Method for preserving food

申请号 JP2005223188 申请日 2005-08-01 公开(公告)号 JP2006042818A 公开(公告)日 2006-02-16
申请人 Kraft Foods Holdings Inc; Ohio State Univ Research Foundation; オハイオ ステート ユニバーシティ リサーチ ファンデーション; クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッドKraft Foods Holdings, Inc.; 发明人 TUREK EVAN J; YOUSEF AHMED E; CHISM GRADY W; SHELLHAMMER THOMAS H;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an improved method for inactivating microorganisms in a food. SOLUTION: The undesirable microorganisms in the food are inactivated by the combination of a physical treatment of a high-pressure condition with a chemical treatment by an eatable phenol-based compound to the food. The degree of the inactivation is extremely larger than those caused by either one of the treatments, and the combined antibacterial activities of the different types are synergistically larger than the any additive effects predicted by each treatment. COPYRIGHT: (C)2006,JPO&NCIPI
权利要求
  • 食品を処理して該食品中に存在する可能性のある微生物を不活性化する方法であって、食用フェノール系化合物を含む組成物で前記食品を処理すること、および前記処理した食品を少なくとも約300MPaの圧力にかけることを含むことを特徴とする方法。
  • 前記食用フェノール系化合物がアルキル置換ヒドロキノンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記食用フェノール系化合物がt−ブチルヒドロキノンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記組成物がランチビオティックをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記ランチビオティックが、ナイシン、サブチリン、pep5、エピデルミン、ガリデルミン、シンナマイシン、デュラマイシン、アンコベニン、およびこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  • 前記ランチビオティックがナイシンであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  • 前記微生物が、リステリア菌(Listeria)、クロストリジウム菌(Clostridium)、バチルス菌(Bacillus)、乳酸桿菌(Lactobacillus)、連鎖球菌(Streptococcus)、ブドウ球菌(Staphylococcus)、ペジオコックス菌(Pediococcus)、およびミクロコッカス菌(Micrococcus)の1種または複数の種からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 微生物がリステリア菌(Listeria monocytogenes)であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  • 前記食品が処理後、検出可能なレベルの前記微生物を含有しないことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  • 約5から約80℃の温度で約1から約20分間、約400から約900MPaの圧力をかけることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 約20から約50℃の温度で約3から約10分間、約500から約700MPaの圧力をかけることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記食品が、肉製品、乳製品、魚製品、食用油、卵製品、および飲料からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記食品が、ソーセージ、フランクフルト、およびランチ用肉製品からなる群から選択された肉製品を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 食品を処理して、該食品中に存在する可能性のある微生物を不活性化する方法であって、約100から約300ppmの食用フェノール系化合物および約50から約250IU/gのランチビオティックを前記食品に導入して、処理済みの食品を提供すること、および前記処理済みの食品に、約80℃未満の温度で約1から約20分間、約300から約900MPaの圧力をかけることを含むことを特徴とする方法。
  • 前記食用フェノール系化合物は、アルキル置換ヒドロキノンであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  • 前記食用フェノール系化合物は、t−ブチルヒドロキノンであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  • 前記食用フェノール系化合物は、約100から約200ppmであり、前記ランチビオティックは、約100から約200IU/gであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  • 前記ランチビオティックは、ナイシン、サブチリン、pep5、エピデルミン、ガリデルミン、シンナマイシン、デュラマイシン、アンコベニン、およびこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  • 前記食用フェノール系化合物はt−ブチルヒドロキノンであり、前記ランチビオティックはナイシンであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  • 前記微生物は、リステリア菌(Listeria)、クロストリジウム菌(Clostridium)、バチルス菌(Bacillus)、乳酸桿菌(Lactobacillus)、連鎖球菌(Streptococcus)、ブドウ球菌(Staphylococcus)、ペジオコックス菌(Pediococcus)、およびミクロコッカス菌(Micrococcus)の1種または複数の種からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  • 前記微生物は、リステリア菌(Listeria monocytogenes)であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  • 前記食品は処理後、検出可能なレベルの前記微生物を含有しないことを特徴とする請求項21に記載の方法。
  • 約50℃未満の温度で約3から約10分間、約500から約700MPaの圧力をかけることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  • 前記食品は、肉製品、乳製品、魚製品、食用油、卵製品、および飲料からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  • 前記食品は、ソーセージ、フランクフルト、およびランチ用肉製品からなる群から選択された肉製品を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
  • 前記食品を包装することをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  • 前記圧力を加える前に、前記食品を包装することをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  • 冷蔵条件下で少なくとも約2カ月の貯蔵寿命を有する食品であって、(1)食用フェノール系化合物を約100から約300ppm、ランチビオティックを約50から約250IU/g含む組成物で前記食品を処理すること、(2)前記処理した食品を包装すること、および(3)前記処理して包装した食品を、約80℃未満の温度で約1から約20分間、約300から約900MPaの圧力をかけることを含む方法によって調製されることを特徴とする食品。
  • 前記食品は、肉製品、乳製品、魚製品、食用油、卵製品、および飲料からなる群から選択されることを特徴とする請求項28に記載の食品。
  • 前記食品は、ソーセージ、フランクフルト、およびランチ用肉製品からなる群から選択された肉製品を含むことを特徴とする請求項28に記載の食品。
  • 前記食用フェノール系化合物は、約100から約200ppmのt−ブチルヒドロキノンであり、前記ランチビオティックは、約100から約200IU/gのナイシンであることを特徴とする請求項30に記載の食品。
  • 約50℃未満の温度で約3から約10分間、約500から約700MPaの圧力をかけることを特徴とする請求項31に記載の食品。
  • 说明书全文

