Object of transport across the surface

申请号 JP2011535897 申请日 2009-10-30 公开(公告)号 JP5469673B2 公开(公告)日 2014-04-16
申请人 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン; 发明人 シュテファン・クラエゲロー; ハラルド・ポップ; ヨーゼフ・ベルンハルド; ハラルド・フッハス; マルク・ガイエル; マンフレッド・ルツキー; トーマス・スポレル; ザンドラ・ブリックス;
摘要 The object (10) has multiple recesses (32-1 to 32-9) provided in a planar base (30), where one of the recesses is joined to a side wall (38) of the object. Multiple openings (40-2 to 40-9) are formed in the side wall of the object. Air cushion air coming out from the recesses flows through the openings. An external wireless controller alternatively closes and opens the openings. An optical sensor optically scans a bearing surface on which the planar base of the object lies and wirelessly transmits scanned result to outside. Independent claims are also included for the following: (1) a system for transporting an object on a surface of an air cushion (2) a method for transporting the object on the surface of the air cushion (3) a computer program with a set of instructions for performing the method for transporting the object on the surface of the air cushion.
权利要求
  • エアクッション上での制御可能な輸送のための物体であって、
    水平底面(30)と、
    前記水平底面の複数の凹部(32 1〜9であって 、前記凹部(32 1〜9 )のうちの少なくとも1つの所定の凹部(32 2〜9 )が該物体の側壁(38)に隣接しており、前記側壁(38)にはエアクッションの空気が前記所定の凹部から横方向に逃げることができる開口(40 2〜9 )が形成されている 凹部(32 1〜9 )と、
    前記開口(40 2〜9 )の選択的な開閉のための制御可能な手段(84 2〜9 )と、
    を備えた物体。
  • 選択的な開閉のための前記制御可能な手段(84 2〜9 )は外部から無線で制御できる請求項 に記載の物体。
  • エアクッション上での制御可能な輸送のための物体であって、
    水平底面(30)と、前記水平底面の複数の凹部(32 1〜9 )とを備え、
    記凹部(32 1〜9 )のうちの少なくとも1つの所定の凹部(32 2〜9 )が該物体の側壁(38)に隣接しており、前記側壁(38)にはエアクッションの空気が前記所定の凹部から横方向に逃げることができる開口(40 2〜9 )が形成されており、
    物体の前記側壁(38)に隣接している前記所定の凹部(32 2〜9 )は複数個が設けられ、
    前記側壁に形成されエアクッションの空気が前記所定の凹部から横方向に逃げることのできる前記開口(40 2〜9 )は前記複数の所定の凹部(32 2〜9 )から空気が異なる方向に逃げることができるように複数個が形成されており、
    それにより、該物体は、前記複数の開口(40 2〜9 )のうちの1又は複数を通じて逃げる空気により、前記水平底面に対して垂直な軸の周りの回転及び/又は横方向の並進移動が できる物体。
  • エアクッション上での制御可能な輸送のための物体であって、
    水平底面(30)と、前記水平底面の複数の凹部(32 1〜9 )とを備え、
    前記凹部(32 1〜9 )のうちの少なくとも1つの所定の凹部(32 2〜9 )が該物体の側壁(38)に隣接しており、前記側壁(38)にはエアクッションの空気が前記所定の凹部から横方向に逃げることができる開口(40 2〜9 )が形成されており、
    該物体はボードゲーム用のゲームピースとして実施されるもので ある物体。
  • 前記水平底面が支持される支持面を光学的に走査して、結果として得られる走査結果を外部へ無線送信するために該物体内又は物体に設けられた光センサ(628)を更に備えている請求項1から のいずれか一項に記載の物体。
  • 該物体は外部へ向けて無線で特定するように更に実施されるものである請求項 に記載の物体。
  • エアクッション上で、 請求項1から6のいずれか一項に記載の物体(10)を輸送するためのシステムであって、
    前記物体と水平面との間にエアクッション(80)を形成する圧縮空気流を流出させるために、前記水平面(12)内に設けられた互いに独立して制御可能な複数のノズル(20)と、
    前記水平面上の前記物体の位置を決定するための手段(14)と、
    決定された位置に応じて前記ノズルを制御するための手段と、
    を備えたシステム。
  • 前記ノズルを制御するための手段(18)は、前記物体の決定された位置と前記物体の所望の位置との間の偏差にも応じて前記物体が前記水平面上の所望の位置に近づくように前記ノズル(20)を制御するように構成されており、
    前記複数のノズル(20)間の平均最小距離は、前記少なくとも1つの所定の凹部(32 2〜9 )の横方向の大きさよりも小さい請求項 に記載のシステム。
  • 水平面内に設けられて圧縮空気を案内できる複数のノズルと、
    前記圧縮空気によって生成されるエアクッション上での制御可能な輸送のための 請求項1に記載の物体と、
    前記水平面上での前記物体の位置を決定するための手段と、
    前記物体を前記水平面上の所望の位置へ近づけるための制御手段と、を備え、
    前記制御手段は前記制御可能な手段を制御して前記物体を水平面上の所望の位置へ近づけるものであるシステム。
  • 圧縮空気を流出させて 請求項1から6のいずれか一項に記載の物体(10)と水平面(12)との間にエアクッション(80)を形成するために、前記水平面内に設けられて互いに独立して制御され得る複数のノズル(20)により前記エアクッション上で 前記物体を輸送するための方法であって、
    前記水平面上の前記物体の位置を 決定する決定ステップと、
    前記決定ステップで決定された位置に応じて前記ノズルを制御するステップとを備えた方法。
  • 圧縮空気と、水平面内に設けられ前記圧縮空気を案内できる複数のノズルとによって生成されるエアクッションにより 請求項1に記載の物体(10)を輸送するための方法であって、
    該方法は、
    前記水平面上の前記物体の位置を 決定する決定ステップと、
    前記物体を前記水平面上の所望位置へ近づけるために、前記決定ステップで決定された位置に応じて前記開口を選択的に開閉するステップとを備えた方法。
  • コンピュータ 請求項 10又は11に記載の方法を実行 させるためのコンピュータプログラム。
  • 说明书全文

    本発明は、例えばゲームボードにわたるゲームピースの輸送のような表面にわたる物体の輸送に関する。

    “伝統的な”ボードゲームは、物理的なゲーム平面(ゲームボード)とゲームピースとから成る。 ゲームピースはボード上に置かれ、ゲームルールにしたがって(人間の)プレイヤにより移動させられる。 従来のコンピュータはそのような伝統的なゲームにアクセスできない。 コンピュータは、平面上のゲームピースの位置を知らず、ピースを移動させることもできない。

    今日では一般的である伝統的なボードゲームをコンピュータに適応する場合において、ゲームボード及びゲームピースは、コンピュータ内で“仮想的に”構成されてコンピュータのディスプレイ上に表示される。 コンピュータは、仮想的なゲーム平面上における全てのピースの位置を知っている。 ゲームピースの動きは、この仮想的なゲーム平面又はプログラム上でのみ行なわれる。 フィギュアは、狭い意味では、“コンピュータ”によってのみ移動され得る。 もちろん、コンピュータは、人による入に基づいて移動を行なうことができる。 これにより、コンピュータ及び人は、仮想的なゲーム平面又はプログラム上で“一緒に”プレイすることができるようになる。 この機構は、異なる人々が空間的に離れた異なる場所にいるときに異なる人々を同じゲームに参加させるためにネットワークと関連して使用されることができる。

    人は、“実際の”ゲームピースを自分達で手に取って移動させることが好きであり、また、しばしば、物理的なゲームボード上の表示を好むため、例えば、コンピュータ内でゲーム平面及びピースが構成されて仮想的に移動させられることはチェスゲームコンピュータにおいても一般的であるが、人は、実際のゲームボード上でコンピュータ外にて動きを模倣する。 適切なインタフェースを介して、人及びコンピュータは、ここでは、とられた動きを互いに伝え、人は、物理的なゲームボード上のゲームピースの位置を更新する。

    特に、チェスゲームコンピュータに関しては、機械的な又は磁気的なスイッチを介してゲームピースの位置変化をコンピュータが直接に検出できるようにすることも一般的である。 ここでは、スイッチは、固定されたゲームフィールドの下側に位置する。 ゲームピースがフィールド上で移動させられる場合には、移動の開始フィールド及び移動の目的地のスイッチング機構が動作させられる。 この情報から、チェスゲームコンピュータは、移動を電子的に検出して記憶できる。 この移動においてゲームピースが関与する情報は、今日のシステムでは検出されない。 この情報は、原点の所定の位置に基づいて全てのゲーム移動を更新することによりコンピュータ自体によって生成される。 コンピュータによって表示されるコンピュータのゲームの動きは、一般に、物理的なボード上で人によりなされなくてはならない。

    また、コンピュータがロボットグリップアームによってゲームピースを直接に移動させる解決策もあるが、これは、非常にコストと時間がかかる方法であり、したがって殆ど使用されない。 その上、これらの解決策は、一般に、特定のゲーム、例えばチェスに専用のものである。 さらに、これらの解決策は制約を受ける。 したがって、例えば、幾つかのゲームピースが同時に移動されない場合がある。

    DE102006009451.4では、ゲームボード上のゲームピースの位置の特定のために、RFID技術を使用することが提案された。 そこでは、RFID技術に関し、ゲームボードのフィールドの下側にRFIDリーダー又はリーダーアンテナが取り付けられ、ゲームピースにRFIDトランスポンダが設けられる。 ゲームピースがフィールド上に置かれれば、ゲームフィールドの下側のリーダーによってトランスポンダが読み出されて確認される。 その後、ゲームピースは、リーダー又はリーダーコイルの位置に関連付けられる。

    未だ公開されていないDE102008006043.7には次のことが記載されている。
    ゲーム平面は、例えば任意のゲーム平面を表示できるLCDの形態を成すコンピュータディスプレイに取って代えられる。
    各ゲームピースは、底面に光センサを備え、IDを有し、無線接続を介してゲームコンピュータに接続される。

    後者の方法において、ゲームコンピュータは、ゲーム平面上に表示される情報とゲームピース内のセンサの遠隔読み出しとの適切な組み合わせにより、ゲームボード上に位置されるゲームピースのタイプ及び位置を自動的に決定できる。 これは非常に正確で、かつ高速で実行され得るため、ゲームコンピュータは、ゲームボード上のゲームピースの位置をほぼ連続して追跡できる。

    前記解決策によれば、コンピュータが様々なゲーム平面をゲームボードとしての役目を果たすスクリーン上に表示し、かつ複数の物理的な受動ゲームピースの位置を自動的に検出するボードゲームの普遍的なコンピュータ適合を構築できる。 コンピュータによるこれらの物理的なフィギュアの自動的で効率的な移動は、従来技術によれば、少ない技術的労力では不可能である。 コンピュータグリップアーム又は能動的な自己移動ゲームピースを用いた技術的に大規模な特別な解決策のみが可能であるが、これは多くの欠点を有する。

    しかしながら、ロボットグリップアームを使用する必要なく又はゲームピース内の能動的なドライブを要することなく、ゲームボード上に無作為に配置される受動ゲームピースをコンピュータによって効率的に、かつ自動的に移動できるようにすることが望ましい。

    もちろん、前述したタイプの問題は、他の場所でも起こり、ゲームの場面に限られない。 その上、ゲームピースの移動に関する問題は、ゲームによって異なる。 例えば、1つのゲームピースだけを用いるゲームは、表面又はゲームボードにわたって1つのゲームピース又は幾つかのゲームピースからなる適切なサブセットを他のゲームピースに対して移動させなければならない複数のゲームピースを用いるゲームよりも移動発生に関する要件が少ない。 また、幾つかのゲームピースは、表面の法線方向に対するそれらの回転方向が通常は無関係となるように回転対称に構成されるが、他のゲームピースに関して異なっている場合があり、また、一部のゲームでは、ゲームピースの方向又はその視野方向が重要である。

    したがって、本発明の目的は、移動発生に必要な要素がゲーム表面上での移動を検出するための多数の想定し得る検出原理に適合するという事実により、コスト及び空間に関する労力を少なくして実施でき及び/又は適用可能性が広がる、表面にわたってゲームピースを移動させるための概念を提供することである。

    この目的は、請求項1に係る物体、請求項7,9のうちの1つに係るシステム、請求項10,11のうちの1つに係る方法、及び請求項12に係るコンピュータプログラムによって達成される。

    本発明の基本的な考えは、表面上の物体の位置を決定する場合に、所望の動きに基づいて制御を実行するのに比べて、観察された動きに基づいて直接に制御を実行できるため、再現性が低い輸送動作をもたらす表面上での物体の輸送のための輸送機構も使用できるということである。

