Use of an intermediate phase in the food

申请号 JP51738291 申请日 1991-11-12 公开(公告)号 JP2620989B2 公开(公告)日 1997-06-18
申请人 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ; 发明人 タークスマ、ヘッセル; ノープス、アルベルエ・ヨハンナ; ヒールエ、アイサック; ヘンドリックス、ヘンドリカス・アーノルダス・コルネリス・エム; ロイアース、エリアス・コルネリス;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】食用界面活性剤の中間相のバルク領域及び
    80重量%未満の食用油を含んでなる加工済食料品。
  • 【請求項2】粒子サイズ1μm〜1000μmを有する中間相の離散領域を含んでなる、請求項1記載の加工済食料品。
  • 【請求項3】5容積%以上の中間相を含んでなる、請求項1又は請求項2記載の加工済食料品。
  • 【請求項4】食用界面活性剤を0.1〜30重量%含んでなる、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の加工済食料品。
  • 【請求項5】生体ポリマーを0.1〜30%含んでなる、請求項1乃至請求項4のいづれか1項記載の加工済食料品。
  • 【請求項6】食用界面活性剤が部分グリセリド、好ましくはモノグリセリドを含んでなる、請求項1乃至請求項5のいづれか1項記載の加工済食料品。
  • 【請求項7】1〜30重量%の食用非イオン性界面活性剤を及び0.005〜10重量%の食用イオン性界面活性剤を含んでなる、請求項1乃至請求項6のいづれか1項記載の加工済食料品。
  • 【請求項8】ドレッシング、マヨネーズ、スプレッド、
    ホイップ可能製品、アイスクリーム又はその他の冷凍デザート、チーズ、ソース及び液体乳製品の群から選択される製品である、請求項1乃至請求項7のいづれか1項記載の加工済食料品。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 本発明は、食用界面活性剤の中間相(mesomorphic ph
    ase)を、食料品の構造化、並びに最終加工の済んだ(f
    inished)又は直ぐに食することのできる(ready−to−
    eat)中間相含有界面活性剤への使用に関する。

    一般的な従来技術によれば、食料品の構造化は各種の方法で達成できる。 次の二つの主要な方法に分けられる。

    (1)タンパク質及び炭化物のような生体ポリマーによる構造化、並びに (2)広義の「粒子」による構造化。

    前者の場合、ポリマー分子が架橋して、もつれあい、
    相互に繋がった分子からなる網目構造を水中で形成する。 これらの系において、接合域又はもつれ合いが存在すると、ゲルの形成並びに水の囲い込みが起こる。 これらのポリマー物質の例には、プディングにおける澱粉、
    デザート及び脂肪スプレッドの水相におけるゼラチン、
    ジャムにおけるペクチン、デザート及び脂肪スプレッドの水相におけるカラゲーニンその他多数がある。

    後者の場合、気泡、水滴、脂肪滴、結晶、澱粉粒又はカゼインミセルのような物質が食品系内に分散している。 このような粒子間の相互作用が食品のコンシステンシー及び物理的安定性を決定する。 多くの食品系がこの範疇に入る。 ヨーグルトにおいては、タンパク質粒子の凝集により、タンパク質連鎖からなる網目構造が生じる。 マヨネーズにおいては、油滴の「相互連結(interc
    onnected)」構造がマヨネーズのコンシステンシーをもたらす原因となる。 ショートニングにおいては、脂肪結晶が相互に連結して、油を取囲む網目構造を生成する。
    マーガリンでは、脂肪結晶と油の連続網目構造の中に水滴が分散している。 従って、マーガリンは、粒子の網目構造中に粒子が分散しているものを代表する。 バター及びアイスクリームでは、より複雑な構造が見出される。
    しかし、これらいずれの場合も、粒子の網目構造中の粒子による構造の強化は明らかである、そして、この強化が最終製品のコンシステンシーに影響する。

    本発明は、食品を構造化する新規方法を供する。 食用界面活性剤分子と水の中間相のバルク領域を形成すると、しっかりしたテクスチャー及びコンシステンシーが得られる。 中間相のこの性質を用いて、食品にコンシステンシーを与えることは食品事業にとっては新規である。 しかし、中間相の使用は、香料及び医薬品のような他の分野においてはすでに知られているであろうことに留意すべきである。

    先行技術、特にS.Friberg著の「Food emulsions」(M
    arcel Dekker,1976,67−139頁)には、食品乳化剤並びに食品乳化剤と水との会合について記載されている。 この文献は、食用界面活性剤の中間相の科学的背景について部分的に記載しているが、中間相のバルク領域の加工済食料品における使用については開示していない。 この文献には、ラメラ中間相及びゲル中間相のベーカリ業界における用途が記載されている。 これらの相は、ケーキ又はパン配合物中に加工処理中に、抱気性の増進又は澱粉との複合化を増進するために配合される。 従って、加工処理のある段階においては中間相が存在する。 しかし、ベーキング後には、すなわち、加工済食品には、示差走査熱量分析で中間相構造が存在していることを示す結果は見出だせなかった。 141−213頁にはアイスクリームについて記載されている。 166頁には、油−水境界面において、ラメラ相又はゲル構造が存在する可能性について記載されている。 しかし、かかる構造は極めて限られた大きさのものでしかない。 さらに、FDGunstone,
    JLHarwood及びFBPadley著の「Lipid Handbook」(C
    hapman and Hall,1986)の227頁には、ベーカリ用バッターに抱気のためラメラ相を使用することが記載されているが、我々の実験によれば、このラメラ相はベーキングの際に消失する。 この文献には、プロセスポテトその他の澱粉系食品において、モノグリセリド及び水のラメラ相を用いて、アミロースの複合化(封入体の形成)が増進することが記載されている。 しかし、最終食品中には中間相は全く検出できない。 ケーキ用バッター及びプロセスポテトのこのような製造方法に中間相を使用することは本発明の技術的範囲に属さない。

    最後に、国際公開第W090/0107号(Grindsted Product
    s A/S)には、安定な油中水型エマルジョンが開示されている(請求項1及び要約)。 このエマルジョンの脂肪相には乳化剤が存在する(第1頁8行、第5頁)。 水の分布を顕微鏡で調べると、水滴が非常に均一に分布している(第10頁21行)。 従って、水は、マーガリンのような古典的脂肪スプレッドにおけるように、連続脂肪マトリックス中の分散相として含まれている。 中間相の使用に関しては何の疑問もない。 記載された手法では16%未満の脂肪含有量を得ることは明らかに困難であるが(請求項2)、本発明による中間相の使用では脂肪含有量が0の製品を製造することができる。 この食品は食品中に中間相を使用することに関しては何等関係ない。

    食品構造化のためのこの新規方法は、例えば、界面活性剤分子が、介在する水の領域に関してとる規則的な分子配置として説明できる。 本発明の目的上、「中間相」
    という用語は、水と食用界面活性剤物質の幾分秩序立った相(semi−ordered phase)のすべてを包含する。 中間相の例は、立方、ヘキサゴナル、α結晶性ゲル、β結晶性コアゲル及びラメラ相である。 本発明に基づき使用するのに好ましい中間相は離液相(lyotropic phase)
    である。 ラメラ相もまた好ましい。 本発明の目的上、ラメラ相という用語は、食用界面活性剤の二重層と水が交互に存在するというパターンを持つ系を指す。 ラメラ相の例は、ラメラ小滴相、ラメラゲル相、並びに界面活性剤の層と水層が幅広い範囲にわたって平行に存在するようなラメラ相である。 本発明の好ましい具体的態様においては、加工済食品は、粒子サイズ1μm〜1000μmを有する中間相の離散領域を含んでなる。 加工済食品に、
    0.1〜30重量%の生体ポリマーを同時に使用すると、ある種の食品には好都合である。

    ここで、「バルク領域」とは界面から遠がかった溶液内部のことをいう。

    「離散領域」とは界面から遠ざかった溶液内部のことであって、界面活性剤分子が離散している領域をいう。

    ラメラ相において、界面活性剤は二重層構造を形成すると考えられている。 バルクラメラ相は、介在する水相を含む二重層構造の積み重ねからなると考えられる。 本発明に基づく食品は、ラメラ相のバルク領域を含むのが好ましいが、これに対して、従来技術の公知の食品は、
    水連続型の脂肪製品において油滴の周囲に見られるような境界面において、ラメラ相の境界層を含んでいることがあると示唆されている。 本発明は、好ましくは、5容積%以上の中間相を含んでなる加工済食料品を与える。
    また、加工済食料品は、0.1〜30重量%の食用乳化剤を含む。 食用界面活性剤は部分グリセリド、好ましくはモノグリセリド、を含んでいるのが好ましい。 特に良好な結果は、1〜30重量%の食用非イオン性界面活性剤及び
    0.005〜10重量%のの食用イオン性界面活性剤を用いたときに得られる。

    ラメラ相のバルク領域は、界面活性剤と水の混合物の温度を繰り返し上下させることにより生成される。 結晶状態において、界面活性剤分子は、隣接する親水基により配向し、疎水性連鎖は平行で密に充填されている。 水と接触し、いわゆる「クラフト」温度まで加熱されると、水が隣接「ヘッド(head)」基の間を貫通して「液晶」構造を生成する。 「クラフト」温度未満に冷却されると、疎水性連鎖は規則的な格子に密集し、界面活性剤層と水層とが交互に並んだ1次元的周期性を有する「サンドウィッチ」構造を形成する。

    ここで、「クラフト温度」とはクラフト点とも言い、
    表面活性物質の溶解度の温度変化はある温度近辺より急激に増加するが、この温度のことをいう。

    得られる「ゲル」構造の例としては、水と完全水添ラードからの蒸留モノグリセリドとの混合物であって繰り返しクラフト温度よりも高い温度に温度サイクル処理したものに関しては、低度領域におけるX線回折によろ、モノグリセリド層の厚さは、5〜6nm程度であることが明らかになっている。 系内の混合物中の水の比率を増すと、モノグリセリド層間に水が取込まれるから、面と面の間の間隔が増す。 異なる界面活性剤を用いると、
    中間層の微細構造(特に平面間の間隔)が変化することが確かめられる。

    本発明に基づくもう一つの好ましい中間相は、β結晶性コアゲルえだる。 このものは平均厚さが1μm未満又は0.1μm未満でさえある微小な板状結晶からなると考えられている。 この板状結晶小板は水の環境に分散している。 これはβ結晶性乳化剤の水中分散体であり、そして「水和物」としても知られている。 これらのコアゲルは、酸性pHなどのある条件下でα結晶性ゲル相の代わりに生成する。 既述のαゲル及びこれらの水和物は、小麦パンにおけるパン粉軟化剤として、並びにケーキ容積改良剤として、ベーキング業において広く用いられている、しかし、中間相の構造は食品の製造中に失われ、その結果、最終の食料品は(パンでもケーキでも)バルク中間相を含まない。 本発明の文脈において、コアゲル相は水と食用界面活性剤との半秩序相(中間相)と考えられる。

    食品中の中間相は、界面活性剤物質の正規の配置の検出に適した方法のいづれかよって検出できる。 適切な方法には、例えば、NMR、電子顕微鏡、示差走査型熱量測定、光学顕微鏡及びX線回折が含まれる。

    本発明は、第一に、食用界面活性剤の中間相を構造化剤として使用することに関する。 この構造化は、食料品において、脂肪代替物、発泡剤、卵白代替物、保存料、
    潤滑剤、コンシステンシー調節剤、水分保持剤、及び/
    又はフレーバー放出剤としての使用のようなその他の多くの有益な用途に利用される。 別の態様においては、本発明は食用界面活性剤の中間相と80重量%未満の食用油を含む加工済食料品に関する。

    脂肪代替物として使用することに関し、本発明が、通常の食料品よりカロリー含有量の低い食用組成物を提供できることに留意すべきである。 本発明により、脂肪様の性質を持つが脂肪を実質的に全く含まないか、或いは非常に少量(例えば5重量%未満)しか含まない食料品を製造できる。

    いわゆる「脂肪代替物」に関する開発が最近多く行われている。 このような物質の目指すものは、できるだけ脂肪と同じ機能的及び感覚的特性を持つが、カロリー含有量が低く、可能な限り脂肪よりも健康上の利点を持つことである。 脂肪の機能を持つが、ヒトの消化管において吸収が少ないか消化されない新しい物質の開発に多くの努力が払われている。

