Allergy treatment with acid treatment aqueous whey protein extract

申请号 JP2012533435 申请日 2010-10-14 公开(公告)号 JP2013507134A 公开(公告)日 2013-03-04
申请人 デアリ オーストラリア リミテッド; ウィメンズ アンド チルドレンズ ヘルス リサーチ インスティテュートWomen’S And Children’S Health Research Institute; 发明人 アウリ ペンティラ,イルメリ; ロバート ミッチェル,イアン;
摘要 本発明は、 乳清 タンパク質抽出物の製造、乳児用調製粉乳、および食物アレルギーの低減または防止に関する。 乳清タンパク質抽出物は、乳清タンパク質含有組成物を 水 溶液と 接触 させて可溶性タンパク質含有構成要素と不溶性構成要素を含むサンプルを生成し;可溶性タンパク質含有構成要素をサンプルから回収し;可溶性タンパク質含有構成要素を酸性化し、それによって乳清タンパク質抽出物を製造することで、乳清タンパク質含有組成物から製造される。 本発明の方法によって生成される抽出物は、乳児用調製粉乳で使用し、健康補助食品または食材として使用することもできる。
【選択図】なし
权利要求
  • 乳清タンパク質含有組成物から乳清タンパク質抽出物を製造する方法であって、− 乳清タンパク質含有組成物を水溶液と接触させ、それによって可溶性タンパク質含有構成要素と不溶性構成要素を含むサンプルを形成するステップと;
    − 前記可溶性タンパク質含有構成要素を前記サンプルから回収するステップと;
    − 前記可溶性タンパク質含有構成要素を酸性化するステップを含み;
    それによって乳清タンパク質抽出物を形成することを特徴とする方法。
  • 請求項1に記載の方法において、前記乳清タンパク質含有組成物が、甘性乳清、酸性乳清、乳糖低減乳清、脱ミネラル乳清、乳清タンパク質濃縮物(WPC)または乳清タンパク質単離物(WPI)の1つ以上を含むことを特徴とする方法。
  • 請求項2に記載の方法において、前記乳清タンパク質含有組成物中のタンパク質量が、乾燥重量を基準にして少なくとも約10%〜約95%w/wであることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法において、前記乳清タンパク質含有組成物が、炭水化物および脂肪の少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
  • 請求項4に記載の方法において、前記乳清タンパク質含有組成物中の炭水化物量が、乾燥重量を基準にして少なくとも約1%〜約80%w/w未満であることを特徴とする方法。
  • 請求項4に記載の方法において、前記乳清タンパク質含有組成物中の脂肪の量が、乾燥重量を基準にして少なくとも約0.5%〜約10%w/w未満であることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法において、前記乳清タンパク質含有組成物が、乾燥重量を基準にして約80〜82%のタンパク質、約4〜8%の乳糖、および約4〜8%w/wの脂肪を含むことを特徴とする方法。
  • 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法において、前記乳清タンパク質含有組成物がWPCであることを特徴とする方法。
  • 請求項8に記載の方法において、前記WPCがWPC80であることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法において、前記乳清タンパク質含有組成物が、前記水溶液と接触する粉末形態で提供されることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法において、前記水溶液が水であることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法において、前記水溶液と少なくとも約0.5%〜10%w/wの乳清タンパク質含有組成物の量で接触する、前記乳清タンパク質含有組成物が提供されることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法において、前記可溶性タンパク質含有構成要素が、前記不溶性固体から前記可溶性タンパク質含有構成要素を分離することで回収されることを特徴とする方法。
  • 請求項13に記載の方法において、前記可溶性タンパク質含有構成要素が、前記サンプルに、遠心分離、クロマトグラフィー、イオン交換、電気透析、濾過または吸着の1つ以上を実施することで、前記不溶性固体から分離されることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法において、前記可溶性タンパク質含有構成要素が、前記可溶性タンパク質含有構成要素に少なくとも約2.5のpHを提供することによって酸性化されることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法において、前記可溶性タンパク質含有構成要素が、前記可溶性タンパク質含有構成要素が酸性化された後に、前記サンプルから回収されることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法において、
    − 前記酸性化された可溶性タンパク質含有構成要素を中和するさらなるステップを含むことを特徴とする方法。
  • 請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法において、前記可溶性タンパク質含有構成要素が、前記可溶性タンパク質含有構成要素に約7のpHを提供することで中和されることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法において、前記可溶性タンパク質含有構成要素が、前記可溶性タンパク質含有構成要素が中和された後に前記サンプルから回収されることを特徴とする方法。
  • 請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法において、前記可溶性タンパク質含有構成要素を乾燥させて、粉末を形成するステップを含むことを特徴とする方法。
  • 乳清タンパク質抽出物であって、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含むことを特徴とする抽出物。
  • 請求項21に記載の抽出物において、前記抽出物が請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法によって生成されることを特徴とする抽出物。
  • 請求項21に記載の抽出物において、前記酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を形成する前記タンパク質が、実質的に加水分解されないことを特徴とする抽出物。
  • 請求項21に記載の抽出物の使用であって、乳児用調製粉乳、健康補助食品または食材を製造するためであることを特徴とする使用。
  • 乳児用調製粉乳、健康補助食品または食材であって、請求項21に記載の抽出物を含むことを特徴とする乳児用調製粉乳、健康補助食品または食材。
  • 請求項21に記載の抽出物の使用であって、食物アレルギーを予防しまたは最小限に抑える薬剤を製造するためであることを特徴とする使用。
  • 食物アレルギーを予防しまたは最小限に抑える方法であって、請求項21に記載の抽出物を個体に提供するステップを含むことを特徴とする使用。
  • 食物アレルギーを起こしやすい個体においてIL−2の放出を減少させる方法であって、請求項21に記載の抽出物を前記個体に提供するステップを含むことを特徴とする方法。
  • 食物アレルギーを起こしやすい個体においてTNFまたはIL−18の放出を増大させる方法であって、請求項21に記載の抽出物を前記個体に提供するステップを含むことを特徴とする方法。
  • 食物アレルギーを起こしやすい個体において、腸管上皮細胞バリア機能を高める方法であって、請求項21に記載の抽出物を個体に提供するステップを含むことを特徴とする方法。
  • 食物アレルギーを起こしやすい個体においてTh1免疫応答を高める方法であって、請求項21に記載の抽出物を前記個体に提供するステップを含むことを特徴とする方法。
  • 食物アレルギーを起こしやすい個体においてTh2免疫応答を最小限に抑える方法であって、請求項21に記載の抽出物を前記個体に提供するステップを含むことを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    本発明は、乳清タンパク質抽出物の製造、乳児用調製粉乳、および食物アレルギーの低減または防止に関する。

