乳製品およびプロセス

申请号 JP2012505846 申请日 2010-04-15 公开(公告)号 JP5848237B2 公开(公告)日 2016-01-27
申请人 フォンテラ コ−オペレイティブ グループ リミティド; 发明人 パラターサ ハベア; ジョン エドワード グラント; マイケル ジュー ウェイ ハイイ; ピーター ギルバート ワイルズ;
摘要
权利要求

乾燥改変ホエータンパク質濃縮物(WPC)または乾燥改変ホエータンパク質分離物(WPI)を調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5で、タンパク質濃度15〜50%(w/v)のWPC溶液またはWPI水溶液を提供し、 (b)タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで前記溶液を熱処理し、前記熱処理は、レイノルズ数が少なくとも500の乱流条件下におきつつ前記溶液を加熱することを含み、 (c)前記熱処理の最後に、前記熱処理後の材料を乾燥機まで直接搬送し、 (d)前記熱処理後のWPCまたはWPIを乾燥させることを含み、 前記熱処理後のWPCまたはWPIに対して、噴霧乾燥プロセス前に機械的剪断プロセスをほどこさない、方法。熱処理後のホエータンパク質濃縮物(WPC)またはホエータンパク質分離物(WPI)を調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5で、タンパク質濃度15〜50%(w/v)のWPC水溶液またはWPI水溶液を提供し; (b)タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで前記溶液を熱処理し、ここで前記熱処理は、レイノルズ数が少なくとも500の乱流条件下におきつつ、前記溶液を加熱することを含み; (c)前記熱処理の最後に、前記熱処理後の材料を、乾燥するために乾燥機まで、または他の成分と混合するためにミキサーまで、直接搬送し; (d)前記熱処理後のWPCまたはWPIが、ステップ(c)の前に細粒化されないこと を含む、方法。乾燥改変ホエータンパク質濃縮物(WPC)または乾燥改変ホエータンパク質分離物(WPI)を調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5で、タンパク質濃度15〜50%(w/v)のWPC水溶液またはWPI水溶液を提供し、 (b)タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで前記溶液を熱処理し、前記熱処理は、レイノルズ数が少なくとも500の乱流条件下におきつつ前記溶液を加熱することを含み、 (c)前記熱処理の最後に、前記熱処理後の材料を乾燥機まで2分間未満で搬送し、 (d)前記熱処理後のWPCまたはWPIを乾燥させることを含み、 前記熱処理後のWPCまたはWPIに対して、噴霧乾燥プロセス前に機械的剪断プロセスをほどこさない、方法。液体ホエータンパク質濃縮物(WPC)またはホエータンパク質分離物(WPI)を含む混合物を調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5で、タンパク質濃度15〜50%(w/v)のWPC水溶液またはWPI水溶液を提供し、 (b)タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで前記溶液を熱処理し、前記熱処理は、レイノルズ数が少なくとも500の乱流条件下におきつつ前記溶液を加熱することを含み、 (c)前記熱処理の最後に、前記熱処理後の材料を、乳、脱脂乳、脂肪、炭水化物、乳リテンテートまたは脱脂乳リテンテートからなる群のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種類の他の成分と混合するためにミキサーまで直接搬送することを含み、 前記熱処理後のWPCまたはWPIに対して、噴霧乾燥プロセス前に機械的剪断プロセスをほどこさない、方法。加熱前の前記WPC濃縮物の前記pHを、5.0〜8.5に調節する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。加熱前の前記WPC濃縮物の前記pHを、5.5〜8.5に調節する、請求項5に記載の方法。加熱前の前記WPC濃縮物の前記pHを、6.0〜8.0に調節する、請求項5に記載の方法。加熱前の前記WPC濃縮物の前記pHを、6.5〜7.5に調節する、請求項5に記載の方法。加熱前の前記WPC濃縮物の前記タンパク質濃度が16〜40%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。前記WPC溶液またはWPI溶液が、内径5mmを超え、150mm未満の加熱された流路を通る際に前記熱処理が起こる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。前記溶液が、長い管状のリアクタを通って60℃〜110℃の温度で出てくる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。圧定格5Bar〜500Barのポンプを用いて、前記管状のリアクタに供給する、請求項11に記載の方法。前記加熱が直接蒸気噴射によるものである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。全固形分の50〜95%がホエータンパク質である乾燥改変WPCまたはWPIを調製するための方法であって、 (a)15〜50%(w/v)がホエータンパク質である水性WPCまたはWPIを調製し、 (b)高圧ポンプを使用して、3〜1000バールの圧力で、高圧ヒーターにタンパク質濃縮物を供給し、生成物の流れは、レイノルズ数が少なくとも500の乱流が起こるようなものであり、 (c)得られた溶液を、タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、70℃を超えるまで熱処理し、 (d)前記熱処理の最後に、前記熱処理後の材料を乾燥機まで2分間未満で搬送し、 (e)前記熱処理後のWPCまたはWPIを乾燥させることを含み、 熱処理構成(c)からの処理後のWPC流またはWPI流に対して、乾燥前に細粒化手順をほどこさない、方法。全固形分の52〜90%がホエータンパク質である乾燥改変WPCまたはWPIを調製するための方法である、請求項14に記載の方法。ステップ(b)において、高圧ポンプを使用して、5〜500バールの圧力で、高圧ヒーターにタンパク質濃縮物を供給する、請求項14または15に記載の方法。ステップ(b)において、高圧ポンプを使用して、10〜350バールの圧力で、高圧ヒーターにタンパク質濃縮物を供給する、請求項14または15に記載の方法。熱処理ゾーンが前記乾燥機の流入口と直接連結される、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。前記乾燥が噴霧乾燥によるものである、請求項18に記載の方法。前記乱流のレイノルズ数が1000を超える、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。前記レイノルズ数が1500を超える、請求項20に記載の方法。前記レイノルズ数が2,000〜50,000の範囲にある、請求項21に記載の方法。請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法によって熱処理後のWPCまたはWPIを調製し、前記熱処理後のWPCまたはWPIをプロテアーゼと接触させることを含む、ホエータンパク質加水分解産物を調製するための方法。

说明书全文

本発明は、変性ホエータンパク質を含むホエータンパク質濃縮物(WPC)を製造するプロセスに関する。

何年もの間、熱変性ホエータンパク質の凝集物が製造されてきた。タンパク質が凝固して不溶性になるまでホエーを加熱して調製される市販品として、昔からラクトアルブミンが知られている。不溶性の材料を濾別し、洗浄し、乾燥させる。ラクトアルブミンには、保存食からパンやベイカリー製品のタンパク質含有量を高めることに至るまで、多くの用途がある。ラクトアルブミンを回収することでホエーの流れが枯渇したタンパク質も保存食として利用できるが、そうしなければ廃棄に費用がかかる。

変性ホエータンパク質の製造を一層経済的かつ業務上有用なものとするために、多くの試みがなされてきた。労の大半が、ラクトース含有分を選択的に除去することで、ホエーのタンパク質含有分を増やすことに向けられてきた。限外濾過、ダイアフィルトレーション、イオン交換などの確立された技術を適用することで、高いタンパク質含有量を達成可能になる。栄養価が良好なタンパク質として、これらの製品は食品成分として有用である。

栄養に関する多くの用途で、ホエータンパク質が最終製品のテクスチャまたはレオロジーに対しておよぼす影響が有用である。これらの用途ではWPCが熱誘導ゲルを形成する機能に頼ることが多い。他の用途では、こうしたゲル化特性は望ましくない。

熱変性させた(または改変)ホエータンパク質製品が、市場における一層近代的なカテゴリの製品になってきている。近年、このカテゴリを製造するための多数の方法が発明されている。

ホエータンパク質は、適切な条件(>75℃、≒pH6〜8、>6gTS/100g)下で加熱されるとゲルを形成する(Havea,P., Singh,H., Creamer,L.K. & Campanella,O.H., Electrophoretic characterization of the protein products formed during heat treatment of whey protein concentrate solutions. Journal of Dairy Research, 65, 79〜91, 1998)。

米国特許第4,734,287号明細書(Singerら)には、特に不溶性凝集物の生成を目指した熱変性ホエータンパク質に関する技術ならびに、これに伴う課題について説明されている。熱と機械的作用との組み合わせを用いて、微粒子ホエータンパク質凝集物を生成するためのプロセスが教示されている。この文献全体を援用する。

