域の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列の組成(例えばGC対AT含有量)および核酸タイプ(例えばRNA対DNA)は、ハイブリダイゼーション条件の選択に考慮することができる。 さらに考慮されることは、核酸の1つが例えばフィルターに固定されているか否かである。 ハイブリダイゼーションは、低ストリンジェンシー、中程度ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシーの条件下で実施することができる。 核酸のハイブリダイゼーションの例として、固定変性核酸を含むポリマーメンブレンを最初に45℃で30分、以下から成る溶液(0.9MのNaCl、50mMのNaH 2 PO 4 (pH7.0)、5.0mMのNa 2 EDTA、0.5%SDS、10Xのデンハルト溶液および0.5mg/mLのポリリボアデニル酸)中でプレハイブリダイズさせる。 約2x10 7 cpm(比活性4−9x10 8 cpm/μg)の32 P末端標識オリゴヌクレオチドプローブを続いて溶液に添加する。 12−16時間インキュベーションした後で、前記メンブレンを0.5%のSDSを含む1XのSET(150mMのNaCl、20mMトリス塩酸塩(pH7.8)、1mMのNa 2 EDTA)中で30分室温(RT)で洗浄し、続いて新しい1XのSET中で30分、オリゴヌクレオチドプローブのためのTm-10℃で洗浄する。 続いて、ハイブリダイゼーションシグナルを検出するためにメンブレンでオートラジオグラフフィルムを感光させる。

    核酸、例えばcDNAまたはゲノムDNA(前記は検出プローブとハイブリダイズする)の特定に用いられるハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変動させることによって、プローブと相同性レベルが異なる核酸を特定し、これを単離することができる。 ストリンジェンシーは、プローブの融解温度より低い種々の温度でハイブリダイゼーションを実施することによって変動させることができる。 融解温度(Tm)は、(限定されたイオン強度およびpHの下で)標的配列の50%が完全に相補性のプローブとハイブリダイズする温度である。 非常にストリンジェントな条件は、個々のプローブのTmに等しいかまたはそれより約5℃低くなるように選択される。 プローブの融解温度は以下の式を用いて計算できる。 長さが14から70ヌクレオチドのプローブの場合、融解温度(Tm)は下記の式を用いて計算される:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+Cの割合)−(600/N)、式中Nはプローブの長さである。 ハイブリダイゼーションがホルムアミド含有溶液中で実施される場合、融解温度は以下の式を用いて計算できる:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+Cの割合)−(0.63%ホルムアミド)−(600/N)、式中Nはプローブの長さである。 プレハイブリダイゼーションは、6XのSSC、5Xのデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性断片化サケ精子DNA、または6XのSSC、5Xのデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性断片化サケ精子DNA、50%ホルムアミド中で実施することができる。 SSCおよびデンハルト試薬ならびに他の溶液のための組成は例えば上掲書(Sambrook)に挙げられている。

    ある特徴では、ハイブリダイゼーションは、検出プローブを上記に挙げたプレハイブリダイゼーション溶液に添加することによって実施される。 プローブが二本鎖DNAを含む場合、ハイブリダイゼーション溶液に添加する前に変性させる。 プローブが、それと相補的または相同な配列を含むcDNAまたはゲノムDNAとハイブリダイズできるように十分な時間ハイブリダイゼーション溶液とフィルターを接触させる。 長さが200ヌクレオチドを超えるプローブの場合、ハイブリダイゼーションはTmより15-25℃下で実施できる。 より短いプローブの場合(例えばオリゴヌクレオチドプローブ)、ハイブリダイゼーションはTmより5−10℃下で実施できる。 ある特徴では、6XのSSC中でのハイブリダイゼーションが約68℃で実施される。 ある特徴では、50%ホルムアミド含有溶液中でハイブリダイゼーションが約42℃で実施される。 前述のハイブリダイゼーションの全ては高ストリンジェンシー条件下であると考えられよう。
    ある特徴では、ハイブリダイゼーションの後で、フィルターを洗浄して非特異的に結合した一切の検出プローブを除去する。 フィルターの洗浄に用いられるストリンジェンシーは、ハイブリダイズされる核酸の性質、ハイブリダイズされる核酸の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列の組成(例えばGC対AT含量)および核酸のタイプ(例えばRNAであるかDNAであるか)にしたがって変動させ得る。 だんだんと高くなるストリンジェンシー洗浄条件の例は以下のとおりである:2XのSSC、0.1%SDS、室温で15分(低ストリンジェンシー);0.1XのSSC、0.5%SDS、室温で30分(中程度ストリンジェンシー);0.1XのSSC、0.5%SDS、ハイブリダイゼーションの温度から68℃の間で15から30分(高ストリンジェンシー);0.15MのNaCl、72℃で15分(非常に高いストリンジェンシー)。 最後の低ストリンジェンシー洗浄は、0.1XのSSCで室温で実施することができる。 上記の例は、フィルター洗浄に用いることができる条件セットの単なる例示である。 当業者には種々のストリンジェンシーのために多くの洗浄レシピが存在することは理解されよう。

    プローブにハイブリダイズした核酸はオートラジオグラフィーまたは他の一般的な技術によって特定できる。 上記の方法は、プローブ配列と相同性レベルが低い核酸を同定するために改変することができる。 例えば、検出プローブと相同性が低い核酸を得るためには、より低いストリンジェンシー条件を用いることができる。 例えばハイブリダイゼーション温度は、Na +濃度が約1Mのハイブリダイゼーション緩衝液で68℃から42℃まで5℃ずつ下げることができる。 ハイブリダイゼーションの後で、フィルターはハイブリダイゼーション温度で2XのSSC、0.5%SDSで洗浄することができる。 これらの条件は、50℃より上で“中程度”の条件、50℃より下で“低ストリンジェンシー”条件と考えられる。 “中程度”ハイブリダイゼーション条件の例は、上記ハイブリダイゼーションが55℃で実施されるときである。 “低ストリンジェンシー”ハイブリダイゼーション条件の例は、上記のハイブリダイゼーションが45℃で実施されるときである。
    また別には、ハイブリダイゼーションは、緩衝液(例えばホルムアミド含有6XのSSC)中で42℃の温度で実施できる。 この事例では、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミドの濃度は、プローブと相同性レベルの低いクローンを同定するために50%から0%まで5%ずつ減少させることができる。 ハイブリダイゼーションの後で、フィルターを6XのSSC、0.5%のSDSで50℃で洗浄することができる。 これらの条件は、25%より高いホルムアミドで“中程度”の条件、25%より低いホルムアミドホルムアミドで“低”ストリンジェンシー条件と考えられる。 “中程度”ハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記ハイブリダイゼーションが30%のホルムアミドで実施されるときである。 “低ストリンジェンシー”ハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記ハイブリダイゼーションが10%のホルムアミドで実施されるときである。

    本発明のこれらプローブおよび方法は、本発明の核酸配列およびそれらに相補的な配列と少なくとも約950%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を有する配列をもつ核酸を単離または同定(例えばアレイを使用して)するために使用し得、それは本発明の核酸の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、250、300、350、400、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000またはそれより多い連続する塩基を含む。 相同性は、本明細書で考察したようなアラインメントアルゴリズムを用いて測定できる。 例えば、相同なポリヌクレオチドは、本明細書に記載されたコード配列の1つの天然に存在する対立遺伝子座変種のコード配列を有するであろう。 そのような対立遺伝子座変種は、本発明の核酸と比較したとき1つまたは2つ以上のヌクレオチドの置換、欠失または付加を有するであろう。

    さらにまた、本発明のプローブおよび方法は、配列アラインメントアルゴリズムを用いて決定したとき、本発明のポリペプチドと少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性(相同性)を有するポリペプチドペプチドをコードする核酸を単離または同定(例えばアレイを使用して)するために使用し得、それは本発明のポリペプチドの少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150またはそれより多い連続するアミノ酸を含む(前記配列アラインメントアルゴリズムは、例えばFASTAバージョン3.0t78アルゴリズム(規定値を用いる)またはBLAST2.2.2プログラム(本明細書に示される典型的な設定を用いる)である)。

    ヒドロラーゼの発現阻害
    本発明はさらに、本発明の核酸配列(例えばヒドロラーゼコード配列)と相補的な(例えば前記配列に対するアンチセンス配列である)核酸を提供する。 アンチセンス配列は、ヒドロラーゼコード遺伝子の輸送、スプライシングまたは転写を阻害することができる。 前記阻害は、ゲノムDNAまたはメッセンジャーRNAのターゲッティングにより達成することができる。 前記阻害は、本発明の配列を含むDNA(例えば阻害性リボザイム)またはRNA(例えば二本鎖iRNA)を使用して達成することができる。 標的とされた核酸の転写または機能は、例えばハイブリダイゼーションおよび/または切断によって阻害することができる。 本発明は、ヒドロラーゼ遺伝子またはメッセージに結合し、いずれの事例でもヒドロラーゼの生成もしくは機能を防止または抑制することができるオリゴヌクレオチドを含む阻害物質のセットを提供する。 前記の結合は配列特異的ハイブリダイゼーションによるであろう。 別の有用な阻害物質の種類にはヒドロラーゼメッセージの不活化または切断をもたらすオリゴヌクレオチドが含まれる。 前記オリゴヌクレオチドはそのような切断を惹起する酵素活性を有することができる(例えばリボザイム)。 オリゴヌクレオチドは化学的に改変するか、または相補性核酸を切断することができる酵素もしくは組成物と結合させることができる。 種々の前記のようなオリゴヌクレオチドの多数を含むプールを所望の活性を有するものについてスクリーニングすることができる。

    アンチセンスオリゴヌクレオチド :本発明は、ヒドロラーゼメッセージと結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。 前記はmRNAまたはゲノムDNAを標的とすることによってヒドロラーゼ活性を阻害することができる。 アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する方法は学術文献および特許文献に詳しく記載されており、当業者は本発明の新規な試薬を用いてそのようなヒドロラーゼオリゴヌクレオチドを設計することができる。 例えば、効果的なアンチセンスオリゴヌクレオチドをスクリーニングするためのジーンウォーキング/RNAマッピングプロトコルは当業界でよく知られている。 例えば以下を参照されたい:Ho (2000) Methods Enzymol. 314:168-183。 前記はRNAマッピングアッセイを記載し、前記アッセイは標準的な分子技術を基にし、強力なアンチセンス配列選別のための簡単で信頼できる方法を提供する。 さらにまた以下を参照されたい:Smith (2000) Eur. J. Phar. Sci. 11:191-198。

    ある特徴では、組換えにより生成した、または単離した天然に存在する核酸がアンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いられる。 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の長さであろう;例えば、別の特徴では、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは約5から100、約10から80、約15から60、約18から40である。 前記オリゴヌクレオチドは一本鎖もしくは二本鎖のRNAもしくはDNAであってもよい。 最適な長さは日常的なスクリーニングによって決定できる。 アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の濃度で提供できる。 最適濃度は日常的なスクリーニングによって決定できる。 この潜在的課題に用いることができる広範囲の合成された天然に存在しないヌクレオチドおよび核酸類似体が知られている。 例えば、非イオン性骨格(例えばN-(2-アミノエチル)グリシンユニット)を含むペプチド核酸(PNA)を用いることができる。 ホスホロチオエート結合を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた用いることができる(前記は以下に記載されている:WO97/03211; WO96/39154; Mata (1997) Toxicol. App. Pharmacol. 144:189-197; Antisense Therapeutics, ed. Agrawal (Humana Press, Totowa, NJ, 1996))。 本発明によって提供される合成DNA骨格類似体をもつアンチセンスオリゴヌクレオチドにはまた、上記で述べたようにホスホロ-ジチオエート、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、アルキルホスホトリエステル、スルファメート、3'-N-カルバメートおよびモルホリノカルバメート核酸が含まれる。
    コンビナトリアルケミストリー的方法を用いて膨大な数のオリゴヌクレオチドを作出することができる。 前記オリゴヌクレオチドは、任意の標的(例えば本発明のセンスおよびアンチセンスヒドロラーゼ配列)に対し適切な結合親和性および特異性を有する特定のオリゴヌクレオチドについて迅速にスクリーニングすることができる(例えば以下を参照されたい:Gold (1995) J. Biol. Chem. 270:13581-13584)。

    阻害性リボザイム :本発明は、ヒドロラーゼメッセージと結合することができるリボザイムを提供し、これらのリボザイムはmRNAを標的にすることによりヒドロラーゼ活性を阻害することができる。 リボザイムを設計し、ターゲッティングのためにヒドロラーゼ特異的アンチセンス配列を選別する方法は学術文献および特許文献に詳しく記載されており、当業者は本発明の新規な試薬を用いてそのようなリボザイムを設計することができる。 リボザイムは、標的RNAを切断するRNAの酵素部分に接近して保持されているリボザイムの標的RNA結合部分を介して標的RNAと結合することによって機能する。 したがって、リボザイムは、相補性塩基対形成により標的RNAを認識し、これと結合する。 正確な部位にいったん結合したら、前記は酵素として機能し標的RNAを切断し、これを不活化する。 切断がコード配列内で発生すれば、そのような態様での標的RNAの切断は、コードされるタンパク質の合成を指令するその能力を破壊するであろう。 リボザイムがそのRNA標的と結合し、これを切断した後、リボザイムは典型的にはRNAから遊離し、したがって繰り返し新たな標的と結合しこれを切断することができる。

    いくつかの状況下では、リボザイムの酵素的性質は他の技術、例えばアンチセンス技術(アンチセンス技術では、核酸分子は核酸標的に単に結合してその転写、翻訳または別の分子との結合を妨げるだけである)に比べて有利であろう。 なぜならば、治療達成に必要なリボザイムの有効濃度はアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれよりも低いからである。 この潜在的な利点はリボザイムの酵素として機能する能力の結果である。 したがって、ただ1つのリボザイム分子が多くの標的RNA分子を切断することができる。 さらにまた、リボザイムは典型的には特異性が高い阻害剤であり、阻害の特異性は塩基対形成による結合メカニズムだけでなく、リボザイムが結合するRNAの発現を前記リボザイム分子が阻害するメカニズムにも依存している。 すなわち、前記阻害はRNA標的の切断によって生じ、したがって特異性は非標的RNAの切断速度に対する標的RNAの切断速度の比と定義される。 この切断メカニズムは塩基対形成に必要とされる要因にさらに付け加えられる要因に依存する。 したがって、リボザイム作用の特異性は、同じRNA部位に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド結合の特異性よりも高いであろう。

    酵素リボザイムRNA分子は、ハンマーヘッドモチーフとして生成することができるが、さらには、ヘアピン、肝炎デルタウイルス、グループIイントロン、または(RNAガイド配列と結合した)RNaseP様RNAのモチーフとして生成することもできる。 そのようなハンマーヘッドモチーフの例はRossi(Aids Research and Human Retroviruses 8:183 (1992))によって、ヘアピンモチーフの例はHampel(Biochmistry 28:4929 (1989)およびNuc. Acids Res. 18:299 (1992))によって、肝炎デルタウイルスモチーフの例はPerrotta(Biochemistry 31:16 (1992))によって、RNasePモチーフの例はGuerrier-Takada(Cell 35:849 (1983))によって、さらにグループIイントロンの例はCech(US Pat. No. 4,987,071)によって記載されている。 前記の特定のモチーフの記載は前記に限定することを意図したものではない:当業者は、本発明の酵素RNA分子は、標的遺伝子のRNA領域の1つまたは2つ以上と相補的な固有の基質結合部位を有し、かつ、その基質結合部位内またはその周辺に前記リボザイム分子にRNA切断活性を付与するヌクレオチド配列を有していることを理解していよう。

    RNA干渉(RNAi) :ある特徴では本発明は、本発明のヒドロラーゼ配列を含むRNA阻害分子、いわゆる“RNAi”分子を提供する。 RNAi分子は二本鎖RNA(dsRNA)分子を含む。 RNAiはヒドロラーゼ遺伝子の発現を阻害することができる。 ある特徴では、RNAiは、長さが約15、16、17、18、19、20、21、2、23、24、25またはそれ以上の二重鎖ヌクレオチドである。 本発明はいずれの特定の作用メカニズムにも限定されないが、RNAiは細胞内に入り、類似または同一の配列を有する一本鎖RNA(ssRNA)(内因性mRNAを含む)の分解を引き起こす。 細胞が二本鎖RNA(dsRNA)に暴露されるとき、相同な遺伝子に由来するmRNAは、RNA干渉(RNAi)と称されるプロセスによって選択的に分解される。 RNAiの背後にある可能な基本的メカニズムは、特定の遺伝子配列と一致する二本鎖RNA(dsRNA)の短い破片(短小干渉性RNAと称される)への分解である。 前記短小干渉性RNAは、その配列と一致するmRNAの分解の引き金となる。 ある特徴では、本発明の前記RNAiは遺伝子サイレンシング療法で用いられる(例えば以下を参照されたい:Shuey (2002) Drug Discov. Today 7:1040-1046)。 ある特徴では、本発明は、本発明のRNAiを用いて選択的にRNAを分解する方法を提供する。 前記方法はin vitro、ex vivoまたはin vivoで実施することができる。 ある特徴では、本発明のRNAi分子を用いて細胞、器官または動物の機能消失変異を作出することができる。 選択的にRNAを分解するためにRNAi分子を製造および使用する方法は当業界ではよく知られている。 例えば以下を参照されたい:米国特許第6,506,559号、第6,511,824号、第6,515,109号および第6,489,127号。

    核酸の改変
    本発明は、本発明の核酸(例えば本発明のヒドロラーゼまたは抗体をコードする核酸)の変種を作出する方法を提供する。 前記方法は反復するか、または多様な組み合わせで使用して、鋳型核酸によってコードされたヒドロラーゼまたは抗体のそれとは変異したもしくは異なる活性または変異したもしくは異なる安定性をもつヒドロラーゼまたは抗体を作出することができる。 前記方法はまた反復するか、または多様な組み合わせで用いて、例えば遺伝子/メッセージ発現、メッセージ翻訳またはメッセージ安定性における変種を作出することができる。 別の特徴では、細胞の遺伝的構成は、例えば相同遺伝子のex vivo改変とそれに続く前記遺伝子の細胞への再挿入により改変される。
    本発明の核酸は任意の手段、例えばランダムもしくは確率的な方法、または非確率的方法、または“定方向進化”方法によって改変できる(例えば米国特許6,361,974号を参照されたい)。 遺伝子のランダム変異導入の方法は当業界でよく知られている(例えば以下を参照されたい:US Pat. No. 5,830,696)。 例えば変異原を用いて遺伝子をランダムに変異させることができる。 変異原には、例えば紫外線またはガンマ線照射、または化学的変異原、例えばマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレンが含まれ、単独または併用して組換えによって修復されやすいDNA破壊を誘導する。 他の化学的変異原には、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンまたはギ酸が含まれる。 その他の変異原は、ヌクレオチド前駆体の類似物質、例えばニトロソグアニジン、5-ブロモウラシル、2-アミノプリンまたはアクリジンである。 これらの薬剤はPCR反応にヌクレオチド前駆体の代わりに添加され、それによって前記配列を変異させることができる。 インターカレーション薬剤(例えばプロフラビン、アクリフラビン、キナクリンなど)もまた用いることができる。

    分子生物学の任意の技術、例えばランダムPCR変異導入(例えば以下を参照されたい:Rice (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5467-5471)またはコンビナトリアルマルチカセット変異導入(combinatorial multiple cassette mutagenesis)(例えば以下を参照されたい:Crameri (1995) Biotechniques 18:194-196)を用いることができる。 また別には、核酸(例えば遺伝子)をランダムにまたは“確率的に”断片化した後で再アッセンブリングすることもできる(例えば以下を参照されたい:米国特許第6,291,242号; 同6,287,862号; 同6,287,861号; 同5,955,358号; 同5,830,721号; 同5,824,514号; 同5,811,238号; 同5,605,793号)。 また別の特徴では、改変、付加または欠失が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、位置特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)、組換え、反復配列組換え、ホスホチオエート改変DNAによる変異導入、ウラシル含有鋳型による変異導入、ギャップ含有デュープレックスによる変異導入、点ミスマッチ修復による変異導入、修復欠損宿主株による変異導入、化学的変異導入、放射源による変異導入、欠失による変異導入、制限-選別変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマーの生成および/またはそれらの組み合わせ並びに他の方法によって導入される。

    以下の文献は、本発明の方法に取り入れることができる多様な反復組換え手順および/または方法を記載している:Stemmer (1999) "Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties", Tiumor Tageting 4:1-4; Ness (1999) NatureBiotechnology 17:893-896; Chang (1999) "Evolution of a cytokine using DNA family shuffling", Nature Biotechnology 17:793-797; Minshull (1999) "Protein evolution by molecular breeding", Current Opinion in Chemical Biology 3:284-290; Christians (1999) "Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling", Nature Biotechnology 17:259-264; Crameri (1998) "DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution", Nature 391:288-291; Crameri (1997) "Molecular evolution of an arsenate dtoxification pathway by DNA shuffling", Nature Biotechnology 15:436-438; Zhang (1997) "Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screenig", Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4504-4509; Patten et al. (1997) "Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines”, Current Opinion in Biotechnology 8:724-733; Crameri et al. (1996) "Construction and evolution of antibody-phage libraries by DNA shuffling", Nature Medicine 2:100-103; Crameri et al. (1996) "Improved green fluorescent protein by molecular evolution using DNA shuffling”, Nature Biotechnology 14:315-319; Gates et al. (1996) "Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor `headpiece dimer`" Journal of Molecular Biology 255:373-386; Stemmer (1996) "Sexual PCR and Assembly PCR" In: The Encyclopedia of Molecular Biology. VCH Publishers, New York. pp.447-457; Crameri and Stemmer (1995) "Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes" BioTechniques 18:194-195; Stemmer et al. (1995) "Single-step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides" Gene, 164:49-53; Stemmer (1995) "The Evolution of Molecular Computation" Science 270: 1510; Stemmer (1995) "Searching Sequence Space" Bio/Technology 13:549-553; Stemmer (1994) "Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling" Nature 370:389-391; およびStemmer (1994) "DNA shuffling by random fragmentation and reassembly: In vitro recombination for molecular evolution." Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。

    多様性を作出する変異導入方法には例えば以下が含まれる:位置特異的変異導入(Ling et al. (1997) "Approaches to DNA mutagenesis: an overview" Anal Biochem. 254(2): 157-178; Dale et al. (1996) "Oligonucleotide-directed random mutagenesis using the phosphorothioate method" Methods Mol. Biol. 57:369-374; Smith (1985) "In vitro mutagenesis" Ann. Rev. Genet. 19:423-462; Botstein & Shortle (1985) "Strategies and applications of in vitro mutagenesis" Science 229:1193-1201; Carter (1986) "Site-directed mutagenesis" Biochem. J. 237:1-7; および Kunkel (1987) "The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis" in Nucleic Acids & Molecular Biology (Eckstein, F. and Lilley, DMJ eds., Springer Verlag, Berlin));ウラシル含有鋳型を用いる変異導入 (Kunkel (1985) "Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection" Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkel et al. (1987) "Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection" Methods in Enzymol. 154, 367-382;およびBass et al. (1988) "Mutant Trp repressors with new DNA-binding specificities" Science 242:240-245);オリゴヌクレオチド誘導変異導入(Methods in Enzymol. 100: 468-500 (1983); Methods in Enzymol. 154: 329-350 (1987); Zoller & Smith (1982) "Oligonucleotide-directed mutagenesis using M13-derived vectors: an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment" Nucleic Acids Res. 10:6487-6500; Zoller & Smith (1983) "Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors" Methods in Enzymol. 100:468-500; および Zoller & Smith (1987) "Oligonucleotide-directed mutagenesis: a simple method using two oligonucleotide primers and a single-stranded DNA template" Methods in Enzymol. 154:329-350);ホスホロチオエート改変DNA変異導入(Taylor et al. (1985) "The use of phosphorothioate-modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA" Nucl. Acids Res. 13: 8749-8764; Taylor et al. (1985) "The rapid generation of oligonucleotide-directed mutations at high frequency using phosphorothioate-modified DNA" Nucl. Acids Res. 13: 8765-8787 (1985); Nakamaye (1986) "Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide-directed mutagenesis" Nucl. Acids Res. 14: 9679-9698; Sayers et al. (1988) "YT Exonucleases in phosphorothioate-based oligonucleotide-directed mutagenesis" Nucl. Acids Res. 16:791-802;およびSayers et al. (1988) "Strand specific cleavage of phosphorothioate-containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide" Nucl. Acids Res. 16: 803-814);ギャップをもつ二重鎖DNAを用いる変異導入(Kramer et al. (1984) "The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction" Nucl. Acids Res. 12: 9441-9456; Kramer & Fritz (1987) Methods in Enzymol. "Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA" 154:350-367; Kramer et al. (1988) "Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed construction of mutations" Nucl. Acids Res. 16: 7207; およびFritz et al. (1988) "Oligonucleotide-directed construction of mutations: a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro" Nucl. Acids Res. 16: 6987-6999)。

    本発明の方法で用いられるさらに別のプロトコルには以下が含まれる:点ミスマッチ修復(Kramer (1984) "Point Mismatch Repair" Cell 38:879-887)、修復欠損宿主株を用いる変異導入(Carter et al. (1985) "Improved oligonucleotide site-directed mutagenesis using M13 vectors" Nucl. Acids Res. 13: 4431-4443; and Carter (1987) "Improved oligonucleotide-directed mutagenesis using M13 vectors" Methods in Enzymol. 154: 382-403)、欠失変異導入(Eghtedarzadeh (1986) "Use of oligonucleotides to generate large deletions" Nucl. Acids Res. 14: 5115), restriction-selection and restriction-selection and restriction-purification (Wells et al. (1986) "Importance of hydrogen-bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin" Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 317: 415-423)、全遺伝子合成による変異導入(Nambiar et al. (1984) "Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein" Science 223: 1299-1301; Sakamar and Khorana (1988) "Total synthesis and expression of a gene for the a-subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide-binding protein (transducin)" Nucl. Acids Res. 14: 6361-6372; Wells et al. (1985) "Cassette mutagenesis: an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites" Gene 34:315-323;およびGrundstrom et al. (1985) "Oligonucleotide-directed mutagenesis by microscale `shot-gun` gene synthesis" Nucl. Acids Res. 13: 3305-3316)、二本鎖開裂修復(Mandecki (1986); Arnold (1993) "Protein engineering for unusual environments" Current Opinion in Biotechnology 4:450-455. "Oligonucleotide-directed double-strand break repair in plasmids of Escherichia coli: a method for site-specific mutagenesis" Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:7177-7181)。 上記の方法の更なる詳細は” Enzymology”(Volume 154)で見出すことができる。 前記はまた種々の変異導入方法に関する問題を解決するための有用な管理について記載されている。

    本発明の方法で用いられるさらに別のプロトコルには、例えば以下に記載されているものが含まれる:US Pat. No. 5,605,793(Stemmer, Feb. 25, 1997, "Methods for In Vitro Recombination);US Pat. No. 5,811,238 (Stemmer et al.,Sep. 22, 1998, "Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination");US Pat. No. 5,830,721(Stemmer et al., Nov. 3, 1998, "DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");US Pat. No. 5,834,252(Stemmer, et al., Nov. 10, 1998, "End-Complementary Polymerase Reaction");US Pat. No. 5,837,458(Minshull, et al., Nov. 17, 1998, "Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering");WO 95/22625(Stemmer and Crameri, "Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");WO 96/33207(Stemmer and Lipschutz, "End Complementary Polymerase Chain Reaction");WO 97/20078(Stemmer and Crameri, "Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination");WO 97/35966(Minshull and Stemmer, "Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering");WO 99/41402(Punnonen et al. "Targeting of Genetic Vaccine Vectors");WO 99/41383(Punnonen et al. "Antigen Library Immunization");WO 99/41369(Punnonen et al. "Genetic Vaccine Vector Engineering"); WO 99/41368(Punnonen et al. "Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines");EP 752008(Stemmer and Crameri, "DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");EP 0932670(Stemmer "Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination");WO 99/23107(Stemmer et al., "Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling");WO 99/21979(Apt et al., "Human Papillomavirus Vectors");WO 98/31837(del Cardayre et al. "Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination");WO 98/27230(Patten and Stemmer, "Methods and Compositions for Polypeptide Engineering");WO 98/27230(Stemmer et al., "Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection");WO 00/00632, "Methods for Generating Highly Diverse Libraries";WO 00/09679, "Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences";WO 98/42832(Arnold et al., "Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers");WO 99/29902(Arnold et al., "Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences");WO 98/41653(Vind, "An in Vitro Method for Construction of a DNA Library");WO 98/41622(Borchert et al., "Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling");およびWO 98/42727(Pati and Zarling, "Sequence Alterations using Homologous Recombination")

    本発明の実施に用いることができるプロトコル(種々の多様性を作出する方法に関する詳細を提供する)は例えば以下に記載されている:"SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES"(Patten et al.,1999年9月28日出願、US Ser. No. 09/407,800);"EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION"(del Cardayre et al., 米国特許6,379,964号);"OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION"(Crameri et al., 米国特許6,319,714号; 6,368,861号; 6,376,246号; 6,423,542号; 6,426,224号およびPCT/US00/01203;"USE OF CODON-VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING"(Welch et al., 米国特許6,436,675号);"METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS"(Selifonov et al., 2000年1月18日出願、PCT/US00/01202) および、例えば "METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS"(Selifonov et al., 2000年7月18日出願、US Ser. No. 09/618,579);"METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS"(Selifonov and Stemmer, 2000年1月18日出願PCT/US00/01138);および "SINGLE-STRANDED NUCLEIC ACID TEMPLATE-MEDIATED RECOMBINATION AND NUCLEIC ACID FRAGMENT ISOLATION"(Affholter, 2000年9月6日出願、US Ser. No. 09/656,549);および米国特許6,177,263号;同6,153,410号。
    非確率的、または“定方向進化”方法(例えば“飽和変異導入”(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)またはそれらの組み合わせを含む)を用いて本発明の核酸を改変し、新規なまたは変異した特性(例えば強酸または強アルカリ条件下、高温条件下などでの活性)を有するヒドロラーゼが作出される。 改変された核酸によってコードされるポリペプチドは、タンパク分解活性または他の活性について試験する前に活性についてスクリーニングすることができる。 任意の試験様式またはプロトコルを用いることができる。 例えばキャピラリーアレイ台を用いることができる。 例えば米国特許第6,361,974号、同6,280,926号、同5,939,250号を参照されたい。

    飽和変異導入(またはGSSM) :本発明のある特徴では、非確率的遺伝子改変である“定方向進化プロセス”を用いて、新規なまたは変更した特性を有するヒドロラーゼが作出される。 この方法の変型は、“遺伝子部位飽和変異導入”、“部位飽和変異導入”、“飽和変異導入”または簡潔に“GSSM”と称されている。 この方法は他の変異導入法と組み合わせて使用し得る。 例えば米国特許第6,171,820号;第6,238,884号を参照されたい。 ある特徴では、GSSMは、鋳型ポリヌクレオチドおよび複数のオリゴヌクレオチドを提供し(各オリゴヌクレオチドは前記鋳型ポリヌクレオチドと相同な配列を含む)、それによって鋳型ポリヌクレオチドの特異的配列および相同遺伝子の変種である配列をターゲッティングする工程;前記オリゴヌクレオチドで鋳前記型ポリヌクレオチドを複製して非確率的配列変種を含む子孫ポリヌクレオチドを作出し、それによって相同な遺伝子配列変種を含むポリヌクレオチドを作出する工程を含む。

    ある特徴では、縮退N,N,G/T配列を含むコドンプライマーを用いてポリヌクレオチドに点変異が導入され、子孫ポリペプチドセットが作出される。 子孫ポリペプチドセットでは、例えば改変の標的となる酵素活性部位またはリガンド結合部位の各アミノ酸の位置で単一のアミノ酸置換の全てが出現する。 これらのオリゴヌクレオチドは、連続する第一の相同配列、縮退N,N,G/T配列および場合によって第二の相同な配列を含むことができる。 そのようなオリゴヌクレオチドを使用することによって得られる下流の子孫翻訳生成物には、N,N,G/T配列の縮退は20の全てのアミノ酸のためのコドンを含むので前記ポリペプチドに沿って各アミノ酸の位置で可能な全てのアミノ酸変化が含まれる。 ある特徴では、1つのそのような縮退オリゴヌクレオチド(例えば1つに縮退N,N,G/Tカセットを含む)が、親のポリヌクレオチド鋳型中の本来のコドンの各々を全範囲のコドン置換に付すために用いられる。 また別の特徴では、親のポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの本来のコドンを全範囲のコドン置換に付すために少なくとも2つの縮退カセットが(同じヌクレオチドまたは別個のヌクレオチドで)用いられる。 例えば2つ以上のN,N,G/T配列を1つのオリゴヌクレオチド内に含ませ、2つ以上の部位でアミノ酸置換を導入することができる。 この複数のN,N,G/T配列は連続していてもよいし、または1つもしくは2つ以上のさらに別のヌクレオチド配列によって分離されていてもよい。 別の特徴では、付加および欠失の導入に役立つオリゴヌクレオチドは単独またはN,N,G/T配列を含むコドンとともに用いて、アミノ酸付加、欠失および/または置換の任意の組み合わせまたは並べ換えが導入される。

    ある特徴では、2つまたは3つ以上の連続するアミノ酸位置の同時変異は、連続するN,N,G/Tトリプレット(すなわち縮退(N,N,G/T) n配列)を含むオリゴヌクレオチドを用いて実施される。 別の特徴では、N,N,G/T配列よりも縮退性の小さい縮退カセットが用いられる。 例えば、いくつかの事例では、ただ1つのN(Nは前記トリプレットの第一、第二または第三番目の位置に存在できる)を含む縮退トリプレット配列を(オリゴヌクレオチドで)用いることができる。 任意の組み合わせおよび並べ換えを含む他のいずれの塩基もトリプレットの残りの2つの位置で用いることができる。 また別にはいくつかの事例で縮退N,N,N,トリプレット配列を(例えばオリゴヌクレオチドで)用いることができる。
    ある特徴では、縮退トリプレット(例えばN,N,G/Tトリプレット)の使用によって、ポリペプチドのそれぞれ全てのアミノ酸の位置について天然アミノ酸の全範囲の(合計20アミノ酸)系統的で容易な作出が可能になる(別の特徴では、前記方法はまた、各アミノ酸残基、コドン、位置の可能な全ての置換よりも少ない置換の作出も含む)。 例えば、100アミノ酸のポリペプチドの場合、2000個の別個の種(すなわち各位置につき20個の可能なアミノ酸x100個のアミノ酸位置)が作出される。 縮退N,N,G/Tトリプレットを含むオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドセットを使用することによって、32個の個々の配列が20個の可能な天然のアミノ酸を全てコードすることができる。 したがって、親のポリヌクレオチド配列が少なくとも1つの前記のようなオリゴヌクレオチドを用いて飽和変異導入に付される反応容器では、20個の別個のポリペプチドをコードする32個のそれぞれ別個の子孫ポリヌクレオチドが生成される。 対照的に、位置特異的変異導入では非縮退オリゴヌクレオチドを使用したとき、各反応容器につきただ1つの子孫ポリペプチド生成物が生じるだけである。 非縮退オリゴヌクレオチドは場合によって開示の縮退プライマーとともに用いることができる。 例えば、非縮退オリゴヌクレオチドを用いて対象のポリヌクレオチドで特定の点変異を作出することができる。 前記は、特定のサイレント点変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点変異、並びに終止コドンおよびポリペプチド断片の対応する発現を生じさせる点変異を作出する1つの手段を提供する。

    ある特徴では、各飽和変異導入反応容器は、親のポリヌクレオチドで変異を導入されたコドンの位置に一致する個々のアミノ酸位置において20個全ての天然アミノ酸が出現することができるように、少なくとも20の子孫ポリペプチド(例えばヒドロラーゼ、例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)分子をコードするポリヌクレオチドを含む(他の特徴では20個未満の天然の組み合わせが用いられる)。 各飽和変異導入反応容器から作出される32倍の縮退子孫ポリペプチドをクローン増幅に付し(例えば適切な宿主(例えば大腸菌宿主)に例えば発現ベクターを用いてクローニングする)、さらに発現スクリーニングに付すことができる。 スクリーニングにより好ましい特性の変化を提示させることによって個々の子孫ポリペプチドが特定されたならば(例えば親のポリペプチドと比較したときアルカリ性または酸性条件下でタンパク分解活性が増加する)、子孫ポリペプチドを配列決定し、その中に含まれる対応する好ましいアミノ酸置換を同定することができる。

    ある特徴では、本明細書に開示したように、親のポリペプチドのそれぞれ全てのアミノ酸位置を飽和変異導入を用いて変異を導入するとき、好ましいアミノ酸変化が2つ以上のアミノ酸位置で特定されることがある。 これら好ましいアミノ酸置換の全てまたは一部分の組み合わせを含む1つまたは2つ以上の新規な子孫分子を作出することができる。 例えば、2つの具体的な好ましいアミノ酸変化が、ポリペプチドの3つのアミノ酸位置の各々で特定されるならば、前記の変更は各位置および3つの位置で3つの可能性を含む(最初のアミノ酸から変化のないものおよび2つの好ましい変化をもつそれぞれのもの)。 したがって、3x3x3、または合計27の可能性が存在し、前記は以前に調べられた7つ− 6つの単一点変異(すなわち3つの位置の各々で2つ)およびいずれの位置においても変化のないもの −を含む。
    別の特徴では、位置飽和変異導入をまた別の確率的または非確率的手段と一緒に用いて配列を変化させることができる。 前記別の手段は、例えば合成連結再アッセンブリ(下記参照)、シャッフリング、キメラ化、組換えおよび他の変異導入プロセスおよび変異導入剤である。 本発明は任意の変異導入プロセスの使用を提供する。 前記には反復態様で用いられる飽和変異導入が含まれる。

    合成連結再アッセンブリ(SLR) :本発明は、“合成連結再アッセンブリ”、または簡潔に“SLR”、“定方向進化プロセス”と称される、新規なまたは変異した特性を有するヒドロラーゼおよび抗体を作出する非確率的遺伝子改変系を提供する。 SLRは、オリゴヌクレオチド断片を非確率的に一緒に連結する方法である。 この方法は、核酸構築ブロックがランダムにシャッフルされず、連結されず、またはキメラ化されず、むしろ非確率的にアッセンブリングされるという点で確率的オリゴヌクレオチドシャッフリングとは異なる。 例えば以下を参照されたい:米国特許出願(USSN)09/332,835(”Synthetic Ligation Reassembly in Directed Evolution”)(1999年6月14日出願)。 ある特徴では、SLRは以下の工程を含む:(a)鋳型ポリヌクレオチドを提供する工程(前記鋳型ポリヌクレオチドは相同な遺伝子をコードする配列を含む);(b)複数の構築ブロックポリヌクレオチドを提供する工程(前記構築ブロックポリヌクレオチドは鋳型ポリヌクレオチドとあらかじめ定められた配列で交差再アッセンブリングを生じるように考案され、構築ブロックポリヌクレオチドは前記相同な遺伝子の変種である配列および前記変種配列とフランキングする前記鋳型ポリヌクレオチドと相同な配列を含む);(c)前記構築ブロックポリヌクレオチドが前記鋳型ポリヌクレオチドと交差再アッセンブリングして相同な遺伝子配列変種を含むポリヌクレオチドを作出できるように、構築ブロックポリヌクレオチドを鋳型ポリヌクレオチドと一緒にする工程。

    SLRは、再アレンジメントを実施されるポリヌクレオチド間に高レベルの相同性が存在することを必要としない。 したがって、本方法は、10 100を超える種々のキメラを含む子孫分子のライブラリー(またはセット)を非確率的に作製するために用いることができる。 SLRを用いて10 1000を超える種々の子孫キメラを含むライブラリーの作製に用いることができる。 したがって、本発明の特徴は、設計により選択された全体的なアッセンブリの順番にしたがって完成されたキメラ核酸分子セットを製造する非確率的方法を提供する。 前記方法は以下を含む:互いに適合する連結可能な有用な末端を有する複数の特別な核酸構築ブロックを設計により作製し、考案した全体的なアッセンブリの順番が達成されるように前記核酸構築ブロックをアッセンブリングすること。

    アッセンブリングされる互いに適合する核酸構築ブロックの末端は、これらが前記構築ブロックをあらかじめ定めた順序で結合させることができるならば、このタイプの指定されたアッセンブリに対して“有用”であると考えられる。 したがって、前記核酸構築ブロックが結合される全体的なアッセンブリの順番は、連結させることができる末端の設計によって特定される。 2つ以上のアッセンブリ工程が用いられる場合、核酸構築ブロックが結合される全体的アッセンブリの順番は、前記アッセンブリ工程の一連の順番によって特定される。 ある特徴では、アニールされた構築片が酵素(例えばリガーゼ(例えばT4DNAリガーゼ))で処理され、前記構築片の共有結合が達成される。

    ある特徴では、オリゴヌクレオチド構築ブロックの設計は、祖先核酸配列鋳型セットを分析することによって得られる(祖先核酸配列は完成したキメラポリヌクレオチドの子孫セットを製造する基礎として機能する)。 したがって、これら親のオリゴヌクレオチド鋳型は、変異(例えばシャッフリングまたはキメラ化)を導入しようとする核酸構築ブロックの設計に役立つ配列情報源として機能する。 この方法のある特徴では、複数の親核酸鋳型の配列でアラインメントを実施して1つまたは2つ以上の境界点が選択される。 境界点は相同領域に位置し、1つまたは2つ以上のヌクレオチドを含むことができる。 これらの境界点は好ましくは少なくとも2つの祖先鋳型によって共有される。 それによって前記境界点は、親ポリヌクレオチドの再編成のために作製されるオリゴヌクレオチド構築ブロックの境界線を引くために用いることができる。 祖先分子で特定され選別される境界点は、完成キメラ子孫分子のアッセンブリにおける潜在的キメラ形成点として機能する。 境界点は、少なくとも2つの親ポリヌクレオチド配列によって共有される相同領域(少なくとも1つの相同なヌクレオチド塩基を含む)であろう。 また別には、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも半分によって共有される相同領域であるか、または親ポリヌクレオチド配列の少なくとも2/3によって共有される相同領域であろう。 さらに好ましくは、有用な境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも3/4によって共有される相同領域であるか、または前記は親ポリヌクレオチド配列のほぼ全てによって共有されるであろう。 ある特徴では、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の全部によって共有される相同領域である。
    ある特徴では、連結再アッセンブリプロセスは、子孫キメラポリヌクレオチドの網羅的ライブラリーを作製するために網羅的に実施される。 換言すれば、全ての可能な順番で組み合わされた核酸構築ブロックが、完成キメラ核酸分子セットに提示される。 同時に、別の実施態様では、各組み合わせにおけるアッセンブリの順番(すなわち完成したキメラ核酸の各々の配列の5'から3'方向における各構築ブロックのアッセンブリの順番)は上記に記載したように、設計によるもの(すなわち非確率的)である。 本発明の非確率的な性質のために、望ましくない副生成物の可能性が極めて低下している。

    別の特徴では、前記連結再アッセンブリ方法は系統的に実施される。 例えば、前記方法は、系統的に区分化された子孫分子のライブラリーを作製するために実施され、前記区分化ライブラリーは、系統的に(例えば1つずつ)スクリーニングすることができる。 換言すれば、本発明は、連続工程によるアッセンブリング反応の選択的および慎重な使用と併せて特定の核酸構築ブロックを選択的および慎重に使用することによって、特定の子孫生成物セットがいくつかの反応容器の各々で生成される設計ができるということを提供する。 これによって系統的な調査およびスクリーニング方法の実施が可能になる。 したがって、これらの方法は、潜在的に膨大な数の子孫分子をより小さなグループで系統的に調査することを可能にする。 特に祖先分子間で低レベルの相同性しか存在しないときに、高度に柔軟性を有し、しかも網羅的で系統的な態様でのキメラ化の実施を可能にするその能力のために、これらの方法は膨大な数の子孫分子を含むライブラリー(またはセット)の作出を提供する。 本発明の連結再アッセンブリの非確率的性質のために、作出される子孫分子は好ましくは、設計により選択された全体的なアッセンブリの順番を有する完成されたキメラ核酸分子のライブラリーを含む。 飽和変異導入および最適化された定方向進化方法もまた種々の子孫分子種の作出に用いることができる。 本発明は、境界点、核酸構築ブロックのサイズおよび数並びに結合の設計の選択に関して選択と制御の自由を提供することは理解されよう。 さらにまた、分子間相同性の要求は、本発明を実施し易くするために大きく緩和されることもまた理解されよう。 実際、境界点はほとんどまたはまったく分子間相同性がない領域でも選択できる。 例えば、コドンの揺らぎのために(すなわちコドンの縮退性のために)、ヌクレオチド置換は、対応する祖先鋳型で本来コードされるアミノ酸を変更することなく核酸中に導入することができる。 また別には、コドンを変更して本来のアミノ酸のコードを変更してもよい。 本発明は、分子間相同性を有する境界点の出現傾向を高めるために、したがって構築ブロック間で達成される結合数を高めるために(前記はそれぞれ生成される子孫キメラ分子数の増加を可能にする)、前記のような置換の核酸構築ブロックへの導入を提供する。

