Selection and use of lactic acid bacteria for reducing dental caries and bacteria causing dental caries

申请号 JP2007527129 申请日 2005-05-30 公开(公告)号 JP5566007B2 公开(公告)日 2014-08-06
申请人 バイオガイア・エイビーBiogaia AB; 发明人 CONNOLLY EAMONN; MOLLSTAM BO;
摘要
权利要求
  • ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)株FJ1「プロデンチス(Prodentis)」(ATCC PTA−5289)の生物学的に純粋な培養物。
  • ラクトバチルス・ロイテリ株FJ3(ATCC PTA−5290)の生物学的に純粋な培養物。
  • 说明书全文

    関連出願の相互参照

    本発明は、2003年1月29日に出願された係属中の一部継続米国特許出願第10/353,407号であり、その開示は、参照として本明細書に援用される。

    本発明は、非病原性、坑齲蝕原性乳酸菌株の使用に関するものであり、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)などの口腔細菌および他の齲蝕原因病原菌により引き起こされる齲蝕症の処置および予防のために、このような株、変異体、代謝物およびそれらの成分を用いる製品および方法に関する。

    ヒトおよび他の哺乳動物の口腔は、多数の異なる種のラクトバチルス(Lactobacillus)を含めて、多数の異なる種の細菌を含んでいる。 齲蝕は、細菌により生じる疾患である。 既に1890年に、ミラー(Miller)は、「Chemico−Parasitic Theory」において、口腔細菌により消化性炭化物から酸を産生し、それが歯のヒドロキシヘパタイトを溶解し、齲蝕が引き起こされるという仮説を提案した。 後に、例えば、第1に、ストレプトコッカス群のミュータンス、第2に、ラクトバチルス群である、通常の口腔細菌叢が齲蝕発生に関与していることが、純粋隔離群ラットにおいて確認された。 口腔内に常在するこれらの「酸産生」種が、齲蝕症の存在および発生に関連する(ロッシェ・WJ(Locsche WJ)、Microbiolog Rev.、1986年:50:353−380頁)。 ストレプトコッカス・ミュータンス群内には7種の細菌種があり、ストレプトコッカス・ミュータンス(血清型c、e、f)がヒトの全単離体の90%に見られる(リンダー L.(Linder L.)、Oral
    Mikrobiologi 1996年、ISBN 91−7205−037−3)。 齲蝕の開始には、歯垢内のストレプトコッカス・ミュータンスが比較的高比率である必要があるという多くの証拠がある。 これらの細菌は、歯の表面に十分に付着し、他の細菌型よりも糖類から多量の酸を産生し、酸性環境において他の細菌よりも良好に生存でき、ショ糖から細胞外多糖類を産生できる。 プラークにおけるストレプトコッカス・ミュータンスの比率が高い(2〜10%の範囲)場合、患者は、齲蝕に対する危険性が高い。 その比率が低い(0.1%未満)場合、患者の危険性が低い。 それらは、他の細菌よりも耐酸性であるので、プラーク内の酸性条件は、ストレプトコッカス・ミュータンスの生存および増殖に好ましい。

    2種の他のタイプの細菌もまた、象牙質を介して齲蝕の進行に関連する。 これらは、数種のラクトバチルス、およびアクチノミセス・ビスコサス(Actinomyces viscosus)である。 これらの細菌もまた、酸形成性が高く、酸性条件で良好に生存する。 齲蝕症におけるラクトバチルスの関与は、確証されている(スミス(Smith)ら、Microbios 105:77−85頁、2001年)。 実際、種々の選択培地または他の技法を用いて、ストレプトコッカス・ミュータンス数の推定に加え、唾液中のラクトバチルス数の推定が、「齲蝕試験」として、また齲蝕の高リスク群の確認を試みる方法として長年の間用いられてきた。 したがって、ヒトの歯垢から幾つか単離されたラクトバチルス株は、齲蝕原性が高いと考えられる(フィッツジェラルド(Fitzgerald)ら、J.Dent.Res.60:919−926頁、1981年)。

    細菌が齲蝕形成において第1の病原菌であるためには、幾つかの必要な特性の組合わせを有することが必要である(リンダー(Linder)、1996年)。 すなわち、歯の表面に接着し、コロニーを形成する能、歯の限定面に大多数で蓄積する能力、食物に見られる炭水化物から迅速に酸を産生する能力、歯垢内の低いpH下でも酸産生を継続する能力。