    母乳を与えられない乳児は、栄養源として、正常な成長と発達を確実にするのを助けるために、乳児用調製粉乳に依存しなくてはならない。

    乳児用調製粉乳は、一般に乳ベースである。 しかし約2〜3%の乳児は、牛乳中のタンパク質に対してアレルギーがある。 アレルゲンに対する免疫応答を制御するいくつかの要素があるが、乳児におけるTh1/Th2バランスが免疫発達において重要であり、調製粉乳には免疫制御機序を促進し、Th1およびTh2分化を進めるサイトカインが欠乏している。 したがって適切な免疫応答と発達を促進する健康補助食品、食材または乳児用調製粉乳に対する必要性がある。

    一実施形態では、
    − 乳清タンパク質含有組成物を溶液と接触させ、それによって可溶性タンパク質含有構成素と不溶性構成要素を含むサンプルを形成するステップと;
    − 可溶性タンパク質含有構成要素をサンプルから回収するステップと;
    − 可溶性タンパク質含有構成要素を酸性化するステップを含み;
    それによって乳清タンパク質抽出物が形成する、乳清タンパク質含有組成物から乳清タンパク質抽出物を製造する方法が提供される。

    別の実施形態では、
    − 乳清タンパク質含有溶液中で不溶性乳清タンパク質から可溶性乳清タンパク質を分離するステップと;
    − 可溶性乳清タンパク質を酸性化するステップを含み;
    それによって乳清タンパク質抽出物を形成する、乳清タンパク質含有溶液から乳清タンパク質抽出物を製造する方法が提供される。

    別の実施形態では、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物が提供される。 特定の実施形態では、抽出物は上述の方法に従って製造される。

    別の実施形態では、乳児用調製粉乳、健康補助食品または食材を製造するための、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物の使用が提供される。

    関連実施形態では、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物を含む、乳児用調製粉乳、健康補助食品または食材が提供される。

    さらなる実施形態では、食物アレルギーを予防しまたは最小限に抑えるための薬剤を製造するための、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物の使用が提供される。

    別の実施形態では、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを予防しまたは最小限に抑える方法が提供される。

    さらなる実施形態では、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体においてTNFまたはIL−2の放出を減少させる方法が提供される。

    なおもさらなる実施形態では、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体においてIL−18の放出を増大させる方法が提供される。

    なおもさらなる実施形態では、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体において腸管上皮細胞バリア機能を高める方法が提供される。

    なおもさらなる実施形態では、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体においてTh1免疫応答を高める方法が提供される。

    別の実施形態では、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体においてTh2免疫応答を最小限に抑える方法が提供される。

    図1は、抽出物(I23)による処置後のRAW細胞からのTNF−α放出の阻害。

    図2は、抽出物(I23)による処置後のTHP−1細胞からのIL−18放出の増大。

    図3は、抽出物(I23)による処置後の一次CD4+T細胞からのIL−2放出の阻害。

    図4は、CD4T細胞によるIL−2放出に対する抽出物(I23)の効果。

    図5は、CD3およびCD28刺激後の、CD4T細胞によるIL−2放出に対する抽出物(I23)(酸性化または中性)の効果。

    図6は、中性または酸性化された抽出物(I23)またはラクトフェリン処置後のT84細胞の経皮抵抗性。

    図7は、中性(I23中性)または酸活性化(酸性化I23)どちらかの抽出物による処置後のT84細胞の経皮性抵抗性。

    図8は、調製粉乳中1/8または1/12希釈での、または3回/日のボーラス用量としての抽出物(I23)処置後の血清IgE。

    図9は、調製粉乳中1/8または1/12希釈での、または3回/日のボーラス用量としての抽出物(I23)処置後のBLG特異的lgG1濃度(異常値も含まれxで示される)。

    図10は、調製粉乳中1/8または1/12希釈での、または3回/日のボーラス用量としての抽出物(I23)処置後の血清RMCPII濃度。

    図11は、調製粉乳中1/8または1/12希釈での、または3回/日のボーラス用量としての抽出物(I23)処置後の肥満細胞数/mm

    基底膜。

    図12(A)は、調製粉乳中1/8または1/12希釈での、または3回/日のボーラス用量としての抽出物(I23)処置後の腸内のIL−10。 図12(B)は、調製粉乳中1/8または1/12希釈での、または3回/日のボーラス用量としての抽出物(I23)処置後の腸内のIFNγ。 図12(C)は、調製粉乳中1/8または1/12希釈での、または3回/日のボーラス用量としての抽出物(I23)処置後の腸内のIL−4。

    図13(A)は、離乳研究:血清BLG特異的lgG1。 抽出物(I23)を用いた胃管栄養法は4日目に開始され、経口BLGは14日目に開始された。 図13(B)は、離乳研究:血清BLG特異的IgE。 抽出物(I23)を用いた胃管栄養法は4日目に開始され、経口BLGは14日目に開始された。 図13(C)は、離乳研究:血清BLG特異的RMCPII。 抽出物(I23)を用いた胃管栄養法は4日目に開始され、経口BLGは14日目に開始された。

    本明細書で開示され定義される本発明は、言及される、または本文または図面から明白である、2つ以上の個々の徴群の全ての代案の組み合わせに及ぶものと理解される。 これらの全ての異なる組み合わせは、本発明の様々な代案の態様を構成する。

    ここで本発明の特定の実施形態について詳述する。 本発明を実施形態と結びつけて記載するが、これらの実施形態に限定することは意図されないものと理解される。 むしろ本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれてもよい、全ての代案、修正、および同等物を包含することが意図される。

    当業者は、本発明の実施において使用し得る、本明細書に記載されるものと同様の多数の方法と材料を認識するであろう。 本発明は、記載される方法と材料に決して限定されるものではない。

    本明細書で開示され定義される本発明は、言及される、または本文または図面から明白である、2つ以上の個々の徴群の全ての代案の組み合わせに及ぶものと理解される。 これらの全ての異なる組み合わせは、本発明の様々な代案の態様を構成する。

    本明細書での用法では、文脈が必要とする場合を除き、「含んでなる(comprise)」という用語、および「含んでなる(comprising)」、「含んでなる(comprises)」、および「含んでなる(comprised)」などの用語のバリエーションは、さらなる添加剤、構成要素、整数またはステップを排除することを意図しない。

    本発明者は、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素の形態の乳清タンパク質抽出物が、免疫制御特性を有することを意外にも発見した。 特に本明細書に記載される生体外研究は、抽出物(「I23」としても知られている)が、Th1応答に特徴的な生物マーカー反応を増大させながら、Th2応答マーカーを最小化することを示す。 具体的には、これらの生体外研究は、抽出物がCD4 T細胞によるIL−2分泌を低下させ、IL−18およびTNF分泌を増大させることを示す。 重要なことには、研究は抽出物が腸管バリア機能を増強することを示す。