    また別の特徴では、構築ブロックが作製される工程の合成的な性質によって、in vitroプロセス(例えば変異導入により)またはin vivoプロセス(例えば宿主生物の遺伝子スプライシング能を利用することにより)で場合によって後で除去することが可能なヌクレオチド(例えば1つまたは2つ以上のヌクレオチドで、例えばコドンまたはイントロンまたは調節配列であろう)を設計または導入することが可能になる。 多くの事例で、有用な境界点を創出できるという潜在的な利点の他に多くの他の理由からこれらヌクレオチドの導入はまた所望されるであろうということは理解されよう。
    ある特徴では、核酸構築ブロックを用いてイントロンを導入することができる。 したがって、機能的なイントロンが本明細書に記載された方法にしたがって製造された人工遺伝子に導入される。 前記人工的に導入されたイントロンは、天然に存在するイントロンが遺伝子スプライシングで機能を発揮する態様とほぼ同じように遺伝子スプライシングのために宿主細胞で機能することができる。

    最適化定方向進化系 :本発明は、新規なまたは変異した特性をもつポリペプチド、例えば本発明のヒドロラーゼおよび抗体を作出するために、“最適化定方向進化系”と称される非確率的遺伝子改変系を提供する。 最適化定方向進化は、組換えによる核酸の定方向分子進化を可能にする、還元的再組み合わせ(reductive reassotment)、組換えおよび選別の反復サイクルを用いることを意図する。 最適化定方向進化は進化したキメラ配列の大集団の作出を可能にし、前記作出集団には予め定められた数の交差事象を含む配列がきわめて豊富に存在する。
    交差事象はキメラ配列内の点であり、前記点で一方の親の変種から別の親の変種へ配列のシフトが生じる。 そのような点は通常は2つの親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結され、単一の配列を形成する結合部に存在する。 本方法は、最終的なキメラ配列集団が選択した数の交差事象を豊富に含むことができるようにオリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の計算を可能にする。 これによって、予め定められた数の交差事象を含むキメラ変種の選択に対してより大きな制御が提供される。

    さらにまた、本方法は、他の系と比較して膨大な量の可能なタンパク質変種スペースの探索のための簡便な手段を提供する。 以前には、反応中に例えば10 13個のキメラ分子が作出された場合、そのような膨大な数の変種の特定の活性についてテストすることは極めて困難だったであろう。 さらにまた、子孫集団の顕著な部分が、特定の活性のレベルが増加している可能性が少ないタンパク質を生じる非常に大きな数の交差事象を含むであろう。 前記の方法を用いることによって、キメラ分子集団は特定の数の交差事象を含む変種を豊富に含むことができる。 したがって、反応中になお10 13個のキメラ分子しか作出できなくても、更なる分析のために選別される分子の各々は、例えば3つの交差事象だけを含む可能性が高くなる。 生成された子孫集団が予め定めた数の交差事象を持つように偏らせることができるので、キメラ分子間の機能的変種に対する境界線が減少する。 これによって、最初の親のポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の属性に影響を及ぼすために必要かを計算するときにより操作しやすい数の変数が提供される。

    キメラ子孫ポリヌクレオチドを作製する1つの方法は、それぞれの親の配列の断片または部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。 各オリゴヌクレオチドは好ましくは固有のオーバーラップ領域を含み、その結果、前記オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによって、各オリゴヌクレオチド断片が正しい順番でアッセンブリングされた新規な変種が生成される。 更なる情報は、例えばUSSN09/332,835;米国特許6,361,974号で見出すことができよう。
    各親変種ために作出されるオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作製されるキメラ分子で生じる交差の総数と関係がある。 例えば、3つの親のヌクレオチド配列変種が提供され、連結反応を経て高温でより高い活性をもつキメラ変種を見つけることができるであろう。 1つの例として、50個のオリゴヌクレオチド配列を含むセットを各親変種のそれぞれの部分に対応して作製することができる。
    したがって、連結アッセンブリプロセスの間に、キメラ配列の各々の中に50個までの交差事象が存在することができよう。 作出されたキメラポリヌクレオチドの各々が交互に各親変種由来のオリゴヌクレオチドを含む確率は非常に低い。 各オリゴヌクレオチド断片が連結反応で同じモル濃度で存在するならば、いくつかの位置で同じ親に由来するオリゴヌクレオチドが互いに並んで連結され、したがって交差事象を生じない可能性がある。 各親に由来する各オリゴヌクレオチドの濃度がこの例のいずれの連結工程でも一定に保たれるならば、同じ親変種に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で連結され、交差を生じないチャンスは1/3(3つの親と仮定した)である。

    したがって、親変種セットの数、各変種に対応するオリゴヌクレオチドの数、および連結反応の各工程における各変種の濃度が与えられたならば、確率濃度関数(probability density function (PDF))を決定して連結反応の各工程で生じる可能性がある交差事象をもつ集団を予測することができる。 PDFの決定の根拠となる統計学および数学は以下に記載される。 これらの方法を用いることによって、前記の確率濃度関数を決定することができ、したがって個々の連結反応から生じる予め定めた数の交差事象のためにキメラ子孫集団の濃度を高めることができる。 さらにまた、交差事象の標的数は予め定めることができ、続いて、予め定めた交差事象数に集中する確率濃度関数をもたらす連結反応の各工程における各親オリゴヌクレオチドの出発量を算出するために前記系をプログラミングすることができる。 これらの方法は、組換えによりポリペプチドをコードする核酸の誘導分子進化を可能にする還元的再組み合わせ、組換えおよび選別の反復サイクルを用いることを意図する。 前記の系は進化したキメラ配列の大集団の作製を可能にし、前記作製された集団は、予め定めた数の交差事象を含む配列が顕著に濃縮されている。 交差事象は、一方の親変種からもう一方の親変種へ配列のシフトが生じるキメラ配列中の点である。 そのような点は通常は2つの親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結され、単一の配列を形成する結合部に存在する。 前記方法は、最終的なキメラ配列集団が選択した数の交差事象に富むことができるようにオリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の計算を可能にする。 これによって、予め定めた数の交差事象を含むキメラ変種の選択に対してより大きな制御が提供される。

    交差事象の決定 :本発明の特徴は、所望の交差事象の確立濃度関数(PDF)、再アッセンブリングされる親遺伝子の数および再アッセンブリでの断片数を入力として受け取るシステムおよびソフトを含む。 このプログラムの出力は、再アッセンブリングされた遺伝子を製造するためのレシピを決定するために用いることができる“断片PDF”およびこれら遺伝子の概算交差PDFである。 本明細書に記載されるプロセッシングは好ましくは、MATLAB(登録商標)(The Mathworks, Natick, Massachusetts)、プログラミング言語およびテクニカルコンピューティングのための発展環境で実施される。

    反復プロセス :本発明の実施に際して、これらのプロセスは何度も繰り返すことができる。 例えば、変異したまたは新規なヒドロラーゼまたは抗体の表現型をもたらすある核酸(または所定の核酸)は特定、再単離、再改変され、さらに活性について再試験される。 このプロセスは、所望の表現型が作出されるまで何度も繰り返すことができる。 例えば、完全な生化学的同化作用または異化作用経路(タンパク質分解活性を含む)を細胞内に高度な操作により作出することができる。
    同様に、特定のオリゴヌクレオチドが所望の属性(例えば新規なヒドロラーゼ表現型)について全く影響を与えないと決定されたならば、前記オリゴヌクレオチドは可変物として除去することができ、それは除去される配列を含むより大きな親オリゴヌクレオチドを合成することによって達成される。 配列をより大きな配列内に取り込むことによって一切の交差事象が防止されるので、子孫ポリヌクレオチド中にはこの配列の変型はもはや全く存在しないであろう。 どのオリゴヌクレオチドが所望の属性と最も関係があり、どのオリゴヌクレオチドが無関係であるかを決定するこの反復実施は、特定の属性または活性を提供する可能性があるタンパク質の全てについてより効率的な探索を可能にする。

    in vivoシャッフリング :分子のin vivoシャッフリングは、本発明のポリペプチド(例えば抗体、ヒドロラーゼなど)の変種を提供する本発明の方法で使用される。 in vivoシャッフリングは、マルチマーを再結合させる細胞の天然の特性を利用して実施することができる。 in vivo組換えは分子の多様性をもたらす主要な天然の経路を提供してきたが、一方遺伝子組み換えは以下を含む比較的複雑なプロセスのままである:1)相同性の認識;2)鎖の切断、鎖の侵襲、および組換え交差の生成をもたらす代謝過程;および最後に3)別個の再結合分子へのキアズマの分離。 キアズマの形成は相同配列の認識を必要とする。
    ある特徴では、本発明は、少なくとも第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドからハイブリッドポリヌクレオチドを製造する方法を提供する。 本発明を用いてハイブリッドポリヌクレオチドを製造することができる。 前記は、部分的な配列相同性を少なくとも1つの領域で共有する少なくとも第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に導入することによって達成される。 部分的な配列相同性領域は、ハイブリッドポリヌクレオチドを生成する配列認識を生じるプロセスを促進する。 本明細書で用いられる“ハイブリッドポリヌクレオチド”という用語は、本発明の方法によりもたらされ、少なくとも2つの原型ポリヌクレオチド配列由来の配列を含む任意のヌクレオチド配列である。 そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列統合を促進する分子間組換え事象により生じる。 さらにまた、そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、連続工程の繰り返しによりDNA分子内のヌクレオチド配列を改変させる分子内還元的再組み合わせプロセスにより生成することができる。

    配列変種の生成 :本発明はまた、本発明の核酸およびヒドロラーゼおよび抗体の配列の変種を作製する方法、または、本発明の核酸およびポリペプチドを用いてヒドロラーゼを単離する方法を提供する。 ある特徴では、本発明は本発明のヒドロラーゼ遺伝子の変種を提供する。 前記変種は、任意の手段(例えばランダムもしくは確率的方法、または非確率的もしくは上記に記載した“定方向進化”方法を含む)によって変異させることができる。
    前記単離変種は天然に存在するものでもよい。 変種はまたin vitroで作出することもできる。 変種は遺伝子工学技術、例えば位置特異的変異導入、化学的ランダム変異導入、エキソヌクレアーゼIII欠失方法および標準的クローニング技術を用いて作出することができる。 また別には、そのような変種、断片、類似体または誘導体は化学的合成または改変方法を用いて作出することができる。 変種を作製する他の方法もまた当業者にはよく知られていよう。 前記には、天然の単離体から得られた核酸配列を改変して、それらの工業的価値または実験室利用を高める性状をもつポリペプチドをコードする核酸を生成する方法が含まれる。 そのような方法では、天然の単離体から得られた配列に対して1つまたは2つ以上のヌクレオチドの相違を有する多数の変種配列が作出され、性状が決定される。 これらのヌクレオチド相違は、天然の単離体の核酸によってコードされるポリペプチドに対してアミノ酸変化をもたらすことができる。

    例えば、変種は変異性PCRを用いて作製することができる。 変異性PCRでは、PCRは、DNAポリメラーゼの複写信頼性が低く、高率の点変異がPCR全長にわたって得られるような条件下で実施される。 変異性PCRは例えば以下に記載されている:DW Leung et al., Technique, 1:11-15 (1989); RC Caldwell & GF Joyce, PCR Methods Applic. 2:28-33 (1992)。 簡単に記せば、この方法では、変異を導入される核酸は、PCRプライマー、反応緩衝液、MgCl 2 、MnCl 2 、Taqポリメラーゼおよび適切な濃度のdNTPと混合され、PCR生成物の全長にわたって高率の点変異が達成される。 例えば、この反応は、20fmoleの変異を導入されるべき核酸、30pmoleの各PCRプライマー、反応緩衝液(50mMのKCL、10mMのトリス(pH8.3)および0.01%のゼラチンを含む)、7mMのMgCl 2 、0.5mMのMnCl 2 、5単位のTaqポリメラーゼ、0.2mMのdGTP、0.2mMのdATP、1mMのdCTPおよび1mMのdTTPを用いて実施される。 PCRでは、94℃1分、45℃1分および72℃1分の30サイクルが実施される。 しかしながら、これらのパラメーターは適宜変動させることができることは理解されよう。 変異核酸は適切なベクターでクローニングされ、前記変異核酸によってコードされたポリペプチドの活性が評価される。
    変種はまた、任意のクローニングされた問題のDNAで位置特異的変異を生じるオリゴヌクレオチド特異的変異導入を用いて作出することができる。 オリゴヌクレオチド変異導入は例えば以下に記載されている:Reidhaar-Olson (1988) Science 241:53-57。 簡単に記せば、前記の方法では、クローン化DNAに導入されるべき1つまたは2つ以上の変異をもつ複数の二本鎖オリゴヌクレオチドが合成され、変異を導入されるクローン化DNAに挿入される。 変異を導入されたDNAを含むクローンを回収し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。

    変種を作出するまた別の方法はアッセンブリPCRである。 アッセンブリPCRでは、小さなDNA断片混合物からPCR生成物をアッセンブリングすることが必要である。 多数の様々なPCR反応が同じバイアル中で生じ、1つの反応の生成物が別の反応の生成物をプライミングする。 アッセンブリPCRは例えば米国特許第5,965,408号に記載されている。
    変種を作出するまた別の方法はセクシュアルPCR変異導入である。 セクシュアルPCR変異導入では、配列相同性によるDNA分子のランダムな断片化とそれに続くPCR反応におけるプライマーの伸長による交差の固定の結果として、強制された相同組換えが、別個であるが相関性を有するDNA配列をもつDNA分子間でin vitroで生じる。 セクシュアルPCR変異導入は例えば以下に記載されている:Stemmer (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。 簡単に記せば、前記の方法では、組換えられるべき複数の核酸をDNaseで消化して平均サイズが50−200ヌクレオチドの断片を生成する。 所望の平均サイズをもつ断片を精製し、PCR混合物に再懸濁する。 PCRは、核酸断片間の組換えが促進される条件下で実施される。 PCRは、例えば以下によって実施できる:精製断片を10−30ng/μLの濃度で溶液(0.2Mの各dNTP、2.2mMのMgCl 2 、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸(pH9.0)および0.1%トリトンX-100)に再懸濁する。 100μLの反応混合物につき2.5単位のTaqポリメラーゼを添加し、PCRを以下の方式を用いて実施する:94℃60秒、94℃30秒、50−55℃30秒、72℃30秒(30−45回)および72℃で5分。 しかしながらこれらのパラメーターは適宜変動させることができることは理解されよう。 いくつかの特徴では、オリゴヌクレオチドをPCR反応に含ませることができる。 他の特徴では、DNAポリメラーゼIのクレノー断片をPCR反応の最初のセットで用い、Taqポリメラーゼをその後のPCR反応セットで用いることができる。 組換え配列を単離し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。

    変種はまたin vivo変異導入によって作出することができる。 いくつかの特徴では、細菌株(例えば大腸菌株)で問題の配列を増殖させることによって、問題の配列でランダム変異が作出される。 前記大腸菌株はDNA修復経路の1つまたは2つ以上に変異を含む。 そのような“ミューテーター”株は野生型の親よりも高いランダム変異率を有する。 これらの株の1つでDNAを増殖させることによって、最終的にはDNA内部にランダム変異が作出されるであろう。 in vivo変異導入に使用するために適したミューテーター株は例えばPCT公開広報WO91/16427に記載されている。
    変種はまたカセット変異導入を用いて作出される。 カセット変異導入では、二本鎖DNA分子の小さな領域が、天然の配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド“カセット”で置き換えられる。 前記オリゴヌクレオチドはしばしば完全におよび/または部分的に任意抽出された天然の配列を含む。
    再帰的アンサンブル変異導入もまた変種の作出に用いることができる。 再帰的アンサンブル変異導入は、表現型が関連性をもつ変異体の多様化集団(そのメンバーはアミノ酸配列が異なる)を作出するために開発されたタンパク質工学(タンパク質変異導入)のためのアルゴリズムである。 前記方法はフィードバックメカニズムを用いて、コンビナトリアルカセット変異導入(combinatorial cassette mutagenesis)の連続一巡工程を制御する。 再帰的アンサンブル変異導入は例えば以下に記載されている:Arkin (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815。

    いくつかの特徴では、変種はエクスポネンンシャルアンサンブル変異導入を用いて作出される。 エクスポネンンシャルアンサンブル変異導入は、高い割合の固有で機能的な変異体を含むコンビナトリアルライブラリーを作出するプロセスである。 前記変異導入では、残基の小グループが並行して任意抽出され、機能的タンパク質を生じるアミノ酸がそれぞれ変更された位置で特定される。 エクスポネンンシャルアンサンブル変異導入は例えば以下に記載されている:Delagrave (1993) Biotechnology Res. 11:1548-1552。 ランダムな変異導入および位置特異的変異導入は例えば以下に記載されている:Arnold (1993) Current Opinion in Biotechnology 4:450-455。
    いくつかの特徴では変種はシャッフリング方法によって作出される。 前記では、別個のポリペプチドをコードする複数の核酸の部分が融合され、例えば米国特許第5,965,408号、同第5,939,250号に記載されたようなキメラポリペプチドをコードするキメラ核酸配列が作出される。

    本発明はまた本発明のポリペプチドの変種を提供する。 前記変種では、(例えば本発明の例示的なポリペプチド(配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8など)の)1つまたは2つ以上のアミノ酸残基が保存または非保存アミノ酸残基(例えば保存アミノ酸残基)で置換されている配列を含み、さらにそのような置換アミノ酸残基は遺伝暗号によってコードされるものでも、そうでないものでもよい。 保存置換は、ポリペプチド内のあるアミノ酸が同様な特徴を持つ別のアミノ酸によって置換されるものである。 したがって、本発明のポリペプチドは本発明の配列(例えば本発明の例示的な配列(配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8など))の保存的置換を有するポリペプチドを含む。 前記置換は以下の置換を含む(ただしこれらに限定されない):脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン)の別の脂肪族アミノ酸による置換;セリンのスレオニンによる置換またはその逆;酸性残基(例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸)の別の酸性残基による置換;アミド基をもつ残基(例えばアスパラギンおよびグルタミン)の別のアミド基をもつ残基による置換;塩基性残基(例えばリジンおよびアルギニン)の別の塩基性残基による交換;および芳香族残基(例えばフェニルアラニン、チロシン)の別の芳香族残基による置換。 他の変種は、本発明のポリペプチドの1つまたは2つ以上のアミノ酸残基が置換基を含む変種である。

    本発明に包含される他の変種は、前記ポリペプチドが別の化合物、例えば前記ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えばポリエチレングリコール)と結合しているものである。 本発明に包含されるさらに別の変種は、例えばリーダー配列、分泌配列、プロプロテイン配列または前記ポリペプチドの精製、濃縮または安定化を促進する配列のような、さらなる別のアミノ酸が前記ポリペプチドに融合されているものである。 いくつかの特徴では、本発明のポリペプチドの変種、断片、誘導体および類似体は、例示的なポリペプチドと同じ生物学的機能または活性、例えば本明細書に記載されたようなプロテアーゼ活性を保持している。 他の特徴では、前記変種、断片、誘導体または類似体は、そのプロプロテイン部分の切断によって前記変種、断片、誘導体または類似体が活性化されて活性なポリペプチド生成することができるようにプロプロテインを含む。

    宿主細胞における高レベルのタンパク質発現を達成するためのコドンの最適化
    本発明は、コドン使用頻度を改変するためにヒドロラーゼコード核酸を改変する方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、ヒドロラーゼをコードする核酸のコドンを改変して宿主細胞(例えば細菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞または植物細胞)でのその発現を増加または減少させる方法を提供する。 本発明はまた、宿主細胞でのその発現を高めるために改変されたヒドロラーゼをコードする核酸、そのように改変されたヒドロラーゼおよび前記改変ヒドロラーゼ酵素を製造する方法を提供する。 本方法は、”非優先”または“低優先”コドンをヒドロラーゼコード核酸中で特定し、さらにこれら非優先もしくは低優先コドンの1つまたは2つ以上を、前記コドンと同じアミノ酸をコードする“優先コドン”で置き換え、核酸内の少なくとも1つの非優先または低優先コドンを同じアミノ酸をコードする好ましいコドンによって置き換えることを含む。 優先コドンとは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先または低優先コドンとは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度で提示されるコドンである。

    本発明の核酸、発現カセットおよびベクターの発現のための宿主細胞には細菌、酵母、真菌、植物細胞および哺乳動物細胞が含まれる。 したがって、本発明はこれら全ての細胞でコドン使用頻度を最適化する方法、コドン改変核酸およびコドン改変核酸によって生成されるポリペプチドを提供する。 典型的な宿主細胞には、グラム陰性細菌(例えば大腸菌);グラム陽性細菌(例えばあらゆるバチルス(Bacillus)(例えばバチルス・セレウス(B. cereus)または枯草菌(B. subtilis))またはストレプトミセス(Streptomyces)、ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトコッカス=ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris))が含まれる。 典型的な宿主細胞はまた真核生物、例えば種々の酵母、例えばサッカロミケス種(ビール酵母菌、シゾサッカロミケス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)およびクリベロミケス=ラクチス(Kluyveromyces lactis)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、アスペルギルス・ニゲルを含む)並びに哺乳動物細胞および細胞株、並びに昆虫細胞および細胞株を含む。 したがって、本発明はまた前記生物および種での発現のために最適化された核酸およびポリペプチドを含む。

    例えば、細菌細胞から単離されたヒドロラーゼをコードする核酸のコドンは、前記ヒドロラーゼが由来した細菌とは異なる細菌細胞、酵母、真菌、植物細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞で前記核酸が最適に発現できるように改変される。 コドンを最適化する方法は当業界においてよく知られており、例えば以下を参照されたい:US Pat. No. 5,795,737; Baca (2000) Int. J. Parasitol. 30:113-118; Hale (1998) Protein Expr. Purif. 12:185-188; Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253。 さらにまた以下を参照されたい:Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253(マウス系でのコドンの最適化を記載);Outchkourov (2002) Protein Expr. Purif. 24:18-24(酵母でのコドンの最適化を記載);Feng (2000) Biochemistry 39:15339-15409(大腸菌でのコドンの最適化を記載);Humphreys (2000) Protein Expr. Purif. 20:252-264(大腸菌での分泌に影響するコドン使用の最適化を記載)。

    非ヒトトランスジェニック動物
    本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド(例えば本発明のヒドロラーゼまたは抗体)、発現カセット、ベクター、トランスフェクションされたもしくは形質転換された細胞を含むヒト以外のトランスジェニック動物を提供する。 前記トランスジェニック動物は、例えばヤギ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、乳牛、ラットおよびマウスで、本発明の核酸を含む。 これらの動物は、例えばヒドロラーゼ活性を調べるin vivoモデルとして、またはin vivoでのヒドロラーゼ活性の調節物質をスクリーニングするモデルとして用いることができる。 ヒト以外のトランスジェニック動物で発現されるべきポリペプチドのコード配列は、構成的であるように、または組織特異的、発育特異的もしくは誘導性調節因子の制御下にあるように設計することができる。 ヒト以外のトランスジェニック動物は当業界で公知の任意の方法を用いて設計および作出することができる。 例えば以下を参照されたい:US Patent No. 6,211,428; 6,187,992; 6,156,952; 6,118,044; 6,111,166; 6,107,541; 5,959,171; 5,922,854; 5,892,070; 5,880,327; 5,891,698; 5,639,940; 5,573,933; 5,387,742; 5,087,571(前記は形質転換細胞および卵並びにトランスジェニックマウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタおよびウシの製造および使用について記載されている)。 さらにまた例えば以下を参照されたい:Pollock (1999) J. Immunol. Methods 231:147-157(トランスジェニック乳牛のミルクの組換えタンパク質の製造について記載);Baguisi (1999) Nat. Biotechnol. 17:456-461(トランスジェニックヤギの作製を示す)。 米国特許第6,211,428号は、DNA配列を含む核酸構築物をその脳で発現するヒト以外のトランスジェニック哺乳動物の製造および使用について記載している。 米国特許第5,387,742号は、クローン化組換えまたは合成DNA配列の受精マウス卵への注入、前記注入卵の偽妊娠雌への移植および、アルツハイマー病関連タンパク質をその細胞が発現するトランスジェニックマウスの妊娠期間満了までの発育について記載している。 米国特許第6,187,992号は、そのゲノムがアミロイド前駆体(APP)をコードする遺伝子の破壊を含むトランスジェニックマウスの製造および使用を記載している。
    “ノックアウト動物”もまた本発明の方法の実施に用いることができる。 例えば、ある特徴では、本発明のトランスジェニックまたは改変動物は“ノックアウト動物”、例えば内因性遺伝子を発現しないように操作された“ノックアウトマウス”を含む(前記内因性遺伝子は、本発明のヒドロラーゼまたは本発明のヒドロラーゼを含む融合タンパク質を発現する遺伝子で置き換えられている)。 上に記したように、機能的ノックアウトはまた、本発明のアンチセンス配列(例えば二本鎖RNAi分子)を用いて達成することができる。

    トランスジェニック植物および種子
    本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド(例えば本発明のヒドロラーゼまたは抗体)、発現カセットもしくはベクター、またはトランスフェクションもしくは形質転換された細胞を含むトランスジェニック植物および種子を提供する。 トランスジェニック植物は双子葉植物または単子葉植物であり得る。 本発明はまたトランスジェニック植物および種子の製造方法および使用方法を提供する。 本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物または植物細胞は当業界で公知の任意の方法にしたがって構築できる。 例えば米国特許第6,309,872号を参照されたい。
    本発明の核酸および発現構築物は任意の手段によって植物細胞に導入できる。 例えば、核酸または発現構築物は所望の植物宿主のゲノムに導入することができるが、核酸または発現構築物はエピソームであってもよい。 所望の植物のゲノム中への導入は、宿主のヒドロラーゼの産生が内因性の転写または翻訳制御エレメントによって調節できるようなものであろう。 本発明はまた、相同組換えによる遺伝子配列の挿入によって内因性遺伝子の発現が破壊された“ノックアウト植物”を提供する。 “ノックアウト”植物を作製する手段は当業界でよく知られており、例えば以下を参照されたい:Strepp (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:4368-4373; Miao (1995) Plant J. 7:359-365。 下記のトランスジェニック植物についての考察を参照されたい。

    本発明の核酸を用いて、所望の属性を本質的に任意の植物、例えば油糧種子生成植物(例えば米糠、ナタネ(キャノーラ)、ヒマワリ、オリーブ、ヤシまたはダイズなど)またはグルコースもしくは澱粉生成植物(例えばトウモロコシ、ジャガイモ、コムギ、イネ、オオムギなど)に付与することができる。 本発明の核酸を用いて植物の代謝経路を操作し、宿主によるヒドロラーゼまたはヒドロラーゼの基質もしくは生成物(例えば油、脂質、例えばモノ-、ジ-またはトリ-アシルグリセリドなど)の発現を最適化または変化させることができる。 それは植物の脂質の比率、脂質変換および脂質代謝を変化させることができる。 また別に、本発明のヒドロラーゼをトランスジェニック植物の製造に用いて、天然には産生されない化合物を前記植物によって製造することができる。 これによって製造コストを下げるか、または新規な生成物を作出することができる。
    ある特徴では、トランスジェニック植物製造の第一の工程は、植物細胞での発現のための発現構築物を作製することを含む。 この技術は当業界では公知である。 これにはプロモーターの選別およびクローニング、リボソームのmRNAへの効率的な結合を促進するためのコード配列および適切な遺伝子ターミネーター配列の選別が含まれる。 例示的な構成的プロモーターの1つはカリフラワーモザイクウイルスに由来するCaMV35Sであり、これは一般的な植物で高度な発現をもたらす。 他のプロモーターはより特異的であり、植物の内部環境または外部環境の合図に反応する。 例示的な光誘導プロモーターは、主要な葉緑素a/b結合タンパク質をコードするcab遺伝子に由来するプロモーターである。
    ある特徴では、核酸は改変されて植物細胞でのより強い発現が達成される。 例えば、本発明の配列は植物で認められるATヌクレオチド対の割合と比較して高いATヌクレオチド対をもつ可能性が高い(植物のいくつかはGCヌクレオチド対を好む)。 コード配列内のATヌクレオチドは、アミノ酸配列を顕著に変化させることなくGCヌクレオチドに置換して、植物細胞での遺伝子生成物の産生を高めることができる。

    選別可能なマーカー遺伝子を遺伝子構築物に付加し、トランスジーンを組み込むことに成功した植物細胞または組織を同定することができる。 前記は、植物細胞での遺伝子の取り込みおよび発現の達成が稀な事象であり、標的組織または細胞のわずかな割合で生じるだけであるので必要であろう。 選別可能なマーカー遺伝子は、通常は植物にとって有毒である物質(例えば抗生物質または除草剤)に対して耐性を提供するタンパク質をコードする。 前記適切な抗生物質または除草剤を含む培地で増殖させたとき、前記選別可能なマーカー遺伝子を組み込んだ植物細胞だけが生存するであろう。 他の挿入遺伝子の場合のように、マーカー遺伝子もまた適切な機能のためにプロモーターおよびターミネーター配列を要求する。
    ある特徴では、トランスジェニック植物または種子の作製は、本発明の配列および場合によってマーカー遺伝子の標的発現構築物(例えばプラスミド、ファージ)への取り込みを前記プロモーターおよびターミネーター配列の適切な配置とともに含む。 これは、適切な方法により改変遺伝子を前記植物に移すことを必要とするであろう。 例えば、構築物は植物細胞のゲノムDNAに、例えば植物細胞のプロトプラストのエレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションのような技術を用いて直接導入することができる。 または、構築物は投射的方法(例えばDNA粒子ボンバードメント)を用いて植物組織に直接導入することもできる。 例えば以下を参照されたい:Christou (1997) Plant Mol. Biol. 35:197-203; Pawlowski (1996) Mol. Biotechnol. 6:17-30; Klein (1987) Nature 327:70-73; Takumi (1997) Genes Genet. Syst. 72:63-69(前記はトランスジーンのコムギへの導入のための粒子ボンバードメントの使用を考察する);およびAdam (1997)上掲書(YACの植物細胞への導入のための粒子ボンバードメントの使用について記載)。 例えばRinehart (1997)(上掲書)は粒子ボンバードメントを用いてトランスジェニック綿の木を作出した。 粒子を加速する装置は米国特許第5,015,580号に記載されており、さらにBioRad(Biolistics)PDS-2000粒子加速装置が市販されている。 さらに以下もまた参照されたい:米国特許第5,608,148号(John);および米国特許第5,681,730号(Ellis)(前記は裸子植物の粒子媒介形質転換を記載している)。

    ある特徴では、プロトプラストを固定化し、核酸(例えば発現構築物)を注入することができる。 プロトプラストから植物を再生させることは穀類では容易ではないが、マメ類では体細胞の胚形成を用いてプロトプラスト由来カルスから植物の再生が可能である。 器官を形成した組織を遺伝子銃技術を用いて裸のDNAで形質転換することができる。 この場合はDNAはタングステンの微小発射体上に被覆され、細胞のサイズの1/100に発射される。 前記発射体はDNAを細胞および細胞内小器官の奥深くに運ぶ。 続いて形質転換組織を再生のために誘導する(通常は体細胞胚形成による)。 前記技術はいくつかの穀類種(トウモロコシおよびイネを含む)で成功した。
    核酸、例えば発現構築物もまた組換えウイルスを用いて植物細胞に導入することができる。 植物細胞はウイルスベクター、例えばタバコモザイクウイルス由来ベクターを用いて形質転換することができる(Rouwendal (1997) Plant Mol. Biol. 33:989-999)。 以下を参照されたい:”Use of viral replicons for the expression of genes in plants”, Mol. Biotechnol. 5:209-221。

    また別には、核酸(例えば発現構築物)を適切なT-DNAフランキング領域と結合させて、一般的なアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主ベクターに導入することができる。 アグロバクテリウム・ツメファシエンスのビルレンス機能は、細胞が前記細菌に感染したとき植物細胞DNAに前記構築物および隣接するマーカーの挿入を誘導するであろう。 アグロバクテリウム・ツメファシエンス媒介形質転換技術(バイナリーベクターの毒性解除および使用を含む)は学術文献に詳しく記載されている。 例えば以下を参照されたい:Horsch (1984) Science 233:496-498; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803;Gene Transfer to Plants, Potrykus, ed. (Springer-Verlag, Berlin 1995)。 アグロバクテリウム・ツメファシエンス細胞中のDNAは細菌の染色体に、Ti(腫瘍誘発; t umor- i nducing)プラスミドとして知られている別の構造物と同様に収納される。 Tiプラスミドは、T-DNA(約20kbの長さ)と称される一続きのDNA(感染プロセスで植物細胞に移される)および一連のvir(virulence、ビルレンス)遺伝子(関連プロセスを誘導する)を含む。 アグロバクテリウム・ツメファシエンスは傷からのみ植物に感染する。 植物の根または茎が傷を受けたとき、植物はある種の化学的シグナルを発し、それに対してアグロバクテリウム・ツメファシエンスのvir遺伝子は活性化され、TiプラスミドのT-DNAの植物染色体への移転に必要な一連の事象を誘導する。 続いてT-DNAは創傷から植物細胞に進入する。 1つの推測は、T-DNAは、植物DNAが複製または転写されるまで待機し、続いて露出された植物DNAに挿入するということである。 アグロバクテリウム・ツメファシエンスをトランスジーンベクターとして使用するために、T-DNAの腫瘍誘発部分を除去し、一方T-DNAボーダー領域およびvir遺伝子は維持する必要がある。 続いてトランスジーンをT-DNAボーダー領域間に挿入する(この場合、トランスジーンは植物細胞に移され、植物染色体に組み込まれる)。

    本発明は、本発明の核酸を用いて単子葉植物(重要な穀類を含む)の形質転換を提供する(Hiei (1997) Plant Mol. Biol. 35:205-218)。 さらにまた、例えば以下を参照されたい:Horsch (1984) Science 233:496; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803; Thykjaer (1997) 上掲書; Park (1996) Plant Mol. Biol. 32:1135-1148(ゲノムDNAへのT-DNAの組み込みについて考察する)。 さらにまた以下を参照されたい:米国特許第5,712,135号(D'Halluin)(穀類または他の単子葉植物の細胞内で機能を有する遺伝子を含むDNAの安定な組み込みのための方法を開示する)。
    ある特徴では、第三の工程は、取り込まれた標的遺伝子を次の世代に伝達することができる完全な植物の選別および再生を含むことができる。 そのような再生技術は、組織培養の増触培地での一定の表現型のマニピュレーションに依存し、典型的には所望のヌクレオチド配列と一緒に導入された有毒物質および/または除草剤マーカーに依存する。 培養プロトプラストから植物を再生することについては以下に記載されている:Evans et al., Protoplast Isolation and Culture, Handbook of Plant Cell Culture, pp.124-176, MacMillilan Publishing Company, New York, 1983; Binding, Regenration of Plants, Plant Protoplasts, pp. 21-73, CRC Press, Boca Raton, 1985。 再生はまた植物カルス、外植片、器官またはその部分からも得ることができる。 そのような再生技術は一般的には以下に記載されている:Klee (1987) Ann. Rev. of Phys. 38:467-486。 トランスジェニック組織(例えば未熟胚)から完全な植物を得るために、前記胚を栄養およびホルモンを含む一連の培養液中で環境制御条件下(組織培養として公知の方法)で増殖させることができる。 いったん植物体全体が生成され種子が生じたら、子孫の評価が開始される。

    発現カセットがトランスジェニック植物に安定的に取り込まれた後、前記カセットは有性交配によって他の植物に導入することができる。 交配される種に応じて、多くの標準的育種技術のいずれも用いることができる。 本発明の核酸のトランスジーン発現は表現型の変化を生じるので、本発明の組換え核酸を含む植物を第二の植物と有性交配して最終生成物を得ることができる。 したがって、本発明の種子は、本発明の2つのトランスジェニック植物間の交配、または本発明の植物と他の植物間の交配から誘導することができる。 所望の効果(例えば脂質または油の含有が変化、増加および/または減少した植物を作製するために本発明のポリペプチドを発現させる)は、両方の親植物が本発明のポリペプチドを発現するときに強化される。 所望の効果は将来の植物世代に標準的な繁殖手段によって伝えることができる。
    本発明の核酸およびポリペプチドは任意の植物または種子で発現されまたは挿入される。 本発明のトランスジェニック植物は双子葉植物でも単子葉植物でもよい。 本発明のトランスジェニック単子葉植物の例は、牧草、例えばメドーグラス(meadow grass(ブルーグラス、Poa))、飼い葉用草類、例えばフェスチュカ(festuca)、ロリウム(lolium)、テンペレートグラス、例えばアグロスチス(Agrostis)および穀類、例えばコムギ、エンバク、ライムギ、オオムギ、コメ、モロコシおよびメイズ(トウモロコシ)である。 本発明のトランスジェニック双子葉植物の例は、タバコ、豆類(例えばルピン)、ジャガイモ、サトウダイコン、エンドウマメ、インゲンマメおよびダイズ、並びに十字架植物(Brassicaceae科)、例えばカリフラワー、ナタネ、および近縁のモデル植物のアラビドプシス=タリアーナ(Arabidopsis thaliana)である。 したがって、本発明のトランスジェニック植物および種子には以下を含む広範囲の植物が含まれる(ただしこれらに限定されない):アナカルジウム(Anacardium)、アラキス(Arachis)、アスパラガス、アトロパ(Atropa)、アベナ(Avena)、ブラシッカ(Brassica)、シトラス、シトラルス(Citrullus)、カプシクム(Capsicum)、カルサムス(Carthamus)、ココス(Cocos)、コフェア(Coffea)、ククミス(Cucumis)、ククルビタ(Cuurbita)、ダウクス(Daucus)、エレイス(Elaris)、フラガリア(Fragaria)、グリシン(Glycine)、ゴッシピウム(Gossypium)、ヘリアンサス(Helianthus)、ヘテロカリス(Heterocallis)、ホルデウム(Hordeum)、ヒオシアムス(Hyoscyamus)、ラクツカ(Lactuca)、リヌム(Linum)、ロリウム(Lolium)、ルピナス、リポペルシコン(Lycopersicon)、マルス(Malus)、マニホット(Manihot)、マジョラナ(Majorana)、メディカゴ(Medicago)、ニコチアナ、オレア(Olea)、オリザ(Oryza)、パニエウム(Panieum)、パニセツム(Panisetum)、ペルシア(Persea)、ファセオルス(Phaseolus)、ピスタキア(Pistachia)、ピスム(Pisum)、ピルス(Pyrus)、プルヌス(Prunus)、ラファヌス(Raphanus)、リシヌス(Ricinus)、セカレ(Secale)、セネシオ(Senecio)、シナピス(Sinapis)、ソラナム(Solanum)、ソルグム(Sorghum)、テオブロムス(Theobromus)、トリゴネラ(Trigonella)、トリチクム(Trigonella)、ビシア(Vicia)、ビチス(Vitis)、ビグナ(Vigna)、およびゼア(Zea)。

    また別の実施態様では、本発明の核酸は、繊維細胞を含む植物(綿、シルクコットンツリー(Kapok、Ceiba pentandra)、ヤナギ(desert willow)、クレオソートブッシュ、ウィンターファット、バルサ、カラムシ、ケナフ、アサ、ロゼレ(roselle)、ジュート、サイザル(sisal abaca)およびアマを含む)で発現される。 また別の実施態様では、本発明のトランスジェニック植物はゴシピウム(Gossypium)属のメンバー(一切のワタの種のメンバー、例えばG.アルボレウム(arboreum); G. ヘルバセウム(herbaceum); G. バルバデンス(barbadense); G. ヒルスタム(hirsutum)を含む)であろう。
    本発明はまた、大量の本発明のポリペプチド(例えば抗体、ヒドロラーゼ)を製造するために用いることができるトランスジェニック植物を提供する。 例えば以下を参照されたい:Palmgren (1997) Trends Genet. 13:348; Chong (1997) Transgenic Res. 6:289-296(オーキシン誘導性二方向性マンノピンシンターゼ(mas1',2')プロモーターを用い、アグロバクテリウム・ツメファシエンス媒介リーフディスク形質転換法により母乳タンパク質のベータカゼインのトランスジェニックジャガイモによる生産を記載)。
    公知の方法を用いて、当業者は、形質導入植物でトランスジーンのmRNAまたはタンパク質の増減を検出することによって本発明の植物をスクリーニングすることができる。 mRNAの検出および定量手段は当業界でよく知られている。

    ある特徴では、本発明は、本発明のトランスジェニック植物(例えばトランスジェニック油性植物)から脂肪酸または脂肪酸誘導体を生成する。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼを少なくとも1つ含むトランスジェニック油性植物が生成される。 ある特徴では、前記トランスジェニック植物はプロモーターに機能可能に連結されたヒドロラーゼ遺伝子を含み、それによって、植物脂質が蓄積する区画以外の細胞、細胞外または組織区画で前記遺伝子を発現させること、または、外来的誘導によってヒドロラーゼを発現させることが可能となる。 ある特徴では、植物の脂質を含む種子および/または実を収集し、これらの種子および/または実を(必要ならヒドロラーゼ(例えばリパーゼ)遺伝子誘導処理の後に)押しつぶすことによって、脂質と、種子および/または実に含まれる本発明のヒドロラーゼを接触させる。 この混合物をインキュベートすることによって、押しつぶした材料に含まれていた本発明のリパーゼの酵素的作用による、すりつぶした材料の脂質の酵素的加水分解を進めることができる。 ある特徴では、この加水分解によって形成された脂肪酸を抽出および/または変換することによって所望の脂肪酸誘導体が得られる。

    本発明のこの酵素的加水分解法はマイルドな操作条件を用い、かつスモールスケールであってもよく、安価な装置を用いる。 この特徴で、本発明の植物のヒドロラーゼ生産を誘導し、植物脂質を変質させる。 この戦略を使用することによって貯蔵されている植物脂質に酵素が接触することを防ぎ、それによって収穫前のいかなる時期尚早な加水分解(“植物の自己劣化”)をも防止する。 押しつぶし用およびインキュベート用の装置は軽くかつスモールスケールであってもよく;多くは農産業界に知られており、植物が収穫されている現場で実施することができる。
    ある特徴では、本発明のトランスジェニック植物は、天然の油性植物を形質転換することによって作製される。 次いで、本発明の遺伝学的に形質転換された植物の有性生殖を行って、本発明のトランスジェニック種子を生成する。 これらの種子を使用することによってトランスジェニック植物の子孫を得ることができる。
    ある特徴では、前記ヒドロラーゼ遺伝子は誘導性プロモーターに機能可能に連結されており、ヒドロラーゼと植物脂質との一切の時期尚早の接触が防止される。 このプロモーターは、脂質が蓄積する区画以外の区画で前記遺伝子を発現させ得るし、または、前記プロモーターは外来的誘導によって所望の時点でヒドロラーゼの発現を開始し得る。