国際公開第2001/005247号パンフレット[Hudsonら]には、変性粒子を含むホエータンパク質ゲルを調製するためのプロセスが開示されている。最初に、ホエータンパク質を酸または酵素で処理して加分解させる。熱処理後には、「大きな凝集物が光を反射するため、得られた混濁状態の微粒子ゲルは不透明の乳白色に見える。最終的なサブセットである混合ゲルは、微細鎖と微粒子との両方の物性および機能的特性を兼ね備え、中間塩濃度で生成される(E.Foegeding el al.,(1998))。直鎖がさらに大きな凝集物に縮合する過程が、混合ゲル形成の原因機構であると考えられている。」ゲル化した材料を乾燥させ、1μm〜100μmの範囲の粒子を形成してもよい。Hudsonらは、「アルミニウム製の凍結乾燥機の皿(13.5cm×13.5cm)にて80℃で45分間または3時間、分散液を加熱する」こと以外に、彼らの加熱プロセスについてほとんど教示していない(家庭での製造が企図されている)。

HussおよびSpiegelは、米国特許第6,767,575号明細書において、比較的薄いタンパク質流(<3%w/vタンパク質)を用いて、加熱後に微粒子ホエータンパク質を生成するためのプロセスを開示しており、「当業者間で周知のプロセスとは対照的に、発明性のあるプロセスが本質的に非剪断条件下で実施されるかぎり、それ以上の剪断操作をすることはない。前述した不可欠なポンピング操作と攪拌操作が原因で生じる剪断速度は通常、2000s-1〜1000s-1以下、好ましくは500s-1以下である。原材料の高温保持も、攪拌をまったく使用することなく実施可能なものである。」

国際公開第2007/039296 A1号パンフレット[ThorsenおよびKoeningsfeldt]には、熱を印加しながらタンパク質溶液の変性に影響させるための独自の機械的装置が開示されている。

欧州特許出願公開第0520581号において、Oudemanが、変性ホエータンパク質を用いて合成乳生成物を調製するためのプロセスを教示している。ここでは、固体に対してタンパク質含有量25〜50%、pH値5.9〜6.7のホエータンパク質濃縮物にカルシウムイオンを加え、続いて濃縮物を熱処理および均質化し、その後、生成物を任意に蒸発および乾燥させる。

米国特許第5,494,696号[Hoistら]には、希釈したホエーリテンテート(固形分10〜20%であり、固体の65〜95%がタンパク質である)を蒸気噴射によって直接加熱しつつ、ホモジナイザで再利用する、ホエータンパク質変性プロセスが開示されている。「パイプ壁への堆積物を回避し、十分に低粘度の擬塑性液体とするには、パイプを通る生成物の流量を十分に高く維持しなければならない。通常、これは流量が少なくとも2m/sのときに保証される」点に注意されたい。熱処理後に直接、液体流を乾燥させる。得られる粉末は、粒度が30〜60μm前後であるとされている。Hoistらは、次のように述べている。「変性レベルが好ましくは約80%、平均粒子径が好ましくは40〜50μmの範囲にある新規かつ部分的に変性されたホエータンパク質製品が、このような良好な官能特性を有し、砂のようなまたはザラザラした後味がないのが驚くべきことであるのに対し、周知のような同様の粒度の変性ホエータンパク質は、官能特性が悪く、特に口の中で砂のような感じがするため、冷たい状態で製造されるマヨネーズへの添加剤としての用途には適さない」。

米国特許出願公開第2006/0204643号明細書[Merrillら]は、ホエータンパク質濃縮物用の熱変性プロセスを開示している。ここでは、「天然のホエータンパク質を含有する初期スラリーを加熱し、タンパク質の少なくとも一部を変性させる。上述したように、このスラリーを、約10〜約60秒間の時間で、約140°F〜300°Fの温度まで加熱すればよい。加熱時間の少なくとも一部の間、スラリーを混合し、変性ホエータンパク質が調理器の加熱素子の周囲に凝集するのを低減および/または防止してもよい。この作業を実施するための一例としての装置に、蒸気噴射用または加熱したジャケットを有するか、あるいは両方を兼ね備えた、一軸または二軸のミキサーまたは二軸押出機がある。二軸ミキサーまたは押出機を用いて加熱と混合を実施する場合、スクリュー(すなわちオージェ)は一般に、重なるように配置され、十分な混合ができるようになっている。加熱時または加熱後に、スラリーを高剪断条件下におき、これによって、ホエータンパク質が変性する際に形成されることがある凝集物を低減する。本明細書で使用する高剪断条件は通常、10,000〜500,000s-1の剪断を印加する条件を示す。いくつかの方法では、スラリーは一般に、約90〜300°Fの温度で、約0.01〜0.5秒間、高剪断ミキサーまたはコロイドミルで剪断される。」

もうひとつの発明では、国際公開第2008/063115Al号パンフレット[Tetra Laval Holdings & Finance SA]に、管状のヒーターを用いて、圧力(40〜80バール)下でタンパク質溶液を加熱した後、ホモジナイザにて機械的剪断を実施してタンパク質凝集物を砕き、微細な粒子(直径3〜10μm)を形成するプロセスが開示されていた。

別の2つの公開公報(欧州特許出願公開第0412590号および同第0347237号)[いずれもUnileverに譲渡]には、微粒子ホエータンパク質分散液を調製するためのプロセスが開示されている。どちらの公報でも、剪断はほとんど使用しないかまったく使用していないが、タンパク質濃度が比較的薄い溶液に制限される(15%未満であるが、好ましくはタンパク質7%前後)。

国際公開第2006/057968号パンフレット(Wolfschoon−Pombo [Wolfschoon−Pompo]ら)には、乱流条件を用いてタンパク質11〜12%のホエータンパク質濃縮物流を管状のヒーターで熱処理し、粒子流(このうち90%(d90)が95μm未満、粒子の半分(d50)が12μm未満である)を得る、クリームチーズプロセスが開示されている。その後、さらに剪断を印加して(均質化)、d90<9μmのかなり細かい粒子を達成してもよい。

旧東ドイツ特許出願公開第DD236449号において、Borgwardtらが、タンパク質含有量8〜11%、固体含有量16〜22%、pH4.2〜5.2のホエータンパク質濃縮物溶液を、乱流条件下にて85〜95℃で5〜20分間加熱することによって処理し、熱的に安定した非凝集コロイドホエータンパク質懸濁液を得られる旨を開示している。この懸濁液は、瞬時の冷却によって安定化される。タンパク質粒子の懸濁液を乾燥させてもよい。また、Borgwardtは、レイノルズ数が2000を超えなければならないが、壁剪断応力も12kg/ms2を超えなければならないことも教示している。この従来技術では、熱処理後のタンパク質スラリーが剪断で薄くなる(擬塑性液体)であることを教示している。流体力学分野の当業者にとって、その流体の流量特性に関するさらに詳細な情報のないままBorgwardtらの剪断応力条件をどのように解釈(よって実施)すべきかが明白ではない。

本発明の目的は、高タンパク質濃度で変性ホエータンパク質を調製するための単純なプロセスを提供および/またはホモジナイザまたはかき取り式表面熱交換器を必要とせずに高濃度で変性ホエータンパク質製品を製造するための方法を提供および/または公共に対して有用な選択肢を提示することにある。

発明の開示 一態様において、本発明は、乾燥改変ホエータンパク質濃縮物(WPC)またはホエータンパク質分離物(WPI)を調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5で、タンパク質濃度15〜50%(w/v)のWPC水溶液またはWPI水溶液を提供し、 (b)タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで溶液を熱処理し、熱処理は、好ましくはレイノルズ数が少なくとも500の乱流条件下におきつつ、溶液を加熱することを含み、 (c)熱処理の最後に、熱処理後の材料を乾燥機まで直接搬送し、 (d)熱処理後のWPCまたはWPIを乾燥させることを含み、熱処理後のWPCまたはWPIに対して、乾燥を容易にすべく液体が液滴に変換される場所以外では、乾燥前に機械的剪断プロセスをほどこさない、方法を提供するものである。

別の態様では、本発明は、熱処理後のホエータンパク質濃縮物(WPC)またはホエータンパク質分離物(WPI)を調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5で、タンパク質濃度15〜50%(w/v)のWPC水溶液またはWPI水溶液を提供し、 (b)タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで溶液を熱処理し、熱処理は、好ましくはレイノルズ数が少なくとも500の乱流条件下におきつつ、溶液を加熱することを含み、好ましくは、この態様では当該プロセスがステップ(c)に続き、 (c)熱処理の最後に、熱処理後の材料を、乾燥するために乾燥機まで、または他の成分と混合するためにミキサーまで直接搬送することを含み、熱処理後のWPCまたはWPIが、ステップ(c)の前に細粒化されない、方法を提供するものである。

