The preparation of angiotensin converting enzyme inhibition peptide-containing whey

申请号 JP2000593192 申请日 2000-01-11 公开(公告)号 JP4371292B2 公开(公告)日 2009-11-25
申请人 カルピス株式会社; 发明人 崇 上山; 修二 北村;
摘要
权利要求
  • (A)ラクトバチルス・ヘルベティカスを含む乳酸菌と乳を含む原料とを混合撹拌し混合原料を得る工程と、
    (B−1)カード細片と、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含む乳清とを生成させるように前記混合原料を撹拌下で発酵させる工程とを含み、
    カード細片と、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含む乳清とを含有する発酵乳を調製し、
    (C)得られた発酵乳を、遠心分離及び圧搾濾過の少なくとも一方の操作を行なって乳清を分離回収する工程を含み、
    前記(B−1)工程の撹拌を、得られる発酵乳のpHがpH5からpH4.7〜4.6の間に下がる間中少なくとも実施することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド含有 乳清の製造法。
  • (A)ラクトバチルス・ヘルベティカスを含む乳酸菌と乳を含む原料とを混合撹拌し混合原料を得る工程と、
    (B−1)カード細片と、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含む乳清とを生成させるように前記混合原料を撹拌下で発酵させる工程と、
    (B−2)前記混合原料を静置下で発酵させる工程とを含み、
    カード細片と、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含む乳清とを含有する発酵乳を調製し、
    (C)得られた発酵乳を、遠心分離及び圧搾濾過の少なくとも一方の操作を行なって乳清を分離回収する工程を含み、
    前記(B−1)工程の撹拌を、得られる発酵乳のpHがpH5からpH4.7〜4.6の間に下がる間中少なくとも実施することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド含有 乳清の製造法。
  • 乳が、牛乳、山羊乳、羊乳、豆乳、脱脂乳、還元乳、粉乳、コンデンスミルク及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項1又は2に記載の製造法。
  • 得られる発酵乳の粘度が、20cP以下である請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
  • アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドが、Val Pro Pro、Ile Pro Pro及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
  • 前記混合原料が、更に、酵母を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
  • 前記ラクトバチルス・ヘルベチカスが、ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株(工業技術院生命工学工業技術研究所 寄託番号:FERM BP−6060,寄託日1997.8.15)を含む請求項1〜6のいずれかに記載の製造法。
  • (B−1)工程の撹拌を、撹拌速度1〜50rpmで行う請求項1〜7のいずれかに記載の製造法。
  • 说明书全文

    本発明は、Val Pro Pro 及び/又は Ile Pro Pro 等のアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含有する乳清を効率良く分離製造し得るアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド含有乳清の製造法に関する。

    アンジオテンシン変換酵素(Angiotensin Converting Enzyme, 以下“ACE”と称する)は、主にや血管内皮細胞に存在する。 このACEは、レニンにより分解されたアンジオテンシンI(Asp Arg Val Tyr Ile His Pro Phe His Pro Phe His Leu)に作用してC末端よりジペプチド(His Leu)を遊離させ、血管壁平滑筋を収縮させる作用を示すと共に、強な血圧上昇作用を有するアンジオテンシンIIを産生する。 また、この酵素は、降圧作用を有するブラジキニンを分解し、不活性化する作用を併せ持つ。 このようなACEは、昇圧ペプチド(アンジオテンシンII)を産生すると共に、降圧ペプチド(ブラジキニン)を不活性化するので、結果として血圧を上昇させる作用を示す。 従って、ACEの活性を阻害するアンジオテンシン変換酵素阻害剤(Angiotensin Converting Enzyme Inhiviter,以下“ACEI”と称する)は、血圧上昇を抑制する作用を示す。