    ポリペプチドおよびペプチド
    本発明は、本発明の例示的な配列(例えば配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、配列番号:108、配列番号:110、配列番号:112、配列番号:114、配列番号:116、配列番号:118、配列番号:120、配列番号:122、配列番号:124、配列番号:126、配列番号:128、配列番号:130、配列番号:132、配列番号:134、配列番号:136、配列番号:138、配列番号:140、配列番号:142、配列番号:143、配列番号:146、配列番号:148、配列番号:150、配列番号:152、配列番号:154、配列番号:156、配列番号:158、配列番号:160、配列番号:162、配列番号:164、配列番号:166、配列番号:168、配列番号:170、配列番号:172、配列番号:174、配列番号:176、配列番号:178、配列番号:180、配列番号:182、配列番号:184、配列番号:186、配列番号:188、配列番号:190、配列番号:192、配列番号:194、配列番号:196、配列番号:198、配列番号:200、配列番号:202、配列番号:204、配列番号:206、配列番号:208、配列番号:210、配列番号:212、配列番号:214、配列番号:216、配列番号:218、配列番号:220、配列番号:222、配列番号:224、配列番号:226、配列番号:228、配列番号:230、配列番号:232、配列番号:234、配列番号:236、配列番号:238、配列番号:240、配列番号:242、配列番号:244、配列番号:246、配列番号:248、配列番号:250、配列番号:252、配列番号:254、配列番号:256、配列番号:258、配列番号:260、配列番号:262、配列番号:264、配列番号:266、配列番号:268、配列番号:270、配列番号:272、配列番号:274、配列番号:276、配列番号:278、配列番号:280、配列番号:282、配列番号:284、配列番号:286、配列番号:288、配列番号:290、配列番号:292、配列番号:294、配列番号:296、配列番号:298、配列番号:300、配列番号:302、配列番号:304、配列番号:306、配列番号:308、配列番号:310、配列番号:312、配列番号:314、配列番号:316、配列番号:318、配列番号:320、配列番号:322、配列番号:324、配列番号:326、配列番号:328、配列番号:330、配列番号:332、配列番号:334、配列番号:336、配列番号:338、配列番号:340、配列番号:342、配列番号:344、配列番号:346、配列番号:348、配列番号:350、配列番号:352、配列番号:354、配列番号:356、配列番号:358、配列番号:360、配列番号:362、配列番号:364、配列番号:366、配列番号:368、配列番号:370、配列番号:372、配列番号:374、配列番号:376、配列番号:378、配列番号:380、配列番号:382、配列番号:384、配列番号:386、配列番号:388、配列番号:390、配列番号:392、配列番号:394、配列番号:396、配列番号:398、配列番号:400、配列番号:402、配列番号:404、配列番号:406、配列番号:408、配列番号:410、配列番号:412、配列番号:414、配列番号:416、配列番号:418、配列番号:420、配列番号:422、配列番号:424、配列番号:426、配列番号:428、配列番号:430、配列番号:432、配列番号:434、配列番号:436、配列番号:438、配列番号:440、配列番号:442、配列番号:444、配列番号:446、配列番号:448、配列番号:450、配列番号:452、配列番号:454、配列番号:456、配列番号:458、配列番号:460、配列番号:462、配列番号:464、配列番号:466、配列番号:468、配列番号:470、配列番号:472、配列番号:474、配列番号:476、配列番号:478、配列番号:480、配列番号:482、配列番号:484、配列番号:486、配列番号:488、配列番号:490、配列番号:492、配列番号:494、配列番号:496、配列番号:498、配列番号:500、配列番号:502、配列番号:504、配列番号:506、配列番号:508、配列番号:510、配列番号:512、配列番号:514、配列番号:516、配列番号:518、配列番号:520、配列番号:522、配列番号:524、配列番号:526、配列番号:528、配列番号:530、配列番号:532、配列番号:534、配列番号:536、配列番号:538、配列番号:540、配列番号:542、配列番号:544、配列番号:546、配列番号:548、配列番号:550、配列番号:552、配列番号:554、配列番号:556、配列番号:558、配列番号:560、配列番号:562、配列番号:564、配列番号:566、配列番号:568、配列番号:570、配列番号:572、配列番号:574、配列番号:576、配列番号:578、配列番号:580、配列番号:582、配列番号:584、配列番号:586、配列番号:588、配列番号:590、配列番号:592、配列番号:594、配列番号:596、配列番号:598、配列番号:600、配列番号:602、配列番号:604、配列番号:606、配列番号:608、配列番号:610、配列番号:612、配列番号:614、配列番号:616、配列番号:618、配列番号:620、配列番号:622、配列番号:624、配列番号:626、配列番号:628、配列番号:630、配列番号:632、配列番号:634、配列番号:636、配列番号:638、配列番号:640、配列番号:642、配列番号:644、配列番号:646、配列番号:648、配列番号:650、配列番号:652、配列番号:654、配列番号:656、配列番号:658、配列番号:660、配列番号:662、配列番号:664、配列番号:666、配列番号:668、配列番号:670、配列番号:672、配列番号:674、配列番号:676、配列番号:678、配列番号:680、配列番号:682、配列番号:684、配列番号:686、配列番号:688、配列番号:690、配列番号:692、配列番号:694、配列番号:696、配列番号:698、配列番号:700、配列番号:702、配列番号:704、配列番号:706、配列番号:708、配列番号:710、配列番号:712、配列番号:714、配列番号:716、配列番号:718、配列番号:720、配列番号:722、配列番号:724、配列番号:726、配列番号:728、配列番号:730、配列番号:732、配列番号:734、配列番号:736、配列番号:738、配列番号:740、配列番号:742、配列番号:744、配列番号:746、配列番号:748、配列番号:750、配列番号:752、配列番号:754、配列番号:756、配列番号:758、配列番号:760、配列番号:762、配列番号:764、配列番号:766、配列番号:768、配列番号:770、配列番号:772、配列番号:774、配列番号:776、配列番号:778、配列番号:780、配列番号:782、配列番号:784、配列番号:786、配列番号:788、配列番号:790、配列番号:792、配列番号:794、配列番号:796、配列番号:798、配列番号:800、配列番号:802、配列番号:804、配列番号:808、配列番号:808、配列番号:810、配列番号:812、配列番号:814、配列番号:816、配列番号:818、配列番号:820、配列番号:822、配列番号:824、配列番号:826、配列番号:828、配列番号:830、配列番号:832、配列番号:834、配列番号:836、配列番号:838、配列番号:840、配列番号:842、配列番号:844、配列番号:846、配列番号:848、配列番号:850、配列番号:852、配列番号:854、配列番号:856、配列番号:858、配列番号:860、配列番号:862、配列番号:864、配列番号:866、配列番号:868、配列番号:870、配列番号:872、配列番号:874、配列番号:876、配列番号:878、配列番号:880、配列番号:882、配列番号:884、配列番号:886、配列番号:888、配列番号:890、配列番号:892、配列番号:894、配列番号:896、配列番号:898、配列番号:900、配列番号:902、配列番号:904、配列番号:906、配列番号:908、配列番号:910、配列番号:912、配列番号:914、配列番号:916、配列番号:918、配列番号:920、配列番号:922、配列番号:924、配列番号:926、配列番号:928、配列番号:930、配列番号:932、配列番号:934、配列番号:936、配列番号:938、配列番号:940、配列番号:942、配列番号:944、配列番号:946、配列番号:948、配列番号:950、配列番号:952または配列番号:954)に対して配列同一性(少なくとも50%の配列同一性)を有する単離または組換えポリペプチドを提供する。 上記で考察されたように、前記同一性はポリペプチドの全長にわたっていてもよいし、または少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれより多い残基領域にわたっていてもよい。 本発明のポリペプチドはまた、例示的なポリペプチドの全長よりも短くてもよい。 ある特徴では、本発明は、本発明の配列の部分配列のみを含むポリペプチドを提供し、例示的な部分配列は約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれよりも多い残基であり得る。 また別の特徴では、本発明は、あるポリペプチド(例えば酵素、例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼなどのヒドロラーゼ)の約5から完全長のサイズ範囲のポリペプチド(ペプチド、断片)を提供する。 典型的なサイズは、本発明の例示的なプロテアーゼの約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれより多い、例えば本発明の例示的ヒドロラーゼの連続残基である。 本発明のペプチドは、例えば標識プローブ、抗原、トレラジェン、モチーフ、ヒドロラーゼ活性部位として役立つことができる。 本発明のポリペプチドはまた、本発明のヒドロラーゼに結合することが可能な抗体を含む。

    本発明のポリペプチドには活性型および不活性型のヒドロラーゼが含まれる。 例えば、本発明のポリペプチドには、例えば“活性な”成熟タンパク質を生成する前駆タンパク質プロセッシング酵素(例えば前駆タンパク質コンバターゼ)による “成熟前”またはプレプロ配列のプロセッシング前の前駆タンパク質が含まれる。 本発明のポリペプチドには、その他の理由(例えば翻訳後プロセッシング事象、例えばエンド-もしくはエキソ-ペプチダーゼまたはプロテイナーゼ作用、リン酸化事象、アミド化、グリコシル化もしくは硫酸化、ダイマー化など)で不活性なヒドロラーゼが含まれる。 “プレプロ”領域配列およびシグナル配列を同定する方法は当業界ではよく知られている。 例えば以下を参照されたい:Van de Ven (1993) Crit. Rev. Oncog. 4(2):115-136。 例えば、プレポ配列を同定するために、前記タンパク質を細胞外間隙から精製し、N-末端タンパク質配列を決定し、プロセッシングを受けていない形態と比較する。
    本発明のポリペプチドには全ての活性型(本発明の酵素の活性な部分配列、例えば触媒ドメインまたは活性部位を含む)が含まれる。 ある特徴では、本発明は下記に示される触媒ドメインまたは活性部位を提供する。 ある特徴では、本発明は、Pfamまたはそれと同等のものなどのデータベースを使用することにより予想されたように、活性部位ドメインを含むか、または前記から成るペプチドまたはポリペプチドを提供する。 前記Pfamは、多くの一般的なタンパク質ファミリーに及ぶ多数の配列アラインメントおよび隠蔽されたマルコフ(Markov)モデルの大きな集合物、Pfamタンパク質ファミリーデータベースである(A. Bateman, E. Birney, L. Cerruti, L. Durbin, L. Etwiller, SR Eddy, S. Griffiths-Jones, KL Howe, M. Marshall, and ELL Sonnhammer, Nucleic Acids Research, 30(1):276-280, 2002)。

    本発明には、シグナル配列および/またはプレプロ配列を有するポリペプチドまたは前記を有しないポリペプチドが含まれる。 本発明には、異種シグナル配列および/またはプレプロ配列を有するポリペプチドが含まれる。 プレプロ配列(異種プレプロドメインとして用いられる本発明の配列を含む)は前記タンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端配置することができる。 本発明にはまた、本発明の配列を含む、単離または組換えシグナル配列、プレプロ配列および触媒ドメイン(例えば“活性部位”)が含まれる。
    本発明のポリペプチドおよびペプチドは、天然の供給源から単離するか、合成または組換えによって生成されるポリペプチドである。 ペプチドおよびタンパク質は組換えによってin vivoまたはin vitroで発現させることができる。 本発明のペプチドおよびポリペプチドは、当業界で公知の任意の方法を用いて製造および単離できる。 本発明のポリペプチドおよびペプチドはまた、当業界で知られた化学的方法を用いてその全体または部分を合成してもよい。 例えば以下を参照されたい:Caruthers (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 215-223; Horn (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225-232; AK Banga, Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delivery Systems (1995) Technomic Publishing Co., Lancaster, PA。 例えば、ペプチド合成は、種々の固相技術を用いて実施してもよい(例えば以下を参照されたい:Roberge (1995) Science 269:202; Merrifield (1997) Methods Enzymol. 289:3_13)。 さらに前記は、例えばABI431Aペプチド合成装置(Perkin Elmer)を用い製造元の提供する指示にしたがって自動合成することもできる。

    本発明のペプチドおよびポリペプチドはまたグリコシル化することもできる。 前記グリコシル化は翻訳後に化学的にまたは細胞の生合成メカニズムによって行われ得る。 後者の場合、公知のグリコシル化モチーフの使用が含まれる(前記モチーフは配列にとって天然のものでもよく、またペプチドとして付加するか配列をコードする核酸に付加することもできる)。 前記グリコシル化はO-結合またはN-結合であり得る。
    本発明のペプチドおよびポリペプチドは(上記で定義されたように)、全ての“模倣体”および“ペプチド模倣体”形を含む。 “模倣体”および“ペプチド模倣体”という用語は、実質的に本発明のポリペプチドと同じ構造および/または機能的特徴を有する合成化学物質を指す。 前記模倣体は完全に合成された非天然アミノ酸類似体で構成されているか、または部分的に天然のペプチドアミノ酸および部分的に非天然のアミノ酸類似体のキメラ分子であり得る。 前記模倣体はまた任意の量の天然アミノ酸保存置換を含むことができるが、ただしそのような置換が前記模倣体の構造および/または活性を実質的に変化させない場合に限られる。 保存的変種である本発明のポリペプチドに関しては、日常的な実験によって模倣体が本発明の範囲内に包含されるものであるか否か、すなわちその構造および/または機能が実質的に改変されていないかどうかが決定されるであろう。 したがって、ある特徴では、模倣体組成物がヒドロラーゼ活性をもつならば前記は本発明の範囲内に包含される。

    本発明のポリペプチド模倣体組成物は任意の組み合わせの非天然成分を含むことができる。 また別の特徴では、本発明の模倣体組成物は以下の3つの構造基の1つまたは全てを含む:a)天然のアミド結合(“ペプチド結合”)以外の残基結合基;b)天然に存在するアミノ酸残基の代わりに非天然残基;c)二次構造模倣を誘導する(すなわち二次構造、例えばベータターン、ガンマターン、ベータシート、アルファヘリックス構造を誘導または安定化させる)残基。 例えば本発明のポリペプチドは、その残基の全てまたはいくつかが天然のペプチド結合以外の化学的手段によって結合されるとき模倣体と特徴付けることができる。 個々のペプチド模倣体残基は、ペプチド結合、他の化学的結合、またはカップリング手段、例えばグルタールアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、二官能基性マレイミド、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)によって結合される。 通常のアミド結合(“ペプチド結合”)の代用となることができる結合基には例えば以下が含まれる:ケトメチレン(例えば-C(=O)-NH-の代わりに-C(O=)-CH 2 -)、アミノメチレン(CH 2 -NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH 2 -O)、チオエーテル(CH 2 -S)、テトラゾール(CN 4 )、チアゾール、レトロアミド、チオアミドまたはエステル(例えば以下を参照されたい:Spatola (1983) Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, Vol.7, pp267-357, "Peptide Backbone Modifications”, Marcell Dekker, NY)。

    本発明のポリペプチドはまた、天然に存在するアミノ酸残基の代わりに全てまたはいくつかの非天然の残基が含まれることによって模倣体として特徴付けることもできる。 非天然残基は学術文献および特許文献に詳しく記載されている。 天然のアミノ酸残基の模倣体として有用な典型的な非天然組成物のいくつかおよび基準は以下で述べる。 芳香族アミノ酸の模倣体は、例えば以下によって置き換えることによって生成することができる:D-またはL-ナフチルアラニン;D-またはL-フェニルグリシン;D-またはL-2チエネイルアラニン;D-またはL-1、-2,3-、または4-ピレネイルアラニン;D-またはL-3チエネイルアラニン;D-またはL-(2-ピリジニル)-アラニン;D-またはL-(3-ピリジニル)-アラニン;D-またはL-(2-ピラジニル)-アラニン;D-またはL-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(リフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン;Dp-フルオロ-フェニルアラニン;D-またはLp-ビフェニルフェニルアラニン;K-またはLp-メトキシ-ビフェニルフェニルアラニン;D-またはL-2-インドール(アルキル)アラニン;およびD-またはL-アルキルアラニン(前記アルキルはメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、iso-ブチル、sec-イソチル、iso-ペンチルまたは非酸性アミノ酸で置換できるがまた置換されてなくてもよい)。 非天然アミノ酸の芳香環には、例えばチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリルおよびピリジル芳香環が含まれる。

    酸性アミノ酸の模倣体は、例えば陰性荷電を維持している非カルボキシレートアミノ酸、(ホスホノ)アラニン、硫酸スレオニンによって置換することにより生成できる。 カルボキシル側鎖基(例えばスパルチルまたはグルタミル)はまた、カルボジイミド(R'-NCN-R')、例えば1-シクロヘキシル-3(2-モルホリニル-(4-エチル)カルボジイミドまたは1-エチル-3(4-アゾニア-4,4-ジメソールペンチル)カルボジイミドとの反応によって選択的に改変することができる。アスパルチルまたはグルタミルもまた、アンモニウムイオンとの反応によってアスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換することができる。塩基性アミノ酸の模倣体は、(リジンおよびアルギニンの他に)アミノ酸オルニチン、シトルリンまたは(グアニジノ)-酢酸または(グアニジノ)アルキル-酢酸(アルキルは上記で定義されたとおり)による置換によって生成することができる。ニトリル誘導体(例えばCOOHの代わりにCN-部分を含む)でアスパラギンまたはグルタミンを置換することができる。アスパラギニルおよびグルタミニル残基は、対応するアスパルチルまたはグルタミル残基に脱アミノ化することができる。アルギニン残基模倣体は、アルギニルを例えば1つまたは2つ以上の通常の試薬(例えばフェニルグリオキサール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロ-ヘキサンジオンまたはニンヒドリンを含む)と、好ましくはアルカリ性条件下で反応させることによって生成することができる。チロシン残基模倣体はチロシルを例えば芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンと反応させることによって生成することができる。N-アセチルイミダゾールおよびテトラニトロメタンを用いてO-アセチルチロシル種および3-ニトロ誘導体をそれぞれ形成することができる。システイン残基模倣体は、システイニル残基を例えばアルファ-ハロアセテート(例えば2-クロロ酢酸またはクロロアセトアミド)および対応するアミンと反応させてカルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を生成することによって達成できる。システイン残基模倣体はまた、システイン残基を例えばブロモ-トリフルオロアセトン、アルファ-ブロモ-ベータ-(5-イミドゾイル)プロピオン酸;クロロアセチルホスフェート、N-アルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド;メチル2-ピリジルジスルフィド;p-クロロ水銀ベンゾエート;2-クロロ水銀-4-ニトロフェノール;またはクロロ-7-ニトロベンゾ-オキサ-1,3-ジアゾールと反応させることによって生成することができる。 リジン模倣体は、リジニルをコハク酸または他のカルボン酸無水物と反応させることによって(さらにアミノ末端残基を変化させることによって)生成することができる。 リジンおよび他のアルファ-アミノ含有残基模倣体はまた、イミドエステル、例えばメチルピコリンイミデート、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロ-ベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンジオンとの反応、およびグキオキシレートとのトランスアミダーゼ触媒反応によって生成することができる。 メチオニンの模倣体は、例えばメチオニンスルホキシドとの反応によって生成することができる。 プロリンの模倣体には、例えばピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、3-または4-ヒドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3-または4-メチルプロリンまたは3,3-ジメチルプロリンが含まれる。 ヒスチジン残基模倣体はヒスチジルを例えばジエチルプロカルボネートまたはパラ-ブロモフェナシルブロミドと反応させることによって生成することができる。 他の模倣体には、例えばプロリンおよびリジンのヒドロキシル化;セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化;リジン、アルギニンおよびヒスチジンのアルファ-アミノ基のメチル化;N-末端アミンのアセチル化;主鎖アミド残基のメチル化またはN-メチルアミノ酸による置換;またはC-末端カルボキシル基のアミド化によって生成することができるものが含まれる。

    本発明のポリペプチドの残基、例えばアミノ酸はまた反対のキラリティーをもつアミノ酸(またはペプチド模倣体残基)によって置換することができる。 したがって、L型構造で天然に存在するいずれのアミノ酸(前記化学物質の構造に応じてRまたはSとも呼ぶことができる)も、同じ化学構造型であるが反対のキラリティーのアミノ酸またはペプチド模倣体(D-アミノ酸と称されるが、またR-またはS-型とも称される)で置換することができる。
    本発明はまた本発明のポリペプチドを、天然のプロセス(例えば翻訳後プロセッシング、例えばリン酸化、アセチル化など)または化学的改変技術のどちらかによって改変する方法、および生成された改変ポリペプチドを提供する。 改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含むポリペプチド内のいずれの場所でも生じることができる。 あるポリペプチドで同じタイプの改変が同じ程度または種々の程度でいくつかの部位で存在することができることは理解されよう。 さらにまた与えられたポリペプチドが多くのタイプの改変を含むこともできる。 改変には以下が含まれる:アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合による付加、ヘム成分の共有結合による付加、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合による付加、脂質または脂質誘導体の共有結合による付加、ホスファチジルイノシトールの共有結合による付加、架橋環形成、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストリエーション、酸化、PEG化、タンパク分解プロセッシング、リン酸化、プレニレーション、ラセミ化、セレノイレーション、硫酸化、およびタンパク質へのトランスファーRNA媒介アミノ酸付加、例えばアルギニル化。 例えば以下を参照されたい:TE Creighton, Proteins-Structure and Molecular Properties 2 nd Ed., WH Freeman and Company, New York (1993); Posttranslational Covalent Modification of Proteins, BC Johnson, Ed., Academic Press, New York, pp. 1-12 (1983)。

    固相ペプチド化学合成法もまた本発明のポリペプチドまたはその断片の合成に用いることができる。 前記の方法は1960年代初頭より当業界で公知であり(RB Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85:2149-2154, 1963;さらにまた以下を参照されたい:JM Stewart and JD Young, Solid Phase Peptide Snthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp.11-12)、さらに最近は市販の実験室ペプチド設計および合成キット(Canbridge Research Biochemicals)として用いられている。 そのような市販の実験室キットは一般的にはHM Geysenら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:3998 (1984))の教示を利用し、多数の“ロッド”または“ピン”(前記は全て一枚のプレートにつながっている)の先端でペプチドを合成させる。 このような系を利用するときは、ロッドまたはピンを含むプレートはさかさまにされ、対応するウェルまたはレザバーの第二のプレートに挿入される。 前記ウェルまたはレザバーは適切なアミノ酸をピンまたはロッドの先端に結合または固着させるために溶液を含んでいる。 そのような工程(すなわちロッドまたはピンの先端をさかさまにして適切な溶液に挿入する工程)を繰り返すことによって、アミノ酸は所望のペプチドに構築される。 さらにまた、多数のFMOCペプチド合成系が利用可能である。 例えば、ポリペプチドまたは断片のアッセンブリーはアプライドバイオシステムズ社のモデル431A(登録商標)自動ペプチド合成装置を用いて固相上で実施できる。 前記のような装置は、直接合成または一連の断片(前記断片は他の公知の技術を用いて結合させることができる)の合成によって本発明のペプチドの容易な入手を提供する。

    本発明の酵素 本発明は、新規のヒドロラーゼ(エステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼを含む)、例えば本発明の例示的なポリペプチド(例えば配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8などに示す配列を有するタンパク質)に対して少なくとも約50%の配列同一性を含むタンパク質、それに結合する抗体、並びにその製造および使用方法を提供する。 本発明のポリペプチドは、いかなるヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ活性)を有していてもよい。 また別の特徴では、本発明の酵素の活性は、脂質もしくは油の加水分解もしくは合成を含む。 本発明のヒドロラーゼは、加水分解、アルコール分解、エステル化、エステル転移および/またはエステル交換(“強制移動(forced migration)”反応を含む)によって油を改変し得る。
    また別の特徴では、本発明のヒドロラーゼは、本明細書に説明する例示的なヒドロラーゼもしくは活性と比較して改変されたもしくは新規の活性を有していてもよい。 例えば、本発明は、シグナル配列を有するまたは有しないヒドロラーゼ、およびシグナル配列それ自体を含む。 本発明は、固定化されたヒドロラーゼ、抗-ヒドロラーゼ抗体およびその断片を含む。 本発明は、ヒドロラーゼ活性を阻害するためのタンパク質(例えばヒドロラーゼの活性部位に結合する抗体)を提供する。 本発明は、本発明のヒドロラーゼを含むホモ二量体およびヘテロ複合体(例えば融合タンパク質、ヘテロ二量体など)を含む。 本発明は広い範囲の高いおよび低い、温度およびpH(例えば酸性および塩基性の水性条件)にわたって活性を有するヒドロラーゼを含む。

    ある特徴では、本発明の1つまたは2つ以上のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ)が構造脂質(即ち、グリセロール骨格上に明確な態様で分布された明確な脂肪酸の組を有する脂質で、ココアバター代替物、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)、1,3-ジアシルグリセリド(DAG)、2-モノグリセリド(MAG)およびトリアシルグリセリド(TAG)を含む)の生体触媒合成に使用される。
    ある特徴では、本発明は改変された(より高いまたはより低い)Kcat/Kmを有する酵素を生成する方法を提供する。 ある特徴では、位置特異的変異導入を用いて、別の基質特異性を有する追加のヒドロラーゼ酵素を作出する。 これは、例えば、前記酵素の基質結合領域または活性部位を再設計することによって行うことができる。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、従来のまたは並みの生物体と比較して、高温(例えば80℃から85℃から90℃から95℃など)においてより安定である。

    本発明の様々なタンパク質が、様々な条件下でヒドロラーゼ活性(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ活性)を有する。 本発明は、温度、酸化剤およびpH条件について様々な酵素効率および安定性を有する酵素を製造する方法を提供する。 これらの方法は、例えば位置特異的変異導入および/またはランダム変異導入の技術を用いることができる。 ある特徴では、定方向進化を用いてまた別の特異性および安定性を有するヒドロラーゼを作製することができる。
    本発明のタンパク質は、ヒドロラーゼ調節物質(例えば活性化物質または阻害物質)を同定するための本発明の方法に使用される。 簡単に記せば、試験サンプル(例えば化合物(ペプチドまたはコンビナトリアルライブラリーのメンバーなど)、ブロス、抽出物など)をヒドロラーゼに加えて、基質切断を調節(例えば阻害または活性化)する能力を決定する。 これらの阻害物質は、工業および研究で用いて、望ましくない異性化を減少または防止することができる。 プロテアーゼに関しては、阻害物質を一緒にして活性スペクトルを広げることができる。 本発明の方法を使用して発見した調節物質は、ヒドロラーゼの活性スペクトルを改変(例えば減少または増加)するために使用し得る。

    本発明はまた、本発明の核酸、ポリペプチドおよび抗体を用いてヒドロラーゼを発見する方法を提供する。 ある特徴では、発現されるか否かによってヒドロラーゼを発見するためにラムダファージライブラリーがスクリーニングされる。 ある特徴では、本発明はラムダファージを、そのスクリーニングによって、有毒クローンの検出、基質への接近性の改善、ライブラリーの大量切り出しによる一切の偏りの可能性を回避することによって宿主操作の必要性を減らすことを可能とし、さらに低クローン密度でのより速い増殖を可能とするために使用する。 ラムダファージライブラリーは液相または固相でスクリーニングすることができる。 ある特徴では、本発明は液相でのスクリーニングを提供する。 これは、アッセイ条件のより大きな融通性、更なる基質融通性、弱いクローンに対するより高い感度、および固相スクリーニングを超える自動化の容易さを提供する。
    本発明は、ロボットによる自動化を伴う、本発明のタンパク質および核酸を用いるスクリーニング方法を提供する。 前記方法によって、何千もの生物触媒反応およびスクリーニングアッセイを短時間(例えば毎日)実施しながら、なお高レベルの正確性および再現性を担保することが可能となる(下記のアレイの考察を参照されたい)。 結果として誘導化合物ライブラリーを1週間程度で作製することができる。

    本発明には、天然には存在しないヒドロラーゼであるヒドロラーゼ酵素が含まれる。 前記酵素は、前記天然には存在しないヒドロラーゼと比較して異なるヒドロラーゼ活性、安定性、基質特異性pHプロフィルおよび/または性能特性を有する。 これらのヒドロラーゼは天然には見出されないアミノ酸配列を有する。 これらは前駆体ヒドロラーゼの複数のアミノ酸残基の別個のアミノ酸による置換によって誘導される。 前記前駆体ヒドロラーゼは天然に存在するヒドロラーゼまたは組換えヒドロラーゼであろう。 ある特徴では、ヒドロラーゼ変種は、指定のアミノ酸残基の位置において天然に存在するL-アミノ酸のいずれかの置換を含む。

    ヒドロラーゼシグナル配列、プレプロおよび触媒ドメイン :本発明は、シグナル配列(例えばシグナルペプチド(SP))、プレプロドメインおよび触媒ドメイン(CD)を提供する。 本発明のSP、プレプロドメインおよび/またはCDは単離または組換えペプチドであるか、または融合タンパク質の一部分、例えばキメラタンパク質の異種ドメインとして存在することができる。 本発明は、これら触媒ドメイン(CD)、プレプロドメインおよびシグナル配列(SP、例えば本発明のポリペプチドのアミノ末端残基を含む配列および/または前記から成る配列有するペプチド)をコードする核酸を提供する。 ある特徴では、本発明は、本発明のポリペプチドの残基1から12、1から13、1から14、1から15、1から16、1から17、1から18、1から19、1から20、1から21、1から22、1から23、1から24、1から25、1から26、1から27、1から28、1から29、1から30、1から31、1から32、1から33、1から34、1から35、1から36、1から37、1から38、1から39、1から40、1から41、1から42、1から43、1から44(またはそれより大きいペプチド)に示される配列を含むペプチドおよび/または前記から成るペプチドを含むシグナル配列を提供する。

    本発明のヒドロラーゼシグナル配列(SP)、CDおよび/またはプレプロ配列は、単離ペプチドであるか、または別のヒドロラーゼもしくは非ヒドロラーゼポリペプチドと結合した配列(例えば融合(キメラ)タンパク質のようなもの)であり得る。 ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼシグナル配列を含むポリペプチドを提供する。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼシグナル配列SP、CDおよび/またはプレプロを含むポリペプチドは、本発明のヒドロラーゼにとって異種の配列を含む(例えば本発明のSPおよび/またはプレプロおよび別のヒドロラーゼまたは非ヒドロラーゼタンパク質に由来する配列を含む融合タンパク質)。 ある特徴では、本発明は、異種SP、CDおよび/またはプレプロ配列(例えば酵母のシグナル配列)を有する本発明のヒドロラーゼを提供する。 本発明のヒドロラーゼは、異種SPおよび/またはプレプロをベクター(例えばpPICシリーズベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA))中に含むことができる。

    ある特徴では、本発明のSP、CDおよび/またはプレプロ配列は新規なヒドロラーゼポリペプチドを特定した後で特定される。 タンパク質が選別され、それらの適切な細胞内の分布場所に輸送される経路はしばしばタンパク質ターゲティング経路と称される。 これら全てのターゲティング系のもっとも重要な成分の1つは、新規に合成されたポリペプチドのアミノ末端の短いアミノ酸配列(シグナル配列と称される)である。 このシグナル配列はタンパク質をその適切な細胞内の分布場所に誘導し、前記は輸送中またはタンパク質がその最終的な目的地に到達したときに除去される。 ほとんどのリソゾームタンパク質、膜タンパク質または分泌タンパク質は、小胞体の管腔内への輸送のための前記タンパク質の印となるアミノ末端シグナル配列を有する。 前記シグナル配列の長さは13から45またはそれより多いアミノ酸残基と変動する。 シグナル配列を認識する種々の方法が当業者には知られている。 例えば、ある特徴では、新規なヒドロラーゼシグナルペプチドはSignalPと称される方法によって特定される。 SignalPは神経結合ネットワークを使用する。 前記はシグナルペプチドおよびそれらの切断部位の両方を認識する(Nielsen et al., "Identification of prokaryotic and eukaryotic signal peptides and prediction of their cleavage sites”. Protein Engineering, 10(1):1-6 (1997))。

    いくつかの特徴では、本発明のヒドロラーゼはSPおよび/またはプレプロ配列、および/または触媒ドメイン(CD)を持たないことがあることは理解されよう。 ある特徴では、本発明は、SP、CDおよび/またはプレプロドメインの全てまたは部分を欠く本発明のポリペプチド(例えばヒドロラーゼ)を提供する。 ある特徴では、本発明は、あるヒドロラーゼに由来するシグナル配列(SP)、CDおよび/またはプレプロをコードする核酸が別のヒドロラーゼの核酸配列に機能可能に連結されたものを提供し、また場合によって非ヒドロラーゼタンパク質のシグナル配列(SP)および/またはプレプロドメインを所望することもできる。
    本発明はまた、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)および異種の配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供する。 前記異種配列は、SP、プレプロドメインおよび/またはCDとは(例えばヒドロラーゼと)天然には結合していない配列である。 SP、プレプロドメインおよび/またはCDが天然には結合していない配列は、SP、プレプロドメインおよび/またはCDのアミノ末端、カルボキシ末端および/またはそれらの両末端に存在し得る。 ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)を含むポリペプチドを含む(または前記から成る)単離または組換えポリペプチドを提供するが、ただし前記ポリペプチドはそれが天然に結合しているいずれの配列(例えばヒドロラーゼ配列)とも結合していないことを条件とする。 同様にある特徴では、本発明は、これらのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供する。 したがって、ある特徴では、本発明の単離または組換え核酸は、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)および異種配列(すなわち本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)と天然には結合していない配列)のコード配列を含む。 前記異種配列は、SP、プレプロドメインおよび/またはCDコード配列の3'末端、5'末端および/またはその両末端に存在することができる。

    本発明は、本発明の酵素(例えばシグナル配列、プレプロ配列)のN-末端またはC-末端部分配列と、他のポリペプチド、活性タンパク質またはタンパク質断片との融合物を提供する。 本発明の酵素(例えばヒドロラーゼ、例えばホスホリパーゼなどのリパーゼ)の生成は、前記酵素を不活性融合タンパク質として発現させることによって達成することも可能であり、ここで前記不活性融合タンパク質は、融合タンパク質の相手方と成熟酵素(例えば本発明のヒドロラーゼ)を分離させるタンパク質分解切断事象(内因性または外因性のいずれかのプロテアーゼ活性(例えばトリプシン))によって後に活性化される。 ある特徴では、本発明の融合タンパク質は、以下構成要素を含む、単一の開放読み枠をコードするハイブリッドヌクレオチドコンストラクトから発現する:融合タンパク質用のヌクレオチド配列、リンカー配列(2つのよりフレキシブルでないタンパク質ドメインを結びつけるフレキシブルなアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と定義される)、プロテアーゼ切断認識部位、および前記成熟酵素(例えば本発明の任意の酵素、例えばヒドロラーゼ)配列。 また別の特徴では、前記融合タンパク質は、ぺクテートリアーゼ配列、キシラナーゼ配列、ホスファチジン酸ホスファターゼ配列または他の配列(例えば目的とする宿主系において過剰発現することが事前に示されている配列)を含み得る。 いかなる宿主系(例えば大腸菌(E. coli)またはピキア・パストリス(Pichia pastoris))を使用してもよい(上記の考察を参照されたい)。 このキメラヌクレオチド構造におけるヌクレオチド配列の配置は、各融合コンストラクトについて達成されるタンパク質発現レベルに基づいて決定することができる。 ある特徴では、ヌクレオチドコンストラクトの5'末端からコンストラクトの3'プライム末端の順に、前記ヌクレオチド配列は以下のように組み立てられる:シグナル配列/融合タンパク質/リンカー配列/プロテアーゼ切断認識部位/成熟酵素(例えば本発明の任意の酵素、例えばヒドロラーゼ)、または、シグナル配列/pro配列/成熟酵素/リンカー配列/融合タンパク質。 不活性融合タンパク質として酵素(例えば本発明の任意の酵素、例えばヒドロラーゼ)を発現させると、前記酵素(例えば本発明のヒドロラーゼ)から融合タンパク質(例えばぺクテートリアーゼ)が分離されるまで前記酵素が不活性となるため、酵素配列の全体的な発現を向上させ得、活性酵素の過剰生成に関連するいかなる毒性の可能性を低減し得、および/または、使用前の酵素の保存期間を延長し得る。

    様々な特徴では、本発明は、融合タンパク質として発現させた本発明のヒドロラーゼの活性化のための特異的な調合物を提供する。 ある特徴では、不活性融合タンパク質として当初発現させたヒドロラーゼの活性の活性化は、タンパク質分解活性、または可能性としてアミノ末端またはカルボキシル末端のペプチダーゼ(前記ペプチダーゼは本発明の酵素であってもよいし、別の酵素であってもよい)と組み合わせたタンパク質分解活性によって成し遂げられる。 この活性化事象は、様々な様式で、および油脱ガムにおける適用に先立つ製造/貯蔵プロセスにおける様々な時点で行うことができる。 本発明の例示的な方法としては以下が挙げられる:発酵媒体中への融合コンストラクトの分泌に伴って製造宿主が発現した内因性活性による切断;内因性プロテアーゼ活性(本発明のプロテアーゼであり得る)による切断(宿主細胞の破裂に伴って、活性化または細胞内発現させた融合コンストラクトと接触する);クルードまたは精製融合コンストラクトを、固定化したプロテアーゼ(本発明のプロテアーゼであり得る)活性のカラムの中を通過させることによる、酵素形成に先立つ切断および酵素(例えば本発明のヒドロラーゼ、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、エステラーゼまたはホスホリパーゼ)活性化;クルードまたは精製融合コンストラクトの、タンパク質分解活性を有する溶性試料での処理;タンパク質分解活性を有する溶性または不溶性のいずれかの試料を使用することによる、製油所でのヒドロラーゼ(例えば本発明のヒドロラーゼ)の活性化(この方法における使用の直前に行われる);および/または、融合コンストラクト調合物を、低温(例えば約4℃から20℃の間の任意の温度)において固定化したプロテアーゼ活性のカラムを通して、連続的に循環させることによる、ヒドロラーゼ活性(例えば本発明のヒドロラーゼ)の活性化。 この活性化事象は、使用する場所への運搬に先立って行ってもよいし、または、製油所において現場で行われてもよい。

    グリコシル化 本発明のペプチドおよびポリペプチド(例えばヒドロラーゼ、抗体)はまた、グリコシル化されていてもよく、ある特徴では、例えば少なくとも1つのグリコシル化部位(例えばO-結合またはN-結合グリコシル化)を含む。 ある特徴では、前記ポリペプチドは、P. パストリス(P. pastoris)またはS. ポンベ(S. pombe)で発現した後でグリコシル化され得る。 前記グリコシル化は翻訳後に化学的にまたは細胞の生合成メカニズムによって行われ得る。 後者の場合、公知のグリコシル化モチーフの使用が含まれる(前記モチーフは配列にとって天然のものでもよく、またペプチドとして付加するか配列をコードする核酸に付加することもできる)。

    ホスホリパーゼ活性のアッセイ
    本発明は、ホスホリパーゼ活性を有する単離または組換えポリペプチドおよびそれらをコードする核酸を提供する。 ポリペプチドがホスホリパーゼ活性を持ち、本発明の範囲内である場合、その技術分野において多く知られるホスホリパーゼ活性アッセイのどれを利用して測定してもよい。 ホスホリパーゼA、B、DおよびC、パタチンおよび脂質アシルヒドロラーゼ活性を測定するための常例的操作は、その技術分野においてよく知られている。
    例示的な活性測定法は、濁度アッセイ、メチルウンベリフェリルホスホコリン(蛍光)アッセイ、Amplex red(蛍光)ホスホリパーゼアッセイ、薄層クロマトグラフィー(TLC)アッセイ、細胞融解アッセイおよびp-ニトロフェニルホスホリルコリンアッセイを含む。 これらのアッセイを利用して、ポリペプチドは、ホスホリパーゼ活性について迅速にスクリーンすることができる。

    ホスホリパーゼ活性は、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性を含む。 パタチンの脂質アシルヒドロラーゼ活性を測定するためのオクタエチレングルコールモノデシルエーテルを基にした混合ミセルアッセイについて述べているJimenez (2001) Lipids 36:1169-1174を参照されたい。 Pinsirodom (2000) J. Agric. Food Chem. 48:155-160は、例示的な脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)パタチン活性について述べている。
    ホスホリパーゼ活性を測定するための濁度アッセイは、例えば、Kauffmann (2001) “Conversion of Bacillus thermocatenulatus lipase into an efficient phospholipase with increased activity towards long-chain fatty acyl substrates by directed evolution and rational design,” Protein Engineering 14:919-928;Ibrahim (1995) “Evidence implicating phospholipase as a virulence factor of Candida albicans,” Infect. Immun. 63:1993-1998に述べられている。
    ホスホリパーゼ活性を測定するためのメチルウンベリフェリル(蛍光)ホスホコリンアッセイは、例えば、Goode (1997) “Evidence for cell surface and internal phospholipase activity in ascidian eggs,” Develop. Growth Differ. 39:655-660; Diaz (1999) “Direct fluorescence-based lipase activity assay,” BioTechniques 27:696-700に述べられている。

    ホスホリパーゼ活性を測定するためのAmplex red(蛍光)ホスホリパーゼアッセイは、例えば、Molecular Probes社(Eugene、オレゴン)製のAmplex red(蛍光)ホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼアッセイキットを利用したホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼ活性の検出のような、製造者の手引き書に従ったキットとして入手が可能である。
    その蛍光は、560 ± 10 nmの励起および590 ± 10 nmでの蛍光検出の蛍光ミクロプレートリーダーを利用して測定される。 そのアッセイは、非常に低い酵素濃度で感受性がある。
    ホスホリパーゼ活性を測定するための薄層クロマトグラフィー(TLC)アッセイは、例えば、Reynolds (1991) Methods in Enzymol. 197:3-13;Taguchi (1975) “Phospholipase from Clostridium novyi type AI,” Biochim. Biophys. Acta 409:75-85に述べられている。 薄層クロマトグラフィー(TLC)アッセイは、ホスホリパーゼ活性の検出のために広く使用されている技術である。 この方法に関する様々な改変法が、水溶性アッセイ混合物からリン脂質を抽出するために使用されている。 いくつかのPLCアッセイにおいて、その加水分解は、クロロホルム/メタノール(2:1)を加えることにより停止される。 主産物が水相に留まる一方、未反応の出発物質およびジアシルグリセロールは有機相に抽出され、TLCにより分画することができる。 リン脂質消化物のより正確な測定のために、放射標識基質が使用される(例えば、Reynolds (1991) Methods in Enzymol. 197:3-13を参照)。 産物および反応体の比率は、単位時間あたりの加水分解された基質の実際のモル数を計算するために使用することができる。 全ての組成が均等に抽出されるならば、抽出におけるどのような損失も全組成に均一な影響を及ぼすであろう。 リン脂質消化産物の分離は、クロロホルム/メタノール/水(65:25:4)を溶媒系に用いたシリカゲルTLCによって達成することができる(例えば、Taguchi (1975) Biochim. Biophys. Acta 409:75-85を参照)。

    ホスホリパーゼ活性を測定するためのp-ニトロフェニルホスホリルコリンアッセイは、例えば、Korbsrisate (1999) J. Clin. Microbiol. 37:3742-3745;Berka (1981) Infect. Immun. 34:1071-1074に述べられている。 その定量法は、基質類似体のp-ニトロフェニルホスホリルコリンの酵素的な加水分解により、405 nmで検出可能な黄色の発色化合物p-ニトロフェノールを遊離することに基づいている。 この基質は、ハイスループットスクリーニングに便利である。
    細胞融解アッセイは、赤血球の融解に基づく細胞融解活性を利用してホスホリパーゼ活性を検出できる。 有毒なホスホリパーゼは、赤血球の細胞膜と相互作用し、ホスファチジルコリンおよびスフィンゴミエリンを加水分解し、細胞を融解することができる。 例えば、Titball (1993) Microbiol. Rev., 57:347-366を参照されたい。

    ハイブリッドヒドロラーゼおよびペプチドライブラリー
    ある特徴では、本発明は、本発明の配列を含むハイブリッドヒドロラーゼおよび融合タンパク質(ペプチドライブラリーを含む)を提供する。 本発明のペプチドライブラリーを用いて、標的のペプチド調節物質(例えば活性化物質または阻害物質)を単離することができる。 本発明のペプチドライブラリーを用いて、標的に正式な結合パートナー、例えばリガンド、例えばサイトカイン、ホルモンなどを同定することができる。
    ある特徴では、本発明の融合タンパク質(例えばペプチド成分)は構造的に安定化され(直鎖状ペプチドと比較して)、標的に対してより高い結合親和性を可能にする。 本発明は、本発明のヒドロラーゼと他のペプチド(公知であって任意のペプチドを含む)の融合を提供する。 それらは、ヒドロラーゼの構造が顕著には乱されない態様で、さらに前記ペプチドが代謝的にまたは構造的構成的に安定化されるような態様で融合させることができる。 これによって、細胞内のその存在および量を容易にモニターできるペプチドライブラリーの作製が可能になる。

    本発明のアミノ酸配列変種は、天然に存在する形態(例えばヒドロラーゼ配列の対立遺伝子変種または種間変種)とそれらとを区別する特徴、予め定めた性質による特徴を有する。 ある特徴では、本発明の変種は、天然に存在する類似体と同じ定性的生物学的活性を示す。 また別には、前記変種は改変された性状を有するものについて選別することができる。 ある特徴では、アミノ酸配列変種を導入する部位または領域は予め決定されるが、変異それ自体を予め決定する必要はない。 例えば、ある部位における変種の成果を最適にするために、ランダム変異導入を標的コドンまたは領域で実施し、所望の活性の最適な組み合わせについて発現されたヒドロラーゼ変種をスクリーニングすることができる。 既知の配列を有するDNAの予め定めた部位に置換変異を導入する技術は既知であり、本明細書ではM13プライマー変異導入およびPCR変異導入が考察されている。 変異体のスクリーニングはタンパク分解活性のアッセイを用いて実施できる。 また別の特徴では、アミノ酸置換は単一残基であろう。 挿入は約1から20アミノ酸の規模であろう。 ただしはるかに大きな挿入も実施することができる。 欠失は約1から約20、30、40、50、60、70残基またはそれを超える範囲でもよい。 最適な特性を有する最終的な誘導体を得るために、置換、欠失、挿入または前記の任意の組み合わせを用いることができる。 一般的には、これらの変更は数アミノ酸で実施し、分子の改変を最小限に止める。 しかしながら、ある種の環境ではもっと大きな変更も容認される。

    本発明は、そのポリペプチド骨格構造、二次または三次構造(例えばアルファ-ヘリックスまたはベータ-シート構造)が改変されたヒドロラーゼを提供する。 ある特徴では、電荷または疎水性が改変されている。 ある特徴では、側鎖の体積が改変されている。 保存性が低い置換を選択することによって、機能または免疫学的同一性に実質的な変更がもたらされる。 例えば、以下に対してより顕著な影響を与える置換を実施することができる:改変領域のポリペプチド骨格構造(例えばアルファ-ヘリックスまたはベータ-シート構造);分子の荷電または疎水性部分(前記は活性部位に存在していてもよい);または側鎖。 本発明は、本発明のポリペプチドに以下のような置換を提供する:(a)疎水性残基(例えばセリルまたはスレオニル)で親水性残基(例えばロイシル、イソロイシル、バリルまたはアラニル)を置換する(または前者を後者で置換する);(b)システインまたはプロリンで他の任意の残基を置換する(または前者を後者で置換する);(c)陽性荷電側鎖をもつ残基(例えばリシル、アルギニルまたはヒスチジル)で陰性荷電残基(例えばグルタミルまたはアスパルチル)を置換する(または前者を後者で置換する);または(d)体積の大きな側鎖(例えばフェニルアラニン)で側鎖をもたない残基(例えばグリシン)を置換する(または前者を後者で置換する)。 前記変種は同じ定性的生物学的活性(例えばヒドロラーゼ活性)を示すことができるが、ただし変種を選別してヒドロラーゼの性状を必要とされるように改変することができる。