    上に加えて、本明細書の生体内研究は、抽出物が、調製粉乳を与えられたアレルギー易発性個体において、総血清IgE、抗BLG lgG1、および肥満細胞数を最小化することを示す。 なおもさらには、本明細書の生体内研究は、抽出物が、アレルギー易発性個の離乳中に、総血清IgEを最小化することを示す。 これらの所見は、調製粉乳摂取および離乳中のアレルギー易発性個体の免疫調節における、抽出物の有用性を実証する。

    酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含んでなる乳清タンパク質抽出物は、乳清タンパク質含有組成物の可溶化と、組成物の水溶性構成要素の酸性化を伴う方法によって生成されてもよい。

    したがって特定の実施形態では、乳清タンパク質含有組成物から乳清タンパク質抽出物を製造する方法が提供される。 方法は、
    −乳清タンパク質含有組成物を水溶液と接触させ、それによって可溶性タンパク質含有構成要素と不溶性構成要素を含むサンプルを形成するステップと;
    −サンプルから可溶性タンパク質含有構成要素を回収するステップと;
    −可溶性タンパク質含有構成要素を酸性化するステップを含み;
    それによって乳清タンパク質抽出物が形成される。

    別の実施形態では、乳清タンパク質抽出物は、水溶性乳清(液体乳清など)を酸性化する方法によって生成されてもよい。
    したがって別の実施形態では、
    −乳清タンパク質含有溶液中で不溶性乳清タンパク質から可溶性乳清タンパク質を分離するステップと;
    −可溶性乳清タンパク質を酸性化するステップを含み;
    それによって乳清タンパク質抽出物が形成する、
    乳清タンパク質含有溶液から乳清タンパク質抽出物を製造する方法が提供される。

    上述の方法は、酸性化された可溶性乳清タンパク質を中和する追加的ステップを含んでもよい。

    「乳清」は、一般に乳が凝固する際に、カード形成とともに形成する乳の漿液または水様画分である。 乳清は典型的にチーズ製造中のカード形成時に形成される。 乳清は、乳糖、ミネラル、およびビタミンに富み、ラクトアルブミンと痕跡量の脂肪を含有する。

    乳清は、あらゆる哺乳類の乳、好ましくは雌牛、ヤギまたは羊乳、より好ましくは牛乳から形成されてもよい。

    「乳清タンパク質」は、一般に乳清中に見られるタンパク質である。 それは、固体、液体または濃縮物の形態で提供されてもよい。

    「乳清タンパク質含有組成物」は、一般に乳清タンパク質を含む組成物である。 いくつかの実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は乳清タンパク質からなる。 これらの実施形態では、組成物は炭水化物および脂肪などのその他の非タンパク質構成要素を含んでもよいが、組成物は、乳清中には見られないタンパク質を実質的に欠いている。 例としては、乳清タンパク質濃縮物(WPC)および乳清タンパク質単離物(WPI)が挙げられる。 WPCおよびWPIおよびこれらの組成物を製造する方法については、本明細書でさらに詳しく述べられる。

    別の実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、一般に乳清中には見られないタンパク質を含む。 例としては、カゼインタンパク質が挙げられる。 これらのその他のタンパク質を乳清タンパク質と共に添加して、乳清タンパク質を含有する組成物を形成してもよい。 代案としてはこれらのタンパク質は、組成物が形成される際に、乳清タンパク質含有組成物に含まれてもよい。 後者の形成された組成物の例としては、乳および乳製品が挙げられる。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、乳清タンパク質が濃縮されていてもよい。 例えば乳清タンパク質を乳清タンパク質含有組成物に添加して、組成物中の乳清タンパク質の相対存在量を増大させてもよい。 別の実施形態では、非乳清タンパク質、またはその他の非タンパク質構成要素を乳清タンパク質含有組成物から除去し、それによって組成物中の乳清タンパク質の相対存在量を増大させてもよい。 濾過をはじめとする乳清タンパク質を濃縮する方法の例は、本明細書でさらに詳しく記載される。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、特定のタンパク質種が濃縮されていてもよい。 特に関心の持たれるタンパク質種は、免疫調節における用途を有するタンパク質、特にアレルギーを最小限に抑えまたは予防するのに有用なタンパク質である。 例としては、Th2応答よりもTh1免疫応答を媒介する傾向がある、タンパク質が挙げられる。 一例はTGF−βである。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、離乳時に哺乳類に新たに導入される食餌性タンパク質に対する耐性を誘発するのに有用なペプチドを含んでもよい。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物のタンパク質構成要素は、部分的にまたは高度に加水分解されていてもよい。 「部分的に加水分解された乳清タンパク質含有組成物」は、一般に分子量が5000D未満のオリゴペプチドを一般に含有する。 「高度に加水分解された乳清タンパク質含有組成物」は、一般に分子量が3000D未満のペプチドを含有する。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、生理学的に許容可能な塩、pH緩衝剤、保存料または抗菌剤を含有してもよい。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、甘性乳清、酸性乳清、乳糖低減乳清、脱ミネラル乳清、WPCまたはWPIの1つ以上を含む。

    「甘性乳清」は、チェダー、モツァレラ、およびスイスチーズなどのチーズの製造に由来してもよく、低温殺菌されており、いかなる保存料もそれに添加されていない。 甘性乳清粉末は、一般に水を除いた新鮮乳清の全構成物を同一相対比で含有する。 典型的に甘性乳清粉末は、11〜14.5%のタンパク質、約63〜75%の乳糖、約1〜1.5%の脂肪、約8.2〜8.8%の灰分、および約3.5〜5%の水分を有する。

    「酸性乳清」は、カテージチーズ、クリームチーズ、およびリコッタなどのチーズの製造に由来してもよく、低温殺菌されており、いかなる保存料もそれに添加されていない。 酸性乳清粉末は、水を除く元の酸性乳清の全構成物を同一相対比で含有する。 典型的に、酸乳清粉末は、約11〜13.5%のタンパク質、約61〜70%の乳糖、約0.5〜1.5%の脂肪、約9.8〜12.3%の灰分、および約3.5〜5%の水分を有する。 酸性乳清は、本明細書に記載される本発明で使用する前に中和されてもよい。

    「乳糖低減乳清」は、乳清からの乳糖の選択的除去または加水分解によって得られてもよい。 乾燥製品中の乳糖含量は、60%を超えてはならない。 乳糖の低減は、沈殿または濾過などの物理的分離技術、または乳糖からグルコースおよびガラクトースへの酵素的加水分解によって達成してもよい。 乳糖低減乳清の酸性度は、安全で適切な成分の添加によって調節してもよい。 典型的に、乳糖低減乳清粉末は、約18〜24.0%のタンパク質、約52〜58%の乳糖、約1〜4%の脂肪、約11〜22%の灰分、および約3〜4%の水分を有する。

