桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物並びにかかる組成物の使用方法

申请号 JP2017562334 申请日 2016-05-24 公开(公告)号 JP2018516925A 公开(公告)日 2018-06-28
申请人 ネステク ソシエテ アノニム; 发明人 カマーチョ, スサーナ; ミクリグ ゴンザレス, ステファニー; アクティス ゴレッタ, ルーカス; メイラン マーリーニ, ジェニー; ル クトル, ヨハネス;
摘要 組成物は、経口的に許容可能な量であり、したがって不快な 口腔 感覚は回避し、胃腸管においても許容可能である濃度の桂皮アルデヒドを含む。桂皮アルデヒドは亜鉛により補給され、上記組み合わせは、エネルギー消費、交感神経系の活動、又は脂肪 酸化 のうちの少なくとも1つを増大するのに有効であり得る。桂皮アルデヒド及び亜鉛を組み合わせて含む組成物は、体重管理を支援又は体重減量を促進する方法、肥満又は過体重を予防するための方法、及び肥満又は過体重を治療するための方法に使用できる。組成物は、インスリン感受性、耐糖能、認知能 力 、認知、気分、又は記憶力のうちの1つ以上を改善し得る。組成物は、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成し得る。 【選択図】なし
权利要求

高血圧を治療するための方法であって、それを必要としている個体に桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む、高血圧を治療するための方法。前記組成物が、前記桂皮アルデヒドが31.87ppm〜6191ppmの香味付与濃度で存在する食品製品である、請求項1に記載の方法。前記組成物が、少なくとも一週間にわたって少なくとも1日1回前記個体に投与される、請求項1に記載の方法。高血圧のリスクのある個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む、高血圧を予防するための方法。前記組成物が、前記桂皮アルデヒドが31.87ppm〜6191ppmの香味付与濃度で存在する食品製品である、請求項4に記載の方法。前記組成物が、少なくとも一週間にわたって少なくとも1日1回前記個体に投与される、請求項4に記載の方法。心血管疾患を治療するための方法であって、それを必要としている個体に桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む、心血管疾患を治療するための方法。前記組成物が、前記桂皮アルデヒドが31.87ppm〜6191ppmの香味付与濃度で存在する食品製品である、請求項7に記載の方法。前記組成物が、少なくとも一週間にわたって少なくとも1日1回前記個体に投与される、請求項7に記載の方法。心血管疾患のリスクのある個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む、心血管疾患を予防するための方法。前記組成物が、前記桂皮アルデヒドが31.87ppm〜6191ppmの香味付与濃度で存在する食品製品である、請求項10に記載の方法。前記組成物が、少なくとも一週間にわたって少なくとも1日1回前記個体に投与される、請求項10に記載の方法。個体における治療効果を達成するための方法であって、前記治療効果は、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記方法は前記個体に桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む、方法。前記組成物が、前記桂皮アルデヒドが31.87ppm〜6191ppmの香味付与濃度で存在する食品製品である、請求項13に記載の方法。前記組成物が、少なくとも一週間にわたって少なくとも1日1回前記個体に投与される、請求項13に記載の方法。桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物であって、前記桂皮アルデヒドが、摂取するのに安全で許容可能な量であり、かつ亜鉛と組み合わせて、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成するのに有効な量で前記組成物に存在する、組成物。前記組成物が、前記桂皮アルデヒドが31.87ppm〜6191ppmの香味付与濃度で存在する食品製品である、請求項16に記載の組成物。前記組成物が、前記桂皮アルデヒド:亜鉛の比が1:0.5〜1:0.005である食品製品である、請求項16に記載の組成物。前記組成物が、タンパク質、炭化物、脂肪、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分を含む食品製品である、請求項16に記載の組成物。食品製品を製造するための方法であって、 前記方法は、タンパク質、炭水化物、脂肪及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を添加することを含み、 前記桂皮アルデヒドが、摂取するのに安全で許容可能な量であり、かつ前記亜鉛と組み合わせて、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成するのに有効な量で前記組成物に存在する、方法。

说明书全文

[0001]本開示は、概して、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む方法及び組成物に関する。より詳細には、本開示は、経口摂取に適した量の桂皮アルデヒドを亜鉛と組み合わせて投与することに関し、以下の効果のうちの1つ以上を提供する:(i)エネルギー消費及び脂肪酸化の増大;(ii)インスリン感受性、耐糖能、気分、記憶及び/若しくは認知の改善;又は(iii)血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果。

[0002]過去数十年の間に、肥満の羅患率は世界中で増加しており、蔓延するに至っている。世界中で約10億人が、死亡率、移動性及び経済コストを増加させる状態である、過体重又は肥満となっている。肥満はエネルギー摂取がエネルギー消費よりも大きい場合に進行し、超過したエネルギーは、主に脂肪として脂肪組織に蓄えられる。体重減量、及び体重増加防止は、エネルギー摂取若しくは生物学的利用能を低下させること、エネルギー消費を増加させること、及び/又は脂肪としての貯蔵を低下させることにより達成することができる。

[0003]辛味刺激性の感覚を形成する分子機構についての研究により、口腔内に分布する体性神経において発現している2種類のカチオンチャネル、TRPV1(一過性受容器電位V1)及びTRPA1(一過性受容器電位A1)の存在が明らかになっている。TRPV1は、トウガラシの辛味化合物であるカプサイシン等による温熱感及び灼熱感の受容体である。TRPA1は、冷感及び辛味刺激をもたらす化合物に反応する。適切な濃度のTRPA1作動剤により心地よいひりひり感が生じる。

[0004]TRPV1アゴニストのカプサイシンは、エネルギー消費及び脂肪酸化を増大することが周知であるが、有効用量は中程度〜大量(20mg以上)である。例えば、Ludy et al,「The effects of hedonically acceptable red pepper doses on thermogenesis and appetite,」Physiol.Behav.,Mar.1,102(3〜4):251〜8(2011)を参照されたい。更に、カプサイシンは、特に辛味刺激性で毒性の化合物である。カプサイシンの経口投与に関係する生理作用としては、舌の中央部から喉に至る灼熱感、息切れ、失神、悪心、及び自己誘発性嘔吐が挙げられる。結果として、摂食者に不快感を生じさせずに投与できるカプサイシン量はごく少量である。カプサイシンを含有する食品製品は、かかる製品が非常に不快な口腔感覚をもたらすため、多くの場合、消費者に受け入れられない。特に、灼熱効果は非常に不快なものとして捉えられ、食品製品の消費に影響を与える。