    ACEIとしては、Val Pro Proを構成単位として有するアミノ酸残基数が3〜10個のペプチド(特許第2782142号公報)及びIle Pro Proのトリペプチド(特開平3−120225号公報)等が知られている。 更に、乳カゼインの乳酸菌産生タンパク質分解酵素で分解されることによって生成し、発酵乳の乳清に溶解して存在するACEI活性を持つペプチドも知られている(J.Dairy Sci. 78 ,6,p1253-1257,1995)。
    このようなACEIとしてのペプチドを摂取する場合、例えば、Val Pro Pro 及び/又はIle Pro Proを含む発酵乳をそのままの形態で摂取することができる。 しかし、発酵乳中に存在するACEIとしてのペプチドの濃度及び有効量を考慮した場合、ある程度以上の量の発酵乳を摂取することが必要である。 このためACEIを多く含む発酵乳や乳清の製造法の開発が望まれている。
    Val Pro Pro及び/又はIle Pro Pro等のACEIは、安全性が高く医薬品、機能性食品、健康食品等に利用できることが知られている。 これらVal Pro Pro及び/又はIle Pro Proの製造法としては、これらを構成単位として含むペプチド及び/又は蛋白質を含む培地において乳酸菌を培養し、発酵乳を得、得られた発酵乳を精製する方法(特許第2782153号公報)が提案されている。

    従来の乳酸発酵の方法は、例えば、ヨーグルト等の代表的な発酵乳製品の製造の場合、スタータ添加後、均一撹拌し、次いで、製品全体をカード状とするために、静置状態で乳酸発酵が行なわれている。 このような静置状態で乳酸発酵が行なわれる要因は、乳酸発酵時の乳酸菌の増殖によりpHが低下しつつある状態において、発酵液に撹拌、振盪等の振動が加えられると、得られる発酵乳製品において、離及びテクスチャー不良等の問題が生じるためであると考えられる。 また、乳酸発酵に用いる乳酸菌は、通性嫌気性細菌に属するために、しばしば酸素により生育が阻害される。 従って、従来、静置状態で乳酸発酵させる必要がある工程において、撹拌培養することは全く考慮されていないのが実状である。 一方、チーズ製造の場合も、スタータ添加後、均一撹拌し、次いで、静置状態で発酵が行なわれた後、静置状態でレンネットを作用させてカゼインを凝固させ、その後、撹拌や圧搾を行なって乳清を排出する方法が一般的である。
    ところで、発酵乳から乳清を精製し、この乳清に含まれる有効成分を濃縮するには、乳清の回収率向上策が工業化のために必要である。 従来、発酵乳からカード画分を回収することを目的とする方法は多数提案されているが、発酵乳から乳清を効率的に分離する方法については、これまでほとんど行なわれていないのが現状である。

    特許第2782153号公報

    本発明の目的は、安全性が高く、医薬品、機能性食品、健康食品等として使用できるACEIペプチドを高い割合で含む乳清を高回収率で効率的に得ることができるACEIペプチド含有乳清の製造法を提供することにある。

    本発明によれば、(A)ラクトバチルス・ヘルベティカスを含む乳酸菌と乳を含む原料とを混合撹拌し混合原料を得る工程と、(B−1)カード細片と、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含む乳清とを生成させるように前記混合原料を撹拌下で発酵させる工程とを含み、カード細片と、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含む乳清とを含有する発酵乳を調製し、(C)得られた発酵乳を、遠心分離及び圧搾濾過の少なくとも一方の操作を行なって乳清を分離回収する工程を含み、前記(B−1)工程の撹拌を、得られる発酵乳のpHがpH5からpH4.7〜4.6の間に下がる間中少なくとも実施することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド含有乳清の製造法が提供される。
    また本発明によれば、(A)ラクトバチルス・ヘルベティカスを含む乳酸菌と乳を含む原料とを混合撹拌し混合原料を得る工程と、(B−1)カード細片と、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含む乳清とを生成させるように前記混合原料を撹拌下で発酵させる工程と、(B−2)前記混合原料を静置下で発酵させる工程とを含み、
    カード細片と、アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドを含む乳清とを含有する発酵乳を調製し、(C)得られた発酵乳を、遠心分離及び圧搾濾過の少なくとも一方の操作を行なって乳清を分離回収する工程を含み、前記(B−1)工程の撹拌を、得られる発酵乳のpHがpH5からpH4.7〜4.6の間に下がる間中少なくとも実施することを特徴とするアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド含有乳清の製造法が提供される。