別の態様では、本発明は、乾燥改変ホエータンパク質濃縮物(WPC)またはホエータンパク質分離物(WPI)を調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5で、タンパク質濃度15〜50%(w/v)のWPC水溶液またはWPI水溶液を提供し、 (b)タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで溶液を熱処理し、熱処理は、好ましくはレイノルズ数が少なくとも500の乱流条件下におきつつ、溶液を加熱することを含み、 (c)熱処理の最後に、熱処理後の材料を乾燥機まですみやかに搬送し、 (d)熱処理後のWPCまたはWPIを乾燥させることを含み、熱処理後のWPCまたはWPIに対して、乾燥を容易にすべく液体が液滴に変換される場所以外では、乾燥前に機械的剪断プロセスをほどこさない、方法を提供するものである。

もうひとつの態様では、本発明は、液体ホエータンパク質濃縮物(WPC)またはホエータンパク質分離物(WPI)を含む混合物を調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5で、タンパク質濃度15〜50%(w/v)のWPC水溶液またはWPI水溶液を提供し、 (b)タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで溶液を熱処理し、熱処理は、好ましくはレイノルズ数が少なくとも500の乱流条件下におきつつ、溶液を加熱することを含み、 (c)熱処理の最後に、熱処理後の材料を、乳、脱脂乳、脂肪、炭水化物、乳リテンテートまたは脱脂乳リテンテートからなる群のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1種類の他の成分と混合するためにミキサーまで直接搬送することを含み、 熱処理後のWPCまたはWPIに、他の成分との混合前に機械的剪断プロセスをほどこさない、方法を提供するものである。

好ましくは、加熱前のWPC濃縮物のpHが、5.0〜8.5、一層好ましくは5.5〜8.5、最も好ましくは6.0〜8.0、最も好ましくは6.5〜7.5に調節される。

好ましくは、加熱前のWPC濃縮物のタンパク質濃度が16〜40%、一層好ましくは17〜30%である。

加熱前のWPC濃縮物を、そのカルシウム濃度の点で調節してもよい。カルシウム調節は、任意の都合のよいプロセスすなわちイオン交換による枯渇を含むものであってもよいし、塩化カルシウムなどのカルシウム塩を添加することで濃度を増すものであってもよい。

熱媒体は、好ましくは蒸気または湯である。

本発明の各態様の好ましい実施形態では、WPC溶液またはWPI溶液が、加熱された流路、好ましくは内径5mmを超え、150mm未満の管を通る際に、熱処理が起こる。

好ましい実施形態では、長くて管状のサーマルリアクタを使用する。一般に、サーマルリアクタは、1秒から1000秒の間にあるその公称ホールドアップ時間に応じた長さである。

リアクタ終端部での溶液の温度は、45℃〜150℃、好ましくは50℃〜130℃、一層好ましくは60℃〜110℃であればよい。

サーマルリアクタには、ポンプを用いて、3Bar〜1000Bar、好ましくは5Bar〜500Bar、一層好ましくは10Bar〜350Barの範囲の圧力を加えればよい。高圧ポンプを供給するには、補助ポンプが有用なこともある。

いくつかの実施形態では、流路から出る生成物を、食品を作るための成分として用いる。

他の実施形態では、流路が変性ホエータンパク質複合体を含有する溶液を乾燥製品に変換するための乾燥機となる。

別の態様では、本発明は、TSの少なくとも20%(w/w)をホエータンパク質として含み、好ましくは少なくとも40%、一層好ましくは50%を超え、なお一層好ましくは50〜95%がタンパク質、最も好ましくはそれが52〜90%である乾燥改変WPCまたはWPIを調製するための方法であって、 (a)pH4.7〜8.5、好ましくは5.5〜8.5、一層好ましくは6.0〜8.0、最も好ましくは6.5〜7.5で、15〜50%(w/v)、好ましくは16〜40%、なお一層好ましくは17〜30%、最も好ましくは17〜25%がホエータンパク質である水性WPCまたはWPIを調製し、 (b)高圧ポンプを使用して、3〜1000バール、好ましくは5〜500バール、最も好ましくは10〜350バールの圧力で、高圧ヒーターにタンパク質濃縮物を供給し、生成物の流れは、好ましくはレイノルズ数が少なくとも500の乱流が起こるようなものであり、 (c)得られた溶液を、タンパク質変性を生じさせられるだけの時間、50℃を超えるまで、好ましくは60℃を超えるまで、一層好ましくは70℃を超えるまで、最も好ましくは80℃を超えるまで熱処理し、 (d)熱処理の最後に、熱処理後の材料を乾燥機まですみやかに搬送し、 (e)熱処理後のWPCまたはWPIを乾燥させることを含み、 熱処理構成(c)からの処理後のWPC流に対して、乾燥前に細粒化手順をほどこさない、方法を提供するものである。

好ましくは、熱処理ゾーンが乾燥機の流入口と直接連結される。

「WPC」は、タンパク質含有量を少なくとも20%(w/w)まで増やす目的でラクトースを少なくとも部分的に除去したホエーの画分である。好ましくは、WPCは、TSの少なくとも40%、一層好ましくは少なくとも55%(w/w)、なお一層好ましくは少なくとも65%、最も好ましくは少なくとも75%をホエータンパク質として含む。好ましくは、ホエータンパク質の割合が、WPCの誘導元になったホエーの割合に対して実質的に変化しない。好ましくは、WPCは、蒸発させたホエータンパク質リテンテートである。本明細書の目的で、「WPC」という用語は、文脈上可能な場合にWPIを含む。

「WPI」は、TSの少なくとも90%をホエータンパク質として含むWPCである。

本発明のもうひとつの態様では、本発明は、本発明の各方法の製品を提供するものである。

本明細書において、「リテンテート」という用語は、ホエーまたはホエー源、乳または脱脂乳の限外濾過後に保持された画分を意味する。このような画分では、開始材料よりも全固形分としてのタンパク質のパーセンテージが増えてラクトースのパーセンテージが減っている。

材料を直接搬送するという文脈での「直接」という表現は、他の加工を介在させずにヒーターから次に指定されたステップに材料を搬送することを意味する。

「すみやかに」という表現は、2分未満、好ましくは1分未満、一層好ましくは30秒未満、最も好ましくは10秒未満以内を意味する。

「含む(comprising)」という表現は、本明細書で使用する場合、「少なくとも一部からなる」ことを意味する。本明細書における「含む(comprising)」という表現のある各文を解釈するにあたって、それ以外の特徴またはその表現で始まる特徴も存在し得る。「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの関連する表現も同様に解釈される。

実験の文脈に応じて、さまざまな方法を用いて変性レベル(%)を推測または変性タンパク質(%)を判断することが可能である。不溶性ホエータンパク質コロイド粒子の製造では、最も単純な方法が、pH4.6で不溶性とされた(沈殿物として沈降)開始タンパク質の割合を測定するものである。変性に関するさらに詳しい情報については、HPLC方法によって得られる。HussおよびSpiegelの米国特許第6,767,575号明細書(その内容全体を本明細書に援用する)を参照のこと。

(a)のWPC開始材料は、約4.0〜6.4のpH、好ましくはpH4.0〜6.2、一層好ましくはpH4.0〜6.2、最も好ましくはpH4.6〜6.0で、生ホエーを限外濾過して調製できるものである。限外濾過を用いて、水、ラクトース、ミネラルを除去し、リテンテート流を得る。限外濾過時にダイアフィルトレーションを適用し、透析可能な構成成分の濃度をさらに落としてもよい。限外濾過は一般に、10〜50℃で実施される。イオン交換を用いて、タンパク質流のイオン含有量を操作してもよい。いくつかの実施形態では、イオン交換によってカルシウムイオンの濃度を操作し、一価のカチオンと入れ替えてもよい。他の実施形態では、塩化カルシウムなどの食品用に認可された可溶性のカルシウム塩を添加して、カルシウム濃度を増やしてもよい。WPCのタンパク質濃度を、好ましくは蒸発によってさらに高める。あるいは、開始材料が、乾燥WPCまたはWPIから調製した還元ホエータンパク質であってもよい。

WPC調製用のホエーは、好ましくは酸ホエーまたはチーズホエーである。酸ホエーはpH約4.6であるのに対し、チーズホエーはpH約5.6〜6.4である。加熱時における濃縮物のpHは、最終的な改変ホエータンパク質濃縮物または粉末の所望の機能的特性に応じて可変である。異なるpH下でホエータンパク質を熱処理すると、加熱された系におけるタンパク質−タンパク質相互作用が変化し、機能的特性の異なる最終製品を得られるであろうことは、当業者であればわかるであろう。(Hudsonらは、国際公開第2001/005247号パンフレットで、その変性/ゲル化の特徴に関するホエータンパク質流の特性を操作する技術のいくつかについて論じている。)