[0005]これまでに、ヒトの代謝への影響を示した唯一の辛味料由来成分は、カプサイシンである。例えば、マスタード、西洋わさび、黒コショウ及びショウガによる、ヒトのエネルギーバランス及び食物摂取に対する影響を調査した研究では、これらの生の香辛料による影響は何ら特定されなかった。Gregersen et al.,「Acute effects of mustard,horseradish,black pepper and ginger on energy expenditure,appetite,ad libitum energy intake and energy balance in human subjects,」Br.J.Nutr.,5:1〜8(July 2012)。しかしながら、有効用量のカプサイシンは、香辛味であるため食品製品に含めるには刺激が強く、又は胃腸不耐性であることから消化するにも強すぎる。

[0006]桂皮由来の化合物である桂皮アルデヒドは、EC50が約10μMであり、TRPA1を活性化するがTRPV1又はTRPM8は活性化しない、α,β−不飽和アルデヒドである。桂皮アルデヒドは共有結合によりTRPA1と相互作用する。桂皮アルデヒドはカプサイシンよりも強度の弱い風味を有する。しかしながら、桂皮アルデヒドは相対的に高濃度にて辛味刺激性であり、強い桂皮風味を有する。

[0007]一部の人の体調に対しては、体組織がインスリンに適切に応答しなくなるという別の悪影響を及ぼす。組織のインスリン受容体は機能を十分に停止し、グルコース依存性の細胞はインスリンの存在を感知できなくなる。結果として、これらの細胞へのグルコースの流入を促すために、膵臓はより多量にインスリンを分泌しなくてはならなくなる。膵臓は、更にインスリンを製造することで、インスリン需要量の増加に対応しようとする。この現象は、インスリン抵抗性(低インスリン感受性としても知られている)と呼ばれている。インスリン抵抗性を有する多くの人では、血液中で多量のグルコースとインスリンとの両方が同時に循環している。最終的に、膵臓は身体が必要とするインスリンを供給できなくなり、II型糖尿病となる。

[0008]インスリン抵抗性及びII型糖尿病は、心臓発作、脳卒中、肢切断、糖尿病性網膜症、及び腎不全のリスク増加と関係する。極端な場合では四肢の血行が影響を受け、場合により切断が必要になる。聴覚障害、失明、及び認知力の低下もまた、これらの状態と関連している。

[0009]子供及び大人におけるインスリン抵抗性の管理は、基本的に、より健康的な食習慣及び運動の増加を含む、食事並びにライフスタイルの変化に基づいている。これらの実践は、インスリン感受性の改善及び疾患の進行を遅延させる点において大変効果的であり得るが、これらを適用することは難しく、実際のところ多くの患者が従っていない。II型糖尿病はインスリン感受性を促進する薬剤で治療可能であるが、疾患の進行速度を低下させることにおける薬剤の有効性は極めて低い。疾患が最も進行する期間中はインスリン治療が必要である。

[0010]n−3多価不飽和脂肪酸、繊維、オリゴ糖及び更にはプロバイオティクスを含む製品は、インスリン感受性を改善し、インスリン抵抗性を低下させるための栄養学的解決策として提案されてきた。しかし、これらの栄養学的介入の有効性は極めて低く、かつ、効果を示さないか、又は有害作用すらも示すとする研究により、議論すら引き起こしている。

[0011]TRPV1作動剤であるカプサイシンは、インスリン感受性を改善させ得るものの、上記のとおり、カプサイシンは特に辛味刺激性であり、かつ毒性の化合物であり、更には有効な投与量のカプサイシンは、香辛味であるため食品製品に含めるには刺激が強く、又は胃腸不耐性であることから消化するにも強すぎる。

[0012]一部の個体が悪影響を受ける更に別の状態として、例えば、エピネフリン等の神経伝達物質が低レベルになるといった神経伝達障害がある。神経伝達障害はうつ病等の気分障害、不安障害、及びストレスへの感受性の増加と関係しており、また認知機能障害とも関係している。

[0013]炭化物豊富な食物は身体パフォーマンスに重要な代謝燃料を供給することで知られているが、気分及び認知能力に対するこれらの作用はあまり明確ではない。しかし、過敏性及び攻撃性は、インスリン放出、食事をとる頻度、及びこれらの食事の血糖値への影響の個々の違いにより影響される。Benton,「Carbohydrate ingestion,blood glucose and mood,」Neuroscience and Biobehavioral Reviews,26:293〜308(2002)。更に、血糖値の制御能力は気分と認知の両方に関係している。例えば、参加者に経口ブドウ糖負荷試験及び認知試験を行った研究では、高齢のグループにおいて、耐糖能が低い参加者は一層多くの言葉を忘れたり、ものごとを決めるのに時間がかかったりした。そして、耐糖能が低い参加者では、血糖が基準値を下回る傾向が、より良い気分及び一層速い作業記憶と関係したことを示した。Young and Benton,「The nature of the control of blood glucose in those with poorer glucose tolerance influences mood and cognition,」Metab.Brain Dis.(Mar.26,2014)。

[0014]個体によっては悪影響を及ぼす更に別の状態は、高血圧である。血圧は、心臓が血液を送り出すときに、血液が動脈壁を押す力である。高血圧は、高リスクの心血管疾患と関係した重篤な状態であり、例えば、冠動脈性心疾患、心不全、脳卒中、腎不全及びその他の健康問題をもたらし得る。

[0015]高血圧症は、持続性高血圧により引き起こされる状態である。高血圧症は、全身動脈圧が正常範囲外である心臓の慢性な医学的状態である。高血圧症とは、一般に、収縮期血圧が140mmHg以上、又は拡張期血圧が90mmHg以上である状態を指す。高血圧症は、原発性又は二次性のどちらかに分類される。高血圧の症例の約90〜95%は原発性高血圧症であり、医学的原因が分かっていない高血圧を指す。症例の残り5〜10%は、二次性高血圧症であり、腎臓、動脈、心臓又は内分泌系に影響を及ぼすその他の状態により引き起こされる高血圧を指す。

[0016]高血圧症の発生率は、全世界で増加している。加えて、高血圧症は、外部症状(externalsymptoms)を示さない軽微又は軽度の(minor or mild)患者でさえも、脳卒中、心不全及び冠状動脈疾患などの致死性合併症を引き起こし得る。