    以下本発明を更に詳細に説明する。
    本発明の製造法では、(A) ラクトバチルス・ヘルベティカスを含む乳酸菌と乳を含む原料とを混合撹拌し混合原料を得る工程を含む。
    原料として用いる乳としては、例えば、乳、山羊乳、羊乳等の獣乳;豆乳等の植物乳;これらの加工乳である脱脂乳、還元乳、粉乳、コンデンスミルク等が用いられる。 使用に際しては混合物として用いることができる。 これらの乳には、Val Pro Pro及び/又はIle Pro Proを構成単位として含むペプチド及び蛋白質が含まれる。

    乳の固形分濃度は特に限定されないが、例えば、脱脂乳を用いる場合の無脂乳固形分濃度は、9質量%程度が発酵乳の生産には最も良く用いられる。 しかし、設備あたりの生産量を考慮した場合、無脂乳固形分濃度をある程度高くしたほうが生産コストを抑えることができる。 通常の静置下のみにおける乳酸発酵において、無脂乳固形分濃度を13質量%以上として乳酸発酵を行なうと、得られる発酵乳の粘度が高くなり、乳清を分離することが困難となるため、無脂乳固形分濃度を高くすることができない。 これに対して、本発明の方法では、後述する撹拌をともなう発酵を行なうため、無脂乳固形分濃度を15質量%以上にする場合にも、低い粘度が保持されて容易に、且つ効率的に乳清を得ることができる。

    本発明の製造法では、本発明の目的を損ねない範囲で、乳以外の他の原料を含有させることも可能である。 他の原料は、通常、発酵乳の製造に使用できる公知の他の原料から所望の目的に応じて適宜選択することができる。

    本発明の製造法に用いる乳酸菌としては、ラクトバチルス属の乳酸菌等が好ましい。 このような乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブルキィ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbruekii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)等が挙げられる。 特に、ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株(工業技術院生命工学工業技術研究所 寄託番号:FERM BP−6060,寄託日1997.8.15)(以下、ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株と称す)が、ACEIペプチドの高生産乳酸菌として好適である。 このラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株は、特許手続上の生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に上記寄託番号で登録されており、この株が特許されることにより、第三者が入手できない制限が全て取り除かれる。

    本発明において乳酸菌は、あらかじめ前培養しておいた十分に活性の高いスターターとして用いることが好ましい。 初発菌数は、好ましくは10 5 〜10 7個/ml程度である。

    本発明においては、前記混合原料に本発明の目的を損ねない範囲で他の菌を含有させることもできる。 例えば、得られる発酵乳や乳清を、機能性食品、健康食品等として利用する場合に、風味を良好にし、嗜好性を良好とするために酵母を併用することができる。
    酵母の菌種は特に限定されないが、例えば、サッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)等のサッカロマイセス属酵母等が好ましく挙げられる。 酵母の含有割合は、その目的に応じて適宜選択することができる。

    本発明の製造法において、前記混合原料を得る際の混合撹拌は、乳酸菌と原料とが均一に混ざるように公知の方法等で行うことができる。 なお、この工程(A)は通常行われるものであり、後述する発酵の工程とは区別されている。

    本発明の製造法では、次いで、(B−1)カード細片と、ACEIペプチドを含む乳清とを生成させるように前記混合原料を撹拌下で発酵させる工程、若しくは前記(B−1)工程と、(B−2)前記混合原料を静置下で発酵させる工程とを含み、カード細片と、ACEIペプチドを含む乳清とを含有する発酵乳を調製する。
    これらの工程は、前記混合原料を乳酸発酵させる工程であり、従来における乳酸発酵は、混合原料全体がカード状等の塊となるようにするために静置下で行われていた。

