通信装置

申请号 JP2014096752 申请日 2014-05-08 公开(公告)号 JP6364939B2 公开(公告)日 2018-08-01
申请人 住友電気工業株式会社; 发明人 前畠 貴;
摘要
权利要求

信号処理装置を備えた通信装置であって、 前記信号処理装置は、 入された変調信号に対してΔΣ変調をしてパルス信号を出力するΔΣ変調器と、 前記ΔΣ変調器から出力されたパルス信号における1パルス区間それぞれの後端及び前端の少なくとも一方をLowレベル領域にした非連続化パルス信号を生成する第1処理部と、 前記第1処理部により生成された前記非連続化パルス信号のパルス幅よりもパルス幅が短い短幅パルス信号を生成する第2処理部と、 を備え、 前記第2処理部によって生成された前記短幅パルス信号に含まれる信号成分のうち、ΔΣ変調器に入力された変調信号の搬送波周波数における主信号成分の高調波信号成分を、通信信号として出力するよう構成されており、 前記短幅パルス信号に含まれる信号成分は、周波数0から、最も周波数の低いノッチ部までの第1ゾーンにおいて、前記主信号成分と、前記高調波信号成分と、を含んでいる 通信装置。前記第2処理部は、複数の入力パルス信号に基づいて、前記短幅パルス信号を生成する生成器を含み、 前記複数の入力パルス信号は、前記非連続化パルス信号と、前記非連続化パルス信号を遅延させた遅延パルス信号と、を含み、 前記生成器は、前記遅延パルス信号の遅延量に応じたパルス幅を有する短幅パルス信号を生成する 請求項1記載の通信装置。前記非連続化パルス信号及び前記遅延パルス信号は、一方のパルス信号が他方のパルス信号に対して反転している 請求項2記載の通信装置。前記第2処理部は、 前記非連続化パルス信号を前記生成器に与える第1伝送線路と、 前記遅延パルス信号を前記生成器に与える第2伝送線路と、 を更に含み、 前記第2伝送線路は、前記第1伝送線路よりも線路長が長い 請求項2又は3に記載の通信装置。前記第2伝送線路は、線路長を可変に構成されている 請求項4記載の通信装置。前記第2処理部は、 前記非連続化パルス信号を前記生成器に与える第1伝送線路と、 前記遅延パルス信号を前記生成器に与える第2伝送線路と、 を更に含み、 前記第2伝送線路は、遅延素子を有している 請求項2又は3に記載の通信装置。前記第2処理部は、前記第1処理部により生成された非連続化パルス信号が与えられるステップリカバリーダイオードを含む 請求項1記載の通信装置。前記第2処理部は、前記第1処理部により生成された非連続化パルス信号が与えられる伝送線路を含み、 前記伝送線路は、与えられた前記非連続化パルス信号のパルス幅を短くする非線形伝送線路である 請求項1記載の通信装置。前記第2処理部が生成する短幅パルス信号のパルス幅は、前記ΔΣ変調器から出力された前記パルス信号のパルス幅の1/10以上である 請求項1〜8のいずれか1項に記載の通信装置。信号処理装置を備えた通信装置であって、 前記信号処理装置は、 入力された変調信号に対してΔΣ変調をしてパルス信号を出力するΔΣ変調器と、 前記ΔΣ変調器から出力されたパルス信号における1パルス区間それぞれの後端及び前端の少なくとも一方をLowレベル領域にした非連続化パルス信号を生成する第1処理部と、 第2処理部と、 を備え、 前記第2処理部は、 短幅パルス信号を生成する生成器と、 前記非連続化パルス信号を前記生成器に与える第1伝送線路と、 前記非連続化パルス信号を遅延させた遅延パルス信号を前記生成器に与える第2伝送線路と、 を備え、 前記生成器は、前記非連続化パルス信号及び前記遅延パルス信号に基づいて、短幅パルス信号を生成し、 前記第2伝送線路は、前記第1伝送線路よりも線路長が長く、 前記第2処理部によって生成された前記短幅パルス信号に含まれる信号成分のうち、ΔΣ変調器に入力された変調信号の搬送波周波数における主信号成分の高調波信号成分を、通信信号として出力するよう構成されており、 前記短幅パルス信号に含まれる信号成分は、周波数0から、最も周波数の低いノッチ部までの第1ゾーンにおいて、前記主信号成分と、前記高調波信号成分と、を含んでいる 通信装置。