    このような「脂肪代替物」物質の中に、元々は潤滑剤として用いられていたが現在では食物に使用するよう提案されている糖脂肪酸エステルがある。 これらの糖脂肪酸エステルをマーガリンにおいて脂肪の代わりに使用することが欧州特許出願公開第020421号(Orphanos他、Pr
    octor & Gamble Companyに譲渡)に提言されている。
    このようなマーガリンは、1以上のトリグリセリド脂肪及び1以上の脂肪代替物を緊密に混合するか共通の溶液内に含む「脂肪様」相を持つ。 トリグリセリドを含まないが、実質的に1以上の脂肪代替物からなる「脂肪」相を含む食品も構想されている。 米国特許第4005195号及び同第4005196号並びに欧州特許公開第223856号、同第2
    36288号及び同第235836号でも、食用脂肪代替物について言及されている。

    他のグリセリド関連潤滑剤、特に、ペンタエリトリトールのような、β炭素に水素が存在しないいわゆるヒンダード(立体障害性)ポリオール及び関連化合物が脂肪代替物として提案されている(例えば、Nabisco Brands
    Inc.の米国特許第4927659号を参照されたい)。

    タンパク様物質を含む脂肪代替物が開示されている。
    しかし、これらの物質は消化されるから、前述の脂肪代替物ほどには、カロリー低下効果が大きくないことを理解すべきである。

    前述のスクロースエステル又はヒンダードポリオールのような物質のうち、生理学的影響について完全に理解されているものは少ない。 生理学的影響を完全に決定するには、さらに実験を積み重ねる必要があると一般に考えられている。 従って、生理学的影響についてよく理解された物質を含む脂肪代替物に対する必要性のあることは明白である。

    食用界面活性剤の中間相が、脂肪様の機能及び単純な組成を持つ脂肪代替食品成分として使用できることが見出された。 本発明は脂肪様の食感及び可塑性レオロジーを有する食品を提供する。

    中間相を発泡剤として使用できることは中間相が気泡を安定化する性能に由来する。 これにより、気泡が中間相の連続構造に取り囲まれた非常に安定な泡構造がもたらされる。 これは、ホイップクリーム、アイスクリーム及びクリーミーマーガリン用の低脂肪代替物のような空気の安定化が必要とされるすべての食品に使用できる。

    卵白代替物としての使用は前述の優れた発泡性能に由来する。 中間相は、発泡のために生の卵白を使用するすべての食品、例えばババロアのような食品やトッピングに用いられる。 生の卵白についてのサルモネラ感染の危険性を考えると、このことは非常に重要である。 保存料として使用は、中間相系内に介在する水の領域が極めて薄く生物の成長を妨げるために微生物に対する安定性が優れていることに帰因する。 例えば、95%の水を含むラメラ相系の中間相内に介在する水層の大きさ(間隔)
    は約0.1μmであり、実際の微生物の大きさ(約1μ
    m)にはるかに及ばない。

    潤滑剤としての使用は、高含水率においてもこれらの物質が脂肪の機能及び適切なレオロジーを示すことと結び付いている。 この点に関し次の二つの性質が重要である。 使用する界面活性剤分子の脂肪族鎖の疎水性並びに誘起される流動性である、例えば、中間ラメラ相構造の場合、表面活性剤分子の二重層は水層で隔てられるので、水を滑り面として互いに自由に滑る事ができる。

    コンシステンシー調節剤としての使用は構造化性能に直接結び付く。 非イオン性及びイオン性界面活性剤の濃度、剪断、pH及び電解質のような実験的パラメーターを適切に選ぶことにより望ましいレオロジー特性が達成できる。 このような用途の例はスプーンで掬い取ることができてしかも注ぐことのできるような食品の設計におけるものである。

    水分保持剤としての使用は、凝集した界面活性剤分子間に水が囲い込まれることに関連する。 食品中の水の物理的状態は、水の運搬、及び/又は水の移動性及び/又は水の活性に影響するので、食品及び食品成分の物理的、化学的及び機能的特性に影響を与える。 本発明により、後の段階において放出できる「固定化」した水を多量に導入できる。

    フレーバー放出剤としての使用は、中間相の水相及び界面活性剤相中に風味が捕捉される性能と結び付く。 系の性質により、添加したフレーバーの制御された放出が可能になるであろう。 制御された放出送達系が文献に多数開示されている。 例えばリポソームの使用である。 かかる系は別途調製する必要があり、食料品に添加物として、しかも極く少量、添加する必要がある。 本発明によれば、特別なことをしなくても系にフレーバーを添加することができ、フレーバーの成分が適切に保持できる。

    このような中間相は、食用の界面活性剤及び水を含む混合物をクラフト温度より高温に加熱し、続いて冷却させて製造するのが有利である。

    本発明の好ましい実施態様において、中間相はラメラゲル相である。 これらの中間相は、驚くほど多量の、例えば、食用界面活性剤と水の中間相を基準として98重量%又は99重量%もの水を含有できるので、特に好ましい。

    本発明のもう一つの好ましい要素は、食品中に中間相のバルク領域が存在することである。 中間ラメラ相のバルク領域が存在することが非常に好ましい。 バルク相は、大体において連続中間相からなるか、或いは、例えば数平均粒子サイズが1μm〜1000μmの、中間相の離散粒子からなるのが好ましい。 この点に関し、従来技術の公知の食品が、水を連続相とする脂肪食品における油滴の周囲に見られるように、油/水境界面においてラメラ相の非バルク境界層を含んでいるらしいと提言されていることは注目すべきである。 食用界面活性剤の中間相のバルク域は、本発明に従って食品における水相及び/
    又は油相の代替物として用いると有利である。

    本発明に基づく食品は、食用界面活性剤の中間相を5
    容積%以上含有するのが好ましく、10〜100容積%(例えば、20〜80容積%)含有するのがより好ましい。 ここで、中間相の容積は、水/食用界面活性剤の混合系の容積をいう。

    本発明においては、如何なる食用界面活性剤も使用できるが、脂質系物質が好ましい。 ただし、それ以外の非脂質系界面活性剤(例えば、界面活性剤又は両親媒性の炭水化物)を除外するものではない。 一般的に、好ましい食用界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤からなる群から選ばれる。

    好ましい非イオン性界面活性剤は、食用のモノグリセリド、ジグリセリド、ポリグリセロールエステル、非イオン性リン脂質、脂肪酸エステルの非脂肪系カルボン酸エステル、糖と脂肪酸の部分エステル、ポリオールと脂肪酸の部分エステル並びにこれらの混合物である。

    好ましい陽イオン性界面活性剤は、陽イオン性リン脂質、脂肪酸エステルの陽イオン性非脂肪系カルボン酸エステル並びにこれらの混合物である。

    好ましい陰イオン性界面活性剤は、ラクチレート脂肪酸塩、陰イオン性リン脂質、脂肪酸エステルの陰イオン性非脂肪系カルボン酸エステル及びその金属塩、脂肪酸及びその金属塩、並びにこれらの混合物である。

    これらの界面活性剤において用いる脂肪酸の鎖は、いかなる種類及び起源のものでもよい。 しかし、C 8-28の脂肪酸鎖が存在するのが好ましく、C 12-22 、例えばC
    14-18がより好ましい。 脂肪酸は、例えば飽和型でも、
    不飽和型でも、分別したものでも水添されていてもよく、また、天然原料(例えば、乳原料、植物性又は動物性原料)由来のものでも合成原料由来のものでもよい。

    本発明は、もう一つの態様において、食用界面活性剤の中間相を含む最終加工食料品に関する。 本発明の目的上、最終加工食料品は、あまり追加の処理をすること無く食べられるように目論まれた食品である。 バッター、
    ドゥ、などはこの用語から除かれる。 スプレッド、ドレッシング、チーズ、ホイップ可能な食品、アイスクリームなどは含まれる。 最終加工食品は一般的に、5〜5000
    g、より一般的には50〜1000gの内容物の容器に充填して市販される。

    本発明に基づく食料品は、99〜5重量%の水を含む中間相を含むことができるが、中間相が98〜60重量%、特に、97〜80重量%の水を含むのが好ましい、ただし、百分率は中間相全体の重量に基づくものとする。 本発明の食品の水の全濃度は、例えば99%以下、例えば10〜90%
    であり、通常は20〜80%である。

    本発明の食品における食用界面活性剤の合計量は食料品の重量で0.1〜30%であるのが好ましいが、1〜15%
    がより好ましく、2〜10%が非常に好ましい。

    以下の実施例により例示する本発明の代表的実施態様は、中間相、特にバルク中間相として、非イオン性界面活性剤の主要量と、イオン性補助界面活性剤の微少量からなる混合物を含む。 好ましくは、中間相が1〜30%、
    より好ましくは2〜10重量%の非イオン性界面活性剤(例えばモノグリセリド)と、0.005〜10%、より好ましくは、0.01〜1重量%のイオン性補助界面活性剤(例えばラクチレート脂肪酸のアルカリ金属塩、好ましくはステアロイルアクチレートナトリウム塩)を含む。 ただし、百分率は中間相の全重量に基づくものとする。

    「非イオン性」、「陽イオン性」、「陰イオン性」界面活性剤の存在はもちろん界面活性剤が使用される食品のpH値に依存する。 この点に関し、pHは通常、食料品の場合3〜8であり、乳製品の場合、pH値は4〜7の範囲内であることに留意しなければならない。

    イオン性界面活性剤は、本発明に基づき使用する中間相構造の境界面において電荷を生じると考えられるから、非イオン性及びイオン性界面活性剤を組合わすことが好ましい。 中間相、例えば、中間相ラメラ構造における脂質二重層において界面活性剤と水が境界面で相互に反発して、驚くほど多量の水を組み込んだ層構造を形成する。 この現象により、食用脂肪代替物及び水保持剤としての使用が魅力的なものとなる。

    好ましくは、非イオン性界面活性剤及びイオン性界面活性剤を、100:1〜1:10、より好ましくは、50:1〜1:1、
    例えば40:1〜10:1の重量比で用いる。

    好ましい非イオン性界面活性剤は、モノグリセリド、
    モノグリセリドの乳酸エステル及びリン脂質である。 好ましいイオン性補助界面活性剤は、ラクチレート脂肪酸のアルカリ金属塩、例えば、ステアロイルラクチレートナトリウム(SSL)、クエン酸エステル、イオン性リン脂質、ホスファチド酸(PA)、コハク酸エステル、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(DATEM)である。

    特に、ラクチレート脂肪酸のアルカリ金属塩の存在時は、モノグリセリド起源の中間相系は、平面間の水の層に多量の水を取り込む、そしてこのラメラ相の「膨潤」
    は食品の脂肪代替物としての適合性を増進する。 以後、
    界面活性剤系がモノグリセリドとSSLの両者を含む実施例を引用して本発明を例証するが、その他の、単一の界面活性剤又は好ましくは2以上の界面活性剤の組合わせを用い、膨潤性中間相系を製造することも本発明に含まれる。

    本発明による食料品は重量で80%未満の脂肪を含むのが一般的であるが、この成分の好ましい量は0〜79重量%の脂肪、例えば0〜40%、好ましくは1〜30%である。 一部の食品においてフレーバー担体として低い脂肪含有率が要求される。

    本発明に基づき使用される中間相が、系の構造化性能に影響することなく、電解質を含む食料品において使用できることも明らかにされたのは驚くべきである。 組込まれる電解質の一例は塩化ナトリウムである。 本発明による食料品において、塩のような電解質の量は仕上加工食品の全重量を基準にして約0.01〜5重量%の範囲内にあるのが好ましいが、より好ましいのは、0.1〜3重量%、例えば0.2〜2重量%である。

    本発明に基づき使用される食用界面活性剤の中間相は、炭水化物、例えばペクチン、澱粉及びカラゲーニン又はタンパク質のような生体ポリマーを含む食料品に使用できる。 適切な物質は、例えば、ミルクタンパク質、
    ゼラチン、大豆タンパク質、キサンタンガム、ローカストビーンガム、加水分解澱粉(例えばPaselli SA2及びN−oil)、マイクロクリスタリンセルロースである。
    これらの生体ポリマーを本発明に基づくスプレッドに用いるのが特に好ましい。

