A method of producing dairy products and it does not contain an emulsifying salt

申请号 JP2002578739 申请日 2002-04-08 公开(公告)号 JP2004519252A 公开(公告)日 2004-07-02
申请人 フォンテラ テック リミティド; 发明人 エイチ アーチャー,リチャード; エム エアード,ロン; フランシスカス ジェスターカンプ,マーセルス; ピー ダンロップ,フランク; アンドレアス ドーリッツ,パウル;
摘要 本発明は、乳化用塩の使用なしにチーズのような脂肪含有の酪農品を基材とした食品を製造する方法および該方法により製造された製品に向けられる。
权利要求
  • 酪農品を基材とした脂肪含有の安定な食品を製造する方法であって、次の工程すなわち(i)第1の乳タンパク質を基材とした組成物を用意し、
    (ii)随意に、必要とされる場合第1の乳タンパク質を基材とした組成物を脱水して全固形分を15ないし99wt%に増大し、
    (iii)工程(i)または(ii)からの生成物を、風味増強剤、テクスチャー増強剤、栄養補給剤、脂肪源、炭水化物源、調味料、第2の乳タンパク質を基材とした組成物、非酪農タンパク質源およびいずれかの他の酪農品由来製品またはGRAS成分を含む群から選択されたしかも乳化用塩または非酪農品由来乳化剤以外の少なくとも1種の添加物と結合し、そして掻き混ぜて安定な乳濁液を生じさせ、
    (iv)工程(iii)の乳濁液を50℃を越える温度に60分までの間加熱して凝固およびゲル形成を開始させ、
    (v)随意に、凝固を助けかつ所望のテクスチャー形成を与えるために、加熱工程(iv)と同時にまたは引き続いてのどちらかにて更に掻き混ぜ、
    (vi)随意に、工程(iv)または(v)の混合物を適当な形状に成形し、そして(vii)工程(iv)もしくは(v)の混合物または工程(vi)の成形された混合物を冷却して、ゲル形成を完了させおよび最終食品を生成させる工程を含み、しかも第1および/または第2の乳タンパク質を基材とした組成物を、最終食品の風味、テクスチャー、栄養組成および機能性から選択された一つまたはそれ以上の性質を変えるように改質する方法。
  • 次の随意工程すなわち(viii)冷却された食品を適当な形状に成型/成形し、および/または(ix)最終食品を適当なパッケージ中に充填する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  • 第1および/または第2の乳タンパク質を基材とした組成物が、低温殺菌されたもしくは低温殺菌されていない全乳、脱脂乳、減脂乳、脂肪増強乳、乳限外濾過滞留物、乳濃縮物、粉末化された全、減脂もしくは脱脂乳、還元された全、減脂もしくは脱脂粉乳、またはそれらのいずれかの組合わせから成る群から選択された乳または乳製品から選択され、しかもかかる乳または乳製品はいかなる乳産生動物または類似乳をも給源とされる、請求項1に記載の方法。
  • 第1および/または第2の乳タンパク質を基材とした組成物の少なくとも一方を、請求項1に記載の方法の少なくとも1つの工程において、pH調整、無機物レベル調整、タンパク質レベル調整、脂肪レベル調整、ラクトースレベル調整、水分レベル調整、NaCl/KClまたは酵素の添加、温度処理および剪断法から成る群の一つまたはそれ以上により改質する、請求項3に記載の方法。
  • 少なくとも1つの改質が、乳タンパク質の疎水性を増大する、請求項4に記載の方法。
  • 一方または両方の組成物が請求項4または5に記載されているように改質されたところの、第1および第2の乳タンパク質を基材とした組成物の両方を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  • 第1の乳タンパク質を基材とした組成物を、必要とされる場合、75%未満に増大された全固形分をもたらすよう脱水する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  • 第1および/または第2の乳タンパク質を基材とした組成物の脂肪含有率を0.05と7wt%の間に調整し、そしてタンパク質含有率を2と6wt%の間に調整する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  • 脂肪含有率を0.05と5wt%の間に調整し、そしてタンパク質含有率を2.5と4wt%の間に調整する、請求項8に記載の方法。
  • 結合工程(iii)を、乳化用塩を添加する必要なしに混合時に安定な乳濁液を生じるのに十分な機械的剪断の可能な装置において行う、請求項1に記載の方法。
  • 風味増強剤が、NaCl、KCl、乳酸、クエン酸、酢酸を含めて食品等級の酸、ラクトン、等、ラクトース、脂肪、および酵素改質チーズを含めて風味料から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  • テクスチャー増強剤が、水、食品等級の酸、ラクトース、脂肪、ガム、デンプン、炭水化物、CaCl 2 、NaClおよびKClのような一価および二価カチオンの源から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  • 少なくとも1種の酸味料の添加によりpH改質を遂行する、請求項1に記載の方法。
  • 酸味料が、食品等級の酸およびラクトンから選択される、請求項13に記載の方法。
  • 栄養補給剤が、ビタミン、無機物および炭水化物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  • 第2の乳タンパク質を基材とした組成物が、
    (a)0.05ないし7%脂肪および2ないし6%タンパク質を有する全乳、減脂乳、脱脂乳または還元された全乳、減脂乳もしくは脱脂乳、および/または(b)全固形分を15ないし98%に増大するように脱水された群(a)の乳、および/または(c)最終食品に所望性質をもたらすように改質された群(a)および/または群(b)の乳を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
  • 第1の乳タンパク質を基材とした組成物がUF滞留物でありかつ方法がチーズを製造するために用いられる場合、第2の乳タンパク質を基材とした組成物は乳濃縮物または単離物でない、請求項16に記載の方法。
  • 群(a)の乳タンパク質を基材とした組成物の脂肪およびタンパク質分が、0.05ないし5wt%脂肪および2.5ないし4wt%タンパク質を構成する、請求項16または17に記載の方法。
  • 第1および/または第2の乳タンパク質を基材とした組成物を、該組成物が脱水される前または後のどちらかにて改質する、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
  • 加熱工程(iv)を、適当な装置において、水蒸気注入、マイクロ波エネルギー、間接水蒸気または他の加熱流体、間接電気加熱、高周波、オーム加熱、等から成る群から選択された直接または間接法により、50℃を越える適当な温度まで行う、請求項1に記載の方法。
  • 加熱工程(iv)を、120℃までの温度にて行う、請求項20に記載の方法。
  • 加熱工程(iv)を結合および乳化工程(iii)と同じ装置において行い、しかも乳濁液を連続的に掻き混ぜながら50ないし120℃の間の温度範囲にて60分までの間加熱を行って凝固およびゲル形成を開始させる、請求項1、20および21のいずれか一項に記載の方法。
  • 更なる掻き混ぜ工程(v)を、加熱工程(iv)と同時に行う、請求項1、20および22のいずれか一項に記載の方法。
  • 更なる掻き混ぜ工程(v)を、加熱工程(iv)に引き続いて行う、請求項1、20および22のいずれか一項に記載の方法。
  • 加熱を、60ないし90℃にて60分までの間行う、請求項22に記載の方法。
  • 加熱を、65ないし75℃にて60分までの間行う、請求項22に記載の方法。
  • 加熱を、50と120℃の間の温度範囲にて10分までの間行う、請求項22に記載の方法。
  • 加熱を、50と120℃の間の温度範囲にて5分までの間行う、請求項22に記載の方法。
  • 冷却工程(vii)を、20℃未満の温度にて行う、請求項1に記載の方法。
  • 所望の最終食品を生成させるために、1つまたはそれ以上の更なるプロセス工程を適用する、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
  • 気泡入りのまたは泡立てられたムース様製品を生成させるために、工程(iii)の凝固性またはゲル化性混合物を通気またはホイップする、請求項30に記載の方法。
  • ゲル化タンパク質を含むところの酪農品を基材とした安定な食品であって、該食品がいかなる乳化用塩または非酪農品由来乳化剤も含有せずしかも更に伝統的方法により製造された同様な製品と比べて大いに減少された活性残留酵素および/または微生物を有する食品。
  • 硬質または半軟質チーズ、クリームチーズ、ヨーグルト、ムース、デザートおよびドレッシングから成る群から選択された、請求項32に記載の酪農品を基材とした食品。
  • プロセスチーズと比べて伝統的に製造されたチーズと同様な組成を有する成形可能な安定なチーズ製品を含む、請求項33に記載の酪農品を基材とした食品。
  • 他の食料の栄養価または機能的性質を増大する添加物として用いるための、請求項32から34のいずれか一項に記載の酪農品を基材とした食品。
  • 請求項1から31のいずれか一項に記載の方法により製造された、酪農品を基材とした食品。
  • 硬質または半軟質チーズ、クリームチーズ、ヨーグルト、ムース、デザートおよびドレッシングから成る群から選択された、請求項36に記載の酪農品を基材とした食品。
  • 他の食料の栄養価または機能的性質を増大する添加物として用いるための、請求項32または36に記載の酪農品を基材とした食品。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、酪農品を基材とした食品、酪農品を基材とした食品を製造する方法、および該方法により製造された製品に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    チーズ、ヨーグルト、等のような多くの伝統的酪農食品は、適切に風味が付与されおよびテクスチャーが付与された最終製品を生成させるために、酵素および/または生物を利用する。 一般に、伝統的方法により製造されるチーズおよび関連製品は、かかる酵素および/または微生物が所要の風味およびテクスチャーを十分に発現させるようにするために、熟成時間を必要とする。 現在用いられている種々の製造方法の多様性に因り、同じ製品名下で販売されている酪農製品特にチーズ(たとえば、チェダーチーズ、エダムチーズ、等)の風味およびテクスチャーに関して、市場において全般的バラツキがある。
    【0003】
    加えて、これらの伝統的に製造された酪農製品は残留酵素または活性微生物を含有し得るので、それらは制限された貯蔵寿命を有し、また特に高温のような条件下で貯蔵される場合、容易に変敗し得る。
    【0004】
    この問題は、プロセスチーズの製造、すなわち一般に伝統的チーズを粉砕しそして乳化用塩と共にクッキングして均質な溶融塊を形成させることを含む方法において克服され、しかして該塊は冷却すると凝固して、低い酵素および微生物活性並びにそれ故バラツキのない均一なテクスチャー、安定な風味および伝統的に製造されたチーズと比べて時間に関して改善された貯蔵寿命を有する完成チーズ様製品になる。 プロセスチーズは伝統的チーズの更なる加工を含むので、プロセスチーズは、製造するのに比較的費用がかかる。 プロセスチーズはまた、伝統的に製造されるチーズについて得られ得るテクスチャーのタイプおよび範囲に匹敵し得ない制限された範囲のテクスチャーでもって生成される傾向にある。 加えて、生じたプロセスチーズ製品は風味が乏しく、また乳化用塩を含有する。 乳化用塩の添加の結果として、これらの製品は、もはや「ナチュラル」チーズと称され得ない。
    【0005】
    プロセスチーズ製品を製造する方法であって、伝統的に製造されたチーズを用いずそして短期間で乳からプロセスチーズを生成させることを目的とする方法が、米国特許第6,183,805号明細書に記載されている。 かかる単純化方法は、発酵、酵素処理並びに/またはカードおよびホエーを形成および分離する中間工程を伴わない乳の直接転換を含む。 この方法において、低温殺菌乳が酸性化され、そしてUFに付されてUF滞留物を形成する。 UF滞留物は蒸発されてプレチーズを形成する。 次いで、プレチーズは乳化用塩と共にクッキングされてプロセスチーズ製品を形成し、しかして該プロセスチーズ製品は直ちに包装するための準備ができており、また伝統的チーズをクッキングすることにより製造されたプロセスチーズと同様な官能的性質を有する。
    【0006】