说明书全文

本発明は、ΔΣ変調器を有する信号処理装置及び通信装置に関するものである。

特許文献1には、バンドパス型ΔΣ変調器によって変調波をΔΣ変調し、バンドパス型ΔΣ変調器から出された量子化信号(パルス信号)を変調波として出力することが記載されている。特許文献1によると、変調波に対してバンドパス型ΔΣ変調を行う場合には、変調波の信号帯域に対して十分大きなサンプリング周波数であればよいため、変調波の周波数(無変調波の周波数)が大きくても、サンプリング周波数をさほど大きくする必要がない。

また、特許文献1には、ΔΣ変調器の出力に含まれる主信号成分のほか、ΔΣ変調器の出力に含まれる高調波の信号成分を利用することも記載されている。特許文献1によると、ΔΣ変調器の出力に含まれる高調波の信号成分を利用することで、ΔΣ変調器のサンプリング周波数を低く抑えることができる。

特開2013−81106号公報

ΔΣ変調器の出力に含まれる高調波成分は、周波数が大きくなるほど信号強度が低くなるという問題がある。特に、ΔΣ変調器のサンプリング周波数fsより高い周波数の高調波成分には、主信号成分に対して13.5dB以上の減衰が生じる。したがってΔΣ変調器のサンプリング周波数fsより高い周波数の高調波成分の信号強度は、主信号成分の信号強度の10分の1を更に下回るものとなる。このような信号強度の低下は、高調成分の利用に際して不利である。

そこで、本発明は、ΔΣ変調器の出力に含まれる高調波成分の信号強度の低下を抑制することを目的とする。

一の観点からみた本発明は、パルス信号を出力するΔΣ変調器と、前記ΔΣ変調器から出力されたパルス信号における1パルス区間それぞれの後端及び前端の少なくとも一方をLowレベル領域にした非連続化パルス信号を生成する第1処理部と、前記第1処理部により生成された非連続化パルス信号のパルス幅を短くした短幅パルス信号を生成する第2処理部と、を備えている信号処理装置である。

本発明によれば、ΔΣ変調器の出力に含まれる高調波成分の信号強度の低下を抑制することができる。

通信装置の構成図である。

短幅パルス信号の説明図である。

図3(A)はオリジナルパルス信号の周波数スペクトラムであり、図3(B)は、短幅パルス信号の周波数スペクトラムである。

非連続化処理の説明図である。

第2処理部の第1例を示す図である。

第2処理部の第2例を示す図である。

第2処理部の第3例を示す図である。

可変長の伝送線路を示す図である。

第2処理部の第4例を示す図である。

第2処理部の第5例を示す図である。

以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。

[1.実施形態の概要] (1)実施形態に係る信号処理装置は、パルス信号を出力するΔΣ変調器と、前記ΔΣ変調器から出力されたパルス信号における1パルス区間それぞれの後端及び前端の少なくとも一方をLowレベル領域にした非連続化パルス信号を生成する第1処理部と、前記第1処理部により生成された前記非連続化パルス信号のパルス幅よりもパルス幅が短い短幅パルス信号を生成する第2処理部と、を備えている。 ΔΣ変調器から出力されたパルス信号のパルス幅を短くすることで、ΔΣ変調器の出力に含まれる高調波成分の信号強度の低下を抑制することができる。