    本発明の組成物における生体ポリマーの量は望まれるゲル化の程度及び組成物中のその他の成分の存在に依存する。 ゲル化剤の量は通常、食品中の水相の重量を基準にして、通常0〜30重量%であるが、殆どの場合0.1〜2
    5重量%である。 加水分解澱粉が存在するときそれらの量は5〜20重量%が好ましい。 他のゲル化剤は一般的に
    10%以下の量で用いられるが、殆どの場合1〜7%、非常に好ましくは、2〜5%である。 ただし、百分率はすべて水の相の重量を基準にする。 特に好ましいのは、例えば、5〜15%の加水分解澱粉と0.5〜5%の他のゲル化物質との組合わせである。 他のゲル化物質がゼラチンを含むのが好ましい。

    脂肪及び中間相を含む食料品が製品に対して10%未満の飽和脂肪又はそれらの等価物及び/又は製品に対して
    10%未満のトランス脂肪又はそれらの等価物を含むのが好ましい。 本発明の実施態様は、添加された「ハードストック(hard stock)」成分を含まないヒマワリ油起源のスプレッドを含む。 これらの「ハードストック」成分は、飽和脂肪及び全活的な食餌摂取量の減少するトランス脂肪を含む。

    食用中間相が使用される食料品の例は、スプレッド、
    特に脂肪含有量がゼロ又は極端に低いスプレッド(約20
    %未満の脂肪を含む)、ドレッシング、すなわち、掬いとり可能な又は注ぐことのできるドレッシング、例えば、マヨネーズ型ドレッシング、乳クリーム及び非乳クリーム、トッピング、プロセスチーズ、セミハードチーズ、ソース、スイートスプレッド、ペーストリマーガリン、ホイップ可能食品、ソース、液体乳製品及びアイスクリームである。

    本発明に基づき中間相を含む食品を製造するため、中間相を別途に調製しそしてこの相を製品のその他の成分に対し一つの成分として加えることができる。 又は1以上の他の成分の存在する中で「その場(in situ)」で中間相を調製することも可能である。 しかし、どの場合も、中間相の調製は、クラフト温度よりも高温に加熱し、引き続き冷却して行うのが好ましい。 一般的に、これらの温度は0〜100℃、であり、より一般的には30〜9
    0℃、最も一般的には、40〜70℃である。 熱に敏感な成分又は中間相の形成を妨げる成分は冷却後に加えるのが好ましい。

    多数の具体的な実施態様を用いて本発明をさらに例示するが、本発明の範囲はこれらの特定の実施態様に限定されないことは明白である。

    I ドレッシング又はマヨネーズ 本発明の実施態様は先ず、食用界面活性剤の中間相を含むドレッシングに関する。 適切な用途は、構造化剤、
    脂肪代替物、卵代替物、保存料、潤滑剤、コンシステンシー調節剤、水分保持剤、及びフレーバー放出剤としてである。 これらの中間相を、ドレッシングにおいて、脂肪代替物、卵代替物及びコンシステンシー調節剤として用いるのが特に好ましい。

    一般的に述べると、ドレッシング又はマヨネーズは水中油のエマルジョンである。 エマルジョンの油相は一般的に製品の0〜80重量%である。 非脂肪低減食品の場合、トリグリセリドの量は一般的に60〜80%重量%、より好ましくは、65〜75重量%である。 サラダドレッシングの場合、脂肪の量は一般的に10〜60%、より好ましくは、15〜40%である。 低脂肪又は無脂肪ドレッシングは、例えば、0、5、10又は15重量%の量のトリグリセリドを含む。

    ポリオール脂肪酸エステルのようなその他の脂肪性物質はトリグリセリド物質の一部又はすべての代替物として用いてよい。

    ドレッシングにおける食用界面活性剤物質の量は一般に0.1〜15重量%であるが、より好ましくは、1〜10重量%、非常に好ましくは、2〜8重量%である。 非イオン性食用界面活性剤の量は0.1〜15重量%が好ましいが、0.5〜10重量%がより好ましく、1〜8重量%が非常に好ましい。 モノグリセリドは、非イオン性食用界面活性剤として特に好ましい。 イオン性食用界面活性剤の量は0〜5重量%が好ましいが、0.05〜2重量%がより好ましく、0.1〜0.5重量%が非常に好ましい。

    ドレッシングは一般に低pHの食品であり、好ましいpH
    は2〜6であるが、3〜5、例えば約3.5が好ましい。
    これらのpH値において使用を制約されるイオン性界面活性剤が多数ある。 イオン性界面活性剤が適切に機能するには界面活性剤分子が少なくとも一部解離する必要があるからである。 ドレッシングに用いる場合、好ましい陰イオン性のものはモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルである(実施例では、Quest Int.社製のAdmul DA
    TEM 1935を用いた)。 ホスファチド酸のような陰イオン性のリン脂質も用いてよい。

    本発明に基づくドレッシングは前述の成分に加え、ドレッシング及び/又はマヨネーズに適切に加えてよい1
    以上のその他の成分を所望により含んでいてもよい。 これらの物質の例は、乳化剤、例えば、卵黄又はその誘導体のようなもの、安定剤、酸性化剤、生体ポリマー、例えば、加水分解澱粉及び/又は糊又はゼラチンのようなもの、凝集剤、フレーバー、着色剤、などである。 組成物の残部は水である。 水は、0.1〜99.9重量%の量を配合するのが有利であるが、20〜99重量%がより好ましく、50〜98重量%が非常に好ましい。

    マヨネーズ又はドレッシングにおける食用界面活性剤の中間相は、組成物のその他の成分を加える前に別途に調製してよいし、或いは他の成分の存在下で「その場で」調製してもよい。 前述の通り、食用界面活性剤の中間相の形成に重要な部分は、食用界面活性剤及び水を界面活性剤のクラフト温度より高温に加熱することである。 それ故、ドレッシング又はマヨネーズの成分で、このような高温に耐えられないもの及び/又は中間相の生成を妨げるものは、食用界面活性剤の中間相が形成された後で加えるのがよい。 それ故、ドレッシング及びマヨネーズを製造する好ましい方法は次の工程を含む: (a)水、食用界面活性剤及び所望によりその他の成分を含む混合物を食用界面活性剤のクラフト温度より高温に加熱する; (b)中間相を冷却しそして組成物の残りの成分を加える。

    この方法の適当な段階で、必要な構造を生成できるような条件の下に成分を混合することが一般的に好ましい。 このような混合は通常は中程度の剪断力の下に行ってよい。

    II スプレッド 本発明のもう一つの好ましい実施態様は、すでに一般的に記述した通り、食用界面活性剤の中間相をスプレッドに使用することである。 適切な用途は、構造化剤、脂肪代替物、卵代替物、保存料、潤滑剤、コンシステンシー調節剤、水分保持剤、及びフレーバー放出剤としてである。 これらの中間相を、スプレッドにおいて、脂肪代替物、卵代替物及びコンシステンシー調節剤又は保存料として用いるのが特に好ましい。

    実施態様に基づくスプレッドは、食用トリグリセリドを重量で80%未満含有するのが一般的である。 適切な食用トリグリセリド物質は、例えば、「Bailey's Industr
    ial Oil and Fat Products(1979)」に開示されている。 脂肪含有率の低減していないスプレッド(マーガリン)において、トリグリセリド物質の量は、一般的に60
    〜80重量%であるが、70〜79重量%が好ましい。 脂肪含有率の低減したスプレッドにおいて、トリグリセリドの量は一般的に30〜60重量%であるが、35〜45重量%が好ましい。 極低脂肪スプレッドにおいて、トリグリセリドの量は、一般的に0〜40%、例えば30%、25%、20%であり、10%又は約0%のことすらある。 その他の脂肪様物質、例えばスクロース脂肪酸ポリエステルをトリグリセリド物質の一部又は全部の代替物として用いてよい。

    スプレッド用の食用界面活性剤物質が0.1〜15重量%
    の量で用いられるのが好ましい。 そして、1〜10重量%
    がより好ましく、2〜8重量%が非常に好ましい。 非イオン性食用界面活性剤の量は、0.1〜15重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜8重量%が非常に好ましい。 非イオン性食用界面活性剤としてモノグリセリド及びレシチンが特に好ましい。 イオン性食用界面活性剤の量は、0〜5%が好ましく、0.05〜2%がより好ましく、0.1〜0.5%が非常に好ましい。 好ましいイオン性食用界面活性剤はラクチレート脂肪酸塩及びホスファチド酸である。

    本発明に基づくスプレッドは前述の成分に加え、スプレッドにおける使用に適切なその他の成分を随意に含有してよい。 これらの物質の例は、ゲル化剤、糖又は甘味料物質、EDTA、スパイス、塩、凝集剤、フレーバー付与物質、着色剤、タンパク質、酸、などである。 特に好ましいのは生体ポリマーをスプレッドに組込むことである。 適切な生体ポリマーは、例えば、ミルクタンパク質、ゼラチン、大豆タンパク質、キサンタンガム、ローカストビーンガム、加水分解澱粉(例えば、Paselli SA
    2及びN−oil)及びマイクロクリスタリンセルロースである。

    本発明のスプレッドにおける生体ポリマーの量は望まれるゲル化の程度及び組成物中のその他の成分に依存する。 ゲル化剤の量は通常、スプレッドの水相重量を基準にして、通常0〜30重量%であるが、殆どの場合0.1〜2
    5重量%である。 加水分解澱粉が存在するときそれらの量は5〜20重量%が好ましい。 他のゲル化剤は一般的に
    10重量%以下の量で用いられるが、殆どの場合1〜7重量%、非常に好ましくは2〜5%である、ただし、百分率はすべて水相の重量を基準にする。 特に好ましいのは、例えば、5〜15%の加水分解澱粉と0.5〜5%の他のゲル化物質との組合わせである。 他のゲル化物質がゼラチンを含むのが好ましい。

    組成物の残部は一般的に水である。 水は99.9重量%以下の量で組込まれるが、10〜98重量%がより一般的であり、20〜97重量%が好ましい。 本発明によるスプレッドは脂肪及び/又は水が連続相である。

    中間相は、スプレッド製品における水相及び/又は油相に対する部分的又は全体的代替物として使用できる。

    本発明に基づくスプレッドの製造において、中間相は、その他の成分の添加前に調製してよい、又は中間相を、組成物の他の成分の存在する間に「その場で」調製してもよい。 しかし、どの場合も、中間相の調製は、食用界面活性剤及び水をクラフト温度より高温に加熱することを含むのが好ましい、それ故、熱に敏感な成分又は中間相の形成を妨げる成分は、中間相の形成後加えるのが好ましい。

    一般的に述べると、本発明によるスプレッドの製造方法は、食用の界面活性剤(好ましくは、非イオン性界面活性剤及び補助界面活性剤の混合物)及び水を系のクラフト温度の丁度上の温度まで混合することを含む。 他の成分、例えば、塩、着色剤及びフレーバー付与成分も加えてよい。 pHは、例えば、水酸化ナトリウム、又は乳酸を用いて望ましい値に設定できる。 それから、成分が均質に分布するまでこの混合物を緩やかに撹拌する。 その後、一般的には剪断力を加えながら、生成した中間相を冷却する。 これにより、高及び低脂肪スプレッドに類似した口当たりの、低カロリー可塑性スプレッド様ゲル相がもたらされる。 スプレッドの脂肪成分は、必要ならば、冷却後に加え、そして、望ましい構造を形成するため、攪拌しながら製品中に混入する。 スイートスプレッドも同様に製造できる。

    III クリームのようなホイップ可能製品 本発明のもう一つの好ましい実施態様は、食用界面活性剤中間相の、ホイップ可能製品、特にホイップ可能、
    非乳クリーム、ムース、ババロア、などへの使用である。 好ましい用途は泡制御剤及び脂肪代替物である。

    ホイップ可能乳業製品における食用界面活性剤の量は組成物の0.1〜30重量%であるのが好ましいが、1〜20
    重量%がより好ましく、2〜15重量%が非常に好ましい。 食用界面活性剤物質は、モノグリセリドのような非イオン性界面活性剤を、例えば0.1〜30重量%の量で含むのが好ましいが、1〜20重量%がより好ましく、2〜
    15重量%が非常に好ましい。 モノグリセリドに加えて、
    補助界面活性剤が例えば0〜10%の量で存在していてもよいが、0.1〜8%がより好ましい。 好ましい補助界面活性剤はレシチンである。