    「脱ミネラル乳清」(「減塩乳清」とも称される)は、低温殺菌乳清からミネラルの一部を除去することで得られる。 脱ミネラルの典型的レベルは、25%、50%、および90%である。 乾燥製品は、灰分が7%を超えてはならない。 脱ミネラル乳清は、イオン交換、ダイアフィルトレーションまたは電気透析などの分離技術によって生成されてもよい。 脱ミネラル乳清の酸性度は、安全で適切な成分の添加によって調節してもよい。

    WPCは、規定量のタンパク質を有する乳清濃縮物である。 一般にWPC34は34%以上のタンパク質を有する濃縮物を規定し、WPC50は50%以上のタンパク質を有する濃縮物を規定し、WPC60は60%以上のタンパク質を有する濃縮物を規定し、WPC75は75%以上のタンパク質を有する濃縮物を規定し、WPC80は80%以上のタンパク質を有する濃縮物を規定する。 これらの濃縮物は、WPC34およびWPC50粉末を形成するための、低温殺菌乳清の限外濾過、濃縮水の回収とそれに続く濃縮および濃縮水の噴霧乾燥;またはWPC50、WPC60、WPC75またはWPC80を形成するための、濃縮水のダイアフィルトレーションと、それに続く濃縮および噴霧乾燥によって形成されてもよい。

    WPIは、最終乾燥製品が90%以上のタンパク質を含有するように、乳清から十分な非タンパク質構成物を除去することで得られる。 WPIは、膜分離法またはイオン交換によって生成される。 一例では、低温殺菌された流体乳清に精密濾過を実施して脂質除去をもたらし、次にダイアフィルトレーションを実施して透過液および乳清タンパク質単離物を形成し、次に乳清タンパク質単離物を濃縮し噴霧乾燥してWPI粉末を形成する。 別の例では、低温殺菌流体乳清にイオン交換タンパク質分離を実施して、脱タンパク質乳清をもたらし、次に吸着された乳清タンパク質を脱着して、限外濾過またはさらなるイオン交換を実施してミネラルを除去する。 次にこのように形成された乳清タンパク質単離物に濃縮および噴霧乾燥を実施して、WPI粉末を形成する。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物中のタンパク質の量は、乾燥重量を基準にして少なくとも約10%w/wである。

    一実施形態では、タンパク質の量は約10%〜約90%w/w未満である。

    一実施形態では、タンパク質の量は約11%〜約25%w/wである。

    一実施形態では、タンパク質の量は約11%〜約18%w/wである。

    一実施形態では、タンパク質の量は約18%〜約25%w/wである。

    一実施形態では、タンパク質の量は約34%〜約80%w/wである。

    一実施形態では、タンパク質の量は約50%〜約75%w/wである。

    一実施形態では、タンパク質の量は約50%〜約60%w/wである。

    一実施形態では、タンパク質の量は約60%〜約75%w/wである。

    一実施形態では、タンパク質の量は約90%〜約95%w/wである。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、炭水化物(乳糖など)および脂肪の少なくとも1つを含む。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物中の乳糖の量は、乾燥重量を基準にして少なくとも約1%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約1%〜約80%未満である。

    一実施形態では、乳糖の量は約63%〜約75%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約61%〜約70%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約52%〜約58%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約70%〜約80%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約48%〜約52%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約33%〜約37%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約25%〜約30%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約10%〜約15%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約4%〜約8%w/wである。

    一実施形態では、乳糖の量は約0.5%〜約1.0%w/wである。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物中の脂肪の量は、乾燥重量を基準にして少なくとも約0.5%w/wである。

    一実施形態では、脂肪の量は約0.5%〜約10%w/w未満である。

    一実施形態では、脂肪の量は約1%〜約5%w/wである。

    一実施形態では、脂肪の量は約5%〜約7%w/wである。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、約80〜82%のタンパク質、約4〜8%の乳糖、および約4〜8%の脂肪w/wを含む。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物はWPCである。

    一実施形態では、WPCはWPC80である。 その他のWPCとしては、WPC34、WPC50、WPC60、およびWPC75が挙げられる。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は、水溶液との接触のための粉末形態で提供される。

    「水性溶媒」としてもまた知られている「水溶液」は、乳清タンパク質を完全にまたは部分的に溶解するために使用し得る、水ベースの構成要素である。 水溶液は、精製水、蒸留水または滅菌水をはじめとする水であってもよい。 水溶液は、生理学的に許容可能な塩を含有してもよい。 これらの塩を含有する溶液の例としては、食塩水が挙げられる。 水溶液は、pH緩衝剤または保存料または抗菌剤を含有してもよい。

    「水溶性タンパク質含有構成要素」または「画分」は、一般に、水性溶媒中に完全にまたは部分的に溶解したタンパク質を含有する、サンプルの構成要素または画分である。 これはまた、「水性可溶化タンパク質含有構成要素」または「水性可溶化タンパク質含有画分」と称されこともある。 水性溶媒に完全に溶解するタンパク質は、疎水性または非極性側鎖および基がタンパク質内に埋没して溶液と接触せず、極性または親水性側鎖が溶媒との接触のためにタンパク質表面に露出する高次構造を、溶液中で取る傾向がある。 水性溶媒に部分的に溶解するタンパク質は、疎水性側鎖または基のいくつかが、タンパク質表面で溶媒に曝露する高次構造を、溶液中で取ってもよい。

    一実施形態では、可溶化タンパク質含有構成要素の形成を増進する条件で、乳清タンパク質含有組成物を溶液と接触させる。 例えば既知の方法を使用して、溶液と組成物の混合物をかき混ぜまたは撹拌してもよい。 温度を調節して、完全なまたは部分的可溶化を向上させてもよい。 可溶化を助ける1つ以上の薬剤を混合物に添加することもできる。

    一実施形態では、少なくとも約0.5%w/wの乳清タンパク質含有組成物の量で水溶液と接触する、乳清タンパク質含有組成物が提供される。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は約0.5%〜10%w/wの量で提供される。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は約0.5%〜7%w/wの量で提供される。

    一実施形態では、乳清タンパク質含有組成物は約5%〜6%w/wの量で提供される。

    典型的には、構成要素中で完全にまたは部分的に可溶化するタンパク質は、乳清タンパク質であるが、方法のための出発または供給材料を形成する乳清タンパク質含有組成物次第で、構成要素中にその他の乳由来タンパク質があってもよい。

    方法で形成される「不溶性の構成要素構成要素」は、一般にタンパク質、脂肪または灰分を含有する。 一般に水溶液をかき混ぜ、撹拌しまたは温度調節しても、不溶性構成要素は溶解しない。