    本発明の第1の目的によれば、ここでは、この考えは、物体と表面との間のエアクッションによって輸送を引き起こすことにより使用される。 そのような方法で“支持されると”、物体は、例えば磁場、電磁的などの非接触態様で作用する非常に異なる手段に基づいて横方向に移動され得る。 1つの実施形態によれば、エアクッションの生成は、位置決定手段により横方向に選択的に得られた物体の位置において物体の下側で実行される。 このようにすると、複数の物体のうちの1つ又はいくつかの選択された物体の特に他の物体に対する輸送摩擦を減少させることができ、それにより、横方向力を及ぼす手段は、特に前記の1つ又はいくつかの決定された物体に関して力を生成する必要がないだけでなく、全ての物体に作用する1つのフィールドを生成し、そのフィールドによって少ない輸送摩擦をもつ物体だけが実際の移動をもたらすようにすることも可能である。 また、物体が輸送されるべき表面を通じて吹き出されるエアクッションを生成するために使用される圧縮空気は、表面にわたって輸送摩擦を減少させるために使用できるだけでなく、物体を表面にわたって横方向に移動させるための横方向動作を発生させるため又は横方向力を発生させるためにも使用できる。 1つの実施形態によれば、これは、幾つかの空気室が形成される物体の底面の特別な実施と組み合わせて実行される。 これらの空気室は互いに分離されており、空気室の1つ又はいくつかは側壁に開口を備え、その開口を通じてエアクッションの空気が横方向に逃げることができ、それにより、結果として生じる反動に起因して物体が横方向力に晒される。 表面上の物体の位置を決定する適切な位置決定手段と組み合わせて、また、エアクッションを生成するための個別に制御可能なエアノズルの密集した分布と組み合わせて、このようにすると、空気を特に物体の空気室の所望のサブセット内に吹き込むことができ、それにより、物体が所望の位置へ移動させられる。 また、もちろん、物体の空気室の側壁の開口を開閉するための開閉機構を設けることもできる。 この場合、エアノズルを個別に制御する必要がなくなる。

    更なる態様によれば、輸送移動発生が表面にわたって磁気的に行なわれる。 個別に制御可能な磁気コイルは、表面に沿って分布されて配置され、表面に対して垂直な配向をもつ磁気双極子を形成するために互いに個別に制御されてもよい。 磁気的に吸引又は反発され得る1つ又は複数の要素を物体に設けると、表面にわたって磁気的な反発に基づいて物体を移動させることができ、又は磁気的な吸引に基づいて物体を引き寄せることができる。

    更なる態様によれば、輸送移動が表面内の屈曲波(bending wave)によって引き起こされる。 1つの実施形態によれば、この点において、表面内を伝搬する表面波が波動場合成にしたがって計算され、それにより、物体が主に支持される表面波ピークでの表面の表面点の、表面に対して接線方向に向く、結果として得られる移動成分が、所望位置の方向への物体の移動をもたらす。

    全ての態様は、装置もしくはゲームの審美性を妨げるか又は適用を妨げる場合のある、グリップアーム又は他の上部構造体が表面上で不要であるという共通点がある。

    それどころか、前記態様に係る移動生成に必要な構成要素を輸送面の下側に隠すことができる。 ここでは、これらの態様により、輸送面によって光学的に位置決定を実行することもできる。 本発明の実施形態によれば、光学的位置決定は、以下で更に詳しく説明するように、個々の輸送機構と、物体内の光センサと組み合わせてスクリーンディスプレイを使用する位置決定手段とを組み合わせて使用される。 これにより、位置決定及び輸送移動発生のために必要な殆どの構成要素と共に、輸送面を、輸送面上に任意のパターンを更に表示できる部材中に組み込むことができる。

    以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態について更に詳しく説明する。

    図1は、表面にわたる物体の輸送又は移動のためのシステムの概略ブロック図を示している。

    図2は、ノズルプレートの部分空間図を示している。

    図3は、一実施形態に係る物体の底面の下面図を示している。

    図4Aは、個別に制御可能なエアノズルを有するノズルプレートの概略平面図であって、物体の図3に係る底面が表面上に位置され、エアノズルを作動させることにより位置変化を引き起こす概略平面図を示している。

    図4Bは、個別に制御可能なエアノズルを有するノズルプレートの概略平面図であって、物体の図3に係る底面が表面上に位置され、図4Aとは異なるエアノズルを作動させることにより図4Aとは異なる位置変化を引き起こす概略平面図を示している。

    図5Aは閉状態にある一実施形態に係るエアノズルの平面図を示している。

    図5Bは開状態にある一実施形態に係るエアノズルの平面図を示している。

    図6Aは図5A,Bに係るタイプのエアノズルのための図4A,4Bの場合と同様の平面図を示している。

    図6Bは図5A,Bに係るタイプのエアノズルのための図4A,4Bの場合と同様の平面図を示している。

    図7は1つの実施形態にしたがって表面にわたって物体を移動させるための想定し得る手段を例示するための図1のシステムの一部の概略図を示している。

    図8は更なる実施形態に係る物体の底面の下面図を示している。

    図9Aは1つの実施形態に係る磁気コイル配列の部分空間図を示している。

    図9Bは図9Aの配列の概略平面図を示している。

    図10Aは他の実施形態に係る物体と磁気配列との間の作用の一磁気形態を伴う輸送面上に位置される物体の概略側面図を示している。

    図10Bは同実施形態に係る物体と磁気配列との間の作用の他の磁気形態を伴う輸送面上に位置される物体の概略側面図を示している。

    図10Cは同実施形態に係る物体と磁気配列との間の作用のさらに他の磁気形態を伴う輸送面上に位置される物体の概略側面図を示している。

    図11Aは磁気的に引き付けられうる異なる要素を有する物体の概略平面図を示している。

    図11Bは磁気的に反発されうる異なる要素を有する物体の概略平面図を示している。

    図12Aは表面上の物体の位置変化を生み出すための磁気配列中の磁気コイルの励磁パターンの例を示す磁気コイル配列及び該磁気コイル配列上に位置される物体の概略平面図を示している。

    図12Bは表面上の物体の図12Aとは異なる位置変化を生み出すための磁気配列中の磁気コイルの図12Aとは異なる励磁パターンの例を示す、磁気コイル配列及び該磁気コイル配列上に位置される物体の概略平面図を示している。

    図13Aは図12Aの場合と同様であるが作用の磁気的反発形態を使用する概略平面図を示している。

    図13Bは図12Bの場合と同様であるが作用の磁気的反発形態を使用する概略平面図を示している。

    図14は表面波による移動生成を例示するための概略図を示している。

    図15Aは本発明の一実施形態にしたがって輸送面を形成するプレートの外周縁に沿って進む屈曲波生成手段の断面図を示している。

    図15Bは同実施形態にしたがって輸送面を形成するプレートの外周縁に沿って進む屈曲波生成手段の平面図を示している。

    図16はディスプレイ上の物体の位置を決定するための手段の概略側断面図を示している。

    図17は一実施形態に係るゲームピース位置決定機能を有するゲーム装置の概略図を示している。

    図18は図17における送信手段の構成の概略図を示している。

    図19は一実施形態に係る図17のゲーム装置の機能を示すためのフローチャートを示している。

    図20はディスプレイ上の図17及び図18のゲームピースの位置及び方向を検出するための想定し得るパターンの概略図を示している。

    図21は更なる実施形態に係る図17のゲーム装置の機能を示すためのフローチャートを示している。

    図22は図21に係る方法中の二分探索法において段階的に使用される一連のスクリーンディスプレイの概略図を示している。

    図23は一実施形態に係るディスプレイ上に配置されるゲームピースの底部の断面図を示している。

    図24は一実施形態に係るゲームピースの底面に取り付けるための送信手段を有するベースの概略断面図を示している。

    図25は一実施形態に係るマスクにより覆われるフォトセルの概略図を示している。

    図26Aは外側に例えばコンピュータなどの制御・評価ユニットのみが必要となるように輸送面を形成し、かつ移動生成手段及び位置決定手段の一部を含む要素の構成の断面図を示している。

    図26Bは図26Aの構成要素と共に使用できるゲームピースの側断面図を示している。

    図26Cは輸送面を形成し、かつ更なる実施形態に係る移動生成手段及び位置決定手段の一部を含む構成要素の構成の断面図を示している。

    以下、本発明の異なる実施形態について更に詳しく説明する。 ここで、異なる図に繰り返し現れる要素には同じ又は同様の参照符号を与えて、その要素又はそれらの機能の説明の繰り返しを避ける。

    特に、前述した異なる態様に関して異なる実施形態が説明されるが、これらの実施形態は互いに部分的に組み合わされる場合もあり、これについては、以下、異なる箇所で言及される。

    説明は頻繁に特にゲーム用途に言及するが、もちろん、本発明は、物体が表面にわたって自動的に移動させられるようになっている例えば物流用途などの他の分野の用途に適用されてもよい。

    図1は、物体10を表面12にわたって移動させるためのシステムを大まかに示している。 このシステムは、例えば重心の横方向位置及び/又は横視野方向などの表面12上における物体10の位置、又は表面12の表面法線周りの基準方向に対する物体のねじれを決定することができる位置決定手段14を含む。 位置決定手段14に関しては図16〜25の実施形態に関連して後述するが、これらの実施形態によれば、位置決定手段14は、物体10内の光センサと、表面12の裏側から表面12を貫いて物体12が位置する前側の方向へとそのスクリーン表示を表示するディスプレイとを備える。 しかしながら、他の位置決定手段14も可能であり、そのような位置決定手段は、例えば、前側から、すなわち、図1に関しては上から輸送面12を記録するカメラ(図示せず)、又は、例えば輸送面12の縁に沿って配置される2つ又はそれ以上の距離センサなどの例えば非接触で動作する他の距離センサを含む。

    図1のシステムは、表面にわたって物体を移動させるための手段、すなわち、手段16を更に含む。 したがって、手段16は、ユーザとの相互作用なしで実際の動きを実行する。 移動手段16に関しては、特に図2〜16の異なる実施形態に関連して後述する。 これらの実施形態によれば、移動手段16は、表面12上で物体の位置10を変更するための力が非接触で、例えば圧縮空気により、磁気的に、又は屈曲波によって物体10に及ぼされるように実施される。 しかしながら、他の機構又は組み合わせの移動手段も可能であり、これについては後述する。

    位置決定手段14及び移動手段16は互いに結合されている。 特に、位置決定手段14及び移動手段16が例えば制御手段18を介して互いに結合されていてもよい。 制御手段18は、例えば、適切なプログラムを実行するプロセッサを含む。 特に、制御手段18は、位置決定手段によって決定される表面12上の物体10の位置と物体10の所定の基準位置又は所望位置とに基づいて、物体10が所望位置に近づくように移動手段16を制御するように実現されている。 この場合、物体10をその所望位置へ到達させる制御ループが生じる。 所望位置が与えられる場所は用途に応じて異なっていてもよい。 所望位置は制御手段18に対して外部から与えられてもよい。 しかしながら、制御手段18は、移動手段16のための制御器としてのその機能とは別に、物体10の所望位置に影響を及ぼす更なる機能を実行してもよい。 例えば、制御手段18は、プレーヤから特定の入力装置を介して手動で物体10の所望位置変化を受けることができ、及び/又は物体10の所望位置変化を独立して計算できるゲームコンピュータとしても機能する。 適切な入力手段として、例えば、キーボード、マウス、音声入力、表面12のタッチスクリーン機能などを備える。 既に述べたように、図1に係るシステムが使用されうる他の用途、例えば、物流用途も想定し得る。 その場合、制御手段18は、例えば、とりわけ物体10の所望位置も計算するために物流作業を同時に引き継ぐ。

    以下で何度か述べられるが、位置決定手段14及び移動手段16は表面12上の幾つかの物体10,10'を個別に取り扱うことができるように、すなわち、物体のそれぞれの位置を決定でき、又は物体を他の物体に対して個別に移動させることができるように実現できることに留意されたい。 したがって、制御手段18は、それが幾つかの物体10,10'の所望位置を管理するように又は少なくとも物体の所望位置の調整又は制御を実行するように実施できる。

    以下では、図2〜図8を参照して実施形態を説明するが、それらの実施形態によれば、表面にわたって物体を移動させるための手段60が物体と輸送面との間にエアクッションを形成し、それにより、エアクッションに起因するかなり低い摩擦のおかげにより、物体の底面と輸送面との間で従来生じている物体の静止摩擦及び動摩擦が克服される。

    図2は、典型的な例として、エアノズル20の配列又は横方向分布をもつ表面12、すなわち輸送面を示している。 図2において、横方向分布は、行及び列の状態の規則正しい横方向分布として示されている。 しかしながら、エアノズル20の他の規則正しい配列及び不規則な横方向分布も可能である。 また、図2において、エアノズル20は、典型的な例として、個別に制御できるか、又は個別に開閉可能なものとして示されており、1つの開口28を除く全ての開口が閉状態で示されている。 しかしながら、図7を参照して後述するように、移動手段16は常時開のエアノズル20又は一括でのみ制御され得るもの等を使用することも可能である。 この他、エアノズルは、それらがあたかもエア出口で開閉できるように、すなわち、エアバルブのように示されている。 しかしながら、エアノズルを圧力源に接続するエア流路ごとに配置されたエアバルブによってエアノズルを個別に制御できるようにすることもできる。

    図2において、輸送面12は、典型的な例として、例えばその前面が輸送面12を形成し、かつエアノズル20を備えるノズルプレート22のように平行六面体形状の本体の主面として示された。 しかしながら、他の形状も可能である。

    図2には明確に示されていないが、もちろん、エアズル20は圧力源に流体的に接続されており、それにより、符号20aで示されるようなエアノズルの開放状態で加圧空気がノズルから出る。 加圧空気は、例えば輸送面12の表面法線に沿ってノズル20から出る。 しかしながら、ノズルは、表面法線に対して傾けられる方向で空気がノズル20から出るように設けられていてもよい。 横方向の傾き方向、すなわち、表面12に対する接線方向は、ここでは例えばエアノズル20ごとに異なっていてもよく、これについては以下で再び述べる。