本明細書の目的でのホエーまたはWPCのタンパク質濃度については、Kjeldahl窒素分析法を用いて、Kjeldahl係数6.38で判断する。

導管としては、主に簡便さがゆえに高圧管状ヒーターの使用が好ましい。加熱時間は、使用する温度に応じて変動する。100℃などの高めの温度では、数秒もあればよいこともある。70℃では、それより長い時間の加熱が必要な場合がある。また、加熱の度合いが、最終粉末の機能的特性を変える手段のひとつである旨に留意することが重要である。異なる食品での用途では、さまざまなタンパク質変性レベルで多岐にわたる改変WPCが必要になることがあり、本発明は、単にタンパク質濃度、pH、イオン環境、加熱時間および/または加熱温度を変えるだけで、これらを製造する単純な手段を提供するものである。

「高圧ヒーター」とは、加熱用チャンバ(シェル)内に封入された管を介して生成物を供給するシェルアンドチューブヒーターを示す。管を介して生成物を供給する際、好ましくは蒸気または水である熱媒体が、加熱用チャンバに送られる。好ましくは、高圧ポンプを用いて加熱用の管にWPCを供給する。

必要な加熱の重要度に応じて、熱媒体(蒸気など)を加圧して高めの加熱温度を実現してもよい。同じ最終結果を得るのに使用可能な他の形態の加熱系があることは、当業者であれば理解できよう。他の加熱方法として、オーム加熱およびマイクロ波加熱などを含み得る。直接蒸気噴射が、好ましい加熱方法のひとつである。

現時点では、噴霧乾燥が好ましい。好ましくは、液滴の流れを生成する目的で、ノズルまたはノズルのクラスターあるいは回転式噴霧装置または超音波噴霧装置を取り付けた噴霧乾燥機に、熱処理ゾーンを直接連結する。

熱処理は通常、ホエータンパク質の一部を不溶性の凝集物に変性させるのに十分な長さのものである。好ましくは、熱処理は、少なくとも60℃、一層好ましくは少なくとも70℃である。70℃〜150℃が好ましい範囲である。最も好ましくは、溶液を75〜90℃で加熱する。しかしながら、これより低い温度を用いてもよい(50〜70℃、好ましくは60〜70℃など)。加熱時間は、温度のみならず、タンパク質含有量ならびにイオンおよびラクトース含有量によっても変化する。一般に、加熱時間は、70〜80℃の範囲の温度で30秒間から15分間、80〜90℃の範囲の温度で10秒間から10分間、90〜100℃の範囲の温度で1秒間から5分間である。蒸気噴射などを伴う、上述したものよりも高い温度では、たとえば1〜10秒間に時間を短くできることがある。好ましくは少なくとも30%(w/w)、一層好ましくは少なくとも50%、なお一層好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%の変性可能なタンパク質が変性される。本明細書の文脈での変性率は、HPLCと未加熱の対照に対する未変性ホエータンパク質のピーク面積の減少を計算した結果とで求めたパーセンテージを意味する。この方法は、米国特許第6,767,575号明細書に記載されている。

本発明の特徴のひとつに、全固形分が多い(>20%など)ホエータンパク質濃縮物を、乱流下で加熱することがある。乱流がゆえに、伝熱係数が極めて高く、高速加熱がなされる。効果的に、本発明のプロセスは、微粒子状ホエータンパク質製品を製造する非常に効率的な手段のひとつになる。

乱流は、加熱用の管内で、500を上回り、一層好ましくは1000を上回り、なお一層好ましくは1500を上回り、最も好ましくは2000を上回るレイノルズ数を得られるだけの十分な質量流量を有するものとして定義される。このようなレイノルズ数は、乱流の特徴であり、流体力学の従来技術において周知である。レイノルズ数の判断は、流体の質量速度とその粘度とに左右され、当該粘度は、乾燥前に一定温度で熱処理した流体が、既知の流量で既知の一定円形断面の水平パイプを既知の長さに沿って流れる際の圧力降下の測定値から、Hagen−Poiseuilleの式を用いて求められる公称粘度として定義される。2,000〜50,000の範囲のレイノルズ数が本発明で使用するのに好ましく、好ましくは5,000〜30,000である。

「機械的剪断プロセスをほどこさない」という表現は、ホモジナイザ、コロイドミル、高圧ポンプ、かき取り式表面熱交換器、高剪断ミキサーなどの機械的装置を用いて、その中にある溶液を混合したり粒子を破壊したりするプロセスを材料にほどこさないことを意味する。

本発明の製品には、広範囲にわたる実用性がある。これらは、高いタンパク質含有量が必要であるが、それを加える製品のテクスチャを望ましくない形で変化させることはない用途に使用可能である。本発明のWPCは、プロセスチーズ、ヨーグルト、ホエークリスプで使用するのに適している(国際公開第2006/019320号パンフレット)。本発明のWPCは、最終製品を望ましくない形で変化させることなく高レベルのホエータンパク質を添加する必要があり得る用途において有用である。本WPCは、望ましくないテクスチャまたは香味を生じることなくスナックや都合のよい食材にホエータンパク質を取り込むことを可能にするものである。たとえば、WPCを使用して、炭水化物源や脂肪も含むスナックバー用の成分にタンパク質を加えてもよい。このようなスナックバーは、脂肪を溶かす必要があれば溶かし、脂肪または油と炭水化物およびWPCとを混合した後、この混合物を固めて作られるものである。

本発明のプロセスの利点として、乳タンパク質流用の標準的な方法の加工に単純な加熱ステップが加わるだけであることがあげられる。ホエータンパク質を高TSで熱処理する機能が、経済的な理由から極めて望ましいことは、当業者であれば理解できよう。

本発明のひとつの用途に、高タンパク質ヨーグルトの製造用がある。このプロセスは、本発明の乾燥WPCまたはWPIとカゼインを含む乳とを混合することで、少なくとも7%(w/v)、好ましくは8〜20%(w/v)、一層好ましくは10〜16%(w/v)のタンパク質を有する高タンパク質ヨーグルト乳を調製し、この高タンパク質ヨーグルト乳をpH3.8〜5.5、好ましくは4.0〜5.0、最も好ましくは4.2〜4.7まで酸性化することを含む。また、ヨーグルト乳のタンパク質含有量が1.5〜15%(w/v)であるが、30〜90%、好ましくは40〜80%のタンパク質が本発明のホエータンパク質である高タンパク質ヨーグルト飲料を調製するためのプロセスも含まれる。

ヨーグルト乳は、(必要があれば水を用いて)混合されて還元乳または標準化乳組成物を形成する、乾燥または液体乳、乳リテンテート、乳タンパク質濃縮物(MPC)、クリームまたは乳脂肪を含むものであってもよい。脱脂乳が好ましい成分である。地元の条例の定めるところにより、乳流を殺菌してもよい。

高タンパク質ヨーグルト乳は通常、酸性化の前に、好ましくは70〜100℃、一層好ましくは80〜90℃、最も好ましくは85〜95℃で、好ましくは5〜20分間熱処理される。

酸性化は、最も好ましくは、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)とラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)との混合培養を用いる発酵によって実施される。ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)の培養のように、任意のラクトバチルス(Lactobacillus)種とストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)の培養も好ましい。酸性化が化学的な酸性化によるものである場合、グルコノ−δ−ラクトンを加えると好ましい。

「ヨーグルト(yogurt)」とは、酪農資源と、生存可能な生物または化学的な酸味料の一方または両方とから作られる、酸性または発酵させた食品または飲料製品を示す。本発明の目的で、ヨーグルトとは、乳以外のものに由来する脂質、香味料、食品用として認可された安定化剤、酸、テクスチャライザを含み得るヨーグルトのような製品も示す。熱処理後のヨーグルトおよびヨーグルトのような製品も、ヨーグルトという用語の中に含まれる。「ヨーグルト」という用語は、ヨーグルト(固体または攪拌状)、ヨーグルト飲料、Petit Suisseを含む。

本発明の生成物は、最小限の粒子含有量で、分子量が20kDaを超えるホエータンパク質加水分解産物を生成するための良好な基質である。よって、本発明は、本発明の方法によって熱処理後のWPCまたはWPIを調製し、これをプロテアーゼと接触させることを含む、ホエータンパク質加水分解産物を調製する方法を提供するものである。このような加水分解産物には、特殊調製粉乳をはじめとする栄養組成物での用途がある。

本発明の方法によって生成されるWPCおよびWPIは、栄養飲料ならびに、専門家用の栄養製品(ミールリプレイスメント製品を含む)をはじめとする栄養製品を調製する目的でも有用である。