    一般に、溶液量あたりより多量の乳清タンパク質含有組成物が提供される場合に、より多量の不溶性構成要素が形成する。

    一般に不溶性構成要素は、ペースト様テクスチャと白色または白みがかった色を有する。

    一般に不溶性の構成要素は容器底に沈殿し、その中で乳清タンパク質含有構成要素は水性溶媒と接触する。 沈殿は、遠心分離によって、またはそれによらずに生じてもよい。

    可溶化タンパク質含有構成要素は、可溶化タンパク質含有構成要素を不溶性固体から分離することで回収することもできる。 一般に、実質的に全ての可溶化タンパク質含有構成要素が回収される。 いくつかの実施形態では、実質的に全ての可溶化タンパク質含有構成要素が不溶性固体から分離される。 仮説による拘束は望まないが、不溶性構成要素は、Th1免疫応答を抑制し、またはバリア機能を撹乱する分子を含有するかもしれないので、不溶性構成要素を水溶性構成要素から分離することは重要であると考えられる。

    分離法は、一段または多段工程であってもよい。

    可溶化タンパク質含有構成要素を不溶性固体から分離するために、上清などの完全にまたは部分的に可溶性の画分を固体から分離するために乳加工で知られている、任意の数の技術を使用することもできる。 例としては、傾斜法、遠心分離、クロマトグラフィー(イオン交換、ゲル濾過、HPLC、RP−HPLC、アフィニティ)、電気透析、濾過または吸着が挙げられる。

    典型的に、可溶化タンパク質含有構成要素は、可溶化タンパク質含有構成要素に、少なくとも約2.5、好ましくは約3〜6.0、より好ましくは約3.0〜5.5、3.5〜5.0のpHを提供することで酸性化される。

    仮説による拘束は望まないが、酸性化ステップは、LAPペプチドを除去することで、水溶性構成要素中のTGF−βを活性化すると考えられる。

    酸性化ステップは、サンプルからの可溶化タンパク質含有構成要素の回収前に実施してもよいものと理解されるが、典型的にはそれは回収後に実施され、その場合、可溶化タンパク質含有構成要素に酸が提供される。

    したがって −乳清タンパク質含有組成物を水溶液と接触させ、それによって可溶性タンパク質含有構成要素と不溶性構成要素を含むサンプルを形成するステップと;
    −可溶性タンパク質含有構成要素をサンプルから回収するステップと;
    −可溶性タンパク質含有構成要素を酸性化するステップをこの順で含み、それによって乳清タンパク質抽出物が生成する、乳清タンパク質含有組成物から乳清タンパク質抽出物を製造する方法が提供される。

    典型的には、可溶化タンパク質含有構成要素は、可溶化タンパク質含有構成要素に、約6.5〜7.5、好ましくは約7のpHを提供することで中和される。

    中和工程は可溶化タンパク質含有構成要素をサンプルから回収する前に実施してもよいが、一般にそれは可溶化タンパク質含有構成要素をサンプルから回収し酸性化した後に実施される。

    上述の乳清タンパク質抽出物は、液体または固体形態で提供されてもよい。 典型的にはそれは粉末などの固体形態で提供される。 したがって特定の実施形態では、上述の方法は、可溶化タンパク質含有構成要素を乾燥させ、それによって粉末を得るさらなるステップを含む。 適切な乾燥方法は、熟練労働者に良く知られている。 真空濃縮、噴霧乾燥、ローラーおよびドラム乾燥をはじめとする蒸発が実例である。

    上述の方法によって形成されるものをはじめとする、酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含んでなる、乳清タンパク質抽出物は、使用前にさらに加工または変性することもできる。 以下の方法のいずれか1つ、または変法を応用することもできる。
    ・ 例えば本明細書でさらに詳しく考察する膜濾過技術を使用した、乳清タンパク質の富化、濃縮または分画;
    ・ 抽出物中に含有される、部分的にまたは高度に加水分解されタンパク質の酵素的加水分解;
    ・ 例えば本明細書でさらに詳しく考察する、電気透析技術を使用したミネラルまたは灰分除去;
    ・ 技術本明細書でさらに詳しく述べる、クロマトグラフィーまたは結晶化技術を使用した、非タンパク質構成要素の除去;
    ・ TGFーβなどの免疫調節分子の添加;
    ・ 離乳中に新たに与えられる、食餌性タンパク質に対する耐性を誘発するのに有用なペプチド抗原の添加;
    ・ さらなる乾燥;
    ・ 顆粒の定寸。

    逆浸透、ナノ濾過、限外濾過、および精密濾過をはじめとする膜技術は、半透過性膜を使用した圧駆動分離を伴ってもよく、それによってポンプとバルブの組み合わせが膜を越えて圧力勾配を作り出し、乳清中のより小型の分子を膜に通過させることで、膜を通過できないより大型の分子および粒子を濃縮する。 異なる孔径または分子量カットオフの膜を使用して、選択的分離または濃縮を達成し得る。 膜の例としては、逆浸透(RO)、ナノ濾過(NF)、限外濾過(UF)、および精密濾過(MF)で使用されるものが挙げられる。 FR膜は最も小さい孔を有し、水だけを膜に通過させる一方で、乳清のその他の全構成要素は保持される。 一般的なRO膜の用途は、水の脱塩である。 これらの膜は、一般に塩を阻止するそれらの能力に従って格付けされる。 真空濃縮と同様に、RO系は乳清の固体構成要素の比率を変化させず、むしろ水のみを除去することで固体構成要素を濃縮する。 ROによる乳清の濃縮度は、水の除去に伴う乳清の粘度増大と浸透圧によって制限される。

    ナノ濾過膜は、時折「緩い」RO膜と称される。 NF膜は、水と共にいくつかの一価のイオンに膜を通過させ、乳清の部分的「脱塩」をもたらす。 単一電荷があるミネラルのみが除去されるため、NF膜は乳清のミネラル含量をわずかにのみ低下させる。 乳清のタイプによっては、NF膜を使用して塩化ナトリウム含量を低下させることもできる。

    限外濾過膜は、ROまたはNF膜よりもさらに大きな孔を有する。 UF膜は乳糖および灰分を透過しながら乳清中にタンパク質を保持するので、UF膜はWPCの製造の標準ツールとなっている。 除去される乳糖の量および灰分の量が大きいほど、WPCのタンパク質含量が高くなる。 タンパク質濃度が増大するにつれて乳清粘度は増大するので、50%を超えるタンパク質があるWPCを製造する場合、ダイアフィルトレーションとして知られている工程において、追加量の乳糖とミネラルを洗い出すために、水を濃縮水に添加することが必要である。

    精密濾過膜は、膜分離法中で最も大きい孔を有する。 より小さな可溶性タンパク質、ペプチド、乳糖、ミネラル、非タンパク質窒素構成要素、および水はMF膜を容易に透過する。 脂肪小球はMF膜によって保持されるので、これらの膜を使用して遠心分離によって回収されない少量の脂肪を除去し得る。 WPIを製造するためには、痕跡量の脂肪を除去しなくてはならない。