    本発明は、一般に、食品保存に関し、より詳細には、食品中の生物を不活性化するための方法に関する。

    食品加工業では、食品の貯蔵寿命安定性および健全性を高めるための様々な方法が研究または使用されてきた。 これらの目的のため、食品中の微生物増殖阻害または微生物レベル低下のための、熱および化学物質をベースにした方法が考え出されている。

    食品に熱を直接または間接的に当てることは、食品を低温殺菌するために一般に使用されている方法である。 しかし、そのような熱は、食品素材(food matrix)に損傷を与え、望ましくない風味および/または組織変化をもらす可能性がある。 栄養上の劣化も生ずる可能性がある。 熱処理の代わりとして、抗菌性を有する成分の使用がある。 微生物による腐敗から守るために、ソルビン酸カリウム塩、プロピオン酸塩、または安息香酸塩などの化合物を、食品に添加することが多い。 しかしこれらの化合物は、ある特定の種類の微生物にだけ有用であり、場合によっては、製品の風味に悪影響を及ぼす可能性がある。 一般に発酵加工で生成されかつ抗菌性および/または静菌性を有することが知られているバクテリオシン[bacteriocins、例えばナイシン(nisin)、ペディオシン(pediocin)、およびコリシン(colicin)]として知られる種類のタンパク質によって、食品を微生物の作用から守ることもできる。

    ソルビン酸カリウムなどの食品保存剤と、従来はフェノール系酸化防止剤[例えば第3級ブチルヒドロキノン(TBHQ)]として分類された食品添加剤の、抗菌活性の可能性が、モデル乳系中のリステリア菌(Listeria monocytogenes)に対して研究されてきた(例えば、非特許文献1参照)。 プロピルパラベンは、報告された試験全体を通して観察された唯一の、一貫して活性な阻害剤であった。

    特許文献1では、ランチビオティック(lantibiotics、例えばナイシン)と、リステリア菌(Listeria monocytogenes)などのグラム陽性菌に対して選択された薬剤とを併用した相乗効果が示されている(例えば、特許文献1参照)。 選択された薬剤は、アミノ酸、脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェノール系酸化防止抗菌剤、安息香酸と、その塩およびエステルを含めたもの、または食品ガムであると同定されている。 かなりの数の、可能性あるフェノール系酸化防止剤候補(例えば、パラヒドロキシ安息香酸の1〜7C脂肪族エステル、BHT、BHA、およびTBHQ)が同定されたが、メチルパラベンは、ナイシンと組み合わせて例示された唯一のフェノール系酸化防止剤であった。

    ナイシンを食材中に導入することのできる最大レベルは、政府規制の対象となっているので、商業上、微生物阻害を引き起こすのに必要とされるナイシンの量は、低下させることが望ましい。 例えば、完成した食材中のナイシン添加レベルは、現在、米国では250ppmに制限されている(例えば、非特許文献2参照)。

    高圧加工(HPP)は、食品を保存するための方法として研究されてきた。 そのような加工では、熱処理を行わずに高い静圧を食品にかけて、その微生物数(microbial load)を低下させる。 例えば特許文献2には、高圧加工を使用して柔軟な容器に詰めた製品(例えば、食品、化粧品、および医薬品)中の微生物を、不活性化させる方法が開示されている。 静水圧が十分に高い状態では、食品媒介性微生物の細胞質細胞膜を持続的に不安定化し、それによって、食品素材に損傷をもたらすことなく微生物の生存可能性および活性を低下させると考えられる。 「非加熱」技法として、高圧加工(HPP)には、熱に関係した食品品質の変化をもたらさないという利点を提供する。 しかし、そのような細胞の不安定化を引き起こすのに必要とされる非常に高い圧を得るには、装置および運転コストが高くなるので、高圧処理は広く使用されていない。

    さらに高圧処理は、「テーリング」(tailing)効果が原因となって、所望の微生物不活性化レベルを、商業的に実現可能な処理時間または圧力で実現することが常にできるとは限らない。 最初に、比較的高い微生物数を有する食品に高圧をかけると、微生物数は数分以内で著しく低下し、10 6よりも大きい減衰因子(reduction factor)で低下することも多い。 最初に実質的に低下させた後は、高圧加工(HPP)の効果が小さくなり、微生物破壊を連続的に行うのにかなり長い処理時間が必要になる(すなわち、テーリング効果)。 例えば高圧加工を適用することによって真空パックしたフランクフルト上のリステリア菌(Listeria monocytogenes)を処理する際に、テーリングが観察されてきた(例えば、非特許文献3参照)。 このテーリング挙動は、微生物媒体でも実証されてきた(例えば、非特許文献4参照)。