専門家用の栄養製品(特別食および経腸栄養食として知られることもある)は、患者や高齢者用に調製して液体の状態で投与可能なものである。このような食品を作るにあたって乗り越えるべき課題のひとつに、十分なエネルギ量すなわちkcal/mLまたはkcal/gを実現することがある。従来技術においては、このような食品のエネルギ量は、0.5kcal/mL未満から少なくとも3kcal/mLまで可変である。

本発明の好ましい実施形態は、本発明の方法によって調製される熱処理後のWPCまたはWPIあるいは、本発明の方法によって調製される加水分解産物を、混合物中の成分として加え、水および可溶性炭水化物も含み、好ましくは油または脂肪も含む栄養製品を形成することを含む。好ましくは、この混合物は、ナトリウム塩およびカリウム塩ならびに、脂質およびビタミンの源をさらに含む。好ましくは、この混合物を、70℃を超える温度、好ましくは100℃を超える温度まで、一層好ましくは少なくとも業務用の滅菌条件下で加熱する。好ましくは、この混合物はマグネシウム塩も含む。業務用の滅菌条件は、非冷蔵条件(流通および保管時に生成物が保持される温度である10℃を超える)で生成物中にて成長できる微生物のない生成物とするための熱または高圧の印加を用いて達成される条件である。

この発明性のある成分は、驚くべきことに、プロセスチーズおよびプロセスチーズ食品ならびにプロセスチーズのような食品を製造する際に好都合であることが見出された。

本発明の方法でホエータンパク質成分を調製し、この成分を、チーズと水を含む他の成分と混合し、調理して溶けたプロセスチーズを形成し、冷ますことを含む方法で、プロセスチーズを製造してもよい。

本発明は、上記からなり、以下に単なる例を示した構成も想定しているものである。

ホエータンパク質ヒーター−リアクタ系の概略レイアウトを示す。

27%ホエータンパク質原材料に対する見かけ粘度と保持時間および処理温度の組み合わせとの関係を明らかにするものである。

バーの硬さ(発明性のあるプロセスから乾燥成分の試料を用いて調製したモデル栄養バー試料)と成分試料の粒度D[4,3](μm)との関係を示す。

モデル栄養バーの硬さ(貫通力で測定)と、D[4,3](μm)で表される乾燥前のスラリー流の粒度分布との関係を示す。

貫通力で表されるバーのテクスチャvs.加熱温度および保持管での時間(秒)ならびに普段の感覚で認識されるジャリジャリ感(気泡の大きさに比例)を示す。

ヨーグルトを作るためのプロセスのスキームを示す。

高タンパク質の飲むヨーグルト製造プロセスの概略図を示す。

加熱前の改変WPC、加熱後の改変WPC、加熱前の対照WPC、加熱後の対照WPC(左から右)について、100s

-1時点でのcP単位での粘度を示す。

加熱前(I)または加熱後(II)の栄養食配合の写真を示す。A=標準的なWPCを含有する配合;B=改変WPCを含有する配合;H=加熱。

管状リアクタの外で調製された粒度を示す。

異なる保持時間での変性率vs.出口温度のグラフを示す。

以下の実験は、本発明の実務をさらに示すものである。

実施例1 標準的な業務用の限外濾過/ダイアフィルトレーション技術を用いてフレッシュチーズホエーを調製し、全固形分約20%のリテンテート(そのうち83%がタンパク質であった)を生成した。次に、希NaOHを用いてこの濃縮流をpH6.9に調整した後、流下膜式蒸発器を用いて約固形分が33%になるまでさらに濃縮して、出口温度45℃で濃縮物を生成した。

この温かい濃縮物(27%w/wタンパク質)を、流量6.3m3/hで、送達圧250〜300バールの高圧ポンプを用いて、直列に接続した2つの高圧蒸気加熱シェルアンドチューブ熱交換器に供給した。濃縮物は、第1の高圧ヒーター(長さ60m)を約70℃で出て、第2の高圧ヒーターを80℃で出る。このヒーター交換器は、組み合わせた場合の長さが120mで、パイプ内径が18.85mmである。第1のヒーターに供給される蒸気圧を0.6バール(g)とし、第2のヒーター圧を0.96バール(g)とした。高圧管材には、Schedule 80定格316合金ステンレス鋼パイプを用いた。

第2のヒーターから出てきたら、熱処理後の濃縮物を、直径24mmのパイプに0秒間(管セクションなし)、45秒間(54.8m)または90秒間(107.3m)の実験保持時間通した。時間の異なる保持セクションに続いて、噴霧乾燥機の頂部にあるノズルバンクに熱処理後の濃縮物を運んだ。パイプのこのセクションは、長さ約56m、内径約24mmであり、さらに約23秒間の滞留時間を提供するものであった。このように、高圧ポンプは、ヒーター−リアクタ系の後ろかつ噴霧乾燥の前に機械的剪断誘導装置を必要とすることなく、ヒーターおよび保持管(存在する場合)を介して、乾燥機までタンパク質濃縮物流を送った。

噴霧乾燥機では、熱処理後の濃縮物を8本のノズルからなるバンクに送り、200バールを超える圧力で、液滴スプレーとして噴霧した。流入口空気温度を210℃、チャンバ流出口温度を約83℃とした。この粉末をさらに乾燥させた後、振動している流動床で冷却した上で、材料を選別および包装して、嵩密度約0.57g/mL、水分約3.5%の粉末を生成した。

図1は、ホエータンパク質ヒーター−リアクタ系の概略レイアウトを示す。系の圧力を観察した点を示す(DPl、DP2、DP3)。

湿潤および乾燥流(製品)の粒度および粒度分布(PSD)を、標準的な技術を用いて求め、レーザ回折粒度分析装置、Mastersizer 2000(Malvern Instruments Ltd、Malvern、United Kingdom)を用いて導き出した。

モデルレシピを用いて栄養バーの試料(1〜2kgのバッチ)を調製し、硬さを評価した。このレシピは、本発明の熱処理後のWPC(または未変性のWPC392、Fonterraを用いた対照)37.3%と、グルコースシロップであるPenford A2150を34.4%と、グリセリン(Bronson & Jacobs Australiaならびに、Bronson & Jacobs NZから供給)17.2%と、マルトデキストリンであるMALTRIN Ml80、DE 23−27、(GPC Grain Processing Co. USAならびに、Salkat NZから供給)52.9%と、水添パーム核油(Premium Vegetable Oils、Malaysiaならびに、Kauri NZ、Wellingtonから供給)5.1%と、レシチン(Cargill Internationalならびに、Bronson & Jacobs NZから供給)0.5%と、水2.6%(w/w)とで構成される。脂肪をソースパンに入れて秤量し、温度<40℃の加熱板上で溶かした。グルコースシロップ、グリセリン、水、レシチンをポットに入れて秤量し、加熱板上で55℃まで加熱した。 ・タンパク質粉末およびコーンシロップ固体を秤量し、一緒に乾燥混合した。 ・次に、この粉末に液体と溶かした脂肪とを加え、BEARミキサー(Varimixer、17584 BMS、Baker Perkins NZ)を用いて1分間、50rpmで混合した。ミキサーを停止させ、ボウルの内側をこそげ取った。この混合物を、十分に混ざるまでさらに30秒間混合した。 ・次に、形成されたドウを棒枠(寸法600mm×330mm×16mm)内に置き、プラスチックフィルムで覆い、丸めて成形し、枠に合わせた。続いて、これを周囲温度で一晩放置して、固めた。 ・次に、固まったドウを保存試験用に約100mm×30mm×16mmのバーに切り、合計で66本のバーを用意した。これらのバーをホイルの袋に入れ、ヒートシールし、ラベルを付け、評価する前に20℃で1週間保存した。

図2は、27%ホエータンパク質原材料に対する見かけ粘度と保持時間および処理温度の組み合わせとの関係を明らかにするものである。熱によるホエータンパク質の変性は、一連のプロセスを介して連続的に進行し、最終的に数十マイクロメートルの大きさに達すると口の中でザラザラしたテクスチャを持つ不溶性の凝集物になることは、従来技術において周知である。図2は、極めて高いタンパク質濃度(%)で熱変性を実施した場合、驚くべきことに、このプロセスを制御して、保持時間1分以下程度で65°〜80℃の範囲の温度で新規な生成物群ならびに、80℃を超える温度、保持時間約120秒未満で、別の新規な生成物群を明らかにできることを示すものである。理論に拘泥されることなく、温度(秒)の高い生成物群のほうが、熱処理条件がさらに進むにつれてサイズの大きな不溶性の凝集物またはコロイド粒子の形成と関連しやすい。(図2における実験保持時間の後に、流体を乾燥機に運ぶ目的でさらに約23秒の保持時間がある点に注意されたい。)