(2)前記第2処理部は、複数の入力パルス信号に基づいて、前記短幅パルス信号を生成する生成器を含み、前記複数の入力パルス信号は、前記非連続化パルス信号と、前記非連続化パルス信号を遅延させた遅延パルス信号と、を含み、前記生成器は、前記遅延パルス信号の遅延量に応じたパルス幅を有する短幅パルス信号を生成することができる。 この場合、遅延パルス信号の遅延量に応じたパルス幅を有する短幅パルス信号を生成できる。したがって、遅延量の設定によって短幅パルス信号のパルス幅を容易に設定できる。

(3)前記非連続化パルス信号及び前記遅延パルス信号は、一方のパルス信号が他方のパルス信号に対して反転しているものとすることができる。一方のパルス信号が他方のパルス信号に対して反転していることで、短幅パルス信号を生成が容易となる。

(4)前記第2処理部は、前記非連続化パルス信号を前記生成器に与える第1伝送線路と、前記遅延パルス信号を前記生成器に与える第2伝送線路と、を更に含み、前記第2伝送線路は、前記第1伝送線路よりも線路長が長いのが好ましい。この場合、第2伝送線路の線路長が長いことで、第2伝送線路を伝わる非連続化パルス信号が遅延パルス信号となる。

(5)前記第2伝送線路は、線路長を可変に構成されているのが好ましい。この場合、短縮パルスのパルス幅を可変することができる。

(6)前記第2処理部は、前記非連続化パルス信号を前記生成器に与える第1伝送線路と、前記遅延パルス信号を前記生成器に与える第2伝送線路と、を更に含み、前記第2伝送線路は、遅延素子を有しているのが好ましい。この場合、遅延素子によって、第2伝送線路を伝わる非連続化パルス信号を遅延パルス信号にすることができる。

(7)前記第2処理部は、前記第1処理部により生成された非連続化パルス信号が与えられるステップリカバリーダイオードを含むのが好ましい。この場合、遅延素子によって、非連続化パルス信号を遅延パルス信号にすることができる。

(8)前記第2処理部は、前記第1処理部により生成された非連続化パルス信号が与えられる伝送線路を含み、前記伝送線路は、与えられた前記非連続化パルス信号のパルス幅を短くする非線形伝送線路であるのが好ましい。この場合い、伝送線路によって、非連続化パルス信号を遅延パルス信号にすることができる。

(9)前記第2処理部が生成する短幅パルス信号のパルス幅は、前記ΔΣ変調器から出力された前記パルス信号のパルス幅の1/10以上であるのが好ましい。この場合、信号成分が小さくなりすぎるのを防止することができる。

(10)実施形態に係る信号処理装置は、パルス信号を出力するΔΣ変調器と、前記ΔΣ変調器から出力されたパルス信号における1パルス区間それぞれの後端及び前端の少なくとも一方をLowレベル領域にした非連続化パルス信号を生成する第1処理部と、第2処理部と、を備え、前記第2処理部は、短幅パルス信号を生成する生成器と、前記非連続化パルス信号を前記生成器に与える第1伝送線路と、前記非連続化パルス信号を遅延させた遅延パルス信号を前記生成器に与える第2伝送線路と、を備え、前記生成器は、前記非連続化パルス信号及び前記遅延パルス信号に基づいて、短幅パルス信号を生成し、前記第2伝送線路は、前記第1伝送線路よりも線路長が長い。

(11)実施形態に係る通信装置は、前記(1)〜(10)に記載の信号処理装置を備えた通信装置である。

[2.実施形態の詳細] [2.1 通信装置] 図1は、通信装置1を示している。通信装置1は、信号処理装置10と、バンドパスフィルタ(アナログバンドパスフィルタ)15と、を備えている。通信装置1は、ベースバンド信号を変調した変調信号を出力する。変調信号は、例えば、無線信号(RF信号)である。通信装置1から出力される信号は、通信に使用される信号(通信信号)である。ここでの通信信号は、搬送波周波数がftargetのRF信号である。