    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、エピトープもしくは精製タグ、シグナル配列または他の融合配列などを含む。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは任意のペプチドと融合させて、融合ポリペプチドを形成させることができる。 本明細書では“融合”または“機能可能に連結”とは、任意のペプチドおよびヒドロラーゼが、前記ヒドロラーゼ構造の安定性の破壊を最小限に止める(例えば前記がヒドロラーゼ活性を維持する)ことができる態様で一緒に結合されることを意味する。 融合ポリペプチド(または融合ポリペプチドをコードする核酸)はさらに別の成分(複数のループに存在する複数のペプチドを含む)も同様に含むことができる。
    ある特徴では、前記ペプチド(例えばヒドロラーゼ配列)およびそれらをコードする核酸はランダム化される。 前記ランダム化は完全なランダム化であっても、またはランダム化が、例えばヌクレオチド/残基頻度において全体的にもしくは位置毎に偏っていてもよい。 “ランダム化された”とは各核酸およびペプチドがそれぞれ本質的に任意のヌクレオチドおよびアミノ酸から成ることを意味する。 ある特徴では、前記ペプチドを生じる核酸は化学的に合成することができ、したがって、任意の位置に任意のヌクレオチドを取り込むことができる。 したがって、核酸が発現されペプチドを生成するとき、任意の位置に任意のアミノ酸残基が取り込まれ得る。 合成プロセスは、ランダム化された核酸が生成されるように設計して、核酸の全長にわたって可能な全てのまたは大半の組み合わせを形成し、したがってランダム化された核酸ライブラリーの形成を可能にすることができる。 前記ライブラリーは、構造的に十分に多様なランダム化された発現生成物集団を提供し、所望の反応を示す1つまたは2つ以上の細胞の提供のために確率的に十分な範囲の細胞反応に影響を与えることができる。 したがって、本発明は、ライブラリーメンバーの少なくとも1つがいくつかの分子、タンパク質または他の因子に対する親和性を与える構造を有することができるように十分に大きな相互作用ライブラリーを提供する。

    スクリーニング方法論および“オンライン”モニター装置
    本発明の方法の実施に際して、多様な装置および方法論を本発明のポリペプチドおよび核酸と併せて用いることができる。 例えば、前記多様な装置および方法論は、ヒドロラーゼ活性についてポリペプチドをスクリーニングするため、ヒドロラーゼ活性の潜在的活性化物質または阻害物質としての化合物をスクリーニングするため(例えば薬の候補のスクリーニングのため)、本発明のポリペプチドと結合する抗体について、本発明の核酸とハイブリダイズする核酸についてスクリーニングするため、本発明のポリペプチドを発現する細胞をスクリーニングするためなどに用いることができる。 例えば米国特許第6,337,187号を参照されたい。

    キャピラリーアレイ
    キャピラリーアレイ、例えばGIGAMATRIX(登録商標)(Diversa Corporation, San Diego, CA)を本発明に使用することができる。 本発明の核酸またはポリペプチドはキャピラリーアレイを含むアレイに固定化または塗布することができる。 アレイを用いて、(例えば小分子、抗体、核酸の)組成物ライブラリーを、本発明の核酸またはポリペプチドに結合するその能力または前記の活性を調節するその能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。 キャピラリーアレイはサンプルを支持およびスクリーニングするための別の系を提供する。 例えば、サンプルスクリーニング装置は隣接キャピラリーのアレイとして形成された複数のキャピラリーを含むことができ、各キャピラリーはサンプルを保持するための少なくとも一つの管腔を規定する。 この装置はさらにアレイ中の隣接キャピラリー間に置かれた間質材料、および、その間質材料内に形成された1つまたは2つ以上のリファレンス指標を含むことが出来る。 サンプルをスクリーニングするためのキャピラリーは、キャピラリーのアレイとして結合させるために適合されており、サンプルを保持するための管腔を規定する第1の壁および、サンプルを励起するために管腔に供給される励起エネルギーを透過させるためのフィルター材料で形成された第2の壁を有することが出来る。

    ポリペプチドまたは核酸(例えばリガンドまたは基質)はキャピラリーアレイのキャピラリーの少なくとも一部へ第1の成分へ導入することができる。 キャピラリーアレイの各キャピラリーは第1の成分を保持するための管腔を規定する少なくとも一つの壁を有する。 キャピラリー中の第1の成分の後ろに気泡を導入することができる。 このキャピラリーに第2の成分を導入することができ、この第2の成分は気泡によって第1の成分と分離される。 関心のあるサンプルは検出可能な粒子で標識した第1の液体としてキャピラリーまたはキャピラリーアレイに導入することができ、キャピラリーアレイの各キャピラリーは第1の液体および検出可能粒子を保持するための管腔を規定する少なくとも第1の壁を含み、前記少なくとも第1の壁は前記検出可能粒子を前記少なくとも一つの壁へ結合させるための結合材料で被覆されている。 本方法は、前記第1の液体をキャピラリー管から除去すること、ここで結合した検出可能粒子はキャピラリー内に維持され、および、前記キャピラリー管に第2の液体を導入することを更に含むことができる。

    キャピラリーアレイは、管腔を規定する少なくとも一つの外壁を含む複数の個々のキャピラリーを含むことができる。 キャピラリーの外壁は互いに融合した1つまたは2つ以上の壁であってもよい。 同様に、壁は円筒状、四形、六角形または、壁が液体またはサンプルを保持するための管腔を形成する限り他のどのような幾何学的形状の管腔を規定することもできる。 キャピラリーアレイのキャピラリーは密接に保持されて平面構造を形成することも出来る。 前記キャピラリーは融合(キャピラリーがガラス製の場合)、糊付け、結合、または並べて留めることにより一緒に結合させることが出来る。 前記キャピラリーアレイはどのような数の(例えば100〜4,000,000の範囲)個々のキャピラリーからも形成することができる。 キャピラリーアレイは互いに結合された約100,000以上の個々のキャピラリーを有するミクロタイタープレートを形成することが出来る。

    アレイまたは“バイオチップ” :本発明の核酸またはポリペプチドはアレイに固定化するかまたは適用される。 アレイを用いて、(例えば小分子、抗体、核酸などの)組成物ライブラリーを、本発明の核酸またはポリペプチドに結合するその能力または前記の活性を調節するその能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。 例えば本発明のある特徴では、モニターされるパラメーターはヒドロラーゼ遺伝子転写物の発現である。 細胞の1つもしくは2つ以上または全てを細胞の転写物を含むサンプルのハイブリダイゼーションによって測定することができ、また細胞の核酸相当物もしくは細胞の転写物と相補的な核酸をアレイもしくは“バイオチップ”上に固定化された核酸とのハイブリダイゼーションによって測定することができる。 マイクロチップ上の核酸の“アレイ”を用いることによって、細胞の転写物のいくつかまたは全てを同時に定量することができる。 また別には、ゲノム核酸を含むアレイはまた、本発明の方法によって新規に作出された株の遺伝子型の決定に用いることができる。 “ポリペプチドアレイ”はまた、複数のタンパク質の同時定量に用いることができる。 本発明は公知の任意の“アレイ”(“マイクロアレイ”または“核酸アレイ”または“ポリペプチドアレイ”または“抗体アレイ”または“バイオチップ”またはその変型とも称される)を用いて実施することができる。 アレイは一般的には複数の“スポット”または“標的エレメント”である。 各標的エレメントは一定量の1つまたは2つ以上の生物学的分子、例えばオリゴヌクレオチドを含み、それらはサンプル分子(例えばmRNA転写物)と特異的に結合する基質表面の一定領域に固定されている。

    ある特徴では、前記ヒドロラーゼは固定化された形体として使用される。 いかなる固定化法(例えばジエチルアミノエチル-セルロース、多孔質ガラス、キチンまたは細胞などの不活性支持体による固定化)を使用してもよい。 本発明のヒドロラーゼを発現する細胞は、架橋(例えばグルタルアルデヒドを使用)によって基質の表面に固定化し得る。
    本発明の方法の実施に際して、任意の公知のアレイおよび/またはアレイの製造および使用方法の全体もしくは部分またはその変型を取り入れることができる。 前記は例えば以下に記載されているようなものである:米国特許第6,277,628号;第6,277,489号;第6,261,776号;第6,258,606号;第6,054,270号;第6.048,695号;第6,045,996号;第6,022,963号;第6,013,440号;第5,965,452号;第5,959,098号;第5,856,174号;第5,830,645号;第5,770,456号;第5,632,957号;第5,556,752号;第5,143,854号;第5,807,522号;第5,800,992号;第5,744,305号;第5,700,637号;第5,556,752号;第5,434,049号。 さらにまた例えば以下を参照されたい:WO99/5173;WO99/09217;WO97/46313;WO96/17958。 さらにまた例えば以下を参照されたい:Johnston (1998) Curr. Biol. 8:R171-R174;Schummer (1997) Biotechniques 23:1087-1092;Kern (1997) Biotechniques 23:120-124;Solinas-Toldo (1997) Genes, Chromosomes& Cancer 20:399-407;Bowtell (1999) Nature Genetis Supp. 21:25-32。 さらにまた以下を参照されたい:米国特許出願公開広報第20010018642号;同第20010019827号;同第20010016322号;同第20010014449号;同第20010014448号;同第20010012537号;同第20010008765号。

    抗体および抗体使用スクリーニング方法
    本発明は、本発明のヒドロラーゼと特異的に結合する単離または組換え抗体を提供する。 これらの抗体を用いて、本発明のヒドロラーゼまたは関連するポリペプチドを単離、特定または定量することができる。 前記の抗体を用いて本発明の範囲内に包含される他のポリペプチドまたは他の関連するヒドロラーゼを単離することができる。
    前記抗体は、免疫沈澱、染色、イムノアフィニティーカラムなどで用いることができる。 所望の場合は、特異的な抗原をコードする核酸配列を、免疫とそれに続くポリペプチドまたは核酸の単離、増幅またはクローニングおよびポリペプチドの本発明のアレイ上への固定によって作製することができる。 また別には、本発明の方法を用いて、改変されるべき細胞により産生される抗体の構造を改変することができる。 例えば抗体の親和性を強化または低下させることができる。 さらにまた、抗体を製造または改変する能力は本発明の方法により細胞を操作して付与した表現型であり得る。
    免疫、抗体(ポリクローナルおよびモノクローナル)の製造および単離の方法は当業者には公知で、さらに学術文献および特許文献に記載されている。 例えば以下を参照されたい:Coligan, Current Protocols in Immunology, Wiley/Greene, NY (1991); Stites (eds.) Basic and Clinical Immunology (7th ed.) Lang Medical Publications, Los Altos, CA ("Stites"); Goding, Monoclonal Antibodies: Priciples and Practice (2nd ed.) Academic Press, New York, NY (1986); Kohler (1975) Nature 256:495; Harlow (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York。 抗体はまた、動物を用いる従来のin vivo方法以外でも、in vitroで例えば組換え抗体結合部位発現ファージディスプレーライブラリーを用いて作製することができる。 例えば以下を参照されたい:Hoogenboom (1997) Trends Biotechnol. 15:62-70; Katz (1997) Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:27-45。

    ポリペプチドまたはペプチドを用いて、本発明のポリペプチドと特異的に結合する抗体を作製することができる。 生成された抗体はイムノアフィニティークロマトグラフィー方法で用いて、前記ポリペプチドを単離または精製するか、または前記ポリペプチドが生物学的サンプルに存在するか否かを決定することができる。 そのような方法では、タンパク質調製物(例えば抽出物)または生物学的サンプルを本発明のポリペプチドの1つと特異的に結合することができる抗体と接触させる。
    イムノアフィニティー方法では、前記抗体を固相(例えばビーズまたは他のカラムマトリックス)に付着させる。 抗体が本発明のポリペプチドの1つと特異的に結合する条件下で、前記タンパク質調製物を前記抗体と接触させる。 洗浄して非特異的に結合したタンパク質を除去した後、特異的に結合したポリペプチドを溶出させる。

    生物学的サンプル中のタンパク質の前記抗体と結合する能力は、当業者に知られた多様な方法を用いて決定できる。 例えば、結合は前記抗体を検出可能な標識(例えば蛍光物質、酵素標識または放射性同位元素)で標識することによって決定できる。 また別には、抗体とサンプルとの結合は、前記のような検出可能な標識をその上に保持する二次抗体を用いて検出してもよい。 具体的なアッセイにはELISAアッセイ、サンドイッチアッセイ、放射能免疫アッセイおよびウェスタンブロットが含まれる。
    本発明のポリペプチドに対して作製されるポリクローナル抗体は、動物に前記ポリペプチドを直接注射することによって、または非ヒト動物に前記ポリペプチドを投与することによって得ることができる。 そのようにして得られた抗体は前記ポリペプチド自体と結合するであろう。 このようにして、ポリペプチドの断片のみをコードする配列でさえも完全な天然のポリペプチドと結合することができる抗体の作製に用いることができる。 続いて前記のような抗体を用いて、前記ポリペプチドを発現している細胞から前記ポリペプチドを単離することができる。

    モノクローナル抗体の調製の場合、持続的細胞株の培養によって生成される抗体を提供するいずれの技術も用いることができる。 その例にはハイブリドーマ技術、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術およびEBV-ハイブリドーマ技術が含まれる(例えば以下を参照されたい:Cole (1985) Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96)。
    単鎖抗体の生成のために記載された技術(例えば米国特許第4,946,778号を参照されたい)を利用して、本発明のポリペプチドに対する単鎖抗体を生成することができる。 また別には、遺伝子導入マウスを用いて、これらポリペプチドまたはその断片に対するヒト化抗体を発現させることができる。
    本発明のポリペプチド(抗−イディオタイプ抗体を含む)に対して作製された抗体を他の生物およびサンプル由来の類似のポリペプチドのスクリーニングに用いることができる。 そのような技術では、前記生物由来のポリペプチドを抗体と接触させ、さらに前記抗体と特異的に結合するポリペプチドが検出される。 上記に記載したいずれの方法も抗体結合の検出に用いることができる。

    固定化したヒドロラーゼ
    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)は、脂質の構造的合成において固定化された形態(例えば脂質を処理するため)で使用して、タンパク質などを分解する。 本発明の固定化したヒドロラーゼは、例えばトリグリセリド、ジグリセリドもしくはエステルを加水分解するため、または脂肪酸、ジグリセリドもしくはトリグリセリドをエステル化もしくはエステル転移するため、または油脂をエステル化するために使用し得る。 ある特徴では、前記リパーゼは、脂肪酸とアルコールのエステル化に特異的であるか、1,3-特異的であるか、または無作為化エステル転移リパーゼであるか、あるいは、部分的(partial)グリセリド、エステルもしくはトリグリセリドの加水分解に対して特異的なリパーゼである。 本発明の固定化したリパーゼは、充填した層の中で使用して、無溶剤油脂を連続的にエステル転移し得る。 例えば米国特許第4,818,695号;同5,569,594号を参照されたい。

    上述の通り、いかなる固定化法または支持体の形態(例えばアレイ、ビーズ、キャピラリー支持体など)を使用してもよい。 ある特徴では、ヒドロラーゼの固定化は、ジエチルアミノエチル-セルロース、多孔質ガラス、キチンまたは細胞などの不活性支持体によって起こり得る。 本発明のヒドロラーゼを発現する細胞は、架橋(例えばグルタルアルデヒドを使用)によって基質の表面に固定化し得る。 本発明の固定化したヒドロラーゼは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリグリセロール脂肪酸エステルなどの界面活性剤を使用して、乾燥多孔質粒子疎水性支持体に結合したヒドロラーゼを含んで調製し得る。 前記支持体は、脂肪族オレフィンポリマー(例えばポリエチレンまたはポリプロピレンなど)、スチレンのホモ-もしくはコポリマーまたはそのブレンド、または前処理した無機支持体であり得る。 これらの支持体は、脂肪族オレフィンポリマー、酸化ポリマー、これらのポリマーのブレンドまたは膳処理した無機支持体から選択することによって、これらの支持体を疎水性にすることができる。 この前処理は、有機シリコン化合物によってシラン化することを含み得る。 無機材料は、シリカ、アルミナ、ガラス、またはセラミックであり得る。 支持体は、ポリスチレン、スチレンのコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは(メタ)アクリラート誘導コポリマーから作製されていてもよい。 例えば米国特許第5,773,266号を参照されたい。

    キット
    本発明は、前記組成物(例えば本発明の核酸、発現カセット、ベクター、細胞、トランスジェニック種子または植物もしくは植物部分、ポリペプチド(例えばヒドロラーゼ)および/または抗体)を含むキットを提供する。 前記キットはまた、本明細書に記載されたような本発明の方法論および工業的使用を教示する指示物を含むことができる。

    代謝パラメーターの測定
    本発明の方法は、細胞の遺伝的構成を改変することによって、新規な表現型を持つ新規な細胞株を開発するために、全細胞進化または全細胞操作を提供する。 前記遺伝的構成は、核酸(例えば本発明のヒドロラーゼのコード配列)を細胞に導入することによって改変される。 新規な表現型を検出するために、改変細胞の少なくとも1つの代謝パラメータを“リアルタイム”または“オンライン”でモニターする。 ある特徴では、複数の細胞(例えば細胞培養)が“リアルタイム”または“オンライン”でモニターされる。 ある特徴では、複数の代謝パラメータが“リアルタイム”または“オンライン”でモニターされる。 代謝パラメータは本発明の蛍光ポリペプチド(例えば蛍光部位を含む本発明のヒドロラーゼ)を用いてモニターできる。
    代謝フラックス分析(MFA)は公知の生化学的フレームワークを基にしている。 線形独立な代謝行列を、細胞内代謝物に対する質量保存の法則および擬似定常状態仮説(pseudo-steady state hypothesis, PSSH)に基づいて構築する。 本発明の方法の実施に際して、以下を含む代謝ネットワークが確立される:
    −全ての経路の基質、生成物および中間代謝物の実体;
    −前記経路の代謝物を変換する全ての化学反応の実体、前記経路の反応の化学量論;
    −前記反応を触媒する全ての酵素の実体、前記酵素反応のカイネティクス;
    −経路の構成成分間の調節的相互作用、例えばアロステリック相互作用、酵素-酵素相互作用など;
    −酵素の細胞内区画局在性または前記酵素の他の超分子的構成;および −代謝物、酵素またはエフェクター分子の濃度勾配、またはそれらの移動に対する拡散障壁の存在。

    ある株について前記代謝ネットワークがいったん確立されたら、行列表記による数学的表現を導入し、オンライン代謝物データが利用可能ならば細胞内代謝フラックスを概算することができる。 代謝表現型は細胞内の完全な代謝ネットワークの変化に依存する。 代謝表現型は、環境条件、遺伝的調節、発育状態および遺伝子型などに対応する経路の利用変化に左右される。 本発明の方法のある特徴では、オンラインMFA計算の後で、細胞の動的態様、細胞の表現型および他の特性が前記経路の利用を精査することによって分析される。 例えば、酵母の発酵時にグルコースの供給が増加し、酸素が減少する場合、呼吸経路の利用は低下および/または停止し、発酵経路の利用が優先的になるであろう。 細胞培養の生理的状態の制御は前記経路分析の後で可能になるであろう。 本発明の方法は、基質供給、温度、誘発物質などをどのように変化させるか、細胞の生理的条件を制御して所望の方向にどのように誘導するかを決定することによって発酵の操作方法の決定に役立つことができる。 本発明の方法の実施に際して、MFAの結果はまた、代謝の操作または遺伝子シャッフリングなどのために実験およびプロトコル設計のためにトランスクリプトームデータおよびプロテオームデータと比較することができる。
    本発明の実施では、任意の改変表現型または新規な表現型(細胞の新規なまたは改善された性状を含む)を付与しこれを検出することができる。 代謝または増殖のいずれの特徴もモニターすることができる。

    mRNA転写物発現のモニタリング :本発明のある特徴では、操作された表現型は、細胞内でのmRNA転写物の発現の増加もしくは減少、または新規転写物の生成を含む。 この発現増加または低下は、本発明のヒドロラーゼコード核酸の使用によって追跡することができる。 mRNA転写物(またはメッセージ)はまた、当業界で公知の任意の方法(ノザンブロット、定量的増幅反応、アレイへのハイブリダイゼーションなどなどを含む)によって検出および定量することができる。 定量的増幅反応は、例えば定量的PCR(例えば定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(またはRT-PCR)を含む);定量的リアルタイムRT-PCR(または“リアルタイムキネティックRT-PCR”)を含む(例えば以下を参照されたい:Kreuzer (2000) Br. J. Haematol. 114:313-318; Xia (2001) Transplantation 72:907-914)。
    本発明のある特徴では、操作される表現型は同種遺伝子の発現をノックアウトすることによって作出される。 遺伝子のコード配列または1つもしくは2つ以上の転写制御エレメント(例えばプロモーターまたはエンハンサー)をノックアウトすることができる。 したがって転写物の発現は完全に除去されるか、または単に減少させることができる。
    本発明のある特徴では、操作される表現型は同種遺伝子の発現の増加を含む。 これは、負の制御エレメント(cis-またはtrans-で作用する転写調節エレメントを含む)のノックアウト、または正の制御エレメントの変異導入によって実施できる。 細胞の1つもしくは2つ以上または全てを、細胞の転写物を含むサンプルのハイブリダイゼーションによって測定することができ、また細胞の核酸相当物もしくは細胞の転写物と相補的な核酸をアレイ上に固定された核酸とのハイブリダイゼーションによって測定することができる。

    ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸の発現のモニタリング :本発明のある特徴では、操作される表現型は、細胞内でのポリペプチドの発現の増加もしくは低下、または新規なポリペプチドの生成を含む。 前記の発現増加または低下は、本発明のヒドロラーゼまたは抗体の使用によって追跡することができる。 ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸はまた、当業界で公知の任意の方法(例えば核磁気共鳴(NMR)、分光光度法、ラジオグラフィー(タンパク質放射能標識)、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高拡散クロマトグラフィー、多様な免疫学的方法、例えば免疫沈澱、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、ゲル電気泳動(例えばSDS-PAGE)、抗体による染色、蛍光活性化細胞分類装置(FACS)、熱分解質量分析法、フーリエ変換赤外線分光分析、ラマン分光分析、並びにLC-エレクトロスプレーおよびcap-LC-タンデム-エレクトロスプレー質量分析などを含む)によって検出および定量することができる。 新規な生物活性はまた、米国特許第6,057,103号に記載された方法またはその変法を用いてスクリーニングできる。 さらにまた以下で詳細に考察されるように、細胞のポリペプチドの1つまたは2つ以上、またはその全てはタンパク質アレイを用いて測定することができる。

    工業的および医学的用途
    本発明は、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)のための多くの工業的利用および医学的用途を提供し、以下に本発明のいくつかの例示的な使用および組成物を説明する。 本発明の方法は、ほんのいくつかの用途として、非水和性リン脂質の水和性リン脂質への変換、脱ガム、食物加工、植物、魚、藻からの油加工を含む。

    ホスホリパーゼ 本発明は、本発明の酵素、例えば、ホスホリパーゼA、B、CおよびDの、非水和性リン脂質の水和性型への変換、油脱ガム、植物、魚類、藻類およびその類由来の油の加工を含む多くの工業的使用および医学的応用を提供する。 工業的な応用におけるホスホリパーゼ酵素の使用法は、当技術分野によく知られる。 例えば、本発明のホスホリパーゼおよび方法は、以下に述べられているように、脂肪および油の処理のために使用することができる:例えば、日本特許出願H6-306386は、油および脂肪中に存在するリン脂質を、例えば、リン酸基を含む水溶性の物質に変換することを記述している。
    本発明のホスホリパーゼは、米糠、ダイズ、キャノーラ、ヤシ、綿実、トウモロコシ、ヤシ穀粒、ココナッツ、ピーナッツ(ラッカセイ)、ゴマ、ヒマワリに由来する、あるいはこれらから単離された植物油およびリン脂質の加工に使用することができる。 本発明のホスホリパーゼは、例えば、ぶどう種子、杏子、るりぢさ等のフルーツの種子油のような精油を加工するために使用することができる。 発明のホスホリパーゼは、天然の状態、脱ガム化された、ガム、洗浄水、粘度、シリカ、ソープストック、およびその類を含む異なる形態の油およびリン脂質の加工に使用することができる。 本発明のリン脂質は、高リン含有油、魚油、動物油、植物油、藻油およびその類の加工に使用することができる。 本発明のどの側面においても、ホスホリパーゼCは、どの時点でも使用することができ、別法として、本発明のホスホリパーゼDおよびホスファターゼの使用を含む(例えば、ダイズ油のような高リン含有油の収量を改善するために、PLD/ホスファターゼの組み合わせを使用する)。

    ある特徴では、本発明は、油脱ガムのための組成物および方法(本発明のホスホリパーゼの使用を含み得る)を提供し、これはソープストックを作製することなく変動する量の酸および塩基の使用を含む。 脱ガムのためのこの本発明の特徴を使用すると、酸(リン酸および/またはクエン酸を含む)を、非水和性リン脂質を高リン油(米糠、ダイズ、キャノーラ、およびヒマワリを含む)に水和させることに使用し得る。 リン脂質が一度水和されると、腐蝕剤を添加することによって水相のpHを上げることができる:添加した腐蝕剤の量によって酵素活性に好ましいpHを作り出すことができるが、油の中に大量のソープストック画分を形成させることはない。 ソープストックが形成されないため、油の中の遊離脂肪酸を、下流で(脱ガム工程の後、ブリーチングおよび脱臭の際に)除去し得る。

    本発明のホスホリパーゼは、食用油、バイオディーゼル油、製薬および化粧品のためのリポソーム、構造化リン脂質および構造化脂質を処理および製造するために使用することができる。 本発明のホスホリパーゼは、油の抽出に利用することができる。
    本発明のホスホリパーゼは、様々な石鹸を加工および製造するために使用することができる。
    本発明のホスホリパーゼは、以下の目的に使用することができる;ホスホイノシチド(PI)のシグナリングシステムの研究;躁鬱病の診断および治療法の開発(例えば、Pandey (2002) Neuropsychopharmacology 26:216-228を参照);抗酸化剤;修飾リン脂質;発泡およびゲル化剤;血管新生組織のための血管原性脂質の作成;PLA、PLB、PLC、PLDおよび/または、パタチン調節因子(アゴニストまたはアンタゴニスト)、例えば、抗腫瘍性、抗炎症性および無痛化剤として使用するための阻害剤等の同定。 それらは、食品および医薬品の苦味を調節するための酸性リン脂質を産生するために使用することができる。 それらは、油脂精製に使用することができる。 それらは、ウイルス病、炎症、アレルギーおよび心疾患の処理のためのペプチド阻害剤を同定するために使用することができる。 それらは、ワクチンを作製するために使用することができる。 それらは、ポリ不飽和脂肪酸グリセリドおよびホスファチジルグリセリドを産生するために使用することができる。
    本発明のホスホリパーゼ(例えばPLAおよびPLC酵素)は、抗癌治療用の抗毒素および様々な治療剤を生成するために使用される。
    本発明のホスホリパーゼは、脱色(即ちクロロフィルの除去)のために、および洗剤の中に(上記を参照)、他の酵素と組み合わせて(例えば他の酵素、例えばリパーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼ、ホスホリパーゼと組み合わせて)使用し得る。 例えば、PLCが使用されるどのような場合においても、PLC単独の場合と同様の結果を得るために、PLDおよびホスファターゼを組み合わせで使用してもよい。

    解毒 ヒドロラーゼ(例えば本発明のリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼおよび/またはホスホリパーゼ)は、解毒方法(例えばエンドトキシン(例えばリポポリサッカライド(LPS)を含む組成物)の解毒)に使用し得、本発明は本発明の酵素の少なくとも1つ(例えば配列番号:962(配列番号:961によりコードされる)または配列番号:966(配列番号:965によりコードされる)に示す配列を有するヒドロラーゼ)を使用する解毒方法を提供する。 ある特徴では、本発明のリパーゼおよび/またはエステラーゼはリポポリサッカライド(LPS)を解毒するために使用される。 ある特徴では、この解毒は、脂質Aからの2'および/または3'脂肪酸鎖の脱アシル化である。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼおよび/またはエステラーゼ)は、脂質(例えば脂質A(例えば細菌エンドトキシンからのもの))からの2'-ラウロイルおよび/または3'-ミリストイル鎖を加水分解するために使用される。 ある特徴では、本発明の方法は、エンドトキシン(例えば大腸菌などのグラム陰性菌からの毒素)を破壊するために使用される。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼおよび/またはエステラーゼ)は、毒素中毒の効果(例えばグラム陰性菌感染の進行)を改善するため、または、感染(例えば動物またはヒトにおける感染)の際のエンドトキシンの効果を予防するために使用される。 したがって、本発明は、敗血症の際のリポポリサッカライド(LPS)毒性効果を改善または予防するための、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼおよび/またはエステラーゼ)を含む組成物、および本発明のヒドロラーゼを使用する方法を提供する。

    食物の加工 ヒドロラーゼ(例えば本発明のリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼおよび/またはホスホリパーゼ)またはその組み合わせは、食物の加工(例えばその安定性、保存期間、味、質感などを変化させるため)に使用し得る。 例えば、ある特徴では、本発明のホスホリパーゼは、食品の苦味を調節するための酸性リン脂質を産生するために使用することができる。
    ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、ホスホリパーゼ)を使用することによるチーズ製造法を提供する(したがって、本発明はまた、本発明のヒドロラーゼを含むチーズも提供する)。 ある特徴では、本発明の酵素(例えばリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、ホスホリパーゼ、例えばホスホリパーゼA、リゾホスホリパーゼまたはその組み合わせ))は、例えば“減油”の傾向を軽減することによって、味の向上、収量の増加および/またはチーズの“安定化”のためにチーズを加工するために使用される、あるいは、ある特徴では、本発明の酵素は、チーズミルクからチーズを生成するために使用される。 本発明のこれらの方法は、いかなる方法またはプロトコル(例えば米国特許第6,551,635号および同6,399,121号、WO 03/070013、WO 00/054601などに説明されるもの)を取り入れてもよい。 例えば、ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼおよび/またはホスホリパーゼ)は、ミルクまたはミルク含有組成物(例えばクリーム)の中の油脂エマルジョンを安定化するために使用され、そして、ミルク組成物を安定化するために(例えばクリームまたはクリーム酒を製造のために)使用される。 ある特徴では、本発明は、本発明の酵素を少なくとも1つ使用することによる、チーズの味を向上させる方法を提供し、前記方法は、タンパク質、油脂および(例えば本発明の)プロテアーゼおよび(例えば本発明のリパーゼ)を、水性媒体の中で、チーズの味を向上させる(例えば苦味の軽減)条件下でインキュベートすることを含む(例えばWO 99/66805に説明されるように)。 ある特徴では、本発明のホスホリパーゼは、水、(例えば本発明の)プロテアーゼ、(例えば本発明の)リパーゼと一緒に高温(例えば約75℃から95℃の間)で混合することによってチーズ(例えば凝乳)の味を向上させるために使用される(例えば米国特許第4,752,483号に説明されるように)。 ある特徴では、本発明のホスホリパーゼは、チーズの熟成を促進するために使用され、これは、凝固剤をミルクに添加する前に本発明の酵素をチーズ(例えばチーズミルク)に添加すること、または、圧縮前に本発明の酵素(例えばリパーゼまたはホスホリパーゼ)を塩と共に凝乳に加えることによる(例えば米国特許第4,707,364号に説明されるように)。 ある特徴では、本発明のリパーゼは、ミルク脂肪のトリグリセリドを分解して遊離脂肪酸を遊離させるために使用され、その結果味が向上する。 本発明のプロテアーゼはまた、本発明のこれらのいずれの方法においても使用し得る(例えばBrindisi (2001) J. of Food Sci. 66:1100-1107を参照されたい)。
    ある特徴では、ヒドロラーゼ(例えば本発明のリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼおよび/またはホスホリパーゼ)は、食物(例えば油(例えば98/26057に説明させるような、非水和性リンを多く含む植物油など))のリンの含有量を減らすために使用される。

    腐蝕剤精製 ある特徴では、本発明の酵素(例えばホスホリパーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)は、腐蝕剤の補助剤として使用される。 ある特徴では、本発明のPLCまたはPLDおよびホスファターゼは、腐蝕性中和精製方法(連続的またはバッチ精錬)の前、途中、または後のいずれかに滴加剤として方法中で使用される。 酵素の添加量は、方法によって変わってもよい。 本方法で使用される水の濃度は、例えば、約0.5から5 %のような低い濃度であるべきである。 あるいは、腐蝕剤は、多数回加えられる。 更に、本方法は、異なった温度(25℃から70℃)、異なる酸または腐蝕剤、および多様なpH(4〜12)において行われてもよい。 腐蝕性精製方法で使用される酸は、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸の、塩酸および/または酢酸を含むが、それらに限定されるものではない。 酸は、非水和性リン脂質を水和させるために使用される。 使用される腐蝕剤は、KOHおよびNaOHを含むが、それらに限定はされない。 腐蝕剤の中和には、遊離脂肪酸が使用される。 代わりに、本発明のホスホリパーゼ、または特別に本発明のPLCまたはPLDおよびホスファターゼが、ガム/ソープストックからフィトステロールの精製のために使用される。

    腐蝕性精製の前に本発明のホスホリパーゼを加える、本発明の別の態様は、例えば植物においてホスホリパーゼを発現させることによるものである。 別の実施態様として、本発明のホスホリパーゼは、植物、種または他の植物の一部を破砕する間に加えられる。 代わりに、本発明のホスホリパーゼは、破砕の後ではあるが、精錬前に加えられる(即ち、保持容器中)。 更に、ホスホリパーゼは、精製の前処理として、酸の存在または非存在の下に加えられる。
    本発明のもう一つの態様は、腐蝕性精製方法の途中で本発明のホスホリパーゼを加えることを含む。 酸および腐蝕剤のレベルは、リンおよび遊離脂肪酸のレベルによって変化し得る。 使用される酵素のタイプに依存して、広い範囲の温度およびpHがその方法で使用され得る。
    本発明の別の実施態様として、本発明のホスホリパーゼは、腐蝕性精製の後で加えられる。 ある特徴では、ホスホリパーゼは、分離の前に、強力ミキサーまたは持続性ミキサーで加えられる。 代わりに、ホスホリパーゼは、熱工程の続き加えられる。 別の実施態様では、本発明のホスホリパーゼは、遠心分離の工程で加えられる。 さらなる実施態様において、ホスホリパーゼは、ソープストックに加えられる。 代わりに、ホスホリパーゼは、洗浄水に加えられる。 別の例では、本発明のホスホリパーゼは、漂白および/または脱臭工程の間に加えられる。

    油の構造的合成および処理 本発明は、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)を使用して、油、脂質などを構造的合成する方法を提供する。 前記の本発明の方法は、構造脂質(即ち、骨格、例えばグリセロール骨格上に明確な態様で分布された明確な脂肪酸の組を有する脂質)の生体触媒合成を含む。 本発明のヒドロラーゼの使用および本発明の方法の実施によって生成した生成物としては、ココアバター代替物、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を含む脂質、1,3-ジアシルグリセリド(DAG)、2-モノアシルグリセリド(MAG)およびトリアシルグリセリド(TAG)が挙げられる。 本発明の方法は、明確な位置特異性および立体選択性を有する脂肪または脂肪酸の合成を可能とする。
    本発明は、本発明のヒドロラーゼを使用して油、脂質などを処理(改変)する方法を提供する。 本発明の方法は、植物、動物、微生物からの油を処理するために使用し得る。 本発明の方法は、植物、動物、微生物にみられるものと同様の油の構造的合成に使用し得る。 脂質および油は、所望の特徴を持つように処理し得る。 (本発明のヒドロラーゼを使用する)本発明の方法によって処理し得る脂質および油としては、ココアバター代替物、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を含む脂質、1,3-ジアシルグリセリド(DAG)、2-モノアシルグリセリド(MAG)およびトリアシルグリセリド(TAG)が挙げられる。 ある特徴では、本発明の処理および合成した、油および脂肪(ココアバター代替物および植物油)は、様々な用途(例えば食物生産(例えば菓子、練り菓子)および医薬、栄養補助食品および化粧品の生産)に使用し得る。 ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ、エステラーゼ、ホスホリパーゼ)を使用して脂肪および油(例えば、米糠、キャノーラ、ヒマワリ、オリーブ、ヤシ、ダイズまたはラウリン系などの植物からの油糧種子)を処理する方法を提供する。

    ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼを使用して、動物(例えば魚および哺乳動物)からの油を処理する方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼを使用して、動物(例えば魚および哺乳動物および微生物)に見られるものと同様の油を構造的合成する方法を提供する。 ある特徴では、これらの合成または処理した油は、飼料添加物、食物、医薬調合物、栄養補助食品または化粧品の成分として使用される。 例えば、ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、魚油脂肪酸を飼料添加物として製造するために使用される。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、食事廃棄物および精製動物油からの油を処理するために使用し得る。
    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、有機合成(例えば油、脂質などの構造的合成)における多目的生体触媒である。 本発明の酵素(例えばカルボキシルエステラーゼおよびリパーゼなどのエステラーゼを含む)は、広範な基質(例えば、アルファ-テルピネオール、リナロールなどの天然産物からの第二級および第三級アルコールを含む)を受け入れ得る。 いくつかの特徴では、本発明のヒドロラーゼは、良好から優秀なエナンチオ特異性(例えば立体特異性)を有する。

    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、GGGXモチーフを含む。 上記に考察したように、ある特徴では、本発明は、触媒ドメイン(“CD”)または“活性部位”を含む本発明の酵素の断片または部分配列を提供する。 ある特徴では、本発明のペプチド、触媒性抗体またはポリペプチドを含む触媒ドメイン(“CD”)または“活性部位”は、GGGXモチーフを含む。 ある特徴では、このモチーフは基質エステルのカルボキシル基の結合部位の近くのタンパク質ループ上に位置する。 ある特徴では、前記GGGXモチーフは、エステル加水分解の触媒サイクルの際に四面体中間体のアニオンカルボニル酸素を安定化させる“オキシアニオンホール”の形成に関わる。 ある特徴では、本発明は、第三級アルコールエステルの加水分解のためのGGGXモチーフを含むエステラーゼまたはリパーゼを提供する。 ある特徴では、本発明は、酢酸テルピニル、酢酸リナリル、酢酸2-フェニル-3-ブチン-2-イルおよび/または酢酸3-メチル-1-ペンチン-3-イルの加水分解のためのエステラーゼまたはリパーゼを提供し、ここで本発明の酵素はGGGXモチーフを含む。

    ある特徴では、本発明は、油(例えば植物油、ココアバターなど)の変換方法を提供し、前記方法は本発明の酵素(例えばリパーゼ)を少なくとも1つ含む。 ある特徴では、油変換方法は、制御された加水分解およびアシル化(例えばグリセトールアシル化)を含み、その結果生成物は高純度および幅広い最終産物となり得る。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ)は、ジアシルグリセロール油および構造栄養油を生産するために使用される。 ある特徴では、本発明は、本発明の酵素(例えば、sn-1位におけるモノ-置換エステル化のための、位置-および/または化学-選択的リパーゼ)を使用することによる、プロピレングリセロールをエステル化する方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、本発明の酵素(例えば、飽和脂肪酸の除去のための、または、グリセロール骨格への脂肪酸の標的付加のための、位置-および/または化学-選択的リパーゼ)を使用することによる、ターゲット化飽和または不飽和脂肪酸プロファイルを有する油の構造的合成の方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、本発明の酵素を使用すること(例えば非飽和化酵素活性を有する酵素を使用して二重結合を付加すること)による、飽和脂肪酸を改変する方法を提供する(ある特徴では、この方法は全細胞系において行われる)。 ある特徴では、本発明は、本発明の酵素を使用すること(例えば水素添加および/または脱水素化活性を有する酵素を使用して二重結合を除去すること)による、飽和脂肪酸を改変する方法を提供する(ある特徴では、この方法は全細胞系において行われる)。 ある特徴では、本発明は、本発明の酵素(例えば、トランス異性体を形成しない完全加水分解のための本発明の非選択性リパーゼ)を使用することによる、トランス異性体を形成することなくトリグリセリドを完全に加水分解する方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ、エステラーゼ)を使用することによる、グリセロール(例えばプロピレングリコール)の酵素触媒モノエステル化を行う方法を提供する。 ある特徴では、オレイン酸、リノレイン酸またはアルファ-リノレイン酸が、前記酵素触媒モノエステル化に使用される。 いかなる油(例えばダイズ、綿、トウモロコシ、米糠またはヒマワリ)をこの方法に使用してもよい。 前記酵素は化学選択的および/またはエナンチオ選択的であってもよい。 例えば、ある特徴では、本発明の化学選択性酵素は、1つの酸(例えばオレイン酸、リノレイン酸またはアルファ-リノレイン酸の個々)に対して選択的であってもよいし、または2つの酸のみ(例えばオレイン酸もしくはリノレイン酸のみ、またはリノレイン酸もしくはアルファ-リノレイン酸のみなど)に対して選択的であってもよい。 別には、本発明の酵素は、(エステル化または加水分解において)エナンチオ選択的であってもよい。 例えば、酵素は1つの位置に対してのみ選択的であってもよいし、または、2つの位置についてのみ(例えば1,2のみのエステル化もしくは1,3のみのエステル化もしくは2,3のみのエステル化(または逆の反応の場合、加水分解))に対して選択的であってもよい。

    ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼ(例えばリパーゼ、エステラーゼ)を使用することによる、油から脂肪酸(例えば所望しない脂肪酸)を選択的に除去する(例えば油から飽和および/または不飽和脂肪酸を分離する)方法を提供する。 本発明の方法は、いかなる油(例えばダイズ油)から飽和および/または不飽和脂肪酸を分離し得る。 前記酵素は、化学選択的および/またはエナンチオ選択的であってもよい。 前記方法は、cis異性体による選択的アシル化、Sn-2エステル化、酵素的水素添加を含み得る。 ある特徴では、これらの方法は高度に安定な脂肪および油(例えば“健康的な”揚げ物油)を生成する。 本発明の方法は、例えばクルードな油から硫黄を除去する工程を含む方法を使用することによって、硫黄分の少ない油を生成するために使用し得る。 本発明の酵素はまた、これらのおよび他の目的のためのエステル交換方法にも使用し得る。
    ある特徴では、本発明の酵素は“トランスを含まない”油脂を生成するために使用される。 ある特徴では、“トランスを含まない”油を、部分的水素添加油から生成して、cis-のみ油を生産する。 前記酵素は化学選択的および/またはエナンチオ選択的であってもよい。

    ある特徴では、本発明は、本発明の酵素を使用することによる、ココアバターを改変する方法を提供する。 ココアバターの約80%は、POP、SOSおよびPOSトリグリセリド(Pはパルミチン脂肪酸、Oはオレイン脂肪酸、Sはステアリン脂肪酸)を含む。 ココアバターの飽和-不飽和-飽和脂肪酸構造は、例えばチョコレートにおいて、その特徴的な溶解プロファイルを与える。 ある特徴では、本発明の構造的および直接的合成法は、ココアバターに使用することによって合成ココアバター(“ココアバター代替物”)を製造する。 ある特徴では、本発明の化学選択的および/またはエナンチオ選択的(例えば位置選択的)ヒドロラーゼ(例えばリパーゼまたはエステラーゼ)を使用して、ココアバター代替物(例えばココアバター交換物、ココアバター置換物および/またはココアバター同等物)が生産される。 したがって、本発明はまた、本発明の酵素を含むココアバター代替物(ココアバター交換物、ココアバター置換物およびココアバター同等物を含む)およびそれらの製造中間体を提供する。 ココアバター代替物を製造するための(本発明の酵素を使用する)本発明の方法は、植物油(例えばヤシ油)を、シアバターもしくは同等物、イリッペバターもしくは同等物およびサラノキステリンもしくは同等物と混合する工程を含み得る。 ある特徴では、本発明の方法は、エステル交換の使用を含み得る。 本発明の方法は、“天然”ココアバターを模倣する組成または結晶体を生成し得る。
    ある特徴では、本発明は、植物油(例えば低価格油)を使用することによる、(本発明の酵素を使用して)ジアシルグリセロール(DAG)(例えば1,3ジアシルグリセロール)を生産する方法を提供する。 前記酵素は化学選択的および/またはエナンチオ選択的であり得る。 本発明の方法は、良好な安定性、長い保管期間および高温品質を有するDAG-含有組成物を生成し得る。

    油糧種子の酵素的処理 本発明は、油糧種子(例えばダイズ、キャノーラ、ココナッツ、アボカドおよびオリーブペーストを含む)の酵素的処理のための組成物(例えば、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼなどの、本発明のヒドロラーゼ酵素)および方法を提供する。 ある特徴では、これらの本発明の方法は、油の収量を向上し得、および得られた食事の栄養の質を向上させ得る。 いくつかの特徴では、本発明の組成物および方法を使用することによる油糧種子の酵素的処理によって、経済的および環境的利点と共に、油の抽出およびヒトや動物が消費するための食物の加工のための別の技術を提供する。 また別の特徴では、本発明の方法は、本発明のいかなる酵素、例えば、本発明のホスホリパーゼ(または他のホスホリパーゼ)、本発明のプロテアーゼ(または他のプロテアーゼ)、ホスファターゼ、フィターゼ、キシラナーゼ、アミラーゼ(例えばα-アミラーゼ)、グルカナーゼ(例えばβ-グルカナーゼ)、ポリガラクツロナーゼ、ガラクトリパーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼおよび/または他の植物細胞壁分解酵素、並びに、混合酵素調製物および細胞溶解物、または組換え試料(例えば宿主細胞またはトランスジェニック植物)からの酵素調製物、の使用を含み得る。