    本発明のホイップ可能製品は、中間相において食用界面活性剤物質のほか、その他の成分、例えば、タンパク質、糖、乳化剤、色素、フレーバー付与剤、脂肪(植物性脂肪が好ましい)、スキムミルク成分、生体ポリマー、などの一つを含むのが有利である。 例えば、脂肪の量は80%未満でよいが、0〜40%、例えば約5%、15%
    又は30%がより好ましい。 組成物の残余が水であるのが好ましい。

    前述の通り、食用界面活性剤の中間相は、残りの成分と混合する前に調製してもよいし、或いは組成物の1以上の他の成分が存在する時にその場で形成してもよい。
    しかし、いかなる場合でも、中間相の形成は、系のクラフト温度より高温に加熱し、引続き冷却する間に行われるのが好ましい。 それ故、熱に敏感な成分及び、中間相の生成を妨げる成分は中間相の形成後加えるのが好ましい。

    それ故、本発明のホイップ可能製品の製造に都合の良い方法は、食用界面活性剤及び水を緩和な撹拌の下でクラフト温度より高温に加熱し引続き冷却すること、及び残りの成分を加えることを含む。 有害な空気が未ホイップ状態の製品に混入するのを防止するため、冷却後過度の撹拌を行わない場合がある。

    IV アイスクリーム及びその他の冷凍デザート 本発明の有利な実施態様はさらに、食用界面活性剤中間相の冷凍デザートへの使用に関する。 適切な用途は、
    構造化剤、脂肪代替物、保存料、潤滑剤、コンシステンシー調節剤、発泡剤、水分保持剤、及びフレーバー放出剤としてである。 これらの中間相を、アイスクリームの冷凍デザートにおいて、構造化剤、発泡剤、脂肪代替物として又は溶解性の改善に用いるのが特に好ましい。

    冷凍デザートで従来の脂肪代替物を用いるときしばしば起こる問題は、フレーバーの損失及び構造及び喫茶特性を適切に制御することの難しさである。 食用界面活性剤の中間相を使用すると、アイスクリームの構造及び感覚的特性を持つが、カロリー含有量のより少ない冷凍デザートが製造できることが明らかに成った。 無脂肪のアイスクリーム様製品も製造できる。 さらに、食用界面活性剤中間相の使用により、溶融特性の優れた冷凍デザートが提供できる。

    中間相の概念を用いれば、脂肪を使用せずにアイスクリームの感覚を達成できるが、ある種のフレーバーにおいては、フレーバー放出性を改善するため比較的少量の脂肪(2〜3重量%まで、好ましくは0.5〜1重量%)
    を用いるのが好都合である。 勿論、この添加によりカロリー含有量は増加する。

    好ましい冷凍デザート組成物は、10重量%以下、例えば、0.1〜6重量%の食用界面活性剤を含むが、0.3〜5
    重量%がより好ましく、0.5〜2重量%が非常に好ましい。 好ましい非イオン性食用界面活性剤の量は10重量%
    以下、例えば0.5〜5重量%であり、より好ましくは、
    0.6〜3重量%、非常に好ましくは、0.8〜1.5重量%である。 非イオン性食用界面活性剤として、モノグリセリドを使うのが非常に好ましい。 イオン性食用界面活性剤の量は0〜1重量%であるのが好ましいが、0.05〜0.5
    重量%がより好ましい。 好ましいイオン性食用界面活性剤はラクチレート脂肪酸である。

    本発明の冷凍デザートは、食用界面活性剤の中間相のほか、配合するのに適切な従来の成分をすべて含んでよい。 例えば、本発明に基づく冷凍デザートは通常、甘味を増すための成分を1以上含む。 糖を甘味物質として用いるのが好ましい。 糖を甘味剤として用いるなら、その量は5〜40%が好ましいが、10〜20%がより好ましい。
    例えばaspartame(登録商標)のような他の甘味物質を使用する場合には、これらの物質の量は、製品の甘味が前述の糖含有率の製品の甘味に似るように選ばれる。 人工甘味物質を使用するには、1以上の凝集剤、例えば水素化澱粉物質がさらに必要である。

    さらに、本発明に基づく冷凍デザートは、ミクル固体非脂肪(MSNF)を1〜20重量%の量で含むのが好ましいが、6〜14重量%がより好ましい。 その上、冷凍デザートが乳化剤及び/又は安定剤を低濃度で、例えば0〜0.
    5重量%の量で含有するのが好都合であり、0.2〜0.4重量%がより好ましい。 冷凍デザートへの配合に適切な成分が所望により追加される。 例えば、果実、フレーバー、着色剤、チョコレート、ナッツ、保存料、生体ポリマー及び凍結点降下剤である。 組成の残部は水であるのが一般的である。

    優れた融解性をもたらす適切な配合は次の通りである: 0.5〜5%モノグリセリド、好ましくは0.8〜1.5% 0〜1%イオン性界面活性剤、好ましくは0.05〜0.5% 10〜20%糖 6〜14%ミルク固体非脂肪(msnf) 0〜0.5%乳化剤及び安定剤 残部は水及び冷凍デザート用の通常の添加物である。
    これらの配合においては通常の場合、糖は、甘味剤、氷点降下剤ならびにテクスチャー付与剤として含まれる。
    通常これらの目的は、異なる方法により達成される、例えば、転化糖、フルクトース、グルコース、マルトデキストリン、コーンシロップに続きスクロースを用いる。
    前述の配合における糖の好ましい組合わせは、5〜8%
    のマルトデキストリン及び9〜14%のスクロースである。

    同じことがミルク固体非脂肪にも当てはまる。 その約3分の1はホエー粉末でよいので、前述の配合における適切なmsnfの組合わせは、6〜8%のmsnf(カゼインを含む)及び1〜3%のホエー粉末である。

    乳化剤及び安定剤は通常の通り使用でき、それらの実例は広く知られている。 適切な量及び生成物は実施例において例示する。 これらの添加剤の合計量の好ましい範囲は0.2〜0.4%である。

    本発明に基づく冷凍デザートは、アイスクリーム及び類似物を製造する従来の方法により製造できる。 中間相の形成のため、水及び所望により1以上の別の組成物成分の存在の下で食用界面活性剤を混合物のクラフト温度より高温まで加熱する、次に冷却し、残りの成分を加え、そして、さらに冷却しながら撹拌し、膨らんだ冷凍デザートを製造する。

    中間相は好都合にも次のようにしてその場で形成できる、すなわち、成分(好ましくは60〜100℃、例えば、7
    0〜95℃の高温における)を混合する、次に冷却(0〜3
    0℃、例えば約5℃の温度まで)し、そして均質化する。 その後、適宜に熟成工程(例えば、24時間まで)を経て混合物を、通常の連続式アイスクリームフリーザーの中で低温(好ましくは、0〜−20℃、より好ましくは、−2〜−10℃、非常に好ましくは約−5℃)に冷却しながら、50〜300%、より好ましくは75〜200%、非常に好ましくは、約100%のオーバーランを示すようにホイップさせるのがよい。 代案として、中間相を別途に調製し、その後他の成分をこの相に加えることができる。
    その後生成物は膨らまされ、冷却される。

    V チーズ 本発明のも一つの好ましい実施態様は、食用界面活性剤の中間相をチーズ製品、例えば、プロセスチーズ又はセミハードチーズに用いることである。 チーズ製品における中間相の好ましい用途は、構造化剤、脂肪代替物、
    潤滑剤、保存料、コンシステンシー改良剤及び水分保持剤としてである。

    チーズ製品は、カゼインで構成されることの多い基質中に分散した脂肪の分散滴を含むことが多いのが一般的である。 本発明の目的上、中間相は分散相の一部又はすべての代替物として用いられる、しかし、中間相はまた、チーズ基質の一部又はすべての代替物として用いられる。 前者の場合、中間相は中間相の離散粒子からなるバルク相として存在する。 後者の場合、中間相は連続的バルク相であってもよいし、或いは離散した粒子で構成されてもよい。

    チーズ製品中の食用界面活性剤の量は、組成物の0.1
    〜15重量%であるのが好ましいが、0.5〜10重量%がより好ましく、1〜8重量%が非常に好ましい。 非イオン性界面活性剤の量は、0.1〜15%が好ましいが、0.5〜10
    %がより好ましい。 イオン性界面活性剤の量は、0〜7
    %が好ましいが、0.1〜5%がより好ましい。

    本発明のチーズ製品は、食用界面活性剤のほか、好都合にも、チーズ製品中に存在し得るすべての種類の成分を含む。 これらの成分の例は、ミルクタンパク質(0〜
    15%の量で存在するのが好ましいが、0.5〜10%がより好ましい)、脂肪(0〜45%の量で存在するのが好ましいが、1〜30%がより好ましい)、脂肪のすべて又は一部を代替可能な、例えばポリオール脂肪酸エステルのようなその他の脂肪性物質、電解質(例えば、0〜5%、
    より好ましくは1〜4%のCaCl 2及び/又はNaCl)、レンネット又はレンニン(例えば、0.005〜2%、より好ましくは0.01〜0.5%の量における)、フレーバー、着色剤、乳化剤、安定剤、保存料、pH調整剤、生体ポリマー、などである。 製品の残部は一般的に水であり、これは例えば、0〜99.5重量%の量で存在するが、より好ましくは5〜80重量%、非常に好ましくは30〜75重量%である。

    本発明に基づくチーズ製品は、ソフトチーズ、からハードチーズまでの各種のチーズである。 例えば、セミハードチーズ(ゴーダ、エダム、ティルジット、リンブルク、ランカッシャー、などのようなもの)、ハードチーズ(例えば、チェダー、グルュイエル、パルメザン)、
    外菌(external moulded)チーズ(例えば、カマンベール及びブリー)、内菌(internal moulded)チーズ(例えば、ロックホール、ゴルゴンゾーラ、など)、プロセスチーズ及びソフトチーズ(コテージチーズ、クリームチーズ、ヌーシャテル、など)である。

    本発明のチーズ製品は、チーズの製造に適したどの方法によっても製造できる。 チーズの種類により異なるが、一般的に次の工程が存在する:(1)適切な温度、
    例えば5〜120℃における成分の混合;(2)冷却後、
    スターター菌の添加、カードの切断、成型、及び最終的加塩;及び(3)熟成。 すでに示した通り、食用界面活性剤の中間相は、別途に又は「その場で」形成できる。
    中間相が別途に調製されるなら、このようにして生成した相を前述の工程(1)において他の成分に加えるのが好ましい。 中間相のその場の形成を行うなら、工程(1)の混合物に食用界面活性剤を加え、そして、混合物の温度をクラフト温度より高温に確保して実行するのが好ましい。

    VI その他の食品 本発明に基づくその他の食品で、食用界面活性剤の中間相を含有して有利なものには、その他の食用エマルジョン化系、ソース、液体及び半液体乳製品、パンのクリーム、トッピング、などが含まれる。

    本発明は次ぎの実施例により例証される: 特記しない限り、実施例中の百分率はすべて組成物の重量に基づく。

    次ぎの成分を用いた: 界面活性剤の名称にはHymono及びAdmulの後に記号が付くが、すべてQuest International社の商品名である。 各種のβ−カロチンはHoffmann−La Roche Ltd.社(スイス)から入手した。 BMPはバターミルク粉末である。 SMPはスキムミルク粉末である。 塩は塩化ナトリウムである。 DATMは、Admul Datem 1935である。

    実施例A;中間相の別途調製 食用界面活性剤の中間相を次の成分から調製した: 蒸留水 93.7% モノグリセリド(*) 6.0% ラクチレート脂肪酸(**) 0.3% 注記: * Hymono 1103(Quest International社製) ** Admul SSL 2004(Quest International社製) 水ジャケット付き容器内で水を65℃の温度まで加熱した。 その温度で、水に他の成分全部を加え、「リボン撹拌機」を用い混合物を約30分間穏やかに攪拌した。 乳酸を用い、生成物のpHを4.6の値に制定した。 生成物を雰囲気温度まで冷却した。