    したがって、理想的には、商業上実用的な圧力を用いながらも、短時間高圧処理による微生物不活性化の有効性および程度を高めることが望ましい。

    高圧とバクテリオシン ラクチシン3137(bacteriocin lacticin 3137)との併用は、より低い静水圧レベルで食品の安全性を高めるための、可能性ある技法として研究されてきた(例えば非特許文献5参照)。 そこで論じられている従来の研究は、高圧と、食品媒介性微生物を阻害するナイシンやペディオシンなどのバクテリオリシンとを組み合わせた使用に言及している。

    研究者等は、圧力処理のときにブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)で微生物細胞を感作した場合、高静水圧処理に対するリステリア菌(Listeria monocytogenes)の耐性が低下することを報告している(例えば、非特許文献6参照)。 ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)は、効果的ではなかった。 したがって、この感作効果は、そのような酸化防止剤の一般的な特徴ではなかった。

    カナダ特許出願公開第2,058,455号明細書

    米国特許第6,635,223号明細書

    Payne他," The Antimicrobial Activity of Phenolic Compounds Against Listeria Monocytogenes and Their Effectiveness in a Model Milk System, " J.Food Protection,52,151-153(1989) 21 CFR §184.1538 Lucore他," Inactivation of Listeria monocytogenes Scott A on Artificially-Contaminated Frankfurters by High-Pressure Processing, "J.Food Prot.,63,662-664(2000) Tay他," Pressure Death and Tailing Behavior of Listeria Monocytogenes Strains Having Different Barotolerances, "J.Food Prot.,66,2057-2061(2003) Morgan他," Combination of hydrostatic pressure and lacticin 3147 causes increased killing of Staphylococcus and Listeria, "J.Appl.Microbio.,88,414-420(2000) Mackey他," Factors Affecting the Resistance of Listeria monocytogenes to High Hydrostatic Pressure, " Food Biotechn.,9,1-11(1995)

    微生物を不活性化しかつ/または微生物活性を阻害するためのより効果的な手法であって、食品素材および/または栄養分に損傷を与えることなく食品の貯蔵寿命安定性および品質を高め、かつ添加剤投入レベルに課されるいかなる適用可能な規定も遵守し易くする手法が依然として求められている。 本発明の以下の記述から明らかにされるように、本発明はこれらの要求ならびにその他の要求および目的を満たすものである。

    本発明は一般に、微生物を不活性化し、かつ/または食品中の微生物増殖を阻害するための方法であって、食用フェノール系化合物(好ましくは食用ヒドロキノン)を食品に導入する工程、および食用ヒドロキノン含有食品に高圧をかける工程を組み合わせた方法に関する。

    このような化学的処理と物理的処理との組合せを食品で行うことによって、それぞれの処理単独で実現される場合よりも大幅に、食品中の望ましくない微生物を不活性化することができる。 さらに、この組合せ処理によって得られた微生物の低下は、個々の処理から予測される相加効果よりも相乗的に大きい。

    別の実施形態では、食用フェノール系化合物に加えて、食材の化学的処理にランチビオティック[lantibiotic、例えば、ナイシン(nisin)、ラクチシン(lacticin)、ラクトシンS(lactocin S)など]を導入することも含む。 高圧加工と、上記のような多重の化学的処理(すなわちフェノール系化合物およびランチビオティック)との組合せによって、個々の処理で、または添加剤を1種類だけ用いた高圧加工で実現される場合よりも、食品環境における一部の微生物にさらに大きい不活性化をもたらすことが実験的に観察された。

    この相乗効果により、着実な微生物低下を実現しながら、化学保存剤をより低い圧力およびより低い濃度で使用することが可能になる。 本発明により、これまで利用可能であったよりも効率的で経済的な処理が可能になる。

    本発明の方法は、一般に、食品の抗菌処理として利用可能である。 一実施形態において、本発明の方法は、食品中の微生物を減少させ、かつ製品の貯蔵安定性および食品品質が高まるように、調理済みの食品(例えば調理済みの肉製品)の前処理をするのに使用される。 本発明の方法により処理できる適切な調理済み肉製品には、例えばソーセージやフランクフルト、ランチ用肉製品などの加工肉製品が含まれる。

    本明細書において、「不活性化」という用語およびその変形例は、一般に、食品中に存在する微生物に生じる殺菌作用であって、微生物数を低下させるものを指す。 不活性化した微生物は、一般に、生育可能性はない。 本発明の方法の抗菌作用は、生育可能な微生物に対する静菌作用(すなわち微生物増殖の阻害)を追加的に含んでよいことが理解されよう。 「log減少」(log reduction)という用語は、必要に応じて培養物、培地、または食品のミリリットルまたはグラム当たりのlog 10コロニー形成単位(CFU)の低下を指す。

    本発明は、高圧加工(HPP)と食用フェノール系化合物(好ましくはヒドロキノン)との組合せが、食品中に生育可能な微生物の存在を著しく低下させ、完全に排除することも多い(すなわち検出限界よりも下まで)という発見に基づく。

    本発明の1つの好ましい実施形態では、食品を、高圧加工と食用フェノール系化合物による処理との組合せにかけることによって、調理済み食品中の微生物を不活性化する方法が提供される。 抗菌作用は、食用フェノール系化合物と共にランチビオティックを追加として含むことによって、さらに増大させることができる。