    食事のショ糖は、プラークの厚さおよび化学的性質の双方を変化させる。 ストレプトコッカス・ミュータンスおよび他の幾つかのプラーク細菌は、細胞外多糖類を組立てるために、単糖成分(グルコースおよびフルクトース)およびショ糖の二糖結合のエネルギーを用いる。 これらは、プラークの厚さを実質的に増加させ、また液体からゲルへの細胞外間隙の化学的性質を変化させる。 ゲルは、幾つかのイオン類の動きを制限する。 厚いゲルプラークは、唾液緩衝液から保護された歯の表面に対して酸環境の発生を可能にする。 ショ糖に接触しなかったプラークは、より薄くなり、また良好に緩衝化される。 したがって、高比率のショ糖を有する食事は、齲蝕の危険性を増加させる。 より厚いプラークは、歯肉縁近辺のピットおよび亀裂ならびに口腔衛生の不良な患者において生じる。

    疾患の性質についてこの考え方から、齲蝕症の予防および処置には、歯の表面構造の強化またはストレプトコッカス・ミュータンス菌数を減少させるために、菌のための基質を減少させる手段として、例えば、食事の変更によるストレプトコッカス・ミュータンスの作用を妨げる必要があることは明白である。 したがって、既に試みられている処置としては、局所用クロロヘキシジンおよび局所用フッ化物などの薬剤を用いて生物相を変化させる試み、食事の変更およびソルビトール、アスパルタン、キシリトールなど、ストレプトコッカス・ミュータンスにより代謝し難い甘味剤に置き換えることによって食事ショ糖量を減少させること、食事選択による食事回数を減少させること、特に毎日の歯磨き時の毎日の適用によるフッ化物の添加、および唾液の流動を増大させるために、流動を減少させる薬剤の変更により、または流動を増大させる薬剤の使用により、活発な咀嚼時の機械的刺激を用いて流動を増加させること、が挙げられる。

    種々のアプローチが、齲蝕症を予防するために評価されており、例えば、1つの組成物には、ストレプトコッカス・ミュータンスに特異的なバクテリオファージによる産生された溶菌酵素が用いられる(フィシェッティ(Fischetti)らの米国特許第6,399,098号明細書)。 また、ラクトバチルス・ゼアエ(Lactobacillus
    zeae)の株は、その表面に有害なストレプトコッカスを中和する抗体を産生するために遺伝子工学により修飾されているが(ハンマーストローム L.(Hammarstrom L.)、2002年7月発行のNature Biotechnology)、遺伝子修飾生物を用いるこのアプローチは、安全性の承認が不明であるという状況に直面している。

    また、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)(ATCC53013、GG株)の1つの株は、ストレプトコッカス・サブリヌス(Streptococcus sabrinus)および一般的ストレプトコッカス・ミュータンスを減少させるプロバイオティック(probiotic)法として推進されている(ナーゼ(Nase)ら、Caries Res.35:412−420頁、2001年)。 さらなる研究により、発酵ミルク中のスターターとしてのこの株の使用により、ミルク中に存在するヒトの齲蝕原性細菌に対する抗体の力価に影響を及ぼさないことを示した(ウェイ(Wei)ら、Oral Microbio.&Immunol.17:9−15頁、2002年)。 ラクトバチルス・ラムノサスGGは、発酵特性および単離源など、多くの点でラクトバチルス・ロイテリとは異なる。 歯垢の形成に対して阻害活性を有することが見出されている他の微生物としては、腸球菌(Enterococcus)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)V20、およびラクトバチルス・ラクチス(Lactobacillus lactis)1370(オー(Oh)、米国特許第6,036,952号明細書)が挙げられる。 ストレプトコッカス・ミュータンスを阻害するために、いわゆる「競争的排除」の考え方を用いて他の研究が実施されている。 例えば、ラクトバチルス・ロイテリ株ATCC 55730は、ストレプトコッカス・ミュータンスを阻害することが示されている(ニカワ H.(Nikawa H.)ら、2002年7月11日、広島大学によりニュース報道)。 日本でLSlと呼ばれ、市販されているラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)(LSl)(フレンテ(Frente)社、日本国)の株を含有する錠剤製品は、ストレプトコッカス・ミュータンスを阻害することが主張されている。