図3は、バーの硬さ(発明性のあるプロセスから乾燥成分の試料を用いて調製した、1週間後のモデル栄養バー試料)と成分試料の体積加重平均粒度D[4,3](μm)との関係を示す。別の変数として、図にプロットした点は、円の大きさで与えたバー試料の感覚テクスチャ(粒状性スコア)を示す。(粒状性スコアについては、尺度1〜9の普段の感覚で求めた。ここで、1はなめらか、3は粉末状、6は砂状、8は粒状である。)

テクスチャ分析については、Stable Micro Systems(Godalming、England)から入手したTA.HDplus Texture Analyserを用いて実施した。

圧縮によって、テクスチャ測定を実施した。設定された距離(mm)に対する力を測定した。5mmのステンレス鋼製円筒プローブを、1mm/sの一定速度で、圧縮深さ12mmまでバーに押し込んだ後、10mm/sの速度で引き抜いた。

可能な場合、それぞれのバー試料の表面上で3回の圧縮を実施した。各乳タンパク質粉末について2本のバーを評価した。20℃の保存場所から試料を取り出し、テクスチャ測定を室温にて実施した。

驚くべきことに、なおかつ均質化を用いて調製される生成物の技術を考慮すると、図3は、熱処理後または熱処理時かつ乾燥前の均質化を用いることなく、栄養バーの用途で、口の中でザラザラしない>100μmなどの粗い熱凝集ホエータンパク質粒子を生成可能な一組のプロセス条件があったことを示している。次に、この好都合な成分を調製するのに必要なプロセス条件を、より一層詳しく検討した。

図4は、モデル栄養バーの硬さ(貫通力で測定)と、D[4,3](μm)で表される乾燥前のスラリー流の粒度分布との関係を示す。図4にプロットされる第2の変数は、円の大きさで示されるバー試料のジャリジャリ感のスコアである。概して、図4から、コロイド粒子が大きいほど柔らかいバーになることが分かるが、これは通常、なお一層の熱処理の結果であると想定される。しかしながら、図4は、同じようなサイズの従来技術のホエータンパク質凝集物で想定されるような口の中でのジャリジャリ感につながらない粗い粒子から(乾燥後に)成分を調製可能な新規な条件群が存在することを示している。

貫通力で表されるバーのテクスチャvs.加熱温度および保持用での管の時間(秒)ならびに普段の感覚で認識されるジャリジャリ感(気泡の大きさに比例)。対照には、熱処理していない(天然の)ホエータンパク質粉末であるWPC392(対照392)(Fonterra Co−operative Group Limited、Auckland)を用いて調製したバー試料を用いた。

注: 表1dは、さまざまなデータ群を組み合わせると(表1a、1b、1c)、驚くべきことに、本ヒーター設計を用いて、<45s秒の保持時間、最終ヒーター温度80°〜85℃という、栄養バー用途向けの独特な特性を有する変性ホエータンパク質成分の調製に最適な条件の組があることが明らかになる旨を示している。

実施例2 固体ベースで約80%のタンパク質を含有するホエータンパク質フィード流を使用し、固体濃度32%、加工流量6.4m3/h、高圧プレヒーター流出口温度58℃、最終高圧ヒーター流出口温度80℃、ヒーター出口から乾燥機までの滞留時間23秒間すなわち、0秒保持管プラント構成で、先に開示した方法を用いて発明性のあるタンパク質成分を調製した。

発明性のある熱変性ホエータンパク質成分または市販の天然チーズホエーWPC392(Fonterra Co−operative Group Limited、Auckland、New Zealand)のいずれかを、タンパク質強化の別のソースとして用いて、高タンパク質ヨーグルトのテクスチャおよび感覚特性を証明するための試験を実施した。これらのヨーグルトを、標準的なタンパク質4.5%のヨーグルト(脱脂乳由来のタンパク質3.5%、SMP追加分由来のタンパク質1.0%)と比較する。

本発明の成分とWPC392とを高い添加レベル(タンパク質10〜15%のヨーグルト)で用いて最初のヨーグルト試験を実施し、基線のテクスチャ特性を求めた。標準的な熱処理(95℃/8mm)でヨーグルト乳を加熱すると、WPC392を含有する乳は凝固して弱いゲルを形成し、さらに加工はできなかった。驚くべきことに、本発明のタンパク質成分はゲル化せず、高タンパク質ヨーグルトの製造に使用可能であった。

WPC392を用いる他の試験では、これを熱処理ステップの後に加えて、添加したホエータンパク質がゲル化する可能性を低くした。

実験プラン/変数 表2に、高タンパク質ヨーグルトの配合および追加成分を詳述する。これらを、標準的なタンパク質4.5%のヨーグルト(0%脂肪)感覚制御ヨーグルトと比較する。

配合 使用した配合を表3aに、レシピを表3bにあげておく。

製造プロセス 成分(培養以外)を温水に分散させ、適切な水和が可能なだけの時間、放置した。これらの溶液を約55℃まで加熱した後、均質化した150/50Bar。次に、試料を水浴中で90℃にて10分間バッチ加熱処理した。試料をインキュベーション温度まで冷却し、培養を加えて分散させた。

高タンパク質のヨーグルトでは発酵時間がかなり長めであった。インキュベーションは、38℃で15〜16時間であった。攪拌ヨーグルトの試料を、圧力降下1.7Bar、温度1TCで、背圧弁(BPV)またはオリフィスを介したポンピングで剪断(平滑化)した。

ヨーグルトプロセス図の図6を参照のこと。

結果 すべての試験データの概要を表4にあげておく。

粘度 タンパク質15%のヨーグルト(発明性のあるタンパク質成分のタンパク質11.5%でSMP3.5%と、発明性のあるタンパク質成分10.5%でSMP4.5%)の粘度は、ともに590mPa.s前後であった。驚くべきことに、粘度はタンパク質4.5%のヨーグルトに近かった(表4)。タンパク質12%のヨーグルト(タンパク質3.5%のSMPベース)の粘度も発明性のない対照より低かった。

離漿 攪拌ヨーグルトの離漿値を表4に示す。

タンパク質12%のヨーグルト(タンパク質3.5%のSMPベース)と、WPC392を含有する2種類のヨーグルトの離漿値は、極めて高かった(>90%)。発明性のあるタンパク質15%のヨーグルトとタンパク質12%のヨーグルト(タンパク質4.5%のSMPベース)は、標準的なタンパク質4.5%のヨーグルトよりも低いか、同様であった。

普段の感覚 5人の構成員からなる培養食品チームで試料を非公式に評価した。発明性のある高タンパク質ヨーグルトの香味は、WPC392を含有する試料よりも「タンパク質の」香りが少なく感じられた。

実施例3 低粘度で高タンパク質の飲むヨーグルト 固体ベースで約80%のタンパク質を含有するホエータンパク質フィード流を使用し、固体濃度32%、加工流量6.4m3/h、高圧プレヒーター流出口温度58℃、最終高圧ヒーター流出口温度80℃、ヒーター出口から乾燥機までの滞留時間23秒間すなわち、0秒保持管プラント構成で、発明性のあるタンパク質成分を調製した。

試験を実施し、最終製品を飲料として消費できるほど粘度が低い高タンパク質の飲むヨーグルトを製造した。

実験プラン/変数 配合 レシピを表1にあげておく。

製造プロセス 成分(培養以外)を温水に分散させ、適切な水和が可能なだけの時間、放置した。乳を約55℃まで加熱し、2段均質化した150/50Bar。均質化後の乳を、プレート熱交換器(PHE)内で循環させて8分間で95℃まで加熱した後、さらにPHEでインキュベーション温度まで冷却し、最後に小さなバットに排出した。培養を加え、分散させ、pH約4.6に達するまで乳を42℃でインキュベートした。

インキュベーション時間は5.5時間前後であった。高タンパク質含有量にもかかわらず、発酵時間は、驚くべきことにこれよりかなり低タンパク質(4.6%など)のヨーグルトで典型的なものであった。高タンパク質の飲むヨーグルトをポンプでPHEに流して約20℃まで冷却した後、これを圧力降下3Barで背圧弁(BPV)またはオリフィスに通して剪断(平滑化)した。

高タンパク質の飲むヨーグルト製造プロセスの図2の図を参照のこと。

結果 試験結果の概要を表6にあげておく。

粘度 高タンパク質の飲むヨーグルトの粘度は、脱脂乳4.5%(低脂肪)のヨーグルト対照の半分未満で、驚くべきことに製品をヨーグルト飲料として適したものにしていた。

実施例4 酵素処理加水分解産物の調製 一般的なレシピを用いて、5つのタンパク質試料をスクリーニングした。未変性の80%ホエータンパク質濃縮物(WPC)[対照1]、3種類の発明性のある変性ホエータンパク質化合物T13、T14、T21、完全に変性させたラクトアルブミン粉末[対照2]−詳細については下記を参照のこと。