    高圧加工によって処理した食品は、特にその食品素材に関し、熱処理した同様の食品に比べてより新鮮であり、受ける損傷もより少ないと一般に考えられている。 しかし本明細書で示すように、高圧加工(HPP)単独では、調理済み食品(特に調理済み肉食品)からのある特定の多数の微生物[例えばリステリア菌(Listeria monocytogenes)]を、不活性化しまたは低減させる能力が制限されていた。 同様に、ヒドロキノンを含めたフェノール系化合物とランチビオティック化合物は、個々にまたは組み合わせて使用したときに、そのような食品中のリステリア菌(Listeria monocytogenes)を含めた微小植物(microflora)を著しくは低下させない。 対照的に、本発明による物理的/化学的処理プロセスの組合せは、そのような食品中の多数(例えば10 6 CFU/g)のリステリア菌(Listeria monocytogenes)を著しく低下させ、ある場合には完全に無くす(すなわち検出限界よりも下まで低下させる)ことが観察された。 一般に、現行方法でのリステリア菌(Listeria monocytogenes)の検出限界は、約0.05CFU/g以下である。

    さらに本発明は、組合せ処理の相乗効果による十分な微生物不活性化を維持しつつ、より短時間に加えられるより低い圧力および/またはより低い化学添加剤レベルを用いてもよく、それによって、加工コスト(特に、必要とされる高圧加工装置に関する加工コスト)を低下させ、かつ特定の化学添加剤の許容レベルに適用される現行および将来の規制をより容易に遵守することができる。

    本発明の方法によって効果的かつ有益に処理することができる食品は、特に限定されない。 そのような食品は、人による消費を目的とする食品ならびに動物用食品を対象としたものを包含する。 そのような食品には、例えば肉や肉製品などの食用基質が含まれる。 そのような肉および肉製品には、例えばハム、ビーフ、サラミ、チキン、シチメンチョウが含まれ、これら未加工のもの(whole parts)、またはこれらから製造された加工肉製品が含まれる。 肉製品には、ソーセージ、フランクフルト、ランチ用肉製品などを含めてもよい。 本発明の方法によって処理することができるその他の食品には、チーズやミルク、クリーム、ヨーグルトなどの乳製品;マヨネーズやドレッシングなど;食用油;魚および魚製品;卵製品;飲料;動物飼料;果物および加工果物製品;野菜および加工野菜;これらのそれぞれ単独および組合せが含まれる。

    しかし本発明は、肉および肉製品の処理に特に有用である。 より具体的には、本発明の微生物不活性化法は、加工肉製品など(例えばソーセージやフランクフルト、ランチ用肉製品など)の調理済み肉製品に適用する際に、特に有用である。

    フェノール系化合物の非限定的な例には、t−ブチルヒドロキノン(3−t−ブチル−1,4−ジヒドロキシベンゼン;TBHQ)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、カルバクロール[2−メチル−5−(1−メチルエチル)フェノール]、没食子酸プロピル、カテキン[2R−(3,4−ジヒドロフェニル−3,4−ジヒドロ−2H−1ベンゾピラン−2S,5,7−トリオール)]、ヒドロキノン、イソオイゲノール、メチルパラベン、フェノール、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、チモール、およびローズマリー抽出物が含まれる。 好ましいフェノール系化合物には、t−ブチルヒドロキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン、カルバクロール、およびローズマリー抽出物が含まれる。 1つの好ましい実施形態では、食用フェノール系化合物は、食品環境における1種または複数のタイプの微生物に不活性化作用をもたらす非置換および置換ヒドロキノン化合物から選択される。 ヒドロキノン化合物は、ジヒドロキシベンゼン化合物である。 一実施形態で、ヒドロキノン化合物は、アルキル置換ヒドロキノン化合物である。 アルキル置換基は、分枝状または直線状にすることができる。 ある特定の実施形態では、アルキル置換基は、1〜6Cアルキル基などの低級アルキル置換基である。 本発明で使用される最も好ましいフェノール系化合物は、t−ブチルヒドロキノンである。

    食用フェノール系化合物は、高圧加工と併せて使用したときに、存在する任意の微生物に著しい不活性化をもたらすのに十分な量で、食品原料に導入される。 食用フェノール系化合物は、HPP処理の前に食品と混合することが好ましい。 この結果を実現するのに必要とされる食用フェノール系化合物の、有効最小量を含めた有効量は、所与の圧力レベルおよび圧力印加時間に関して経験的に決定することができる。 食品で効果的な微生物不活性化を実現するのに必要とされる食用フェノール系化合物の量は、いかなる圧力処理も行わないときに必要とされる量に比べ、本発明では著しく低下する。 別の実施形態では、所与の一連の高圧加工条件について、処理食品中のフェノール系化合物濃度を高めた状態(しかし、商用として実現可能でありかつ許容可能な濃度)にあるときに、食品中のリステリア菌(Listeria monocytogenes)などのある特定の生育可能な微生物のレベルを、その検出限界よりも低く下げることができることが見出された。 これは、ある特定の微生物でのテーリング挙動に対し、少なくとも部分的な解決策を提供することができるので、有益な発見である。 一般に、フェノール系化合物は、約100から約300ppmで添加し、より具体的には約100から約200ppmで添加するが、当然ながら有効な量は、その他のパラメータ(例えば特定の高圧加工条件、ランチビオティック添加物の存在および量、微生物低減の所望レベルなど)に応じて様々に変えることができる。