    上記のように乳の直接転換によりプロセスチーズ製品を製造する方法が米国特許第4,497,834号明細書に記載されており、しかして該方法により、乳が最終製品において所望されるものに相当する全固形分および全分の近似割合に最初に濃縮され、乳中のラクトース濃度が減少され、そして風味料および他の添加物が濃縮乳中に組み込まれた後にこの混合物は加熱によりゲル化される。 このゲル化組成物は、次いで包装されそして冷却され得る。 脂肪含有チーズについて、脂肪の均一な分布をもたらしかつ確実に脂肪分離に抗するために、乳化用塩の使用が教示されている。 しかしながら、この特許の方法により製造された製品は、米国特許第6,183,805号明細書に開示されているように、チーズまたはチーズ様の構造を本質的に有さずかつチーズ風味を本質的に有さないドウ状製品という結果となり、しかも溶融すると、ひどい油分離および粗びき粉のような粒状テクスチャーを伴った不安定な乳濁液を示した。 かかる製品は、米国特許第6,183,805号の発明者により、容認され得ないことが判明された。
    【0007】
    米国特許第6,183,804号明細書は、最初に粉末化乳タンパク質濃厚物を用意し、この粉末を還元し、脂肪およびpHの調整に付し、そして乳化用塩と共にクッキングしてプロセスチーズ製品を生成させることにより、乳の直接転換によるプロセスチーズを製造する更なる方法を記載する。 この方法は、迅速で効率的であり、伝統的なチーズ製造方法よりも労働集約性でなくかつコストが小さい。 しかしながら、上記に論考されたように、乳化用塩の使用は、かかる方法により製造されることができるチーズのタイプを制限し、またかかるチーズを一般に「ナチュラル」チーズと考えられ得ないようにする。
    【0008】
    酪農品を基材とした脂肪含有の安定な食品特に「ナチュラル」チーズ製品を製造するための迅速製造方法であって、乳化用塩または非酪農品由来乳化剤の使用を含まずかつ市場への即時配送用のバラツキのない貯蔵安定な製品をもたらす方法を提供することが望ましい。
    【0009】
    米国特許第6,177,118号明細書は、発酵または凝固を伴わない乳の直接転換による、「ナチュラル」チーズおよびプロセスチーズの両方を製造する迅速方法を記載する。 この方法は、乳滞留物と乾燥タンパク質濃厚物または単離物との結合を含む。 この混合物は80℃に2分間加熱されて均質な溶融塑性塊を形成し、しかして該塊は直ちに包装されそして冷却されてチーズ製品を固化し得る。 この方法において乳化用塩は用いられず、そして脂肪は高熱溶融物の直前に単純ブレンディングにより溶解状態に保持される。 高熱溶融物の生成はこの方法をプロセスチーズの製造方法と同様にし、従って制限された範囲のテクスチャーを有する「ナチュラル」チーズ製品しか、かかる方法により生成されそうにない。 この「ナチュラル」チーズは、溶融し、乳化用塩と結合しそして80℃に2分間加熱して更なる均質な塑性塊を生成させる(該塊は直ちに包装されそして冷却されて固体状プロセスチーズ塊を形成し得る)ことによりプロセスチーズを製造するための基材として用いられ得る。 加えて、米国特許第6,177,118号明細書は、「ナチュラル」チーズ製造の方法においてしかし発酵が本質的に起こるようにしない条件下で、スターター培養物の添加を教示する。 かかる方法は、改善安定性および慣用的に製造されたチーズ製品より長い貯蔵寿命を有するチーズ製品を達成するために、微生物の成長を停止するための後続の熱処理工程の使用を更に必要とする。
    【0010】
    米国特許第5,213,827号明細書は、プレチーズまたは「ナチュラル」チーズを製造する方法を開示する。 これは、最初に脱脂乳滞留物を生成させ、該滞留物を発酵しそして遠心分離して濃厚物を生成させることにより実行され、しかして再発酵の前に、脂肪、塩、タンパク質、等のような添加物が該濃厚物に添加されてチーズ基材を生成し得る。 該チーズ基材は発酵により更に加工されて、プロセスチーズの製造において用いるのに適したプレチーズを生成し得る。 このプレチーズは、テクスチャーが付与されて「ナチュラル」チーズを生成し得る。 しかしながら、かかる「ナチュラル」チーズは、発酵性細菌の存在に因り、依然貯蔵不安定であり得る。
    【0011】
    米国特許第4,205,090号明細書は、ホエータンパク質をチーズ中に組み込むためにやはり最初に限外濾過により脱脂乳滞留物を生成させることによる、「ナチュラル」チーズを製造する方法を開示する。 かかるUF滞留物は、次いで、凝固を開始させるためにスターター培養物および/またはレンネットの添加の伝統的方法を用いて、直ちにチーズに転換され得る。 残留の微生物および/または酵素の存在が、生じた「ナチュラル」チーズを貯蔵不安定にする。
    【0012】
    他の研究者は、微生物を用いる必要なしにチーズを製造するために、直接酸性化方法を用いてきた。 たとえば、GDLが、スターター培養物と組み合わせてまたは代わりに用いられ得る。 乳またはUF滞留物へのGDLの添加はpHを下げそしてカード形成をもたらすことになり、しかして該カードは直接的に包装されそして市場に出され得る。 しかしながら、かかる方法は、一般に、カテージチーズおよびフェタのような軟質チーズの生成においてしか用いられない。 GDLの使用の概観は、European Dairy Magazine No. 2(1989),p61〜66に与えられている。
    【0013】
    酪農品を基材とした広範な脂肪含有の安定な食品特に「ナチュラル」チーズ製品を製造する迅速方法であって、スターター培養物の添加を含まず、従って最終製品における内因性微生物成長が関心事でなく、また最終製品が製造時からバラツキのない風味およびテクスチャー、改善安定性、並びに慣用的に製造された酪農製品より長い貯蔵寿命を有する方法を提供することが望ましい。
    【0014】
    本発明の目的は、かかる方法を提供することおよび/または少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
    【発明の開示】
    【0015】
    発明の要約本発明は、酪農品を基材とした脂肪含有食品を製造する方法であって、第1の乳タンパク質を基材とした組成物を脱水して全固形分を増大し、そして少なくとも1種の添加物(好ましくは、風味増強剤、テクスチャー増強剤、栄養補給剤、脂肪源、炭水化物源、調味料、第2の乳タンパク質を基材とした組成物、非酪農タンパク質源、またはいずれかの他の酪農品由来製品もしくはGRAS成分を含むがしかしそれらに限定されない群から選択された添加物)と結合して、乳化用塩または非酪農品由来乳化剤の使用なしに安定な乳濁液を生じさせる方法を提供する。 この乳濁液は少なくとも50℃に60分までの間加熱されて凝固を開始させてゲルを形成させ、そして好ましくは、20℃未満に冷却されてゲル形成を完了させて最終製品をもたらす。 本発明の凝固およびゲル形成の条件は、テクスチャーが付与されていない溶融物を生成する先行技術方法ほど過酷でない。 一般に、少なくとも第1の乳タンパク質を基材とした組成物は、特に最終食品の所要の栄養組成、テクスチャー、機能および/または風味特性をもたらすように改質され、しかしてかかる改質は、脂肪乳化の容認され得るレベルを保証するために疎水性を少なくとも高めるように選択される。 加えて、本方法において用いられる温度、時間、剪断および圧条件を含めて、該改質は、十分な凝固を引き起こすのみならず、標準的チーズ製造方法により一般に生成されるような制限されたテクスチャーが付与された製品を生成するのではなくて広範な所望テクスチャー特性をゲル化最終製品にもたらすように選択される。
    【0016】
    かかる改質は、ラクトース調整、pH調整、無機物レベル調整(たとえば、カルシウム減少)、塩調整、ホエータンパク質調整、酵素添加(風味および/またはテクスチャーを改善するために)、水分調整(すなわち、脂肪/水の添加)、温度処理、超音波処理、剪断法またはそれらの組合わせを包含する。 かかる改質は、出発組成物においてすなわち脱水前に、または脱水後にもしくは本方法におけるいずれかの他の適当な工程において行われ得、従って本方法は先行技術方法に対して増大された融通性を有する。
    【0017】
    好ましくは、本方法は、第1および第2の乳タンパク質を基材とした組成物の結合を含み、しかもこれらの組成物の少なくとも一方は、上記に記載されたように改質されている。
    【0018】
    本方法は、回分、半連続または連続法であり得る。 好ましくは本方法は半連続法であり、そして最も好ましくは本方法は連続法である。
    【0019】
    本明細書において用いられる用語「乳タンパク質を基材とした組成物」は、乳タンパク質を含有する乳または乳製品を指す。 この用語に、脱脂乳、全乳、減脂乳、脂肪増強乳、乳限外濾過滞留物、乳濃縮物、粉乳、および溶液を形成するように還元された粉乳、並びにこれらのものから誘導された乳製品が含まれる。
    【0020】
    乳または乳製品は、いかなる乳産生動物をもまたは類似乳を給源とされ得る。
    【0021】
    本技術により作られた酪農品を基材とした安定な食品は、とりわけ、硬質、軟質もしくは半軟質チーズ、クリームチーズ、ヨーグルト、ムース、デザート、酪農ディップ、ドレッシング、または食品成分として用いるための酪農添加物を構成し得る。 所望製品に依存して、組成、風味およびテクスチャーは、本方法を実行する時、用いられる成分材料および割合を改変することにより制御される。
    【0022】
    さて、本発明は、添付図面を参照して記載される。
    【0023】
    発明の詳細な説明本発明は、慣用的に製造された製品の風味およびテクスチャー特性を有するがしかし長い貯蔵寿命、迅速な製造および市場への出荷並びに融通性のある機能性という追加的有益性を有するところの、酪農品を基材とした脂肪含有の安定な食品特に「ナチュラル」チーズ製品を製造する方法に向けられる。 特に、本方法は、乳化用塩または非酪農品由来乳化剤の添加の必要なしに脂肪含有の酪農製品を生成すると共に、生きた微生物の使用または酵素の作用要件を避け、それによって最終製品の貯蔵寿命を増加することにより改善された消費製品性能をもたらす。
    【0024】
    本方法は、広範には、少なくとも1種の酪農品を基材としたタンパク質組成物供給物流と、第2の酪農品を基材としたタンパク質組成物供給物流を含めて多数のGRAS成分(しかし乳化剤として知られた群を除く)の少なくとも一つとの結合を含み、しかして適当な加工条件下で安定な乳濁液を形成する。 該乳濁液はその形成中または引き続いてのどちらかにて加熱され、その結果凝固して所望のゲル化酪農製品を形成する。 タンパク質供給物流は、テクスチャー、風味、機能性および栄養組成を含めて最終食品の所望される性質を改質するために、様々な工程において様々なやり方にて改質され得る。 最終食品のゲル強度は、所望される最終製品のタイプに依存して制御される。 典型的最終製品は、硬質チーズ、軟質チーズ、チーズペースト、ヨーグルト、酪農ディップ、ムース、サラダドレッシング、等を包含する。 かくして、本発明は、広範な製品を製造することが可能な方法を提供する。
    【0025】
    特に、本発明は、酪農品を基材とした脂肪含有の安定な食品を製造する方法であって、次の工程すなわち(i)第1の乳タンパク質を基材とした組成物を用意し、
    (ii)随意に、必要とされる場合第1の乳タンパク質を基材とした組成物を脱水して全固形分を15ないし98wt%に、好ましくは流体組成物について15ないし60%、ペースト様組成物について50ないし75%または粉末組成物について90ないし99%に増大し、
    (iii)工程(i)または(ii)からの生成物を、風味増強剤、テクスチャー増強剤、栄養補給剤、脂肪源、炭水化物源、調味料、第2の乳タンパク質を基材とした組成物、非酪農タンパク質源、またはいずれかの他の酪農品由来製品もしくはGRAS成分を含むがしかしそれらに限定されない群から選択されたしかも乳化用塩または非酪農品由来乳化剤以外の少なくとも1種の添加物と結合し、そして掻き混ぜて安定な乳濁液を生じさせ、
    (iv)工程(iii)の乳濁液を50℃を越える温度に60分までの間好ましくは10分までの間加熱して凝固およびゲル形成を開始させ、
    (v)随意に、凝固を助けるためにおよび所望のテクスチャー改質を与えるために、前の加熱工程(iv)と同時にまたは引き続いてのどちらかにて更に追加的に掻き混ぜ、
    (vi)随意に、工程(iv)または(v)の混合物を適当な形状に成形し、そして(vii)工程(iv)もしくは(v)の混合物または工程(vi)の成形された混合物を冷却(好ましくは、20℃未満の温度に)して、ゲル形成を完了させおよび最終食品を生成させる工程を含み、しかも第1および/または第2の乳タンパク質を基材とした組成物を該方法の1つまたはそれ以上の工程において改質する方法を提供する。
    【0026】
    本発明の方法は、次の随意工程すなわち(viii)冷却または部分的に冷却された食品を適当な形状に成型/成形し、および/または(ix)最終食品を適当なパッケージ中に充填する工程を更に含み得る。
    【0027】
    最終食品はまた、冷凍、チリング(「深冷」)またはフリージング(「強力冷凍」)により貯蔵され得る。
    【0028】
    好ましい具体的態様において、掻き混ぜ工程(v)が本方法に含まれ、そして加熱工程(iv)中行われる。 一層好ましくは、結合、加熱および掻き混ぜ工程((iii)〜(v))は単一装置において行われ、それにより乳濁液の形成、凝固およびゲル化が同時にまたは連続的に行われて製品テクスチャーを与える。