    電気透析もまた半透膜を使用するが、乳清構成要を分離する駆動力として、圧力を電流で置き換える。 電気透析膜はミネラルのみを通過させる一方で、乳糖およびタンパク質を保持する。 電流は荷電無機イオンを膜に通過させて、鹹水流中に引き出す。 乳糖は電流によって影響されず、タンパク質は膜を通過できない。 電気透析は乳清タンパク質を変性させない一方で、最高75%の乳清中ミネラルを除去する。

    イオン交換はクロマトグラフィーの一種である。 例えば脱ミネラル乳清を製造する場合、乳清中のイオン(荷電ミネラル)を結合する吸収剤ビーズを含有するカラムに乳清を通過させる。 タンパク質および乳糖などの乳清構成要素の残部は、妨げられずにカラムを通過する。 したがって得られた乳清は、未処理乳清と比較してミネラルの量が低下する。 イオン交換はタンパク質を変性させず、乳清中ミネラルの最高98%を除去し得る。

    クロマトグラフィーは処理は荷電樹脂を使用して、乳清中のタンパク質をその他の構成要素から分離する。 タンパク質は逆帯電した樹脂に結合する一方、乳糖のような構成要素は結合せず、したがってシステムをそのまま通過する。 樹脂を含有するカラムまたはタンクを乳清が通過した後に緩衝液をシステムに送り込んで、結合タンパク質を遊離させる。 タンパク質をUFによってさらに精製し、次に噴霧乾燥し得る。

    クロマトグラフィーはまた、特異的タンパク質を乳清中のその他のタンパク質から分離するのに使用し得る。 ラクトフェリンおよびラクトペルオキシダーゼは、甘性乳清に典型的なpHで正に帯電する。 乳清の主要タンパク質であるαラクトアルブミン、βラクトグロブリン、およびウシ血清アルブミンは同一pHで負に帯電する。 負に帯電した樹脂を含有するタンクを乳清が通過する際、正に帯電したラクトフェリンおよびラクトペルオキシダーゼが樹脂に結合するのに対し、その他のタンパク質および乳清構成物はカラムを通過する。 次にアルカリ性溶液をカラムに送り込み、結合タンパク質を樹脂から遊離させる。 次に回収されたタンパク質を洗浄し、噴霧乾燥する。

    結晶化を使用して、乳糖または非吸湿性乳清/透過液粉末のどちらかを生成する。 蒸発によって乳清または透過液を少なくとも50%全固形物に濃縮すると乳糖は過飽和し、濃縮乳清/透過液を冷却すると乳糖が容易に結晶化する。 乳清/透過液が十分に冷却した後、高品質乳糖へのさらなる加工のために乳糖結晶を除去し得て、または結晶化乳糖がある乳清/透過液溶液を乾燥させて、非吸湿性乳清/透過液粉末を生成し得る。

    酵素βガラクトシダーゼを乳清に添加して、二糖類である乳糖をその構成要素単糖類であるグルコースとガラクトースに加水分解し得る。 時間および温度を使用して、乳糖加水分解の程度を調節する。

    プロテアーゼは、タンパク質を加水分解するために乳清に添加される酵素である。 添加プロテアーゼのタイプ、時間、および温度を使用して、タンパク質加水分解のタイプおよび程度を調節する。

    原則として加水分解によるタンパク質修飾は、重合の反対である。 プロテアーゼは、タンパク質分子のペプチド結合を切断して、より小さなペプチドおよびポリペプチドをもたらすのに使用される、最も一般的な酵素群である。 加水分解度、すなわち乳清タンパク質が加水分解される程度は、加水分解産物の食品成分としての機能特性に影響を及ぼす。

    乳清タンパク質は加熱によって変性させ、それらの機能特性を変化させ得る。 時間および温度の組み合わせを使用して、乳清タンパク質変性の量を調節する。 制御された変性は、予熱処理中に行われることが多い。 未変性乳清タンパク質の量は、乳清タンパク質窒素指数によって測定し得る。

    一実施形態では、乳児用調製粉乳、後継調製粉乳、健康補助食品または食材の製造のために、上述の抽出物の使用が提供される。

    乳児用調製粉乳は、一般に母乳の代わりに新生児に与える栄養組成物である。 乳児用調製粉乳は、約4〜6ヶ月齢まで与えることもできる。

    後期調製粉乳は、一般に約6ヶ月齢以上の乳児に与える栄養組成物である。

    調製粉乳は、あらゆる適切な様式で調製されてもよい。 例えばそれは、適切な比率の炭水化物源または脂肪源などのその他の栄養構成要素と共に、本明細書に記載される乳清タンパク質抽出物を混ぜ合わせて調製してもよい。 使用される場合、この時点で乳化剤を含めることもできる。 免疫調節分子、ビタミン、およびミネラルなどのその他の構成要素は、この時点で添加してもよいが、通常は熱分解を避けるために後から添加される。 あらゆる親油性ビタミン、乳化剤などは、混合に先だって脂肪源に溶解してもよい。 次に水、好ましくは逆浸透水を混ぜ込んで液体混合物を形成する。 水の温度は、成分の分散を助けるために、好都合には約50℃〜約80℃である。 市販される液化装置を使用して、液体混合物を形成することもできる。 次に液体混合物を例えば二段階で均質化する。

    次に液体混合物を例えば約80℃〜約150℃の範囲の温度で約5秒間〜約5分間迅速に加熱することによって液体混合物を加熱処理し、細菌負荷を低下させてもよい。 これは水蒸気圧入、オートクレーブによって、または例えばプレート熱交換器などの熱交換器によって実施されてもよい。

    次に液体混合物を例えばフラッシュ冷却によって、約60℃〜約85℃に冷却してもよい。 次に液体混合物を例えば約10MPa〜約30MPaの第一段と、約2MPa〜約10MPaの第二段の二段階で、再度均質化してもよい。 次に均質化混合物をさらに冷却して、ビタミンおよびミネラルなどのあらゆる熱過敏性構成要素を添加してもよい。 均質化混合物のpHおよび固形分は、この時点で都合良く調節できる。

    均質化混合物を噴霧乾燥機または凍結乾燥機などの適切な乾燥装置に移し、粉末に変換する。 粉末は、約5重量%未満の水分含量を有するべきである。

    液体製品が好ましければ、均質化混合物を滅菌し、次に適切な容器に無菌充填することもできる。 別の実施形態では、熱処理などを通じた、貯蔵寿命を延長させる様式で製品を処理してもよい。

    一実施形態では、上述の抽出物を含む乳児用調製粉乳、健康補助食品または食材が提供される。

    調製粉乳は、炭水化物源を含有してもよい。 乳糖、ショ糖、マルトデキストリン、デンプン、およびそれらの混合物などの乳児用調製粉乳に普通見られるあらゆる炭水化物源を使用することもできるが、好ましい炭水化物源は乳糖である。 好ましくは炭水化物源は、調製粉乳の総エネルギーの35〜65%に寄与する。