[0017]本発明者らは、驚くべきことに及び予想外にも、桂皮アルデヒド及び亜鉛がTRPA1の薬理活性に相乗作用することを特定した。この相乗作用を利用して、桂皮アルデヒドに少量の亜鉛を補給することで桂皮アルデヒドの所要量(effective amount)を低減することができる。桂皮アルデヒドの量を低減することにより、TRPA1活性に対する良好な効果を維持しつつ、香りによる影響を低減できる。更には、この相乗作用に必要とされるのは低濃度の亜鉛(1μM未満)のみであり、各個体は、特に、栄養補助剤を摂取している場合に、すでに食事を通して亜鉛を摂取していることから、これは有利である。

[0018]本発明者らは、細胞モデルにおいて発現したTRPA1の薬理活性に対する、桂皮アルデヒド及び亜鉛の相乗作用を特定した。発明者らの知る限り、この組み合わせによる相乗作用は、本願により初めて示される。桂皮アルデヒドは、カプサイシンよりも顕著に強度が低いと判断される桂皮アルデヒド香強度にて、カプサイシンと比較して、エネルギー消費及び交感神経系の活動に対する顕著に強い作用、及び脂肪酸化に対する等価な作用を得ることから、この相乗作用には意味がある。

[0019]更には、理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、桂皮アルデヒド及び亜鉛を組み合わせることによるTRPA1の相乗的な活性化は次の態様のうちの1つ以上を改善するのに効果的であると考えている:インスリン感受性、耐糖能、気分、記憶力、又は認知。更に、本発明らは、桂皮アルデヒド及び亜鉛を組み合わせることによるTRPA1の相乗的な活性化は、一酸化窒素濃度を調節して、高血圧を治療若しくは予防し、心血管疾患を治療若しくは予防し、並びに/又は血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成するのに効果的であると考えている。

[0020]したがって、一般的実施形態において、本開示は体重維持のための方法を提供する。方法は、それを必要としている個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。

[0021]一実施形態では、桂皮アルデヒドは、摂取するのに安全で許容可能な量であり、かつ亜鉛と組み合わせて、エネルギー消費、交感神経系の活動、及び脂肪酸化からなる群から選択される少なくとも1つの特性を増強するのに有効な量で、組成物に存在する。

[0022]一実施形態において、組成物は、桂皮アルデヒドの少なくとも一部をもたらすシナモン精油抽出物を含む。

[0023]一実施形態において、桂皮アルデヒドの少なくとも一部は、単離桂皮アルデヒド及び合成桂皮アルデヒドからなる群から選択される。

[0024]別の実施形態において、本開示は、体重減量を促進するための方法を提供する。方法は、それを必要としている個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。

[0025]別の実施形態において、本開示は、肥満又は過体重を予防するための方法を提供する。方法は、それらのリスクのある個体に桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。

[0026]別の実施形態では、本開示は、肥満を治療するための方法を提供する。本方法は、治療に有効な量の桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を肥満の個体に投与することを含む。

[0027]別の実施形態では、本開示は、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む、体重減量のための組成物を提供する。

[0028]一実施形態では、桂皮アルデヒドは、摂取するのに安全で許容可能な量であり、かつ亜鉛と組み合わせて、エネルギー消費、交感神経系の活動、及び脂肪酸化からなる群から選択される少なくとも1つの特性を増強するのに有効な量で、組成物に存在する。

[0029]一実施形態では、組成物は、桂皮アルデヒドが香味付与濃度31.87ppm(調味料、香辛料)〜6191ppm(チューインガム)で存在する食品製品である(Fenaroli’s Handbook;Burdock,2010によると6191.0ppm)。

[0030]一実施形態では、組成物は、桂皮アルデヒド:亜鉛の比が1:0.5〜1:0.005、好ましくは1:0.03(モル比)である食品製品である。

[0031]一実施形態において、組成物は、体重維持又は体重減量を促進するために治療に有効な量で追加成分を更に含む。

[0032]別の実施形態において、本開示は、体重減量を促進するための方法を提供する。方法は、体重減量プログラム中の個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。

[0033]一実施形態では、体重減量プログラムは、低脂肪ダイエット、低炭水化物ダイエット、低カロリーダイエット、超低カロリーダイエット、耐久トレーニング、筋力トレーニング、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。

[0034]別の実施形態では、本開示は、体重減量用の食品製品を製造するための方法を提供する。本方法は、タンパク質、炭水化物、脂肪及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を添加することを含む。

[0035]別の実施形態では、本開示は、インスリン抵抗性、耐糖能、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される特性を改善させるための方法を提供する。方法は、それを必要としている個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。

[0036]一実施形態では、個体は、早産児(infant born preterm)、子宮内胎児発育遅延を経験した幼児、妊娠性糖尿病に罹患している妊婦、インスリン抵抗性に罹患しているヒト、耐糖能障害に罹患しているヒト、及びII型糖尿病に罹患しているヒトからなる群から選択される。

[0037]一実施形態では、桂皮アルデヒドは、摂取するのに安全で許容可能な量であり、かつ亜鉛と組み合わせて、インスリン抵抗性、耐糖能、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される特性を改善するのに有効な量で、組成物に存在する。

[0038]一実施形態では、組成物は、香味付与濃度31.87ppm〜6191ppmで桂皮アルデヒドが存在する食品製品である。

[0039]一実施形態において、組成物は、桂皮アルデヒドの少なくとも一部をもたらすシナモン精油抽出物を含む。

[0040]一実施形態において、桂皮アルデヒドの少なくとも一部は、単離桂皮アルデヒド及び合成桂皮アルデヒドからなる群から選択される。

[0041]一実施形態では、組成物は、少なくとも一週間にわたって、少なくとも1日1回、個体に投与される。

[0042]別の実施形態では、本開示は、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む、組成物を提供する。桂皮アルデヒドは、摂取するのに安全で許容可能な量であり、かつ亜鉛と組み合わせて、インスリン感受性及び耐糖能からなる群から選択される少なくとも1つの特性を改善するのに有効な量で、組成物に存在する。

[0043]一実施形態では、組成物は、香味付与濃度31.87ppm〜6191ppmで桂皮アルデヒドが存在する食品製品である。

[0044]一実施形態では、組成物は、桂皮アルデヒド:亜鉛の比が1:0.5〜1:0.005である食品製品である。

[0045]一実施形態において、組成物は、タンパク質、炭水化物、脂質及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分を含む食品製品である。

[0046]別の実施形態では、本開示は、認知能力、認知、気分、又は記憶力のうちの1つ以上を改善するための方法を提供し、それを必要としている個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。

[0047]一実施態様において、個体は、認知機能低下、軽度認知障害、認知症、気分障害、記憶喪失、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される状態を有する。

