Milk-derived complex lipid-rich powder |
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申请号 | JP2005286602 | 申请日 | 2005-09-30 | 公开(公告)号 | JP4852684B2 | 公开(公告)日 | 2012-01-11 |
申请人 | 雪印メグミルク株式会社; | 发明人 | 晋 三浦; 拓 中埜; 健 加藤; 俊満 吉岡; 章 富澤; 賢次 小島; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 乾燥物中、タンパク質15〜35重量%、脂質45〜60重量%を含有し、うち乳由来の複合脂質を乾燥物中20重量%以上含有することを特徴とする乳由来複合脂質高含有粉末。 乾燥物中リン脂質を20重量%以上含有し、かつ糖脂質を0.3重量%以上含有するものであることを特徴とする請求項1記載の乳由来複合脂質高含有粉末。 乳由来複合脂質高含有粉末が、バターゼラム又はバターゼラム粉還元液をpH4.0〜5.0に調整し、塩化カルシウムを添加して生成した沈殿を除去し、上清を限外濾過又は精密濾過することによって得られた濃縮液を乾燥することによって得られたものであることを特徴とする請求項 1 乃至2記載の乳由来複合脂質高含有粉末。 塩化カルシウムを全体量の0.01〜0.05重量%添加することを特徴とする 請求項3記載の乳由来複合脂質高含有粉末。 限外濾過を分画分子量5kDa以上で行うことを特徴とする 請求項3乃至4に記載の乳由来複合脂質高含有粉末。 精密濾過を分画粒子径0.1〜1.4μmで行うことを特徴とする 請求項3乃至5に記載の乳由来複合脂質高含有粉末。 機能性食品、母乳代替品又は医薬品の原料として使用することを特徴とする 請求項1乃至6に記載の乳由来複合脂質高含有粉末。 |
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说明书全文 | 本発明は、乳由来複合脂質高含有粉末に関する。 大豆レシチンや卵黄レシチンは、天然物由来のリン脂質粗製物として、食品製造における乳化剤等として広く利用されているが、近年、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリンのような乳由来リン脂質が種々の生理機能を有することが報告され、注目されている。 一方、バターゼラムは、生乳のセパレーター分離で得られる脂肪分40〜50%のクリームを、再度セパレーター分離を行うことで得られる脂肪分60%以上の高脂肪クリームに対し加熱処理又はせん断処理を行い、高脂肪クリームが転相を起こした際に排出される水相成分、あるいはバターを加熱溶解した際に分離する水相成分を指し、バター製造における副産物である水相成分のバターミルクとは区別される。 バターゼラム中には乳中の脂肪球皮膜成分が多く含まれ、脂肪球皮膜成分を構成するリン脂質や糖脂質などの複合脂質に富むことが知られている。 バターゼラム中に含まれる乳由来複合脂質の含有量は固形当たり5重量%以上となっており、バターミルク中に含まれる乳由来複合脂質の含有量である固形当たり0.5重量%の10倍以上となっていることが知られている。 しかしながら、特許文献1の方法では、有機溶媒は使用しないものの、出発原料としてバターミルク又はバターミルク還元液を用いていることから、リン脂質の含量を15重量%までしか濃縮できず、コスト的に問題があった。 これは、特許文献1の方法を用いて製造を行った場合、原料中に含まれる脂質中の複合脂質の比率は、最終的に得られる粉末に含まれる脂質中の複合脂質比率と同じであるためである。 また酸性域にpHを調整するだけでカゼインタンパク質を除去するためにカゼインタンパク質が上清に残存し、牛乳アレルギーの原因のひとつとなる可能性が指摘されてきた。 また、特許文献2の方法は、リン脂質を90%以上の高純度まで濃縮できるものの、クロロホルム、ジエチルエーテルやメタノール等、食品素材の調製には認められていない有機溶媒を使用する方法であるため、食品への利用が困難であり、かつコスト的に高価になるという問題点があった。 本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、先に、簡便なガングリオシド高含有素材の製造方法として、エタノールを用いる方法を提案した(特許文献5)。 しかしながら、この方法ではガングリオシド高含有素材を大量に製造できるものの、エタノールを用いることから防爆設備を含めた多くの複雑な設備・工程を必要とし、また最終産物からエタノール臭を完全に抜き去るのに困難を極め、食品素材としての利用が難しいという問題点があった。 上述した従来技術の方法では、乳由来リン脂質及びガングリオシドを高濃度で含有する複合脂質高含有素材を製造することは不可能であった。 