特定装置および特定方法

申请号 JP2014188778 申请日 2014-09-17 公开(公告)号 JP6243308B2 公开(公告)日 2017-12-06
申请人 株式会社日立ソリューションズ; 发明人 連 燦紅; 松本 俊子;
摘要
权利要求

プログラムを実行するプロセッサと、前記プロセッサが実行するプログラムを格納するメモリと、を備える特定装置であって、 前記プロセッサは、 対象海域内の目的港へ航行する船舶の前記目的港に到着するまでの時系列な位置および時刻を示す一連の時系列データを取得する取得処理と、 前記取得処理によって取得された一連の時系列データの中の連続する2つの時系列データと、前記一連の時系列データのうち前記船舶が前記目的港に位置するときの時系列データが示す到着時刻と、予測期間と、に基づいて、前記一連の時系列データのうち前記船舶が前記予測期間以内で前記対象海域に進入できる時系列データの中の最古の時系列データの位置を、前記対象海域からの前記船舶の最遠位置として特定する特定処理と、 を実行することを特徴とする特定装置。前記取得処理では、前記プロセッサは、船舶ごとに、前記一連の時系列データを取得し、 前記特定処理では、前記プロセッサは、前記船舶ごとに、前記船舶の最遠位置を特定し、 前記プロセッサは、 前記船舶ごとの最遠位置を示す複数の最遠位置データにより前記対象海域を包含する図形を生成し、前記複数の最遠位置データと前記図形と前記対象海域を示す情報と前記予測期間とを含む海域データを生成する海域データ生成処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の特定装置。前記プロセッサは、 前記複数の最遠位置データのうち、最近傍の最遠位置データとの距離が所定距離以上となる特定の最遠位置データを、前記図形の生成元からの除外対象に設定する設定処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の特定装置。前記プロセッサは、 前記海域データ生成処理によって生成された海域データを出する出力処理を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の特定装置。前記プロセッサは、 前記海域データ生成処理によって生成された海域データを出力する出力処理を実行し、 前記海域データ生成処理では、前記プロセッサは、前記出力処理による前記海域データの出力後に、外部から前記特定の最遠位置データの除外指示が与えられた場合、前記複数の最遠位置データのうち前記特定の最遠位置データを除いた最遠位置データ群を用いて前記図形を更新し、 前記出力処理では、前記プロセッサは、更新後の図形を出力することを特徴とする請求項3に記載の特定装置。前記特定装置は、 前記海域データ生成処理によって生成された海域データを記憶するデータベースを有し、 前記プロセッサは、 時系列な位置および時刻を示す予測対象船舶に関する一連の時系列データの中のある予測日付に該当する特定の時系列データの位置を包含する図形を有する第1の海域データを前記データベースから特定し、前記第1の海域データに含まれる第1の予測期間よりも短い第2の予測期間を含む第2の海域データを前記データベースから特定し、前記特定の時系列データの位置が前記第2の海域データに包含されていない場合、前記予測対象船舶と特定する情報と、前記特定の時系列データと、前記第1の予測期間と、を含む予測船舶データを生成する予測船舶データ生成処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の特定装置。プログラムを実行するプロセッサと、前記プロセッサが実行するプログラムを格納するメモリと、を備える特定装置による特定方法であって、 前記プロセッサは、 対象海域内の目的港へ航行する船舶の前記目的港に到着するまでの時系列な位置および時刻を示す一連の時系列データを取得する取得処理と、 前記取得処理によって取得された一連の時系列データの中の連続する2つの時系列データと、前記一連の時系列データのうち前記船舶が前記目的港に位置するときの時系列データが示す到着時刻と、予測期間と、に基づいて、前記一連の時系列データのうち前記船舶が前記予測期間以内で前記対象海域に進入できる時系列データの中の最古の時系列データの位置を、前記対象海域からの前記船舶の最遠位置として特定する特定処理と、 を実行することを特徴とする特定方法。

说明书全文

本発明は、情報を特定する特定装置および特定方法に関する。

船舶の安全航行のため、船舶自動識別装置(Automatic Identification System,AIS)が搭載されている船舶がある。船舶の位置や速度などを含む航跡データ(以降、AISデータとする)が、AISから定期的に近隣の港湾や船舶に無線で発信される。近年、衛星を通してAISデータを収集する仕組みが導入され、全世界のAISデータをより簡単に入手可能である。そこで、地図上にリアルタイムで船舶の位置情報を表示する既存システムに対し、AISデータを用いて海運業界の経営戦略策定や船舶運行管理を支援する付加機能が要望されている。