[0048]一実施形態では、組成物は、少なくとも一週間にわたって、少なくとも1日1回、個体に投与される。

[0049]別の実施形態では、本開示は、食品製品を製造するための方法を提供し、方法は、桂皮アルデヒド及び亜鉛を、タンパク質、炭水化物、脂肪、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分に添加することを含み、桂皮アルデヒドは、摂取するのに安全で許容可能な量であり、かつ亜鉛と組み合わせて、かかる食品製品を摂食した個体において、インスリン感受性、耐糖能、認知能力、認知、気分、及び記憶力からなる群から選択される少なくとも1つの特性を改善するのに有効な量で、組成物に存在する。

[0050]別の実施形態では、本開示は、高血圧を治療するための方法を提供する。方法は、それを必要としている個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。組成物は、香味付与濃度31.87ppm〜6191ppmで桂皮アルデヒドが存在する食品製品であり得る。組成物は、少なくとも一週間にわたって、少なくとも1日1回、個体に投与され得る。

[0051]別の実施形態では、本開示は、高血圧を予防するための方法を提供する。方法は、それらのリスクのある個体に桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。組成物は、香味付与濃度31.87ppm〜6191ppmで桂皮アルデヒドが存在する食品製品であり得る。組成物は、少なくとも一週間にわたって、少なくとも1日1回、個体に投与され得る。

[0052]別の実施形態では、本開示は、心血管疾患を治療するための方法を提供し、それを必要としている個体に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。組成物は、香味付与濃度31.87ppm〜6191ppmで桂皮アルデヒドが存在する食品製品であり得る。組成物は、少なくとも一週間にわたって、少なくとも1日1回、個体に投与され得る。

[0053]別の実施形態では、本開示は、心血管疾患を予防するための方法を提供する。方法は、それらのリスクのある個体に桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。組成物は、香味付与濃度31.87ppm〜6191ppmで桂皮アルデヒドが存在する食品製品であり得る。組成物は、少なくとも一週間にわたって、少なくとも1日1回、個体に投与され得る。

[0054]別の実施形態では、本開示は、個体における治療効果を達成するための方法を提供し、治療効果は、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、方法は、個体に桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を投与することを含む。組成物は、香味付与濃度31.87ppm〜6191ppmで桂皮アルデヒドが存在する食品製品であり得る。組成物は、少なくとも一週間にわたって、少なくとも1日1回、個体に投与され得る。

[0055]別の実施形態では、本開示は桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を提供し、桂皮アルデヒドは、摂取するのに安全で許容可能な量であり、かつ亜鉛と組み合わせて、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成するのに有効な量で、組成物に存在する。組成物は、香味付与濃度31.87ppm〜6191ppmで桂皮アルデヒドが存在する食品製品であり得る。組成物は、桂皮アルデヒド:亜鉛の比が1:0.5〜1:0.005である食品製品であり得る。組成物は、タンパク質、炭水化物、脂肪、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分を含む食品製品であり得る。

[0056]別の実施形態では、本開示は、食品製品を製造するための方法を提供する。方法は、タンパク質、炭水化物、脂肪及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分に、桂皮アルデヒド及び亜鉛を添加することを含み、桂皮アルデヒドは、摂取するのに安全で許容可能な量であり、亜鉛と組み合わせて、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成するのに有効な量で、組成物に存在する。

[0057]本開示の利点は、エネルギー消費を増大させることである。

[0058]本開示の別の利点は、交感神経系の活動を増大させることである。

[0059]本開示の更に別の利点は、脂肪酸化を増大させることである。

[0060]本開示の更に別の利点は、食品製品に容易かつ安全に使用できる化合物により、エネルギー消費、交感神経系の活動、及び脂肪酸化を増大させることである。

[0061]本開示の更なる利点は、香辛料中に見られる天然化合物により、エネルギー消費、交感神経系の活動、及び脂肪酸化を増大させることである。

[0062]本開示の別の利点は、許容可能な副作用で又は副作用なくエネルギー消費、交感神経系の活動、及び脂肪酸化を増大させることである。

[0063]本開示の更に別の利点は、体重管理を支援し、体重減量を促進し、及び/又は肥満若しくは過体重を治療若しくは予防することである。

[0064]本開示の更に別の利点は、カプサイシンと比較して増大した受容性、低減された辛味刺激性、及び消化管における改善された耐性を有する化合物により、エネルギー消費、交感神経系の活動、及び脂肪酸化を増大させることである。

[0065]本開示の別の利点は、エネルギー消費の増大に必要とされる桂皮アルデヒドを低減すべく、桂皮アルデヒドに亜鉛を補給するというものである。

[0066]本開示の更に別の利点は、インスリン感受性及び/又は耐糖能を改善するというものである。

[0067]本開示の更に別の利点は、食品製品に容易かつ安全に使用できる化合物により、インスリン感受性及び/又は耐糖能を改善するというものである。

[0068]本開示の更なる利点は、辛味料において見られる、天然に生じる化合物により、インスリン感受性及び/又は耐糖能を改善するというものである。

[0069]本開示の別の利点は、許容可能な副作用で又は副作用なくインスリン感受性及び/又は耐糖能を改善するというものである。

[0070]本開示の更に別の利点は、カプサイシンと比較して改善された認容性、低減された辛味刺激性、及び消化管における改善された耐性を有する化合物により、インスリン感受性及び/又は耐糖能を改善するというものである。

[0071]本開示の更に別の利点は、気分、記憶力又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。

[0072]本開示の更に別の利点は、食品製品に容易かつ安全に使用できる化合物により、気分、記憶力又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。

[0073]本開示の更なる利点は、辛味料に見られる天然化合物により、気分、記憶力又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。

[0074]本開示の別の利点は、許容可能な副作用で又は副作用なく気分、記憶力又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。

[0075]本開示のまた別の利点は、カプサイシンと比較して増大した受容性、低減された辛味刺激性、及び消化管における改善された耐性を有する化合物により、気分、記憶力又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。

[0076]本開示のまた別の利点は、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成することである。

[0077]本開示の更に別の利点は、食品製品に容易かつ安全に使用できる化合物を使用して、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成することである。

[0078]本開示の更なる利点は、辛味料に見られる天然化合物を使用して、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成することである。

[0079]本開示の別の利点は、副作用を許容可能なものにし又は副作用をなくし、かつ血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成することである。

[0080]本開示のまた別の利点は、カプサイシンと比較して増大した受容性、低減された辛味刺激性、及び消化管における改善された耐性を有する化合物を使用して、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果を達成することである。

