テラヘルツ波を用いた食品の加工方法

申请号 JP2013100556 申请日 2013-05-10 公开(公告)号 JP2014217348A 公开(公告)日 2014-11-20
申请人 岡 進; Susumu Oka; 進 岡; 发明人 OKA SUSUMU;
摘要 【課題】食品の好ましくない臭いを低減し、まろやかさや甘みを引き出す加工方法を提供する。【解決手段】食品に、複数の異なる波長帯のテラヘルツ波を照射しながら、湿度及び 温度 の組合せにおいて異なる複数の条件下で食品を保持する。【選択図】図1
权利要求
  • 湿度及び温度の組合せにおいて異なる複数の条件下で、食品を保持することを含む食品の加工方法であって、
    前記食品の保持は、該食品に、複数の異なる波長帯のテラヘルツ波を照射しながら行うことを特徴とする、食品の加工方法。
  • 前記食品は、生鮮食品である、請求項1に記載の食品の加工方法。
  • 前記食品は、ニンニクである、請求項2に記載の食品の加工方法。
  • 前記食品を保持する条件は、温度が60〜80℃の範囲内であり、湿度が65〜85%の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の食品の加工方法。
  • 以下の条件で順次前記食品を以下の時間保持することを特徴とする、請求項4に記載の食品の加工方法。
    第1段階:温度65〜70℃、相対湿度75〜85%、保持時間13〜18日。
    第2段階:温度70〜80℃、相対湿度65〜75%、保持時間13〜18日。
    第3段階:温度60〜25℃、相対湿度65〜75%、保持時間10〜15日。
  • 前記テラヘルツ波は、水由来のテラヘルツ波と、鉱石由来のテラヘルツ波を含む、請求項1〜5の何れかに記載の食品の加工方法。
  • 前記テラヘルツ波の照射は、テラヘルツ波を放出するシート及び鉱石上に、前記食品を載置することにより行う、請求項1〜6の何れかに記載の食品の加工方法。
  • 食品を一定期間保管することにより、該食品を加工させるための加工装置であって、
    食品を収容するための食品収容部と、
    前記食品収容部に収容された食品にテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射部と、
    前記食品収容部内の温度を制御する、温度制御手段と、
    前記食品収容部内の湿度を制御する、湿度制御手段と、
    を備えることを特徴とする、加工装置。
  • 说明书全文

    本発明は、テラヘルツ波を用いた食品の加工方法、及び当該加工方法を用いて加工された食品に関する。

    ニンニク等の野菜に代表される生鮮食品は、乾燥、発酵等の種々の加工により、風味などの嗜好性が変化したり、栄養価が増大したりすることが知られている。
    特に、ニンニクはその栄養価の高さから、健康食品への応用がされている。 この応用においては、ニンニクのアリシン由来の臭いを低減することや、風味を改善すること、具体的にはまろやかさや甘みを増大することが求められる。

    ニンニクの加工技術としては、特許文献1に、ニンニクの熟成において、温度及び湿度の組合せにより決まる条件を少なくとも連続して2ステップ以上変化させることを特徴とする加工ニンニクの製造方法が開示されている。

    他方、近年、周波数が1THz前後である電磁波として知られるテラヘルツ波の物質に対する作用についての研究がおこなわれ、以下の報告が存在する。

    特許文献2には、テラヘルツ波が被処理物の物性を変化させるとの考察があり、例えば、被処理物が酒や醤油等の原材料である場合には、その発酵が促進され、小麦粉などの練り物の場合にはその味が改善することが、具体的な裏付けはないが、一応記載されている。

    また、特許文献3には、冷凍カツオの上部からテラヘルツ波を照射することにより、カツオの栄養素とうまみを残しながら、カツオ特有の魚臭を軽減し、鮮紅色の肉色を保ち、解凍後の分流出の改善ができることが記載されている。

    特開2008−86281号公報

    特開2011−183377号公報

    特開2011−229510号公報

    特許文献1に記載される従来のニンニクの加工方法は、未だ十分に悪臭を低減するものとはいえず、まろやかさや甘みを実現するものではなかった。
    そこで、本発明は、テラヘルツ波を用いた食品の新規な加工方法であって、食品の好ましくない臭いを低減し、まろやかさや甘みを引き出す加工方法を提供することを課題とする。

    このような状況に鑑み、本発明者等は、食品の好ましくない臭いを低減し、まろやかさや甘みを引き出す加工方法を求めて鋭意研究した結果、複数の異なる波長帯のテラヘルツ波を照射しながら、湿度及び温度の組合せにおいて異なる複数の条件下、食品を保持する方法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。

    すなわち、上記課題を解決する本発明は、湿度及び温度の組合せにおいて異なる複数の条件下で、食品を保持することを含む食品の加工方法であって、前記食品の保持は、該食品に、複数の異なる波長帯のテラヘルツ波を照射しながら行うことを特徴とする。
    本発明者は、本発明の加工方法を「M&T発酵法」と称する。
    このM&T発酵法により、従来の食品の加工方法に比して、食品の好ましくない臭いを低減し、まろやかさや甘みを引き出すことが可能となる。