    ここで、図3〜図6Bを参照して一実施形態について説明する。 この実施形態では、個別に制御できるエアノズルの配列が物体と組み合わせて使用され、したがって、物体の底面は表面上で物体の横方向移動を生み出すように実現されている。 図3は、典型的な例として、物体10の底面を実現するための可能性を示している。 図3の上側部分には、より良い理解のために、物体10の関連する側面図が示されている。

    図3に示されるように、物体10の底面30には幾つかの凹部32 1 〜32 9が形成されている。 そのほかの点では、底面又は床面30平である。 すなわち、底面は水平な支持面34を備えている。 図3に典型的な例として示されるように、窪み又は凹部32 1 〜32 9は共通の深さtを備えていてもよく、その深さに至るまで凹部は支持面34から物体10の内部へと延びている。 図3に示されるように、凹部32 1 〜32 9は支持面34に対して垂直に通過する内壁36によって分離されている。 また、これらの凹部のうちには、物体10の外側壁38に隣接する凹部、すなわち、凹部32 2 〜32 9がある。 図3の典型的なケースでは、凹部32 2 〜32 8のそれぞれにおける側壁38に開口40 2 〜40 9が設けられており、それらの開口により、物体10の下側にエアクッションを形成する空気は、対応する凹部32 2 〜32 9から側方に逃げることができる。 開口40 2 ,40 4 ,40 6及び40 8は、例えば互いに対して90°の度で設けられ、それにより、空気流は、図3で典型的な例として形成される物体10から回転軸42周りに回転対称に径方向に出される。 これらの開口に対して45°ずれて形成された4つの開口40 3 ,40 5 ,40 7及び40 9は互いに90°の角度で設けられており、それにより、空気流は対応する凹部又はチャンバ32 3 ,32 5 ,32 7及び32 9から接線方向成分をなす方向に出る。 特に、これらの開口は対を成して設けられ、それにより、開口の対向する対40 3 ,40 7又は40 5 ,40 9は、空気流を、同じ回転方向で、すなわち、上側から見て反時計周り方向に又は時計周り方向に流出させる。

    図4A及び図4Bを参照して典型的な例として示されるように、凹部を設け、その凹部によりチャンバを形成したことによって、エアノズルから圧縮空気を受けるようになっているチャンバのサブセットを適切に選択することにより、物体10を表面上で回転させること及び/又は物体を所望の方向に移動させることができ、すなわち、並進移動と軸42周りの回転との任意の組合せを起こすことができる。 したがって、チャンバ32 2内の圧縮空気は開口40 2を通じて側方への空気の流出を生じ、それにより、物体42は側方に流出する空気と反対の方向に移動する。 したがって、これは、開口40 4 ,40 6 ,40 8にも当てはまる。 圧縮空気がチャンバ40 3及び40 7に同時に流れ込む場合、対応する開口の排出空気は物体の時計周りの回転を引き起こす(図3を考慮)。 これに対応して、圧縮空気をチャンバ32 9 ,32 5へ案内することにより反対の回転が達成される。 壁(図3では内壁36)によって全側面が取り囲まれているチャンバ32 1は、圧縮空気で満たされたとき物体10に対して横方向力をもたらすことはなく、したがって、物体10と表面との間の対応するエアクッションによって物体10を支持するために圧縮空気で満たすことができる。

    以下、再び図4A及び図4Bを参照して、制御手段18、個別に制御できるエアノズル20、及び物体10の底面30の特別な構成との間の相互作用について説明する。 図4は、輸送面12及び個別に制御できるエアバルブ20の断面を示している。 図4Aに示される表面12上の物体10の位置は、位置決定手段14を介して制御手段18に知られている。 図4Aでは、所望の位置は物体10が南方向(図4Aの下側)に移動した位置であると仮定する。 したがって、制御手段18は、中央のエアチャンバ32 1の下側又は横方向に位置するエアバルブ20に続いて、北側に位置するエアチャンバ32 2の位置にあるエア開口20を作動又は開放する。 それにより、このチャンバ32 2の対応する開口を通じて側方に流出する空気は、開放されたエアノズル20により生成されるエアクッションにより支持された物体10を、矢印50により示されるように、所望の方向に移動させる。 図4Aでは、開放されたエアバルブが楕円によって示され、閉じられたエアバルブが直線によって示されている。

    図4Bは、図4Aと同じ開始位置を示している。 しかし、この場合、制御手段18は物体10を時計周りの方向にある所望の位置に近づけるために物体10を回転させなければならないと仮定する。 したがって、空気を中央チャンバ32 1へ吹き込むエアバルブ20の他に、制御手段は、対向するエアチャンバ32 3 ,32 7に対向するエアバルブ20を開放する。 チャンバ32 3から側方に流出する空気は、対向するエアチャンバ32 7から側方に流出する空気によってもたらされる推進力54の方向と反対の接線方向の推進力52を生み出し、それにより、物体10の時計周り方向の所望の回転動作が達成される。

    なお、図3に係る底面の特別な構成は単なる一例である。 多くの変更が可能である。 例えば、物体10の回転動作が重要でない場合、物体10は空気を径方向に流出させる、例えば互いに120°の角度で配置される3つの開口のみを備える。 物体10の軌道が例えば表面12上で、例えば対応するボードのように、別の方法により決定される場合には、対応する開口を側壁38に有する横方向凹部を、チャンバ32 1のように側壁に横方向開口を備えない更なる凹部又はチャンバに隣接して設けるだけで十分である。

    図2〜4Bの先の説明では、エアノズル20をエアバルブと呼ぶこともあった。 その理由は、エアノズルの個々の制御がエアノズルで直接に行われる場合があり、その場合にはエアノズルがエアバルブとしての機能を果たし、又は、常時開のそれぞれのエアノズルに対してバルブが関連付けられ、それによりそれぞれのエアノズルが個別に制御される場合があるからである。 そのようなエアノズル及び関連するバルブのそれぞれの対には、対応するエアチャンネルが明確に割り当てられ、そのため、多くの空間が必要となる。

    図5A及び図5Bは、エアバルブ20の閉状態及び開状態の一例を示している。 図5A及び図5Bによれば、エアバルブがシリコン60から形成される。 例えば、本体22全体(図2)がシリコンからなるか、又は、例えばガラスプレートのような主キャリアが例えばガラスプレートに穿孔されたマトリクス状の穴を有し、これらの穴に図5A及び図5Bに係る個々のシリコンバルブが取り付けられる。 例えば、バルブの材料60、例えばシリコンは、キャリアプレートの材料、すなわち例えばガラスの屈折率に等しい屈折率を有する。 この場合、例えば、完全に透明な外観が表面12を通じてもたらされる。 屈折率は例えば1.43とすることができる。 好ましくは弾性バルブ材料60では、例えば、表面12から反対側64へと貫通するスロット62が設けられ、反対側64には例えば圧縮空気を吹き付けることができる。 スロットは例えば弾性材料60に切り込まれたものである。

    スロットに沿って横方向に電極66 ,68が設けられ、これらの電極には異なる電位を印加することができる。 スロット62の内部コーティング70は、図5Aに示される閉状態で電極66,68が接触しないことを保証する。 もちろん、そのような内部コーティング70は、スロット62の閉状態時においても電極66,68が互いに接触しないようにスロット62から離れているときにはなくてもよい。

    図5Aの場合には、制御手段18によりエアバルブが閉じられる。 この場合、電極66,68には異なる電位が印加されている。 図5Bには、電極66,68に同じ極性の電荷担体が帯電されるケースが示されている。 図5A及び図5Bの実施形態によれば、エアバルブの電極66,68は2つの異なる電圧源に結合することができ、図5Bの場合、電極66,68はそれぞれ同じ極に接続される。 図5Bでは、これが例えば負極である。 それに伴って生じる電極66,68間の静電気反発力が、図5Bに示されるようにスロット62を楕円状に開放する。

    もちろん、図5A及び図5Bに係る実施形態は単なる一例であり、他の実施形態も可能である。 また、図5A及び図5Bは、電極66,68への供給ラインが図示されない限りにおいて簡略化された態様で示されている。 しかしながら、エアバルブの個々の制御のため、エアバルブをそれぞれの個々のラインを介して前述した電圧源に接続でき又は前述した電圧源から取り外しできなければならない。 また、図5A及び図5Bでは、線72が、バルブ材料60と例えばガラスプレートのような前述したキャリアプレートとの間の想定し得る境界を典型的な例として示すものであることに留意されたい。

    図6A及び図6Bは、図5A及び図5Bに係るエアバルブの実施形態に適用され、図4A及び図4Bに示されるような動作を生み出すためのマトリクス状の対応するエアバルブの制御を示している。 簡単に言えば、図6A及び図6Bは、典型的な例として図5A及び図5Bに係るバルブ20の配列を備える輸送面12の断面を示しており、この場合、物体10は図3に係る床構造を備え、表面12上に置かれる。 図6Aに示されるようにチャンバ32 1 ,32 2の下側に配置されるエアバルブ20が図4Aの場合のように南方向への移動を達成するために図5Bに係る開放状態に置かれ、他のエアバルブは図5Aに係る閉状態にある。 また、図6Bではチャンバ32 1 ,32 3 ,32 7の下側に配置されるエアバルブだけが図5Bに係る状態にあり、他のエアバルブは図5Aに係る閉状態にある。

    図26A及び図26Bを参照して後述するように、図5A〜6Bに関連して説明されたように同じ屈折率を有するガラスプレートによって支持されたエアバルブの構成は、閉じられたエアバルブによりガラスプレートの外観がエアバルブによって妨げられないという利点を有する。 すなわち、閉じられたエアバルブにより、プレートの透明性に影響を及ぼす“不連続点”が生じず、そのため、位置決定手段14が、位置決定を実行するために輸送面の下側に配置されるディスプレイを使用する図16〜25の実施形態において特に有益である。

    エアノズル20間の平均最小距離は、例えば、凹部32 29の横方向の大きさよりも小さい。 エアノズル20間の平均最小距離は凹部32 29の最小横方向寸法以下であることが好ましい。 物体が所望位置からのずれによってなすべき動きに応じて、制御手段18は、適切な凹部32 29の下側に位置する吹き出し用のノズルを選択する。

    図2〜6Bにおいて、エアクッションによって支持される物体の位置を変えるための横方向力は、対応するエアチャンバの通気を行なうことにより又は対応するエアチャンバに空気を吹き込むことによりエアクッション自体を生成するための圧縮空気によって生み出された。

    図7は、物体を表面にわたって移動させるための手段16であって、物体10と表面12との間に、すなわち具体的には物体10の位置でエアクション80を生成するために個別に制御できるエアノズルの配列を表面12に備える手段16と、エアクッッション80上での物体10の非接触の横方向移動及び/又は回転のための更なる手段82とを実施するための可能性を示している。 非接触の横方向移動のための手段82は、例えば、表面12上で物体10の位置の所望の変化を引き起こすために静電気力、磁力、又は重力場に対する表面12の傾きを使用することができる。

    表面12上の幾つかの物体のうちで1つの物体10だけが特にその位置に関して変化させられた場合、だからといって手段82が所望の物体10に特に影響を及ぼすことができる構成に限定されるわけではない。 より正確にいうと、所望の物体10の下側にのみエアクッション80が生成すれば、この所望の物体10に関してのみ、エアクッション80がなければ表面12と物体10との間に作用する静止摩擦と動摩擦が除去されるので、手段82による横方向力が他の物体にも作用したとしても、この所望の物体10だけがその横方向力によって横方向に移動するからである。

    手段82を実施するためのここでの1つの可能性は、例えば、物体10が対応する場を生成することにより移動させられるのではなく、フロアチャンバの横方向開口が図3の場合には選択的に開閉されることにより移動させられることを示している。 図8の場合には、図3の実施形態に加えて、開口40 2 〜40 9の選択的な開閉のための手段84 2〜9が設けられている。 手段84 2〜9の選択的な開閉は、例えば、制御手段18によって無線インタフェースを介して制御することができる。 先の説明によれば、制御手段18は、所望の開口40 2 〜40 9からの空気だけが横方向に逃げることができ、他の空気がエアクッション80を形成するように手段84を制御する。

    図8に関するそのような代替案では、開口を個々に選択的に開閉するための手段を使用する場合、一括してのみ制御できるか又は制御されずに常に開放されているエアノズルの使用も可能であることに留意されたい。 このケースで幾つかの物体10が表面12上に配置された場合、それらの位置を変更すべきでない物体に関しては、一組の手段84 2 〜84 9に対応する全ての開口が閉じるように手段84 2 〜84 9を制御することができ、それにより、開口が閉じられた部分ではエアクッションのみが物体の下側で物体を支持するように作用する。 移動させられるべき1又は複数の物体に関してのみ、1又は複数の開口が手段84 2 〜84 9によって開放される。

    図2〜8に関連して前述した実施形態は、物体と輸送面との間にエアクッションが生成されるという共通点があるが、これは、図9A〜13Bを参照して以下で説明される実施形態では随意的な手段を与えるにすぎない。 以下で説明される実施形態によれば、表面上における物体の位置変化は、輸送面に沿って分布して配置された個別に制御可能な磁気コイルの横方向分布の適切な制御によって生み出される。