[0081]本開示の更に別の利点は、高血圧を治療又は予防することである。

[0082]本開示の更なる利点は、心血管疾患を治療又は予防することである。

[0083]更なる特徴及び利点を本明細書に記載する。これらは、以下の発明を実施するための形態及び図面から明らかとなろう。

桂皮アルデヒドの化学構造を示す。

桂皮アルデヒドがエネルギー消費、交感神経系の活動、及び脂肪酸化を増大し得る機構の案を示す。

エネルギー消費を、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフである。

種々の化合物の摂取後のAUCに基づくエネルギー消費を示すグラフである。

食後脂肪酸化を、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフである。

種々の化合物の摂取後のAUCに基づく食後脂肪酸化を示すグラフである。

種々の化合物の摂取後に生じる鼻温度上昇を示すグラフである。

顎温度を、ベースラインと比較して、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフ及び表である。

4.88ppmのカプサイシンと350ppmの桂皮アルデヒドとを比較した味覚試験の結果を示す。

蛍光染料を用い細胞内カルシウム濃度を測定することによる、CHO細胞において発現したTRPチャネル活性のin vitro測定についてのグラフを示す。

桂皮アルデヒド又は対照を慢性摂取したマウスにおけるインスリン感受性のチャートを示す。

[0095]本明細書に記載する全てのパーセンテージは、別途記載のない限り組成物の総重量によるものである。pHについての参照がなされるとき、値は標準的な装置により25℃にて測定されるpHに相当する。本開示及び添付の「特許請求の範囲」において使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈上明らかに別段の定めがない限り、複数の指示対象を含む。本明細書において使用するとき、「約」とは、ある数値範囲内の数、例えば、参照する数の−10%〜+10%、好ましくは参照する数の−5%〜+5%、より好ましくは参照する数の−1%〜+1%、最も好ましくは参照する数の−0.1%〜+0.1%を指すものと理解される。更に、本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。本明細書に開示される組成物は、本明細書にて具体的に開示されない任意の要素を含まない場合がある。したがって、「含む(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成成分「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consistingof)」実施形態の開示を含む。

[0096]「予防」は、状態又は疾患のリスク及び/又は重症度を減少させることを含む。「治療(treatment)」、「治療する(treat)」及び「緩和すること(to alleviate)」という用語は、(対象とする病的状態又は疾患の発症を予防する及び/又は遅らせる)予防用の(prophylactic)又は予防的な(preventive)治療の両方、及び診断された病的状態又は疾患を治癒させる、遅らせる、その症状を減らす、かつ/又はその進行を止める治療手段を含む、治癒的、治療的又は疾患修飾性治療;及び疾患にかかるリスクのある、又は疾患にかかったと推測される患者に加えて病気である、又は疾患若しくは医学的状態に罹患していると診断された患者の治療を含む。この用語は、対象が完全に回復するまで治療されることを必ずしも意味するものではない。「治療」及び「治療する」という用語はまた、疾患に罹患してはいないが不健康な状態に進展しやすい個体の健康を維持及び/又は促進することも指す。「治療」、「治療する」及び「緩和すること」という用語はまた、1つ以上の主たる予防又は治療手段の相乗作用、又は別の増強作用を含むことも意図している。「治療」、「治療する」及び「緩和すること」という用語は更に、疾患若しくは状態の食事管理、又は疾患若しくは状態の予防(prophylaxis)若しくは予防(prevention)のための食事管理を含むことも意図としている。治療は患者に関連するものであってもよく、又は医師に関連するものであってもよい。

[0097]成人において、「高血圧」とは、収縮期血圧が140mmHg以上、及び/又は拡張期血圧が90mmHg以上である。高血圧は、原発性と二次性高血圧症の両方を含む。高血圧の「リスクのある」個体の非限定的な例としては、60歳以上のヒト、過体重又は肥満の個体、少なくとも1日1回喫煙する個体、毎日少なくとも2.4gのナトリウムを摂取するヒト、カリウムの摂取が毎日4.7g未満のヒト、有酸素運動行うのが一週間に3日未満の個体、1日に3ユニット超のアルコールを摂取する男性、1日に2ユニット超のアルコールを摂取する女性、高血圧を有する母又は父を持つ個体、並びに(i)120〜139mmHgの収縮期血圧、及び40〜80mmHgの拡張期血圧、又は(ii)70〜140mmHgの収縮期血圧、及び80〜89mmHgの拡張期血圧のどちらかを有する個体が挙げられる。

[0098]心血管疾患は、高血圧と関係した疾患である。心血管疾患の非限定的な例としては、冠動脈性心疾患、心不全、末梢動脈疾患、高血圧性網膜症、高血圧性脳症、脳卒中、腎不全及びこれらの組み合わせが挙げられる。心血管疾患の「リスクのある」個体の非限定的な例としては、高血圧を有する個体、高血圧のリスクのある個体、並びに高血中コレステロール(例えば、240mg/dL以上の総コレステロール、及び/若しくは、160mg/dL以上のLDL(低比重リポタンパク質))、糖尿病、及び過体重又は肥満を有する個体が挙げられる。人口当たりで、拡張期血圧が2mmHg低下すると、脳卒中リスクが15%低減し、冠動脈性心疾患リスクが6%低減することになると推定される(Cook N R,Cohen J,Hebert P,Taylor J O,Hennekens C H.Implications of small reductions in diastolic blood pressure for primary prevention.Arch Intern Med.1995;155:701〜709)。

[0099]本明細書で使用する場合、「有効量」とは、欠乏を予防する、個体の疾患又は医学的状態を治療する、又はより一般的には、症状を低減させる、疾患の進行を管理する、若しくは個体に対して栄養学的、生理学的若しくは医学的利益を提供する、量である。相対的な用語「改善した」、「増大した」、及び「亢進した」などは、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含まないことを除き同一である組成物と比較した、桂皮アルデヒド及び亜鉛(本明細書にて開示された)を含む組成物の効果を指す。

[0100]「動物」としては、齧歯類、水生哺乳類、イヌ及びネコ等の飼育動物、ヒツジ、ブタ、ウシ及びウマ等の家畜、並びにヒトを含むがこれらに限定されない哺乳類が挙げられるが、これらに限定されない。「動物」、「哺乳類」、又はこれらの複数形が用いられる場合、これらの用語は、本節の文脈により効果が示されるか、又は示されるように意図され得る動物にも当てはまる。本明細書で使用するとき、用語「患者」は、本明細書において定義されるとおりの治療を受ける又は治療を受けることが意図される動物、特に哺乳類、及び更にはヒトを含むものと理解される。用語「個体」及び「患者」は、本願において、多くの場合、人を指して使用されるが、本開示においてそのように限定されはしない。したがって、用語「個体」及び「患者」は、治療により効果を得ることのできる任意の動物、哺乳類又はヒトを指す。