    本発明の好ましい形態では、前記食品は、生鮮食品である。 生鮮食品は、好ましくない臭いを少なからず有するため、特に本発明が有用である。

    本発明の好ましい形態では、前記食品は、ニンニクである。 ニンニクは、好ましくない臭いの除去が困難な食品であるため、特に本発明が有用である。 さらに、本発明の方法を用いることにより、甘みやまろやかさを付与することが可能となる。

    本発明の好ましい形態では、前記食品を保持する条件は、温度が60〜80℃の範囲内であり、湿度が65〜85%の範囲内であることを特徴とする。
    このような範囲で食品を保持することにより、テラヘルツ波の照射との相乗効果を十分に得ることができ、好ましくない臭いの除去、及び甘みやまろやかさの付与をより有効に行うことができる。

    本発明の好ましい形態では、以下の条件で順次前記食品を以下の時間保持することが好ましい。 これにより、テラヘルツ波の照射との相乗効果を十分に得ることができ、好ましくない臭いの除去、及び甘みやまろやかさの付与をより有効に行うことができる。 この際、第1段階目の保持前については、常温から12日間掛けて65℃迄、徐々に上げていくことが好ましい。
    第1段階:温度65〜70℃、相対湿度75〜85%、保持時間13〜18日 第2段階:温度70〜80℃、相対湿度65〜75%、保持時間13〜18日 第3段階:温度60〜25℃、相対湿度65〜75%、保持時間10〜15日

    本発明の好ましい形態では、前記テラヘルツ波は、水由来のテラヘルツ波と、鉱石由来のテラヘルツ波を含む。
    波長帯の異なるテラヘルツ波として、水由来のものと鉱石由来のものを併用することにより、好ましくない臭いの除去、及び甘みやまろやかさの付与をより有効に行うことができる。

    本発明の好ましい形態では、前記テラヘルツ波の照射は、テラヘルツ波を放出するシート及び鉱石上に、前記食品を載置することにより行う。
    このような方法で食品にテラヘルツ波を照射することにより、極めて良好な甘みやまろやかさを引き出すことができる。

    本発明は、また、食品を一定期間保管することにより、該食品を加工させるための加工装置であって、食品を収容するための食品収容部と、前記食品収容部に収容された食品にテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射部と、前記食品収容部内の温度を制御する、温度制御手段と、前記食品収容部内の湿度を制御する、湿度制御手段と、を備えることを特徴とする。

    本発明によれば、食品、特にニンニクなどの生鮮食品の好ましくない臭いを低減し、良好な甘みやまろやかさを引き出すことが可能となる。
    これにより、これまでにない嗜好性の加工食品を提供することが可能となる。

    本発明の加工方法に用いる加工装置の実施例を示す概略図である。

    本発明の加工方法に用いる加工装置の実施例を示す概略図である。

    本発明の加工方法に用いる加工装置の実施例を示す概略図である。

    以下、本発明を実施するための形態について詳述する。
    図1は、本実施形態を実施するための加工装置の実施例を示す概略図である。

    <1>実施例1
    実施例1は、生ニンニクを原材料とした加工方法である。
    はじめに、生ニンニクの外殻を除去する前処理を行う。 なお、従来、生ニンニクを熟成させる加工においては外殻の除去は行われないのが通常であるが、後述するテラヘルツ波照射の効果を存分に得るためには、外殻の除去を行うことが好ましい。

    また、生ニンニクを、生物を含む水に浸漬する前処理を行うことも好ましい。 これにより、微生物による発酵原理を用いてさらに異なる嗜好性を付与することも可能となる。 また、生ニンニクを浸漬する水は、テラヘルツ波を発生する水であることも好ましい。

    前処理を施した生ニンニクNを、コンテナ状の加工装置1に備えられたラック2の食品収容部3に載置する。
    食品収容部3は、プラスチックで形成され、収容本体部31と、蓋32とを備える。
    収容本体部31の底面31aには、テラヘルツ波を発生する水を含むシート4が載置され、その上にケイ素を主体とした粒子状の鉱石5が敷設されている。

    本実施形態では、シート4はポリウレタンで形成されているが、その材質は特に制限されない。
    テラヘルツ波を発生する水としては、例えば天然の鉱泉水が挙げられる。 中でも、酸化還元電位(ORP値)が20mV以下のもの、好ましくは、10mV以下のもの、さらに好ましくは0mV以下、特に好ましくはマイナスであるものが挙げられる。

    また、鉱石5としては、ケイ素を主体とするものが挙げられる。 例えば、ケイ素化合物を主体とした複合鉱物の焼結体が好ましく挙げられる。
    このような複合鉱物の焼結体の製造方法として、たとえば、国際公開第2002/079093号パンフレットに記載される方法が挙げられる。
    具体的には、略真空状態で、1500〜2000℃程度に加熱した真空溶融炉に60〜90重量%程度のケイ素化合物粉末を投入し、続いて、鉄粉末、アルミニウム粉末、カルシウムを投入して溶融しながら混合撹拌する方法により焼結体を得ることができる。
    また、この溶融物を取り出し、冷却した後に、さらに高温で溶融し取り出すという工程を繰り返すことにより、不純物が取り除かれるという利点が得られる。