    生成物は中間相であった。 生成物は、本発明に基づく仕上加工又はそのまま食べられる食品の製造において使用できた。

    実施例B:中間相の別途調製 中間相を次の組成により調製した: モノグリセリド(*) 7% テアロイルラクチレートナトリウム(**) 4% (モノグリセリドを基準) 水 100%まで 着色剤/フレーバー 痕跡量 注記 *=Hymono 1103 **=Admul SSL 2004 すべての成分を65℃において手動でブレンドし、水酸化ナトリウム溶液でブレンドをpH7.0に中和した。 生成した混合物を10℃まで冷却した。 生成物は中間相であると考えられた。

    実施例C:中間相の別途調製 中間相を次の組成により調製した: 水道水 92.3% モノグリセリド 飽和(Hymono 8903) 4 % 不飽和(Hymono 7804) 3 % 補助界面活性剤(Admul DATEM 1935) 0.7% 磁気撹拌機付き電熱板を用い水を55℃まで加熱した。
    55℃において、界面活性剤を水に加え、磁気撹拌機により、分布が均質になるまで(約75分)混合した。 次に、
    中間相を連続攪拌の下に室温まで徐々に冷却した。

    このようにして、貯蔵及びスプレッド時に時の分離を示さない、可塑性のゲル相が製造できた。 ゲル相は著しい脂肪の口感覚を与えた。

    実施例D:中間相の別途調製 バルク中間相を次の組成により調製した: Hymono 1103 5% SSL(Admul ssl 2004) 4% (モノグリセリド基準) 水 残部 着色剤/フレーバー 痕跡量 SSLの量は、製品の重量で0.2%に相当する。 成分をすべて、水ジャケット付き容器において、撹拌しながら65
    ℃で混合し、水酸化ナトリウムを用いてpH7.0に中和した。

    実施例I:ドレッシング及びマヨネーズ 実施例I.1 実施例Bの中間相を、雰囲気温度において、市販のマヨネーズ(80%脂肪)と、1:1の重量比で手動によりブレンドした。 生成した低脂肪マヨネーズの官能的性質は容認できるものであった。

    実施例I.2 次の成分により低カロリーのそそぎ出し可能なドレッシングを製造した: ゲル相(3.5%のモノグリセリド(Hymono 8803)、0.14
    %のDatem、残部が水の混合物) 33.5% 水相: 水 31 % 糖 15 % 塩 1.4% サイダー酢(5%酢酸) 13 % トマトペースト(Del Monte社製,二倍濃縮) 3 % フレーバー 1.5% 生体ポリマー系濃化剤 0.5% ソルビン酸カリウム 0.1% ひまわり油 1 % ゲル相及び水相を別の流れにおいて調製した。 ゲル相を調製するため、ゲル相の成分を水ジャケット付き容器内で緩和な攪拌の下で約30分間、65℃に加熱した。 その後、中間相を、サーフェススクレーパー式熱交換器(ボテーター,Aユニット)を用い、12℃の温度まで冷却した、Aユニットは処理量2kg/h、ローター速度1150rpmで運転した。

    水相は、水相成分を水ジャケット付き容器内で緩和な攪拌の下に溶解させて調製した。 Aユニットにおいてゲル相が形成されると直ぐ、そのゲル相を、4kg/hの処理量の水相と混合し、ローター速度700rpmで運転している冷却ピン付き撹拌機(Cユニット)に導入した。

    pH3.5の最終生成物は、そそぎ出し可能なドレッシングの性質を持っていた。 コンシステンシー、食感、及び風味は、36%の油を含む基準製品に匹敵し、生体ポリマーの濃化剤のみを含む1%油の製品より良好であった。

    実施例I.3 ゲル相の組成以外実施例I.2と同じ条件の下に、掬い出し可能な低カロリーのドレッシングを製造した。 ゲル相の組成は:6%のHymono 8808、0.24%のDATEM及び残部の水であった。 これにより、掬い出し可能なドレッシングの特性をすべて備える、より濃厚な製品が製造できた。 その性質は、市販のマヨネーズ(80%脂肪)並びに低脂肪(35%脂肪)マヨネーズの両者に匹敵し、そして、ポリマーの濃化剤を含む製品より良好であった。

    実施例I.4 ゲル相の組成以外実施例I.2と同じ条件の下に、非常に濃厚なドレッシングを製造した。 ゲル相の組成は:10
    %のHymono 8803、0.4%のDATEM及び残部の水であった。 これにより、低脂肪スプレッド様のコンシステンシー及び脂肪製感覚を備える非常に濃厚な製品が製造できた。

    実施例I.5 市販のマヨネーズ(80%脂肪)と同量の中間相を室温において、低剪断力の下で混合し40%脂肪のドレッシングを製造した。 次の成分を用いた: ゲル相(7%のHymono 1103、0.2%のDATEM、100%までの水、痕跡量のCWS β−カロチン) 50% 市販のマヨネーズ(Calve社製) 50% Calve社の製品はオランダの市場で入手できる通常のマヨネーズである。 それは、O/W型エマルジョンで、乳化剤としえの卵黄と共に80%の油を含有する。 妥当なコンシステンシー(掬いだし可能)、脂肪様感覚及び官能性質を与える非常に容認できる製品が製造できた。

    実施例I.6 水相に10%の油を分散させて、O/W型エマルジョンを調製し、次に中間相と混合して10%脂肪のドレッシングを製造した。 次の成分を用いた: ゲル相(10%Hymono 8803、0.4%PA(*)、残部の水、
    痕跡量のCWS β−カロチン) 32.7% 水相(エマルジョン) 水 29 % 糖 13 % 塩 1.2% サイダー酢(5%酢酸) 12 % フレーバー 1.5% 濃化剤(キサンタンガム、プロピレングリコール、藻類
    LVF) 0.5% ソルビン酸カリウム 0.1% ひまわり油 10 % PAは、ジステアロイルホスファチド酸である(Sigma
    社製)。

    水相エマルジョンは、高速撹拌機及びホモジナイザーを用い、水相中に油を分散させて調製した。 実施例I.2
    に示す通り、水相エマルジョンを中間相と混合した。 コンシステンシー及び官能性性質の適正な製品が製造でき、そして油相は、通常健康によいポリ不飽和脂肪酸を多量に含有していた。

    実施例I.7 ゲル相に油を分散させ、引き続き水相と混合することにより、5%脂肪のドレッシングを製造した。

    次の成分を用いドレッシングを製造した: ゲル相(分散油を含む)(8.5% Hymono 3203、0.34%
    DATEM、残部の水、CWS β−カロチン(痕跡量)、15%
    ひまわり油) 33% 水相 水 34.5% 糖 15 % 塩 1.4% サイダー酢(5%酢酸) 14 % フレーバー 1.5% 濃化剤(キサンタンガム、プロピレングリコール、藻類
    LVF) 0.5% ソルビン酸カリウム 0.1% 分散油を含むゲル相は、油及びゲル相を混合して調製したが、ゲル相は連続処理装置においてゲル相が生成した直後の別の流れからのものであった。 油を含むゲル相を、実施例I.2に示す通り、水相と混合する。

    コンシステンシー及び官能的性質の適正な製品が製造できた。 実施例I.6の通り、油相は多量のポリ不飽和産を含有していた。

    実施例I.8 ゲル相と他の成分の冷間混合により無脂肪ドレッシングを製造した。 まず、実施例I.2に記載する手順により、次の組成を用いてゲル相を調製した:10% Hymono 8
    803、0.4% DATEM、痕跡量のCWS β−カロチン、残部の水。 このゲル相に対し、他の成分を室温において、家庭用ミキサーを低速度で用いて加えた。 他の成分は次の通りである(上記のゲル相を基準とする%): ワイン酢(10%酢酸) 3 % 糖 1 % からし粉 0.7% カレー粉 0.3% こしょう 0.3% 塩 2 % コンシステンシーが適正であり、風味の優れた生成物が製造できた。

    実施例II:スプレッド 実施例II.1 実施例Dにおける通り中間相を調製した。 中和の後、
    中性のブレンドの処理流れを容器から取り出し、ある剪断力(実験室規模における2000rpm)で運転中の単一のボーテータ(登録商標)「Aユニット」に供給した。 A
    ユニットのジャケット温度は5℃であり、処理流れの出口温度は10℃であった。 生成物をチューブに詰め、5℃
    で貯蔵した。

    検査によると、生成物は静置中もパンに延ばした時も、食用脂肪性スプレッドの外観を示した。 ある程度の貯蔵後でも製品の中に遊離水分の証拠はなかった。 このような無脂肪の生成物の官能的性質は、90%以上の水を含むにも拘らず「スプレッド様」として記述された。

    実施例II.2 最終生成物の20重量%の脂肪を加えて、実施例II.1を繰返した。 脂肪は「Aユニット」の前の処理流れの中に導入した。 純粋なひまわり油の場合、食用スプレッド中に通常用いられる脂肪相の範囲を用いた。 検査時、製品はやはり「スプレッド様」として記述された。 ひまわり油を使用することの特別な利点は、最終製品がスプレッド様であるが、非常に低濃度トランス脂肪及び比較的低濃度の飽和脂肪を含有することである。

    実施例II.3 実施例Bに示す通りの組成の中間相を調製するため、
    成分を互いに、撹拌中の、水ジャケット付き容器内で65
    ℃で混合し、そしてブレンドを水酸化ナトリウム溶液を用いpH7.0に中和した。 別途に、4.5のpHにおいて、0.6
    重量%の塩(塩化ナトリウム)及び1%のナトリウムカゼイネートを含む水相を調製した。 中性ブレンドの処理流れを容器から取出し、そして、剪断下(実験室規模において2000rpm)に運転中の単一のボテーター「Aユニット」に導入した。 Aユニットのジャケット温度は5℃
    であり、処理流れの出口温度は10℃であった。 次に、中間相の水相に対する重量比、5:1で処理流れと水相をブレンドしてポテーター「Cユニット」に供給し、二つの流れを混合した。 Cユニットから出る最終の生成物をチューブに詰め、5℃で貯蔵した。

    検査によると、生成物はやはり、静置中もパンに延ばした時も食用脂肪性スプレッドの外観を示した。 ある程度の貯蔵後でも生成物中に遊離水分の証拠はやはり存在しなかった。 このようにして製造した無脂肪の製品の官能的性質もやはり「スプレッド様」として記述された。

    実施例II.4 水相の中間相に対する混合比が重量で1:3である以外は同じ条件の下で実施例II.3を繰返した。 これにより、
    遊離水分がなく、そして官能的性質の良好な、容認できる0%脂肪スプレッドが製造できた。

    実施例II.5 実施例Bで製造した中間相を、雰囲気温度において、
    市販のチョコレートスプレッドと、1:1の重量比で手動によりブレンドした。 生成したスィートスプレッド生成物の、官能的性質は容認できることが明らかになった。

    実施例II.6 中間相を実施例Aの通り調製した。 実施例Aに記載の通り、成分を加熱し、混合した後、中間相をサーフェススクレーパー熱交換器(ボテーター、Aユニット)を用いて12℃の温度まで冷却した。 Aユニットを1kg/hの処理量及び高速度(2000rpm)で運転した。 生成物を250g
    のチューブに詰め、5℃で貯蔵した。

    生成物は遊離水分を示さず、パンの上に延ばすのが容易であった。 その官能的性質は、高脂肪及び低脂肪スプレッドに非常に類似しており、脂肪性の感覚は優れていた。 しかし、この製品は、高脂肪スプレッドのカロリーの約8%を含むだけである(同じ容積において)。

    実施例II.7 次の組成を用い、実施例II.6を繰返した: 蒸留水 92.6% モノグリセリド(*) 6 % ステアロイルラクチレートナトリウム(**) 0.4% 塩 1 % 冷水可溶β−カロチン及びフレーバー 痕跡量 乳酸 痕跡量 注記 * Hymono 3203、Quest International社製 ** Admul SSL 2004、Quest International社製 実施例A及びII.6に記載の通り処理した。 これにより実施例II.1のスプレッドと類似の性質の無脂肪スプレッドが製造できたが、塩味が顕著であった。