[0101]「過体重」は、25〜30のBMIを有するヒトと定義される。「肥満」とは、30を超えるBMIを有するヒトと定義される。「体重減量」は、全体重の減少である。体重減量は、例えば、体力、健康、及び/又は外観を改善するための取組みにおける全体重の減少を表し得る。「体重管理」又は「体重維持」は、全体重の維持を指す。例えば、体重管理は、正常とみなされる18.5〜25の範囲にBMIを維持することに関し得る。

[0102]前述のとおり、本発明者らは、驚くべきことに及び予想外にも、TRPA1の薬理活性に対し桂皮アルデヒド及び亜鉛が相乗作用することを見出した。この相乗作用を利用して、桂皮アルデヒドに少量の亜鉛を補給することで桂皮アルデヒドの所要量(effective amount)を低減することができる。結果として、亜鉛の非存在下での桂皮アルデヒドとは異なり、桂皮アルデヒド及び亜鉛の組み合わせは、食品において、風味/味と消化管の両方で、安全でかつ許容可能であり、エネルギー消費、交感神経系の活動、及び脂肪酸化に影響し得る。更に、この相乗作用は低濃度の亜鉛(in vitroで1μM未満)のみを必要とする。理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、桂皮アルデヒド及び亜鉛は、相乗的に交感神経系を刺激し、結果としてカテコールアミンの分泌を刺激するものと考えている。カテコールアミン分泌の増大は、β−アドレナリン刺激による熱産生及び基質酸化を増強する。図2を参照されたい。

[0103]したがって、本開示により提供される組成物は、例えば、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含まないことを除き同一である組成物と比較して不快な口腔感覚を生じず、かつ亜鉛との組み合わせにおいて、エネルギー消費、交感神経系の活動、又は脂肪酸化のうち少なくとも1つを増大させるのにも有用である、安全かつ経口的に許容可能な量の桂皮アルデヒドを含む。組成物は、少なくとも一週間にわたって、好ましくは少なくとも1ヶ月にわたって少なくとも1日1回、個体に投与することができる。

[0104]桂皮アルデヒドは商業的に入手可能である。組成物中の桂皮アルデヒドは、シナモン精油抽出物、例えば、桂皮油の蒸気蒸留からの抽出物で提供されてもよく;単離された桂皮アルデヒド、例えば、シナモン精油から単離された桂皮アルデヒドでもよく;又は、合成桂皮アルデヒド、例えば、ベンズアルデヒドとアセトアルデヒドとのアルドール縮合の生成物であってもよい。組成物中の桂皮アルデヒド濃度は、好ましくは、31.87ppm(調味料、香辛料)〜6191ppm(チューインガム)の香味付与濃度である(Fenaroli’s Handbook;Burdock,2010によると6191.0ppm)。一実施形態では、桂皮アルデヒドは、約100.0ppm以下の量で組成物中に存在する。

[0105]非限定例として、桂皮アルデヒドは、以下のとおり下記組成物中に存在させることができる: アルコール飲料:最高498.8ppm、例えば、約435.6ppm 焼成製品:最高367.4ppm、例えば、約273.8ppm チューインガム:最高6191.0ppm、例えば、約1533.0ppm 調味料又は香辛料:最高31.87ppm、例えば、約17.48ppm 凍結させた乳製品:最高77.96ppm、例えば、約72.98ppm フルーツアイス:最高900.0ppm、例えば、900.0ppm ゼラチン又はプディング:最高109.4ppm、例えば、約100.3ppm グレイビー:最高800.0ppm、例えば、約640.0ppm ハードキャンディ:最高1003.0ppm、例えば、約792.2ppm 肉製品:最高39.09ppm、例えば、約6.97ppm ノンアルコール飲料:最高67.82ppm、例えば、約52.71ppm ソフトキャンディ:最高370.0ppm、例えば、370.0ppm

[0106]好ましい亜鉛形態としては、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛及びクエン酸亜鉛が挙げられる。桂皮アルデヒド:亜鉛の比は、好ましくは、1:0.5〜1:0.005、より好ましくは1:0.03(モル濃度)である。

[0107]一実施形態では、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、体重管理を支援する、又は体重減量を促進する方法において使用できる。例えば、組成物は、哺乳類などの、体重管理している、又は体重減量プログラムに参加している個体に投与することができる。体重減量プログラムには、例えば、減量食(例えば、一食に含まれる脂肪由来のカロリーが20%未満である、好ましくは脂肪由来のカロリーが15%未満である低脂肪食;例えば、一食に含まれる炭水化物由来のカロリーが20%未満である低炭水化物食;例えば、ダイエット前に個体が摂取していたものと比較して1日あたりのカロリーが少ない食事、又は同様の体型の平均的な人物と比較して1日あたりのカロリーが少ない食事である、低カロリー食;あるいは超低カロリー食、例えば、1日あたり800kcal(3,300kJ)以下である食事)のうちの1つ以上の減量食が含まれ得る。更に又は代替的に、体重減量プログラムには、減量トレーニング計画(例えば、耐久トレーニング及び/又は筋力トレーニング)も含まれ得る。別の実施形態では、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、肥満又は過体重のリスクのある個体に組成物を投与することによりそれらを予防するための方法に使用できる。更に別の実施形態では、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、肥満又は過体重を治療する必要のある個体に組成物を投与することによりそれらを治療するための方法に使用できる。一実施形態では、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、ヒトなどの哺乳類に投与される。組成物は、追加の体重減量成分も含んでもよい。

[0108]図11に示すように、0.2重量%の桂皮アルデヒドを含有する高脂肪食を慢性的に給餌されたマウスは、桂皮アルデヒドを含まないことを除き同一である高脂肪食を給餌されたマウスと比較してインスリン感受性が改善した。したがって、安全かつ経口的に許容可能な量の桂皮アルデヒドを含む組成物、例えば、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含まないことを除き同一である組成物と比較して不快な口腔感覚を生じず、かつ亜鉛との組み合わせにおいて、交感神経系の活動を増大させるのにも有効な組成物は、インスリン感受性及び/又は耐糖能をも改善する。これにより組成物は血糖症を軽減することができる。