    【0029】
    これらのプロセス工程は、図1、2および3に概略形態で示されている。 図1は単一の乳タンパク質を基材とした組成物流を含む方法を示し、図2は随意の第2の乳タンパク質流を含む方法を示し、そして図3は2種の乳タンパク質流を含む方法を示す。
    【0030】
    図1、2および3に基づくいくつかの具体的態様について、脱水工程(ii)は必須でなくてよい。 たとえば、出発材料が粉乳であるまたは最終製品が低い全固形分を有する場合、脱水は必要とされなくてよい、ということが理解される。
    【0031】
    改質様々な改質が列挙され、そして図1〜3中の点線はかかる改質が行われ得る随意工程を示す。 改質は、最終食品の所望のテクスチャー、風味、栄養組成または他の性質(機能的性質のような)を容易にすることである。 かかる改質は、次のものの一つまたはそれ以上を含み得る。
    【0032】
    pH調整
    これは、酸味料またはアルカリの添加により達成され得る。 好ましくは、調整は、適当な食品等級の酸またはラクトンの添加により達成される。 酸またはラクトンは添加前に水で5%w/w未満に希釈され、そしてpHの有意な局在した不均一変化を避けるように酸味料の十分な分散を保証するために、添加は乳タンパク質を基材とした組成物の適当な掻き混ぜと同時である。
    【0033】
    pH調整は最終食品の所望風味への寄与を支援し得、また乳タンパク質を基材とした組成物中のタンパク質の性質の改質を引き起こして、それにより凝固過程並びにテクスチャー付与過程およびそれ故最終製品のテクスチャーへのこれらのタンパク質の寄与に変化を与え得る。
    【0034】
    無機物レベル調整(たとえば、カルシウム減少)
    無機物レベル調整は、特定の要求される無機物の添加または適当な技法による除去を含む方法により達成され得る。 除去のために用いられ得るいくつかの方法は、濾過技法のいずれかについての適当な膜分子量(MW)カットオフ、イオン交換、適当なpHおよび当該技術において知られた他の条件を用いての、限外濾過(UF)、ダイアフィルトレーション(DF)、ルーズ逆浸透(LRO)(それ以外にナノ濾過として知られている)、酸性UFおよび酸性DFのような濾過法を包含する。 特に、「工程(ii)」下で下記に記載されるようなUFおよびDF法が用いられ得る。
    【0035】
    カルシウムレベルのような特定無機物レベルの調整は、最終食品の所要栄養組成に寄与するだけでなく、最終食品の所望風味への寄与を支援し得、また乳タンパク質を基材とした組成物中のタンパク質の性質の改質を引き起こして、それにより凝固過程並びにテクスチャー付与過程およびそれ故最終製品のテクスチャーへのこれらのタンパク質の寄与に変化を与え得る。
    【0036】
    タンパク質調整(たとえば、量を増加または減少するために)
    工程(i)の第1の乳タンパク質を基材とした組成物のタンパク質含有率は、乳透過物の添加により減少され得る。 その代わりに、タンパク質含有率は、WPC、WPI、MPC、MPI、TMP、ホエータンパク質画分のような乳タンパク質またはダイズタンパク質のようないずれかの非乳タンパク質の源を添加することにより増加され得る。 随意に、この添加は、乳と比べて増大されたタンパク質対固形分比を有する限外濾過滞留物の添加、または水和のための十分な時間でもってのタンパク質の粉末化形態の添加による。 その代わりにまたは加えて、最終食品に所望のタンパク質含有率、栄養価または機能をもたらすために、タンパク質は本方法におけるいかなる他の適当な工程においても添加され得る。
    【0037】
    脂肪調整(たとえば、量を増加または減少するために)
    工程(i)の第1の乳タンパク質を基材とした組成物の脂肪含有率は、乳タンパク質を基材とした組成物の分離、またはクリームの添加による脂肪含有率の標準化により調整され得る。 その代わりに、脂肪含有率は、クリーム、ダブルクリーム、バター、無水乳脂(AMF)、液化された新鮮な還元用凍結乳脂(FFMR)または非酪農脂肪(植物油のような)のような脂肪の適当な源を添加することにより増加され得る。 その代わりにまたは加えて、最終食品に所望の脂肪含有率をもたらすために、脂肪は本方法におけるいかなる他の適当な工程においても添加され得る。 好ましくは、脱水が蒸発および/もしくは乾燥により実行される前並びに/または結合工程において、新鮮なダブルクリームが添加される。
    【0038】
    塩調整(たとえば、NaCl、KClの添加)
    塩調整は、本方法の1つまたはそれ以上の工程において、NaClおよびKClのような特定の所要塩化合物の添加を含む方法により達成され得る。
    【0039】
    塩調整は、最終食品の所要栄養組成に寄与するだけでなく、最終食品の所望風味への寄与を支援し得、また乳タンパク質を基材とした組成物中のタンパク質の性質の改質を引き起こして、それにより凝固過程並びにテクスチャー付与過程およびそれ故最終製品のテクスチャーへのこれらのタンパク質の寄与に変化を与え得る。
    【0040】
    ラクトース調整(たとえば、最終製品の<10wt%好ましくは<6wt%を達成するための除去)
    ラクトース調整は、乳透過物の添加、乾燥ラクトース粉末もしくはラクトース含有粉末の添加を含む方法によりまたは除去方法により達成され得る。 除去のために用いられ得る方法のいくつかは、UF、DF、逆浸透(RO)、LROおよび精密濾過(MF)のような濾過法を包含する。 特に、「工程(ii)」下で下記に記載されるようなUFおよびDF法が用いられ得る。 ラクトース調整の主目的は、最終食品における所望のテクスチャー、風味および栄養組成を容易にすることであり得る。
    【0041】
    酵素添加(たとえば、テクスチャーまたは風味の発現のために)
    レンネットのような酵素は、チーズ製造方法において、伝統的凝固プロセス工程を助けるために伝統的に用いられる。 本方法において、レンネットまたは当該技術において知られたいかなる他の適当な酵素も、本方法のいくつかの工程のいずれか一つにおいて添加され得る。 添加の目的は、最終食品の所望風味への寄与を支援することであり、また乳タンパク質を基材とした組成物中のタンパク質の性質の改質を引き起こして、それにより凝固過程並びにテクスチャー付与過程およびそれ故最終製品のテクスチャーへのこれらのタンパク質の寄与に変化を与え得る。
    【0042】
    水分含有率調整(たとえば、水/脂肪/タンパク質の添加)
    水分含有率は水の添加により上方に調整され得、あるいは乳タンパク質を基材とした組成物より低い水分の生成物の添加により下方に調整され得る。 同様に、添加され得る組成物は、脂肪およびタンパク質流である。
    【0043】
    水分含有率の調整の目的は、最終食品の栄養組成およびテクスチャーに寄与することである。
    【0044】
    温度処理
    温度処理は、温度と時間の適切な組合わせへの乳タンパク質を基材とした組成物の暴露により遂行され得る。 これらの処理は、タンパク質の特性を変えおよび異なる風味を付与し得る。 温度処理の目的は、最終食品の所望風味への寄与を支援し、また乳タンパク質を基材とした組成物中のタンパク質の性質の改質を引き起こして、それにより凝固過程並びにテクスチャー付与過程およびそれ故最終製品のテクスチャーへのこれらのタンパク質の寄与に変化を与え得る。
    【0045】
    剪断/テクスチャー付与法
    剪断/テクスチャー付与法は、乳タンパク質を基材とした組成物中のタンパク質および脂肪成分の状態を改質し得る。 かかる改質は、高剪断ミキサー、高剪断ポンプ、ホモジナイザー、押出機のような装置または当該技術において知られたいかなる他の適当な装置によっても請け負われ得る。
    【0046】
    乳タンパク質を基材とした組成物のテクスチャー付与は、最終食品の所望のテクスチャーおよび/または機能性を付与し得る。
    【0047】
    改質は、当該技術において知られたいかなる他の適当な技法によっても行われ得る。
    【0048】
    工程(i)
    図1〜3の第1の乳タンパク質を基材とした組成物は、低温殺菌されたもしくは低温殺菌されていない全乳、脱脂乳、減脂乳、脂肪増強乳、乳限外濾過滞留物、乳濃縮物、粉末化された全、減脂もしくは脱脂乳、還元された全、減脂もしくは脱脂粉乳、またはそれらのいずれかの組合わせから選択された乳または乳製品を含み得る。 かかる乳は、いかなる乳産生動物またはいかなる類似乳源をも給源とされ得る。 図2および3の第2の乳タンパク質を基材とした組成物は、第1の乳タンパク質を基材とした組成物について上記に列挙された乳および乳製品の一つまたはそれ以上を含み得る。
    【0049】
    第1および/または第2の乳タンパク質を基材とした組成物は、当該技術における標準的技法を用いて最終食品の所要の栄養組成、テクスチャー、機能性および/または風味特性をもたらすように、本方法の少なくとも1つの工程において、上記に記載されたようなpH調整、無機物レベル調整(たとえば、カルシウム減少)、ホエータンパク質調整、ラクトース調整、NaCl/KCl、脂肪、水もしくは酵素の添加、温度処理、または剪断法により改質される。 第2の乳タンパク質を基材とした組成物が1種より多い乳または乳製品源を含む場合、乳または乳製品源のどちらかまたは両方が別々に改質され得る。
    【0050】
    第1および/または第2の乳タンパク質組成物の脂肪およびタンパク質含有率は、「改質」下で上記に記載されたように、0.05と7%の間好ましくは0.05と5%の間の脂肪含有率および2と6%の間好ましくは2.5と4%の間のタンパク質含有率をもたらすように調整される。
    【0051】
    好ましくは、本方法は、たとえば図2および3に示されたように、一方または両方の流れが改質された2種の乳タンパク質を基材とした組成物の使用を含む。 2種の乳タンパク質を基材とした組成物の使用は、テクスチャー、風味、機能性および栄養組成を含めて最終食品のの所望性質を達成するためのより大きい融通性を可能にする。
    【0052】
    工程(ii)
    第1の乳タンパク質を基材とした組成物は、必要とされる場合工程(ii)において、たとえば当該技術において知られた条件を用いての沈殿と分離、濾過、蒸発および/または乾燥によるような、当該技術において知られたいかなる適当な方法によっても脱水されて、液体、ペーストまたは固体の形態の組成物を形成し得る。
    【0053】
    沈殿と分離は、随意の凝固用物質処理並びにその後の酸性化、加熱および全固形分の濃縮を用いて行われ得る。 好ましい具体的態様において、低温殺菌脱脂乳は、急速凝固させる温度未満に冷却される。 通常レンネットである凝固用物質が添加される。 この薬剤がレンネットである場合、それは0.001%ないし0.01%v/vの率にて添加され、そして次いで脱脂乳は少なくとも4時間保持される。 沈殿は、pHを5.2ないし6.0の範囲内に調整するための適当な食品等級の酸またはラクトンの「インライン」注入により開始される。 導入されたこの物質は、たとえばインラインスタティックミキサーを用いて、乳流と十分に混合される。 次いで、脱脂乳は直接または間接加熱のどちらかにより40と55℃の間に加熱され、そして5分までの間保持される。 沈殿したカードはスクリーン上に捕獲され、そして次いで温かい酸性化水中で洗浄される。 次いで、カード/水の混合物は適当な装置好ましくはデカンタータイプの装置において除水され、そしてカードは随意に何らかの適当な摩砕装置により大きさについて減少される。 カードは、随意に、「流動床」または「リング」乾燥のような適切な方法を用いて4ないし8%の目標水分含有率に乾燥される。 この方法は全タンパク質分を濃縮し、また水分、ラクトース、無機物およびホエータンパク質含有率並びに乳タンパク質を基材とした組成物のpHを変える。
    【0054】
    濾過は、濾過技法のいずれかについての適当な膜MWカットオフ、適当なpHおよび当該技術において知られた他の条件を用いての、UF、DF、RO、LRO(それ以外にナノ濾過として知られている)、MF、酸性UFおよび酸性DFにより行われ得る。 UFおよび/またはDFの場合について、乳タンパク質を基材とした組成物は、随意に低温殺菌され得、また全乳の加工の場合においては適当な脂肪レベルに標準化される。 「乳」温度は、0から60℃の範囲にあり得るがしかし好ましくは5ないし15℃または45ないし55℃の範囲にあるところの所要の膜濾過供給物温度に調整される。 次いで、乳は、当該技術において知られた適当なプラント設計および適当な選定MWカットオフの膜を用いての連続または回分限外濾過により濃縮されて、無脂肪固形分中50ないし90%好ましくは70ないし85%タンパク質の乳タンパク質レベルを有する滞留物流を生じる。 無脂肪固形分中の目標タンパク質比率を達成するために、必要に応じてダイアフィルトレーションが用いられる。 これは、回分もしくは連続法の場合においてUFプラントの1つもしくはそれ以上の段への水の連続添加を通じてまたは回分UF法の場合において滞留物中への1回もしくはそれ以上にての回分添加によってのどちらかであり得る。 このダイアフィルトレーション水は、用いられている方法について適当な温度にある。 UFおよび/またはDF法は、乳またはダイアフィルトレーション水への希酸の添加により、5.4ないし6.8の範囲の低下された乳pHしかし好ましくは5.7ないし6.1の範囲のpHにて行われ得る。 用いられる酸は、好ましくは、添加前に5%w/w未満に希釈された乳酸またはクエン酸のような食品等級の酸であり、そして乳は、好ましくは、10℃未満好ましくは5℃未満にある。 生じた酸性化滞留物は、随意に、適切なアルカリ薬剤で好ましくは希薄NaOHで6ないし6.8のpHにpH調整され得る。 UF/DF法は、全乳について60%までの全固形分そして脱脂乳について40%までの全固形分好ましくは全乳について45%までの全固形分そして脱脂乳について23%までの全固形分の収量を獲得し得る。