    フェノール系化合物処理と高圧との組合せによって実現される微生物不活性化における相乗効果は、非常に有益である。 他の数ある利点の中で、フェノール系化合物の導入量を低下させることができるので、このタイプの食品添加物の最大レベルに関するいかなる規制命令の遵守も、より容易になる。

    任意選択の改良点では、食品の抗菌処理を強化し、かつ著しく良好な微生物不活性化作用をもたらすために、ランチビオティックを食用フェノール系化合物(特にヒドロキノン)と併せて使用することができる。 ランチビオティックは、アミノ酸ランチオニン(amino acid lanthionine)を含むバクテリオシン(bacteriocins)の群を指す。 ランチビオティックはリボソームで合成されたペプチドバクテリオシンを含み、該ペプチドバクテリオシンはラクトコッカス(Lactococcus)種、バチルス(Bacillus)種、およびストレプトマイセス(Streptomyces)種を含めた様々な微生物によって生成された19から34個のアミノ酸を含有する。 有用なランチビオティック物質には、例えばナイシン(nisin)、サブチリン(subtilin)、pep5、エピデルミン(epidermin)、ガリデルミン(gallidermin)、シンナマイシン(cinnamycin)、デュラマイシン(duramycin)、アンコベニン(ancovenin)など、ならびにこれらの組合せが含まれる。

    本発明で使用される好ましいランチビオティックはナイシンである。 ナイシンは、乳酸菌(Lactococcus lactis)のある特定の株によって生成された、抗菌ポリペプチドである。 ナイシンは、これら細菌の純粋培養発酵と、その後に行われる精製および乾燥によって製造することができる。 本明細書において、「ナイシン」という用語は、一般に天然のナイシン分子、ナイシンAおよびナイシンZを含むが、これに限定するものではない。 ナイシンは、酸基質に対して非常に可溶性であり、pHの増大と共に徐々に溶解しにくくなる。 ナイシンの商用製剤は発酵由来の残留固形分を含有する可能性があるが、該残留固形分は不溶性でありかつ濁った水性懸濁液を生成する可能性がある。 しかし、これはナイシンの効力に有害な影響を与えず、所望によりその固形分を除去することができる。 その他の供給源由来のナイシンを使用することもできる。

    ナイシン、またはその他のランチビオティックは、一般に0から約10,000国際単位/g(IU/g)のレベルで食品原料に導入される。 ランチビオティック(好ましくはナイシン)は、約50から約250IU/gのレベルで本発明の処理方法に含まれることが好ましく、より好ましくは約100から約200IU/gのレベルである。 食品に対する高圧処理と食用フェノール系化合物とを併用すると、食品での効果的な微生物不活性化が実現されるフェノール系化合物の投入レベルは、食品の化学的処理でフェノール系化合物のみを使用した場合に比べ、ランチビオティックの存在下で著しく低下する。 同様に、微生物不活性化を高めるのに有用なランチビオティックの投入レベルは、食品の化学的処理でランチビオティックのみ使用した場合に比べ、著しく低下する。 これは、このタイプの食品添加剤の最大レベルに関する任意の規制命令の遵守をより容易にもするので望ましい。

    食用フェノール系化合物、および任意選択のランチビオティックの導入は、食品の表面および/または全体にわたって化学物質を十分にかつ均一に分散させまたは分配させるのに適した任意の手法で実現することができる。 一部の食品では(例えば非加工食品)、露出した食品表面の化学的処理が第1の焦点になり、多くの加工食品では、食品の本体および表面の全体にわたる微生物活性の制御が焦点となる。 本発明の方法では、表面およびバルクの処理につき、それぞれ単独でまたは組み合わせで行なうことが可能になる。

    化学処理剤(例えばフェノール系化合物またはヒドロキノン単独、あるいはランチビオティックとの組合せ)は、食品の製造中に導入することができる。 例えば食用フェノール系化合物は、チーズ製品製造前のミルクに導入することができ、または所望の形状に押出成形する前に、ミートスラリーと混ぜることができる。 あるいは、食材を調製、次いで化学処理剤を添加、次いでその食材を所望の形状に成形することができる。 あるいは食材を調製、所望の形状に形成、その後、化学処理剤を含有する粉末または溶液を用い、表面を被覆かつ/または食材に化学物質を浸透させるのに効果的な手法で表面処理を行うことができる。 例えば食品原料を、化学処理剤を含有する溶液に懸濁しまたは浸漬し、あるいはその溶液を食品原料の表面に噴霧することができる。 これら適用方法の組合せを使用してもよい。 例えば化学処理剤を、食品本体に組み込み、次いでこれを所望の形状に形成し、その後、追加的な表面処理を、化学処理剤(本体処理と同じかまたは異なる量で、同じかまたは異なる種類の化学処理剤を含有することができる)を用いて行うことができる。