    ラクトバチルス・ロイテリを含んでなる多種多様のラクトバチルス種の株が、プロバイオティック製剤に使用されている。 ラクトバチルス・ロイテリは、動物の胃腸管の天然常在菌の1種であり、ヒトを含む健全動物の腸管に、および時折分娩チャネル(birth
    channel)、母乳および口内に、日常的に見られる。 それは抗菌活性を有することが公知である。 例えば、米国特許第5,439,678号明細書、米国特許第5,458,875号明細書、米国特許第5,534,253号明細書、米国特許第5,837,238号明細書および米国特許第5,849,289号明細書を参照されたい。 ラクトバチルス・ロイテリ細胞は、グリセロールの存在下、嫌気条件下で増殖される場合、それらは、ロイテリン(β−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド)として公知の抗菌物質を産生する。

    従来の有機酸類の他に、「ロイテリサイクリン(Reutericyclin)」(ヘルツェル,A.(Hoeltzel,A.)ら、Angewandte Chemie International Edition39、2766−2768頁、2000年)ならびに「PCA(ピログルタミン酸)」(ヤング,Z.(Yang,Z.)ヘルシンキ大学の学位論文、2000年3月)、および「ロイテリシン6(Reutericin6)」(トバ T(Toba T)ら、Lett Appl Microbiol13:281−6頁)などの他の抗菌物質が報告されている。 ラクトバチルス・ロイテリを含んでなるラクトバチルスもまた、栄養物の局所競合および他の代謝相互作用により、ストレプトコッカス・ミュータンスなどの他の微生物を阻害する能力を有することも周知である。

    ラクトバチルス・ロイテリのムチン結合タンパク質が、単離されており、記載されている。 例えば、米国特許第6,100,388号明細書を参照されたい。 ラクトバチルス株は、種々の細胞系および宿主粘液に接着することが報告されている。 これは、プロバイティック活性に重要であると推測されており、病原菌における病原性因子の概念に由来し、膨大な数のこのような相互作用が、この数十年間に発見されている(クレム,P.(Klemm,P.)およびシェンブリ,M.A.(Schembri,M.A.)(2000)「Bacterial adhesins:function and structure.」Int.J.Med.Microbiol.290、27−35頁)。 しかしながら、口腔ムチンおよび他の出所のムチンに接着する能力にラクトバチルス株の間で重要な差異があることは、あまりよく知られていなかった。 幾つかの株は、口腔ムチンおよび他のムチン、例えば、胃ムチンの双方への接着が良好であり、他の株は、胃ムチンへの接着だけが良好であるが、口腔ムチンに対して良好さが劣り、他の株は、何れの種類のムチンに対してもあまり接着しない。 したがって、最良株を見出すことは、口腔ムチンを使用する本発明の選択方法の一部である。

    ラクトバチルス・ロイテリによる有効な抗菌活性および幾つかの結合特性の可能性が知られており、ならびにラクトバチルス・ロイテリ株ATCC 55730およびラクトバチルスGG ATCC 53103のストレプトコッカス・ミュータンス阻害作用もまた公知であり、他の幾つかの乳酸菌は、坑齲蝕症であることが主張されているが、口腔内のストレプトコッカス・ミュータンス数の減少、それによる齲蝕症を減少させる能力においてラクトバチルス株の間で相当な差異が存在し、このような株が選択できることは以前には知られていなかった。

    したがって、口腔ムチンに接着する良好な能力と組合わせて抗菌活性による口内ストレプトコッカス・ミュータンス数を減少させ、それによって齲蝕症の予防、軽減または処置が成功するような能力に関して選択されたより良好なラクトバチルス株を提供することが本発明の目的である。 ヒトへの投与のためにストレプトコッカス・ミュータンスと関連する齲蝕症の予防または処置用の薬剤など、該株、変異体、その代謝物または成分を含有する製品を提供することが本発明のさらなる目的である。

    他の目的および利点は、以下の開示および添付された特許請求の範囲からより十分に明らかになるであろう。

    本明細書の発明は、齲蝕症の予防、軽減または処置のために口腔ムチンおよび歯垢に対するラクトバチルスの良好な結合と組合わせて、阻害活性により哺乳動物の口内ストレプトコッカス・ミュータンス数を減少させる能力に関して選択されるラクトバチルス株、およびそれらの変異体、代謝物およびそれらの成分を含めたもの、ならびにヒトへの投与のための齲蝕の処置または予防用薬剤を含めた該株に由来する製品を含んでなる。