    図9A及び図9Bは輸送面12を典型的な例として示しており、その輸送面に沿って磁気コイル90の配列が配置され、それにより、この磁気コイル90を通じて流れる電流により生成される磁気流は、基本的に、表面12に対して垂直な軸に対して対称に延びる。 すなわち、磁気コイル90の長手方向軸は表面12に対して垂直である。 図9Aに示されるように、例えば、磁気コイル90は、例えば透磁性材料から成るキャリア材料92中に埋め込まれている。 磁気コイル90の個別的な制御可能性は対応するライン及びスイッチによって引き起こされるが、それらのライン及びスイッチは図示を簡略化するために図9A及び図9Bには示されていない。 それらのライン及びスイッチは個々の磁気コイル90ごとにそれらのコイルを通じて個別に電流が流れるようにすることができる。

    実施形態に応じて、磁気コイル90は、例えば通電状態と非通電状態からなる状態、もしくは交流電流に晒される状態と小電流状態からなる状態のような2つの状態、又は小電流状態と電流の方向の異なる他の2つの状態からなる3つの状態のいずれかに設定される場合がある。 これらの制御可能性の組み合わせも可能であり、例えば、電圧源に対して磁気コイル90を個々に又は選択的に接続可能にし、制御手段18による設定に応じて、その電圧源からさらに全ての磁気コイル90に等しく、交流電流、一方向の直流電圧又は他の方向の直流電圧を与えることなどによって実現できる。

    表面にわたって物体を移動させるための手段16(図1)が個別に制御可能な磁気コイル90の分布を備えている場合、制御手段18は、物体10を位置決定手段14により決定される現在の位置から所望の位置へ変位させることができる。 この点において、物体10自体が磁気的に吸引及び/又は反発する材料、例えば鉄など、からなっているか、又は物体が1つ以上のそのような磁気的に吸引及び/又は反発する要素を透磁性材料中に局所的に備えているか、のいずれかとすることができる。

    図10A〜10Cは、物体10が透磁性材料から形成され、物体10の底面領域に磁気的に吸引及び/又は反発する要素が例えば透磁性材料中への鋳込みなどにより配置されている実施形態を示している。 透磁性材料は例えばプラスチックとすることができる。 図10A及び図10Bによれば、要素100は例えば永久磁石である。 図10Cの実施形態によれば、要素は例えばコイル110である。 以下に説明するように、もちろん、1つの物体において、幾つかの要素100又は110が物体10の支持面に沿って横方向の異なる位置に配置されていてもよい。 典型的な例として、図10A及び図10Bの場合には永久磁石10の磁極が輸送面12の表面法線に沿って配置され、図10Cの場合にはコイル軸が表面法線に沿って配置されている。

    図10Aは、制御手段18がどのようにして磁気反発力を使用して物体10を表面12に沿って移動させることができるのかを典型的な例として示している。 この点において、制御手段18は、例えば、表面12に沿って配置されたコイル90のうちの1つを作動させ、それにより、コイルの磁気的なN極が表面12を挟んで永久磁石100のN極と対向するようにする。 そのようなコイルは、物体10が移動させられるべき方向112と反対の一方向で永久磁石100の位置に対して変位して配置されている複数の磁気コイルのうちの1つの磁気コイル90である。 永久磁石100と励磁コイル90との間の磁気的な反発は、所望の方向112への力を引き起こす。

    一方、制御手段18は、永久磁石100に対して変位して所望の移動方向112に配置されている磁気コイル90を、その磁気的なN極/S極配列が永久磁石のそれに対応するように制御することができ、それにより、コイル90及び永久磁石100の対向する極が表面12を挟んで互いに反対となり、結果として生じる磁気吸引力が物体10の所望方向112での横方向移動を引き起こす。 図10Bの場合、制御手段18は、複数の磁気コイルのうち、物体10が移動させられるべき方向112に修正された方向又は方向112と同じ方向で永久磁石100の位置に対して変位して配置されている1つの磁気コイル90を励磁する。

    図10Cの場合には種々の制御可能性が存在する。 図10Cには示されていないが、物体10内に、もし使えるものなら、物体10の磁気コイル110に電流を発生させる、例えばバッテリ又は蓄電池などの電流発生手段が配置されており、それにより、磁気コイル110もこの状態で永久磁石100のうちの1つのように作用する。 この場合、制御手段18は、図10A及び図10Bに示されているような制御を実行することができる。

    磁気コイル110は、例えば物体内部バッテリ等により外部から制御され、かつそれにより通電されて永久磁石のごとく振る舞う必要がない。 磁気コイル110は、コイル110と平行な分岐を介して両端が短絡されていてもよく、又はインピーダンスを介して両端が互いに電気的に接続されてもよい。 この場合、励磁コイル90によって上向きに又は下向きに形成される磁場は、物体10の磁気コイル110を通過する電流を誘導し、その電流は励磁コイル90による磁場変化と反対の磁場、すなわち、励磁コイル90によって発生される磁場が増大する場合には反対の磁場、励磁コイル90によって発生される磁場が減少する場合には整流された磁場を発生させる。 制御手段18は、所望の方向112と反対の方向にあってコイル110に対して変位して配置された磁気コイル90'がコイル110の位置に向かって強くなる磁場を発生し、その磁場が磁気コイル110内の誘導電流によって物体10を所望の方向112に移動させるように、それらの磁気コイル90'を制御することによりこの効果を使用することができ、かつ、制御手段18は、所望の方向112の方向にあってコイル110に対して変位して配置された磁気コイル90がコイル110の位置に向かって弱くなる磁場を発生し、その磁場が磁気コイル110の吸引、したがって方向112での物体10の吸引を引き起こすように、それらの磁気コイル90を制御する。 制御手段は、例えば励磁コイル90又は90'が逐次的に制御され、方向112における物体10の磁気コイル110の下側又は磁気コイル110の領域で、最初に方向112における磁気コイル110の前方の励磁コイルが磁気コイル110の位置で磁場の増大をもたらし、その後、方向112における磁気コイル110の後方の磁気コイルが磁気コイル110の位置で磁場の減少をもたらすように、これを実行してもよい。 したがって、図10A及び図10Bの実施形態とは異なり、励磁コイル90が制御手段18によって励磁される励磁位置は、物体をその前方に押したり又はそれに沿って引いたりしないが、励磁位置は、物体10が所望の方向112で現在、位置している床スペースを周期的に通過する。

    コイル間距離よりも長い距離にわたる移動は、励磁されたコイル90が位置する場所が、前述したように物体を“引き寄せ”又は“押し進める”ように、物体10の現在の場所又は手段14によって決定された場所を前方又は後方に急がせるように、制御手段がコイルを選択的に励磁させることによって引き起こされる。

    図11A及び図11Bは、物体10の透磁性材料中に互いにずれて配置された磁気的に吸引及び/又反発する要素を物体10に設けることができる可能性を再び示している。 特に、図11Aの場合には、2つのコイル巻線110a,110bが互いに横方向にずれて配置され、一方、図11Bの場合には、物体10の底面に、2つの永久磁石100a,100bが設けられて互いにずれて配置され、永久磁石の磁気的なN極及びS極は、典型的な例として等しく、かつ物体10の支持面の表面法線に沿って配置されている。 コイル110a,110bの縦の軸も物体10の支持面に対して垂直に通過する。

    図12A及び図12Bは、物体10が図11A及び図10Cによれば受動磁気コイルを備え又は図11Bによれば磁石を備えるときに、制御手段18がどのようにして物体10の並進運動及び回転運動を発生させることができるのかを示そうとしている。 図11Bの場合は、表面12に沿う配列の磁気コイルとこの磁石との間の磁気吸引力が使用される。

    図12Aは特定の開始位置にある物体10を示している。 この場合、制御手段18は、物体10を矢印の方向へ並進移動させようとしている。 図12Aは、物体10が4つの永久磁石100a〜100d又は2つの磁気コイル110a,110bを備えることを前提としている。 磁気コイル110a,110b間又は4つの永久磁石100a〜100d間の距離は、規則的に配置されている磁気コイル90の距離に対応するように選択されている。 例えば、4つの永久磁石100a〜100dは、典型的な例として、それらが図12Aに示される位置で対応する4つの磁気コイル90と正確に対向するように配置されている。 物体10の90°回転により、他の磁気コイル90との間にそのような状況が再び生じる。 ここで所望方向への移動を発生させるために、矢印及びそれらの番号付けによって示される制御手段18は、磁気コイル90の励磁を永久磁石100a〜100d又はコイル110a,110bの下側に配置される磁気コイルからこれに対して所望方向にずれて配置された磁気コイルへと伝える。 すなわち、最初に、磁気コイルは、番号1を伴う矢印の方向に励磁され、その後、番号2を伴う矢印の方向に励磁されるなどといった具合である。 もちろん、対応する磁気コイル90の励磁は、物体10がコイル110a,110bを備えたものであるか又は永久磁石100a〜100bを備えたものであるかに依存し、場合に応じて、励磁は、対応する磁気コイル90に電圧変化を印加すること、又は、図10A〜10Cを参照して説明したように直流電圧を印加することを含む。 すなわち、物体10内に永久磁石がある場合は、励磁位置は単に物体10をその後方に引き寄せ、一方、物体10内に磁気コイルがある場合は、励磁コイルが時間的に制御され、それにより、物体10の磁気コイルの位置での磁場減少が所望の方向の吸引力をもたらす(図12Aの右上)。 ここで、後者のケースでは、前回に所望の移動方向のさらに前方にある励磁コイル90が、例えば、物体10の磁気コイルの位置で磁場増大が生じ、それにより所望の方向で反発力がもたらされるようにすでに制御された(図12Aの右上)。

    図12Bには、図12Aの場合と同じ開始位置が示されている。 しかしながら、この場合、この開始位置からずれて物体10の回転運動を達成するために、制御手段18は他の磁気コイル90を励磁する。 現在励磁されている磁気コイルの励磁が次回までにどのように変更されるのかが先と同様に番号1を伴う矢印によって図12Bに示されている。 図示のように、反時計周りの回転運動が生じる。

    図13A及び図13Bも、先と同様に、図10Aに示された場合、すなわち、磁気的な反発力を使用することによる物体の動作を示している。 図13A,13Bの場合、物体は、図11Bにおける場合のように2つの永久磁石100a,100bのみを備えている。 磁気極性は図10Aのそれに対応する。 すなわち、励磁された磁気コイル90は、永久磁石100a,100bと反対の方向の極性が付与される。 この場合も図13A,13Bに示される方向で励磁される磁気コイル90の位置が移動し、それにより、永久磁石100a,100bが“それ自体の前方へ移動させられる”。

    以下、図14〜図15Bを参照して、表面にわたって物体を移動させるための手段16(図1)に関する実施形態について説明する。 この実施形態によれば、運動発生のための手段が屈曲波又は表面波を表面12で発生させる。 したがって、以下の開示は、図9A〜13Bに係る磁気的な横方向運動発生のための別の手段を表わしており、物体の重量を減少させるためにエアクッションが使用される手段と随意的にのみ組み合わすことができる。

    この実施形態が基づく原理が図14に示されている。 屈曲波発生手段141によって発生される輸送面12に沿って伝搬する表面波又は屈曲波は、表面12の表面点の位置を経時的にみると、表面点の楕円運動140を引き起こす。 なお、この場合も先と同様、図14には、所定時における表面12の状態がその横方向の広がりに関して示されており、また、特別な表面点140に関して、その位置の経路が、経時的に、すなわち、符号140で楕円及び矢印により示されている。 図14の場合には、屈曲波の移動方向が矢印142に沿っている。 図示のように、表面12の表面点は、物体10が載置されるそれぞれの波ピーク144が運動し、すなわち、その最上点がライン140の方向に運動し、屈曲波伝搬方向142と反対の方向146に移動する。 したがって、少なくとも主に波ピーク144によって支持される物体10は、屈曲波によって波ピークで表面点と同じ方向148、すなわち、方向146に移動する。

    したがって、図14の実施形態によれば、表面にわたって物体を移動させるための手段16(図1)は、表面12内で屈曲波を発生させるための手段を含む。 制御手段18は、図14に描かれるように物体10が所望の方向に移動させられるように屈曲波を発生させる。 この点に関し、制御手段18は、屈曲波生成を計算するために、波動場合成からの既知の計算方法を使用することができる。

    図15A及び図15Bは、屈曲波がどのようにして輸送面12内で生成され得るのかの可能性を表わしている。 輸送面12はプレート150によって形成される。 プレート150は、例えば硬質であり、透明であってもよい。 透明な輸送面12は、位置決定手段14のための以下の実施形態との組み合わせを可能にする。 その実施形態によれば、位置決定のために図15Aに既に示されているスクリーン152が使用される。 プレート12は、その縁部154に沿って、断面がU形状のキャリア156により、接着剤及び/又はプレート50での屈曲波を減衰させるための手段としての機能を果たすことができる材料によって保持される。 その材料は、保持クリップとしての役目を果たすキャリア156とプレート150との間の間隔又は隙間を占めている。 そのようにして、例えばプレートが機械的に接続され、及び/又は、プレートが音響的に結合又は切り離される。 圧電素子160がプレート150の両側に設けられ、キャリア156の対向する内面162a,162bへと延びてそこに付着されている。 それにより、図15Aに二重矢印により示されるように、機械的な振動を可能な限り減衰させることなくプレート150の表面法線方向でプレート150へ伝えることができる。 圧電素子160は、例えば、適切で典型的な例としては互いに等距離で、プレート150の縁154に沿って配置されている。