    本発明の製造法において、乳酸発酵させる際の発酵条件及び発酵終了酸度は、乳酸菌種、菌株及び乳固形分含有量により最良の条件が異なるので、ACEIペプチドの生成量により至適条件を適宜設定することができる。 例えば、ラクトバチルス・ヘルベチカスCM4株を用いる場合の至適温度は25〜40℃、発酵時間は12〜40時間程度である。 発酵終了酸度は、乳酸酸度として1.5〜3質量%程度が好ましい。

    前記工程(B−1)においては、前記発酵を撹拌下で行なう。 乳酸発酵を工程(B−1)のみで行う場合には、実質的に連続的に撹拌しながら発酵を行なう。 一方、工程(B−1)及び工程(B−2)の両方を行う場合には、各工程を少なくとも1回行えばよく、好ましくは複数回に分けて行えばよい。 また、その順序は特に限定されない。 撹拌の条件、並びに撹拌と静置の条件は、この発酵工程によって、多数のカード細片とACEIペプチドを含む乳清とを生成させる条件で行う。 好ましくは、この発酵工程により得られるカード細片とACEIペプチドを含む乳清とを含む混合物の粘度が、20cP以下、特に、10cP以下となるような条件を設定すればよい。 この際、粘度の下限値は特に限定されないが、通常2.0cP程度である。 このようなカードと乳清とを生成させる条件は、発酵によるpH低下の途上において、軟らかなカード形成が開始するpH5から、カゼイン等電点であるpH4.7〜4.6の間に撹拌が行われるよう条件を設定する。

    従来の静置培養のみによる発酵においては、培養槽(タンク)内に生成するカードがタンク内全体に実質的にゲル状組織が連続状態にある、プレーンヨーグルト状のカードとして生成される。 従って、このような発酵乳カードを、発酵後に撹拌してカード片としても上述のような低い粘度の発酵乳とすることはできない。 一方、上記工程(B−1)を必須とする本発明の製造法では、発酵によって、ゲル状組織が連続状態にある1つの塊としてのカードが形成されることはなく、カード細片が乳清中に浮遊、分散若しくは沈降した状態の発酵乳が得られる。 カード細片の大きさは各種条件及び乳酸菌の種類等により異なるが、例えば、ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株を用いて、撹拌しながらの発酵と静置発酵とを繰り返し行った場合、3μm〜5mm程度となる。

    本発明において前記発酵は、乳酸菌が通性嫌気性細菌に属するため、その生育が過剰な酸素により阻害されないようにすることが好ましい。 従って、前記発酵時の撹拌は、発酵液中に気泡が巻き込まれて溶存酸素量が上昇することを抑制する条件で行なうことが好ましい。 例えば、発酵時の撹拌を発酵の間連続的に行なう場合には、発酵液が緩やかに流動混合するような低速度撹拌が好ましい。 具体的には、撹拌速度1〜50rpm程度で行なうことができる。 一方、前記発酵を、撹拌発酵と静置発酵との両者を組合せて行なう場合には、即ち、前記工程(B−1)と工程(B−2)とを組合せて行なう場合には、撹拌が短期間において激しい条件で行なわれて気泡が発酵液中に巻き込まれても、溶存酸素量の上昇が抑制される条件であれば良い。

    上記撹拌条件を適宜選択すれば、驚くべきことに、本発明における上記発酵時における混合撹拌を行なっても、後述する実施例に示すように静置発酵のみで行なった場合と同等若しくはそれ以上の高い割合でACEIペプチドが含まれる発酵乳が得られる。
    本発明の製造法では、粘度が低く作業性に優れた、多数のカード細片と乳清とを含む発酵乳を効率的に得ることができ、また、このような発酵乳から後述する方法により、効率的に乳清を得ることができる。

    本発明の製造法では、前記発酵終了後、通常行われる撹拌を行ってもよい。 特に、前記発酵における発酵終了時に、(B−2)工程の静置下で発酵させた場合には、発酵終了後に撹拌することが好ましい。