一方、信号処理装置10から出力される信号(短幅パルス信号PS)は、搬送波周波数がftargetのRF信号以外に他の周波数の信号も含んでいる。バンドパスフィルタ15は、通信信号として出力されることが望まれる周波数(ここでは、ftarget)近傍の信号を通過させ、それ以外の周波数の信号を阻止する。なお、通信装置1は、バンドパスフィルタ15を介さずに、信号処理装置10から出力される信号(短幅パルス信号PS)を出力するものであってもよい。

[2.2 信号処理装置] 信号処理装置10は、バンドパス型ΔΣ変調器(Band Pass Delta−Sigma Modulator)11と、処理部(Processor)12と、を備えている。信号処理装置10は、ベースバンド信号(例えば、IQベースバンド信号)に対して、デジタル直交変調などの一次変調を行って、デジタル変調信号(デジタルRF信号)を生成する。ここで、デジタル変調信号の搬送波周波数はf0である。 信号処理装置10は、生成したデジタル変調信号を、ΔΣ変調器11に与える。なお、一次変調は、直交変調に限られず、ベースバンド信号を搬送波(周波数f0)によって変調するものであればよい。

ΔΣ変調器11は、入力信号であるRF信号に対してΔΣ変調をし、パルス信号(量子化信号)POを出力する。ΔΣ変調器11のサンプリング周波数(データ速度)fSは、ΔΣ変調器11に入力される変調信号の搬送波周波数f0よりも大きく設定される(f0

S)。 なお、f

targetと、f

0,f

Sと、の関係は、後述する。

処理部12は、ΔΣ変調器11により生成されたパルス信号(オリジナルパルス信号)POから、オリジナルパルス信号POよりもパルス幅が短い短幅パルス信号PSを生成する。ΔΣ変調器11から出力されるオリジナルパルス信号POのパルス幅(1パルス区間の幅)をTP1とし、短幅パルス信号PSのパルス幅をTP2とすると、図2に示すように、TP2はTP1よりも短い。オリジナルパルス信号POは、1パルス区間全体がHighレベル及びLowレベルのいずれか一方のレベルであり、パルス幅(1パルス区間の幅)TP1は、1/fSとなる。一方、短幅パルス信号PSにおいては、1パルス区間の前側にだけパルスがあり、全ての1パルス区間の後側はLowレベル領域となっている。なお、短幅パルス信号PSのデータ速度は、fsのままである。また、短幅パルス信号PSにおいて、Lowレベル領域は、1パルス区間の前側にあってもよい。

処理部12は、第1処理部13と、第2処理部14と、を備えている。第1処理部13は、ΔΣ変調器11から出力されたパルス信号POにおける1パルス区間それぞれの後端及び前端の少なくとも一方をLowレベル領域にする非連続化処理をする。 非連続化処理は、第2処理部14による短幅化処理の前処理である(なお、非連続化処理はパルスの短幅化処理にもなっている)。非連続化処理は、複数の連続する1パルス区間においてHighレベルが連続しないように、複数の1パルス区間それぞれをLowレベルで区切る処理である。オリジナルパルス信号POにおいて、Highレベルが連続している場合であっても、非連続化処理により、それぞれの1パルス区間を区切るLowレベル領域が設けられ、Highレベルが連続しなくなる。非連続化処理により生成されたパルス信号を非連続化パルス信号という。

本実施形態の非連続化処理では、それぞれの1パルス区間を区切るLowレベル領域は、1パルス区間の後側(後端)に設けられるが、1パルス区間の前側(前端)に設けられていても良く、1パルス区間の後側(後端)と前側(前端)の双方に設けられていても良い。

第2処理部14は、第1処理部13の非連続化処理により生成された非連続化パルス信号PCのパルス幅を、より短くする短幅化処理をする。 短幅化処理によって、非連続化パルス信号PCに含まれるHighレベル部分の長さ(パルス幅)が、非連続化パルス信号PCのパルス幅よりも更に短くなる。したがって、短幅化処理によって生成される短幅パルス信号PSのパルス幅TP2は、オリジナルパルス信号POのパルス幅TP1よりも短い。 短幅化処理により生成された短幅パルス信号PSは、信号処理装置10から出力され、(必要に応じて)バンドパスフィルタ15を介して、通信装置1から出力される。