    また別の特徴では、本発明の方法は、他の方法(例えば、例えばカルボヒドロラーゼ(セルラーゼ、ヘミセルラーゼおよび他の側面の分解活性を含む)による酵素的処理、または化学的処理(例えばダイズ油のヘキサン抽出))と組み合わせて実施し得る。 前記酵素的処理は、溶剤抽出の前に行われた場合には、油抽出率を8-10%増加させることができる。
    また別の特徴では、本発明の方法は、水性抽出法と共に実施し得る。 水性抽出法は、油抽出のための、環境により清潔な代替の技術となり得る。 油糧種子の細胞壁を構成する構造的ポリサッカライドを加水分解する酵素、または、細胞および脂肪体の膜を構成するタンパク質を加水分解する酵素を使用することによって(例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、および/またはプロトペクチナーゼを含む消化をダイズ細胞からの油の抽出に使用することによって)、水性の方法の抽出収量が低い点を克服し得る。 ある特徴では、この方法は、本発明の酵素と一緒に、Kasai (2003) J. Agric. Food Chem. 51:6217-6222によって説明されるように実施され、ここでは、細胞壁を消化するための最も効果的な酵素はセルラーゼであったと報告されている。

    ある特徴では、本発明のプロテアーゼまたは他のプロテアーゼは、本発明の方法と組み合わせて使用される。 油およびタンパク質抽出収量に対する操作変数およびプロテアーゼおよびセルラーゼの酵素活性と、他の方法パラメーター(例えば酵素濃度、加水分解の時間、粒子径および固体/液体比など)とを組み合わせた効果を評価した。 ある特徴では、この方法は、本発明の酵素と一緒に、Rosenthal (2001) Enzyme and Microb. Tech. 28:499-509によって説明されるように実施され、ここでは、熱処理した小麦粉を使用した場合には、プロテアーゼを使用すると対照と比較して油およびタンパク質の収量が著しく高くなると報告されている。
    ある特徴では、本発明の方法と組み合わせて、完全なタンパク質、ペクチン、およびヘミセルロース抽出が使用される。 植物細胞は、しばしばタンパク質もしくはフェノール化合物と結合している、または前記タンパク質もしくはフェノール化合物で置換されている、ポリサッカライドの組からなる。 これらの炭水化物のほとんどは、消化酵素によって部分的に分解されているか、あまり利用されていないかに過ぎない。 処理または消化酵素によってこれらの構造を破壊することによって、それらの栄養素の利用効率を向上させることができる。 ある特徴では、この方法は、本発明の酵素と一緒に、Ouhida (2002) J. Agric. Food Chem. 50:1933-1938によって説明されるように実施され、ここでは、完全なタンパク質、ペクチン、およびヘミセルロース抽出の後では、ダイズ細胞壁セルロースの著しい消化(最大で20%)が達成されていると報告されている。

    ある特徴では、本発明の方法はさらに、種子(例えばキャノーラ種子)の処理に様々な酵素的処理を取り入れることを含み、これらの処理は、本発明のプロテアーゼ(または他のプロテアーゼ)、セルラーゼ、およびヘミセルラーゼの使用を含む(相互の様々な組み合わせで、および本発明の1つまたは2つ以上の酵素と一緒に)。 例えば、この方法は、従来の方法の前に、酵素とのインキュベーションの際にキャノーラ種子を20から40%水分(moisture)で酵素処理することを含み得る;例えばSosulski (1990) Proc. Can. Inst. Food Sci. Technol. 3:656により説明されている。 本発明の方法はさらに、本発明のプロテアーゼ(または他のプロテアーゼ)、α-アミラーゼ、ポリガラクツロナーゼを取り込んで(相互の様々な組み合わせで、および本発明の1つまたは2つ以上の酵素と一緒に)、ココナッツ果肉の細胞材料を加水分解してココナッツ油を遊離させることを含み得る(ココナッツ油は遠心によって回収し得る)(例えばMcGlone (1986) J. of Food Sci. 51:695-697により説明される)。 本発明の方法はさらに、ペクチナーゼ、α-アミラーゼ、本発明のプロテアーゼ(または他のプロテアーゼ)、セルラーゼを様々な組み合わせで(相互に、および本発明の1つまたは2つ以上の酵素と一緒に)取り込んで、アボカド油の酵素的抽出の際の収量向上を達成し得る(最高で70%まで)(例えばBuenrostro (1986) Biotech. Letters 8(7):505-506により説明される)。 オリーブ油抽出における本発明の方法においては、オリーブペーストを、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチン-メチルトランスフェラーゼ、本発明のプロテアーゼ(または他のプロテアーゼ)およびそれらの組み合わせ(相互に、および本発明の1つまたは2つ以上の酵素と一緒に)で処理する(例えばMontedoro (1976) Acta Vitamin. Enzymol. (Milano) 30:13により説明される)。

    油脱ガムおよび植物油の加工 本発明の酵素(例えば本発明のリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼホスホリパーゼ)は、植物油の抽出、特に、“油脱ガム化”と呼ばれる方法における“リン脂質ガム”の除去におけるような、種々の植物油加工工程において使用することができる。
    ある特徴では、本発明は、ホスホリパーゼC(PLC)活性を有する本発明のヒドロラーゼを使用することを含む、油脱ガム方法を提供する。 ある特徴では、前記方法はさらに、本発明のPLAおよび/または本発明のパタチン-様ホスホリパーゼを添加することを含む。 ある特徴では、すべての酵素が一緒に添加されるか、または、別には、PLC添加の後にPLAおよび/またはパタチン添加が行われる。 ある特徴では、この方法は、PLC処理の結果として収量の向上を提供する。 ある特徴では、この方法は、PLA処理の結果として、油のリン含有量のさらなる減少を提供する。

    本発明は、米糠、ダイズ、ナタネ、ピーナッツおよび他のナッツ、ゴマ、ヒマワリ、ヤシおよびトウモロコシのような様々な原料から植物油を加工するための方法を提供する。 その方法は、本発明の方法および酵素の使用を含む、引き続く粗抽出物の食用油への精製に、ヘキサンをベースとする抽出とともに使用することができる。 精製工程の最初の工程は、水の付加によってリン脂質を分離する、いわゆる、“脱ガム化”処理である。 脱ガム化により沈殿する物質は、分離され、更に、レシチンの混合物へと処理される。 ダイズレシチンおよびヒマワリレシチンのような商業レシチンは、半固体または非常に粘性な物質である。 それらは、極性の脂質(主にリン脂質)および油(主にトリグリセリド)の混合物から成っている。
    本発明の酵素(例えばホスホリパーゼ)は、水性脱ガム化、ALCON油脱ガム化(例えば、ダイズのため)、safinco脱ガム化、“スーパー脱ガム化”、UF脱ガム化、TOP脱ガム化、ユニ-脱ガム化、乾燥脱ガム化およびENZYMAX TM脱ガム化等を含むあらゆる“脱ガム化”処理に利用することができる。 例えば、米国特許6,355,693;6,162,623;6,103,505;6,001,640;5,558,781;5,264,367を参照されたい。 本発明の方法によって組み込まれる様々な“脱ガム化”処理は、Bockisch, M. (1998)、Fats and Oils Handbook, The extraction of Vegetable Oils (Chapter 5), 345-445, AOCS Press, Champaign, Illinois、に記述されている。 本発明の酵素(例えばホスホリパーゼ)は、例えば、EP 513に記述されているような、トリグリセリド油の酵素的脱ガム化の産業的な応用に利用することができる。

    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばホスホリパーゼ)は、植物油(例えば米糠、ダイズ、キャノーラ、花などのクルード油)を処理するために使用される。 ある特徴では、これよって脱ガム処理の効率が向上する。 ある特徴では、本発明は低水分(例えば約0.1%から20%の水、または0.5%から10%の水)の条件下における酵素的脱ガムの方法を提供する。 ある特徴では、これによって、遠心分離の際の油相からの重相の分離が向上する。 これらの相の分離が向上したことによって、油(水和性および非水和性油の両方を含む)からのリン脂質のより効率的な除去が行える。 ある特徴では、これによってより少ない混入中性油を含むガム画分を生産し、それによって脱ガム処理の際の全体的な油の収量を向上させ得る。
    本発明のヒドロラーゼ(例えばホスホリパーゼ)は、例えば、少なくとも50重量%の水を添加することによる、穀物の脂質からの極性の脂質を単離する方法を記述しているCA1102795のような酵素的脱ガム化に利用することができる。 この方法は、粗油混合物へ水を加える原理を利用する点において、改変脱ガム化法である。

    ある特徴では、本発明は、本発明のホスホリパーゼ(例えばPLC)の使用を含んだ、約20〜40℃の温度、例えば、約pH 8〜10のようなアルカリpHで約3〜10分の反応時間による、油中の水和させたリン脂質の加水分解を含む酵素的方法を提供する。 これは、最終的に油のリンレベルを10ppm未満にすることできる。 本発明は、本発明のホスホリパーゼ(例えばPLC)の使用を含んだ、約50〜60℃の温度、例えば、約pH 5〜6.5のような僅かに中性より下のpHで約30〜60分の反応時間による、油中の水和性および非水和性リン脂質の加水分解を含む酵素的方法を提供する。 これは、油のリンレベルを10ppm未満にすることができる。 ある特徴では、本発明は、本発明のホスホリパーゼ(例えば、PLC)の使用を含んだ、約20〜40℃の温度、例えば、約pH 8〜10のようなアルカリpHで約3〜10の反応時間による、油中の水和させたリン脂質の加水分解を含む酵素的方法を提供する。
    ある特徴では、本発明は、グリセリルリン酸エステル結合を加水分解するホスホリパーゼC酵素を利用した酵素的方法を提供し、それにより、リン脂質のジアシルグリセロール部分を元の油、例えば、植物油、魚油または藻油中に戻すこと(“ホスホリパーゼC(PLC)腐蝕性精製補助”);そして、物理的に精製される高リン含有油の、脱ガム化工程におけるリン脂質含量を十分減らすこと(“ホスホリパーゼC(PLC)脱ガム化補助”)を可能にする。 これら二通りのアプローチは、異なった価値を生じ、異なった応用ターゲットを持つ。

    本発明の種々の態様における多くの異なる工程は、中核の漂白および脱臭精製処理に先行する脱ガム化処理を含む。 これらの工程は、加熱、混合、静置、分離および乾燥を含む。 加熱処理に続き、不溶性のリン脂質“ガム”を分離し得る粒子へと凝集させるために、水および酸が添加混合される。 脱ガム化において、水は、多くのリン脂質を分離する一方、そのリン脂質の一部は、カルシウムまたはマグネシウム塩として存在する非水和性ホスファチド(NHP)である。 脱ガム化の方法は、酸の添加により、これらNHPを処置する。 リン脂質の水和に続き、油は、混合され、静置され、遠心分離により分離される。 最終的に、油は乾燥され、出荷または精製される。 結果として生じるガムは、更に、レシチン酸物のために加工されるか、あるいは粗粉に戻し加えられる。
    本発明の様々な例示的な方法において、リンのレベルは、物理的な精製に十分なまでに低下させられる。 その分離方法は、腐蝕性精製に比べて潜在的により多くの収量損失を生じ得る。 その上、脱ガム化方法は、商業的なレシチンとして販売ができない廃棄産物を生成する。 したがって、これらの方法は、市場の大きなシェアを獲得しておらず、腐蝕性精製方法が依然として米糠、ダイズ、キャノーラ油およびヒマワリ油に関する工業を支配している。 しかしながら、特別な脱ガム化方法で用いられたホスホリパーゼC酵素は、ガムの形成を減少させ、リン脂質のジアシルグリセロール部分をその油中に戻すことができることに注目する必要性がある。

    ある特徴では、本発明のホスホリパーゼC酵素は、ホスファチドのグリセリルリン酸エステルを加水分解し、ジグリセリドおよび水溶性のリン酸塩化合物を生成する。 加水分解されたホスファチドは、水相へ移行し、グリセリドは、油相に留まる。 PLC“腐蝕性精製補助”の一つの目的は、中和の際に形成されるリン脂質ガムを、油相に戻るであろうジアシルグリセロールに変換することである。 対照的に、PLC“脱ガム化補助”の一つの目的は、粗油中のリン脂質を10ppm未満のリン相当量まで減少させることである。
    ある特徴では、本発明のホスホリパーゼC酵素は、漂白および脱臭の前に、中和された粗油および脱ガム化油中の水和性および非水和性のリン脂質由来のホスファチドを加水分解するであろう。 標的酵素は、現存する腐蝕中和方法における滴下物として適用することができる。 この例において、酵素が腐蝕剤の添加後に加えられる場合、その酵素は極端なpHに耐えることを要求されることはないであろう。

    ある特徴では、本発明のホスホリパーゼは、物理的な精製が許容される低レベルまで、リンを取り除くことを可能にする。 ある特徴では、本発明のPLCは、漂白および脱臭の前に、中和された粗油および脱ガム化油中の水和性および非水和性のリン脂質由来のホスファチドを加水分解するであろう。 標的酵素は、現存する脱ガム化方法における滴下物として適用することができる。 商業装置に関する準至適混合条件が与えられていることから、油/水インターフェイスで非水和性のリン脂質を酵素と接触させるために酸が要求されるであろう。 したがって、ある特徴では、本発明の酸に安定なPLCが使用される。
    ある特徴では、本発明のPLC脱ガム化補助方法は、以下に記載した一つ、あるいは三つ全部の領域で損失を除くことができる:1)ガム形成および分離における油の損失;2)腐蝕剤の添加における鹸化油;3)漂白において粘度にトラップされる油。 PLC法に関連した損失は、ホスファチドの除去のために、質量ベースで0.8%対5.2%と推定することができる。 本発明のこの方法のさらなる潜在的有用性は、以下を含む:
    ・吸着剤の低減 - より低いリン(<5 ppm)のため、より少量の吸着剤しか必要とされない。
    ・より少量の試薬の使用 - 非水和性リン脂質の水和と関連した試薬および方法のコストダウン。
    ・廃液の低減 - 油からリンを除くために必要とされる水の量の減少。

    本発明の方法により処理される(例えば、“脱ガム化”)油には、植物の油糧種子、例えば、米糠、ダイズ油、ナタネ油およびヒマワリ油が含まれる。 ある特徴では、本発明の“PLC腐蝕性精製補助剤”は、既存の腐蝕性精製方法の1.2 %を節約できる。 この精製補助剤の応用は、レシチンのために脱ガム化されたダイズ油に向けられ、これらはまた価格/負担の計算から除かれる。
    本発明のホスホリパーゼ、例えば、本発明のホスホリパーゼA1、と共に使用することができる他の方法は、非水和性の天然リン脂質を水和型に変換することができる。 ある特徴では、その酵素は、熱に敏感である。 これは、油の加熱が酵素を失活させることから、好ましいことかもしれない。 しかしながら、脱ガム反応は、この酵素を適応させるためにpH 4〜5および60℃に調節されなければならない。 300 Units/kg油飽和容量で、この例示的な方法は、水性脱ガム化油のリン含量を10ppm以下まで予めうまく下げることができる。 利点は、水含量を減らせること、および結果として、使用、扱いおよび廃物に関する節減ができることである。

    これらの様々な脱ガム化方法に加えて、本発明の酵素は、あらゆる植物油の処理工程で使用することができる。 例えば、本発明のホスホリパーゼ酵素は、あらゆる植物油の処理工程でPLA、例えば、ホスホリパーゼA2の代わりに使用することができる。 本発明の方法で“処理”または“脱ガム化”された油は、ダイズ油、ナタネ油、コーン油、米糠油、ヤシ穀粒からの油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ゴマ油、ピーナッツ油、およびその類を含む。 この処理の主要な産物は、トリグリセリドを含む。
    一つの例示的な方法において、酵素が粗油に加えられ、反応させられる場合、使用されるホスホリパーゼの量は、粗油1キログラムにつき、約10〜10,000ユニット、あるいは、約100〜2,000ユニットである。 酵素処理は、30〜90℃の温度で5分〜10時間、あるいは、約40〜70℃の温度で行なわれる。 その条件は、酵素の至適温度に依存して変えてもよい。 酵素を溶解させる水の量は、粗油100重量部あたり5〜1,000重量部、あるいは、粗油100重量部あたり約10〜200重量部である。

    そのような酵素処理が完了したならば、酵素液は、遠心分離機のような適切な手段を利用して分離され、処理された油が得られる。 そのような方法においてガム物質の酵素の分解によって生じるリン化合物は、実際上全てが水相に移行し、油相から取り除かれる。 必要ならば、酵素処理が完了したならば、処理された油を、水または、例えば、酢酸、リン酸、コハク酸、およびその類のような無機または有機酸、または塩溶液により付加的に洗浄することができる。
    限外濾過脱ガム化のための典型的な一例において、その酵素は、フィルターに結合されるか、またはろ過前に油に加えられるか、または定期的にフィルターをきれいにするために使用される。

    ある特徴では、本発明は、改変した“有機精製法”において本発明のヒドロラーゼ(例えば、本発明のホスホリパーゼ(本発明のホスホリパーゼ-特異的ホスホヒドロラーゼなど)または他のホスホリパーゼ)を使用する方法を提供し、前記方法は、クエン酸保持タンク内に酵素(例えばPLCなどのヒドロラーゼ)を添加することを含み得る。
    本発明の酵素は、油抽出および油脱ガム(例えば植物油)を向上させるために使用される。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼ(例えばPLCなどのホスホリパーゼ)および少なくもと1つの細胞壁分解剤(細胞壁を軟化させて抽出の収量を上げるための、例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼなど)が、本発明の方法に使用される。 本発明の酵素を使用する、油抽出および油脱ガムを向上させるるためのこの例示的なアプローチにおいては、本発明のヒドロラーゼ(例えばホスホリパーゼC)および他のヒドロラーゼ(例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、本発明のエステラーゼもしくは他のエステラーゼ、本発明のプロテアーゼもしくは他のプロテアーゼおよび/またはホスファターゼ)が、油生産(例えばダイズ、キャノーラ、米糠およびヒマワリ油が挙げられるが、これらに限定されない)に関連する押しつぶし工程の際に使用される。 溶剤抽出の前に、またはそれに代わって酵素を使用することによって、油収量を向上させ、かつ、クルード油の中の水和性および非水和性リン脂質の量を減らすことが可能となる。 非水和性リン脂質の量の減少は、潜在的な非水和性リン脂質を、カルシウムまたはマグネシウムとの複合体形成の前にジアシルグリセロールおよび対応するリン酸エステルに変換したことによる結果であるかもしれない。 クルード油の中のリン脂質の全体的な減少によって精製の際の収量が向上すると共に、ブリーチングおよび脱臭の前に別の脱ガム工程を行う必要性を排除し得る可能性がある。

    ホスホリパーゼ媒介物理的精製補助のための典型的一例において、水および酵素は、粗油に加えられる。 ある特徴では、PLCまたはPLDおよびホスファターゼは、その方法において使用される。 ホスホリパーゼ媒介物理精製において、水のレベルは低く、即ち0.5〜5%、でよく、処理時間は、短くあるべきである(2時間未満、または60分未満、または30分未満、または15分未満、または5分未満)。 その方法は、種々の温度(25〜70℃)で、種々の酸および/または腐蝕剤を使用した種々のpH(例えば、3〜10)で行うことができる。
    別の特徴では、水性ガム化は、最初に、レシチンを集めるために遠心分離が行われ、次に、非水和性リン脂質を取り除くためにPLCまたはPLCおよびPLAが加えられる(この処理は、低い水濃度で行われるべきである)。 別例として、10ppm未満(食用油)への粗油の水性ガム化およびそれに続く物理的な精製(バイオディーゼルのために50ppm未満)が行われる。 ある特徴では、乳化剤が加えられ、および/または粗油は、混合を促進するように強力ミキサーに付与される。 あるいは、乳化ブレーカが添加され、および/または粗油は、水相の分離を促進するために加熱される。 別の特徴では、非水和性のリン脂質を水和を促進するために酸が加えられる。 その上、ホスホリパーゼが、ガム/ソープストックからのフィトステロールの精製を仲介するのに使用することができる。

    本発明の酵素は、あらゆる油処理方法、例えば、脱ガムまたは同等の処理において使用することができる。 例えば、本発明の酵素は、米国特許5,558,781;5,264,367;6,001,640に述べられているような方法において使用することができる。 米国特許5,558,781に記述されている方法は、油中で乳化剤として挙動するレシチンを本質的に破壊するホスホリパーゼA1、A2またはBを使用する。
    例えば、EP0869167に記述されているように、本発明の酵素および方法は、高含量の非水和性リンを含む食用油中のリン含有組成を、本発明のホスホリパーゼ、例えば、ホスホリパーゼAおよび/またはB活性を有するポリペプチドを使用することにより減少させる方法において使用することができる。 ある特徴では、食用油は、粗油、いわゆる“非ガム化油”である。 ある特徴では、本方法は、例えば、米糠、ナタネ、ダイズ、ゴマ、ピーナッツ、トウモロコシまたはヒマワリに由来する圧搾油または抽出油、あるいはそれらの混合物を含む非脱ガム化油を扱う。 粗油中のホスファチド含量は、0.5〜3 %w/wの範囲で変わり得るが、これは200〜1200ppmまたは250〜1200ppmの範囲のリン含量に対応する。 ホスファチド以外に、粗油は、少量の炭水化物、糖化合物およびCa、MgおよびFeの金属/ホスファチド酸複合体を含み得る。 ある特徴では、その方法は、脂肪酸のアシル基を加水分解するために、本発明のホスホリパーゼを利用したリン脂質またはリゾリン脂質の処理を含む。 ある特徴では、そのリン脂質またはリゾリン脂質は、レシチンまたはリゾレシチンを含む。 その方法の一例において、食用油は、約50〜250ppmの間のリンを含み、その方法は、リン脂質の大部分を加水分解し、加水分解されたリン脂質を含む水相を油から分離するために、本発明のホスホリパーゼを使用してその油を処理することを含む。 ある特徴では、酵素的脱ガム化処理の前に、その油は脱ガム化される。 ある特徴では、その方法は、本発明のホスホリパーゼと飼料物質および少なくとも一種のリン脂質と混合することを含む動物飼料の生産を提供する。

    本発明の酵素および方法は、例えば、WO 98/18912に記述されているように、油の脱ガム化処理で使用することができる。 本発明のホスホリパーゼは、食用油中のリン脂質含量を減らすために使用することができる。 その方法は、リン脂質の大部分を加水分解し、加水分解されたリン脂質を含む水相を油から分離するために、本発明のホスホリパーゼを使用してその油を処理することを含み得る。 この方法は、米糠、ダイズ油、ナタネ油およびヒマワリ油などの植物油、魚油、藻および動物油およびその類のような、リン脂質を含むあらゆる食用油の精製に適応できる。 酵素処理前に、植物油は、好ましくは、粘着物(粘液)を取り除くために湿精製によって前処理をされる。 その油は、ホスホリパーゼ処理の開始時点でリン脂質として50〜250ppmのリンを含む可能性があり、本発明の方法は、この値を5〜10ppmより下まで減らすことができる。

    本発明の酵素は、油および脂肪中に存在するリン脂質をリン酸基を含む水溶性の物質に変換し、それらを水溶性物質として除去する工程を含む、油および脂肪の精製方法を含む、日本出願H5-132283、1993年4月25日出願、に記述されているような方法において使用することができる。 酵素の作用は、水溶性の物質への転換のために利用される。 好ましくは、ホスホリパーゼC活性を有する酵素がこの酵素として使用される。
    本発明の酵素は、種子油を精製する方法である“有機精製法”(”Organic Refining Process,”)(ORP)(IPH, Omaha, NE)として記述されている方法において使用することができる。 ORPは、改良された精製油の収量、副産物の付加価値、資本コストおよび環境コストの低減を含む、従来の化学精製に勝る利点を持っているであろう。

    例えば、EP82870032.8.に述べられているように、本発明の酵素は、油中に含まれた非グリセリド化合物の加水分解および/または脱重合化を可能にする少なくとも一種の本発明の酵素をそのような油または脂肪に添加することを含む、油または脂肪、動物または植物、未加工品、半加工品または精製品の処理のための方法において使用することができる。 非グリセリド化合物の加水分解および/または脱重合化のための本発明の例示的な方法は:
    1) 本発明の酵素または少量の適切な溶媒(例えば、水)に予め溶解された酵素複合体の油および脂肪への添加および混合。 数種の溶媒が可能であるが、その酵素に無毒でかつ適した溶媒が選ばれる。 この添加は、連続処理法として行っても連続的な装荷を伴う方法として行ってもよい。 この方法に従って、油および脂肪に加えるために必要な酵素量は、その酵素および処理される産物に依存して、20〜400ppmの範囲、即ち、1000キログラムの油に対して0.02〜0.4キログラムの酵素、および、好ましくは20〜100ppm、即ち、1000キログラムの油に対して0.02〜0.1キログラムの酵素、でよい。 これらの数値は、濃縮酵素について、すなわち希釈液または溶媒の存在しない酵素についての数値であると理解される。
    2) 油または脂肪を固相または半固相支持体上の本発明酵素の固定化または不溶化フィルターベッド(好ましくは多孔性またはファイバー構造を持つ)に通す。 この技術において、酵素は、支持体の多孔性またはファイバー構造の微小穴中に捕獲されている。 例えば、これらは、樹脂、合成ポリマー、セルロースカーボネート、アガロースのようなゲル、ポリマーのフィラメントまたは多孔性構造を持つ共重合体から成り、その穴に溶液中の酵素液滴が捕獲されている。 酵素濃度に関しては、支持体が飽和するまで上げることができる。
    3) 希釈酵素溶液中、好ましくは本発明の酵素を0.2〜4%容量含む希釈酵素溶液中の、細かい液滴状の油および脂肪の分散液。 この技術は、例えば、ベルギー特許第595,219号に記述されている。 円錐形のふたを持つ高さ数メートルの円柱コラムに希釈酵素液を満たす。 この目的のために、処理される油または脂肪に無毒かつ非混和性である溶媒、好ましくは水が選ばれる。 カラムの底には、油または脂肪を非常に細分化して(おおよそ10,000フラックス/m 2 )絶えず注入するための分配システムが装備されている。 したがって、絶え間なく油または脂肪の液滴が形成され、それは、ゆっくりと酵素溶液中を上昇し、表面に到達し、リアクターの円錐形のふたの上で連続的に排出される。

    ヤシ油は、本発明の酵素で処理する前に前処理することができる。 例えば、約30キログラムの未加工パーム油を、+50℃に加熱する。 セルラーゼおよびペクチナーゼの1%の水溶液を準備した。 これらをそれぞれ600g、強い撹拌の下、数分間、油の水性溶液に加えた。 この油を中程度に撹拌しながら、2時間の総反応時間の間+50℃に維持した。 次に、酵素を不活化させるために温度を+90℃に上昇させ、ろ過および引き続くペロセスのための混合物を調整する。 油は、真空下、乾燥され、フィルター補助を利用してろ過される。
    本発明の酵素は、欧州特許EP 0 513 709 B2に記述されているような処理において使用することができる。 例えば、本発明は、本発明のホスホリパーゼを使用した酵素的分解によって動物および植物油中のリン含有組成の含量を減少させるための方法を提供する。 50〜250ppmのリンを含む予め脱粘液化したおよび植物油は、有機カルボン酸と混合され、生じる混合液のpHを4〜6に設定し、本発明のホスホリパーゼA 1 、A 2 、またはBを含む酵素液を、激しい撹拌および細かい液滴の形成下、混合容器中の混合液に加える。 そこでは、油に対する重量の0.5〜5%のエマルジョンが形成され、前記エマルジョンは20〜80℃の温度範囲で0.1〜10時間の反応時間の間、激しい撹拌の下の引き続く少なくとも一回の反応容器を通して処理され、水溶液の分離後、処理油のリン含量は5ppmを下回る。

    有機精製方法は、粗油および脱ガム化油の両方に適用できる。 その方法は、慣習的な遠心分離と共に、管理された処理条件の下で有機酸のインライン付加を利用する。 植物油のリン脂質(“VOP”)から自然に分離された水は、リサイクルされ、再使用される。 総水使用量は、有機精製処理法の結果として大幅に減らすことができる。
    本発明のホスホリパーゼおよび方法は、また、例えば、米国特許6,162,623に記述されているような食用油の酵素的な処理に使用することができる。 この例示的な方法において、本発明は、両極溶媒性酵素を提供する。 それは、例えば、連続的な疎水性相および酵素および酵素の担体を含む分散した水相エマルジョンを調製することおよび分散相からこの相が固相酵素被包粒子になるまで水を除去することによって固定化することができる。 この酵素は、リパーゼでもよい。 固定化されたリパーゼは、モノ、ジまたはトリ-グリセリドの分子内エステル化、トリグリセリドの脱酸、または、リパーゼがホスホリパーゼの場合、トリグリセリド油からリン脂質の除去のようなリパーゼによって触媒される反応のために使用することができる。 水相は、発酵液を含んでもよく、食用トリグリセリド油が疎水性であってもよい。 また、担体は、砂糖、澱粉、デキストラン、水溶性のセルロースの誘導体および発酵の残渣を含む。 この例示的な方法は、疎水性相に存在するかもしれないトリグリセリド、ジグリセリド 、モノグリセリド、グリセロール、リン脂質または脂肪酸を処理するために使用することができる。 ある特徴では、トリグリセリド油からリン脂質を除去するための方法は、リン脂質を含んでいるトリグリセリド油を本発明のホスホリパーゼを含んでいる画分と混合すること;リン脂質をリゾリン脂質に加水分解すること;加水分解されたリン脂質を油から分離することを含み、そのホスホリパーゼは、固定化されたホスホリパーゼである。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、また、例えば米国特許6,127,137に記述されているような食用油の酵素的処理において使用することができる。 ある例示的な方法は、リン脂質の両方の脂肪アシル基を加水分解する。 この方法において使用される本発明のホスホリパーゼは、リパーゼ活性を持たないこともあり得、非常に低いpHで活性を示し得る。 これらの特性により、油の酵素的およびアルカリ加水分解(鹸化)がともに抑制されるので、油の脱ガム化における使用に非常に適したものとなる。
    ある特徴では、本発明は、リン脂質の両方の脂肪アシル基を加水分解し、本質的にリパーゼ活性を持たないホスホリパーゼを利用してリン脂質またはリゾリン脂質を処理することを含む、リン脂質の脂肪アシル基、あるいはリゾリン脂質を加水分解するための方法を提供する。 ある特徴では、発明のホスホリパーゼはpH 3〜4で10分間にて測定したとき、50℃の至適温度を持ち、40℃で約10分間にて測定したとき、pH 3の至適pHを持つ。 ある特徴では、リン脂質またはリゾリン脂質は、レシチンまたはリゾリン脂質レシチンを含む。 ある特徴では、リン脂質の大部分を加水分解した後、加水分解されたリン脂質を含む水相は、油から分離される。 ある特徴では、本発明は、食用油からリン脂質を除去する方法を提供し、その操作は、本発明のホスホリパーゼ水溶液の分散液を用いてpH 1.5〜3において油を処理すること、および加水分解されたリン脂質を含む水相を油から分離することを含む。 ある特徴では、その油は、ホスホリパーゼとの処置の前に、粘液を取り除くために処理される。 ある特徴では、ホスホリパーゼとの処置の前の油は、リン50〜250ppmに対応する量のリン脂質を含んでいる。 ある特徴では、ホスホリパーゼ処理は、0.5〜5%の水存在下、用量0.1〜10 mg/lのホスホリパーゼ、30〜45℃、1〜12時間で行われる。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法はまた、例えば米国特許6,025,171に記述されているように、食用油の酵素的処理において使用することができる。 この例示的な方法では、連続的疎水相(例えばトリグリセリド油)および両親媒性酵素(例えば本発明のリパーゼまたはホスホリパーゼ)を含む分散的水相、並びに水相において部分的溶解および部分的不溶解の担体物質を含むエマルジョンを調製し、そして、水相が固体の酵素コート担体粒子に変換するまで水相から水を除去することによって本発明の酵素が固定化される。 担体物質の不溶解の部分は、水および油に不溶性の物質であるか、または、水相が水溶性物質で既に飽和しているために不溶解の形体にある水溶性物質であるかもしれない。 水相は、担体物質として機能し得る発酵残基および生物資源を含むクルードリパーゼ液体で構成されているかもしれない。 固定化したリパーゼは、油のエステル再編成および脱酸性化に有用である。 反応の後には、水を加えて担体の部分的溶解を得、そして、得られた酵素および担体含有水相を疎水相に分散させて水を蒸発させて酵素コート担体粒子を再び形成させることによって、固定化した酵素を再生し、それをその後の反応に使用することができる。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、米国特許6,143,545に記載されているような食用油の酵素的処理に利用することもできる。 この例示的な方法は、本発明のホスホリパーゼを使用して、高含量の非水和性リン成分を含む食用油中の成分を含めたリン含量を減らす目的に利用することができる。 ある特徴では、本法は、少なくとも50ppmの非水和性リン成分を含む食用油中のリン含量成分の含量を以下の処理により減らすために使用される:食用油にクエン酸一水和物の水溶液を加え、60℃で30分の前処理をする(添加する水/油 4.8%;水相中のクエン酸=106 mM、水/油エマルジョン中のクエン酸=4.6 mM);油エマルジョン中の前処理した水10 mlをチューブに移す;エマルジョンを沸騰水浴中30分加熱する;5,000 rpmで10分間の遠心分離をし、上(油)相の約8 mlを新しいチューブに移し、24時間静置する;および、その食用油中の非水和性リン含量(ppm)を測定するために、清明な上相から8 gを取り出す。 本法は、また、pH 5〜8において、食用油と本発明のホスホリパーゼAまたはB(例えば、PLA2、あるいはPLB)の水溶液とを接触させることを含み、溶液は、油のリン含量が11 ppm未満になるまで油中に乳化され、それから水相を処理油から分離する。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、米国特許5,532,163に記載されているような食用油の酵素的処理にも利用することもできる。 本発明は、油および脂肪中のリン脂質を効率的に分解、除去することにより、油および脂肪を精製するための方法を提供する。 ある特徴では、本発明は、以下を含む油および脂肪の精製方法を提供する:エマルジョン中で、油および脂肪と本発明の酵素、例えば、グリセロリン脂質中のグリセロ脂肪酸エステルを分解する活性を有する酵素(例えば、本発明のPLA2)、を反応させる;および、酵素処理した油および脂肪を水または酸溶液で洗浄する。 ある特徴では、その洗浄工程に使用される酸溶液は、例えば、クエン酸、酢酸、リン酸およびそれらの塩等の少なくとも一つの溶液である。 ある特徴では、乳化条件は、油および脂肪の100重量部あたり、30重量部またはそれ以上の水を用いて形成される。 油および脂肪は、従来のアルカリ精製工程を使用することなしに精製することができるので、洗浄廃水および工業廃液を減らすこともできる。 更に、これら廃液中に含有されることによる中性油および脂肪のロスが本発明の方法においては起きないために油の収量が改善される。 ある特徴では、本発明は、約100〜1,000ppmのリン脂質を含む油の精製方法を提供し、乳化条件において、前述の油および脂肪とグリセロリン脂質中のグリセロ脂肪酸エステルを分解する活性を有する本発明の酵素を反応させることを含む。 ある特徴では、本発明は、乳化条件において、約100〜1,000ppmのリン脂質を含む油を、油および脂肪とグリセロリン脂質中のグリセロ脂肪酸エステルを分解する活性を有する本発明の酵素を反応させることを含む、精製およびそれに引き続く処理油および脂肪の洗浄水による洗浄方法を提供する。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、米国特許5,264,367に記載されているような食用油の酵素的処理に利用することもできる。 粘質物を除くために湿精製された食用植物または動物油、例えば、ダイズ油のような油のリン含有成分および鉄の含量は、油と本発明の酵素、例えば、ホスホリパーゼA1、A2、またはBの水溶液を接触させることによる酵素的分解、およびそれに続く処理油から水相を分離することにより減少させることができる。 ある特徴では、本発明は、粘質物を除くために精製された油中のリン-および鉄-含有成分の含量を減少させるための酵素的方法を提供する。 粘質物を除くために精製された油は、本発明の酵素、例えば、ホスホリパーゼC、A1、A2、またはBで処理することができる。 5 ppmより低いリン含量および1 ppmより低い鉄含量を達成することができる。 低鉄含量は、油の安定性にとって有利である。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、米国特許5,288,619に記載されているような転移エステル化油の調製に利用することもできる。 本発明は、低転移酸および低中間鎖脂肪酸含量のマーガリン油を作るための酵素的エステル転移の方法を提供する。 その方法は、ステアリン酸原料物質および食用液体植物油を含む転位エステル化反応混合物を提供する工程、前記ステアリン酸原料物質および食用液体植物油を1-, 3-位に位置特異的なリパーゼを用いて転移エステル化する工程、および、最後に脂肪酸混合物を水素添加し、植物油とのリサイクル反応のための再生ステアリン酸原料物質を提供する工程を含む。 本発明は、また、転移エステル化油調製のための向流法をも提供する。 その方法は、以下の工程を含む:1-, 3-位に位置特異的なリパーゼを含む転移エステル化反応ゾーンを提供する工程、植物油を前記転移エステル化ゾーンに導入する工程、ステアリン酸原料物質を導入する工程、超臨界ガスまたは亜臨界液化ガス向流流体を導入する工程、反応ゾーンにおいてトリグリセリドストリームとステアリン酸またはステアリン酸モノエステルストリームの転移エステル化反応を行う工程、転移エステル化トリグリセリドマーガリン油ストリームを取り出す工程、向流流体相を取り出す工程、転移エステル化ステアリン酸またはステアリン酸モノエステルを水素化して、水素化再生ステアリン酸原料物質を提供する工程、および、水素化再生ステアリン酸原料物質を反応ゾーンに導入する工程。

    ある特徴では、高度に不飽和のリン脂質化合物は、本発明のホスホリパーゼCの適切な使用によりsn-3位のリン酸基を取り除き、1,3リパーゼアシルエステル合成によりトリグリセリドに変換することができる。 2位置換リン脂質は、直接、機能食品成分として使用してもよく、また、引き続き、本発明の固定化ホスホリパーゼCを用いてリアクター160中で選択的に1-ジグリセリドへと加水分解し、本明細書中に述べられている様に、酵素的なエステル化を行って、2-置換多飽和脂肪酸成分を持つトリグリセリド産物を産生することができる。
    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、米国特許6,001,640に記載されているような植物油の酵素的脱ガム化方法に利用することもできる。 本発明のこの方法は、食用油の産生における脱ガム化工程を含む。 予め水性脱ガム化処理により水和性ホスファチドを取り除かれた植物油は、本発明のホスホリパーゼを使用した酵素処理により、非水和性ホスファチドを含まない。 この処理は、穏やかで、経済的で、しかも環境に優しいものとなる。 この脱ガム化方法では、リゾレシチンのみを加水分解し、レシチンを加水分解しないホスホリパーゼが使用される。

    ある特徴では、本発明の酵素を反応させるために、油および水の両相は、よく混合されるべきである。 単に、それらを撹拌するだけでは不十分であるかもしれない。 もし、酵素が少量の水に溶解され、例えば、0.5〜5重量%(油に対して)の水に溶解され、油中に乳化されるならば、酵素の適切な分散は補助され、直径10マイクロメーター以下の液滴(重量平均)が形成される。 液滴は、1マイクロメーター以下になり得る。 100 cm/秒を上回る放射速度の激しい撹拌を行ってもよい。 油は、外部の回転式ポンプを利用して、リアクター中で撹拌されてもよい。 酵素を含む水相は、超音波作用を利用して、細かく分散させることもできる。 分散装置を利用してもよい。

    酵素反応は、おそらく、油相と水相間の境界面で起こる。 混合して酵素を含む水相に対して最大に可能な表面を作り出すことがこれらの全ての方法の目標である。 界面活性剤の添加は、水相の微小分散を促進する。 したがって、いくつかの例において、例えば、EP-A 0 513 709に記載されている様に、ドデシル硫酸ナトリウムのようなHLB値が9を超える界面活性剤が酵素溶液に加えられる。 乳化を改良する同様に効果的な方法は、リゾレシチンの添加である。 その添加量は、油に対して0.001〜1%の範囲でよい。 酵素処理間の温度は厳格ではない。 20〜80℃の範囲の温度が使用されるが、その範囲のより高い温度は短時間でのみ適用される。 この点に関して、適切な温度および/または低pH耐性を持つ本発明のホスホリパーゼが利用される。 30〜50℃の適用温度が至適である。 処理時間は、温度に依存し、高温ではより短時間行えばよい。 通常、0.1〜10時間または1〜5時間の時間で十分である。 反応は、脱ガム化リアクター中で起こり、例えば、DE-A 43 39 556に記載されている様に、いくつかの段階に分けることができる。 したがって、バッチ処理に加えて、連続的な処理が可能である。 反応は、異なる温度の段階で行うことができる。 例えば、インキュベーションは、40℃で3時間行った後に、60℃で1時間行うことができる。 反応が段階的に進行する場合、各段階で異なったpH値に調節できる可能性も生じる。 例えば、最初の段階における溶液のpHは7に調整することができ、例えば、第二段階においてはクエン酸の添加により2.5に調整することができる。 しかしながら、少なくとも一つの段階において、酵素溶液のpHは、4または3より低くなければならない。 もし、そのpHが続いてそのレベルより低く合わせられると、悪影響が見られるかもしれない。 したがって、酵素を油に混合する前に、クエン酸を酵素溶液に添加してもよい。