    キャリア156中には、図15A及び図15Bに示されるように、プレート縁が延びている方向に沿って溝164を設けることができ、減衰材料158により保持されるプレート150が溝164内へ突出している。 それにより、プレート150に対してその表面法線の方向に非常に強い力を及ぼすとき、圧電素子160又は減衰材料158が損傷されない。 すなわち、その溝は、圧電素子が損傷されないように、減衰材料158によって規定される休止位置の付近で、表面法線方向でのプレート150の並進動作を制限する。

    もちろん、圧電素子160に対して更に外側に配置される溝164は、溝164がプレート150を保持するように、その内側とプレート150との間に空間を残さないように設けてもよい。 例えばプレートの剛性及び厚さのような状況によっては、溝164の内側とプレート150との間に空間を残さない方法が、適切な周波数及び振幅を有する屈曲波発生を容易にする場合がある。

    しかしながら、図15A及び図15Bに示される解決策に対しては、複数の別の手段が存在することにも留意されたい。 それらの手段は、励磁のタイプ、すなわち、例えば電動ドライブ等による圧電ドライブ以外の駆動機構に関連するとともに、縁での固定、非固定、例えば減衰材料又は縁部の適した断面形状による縁での屈曲波減衰、例えば溝及び/又は発泡材料の代わりのビーズ等によるプレートの支持、及び励磁手段160の配置に関連する。

    図15Aには、圧電素子160がプレート150の両側に配置されていることが示されているが、圧電素子160が一方側にのみ、例えば輸送面12を形成する側にのみ配置されることも可能である。

    適当な予防措置により、プレート150の縁154での屈曲波の反射を防止することができる。 このため、その縁154に沿うプレート150が例えばコーティングされ、減衰材料158が適切に選択され、又はプレート150の形状がその縁にテーパ断面等を備え、これらの方法のうちの1つ又は組み合わせで反射防止縁終端を設ける。

    図15A及び図15Bには図示されないが、プレート150は例えば長方形状又は正方形状とすることができる。 他の形状、例えば円形等も可能である。

    最後に、屈曲波が必ずしもプレートに形成される必要がないことに留意されたい。 場合により、その一方側が輸送面としての機能を果たす大容量体に表面波が発生されてもよい。

    表面にわたって物体を移動させるための手段16(図1)に関して本発明の実施形態を説明した後、以下では、まず、図16〜25を参照して、位置決定手段14(図1)のための複数の実施形態について説明する、それらの実施形態によれば、位置決定手段14はディスプレイと物体内の光センサとを備える。

    図16は、ディスプレイ602上の物体601の位置又は場所を決定するための装置を示している。 この装置は、ディスプレイ602が横方向変化情報を前面602aに表示するようにディスプレイ602を制御する制御手段603aと、横方向変化情報に関するサンプリング結果を得るために物体601が停止又は静止している前面602aの支持面602a'を光学的に走査するために物体601内又は物体601に設けられる光センサ603bとを含む。 さらに、この装置は、サンプリング結果に応じてディスプレイ602上の物体601の位置を決定するために、図16に破線で示されるように、物体内もしくは物体上、及び/又は物体から離れて物体の外部に配置された決定手段604,604'を含む。

    以下の実施形態で更に詳しく説明するように、制御手段603aによる制御時にディスプレイ602が表示する横方向変化情報については様々な可能性がある。 例えば、 制御手段 603aは、ディスプレイ602の制御により、ディスプレイ602がディスプレイ602の現在のスクリーン背景から弁別可能で空間的に限られた光学的な特性像を表示するようにディスプレイ602上の物体601の想定し得る場所又は位置を逐次的に要求するようにディスプレイ602を制御することができる。 その特性像は、例えば完全に照明されたピクセル、OFFに切り換えられたピクセル又は点滅ピクセルのようなものであり、横方向変化情報を前面602aの異なる位置に逐次的に表示する。 この点において、その特性像は、例えば、ラインごとの走査のようなジグザグ態様でスクリーン602全体を走査する。 想定し得る位置での特性像の逐次表示と決定手段604又は604'との間の同期に基づき、決定手段604又は604'は、ディスプレイ602上の特性像の逐次表示と光センサ603bが特性像を検出する時間、すなわち、特性像が支持面602a'内に位置する時間との間の時間的な関係又は比率から、ディスプレイ602上の物体601の位置を決定することができる。 符号604'で示されるように決定手段604又は604'が物体601の外部に配置される場合には、決定手段604'と制御手段603aとの間の共通の時間基準又は同期化が例えば共通のタイミングにより簡単な方法で実行することができる。 この場合について、以下に後段の図面を参照して更に詳しく説明する。 しかしながら、特性像の逐次表示の開始に関しては制御手段603aにより物体601内の決定手段にのみ情報が与えられ、その後、特性像が所定の速度で、例えば周期的に、想定し得る場所又は位置を通過することも想定し得る。 同期化を維持するために、更なる比較が行なわれてもよい。 特性像の次の想定し得る位置へのそれぞれの移動の後に光センサ603bにより検出された輝度値が積極的に問い合わせされるように決定手段604又は604'及び制御手段603aが協働することが更に想定し得る。 この場合、例えば、最初に、特性像が更に移動され、次に、輝度値が問合せされる。

    物体601の想定し得る位置を、これらの位置を逐次的に通ってこれらの位置で特性像を逐次的に示すことによって逐次的に又は更には周期的に問い合わせできる前述した可能性の他に、ディスプレイ602の大きさの1/2 nに対応する精度でn個のステップで物体601の位置を特定できる二進再分割精密化をディスプレイ602が段階的に表示するように、ディスプレイ602を制御する制御手段 603aによって位置を決定するための更なる可能性が存在する。 例えば、 制御手段 603aは、他方の1/2部分におけるものと異なるものを一方の1/2部分に表示することにより、あるいは、他方の1/2部分とは異なるものを一方の1/2部分でスクリーン背景上に重ねることにより、ディスプレイ602の大きさを最初に2つの1/2部分へと分割する。 光センサ603bによるサンプリング結果に基づいて、決定手段604は、物体601がどちらの1/2部分に位置しているのかを決定することができ、その後、次のステップにおいてこの1/2部分を対応する方法で再び半分に分割するとともに、新たなサンプリング結果に基づいて、物体601がスクリーン602のどのスクリーン1/4部分に位置しているのか等を決定する。 ディスプレイ602上に幾つかの物体がある場合には、制御手段603aが、特定のステップにおいて、物体が位置する現在の全ての領域を半分に分割することも想定でき、したがって、前述した段階的な精密化二進再分割により幾つかの物体の同じ分解能での位置特定が同時に可能である。 また、この種の位置特定についても以下の実施形態で更に詳しく説明する。 決定手段が光センサ603bのサンプリング結果を段階的な精密化二進再分割の正しいステップに割り当てることができるような決定手段604又は604'と制御手段603aとの間の共通の時間基準は、例えば1つ以上の輝度値をステップ毎に問い合わせることにより、ディスプレイスクリーンの前回の走査問い合わせにおける場合のように実行することができる。

    最後に、制御手段603aは、ディスプレイ602が横方向に変化する横方向変化情報を表示するようにディスプレイ602を制御することができ、それにより、光学的中心603bによって走査される範囲に対応する大きさの範囲と共にこの情報の一部を使用して、ディスプレイ602内の場所を一意的に断定できる。 これに関する一例は、その間隔幅がディスプレイ602の1つの角から反対の角に至るまで全く単調に変化するディスプレイ602上のチェッカーパターンである。 この場合、決定手段604と制御手段603aとの間で同期化又は共通時間基準は必要とされない。

    決定手段604'を物体601の外側に配置する1つの利点は、位置特定されるべき各物体601に与えられるべき性能に関する要件が低いという点である。 光センサ603bから決定手段604'への無線送信の場合には、例えば、光センサ603bにより検出された輝度情報が直接に決定手段604'へ送られ、その上で決定手段はディスプレイ602上に表示された横方向変化情報に関する輝度情報を検査する。 しかしながら、物体601内に位置される決定手段の部分604が光センサ603bの純粋な輝度情報の前処理を既に実行し、それにより、支持面602aの領域でディスプレイ602を逐次的に通過する特性像の発生時間のような、輝度情報から抽出される情報を他方の部分604'へ送信することも更に可能である。 以下、異なる更なる可能性について説明する。

    ここでは、先に、ディスプレイ上の物体を決定するための装置について大まかに説明したので、以下では、図17〜20を参照して、例えばチェス等のためのゲーム装置について説明する。 その場合、ゲーム装置のディスプレイ上における1つのゲームピース又は幾つかのゲームピースの位置が特定され、それにより、以下の開示は、いわば、図16に描かれる装置のための想定し得る用途も表わす。

    以下では、そのようなゲーム装置について説明するが、ゲームピースのためにここで使用されるような位置決定は、図16〜20の図面の説明後に明らかにされるように、対応する物体のための他の用途で適用することもできる。

    符号605によって全体的に示される図17のゲーム装置は、ディスプレイ610、コンピュータ612、受信器614、及びゲームピース616を含む。 コンピュータ612は、ディスプレイ610に接続されており、例えばコンピュータ612のグラフィックスカードのような、ディスプレイ610を制御するための制御手段618と、以下で詳しく説明するようにゲーム装置605のゲーム機能に関与するコンピュータで実行されるプログラムと関連するコンピュータ612の例えばCPUのような処理手段620とを含む。 コンピュータ612又は処理手段620は受信器614に更に接続されている。

    ゲームピース616は、ゲーム中はディスプレイ610上に支持され、それによりディスプレイ610のスクリーンコンテンツの一部、すなわち、支持面を覆うように設けられた床スペース622を備えている。

    ゲームピース616の内部には、受信器614と通信し、かつゲームピース616がディスプレイ610上に配置されるときに床スペース622の下側に位置するスクリーンコンテンツの一部を検出することもできる送信手段624が設置されている。

    このゲーム装置は、更に、ユーザ相互作用を伴うことなくゲームピースを移動させる能力を有する。 この点において、コンピュータ612又は処理手段620は、例えば、制御手段18の機能も引き継ぐとともに、制御手段18を介して位置決定手段に結合される移動手段16を有する。 この場合、位置決定手段は、ディスプレイ610、処理手段620、制御手段618、及び物体616内の光センサによって構成される。

    図18に示されるように、送信手段624は、特に、応答信号を受信器614へ送信できる送信器626(以下で更に詳しく説明される)と、床スペース622に入射する放射線又は光を検出するように位置合わせされた例えばフォトアレイ又はフォトセルのような光センサ628とを含む。 その他に、送信手段624は送信器626を光センサ628に結合する処理手段630を更に備えていてもよい。 しかしながら、別の方法として、送信器626と光センサ628との間の直接的な結合も可能である。

    ゲーム装置605の個々の構成要素について前述したので、以下では、図19を参照して、ゲーム中のゲーム装置の機能について説明する。 ゲームは例えばチェス等であってもよいが、図19に関連する以下の開示は、チェス等に限らず、ディスプレイ610上のゲームピース616の位置の決定に関連する処理手段620の機能性の説明に限定されている。 処理手段620はディスプレイ610を、例えば、コンピュータ対戦相手等のゲーム手番をプロットして、ゲーム手番を決定するために使用する。

    その基本状態、すなわち、図19に係る方法の初期状態では、ディスプレイ610がゲームフィールドを表示するように、処理手段620により制御手段618がディスプレイ610を制御する。 したがって、処理手段620は、ディスプレイ610上に表示されるゲームフィールドに関して詳しくわかっている。 図17には、一例として、3つのゲームフィールド632を備えたゲームフィールドが示されており、これらのゲームフィールド632上にゲームピース616をゲームルールにしたがって配置することができる。 ステップ634では、背景画像を表示することが実行される。 その後、制御手段618は、背景画像又はゲームボードの想定し得るゲームフィールド632上に、背景画像から明瞭に識別できる特別なパターンを重ねるように、ディスプレイ610を制御する。 特に、制御手段618は、ステップ636において、ゲームフィールド632が特別なパターンを逐次的に次々とそれぞれ表示するために、ゲームフィールド632が次々に、例えば周期的に受け渡されるようにディスプレイ610を制御する。 それぞれのゲームフィールド632内での特別なパターンの表示は、例えば、ゲームフィールド632の内部の部分領域638、例えばディスプレイ610の1つのピクセル等に限定することができる。 特別なパターンは、特別な色により、又は輝度もしくは色を時間的に変化させることによって、ゲームボードを表示する残りの背景と異なるようにすることができる。 この点に関し、以下に種々の実施形態を示す。

    ステップ636中、送信手段624の光センサ628は、ゲームピース616の床スペース622の下側に位置するディスプレイ610のスクリーンコンテンツの部分を連続的に走査する。 ステップ636において、ゲームピース616が配置されているゲームフィールド632に特別なパターンが表示されると直ぐに、光センサ628の出力信号において処理手段630のために特別なパターンを検出することができる。 ステップ640において処理手段630が光学的パターンを検出した後、処理手段630は送信器626に非接触インタフェース642を介して受信器614へ応答信号を送信させる(ステップ644)。 受信器614は応答信号を処理手段620へ送る。 応答信号を受信するときに、処理手段620は、ステップ636において特別なパターンが表示されているゲームフィールド632について更に知らされる。 それぞれのゲームフィールド632での特別なパターンの表示と送信器626によって応答信号を送信したという情報の受信との間の想定し得る時間的ずれを考慮して、処理手段620は、その後、ステップ646において、ディスプレイ610上のゲームピース616の位置を決定する。