    本発明のACEIペプチド含有乳清の製造法では、前記発酵乳を得る工程の後、(C)得られた発酵乳を遠心分離及び/又は圧搾濾過し、乳清を分離回収する工程を含む。
    発酵乳を遠心分離するには、遠心分離機を用いて行なうことができる。 遠心分離の条件は、例えば、回転数2000〜10000rpm程度において、連続遠心分離することが好ましい。 一方、圧搾濾過は、圧搾濾過機を用いて行なうことができる。 圧搾濾過の条件は、2〜8kg/cm 2の加圧条件とするのが好ましい。

    本発明の製造法により得られるACEIペプチド含有乳は、乳清飲料として用いることができる。 また、ACEIペプチド含有乳清を、脱酸、脱塩、濃縮、単離等の処理工程を経た後に液状製品として、若しくは乾燥・粉末化して顆粒状、錠剤等の製品として用いることができる。
    本発明のACEIペプチド含有乳清の製造法では、撹拌下における発酵を伴って発酵乳を得る工程と、得られた発酵乳を遠心分離及び/又は圧搾濾過して乳清を分離回収する工程を含むので、ACEIペプチドを高い割合で含む乳清を効率的に回収することができる。 従って、本発明のこれらの方法を利用することにより、ACEIペプチドを含む製品を容易に製造することができ、工業的にも極めて有効である。

    以下実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
    比較例1
    脱脂粉乳(よつ葉乳業(株)製)900gを水9100gに溶解し、90℃で1分間HTST(High Temperature Short Time)殺菌した。 その後、室温まで冷却して予め前培養しておいたラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株を300g接種し、均一になるように撹拌した。 次いで、34℃、25時間静置発酵させ、乳酸酸度が2.06質量%のゲル状組織が連続状態にある発酵乳カードaを得た。
    次に、得られた発酵乳カードaを撹拌した後、遠心分離機(日立製作所(株)製、20PR52)を用いて、3000rpm、10分間の条件で、カード画分を遠心分離により除去し、乳清2.5kgを回収した。
    得られた発酵乳カードaについて、下記の条件で粘度及びACEIペプチド含有量を測定した。 結果を表1に示す。 また、得られた発酵乳カードaを撹拌した後、粒度分布計((株)堀場製作所製、LA−920)でカード細片の粒度を測定した。 その結果、カード細片の90%が直径47μm以下であり、算術平均径は27μmであった。

    (粘度の測定法)
    粘度の測定には、ビスメトロン粘度計(芝浦システム(株)製)を用いた。 粘度測定時の液温は25℃、回転数は60rpmとし、ローター及び測定時間は、中粘度用ローターNo. 2を用いて、測定時間60秒で行なった。
    (Val Pro Pro 及び Ile Pro Pro 含有量の測定法)
    発酵乳カードa約1mlをそのまま15000rpmで10分間実験用遠心分離機にて上清を回収する。 得られる上清0.3mlをSep−Pak Cartridge(ウォーターズ社製)に吸着させ、蒸留水で洗浄する。 メタノール5mlにて溶出し、遠心処理下で減圧乾燥する。 乾燥物を0.3mlの0.05% Trifluoroacetic acid 水溶液に溶解し高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析する。

    HPLCによる分析条件 使用機種:日立L4000UVディテクター(215nm検出)
    L6200インテリジェントポンプ
    L5030カラムオーブン(35℃)
    分離条件:流速0.5ml/min
    溶離液:0.3M NaCl,0.05% Trifluoroacetic acid 水溶液 カラム:Asahipak GS320 (Ф3.9×600mm)
    ACEIペプチド含有量:Val Pro Pro と Ile Pro ProのACEI活性が異なるため、下式にて換算し、ACEIペプチド含有量とした。
    ACEIペプチド含有量(mg/100g)=IPP量(mg/100g)×1.7+VPP量(mg/100g)