[2.3 ΔΣ変調器の出力に含まれる高調波成分] 図3(A)は、オリジナルパルス信号POの周波数スペクトラムを示し、図3(B)は、短幅パルス信号PSの周波数スペクトラムを示している。

オリジナルパルス信号POは、ΔΣ変調器11に入力される変調信号の搬送波周波数f0において、主信号成分を有する。このように、ΔΣ変調器11から出力された信号POは、パルス信号(デジタル信号)であるが、アナログ信号としてみると、ΔΣ変調器11に入力された変調信号(RF信号)を信号成分として含んでいる。

オリジナルパルス信号POは、主信号成分(周波数f0)だけでなく、折り返しによって、高調波の信号成分も有する。高調波信号成分は、n×fS+f0(nは絶対値が1以上の整数)に現れる。ΔΣ変調器11のサンプリング周波数fSは、入力される変調信号の周波数f0よりも大きくする必要がある。したがって、主信号成分(周波数f0)を、通信装置1が出力する通信信号(周波数ftarget)とする場合、例えば、通信信号の周波数が2GHzであれば、サンプリング周波数fSは3GHz(データ速度=3Gb/S)よりも大きくなければならない。つまり、ΔΣ変調器11及びΔΣ変調器11を有する信号処理装置10の動作速度を3GHzよりも大きくしなければならず、信号処理装置10のコストを増大させる。

しかし、高調波信号成分(例えば、周波数fS+f0)を、通信装置1が出力する通信信号(周波数ftarget)とする場合、例えば、通信信号の周波数が3GHzであれば、サンプリング周波数fSは、3GHz(データ速度=3Gb/S)よりも小さくてよく、例えば、2GHzでもよい。この場合、ΔΣ変調器11に入力される変調信号の搬送波の周波数f0を、1GHzとすれば、高調波の信号成分(ftarget=fS+f0)を3GHzとすることができる。 このように、高調波信号成分を利用すると、所望される通信周波数ftargetに比べて、信号処理装置10の動作速度を低く抑え、コスト低減を図ることができる。

ただし、図3(A)に示すように、高調波信号成分(例えば、周波数fS+f0)は、主信号成分(周波数f0)に比べて、信号強度が大きく低下する。オリジナルパルス信号のように、パルス幅TP1が1/fsである場合、信号成分及び雑音成分は、周波数が0からfSに向けて徐々に低下し、成分強度がゼロになるノッチ部が周波数fSにおいて生じる。ここでは、周波数0から周波数fSまでを、第1ゾーンという。周波数が第1ゾーンを超えて更に大きくなると再び成分強度が増加するが、2fSにおいて成分強度が再びゼロになるノッチ部が生じる。ここでは、周波数fsから周波数2fsまでを第2ゾーンという。 第2ゾーンの高調波信号成分の信号強度は、第1ゾーンの主信号成分の信号強度に対して13.5dB程度減衰したものとなっている。しかも、2fs以上の周波数領域で生じる高調波信号成分は、第2ゾーンの高調波信号成分よりも更に信号強度が低下したものとなる。

ここで、ノッチ部が生じる周波数は、パルス幅TP1によって決まり、パルス幅TP1が1/fSである場合、ノッチ部はデータ速度(サンプリング周波数)fSの整数倍で生じることになる。しかし、ノッチ部が生じる周波数は、パルス幅によって決まるため、データ速度(サンプリング周波数)がfSであっても、パルス幅が小さくなれば、ノッチ部が生じる周波数は高くなる。例えば、短縮パルス信号PSのハルス幅TP2が、TP1の1/2である場合、図3(B)に示すように、最も周波数の低いノッチ部の位置は、2fSとなる。すなわち、第1ゾーンが0から周波数2fSの範囲に拡張される。