    本発明に従った後期調製粉乳は、脂質源を含有してもよい。 脂質源は、乳児用調製粉乳での使用に適した、あらゆる脂質または脂肪であってもよい。 好ましい脂肪源としては、パームオレイン、高オレイン酸ヒマワリ油および高オレイン酸ベニバナ油が挙げられる。 必須脂肪酸であるリノール酸およびαリノレン酸もまた添加してもよく、多量のプレフォームアラキドン酸およびドコサヘキサエン酸を含有する、魚油または微生物油などの少量の油もまた添加してもよい。 脂肪含量は総計で、好ましくは調製粉乳の総エネルギーの30〜55%程度に寄与する。 脂肪源は、好ましくは、例えば約8:1〜約10:1など、約5:1〜約15:1のn−6対n−3脂肪酸比率を有する。

    後期調製粉乳はまた、日々の食餌に栄養的に有意な量で必須であることが分かっている、全ビタミンおよびミネラルも含有してもよい。 特定のビタミンおよびミネラルについては、最小必要量が確立されている。 場合により乳児用調製粉乳中に存在するミネラル、ビタミン、およびその他の栄養素の例としては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンD、葉酸、イノシトール、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、コリン、カルシウム、亜リン酸、ヨウ素、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、マンガン、塩素、カリウム、ナトリウム、セレン、クロム、モリブデン、タウリン、およびL−カルニチンが挙げられる。 ミネラルは、通常、塩形態で添加される。 特異的ミネラルおよびその他のビタミンの存在および量は、対象とする乳児集団に応じて変動する。

    必要ならば、調製粉乳は、ダイズレシチン、モノ−およびジ−グリセリドのクエン酸エステルなどの乳化剤および安定剤を含有してもよい。

    調製粉乳は、ラクトフェリン、ヌクレオチド、ヌクレオシドなどの有益な効果を有することもあるその他の物質を場合により含有してもよい。

    最後に調製粉乳は、例えば0.3〜7%の量でガラクトオリゴ糖類などの不消化オリゴ糖類を含有してもよい。

    調製粉乳の例は、Koletzko B et al. 2005 J. Pediatric Gastroenterol Med. 41:584−599で考察される。

    特定の実施形態では、2.3g/kg個体体重の量で抽出物が個体に提供される。

    一実施形態では、酸性乳清を含有する乳児用調製粉乳、後期調製粉乳、健康補助食品または食材、および調製粉乳、栄養補給剤または食材を製造するための酸性乳清の使用が提供される。 これらの実施形態では、酸性乳清は、本明細書に記載される酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素をはじめとする、乳清タンパク質抽出物を効果的に置き換える。 これらの実施形態では、酸性乳清は使用前に中和されてもよい。

    一実施形態では、食物アレルギーを予防しまたは最小限に抑える薬剤を製造するための、本明細書に記載される抽出物の使用が提供される。

    一実施形態では、本明細書に記載される抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを予防しまたは最小限に抑える方法が提供される。 典型的には個体はヒトである。 典型的にはヒトはアレルギーを起こしやすい。 典型的にはヒトは新生児である。 典型的には新生児は約2歳未満である。

    一実施形態では、請求項48の抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体において、TNFまたはIL−2の放出を減少させる方法が提供される。

    一実施形態では、請求項48の抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体において、IL−18の放出を増大させる方法が提供される。

    一実施形態では、本明細書に記載される抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体において、腸管上皮細胞バリア機能を高める方法が提供される。

    一実施形態では、本明細書に記載される抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体において、Th1免疫応答を高める方法が提供される。

    一実施形態では、本明細書に記載される抽出物を個体に提供するステップを含む、食物アレルギーを起こしやすい個体において、Th2免疫応答を最小限に抑える方法が提供される。

    上述の方法では、酸性乳清は、本明細書に記載される酸処理水溶性乳清タンパク質を含有する構成要素をはじめとする、乳清タンパク質抽出物を効果的に置き換えることもできる。

    続く実施例は例証を意図するが、本発明をどのようにも限定するものではない。

    実施例1 酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素を含む乳清タンパク質抽出物の製造 200mlのH Oを12gのWPC80に添加して、溶解するまで室温で30分間インキュベートした。 溶液を16000gで10分間遠心分離して、未溶解固形物を除去した。 上清を取り出し、1.335mlの10N HCLを30分間添加して酸性化した。 1.555mlの10M NaOHを添加して酸性化溶液を中和し、pHは約7.0pHと測定された。 最終溶液を0.45umのフィルター、次に0.2umのフィルターを通して濾過し滅菌した。 6%溶液を試験のための原液として使用した(すなわち原液を調製粉乳中で1/8または1/12に希釈した)。

    実施例2 酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素の生体外免疫調節活性 いくつかの細胞ベースのアッセイで、実施例1で形成された抽出物(I23)を生体外免疫調節活性について試験した。 抽出物を96ウェルプレート内で等分し、次に迅速な細胞ベーススクリーニングアッセイにおいてスクリーニングした。

    図1のデータは、マクロファージ細胞系であるRAW細胞による、TNF−α(Th1サイトカイン)の生体外放出を示す。 I23はRAW細胞中のTNF−α産生を刺激した(図1の画分番号3を参照されたい)。

    IL−18は、周囲のサイトカイン環境に応じて、T細胞をTh1(炎症)またはTh2(アレルギー)方向のどちらかに発達させる、主要な初期免疫調節性サイトカインである。 本発明人らはまた、THP1細胞(単球細胞系)にリポ多糖類(LPS)刺激を加えてまたは加えないで、13−酢酸12−ミリスチン酸ホルボール(PMA)後のIL−18分泌も評価した。 対照細胞はリン酸緩衝食塩水(PBS)に入れた。 画分I23はTHP1細胞からのIL−18産生を刺激した(図2の画分番号3を参照されたい)。

    IL−2は、T細胞活性化に必須のサイトカインであり、免疫応答にとって重要である。 本発明人らはTGR Biosciences一次T細胞アッセイにおいて、IL−2放出に影響を及ぼす能力についてI23を評価した。 T細胞は、MACS磁気ビーズ技術(Miltenyi Pty.Ltd)を使用して、末梢血から精製された(白血球を含有する軟膜は、Red Cross Blood Bank,Adelaidから得られた)。 CD4 T細胞の間接的精製を実施した。 適切な細胞表面マーカーに対する磁気ビーズ抱合型抗体で、望まれない細胞(すなわちCD8 リンパ球、マクロファージ、B細胞など)を最初に標識した。 次に標識細胞をMACS磁気カラムに流して望まれない細胞をカラムに結合させ、カラム溶出物中にはCD4 T細胞が残された。 これらのCD4 T細胞を洗浄し、PMAならびにライブラリー中の乳画分と共にインキュベートして、サイトカイン産生のために細胞を刺激した。 IL−2放出は、ELISAによって評価した(図3参照)。