    応答信号を非接触インタフェース642を介して送信することは、例えば、RFID技術(無線周波数識別)を使用することにより可能である。 しかしながら、更に、処理手段620への送信手段624によるワイヤ結合送信(図17に示されない)が可能である。

    ステップ644で送信器626により送信される信号が固有の識別番号を含むようになっている場合には、ステップ646において、ピースの位置決定以外に、複数のゲームピース間でのピースの固有の識別も実行することができる。 これは、例えば、ゲームピースが異なる意味をもつチェスなどのゲームを可能にし、したがって、処理手段620はゲームピースを見分けることができなければならない。

    チェスゲームの場合、32個のチェスピース間を見分けるために、固有の識別番号は例えば1と32との間の識別番号とすることができる。

    ゲーム中はいつでも処理手段620はディスプレイ610上に位置するゲームピース616の位置及びタイプがわかっているので、特別なゲーム状況の高速“コピー”が可能であり、最初にチェス開始位置からその状況まで“手筋を追う”必要はない。

    コンピュータ612又は処理手段620が更にデータインタフェース648(例えばモデム又はネットワーク接続など)に接続されている場合、処理手段620は、全てのゲームピースの位置及び識別情報、さらに、適用可能な場合には、ディスプレイ610上に表示されている背景も外部装置へ送信することができる。 また、処理手段620がデータインタフェース648からデータを受信できるようになっている場合には、この方法によりチームプレイヤモードを達成することができる。 例えば、チェスゲームでは、二人のプレイヤが互いを相手にしてもよく、その場合、それらの処理手段620は、インターネットを介してデータインタフェース648によりネットワーク化されている。 各プレイヤは自分自身のピースのみを移動させる。 ネットワークを介して接続されるプレイヤのピースは、位置決定手段14、移動手段16及び制御手段18を用いてローカルコンピュータにより移動させられる。 例えば、図19に記載されるように、第1のプレイヤの動きに伴って、ディスプレイ610により示されるゲームボードのもとで直近に動かされたゲームピース616の新たな位置が局所的に検出される。 処理手段620は、その後、このピースの新たな位置を、インターネットを介してデータインタフェース648により第2のプレイヤの対応する処理手段620へ報告する。 次に、第2のプレイヤの処理手段620は、制御手段618に、第2のプレイヤのディスプレイ610上でその動かされたゲームピース616(例えば、ビジョップ、ポーンなど)が新たな位置をとるように移動手段を制御させる。 その結果、第2のプレイヤは、新たなゲーム状況を登録して自分の次の動きを計画することができ、その動きは、その実行後、前述の方法にしたがって第1のプレイヤに再び報告される。 このように、ゲーム605はチェスゲームとして使用することができ、その場合、コンピュータを相手にするが、空間的に離れた他のプレイヤを相手にすることもでき、敵のピースは自動的に動く。 処理手段620は、ゲームルールの順守をチェックし、ゲームルールに従わない行為が行なわれたときに、一人のプレイヤ(コンピュータコンポーネントを相手にするゲームの場合)又は複数のプレイヤ(チームプレイヤモードのゲームの場合)に知らせることもできる。

    チェスゲームの先の例では、チームプレイヤモードが必然的に二人のプレイヤのみを含むが、例えばゲーム“ Mensch-Arger-Dich-Nicht”(Ludoボードゲームに相当する)などの幾人かのプレイヤが互いに競争するゲームを、ゲーム装置605を用いて行なうこともできる。

    更なる実施形態は、例えば戦略ゲームなどのゲームの実施を説明することである。 この場合、個々のゲームピースの位置及び識別の決定が決定的に重要なだけでなく、ゲームボード上のフィギュアの方向も重要である。 例えば軍隊の前進、後退、又は挟み撃ち動作など、幾つかのゲームにとって戦略的に重要なピースの方向の情報は、例えば図20に示された装置及び方法を使用して検出することができる。 ディスプレイ610の全てのフィールドに逐次的に示されるパターン638は、例えば3×3ピクセルを含むことができる。 ゲームピース616の位置の決定及びこのゲームピース616の識別は、チェスゲームの前記実施形態の場合のように実行することができる。 ここで、ゲームピース616の方向決定は、例えば、4つの時間的ステップのそれぞれにおいて、パターン638の1つのコーナーピクセルがOFFに切り換えられ(コーナーピクセルが照明されない)、したがって送信手段624の光センサ628によって検出できないようにして実行することができる。

    この場合、送信手段624の対応する光センサ628は、3×3ピクセル大のフィールドのコーナーピクセルが空になる又は“ブラインド”パネル(すなわち、走査できない)となるように設定される。 4つの時間的ステップのそれぞれにおいて、送信手段624内に設置された処理手段630は、光センサ628によって検出される暗い(照明されない)コーナーピクセルの数をチェックする。 4つの時間的ステップのうちの1つにおいて、パターン638の OFFに切り換えられたコーナーピクセルは、光センサ628の“ブラインド”コーナーピクセルと一致する。 すなわち、1つのコーナーピクセルだけが暗いとして検出される。 4つの時間的ステップの最後に、処理手段630は、送信器626に、4つの時間的ステップのうちの何れで1つだけの暗いコーナーピクセルが登録されたかの情報を含む応答信号を処理手段620へ送信させる。 処理手段620において図(例えば“左後方”)に関連する光センサ626でブラインドピクセルの位置がわかっている場合には、この応答信号から、ゲームピース616の方向決定が可能である。 これは、処理手段620は、パターン638を表示するときの4つの時間的ステップと、4つの時間的ステップのうちの何れで1つだけの暗いコーナーピクセルが登録されたかの情報を知ることにより、ゲームピース616の固有の方向情報を得るからである。 この種の検出は、ゲームピース616の4つの方向指示、すなわち、“そのまま前進”、“右に曲がる”、“左に曲がる”、及び“そのまま後退”を可能にする。 パターン638及び光センサ628の想定し得る更に細かい“ピクセル化又はぼけ”は、例えば、ゲームピース616の方向のより正確な決定を可能にする。

    また、光センサ628によって検出されるパターン638を応答信号として処理手段620へ報告する送信手段624によりゲームピース616の方向を決定することもできる。 その際、処理手段620は、この応答信号から、ディスプレイ610上のパターン638の方向に関するその知識を使用して、応答信号に含まれるパターン638の画像が例えば“逆さま”であることを検出することにより、ゲームピース616の方向を決定してもよい。

    ステップ644における応答信号の送信は、光センサ638によりパターン628を検出することが常にトリガーとなって引き起こされたが、送信手段624は、光センサ628によって検出される画像及び固有の識別番号を処理手段620へ永続的に送信することもできる。 その後、処理手段620は、例えば、制御手段618に、フィールド632のそれぞれのうちの1つにパターン638を周期的に表示させる。 この場合、物体616の位置決定は、送信手段624によって送信される画像がパターン638を含む時期を登録する処理手段620によって実行され、したがって、パターン638が生成されるフィールド632内での物体616の固有の位置決定が可能である。

    既に先に言及したように、処理手段630は、センサ628の測定値が送信される場合に欠けていてもよく、その場合、測定値は、センサ628に入射する光に依存する数とすることができる。 もちろん、処理手段は、量子化又は閾値比較によって、送信前にこの数から他の値を決定してもよく、その場合はこの値がその後に決定手段へ送信される。 幾つかのピクセルを有するセンサの場合には、例えば、全てのピクセルの測定値が一時に決定手段へ送信される。 処理手段630は、例えば、ピクセルの幾つかの測定値から前処理によってスカラー値を決定してもよく、そのスカラー値がその後に応答信号として決定手段へ送信される。

    以上、処理手段620により制御手段618がフィールド632のうちの1つにそれぞれパターン638を逐次的に表示する装置及び方法のみが説明されているが、一意的に弁別可能な異なるパターン638がディスプレイ610上のフィールド632のそれぞれに同時に表示されることも可能である。 このとき、物体616の位置決定は、光センサ628によって検出される画像を処理手段620へ連続的に送信する送信器626によって可能であり、処理手段620は、その後、受信画像とフィールド632内に表示される全てのパターンとの比較から、フィールド632内の物体616の位置を決定する。 この場合、表示されるパターン638は応答信号に含まれる画像に対応する。 ここでは、他の方法として、ディスプレイ610上に表示されるパターンと画像との適合を得るために、送信画像の回転が処理手段620によって考慮されてもよい。

    図16〜20の先の説明では、処理手段620が図16の決定手段604'としての機能を果たし、また、処理手段620が図16の決定手段604の作業を引き継いだ。

    なお、先と同様に、光センサ603b又は628が横方向分解能を備える必要がないことは明らかである。 光センサは1つのピクセルだけを備えてもよく、その場合は、各ポイントで一時に色情報を含む1つの輝度値だけを色情報を除いて決定する。 特に、光センサが単一のフォトダイオードとして設けられていてもよい。 フォトダイオードの配列は不要である。 これについては、幾つかのゲームピースを用いるゲームに言及し、かつ図17を参照して説明される以下の実施形態で再び説明する。 例えば、この実施形態において、全てのゲームピース616は、送信手段626及び適用可能な場合には処理手段630を含む受動又は半受動RFIDセンサを備え、そのセンサには、例えばその寸法に関してディスプレイ610のピクセルよりも大きい感光領域を備えたフォトダイオード628などの1つの単一の光センサが接続される。 この典型的なケースのゲームピースには比較的大きいサイズであってもよいフォトダイオードだけが設けられているため、ゲームにおけるコストは、それぞれのゲームピース616内にフォトダイオードの配列を設ける場合よりも少ない。

    このゲームの筋書きにおいて、図17の装置は、例えばディスプレイ610上のゲームピースの位置を特定するために、また、適用可能な場合にはゲームピースの方向を決定するために、図21に係る方法を実行する。 図21に示されるように、この方法は、処理手段620が制御手段618を介してコンピュータ612のディスプレイ610にスクリーンが暗くなるようにスクリーンをOFFに切り換えるように指示することにより始まる(ステップ660)。 その後、処理手段620は、全ての到達可能なRFID624又は全ての到達可能なゲームピース616を送信器/受信器614を介して検索するとともに、それぞれの光センサ628の状態又は輝度値、すなわち、それぞれの到達可能なゲームピースの光センサが例えば問い合わせ時に暗いと見るか又は明るいと見るかを記録又は記憶する(ステップ662)。 RFID技術は言うまでもなく無線通信642の単なる一例であるが、そのRFID技術に応じて、例えば1秒当たり100〜1000個のRFID、したがって100〜1000個のゲームピースを処理手段620のために見出すことができる。 ステップ662の結果は、ゲームボード又はディスプレイ610上に位置するか否かとは無関係に受信器614の近傍に位置する全てのゲームピースのリストである。

    その後、コンピュータ612の処理手段620は、制御手段618を介してディスプレイ610をON(明るい)に切り換える(ステップ664)とともに、その後のステップ666で全ての到達可能なRFID624を再び検索し、又は、ステップ666において到達可能なRFID624の光センサ628の状態を少なくとも記録する。 それぞれの到達可能なRFID624における2つの輝度値から、処理手段620は、それぞれの光センサ628の状態又は検出された輝度値が所定の基準を超えて変化したゲームピース 616を検出できる。 ステップ664におけるON又は明の切り換え前後の輝度値のこの比較は、ステップ668において処理手段620により実行される。 ステップ668の結果は、ゲームボード又はディスプレイ610上に位置するゲームピースである。 これは、そのセンサ状態が変化したゲームピースがディスプレイ610上に配置され、一方、他のゲームピースがディスプレイ610又はゲームボード上に配置されないと仮定されるようになっているからである。

    場合により、ステップ668での検出の安全性を高めるため、ステップ660〜668は1回又は複数回繰り返してもよい。 この場合、ステップ662及び666での検索又は記録は、例えば、既に知られているRFIDに限定してもよい。 全体で、すなわち、繰り返しを伴い又は伴うことなく、ステップ660〜668は例えば最大2秒内で実行される。

    その後、コンピュータ612の処理手段620により、ディスプレイ610が制御手段618を介して段階的に2等分される。 例えば、まず最初に、一方の1/2部分610 1を暗くなるように切り換えるとともに、ディスプレイの他方の1/2部分610 2を明るくなるように切り換え、次のステップで、再び、2つの1/2部分内で、一方の1/2部分610 3を暗くなるように切り換えるとともに、他方の1/2部分610 4を明るくなるように切り換える。 また、その後、再び、画定された1/4部分610 3を再び暗い1/2部分及び明るい1/2部分の状態に分けるといった具合である。 個々のステップでディスプレイ610上に次々と表示されるスクリーンディスプレイの1つの想定し得るシーケンスが左から右への順序で図22に示されている。 この場合、典型的な個々の部分ステップ670a,670b,670c,670dが4つだけ示されている。 処理手段620はステップ670においてこの2分割を実行するが、処理手段は、ステップ670の各部分ステップごとに、ゲームピースがスクリーンの明るい1/2部分又は暗い1/2部分に位置していることをそれぞれの光センサ628が示すかどうかを記録する。 このように、処理手段620は、ステップ670において、ゲームピース616の位置の「二分探索法」を実行する。 ゲームピース616の記録された又はログされた応答又はフィードバック、又は、二分探索法670の個々の部分ステップ670a,670b,670c,670d等における記録された輝度値に基づいて、処理手段620は、個々のゲームピースの位置を断定する。