    静水圧食品加工機またはこれに匹敵する機能をもたらす装置により、食用フェノール系化合物で前処理した食品基質に高圧がかけられる。 本発明による、処理食品に対する高圧加工では、一般に、化学処理食品、より好ましくは包装された形態の化学処理食品を、圧力伝達流体を備えた圧力容器内に置く。 容器を閉じ、その容器内の静水圧を、例えば外部増圧器により容器内に伝達媒体をポンプ送出するなどして、所望のレベルまで上昇させる。 圧力を所定時間にわたり保持し、次いでその圧力を弱め、その後すぐに、加工した包装食品を高圧加工システムから取り出す。 化学処理食品は、高圧加工用に、軟質フィルムパウチまたはバッグなどの封止可能な容器中に詰めることが好ましい。

    本発明を実施する際には、在来の静水圧食品加工機を使用することができる。 一例は、圧力伝達流体として水/プロピレングリコール(Houghto−Safe 620−TY,Houghton International,Inc.,Valley Forge,PA)混合物(1:1、vol/vol)を備えた静水圧食品加工機[Quintus QFP−6、ABB Autoclave Systems,Inc(Columbus,OH)社製]である。

    高圧加工によって食品に加えられる圧力は、一般に約300から約900MPa、より典型的な場合では、約400から約700MPaに及ぶ。

    処理プロセス中の温度は、重要ではない。 しかし一般に、圧力処理は、約80℃未満で実施され、好ましくは約5から約80℃で、より好ましくは約20から約50℃で実施される。 所望により、このプロセスの様々な部分を、異なる温度で実施してよい。 食品は、本発明の方法の実施中またはその後は、任意の有意な時間の間(すなわち約5分を超える時間)、高温(すなわち約50℃を超える温度)に曝されないことが好ましく、本発明の方法の実施中またはその後は、そのような高温に実質的に曝されないことがより好ましい。 当然ながら、例えば肉または肉製品などの食品は、圧力処理ステップの前に、製品を調理しまたは予備調理するのに十分高い温度に曝すことができる。

    上述の圧力および温度条件で実施されるような高圧加工時間は、一般に、約1から約20分に及び、より典型的な場合は約3から約10分に及ぶ。 一般に、全ての状況で必ずしもそうであるわけではないが、加工時間は、加えられる圧力が上昇するにつれて短縮することができ、また加工時間は、加えられる圧力が低下するにつれ、所望レベルの微生物不活性化が維持されるように長くすることが必要になる可能性がある。

    本発明の方法による、微生物数の著しい低下を引き起こすのに必要な圧力の大きさおよび/または印加継続時間は、高圧処理のみに頼るプロセスに比べて低下する。 典型的な場合、そのような従来の圧力処理(すなわち化学処理剤を添加しない圧力処理)は、微生物の著しい不活性化をもたらすために、約5から約60分にわたって約300から約900MPaの範囲内の圧力を必要とする。 そして、そのような場合であっても、テーリングを無くすことはできない。 したがって本発明によれば、より低い圧力をより短い時間使用することが可能になり、一般に製造設定でより高い圧力を使用することに関連する安全性の問題を少なくできるのみならず、圧力装置およびその運転に関係するコストを削減することが可能になる。

    本発明によれば、高レベル(例えば約10 6 CFU/g以上)のリステリア菌(Listeria monocytogenes)個体群を投与(challenged)または植菌した食品基質について、病原体個体群が5 logよりも大きく減少するように、好ましくは6 logよりも大きく減少するように、処理することが可能になる。 したがって本発明の方法は、食品がリステリア菌(Listeria)で汚染された場合、非常に効果的であり、かつ病原体個体群を検出限界よりも低く減少させることができる。 当然ながら、食品におけるいかなるリステリア菌(Listeria)汚染も避ける努力がなされるべきであり、したがって商業的運用では、本発明は、リステリア菌(Listeria)またはその他の微生物による汚染の危険性を著しく低減させるのに使用することが好ましい。 本発明は、まず第1に汚染を回避して予備的または追加的な保護が行われるよう、食品製造設備内で良好な製造手法と共に使用すべきである。 当業者が理解しているように、リステリア菌(Listeria)で汚染された(低レベルであっても)ことがわかった食品加工ラインは閉鎖すべきであり、汚染源の位置を特定しかつ排除すべきである。 したがって、食品加工ラインでは、高圧処理前の、例えばリステリア菌(Listeria)のレベルが非常に低くなり、高圧処理後には検出限界よりも低くなる。 そのような加工ライン内で本発明を使用することにより、未知の汚染に対してさらなる有意な保護が行われ、その結果、官能特性に悪影響を与えることなく、かつ以前に可能であったよりも妥当なコストで、最終消費者に対してより高いレベルの保護を与えることができる。