[0109]一実施形態では、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、インスリン感受性及び/又は耐糖能の改善方法において、それらを必要としている個体に投与することができる。組成物は、例えば、ヒトなどの哺乳類などの、乳児(12ヶ月齢以下の子供)、早産児及び/又は子宮内胎児発育遅延(IUGR)の状態の子供、妊娠性糖尿病に罹患している妊婦;あるいはインスリン抵抗性及び/又はII型糖尿病に罹患している幼児(12歳齢まで)、青年(12歳齢〜18歳齢)、又は成人(18歳超)に投与することができる。組成物は、個体のインスリン感受性及び/又は耐糖能を改善することにより、血糖を低下させることができる。組成物は、少なくとも一週間、好ましくは少なくとも1ヶ月、及びより好ましくは少なくとも1年の間で、少なくとも1日1回投与することができる。

[0110]上記のとおり、耐糖能と気分、記憶力及び認知の間には直接繋がりがある。例えば、参加者に経口ブドウ糖負荷試験及び認知試験を行った研究では、高齢のグループにおいて、耐糖能が低い参加者は一層多くの言葉を忘れたり、ものごとを決めるのに時間がかかったりした。そして、耐糖能が低い参加者では、血糖が基準値を下回る傾向が、より良い気分及び一層速い作業記憶と関係したことを示した。例えば、Young and Benton(2014)を参照のこと。したがって、理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、桂皮アルデヒド及び亜鉛は、インスリン感受性及び/又は耐糖能を相乗的に高めることにより、気分、記憶力、又は認知のうちの1つ以上を改善することができるものと考える。

[0111]したがって、一実施形態では、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、認知能力、認知、気分又は記憶力のうちの1つ以上を改善する方法において、それらを必要とする個体に投与することができる。組成物は、認知機能低下、軽度認知障害、認知症、気分障害、又は記憶喪失の状態のうちの1つ以上を有する個体において、これらの1つ以上を治療又は予防することができる。組成物は、少なくとも一週間、好ましくは少なくとも1ヶ月、及びより好ましくは少なくとも1年の間で、少なくとも1日1回投与することができる。組成物は乳児(12ヶ月以下の年齢の子供)、児童(12歳までの年齢)、青年(12〜18歳の年齢)、成人(18歳以上の年齢)、又は高齢者(出生国における平均寿命の最初の3分の2を過ぎた、好ましくは出生国における平均寿命のうち出生から4分の3を過ぎた人であり、高齢者は65歳又はそれ以上の暦年齢の人である)に投与することができる。

[0112]認知能力は学習能力及び速度、知的問題の解決能力及び速度、記憶を形成し思い出す能力、並びに、反応時間等で表されてよい。認知は理解、推論、意思決定、計画、学習、記憶力、連想、概念形成、言語、注意力、知覚、行動、問題解決及び心像等の精神的プロセスとして理解される。認知低下は、記憶力の低下;物忘れ;単語若しくは名前を思い出せない問題:並びに/又は記憶力、集中力、計画したり、若しくは整理したりする能力、複雑な作業を行う能力、及び/若しくは認知能力の低下;として現れる場合があり、年齢、ストレス、疾患、又は他の原因に起因する場合がある。認知障害は短期記憶喪失、学習能力の低下、学習速度の低下、又は注意力の低下のうちの1つ以上に現れる場合がある。

[0113]用語「気分」とは、特定の時間における、感情の状態又は質(情動状態)を意味する。気分は、さほど具体的でない、さほど激しくない、及び特定の刺激又は出来事によりさほど誘発されないという点で、単純な感情とは異なる。気分は通常、ポジティブ又はネガティブな感情(valence)のいずれかを有する。改善した気分は、不安レベルの低下、ストレスレベルの低下、感知するエネルギーレベルの増加、又は一層ポジティブな情動状態のうちの1つ以上を含んでよい。

[0114]一実施形態では、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、一酸化窒素(NO)濃度を調節する方法において使用できる。この関連で、TRPA1は、NO濃度に対する効果を有し得る(例えばSinha et al.,PLoS ONE 10(4):e0122189(Apr.1,2015)を参照のこと);並びに上述のように、本発明者らは、驚くべきことに及び予想外にも、TRPA1の薬理活性に対し桂皮アルデヒド及び亜鉛が相乗作用することを特定した。NOは、血管の弛緩及び体組織への血流送達にとって重要である。血流が改善されると、血液中の栄養分及びその他の化合物を骨格筋組織へ、より効率的に送達することができる。更に、NOは、タンパク質合成の活性化及びポリアミンなどの成長因子の放出のためのタンパク質同化シグナル、並びに促進因子である。NOはまた、インスリン及びIGF−1の放出をもたらし、タンパク質同化基質の取り込み及び基質のバイオ利用も増大させる。NOはまた、T細胞刺激を介した免疫機能に関与する。

[0115]したがって、一実施形態では、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、ヒトなどの個体に投与して、例えば、合成障害及び/又は過度の酸化分解が原因の動脈壁中への一酸化窒素の放出の減少を緩和させることによって、個体の一酸化窒素(NO)濃度を調節することができる。例えば、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を、心血管疾患を有する又は心血管疾患のリスクがある哺乳類などの個体に投与し、心血管疾患を治療又は予防できる。別の例として、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を、高血圧を有する又は高血圧のリスクがある哺乳類などの個体に投与し、高血圧を治療又は予防できる。また別の例として、桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物を、血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果のために個体に投与することができる。組成物は、少なくとも一週間にわたって、好ましくは少なくとも1カ月にわたって、少なくとも1日1回、個体に投与することができる。

[0116]桂皮アルデヒド及び亜鉛を含む組成物は、薬剤、食品製品、医療食、経口栄養補助剤、栄養組成物、経口美容品又は食品製品に対する栄養補助剤であってもよく、好ましくは経口投与される。医療用食品製品は、特別に配合される製品であり、疾患又は医学的状態(例えば、疾患又は望ましくない医学的状態の予防又は治療)の食事による管理を目的とする。医療用食品製品は、臨床栄養を提供し、例えば、医学的状態を有する患者又はその他の固有の栄養ニーズを有するヒトの固有の栄養ニーズを満足することができる。医療用食品製品は、完全な食事、食事の一部、食品添加物、又は溶解用粉末の形態をとることができる。