    【0055】
    上記の方法は全タンパク質および脂肪分を濃縮し、また水分、ラクトースおよび無機物含有率並びに随意に乳タンパク質を基材とした組成物のpHを変える。
    【0056】
    蒸発は、75%までの全固形分好ましくは65%までの全固形分をもたらすように、流下フィルム、上昇フィルム、フラッシュまたは掻き混ぜ式薄膜蒸発のような当該技術において知られた技法により行われ得る。 随意に、濃縮物の流動性を高めるためにおよび最終食品中の所望脂肪含有率に寄与するために、これらの技法のいずれかの使用に先だって「脂肪」流が添加され得る。 好ましくは、35ないし80%脂肪最も好ましくはおおよそ75%脂肪の新鮮なクリームが添加され、そして好ましくは、蒸発を経るところの乳タンパク質を基材とした組成物の脂肪含有率は、乾燥物中55%脂肪を越えない。 好ましくは、蒸発器内の生成物温度は、いつも65℃一層好ましくは60℃を越えるべきでない。
    【0057】
    更なる脱水もまた、99%までの全固形分(w/w)をもたらすように、ローラー、噴霧、リングまたは凍結乾燥のような乾燥技術において知られた技法により行われ得る。 随意に、最終食品中の所望脂肪含有率に寄与するために、これらの技法のいずれかの使用に先だって「脂肪」流が添加され得る。 好ましくは、35ないし80%脂肪最も好ましくはおおよそ75%脂肪の新鮮なクリームが添加され、そして好ましくは、脱水を経るところの乳タンパク質を基材とした組成物の脂肪含有率は、乾燥物中55%脂肪を越えない。 好ましくは、生成物温度は、70℃を越えるべきでない。
    【0058】
    第1および第2の乳タンパク質を基材とした組成物の両方が本方法において用いられる場合、どちらかまたは両方の組成物が、必要なら上記に記載されたように脱水され得る。
    【0059】
    工程(iii)
    好ましくは、結合工程(iii)は、乳化用塩を添加する必要なしに混合時に均質な乳濁液を生じるように、十分な機械的剪断の十分な掻き混ぜが可能な装置において行われ得る。 かかる適当な装置の例は、押出機、オーガー装置、インラインスタティックミキサー、Blentech TM二軸スクリューレイダウンクッカー、Stephan TM型クッカー、Rototherm TM蒸発器、および当該技術において知られたいかなる他の適当な装置も包含する。 好ましくは、添加されるべき脂肪流が最初に導入されそして必要とされる場合液化され、次いで最終製品に所望の組成およびテクスチャーをもたらすために必要とされる水、次いで高濃度の乳タンパク質を基材とした組成物、次いで風味料のような他の液体またはペースト成分、次いで粉末化成分、次いで酸が導入されるように、様々な流れが結合装置中に添加される。 成功的な水和を保証するために、粉末はゆっくり添加されることが重要である。 すべての成分が添加された後、すべての成分の適正な水和を保証するために並びに均質な混合物を保証するためにおよび諸成分の十分な乳化を保証するために、5ないし30分最も好ましくは10ないし20分の期間混合が続行されることが好ましい。
    【0060】
    工程(iii)において生成された乳濁液は、脂肪が後続のプロセス工程の前および中乳化されたままにあることにおいて安定である。 特に、該乳濁液は、本方法において用いられた乳タンパク質を基材とした組成物の少なくとも一つがその疎水性を高めるように改質された結果として形成される。
    【0061】
    水、風味料、テクスチャー付与剤、栄養補給剤、酸、追加的タンパク質源、等を含めて、多数のGRAS成分および他の添加物は、結合工程(iii)において添加され得る。
    【0062】
    結合工程(iii)において添加され得る風味増強剤は、好ましくは、NaCl、KCl、食品等級の酸(乳酸、クエン酸、酢酸、等のような)、ラクトース、脂肪および風味料(酵素改質チーズを含めて)から成る群の一つまたはそれ以上から選択される。
    【0063】
    工程(iii)において添加され得るテクスチャー増強剤は、好ましくは、水、食品等級の酸、ラクトース、脂肪、ガム、デンプン、炭水化物、一価および二価カチオンの源(CaCl 2 、NaClおよびKClのような)から成る群の一つまたはそれ以上から選択される。
    【0064】
    pH改質は、工程(iii)において、食品等級の酸および/またはラクトンのような酸味料の添加により遂行され得る。 好ましくは、この添加は、すべての他の成分が添加された後である。
    【0065】
    工程(iii)において添加され得る栄養補給剤は、好ましくは、ビタミン、無機物、炭水化物、プレバイオティック(「生物学的前駆物質」)および生物活性剤から成る群の一つまたはそれ以上から選択される。
    【0066】
    工程(iii)において添加され得る調味料は、好ましくは、風味付与用塩、スパイス、ハーブ、賽の目状フルーツおよび野菜、等を含む群の一つまたはそれ以上から選択される。
    【0067】
    工程(iii)において添加され得る非酪農タンパク質は、ダイズタンパク質、コムギタンパク質またはいかなる他の適当な非乳由来タンパク質源をも含む群の一つまたはそれ以上から選択され得る。 本方法がチーズ製造のために用いられる場合、本発明の更なる具体的態様において、第1の乳を基材としたタンパク質組成物がUF滞留物であるとき、非酪農タンパク質はタンパク質濃厚物または単離物でない。
    【0068】
    工程(iii)において添加され得るところの第2の乳タンパク質を基材とした組成物は、低温殺菌されたもしくは低温殺菌されていない全乳、脱脂乳、減脂乳、脂肪増強乳、乳限外濾過滞留物、乳濃縮物、粉末化された全、減脂もしくは脱脂乳、還元された全、減脂もしくは脱脂粉乳、またはそれらのいずれかの組合わせから選択された乳または乳製品を含む群の一つまたはそれ以上を含み得る。 かかる乳は、いかなる乳産生動物またはいかなる類似乳源をも給源とされ得る。
    【0069】
    好ましくは、第2の乳タンパク質を基材とした組成物は、
    (a)0.05ないし7wt%脂肪好ましくは0.05ないし5wt%脂肪および2ないし6wt%タンパク質好ましくは2.5ないし4wt%タンパク質を有する全乳、減脂乳、脱脂乳または還元された全乳、減脂乳もしくは脱脂乳、および/または(b)全固形分を15ないし98wt%に増大するように脱水された群(a)の乳、および/または(c)最終食品に所望性質をもたらすように改質された群(a)および/または群(b)の乳を含む群から選択される。
    【0070】
    更なる具体的態様において、本方法がチーズ製造のために用いられる場合、第1の乳タンパク質を基材とした組成物がUF滞留物であるとき、第2の乳タンパク質を基材とした組成物は乳タンパク質濃厚物または単離物でない。
    【0071】
    着色料、風味料、等のような食品製造において通常用いられるいかなる数の他の添加物も本方法において添加され得る、ということが理解される。
    【0072】
    工程(iv)
    加熱工程(iv)は、適当な装置において、水蒸気注入、マイクロ波エネルギー、間接水蒸気または他の加熱流体、間接電気加熱、高周波、オーム加熱、等を含めて直接または間接法により、50℃を越える適当な温度まで行われ得る。 一つの具体的態様において、加熱は、好ましくは、結合および乳化工程(iii)と同じ装置において行われる。 凝固およびゲル形成を開始させるために、加熱工程は、好ましくは、乳濁液を連続的に混合しながら好ましくは50ないし120℃一層好ましくは60ないし90℃最も好ましくは65ないし75℃の間の温度範囲に、60分まで好ましくは10分未満一層好ましくは5分未満の期間行われる。 時機は、用いられる成分の性質および組成並びに製造される特定の最終製品の性質に依存して変動する。 前の諸工程のいずれか一つにおいて酵素添加があった場合、加熱工程は酵素のかなりの失活をもたらすことになり、そのため最終製品における残留活性は大いに減少され、好ましくは残留活性はない。 加えて、この工程はまた、内因性微生物活性を大いに減少する。
    【0073】
    混合物がペースト様外観から凝集性ゲルに変化し始める時、凝固が観察される。 上記に論考されたように、標準的なプロセスチーズ製造において生成されるような制限されたテクスチャーの溶融塊の生成を避ける一方、生じたゲル化生成物に広範な所望テクスチャーの発現を起こす条件下で、この工程は行われる。
    【0074】
    工程(v)
    好ましくは、更なる掻き混ぜ工程(v)は、最終ゲル化生成物に所望テクスチャーをもたらすように、十分な機械的剪断の可能な装置において行われ得る。 かかる適当な装置の例は、押出機、オーガー装置、Blentech TM二軸スクリューレイダウンクッカー、Damrow一軸スクリューレイダウンクッカー、Rototherm TM蒸発器、および当該技術において知られたいかなる他の適当な装置も包含する。
    【0075】
    好ましくは、更なる掻き混ぜ工程(v)は、加熱工程(iv)と同時にまたは引き続いて、好ましくは同じ装置において行われる。 最も好ましくは、工程(iii)〜(v)は、同じ装置において同時に行われる。
    【0076】
    工程(vi)
    成形工程(vi)は随意であり、そして当該技術において知られたいかなる適当な方法によっても、たとえば、押出機もしくは当該技術において知られたいずれかの他の装置を用いることによって機械的にまたは比較的小さい回分について手によって工程(iv)のゲル化性混合物が適当な形状に成形され得るという方法により行われ得る。 加えて、成形工程は、ゲル化性混合物の部分的冷却の前または後に行われ得る。
    【0077】
    工程(vii)
    冷却工程(vii)は、当該技術において知られたいかなる適当な技法によっても行われ得る。 これらの技法は、深冷水浴、表面掻き取り式冷却器、冷ベルト、冷テーブル、冷ローラー、冷型または冷トンネルを包含し得る。 ゲル形成を完了させるために、成形されたゲル化性混合物は、好ましくは20℃未満一層好ましくは15℃未満の温度に冷却される。 冷却する一つの方法は、ゲル化性混合物を「プロセス」チーズの製造において広く用いられているような「冷テーブル」と接触させることである。
    【0078】
    その代わりに、熱い凝固されたゲル化混合物は直接的に包装され得、そしてゲル形成は上記に記載された方法を用いてまたは単に貯蔵中冷えるようにさせておくことによるのどちらかにて、冷却すると完了され得る。
    【0079】
    工程(viii)および(ix)
    成型および包装工程(それぞれ(viii)および(ix))は随意であり、そして当該技術において知られたいかなる適当な方法によっても行われ得る。 しかしながら、好ましい具体的態様において、市場への即時配送のための準備ができている製品をもたらすために、ゲル化酪農製品は、当該技術において知られた適当な技法により、冷却され、成形/成型されそして個々の分量に包装される。
    【0080】
    加えて、所望の最終食品を生成させるために、更なるプロセス工程が本方法に適用され得る。 たとえば、ムースのような気泡入りまたは泡立て製品を生成させることが所望される場合、工程(iii)の乳濁液は通気またはホイップされ得る。
    【0081】
    本発明は、更に、ゲル化タンパク質を含むところの酪農品を基材とした安定な食品であって、該食品がいかなる乳化用塩または非酪農品由来乳化剤も含有せずしかも更に伝統的方法により製造された同様な製品と比べて大いに減少された活性残留酵素および/または微生物を有する食品を提供する。
    【0082】
    酪農品を基材とした該食品は、最終の水分、脂肪および風味料含有率に依存して、とりわけ、硬質もしくは半軟質チーズ、クリームチーズ、ヨーグルト、ムース、デザートまたはドレッシングを含み得る。 望ましくは、該食品は、プロセスチーズとは対照的に伝統的に製造されたチーズと同様な組成を有する成形可能な安定なチーズ製品である。 加えて、酪農品を基材とした該食品は、他の食料の栄養価または機能的性質を増大するために、添加物として用いられ得る。
    【0083】