この結果、周波数fSよりも大きい周波数領域に生じる高調波信号成分の周波数(例えば、fS+f0)も、第1ゾーンに含まれることになる。nを2以上の整数とした場合、第nゾーンの成分強度は、第1ゾーンの成分強度に比べて大幅に低下する。しかし、高調波信号を第1ゾーンに含ませることで、高調波信号成分の信号強度低下を抑制することができる。 第1ゾーンは、短縮パルス信号PSのパルス幅TP2が小さいほど、広くなるため、パルス幅TP2を小さくするほど、より高い周波数の高調波成分を、第1ゾーンに含ませることができ有利である。したがって、短縮パルス信号PSのパルス幅TP2は、オリジナルパルス信号POのパルス幅TP1の1/2未満が好ましく、1/3未満がより好ましい。 一方、短縮パルス信号PSのパルス幅TP2を小さくしすぎると、信号エネルギーが低下するおそれがあるため、信号エネルギーの低下を防止する観点から、短縮パルス信号PSのパルス幅TP2は、オリジナルパルス信号POのパルス幅TP1の1/10以上であるのが好ましい。 なお、短縮パルス信号PSのパルス幅TP2が、非常に小さくなっても、短縮パルス信号PSのパルス高をオリジナルパルス信号POよりも大きくすれば、信号エネルギーの低下は防止できる。

[2.4 非連続化処理] 図4は、第1処理部13による非連続化処理の具体例を示している。本実施形態の非連続化処理では、オリジナルパルス信号POと、オリジナルパルス信号POのデータ速度fsの2倍の速度のクロックCLKと、のAND(論理積)演算を行う。これにより、オリジナルパルス信号POの前半にパルスが残り、後半がLowレベル領域となった非連続化パルス信号PCが生成される。なお、クロックCLKのHighとLowとを逆にすれば、オリジナルパルス信号POの後半にパルスが残り、前半がLowレベル領域となった非連続化パルス信号PCが生成される。

[2.5 短幅化処理] [2.5.1 短幅化処理の第1例(遅延の利用)] 図5(A)は、第2処理部14を構成する回路の第1例を示している。図5に示す第2処理部14は、生成器(Generator)141と、生成器141に接続される複数の(2つの)伝送線路L1,L2とを有している。 また、図5(A)の第1処理部13は、非連続化パルス信号PCを出力する出力端子として、非反転(Positive)出力端子13aと反転(Negative)出力端子13bとを有している。非反転出力端子13aは、非反転の非連続化パルス信号(Positive)PC−Pを出力し、反転出力端子13bは、反転した非連続化パルス信号(Negative)PC−Nを出力する。出力端子13a,13bから出力される時点において、非反転の非連続化パルス信号PC−Pと反転した非連続化パルス信号PC−Nとは同期している(一方のパルス信号が他方のパルス信号に対して遅延していない)。 複数の伝送線路L1,L2のうち、第1伝送線路L1は、第1処理部13の非反転出力端子13aに接続され、第2伝送線路L2は、第1処理部13の反転出力端子13bに接続されている。

第2伝送線路L2の線路長は、第2伝送線路L2により伝送される反転した非連続化パルス信号PC−Nを、非反転の非連続化パルス信号PC−Pに対して遅延量dほど遅延させるべく、第1伝送線路L1の線路長よりも長い。 この結果、生成器141の入力端において、反転した非連続化パルス信号PC−Nは、非反転の非連続化パルス信号PC−Pに比べて、遅延量dほど遅延する。遅延した非連続化パルス信号PC−Nを、遅延パルス信号PD−Nという(図5(B)参照)。