    別の実施形態では、本発明の方法により加工された食品基質は、検出不能なレベル(汚染が生じた場合であっても)のリステリア菌(Listeria)を有する。 本発明においては、リステリア菌(Listeria)の存在(または不存在)が、温式濃縮/平板技法(warm enrichment/plating technique)を介して検出されるが、この技法では、高圧加工後にトリプトース・ブロス(tryptose broth)約30mLを、処理済み食品を入れたパッケージに添加する。 この混合物を、37℃で48時間培養し、その後、該濃縮物(enrichment、混合物)をOxford寒天またはPALCA寒天上に筋状に流し、その筋を付けたプレートについて、リステリア菌(Listeria)の存在/不存在を観察する。 上で述べたように、多数のリステリア菌(a high load of Listeria monocytogenes)(例えば約10 6から約10 8 CFU/g植菌済み食品)は、上述の温式濃縮/平板技法を介して検出したときに、食品中で検出限界未満に減少させることができる。 該技法においては、処理済み食品を、適度な圧力(例えば約500から約700MPa)、比較的短い処理時間(例えば約3から約10分)、および低温(例えば約20から約50℃)で加工する。 テーリング効果も、本発明の方法によって低減し、または無くすことができる。 その他の微生物が存在するかまたは存在しないかは、問題となっている特定の微生物に合わせて修正を加えた類似の技法を使用して、検出することができる。

    本発明の方法による処理の前または後に、特定のタイプの食品に適した任意の方法を使用して、食品を包装することができる。 好ましくは、図1に示すように、高圧処理の前に食品を包装する。 一般に、本発明により処理されかつ適正に包装された食品は、冷蔵条件下で、少なくとも約2カ月、好ましくは少なくとも約3カ月の貯蔵寿命を有する。 本発明の下では実際の貯蔵寿命は、微生物学的安定性以外の理由により影響を受けうる。

    図1は、食用ヒドロキノンおよび任意選択的にランチビオティックも併用して食品を処理する、本発明の基本的方法を示す。 化学処理した食品に高圧にかける。 食品は、高圧処理の前に、小売市場向けに、適切な包装技法を使用して適切な容器に詰めることが好ましい。

    本発明の方法は、例えばリステリア菌(Listeria)、クロストリジウム菌(Clostridium)、バチルス菌(Bacillus)、乳酸桿菌(Lactobacillus)、連鎖球菌(Streptococcus)、ブドウ球菌(Staphylococcus)、ペジオコックス菌(Pediococcus)、およびミクロコッカス菌(Micrococcus)のそれぞれの種単独、または組合せを含めた、広く様々な微生物に対して効果的である。

    以下の実施例は、本発明の例示を目的とし、本発明を限定するものではない。 本明細書で使用する全てのパーセンテージは、他に特に示さない限り重量によるものである。 本明細書で引用される全ての参考文献は、その全体として参照により組み込まれる。

    リステリア菌(Listeria monocytogenes)の種々の株で植菌したソーセージの処理について、物理的(静水圧)処理および化学的(食用ヒドロキノンおよび/またはランチビオティック)処理の様々な組合せを使用して研究した。

    食用ヒドロキノンは、0または100ppmのレベルのt−ブチルヒドロキノン(TBHQ)であった。 t−ブチルヒドロキノンは、Sigma Chemical Co. (St.Louis,MO)製の食品グレードの物質であった。 ランチビビオティックは、0または100IU/gのレベルのナイシンであった。 使用したナイシンは、いずれもAplin&Barrett,Ltd. (Trowbridge、英国)製の、純粋なナイシンまたは商用のナイシン[Nisaplin(登録商標)]であった。 使用したNisaplin(登録商標)サンプルは、約1×10 6 IUナイシン/gを含有していた(約25mgナイシン/gに相当)。 ナイシンのサンプルは、ナイシンの粉末を蒸留水に溶解し、pHをHClで2に調節し、121℃で10分間滅菌することによって調製した。 これらのサンプルは、各実験ごとに、同じ日に、調製し使用した。

    リステリア菌(Listeria monocytogenes)の3種の株を、これらの負荷試験(challenge studies)で使用した。 リステリア菌(Listeria monocytogenes)Scott A、OSY−8578、およびOSY−328は、オハイオ州立大学食品科学科の食品安全性研究室(Columbus、OH)から得た。 全ての実験は、固定相における培養物[トリプトース・ブロス中(TB;Difco Laboratories製(Detroit,MI)、37℃で18時間増殖]で実施した。植菌レベルは、製品グラム当たりリステリア菌(Listeria)約10 6 CFUであった。

    使用した静水圧は、600MPaであった。 比較のため、サンプルを、非静水圧下(すなわち大気圧下)でも処理した。 静水圧食品製造機[Quintus QFP−6、ABB Autoclave System,Inc. 製(Columbus,OH)]は、水/プロピレングリコール[1:1vol/vol;Houghto−Safe 620−TY,Houghton International,Inc. 製(Valley Forge,PA)]を含有する圧力伝達流体と共に使用した。 サンプルを、加工前に冷蔵庫内に保持し、処理後に氷上に配置した。 各実験操作中の温度を、熱電対およびデータ自動記録装置[datalogger(Campbell Scientific,Inc.製(Logan,UT)]を使用してモニタした。