    本発明は、更に、本発明の方法による酪農品を基材とした食品を提供し、しかして該食品は、該方法において用いられた改質のタイプおよびレベルに依存して、とりわけ、硬質もしくは半軟質チーズ、クリームチーズ、ヨーグルト、ムース、デザートまたはドレッシングを含み得る。 加えて、酪農品を基材とした該食品は、他の食料の栄養価または機能的性質を増大するために、添加物として用いられ得る。
    【0084】
    本特許明細書において挙げられたいかなる範囲も、記載範囲内のあり得る値のすべてを固有的に包含するよう意図されている。
    【0085】
    本発明はまた、広範には、本願の明細書において言及または指摘された部分品、要素および特徴(個々にまたは集合的に)並びにかかる部分品、要素または特徴のいずれか二つまたはそれ以上のいずれかのまたはすべての組合わせに存すると言われ得、また本発明が関する技術において公知の等価物がある特定の完全体が本明細書において挙げられている場合、かかる公知の等価物は、個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれると考えられる。
    【0086】
    本発明は前記のものに存し、そしてまた実施例を与える次のものの構成概念を想定する。
    【実施例1】
    【0087】
    この例は、コルビーチーズと特性上同様なチーズ製品の製造を例示する。
    【0088】
    新鮮な全乳3,500kgを3.5%脂肪に標準化し、そして低温殺菌した(73℃で16秒間)。 次いで、この標準化全乳を50℃に加熱後、おおよそ4.2kg供給物/kg滞留物の濃縮率を用いて、連続限外濾過(米国マサチューセッツ州ウイルミントンのKoch Membrane SystemsからのKoch HFK 131螺旋巻き膜)により濃縮した。 これにより、29.2%全固形分の組成でもって、830kgの生じたUF滞留物収量がもたらされた。
    【0089】
    この滞留物を4℃に冷却しそして4℃の水で希釈して、12°Brixの滞留物屈折率がもたらされ、そして3%w/w乳酸の注意深い添加および混合によりpHを5.8に下げた。
    【0090】
    次いで、この酸性化滞留物を50℃に加熱し、そしてダイアフィルトレーションした。 屈折率を12°Brixに維持するように水が連続的に添加され、また5.9より大でないpHを維持するように3%w/w乳酸の添加により、滞留物のpHは調節された。 ダイアフィルトレーションは、乳中の全カルシウムの35%が除去されるまで続行された。
    【0091】
    ダイアフィルトレーション後、5%w/wNaOHを用いてこの滞留物425リットルを6.4のpHに調整し、次いで50℃における限外濾過(Koch HFK 131膜)により、33.1%全固形分、15.1%全タンパク質、12.7%乳脂、1.1%全灰分および1.1%ラクトースに回分濃縮した。
    【0092】
    この滞留物の一部すなわち20kgを4℃に冷却し、そして後の使用のために保持した(成分A)。 残部すなわち405kgを二重効用式流下フィルム蒸発器において60℃の最大生成物温度にて蒸発させ、そして次いで導入空気温度180℃、主室流出空気温度80℃、生成物供給圧110〜140バールおよび統合された静的流動床空気温度75℃でもって噴霧乾燥した(一体流動床を備えたAnhydroコンパクト型ノズル乾燥機,デンマーク国ソボーグ−コペンハーゲンのAPV Nordic Anhydro)。 その結果は、97.6%全固形分、45.1%全タンパク質、37.5%脂肪、3.13%全灰分、3.31%ラクトースおよび当初の乳と比べて41%のカルシウム対タンパク質比の減少である全乳タンパク質濃厚物粉末(WMPC)(成分B)であった。
    【0093】
    新鮮なクリームを低温殺菌しそして75%乳脂の高脂肪含有率まで分離し、そして使用まで50℃に保持した(成分C)。
    【0094】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45,米国カリフォルニア州94927ローネートパークのBlentech Corporation)を40℃に予熱し、次いで4℃の成分A3.4kg、50℃の成分C2.1kg、塩(NaCl)0.17kgおよび温水(70℃)2.1kgを添加し、次いで1分の期間にわたって混合した。 スクリュー速度は、45rpmであった。
    【0095】
    次いで、間接加熱により温度をおおよそ45ないし50℃に維持しながら、成分B5.0kgを次の1分にわたって添加して、12.77kgの全塊がもたらされた。
    【0096】
    混合を、更に19分間続行した。 スクリュー速度は、45rpmにて不変であった。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0097】
    次いで、動作速度を120rpmに増加し、そして調理用水蒸気の直接注入により、温度を4分にわたって45℃から70℃にゆっくり上げた。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0098】
    熱凝塊を遅い掻き混ぜ機速度にてレイダウンクッカーの末端ゲートを通じてプラスチック袋中に排出し、シールし、そして深冷ステンレス鋼表面(「冷テーブル」,表面温度おおよそ2℃)上で約20mm厚の平シートに成形しそして60分間冷却した。 袋に入れられたこの生成物は頻繁に該冷テーブル上でひっくり返され、そして次いで5℃の冷室条件にて貯蔵された。
    【0099】
    生じた最終生成物は、次の近似組成すなわち60%全固形分、21%全タンパク質、36%脂肪、乾燥物中60%脂肪、1.6%塩(NaCl)および6.2のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0100】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品はコルビーチーズのものと同様な色およびテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例2】
    【0101】
    この例は、チェダーチーズと特性上同様なチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0102】
    新鮮な全乳を分離して、0.08%脂肪の脱脂乳3,300リットルがもたらされた。 この脱脂乳を低温殺菌し(73.5℃で16秒間)、そして4℃に冷却した。 分離中に除去されたクリームを低温殺菌し、4℃に冷却し、そして後の段階にてブレンドし戻すために取っておいた。
    【0103】
    該脱脂乳のpHを3%w/w乳酸の注意深い添加および混合により5.9に下げ、そして105分間保持した。 次いで、おおよそ5.2kg供給物/kg滞留物の濃縮率を用いて、15℃の温度にて連続限外濾過(Koch HFK 131膜)により、この脱脂乳を濃縮した。 脱脂乳16部当たり水約1部の比率にて、連続ダイアフィルトレーション水をプラント中に添加した。 これにより、20%全固形分、15.8%乳タンパク質の組成および乳中の全カルシウムのおおよそ40%の除去でもって、630リットルの生じたUF滞留物収量がもたらされた。
    【0104】
    この滞留物の一部を4℃に冷却し、そして後の使用のために保持した(成分A)。 乾燥物中25.3%の脂肪を有するところの滞留物/クリーム混合物をもたらすよう所要重量比にて、残部を40%脂肪レベルのクリーム(当初の全乳の分離からの)とブレンドした。 次いで、導入空気温度180℃、主室流出空気温度72℃、生成物供給圧90バールおよび統合された静的流動床空気温度75℃でもって、このブレンドを噴霧乾燥した(一体流動床を備えたAnhydroコンパクト型ノズル乾燥機)。 その結果は、98%全固形分、57.3%タンパク質、および当初の脱脂乳と比べて36%のカルシウム対タンパク質比の減少である脱脂乳タンパク質濃厚物粉末(SMPC)(成分B)であった。
    【0105】
    新鮮な高脂肪クリーム(成分C)を、実施例1に記載されたように生成させた。
    【0106】
    加えて、低温殺菌脱脂乳を次のように加工した。 脱脂乳1,800リットルを低温殺菌し、8℃に冷却し、そして次いで子ウシレンネットエキスを1:18,000の比率にて添加した。 この脱脂乳を、掻き混ぜないでおおよそ14時間保持した。 次いで、食品等級の酸のインライン注入によりpHを5.4に下げ、45℃に加熱し、そして5分間保持し、しかしてこの時間中にカード沈殿物が形成した。 次いで、傾斜型脱ホエースクリーンにより、このカードをホエーから分離した。 次いで、当初の脱脂乳1リットルについて洗浄水0.5リットルの比率を用いて、このカードをおおよそ32℃およびpH2.6の酸性化水中で洗浄した。 次いで、横型固体ボウルデカンター遠心分離機(Sharples J83P−2000CV,米国ペンシルベニア州ウォーミニスターのPenwalt Corporation)にポンプ輸送することにより、このカード/水混合物を除水して、おおよそ53%の水分を有するカードがもたらされた。 Urschel Comitrol摩砕機によって加工することにより、このカードを摩砕して粒子サイズの減少を達成した。 次いで、リング乾燥機(Barr and Murphy,英国バークシャー州メーデンヘッド)において、180℃の導入空気温度および70℃の流出空気温度でもって、この摩砕カードを乾燥した。 この乾燥カードを180μm開口スクリーンに通して篩って、大きすぎる物質を除去した。 この篩われたカード生成物(成分D)は、6.8%水分、0.5%脂肪、87.4%タンパク質、1.2%ラクトース、400mmol/kgのカルシウムレベルの組成および6.0のpHを有していた。
    【0107】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45)を40℃に予熱し、次いで50℃の成分C4.5kg、4℃の成分A3.8kg、成分B5.2kg、成分D0.25kgおよび塩(NaCl)0.25kgを添加し、次いで2分の期間にわたって、50℃の温度を達成するために間接加熱を適用しながら混合した。 スクリュー速度は、120rpmであった。
    【0108】
    次いで、天然酪農風味料(Maverik JLS 2040,米国ウィスコンシン州ソークビルのMaverik Flavors and Ingredients, LLC)0.45kgおよび80%w/w乳酸0.02kgを添加した。 スクリュー速度を変えないで120rpmにて、混合を更に14分間続行した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0109】
    調理用水蒸気の直接注入により、温度を2分にわたって50℃から70℃に上げた。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0110】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、そして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵した。
    【0111】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち68.0%全固形分、26.4%全タンパク質、32.0%脂肪、3.8%全灰分、1.9%塩(NaCl)、5.8%ラクトースおよび5.49のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0112】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品はチェダーチーズのものと同様な色およびテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例3】
    【0113】
    この例は、コルビーチーズと特性上同様なチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0114】
    新鮮な全乳を分離して、0.08%脂肪の脱脂乳9,800リットルがもたらされた。 この脱脂乳を低温殺菌し(73.5℃で16秒間)、そして6℃に冷却した。 分離中に除去されたクリームを低温殺菌し、4℃に冷却し、そして後の段階にてブレンドし戻すために取っておいた。
    【0115】
    該脱脂乳のpHを3%w/w乳酸の注意深い添加および混合により5.9に下げ、そして80分間保持した。 次いで、おおよそ4.5kg供給物/kg滞留物の濃縮率を用いて、15℃の温度にて連続限外濾過(Koch HFK 131膜)により、この脱脂乳を濃縮した。 脱脂乳42部当たり水約1部の比率にて、連続ダイアフィルトレーション水をプラント中に添加した。 これにより、18.7%全固形分、14.5%乳タンパク質の組成および乳中の全カルシウムのおおよそ42%の除去でもって、2,170リットルの生じたUF滞留物収量がもたらされた。
    【0116】
    乾燥物中38%の脂肪を有するところの滞留物/クリーム混合物をもたらすよう所要重量比にて、滞留物を40%脂肪レベルのクリーム(当初の全乳の分離からの)とブレンドした。 次いで、Wiegand二重効用式流下フィルム蒸発器(独国76275エットリンゲン・アインシュタインシュトラーセ9−15のGEA Wiegand, GmbH)において、57℃の最大生成物温度でもって、このブレンドを蒸発させた。 これにより、43%全固形分の生じた濃厚物がもたらされた。