    実施例II.8 無脂肪スプレッドを次の成分により製造した: 蒸留水 93.6% モノグリセリド(Hymono 1103) 6 % 補助界面活性剤(Admul SSL 2004) 0.3% ソルビン酸カリウム 0.1% 冷水可溶(=CWS)β−カロチン 痕跡量 フレーバー 痕跡量 乳酸 痕跡量 水ジャケット付き容器内で水を65℃の温度まで加熱した。 その温度で、水に他の成分全部を加え、「リボン撹拌機」を用い混合物を約30分間、緩く攪拌した。 乳酸を用い、生成中間相のpHを4.6の値に制定した。

    次に、中間相をサーフェススクレーパー熱交換器(ボテーター、Aユニット)を用いて12℃の温度まで冷却した。 Aユニットを1kg/hの処理量及び高速度(2000rpm)
    で運転した。 生成物を250gのチューブに詰め、5℃で貯蔵した。

    生成物は遊離水分を示さず、パンの上に延ばすのが容易であった。 その官能的性質は、高脂肪及び低脂肪スプレッドに非常に類似しており、脂肪性の感覚は極めて優れていた。 しかし、この製品は高脂肪スプレッドのカロリーの約8%を含むだけである(同じ容積において)。

    実施例II.9 先ず、実施例II.8に記載の通りスプレッドを調製して、塩を含む無脂肪のスプレッドを製造した。 このスプレッドに対し1重量%の粒状塩(NaCl)を加え、均一に分布するまで、20℃で手動により混合した。 このスプレッドの物理的性質及び官能的性質は実施例II.8のスプレッドと同じであったが、製品を食べたとき、著しく塩辛かった。 粒の塩を用いたことによる粒状又はざらついた感じはなかった。

    実施例II.10 次の組成を用い、実施例II.8を繰返した: 蒸留水 92.6% モノグリセリド(Hymono 3203) 6 % 補助界面活性剤(Admul SSL 2004) 0.4% 塩 1 % CWS β−カロチン及びフレーバー 痕跡量 乳酸 痕跡量 乳酸を用いてpHを4.2の値に制定した。 実施例II.8に記載の方法に対してこれ以上の変更は行わなかった。 これにより実施例II.8のスプレッドと類似の性質の無脂肪スプレッドが製造できたが、塩味が著しかった。

    実施例II.11 まず、実施例II.8に記載の無脂肪スプレッドを製造して、高PUFA(ポリ不飽和脂肪酸)極低脂肪スプレッドを製造した。 次に、20℃において、6重量%のひまわり油をスプレッドに加え、そして、ゲル相内に均一に分布するまで、家庭用電気ミキサーを低速度で運転して混合した。 生成物の性質は実施例II.8に記載の通りであったが、ひまわり油による追加のフレーバー感覚が存在していた。 この製品は、この種の製品に対する通常の健康的要求と組合わせて、高PUFAスプレッドとして市販できる。

    実施例II.12 約10%のトリグリセリド物質を含む、全植物性、極低脂肪スプレッドを、二系統処理方法により製造した。 一つの水ジャケット付き容器内で、次の成分を65℃で混合した: 水道水 95.1% モノグリセリド(Hymono 8803) 4 % 補助界面活性剤(Admul SSL 2012) 0.3% 塩 0.5% CWS β−カロチン(Roch社製) 痕跡量 フレーバー 痕跡量 ソルビン酸ナトリウム 0.1% 別の水ジャケット付き容器内で、脂肪相(部分水添大豆油を混合した大豆油、融点36℃)を45℃に加熱した。
    水相及び油相の両者を別のボテーターAユニットで処理した。 水相を、高剪断条件下(2000rpm)で処理し、12
    ℃の温度まで冷却した。 油相を、中程度の剪断条件下(1000rpm)に処理し、20℃まで冷却した。 処理量は、
    水相の場合2.5kg/hであり、油相の場合0.3kg/hであった。 二つのAユニットの後に単一の混合装置(Cユニット)を設け、そこで水相及び油相を、低剪断力条件(25
    0rpm)の下に均一に混合した。 最終生成物はCユニットを約17℃の温度で出た。 次に、生成物を250mlのチューブに詰め、5℃で貯蔵した。 このようにして製造した製品は安定であり、貯蔵又はスプレッド時に遊離水分を示さず、官能的性質は良好であった。

    実施例II.13 トリグリセリド物質を20%含む二重連続性、極低脂肪スプレッドを次の方法により製造した: 実施例Cに記載の方法及び次の組成を用いゲル相を調製した: 水道水 92.4% モノグリセリド(Hymono 8803) 7 % 補助界面活性剤(Admul SSL 203) 0.5% 安息香酸Na 0.1% CWS β−カロチン 痕跡量 フレーバー 痕跡量 この生成物を充填し、5℃で1日貯蔵した。

    オランダの市販の低脂肪スプレッドであるLattaを購入した。 これは40%の脂肪を含み、脂肪を連続相とする製品である。 分散水相はゼラチン及びミルクタンパク質の両方並びに塩を含む。

    両生成物を、20℃において、1:1の重量比で、均質な生成物が得られるまで手動により混合した。 生成物の顕微鏡検査により、生成物は、脂肪相及び中間相の両方における、二重連続性のものであることが明らかになった。 この生成物は物理的に安定であり、進展性が良く、
    官能的性質は、使用した元の低脂肪スプレッドに類似していた。

    実施例II.14 トリグリセリド物質を40%含む低脂肪スプレッドを、
    実施例II.13に記載の方法と類似の方法で製造した。 この実施例において、オランダのLattaの代わりに市販(ドイツ)の高PUFAマーガリンでありBecelを用いた。
    これは、80%トリグリセリド物質の脂肪連続製品であり、水相に生体ポリマーを含まない。 脂肪相の60%以上は、ポリ不飽和脂肪酸で構成される。 ゲル相とマーガリンを、携帯用家庭電気ミキサーの低速度運転により、1:
    1の重量比で混合した。 混合の間、温度を18乃至22℃に維持した。

    生成物は、光学顕微鏡及び電気伝導度測定により示される通り、脂肪連続型であった。 生成物は物理的に安定であり、そして良く伸展した。 官能的性質はポリ不飽和脂肪の含有率の高いスプレッドのそれに類似していた。
    ドイツのBecelをバターで代替しても類似の結果が得られるであろう。

    実施例II.15 ゼラチンを含む無脂肪スプレッドを次の手順により製造した。 水ジャケット付き容器内で、次の成分を、65℃
    で混合した: 水道水 95.2% モノグリセリド(Hymono 1103) 3 % 補助界面活性剤(Admul SSL 2004) 0.2% 塩 0.5% ゼラチン 1.0% 安息香酸 0.1% CWS β−カロチン、フレーバー 痕跡量 乳酸を用い、pHを5.0に調整した。 このようにして調製した中間相を、ボテーターAユニット(1500rpm、T ex
    =12℃、2.5kg/h)、次に低速度Cユニット(100rpm)
    を用いて処理した。 生成物を充填した後、5℃で貯蔵した。 生成物は安定であり、伸展できた。 食感は脂肪様であり、口の中です速く解ける特性を併せ持っていた。

    実施例II.16 次の成分を用い、実施例II.15を繰り返した: 水道水 92.2% モノグリセリド(Hymono 1103) 5 % スキムミルク粉末 1 % 補助界面活性剤(Admul SSL 2004) 0.2% 塩 0.5% ゼラチン 1.0% 安息香酸Na 0.1% CWS β−カロチン、フレーバー 痕跡量 最終生成物は、実施例II.15によるものと異なった。
    外観は、より白くなり、透明性が減少した。 ミルクタンパク質(及びラクトース)は最終生成物の風味に明らかに貢献した。

    実施例II.17 実施例II.16と同じ組成の低温殺菌無脂肪スプレッドを製造した。 まず、すべての成分が均一に混合している中間相を65℃において調製した。 次に、このエマルジョンを管式熱交換器に導入し、その中で中間相を45秒間で
    80℃まで加熱した。 次に、別の管式熱交換器を用い、このエマルジョンを65℃まで冷却し、ボテーターAユニットにより処理した。

    250mlのラメラフローキャビネット及び殺菌済みのチューブを用い、生成物を「無菌」状態の下で充填した。
    製造後1月目に、生成物の微生物検査を行ったが、微生物の活性は示されなかった。

    実施例II.18 次の成分を用い、生体ポリマーを含む、スプリットストリーム(split stream)の無脂肪生成物を製造した: 一つの水ジャケット付き容器で、次の成分を混合した: 水道水 91.4% モノグリセリド 飽和(Hymono 8903) 4 % 不飽和(Hymono 7804) 3 % 補助界面活性剤(Admul ssl 2004) 0.5% 塩 1 % ソルビン酸カリウム 0.1% CWS β−カロチン、フレーバー 痕跡量 別の水ジャケット付き容器において次の成分を混合した: 水道水 87% ゼラチン(酸、250ブルーム、PB社製) 4% Paselli SA2(AVEBEE社製) 8% 塩 1% CWS β−カロチン 痕跡量 両方の水相を、高剪断力のボテーターAユニットにおいて処理し、次いで生成物を次のCユニット(250rpm、
    T ex =15℃)で混合した。 最終生成物は、25%のゲル相及び75%の生体ポリマー相で構成された。

    最終生成物は連続的な中間相からなりその中で、生体ポリマー相が微細にそして均一に分散していた。 生成物は可塑性、伸展性であり、官能的性質は良好であった。

    実施例II.19 トリグリセリド物質を20%含む極低脂肪スプレッドを、2ライン方法を用い、イン−ラインで製造した。 水ジャケット付き容器及びボテーターAユニットで構成される一方の処理ラインにおいて、実施例II.8に記載の通り中間相を調製した。 別の処理ラインにおいて、低脂肪スプレッドを、水ジャケット付き容器、引き続く二基のAユニット及び最終のCユニットを用いて製造した。 この相の組成は次の通りである: 水道水 55% 脂肪相(大豆油、部分硬化大豆油及び部分硬化パーム油の混合物) 40% ゼラチン(酸、豚皮、200ブルーム、PB社製) 3% BMP(酸型バターミルク粉末、Frico社製) 1% 塩 1% β−カロチン、フレーバー 痕跡量 Aユニット(高剪断力)において中間相を、そして、
    A−A−C系列において水/脂肪の相を処理した後、両方の生成物を1:1の重量比で中程度の速度のCユニットで混合する。

    生成物は、中間相及び脂肪相における二重連続性であった。 その物理的性質及び官能的性質は、トリグリセリド含有率約40%の従来の低脂肪スプレッドのそれと類似していた。

    実施例II.20 市販のチョコレートスプレッド(32%脂肪)を等量の中間相と室温において、低剪断力の下で混合し、チョコレートスプレッドを製造した。

    成分: ゲル相(10% Hymono 8803、0.4% DATEM、残部の水) 50% チョコレートスプレッド(Albert Heyn社製、脂肪32
    %、タンパク質3%、チョコレート62%) 50% コンシステンシーが適正であり、官能的性質が容認でき、そして一食当たりのカロリー摂取がかなり少ない生成物が製造できた。

    実施例II.21 次の成分を用い、低脂肪チョコレートスプレッドを製造した: 水 残部 Hymono 8803 5 % Admul SSL 2004 0.25% ココア粉末(de Zaan社製、D21A) 5 % サカロース 30 % スキムミルク粉末 10 % 塩 0.2 % ソルビン酸カリウム 0.2 % バニリン 0.02% 乳酸 痕跡量 成分をすべて、水ジャケット付き容器において、緩やかな撹拌下で約30分間65℃に加熱した。 乳酸を用い、pH
    を5.0の値に調整した。 次に、液状の物質を、表面かきとり式熱交換器を用い、1kg/hの処理量及び1850rpmのローター速度で12℃の温度まで冷却した。

    脂肪(トリグリセリド)を含まず、コンシステンシーが適正であり、官能的性質の容認できる生成物が製造できた。

    実施例II.22 非イオン性界面活性剤のHymono 8803をPhopholipon10
    0H(Natterman社製)に取り替えたほかは、実施例II.21
    と同じ組成を用い、低脂肪チョコレートスプレッドを製造した。 コンシステンシーが適正であり、官能的性質の適正な生成物が製造できた。