    完備要因実験計画(complete factorial design、すなわち2×2×2×3=24回の処理)を使用し、実験操作の順序をランダム化した。 缶詰のウィンナソーセージ[Armour(登録商標)、The Dial Corporation製(Scottsdale,AZ)]を、地域の食料品店で購入した。 各実験操作ごとに、1本のウィンナソーセージ(重量約16g)を無菌状態で市販容器から取り出し、滅菌ポリエチレンバッグ(Fisher Scientific Co.製)に移し、そのソーセージに、一晩(18時間)培養した培養物1mlを植菌し、そのバッグを手で揉みながらサンプル表面に培養物を均一に行き渡らせた。 各添加剤1ミリリットルを、単独でまたは組み合わせて添加し、真空シーラ(vacuum sealer、Vacmaster,Kansas City,MO)を使用してバッグを封止した。 これらのサンプルバッグを、静水圧食品加工機(Quintus QFP6)を使用して、30〜32℃の温度で5分間、600MPaで加圧した。 加圧しないサンプルは、圧力を加えないこと以外は同様の手法で処理した。 高圧加工後、バッグを無菌状態で開けた。 新鮮なトリプトース・ブロス(30mL)をバッグに添加し、再び封止したバッグを37℃で48時間培養した後、生存する個体群を全て回収した。 サンプル中にリステリア菌(L.monocytogenes)生存群が存在するのかまたは存在しないのかについて、培養した混合物をOxford寒天および/またはPALCAM寒天上に筋状に流すことによって決定した。 各試験操作は、所与の1組の変数の5個の試験済みバッグからなるものであり、実験は4回繰り返した。

    表1は、処理条件のそれぞれの組ごとの、リステリア菌(L.monocytogenes)の不活性化に関する処理条件および平均結果を示す。 実験操作1〜6は、対照実験であり、実験操作7および8は、本発明の方法を示す。

    試験をした全てのリステリア菌(Listeria)株に関し、本発明の方法(実験操作7および8)は、最良の全体的な保護をもたらした。 静水圧処理と食用ヒドロキノン誘導体による化学的処理とを組み合わせることによって得られた(すなわち実験操作7)リステリア菌(Listeria)に対する不活性化作用は、個々の処理の相加効果よりも大きかった。 さらに、ヒドロキノンおよびナイシンを静水圧処理と組み合わせて使用した結果(実験操作8)、Scott A株とOSY−8578株で、リステリア菌(Listeria)の不活性化のパーセンテージがさらに大きくなった。 さらにこの実験では、低レベルのヒドロキノンおよびナイシン(単独で使用した場合または一緒に使用した場合でさえ、保護をもたらす値を本質的に示さない;実験操作2〜3参照)を、圧力と組み合わせて使用した場合、リステリア菌(Listeria)を不活性化するのに効果的に使用できることも実証している。

    リステリア菌(L.monocytogenes)を本質的に完全に無くすのに必要とされる処理条件は、ナイシンレベルを0、100、または200IU/gとし;ヒドロキノンレベルを0、100、200、または300ppmとし;各実験を3回繰り返したこと以外、実施例1で使用したものと本質的に同じ物質および手順を使用して決定した。 その結果を表2に示す。

    本発明の方法(実験操作15〜18)では、リステリア菌(Listeria)が検出されなかった。 また、これらの結果は、静水圧処理と食用ヒドロキノンを介した化学的処理との組合せから得られたリステリア菌(Listeria)に対する不活性化作用が、個々の処理態様の相加効果よりも著しく大きいこと示し、かつ裏付けている。 周囲条件と冷蔵条件の両方で保存された、本発明の包装サンプルは、常温条件及び冷蔵条件の双方において、1年後、微生物の増殖を示すいかなる兆候も示さなかった。

    実施例1で同定された3種のリステリア菌(Listeria monocytogenes)株を、トリプトース・ブロス中、37℃で18時間増殖させた。 培養物を、10,000rpmで15分間、4℃で遠心分離した。 細胞ペレット(cell pellets)をリン酸緩衝液(pH7.0)に再懸濁し、各株の細胞個体群を10 9 CFU/mlに調節した。 t−ブチルヒドロキノンを、約100ppm(10%vol/vol TBHQ/培養物)で添加した。 サンプルバッグの準備と高圧処理手段とは、実施例1で示したものと同じであった。 試験をした圧力は、300、500、および700MPaであった。 対照サンプルおよび高圧処理サンプルを、0.1%ペプトン水(peptone water)に連続希釈し、トリプトース寒天表面に薄く塗布して広げた(spread−plated)。 プレートを、37℃で48〜72時間培養し、コロニーを数えた。 これらの実験操作に関する高圧加工パラメータと結果を、表3に示す。

    これらの結果は、高圧とTBHQとの組合せによってテーリング現象が無くなり、一方、高圧だけではその現象が無くならなかったことを示す。 8 log減少を超えるものは、プレート上にコロニーが検出されなかったことを示す。 列挙用の検出レベルは10CFU/mlであった。 OSY−328の初期個体群の平均は約8.9 logであり、したがって、7.9 logを超える減少は、検出レベルよりも下であることを示す。

    本発明を、特に特定の方法および製品の実施形態に関して具体的に述べてきたが、様々な変更例、修正例、および適用例は、本発明の開示を基にすることができ、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内とすることが理解されよう。

    本発明の基本的プロセスを例示する、フローチャートを示す図である。

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