    【0117】
    次いで、Artisan掻き混ぜ式薄膜蒸発器(米国マサチューセッツ州ウォルサムのArtisan Industries Inc)において43℃の生成物温度にてこの濃厚物を更に蒸発させて、48.5%の全固形分レベルを有するペースト(成分A)がもたらされた。
    【0118】
    加えて、新鮮な全乳を分離して、0.08%脂肪の脱脂乳7,540リットルがもたらされた。 この脱脂乳を低温殺菌し(73.5℃で16秒間)、そして4℃に冷却した。 分離中に除去されたクリームを低温殺菌し、4℃に冷却し、そして後の段階にてブレンドし戻すために取っておいた。
    【0119】
    該脱脂乳のpHを3%w/w乳酸の注意深い添加および混合により5.9に下げ、そして90分間保持した。 次いで、おおよそ5.0kg供給物/kg滞留物の濃縮率を用いて、15℃の温度にて連続限外濾過(Koch HFK 131膜)により、この脱脂乳を濃縮した。 脱脂乳46部当たり水約1部の比率にて、連続ダイアフィルトレーション水をプラント中に添加した。 これにより、18.7%全固形分、14.2%乳タンパク質の組成および乳中の全カルシウムのおおよそ45%の除去でもって、1,500リットルの生じたUF滞留物収量がもたらされた。
    【0120】
    乾燥物中39.6%の脂肪を有するところの滞留物/クリーム混合物をもたらすよう所要重量比にて、該滞留物を40%脂肪レベルのクリーム(当初の全乳の分離からの)とブレンドした。 次いで、Wiegand二重効用式流下フィルム蒸発器において、57℃の最大生成物温度でもって、このブレンドを蒸発させた。 これにより、43%全固形分の生じた濃厚物がもたらされた。
    【0121】
    次いで、導入空気温度185℃、主室流出空気温度68℃、生成物供給圧95ないし110バールおよび統合された静的流動床空気温度70℃でもって、この濃厚物を噴霧乾燥した(一体流動床を備えたAnhydroコンパクト型ノズル乾燥機)。 その結果は、95.3全固形分、43.4%タンパク質、乾燥物中39.6%脂肪および当初の脱脂乳と比べて47%のカルシウム対タンパク質比の減少である脱脂乳タンパク質濃厚物粉末(SMPC)(成分B)であった。
    【0122】
    実施例2において成分Dを製造するために用いられたのと同じ方法により、更なる成分を製造した。 このカード生成物(成分D)は、5.2%水分、0.4%脂肪、88.4%タンパク質、1.4%ラクトース、425mmol/kgのカルシウムレベルの組成および5.9のpHを有していた。
    【0123】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45)を40℃に予熱し、次いで成分A10.45kgを添加し、そして5分間撹拌しながら47℃の温度に間接加熱した。 スクリュー速度は、130rpmであった。 スクリュー速度を160rpmに増加し、そして成分B3.15kg、成分D0.25kg、塩(NaCl)0.25kgおよびクエン酸粉末0.05kgを1分の期間にわたって添加した。 160rpmのスクリュー速度にて、混合を更に6分間続行した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0124】
    次いで、動作速度を80rpmに減少した。 調理用水蒸気の直接注入により、温度を2分にわたって50℃から70℃に上げた。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0125】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、そして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵した。
    【0126】
    生じた最終生成物は、次の近似組成すなわち60.5%全固形分、27.3%全タンパク質、23.2%脂肪、3.8%全灰分、1.9%塩(NaCl)、6.2%ラクトース、5,140mg/kgのカルシウムレベルおよび5.53のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0127】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品はコルビーチーズのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例4】
    【0128】
    この例は、エダムチーズと特性上同様なチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0129】
    脱脂乳UF滞留物を、実施例3の成分Aの製造においてのように製造した。 実施例3においてのようにしかし乾燥物中41%の脂肪を有するところの滞留物/クリーム混合物をもたらすよう所要重量比にて、この滞留物を40%脂肪レベルのクリームとブレンドした。 次いで、Wiegand二重効用式流下フィルム蒸発器において、57℃の最大生成物温度でもって、このブレンドを蒸発させた。 これにより、40.5%全固形分の生じた濃厚物がもたらされた。
    【0130】
    次いで、Artisan掻き混ぜ式薄膜蒸発器において、39℃の生成物温度にてこの濃厚物を更に蒸発させて、46.1%の全固形分レベルを有するペースト(成分A)がもたらされた。
    【0131】
    新鮮な高脂肪クリーム(成分C)を、実施例1に記載されたように生成させた。
    【0132】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45)を40℃に予熱し、次いで成分A8.1kg、成分C2.45kg、実施例3に記載されたような成分B3.1kg、実施例3に記載されたような成分D0.25kg、塩(NaCl)0.245kgおよび80%w/w乳酸0.03kgを2分の期間にわたって添加した。 スクリュー速度は、50rpmであった。 このスクリュー速度にて、混合を更に9分間続行した。 次いで、スクリュー速度を160rpmに増加し、そして混合を更に8分間続行した。 次いで、スクリュー速度を160rpmに維持しながら、天然酪農風味料(Maverik JLS 2131,米国ウィスコンシン州ソークビルのMaverik Flavors and Ingredients, LLC)0.75kgを添加しそして1分にわたって掻き混ぜ込んだ。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0133】
    次いで、動作速度を80rpmに減少した。 調理用水蒸気の直接注入により、温度を3分にわたって45℃から70℃に上げた。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0134】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、そして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵した。
    【0135】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち62.3%全固形分、23.1%全タンパク質、30.9%脂肪、3.4%全灰分、1.8%塩(NaCl)、4.9%ラクトース、4,290mg/kgのカルシウムレベルおよび5.51のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0136】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品はエダムチーズのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例5】
    【0137】
    この例は、半硬質チーズテクスチャーを有するチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0138】
    新鮮な全乳を低温殺菌し(73℃で16秒間)、分離し、そして次いで脂肪標準化して、3.8%タンパク質、4.75%乳脂および12%全固形分の乳3,480リットルを生成させた。
    【0139】
    この全乳を5℃に冷却しそして次いでこの乳のpHを3%w/w乳酸の注意深い添加および混合により5.95に下げ、そして90分間保持した。 次いで、おおよそ4.2kg供給物/kg滞留物の濃縮率を用いて、45℃の温度にて連続限外濾過(Koch HFK 131膜)により、この乳を濃縮した。 全乳9部当たり水約1部の比率にて、連続ダイアフィルトレーション水をプラント中に添加した。 これにより、31.7%全固形分、12.2%乳タンパク質の組成および乳中の全カルシウムのおおよそ40%の除去でもって、825リットルの生じたUF滞留物収量がもたらされた。
    【0140】
    Wiegand二重効用式流下フィルム蒸発器において、57℃の最大生成物温度でもってこの全乳滞留物を蒸発させて、おおよそ45%全固形分の濃厚物を生成させた。
    【0141】
    次いで、Artisan掻き混ぜ式薄膜蒸発器において、36℃の生成物温度にてこの濃厚物を更に蒸発させて、55.7%の全固形分レベルを有するペースト(成分A)がもたらされた。
    【0142】
    新鮮な高脂肪クリーム(成分C)を、実施例1に記載されたように生成させた。
    【0143】
    実施例2において成分Dを製造するために用いられたのと同じ方法により、更なる成分を製造した。 このカード生成物(成分D)は、8.3%水分、0.6%脂肪、87.9%タンパク質、1.1%ラクトース、216mmol/kgのカルシウムレベルの組成および5.5のpHを有していた。
    【0144】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45)を40℃に予熱し、次いで成分A8.37kg、成分C2.07kgおよび高脂肪乳タンパク質濃厚物粉末(ALAPRO Spec 4454,ニュージーランド国のNZMP)1.95kgを2分の期間にわたって添加した。 スクリュー速度は、50rpmであった。 次いで、スクリュー速度を160rpmに増加した。 1分後、成分D0.225kg、塩(NaCl)0.23kgおよび80%w/w乳酸0.05kgを1分の更なる期間にわたって添加した。 160rpmのスクリュー速度にて、混合を更に9分間続行した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0145】
    次いで、動作速度を80rpmに減少した。 調理用水蒸気の直接注入により、温度を4分にわたって27℃から70℃に上げた。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0146】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、そして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵した。
    【0147】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち62.5%全固形分、20.3%全タンパク質、32.3%脂肪、3.5%全灰分、1.9%塩(NaCl)、6.4%ラクトース、4,360mg/kgのカルシウムレベルおよび5.60のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0148】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品は軟質コルビーチーズのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例6】
    【0149】
    この例は、チェダーチーズと特性上同様なチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0150】
    Hobartタイプ(米国オハイオ州45374トロイのHobart Corporation)と同様なミキサーボウル中に、次の成分を次のように添加した。 クリーム(40%脂肪)9.2kgをステンレス鋼容器中で間接熱水により予熱しそして次いでミキサーボウル中に添加し、そして55℃に加熱しながら40rpmにて1分間撹拌した。 絶縁電気ヒートトレースにより、間接加熱源がミキサーボウル上に与えられた。 実施例3に記載されたような成分B8.8kgをボウル中に添加し、そして8分間混合した。 次いで、実施例2に記載されたような成分D0.5kg、および塩(NaCl)0.28kgを、1分にわたって添加した。 40rpmにて更に2分の混合後、80%w/w乳酸0.05kgを添加した。 混合速度を60rpmに増加し、そして混合を更に13分間続行した。 次いで、この物質のいくらかをボウルから抜き取った。 90分の保持時間後、温水0.675kgを残りの11.6kgのこの混合物に添加して、33℃の混合物がもたらされた。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0151】