生成器141は、複数の入力パルス信号に基づいて短幅パルス信号を生成する。生成器141には、複数の入力パルス信号として、非反転の非連続化パルス信号PC−Pと、遅延パルス信号PD−Nと、が与えられる。生成器141は、非反転の非連続化パルス信号PC−Pと、遅延パルス信号PD−Nと、に基づいて、遅延パルス信号PD−Nの遅延量dに応じたパルス幅TP2を有する短幅パルス信号PSを生成する(図5(B)参照)。ここでは、生成器141は、AND回路によって構成されており、非反転の非連続化パルス信号PC−Pと遅延パルス信号PD−NとのAND演算によって、短幅パルス信号PSを生成する。なお、生成器141は、遅延パルス信号PD−Nの遅延量dに応じたパルス幅TP2を有する短幅パルス信号PSを生成する回路であれば足り、AND回路でなくてもよい。

遅延量dは、第2伝送線路の線路長によって調整することができるため、所望されるパルス幅TP2の短幅パルス信号を容易に生成することができる。なお、ここでは、短幅パルス信号PSのパルス幅TP2は、遅延量dと一致する。

[2.5.2 短幅化処理の第2例(遅延の利用)] 図6(A)(B)は、第2処理部14を構成する回路の第2例を示している。図6(A)(B)に示す第2処理部14は、生成器141と、第1処理部14の単一の出力端子から分岐し、生成器141に接続される複数(2つ)の伝送線路L1,L2とを有している。 ここでの第1処理部13は、非連続化パルス信号PCを出力する出力端子として、非反転(Positive)出力端子13aを有しており、この非反転出力端子13aは、非反転の非連続化パルス信号(Positive)PC−Pを出力する。各伝送線路L1,L2は、単一の非反転出力端子13aから分岐して形成されている。また、生成器(AND回路)141の入力端のうち、第2伝送線路L2が接続される入力端には、反転素子(NOT回路)142が設けられている。

図6(A)に示す第2処理部14では、第2伝送線路L2の中途に遅延素子143が設けられている。遅延素子143により、第2伝送線路L2によって伝送される非非連続化パルス信号PC−Pを遅延させた(非反転)遅延パルス信号PD−Pを生成することができる。 図6(B)に示す第2処理部14では、図5(A)の例と同様に、第2伝送線路L2が第1伝送線路L1よりも長く形成されている。第2伝送線路L2が長いことで、図6(A)と同様に、(非反転)遅延パルス信号PD−Pを生成することができる。

図6(A)(B)において、非反転遅延パルス信号PD−Pは、反転素子(NOT回路)142によって、反転した遅延パルス信号PD−Nになる(図6(C)参照)。 生成器141は、非反転の非連続化パルス信号PC−Pと、反転した遅延パルス信号PD−Nと、に基づいて、遅延パルス信号PD−Nの遅延量dに応じたパルス幅TP2を有する短幅パルス信号PSを生成する(図6(C)参照)。 なお、図6の例に関して説明を省略した点は、図5の例と同様である。

[2.5.3 短幅化処理の第3例(遅延の利用)] 図7は、第2処理部14による短幅化処理の第3例を示している。図7において回路例は、図示しないが、第3例の回路は、図6(A)(B)において、反転素子(NOT回路)142を省略したものに相当する。

したがって、第3例の生成器141は、生成器141は、非反転の非連続化パルス信号PC−Pと、非反転の遅延パルス信号PD−Pと、に基づいて、遅延パルス信号PD−Pの遅延量dに応じたパルス幅TP2を有する短幅パルス信号PSを生成する(図7(C)参照)。 ここでは、短幅パルス信号PSのパルス幅TP2は遅延量dの増加に応じて減少するものであり、具体的には、短幅パルス信号PSのパルス幅TP2は、非連続化パルス信号PC−Pのパルス幅TCPから遅延量dを減じたものとなっている。 なお、図7の例に関して説明を省略した点は、図5,6の例と同様である。