    III.クリームのようなホイップ可能製品 実施例III.1 低脂肪のホイップ可能、非乳製クリーム(NDC)を、
    非ホイップ可能、低脂肪、非乳製品単一クリームに中間ゲル相を加えることにより製造した。 ゲル相の構成は次の通りであった: 水道水 88% モノグリセリド(Hymono 1103) 12% NaOH 痕跡量 中間相は、水及びモノグリセリドを、低い剪断力の下で65℃で混合することにより調製した。 NaOHでpHを7に調節した。 均質なラメラ相の生成後、実験質規模の磁気撹拌機を用い、低い剪断力を連続的に加えながら生成物を冷却した。

    約30℃の温度において、この相と、英国で市販されているElmlea single creamの名称の非乳製クリームとを混合した。 これは、脂肪相に植物油を含む、18%脂肪のクリームである。 ゲルとクリーム相を40及び60%の相対重量で混合した。 次に、家庭用電気ミキサーを最大速度で運転して、約250%のオーバーランが達成されるまでこの混合物をホイップさせた。

    生成物は数日間安定であり、極めて脂肪性の口感覚を持ち、そして、従来高脂肪(約45%の脂肪)ホイップクリームが用いられる多くの用途、例えば、コーヒーと共に又はフルーツサラダのトッピング用に用いられるものであった。 しかし、本発明の生成物の含有カロリーは、、高脂肪の従来の製品の約50%にすぎない。

    実施例III.2 単一非乳製クリームを、英国のSt Ivel社から市販の英国市場の乳製単一クリーム(9%脂肪)と置き換えて、実施例III.1を繰返した。 方法を変える必要はなく、生成した最終製品は、外観及び官能的性質において、実施例III.1で生成したものと実質上区別できなかった。

    実施例III.3 中間相を調製するのに、水道水の代わりに殺菌済みスキムミルクを用いて実施例III.1を繰返した。 少し堅く、官能的性質のより良い最終生成物が製造できた。

    実施例III.4 次の成分を65℃において均質相が得られるまで混合して、ホイップ可能なNDCを製造した: 単一NDC 40 % 水 52.7% モノグリセリド(Hymono 880) 7 % 補助界面活性剤(Admul DATEM 1935) 0.3% 磁気撹拌機付き電熱板を用い、均質な中間相を90℃まで加熱した。 その後直ちに、中間相を40℃まで冷却した。 次に、ナイフを装備したBraum Multipractic社製の食品処理機を用い、高粘度のエマルジョンをホイップさせた。 生成物のオーバーランは約300%であり、好ましいコンシステンシーであった。

    実施例III.5 次の成分を65℃において均質相が得られるまで混合して、無脂肪のホイップ可能なNDCを製造した: 水道水 85.5% バターミルク粉末 9 % モノグリセリド(Hymono 8903) 5 % 補助界面活性剤(Admul SSL 2003) 0.5% 中間相をまず、実験質規模のUltra Turrax(タイプTP
    18/10、Janke & Kunkel GmbH社製)を用い、中程度の速度で運転し、1分間十分に混合した、次に磁気撹拌機による連続撹拌の下に、25℃まで徐々に冷却した。 次に、生成物を5℃に保った。 ホイップしない生成物は、
    高粘度であるが、なお注ぎだし可能であった。 ホイップした生成物(実施例III.4に記載の装置を用いて)は、
    オーバーランが高くて(約300%)、堅く、泡様の性質を持っていた。 ホイップ状態で、生成物は3日以上物理的に安定であった。 生成物の脂肪性感覚は優れていた。

    実施例III.6 Admul SSL 2003を水に置換えて実施例III.5を繰返した。 方法を変える必要も無く、実施例III.5の生成物に匹敵するものが製造できた。

    実施例III.7 本実施例において、ミルクを用い極めて低い脂肪のホイップ可能クリームを製造した。 生成物の組成は次の通りである: 水道水 37.5% モノグリセリド(Hymono 8803) 5 % BMP 7.5% セミスキムミルク(殺菌済み) 50 % 成分をすべて、水ジャケット付き容器において70℃
    で、均一になるまで混合した。 次に、生成中間相を低い剪断力条件の下に徐々に冷却した。 次に生成物を5℃で貯蔵した。

    ホイップしない生成物は、レオロジー及び外観においてクリームによく似ており、著しい脂肪性の感覚を与えた。 生成物はまた、Braun Multipractic社製のナイフを備えた電気式食品処理機を用いホイップ可能であった。
    ホイップした生成物は堅く、そして、1週間以上物理的に安定であった。 ミクルの使用はBMPのみによる生成物に比べ、全体的な風味を改善した。

    実施例III.8 BMPの9%を、50% BMPと50% SMPの混合物の9%に置換えて実施例III.5を繰返した。 生成物の風味の輪郭は実施例III.5のものより釣り合いが良好であった。 その他の性質はすべて同様であった。 最終のホイップしない生成物に対し重量で10%のクリーム(粒状化した)糖を加えた後、生成物をまたホイップさせた。 甘味の多いことを除けば、ホイップした生成物の物理的及び感覚的性質は変わらなかった。

    実施例III.9 2%のゼラチン(200ブルーム、酸型、豚皮、PB Gela
    tin社製)を加え、水を2%だけ減少させた配合にして、実施例III.5を繰り返した。 得られた未ホイップの生成物は、弱いゲル状のレオロジーを持ち、注ぎ出しが容易でなかった。 ホイップ生成物は実施例III.5の生成物より堅かった。 生成物は200〜500%のオーバーランまでホイップ可能であったが、性質はホイップクリーム様から泡様まで変化した。

    実施例III.10 0.2%のグアーガム(Meyhall Chemical AG社製)を加え、水の含有率を0.2%だけ減少させた配合にして、実施例III.5を繰り返した。 この生成物は、口中での不安定化及びフレーバー放出性の点で優れていた。 未ホイップ製品は少し高粘度であった。

    実施例III.11 生成物の処理を少し変更して実施例III.5を繰り返した。 中間相を65℃で調製した後、通常のUltra Turraxによる混合の前に、短時間で85℃まで加熱し、そして、65
    ℃まで冷却した。 生成物は未ホイップ状態においてより高粘度であった。 ホイップ製品の物理的性質は変わらなかった。

    実施例III.12 次の成分を水ジャケット付き容器にて65℃で混合し、
    無脂肪のNDCを製造した: スキムミルク(殺菌済) 89% モノグリセリド 飽和(Hymono 8803) 4% 不飽和(Hymono 7803) 2% BMP 4% スキムミルク粉末 2% CWS β−カロチン 痕跡量 中間相を、Ultra Turraxを用い1分間激しく撹拌した、次に、低い剪断力条件の下に5℃まで冷却した。 未ホイップ製品は粘度が高く、市販製品に非常に良く似た、脂肪性の口感覚を与えた。 ホイップ製品は室温において物理的に安定であった、そして、喫食条件の下で良好なデスタビリデイションを示した。

    実施例III.13 配合を変更して実施例III.12を繰り返した。 不飽和モノグリセリドを等量の燐脂質(Admul 2879)に変更した。 生成した未ホイップ製品は低粘度が減少しており、
    注ぎ出しが容易であった。 ホイップ製品は堅かった。 貯蔵時、空気の泡が少し粗大化したが、それはホイップした乳製品クリームを貯蔵した後で見られる粗大化によく似ていた。 同時にホイップ製品は堅くさえなかった。 口の中の広がりは非常に良好であった。

    実施例III.14 次の成分を用い、ババロアを製造した: 水 残部 モノグリセリド(Hymono 8803,Quest International社製) 1 % Admul SSL 2004(Quest International社製) 0.04% ゼラチン 1 % 糖 11 % 果汁及び果実(イチゴ) 40 % ホイップ乳製品クリーム 35 % ゼラチンは予め水に10分間浸した。 糖、果汁及び果実は約70℃まで加熱した。 水を含まないゼラチンを加えた。 液体を、撹拌しながら薄い粘性の物質が得られるまで冷却した。

    フォームは、水、モノグリセリド及びAdmul SSLを65
    ℃で混合し、そして、空気を組み込むためミキサーで撹拌しながら冷却することにより調製した。 約400%のオーバーランが達成できた。 次に、中間相の泡、及び堅い、ホイップした乳製品クリームを果実物質と混合し、
    冷凍の後、堅いババロアのような生成物を得た。 この生成物は、安定性、脂肪性の感触及び官能的性質の点で、
    卵白を用いる従来のババリアに比べ遜色なかった。

    実施例III.15 乳製品クリームを除いて、次の組成の低カロリーババロアを製造した: 水 36 % モノグリセリド(Hymono 8803,Quest International社製) 3 % Admul SSL 2004(Quest International社製) 0.12% ゼラチン 1 % 糖 12 % 果汁及び果実(イチゴ) 残部 得られたフォームを直接果汁物質と混合した以外は、
    実施例III.15に示す通りに、生成物を製造した。 生成物は、適正なコンシステンシー、安定性及び容認できる官能的性質を備えていた。

    実施例III.16 チョコムースを次の成分から製造した: 水 36 % モノグリセリド(Hymono 8903,Quest International社製) 2.5% Admul SSL 2003(Quest International社製) 0.1% チョコレート 37 % 水 残部 糖 17 % チョコレート、水及び糖を、加熱と撹拌の下に均質な物質が得られるまで混合した。 チョコレート物質を室温まで冷却した。

    フォームは、水、モノグリセリド及びAdmul SSLを65
    ℃で混合し、そして、空気を組込むため携帯用家庭電気ミキサーを用い最高速度で撹拌しながら冷却して調製した。 約400%のオーバーランが達成できた。 5℃の冷凍室に貯蔵して、フォームをさらに強固にした。 次に、チョコレートムースを製造するため、チョコレート物質とフォームをミキサーにより混合した。

    生成物は、優れたコンシステンシー及び適正な官能的性質を示した。

    実施例IV:冷凍デザート 実施例IV.1 次の組成の混合物Aを調製した: 6.7% MD20(マルトデキストリン) 0.2% グアー・ガム 0.1% LBG 6.6% msnf 1.7% ホエー粉末 11.6% スクロース 71.5% 水 混合物を撹拌しながら、90〜95℃に加熱した。 そして、この温度において、1%のグリセリルモノステアレート(Admul 4103、Quest International社の登録商標)及び0.5%のステアロイルラクチレートナトリウム(Admul SSL 2003、Quest International社の登録商標)からなる溶融混合物Bを加えた。

    その後、組合せた混合物を5℃まで冷却し、単一段の
    Rannieホモジナイザーを用い、150〜180×10 5 Paの圧力で均質化し、0.05%のバニラフレーバーを加え、混合物を24時間熟成させた。 その後、混合物を、通常のアイスクリーム・フリーザー(Hoyer MF50)を用い−5℃に冷却しながら100%のオーバーランまでホイップさせた。
    生成したクリーム様の冷凍デザートは、通常の貯蔵温度、例えば、約−25℃まで冷却した後そのまま食べるか貯蔵できた。 DSC(示差走査式熱量法)により、ゲル相が冷凍生成物中に確かめられた。

    実施例IV.2〜IV.6 次の配合により実施例IV.1の手順を繰り返した:

    得られた冷凍デザート生成物は、アイスクリーム様風味及び食べたときの性質も、通常の脂肪含有量のアイスクリームに非常に似ていた。

    さらに、溶融性は、通常のアイスクリームとあまり変わらなかったが、通常の無脂肪又は低脂肪の冷凍デザートより非常に優れていた。

    実施例IV.7 混合物を、Bの添加前に、70〜75℃に加熱した以外は、実施例IV.1を繰り返した。 その後、混合物を90〜95
    ℃に、3〜5分間加熱し、引き続き、単段のラニーホモジナイザーを用い、150〜180×10 5 Paの圧力で均質化し、5℃に冷却した。 この後バニラフレーバーを加え、
    実施例IV.1の通り操作を続けた。 このようにして良品質のアイスクリーム生成物が製造できた。

    実施例V.チーズ 実施例V.1 半ソフト低脂肪ゴーダ型のチーズを、95.5%の殺菌済み低脂肪ミルク(0.5%脂肪、3.5%タンパク質)及び4.
    5%中間相を含むチーズミルクから製造した。 中間相は、殺菌済みスキムミルクを6%のモノグリセリド(Hy
    mono 8803)と65℃において混合し、その後、中程度の速度(1000rpm)で運転するボテーターAユニットを用い、中間相を冷却して調製した。 得られた中間相を、携帯用電気撹拌機によりミルク中に分散させた。