    次いで、Miltenz51−SP一軸スクリュー押出機(ニュージーランド国オークランド・パンミュアのMillbank Technology (NZ) Ltd)に取り付けられた供給ホッパーに、この混合物を移した。 43℃の生成物導入温度、83℃の生成物排出温度および6mm直径のダイ出口でもって、水蒸気ジャケット付き押出機バレル(内径48mmおよびスクリュー外径45mm)に、この生成物を236rpmのスクリュー速度にて通した。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0152】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、そして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵した。
    【0153】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち70.7%全固形分、23.7%全タンパク質、38.3%脂肪、3.3%全灰分、1.6%塩(NaCl)、5.4%ラクトースおよび5.52のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0154】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品はチェダーチーズのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例7】
    【0155】
    この例は、エダムチーズと特性上同様なチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0156】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45)を、40℃に予熱した。 次いで、クリーム(40%脂肪)6.8kgを添加し、そして1分の期間にわたって10℃から41℃に間接加熱した。 この加熱中のスクリュー速度は、48rpmであった。 実施例3に記載されたような成分B6.8kg、温水0.87kg、塩0.19kgおよび実施例2に記載されたような成分D0.25kgを次の2分にわたって添加し、次いで1分後に80%w/w乳酸0.05kgを添加した。 これらの添加中および更に2分間、スクリュー速度を48rpmにて続行した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0157】
    次いで、動作速度を80rpmに増加した。 間接加熱により、温度を2分にわたって41℃から50℃に上げた。 この乳濁液を大きいプラスチック袋中に充填し、そして更なる使用まで断熱貯蔵庫において保持した。
    【0158】
    この乳濁液が手動式ソーセージ詰め器に移された時、この方法を続行した。 該詰め器は、該乳濁液をマイクロ波アプリケーターに6.5kg/hrの速度にて供給するために用いられた。 マイクロ波アプリケーターは、100mm寸法で伸びている30mmプラスチック製パイプを備えた短い長さの100mm×50mmの長方形導波管から成っていた。 該乳濁液を、マイクロ波セクションにおいて、50℃の導入温度から100℃の排出温度に加熱した。 次いで、約450rpmのスクリュー速度および約100℃のダイ出口温度にて動作する二軸スクリュー押出機(Clextral BC21,仏国42702ファーミニ・セデックスのClextral SA)に、加熱されたこの生成物を通した。 マイクロ波加熱およびおよび押出機加工のこれらの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0159】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、そして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵した。
    【0160】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち66.7%全固形分、21.7%全タンパク質、36.3%脂肪、3.0%全灰分、1.4%塩(NaCl)および5.7%ラクトース並びに5.56のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0161】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品はエダムチーズのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例8】
    【0162】
    この例は、コルビーチーズと特性上同様なチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0163】
    新鮮な高脂肪クリーム(成分C)を、実施例1に記載されたように生成させた。
    【0164】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45)を40℃に予熱し、次いで実施例3に記載されたような成分B6.5kg、成分C3.4kg、塩(NaCl)0.24kg、実施例2に記載されたような成分D0.25kg、天然酪農風味料(Maverik JLS 2131,米国ウィスコンシン州ソークビルのMaverik Flavors and Ingredients, LLC)0.75kgおよび温水(70℃)2.9kgを2分の期間にわたって添加した。 スクリュー速度は、50rpmであった。 このスクリュー速度にて、混合を更に2分間続行した。 次いで、速度を160rpmに増加し、そして混合を更に10分間続行した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0165】
    次いで、スクリュー速度を80rpmに減少し、そして直接水蒸気注入を開始し、その結果結合された塊は2分にわたっておおよそ45℃から70℃に加熱された。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0166】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、そして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵した。
    【0167】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち67.6%全固形分、22.4%全タンパク質、36.6%脂肪、3.5%全灰分、1.9%塩(NaCl)および5.1%ラクトース並びに5.36のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0168】
    1週間後の官能評価において、該サンプルは、マイルドチェダーと同様な、さわやかでクリーミーで濃厚な風味の製品と評された。 テクスチャー試験により、この製品はコルビーチーズのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例9】
    【0169】
    この例は、チェダーチーズと特性上同様なチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0170】
    脱脂乳UF濃厚物を、実施例3の成分Aの製造においてのように、限外濾過および流下フィルム蒸発により製造した。 次いで、導入空気温度185℃、主室流出空気温度70℃、生成物供給圧125バールおよび統合された静的流動床空気温度71℃でもって、この濃厚物を噴霧乾燥した(一体流動床を備えたAnhydroコンパクト型ノズル乾燥機)。 その結果は、98.5%全固形分、44.2%タンパク質、41.4%脂肪、3.5%全灰分、11.6%ラクトースおよび当初の脱脂乳と比べて56%のカルシウム対タンパク質比の減少である乳タンパク質濃厚物粉末(MPC)(成分B)であった。
    【0171】
    新鮮な高脂肪クリーム(成分C)を、実施例1に記載されたように生成させた。
    【0172】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45)を40℃に予熱し、次いで成分C2.8kg、温水3.68kgおよび成分B7.28kgを添加し、そして次いで2分にわたって間接加熱して49℃の混合物温度がもたらされた。 スクリュー速度は、この添加および加熱時間にわたって50rpmであった。 次いで、スクリュー速度を50rpmのままにしながら、塩(NaCl)0.255kgおよび80%w/w乳酸0.06kgを次の1分にわたって添加した。 次いで、スクリュー速度を160rpmに増加し、そして混合を8分間続行した。 次いで、純イナゴマメガム(Grinsted LBG 066,デンマーク国ブラブランドのDanisco Ingredients)0.04kgを添加し、そして混合を160rpmのスクリュー速度にて更に2分間続行した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0173】
    次いで、スクリュー速度を80rpmに減少し、そして直接水蒸気注入を開始し、その結果結合された塊は2分にわたって50℃から70℃に加熱された。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0174】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、5℃の冷室条件にて一晩貯蔵し、そして次いで真空パックした。
    【0175】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち67.6%全固形分、22.3%全タンパク質、36.0%脂肪、3.6%全灰分、2.0%塩(NaCl)および6.3%ラクトース並びに5.61のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0176】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品はチェダーチーズのものと同様なテクスチャー特性をしかしより弾性な繊維質構造でもって有することが示された。
    【実施例10】
    【0177】
    この例は、半硬質チーズテクスチャーを有するチーズ様製品の製造方法を例示する。
    【0178】
    明記された固体脂肪含有率プロフィール(10℃:58〜65%,20℃:38〜34%,30℃:5〜9%)およびヨウ素価(75〜81)を有する脱臭された部分水素化ダイズ油(HSBO)(ニュージーランド国マウントマウンガヌイのBakels Edible Oils Ltdにより供給される)を溶融した。
    【0179】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC45)を40℃に予熱し、次いで温水4.53kg、溶融HSBO2.45kgおよび実施例9において用いられたような成分B6.6kgを添加し、そして1分にわたって間接加熱して、45℃の混合物温度がもたらされた。 スクリュー速度は、この添加および加熱時間にわたって50rpmであった。 次いで、スクリュー速度を50rpmのままにしながら、塩(NaCl)0.255kg、実施例3に記載されたような成分D0.25kgおよび80%w/w乳酸0.06kgを次の1分にわたって添加した。 次いで、スクリュー速度を、160rpmに5分の期間にわたってそして次いで200rpmに9分間増加した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0180】
    次いで、スクリュー速度を80rpmに減少し、そして直接水蒸気注入を開始し、その結果結合された塊は2分にわたって45℃から72℃に加熱された。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0181】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、5℃の冷室条件にて一晩貯蔵し、そして次いで真空パックした。
    【0182】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち65.4%全固形分、21.3%全タンパク質、35.9%脂肪、3.4%全灰分、1.9%塩(NaCl)、4.8%ラクトース、4,060mg/kgのカルシウムレベルおよび5.59のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0183】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品は軟質コルビーチーズのものと同様な滑らかなテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例11】