    本発明の他の目的および特徴は、以下の開示および添付された特許請求の範囲からより十分に明らかになるであろう。

    本発明は、ストレプトコッカス・ミュータンスに対する良好な抗菌活性および口腔ムチンに良好な結合特性を有し、それにより齲蝕症を予防、軽減または処置するラクトバチルスの少なくとも1種の選択株の細胞または代謝物または成分を含んでなる、齲蝕症菌の増殖および活性を阻害するための製品を提供する。 このような株としては、ラクトバチルス・ロイテリCF2−7F(ATCC PTA−4965)、ラクトバチルス・ロイテリMF2−3(ATCC PTA−4964)、特にラクトバチルス・ロイテリFJ1「プロデンチス」(ATCC PTA−5289)およびラクトバチルス・ロイテリFJ3(ATCC PTA−5290)が挙げられる。 これらの株は、American Type
    Culture Collection(ATCC)(ロックビレ、メリーランド州)で公に入手でき、最後の2つの株は、2003年7月29日に寄託されている。

    本明細書に用いられる選択方法において、ストレプトコッカス・ミュータンスの阻害効果を、細菌細胞を用いた伝統的微生物学的方法ならびに生存ストレプトコッカス・ミュータンス細胞の全細胞量とよく相関するストレプトコッカス・ミュータンスのATP(アデノシントリホスフェート)濃度を測定する方法により測定された、増殖試験株の上澄液中の分泌代謝物および成分により別個に阻害を分析することにより調べる(ニカワ H.(Nikawa H.)ら、Journal of Dentistery、第26巻、1号、31−37頁、1998年を参照)。 接着能力は、マイクロタイターウェル内にコーティングされた口腔ムチンを用いて測定する(Jonssonら2001年FEMS Microbiol.lett.204:19−22頁を参照)。 また、分泌代謝物および細胞成分により阻害および接着もまた試験する理由は、本発明が、選択評価基準を満たす非生存細胞または死細胞の部分によっても使用できるためである。

    この詳細は、実施例からより明白に解されるであろう。

    本発明の製品は、齲蝕症の予防品または処置品として、あるいは食品などの栄養または呼吸目的に、含そう剤または他の特定の健康製品、チューインガム、口内錠など歯科処置製品のために口内配置用の任意の製品であり得る。 特に本発明の使用に役立つ食品としては、ヨーグルトなどのミルク含有製品、またジュース、ドリンクなどが挙げられる。 本発明に使用できる歯科処置製品としては、練り歯磨き、液体歯みがき粉、含そう剤、坑口臭製品などが挙げられる。

    本発明の製品の有効性に必要とされる選択されたラクトバチルス細胞またはそれらの代謝物または成分の濃度は、摂取される食品のタイプおよび食品量(または非食品歯科処置製品の口内での使用時間)に依存するが、製品の毎日の口内配置当り約10 〜10 CFU(コロニー形成単位)等量を通常有することが好ましい。 約10 10 〜10 11 CFUまでの量が可能であり、製品の感覚受容特性(風味または臭い)に悪影響を及ぼすことなく有効性を増加させるために使用できる。 製品が、ヨーグルトまたは他の乳酸発酵製品である場合、製品を製造するために用いられる乳酸発酵株は、この特定の目的のために標準的な培養物が好ましいと考えられ、本発明の坑齲蝕原性菌、またはそれらの代謝物または成分は、上記に検討されたように、ヨーグルトの毎日の供給当り約10 〜10 CFU等量濃度またはそれ以上で、該製品の発酵前または発酵後のいずれかに添加できる。

    本発明の製品は、他の抗菌成分、少なくとも選択されたラクトバチルス株またはそれらの代謝物または成分を阻害するか、または殺すか、あるいは坑齲蝕原性活性を妨害するものを含有しないことが好ましい。

    ラクトバチルス株またはそれらの代謝物または成分は、そのタイプの製品製剤に関して当業界に公知の手段により成分に混合されるか、製品に混練されるか、またはコーティングされる添加物であり得る。 細胞を用いる場合、および本発明の選択された食品または他の製品の調製が加熱ステップを必要とする場合、ラクトバチルス株は、加熱後に添加すべきである。 選択されたラクトバチルス細胞を一旦製品に入れたら、該製品を60〜70℃超で長時間加熱しないことが好ましい。