使用した他のタンパク質成分は、以下のとおりであった。 Fonterra Co−operative Group Limited(Auckland)から入手可能なラクトアルブミン8254(対照2)。ラクトアルブミン8254は、100%変性されている。

Fonterra Co−operative Group Limited(Auckland)から入手可能なカゼイン酸ナトリウム180。

Fonterra Co−operative Group Limited(Auckland)から入手可能なチーズWPC80(WPC392)。WPC392は、本質的に天然のホエータンパク質であるすなわち、0%変性されている。

さまざまな発明性のある変性WPC粉末(変性>95%)を、同じレシピ(Alcalase1%およびThermoase1%)でAlcalaseおよびThermoase(一緒に)と反応させ、比較に用いた周知の従来技術における対照ホエータンパク質成分は、WPC392およびラクトアルブミン8254であった。

加水分解レシピの詳細を表7にあげておく。

RO水940gを水浴中にて65℃まで加熱した。 タンパク質成分60gを5分間かけて連続的に攪拌しながら水に加えた。 NaOHおよびKOH(必要があれば)を用いてpHをpH7.5に調整した。 T=0分の時点で、AlcalaseおよびThermoase酵素の両方を溶液(pH7.5、65℃でサーモスタット)に加えた。 消化過程の間、表3に示すようなアルカリを添加して反応混合物のpHを7.5に維持した。 加水分解は全反応時間で5時間であった。 反応後の溶液を85℃で20分間加熱し、酵素を不活性化した。 サイズ排除クロマトグラフィを用いて、Sydney、Jan 2009のANZSMS22(Australia and New Zealand Society for Mass Spectrometry 第22回年次会議)に開示された方法で、分子量特性(MWP)を分析した。

以下は、本発明の乾燥変性WPC成分(および対照WPC392)を用いて調製した試験加水分解産物バッチである。本発明の成分は、好都合なことに所望のMWPを与え、これは>20kDaの領域に材料<1%である。T13、T14、T21粉末の加水分解に、同じレシピ(酵素の組み合わせ)を使用した。

本発明の成分を、下記に示す熱処理手順で調製した。 T13=85℃ 0秒 補助的な管での保持時間なし T14=90℃ 0秒 補助的な管での保持時間 T21=85℃ 45秒 補助的な管での保持時間

レシピの詳細を表8にあげておく。

タンパク質分解酵素を含めて多岐にわたる酵素を、ヒト栄養製品の調製に使用する。国が変われば法規も異なる。欧州連合は、具体的に承認された酵素の一覧に対して法規を展開しているように見える。http://www.amfep.org/documents/Amfep%2009%2001%20−%20Amfep%20Statement%20on%20Food%20Enzymes%20Regulation%20−%20FlAP%20−JAN09.pdf

タンパク質分解の基質として用いた場合の本発明による成分の有益かつ多用途の成果を示す目的で、酵素の選択肢をタンパク質分解有効性のスクリーニングのために選択した。

使用した酵素は、以下のところから提供を受けたものである。 Alcalase2.4L−Novozymes Australia Pty. Ltd(www.novozymes.com)、 Enzidase TSP濃縮物(TSP)−Zymus International Ltd(www.zymus.net)、 パンクレアチン−American Laboratories Inc(www.americanlaboratories.com)、 Thermoase PC10F−大和化成株式会社(滋賀、日本)。

表7で用いた一対の酵素に代えて、酵素TSPおよびパンクレアチンを個々に使用し、表9にあげた詳細に基づいてさらに一連の加水分解産物を生成した。

表10は、表7に詳細に示したAlcalaseおよびThermoaseの組み合わせを用いて調製した加水分解産物から得られるMWPをまとめたものである。

抗原性要求の低減がなされた特殊調製粉乳用に設計した加水分解産物において、1%未満のペプチドが分子量>20kDaであることが通常は望ましい。本発明の成分は、驚くべきことに、余分な処理のステップを必要とすることなく、この制約を満たすことが可能であったため、以後の限外濾過で費用と収率損失が回避された。表11および表12に、周知の従来技術におけるプロセスを用いる加水分解産物を調製することで一般に生じる収率と加工上の問題をまとめ、これらと本発明から得られる利点とを比較する。

異なるレシピ(酵素)を用いた上記の発明性のある粉末のうちのひとつ(T13)の加水分解。 発明性のあるT13成分(96%変性)および2種類の異なるレシピ(酵素パンクレアチンおよびTSP)を用いる別の一連の加水分解反応を実施し、結果を表13および表14にあげておく。

パンクレアチンで処理した場合の本発明の成分では、過剰な>20kDa材料を除去するための限外濾過の必要性を回避する一層好ましいMWPが得られた。

TSPで処理した場合の本発明の成分では、過剰な>20kDa材料を除去するための限外濾過の必要性を回避する一層好ましいMWPが得られた。

異なるレシピ(酵素)を用いて、発明性のあるタンパク質成分であるが、液体不活性流(約90%変性)としての本発明の熱変性手順の後かつ乾燥前に直接的にタンパク質成分が得られる程度に改変したもので、2つの別の加水分解反応を実施し、表15に示す。表15には、本発明の液体流成分を加水分解した結果もまとめておく。

本発明の未乾燥の成分バージョン(液体流)では、ここでも乾燥コストならびに、不要な内容物>20kDaを除去するための以後の処理を回避する好ましいMWPが得られた。

実施例5 液体栄養/飲料/経腸/特別食の例 以下の2つの例は、発明性のあるホエータンパク質成分を用いて、多岐にわたる栄養食および特別食で有用な特別な特性を有するモデル飲料を調製することを示すものである。ひとつのシリーズで、この飲料はカロリー値が1kcal/gであった。第2のシリーズで、飲料のカロリー値は1.5kcal/gであった。

それぞれのカロリー値について、3つの配合を検討した。 a)本発明のタンパク質熱変性ホエータンパク質粉末が95%、 5%がカゼイン酸ナトリウムから b)上記(a)と同じ、 c)本発明の熱変性ホエータンパク質粉末100%でカゼイン酸ナトリウムを含まない対照。

55℃で脱塩した水28kgをCowles Dissolverに秤量 タンパク質を加え、60分間混合 マルトデキストリンおよびスクロースを加え、5分間混合 ミネラルを50℃で少量の水に事前に溶解させ、5分間混合 ミネラル溶液を成分に加えてCowles Dissolverに入れ、5分間混合 溶液をさらに加温 油およびレシチンを加温して分散を助け、別の容器で混合 油−レシチン混合物をCowles Dissolver溶液に加え、十分に分散 分散後の依然として温かい溶液を2段階均質化 均質後の溶液を25℃まで冷却し、KOHでpHを標的pH6.8に調整 溶液に水を加えて必要に応じて追加し、最終重量を40kgとする 溶液をUHTプラントに移し、直接蒸気噴射加熱を用いて140℃で4秒間UHT処理し、250mL容のガラス瓶に無菌封入して蓋をした。 UHT熱処理の前後にさまざまなテストを実施した。

1kcal/gのモデル栄養食タイプの配合 配合(a)は、発明性のある成分と同じバッチを使用すべく調製した点で配合(b)とは異なっていた/配合(c)では第2のバッチからの成分を使用した。配合を表16に詳細に示す。

1.5kcal/gのモデル栄養食タイプの配合 1.5kcal/gの評価に使用した配合を表17に示す。

表16および表17の配合に基づいて調製した試料を評価した結果を表18に示す。

実施例6 タンパク質成分として有用な、乱流条件での加熱液体ホエータンパク質流を生成するための直接蒸気噴射の使用 25kgのチーズWPC392粉末を70リットルの塩素化水で還元して、タンパク質濃縮物溶液を得た。このWPC粉末は、タンパク質が81%、脂肪が5.7%、灰分が3.4%、ラクトースが4%、水分が4%であった。還元後、ホエータンパク質溶液を50℃で2時間連続的に混合し、タンパク質の完全な水和を可能にした。

ホエータンパク質溶液(pH6.8)をパイロットプラント製品ラインに152.5kg/h(約137.4L/h、製品密度1.11kg/L)でポンプ供給し、そこで蒸気噴射弁を介しての約170℃および約7バールのゲージでの蒸気の直接注入によって加熱した。製品ラインは、長さ5m、内径10mmのステンレス鋼管であった。蒸気圧を5〜7バールのゲージに調節し、製品温度が約90℃に保たれるようにした。DSIユニットを介した製品の流れは、計算で求めたレイノルズ数が599であった。加熱後の液体をDSIポイント後約5mの製品弁で回収した。製品が蒸気噴射点から回収点まで移動するのに約3秒を要した。加熱流はDSIの出口で89.1℃であった。