    酵素処理を行った後、酵素溶液は、それを含むNHPの分解産物と共に、例えば、遠心分離により、バッチまたは連続的に油相から分離することができる。 酵素は、高度に安定であり、その溶液に含まれる分解産物(スラッジとして沈殿するかもしれない)の量が僅かであるため、同じ酵素液を数回使用することができる。 本質的にスラッジを含まない酵素溶液を再び使用できるように、酵素をスラッジから取り除くことも可能である。 DE-A 43 39 556を参照されたい。 この脱ガム化方法に関するある特徴では、15 ppm未満のリンを含む油が得られる。 一つの目標は、10 ppm未満;あるいは5 ppm未満のリン含量である。 10 ppm未満のリン含量を以て、蒸留脱酸の処理方法に従って、更に油を容易に処理することが可能である。 鉄のみならずマグネシウム、カルシウム、亜鉛のような他の多くのイオンを、例えば、0.1 ppmを下回るように、油から取り除くことができる。 したがって、この産物は、更なる処理および保存工程の間の適切な酸化抵抗性のために理想的な必要条件を満たしている。
    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、EP特許EP 0513709に記載されているような、植物および動物油中のリン含有成分の量を減少させるために利用することもできる。 この方法において、予め脱粘液化した植物および動物油、例えば、ダイズ油、に含まれるレシチンのようなリン含有成分、特に、ホスファチドの含量および鉄含量は、本発明のホスホリパーゼA1、A2、またはBを使用した酵素的分解によって減少させることができる。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、JP 06306386に記載されているように、脂肪または油の精製に使用することもできる。 本発明は、リン脂質を水溶性リン酸基含有物質に変換し、その物質を取り除く工程を含む、脂肪または油を精製するための方法を提供する。 本発明の酵素(例えば、PLC)の作用は、リン脂質をその物質に変換するために使用される。 したがって、アルカリ廃液を含む産業廃液および大量の油を排出するアルカリ精製工程を行わずに、脂肪または油を精製することが可能である。 中性の脂肪または油の廃液への損失がゼロにまで減少し得るために、収量の改善も達成可能である。 ある特徴では、ガム状物質は、水溶性物質に変換され、粗油の脱ガム化段階においてホスホリパーゼC活性を有する本発明の酵素の添加および酵素処理により、水溶性物質として除去される。 ある特徴では、本発明のホスホリパーゼCは、リン脂質中のグリセリンとリン酸のエステル結合を切断する活性を有する。 必要ならば、本方法には、酵素処理油を水または酸の水溶液により洗浄することを含めることができる。 ある特徴では、本発明の酵素は、粗油に添加され、粗油と反応する。 使用されるホスホリパーゼCの量は、粗油1kgあたり、10〜10,000ユニット、あるいは100〜2,000ユニットでよい。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、Dijkstra、Albert J、他、Oleagineux、Corps Gras、Lipides (1998), 5(5), 367-370 に記載されているように、水性脱ガム化処理に利用することもできる。 この例示的な方法において、この水性ガム化処理は、レシチンを産生するためおよび脱ガム化用の酸および漂白土を使用する乾燥脱ガム化処理のために利用される。 この方法は、例えば、ヤシ油、ラウリン酸油等のような低リン脂質の油のみに経済的に実施可能かもしれない。 高NHP含有種油には、酸精製プロセスが利用され、それにより、このプロセスは、ガム廃棄を可能にする油ミルにおいて行われる。 ある特徴では、酸精製油は、物理的精製の前に実施される“ポリッシング”操作である。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、Dijkstra 他、Res. Dev. Dep., NV Vandemoortele Coord. Cent.、Izegem、Belg. JAOCS, J. Am. Oil Chem. Soc. (1989), 66:1002-1009に記載されているように、脱ガム化処理に利用されることもできる。 例示的な方法において、全脱ガム化処理は、リン酸またはクエン酸のような酸のダイズ油への分散、接触時間を与えた後に、酸中油型エマルジョンに苛性ソーダまたはケイ酸ナトリウムのような塩基を混合することを含む。 これは、石鹸の形成を避けるのに十分なだけ低い中和度を保つ。 石鹸の形成は、油の損失を起こすからである。 引き続き、その油は、遠心分離装置に通し、ガムの殆どを油の流れから除去し、最小の油含量を持つガム相を得る。 その油の流れは、次に、二度目の遠心分離に通し、残存する全てのガムを取り除き、希釈ガム相を得、リサイクルされる。 洗浄および乾燥またはインラインアルカリ精製により、処理が終了する。 その全ての脱ガム化処理を採用すると、古典的なアルカリ精製法に比較して、およそ0.5%の総収量の改善が実現される。 完全に脱ガム化された油は、引き続き、アルカリ精製、漂白および脱臭、または漂白および物理的精製することができる。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、Hvolby、他、Sojakagefabr., Copenhagen, Den., J. Amer. Oil Chem. Soc. (1971) 48:503-509に記載されているように、例えば、ダイズ油のような植物油の非水和性リン脂質を除去するために利用することもできる。 この例示的な方法において、水性ガム化油は、Ca ++ 、Mg/Ca-結合試薬および界面活性剤を含有および非含有の緩衝液と種々のpH値で混合される。 その非水和性リン脂質は、ミセルまたは混合エマルジョンの成分として、非変換状態で除去することができる。 更に、非水和性リン脂質は、例えば、ホスファチドからMgおよびCaの除去による解離型への変換により除去可能であり、それは、酸性化、あるいはMg/Ca-錯体形成試薬またはMg/Ca-沈殿試薬により達成することができる。 非水和性リン脂質の除去または化学変換は、エマルジョンの形成低下を起こし、エマルジョンおよび石けん原料(soapstock)からの脱酸油の分離を改善する。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、Buchold、他、 Frankfurt/Main, Germany. Fett Wissenschaft Technologie (1993), 95(8), 300-304に記載されているように、植物油の脱ガム化に利用することもできる。 食用植物油の脱ガム化のための本発明のこの例示的な方法において、例えば、ホスホリパーゼA2のような本発明の酵素の水溶懸濁液は、リン脂質のsn2位で脂肪酸を加水分解するために使用され、油に不溶で、物理的分離により従順な1-アシル-リゾリン脂質を生ずる。 約700レシターゼ(lecitase)ユニット/kg油に相当する少量の添加でさえ、残存リン含量は、10 ppm未満となり、そのために、化学精製が物理精製に置き換えられ、中和、石けん原料(soapstock)分離、および廃液処理の必要性が取り除かれる。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、EnzyMax. Dahlke, Klaus. Dept. G-PDO, Lurgi Ol-Gas, Chemie, GmbH, Frankfurt, Germany. Oleagineux, Corps Gras, Lipides (1997), 4(1), 55-57に記載されているように、植物油の脱ガム化処理に利用されることもできる。 この例示的な処理方法は、殆どの油の物理的精製のための脱ガム化の処理方法である。 酵素的触媒による加水分解により、ホスファチドは、水溶性リゾホスファチドへと変換され、遠心分離により油から分離される。 酵素的に脱ガム化された油中の残存リン含量は、2 ppmという低さになり得る。
    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、Cleenewerck、他、NV Vamo Mills, Izegem, Belg. Fett Wissenschaft Technologie (1992), 94:317-22;そして、Clausen, Kim; Nielsen, Munk. Novozymes A/S, Den. Dansk Kemi (2002) 83(2):24-27に記載されているように、植物油の脱ガム化処理に利用することもできる。 本発明のホスホリパーゼおよび方法は、例えば、Nilsson-Johansson、他、Fats Oils Div., Alfa-Laval Food Eng. AB, Tumba, Swed. Fett Wissenschaft Technologie (1988), 90(11), 447-51;そして、Munch, Ernst W. Cereol Deutschland GmbH, Mannheim, Germany. Editor(s):Wilson, Richard F. Proceedings of the World Conference on Oilseed Processing Utilization, Cancun, Mexico, Nov. 12-17, 2000 (2001), Meeting Date 2000, 17-20に記載されているように、酸を利用した植物油の前精製を取り込むことができる。

    本発明の酵素(例えばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)および本発明の方法は、例えば、Jerzewska、他、Inst. Przemyslu Miesnego i Tluszczowego, Warsaw, Pol., Tluszcze Jadalne (2001), 36(3/4), 97-110に記載されているように、植物油の脱ガム化処理に利用することもできる。 本発明のこの方法において、水和された低エルカ酸ナタネ油の酵素的脱ガム化は、本発明のホスホリパーゼA2の使用によるものである。 この酵素は、リン脂質のグリセロール残基の中心炭素原子と脂肪酸のエステル結合の加水分解を触媒する。 それは、非水和性リン脂質をそれらに対応する水和性リゾ化合物へ加水分解する。 非精製酵素画分の場合、その2%調製物の添加および4時間で、より良好な結果を達成することができる(87%のリンが除去)。

    本発明の別の例示的な油脱ガムの方法(または本発明の酵素を使用する油脱ガム方法)においては、酸性ポリマー(例えばアルギナートまたはペクチン)が添加される。 本発明のこの油脱ガム方法においては、酸性ポリマー(例えばアルギン酸またはペクチンまたはより溶解度の高い塩の形)が、少量の水(例えば約0.5から5%の間の範囲)を含むクルード油に添加される。 この特徴では、前記酸性ポリマーは、クルード油中のカルシウムおよび/またはマグネシウムを結合することによってリン脂質-金属複合体を低減および/または崩壊させ、それによって非水和性リン脂質の溶解度を向上させる。 ある特徴では、これらのリン脂質は水相に入り、そして、ジアシルグリセロールと対応する側鎖に変換されるか、または、インタクトなリン脂質はその後の遠心分離によって重相の構成成分として除去される。 水相に酸性ポリマーが存在することによって水相の濃度が上昇し得、それによって油(軽)相からの重相の分離が向上し得る。

    本発明のある例示的な油脱ガムの方法(または本発明の酵素を使用する油脱ガム方法)は、脱臭工程を改変してジアシルグリセロール(DAG)画分を得る。 また別の特徴では、酵素を使用する脱ガムの後に必要または所望の場合には、ジアシルグリセロール/トリアシルグリセロール画分からの遊離脂肪酸(FFA)の分離の向上を目的として脱臭条件(蒸留装置の温度、圧力、構成)を改変し得、または、トリアシルグリセロール画分からジアシルグリセロールを分離するために前記条件をさらに改変し得る。 これらの改変の結果として、本発明のこの方法を使用すると、物理的精製工程において食用油の脱ガムに本発明のヒドロラーゼ(例えばホスファターゼ、またはPLCまたはPLCとホスファターゼの組み合わせ)を使用した場合には、食品グレードのFFAおよびジアシルグリセロールを得ることが可能である。

    様々な特徴では、本明細書に説明されるような(または本発明の酵素を使用する)本発明の方法の実施は、以下の利点を有する:溶剤および溶剤回収の減少または排除;より低い資本コスト;下流の精製コストの低減、化学物質使用量、器具、処理時間、エネルギー(熱)および水使用量/排水発生の低減;より高品質の油の生産;いくつかの調理およびソテー用途において、圧搾機で絞った油を精製せずに使用し得る(この絞った油は卓越した安定性、色および臭い特性、および高トコフェロール含有量を有し得る);より高品質の食事の生産;食事の脂肪量の低減(現在では、機械プレスを通した食事は反芻動物において消化不良を引き起こす);栄養特性の改善−グルコシノレート、タンニン、シナピン、フィチン酸の量の減少(例えばTechnology and Solvents for Extracting Oilseeds and Nonpetroleum Oils, AOCS 1997に説明される)。

    ある特徴では、本発明は、植物油(例えばダイズ油、トウモロコシ油、綿実油、ヤシ油、ピーナッツ油、ナタネ油、ベニバナ油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油、米糠油、ココナッツ油またはキャノーラ油)およびその副生成物の精製方法、レシチンの脱臭方法(例えば米国特許第6,172,248号または同6,172,247に説明される)を提供し、ここで前記方法は、少なくとも1つの本発明のヒドロラーゼ(例えば本発明のホスホリパーゼCなどのホスホリパーゼ)を使用することを含む。 したがって、本発明は、本発明の酵素を少なくとも1つ含むレシチンおよび植物油を提供する。 ある例示的な有機酸精製方法では、植物油を希釈水性有機酸溶液と混合し、そして高度にせん断して前記酸溶液を油の中に細かく分散させる。 得られた酸と油の混合物を、混入物を水和不純物相の中に隔離するのに十分な時間、低せん断力で混合して、精製された植物油相を生成する。 この例示的な方法においては、ミキサーまたは回収システム(例えば回収水槽)および/またはリン脂質もしくはレシチン貯蔵槽を使用し得る(例えば米国特許第4,240,972号、4,049,686号、6,172,247号または6,172,248号に説明される)。 これらの方法は、バッチ法または連続的方法として実施し得る。 クルードまたは脱ガム化植物油を貯蔵タンクから(例えばポンプを通して)供給し得、またそれは加熱されていてもよい。 精製する植物油はクルードであっても“脱ガム化”した油であってもよい。

    ある特徴では、本発明のホスファチジルイノシトール-PLC(PI-PLC)酵素などのヒドロラーゼ酵素が、植物油の脱ガムに使用される。 PI-PLC活性を有する本発明のヒドロラーゼ酵素は、単独でまたは他の酵素(例えば本発明のPLC、PLD、ホスファターゼ酵素)と組み合わせて使用して、植物油(例えばダイズ、キャノーラおよびヒマワリなど)の脱ガム化の際の油収量を向上させ得る。 本発明のPI-PLC酵素は、ホスファチジルイノシトールを優先的に1,2-ジアシルグリセロール(DAG)とホスホイノシトールに変換し得るが、さらに他のリン脂質(例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、または他のホスファチジン酸など)に対しても活性を示し得る。 収量の向上は、酵素処理植物油に含まれるDAG量の増加および中性油の増加として認識され、これは、植物油の酵素処理の結果としてより小さいガム画分に混入した油の量が減少したことによる。

    植物油からのフィトステロールの精製 本発明は、本発明の方法を使用することによって植物油からフィトステロールおよびトリテルペン、あるいは植物ステロールを精製する方法を提供する。 本発明の酵素(例えばホスホリパーゼ)および方法を利用して精製できるフィトステロールは、β-シトステロール、カンペステロール、シグマステロール、スチグマスタノール、β-シトスタノール、シトスタノール、デスモステロール、キャリナステロール、ポリフェラステロール、クリオナステロールおよびブラッシカステロールを含む。 植物ステロールは、健康および栄養産業にとって重要な農産物である。 したがって、本発明の酵素および方法は、化粧品およびホルモン製薬のためのステロイド中間体や前駆体のための乳化剤を作るために使用される。 本発明の酵素および方法は、心臓の健康維持に利益を持つコレステロール低下薬として使用するフィトステロールおよびそれらのエステルのアナログを作る(例えば、精製する)ために使用される。 本発明の酵素および方法は、小腸内腔におけるコレステロールの吸収を阻害することにより、血中コレステロール濃度を低下させる植物ステロールを精製するために使用される。 本発明の酵素および方法は、非常に低濃度でTリンパ球の細胞性応答およびガン細胞株に対するナチュラルキラー細胞の細胞毒性の亢進を含む免疫調節能を示す植物ステロールを精製するために使用される。 本発明の酵素および方法は、結核、間接リウマチ、HIV-感染患者の治療および、例えばマラソン走者における免疫ストレスの抑制等に使われる植物ステロールを精製するために使用される。

    本発明の酵素および方法は、日用植物油(例えば、ココナッツ油、キャノーラ油、ココアバター、コーン油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、ヤシ油、ピーナッツ油、米糠油、紅花油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油)のステロール画分に存在する、シトステロール(40.2〜92.3%)、カンペステロール(2.6〜38.6%)、シチグマステロール(0〜31%)および5-アベナステロール(1.5-29%)のようなステロール成分を精製するために使用される。
    本発明の方法は、クロロホルム-メタノール、ヘキサン、メチレンクロライド、あるいはアセトンを用いた溶媒抽出により油糧種子の植物ステロールを単離し、引き続き、濃縮されたステロールを得るために鹸化およびクロマトグラフィーによる精製を含めることができる。 代わりに、植物サンプルは、ステロールを濃縮、単離できる全脂質抽出物を得るために、超臨界二酸化炭素を用いた超臨界抽出法により抽出してもよい。 引き続くステロール化合物の解析および定量のために、単離された粗画分は、カラムクロマトグラフィー(CC)、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、順相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆相HPLC、およびキャピラリーエレクトロクロマトグラフィーを含む広範なクロマトグラフィー技術により精製、分離することができる。 全てのクロマトグラフィー単離および分離技術のうち、CCおよびTLCの操作は、サンプルの浄化、精製、試験サンプル中のステロールの定量的アッセイおよび前もった概算のために、最も得やすく、供給されやすく、また適している。

    植物油中に失われるフィトステロールは、食用油の精製過程において、副産物として失われる。 本発明のホスホリパーゼおよび方法は、そのような副産物からフィトステロールリッチな産物を産生するために、そのような副産物から単離されたフィトステロールを使用する。 本発明のフィトステロールの単離および精製法は、産業副産物の油処理を含められ、分子蒸留、液-液抽出および結晶化の操作を含む。
    本発明の方法は、フィトステロールを抽出するために脂質抽出のための方法を含めることができる。 例えば、本発明の方法は、遊離フィトステロールおよびフィトステロール脂肪酸エステルを定量的に抽出するために、ヘキサン(殆どのタイプの植物油の抽出に共通して使用される)のような非極性溶媒を使用できる。 ステリルグリコシドおよび脂肪酸-アシルステリルグリコシドは、ヘキサンで部分的にのみ抽出され、溶媒の極性を上げることにより、抽出の度合いはより高くなる。 使用できる一つの操作は、リン脂質を含む全てのステロール脂質クラスの抽出のためのブライ-ダイアー(Blight-Dyer)のクロロホルム-メタノール法である。 フィトステロール脂質クラスの定量的な分離および解析をする一つの例示的な方法は、その脂質抽出物をHPLCシステムへ注入することを含む。

    本発明の酵素および方法は、例えば、米国特許6,303,803に記載されているように、脂肪および油からステロールを取り除くために利用することもできる。 これは、ステロール含有脂肪および油のステロール含量を減少させる方法である。 それは、コレステロールおよび他のステロールの、リン脂質二重層のような疎水的な溶液二重層を形成する両親媒性分子に対する親和性を基にした、効果的で、コスト効果的な方法である。 リン脂質の凝集体は、例えば、ステロール含有脂肪または油と溶液環境において接触され、混合される。
    この凝集したリン脂質混合物の分子構造は、コレステロールおよび他のステロールに対して高い親和性を有し、脂肪および油からそのような分子を選択的に取り除ける。 その水性分離混合物は、ステロールをリン脂質凝集体部分へ分配することにより、脂肪/油産物のステロール含量を選択的に減少させるために十分な時間、混合される。 ステロール含量を減少させた脂肪または油は、水相分離混合物から分離される。 代わりに、それ相当にステロールが濃縮された画分が、水相分離混合物から単離されてもよい。 これらの工程は、環境温度で行うことができ、加熱にかかるコスト、それによる産物の熱分解が最小限に抑えられる。 更に、最小限の装置が必要とされるだけであり、必要とされる物質の全てが食品グレードであるために、その方法には、扱い、廃液の廃棄、あるいは最終産物の狭雑に関する特別な注意を必要としない。

    本発明の酵素および方法は、例えば、米国特許5,880,300に記載されているように、脂肪および油からステロールを取り除くために利用することもできる。 リン脂質の凝集体は、例えば、ステロール含有脂肪または油と溶液環境において接触され、混合される。
    適切な混合に引き続き、ステロール含量が減少した脂肪または油は、水相分離混合物から分離される。 あるいは、対応してステロールが濃縮されたリン脂質画分が、水相分離混合物から単離されてもよい。 植物(例えば、野菜)油は、本発明の方法を利用して取り除かれるかもしれない植物ステロール(フィトステロール)を含む。 この方法は、商業的処理方法のどのような段階においてでも、脂肪/油産物に適用可能である。 例えば、本発明の方法は、油の精製(refined)、漂白(bleached)および脱臭(deodorized)油(“RBD油”)、あるいはRBDを達成する如何なる前段階に適用してもよい。 RBD油は、前RBD油(pre-RDB oil)と比べて異なる密度を持つかもしれないが、本発明の方法は、以下に述べるように、リン脂質含量、リン脂質組成、リン脂質:水比、温度、圧力、混合条件および分離条件を変化させることにより、RBDまたは前RBD油、あるいは他の種々の脂肪/油産物のいずれにも容易に適用される。
    あるいは、本発明の酵素および方法は、油処理方法の中間段階において、フィトステロールまたは他のステロールを単離するために使用できる。 例えば、フィトステロールが植物油の脱臭段階の間に失われることが知られている。 処理の中間段階のステロール含有蒸留画分は、前述したように、ステロール抽出操作に付与することができる。 これは、抽出ステロールを回収するために更に処理することのできるステロール濃縮レシチンまたは他のリン脂質材料を与える。

    栄養補助食品 ある特徴では、本発明の組成物および方法は、本発明の酵素(本発明のエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)を使用して脂質および油を処理または合成することによって栄養補助食品を製造するために使用し得る。 ある特徴では、処理もしくは合成した脂質もしくは油として、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)、ジアシルグリセリド(例えば1,3-ジアシルグリセリド(DAG))、モノアシルグリセリド(例えば2-モノアシルグリセリド(MAG))およびトリアシルグリセリド(TAG)が挙げられる。 ある特徴では、前記栄養補助食品は、植物(例えば油糧種子)原料または動物(例えば魚油)原料からのジアシルグリセリド(例えば1,3-ジアシルグリセリド(DAG))、モノアシルグリセリド(例えば2-モノアシルグリセリド(MAG))および/またはトリアシルグリセリド(TAG)を処理することによって製造される。

    ある特徴では、本発明の組成物および方法は、食品組成物、特に牛乳ベースの製品(例えば牛乳ベースの乳幼児用調合物)を胆汁酸塩-活性化ヒドロラーゼで栄養強化するために使用し得る。 本発明の方法および組成物により製造された組成物は、新生児または早産児に摂取させるために使用し得、これは、本発明の胆汁酸塩-活性化ヒドロラーゼを摂取させて脂肪消化を向上させ、それにより成長速度を速めることを含む。 同様に、本発明は、膵酵素生産が不十分な対象を治療するための組成物および方法を提供し、それは脂肪分の摂取と組み合わせて胆汁酸塩-活性化ヒドロラーゼを投与することによる;以下の説明も参照されたい。
    ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼ(本発明の胆汁酸塩-活性化ヒドロラーゼ)を含む食品組成物を提供する。 ある特徴では、本発明は、脂肪を含む栄養素および効果的な量の本発明の胆汁酸塩-活性化ヒドロラーゼ、を含む食品組成物を提供する。 ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼ(本発明の胆汁酸塩-活性化ヒドロラーゼ)を含む、牛乳ベースの乳幼児用調合物を提供する。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、多くのミルクにおいて大部分を占める(例えばヒト母乳の99%)長鎖脂肪酸(例えばC 12からC 22 )の消化において活性を有する。 例えば米国特許第5,000,975号を参照されたい。

    ある特徴では、本発明は、植物油脂肪および本発明のヒドロラーゼを含む食品組成物を提供する。 本発明は、食品組成物を製造するためにミルクベース製品および/または植物油含有組成物を処理する方法を提供する。 ある特徴では、処理された組成物は、ラウリン酸油、オレイン酸油、パルミチン酸油および/またはリノレイン酸油を含む。 ある特徴では、米糠油、ヒマワリオレイン油および/またはキャノーラ油がオレイン酸油として使用される。 ある特徴では、栄養補助食品および食品組成物において使用される脂肪および油(例えばイネ、キャノーラ、ヒマワリ、オリーブ、ヤシ、ダイズまたはラウリン系油などの植物からの油糧種子)は、本発明のヒドロラーゼを使用して処理または製造される。 例えば米国特許第4,944,944号を参照されたい。
    ある特徴では、本発明の酵素は、調合物および/または胃における保管に対しては安定であるが、該調合物が通常消化される消化管の部分に到達した場合に活性を有するような形体で提供される。 腸で放出させるための調合物(例えばマイクロカプセル)は当業者によく知られる(例えばポリアクチドおよびポリグリコリドなどの生分解性ポリマー、例えば米国特許第4,767,628号;4,897,268号;4,925,673号;5,902,617号を参照されたい)。

    菓子、カカオバターおよび食物 ある特徴では、本発明の組成物および方法は、カカオバター(ココアバター)などの固いバターを製造および加工するために使用し得る。 本発明の組成物および方法は、本発明の酵素(例えば本発明のエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)を使用する“構造化(structured)”合成技術によってココアバター代替物を製造するために使用し得る。 例えば、ある特徴では、本発明の方法は、例えばココアバター代替物として使用するトリアシルグリセリド、ジアシルグリセリドおよび/またはモノアシルグリセリドを処理または合成する。 ある特徴では、本発明の方法は、明確な“可塑性領域”を有する固いバターを生成して、室温より低いまたは室温において十分な固さを維持する。 ある特徴では、処理または合成された脂質は、とても狭い“可塑性領域”(例えば、ある特徴では体温付近で速やかに溶ける)を有するように設計される。 天然カカオバターは大体30℃から32℃で軟らかくなり始め、そして約36℃で完全に溶ける。 天然カカオバターは、3種類の1,3-二飽和-2-オレオイルグリセロール(即ち、1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1-パルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POSt)および1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(StOSt))の1つを70重量%またはそれより多く含み得る。 これらの3つのグリセロールは、互いに類似する溶解特性を示し、そしてとても狭い可塑性領域を有するカカオバターの溶解特性の原因となる。 本発明は、合成カカオバターの所望の特性に従って3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1-パルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POSt)および1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(StOSt)の割合の異なる合成カカオバターもしくは加工カカオバター(本発明のヒドロラーゼを使用して合成または加工したもの、可能なすべての組成物はココアバター代替物と呼ぶ)、および、3種類の1,3-二飽和-2-オレオイルグリセロールを70重量%より多くまたは少なく含む合成カカオバターを提供する。 本発明の合成カカオバターは、天然または非加工カカオバターを部分的にもしくは完全に置き換えることができ、かつ、固いバターの必須の特性を維持または改善し得る。

    本発明は、菓子、パンおよび医薬製品における使用に所望される特性を有する合成カカオバターまたは合成カカオバター(本発明のヒドロラーゼを使用して合成または加工したもの)を提供する。 ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼを含む菓子、パンおよび医薬製品を提供する。 ある特徴では、本発明の方法は、菓子(例えばチョコレート)からの、または菓子に使用される、脂質(油脂)を製造または処理する。 ある特徴では、天然ココアバターから製造されたチョコレートと比較して指につきにくいが、一方で口の中ではシャープな溶解特性を依然として有するようなチョコレートとなるように、脂質を製造または処理する。 ある特徴では、菓子(例えばチョコレート)を比較的高い周囲温度で製造し得る、または比較的高い温度において冷却水を使用して製造し得るように、脂質を製造または処理する。 ある特徴では、比較的暖かい条件下(たとえば熱帯もしくは亜熱帯条件またはセントラルヒーティングの建物内)でも菓子(例えばチョコレート)を保管し得るように、脂質を製造または処理する。 ある特徴では、菓子(例えばチョコレート)が一定の組成および質の脂質(油脂)を含有するように、脂質を製造または処理する。 本発明の酵素は、ココアバターの代わりとなる組成物を提供するために使用し得、前記組成物は、その熱安定性を著しく向上し得、かつ、広範な用途においてその代わりとなり得る。

    マーガリンおよびショートニングの生産 本発明は、合成または加工油脂(例えば本発明のヒドロラーゼを使用して合成または加工したマーガリンおよびショートニング)を提供する。 ある特徴では、本発明は、植物油(例えば本発明のヒドロラーゼを用いて合成または加工したダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヤシ油またはラウリン系油)を含む処理油脂を提供する。 前記合成または処理油脂(例えばマーガリンまたはショートニング)は、所望の“可塑性”を有するように設計される。 多くの可塑性油脂生成物(例えばマーガリンまたはショートニング)は、生の材料としての固形ストックおよび液体油から生産される。 例えば、ダイズ油、トウモロコシ油、ヤシ油およびナタネ油などの液体油はその固形化油(固形ストック)と一緒に混合され、そしてその混合物は適当な濃度(可塑性)を有するように調整される。 そのように生産されたマーガリンおよびショートニングなどの可塑性油脂製品は、生の材料として使用された脂肪および油がほとんど同じ炭素鎖長の脂肪酸から構成されているために、比較的粗い結晶を形成する傾向がある。 つまり、それらは高度に単一化した組成の脂肪酸を有する。 この理由のため、これらの製品の可塑性は、狭い温度範囲においてしか適当な程度に維持することができないため、そこに含まれる液体油が染み出す傾向がある。 ある特徴では、本発明は、脂肪酸が変化した(かつ明確な)組成の脂肪酸を有するように設計された油脂を製造または処理する方法を提供する。 得られた油(例えばマーガリンまたはショートニング)はより広い範囲の可塑性を有し得る。

    ある特徴では、本発明の方法および組成物は、本発明のヒドロラーゼを使用して植物油(例えばダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヤシ油またはラウリン系油)を製造または処理する(エステル交換(inter-esterification)および酵素的エステル転移(enzymatic transesterification)を含む、例えば米国特許第5,288,619号を参照されたい)ために使用される。 本発明の方法および組成物は、ランダムエステル交換(random inter-esterification)に代わって使用し得る(例えば米国特許第3,949,105号に説明される)。 ある特徴では、本発明の方法および組成物は、トランス酸および中間体脂肪酸の含有量が共に低い油(例えばマーガリン油)を調製するための酵素的エステル転移において使用される。
    ある特徴では、油(例えばヤシ油またはラウリン系油)の対称構造が、例えばランダム構造に改変される。 したがって、本発明の方法は、可塑性油脂製品の特性を改変するために使用し得る。 ある特徴では、本発明の方法による油の改変は、特に製品が保管されている場合において、時間経過に伴う硬化を予防または遅延するように設計し得る。

    ある特徴では、本発明の方法および組成物は、ステアリン酸原料物質および食用液体植物油を含むエステル転移反応混合物において、本発明の1-,3-位置特異的リパーゼを使用して前記ステアリン酸原料物質および前記植物油をエステル転移し、そして脂肪酸混合物を水素添加して植物油との再生反応のための再生ステアリン酸原料物質を提供する。 例えば米国特許第5,288,619号を参照されたい。
    ある特徴では、本発明のリパーゼを用いてエステル交換(inter-esterification)反応が実施される。 ある特徴では、本発明のリパーゼはトリグリセリドの1-位および3-位に対して選択性を有するため、油の中の三飽和トリグリセリドの量の増加を遅延または抑制する。 本発明のこの反応においては、トリグリセリドの1-位および3-位に対して特異性を有する本発明の酵素を用いてエステル交換を実施するため、従来のランダムエステル交換の欠点および非特異的リパーゼによるエステル交換の困難性を克服することができる。 ある特徴では、製品に含まれていた液体油の染み出しは、三飽和トリグリセリド量の増加によって引き起こされる融点の上昇を抑制するための前記反応の温度の上昇によって、遅延または防止される。 これによって、長期間保存の際の製品の硬化の問題に対応する。

    ラテックス処理 本発明の方法および組成物(例えば本発明の酵素、例えば本発明のエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)は、不飽和エステルに優先して飽和エステルを選択的に酸またはアルコールに加水分解するために使用し得る。 ある特徴では、本発明は、アクリル酸エチルに優先するプロピオン酸エチルの選択的加水分解を提供する。 ある特徴では、これらの方法は、ラテックス重合に使用されるモノマー供給物、およびポリマー重合後のラテックスから、不必要なエステルを除去するために使用される。 本発明の方法および組成物(ヒドロラーゼ)は、様々な用途のためにラテックスを処理するために(例えば不快な臭いを除去するために毛定着性組成物に使用されるラテックスを処理するために)使用し得る。 本発明の方法および組成物によって処理されたラテックスとしては、例えば、アクリル、ビニルおよび不飽和酸モノマーを含むポリマー、例えば、アクリル酸アルキルモノマー、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルおよびアクリル酸ブチル、ならびにクリル酸(crylic acid)、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸およびそれらの混合物などのアクリル酸を含むポリマーが挙げられる。 例えば米国特許第5,856,150号を参照されたい。

    ヒドロラーゼ欠乏症の治療 本発明の方法および組成物(本発明の酵素、例えば本発明のエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)は、動物(例えば、ヒトなどの哺乳動物)におけるヒドロラーゼ欠乏症の治療に使用し得る。 例えば、ある特徴では、本発明の方法および組成物は、膵臓リパーゼの欠乏を患う患者を治療するために使用される。 ある特徴では、前記リパーゼは経口投与される。 本発明の酵素は、ブタ膵酵素の代わりに、または前記膵酵素と一緒に投与し得る。
    ある特徴では、これらの治療に使用される本発明の組成物は、酸性条件下で活性を有する。 ある特徴では、本発明の組成物は、胃の酸性領域を通過し、空腸の比較的アルカリ性の環境においてのみ前記酵素を放出する調合物(例えば錠剤)で経口投与される。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、担体(例えばラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、セルロース誘導体またはゼラチン、またはそのような任意の賦形剤)と一緒に調合される。 ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールワックスなどの滑沢剤もまた添加されてもよい。 タルク、二酸化チタン、ゼラチンまたはアラビアガムなどの添加剤を含んでもよい濃縮糖溶液を、コーティングとして加えてもよい。 液体または固体調合物としてヒドロラーゼをカプセル充填するために、軟カプセルまたは硬カプセルを使用し得る。 例えば米国特許第5,691,181号;5,858,755号を参照されたい。

    洗剤 :本発明の方法および組成物(本発明の酵素、例えば本発明のエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)は、洗剤を製造および使用するために使用し得る。 本発明のヒドロラーゼは、既知のいかなる洗剤組成物(固体、液体を問わない)に、前記洗剤組成物の組成を変化させて、または変化させずに、添加し得る(例えば前記洗剤組成物と混合し得る)。 例えば、本発明のヒドロラーゼは、いかなる石鹸に添加してもよく、前記石鹸は例えば、脂肪族スルファート(例えば直.鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル・スルファート、アミドスルファート、アルキルもしくはアルケニルエーテルスルファート(直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基(酸化エチレン、酸化プロピレンおよび酸化ブチレンの1つまたは2つ以上が付加されている)を有する)など)、脂肪族スルホナート(例えばスルホン酸アルキル、スルホン酸アミド、スルホコハク酸時アルキル、アルファ-オレフィンのスルホナート、ビニリデン系オレフィンのスルホナートおよび内部オレフィンのスルホナートなど)、芳香族スルホナート(例えば直鎖もしくは分岐鎖のアルキルベンゼンスルホナートなど)、アルキルもしくはアルケニル・エーテルカルボナートまたはアミド(直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基(酸化エチレン、酸化プロピレンおよび酸化ブチレンの1つまたは2つ以上が付加されている)を有している)、またはアミド、アルファスルホ脂肪酸塩もしくはエステル、アミノ酸系界面活性剤、リン酸界面活性剤(例えば酸性リン酸アルキルもしくはアルケニル、およびリン酸アルキルもしくはアルケニルなど)、スルホン酸系両性界面活性剤、ベタイン系両性界面活性剤、アルキルもしくはアルケニル・エーテルもしくはアルコール(直鎖もしくは分岐鎖のアルキルもしくはアルケニル基(酸化エチレン、酸化プロピレンおよび酸化ブチレンの1つまたは2つ以上が付加されている)、ポリオキシ-エチレンアルキルフェニルエーテル(直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基(酸化エチレン、酸化プロピレンおよび酸化ブチレンの1つまたは2つ以上が付加されている)を有する)、高級脂肪酸アルカノールアミドもしくはそのアルキレンオキシド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸グリセロールモノエステル、アルキル-もしくはアルケニル-アミンオキシド、テトラアルキルアンモニウム塩系陽イオン界面活性剤、またはそれらの組み合わせである。例えば米国特許第5,827,718号を参照されたい。

    本発明は、1つまたは2つ以上の本発明のポリペプチド(ヒドロラーゼ)を含む洗剤組成物を提供する。 表面活性性および/または非表面活性性の形体を使用し得る。 ある特徴では、本発明に使用される表面活性性および/または非表面活性性ヒドロラーゼの合計の量は、洗剤組成物の約0.0001重量%から約1.0重量%、または約0.0002重量%から約0.5重量%であり得る。 ある特徴では、洗剤組成物のうち、表面活性性ヒドロラーゼは酵素学的混合物中の全ヒドロラーゼ活性の約5%から約67%であり、そして非表面活性性ヒドロラーゼは同約33%から約95%である。 ある特徴では、全酵素学的混合物の最適pHは約5から約10.5の間である。

    ある特徴では、本発明の洗剤組成物は、アルカリ性pH値で作用する本発明のアルカリ性ヒドロラーゼを含むが、それは洗浄液のpHが通常の洗浄条件下のpH範囲よりも低い可能性があるからである。 例えば米国特許第5,454,971号を参照されたい。
    本発明のポリペプチド(本発明の酵素、例えば本発明のエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)は、当業者によく知られるいかなる洗剤組成物において使用されてもよい。 例えば米国特許第5,069,810号;6,322,595号;6,313,081号を参照されたい。 例えば、ある特徴では、洗濯洗剤組成物が提供される。 それは0.8ppmから80ppmの本発明のリパーゼを含み得る。

    本発明は、洗剤組成物を製造および使用する方法の全てを取り込んでいる。 例えば、米国特許6,413,928号、同6,399,561号、同6,365,561号、同6,380,147号を参照されたい。
    本発明は、洗剤組成物を製造および使用する方法の全てを取り込んでいる。 例えば、米国特許6,413,928号、同6,399,561号、同6,365,561号、同6,380,147号を参照されたい。 前記洗剤組成物は、1つおよび2つの部分の水溶液組成物、非水溶液組成物、鋳造固形物、顆粒形、粒状形、圧縮錠剤、ゲルおよび/またはペーストおよびスラリー形であろう。 本発明のヒドロラーゼはまた、固形または液体形の洗剤添加生成物としてもまた用いることができる。 そのような添加生成物は通常の洗剤組成物の性能の補充または補強を目的とし、洗浄プロセスの任意の段階で添加できる。
    本発明はまた、甚だしい食べ物の汚れ、食べ物の残渣および他のわずかな食物組成物の薄層を前記洗剤組成物を用いて除去することができる方法を提供する。 本発明のヒドロラーゼは、タンパク質の触媒的加水分解により汚れの除去を促進することができる。 本発明のヒドロラーゼは、皿洗浄洗剤、洗濯洗剤として用いることができる。

    実際の活性酵素含有量は、前記洗剤溶液が所望の酵素活性を有すると仮定して、洗剤組成物の製造方法によって左右され重要ではない。 ある特徴では、最終溶液に存在するヒドロラーゼの量は、製剤組成物1mgにつき約0.001mgから0.5mgの範囲である。 本発明の方法および組成物で使用するために選択される具体的な酵素は、最終的な利用条件(製品の物理的形態、使用pH、使用温度、並びに分解および改変されるべき汚れのタイプを含む)によって左右される。 酵素は、与えられた使用条件のいずれに対しても最適の活性および安定性を提供するように選択することができる。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、約4から約12の範囲のpH、約20℃から約95℃の範囲の温度で活性を有する。 本発明の洗剤は、陽イオン性、半極性非イオン性または双性イオン性界面活性剤または前記の混合物を含むことができる。

    本発明の酵素は粉末または液体洗剤に製剤化できる(約0.01から約5重量%(好ましくは0.1から0.5重量%)の濃度で4.0から12.0のpHを有する)。 前記洗剤組成物はまた他の酵素、例えばプロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、またはエンドグリコシダーゼ、エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ、ベータ-グルカナーゼ、エンド-ベータ-1,3(4)-グルカナーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼを含むことができる。 前記洗剤組成物はまたビルダーおよび安定化剤を含むことができる。
    通常の洗浄組成物への本発明のヒドロラーゼの添加は特別な使用制限をもたらさない。 換言すれば、酵素が目的の使用pHおよび/または温度で活性を示すか、そのpHおよび/または温度で許容される限り、その洗剤に適した任意の温度およびpHがまた本発明の組成物に適切である。 さらにまた、本発明のプロテアーゼは洗剤を含まない洗浄組成物で、単独またはビルダーおよび安定化剤と一緒に用いることができる。
    本発明は、硬質表面を洗浄する洗剤組成物、布地を洗浄する洗剤組成物、皿洗浄組成物、口内洗浄組成物、歯磨き組成物、およびコンタクトレンズ洗浄溶液を含む洗浄組成物を提供する。

    ある特徴では、本発明は、洗浄のために十分な条件下で対象物を本発明のポリペプチドと接触させることを含む対象物の洗浄方法を提供する。 本発明のヒドロラーゼは洗剤添加物として含有させることができる。 本発明の洗剤組成物は、本発明のポリペプチドを含む例えば手洗いまたは機械による洗濯洗剤組成物として製剤化することができる。 汚れの付着した布地の予備処理に適した洗濯添加物は本発明のポリペプチドを含むことができる。 布地の柔軟化組成物は本発明のヒドロラーゼを含むことができる。 また別には、本発明のヒドロラーゼは、一般的な家庭用硬質表面洗浄作業に使用される洗剤組成物として製剤化することができる。 また別の特徴では、本発明の洗剤添加物および洗剤組成物は、1つまたは2つ以上の他の酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、別のプロテアーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、たとえばラクターゼおよび/またはペルオキシダーゼを含むことができる(上記もまた参照されたい)。 本発明の酵素の特性は、選択した洗剤に適合するように選択され(すなわち、最適pH、他の酵素および非酵素成分に対する適合性など)、酵素は有効量で存在する。 ある特徴では、本発明の酵素を用いて布地から悪臭を有する物質が除去される。 本発明の実施で用いることができる種々の洗剤組成物および前記を製造する方法は、例えば米国特許6,333,301号、同6,329,333号、同6,326,341号、同6,297,038号、同6,309,871号、同6,204,232号、同6,197,070号、同5,856,164号に記載されている。

    洗濯機洗浄方法で使用するために適した組成物として製剤化される場合は、本発明のヒドロラーゼは界面活性剤およびビルダーの両方を含むことができる。 前記はさらに1つまたは2つ以上の洗剤成分、例えば有機ポリマー化合物、漂白剤、追加の酵素、石鹸泡抑制剤、分散剤、ライムソープ分散剤、汚れ遊離および再沈着防止剤、および腐食防止剤を含むことができる。 さらに別の洗剤成分として、本発明の洗濯組成物はまた柔軟化剤を含むことができる。 本発明のヒドロラーゼを含む組成物は、洗濯洗剤組成物として製剤化された場合、布地の洗浄、シミの除去、白さの維持、柔軟化、カラーアピアランス、染色移りの防止および殺菌を提供する。
    本発明の選択洗剤組成物の濃度は、組成物の約200から1500g/L、または約400から1200 g/L、または約500から950 g/L、または600から800 g/Lの範囲であろう。 前記は約20℃で測定できる。

    本発明の選択洗剤組成物の“圧縮”型は、密度によって、さらに組成に関しては無機充填塩の量によってもっともよく示される。 無機充填塩は、粉末型の洗剤組成物の一般的な成分である。 一般的な洗剤組成物では、前記充填塩はかなりの量、典型的には全組成物の17から35重量%で存在する。 圧縮組成物のある特徴では、前記充填塩は、全組成物の15重量%を超えない、または10重量%を超えない、または5重量%を超えない量で存在する。 無機充填塩は、硫酸塩および塩化物のアルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えば硫酸ナトリウムから選択することができる。
    本発明の液体洗剤組成物もまた“濃縮型”であってもよい。 ある特徴では、液体洗剤組成物は、一般的な液体洗剤と比較して少ない量の水を含むことができる。 また別の特徴では、濃縮液体洗剤の水の含有量は、洗剤組成物の40重量%未満、または30重量%未満、または20重量%未満である。 本発明の洗剤化合物は、WO97/01629に記載の成分組成を含むことができる。

    本発明のヒドロラーゼは、種々の洗浄組成物の配合に有用であろう。 界面活性剤として適切な多数の公知の化合物(非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または双性イオン性洗剤を含む)を、例えば米国特許4,404,128号、同4,261,868号、5,204,015号に開示されたように使用することができる。 さらにまた、本発明の酵素は、例えば棒状石鹸もしくは液体石鹸として、皿洗浄洗剤、コンタクトレンズ洗浄溶液もしくは製品、ペプチド加水分解、水処理、布地処理、タンパク質製造での融合-切断酵素として用いることができる。 本発明のヒドロラーゼは、別の洗剤プロテアーゼと比較して洗剤組成物の性能の強化を生じさせる。 すなわち、標準的洗浄サイクル後の通常の評価による測定によれば、本酵素群は、ある種の酵素感受性汚れ(例えば草または血液)の洗浄を高めることができる。 メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ(または本発明の他のプロテアーゼ)は、公知の粉末洗剤または液体洗剤(約0.01から約5重量%(例えば約0.1から0.5重量%)のレベルで6.5から12.0のpHを有する)に製剤化することができる。 前記の洗剤洗浄組成物はまた他の酵素、例えば公知のエステラーゼ、ホスホリパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼまたはエンドグリコシダーゼをビルダーおよび安定化剤と同様に含むことができる。

    繊維製品のコーティグおよび仕上げの方法 本発明の方法および組成物(本発明の酵素、例えば本発明のエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはプロテアーゼ)は、繊維製品、繊維または織物糸をコーティングおよび仕上げ(finishing)のための方法に使用し得る。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼの存在下で、不溶性セルロースポリマーをカルボン酸またはそのエステルと一緒に反応させる。 前記セルロースポリマーは、綿、ビスコース、レーヨン、リオセル、亜麻、リネン、カラムシ、すべてのそれらの混紡;および、それらとポリエステル、ウール、ポリアミド繊維、アクリル繊維またはポリアクリル繊維との混紡であり得る。 また別の特徴では、本発明の方法および組成物(ヒドロラーゼ)は、柔軟化仕上げプロセス、即ち、最終繊維製品の手ざわりおよび垂れ具合の向上、ポリマー材料の染色、難燃性の獲得、撥水性の獲得、ポリマー材料の明るさ(例えば光学的な明るさ)の獲得、および樹脂加工(resin finishing)の獲得(“永久プレス”)に使用し得る。 ある特徴では、本発明の方法および組成物(ヒドロラーゼ)は、例えばハロゲン-置換カルボン酸またはそのエステル(即ちフッ素化、塩素化もしくは臭化カルボン酸またはそのエステル)を使用して、繊維製品における難燃性を獲得するために使用し得る。 ある特徴では、この方法は、エステル結合の加水分解切断よりもエステル化プロセスを優先するような条件下(例えば温度、pH、溶剤)で実施し得る。 ある特徴では、前記エステル化プロセスは水を溶媒として実施されるか、または前記プロセスは溶媒を使用せずに実施されるか、または、前記反応は、カルボキシル酸もしくはそのエステルを水および適切な表面活性剤の混合物に添加することによって形成したミクロエマルジョンにおいて行われ得る。 例えば米国特許第5,733,750号を参照されたい。

    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、繊維製品、繊維または織物糸などの表面に吸着されるか、そうでなければ固定される。 ある特徴では、例えば脂質の除去(例えば食物または油汚れの除去)のために繊維製品-ヒドロラーゼ複合体が形成される。 ヒドロラーゼは、染色の前または後に繊維製品、繊維または織物糸に吸着されてもよい。 活性ヒドロラーゼは、乾燥した繊維製品、繊維もしくは織物糸、または洗濯液中の繊維製品、繊維もしくは織物糸の汚れを加水分解し得る。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、界面活性剤による変性および熱による非活性化に対して、向上した安定性を有する。 このようにして、前記ヒドロラーゼは、洗濯の際の繊維製品、繊維または織物糸からの解離に対して抵抗性を有し得、高温における乾燥の後に実質的な活性を維持し得、そして、繊維保管または磨耗の際に活性を維持し得る。 繊維製品を洗濯している際の食物、油および油加水分解副生成物の再沈着もまた、本発明のヒドロラーゼによって遅らせることができる。 油加水分解副生成物は、(例えば塩基性pHまたは界面活性剤の存在下で)繊維を洗濯している際に除去し得る。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、繊維製品、繊維または織物糸と共に、ゲル、ガラス、プラスチックまたは金属固体上に吸着されるか、そうでなければ固定される。