    本発明の特徴は、以下の例を参照してより明確に理解されるであろうが、これらは本発明を限定するものとして解釈すべきではない。

    実施例1
    株の選択方法 本発明により用いられるラクトバチルス株の選択は、以下の3つのステップ様式で実行することができる。

    a)ラクトバチルス株細胞によるストレプトコッカス・ミュータンスの阻害効果の評価 阻害効果を測定するために使用する株の例は、ストレプトコッカス・ミュータンス、ATCC25175(The American Type Culture Collectionマナサス、ヴァージニア州、米国から入手できる)である。 この単離体を、0.5%酵母抽出液(ディフコ(Difco)、デトロイト、米国)(TSBY)で補足されたトリプチカーゼダイズブロス(ディフコ)中で増殖する。 細胞を、1000xgでの遠心分離により指数増殖期中に採取し、PBSで2回洗浄し、同じ緩衝液中に再懸濁する。 細菌凝集物を分散させるために細胞懸濁液を低強度音波装置に供する。

    試験ラクトバチルス株を、MRSブロス(ディフコ)中で増殖させ、1000xgでの遠心分離により指数増殖期中に採取し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH6.8)で2回洗浄し、同じ緩衝液中に再懸濁する。

    細菌懸濁液の光学密度を、1cmの光路を備えた1.0mlのキュベット中で測定し、この懸濁液を、1.0×10 CFU(コロニー形成単位)/mlの最終濃度に調整する。

    阻害アッセイを以下のとおり実施する。 すなわち、ストレプトコッカス・ミュータンスの懸濁液およびラクトバチルスの懸濁液は、滅菌遠心分離管(100μLの全容量)中100−0、75−25、50−50および25−75の比率で混合し、10mlまでのBHIブロスを加え、10秒間渦巻き混合し、静かに振とうしながら37℃で90分間インキュベートする。 対照としてストレプトコッカス・ミュータンスの懸濁液を、対照管(ラクトバチルスのない)中、等しい容量のPBSと混合する。 その後、各懸濁液を1000xgでの遠心分離により洗浄し、PBSで2回洗浄し、ストレプトコッカス・ミュータンスのCFUカウントを測定するためにMS寒天上に置く。 ストレプトコッカス・ミュータンスの生存%は、以下の式から得られる。

    本アッセイは、サンプルを最少でも三重の反復試験により実施すべきである。 得られた数値データは全て統計解析すべきである。

    b)ラクトバチルス株の代謝物または成分によるストレプトコッカス・ミュータンスの阻害効果の評価 ここで用いられる阻害効果を測定するために使用する株の例もまた、ストレプトコッカス・ミュータンス、ATCC25175(The American Type Culture Collection、マナサス、ヴァージニア州、米国から入手できる)である。 この単離体を、0.5%酵母抽出液(ディフコ)、デトロイト、米国)(TSBY)で補足されたトリプチカーゼダイズブロス(ディフコ)中で増殖する。 細胞を、1000xgでの遠心分離により指数増殖期中に採取し、PBSで2回洗浄し、同じ緩衝液中に再懸濁する。 細菌凝集物を分散させるために細胞懸濁液を低強度音波装置に供し、10 CFU/mLの最終濃度に調製する。

    試験ラクトバチルス株を、MRSブロス(ディフコ)中で増殖し、1000xgでの指数増殖期中に採取し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH6.8)で2回洗浄し、同じ緩衝液中に再懸濁する。

    細菌懸濁液の光学密度を、1cmの光路を備えた1.0mlのキュベット中で測定し、この懸濁液を、1.0×10 CFU/mlの最終濃度に調整する。 100μLのラクトバチルス懸濁液を、2.0mLのMRSブロスに添加し、往復式振とう(120rpm)により37℃で48時間インキュベートした。 インキュベーション後、遠心分離により除去されたラクトバチルス細胞および生じた上澄液をろ過した(ポアサイズ0.25μm)。