[0117]食品製品、医療用食品又は栄養組成物は、例えば1種以上のタンパク質、炭水化物、脂肪、酸味料、増粘剤、pH調節用緩衝液若しくはpH調節剤、キレート剤、着色剤、乳化剤、賦形剤、着香料、ミネラル、浸透圧調整剤(osmotic agent)、医薬的に許容される担体、防腐剤、安定剤、糖、甘味料、調質剤並びに/又はビタミン類等の従来の食品添加物を含む、任意の数の任意の添加成分を含む。任意の成分を、任意の好適な量で添加することができる。

[0118]食品製品、医療用食品又は栄養組成物は、例えば、健康飲料など、市販飲料など、任意選択的に、ジュース、ミルクセーキ、ヨーグルトドリンク、スムージー又は大豆ベース飲料といったソフトドリンクなど、バーなど、といった任意の経口栄養形態であることができ、又は任意の種類の食品、例えば、焼成製品、シリアルバー、乳製品バー、スナック食品、スープ、朝食用シリアル、ミューズリー、キャンディ、タブレット(tabs)、クッキー、ビスケット、クラッカー(ライスクラッカー等)、及び乳製品等に分散されてもよい。

[0119]栄養補助剤は、例えば、錠剤、カプセル剤、トローチ、又は液体の形態であってもよい。サプリメントは、保護親水コロイド(ガム、タンパク質、加工デンプンなど)、結合剤、フィルム形成剤、封入剤/材、ウォール/シェル材、マトリックス化合物、コーティング、乳化剤、界面活性剤、可溶化剤(油、脂肪、ワックス、レシチンなど)、吸着剤、担体、充填剤、補助化合物(co-compound)、分散剤、湿潤剤、加工助剤(溶媒)、流動化剤、矯味剤、増量剤、ゼリー化剤、及びゲル形成剤を更に含有してもよい。栄養補助剤は、従来の医薬品添加物及び補助剤、賦形剤及び希釈剤も含有してもよく、限定するものではないが、例としては、水、任意の由来のゼラチン、植物ガム、リグニンスルホン酸塩、タルク、糖類、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール、着香料、防腐剤、安定化剤、乳化剤、緩衝液、潤滑剤、着色剤、湿潤剤、及び充填剤等が挙げられる。

[0120]栄養補助剤は、消費者に許容可能な製品に、摂取可能なキャリア又は支持体として加えることができる。このようなキャリア又は支持体の非限定例は、医薬組成物、食品組成物及びペットフード組成物である。食品及びペットフード組成物の非限定例は、乳、ヨーグルト、カード、チーズ、発酵乳、乳ベースの発酵製品、発酵シリアルベースの製品、乳ベースの粉末、ヒトの乳、早産児用調製粉乳、乳児用調製粉乳、経口補給剤、及び経管栄養である。

[0122]以下の非限定例は、耐え難い味わい又は胃腸への影響を与えることなく、TRPA1を相乗的に活性化させて、以下の効果の1つ以上を提供するという、桂皮アルデヒド及び亜鉛の組み合わせを投与する概念を展開し支持する科学的なデータを示す。(i)エネルギー消費及び脂肪酸化の増大;(ii)インスリン感受性、耐糖能、気分、記憶力及び/若しくは認知の改善;又は(iii)血管拡張、血圧低下、体組織への血流送達の増大、タンパク質合成の活性化、成長因子放出の増大、免疫機能亢進及びこれらの組み合わせからなる群から選択される治療効果。

[0123]実施例1 [0124]ヒト被験者に、プラシーボ、清涼香味剤、カプサイシン又は桂皮アルデヒドを投与した。エネルギー消費を、摂取後80分間測定した。図3は、エネルギー消費を、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフである。図4は、種々の化合物の摂取後のAUCに基づくエネルギー消費を示すグラフである。図3及び4は、桂皮アルデヒド摂取後に、プラシーボと比較してエネルギー消費が増大することを示す。

[0125]食後脂肪酸化を、種々の化合物の摂取後90分間測定した。図5は、食後脂肪酸化を、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフである。図6は、種々の化合物の摂取後のAUCに基づく食後脂肪酸化を示すグラフである。図5及び6は、桂皮アルデヒド摂取後に、プラシーボと比較して食後脂肪酸化がより高レベルで維持されることを実証する。

[0126]被験者の鼻温度を、種々の化合物の摂取後15分間分析した。図7は、種々の化合物の摂取後に生じた鼻温度上昇を示すグラフである。図7は、カプサイシン及び桂皮アルデヒドは摂取後15分間鼻温度を上昇させることを実証し、同じ自律性体温調節経路を刺激していることを示唆する。

[0127]被験者の顎温度を、種々の化合物の摂取後80分間測定した。図8は、顎温度を、ベースラインと比較して、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフ及び表である。図8は、桂皮アルデヒドは摂取後長時間にわたって顎温度を上昇させることを実証し、これは、恐らくは交感神経の活動を反映した血流の増大を意味する。

[0128]上記の結果は、カプサイシン及び桂皮アルデヒドが、鼻の毛細血管に血管拡張反射を誘発することによって、同じ短期自律性体温調節応答を誘発し得ることを示す。顔面温度(顎の血流増大)を測定することによって識別される交感神経作用の増大は、間接熱量測定によって測定されるエネルギー消費の増大を説明し得る。

[0129]実施例2 [0130]ヒト被験者に、4.8ppmのカプサイシン又は350ppmの桂皮アルデヒドを含む組成物を投与した。図9は、比較味覚試験結果のグラフを示す。参加者の87.9%が、カプサイシン強度を非常に強いと判定したのに対し、桂皮アルデヒドに関しては、わずか20.5%であった。カプサイシン及び桂皮アルデヒドに関し、脂肪酸化に対し同様の効果を達成するため、カプサイシンの投与量は、着香剤として使用可能な最高量の約1.5分の1とし(Fenaroli’s Handbook;Burdock,2010によると7ppm)、及び桂皮アルデヒドの投与量は、着香剤として使用可能な最高量の約17.5分の1とする(Fenaroli’s Handbook;Burdock,2010によると6191.0ppm)。

[0131]実施例3 [0132]CHO細胞において発現したhTRPA1のin vitro活性を、それぞれ10μM桂皮アルデヒド及び0.3μM亜鉛、並びにこれらの組み合わせにおいて測定した。結果を図10に示し、かつ、桂皮アルデヒド及び亜鉛を組み合わせたとき(Cin+Zinc)の相乗効果を示す。C+は、本試験の実施上の陽性対照を表し、用量反応曲線による最大反応を与える50mM桂皮アルデヒドである。

[0133]本明細書に記載された、好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかであることを理解されたい。このような変更及び修正は、本発明の主題の主旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なうことなく、行うことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

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