    【0184】
    この例は、半硬質チーズテクスチャーを有するチーズ様製品の製造方法を例示する。
    【0185】
    二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC10)を40℃に予熱し、次いで温水(70℃)1.7kgおよび溶融無水乳脂(AMF)1.75kgを添加し、そして3分の期間にわたって混合した。 この混合物温度は、52℃であった。 スクリュー速度は、80rpmであった。 次いで、SUPRO EX33ダイズタンパク質単離物(米国オクラホマ州プライヤーのProtein Technologies International)0.75kgとインスタント脱脂粉乳(Spec 6820,ニュージーランド国ウェリントンのNZMP)0.75kgの乾燥予備混合結合物を添加し、そして1分の期間にわたって混合した。 次いで、スクリュー速度を160rpmに増加した。 次いで、塩(NaCl)0.24kgおよび80%w/w乳酸0.05kgを添加し、そしてこの物質の混合を更に15分間続行した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0186】
    次いで、動作速度を80rpmに減少し、そして1分後、調理用水蒸気の直接注入により温度を2分にわたって48℃から71℃に上げた。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0187】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填しそして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵し、そして次いで真空パックした。
    【0188】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち63.5%全固形分、18.1%全タンパク質、34.1%脂肪、3.3%全灰分、1.9%塩(NaCl)、8.0%ラクトース、1,830mg/kgのカルシウムレベルおよび5.38のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0189】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品は軟質チェダーチーズのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例12】
    【0190】
    この例は、チーズスプレッド様製品の製造方法を例示する。
    【0191】
    脱脂乳UF濃厚物を、実施例3の成分Aの製造においてのように、限外濾過および流下フィルム蒸発により製造した。
    【0192】
    次いで、Artisan掻き混ぜ式薄膜蒸発器において、43℃の生成物温度にてこの濃厚物を更に蒸発させて、45.5%の全固形分を有するペースト(成分A)がもたらされた。
    【0193】
    Stephan竪型クッカー(型式UMM ISK 25 GNI,独国ハメルンのA.Stephan und Soehne GmbH & Co.)(公称回分容量25kg)中に、諸成分を次のように添加した。 成分A10.0kgおよび塩(NaCl)0.1kgを添加し、そして60rpmのスクレーパ撹拌機速度および1,500rpmのナイフ速度にて6分間混合した。 この時間中間接加熱を用いて、温度を28℃から42℃に上げた。
    【0194】
    次いで、ナイフ速度を3,000rpmに増加し、そして直接水蒸気注入を開始し、その結果混合物温度は3分にわたって42℃から73℃に上げられた。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0195】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填しそして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵し、そして次いで真空パックした。
    【0196】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち42.3%全固形分、17.2%全タンパク質、17.0%脂肪、1.4%全灰分、1.1%塩(NaCl)、6.7%ラクトースおよび3,140mg/kgのカルシウムレベルを有していた。
    【0197】
    視覚観察により、この製品はチーズスプレッドのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【実施例13】
    【0198】
    この例は、気泡入りムース様製品の製造方法を例示する。
    【0199】
    Stephan竪型クッカー(型式UMM ISK 25 GNI)中に、諸成分を次のように添加した。 実施例9に記載されたような成分B0.7kg、新鮮な42%脂肪クリーム(4℃)16.8kgおよび塩(NaCl)0.34kgを添加し、そして60rpmのスクレーパ速度にて5分間混合した。 この時間中間接加熱を用いて、温度を18℃から48℃に上げた。 次いで、実施例5に記載されたような成分D0.33kgを添加し、そして混合を60rpmのスクレーパ速度および3,000rpmのナイフ速度にて3分間続行した。 次いで、80%w/w乳酸0.08kgを添加した。 混合を60rpmのスクレーパ速度および3,000rpmのナイフ速度にて更に2分間続行し、次いで副次サンプル5キログラムを取り、そして最終生成物との比較のために取っておいた。 次いで、残存する混合物の混合を60rpmのスクレーパ速度および3,000rpmのナイフ速度にて更に9分間続行し、そして次いで別の副次サンプルを取った。
    【0200】
    上記の条件にて更に4分の混合後、次いで、直接水蒸気注入を開始し、その結果混合物温度は2分にわたって48℃から70℃に上げられた。 この時間中、混合を60rpmのスクレーパ速度および3,000rpmのナイフ速度にて続行した。
    【0201】
    この熱いムース様凝塊のサンプルおよび上記の5キログラム副次サンプルのサンプルを500グラム用タブ中に充填しそして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵し、そして次いで真空パックした。
    【0202】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち48.8%全固形分、4.8%全タンパク質、38.9%脂肪、2.3%全灰分、1.8%塩(NaCl)、2.8%ラクトース、920mg/kgのカルシウムレベルおよび5.11の最終pHを有していた。
    【0203】
    生じたこの製品は、注がれないかつ軟質のしかし構造化された滑らかな気泡入りゲルと評された。 対照的に、70℃に加熱されていなかったところの冷却された副次サンプルは、依然流動可能な液体であった。
    【実施例14】
    【0204】
    この例は、ヨーグルト様製品の製造方法を例示する。
    【0205】
    実施例9に記載されたような成分B0.7kg、インスタント脱脂粉乳(Spec 6820,NZMP)3.0kgおよび純イナゴマメガム(Grinsted LBG 066)0.1kgを乾燥容器中で混合して、粉末予備混合物を生じさせた。
    【0206】
    次いで、Stephan竪型クッカー(型式UMM ISK 25 GNI)中に、諸成分を次のように添加した。 温水(70℃)8.75kgそして次いで粉末予備混合物を添加した。 60rpmのスクレーパ撹拌機速度および1,500rpmのナイフ速度における10秒期間の混合後、60rpmのスクレーパ速度にて5分の混合を行った。 次いで、60rpmのスクレーパ速度および1,500rpmのナイフ速度にて混合しながら、間接加熱を用いて、この混合物を2分の期間にわたって48℃から80℃に加熱した。 次いで、撹拌を60rpmのスクレーパ速度にて続行しながら、この混合物を80℃に更に2分間保持した。 次いで、間接冷却を適用して、混合物温度を15分の期間にわたって35℃に下げた。 この混合物に20%w/w乳酸0.96kgと20%w/w酢酸0.24kgのブレンドを、三つに分けた分量として、混合を停止して非常にゆっくり添加した。 この酸を掻き混ぜ込むために、各分量の添加後、60rpmのスクレーパ速度における5秒の混合を容認した。 この後、60rpmのスクレーパ速度にて10分の最終混合を行った。
    【0207】
    この温かいヨーグルト様凝塊を250グラム用の清潔なプラスチック製ねじ蓋付き容器中に注ぎ、そして5℃の冷室条件にて一晩冷却した。
    【0208】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち24.1%全固形分、8.6%全タンパク質、1.1%脂肪、1.7%全灰分、0.3%塩(NaCl)、12.7%ラクトース、2,900mg/kgのカルシウムレベルおよび4.4の最終pHを有していた。
    【0209】
    生じたこの製品のテクスチャーは、フロマージュフレと同様であるところの、滑らかでクリーミーでわずかに気泡入りのヨーグルト様ゲルと評された。
    【実施例15】
    【0210】
    この例は、コルビーチーズと特性上同様なチーズ製品の製造方法を例示する。
    【0211】
    実施例9に記載されたような成分B79.2kgを、高剪断混合容器において50℃の水180.8kg中に還元した。 粉末添加後、掻き混ぜを1時間続行した。 これにより、30%固形分の生じた濃厚物がもたらされた。
    【0212】
    次いで、Artisan掻き混ぜ式薄膜蒸発器において、60℃までの生成物温度にてこの濃厚物を更に蒸発させて、約54°Brixの屈折率を有するペースト(成分A)がもたらされた。
    【0213】
    新鮮な高脂肪クリーム(成分C)を、実施例1に記載されたように生成させた。
    【0214】
    成分A2.8kg、成分C0.2kg、塩(NaCl)0.046kgおよび80%w/w乳酸0.015kgを、二軸スクリューレイダウンクッカー(Blentech CC10)中に、4分の期間にわたって添加した。 スクリュー速度は、55rpmであった。 この混合物を、5分の期間にわたって19から49℃に間接水蒸気加熱した。 この時点において、混合物質は均質な乳濁液であった。
    【0215】
    49℃に更に2分間保持しそして55rpmにて混合した後、間接水蒸気加熱により温度を10分にわたって49℃から70℃に上げた。 加工、加熱および掻き混ぜのこの段階中、乳濁液は凝固し始めそして凝集性になった。
    【0216】
    この熱凝塊のサンプルを500グラム用タブ中に充填し、そして次いで5℃の冷室条件にて一晩貯蔵した。
    【0217】
    生じた最終生成物は、次の組成すなわち63.7%全固形分、24.5%全タンパク質(算出された)、28.8%脂肪(算出された)、4.0%全灰分(算出された)、2.0%塩(NaCl)(算出された)、6.5%ラクトース(算出された)、3,560mg/kgのカルシウムレベル(算出された)および5.41のpHを有するゲル化チーズ様製品の形態を有していた。
    【0218】
    視覚観察およびテクスチャー試験により、この製品はコルビーチーズのものと同様なテクスチャー特性を有することが示された。
    【産業上の利用可能性】
    【0219】
    特に、決して排他的でないけれども、本発明は、チーズ製品の製造方法であって、最終製品において残留活性酵素または微生物が大いに減少されておりかつ乳化用塩または非酪農品を基材とした乳化剤がない方法に関する。 本方法は、伝統的に製造されたチーズと同様な官能的性質を有するバラツキのないチーズ製品であるが、しかしかかるチーズ製品が熟成時間を必要としないのではるかに迅速に生成されるチーズ製品を生成し得る故、先行技術方法より特に有利である。 加えて、酵素または微生物の作用に因る変敗速度が有意的に減少されるので、これらの製品は伝統的に製造されたチーズと比べて増加された貯蔵寿命を有する。 それらはまた、物質、労働およびコスト集約性がかなり小さく、並びに生成、包装および貯蔵過程が大部分自動化および単純化され得る場合、製造するのに一層コスト効率性である。
    【0220】
    本発明を上記の実施例のみに限定するようには意図されておらず、しかして当業者に容易に行われ得るような多くの変型が添付の特許請求の範囲から逸脱することなく可能である、ということが理解される。
    【図面の簡単な説明】
    【0221】
    【図1】図1は、本発明の方法の第1の具体的態様の流れ図を示す。
    【図2】図2は、本発明の方法の第2の具体的態様の流れ図を示す。
    【図3】図3は、本発明の方法の第3の具体的態様の流れ図を示す。

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