    また別の特徴では、本発明のヒドロラーゼは、生地または織ったもしくは織っていない布を含む広い種類の天然、合成もしくは金属繊維(例えばナイロン、ポリコットン、ポリエステル、織り上げたポリエステル、ダブルニットポリエステル、絹、ビニール、綿フランネル、レーヨンベルベット、アクリルフェルト、ウール混紡(ポリエステル/ウール)、合成混紡(ポリエステル/ポリウレタン)、ラテックス)を処理するために有用である。 本発明のヒドロラーゼで処理し得る他の表面としては、台所または調理用器具および台所用品(例えば、セルローススポンジ、ナイロンおよびステンレス鋼の束子および銅布などのポット洗浄材料、および、食器洗浄機、食物貯蔵装置(例えば冷蔵庫、冷凍庫など))が挙げられる。

    本発明に従って処理された表面は、酵素-繊維製品複合体が形成される前に既に油を染み込ませても(または含んでいても)よいし、または前記複合体はそのような暴露がなされる前に形成される。 前者の用例に有用な実施態様の例としては、油汚れの特定の領域にスプレーまたは直接塗布し得る、洗浄-前の液体またはゲル化組成物が挙げられる。 そうすると、衣料またはリネンは例えば洗濯かごに保管し、そして家庭用業務の通常のコースで洗濯してもよいが、それは油汚れの加水分解副生成物への分解が保管中に行われるからである。 また別には、油汚れ除去特性を向上させるために、使用前に繊維製品を前処理してもよい。 ある特徴では、ヒドロラーゼは表面上に固定化されて、表面からの油除去を促進し、および表面上の湿潤性を変更する。 ある特徴では、ヒドロラーゼは油で汚れる前または後に繊維製品に吸着され、そして前記ヒドロラーゼは、乾燥した繊維製品または洗濯液中の繊維製品の汚れを加水分解する活性を有する。 ある特徴では、吸着されたヒドロラーゼは、界面活性剤による変性および熱による非活性化に対して向上した安定性を有し、洗濯の際の繊維製品からの解離に対して抵抗性を有し、高温において繊維製品を乾燥の後に実質的な活性を維持し、および/または繊維保管または磨耗の際に活性を維持しする。 ある特徴では、繊維製品を洗濯している際の油および油加水分解副生成物の再沈着が、本発明のヒドロラーゼによって遅延される。 ある特徴では、油加水分解副生成物は、塩基性pHまたは界面活性剤の存在下で繊維を洗濯している際に除去し得る。 例えば米国特許第6,265,191号を参照されたい。

    繊維および布地の処理 :本発明は、本発明の1つまたは2つ以上のヒドロラーゼを用いて繊維および繊維製品を処理する方法を提供する。 前記ヒドロラーゼは任意の繊維処理方法または繊維製品処理方法で用いることができる。 前記方法は当業界では知られており、例えば米国特許6,261,828号、同6,077,316号、同6,024,766号、同6,021,536号、同6,017,751号、5,980,581号、米国特許公開広報20020142438A1を参照されたい。 例えば、本発明のヒドロラーゼは、繊維および/または繊維製品の脱サイズ(desizing)に用いることができる。 ある特徴では、繊維製品の感触および外観は、繊維製品を本発明の溶液中のヒドロラーゼと接触することを含む方法によって改善される。 ある特徴では、繊維製品は加圧下で前記溶液で処理される。 例えば、本発明のヒドロラーゼは汚れの除去で用いることができる。
    ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは、布地を織っている間もしくは織った後で、または脱サイズ工程中に、または1つもしくは2つ以上の追加の繊維製品処理工程中に適用される。 布地が織られている間、糸は強い機械的緊張に暴露される。 織機で布を織る前に、縦糸はしばしばサイズ用澱粉または澱粉誘導体で被覆され、その引張り強度が高められ破損が防止される。 本発明のヒドロラーゼは前記のサイズ用澱粉または澱粉誘導体の除去に用いることができる。 布地を織り上げた後、繊維を脱サイズ工程処理することができる。 前記工程の後に1つまたは2つ以上の追加の繊維製品処理工程が続き得る。 脱サイズは“サイズ”を布地から除去する作業である。 機織り後に、前記サイズコーティングは更なる繊維処理の前に除去され、均質で耐洗浄性が得られたことを担保しなければならない。 本発明は、本発明のヒドロラーゼの作用による“サイズ”の酵素処理を含む脱サイズ方法を提供する。

    本発明の酵素を洗剤添加物として(例えば水性組成物として)用いて、綿含有繊維製品を含む繊維製品を脱サイズすることができる。 本発明はインジゴ染色デニム織物および衣料にストーンウォッシュした外観を生じる方法を提供する。 衣服の製造のために、布地を切断して衣服または衣料に縫製することができる。 これら衣類は前記処理の前または後で完成される。 特にデニムのジーンズ製造の場合、種々の酵素仕上げ方法が開発されている。 デニムの衣料の仕上げは酵素による脱サイズ工程で開始し、その間衣料はアミロース分解酵素作用に付されて、柔軟さが織物に提供され、さらに綿をその後の酵素仕上げ工程に馴染みやすくさせる。 本発明は、本発明のヒドロラーゼを用いてデニムの衣料を仕上げる方法(例えば“バイオストーン処理”)、酵素による脱サイズおよび布地に柔軟さを提供する方法を提供する。 本発明は、脱サイズおよび/または仕上げ処理においてデニム衣料を迅速に柔軟化する方法を提供する。

    これらの脱サイズ処理において他の酵素もまた用いることができる。 例えば、アルカリおよび熱耐性アミラーゼおよびヒドロラーゼを脱サイズおよびバイオスカーリングのために1つの浴で一緒にすることができる。 脱サイズおよびスカーリングを一工程にまとめる利点はとりわけ、省エネルギーおよび水使用削減および廃棄生成物の減少によるコスト削減および環境への影響の減少である。 脱サイズおよびバイオスカーリングのための典型的な適用条件は、pH約8.5から10.0および温度約40℃以上である。 本発明のヒドロラーゼを用いる場合、より低い酵素使用量、例えば約100g/トン綿、および短い反応時間、例えば約15分を用いて、有効な脱サイズおよびスカーリングがカルシウムを添加することなく得られる。
    ある特徴では、アルカリおよび熱安定性アミラーゼおよびヒドロラーゼが脱サイズおよびバイオスカーリングのために1つの浴で一緒にされる。 一工程で脱サイズおよびスカーリングをまとめる利点はとりわけ、省エネルギーおよび水の使用削減および廃棄生成物の減少によるコスト削減および環境への影響の減少である。 脱サイズおよびバイオスカーリングのための典型的な適用条件は、pH約8.5から10.0および温度約40℃以上である。 低い酵素使用量(例えば約100g/トン綿)および短い反応時間(例えば約15分)を用いて、有効な脱サイズおよびスカーリングがカルシウムを添加することなく得られる。

    本発明のヒドロラーゼは、繊維の調製または繊維の洗浄のために他の炭水化物分解酵素(例えばセルラーゼ、アラビナナーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチナーゼなど)と一緒に用いることができる。 前記ヒドロラーゼは洗剤と一緒に用いることができる。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは布地の老化防止処理に用いることができる。
    本発明のヒドロラーゼを用いて、綿、混紡綿または天然もしくは人工セルロース類(例えばキシラン含有セルロース繊維(例えば木材パルプ))から製造された任意のセルロース素材(繊維(例えば綿、麻、亜麻またはリネン)を含む)、縫製および未縫製織物(例えばニット、織物、デニム、織物糸およびタオル地)を処理することができる。 混紡の例は、綿またはレーヨン/ビスコースと1つまたは2つ以上のコンパニオンメンバー(例えばウール、合成繊維(例えばポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、塩化ポリペプチドビニル繊維、塩化ポリビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリウレア繊維、アラミド繊維)およびセルロース含有繊維(例えばレーヨン/ビスコース、カラムシ、麻、亜麻/リネン、ジュート、酢酸セルロース繊維、リオセル)との混紡である。

    本発明の織物処理方法(本発明のヒドロラーゼを使用する)は、他の織物処理、例えばスカーリングおよび漂白と一緒に用いることができる。 スカーリングは、綿繊維から非セルロース性物質(例えばキューティクル(主としてワックスから成る)および一次細胞壁(主としてペクチン、タンパク質およびキシログルカンから成る))を除去することである。 適切なワックスの除去は高い吸湿性を得るために必要である。 これは染色のために必要である。 本発明の方法による一次細胞壁の除去はワックスの除去を改善し、より均質な染色を担保する。 本発明の方法による布地の処理は、漂白工程で白さを改善する。 スカーリングで用いられる主要な化学物質は、高濃度の水酸化ナトリウムおよび高温である。 漂白は布地を酸化することを含む。 漂白は、完全に漂白された(白色)布地を得るか、または染料の完全な濃淡の度合いを担保するために、典型的には酸化剤として過酸化水素の使用を必要とする。
    本発明はまたアルカリヒドロラーゼ(アルカリ条件下で活性を有するヒドロラーゼ)を提供する。 前記は、織物加工、植物繊維(例えば植物靭皮繊維)の脱ガム、ペクチン廃液処理、製紙、コーヒーおよび紅茶発酵で広い適用範囲を有する(例えば以下を参照されたい:Hoondal (2002) Applied Microbiology and Biotechnology 59:409-418)。

    食物処理および食品加工 :本発明のヒドロラーゼは食品加工工業に多数の用途を有する。 例えば、ある特徴では、本発明のヒドロラーゼを用いて、油に富む植物材料(例えば油に富む種子)の油の抽出、例えばダイズからダイズ油の抽出、オリーブからオリーブ油の抽出、ナタネからナタネ油の抽出および/またはヒマワリの種子からヒマワリ油の抽出または米糠油の抽出が改善される。
    本発明のヒドロラーゼは植物細胞材料の成分の分離に用いることができる。 例えば、本発明のヒドロラーゼは、タンパク質に富む材料(例えば植物細胞)の成分への分離(例えばテンサイから砂糖の分離、またはジャガイモから澱粉もしくは砂糖の分離)、髄または外皮部分の分離に用いることができる。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼを用いて、タンパク質に富む、または油に富む作物を有益なタンパク質および油並びに外皮部分に分離することができる。 前記分離プロセスは当業界で公知の方法を使用して実施できる。

    本発明のヒドロラーゼを果実ジュース、野菜ジュース、シロップ、抽出物などの製造に用いて収量を高めることができる。 本発明のヒドロラーゼは、種々の植物細胞壁由来材料または廃棄物質(例えばワインまたはジュース製造に由来する)、または農作物残渣(例えば野菜の外皮、豆類外皮、テンサイの茎髄、オリーブの茎髄、ジャガイモの茎髄など)の酵素処理に用いることができる。 本発明のヒドロラーゼは、加工果実または野菜の濃度および外観の改変に用いることができる。 本発明のヒドロラーゼを用いて植物材料を処理し、植物材料(食物を含む)の加工を促進、植物成分の精製もしくは抽出を促進することができる。 本発明のヒドロラーゼを用いて、飼料価値を高め、水との結合能力を低下させ、排水プラントでの分解能を改善し、および/または植物材料のエンシレージ(サイロ貯蔵物)への変換を改善することなどが可能である。

    動物の飼料および食品または飼料添加物 :本発明は、本発明のヒドロラーゼを用いて動物の飼料および食物並びに食品および飼料添加物を処理する方法を提供する。 動物には哺乳動物(例えばヒト)、鳥類、魚などが含まれる。 本発明は、本発明のヒドロラーゼを含む動物の飼料、食物および添加物を提供する。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼを用いて動物の飼料、食物および添加物を処理することによって、動物の飼料または添加物中の栄養物(例えば澱粉)の利用性を高めることができる。 消化が困難なタンパク質を分解することによって、または澱粉(または他の栄養物)を脱マスキングすることによって、ヒドロラーゼは他の内在性または外来性酵素が栄養物に接近しやすくする。 前記ヒドロラーゼはまた、消化および吸収が容易な栄養物および糖類を簡単に遊離させることができる。
    動物の飼料または食物の改変で、本発明のヒドロラーゼは、in vitro(飼料または食物の成分を改変することによって)またはin vivoで前記飼料または食物を加工することができる。 ヒドロラーゼは、大量のアラビノガラクタンまたはガラクタンを含む動物の飼料または食物組成物(例えばダイズ、ナタネ、ルピンなどに由来する植物材料を含む飼料または食物)に添加することができる。 飼料または食物に添加したとき、前記ヒドロラーゼは、植物細胞壁物質のin vivoでの分解を顕著に改善し、それによって動物(例えばヒト)による植物栄養物のより良好な利用が達成される。 ある特徴では、動物の成長速度および/または飼料変換率(すなわち体重増加に対する摂取飼料の重量)が改善される。 例えば、部分的にまたは消化不能のガラクタンを含むタンパク質は、本発明のヒドロラーゼによって(例えば別の酵素、例えばベータ-ガラクトシダーゼと併用して)ペプチドおよびガラクトースおよび/またはガラクトオリゴマーに完全にまたは部分的に分解される。 酵素消化生成物は動物がより消化しやすい。 したがって、本発明のヒドロラーゼは飼料または食物の利用可能なエネルギーに寄与することができる。 さらにまた、ガラクタン含有タンパク質の消化に寄与することによって、本発明のヒドロラーゼは、炭水化物および非炭水化物飼料または食物構成物(例えばタンパク質、脂肪およびミネラル)の消化性および取り込みを改善することができる。

    別の特徴では、本発明のヒドロラーゼはトランスジェニック飼料作物(例えばトランスジェニック植物、種子など)、例えばトウモロコシ、ダイズ、ナタネ、ルピンなどで前記酵素を直接発現させることによって供給することができる。 上記で考察されたように、本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含むトランスジェニック植物、植物部分および植物細胞を提供する。 ある特徴では、前記核酸は、本発明のヒドロラーゼが回収可能な量で産生されるように発現される。 前記ヒドロラーゼはいずれの植物または植物部分からも回収することができる。 また別には、前記組換えポリペプチドを含む植物または植物部分は、食物または飼料の質を改善するために、例えば栄養価、美味および流動特性を改善するために、または栄養阻害因子を破壊するために用いることができる。

    紙およびパルプ処理 :本発明のヒドロラーゼは紙またはパルプの処理、または紙の脱インクで用いることができる。 例えばある特徴では、本発明は本発明のヒドロラーゼを用いる紙の処理プロセスを提供する。 別の特徴では、コピー用紙の紙成分が、化学的酵素的脱インク処理時にリサイクルされる。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼはセルラーゼ、ペクチンリアーゼまたは他の酵素と併用して用いることができる。 紙は以下の3つの工程によって処理することができる:1)本発明のヒドロラーゼの存在下での分解;2)脱インク物質および本発明のヒドロラーゼによる分解;および/または3)本発明のヒドロラーゼとともに浸漬した後での分解。 ヒドロラーゼで処理したリサイクル紙は、セルラーゼだけで処理された紙と比較してトナー粒子が除去されているために白さが増し得る。 本発明はいずれの特定の理論にも拘束されないが、本発明のヒドロラーゼの効果は、パルプ懸濁液中の界面活性剤としてのその働きによるものかもしれない。

    本発明は、本発明の1つまたは2つ以上のヒドロラーゼを用いる紙および紙パルプの処理方法を提供する。 本発明のヒドロラーゼは任意の紙処理またはパルプ処理方法で用いることができる。 前記方法は当業界で既知であり、例えば米国特許6,241,849号、同6,066,233号、同5,582,681号を参照されたい。 例えばある特徴では、本発明は、染料を含む印刷された紙の脱インクおよび脱色のための方法を提供する。 前記方法は、印刷された紙をどろどろにしてパルプスラリーを得て、本発明のヒドロラーゼの存在下でインクを前記パルプスラリーから除去することを含む(他の酵素もまた添加することができる)。 別の特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼを含む酵素混合物(他の酵素、例えばペクチンリアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼまたはグルコアミラーゼもまた含むことができる)をパルプ(例えば二次繊維から製造されたパルプ)に添加し、酵素処理パルプを生成する反応を惹起させることによって、前記パルプのろ水度(freeness)を増進する方法を提供する。 酵素処理パルプのろ水度は、白さを失わせることなく最初の二次繊維のろ水度から増強される。

    廃棄物処理 :本発明のヒドロラーゼは多様な他の工業的用途、例えば廃棄物処理で用いることができる。 例えば、ある特徴では、本発明は、本発明のヒドロラーゼを用いる固形廃棄物消化プロセスを提供する。 前記方法は、実質的に未処理の固形廃棄物の大きさおよび体積を減少させることを含むことができる。 固形廃棄物は、制御温度において酵素溶液(本発明のヒドロラーゼを含む)の存在下で酵素消化プロセスにより処理することができる。 これにより添加微生物によって生じる相当な細菌の発酵無しに反応がもたらされる。 固形廃棄物は液化廃棄物およびなんらかの残留固形廃棄物に変換される。 生じた液化廃棄物は前述の残留固形廃棄物から分離することができる。 例えば米国特許5,709,796号を参照されたい。
    さらに、本発明のヒドロラーゼ(例えばプロテアーゼ)は、動物分解工業で用いて、例えば羽毛を除去することができる。 前記は例えばYamamura(Biochem. Biophys. Res. Com. 294:1138-1143 (2002))によって記載されている。 本発明のアルカリプロテアーゼもまた、廃棄羽毛またはケラチン含有材料からタンパク質性飼料を製造する場合に用いることができる。 前記は例えばGupta(Appl. Microbiol. Biotechnol. 59:15-32 (2002))によって記載されている。

    潤滑油および油圧油 本発明の方法および組成物(本発明の酵素、例えば本発明のエステラーゼ、アシラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼまたはヒドロラーゼ)は、油圧油などの潤滑油の調製に使用し得る。 したがって、本発明はまた、本発明のヒドロラーゼを含む潤滑油および油圧油を提供する。 本発明の潤滑油の目的は、金属の摩擦および磨耗を最小限にすることである。 前記潤滑油はさらに、潤滑特性を向上させるベース液および添加剤を含み得る。 例えば米国特許第5,747,434号を参照されたい。

    エステル交換(Interesterification)
    ある特徴では、本発明の方法および組成物は、トリグリセリドの特性を、そしてある特徴では、その濃度(consistency)を改変するために使用し得る。 ある特徴では、本発明の酵素は、ナトリウム金属またはナトリウムメトキシドなどの触媒の存在下で使用してグリセリド分子間のアシル移動を促進してもよく、それによりその生成物は、脂肪酸残基がグリセリド分子の間に不規則に分布しているようなグリセリド混合物からなる。
    ある特徴では、本発明の酵素は、リパーゼ触媒によるエステル交換がドミナントな反応となるように油脂の加水分解を最小限化した反応において、エステル交換生成物を生成するために使用し得る。 これらの条件は、例えば系内の水の量を制限することを含み得る。
    ある特徴では、本発明の酵素は、トリグリセリドと遊離脂肪酸の混合物を使用するエステル交換反応を触媒するために使用し得る(例えばEP 0 093 602 B2に説明される)。 これらの場合には、遊離脂肪酸をトリグリセリドのアシル基と交換することによって、付加された脂肪酸でエンリッチされた新規のトリグリセリドを生成し得る。 ある特徴では、本発明の1,3-特異的リパーゼは、反応をグリセリドの1-位置および3-位に限定するために使用し得、それによって、化学的エステル交換または非特異的リパーゼを用いる反応では得ることができないトリグリセリドの混合物を得ることが可能になる。 ある特徴では、非特異的リパーゼは、化学的エステル交換と同様の結果を達成するために使用される。

    本発明の位置特異的リパーゼを使用して新規のトリグリセリド混合物を生成する能力は、これらの混合物のいくつかは有益な特性を有するため、油および脂肪産業にとって有用である。 例えば、ヤシ油の中間画分の主要なトリグリセリドである1,3-ジパルミトイル-2-モノレイン(POP)と、ステアリン酸またはトリステアリンのいずれかとの1,3-特異的リパーゼ-触媒エステル交換によって、有益な1-パルミトイル-3-ステアロイル-2-モノレイン(POSt)および1,3-ジステアロイル-2-モノレイン(StOSt)でエンリッチされた生成物が得られる。 POStおよびStOStはココアバターの重要な成分である。 したがって、本発明のある特徴は、安価な出発材料からココアバター同等物を生産するためのエステル交換反応を提供する。
    ある特徴では、本発明は、本発明の1,3-特異的リパーゼを使用することによる、固い油脂の代替品を生産する方法を提供する。 ある特徴では、固い油脂の代替品は、ヤシ中間画分およびStOSt、POStまたはStOSt/POSt(少なくとも純度85%)の混合物を含む。

    口内手入れ製品 :本発明は、本発明のヒドロラーゼを含む口内手入れ製品を提供する。 典型的な口内手入れ製品には、練り歯磨き、歯磨きクリーム、ゲルまたは歯磨き粉、オドンティクス、口内洗浄液、歯磨き前または歯磨き後の洗浄剤、チューインガム、ロゼンジまたはキャンディーが含まれる。 例えば米国特許6,264,925号を参照されたい。

    醸造および発酵 :本発明は、本発明のヒドロラーゼを含むビール醸造(例えば発酵)方法を提供する。 ある典型的なプロセスでは、澱粉含有原料を分解し処理してモルトを形成する。 本発明のヒドロラーゼは発酵プロセスの任意の時点で用いられる。 例えば、本発明のヒドロラーゼ(例えばプロテアーゼ)はオオムギモルトの加工時に用いることができる。 ビール醸造の主要な原料はオオムギモルトである。 これは三段階プロセスで行い得る。 第一に、オオムギの穀粒を浸漬して水分含有量を、例えば約40%程度に増加させることができる。 第二に、前記穀粒を酵素合成がジベレリンの制御下で刺激される3から6日間15から25℃でインキュベートすることによって発芽させることができる。 ある特徴では、本発明のヒドロラーゼは工程のこの段階(または他の任意の段階)で添加される。 ヒドロラーゼの作用は発酵可能な還元糖の増加をもたらす。 これはジアスターゼ能力(DP)として表すことができ、DPは12℃5日間でおよそ80から190に上昇することができる。 本発明のヒドロラーゼ(例えばプロテアーゼ)を任意のビール製造またはアルコール飲料製造プロセスで用いることができる。 これは例えば米国特許5,762,991号、同5,536,650号、同5,405,624号、同5,021,246号、同4,788,066号に記載されているとおりである。

    医学および研究用途 :本発明のヒドロラーゼ(例えばプロテアーゼ)は、コラゲナーゼと同じ態様で細胞治療のために、組織からの細胞を単離するために用いることができる。 例えば、本発明のメタロエンドプロテイナーゼおよび他の酵素(コラーゲンをより小さなペプチド断片に切断できる)を組織分離のための“リベラーゼ酵素”として用い、単離細胞の健康性を改善することができる。 “リベラーゼ酵素”を慣行的コラゲナーゼに置き換えることができる。 コラゲナーゼI、コラゲナーゼII、クロストリペインおよび/または中性プロテアーゼ活性を有する本発明のプロテアーゼを組織分離に用いることができる。 ある特徴では、組織分離のために、本発明のコラゲナーゼアイソフォームが互いに混ぜ合わされ、場合によって中性プロテアーゼが混合される。 ある特徴では、前記中性プロテアーゼは中性プロテアーゼディスパーゼおよび/または中性プロテアーゼテルモリシンである。
    さらにまた、本発明のプロテアーゼは、その細菌溶解特性のために抗菌剤として用いることができる。 前記は例えば以下に記載されている:S. Li et al. Bacteriolytic Activity and Specificity of Achromobacter b-Lytic Protease, J. Biochem. 124, 332-339 (1998)。
    本発明のプロテアーゼはまた治療に用いて、特定のタンパク質を切断および破壊することができる。 潜在的標的には毒素タンパク質(例えばアントラックス、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、リシン)およびウイルスまたはがん細胞タンパク質が含まれる。
    本発明のプロテアーゼはまた、例えば以下に記載されたように消毒剤として用いることができる:J. Gen. Microbiol. (1991) 137(5):1145-1153; Science (2001) 249:2170-2172。

    本発明のプロテアーゼのさらに別の医学的使用には、脂肪腫の除去、創傷の創縁切除および瘢痕形成防止(コラゲナーゼ)、慢性皮膚潰瘍および重篤な火傷領域の創縁切除が含まれる。
    本発明の酵素(例えば本発明のエステラーゼ、プロテアーゼなど)は、創傷清浄酵素組成物(例えば軟膏)を殺菌するために用いることができ、ある特徴では、前記軟膏は1グラム当たり約250コラゲナーゼ単位を含む。 担体は白色ワセリンUSPであろう。 ある特徴では、本発明の酵素(例えばプロテアーゼ)は、サンチル(Santyl(登録商標))軟膏(BTC, Lynbrook, NY)と類似の指示の下で用いることができる。 本発明のプロテアーゼはまた、アルギン酸包帯、抗菌バリヤー包帯、火傷包帯、圧迫包帯、診断用ツール、ゲル包帯、水分選択性包帯、ヒドロセル(泡沫)包帯、親水コロイド包帯、IV包帯、切開ドレープ、低粘着性包帯、臭い吸収包帯、軟膏包帯、術後包帯、瘢痕手当て、皮膚保護、透明フィルム包帯および/または創傷閉鎖に用いることができる。 本発明のプロテアーゼは、創傷洗浄、創傷床調製物で用いて、圧迫潰瘍、脚部潰瘍、火傷、糖尿病性の足の潰瘍、瘢痕、IV固定、手術創および微小な傷を治療することができる。
    さらにまた、本発明の酵素は一般的にプロテオミクスおよび実験室作業で用いることができる。 例えば、プロテアーゼはDNA制限酵素と同じ態様で用いることができる。

    その他の工業的用途 :本発明はまた、完成した井孔周辺の地層内で見出される、生産活動中に生じる粘稠でタンパク質を含有する有害な液を除去することによって地層から生じる産出液流を増加させる方法を含む。 前記方法は、井孔から産出液を流出させ、前記地層から生じる産出液流を予想された流速未満に低下させ、水性液および本発明のポリペプチドを一緒に混合することによって酵素処理物(本発明の酵素を含む)を調合し、前記酵素処理物を前記井孔内の所望の場所にポンプで送り込み、前記酵素処理物に粘稠なタンパク質を含有する有害な液を分解させ、それによって前記液体を地層から井戸の表面に移すことができる。 この場合前記酵素処理物は細胞壁中のタンパク質の攻撃に有効である。
    本発明のヒドロラーゼは、ペプチド合成、皮革工業(例えば皮革加工、例えば毛の除去および/または皮のあく抜き)、廃棄物処理(例えばドレーンから毛を除去する)、写真工業で(例えばフィルムから銀の回収で)、医療工業(例えば上記に考察したように、例えば火傷、創傷、カルブンケル、ねぶとおよび深部膿瘍の治療のため、またはフィブリンを溶解することによって凝血を溶解させるため)、絹の脱ガムにおいて用いることができる。

    他の特徴では、本発明の酵素は、例えばチーズ、ペットフードにおける風味の増強剤として、例えばPommerが記載したように用いることができる(K. Pommer, Investigating the impact of enzymes on pet food palatability, Petfood Industry, May 2002, 10-11)。
    本発明のさらにまた別の実施態様では、本発明の酵素を用いて、トウモロコシの湿潤混練りから澱粉の収量を高めることができる。 前記は例えば以下に記載されている:DB Johnston and V. Singh, Use of proteases to Reduce Steep Time and SO2 requirements in a corn wet-milling process, Cereal Chem. 78(4):405-411。
    他の特徴では、本発明の酵素は生体防御(例えば胞子または細菌の破壊)に用いることができる。 生体防御における応用での酵素の使用は、これまでのところ未知のいずれの生物学的兵器に対してもそれらを非常に迅速に開発することができるという点で顕著な利点を提供する。 さらにまた、本発明のプロテアーゼは影響を受けた環境の汚染除去のために用いることができる。

    さらにまた、本発明の酵素は、バイオフィルム分解、バイオマスのエタノールへの変換、および/または身だしなみおよび化粧品工業で用いることができる。
    本発明の酵素はまたエナンチオ選択性の強化に用いることができる。 前記は例えば以下に記載されている:A. Arisawa et al. Streptomyces Serine Protease (DHP-A) as a New Biocatalyst Capable of Forming Chiral Intermediates of 1,4-Diohydropyridine Calcium Antagonists. Appl. Environ Microbiol. 2002 Jun; 68(6):2716-2725; D. Haring et al. Semisynthetic Enzymes in Asymmetric Synthesis: Enantioselective Reduction of Racemic Hydroperoxides Catalyzed by Seleno-Subtilisin. J. Org. Chem. 1999, 64:832-835。

    実施例1:例示的なリパーゼアッセイ
    以下の実施例は、リパーゼ活性をスクリーニングするための例示的なアッセイについて説明する。 ある特徴では、これらの例示的なアッセイは、あるポリペプチドが本発明の範囲内にあるかどうかを判定するための決まりきったスクリーン法として使用し得る。 そのようなアッセイは、トリグリセリドからの脂肪酸の切断を検出するためのpH指示化合物、
    分光光度法、HPLC、GC、MS、TLCおよび他の技法の使用が含まれる。 Jaeger (1994) FEMS Microbiol. Rev. 15:29-63; Ader (1997) Methods Enzymol. 286:351-386; Vorderwulbecke (1992) Enzyme Microb. Technol. 14:631-639; Renard (1987) Lipids 22: 539- 541.
    ある特徴では、本発明の方法は、位置選択的リパーゼ(例えばSn-1、Sn-3および/またはSn-3位置選択的リパーゼ)を目的にスクリーニングする。 ある特徴では、基質:1,3-ジアミドおよび1,3-ジエーテルTAG類縁体を使用して、Sn-2選択的リパーゼをターゲットまたは選択する。 ある特徴では、本発明の方法は、脂質(例えばTAG)の2-位に対する位置選択性を示すリパーゼを目的にスクリーニングする。 Sn-2選択的リパーゼを使用する脂質の構造的合成は、様々なTAG(1,3-ジアシルグリセリド(1,3-DAG)およびココアバターの成分を含む)の合成に有用である。

    ある特徴では、位置選択的リパーゼ(Sn-2選択的リパーゼを含む)は、厳密な分析法を使用して、その位置選択性を調べた。 これは、アシル移動に起因する偽の結果を排除することができる。 ある特徴では、NMR分光法などの分析法を用いて、リパーゼのSn2特性の試験を行う。 さらには、ABA-タイプ(AとBはグリセロール骨格に沿って分布する脂肪酸を表す)の構造化トリアシルグリセリドに対して、リパーゼ(例えば本発明のもの)を使用する加水分解またはアルコール分解を行ってもよく、その後、形成された部分的グリセリドおよび脂肪酸(エステル)の分析が行われる。 所望しないアシル移動を回避することができるため、制御された水分活性におけるアルコール分解条件(例えばメタノールまたはエタノールなどの第一級アルコールを使用するもの)が好ましい。 しかしながら、sn-2選択性の程度がとても低いという、リパーゼのSn-2選択性が報告された(Briand (1995) Eur. J. Biochem. 228: 169-175; Rogalska (1993) Chirality 5, 24-30)。
    ある特徴では、位置選択的リパーゼについて、適当な脂質(例えばトリパルミチン、トリステアリン、トリオレイン、トリカプリリン、およびトリラウリンなど)におけるその位置特異性(Sn2対Sn1/Sn3対Sn1,3)、そしてさらにはその脂肪酸特異性が解析された。

    リパーゼ/エステラーゼ活性のスクリーニング 滅菌楊枝でコロニーを拾い、そして96-ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに1個ずつ接種した。 ウェルは、100μg/mL アンピシリン、80μg/mL メチシリン、および10% v/v グリセロールを含むLB培地 (LB Amp/Meth、グリセロール)250μLを含んだ。 37℃、振とうなし、オーバーナイトで細胞を培養した。 これは、“ソース(Source) GenBank”の世代を構成した。 このようにして、ソースGenBankの各ウェルは大腸菌のストック培養を含み、それぞれは個別のDNAインサートを持つpBluescriptを含む。
    ソースGenBankのプレートを使用して、1つのプレート(“濃縮プレート”)(各ウェルに200μL の LB Amp/Meth、グリセロールを含む)を複数接種した。 この工程はBeckman Biomekの高密度複製機(HDRT)を使用して行われ、各接種の間には1%ブリーチ、水、イソプロパノール、風乾滅菌のサイクルを用いた。 この結果、濃縮プレートの各ウェルは、各ソースライブラリープレートからの10から12の異なるpBluescriptクローンを含んでいた。 濃縮プレートを37℃で16時間培養し、そして、2つの白色 96-ウェルポリフィルトニクス(Polyfiltronics)マイクロタイター娘プレート(各ウェルに250μL のLB Amp/Meth (グリセロール含まず)を含む)を接種するために使用された。 オリジナルの濃縮プレートは-80℃で保管した。 2つの娘プレートを37℃で18時間培養した。

    短鎖エステラーゼ'600μM 基質ストック溶液'を以下のように調製した:以下の化合物それぞれ25mgを適当な量のDMSOに溶解して25.2 mM 溶液を得た。 使用された化合物は、4-メチルウンベリフェリルプロピオナート(proprionoate)、4-メチルウンベリフェリルブチラート、および4-メチルウンベリフェリルヘプタノアートであった。 250μlの各DMSO溶液を ca9 mL の 50 mM、pH 7.5 HEPES バッファー(0.6%のTriton X-100および0.6 mg / mL のドデシルマルトシド(Anatrace, Maumee , OH)を含む)に加えた。 上記のHEPESで容量を10.5 mL にし、かすかに濁った懸濁液を得た。
    長鎖'600μM 基質ストック溶液'は以下のように調製した:上記のように、以下の化合物それぞれ25mgを適当な量のDMSOに溶解して25.2 mM 溶液を得た。 使用された化合物は、4-メチルウンベリフェリルエライダート(elaidate)、4-メチルウンベリフェリルパルミタート、4-メチルウンベリフェリルオレアート、および4-メチルウンベリフェリルステアラートであった。 上記すべてが、溶解するために70℃の水槽における軽い加熱を必要とした。 上記のように、各DMSO溶液の250μlをHEPESバッファーに加え、10.5 mLに希釈した。 7つすべてのウンベリフェロンをSigma Chemical Co. (St. Louis, MO)から入手した。

    50μL の長鎖エステラーゼまたは短鎖エステラーゼ'600μM 基質ストック溶液'を、Biomekを使用して白色濃縮プレートの各ウェルに加え、基質の最終濃度が約100μMとした。 基質を加えた直後に、プレートリーディング蛍光光度計で蛍光値を記録した(励起=326 nm、蛍光=450 nm)。 長鎖基質の場合には70℃で60分、そして短鎖基質の場合には室温で30分、プレートをインキュベートした。 蛍光値を再び記録した。 最初と最後の蛍光値を比較して、活性を持つクローンが存在するかどうかを判断した。
    活性を有する個別のクローンを単離するために、ソースGenBankプレートを解凍し、個別のウェルを、LB Amp/Methを含む新たなプレートを単独で接種するために使用した。 上記の通り、プレートを37℃でインキュベートして細胞を培養し、Biomekを使用して50μL の 600μM 基質ストック溶液を加え、そして蛍光を測定した。 ソースプレートの活性を有するウェルを同定したら、その活性を有するウェルからの細胞をLB/Amp/Methを含むアガー上にストリークし、37℃、オーバーナイトで培養してシングルコロニーを得た。 8つのシングルコロニーを滅菌楊枝で拾い、そして96-ウェルマイクロタイタープレートのウェルに1個ずつ接種した。 ウェルは250μL のLB Amp/Methを含んでいた。 37℃、振とうなし、オーバーナイトで細胞を培養した。 上記の通り、各ウェルから 200μL ずつを取り出し、適切な短鎖または短鎖基質で解析した。 最も活性なクローンを同定し、そして残りの50μL の培養液を使用してLB/Amp/Methを含むアガープレートにストリークした。 上記の通り、8つのシングルコロニーを拾い、培養し、そして解析した。 最も活性なクローンを使用してLB/Amp/Methの3 mL培養の接種に使用し、オーバーナイトで培養した。 培養液からプラスミドDNAを単離し、そしてシークエンスに使用した。

    実施例2:例示的な構造脂質合成方法
    以下の実施例は、本発明のリパーゼを使用する、本発明の例示的な構造脂質合成方法を説明する。
    ある特徴では、本発明は、本発明のリパーゼを使用する、脂質の構造的合成のための“強制移動方法”を提供する。 図7に示すように、この方法は、様々な構造脂質(1,3-DAGおよびココアバターの成分を含む)の効率的な合成を提供する。 ある特徴では、構造脂質(この実施例では構造化トリアシルグリセリド(sTAG))を合成するための方法は、以下の3つの主要な工程を含む:
    1. TAGの位置特異的加水分解またはアルコール分解(例えばエタノール分解)(Sn1-特異的またはSn3-特異的リパーゼを使用して、それぞれ2,3-DAG または1,2-DAGを得る)の工程;
    2. イオン交換樹脂または他の方法を使用する、動力学的に制御された条件下の、精製もしくは非精製DAGにおけるアシル移動の促進(構造化1,3-DAGが得られる)の工程; および、
    3. Sn2位における、脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体(例えば脂肪酸エチルエステルもしくはビニルエステル)の、脂肪酸-特異的リパーゼにより触媒される付加(sTAGが得られる)の工程。

    この経路は、同じ組の酵素および方法論によって、2つの標的グループの脂質(1,3-DAGおよびsTAG)に対するアクセスを提供し得る。 この方法は、Sn1および/またはSn3位置特異性を有するリパーゼを使用し得る;そのような酵素は商業的に入手可能である(Rhizopus delemar (Amano, Japan) および Rhizomucor miehei (Novozymes, Denmark))。
    ある特徴では、Rhizopus sp.リパーゼおよびRhizomucor mieheiリパーゼが使用される。 これらのリパーゼは、脂肪酸のSn3位と比較してSn1位に対して加水分解のより高い特異性を示すことが知られる。 ある特徴では、前記方法はさらに、これらのRhizopusおよびRhizomucor meiheiリパーゼを使用して図7の工程1(即ち、TAGの位置特異的加水分解またはアルコール分解(例えばエタノール分解)(Sn1-特的またはSn3-特異的リパーゼを使用して、それぞれ2,3-DAG または1,2-DAGを得る))を確認することを含む。
    ある特徴では、本発明は、グリセロールの追加されたアシル移動方法を提供する。 図27に示すように、陰イオン交換樹脂(または他の移動触媒)による処理に先立って酵素反応液にグリセロールを加えることが、アシル移動反応において1,3 DAGの収率を増加させるやり方となり得る。

    ある特徴では、前記方法はさらに、様々な条件下で、精製もしくは非精製の1,2-DAGもしくは2,3-DAGをイオン交換樹脂(例えばイオン交換カラム)で処理することによる、図7の工程2の確認を含む。 主要な可変要素としては、イオン交換樹脂の性質、pH、流速、バッファーの種類およびイオン強度が挙げられる。 アシル移動を促進するまた別の方法を使用してもよい。 ある特徴では、アシル移動は、非平衡条件下、例えば、最終生成物がある生成物を他に対してより多い割合で含むような(例えば、最終生成物が1,3-DAG と 2,3-DAGを2:1の比で含むような)条件下で実施し得る。 工程2の検証実験のための基質は商業的に入手可能である。
    ある特徴では、2,3-DAG(または1,2-DAG)におけるアシル移動は、最終生成物が収率約70%を超える精製1,3-DAGとなるような動力学的条件下で実施される。
    ある特徴では、図7の工程3は、脂肪酸特異的であるリパーゼを使用するが、純粋な1,3-DAGが基質として与えられた場合には位置特異性に関する要件はない。 ゲオトリクムカンジドウム(Geotrichium candidum)由来のリパーゼは、Δ9 不飽和の脂肪酸に対して極めて高い特異性を示す。 この酵素は容易に入手可能であり、工程3の確認のために使用し得る。

    実施例3:ココアバター代替物(CBA)の例示的な構造的合成
    以下の実施例は、本発明のリパーゼを使用する本発明の例示的な構造脂質合成方法を説明する。 この実施例は、ココアバター代替物(CBA)としてのトリアシルグリセリド(sTAG)の構造的合成を説明する。
    天然ココアバターは、主に以下の3つのTAGからなる:1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロール(POP)、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール(SOS)および1-パルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール(POS)。 これらの3つのTAGの相対的割合はココアバターの原料によっていくらか異なるが、それはおおよそ21:31:48 (POP:SOS:POS)である。 本発明の方法は、任意のPOP:SOS:POS比(例えば天然の 21:31:48 POP:SOS:POS)を有するココアバター代替物の構造的合成を提供する。 本発明の方法は、構造的合成に関連したTAG(例えば1-オレオイル-2,3-ジミリストイルグリセロール(OMM))を提供する。 本発明の方法はまた、本発明のリパーゼを使用する、天然ココアバターの選択的処理を提供する。
    ある特徴では、上に概説したSn2リパーゼおよび方法の両方(実施例2を含む)が、CBAの主要構造脂質の合成に使用される。 リパーゼについて、適当な脂質(例えばトリパルミチン、トリステアリン、トリオレイン、トリカプロイン(tricaprolein)、およびトリラウリン(trilaurein)において、その位置特異性(Sn2対Sn1/Sn3対Sn1,3)を解析し得る。リパーゼはさらに、その脂肪酸特異性について解析し得る。

    実施例4:栄養補助食品の例示的な構造的合成
    以下の実施例は、本発明のリパーゼを使用する、栄養補助食品を製造するための本発明の例示的な構造脂質合成方法を説明する。
    ある特徴では、栄養補助食品に使用するために1,3-DAGが合成される。 1,3-DAGは、図6に示すsTAGのSn2リパーゼによる合成の第一工程の生成物であり、また、図7および図8に示す構造脂質の合成のはじめの2つの工程の生成物である。 リパーゼについて、そのSn2対Sn1もしくはSn3特異性について決まりきったアッセイをすると、様々な1,3-DAGおよび栄養補助食品の合成の適用のための最適なリパーゼおよび方法論を決定するためのデータを提供される。
    ある特徴では、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)は本発明の方法およびリパーゼを使用して(例えば図9下段に示すプロトコールを使用して)製造される。 PUFAはそれ自体有用な物質であり、本発明のPUFA-特異的リパーゼを使用してPUFA-含有油脂原料(例えば魚油)から抽出し得る。 ある特徴では、本発明は、異なるPUFAのエステル(例えばドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA))を区別することができる酵素を使用して、高純度の生成物の産生を促進する(S. Wongsakul et al., Eur. J. Lipid Sci. Technol. 105 (2003) 68-73)。 リパーゼについて、様々なPUFAエステルおよびグリセロールエステルに対するその特異性について試験し得る。

    実施例5:ポリ不飽和脂肪酸を含む脂質の例示的な構造的合成
    以下の実施例は、本発明のリパーゼを使用する、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)を含む脂質を製造するための、本発明の例示的な構造脂質合成方法を説明する。 これらのPUFA-含有脂質は、食物、飼料、化粧品、医薬および薬物運搬剤、栄養補助食品などに使用し得る。
    ある特徴では、魚油では2位における脂肪酸の大部分がPUFAであるため、魚油が出発材料である。 ある特徴では、この方法は、中鎖脂肪酸エステルを含む魚油の1,3-リパーゼ-触媒エステル交換によって、MLM-タイプ脂質を形成することを含む(トリアシルグリセロール(TAG)はタイプMML、MLM、MLL、およびLMLのものであり得る(M, 中鎖-脂肪酸;L, 長鎖-脂肪酸、例えばKurvinen (2001) Lipids 36:1377-1382を参照されたい))。
    ある特徴では、本発明は、図9上段(図9A)に示すようにPUFA-含有sTAGを製造する方法、および、図9下段(図9B)に示すように2-PUFA sMAGおよび精製PUFAを製造する方法を提供する。 いかなる適切な出発油を使用してもよい。 ある特徴では、精製PUFAの代わりに魚油脂肪酸を使用した方がより経済的である場合には、脂肪酸B(図9A上段)およびPUFAに対して特異的なリパーゼを使用し得る。 リパーゼは、単純エステルおよびグリセロールエステルに対して脂肪酸特異性を目的としてスクリーニングし得る。 ある特徴では、PUFAエステルを切断しないSn1,3-リパーゼ(図9Bを参照されたい)もしくは非位置特異的リパーゼのいずれかを使用して、魚油から2-PUFA MAGが合成される。

    実施例6:例示的なグロース-キル(Growth-Kill)アッセイ
    以下の実施例は、本発明のリパーゼの活性を試験するための例示的なグロース-キルアッセイを説明する。 例えばChem. Communication (2002) 1428-1429を参照されたい。
    グロース-キルアッセイは、所望の特性を有する酵素(例えばリパーゼ)のまたはその突然変異体のin vivo 選抜のための方法を提供する。 このアッセイは、2つのコンポーネント、即ちグロースコンポーネントおよびキルコンポーネントを組み合わせる。 このうちの第一のものは、基質であって、酵素(例えばリパーゼ)がそこから、宿主生物種が例えば炭素源の成長をさせる物質を遊離させる、前記基質である。 このうちの第二ものは、基質であって、酵素(例えばリパーゼ)がそこから、宿主生物種が該宿主生物種を成長または死亡させるのを防止する物質(例えば抗生物質)を遊離させる、前記基質である。
    本発明は、リパーゼをコードする核酸を改変して、改変された特性を有する酵素を生成する方法を提供する。 グロース-キルアッセイは、2つの脂肪酸を識別するため、リパーゼが変更された酵素特異性を有しているかどうか判定するため、リパーゼが本発明の範囲内にあるかどうか判定するためなどに使用し得る。 例示的なグロース-キルアッセイが図11に概説され、ここでR1はスクリーニング宿主のための成長基質であり、そしてR2は細胞に対する毒性を有し、エステルから放出された場合に宿主を死亡させる基質である。 ある特徴では、成長基質(1-アシルグリセロールエステル)および死亡基質(3-アシルクロラムフェニコールエステル)が使用される。

    実施例7:1,3-ジグリセリドの合成のためのプロトコール
    以下の実施例は、本発明の組成物(リパーゼ)および方法を実施するために使用される例示的なプロトコールを説明する。 これらの例示的なプロトコールはまた、あるリパーゼが本発明の範囲内にあるかどうかを判断するために使用し得る。 ある特徴では、本発明のリパーゼを使用する、1,3-ジグリセリド(1,3-DG)および構造脂質の合成のための例示的なプロトールが説明される。
    ある特徴では、グリセロールおよび遊離脂肪酸(FFA)もしくは脂肪酸ビニルエステル(FAVE)は、固定化グリセロールでエステル化される(例えばJ. Am. Oil Chem. Soc., 1992, 69:955-960を参照されたい)。 固定化グリセロールはシリカゲル上であってもよい。 ある例示的なアッセイでは、室温でMTBEと一緒にあるLipozyme RM IM(登録商標)(固定化1,3-特異的リパーゼ, Novozymes, Denmark)が使用された。 これは、高収率および高純度の1,3-DGが得られること、並びに高速な反応の利点がある。 しかしながら、MTBEを食品用に使用することは認められておらず、また固定化酵素とシリカゲルの分離は困難を伴う。
    ある特徴では、エステル化は非固定化グリセロールを使用して行われる。 ある例示的なアッセイでは、グリセロールおよび脂肪酸(FFA)もしくは脂肪酸エステル(FAVE)のエステル化は、Candida antarctica type B (CAL-B)由来の固定化リパーゼ、EP100 (D-EP100)上に固定化されたRhizopus delemar由来リパーゼ、およびLipozyme RM IM(登録商標)(Novozymes, Denmark)によって、0℃または室温(RT)で、無溶媒/有機溶媒中で、行われる。 この例示的なプロトコールの1つの利点は、無溶媒条件である;これによって、固定化酵素の容易な分離、さらなる精製工程、中程度の収率から高収率が可能となる。

    ある特徴では、トリグリセリド(TG)のアルコール分解および加水分解は、1,3-位置特異的リパーゼ、D-EP100およびLipozyme RM IM(登録商標)(Novozymes, Denmark )、有機溶媒を使用して、制御化水分活性で優先的に行われる。 この反応においては、基質(天然油)は安価であり、かつ、反応は容認可能な収率を提供する。 最も形成されるDAGは1,2(2,3)-DAGである。
    ある特徴では、ある例示的な反応は1,2(2,3)-DAGのアシル移動の誘導を伴うものであった。 TAGのアルコール分解および加水分解によって最も得られるDAGは1,2 (2,3)-DaGである。 したがって、1,2(2,3)-DAGから1,3-DAGへのアシル移動を誘導することが必要である。 イオン交換体、酸もしくは塩基、熱、担体、水分活性などのいくつかの要素について検討した。 ある例示的な反応は、sn2-特異的酵素もしくは非位置特異的(ただし脂肪酸鎖長もしくは特異的脂肪酸に特異的)リパーゼを使用する、1,3-DAGおよびFFAもしくはFAVEの間のエステル化を伴うものであった。

    固定化グリセロールを使用したエステル化 酵素としてLipozyme RM IM(登録商標)(Novozymes, Denmark) (グリセロールの重量を基準として10%)を使用して、室温で、4gシリカゲル上に固定されたグリセロール(1 mmol)およびラウリン酸ビニル(2 mmol)(8mlメチル-tert-ブチルエーテル(MTBE)中にある)から1,3-DAGを合成した(Matthias et al. 1992)。 反応は10-ml バイアル内で行われ、そして反応混合物を電磁撹拌機で混合した(500 rpm)。 24時間後、ろ過によって酵素を分離して反応を停止させた。 ろ過物を減圧下で蒸発させた。 油性残渣中の1,3-DAGを、4℃における乾燥メタノールでの結晶化およびその後のろ過によって回収および精製した。 例えばJ. Am. Oil Chem. Soc., 1992, 69:955-960を参照されたい。

    非固定化グリセロールを使用したエステル化 酵素としてCAL-B (グリセロールの重量を基準として10%)を使用して、0℃で、無溶媒条件または有機溶媒中でのグリセロール (1mmol)およびFFAもしくはFAVE (2mmol)のエステル化によって1,3-DAGを合成した。 この反応は、4-ml バイアル内で行われ、そして反応混合物を電磁撹拌機で混合した(400 rpm)。 反応物に活性化分子ふるいをFFAと一緒に加えて、前記反応混合物から生成水を除去した。 いくつかの反応では、有機溶媒(2 ml)を反応混合物に加えて固体FFAを溶解させた。 反応混合物をn-ヘキサン (無溶媒反応条件の場合)に溶解させることによって反応を停止し、そして遠心して前記反応混合物から固定化酵素を分離した。 -20℃における結晶化によって1,3-DAGを回収および精製した。 高含有量のMAGが存在した場合には、-20℃における乾燥メタノール中での再結晶化によって、精製1,3-DAGを得た。 反応物から周期的にサンプル(10μl)を回収してアシルグリセロールの組成を調べた。 分析前に、サンプルに0.3 ml Folsh's 溶液(クロロホルム:メタノールの容積比2:1)と0.3 ml 蒸留水を加え、30秒混合し、その後遠心(10000 rpm、2分)することによって、前記サンプルを前処理した。 有機層を、IATROSCAN(登録商標)(Shell-usa, Fredericksburg VA)による分析に使用した。 .