[2.5.4 可変長の伝送線路] 図8は、図5の例における第2伝送線路L2の線路長を可変にした第2処理部14を示している。 図8の例において、第2伝送線路L2は、その中途に、複数(2つ)の部分線路L2−1,L2−2を有している。部分線路L2−1,L2−2は、それぞれ長さが異なる。 複数の部分線路L2−1,L2−2は、スイッチSW1,SW2によって択一的に選択され、選択された部分線路が、第2伝送線路L2の一部を構成する。

つまり、スイッチSW1,SW2が、第1部分線路L2−1側に接続されている場合、第2伝送線路L2は、第1部分線路L2−1を経由するものとなり、スイッチSW1,SW2が、第2部分線路L2−2側に接続されている場合、第2伝送線路L2は、第2部分線路L2−2を経由するものとなる。部分線路L2−1,L2−2は、それぞれ長さが異なるため、スイッチSW1,SW2を切り替えると、第2伝送線路L2の長さを変えることができる。 第2伝送線路L2の長さが変化すると、遅延量dが変化するため、短幅パルス信号PSのパルス幅TP2を変化させることができる。

短幅パルス信号PSのパルス幅TP2を変化させると、図3に示す第1ゾーンの広さを変化させることができる。例えば、通信装置1によって送信される通信信号の周波数ftargetが動的に変更された場合、変更後の周波数ftargetが第1ゾーンに含まれるよう第1ゾーンを広く変更したり、変更後の周波数ftargetにとってそれまでの第1ゾーンが広すぎる場合、変更後の周波数ftargetにとって十分な程度まで第1ゾーンを狭く変更したりすることができる。

図8の例に関して説明を省略した点は、図5の例と同様である。 また、線路長を可変にすることは、図6(B)の例に適用してもよい。

[2.5.5 短幅化処理の第4例(ステップリカバリーダイオード] 図9(A)(B)は、短幅化処理を行う第2処理部14を構成する回路の第4例を示している。 図9(A)(B)の第2処理部14は、ステップリカバリーダイオード145を有して構成されている。図9(A)の例では、ステップリカバリーダイオード145が、第1処理部13の出力に対して直列に対して接続され、図9(B)の例では、ステップリカバリーダイオード145が、第1処理部13の出力に対して並列に接続されている。図9(A)(B)のいずれの場合においても、第1処理部13により生成された非連続化パルス信号PC−Pは、ステップリカバリーダイオード145に与えられる。

ステップリカバリーダイオード145は、入力されたパルスを短幅化することができ、図9(A)の回路構成の場合、図9(C)に示すような短幅パルス信号PSを生成することができる。この短幅パルス信号PSは、パルス高が、オリジナルパルス信号POよりも高くなるため信号エネルギーの低下を抑制することができる。 なお、図9(B)の回路構成の場合、生成される短幅パルス信号PSを反転したものとなる。

[2.5.6 短幅化処理の第5例(非線形伝送線路)] 図10は、短幅化処理を行う第2処理部14を構成する回路の第5例を示している。図10の第2処理部14は、非線形伝送線路146を有して構成されている。この非線形伝送線路146は、与えられたパルス信号のパルス幅を短くする非線形伝送線路(Non Lininear Transmission Line)である。パルス幅を短くする非線形伝送線路146は、一般に、例えば、パルス幅がピコ秒程度のパルス信号を生成する生成器に用いられるものである。 第1処理部13により生成された非連続化パルス信号PC−Pを、非線形伝送線路146に与えることで、非連続化パルス信号PC−Pよりもパルス幅が短い短幅パルス信号PSを生成することができる。この短幅パルス信号PSも、パルス高が、オリジナルパルス信号POよりも高くなるため信号エネルギーの低下を抑制することができる。

[3.付記] なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

1 通信装置 10 信号処理装置 11 ΔΣ変調器 12 処理部 13 第1処理部 14 第2処理部 15 バンドパスフィルタ 141 生成器 142 反転素子 143 遅延素子 L1 第1伝送線路 L2 第2伝送線路 SW1 スイッチ SW2 スイッチ

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