本発明者らは、乳由来複合脂質の有効利用を目的とし、リン脂質等の複合脂質の回収率向上及びそれを高度に含有する素材の製造について鋭意研究した。 その結果、原料としてバターゼラム又はバターゼラム粉還元液を用い、塩化カルシウムを添加した後に原料中の主要タンパク質であるカゼインをその等電点で凝集沈殿させ、それによって得られる上清を限外濾過又は精密濾過することにより、残存するその他のタンパク質や乳糖、ミネラルの殆どを除去することで複合脂質を濃縮し、最終的に乾燥することにより目的とする粉末を調製することができた。 得られた粉末は、乾燥物中、タンパク質15〜35重量%、脂質45〜60重量%を含有し、うち乳由来の複合脂質を乾燥物中20重量%以上含有するものとなった。 本発明では、バターゼラム又はバターゼラム粉還元液のpHを4.0〜5.0に調整し、最も効率的に等電点沈殿させて生成するカゼインの沈殿を除き、上清を限外濾過又は精密濾過し、濃縮液を乾燥することによって得ることのできる、乾燥物中タンパク質15〜35重量%、脂質45〜60重量%を含有し、かつ乳由来の複合脂質が乾燥物中20重量%以上含有するものである乳由来複合脂質高含有粉末を提供するもので、カゼインをその等電点で沈殿除去する工程において、塩化カルシウムを全体量の0.01〜0.1重量%となるように添加することで沈殿形成を促進し、静置するだけでも効率よくカゼインの沈殿を除去することもできた。 以下、本発明の乳由来複合脂質高含有粉末を製造する方法について説明する。 このようにして得られた上清には、ホエータンパク質、乳糖、ミネラル、さらに対象とする複合脂質を含む脂質成分が存在する。 本発明では、さらに複合脂質を濃縮するために、膜分離技術を応用する。 上清中に含まれる脂質以外の成分は分子量約18,000のホエータンパク質であり、一方の脂質は上清中にエマルションとして存在し、特に複合脂質は分子集合体として分散することも知られている。 このため、限外濾過膜(分画分子量5kDa以上)又は精密濾過膜(分画粒子径0.1〜1.4μm)を用いて上清中の複合脂質の濃縮を行うことが好ましい。 得られる濃縮液の固形分中に占める脂質成分の割合は45〜60重量%と高いが、食品工業で通常利用されている噴霧乾燥装置で容易に粉末化することができ、複合脂質含量20重量%以上となる粉末を得ることができる。 原料のバターゼラム粉(SM2、Corman社)20kgに対して50℃に加温した水80kgを加えて撹拌・溶解することにより、固形分20重量%のバターゼラム粉還元液を調製した。 このバターゼラム粉還元液に対して10%塩酸を添加することでpH4.4となるように調整した。 同時に塩化カルシウムを全体量の0.02重量%となるように添加し、次いで50℃で30分間保持することでカゼインを凝集させた。 生成したカゼインの沈殿はクワルクセパレーターで処理することにより完全に除去して上清を得た。 この上清については、分画粒子径0.1μmの精密濾過膜処理を行い、濃縮液を回収し、凍結乾燥処理により乾燥を行って、本発明の乳由来複合脂質高含有粉末を得た。 〔比較例1〕 原料のバターゼラム(Uelzena社)100kg(固形分20重量%)に対して3N塩酸を添加することでpH4.4となるように調整した。 同時に塩化カルシウムを全体量の0.03重量%となるように添加し、次いで50℃で30分間保持することでカゼインを凝集させた。 生成したカゼインの沈殿はクワルクセパレーターで処理することにより完全に除去して上清を得た。 この上清については、分画粒子径0.1μmの精密濾過膜処理を行い、濃縮液を回収し、噴霧乾燥処理により乾燥を行って、本発明の乳由来複合脂質高含有粉末を得た。 〔比較例2〕 原料のバターゼラム粉(SM2、Corman社)20kgに対して50℃に加温した水80kgを加えて撹拌・溶解することにより、固形分20重量%のバターゼラム粉還元液を調製した。 このバターゼラム粉還元液に対して10%塩酸を添加することでpH4.4となるように調整した。 同時に塩化カルシウムを全体量の0.05重量%となるように添加し、次いで50℃で30分間保持することでカゼインを凝集させた。 生成したカゼインの沈殿はフィルタープレスで処理することにより完全に除去して上清を得た。 この上清については、分画分子径0.1μmの精密濾過膜処理を行い、濃縮液を回収し、噴霧乾燥処理により乾燥を行って、本発明の乳由来複合脂質高含有粉末を得た。 〔比較例3〕 原料のバターゼラム(Uelzena社)100kg(固形分20重量%)に対して15%塩酸を添加することでpH4.5となるように調整した。 同時に塩化カルシウムを全体量の0.03重量%となるように添加し、次いで60℃で30分間保持することでカゼインを凝集させた。 生成したカゼインの沈殿はノズルセパレーターで処理することにより完全に除去して上清を得た。 この上清については、分画分子量10kDaの限外濾過膜処理を行い、濃縮液を回収し、凍結乾燥処理により乾燥を行って、本発明の乳由来複合脂質高含有粉末を得た。 |