    I23(図3中の画分3)は、ヒトCD4 T細胞の細胞分裂活性化によって実証されるように、生体外でIL−2サイトカイン放出を抑制する。 IL−2放出は、PMA刺激後に用量依存性であった。 I23によるIL−2産生の短期おび長期抑制は、一晩(O/N)のインキュベーションまたは1時間にわたるパルス投与を使用して評価した(図4参照)。

    本発明人らは、生体外免疫調節活性がある4つの可能な画分を同定した。 図4のI23画分は、IL−2放出によって測定される、T細胞活性化の用量反応性阻害を誘発した。 IL−2抑制は、画分と共に24時間インキュベートされたT細胞中で起き、ならびに短い1時間のパルス投与後に起きる。

    精製されたヒトCD4 T細胞を、I23の存在下でPHAおよびPMAによって一晩刺激した。 I23濃度の低下はIL−2分泌増大をもたらすので、投与量決定試験で明らかなように、I23はIL−2分泌を明白に抑制する。 最大レベルの抑制は、未刺激細胞および既知の免疫抑制剤デキサメタゾン(DEX)に匹敵する。 T細胞が活性化されるためには、生体内抗原がT細胞受容体に提示され、副刺激分子が活性化されて、T細胞活性化およびサイトカイン放出がもたらされる。 免疫調節活性をさらに確認するために、本発明人らは、抗CD3抗体および抗CD28(副刺激分子に対する抗体)を使用して、T細胞受容体細胞を通じたCD4 T細胞刺激後にIL−2放出抑制を評価した。 この活性化プロトコルは、PHA/PMAによるCD4 T細胞の非特異的細胞分裂活性化に対する比較として、生体内で自然発生するものを模倣するように設定された。 I23は、抗CD3および抗CD28抗体で活性化されたCD4 T細胞によるIL−2分泌を抑制する(図5参照)。

    本発明人らは、T84細胞の上皮性バリア機能アッセイ(TGR Biosciences)を使用して、乳画分I23の生体外効果を評価した。 I23は生体外免疫抑制活性を示し、本発明人らは、酸性活性化および中性I23およびI29をバリア機能アッセイに含めた。 経上皮耐性(TER)は、酸性活性化I23および中性I23を添加してまたは添加せずに、培養下のT84腸管上皮細胞中で測定した(図6参照)。 I23およびそのTERに対する効果のより詳細なグラフを図7に示す。 TERの低下は、細胞バリア機能の低下を表す。

    図6のデータは、中性形態または酸性化形態どちらかのI23も、1または2日間の培養後に、上皮細胞バリアの完全性に有害な影響を与えないことを示す(図6および図7参照)。 しかしそれは、TERアッセイにおいて細胞バリア機能を顕著に増大させる。

    牛乳アレルギーがある乳児では、Th2からTh1タイプの免疫応答への移行があれば、アレルギーの消散が起きる。 I23はまた、THP1細胞からのTh1サイトカインIL−18産生も促進した(図2、画分3参照)。 したがって本発明人らは、Brown Norway仔ラットにおけるI23の生体内試験に着手した。

    実施例3 酸処理水溶性乳清タンパク質含有構成要素の生体内免疫調節活性 Brown Norwayアレルギー易発性仔ラットを使用した、生体内試験を実施した。 酸性活性化I23は、調製粉乳に混合された連続投与として、または毎日3回0.1mlの胃内にボーラス投与した。 試験はn=8匹/群で完了し、血清分析を実施した。

    I23は、調製粉乳への栄養補給剤(6%開始溶液の1/8)として使用すると、または調製粉乳給餌仔ラットに3回/日でボーラス投与すると、免疫調節活性を有する。 調製粉乳のみを与えた仔ラットのIgEレベルと比較して、IgEの顕著な減少が得られた。 チューキーのポストホック検定がある一元配置分散分析を使用し、処置群と調製粉乳投与群とを比較して、群間の有意差 =P<0.05を評価した。

    調製粉乳への1/8希釈I23補給、または毎日3回投与される胃管栄養法は、調製粉乳投与仔ラットと比較して、血清IgEレベルを低下させた(図8参照)。 1/8のI23補給または毎日3回投与されるボーラス用量の後に、BLG特異的lgG1は調製粉乳投与群と有意に異ならなかった。 しかし1/12希釈では、8匹の仔ラットの内6匹でlgG1力価の低下が得られ、1/12試験では2匹のラットに異常に高い血清力価があったが、異常値を除去すれば力価は有意に低下する。 図9中のデータは異常値血清データを含めて表示され、異常値はグラフ上に(x)で同定される。 I23処置によって、RMCPIIレベルは低下しなかった(図10参照)。

    肥満細胞数もまた、調製粉乳I23補給後に基底膜中で計数した(図11参照)。 基底膜中の肥満細胞数は、1/12希釈での調製粉乳の補給後に、I23を与えた仔ラットで低下した。 サイトカイン1L−10、インターフェロンγ、およびIL−4もまた、食餌のI23補給後に腸管ホモジネート中でアッセイした(それぞれ図12(A)、(B)、および(C)参照)。 群間でIL−10およびIL−4レベルに有意差は見られなかった。 1/8または1/12希釈での調製粉乳のI23補給は、腸内のIFNγ濃度を上昇させた。 牛乳アレルギーが消散した乳児では、アレルギーが持続する乳児と比較してIFNγレベルが増大している。 I23はTh2応答からの移行を促進し、均衡の取れた免疫系に必要なTh1応答を増大させるようである。

    本発明人らは、免疫調節活性がある乳生理活性を同定した。 I23は調製粉乳中で栄養補給剤(6%開始溶液の1/8希釈)として使用されると、または調製粉乳投与仔ラットに3回/日のボーラス用量として投与されると、調製粉乳のみを投与された仔ラットと比較して、IgE(アレルギー発症関連抗体)の有意な減少をもたらす。

    本発明人らはまた離乳試験も実施して、酸活性化I23および非酸活性化I23で胃管栄養法を実施した仔ラットの血清抗体反応を評価した。 試験は、I23が離乳期の食物抗原に対する免疫応答もまた調節するかどうかを判定するために実施した。 本発明人らは試験の14日目に、I23での胃管栄養法を開始した。 個体発生研究からの本発明人らの最近のデータは、乳児の食餌への補給がより早い時期に起きなくてはならないことを示唆した。 I23による前処置が、離乳時の食物抗原に対する免疫応答に影響するかどうかを判定するために、本発明人らは、I23の投与が4日目に開始され、BLGが14日目に開始される第2の試験を実施した(図13A、B、およびC参照)。 BLGチャレンジ不在下でのI23は、血清中の総IgEの全体的濃度を低下させた。 本発明人らの個体発生研究による判定では、健康補助食品による免疫調節は、特異的抗原チャレンジと共に発達早期、すなわち哺乳期に開始されれば、より効果的なようである。

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