    実施例1
    脱脂粉乳(よつ葉乳業(株)製)900gを、水9100gに溶解し、90℃で1分間HTST殺菌した。 その後、室温まで冷却して予め前培養しておいたラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株を300g接種し、均一撹拌した。 次いで、34℃で撹拌速度50rpmにて撹拌しながら29時間発酵させ、乳酸酸度が1.88質量%の発酵乳bを得た。 得られた発酵乳bのカード細片について、粒度分布計((株)堀場製作所製、LA−920)で粒度を測定した。 その結果、カード細片の90%が直径30μm以下であり、算術平均径は18μmであった。
    次に、得られた発酵乳bを遠心分離機(日立製作所(株)製、20PR52)を用いて、3000rpm、10分間の条件で、カード画分を遠心分離により除去し、乳清6kgを回収した。
    得られた発酵乳bについて、比較例1と同様な条件で粘度及びACEIペプチド含有量を測定した。 結果を表1に示す。 但し、粘度測定におけるローター及び測定時間は、低粘度用ローターNo. 1を用いて測定時間30秒で測定した。

    比較例2
    脱脂粉乳(よつ葉乳業(株)製)1.5kgを、水8.5kgに溶解し90℃で1分間HTST殺菌した。 その後、室温まで冷却して予め前培養しておいたラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株を300g接種し、均一撹拌した。 次いで、34℃で28時間静置発酵させ、乳酸酸度が2.81質量%のゲル状組織が連続状態にある発酵乳カードcを得た。 次に得られた発酵乳カードcを撹拌した後、遠心分離機(日立製作所(株)製、20PR52)を用いて3000rpm、10分間の条件でカード画分を遠心分離により除去し乳清100gを回収した。
    得られた発酵乳カードcについて、比較例1と同様な条件で粘度及びACEIペプチド含有量を測定した。 結果を表1に示す。 但し、粘度測定におけるローター及び測定時間は、高粘度用ローターNo. 3を用いて測定時間60秒で測定した。 下記の条件で粘度及びACEIペプチド含有量を測定した。

    実施例2
    脱脂粉乳(よつ葉乳業(株)製)1.5kgを、水8.5kgに溶解し、90℃で1分間HTST殺菌した。 その後、室温まで冷却して予め前培養しておいたラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株を300g接種し、均一撹拌した。 次いで、34℃で撹拌速度50rpmにて撹拌しながら30時間発酵させ、乳酸酸度が3.04質量%の発酵乳dを得た。
    次に、得られた発酵乳dを連続遠心分離機(日立製作所(株)製、20PR52)を用いて、3000rpm、10分間の条件で、カード画分を遠心分離により除去し、乳清6.4kgを回収した。
    得られた発酵乳dについて、比較例1と同様な条件で粘度及びACEIペプチド含有量を測定した。 結果を表1に示す。 但し、粘度測定におけるローター及び測定時間は、低粘度用ローターNo. 1を用いて測定時間30秒で測定した。

    実施例3
    脱脂粉乳(よつ葉乳業(株)製)712kgを、水7288kgに溶解し、92℃でプレート殺菌して、タンク(岩井機械製18000Lタンク)に導入した。 その後、35℃まで冷却して予め前培養しておいたラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株スターターを240kg接種し、均一撹拌した。 次いで、断続的な撹拌(15分間撹拌後、45分間静置させる発酵の繰返し)を行いながら、32℃で27時間発酵させた。 このような発酵により、乳酸酸度が1.8質量%の発酵乳eを得た。 得られた発酵乳eのカード細片について、粒度分布計((株)堀場製作所製、LA−920)で粒度を測定した。 その結果、カード細片の90%が直径172μm以下であり、算術平均径は86μmであった。
    次に、得られた発酵乳eをノズルセパレータ式遠心分離機(アルファラバル社製、MBUX510T−34C、ノズルサイズ1mm、流量3500L/時間、回転数7490rpm)を用いて、乳清6160kgを回収した。
    得られた発酵乳eについて、比較例1と同様な条件で粘度及びACEIペプチド含有量を測定した。 結果を表1に示す。 但し、粘度測定におけるローター及び測定時間は、低粘度用ローターNo. 1を用いて測定時間30秒で測定した。

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