    本実施形態では、さらに、加工装置1の床、内壁、天井にもテラヘルツ波発生源を敷設する構成をとっている。 これにより、より効率よく、食品にテラヘルツ波を照射することを可能としている。

    なお、本実施形態では、水由来のテラヘルツ波発生源(シート4)と鉱石由来のテラヘルツ波発生源(鉱石5)を組み合わせた例を示したが、その組み合わせは特に限定されない。
    すなわち、本発明は、波長帯の異なるテラヘルツ波を組み合わせるという点が重要であり、本発明では、放出されるテラヘルツ波の波長帯の異なる複数のテラヘルツ波発生源を用いることができる。

    また、本実施形態では、食品収容部3の底面にテラヘルツ波発生源を敷設する例を示したが、その配置方法は特に制限されず、例えば、食品収容部3の素材自体に、テラヘルツ波発生源となる鉱石の粉末を練りこむ、テラヘルツ波発生源となる水を散布するなどの方法をとることも可能である。

    上記のようにテラヘルツ波発生源を配置した食品収容部3に生ニンニクを収容することにより、生ニンニクNにテラヘルツ波を照射しながら、生ニンニクNを加工装置1内に保持することができる。

    加工装置1内には、温度前記食品収容部3内の温度を制御する、温度制御装置6と、前記食品収容部内の湿度を制御する、湿度制御装置7と、収容部3内の温度と湿度を均一に保持するための空気撹拌装置(図示しない)と、食品収容部3内外の空気を換気する換気装置8とを備える。
    これにより、食品収容部3内の温度と湿度を制御し、温度及び湿度の組合せからなる条件を効率よく制御することが可能となる。

    以下、本実施形態における具体的な加工条件について説明する。
    (1)第1段階 第1段階では、温度を65〜70℃、相対湿度を75〜85%に設定し、13〜18日間保持する。
    なお、第1段階目の保持前については、常温から12日間掛けて65℃迄、徐々に上げていくことが好ましい。
    (2)第2段階 第2段階では、温度を70〜80℃、相対湿度を65〜75%に設定し、13〜18日間保持する。
    (3)第3段階 第3段階では、温度を60〜25℃、相対湿度を65〜75%に設定し、10〜15日間保持する。

    本実施形態では、3段階で条件を変更する形態を示したが、本発明においては、少なくとも2段階で条件を変更すれば足りる。
    これらの条件は、好ましくは、温度を60〜80℃の範囲内で、湿度を65〜85%の範囲内となるように設定することが好ましい。

    このような加工方法により製造した加工ニンニクは、ニンニク由来の好ましくない臭いが、従来のテラヘルツ波を用いない加工方法(特許文献1記載の方法)に比して大幅に低減されており、まろやかさや甘みも増大するものである。
    また、加工品質の均一性も実現し得るものである。
    この効果についての実証データを以下に示す。

    上記の実施例1の方法で、生ニンニク1600個(40個入り容器×40段)を原材料として、3段階の条件変更により加工を行った。
    一方、比較例1として、テラヘルツ波発生源を用いないもの、比較例2として、テラヘルツ波発生源を鉱石由来のもののみとしたもの、についても、同様の条件により加工を行った。
    その結果、実施例1の方法では、95%が、悪臭のない甘いまろやかな加工ニンニクであった。
    一方、比較例1の方法では、75%のものについて悪臭がある程度低減し、まろやかな加工ニンニクであったが、25%は、生ニンニクの悪臭が残っているものであった。
    また、比較例2の方法では、80%のものについて悪臭がほとんどなくまろやかな加工ニンニクであったが、甘みは実施例1のものについて弱かった。 また、20%は、生ニンニクの悪臭が残っているものであった。
    これより、本発明の加工方法を用いることにより、食品の好ましくない臭いを抑制し、甘みやまろやかさを存分に付与できることが分かった。
    さらに、加工度合いの安定性も担保できることが明らかとなった。

    さらに加工したニンニクは、加工前にはなかった微弱エネルギーの放出が観察された。 このような微弱エネルギーの放出は、当該加工ニンニクを摂取した時の抹消毛細血管の血流を劇的に促進することが「抹消毛細血管観察装置(M320)」により観察できた。
    当該効果は、テラヘルツ波放出素材を活用しない比較例1の方法では、一切見られない現象である。

    <実施例2>
    食品の原材料として、スライスした各種野菜を用いて、同様に加工を行った。
    具体的には、ゴーヤ、ニンジン、カボチャ、ジャガイモ、ピーマン、サツマイモ、インゲンを用いた。
    その結果、いずれの原材料を用いた場合にも、生の状態で感じられる苦味や青臭さがなくなり、甘みとまろやかさが付与されていた。
    これより、本発明の加工方法は、あらゆる食品に適用可能であることが分かった。

    本発明は、食品の加工方法として有用である。

    1 加工装置 2 ラック 3 食品収容部 31 収容本体部 32 蓋 4 シート(テラヘルツ波照射部)
    5 鉱石(テラヘルツ波照射部)
    6 温度制御装置 7 湿度制御装置 8 換気装置

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