    また、処理手段620は、ステップ670において、二分探索法を実行して、すなわち、最初にスクリーンの1/2部分を明又は暗に切り換えて、その後に1/4部分を切り換えて、その後に1/8部分を切り換えるなどすることにより、どのゲームピースが更に小さい何れの明領域を伴う場所に位置するのかを決定し、その後、どのゲームピースが明又は暗を報告するのかをチェックすることができる。 フィールドごとに検索しなければならないのは、少数で既知のフィギュアであり、したがって、正確に処理されなければならないのはピースが位置する領域だけであるため、ステップ670における二分探索法はあまり時間がかからない。

    図22から分かるように、二分探索法670における各部分ステップでの明領域及び暗領域への領域分割はかなり小さくなる。 特に、この分割がピクセル分解能自体と同じ程度に小さくなることが想定し得る。 特に、分割は非常に細かくなり得るため、1つの部分ステップにおける個々の明領域はゲームピース616の光センサ628よりも小さく、すなわち、ゲームピース616の床スペース又は底面積よりも小さく、そのため、処理手段620は、個々の部分ステップ670a〜670dにおける記録された応答又は輝度値から、ピース616の縁、特に対応する光センサ628の感光領域の縁も決定できる。

    したがって、ステップ670の結果は、スクリーン610上に位置するゲームピース616の場所である。

    その後のステップ672において、この場合には、処理手段620が、ステップ670のゲームピースのそれぞれの位置で、スクリーン610上に位置するゲームピース616の光センサ628の光センサ範囲の正確な走査を実行する。 その走査は、例えば、たった1つのピクセル又は1つの光点による走査である。 例えば、適切な幾何学的パターンをもったマスクが各ゲームピース616の光センサ628の前方に配置される。 例えば、そのパターンは、スクリーン平面内での90°を超える回転によりその当初の形態へと変換されるもの、又は、例えば360°回転された場合にその当初の形態へと変換されるものとすることができる。 この場合、場合によりステップ672での走査により、ピース616の位置だけでなく方向も決定することができ、その方向にそれぞれのピースが位置合わせされ又は方向付けられる。 例えば、ゲームピース616のRFID626は、送信/受信手段614を介して個別に高い頻度をもってアドレス又は問い合わせすることができる。 例えば、1秒当たり100個を超える読み取り操作が可能であり、それにより、ステップ672における正確な走査をユーザに感知させずに高速で行なうことができる。 特に、ステップ672における正確な走査は、例えば、ゲームピース位置に限定される。 前述したように、センサが輝度値のみを送信するようにすることにより、マスクの横方向分解能のための対応するパターン認識はコンピュータ612又は処理手段620側で行うことができる。 ゲームピース616は、マスク又は対応する形状の光センサ628のみを必要とする。 それぞれのゲームでゲームピースの方向が検出されなくてもよい場合には、円形の光センサ又は円形のマスクが可能である。

    図23に示されるように、ゲームピース616は、場合により、その床スペース622に、光学特性を向上させるため、ディスプレイ610のピクセル692を光センサ628又は光センサのマスク(図示せず)へ写像するレンズ690、例えばプラスチックレンズを備えることもできる。 例えば、レンズ690は、スクリーン610を機械的損傷等から保護するためにスクリーン又はディスプレイ610とゲームピース616との間に配置される透明な保護スクリーン694により決まる、床スペース622とディスプレイ610のピクセル692との間の距離を埋める。 このようにレンズ690を使用することにより、塵埃が対物面内に位置せずレンズ面の近傍に位置するため、ゲームフィギュア616の床スペース622上の塵埃の悪影響を減らすこともできる。

    なお、言うまでもなく、図21〜図23を参照して説明した実施形態は、前述したパターン認識がゲームピース内で、すなわち、処理手段630内で実行されるように実施することもできる。

    最後に、ディスプレイ610にわたるゲームピースの移動中にディスプレイ610上の複数のゲームピース又は1つのゲームピースを追跡できることに留意されたい。 この目的のため、ゲームピース又は物体は、例えば、十分に高い頻度で走査される。 このようにして、中心位置からの移動及びねじれの両方を検出することができる。 このようにして、ゲームピースは、それらがユーザによりゲームフィールド又はディスプレイ610にわたって移動させられる間に追跡することができる。

    また、最後に、図24は、送信手段624を実際のゲームピース616に対して強固に連結せずにゲームピースに付着するように設けることができることを明確に示している。 図24によれば、送信手段624は例えばベース700内に配置され、このベースにはゲームピース616を挿入し、ねじ込み、又は他の方法で取り付けことができるようになっている。 最後に、図25は、光センサ、例えばフォトセル628の感光領域を覆い、かつ開口712を備えたパネル710の1つの想定し得る配置の平面図を示している。 開口712は、それを通じてのみディスプレイからの光がセンサ628に入射できるため、光センサ628の有効感光領域を決定する。 さらに、開口領域712の範囲が複数のピクセルよりも大きくてもよいことが一例として示されている。 ピクセル全体が符号714で示されている。 もちろん、センサ自体を形状712に構成することもできる。 その場合は、パネルは省略できる。 図25に示されるパネルは、例えば、明と暗とが交互するピクセルのように1つのピクセル714の大きさをもつ特有のパターンで開口712の周囲の領域を走査することにより、前述した正確な位置及び方向の決定を可能にする。 このようにして、決定手段は、所定の重なり範囲を超えてフィールド712と重なり合う全てのピクセル714を決定することができる。 センサ628により送信器を介して決定手段へ送信される応答信号は、例えば二値信号であり、例えば現在の問い合わせ時間のような時間ごとの、検出された輝度値が所定の重なり範囲に対応する所定の基準を超えるかどうかを示す。 もちろん、応答信号は、更に正確な段階での輝度値を示すこともできる。

    図16〜図25の先の説明では、移動手段16及び制御手段18の存在が概略的にのみ示された。 以下では、図2〜図16を参照して前述した実施形態が図16〜図25に係る実施形態と組み合わせるのに非常に適していることを、再び図26A〜26Bを参照して説明する。 図26A〜26Bは、図16〜図25の実施形態に係る位置決定手段の表示をどのようにして移動手段16のための先の実施形態と組み合わせることができるのか、又はどのようにして移動手段16のための先の実施形態に対して配置することができるのかに関する実施形態を示す。

    先に既に説明したように、図2〜図8の実施形態に係る個別に制御可能なノズルバルブを有するプレートを透明又は半透明な態様で製造することができる。 したがって、これらの実施形態は、図26Aによれば、そのようなエアバルブプレート800がディスプレイ802上に配置されることにより図16〜図25の実施形態と組み合わすことができる。 ディスプレイ802は、カバープレート804を含んでもよく、図16〜図25の実施形態のディスプレイに対応する。 エアバルブプレート800とディスプレイ802との間には圧力室としての機能を果たす隙間806が設けられ、その圧力室内では、輸送面12のプレート800の作動エアバルブを通じて圧縮空気が放出される。 プレート800の透明性は、ディスプレイ802のピクセル808によって生成される画像が、言うまでもなく透明であるカバープレート804を通じて、圧力室806を通じて、さらに、ディスプレイ802とは反対の側が輸送面12を形成するエアバルブプレート800を通じて、観察者に見えることを保証する。 物体内の前述した光センサは、図3又は図8に係る物体の床の構成の典型的なケースでは、凹部のうちの1つ内で、例えば中心凹部内で、ディスプレイ802によって示される横方向変化情報を検出することができ、また、適用可能な場合には送信器を介して走査結果を送ることができる。

    想定し得る物体又は想定し得るゲームピースの対応する断面が図26Bに示されている。 この場合、図23に係る光センサの配置は単なる一例である。

    図26Cは、 2〜8,9〜13b、及び16〜25 の実施形態の組み合わせも可能であることを示している。 ディスプレイ802は、この場合も先と同様に、圧力室又は圧力隙間806により、その前面が輸送面12を形成するエアバルブプレート800から離れている。 エアバルブプレート800とは反対のディスプレイ802の側には、図9Aにしたがって配置できる磁気コイルプレートが配置される。 したがって、エアクッション上に浮かぶ物体を磁気ドライブによって操作することができる。 これは、磁気ドライブが磁気コイルプレート810によって形成されるからである。 この場合、物体の位置は、ディスプレイ802を使用して位置決定手段により決定される。

    図15Aにおいて既に示したように、ディスプレイを単に屈曲波プレートの下側に配置することにより図16〜図25の実施形態と図14〜図15Bの実施形態とを組み合わせることができる。 しかしながら、ここでは、図6A及び図6Bの実施形態にしたがってエアバルブのための穴を備えるガラスプレートでも屈曲波を生成できることに留意されたい。 この場合、このようにして、図2〜図8の実施形態を、図14〜図15Bの実施形態と、すなわち、場合により図16〜図20の実施形態の同時組み合わせと組み合わせることもできる。

    すなわち、前述した実施形態により、ゲームコンピュータは、ゲームピースの位置及び方向に関して制御された“自由な”態様で受動ゲームピースをゲームボード上で移動させることができる。 また、特にこのフィギュアに対して力を及ぼすこともできる。 この場合、この移動力の位置、方向及び強さは、ゲーム平面面内の特定の限界内で制御できる。 スポット上でゲームピースを回転させることさえできる。 この目的のため、図4B,6B,12B,13Bの場合のように、ゲーム平面面内で相対する成分を含み、かつフィギュアの異なる点に影響を及ぼす2つの力ベクトルがゲームピースに加えられる。 n個のピースが同時に移動させられるようになっている場合には、それに応じて、同じ数だけn回、力ベクトルを制御しなければならない。 しかしながら、これは基本的に問題ない。

    場合により、ゲームピースは、僅かに逸脱する特徴、例えばゲームボード上のそれらの摩擦、それらの重量等を有する。 しかしながら、これは問題ない。 ゲームピースの現在の位置及び方向をそれぞれ考慮し、かつ必要に応じてこれをゲームコンピュータへフィードバックするフィードバック機構を制御手段が実現するからである。

    したがって、前記実施形態は、位置、方向及び強度に関して自由に制御できなければならない多量の力ベクトルが頻繁に必要とされるというゲーム装置の要件を満たす。 前記実施形態は、これらの変数の制御が無作為に細かい分解能を有する必要がないという事実を使用する。 むしろ、使用されるゲームピースの特徴、例えばゲームピースのサイズに依存する量子化段階が想定され得る。 例えば、使用される最も小さいピースの直径が10mmである場合、例えばこの直径の1/4、すなわち、例えば2.5mmの分解能をもって力ベクトルの位置を制御できれば十分である。 正確な値はそれぞれの実施に依存する。

    また、ピースに作用する力ベクトルの強度は制御手段によって決定することができる。 位置決定手段から、物体又はゲームピースの制御された可変位置又は速度と、“力ベクトル”の調整変数方向及び強度と共に、閉ループが生じる。 制御手段は、可能な限り安定した動きが達成されると同時に他のゲームピースに対する副次的影響が防止され又は最小限に抑えられるように力ベクトルの強度を適合させることができるようにPID調整器を実現することができる。 例えば、制御手段は、所望のゲームピースの移動が起こるまで力ベクトルを最小値から増大することができ、その後、この力ベクトルを維持し又は更には取り消された静止摩擦により力ベクトルを減少させることができる。 力の量子化は、例えば、図2〜図8の実施形態における更なるエアバルブを接続することにより、又は更には、エアバルブに印加される空気圧を設定することによってさえ実行される。 屈曲波もそれらの強度に関して制御することができる。 最後に、図9A〜図15Bの実施形態における磁気コイルを通じて流れる電流も制御することができる。

    位置決定手段は、移動させられるべきでない全てのフィギュアの位置を更にチェックするために使用することができ、また、必要ならば制御手段は、移動させられるべきでないフィギュアを安定に維持するために適切な更なる力ベクトルを使用することができる。

    特に、前述した実施形態は、今しがた言及した力ベクトルを生成するための3つの異なる物理的可能性を示している。 すなわち、1番目の可能性は、図16〜図25の実施形態の場合のスクリーンなどの、ゲーム平面にわたって位置することのできる透明な、適用可能な場合には薄いプレート、例えばパースペクス(perspex)プレートでの屈曲波によって力ベクトルを生成するための可能性である。 2番目の可能性は、ゲーム平面としての機能を果たすスクリーンの下側の電磁石の制御可能なマトリクスによって発生される磁場の使用であった。 3番目の可能性では、特にゲームピースが位置決めされる位置で例えばゲーム平面の上側の透明な薄いプレートの制御可能なバルブを介して逃げる圧縮空気も使用された。 その他、前述した物理的可能性を多かれ少なかれ使用する更なる実施形態が説明された。

    前述したように、所定の周辺条件、例えば移動させられるべきゲームピースのタイプ、形状及びサイズに応じて、1もしくは複数の、前述した力又は出力源、すなわち、実施のための屈曲波、磁場又は圧縮空気を使用することが有益である。 したがって、例えば、圧縮空気により、すなわち、結果として生じるエアクッション効果により、ゲームピース又はゲーム平面の部分的領域の下側の摩擦を特に減少させることができ、それにより、磁場を介してゲームピースを移動させることができる。 図26Cもこの組み合わせに関するものである。