    阻害アッセイを以下のとおり実施した。 100μLのストレプトコッカス・ミュータンスの懸濁液を、1.0mLのTSBYに加え、ラクトバチルスの各試験株の1.0mLの上澄液を混合し、往復式振とう(120rpm)により37℃で24時間インキュベートした。 対照としてストレプトコッカス・ミュータンスの懸濁液を、対照管(ラクトバチルスのない上澄液)中、等しい容量のMRSと混合した。 その後、各懸濁液を1000xgでの遠心分離により洗浄し、PBSで2回洗浄し、増殖ストレプトコッカス・ミュータンスのアデノシントリホスフェート量を、ニカワ,H. (Nikawa H.)ら、Journal of Dentistery、第26巻、1号、31−37頁、1998年に記載された方法を用いて測定した。

    c)口腔ムチンに対するラクトバチルス株の接着能力の評価 試験されるラクトバチルス株を採取する。 該菌は、MRSブロス(ディフコ)中、37℃で16時間増殖させる。 プレートを、CO +N 雰囲気下の嫌気性ジャー(GasPak System、BBL、ベクトン・ディッキンソンマイクロバイオロジーシステムズ(Becton Dickinson Microbiology Systems)、Cockeysville、メリーランド州、米国)中でインキュベートする。

    口腔粘液をヒト唾液として採取し、遠心分離し、滅菌ろ過し、記載されているようにマイクロタイターウェルに塗布する。 該粘液を、0.05%ツイーン20(PBST)で補足された200mlの氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(dH Oの1000ml当り8.0g NaCl、0.2g KCl、1.44gのNa HPO ・2H Oおよび0.2gのKH PO )中に採取する。 細胞および粒状物質を除去するために、生じた懸濁液を先ず11000gで10分間、次に26000gで15分間遠心分離する。 代わりのムチンとしては、胃ムチン(シグマ(Sigma)、M1778)が使用される。 粗製の粘液調製物を20℃で保存する。 該粘液物質の約100μgを、50mMのNa2CO3緩衝液、pH9.7の1mlに希釈し、ゆっくりと回転させながら4℃でマイクロタイターウェル(グレイナー(Greiner))(1ウェル当り150μl)内で一晩インキュベートする。 ウェルを1%ツイーン20を有するPBSで1時間ブロックし、その後PBSTで洗浄する。 BSAを塗布したウェルを対照として用いる。

    試験する株を上記に従って増殖させ、0.05%ツイーン20(PBST)で補足されたリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.3)により1回洗浄し、同一の緩衝液中でOD 600 0.5に希釈する。 100マイクロリットルの細菌懸濁液を、各ウェルに添加し、4℃で一晩インキュベートする。 このウェルをPBSTにより4回洗浄し、倒立顕微鏡により結合を調べる。 緩衝液を注ぎ出し、ウェルを乾燥した後、BioRad Gel
    Doc2000装置(バイオラッド・ラボラトリーズ(BioRad Laboratories)、Herkules、カリフォルニア州、米国)内でウェルの全面にわたり結合を測定する。 全ての測定は、三重反復試験で行われる。

    アッセイにより、ラクトバチルス細胞を用いたストレプトコッカス・ミュータンスの阻害および該ラクトバチルスの代謝物および成分を用いるストレプトコッカス・ミュータンスの阻害の双方における最良の結果、ならびに口腔ムチンへの接着における最良の結果を示すラクトバチルス株が選択される。

    実施例2
    株の選択1. ラクトバチルス・ロイテリSD2112(ATCC 55730)
    2. ラクトバチルス・ロイテリDSM 20016(DSM 20016)
    3. ラクトバチルス・ロイテリMM2−3(ATCC PTA−4659)
    4. ラクトバチルス・ロイテリCF2−7F(ATCC PTA−4965)
    5. ラクトバチルス・ロイテリMF2−3(ATCC PTA−4964)
    6. ラクトバチルス・ロイテリMF14−C(バイオガイアAB(Biogaia AB)の微生物株保存機関、Raleigh、ノースカロライナ州、米国)
    7. ラクトバチルス・ロイテリMF52−1F(バイオガイアAB(Biogaia AB)の微生物株保存機関、Raleigh、ノースカロライナ州、米国)
    8. ラクトバチルス・ロイテリMM7(バイオガイアAB(Biogaia AB)の微生物株保存機関、Raleigh、ノースカロライナ州、米国)
    9. ラクトバチルス・ロイテリFJ1、「Prodentis」(ATCC PTA−5289)
    10. ラクトバチルス・ロイテリFJ3(ATCC PTA−5290)
    11. ラクトバチルス・サリバリウスLS1(フレンテ(Frente)社、日本国のLS1錠剤から単離)
    12. ラクトバチルス・ラムノサスGG(ATCC 53103)