    このチーズミルクの300リットルに対し次の組成を加えた: 57g CaCl 2 45g KNO 3 10ml 単一強さアナット−色素 2.1 'BOS'培地 90ml 子レンネット 29℃における凝固を45分間行った後、カードを約4mm
    の立方体に切り、1分間の沈降の後150のホエーを除いた。 洗浄水(114、29℃)を加えた。 28分の保持時間の後、カードを圧搾して成型した。 ホエーを除いた後(5kg)のチーズブロックを1バールで3時間加圧した。 加塩(Bringing)は、18ボーメの鹹水中で18時間行った。 未熟成チーズの最終pHは5.2であった。 熟成後、
    生成低脂肪チーズ(乾燥物に対し10%の脂肪)はコンシステンシー、テクスチャー及び風味が優れていた。

    実施例V.2 次の成分から低脂肪のモッツァレッラ模擬品を製造した: 20% 中間相 26% Caカゼイネート 10% パーム油 4.3% Naカゼイネート 1% リン酸三カルシウム 0.6% 乳酸 0.1% ソルビン酸 0.2% フレーバー 残部 水 使用中間相は、実施例1に用いたのと同じであった。
    すべての成分を、80℃に加熱しながら高速度のステファン式ミキサー(Stephan Mixer)により混合した。 0.25
    バールで1分間の減圧の後、生成物は20%脂肪の模擬モッツァレッラ基準に匹敵する良好な本体と風味を備えていた。

    プロセスチーズ 中間相を、5〜40%のゲル相(製品に対し0.5〜5%
    のモノグリセリド)の量で、殺菌、低脂肪プロセスチーズの製造に用いた。 生成物の製造を、溶融塩(リン酸塩)を使用又は使用せずに、行った。 プロセスチーズの製造には、従来の製造方法及び装置が使用できた。

    生成物のコンシステンシーは、中間相の存在濃度のすべてのときに、よりクリームらしくなった。 中間相を含まないが、全脂肪濃度(バター脂肪)の同じプロセスチーズと比較すると、本発明の生成物はコンシステンシー及び外観において高脂肪プロセスチーズに似ていたが、
    風味への影響はより少なかった。 次の実施例において、
    さらに詳しく記載する。

    実施例V.3 次の配合により、20%の中間相を含む低脂肪プロセスチーズを製造した: 40.0% ゴーダチーズ(乾量基準で20%) 6.0% ゴーダチーズ(乾量基準で48%) 20.0% 中間相 6.0% 甘味ホエー粉末 2.0% スキムミルク粉末 2.1% 溶融塩 100%までの水 中間相は、10%のモノグリセリド(Hymono 8803)、
    0.5%のAdmul SSL 2003及び89.5%の殺菌スキムミルクで構成された。 中間相は、プロセスチーズの製造の1日前に製造した。 この相を製造するため、モノグリセリド、補助界面活性剤及びミルクを共に65℃で加え、約60
    分撹拌した。 次に、この中間相を中程度の速度で運転するボテーターAユニットにより処理した。 得られた生成物は、白色の外観及びスプレッド様のコンシステンシーであった。

    翌日、全成分を溶融容器内で20℃で混合した。 次に、
    容器を90℃に5分間加熱し、この方法により生成物を効果的に殺菌した。 生成物を充填し、5℃で貯蔵した。

    生成物は、乾燥物41%、バター脂肪6%及びモノグリセリド2%を含有していた。 プロセスチーズの20℃におけるコンシステンシーは200gであった(スチブンス式(Stevens)テクスチャー分析器を使用)。 そのコンシステンシーは、滑らかであり、伸びが良くそしてガム質でないと判定された。 風味は、中間相を含まないプロセスチーズとあまり変わらなかった。 10週間以上熟成したとき生成物の性質が少し改善された。

    実施例V.4 20%の既成の中間相の代わりに2%のモノグリセリド(Hymono 88033)を加えて、実施例V.3を繰返した。 最終組成を、実施例V.3の生成物の組成と等しくするため、スキムミルク粉末の添加を3.8%に増し、水の供給濃度を調節して100%にした。 補助界面活性剤を加えなかった。

    この方法によるプロセスチーズは、実施例V.3の生成物と同じ性質を示した。 DSC及びX線回折を用い、その構造を調査したところ、処理の間に中間相が生成物中に形成されることが明らかになった。

    実施例V.5 溶融塩を含まないプロセスチーズを次の混合物から製造した: 40.0% ゴーダチーズ 20% 6.0% ゴーダチーズ 48% 15.0% 無脂肪クォーク(quark) 4.5% 甘味ホエー粉末 4.0% ホエー粉末濃縮物 100%までの水 処理は、実施例V.3に記載の通りである。 このチーズの、乾燥物量は40%、そのバター脂肪濃度は6%であり、その20℃におけるコンシステンシーは約200gであった。 チーズはホエーの分離を伴わず、均質であった。 コンシステンシーは滑らかで、クリーム状であった。 プロセスチーズは良く伸びそして口感覚は容認できた。 風味はより自然であり、リン酸塩を用いるプロセスチーズの一般的な化学物質味を欠いた。

    実施例VI:その他の食品 実施例VI.1 オランデーズ・ソースを製造した。 市販の相当品は非常に高脂肪製品である(Lipton社製,57%脂肪)。 成分は次の通りであった: 水 残部 Hymono 8803 9 % Admul SSL 2004 1 % 0.2%水溶性β−カロチン 0.6 % 糖 0.5 % 塩 0.09% 玉葱粉末 0.33% ダイバーズ(divers)フレーバー 0.2 % すべての成分を、水ジャケット付き容器において、緩和な撹拌のもとに65℃まで加熱し、約30分その温度に保持した。 乳酸を用い、pHを4.0の値に制定した。 次に、
    熱交換器を用い、できるだけ剪断力を掛けないようにしながら、液体物質を5kg/hの処理量で20℃まで冷却した。 コンシステンシー、外観及び風味は、市販のこの種のソースに匹敵した。 生成物は70℃の温度まで熱に安定である。

    実施例VI.2 Hymono 8803をphospholipon 100H(Natterman社製)
    で置き換えた外は、実施例VI.1と同じ組成の生成物を製造した。 この生成物も、コンシステンシー、外観、及び風味は市販の相当品に匹敵した。 しかし、この生成物は少なくとも90℃の温度まで熱的に安定であった。

    実施例VI.2 本実施例において、リン脂質を中間相の源とする極低脂肪チョコレートソースの製造を開示する。

    水 残部 phospholipon 100H(Natterman社製) 3 % DATEM(Admul 1935) 0.2% 糖 27 % ココア粉末(de Zaan社製,D21A) 19 % ソルビン酸K 0.2% すべての成分を、水ジャケット付き容器において、緩和な撹拌のもとに65℃まで加熱し、約20分その温度に保持した。 乳酸を用いてpHを5.0の値に制定した。 次に、
    サーフェススクレーパー熱交換器を用い、1kg/hの処理量及び1850rpmのロータ速度で液体物質を12℃まで冷却した。 生成物のコンシステンシーは、粘稠なソースのようであり、そして、官能的性質は適正であった。

    実施例VI.3 次の成分を用い、ゼロ脂肪ミルクを製造した: スキムミルク(殺菌済み) 残部 水 3.28% モノグリセリド 0.21% 補助界面活性剤(Admul SSL 2012) 0.01% NaOH 痕跡量 水ジャケット付き容器において、水、モノグリセリド及び補助界面活性剤を65℃で混合した。 NaOHを用い、pH
    を6.7に調節した。 均質な相が得られた後、中程度(900
    rpm)の速度で運転する、サーフェススクレーパー式熱交換器(ボテーターAユニット)を用い、中間相を冷却した。 このようにして得られた生成物は、むしろ軟らかいゲルであった。 次に、ゲル相を10℃でミルク相に加えた。 携帯用家庭電気ミキサーを用い、ゲル相をミルク相中に微細に分散させた。 この時、ミルクを曝気しないよう注意しなければならない。 最終生成物は、全脂肪ミルクに似て、水っぽくなく、クリーム様であって、口に満足感を与える。 3日間貯蔵したとき、分散しているゲル相が乳皮を生じることはなかった。 この生成物のカロリー摂取量は、スキムミルクとほぼ同じであり、全脂肪ミルクのカロリーの約半分である。

    実施例VI.4 殺菌スキムミルクの代わりに再構成スキムミルクを用い、実施例VI.3を繰り返した。 再構成スキムミルクを調製するため、100gのSMP((スキムミルク粉末、DOMO社製)を900gの水と、水ジャケット付き容器において35℃
    で混合した。 調製されるミルクに空気を組込まないように特に注意した。 再構成ミルクを用い製造した生成物は、実施例VI.3の生成物に類似した。

    実施例VI.5 次の成分を用い、液体のコーヒクリーマを製造した: スキムミルク(殺菌済み) 残部 SMP 4 % 水 7 % モノグリセリド(Hymono 8903) 0.4 % 補助界面活性剤(Admul DATEM 1935) 0.02% コーヒクリマーの製造方法は、実施例VI.3の記載と同じである。 先ず、スキムミルクとSPMを35℃で混合した。 次に水ジャケット付き容器において、水、モノグリセリド及び補助界面活性剤を混合することによりラメラ相を形成させた。 NaOHを用いpHを6.0に調節した。 次に、Aユニットを用い、ゲル相を調製した。 最後に、携帯用台所ミキサーを用い、ゲル相とミル相を15℃で混合した。 最終生成物は、連続的な水の相からなり、その中でゲル相が微細に分散していた。 生成物は、コヒークリマーとして十分機能し、コーヒに加えたとき良好な白色を呈し、そして熱い液体表面に脂肪が殆ど出てこなかった。

    実施例VI.6 クリーム様の低脂肪チョコレートミルクを、実施例V
    I.3に記載の方法により製造した。 成分表に2%のココア及び5%の糖を加えた。 これらの成分をゲル相及び水相を混合した直後、ミルク相に加えた。 ミルク相、ココア、及び糖を均質になるまで混合した。 最終生成物は物理的に安定であり、クリーム様及び豊富な風味を呈した。

    実施例VI.7 実施例VI.3に記載のミルクに類似の無脂肪ミルクを用い、模擬の全脂肪ヨーグルトを製造した。 唯一の相違は、実施例VI.3の殺菌ミルクを、熱処理(90℃、10分)
    したスキムミルクに取替えたことである。 このミルクに対し、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptoc
    ocus thermophilus)及びラクトバシルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)を加えた(Hanson社製)。 混合物を、pH4.6となるまで45℃で5時間放置した。 次に、生成物を5℃で貯蔵した。 生成物は、満たされた、そして、クリーム様の口の感覚と共に好ましいコンシステンシーを示した。

    実施例VI.8 実施例VI.3に記載の無脂肪ミルクを用い、新鮮なチーズ(又は、クォーク)を製造した。 このミルク相に対しスタータ培養組織(ミルク相に対し1.5%)及びレンネット(ミルク相に対しやはり1.5%)を加え、混合した。 これを、4.7のpH値に達するまで17時間剪断力を加えること無く、放置した。 続いて、従来のクォーク遠心分離機(westphalia KDA20、Oelde社製)を用いて、遠心分離して、新鮮なチーズを取得した。 生成物は、滑らかな、粘つかない、クリーム様で、粉っぽくない口感覚を特徴とした。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/24 A23L 1/24 A 1/39 1/39 (72)発明者 ノープス、アルベルエ・ヨハンナ オランダ国、2905・ブイエヌ・カペル・ エイ/ディー・アイゼル、プルメルホー ク 335 (72)発明者 ロイアース、エリアス・コルネリス オランダ国、3031・エイピー・ロッテル ダム、ヨンケル・フランストラート 97 シー (72)発明者 タークスマ、ヘッセル オランダ国、2624・ピーディー・デルフ ト、ヤン・カンペルトラーン 279 (56)参考文献 S. Friberg“Food Em ulsions”1976,Marcel Dekker,New York(U S),N. Krog et al. :C hapter3“Food Emuls ifiers and Their A ssociations with W ater”P. 82−84,P. 165−166 F. D. Gunstone et a l. :“The Lipid Hand book”,1986,edited by Chapman and Hall, London(GB),P. 226−234

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