    このように、前述した実施形態は、ゲームのフィールド、特にボードゲームのフィールドで問題なく使用され得る。 特に、これらの実施形態は、コンピュータゲームで使用することができ、それにより、ゲームコンピュータは、物理的なゲームピースをゲームボード上で効率的に、かつ自動的に、すなわち、人の相互作用を伴うことなく移動させることができる。

    説明したように、前述した実施形態をゲームボードとしてのスクリーンと組み合わせることができる。 この場合、コンピュータは、前述したように、スクリーンを使用してさえゲームピースの位置を自動的に検出することができる。

    前述した実施形態は、ゲームと頻繁に関連する問題、すなわち、幾つかのゲームピースを同時に移動させなければならないという問題も解決する。 ここでは、前述した実施形態が可動部分を殆ど又は全く必要としない。

    図14〜図15Bの実施形態に関しても、プレートに関して薄いプレートを好適に使用できることに留意されたい。 プレートの表面点が楕円曲線を成して移動し、その移動が一方向では波ピークに向かうとともに他方向では波の谷に向かうため、移動は、輸送されるべき物体が位置する波ピーク上の表面波点によって可能であり、すなわち、波ピークの点と主に接触する物体、例えばゲームピースが波ピークの表面点が移動する方向への摩擦力を受けるという事実によって可能である。

    制御手段はプレートの波形を十分な精度で制御でき、それにより、移動させられるべき各ゲームピースの下側では、十分な振幅と適切な方向とを有する波ピークが“通過し”、又は、移動させられるべきでないピースの下側では、想定し得る波ピークが十分小さいままである。 これにより、制御手段は、特に、所望の物体を移動させることができ、又は、所望の物体を所望の位置に置くことができる。 物体又はゲームピースの回転のために、制御手段は、例えば、物体の支持面の対向する縁で反対の波列を発生させることができ、これらの波列は、これらの反対の縁で、反対方向の力を発生させ又はそれに関与する。 制御手段は、この点において、ほぼランダムな波動場を発生させるために波動場合成を使用することができる。 そのような波動場合成は音響の分野で十分知られている。 したがって、 図15A及び図15Bを参照して既に述べたように、輸送面が圧電素子などの多数の屈曲波発生手段によって取り囲まれてもよい。 この場合、屈曲波発生手段のそれぞれは、ホイヘンスの原理にしたがって所望の波動場を覆うヘッド波又は要素波を与える。

    屈曲波発生手段が互いに特定の最小距離を超えない場合は屈曲波が有利かも知れない。 この最小距離は、屈曲波発生手段が屈曲波を発生する頻度に依存しうる。 したがって、制御手段18は、波動場合成原理が固体及び超音波範囲でも有効であるという事実を使用することができる。 屈曲波は、例えば、輸送されるべきゲームピース又は物体の寸法よりも小さい波長を備えることができる。 例えば、前述した圧電素子のような音源は、十分に高い周波数の波列を伴う適切な波動場を薄いプレートで発生させ、音源は、例えば、互いに適切に小さい距離でプレートの縁に沿って配置される。 前述したように、ここでは、プレートは、好ましくは、縁での望ましくない反射を制限するべく音響特性インピーダンスをもって終端することができる。 用途によっては、互いに距離が大きくなった少数の屈曲波発生手段でも差し支えない。 すなわち、用途によっては、少数の要素波からなる波動場又は少数の屈曲波発生手段で発生された波動場であっても差し支えない。

    図26Cは、ゲーム平面としてのディスプレイ又は薄いフラットパネルディスプレイの下側に、ゲーム平面に対して垂直な軸芯をもち個別に制御できる小コイルのマトリクスを設けることができることも示した。 このように、これらの磁気コイルの適切な制御により、制御可能な磁場をゲーム平面の面内で発生させることができる。 その磁場は“準静的に”使用することができ、又はリニアモータの原理にしたがってゲームピースを移動させるためにも使用することができる。 ゲームピースの移動へのリニアモータの原理の使用は、図10Cにおける実施形態であった。 図26Bのゲームピースは、もし図10A〜10Cのうちの1つによる磁気的な吸引要素又は反発要素を備えている場合には、この点において使用することができる。

    準静的な解決策を用いて、ゲームピース内には、例えば、小さい永久磁石が配置され、ゲームボードの下側の磁気コイルは、単に、張力又はせん断力をこれらの永久磁石に及ぼすために使用される。 これにより、所望の力ベクトルが生じ、また、十分に細かい磁気コイルのラスター及びコイルの適切な制御により、位置決定手段による前述したフィードバックに関連して、ゲームピースの所望の動きを達成することができる。 均等な2つ以上の永久磁石がゲームピース内に収容される場合、図12A〜図13Bを参照して前述したように、ゲームフロアの一方側に1つの磁石を設け、反対側に1つの磁石を設けることができ、それにより、両側で磁場が対応する方向に引くか又は押すときに、ゲームピースを容易に回転又は旋回させることができる。 ゲームピースの適切な設定により、せん断効果も、例えば支持体又はベース上に重量をかけるピースの重さを減少させ、かつそれにより、ゲームピースの重心よりも下側に取り付けられている磁石によるゲームピースの移動又は引寄せを容易にするために使用することができる。

    図10Cによるリニアモータ解決策に関しては、“ロータコイル”としての機能を果たす小さい磁気コイルをゲームピース内に配置し、磁場変化によって電流を誘起させることもできる。 ゲームボードの下側の磁気コイルは、ロータコイルに力を及ぼす移動磁場を発生させる場コイル又は励起コイルである。 励磁の適切な実施、例えば、ロータ巻線までの適切な距離及び励磁コイルマトリクスの適切な“分解能”により、個々のロータコイルに作用する力を、ゲームピースの望ましい個々の移動を行なうべく互いから十分に直接に切り離すことができる。 他の実施可能性は、例えばスイッチ又は制御可能な抵抗を実際のコイル110と並列に分岐部に接続することによって、ゲームピース内のロータコイル110を“切り換え可能”にし、それによりロータコイルを個別に活性化できるようにすることである。 このとき、移動磁場はより広範であってもよく、それにより、励磁マトリクス又は磁場コイルマトリクスの設定が容易になる可能性がある。 望ましいロータコイルの選択により、望ましいピースを移動及び回転させることができる。

    移動させられるべきゲームピース又は物体は、場合により、対応する切り換え要素又はロータコイルを開放又は閉じるために、例えば制御手段によって外側から個別に指示されてもよい。

    図2〜図8の前述した実施形態は、物体がエアクッション上で“浮かぶ”原理に関するものであった。 エアクッションのための空気は、例えばベースプレートの多くの細かい穴又はエアノズルによってもたらされる。 前述したように、ベースプレートは、ゲームボードの上側に配置される透明プレート、例えばディスプレイとして設けられてもよい。 したがって、プレート上に所望の物体、例えばゲームピースが浮かんでもよい。 ゲームピースの下側のエアクッションは、ゲームピースと地面又は床プレートとの間の摩擦を打ち消し、それにより、ゲームピースを一方向に容易に移動させることができる。

    前述したように、摩擦を減少させるためのエアクッション効果を移動のための他の物理的可能性又は移動のための前述した力と関連して組み合わせることができる。 しかしながら、床面のエアノズルを個別に開閉でき、ゲームピースの底面が図2〜図8を参照して前述したように適切に形成されれば、床面のエアノズルを用いて移動力を発生させることもできる。

    なお、個別に制御可能なエアバルブを有する先に数回言及された透明プレートに関して、このプレートは、薄い非導電性のプラスチックプレートであってもよい。 個別に制御できるエアバルブを製造するため、例えばレーザを用いて、バルブとしての機能を果たすことができる非常に細かい短いスロットがその非導電性プラスチックプレートに切り込まれる。 これらのスロットは、静電気力により、開放状態を維持したり又は引き寄せられて閉鎖したりすることができる。 この点において、前述したスロットは、透明導電材料でコーティングされてもよく、その後、非導電透明カバー層が設けられてもよい。 したがって、スロットの側面は、実質的に“面キャパシタ”を形成する。 更なるステップでは、適切な透明材料の床面の上面及び下面に、導電線及びトランジスタからなるマトリクスを設けてもよく、それにより、スロットの側面のそれぞれに個別にアドレスして該側面を帯電させることができる。

    ここで、前述したように、スロットの側面に同じ極性の電荷が与えられる場合には、スロットが反発してエアバルブを開放状態に維持し、一方、スロットに異なる極性の電荷が与えられると、スロットが引き合ってバルブを閉状態に維持する。 適用可能な場合には、この点においてプレートが十分な柔軟性を備えると有益である。

    別の実施形態によれば、静電バルブを形成するために、互いに上下に位置する2つの箔が使用される。

    ゲームピースの床面は、制御可能なエアバルブによってフィギュアを横方向に移動させる適切な移動力をフィギュアに及ぼすことができるように構成されてもよい。 1つの想定し得る構成は、前述したように、ゲームピースの床面が小さい縁によって互いに分離された別個の領域からなる要素に分割されることである。 エアバルブを介して、各要素に空気が個別に供給される。 フィギュアの中心には、その境界が閉じられ、かつ搬送エアクッションを形成する要素が取り付けられていてもよい。 それらの要素の周囲には、その境界が完全に閉じられない更なる要素が配置されていてもよい。 境界の開放時には、要素に空気が供給される場合に、形状に応じてゲームピースに沿って又はゲームピースに対して垂直に推力を発生させることができる“推進力ノズル”が生じる。 この点においては、再び、図3,4A,4Bの記載を参照されたい。 ゲームピースを移動させるため、中心の要素に空気を供給して搬送エアクッションを作用させ、それにより、摩擦を低減してもよく、また、1つ以上の更なる要素に空気を供給してもよく、それにより、特定方向の移動又は特定の回転移動の望ましい力が生成される。

    このように、前述した実施形態により、物体を表面上で移動させるためにロボットグリップアームを使用する必要はない。 ゲームピースの能動移動要素も不要である。 それどころか、前述した実施形態における静電エアバルブ又は屈曲波生成のための圧電素子を除き、可動部を伴うことなく力ベクトルが生成される。 前述した実施形態により幾つかのゲームピースが同時に回転され又は移動されてもよい。 力ベクトル生成は専ら“下面から”行なわれてもよい。 したがって、ゲーム平面の上側又は輸送面の上側の空間を障害物なく保つことができる。 特に、前述した実施形態は、ゲームコンピュータのための“接触可能な”ゲームボードインタフェースを可能にする。 その場合、コンピュータは人の動きを検出し、一人の動き又は複数人の動きを他の場所で物理的なゲームピースを用いて直接に実行してもよい。 ゲーム構成は、ゲーム平面及びゲームピースを使用する“任意の”ゲームに適する。

    なお、前述した個別に制御可能なエアバルブに関して、使用される材料、例えばシリコンは、空隙を効率的に開閉するためには十分な柔軟性を好都合に持つべきである。 前述したように、及ぼす力として、電場による静電気力を使用することができる。 このようにすると、結果として生じるキャパシタプレートを透明に形成できる。 用途によっては、例えばキャパシタプレートの他のプレートとして又は他の電極として、その領域内に又は個別に制御可能なエアバルブのスロットの一方側に永久電荷をもつ区域が導入される場合には、1つの電極だけ又は個別に制御可能な各バルブのキャパシタプレートの1つのプレートだけを制御可能にすれば十分である場合がある。 前述したように、シリコンエアバルブは、バルブのサイズの穴を有する例えばガラスから成る安定したキャリアプレートに取りつけることができる。 シリコンバルブの屈折率とガラスの屈折率は、同一となるように、例えば1.43と選択することができる。 したがって、透明性が妨げられないように、ガラスプレートからシリコンバルブへの移行部に不連続点が存在しないことが保証され得る。

    図14〜図15Bに係る実施形態に関しては、移動効果のために定在波の生成も使用できることに留意されたい。 制御手段は、移動させられるべき物体又はゲームピースの底面の適切な形状により、物体又はゲームピースが定在波の“谷”に位置するように移動手段16を制御することができる。 例えば生成する波列のうちの1つの波の位相のゆっくりとした調整により定在波がゆっくりと移動させられる場合には、ゲームピースは波ピークに引き寄せられる。 対応する形状を有する別個の領域がゲームピースの位置にある場合には、2つの異なる定在波によってゲームピースを回転させることもできる。

    状況によっては、前述した方法、例えば、ディスプレイ上の物体の位置を特定して識別するための方法、又は、表面上で物体を移動させるための方法はハードウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。 その実施は、デジタル記憶媒体、特に、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を有するフロッピディスク、CD又はDVDで行うことができる。 したがって、一般に、本発明は、ソフトウェアプログラム製品がコンピュータ上又はプロセッサ上で実行されるときに本発明の方法を実行するために機械可読キャリアに記憶されるプログラムコードを有するソフトウェアプログラム製品、コンピュータ製品又はプログラム製品にも存する。 すなわち、本発明は、このように、コンピュータプログラム、ソフトウェアプログラム又はそれがプロセッサ上で実行されるときに本発明の方法を実行するためのプログラムコードを有するプログラムとして実現することができる。 ここで、プロセッサは、コンピュータ、チップカード、ゲームコンピュータ、又は他の集積回路によって形成することができる。

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