    本試験において、上記に掲げたラクトバチルス株が、ストレプトコッカス・ミュータンスの阻害および口腔ムチンに対する接着の選択評価基準を用いて評価するために選択され、実施例1に記載された方法が使用される。 アッセイにより、ラクトバチルス細胞を用いたストレプトコッカス・ミュータンスの阻害および該ラクトバチルスの代謝物および成分を用いたストレプトコッカス・ミュータンスの阻害の双方における最良の結果、ならびに口腔ムチンへの接着において最良の結果を示すラクトバチルス株が選択される。 阻害結果は、表1に示され、接着結果は表2に示される。

    実施例3
    選択株を含有する製品の製造 ストレプトコッカス・ミュータンスの阻害およびムチンの結合に関して、上記の方法を用いた前述の実施例2の節における一般的に良好な増殖特性および好ましい結果に基づいて、本実施例において、ラクトバチルス・ロイテリFJ1「プロデンチス(Prodentis)」(ATCC PTA−5289)が該株をチューインガムに添加させるために選択される。 ラクトバチルス・ロイテリ株を、産業界においてラクトバチルスを増殖させる標準法を用いて増殖させ、凍結乾燥する。

    選択株を含有するチューインガムの製造工程のステップの一例は以下のとおりであり、賦形剤、充填剤、香料、カプセル化剤、潤滑剤、凝結防止剤、甘味剤および当業界に公知であるチューインガム製品の他の成分を、該製品の有効性に影響を及ぼすことなく使用できることは理解されている。 すなわち、
    1 融解。 Softisan154(サソール・ジーエムビーエイチ(SASOL GMBH)、Bad Homburg、ドイツ国)を容器に溶解し、70℃に加熱して結晶構造の完全破壊を確実にする。 次いで52〜55℃(その固化点のすぐ上)に冷却する。
    2 顆粒化。 ラクトバチルス・ロイテリの凍結乾燥粉末を、Diosna高せん断ミキサー/造粒機、または等価の機器に移す。 融解したSoftisan154を、ラクトバチルス・ロイテリ粉末に凡そ1分間でゆっくりと加える。 さらに集結させる時間は必要としない。 添加時にチョッパを使用する。
    3 湿性篩い分け。 顆粒化直後、トルネードミルを用いて顆粒を1−mmの篩い分けネットに通過させる。 篩い分けられた顆粒を、PVCコーティングアルミニウムフォイル製のアルポーチに包装し、乾燥ポーチと共にポーチを形成するためにヒートシーラにより密封し、混合まで冷凍保存する。 顆粒化バッチを2つの錠剤用バッチに分ける。
    4 混合。 ミキサー中の全成分を均一混合物へと混合する。
    5 圧縮。 最終混合物を、回転式錠剤プレスのホッパに移し、Killianコンプレッサ中、全量が765mgの錠剤に圧縮する。
    6 バルク包装。 モレキュラーシーブの乾燥ポーチと共にアルバッグ中に該チューインガムを包装する。 アルポーチをプラスチック製バケツに入れ、最終包装の前に少なくとも1週間冷所で保存する。

    産業界に標準的な工程間管理は、以下の表3に示される。

    本明細書の実施例において、次に選択されたラクトバチルス・ロイテリ培養物を、10 CFU/グラムの製品濃度で上記のとおり添加し、該チューインガムは、齲蝕を予防する方法としてヒトによって用いられる。 水素化パーム油であるSOFTISAN(商標)の使用により、ラクトバチルス細胞を脂肪中にカプセル化して環境的に保護でき、これは、本明細書における本発明の好ましい実施形態の特にユニークな別の態様である。

    上述のとおり、本発明の製品は、チューインガム以外の形態であってもよく、選択されたラクトバチルス・ロイテリ培養物を含んでなる本発明の製品を調製するために、当業界に公知である基礎製品を調製する標準法を使用することは有益である。

    ある一定の代表的な実施形態を本明細書に記載したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、変更が成され得ることを容易に認識するであろう。

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