加熱流を容器に回収したところ、室温への冷却時に半固体のペーストになった。この加熱流を、以下の表19に示すモデル栄養食配合を作る際のタンパク質および水源として用いた。対照としての栄養食配合のもうひとつの試料の調製時には、元のWPC粉末の試料を用いた。

栄養配合の調製には、オーバーヘッドスターラーを用いてタンパク質成分を55℃の水で30分間還元する必要があった。スクロース、マルトリン、ミネラルを混合しながら加えた後、混合をさらに10分間継続した。この混合物を70℃まで加熱した後、油(約70℃で混合してレシチンを溶解済み)を加え、続いて混合をさらに10分間継続した。次に、この混合物をベンチトップホモジナイザ(NIRO−SOAVI、Panda No 2638、Niro Group、Parma−Italy)で2段階均質化(200/50バール)した。次に、均質化後の配合を10mlのレトルト用ガラス瓶に入れ、続いて油浴中にて121℃で10分間加熱した。加熱後の試料を冷水中で約20℃まで即時冷却した。加熱前後の均質化後の配合の粘度を、コーンアンドプレート形状のPaar Physicaレオメータ(モデルUDS200、Anton Paar GmbH、Graz、Austria)にて、剪断掃引0.1〜500s−1、20℃で測定した。

図8は、加熱(121℃、10分間)前後に改変WPCがモデル栄養食配合の粘度に対しておよぼす作用を示す。加熱前の両配合の粘度は同様であった。加熱後、改変WPCを含有する配合の粘度が約84cPまで増加した。発明性のある生成物は、なめらかで自由に流れる飲用可能な生成物であった。しかしながら、加熱後、標準的なWPCを含有する対照配合ではゲルが形成され、粘度の測定が不能になった。

図9は、加熱前後の配合の写真を示す。改変WPCを含有する配合がなめらかで自由に流れる液体のままであるのに対し、標準的なWPCを含有する配合ではゲルが形成されたことが明らかである。

さまざまな栄養および/またはライフスタイルの要件を満たすための広範囲にわたる消費者のミールリプレイスメントとして、栄養配合を使用した。これらの食品は、小さな飲料のパックで完全に栄養要件を満たすことを目的としたものである。それ自体、上記の表19に示したモデル配合のように、高脂肪、炭水化物、タンパク質を含有することが多い。その加工には常に厄介な熱処理(121℃で10分間など)を伴う。これは、微生物的に安全なものにしなければならないからである。このような熱処理では、ゲル化したり固体の塊を形成したりすることなく、その厄介な熱処理条件に耐えられるこくのある成分が重要である。この例では、本発明の発明性のある熱改変WPCを用いると、最終製品の熱処理後になめらかな液体(低粘度)のまま残る栄養配合にホエータンパク質を高いレベル(>9%)で添加できるようになることを示した。

実施例7 本研究については、Rapid Visco Analyser(RVA 4)を用いて実施した。チーズホエー由来のWPC392(タンパク質80%)または発明性のある熱変性ホエータンパク質成分のいずれかを約4%を含有する、モデルの個別にラップしたスライス(IWS)プロセスチーズ配合を比較用に用いた。得られる製品の硬さと融解性を、その組成およびマイクロ構造とともに測定した。

目的 ・以下の手順によって、標準的なホエータンパク質濃縮物(WPC)392および発明性のある熱変性ホエータンパク質成分の性能を比較すること。 1.2種類のホエータンパク質濃縮物を用いてRVAにてIWSプロセスチーズを生成。 2.得られたプロセスチーズ試料の特性を比較。

方法および材料 Rapid Visco Analyser(RVA)にて、2種類のプロセスチーズスライス配合を製造した。WPC392または発明性のある熱変性ホエータンパク質成分を約4%含有する、単純なモデルIWSプロセスチーズ配合を使用した。実施1では、標準的なWPC392を含有し、実施2では発明性のある熱変性ホエータンパク質成分を含有した。実際の配合を表20にあげておく。

この作業で使用した方法については、公開されているPCT特許出願国際公開第2007/108708A1号パンフレット(Wiles、Lee、AnemaおよびHavea)から直接得た。

ブレンド レンネットカゼイン、WPC、クエン酸三ナトリウム、塩、水を一緒に混合し、アルミニウム製のRVAキャニスタで40分間水和させた。粉チーズ、有塩バター、ラクトース、クエン酸、ソルビン酸カリウムを加え、混合した。

調理 このチーズブレンドをRVAで10分間調理した。最初の4分間で温度を25℃から87℃に上げ、残りの6分間は87℃で保持した。最初の4分間で攪拌速度を0から800rpmまで上げ、残りの6分間は800rpmで保持した。調理終了時、高温のプロセスチーズ試料をポリプロピレンシートに注ぎ、別のポリプロピレンシートで覆い、巻いてスライスにした。このスライスをジップロックのビニール袋に密閉し、アルミニウムトレー上で冷蔵庫にてすみやかに冷却した。それぞれの実施時に6枚のスライスを作った。各スライスを形成する前にRVAで即時に粘度を記録した。

組成 従来のオーブン法(105℃で16時間)で水分を分析した。Radiometer PHM82標準pH計とN48 EEプローブとを用いて、pHを測定した。

テクスチャ測定 スライスを5℃で3日間保持した上でテストした。テクスチャのテストでは、4枚のスライスを積み重ね、半分に切り、2つの半割を重ねた。つまり、テストスタックはスライス8枚分の厚さであった。

貫入試験(1/4インチの円筒[6.4mm])を用いて、TA−HD TextureAnalyser(aka Cylinder Test)にて13℃で硬さを測定した。スライスのスタックに、1mms−1の速度で円筒を10mm挿入し、ピーク力を記録した。4回分の測定値を得た。

Vane Test(Brookfield 5XHBTDV−II粘度計)を使用して、13℃で応力と歪みを測定した。6mmの4刃ベーンを深さ10mmまで挿入し、降伏点に達するまで0.5rpmで回転させた。4回分の測定値を記録した。

Schreiber Melt Test(232℃で5分間、ZehrenおよびNusbaum 1992)プロセスチーズを用いて、融解性を測定した。Cheese Reporter Publishing Company。

結果 組成 水分およびpHデータを表21に示す。試料の水分およびpHは、非常に一貫していた。これは、テクスチャおよび融解特性の違いは、組成のばらつきではなく、成分の性能差によるものである可能性が高いことを意味する。

RVAでのチーズの製造時には水分の蒸発が起こる。これはバッチ間で一定であると仮定されるため、加工時の蒸発に対する水分調節はしなかった。表21の一貫した水分データが、このアプローチを裏付けている。

結果を±1標準偏差で示す。

最終粘度 平均最終粘度を表21にあげておく。

最終粘度は明らかに異なり、WPC392を含有するプロセスチーズのほうが、発明性のある熱変性ホエータンパク質成分を含有するプロセスチーズより高かった。

円筒試験で測定した場合の硬さ 硬さの結果を表21に記録する。標準的なWPC392から作ったIWSの硬さは、発明性のある熱変性ホエータンパク質成分から作ったIWSよりも低いように見える。試料の水分およびpHはほぼ同一である(かつ、推論ではタンパク質および脂肪含有量も)ため、硬さの差はWPC成分によるものである。

ベーンテストで測定した場合の応力および歪みの結果 ベーン応力の結果を表21にあげておく。応力データのパターンが硬さのデータと整合し、WPC392から作ったプロセスチーズの応力のほうが発明性のある成分よりも低かった。

ベーンの歪みの結果を表21にあげておく。標準的なWPC392から作ったIWSで得られた歪みデータは、発明性のある成分から作ったものよりも低い。

融解性 融解性の結果を表21にあげておく。標準的なWPC392から作ったIWSは、発明性のある成分から作ったものよりも有意にわずかしか融解しない。

概要 ・発明性のある成分を用いて作ったIWSは、WPC392を用いて作ったチーズよりも多く融解する ・発明性のある成分を用いて作ったIWSは、WPC392を用いて作ったチーズよりも硬い ・発明性のある成分を用いて作ったIWSは、WPC392を用いて作ったチーズよりも工程内粘度が低い ・スライスの組成がマイクロ構造のように比較的均一であった(水分およびpH)。ここから、テクスチャの差はいずれも組成のばらつきによって激しくなることが示唆される。

実施例8 乾燥前に高圧管状リアクタから出る液体流のキャラクタリゼーション 図10は、本発明の管状リアクタの外で極細粒子分散物を調製可能であることを示す。

図11は、温度と保持時間との組み合わせを調節することで、管状リアクタから出る液体流の変性の程度を細かく制御可能であることを示す。

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