    TAGのアルコール分解および加水分解
    TAG (3 mmol)を有機溶媒(2 ml)に溶解し、そしてaW 0.11の飽和塩溶液上で48 時間、前平衡化した(アルコール分解反応についてのみ)。 乾燥エタノールまたは水(3 mmol)を加えて、反応混合物を40℃で15分インキュベートした。 固定化リパーゼ(TAG重量を基準として10%)を加えて反応を開始した。 反応は4-ml スクリューキャップバイアル内で行い、そして反応混合物を電磁撹拌機で混合した (400 rpm)。 反応液の一部を周期的に回収し、クロロホルムで適当な濃度に希釈し、その後IATROSCAN(登録商標)(Shell-usa, Fredericksburg VA)による分析を行ってアシルグリセロールの組成を決定した。 48時間後に遠心によって反応混合物から固定化リパーゼを分離して反応を停止させた。

    アシル移動の誘導
    1,2-ジパルミチン(1,2-DP、これはさらに2,3-DPの立体異性体を含む)のアシル移動に対する、温度、FFA (オレイン酸)、担体(セライト)およびイオン交換体の影響を調べた。 1,2-DPをn-ヘキサンに溶解した (8 mg/ml)。 オレイン酸(2-4 mmol)またはセライト(8 mg)またはイオン交換体(10-100 mg)を、反応混合物に直接加えた。 すべての反応は1.5-ml エッペンドルフ反応バイアル内で、室温(25℃)(温度の影響の試験の場合を除く、その場合は反応を40℃または60℃で実施した)で振とう(1400 rpm)して行った。

    1,3-ジグリセリド(1,3-DAG)および遊離脂肪酸もしくは脂肪酸ビニルエステルからの構造化トリグリセリド(ST)の合成
    Pseudomonas sp. 由来の固定化リパーゼ(Amano PS-D, Amano Enzyme USA, Elgin, IL)を生体触媒として使用して、60℃で、n-ヘキサン中での1,3-DAGおよびオレイン酸(OA)もしくはオレイン酸ビニルエステル(OAVE)のエステル化によって、構造化トリグリセリド(ST)を合成した。 2-ml スクリューキャップバイアル内で、0.1mmolの1,3-DG (45.7 mgの 1,3-ジラウリンまたは34.4mgの1,3-ジカプリリン) および0.2mmolのOA (28.2mg)もしくはOAVE (60.2mg)を1 ml n-ヘキサンに溶解した。 OAをアシルドナーとして使用した場合には活性化分子ふるいを加えた。 PS-D を加えて(1,3-DG重量の10%)反応を開始した。 バイアルを60℃で1400 rpmで振とうした。 反応混合物の一部を回収して、IATROSCAN(登録商標)(Shell-usa, Fredericksburg VA)による分析を行った。 このようにして得たSTをTLCプレート上で精製し、そしてTAG のバンドをこすり落としてメチル化し、その後GC分析を行った。
    アシルグリセロールの組成を、IATROSCAN(登録商標)(Shell-usa, Fredericksburg VA) 分析(TLC-FID)によって決定した。 ABA-STの合計脂肪酸組成を、対応するメチルエステルのGC分析によって決定した。 1,3-DAGの精製は、1H-NMR 分光法によって確認した。

    GC分析による脂肪酸組成の決定
    10mgの1,3-DGをメタノール中の0.5%NaOH(500μl)によってメチル化し、そして60℃で10分間インキュベートした。 メチルエステルをn-ヘキサン(400μl)で1分間抽出した。 n-ヘキサン層を200μl の蒸留水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。 FFAPカラム(Permabond FFAP-DF-0.25, 25 mx 0.25 mm id, Macherey-Nagel GmbH, Duren, Germany)上のHewlett-Packard 5890 (シリーズII) ガスクロマトグラフ(GS) (Hewlett-Packard, USA)によって、分析を実施した。 キャリアガスとして水素を使用した。 使用した温度プログラムは、150℃ (4℃/分, 0.50 分)、170℃ (5℃/分)、195℃ (10℃/分)そして215℃ (9.50 分)であった。 インジェクターおよびディテクターの温度は250℃であった。 感度係数は、脂肪酸メチルエステルの標準的混合物を使用して決定した。

    TLC/FID分析によるグリセリド組成の決定 反応の際のグリセリド組成の変化は、Iatroscan 分析法を使用して定量的に測定した。 分析前に、クロマロッドのブランクをスキャンした。 クロマロッドをホウ酸(3%)で処理して5分間乾燥させた後、1μlの反応メジウム(クロロホルムで適当な濃度に希釈したもの)をクロマロッド上にスポットし、そしてスポットしたサンプルをベンゼン:クロロホルム:酢酸の混合液(容積比50:30:0.5)内で10 cm展開した。 110℃で5分間、オーブン内でクロマロッドを乾燥させた後、水素流速160 ml/分および空気流速2.0 l/分でスキャニングを行って、クロマトグラムを作製した。

    HPLCによるトリアシルグリセロールの分離 酵素的エステル化の際に形成したトリアシルグリセロールの組成物の特性を、流速1.5 ml/分 でヌクレオシル C 18カラム(5μm, 250 x 4 mm, Sykam, Gilching, Germany) および蒸発光散乱検出器(ELSD) (Polymer labs)を使用して、HPLCによって調べた。 ELSDの目的は溶質の紫外線(UV)検出の補完、および溶質の検出であり、ここで前記溶質は中鎖トリグリセリドなどのように紫外線光を吸収しない。 ELSDの原理は、移動相よりも揮発性の低いすべての溶質に当てはまる。 溶出は、アセトニトリルとジクロロメタンの勾配溶出系を使用して実施した(10分間でアセトニトリル70%から55%、その後8分間でアセトニトリル55%から70%)。

    トリグリセリドの位置特異性分析 油の位置特異性分析は、アリルマグネシウムブロミドによるグリニャール分解、そしてその後のガスクロマトグラフ(GS)分析によって実施した。 20mgのTGを乾燥ジエチルエーテル(2 ml)に溶解した。 800μlのアリルマグネシウムブロミド溶液(1M)を加え、そして混合物を30秒間振とうし、そして300μl 氷酢酸、その後5 mlの0.4-M ホウ酸を加えて、反応を停止した。 脱アシル化生成物の混合物をジエチルエーテルで抽出した。 この抽出物を水性ホウ酸(0.4 M)/水性NaHCO 3 (2%)50:50 (vol/vol)の溶液5 mlで洗浄した。 エーテル層をTLC プレートに直接供与し、該プレートは脱アシル化生成物の各画分を単離するためにホウ酸で含浸されていた。 展開系としてのクロロホルム/アセトン/酢酸溶液(容積比85:15:1)によってプレートを展開した。 上記と同じ方法を使用して、1-MG バンドをこすり落とし、メチル化してそれらの脂肪酸組成を測定した。 生成したTGのsn 1(3)-およびsn 2-位における脂肪酸組成のモル比を計算した。 sn2-位における脂肪酸%の計算式を以下に示す:
    [%FA sn2-位 ] = 3 [%FA TG ] - 2 [%FA 1-MG ]
    ここで、 [%FA 1-MG ] と [%FA TG ] は各脂肪酸について示される、その割合はそれぞれ1-モノグリセリドとトリグリセリドにみられる。

    ジカプリリン (1,3-DCy)
    1,3DCyは、-20℃におけるn-ヘキサンからの数回の結晶化によって精製された。 多量のMGが表れた場合、乾燥メタノールにおける2回目の結晶化を行って、1,3-DCyを高純度(>98%)に保つ必要がある。 CAL-Bによって触媒される、0℃における、無溶媒条件下の、ビニルカプリラート(CyVE)およびグリセロールの間のエステル化から、最も高収率の1,3-DCy (93%)を得た。 このようにして得られた収率は、文献によって得られた収率(75%)(例えばJ. Am. Oil Chem. Soc., 1992, 69:955-960を参照されたい)よりも高かった(図12を参照されたい)。 図12は、1,3-DCyの合成における様々なエステル化反応のデータを示す。 方法1は、CAL-Bによって触媒される、0℃における、無溶媒条件下の、グリセロールとカプリル酸のエステル化である。 方法2は、CAL-Bによって触媒される、0℃における、無溶媒条件下の、グリセロールとカプリル酸ビニルエステルのエステル化である。 方法3(例えばJ. Am. Oil Chem. Soc., 1992, 69:955-960を参照されたい)は、Lipozyme RM IM(登録商標)(Novozymes, Denmark)によって触媒される、室温における、MTBE中の、シリカゲル上に固定されたグリセロールとカプリル酸ビニルエステルのエステル化である。 DG = 1,3-ジカプリリン、MG = 1-モノカプリリン。

    カプリル酸 (Cy)とグリセロールの間のエステル化は、低い反応速度において中程度の収率(55%)を与え、そして、反応の際に多量のMAGが生成した。 反応温度を0℃から室温にあげることによって、収率を最大で65%まで上げることができる。 有機溶媒および無溶媒条件の双方において、グリセロールおよびCyもしくはCyVEのエステル化において、CAL-Bは、Lipozyme RM IM(登録商標)(Novozymes, Denmark)と比較して、より高い収率および低いMAGを与え、そしてより速い反応速度を与えた。
    図13に示すように、エステル化反応に対するグリセロール:カプリル酸の比の影響に関する試験では、前記比を1:2 から1:6に上昇させると、反応初速度は減少し、そして1,3-DCyの収率がわずかに上昇した。 図13は、CAL-Bによって触媒される、0℃における、n-ヘキサン中の、グリセロールとカプリル酸の間のエステル化、に対する基質比の影響を示すデータを要約する(DG = 1,3-ジカプリリン、MG = 1-モノカプリリン)。

    1,3-ジラウリン (1,3-DLa)
    1,3DLa は、室温(RT)の乾燥メタノールまたは-20℃のヘキサン中における結晶化によって容易に精製および回収された (純度>98%)。 アシルドナーとしてラウリン酸 (La) が使用された場合には、溶媒を加えてFFAを溶解した。 J. Am. Oil Chem. Soc., 1992, 69:955-960に説明される方法は、より速い反応速度と高収率の1,3-DLa (65%)を実現したものの、図14に示すとおり、最も高い収率(78%)の1,3-DLaが 、CAL-Bによって触媒される、0℃における、無溶媒条件下の、24時間のグリセロールとラウリン酸ビニルエステル (LaVE)の間のエステル化によって得られた。 図14は、1,3-ジラウリンの様々な合成のデータを要約する。 方法1 = CAL-Bによって触媒される、0℃における、n-ヘキサン中の、グリセロールとラウリン酸のエステル化;方法2 = CAL-Bによって触媒される、0℃における、n-ヘキサン中の、グリセロールとラウリン酸ビニルエステルのエステル化;方法3 (Schneider's method) = Lipozyme RM IM(登録商標)(Eurzyme, Dublin, Ireland)によって触媒される、室温における、MTBE中の、グリセロール(シリカゲル上に固定)とラウリン酸ビニルエステルのエステル化。 (DG = 1,3-ジラウリン、MG = 1-モノラウリン)。 アシルドナーとして LaVEを使用すると、Laの場合と比較してより高い収率およびより速い反応を、より少量のMGで、与えた。

    CAL-Bは、0℃における、LaVEとグリセロールのエステル化の、最も高い収率および最も速い反応速度を与え、一方、Lipozyme RM IM(登録商標)は、中程度の1,3-DLaの収率と、多量のMGを与え、そして、Lipozyme TL(登録商標)は、同じ反応条件において極めて低い活性を示した。 反応温度を25℃に上昇させると、Lipozyme RM IM(登録商標)はより高い活性を示し、一方CAL-Bは活性が下がった。 図15に示す通り、CAL-Bによって触媒される、n-ヘキサン中の、グリセロールとラウリン酸の間のエステル化反応においては、反応速度および1,3-DLaの収率が下がり、Laの量は上昇した。 図15は、CAL-Bによって触媒される、室温における、n-ヘキサン中の、グリセロールとラウリン酸のエステル化に対する基質比の影響を要約する(DG = 1,3-ジラウリン、MG = 1-モノラウリン)。

    1,3-ジパルミチン (1,3-DP)および1,3-ジステアリン (1,3-DS)
    パルミチン酸 (PA)およびステアリン酸 (SA)の溶解度の低さに起因して、反応は、有機溶媒中で、そしてより高温(25℃ から40℃)で行われた。 DG の収率は、LaまたはCyによる反応の収率よりも低かった。 最も高い収率(80%)および最も速い反応速度が、D-EP100によって触媒される、40℃における、MTBE中の、グリセロールとパルミチン酸ビニルエステル(PAVE)のエステル化から得られた。 6-8 時間の内に反応は平衡に達し、MGの量は少なかった。 図16に示すように、PAと固定化グリセロールのエステル化は、遊離グリセロールとのエステル化と比較して、より高い収率およびより速い反応を与えた。 図16は、1,3-ジパルミチンの合成を要約する。 方法1 = D-EP100によって触媒される、40℃における、MTBE中の、グリセロールとパルミチン酸のエステル化;方法2 = D-EP100によって触媒される、40℃における、MTBE中の、グリセロールとパルミチン酸ビニルエステルのエステル化;方法3 (Schneider's method) = Lipozyme RM IM(登録商標)によって触媒される、室温における、MTBE中の、グリセロール(シリカゲル上に固定)とパルミチン酸ビニルエステルのエステル化(DG = 1,3-ジパルミチン、MG = 1-モノパルミチン)。

    1,3-DP 合成のすべてのケースにおいて、D-EP100は、Lipozyme RM IM(登録商標)と比較して、より高い収率および活性を与えた。 さらには、Lipozyme RM IM(登録商標)は、PA または PAVE のエステル化において、その反応がMTBE中で行われた場合には活性を示さず、そして、n-ヘキサン中で行われた場合には低い活性しか示さなかった。 図17に示すように、D-EP100は、SAよりもPAのエステル化を好み、一方、Lipozyme RM IM(登録商標)については、PA および SA に対してさしたる活性の違いは観察されなかった。 図17は、40℃における、n-ヘキサン中の、グリセロールおよびパルミチン酸(C16:O)もしくはステアリン酸(C18:0)のエステル化についてのデータを要約する(RM = Lipozyme RM IM(登録商標)、DEP = D-EP100、DG = 1,3-ジグリセリド、MG = 1-モノグリセリド)。

    トリグリセリドのアルコール分解 純トリグリセリド(TG)(トリラウリン、トリパルミチンおよびトリステアリンを含む)のアルコール分解を行った。 アルコール分解反応から最も得られたジグリセリド (DG)は1,2-DGであった。 反応混合物内には、多量の未反応TGが残っていた。 図18に示すように、反応(特に加水分解反応)の際にアシル移動が観察された。 図18は、トリステアリンのアルコール分解および加水分解の際の1,3-DS/1,2-DS比を示す、アルコール分解反応からのデータを示す。 DEP = D-EP100、RM = Lipozyme RM IM、Hx = n-ヘキサン、HYD = 加水分解、ALC = アルコール分解。
    Lipozyme RM IM(登録商標)に触媒される反応は、収率は低かったものの、D-EP100に触媒される反応よりも高いアシル移動を示した。 CAL-Bを使用するアルコール分解反応6時間経過後には、低いアシル移動しか観察されなかった。 これは、CAL-Bの非特異性に従って、1,2-DGと1,3-DGが同時に生成されたからであるかもしれない。

    D-EP100は、CAL-BおよびLipozyme RMと比較して、それぞれトリパルミチンおよびトリステアリンのアルコール分解において、より高い活性を示した。 aW の影響:aW 0.43よりも0.11の方が、アルコール分解からより高い収率およびより少量のMGが得られた。 aWが上昇するに従ってMGが上昇することが発見された。 (収率およびアシル移動に対する)溶媒の影響:MTBEにおいて、最も高い収率が得られた。 n-ヘキサンおよびイソオクタン中でのアルコール分解は中程度の収率を与えたが、一方、アセトンはLipozyme RMに対してよくない溶媒であった。 図18および19に示すように、n-ヘキサン中で実施した反応は、MTBE中のものよりもより速いアシル移動を示した。 図19は、Lipozyme RM IM(登録商標)による、60℃における、トリラウリンの加水分解からのデータを示す(DG = ジラウリン)。

    トリグリセリドの加水分解 純トリグリセリド(TG)(トリラウリン、トリパルミチンおよびトリステアリンを含む)の加水分解を行った。 反応の際には多量のFFAが生成され、そして反応混合物中には多量の未反応TGが残った。 最も多い DGは1,2-DGであった。 加水分解反応は、アルコール分解反応よりも、より高いアシル移動を示した。
    水の量の影響:図20に示すように、1:1のTG:水の比を使用した場合に、最も高い収率が得られた。 図20は、Lipozyme RM IM(登録商標)による、60℃における、MTBE中の、トリラウリンの加水分解に対するトリラウリン:水の比の影響を示す(DG = 1,2-ジラウリン + 1,3-ジラウリン、MG = モノラウリン)。 特にMTBEにおいて、TG:水の比が上昇するに従ってMGの量が上昇した。

    溶媒の影響:結果は、アルコール分解反応から得られた結果と同様であった。 図21に示すように、MTBE中における加水分解は、n-ヘキサン、イソオクタンおよびアセトン中におけるものよりもそれぞれ高い収率を示した。 図21は、Lipozyme RM IM(登録商標)を使用する、60℃における、トリラウリンの加水分解に対する有機溶媒の影響を示すデータを要約する(DG = 1,2-ジラウリン + 1,3-ジラウリン、MG = 1-モノラウリン + 2-モノラウリン)。 MTBE中における反応はより高い収率を与えたものの、n-ヘキサン中と比較してより多量のFFAが生成され、そしてより低いアシル移動が観察された。 TG、DG、MGおよびFFAの分離は問題となり得る。

    天然油のアルコール分解および加水分解 天然油(ココナッツ油およびパーム核油を含む)のアルコール分解および加水分解を行った。 天然油との反応の1,3-DGの収率は、純TGのアルコール分解および加水分解の収率よりもわずかに少なかった。 図22に示すように、最も高い DG 収率(45-50%)および最も速い反応速度は、D-EP100による、40℃における、MTBE中の、アルコール分解から得られた。 図22は、40℃における、有機溶媒中の、ココナッツ油のアルコール分解および加水分解の結果を示す (TG:エタノール = 1:1 mol/mol、TG:水 = 1:2 mol/mol)。 Lipozyme RM IM(登録商標)は、Lipozyme TL(登録商標)と比較してより高い収率およびより少量のMGを与えた。 MTBE中で行われた反応は、n-ヘキサンおよびアセトン中で行われたものと比較して、それぞれより高い収率およびより速い反応速度を与えた。

    アシル移動の誘導 天然油(ココナッツ油およびパーム核油を含む)に対してアシル移動が行われた。 温度および担体の影響は明らかではなかった。 72時間後に、アシル移動はほぼ観察されなかった。 図23に示すように、反応混合物にオレイン酸を加えることによって、わずかながらアシル移動を誘導した。 図23は、室温における、n-ヘキサン中の、1,2-ジパルミチンのアシル移動に対するオレイン酸の影響を示す。 オレイン酸:1,2-DP の比が上昇するに従って、アシル移動速度は上昇した。
    陰イオン交換体はアシル移動の高誘導を示し、一方、陽イオン交換体は効果を示さなかった。 図24に示すように、陰イオン交換体の量が上昇するに従って、アシル移動速度は上昇した。 図24は、室温における、n-ヘキサン中の、1,2-ジパルミチン(5 mg/ml)のアシル移動に対する陰イオン交換体の量の効果を示す。 速いアシル移動を誘導するためには、大量の陰イオン交換体が必要であった。

    1,3-DGおよび FFA/FAVEのエステル化
    n-ヘキサン中の、1,3-DLa と OAのエステル化を、Pseudomonas sp. (Amano PS-D)、Candida antarctica type A (CAL-A)、およびPenicillium cyclopium (リパーゼG)由来の固定化リパーゼを使用して行った。 反応混合物に分子ふるいを加えて、生成水を除去した。 PS-Dのみが、1,3-DGおよびオレイン酸(OA)もしくはビニルオレアート(OAVE)のエステル化反応を触媒し得ることが発見された。 反応は速かった。 1,3-DCyについては2時間後、そして1,3-DLaについては8時間後に、ほぼすべての1,3-DGが消費されていた。
    表1は、このようにして得たST 生成物の脂肪酸組成を示す。 図25に示すように、PS-Dの非特異性に起因して、CyOO および OOO の副生成物が存在していた。

    図25は、Pseudomonas sp. (PS-D)由来の固定化リパーゼによる、60℃における、n-ヘキサン中の、ラージスケールの1,3-ジカプリリンとオレイン酸ビニルエステルにおけるエステル化からのデータを示す。 HPLCによって、アシルグリセロール組成を分析した。
    図26に示すように、ビニルオレアート(OAVE)はOAよりもはるかに速い反応を与え、そして1,3-DCyは1,3-DLaよりもより速い反応を与えた。 図26は、PS-Dを使用する、60℃における、n-ヘキサン中の、1,3-DGおよびオレイン酸(C18:1)もしくはオレイン酸ビニルエステル(OAVE)のエステル化からのデータを示す。 TLC/FIDによって、アシルグリセロール組成を測定した (Cy = 1,3-ジカプリリンによる反応、La = 1,3-ジラウリンによる反応、TG = トリグリセリド、DG = 1,3-ジグリセリド、VE = ビニルエステル)。

    実施例8:プロテアーゼ活性アッセイ
    以下の実施例では、プロテアーゼの触媒活性を決定するための例示的なプロテアーゼ(例えば本発明の酵素)活性アッセイについて述べる。 これらの例示的なアッセイを用いて、あるポリペプチド(例えばプロテアーゼ)が本発明の範囲内に包含されるか否かを決定できる。
    プロテイナーゼ(タンパク質に対して活性を有する)のために用いられる活性アッセイには、ザイモグラムおよび液体基質酵素アッセイが含まれる。 3つの異なるタイプのザイモグラム、カゼイン、ゼラチンおよびゼインを用いて活性を測定した。 液体基質酵素アッセイのためには、3つの主要なタイプ、ゲル電気泳動、O-フタールジアルデヒド(OPA)および蛍光終末点アッセイを用いた。 ゲル電気泳動およびOPAアッセイの両者については、4つの異なる基質、ゼイン、ダイズトリプシンインヒビター(SBTI、SIGMA-Aldrich, T6522)、コムギ胚芽レクチンおよびダイズレクチンを用いた。 蛍光終末点アッセイのための基質はゼラチンとした。
    プロテイナーゼおよびペプチダーゼ(ペプチドに対して活性を有する)について用いたアッセイでは、pNA結合小ペプチド基質を用いた。 前記アッセイは特異性終末点アッセイ、単位規定カイネティックアッセイおよびpHアッセイを含んでいた。
    以下の実施例では、上記の例示的な活性アッセイについて述べる。 これらの例示的なアッセイを用いて、あるポリペプチドが本発明の範囲内に包含されるか否かを決定できる。

    タンパク質(プロテイナーゼ活性)
    カゼインザイモグラムゲルアッセイ :カゼインザイモグラムゲルを用いてプロテイナーゼ活性を評価した。 プロテアーゼ活性アッセイは、ゲルマトリックスに埋め込まれた青色染料結合カゼインを含む4−16%グラディエントゲル(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)を用いて調べた。 全てのザイモグラムゲルは製造元の指示にしたがって処理した。 簡単に記せば、各サンプルを等体積の2Xのローディング色素と混合し、ローディング前に加熱することなく10分間インキュベートした。 電気泳動後に、ゲルを復元バッファー中でインキュベートしてSDSを除去し、タンパク質にそれらの本来の形態を回復させた。 続いてゲルを現像溶液に移し、4から24時間37℃でインキュベートした。 プロテアーゼがカゼインをゲル内で消化すると、分解がなければ青色である背景に対して透明なゾーンが生じる。 前記ゾーンはゲル内のプロテアーゼの位置と一致する。 陰性対照(ゲル図ではNCで示されている)は、各実験の実験サンプルと一緒に処理し、それらの対応するプロテアーゼの隣のカゼインザイモグラム上で電気泳動した。
    慣行的SDS-PAGEとは異なり、サンプルはカゼインザイモグラムの電気泳動前に熱変性しない。 結果として、プロテアーゼの分子量を正確に評価することは時に困難である。 例えば、スブチリシンA(Sigma, P5380;ゲル図ではSubt.Aで示されている)(前記はこれらの実験では陽性対照としても用いられた)は、サイズが約27kDaであると予測される。 しかしながら、記載の条件を用いてカゼインザイモグラムで電気泳動したとき、スブチリシンAはゲル内へほとんど移動せず、183kDaより上でのみ見ることができる。 したがって、ザイモグラムは表示のプロテアーゼのMWを特定せず、むしろ活性の指標として用いられる。

    ゼラチンザイモグラムアッセイ :ゼラチンザイモグラム(Novex(登録商標)Zymogram Gels)は製造元(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)の指示にしたがって実施した。 カゼインザイモグラムとは異なり、ゼラチンザイモグラムは、現像に続いてコロイドブルー染色キットまたはSIMPLYBLUE(登録商標)セイフステイン(Safestain)(両方ともInvitrogen)のどちらかを用いて後染色した。 プロテアーゼ活性の領域は暗色の背景に対して透明なバンドとして出現した。

    トウモロコシゼインアッセイ :トウモロコシゼインをプロテアーゼ活性アッセイの基質として用いた。 粉末のZ-3625(Sigma Chemical Co. St. Louis, MO)、およびアクァゼイン(Aquazein)10%溶液(Freeman Industries, Tuckahoe, NY)を用いた。 SDS-PAGEで分画したとき、両供給源由来のゼインは24および22kDaのバンドを生じた。 前記2つのゼインバンドは以前にアルファ-ゼインについて記載されたものと分子量が一致する(アルファ-ゼインはゼインのもっとも豊富なサブクラスであり、トウモロコシの全ゼインの71−84%を構成すると概算されている(例えば以下を参照されたい:Consoil (2001) Electrophoresis 22:2983-2989)。
    活性なプロテアーゼを含む凍結乾燥培養上清を再懸濁し、透析し、50mMのKPO (pH7.5)中でゼインとともにインキュベートした。 反応を96ウェルのマイクロタイター様式で実施した。 “基質のみ”および“酵素調製物のみ”の対照を実験サンプルと同様に処理した。 30℃で24時間後に、アリコットを取り出しOPA、SDS-PAGEまたはザイモグラム分析に付した。 いくつかの事例では、新鮮な少量を取り出し、30℃で48または72時間後に分析した。

    ゼインザイモグラム:アクァゼインを10%のポリペプチドアクリルアミドゲルに最終濃度0.075%で添加した。 透析したプロテアーゼサンプルのアリコットを標準的な条件を用いてゼインザイモグラムで電気泳動した。 電気泳動後、ザイモグラムゲルを洗浄し、復元バッファー中でインキュベートし、プロテアーゼ活性に最適な現像緩衝液(トリス緩衝液(pH8)中にNaCl、CaCl およびBrij35を含む)で一晩インキュベートし、クマシーブルーで染色した。
    SDA-PAGE:等体積のアリコットを各サンプルから取り出し、SDS-PAGE分析に付した。 電気泳動後、ゲル中のタンパク質をSYPROオレンジ(Molecular Probes)で染色し、UV透過光を用いて可視化した。
    OPA:ベータ-メルカプトエタノール(BME)の存在下で、OPAを遊離アミノ末端と反応させ、蛍光イミダゾールを生成し、前記は標準的な蛍光プレート読取装置を用いて検出することができる。 このアッセイでは、等体積のアリコットを各サンプルから取り出し、黒色の蛍光プレートに入れた。 続いてサンプルをOPA試薬中で1:10に希釈した。 5分インキュベートした後で蛍光(Ex=340nm、Em=450nm)を測定した。

    ダイズトリプシンインヒビターアッセイ :ダイズトリプシンインヒビター(SBTI, SIGMA-Aldorich, T6522)をプロテアーゼ活性の基質として用いた。 活性なプロテアーゼを含む凍結乾燥培養上清を再懸濁し、透析し、SBTI(最終濃度1mg/ml)とともに50mMのKPO (pH7.5)中で37℃でインキュベートした。 基質単独および酵素調製物単独の対照を実験サンプルと一緒に処理した。 24時間後に、少量を取り出しOPAおよびSDS-PAGE分析に付した。 SDS-PAGE:SBTIの場合、電気泳動に続いて、ゲル中のタンパク質はクマシーブルーで染色した。
    コムギ胚芽レクチンアッセイ :コムギ胚芽レクチン(WGA, EY Laboratories, L-2101, Pure)をプロテアーゼ活性の基質として用いた。 活性なプロテアーゼを含む凍結乾燥培養上清を再懸濁し、透析し、WGA(最終濃度1mg/ml)とともに50mMのKPO (pH7.5)中で37℃でインキュベートした。 基質単独および酵素調製物単独の対照を実験サンプルと一緒に処理した。 24時間後に、少量を取り出しOPAおよびSDS-PAGE分析に付した。 SDS-PAGE:WGAの場合、電気泳動に続いて、ゲル中のタンパク質はクマシーブルーで染色した。
    ダイズレクチンアッセイ :ダイズレクチン(SBA, EY Laboratories, L-1300, Crude)をプロテアーゼ活性の基質として用いた。 活性なプロテアーゼを含む凍結乾燥培養上清を再懸濁し、透析し、SBA(最終濃度1mg/ml)とともに50mMのKPO (pH7.5)中で37℃でインキュベートした。 基質単独および酵素調製物単独の対照を実験サンプルと一緒に処理した。 24時間後に、少量を取り出しOPAおよびSDS-PAGE分析に付した。 SDS-PAGE:SBAの場合、電気泳動に続いて、ゲル中のタンパク質はクマシーブルーで染色した。

    蛍光液ゼラチン終末点アッセイ :DQゼラチン(Molecular Probes, fuleorescein conjugate, D-12054)を用いて本発明のプロテアーゼのタンパク分解活性を調べた。 DQゼラチンは、分子が完全であるときにその蛍光が消光されるように蛍光発光団で強く標識されたタンパク質である。 基質を切断するプロテアーゼは内部消光から蛍光を遊離させ、蛍光はプロテアーゼ活性に比例して増加するであろう。 DQゼラチンを最終濃度25μg/mLに100μLの反応物で希釈した。 前記反応物は、適切な緩衝液(例えばザイモグラム現像緩衝液(Invitrogen))および種々の濃度のプロテアーゼ調製物を含む。 反応物を384ウェルの透明な平底マイクロタイタープレートで37℃で1時間から一晩の間の種々の時間インキュベートした。 蛍光は、37℃で種々の時間インキュベートした後、蛍光プレート読取装置を用いてモニターした。

    実施例9:PLC媒介脱ガムのシミュレーション
    本実施例は、本発明のヒドロラーゼである本発明のホスホリパーゼの例示的な使用(PLC媒介脱ガムのシミュレーションを含む)について述べる。
    水に対する溶解性が低いため、ホスファチジルコリン(PC)は、初めにエタノールに溶解した(100 mg/ml)。 最初の試験のために、PCのストック溶液を、50 mMモルフォリノプロパンスルホン酸または60mMクエン酸/NaOH、pH 6中に調製した。 そのPCストック溶液(10μl、1μg/μl)を、エッペンドルフチューブの500μlの精製ダイズ油(水が2 %)に加えた。 エマルジョンを作製するために、チューブの内容物を、3分間撹拌により混合した。 油相と水相は、13,000 rpmの遠心分離により分離した。 その反応チューブは、望ましい温度(37 ℃、50 ℃、あるいは 60℃)で予めインキュベートし、Bacillus cereus 由来のPLC (0.9 U/μl)を3μlを、その水相に添加した。 PCの消失は、溶媒としてクロロホルム/メタノール/水(65:25:4)を用いたTLCおよびヨウ素蒸気による可視化により分析した(例えば、Taguchi (1975)前出を参照されたい)。 遠心のあとに油相および水相が分離され、沈殿したリン脂質(“ガム”)を含む前記水相にPLCが加えられる。 PLC加水分解は水相の中で行われる。 水相から一部を回収してTLCで分析することによって、反応のタイムコースをモニタリングする。

    実施例10:本発明のヒドロラーゼ(例えばホスホリパーゼ)の発現
    この実施例は、本発明の複数のヒドロラーゼ(例えば本発明のホスホリパーゼ)を発現し得る、本発明の商業的生産株の構築について説明する。 食品グレード植物油(ダイズ、キャノーラ、およびヒマワリを含む)の脱ガムにおける使用に適したマルチ-酵素調合物を生産するために、2つの異なる本発明のヒドロラーゼ(例えば本発明のホスホリパーゼ酵素)を、同じ発現宿主の中で発現する組換え発現株を生成し得る。 例えば、この株は、ヒドロラーゼ(例えばPLC)遺伝子のコピーを1つまたは2つ以上、そして、別のヒドロラーゼ遺伝子(例えばホスファチジルイノシトール-PLC遺伝子)のコピーを1つまたは2つ以上、含むように構築し得る。 これらの遺伝子は、1つのプラスミド、複数のプラスミド、または、これらの遺伝子は相同組換えによって発現宿主のゲノムに挿入されてもよい。 これらの遺伝子が相同組換えによって導入された場合、これらの遺伝子は、両遺伝子のコピーを1つまたは2つ以上の含むDNA発現カセットとして、宿主のゲノム中の1つのサイトに導入され得る。 また別には、各遺伝子のコピーの1つまたは2つ以上が、宿主の染色体の離れたサイトの中に導入され得る。 これらの2つの遺伝子配列の発現は、1種類のプロモーターで駆動されていてもよいし、または各遺伝子配列は独立のプロモーターに駆動されていてもよい。 各遺伝子のコピー数およびプロモーターの種類に応じて、最終的な株は、それぞれの活性酵素種を異なる割合で発現する。 発現株は、任意のストレプトミセス(Streptomyces)またはバチルス(Bacillus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、大腸菌、S. ポンベ(S. pombe)、P. パストリス(P. pastoris)、または他のグラム陰性菌、グラム陽性菌、または酵母発現系を使用して構築し得る。

    ある特徴では、本発明は、ダイズ油の脱ガムのための、二-酵素系(two-enzyme system)を提供する(少なくとも1つの酵素は本発明のヒドロラーゼ酵素である)。 PLC と PI-PLC を併せて、いずれかの酵素単独よりもより多くのDAGを生成する。 しかしながら、両酵素は、酵素を含まない対照サンプルよりも多くのDAGを生成する。 ある特徴では、反応条件は、1 mlのダイズ油、〜0.4%の初期水分、50℃、2.75M NaOHで中和された0.2%クエン酸、10U PLC、15μL PI-PLC (0.45mg 総タンパク質)、1 時間の合計反応時間などである。 図31は、本発明のこの二-酵素脱ガム系からのデータを要約した表を示す。
    別の特徴では、本発明のPI-PLC酵素は、PLCについて説明したのと同じ条件下で使用し得る。 これらは、植物油の化学的生成および植物油の脱ガムを含む。
    本発明の多数の実施態様を記載したが、本発明の範囲を外れることなく種々の改変が可能なことは理解されよう。 したがって、他の実施態様も本発明の範囲内に包含される。

    図面の説明 以下の図面は本発明の実施態様を例示するものであり、特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
    本特許または特許出願明細書は少なくとも1枚の着色図面を含む。 カラー図面を含む本特許または特許出願明細書の写しは、申請と必要な手数料の支払いに応じて特許庁から提供される。
    種々の図面中の同じ参照記号は同じ成分を示す。

    コンピュータシステムの概略図である。

    新規なヌクレオチドまたはタンパク質配列を配列データベースと比較し、新規な配列とデータベースの配列との間の相同性を決定するためのプロセスのある特徴を示す工程図である。

    2つの配列が相同であるか否かを決定するためのコンピュータプロセスのある特徴を示す工程図である。

    配列内の特徴の存在を検出するためのアイデンティファイヤープロセスのある特徴を示す工程図である。

    実施例1に記載した、リパーゼ活性を試験するための本発明の例示的な方法である比色リパーゼアッセイを示す。

    構造脂質の合成にSn2位置特異的リパーゼを使用する、本発明の例示的な方法を示す。

    実施例2に詳細に記載した、本発明の例示的な方法である、脂質の構造的合成のための“強制移動法”を示す。

    本明細書に詳細に記載した、本発明のリパーゼを使用してココアバター代替物を合成することを含む例示的な方法を示す。

    PUFA含有sTAG(図9A、上段)、並びに、2-PUFAsMAGおよび精製PUFA(図9B、下段)を合成することを含む、本発明の例示的な方法を示す。

    本明細書に詳細に記載した、共役酵素アッセイを含む、例示的な方法を示す。

    実施例6に記載した、例示的なグロース-キルアッセイを示す。

    実施例7に記載した、1,3-DCyの合成における様々なエステル化反応のデータを示す。

    実施例7に記載した、グリセロールとカプリル酸の間のエステル化に対する、基質比の影響のデータの要約を示す。

    実施例7に記載した、1,3-ジラウリンの様々な合成のデータの要約を示す。

    実施例7に記載した、n-ヘキサン中の、グリセロールとラウリル酸の間のエステル化に対する、基質比の影響のデータの要約を示す。

    実施例7に記載した、1,3-ジパルミチンの合成のデータの要約を示す。

    実施例7に記載した、グリセロールおよびパルミチン(C16:O)酸またはステアリン(C18:0)酸のエステル化のデータの要約を示す。

    実施例7に記載した、アルコール分解からのデータを示す。

    実施例7に記載した、トリラウリンの加水分解からのデータを示す。

    実施例7に記載した、トリラウリンの加水分解に対する、トリラウリン:水の比の影響を示す。

    実施例7に記載した、トリラウリンの加水分解に対する、有機溶媒の影響を示すデータの要約を示す。

    実施例7に記載した、有機溶媒中の、ココナッツ油のアルコール分解および加水分解からのデータを示す。

    実施例7に記載した、室温における、n-ヘキサン中の、アシル移動に対するオレイン酸の影響を示す。

    実施例7に記載した、室温における、n-ヘキサン中の、アシル移動に対する陰イオン交換体の量の影響を示す。

    実施例7に記載した、Pseudomonas sp. 由来の固定化リパーゼ(Amano PS-D, Amano Enzyme USA, Elgin, IL)による、n-ヘキサン中の、1,3-ジカプリリンおよびオレイン酸ビニルエステルのエステル化からのデータを示す。

    実施例7に記載した、Pseudomonas sp. 由来の固定化リパーゼ(Amano PS-D, Amano Enzyme USA, Elgin, IL)による、n-ヘキサン中の、1,3-DGおよびオレイン酸またはオレイン酸ビニルエステルのエステル化からのデータを示す。

    本明細書に記載した、本発明の例示的な強制移動反応を示す。

    本明細書に記載した、グリセロールからの、POS(パルミチン-オレイン-ステアリン)、POP (パルミチン-オレイン-パルミチン)およびSOS (ステアリン-オレイン-ステアリン)から構成されるトリグリセリド混合物の例示的な合成を示す。

    本明細書に記載した、ステアラートとパルミタートを一緒に混合してDAGの混合物を生成し、それをその後オレアートでアシル化してココアバター同等物の成分を与える、例示的な合成を示す。

    図30Aから図30DDDDDは、本明細書により詳細に記載した、本発明の例示的な核酸およびポリペプチドの一部の特徴を説明する表である。

    実施例10に記載した、本発明の2つの酵素からのデータを図示したものである。

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