例えば、船舶の到着遅延により貨物ターミナルのゲート入口付近で渋滞を回避するためのAISデータを用いて船舶の予定到着時刻をリアルタイムに提供する船舶動静予測技術(たとえば、下記特許文献1を参照。)や、燃費を削減するための船舶の就航データと予測された気象データを用いて最適航路を計算する技術(たとえば、下記特許文献2を参照)などがある。

特開2009−025860号公報

特開2009−286230号公報

荷主は、海運会社や用船仲介者に個別に問い合わせることで、指定された時刻から一定期間内に、指定された海域(以降では、対象海域)に到達する船舶を列挙して、用船交渉を行っている。

荷主にとって、用船交渉をする際に交渉可能な船舶や海運会社が増えるほど、選択肢が増え、用船料の削減交渉に有利になる。また、荷主は、積荷を運びたい目的港に実際に到着する船舶以外の他の船舶も考慮することができるのであれば、さらに選択肢を増やすことができる。たとえば、他の船舶とは、目的港に到着すべく対象海域に向かっており、要望があれば一定期間内に目的港とは異なる他の港に到着できる船舶である。

また、荷主(発荷主または着荷主のいずれもでよい)にとって、将来どのタイミングで用船契約するのが最も良いかを検討するとき、将来の各タイミングに目的港に到着する船舶を予測するだけでは、用船可能の船舶や海運会社が限定されてしまい、用船契約の交渉を有利に運べないという問題がある。また、上述した特許文献1,2の従来技術では、対象海域への到達以前の指定された時刻から一定期間内に対象海域に到達する船舶を確認することができないため、用船可能の船舶や海運会社が限定されてしまう。

本発明は、対象海域への到達以前の指定された時刻から一定期間内に対象海域に到着する船舶を予測することを目的とする。

本願において開示される発明の一側面となる特定装置および特定方法では、プロセッサは、対象海域内の目的港へ航行する船舶の前記目的港に到着するまでの時系列な位置および時刻を示す一連の時系列データを取得する取得処理と、前記取得処理によって取得された一連の時系列データの中の連続する2つの時系列データと、前記一連の時系列データのうち前記船舶が前記目的港に位置するときの時系列データが示す到着時刻と、予測期間と、に基づいて、前記一連の時系列データのうち前記船舶が前記予測期間以内で前記対象海域に進入できる時系列データの中の最古の時系列データの位置を、前記対象海域からの前記船舶の最遠位置として特定する特定処理と、を実行することを特徴とする。

本発明の代表的な実施の形態によれば、対象海域への到達以前の指定された時刻から一定期間内に対象海域に到着する船舶を予測することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。

海域を含む地図データを示す説明図である。

特定装置の構成例を示すブロック図である。

データメモリに含まれるAISデータのデータ構造例を示す説明図である。

時系列データのデータ構造例を示す説明図である。

データメモリに含まれる港到着履歴データのデータ構造例を示す説明図である。

データメモリに含まれる海域データのデータ構造例1を示す説明図である。

データメモリに含まれる海域データのデータ構造例2を示す説明図である。

最遠位置データのデータ構造例を示す説明図である。

データメモリに含まれる予測船舶データのデータ構造を示す説明図である

特定装置による特定処理手順例を示すフローチャートである。

航海データ取得処理(ステップS1004)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。

最遠位置特定処理(ステップS1005)の具体例を示す説明図である。

最遠位置特定処理(ステップS1005)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。

例外除去処理(ステップS1006)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。

航行枠生成処理(ステップS1007)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。

到着船舶予測処理(ステップS1013)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。

選択条件での到着船舶予測処理(ステップS1603)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。

予測船舶データ生成処理(ステップS1706)における予測期間ごとの海域範囲に含まれる船舶を特定する例を示す説明図である。

予測船舶データ生成処理(ステップS1706)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。

図10の予測表示処理(S1014)における航行枠表示処理部により表示される表示画面例1を示す説明図である。

図10の予測表示処理(S1014)における航行枠表示処理部により表示される表示画面例2を示す説明図である。

図10の予測表示処理(S1014)における予測表示処理部による表示画面例1を示す説明図である。

図10の予測表示処理(S1014)における予測表示処理部による表示画面例2を示す説明図である。

図10の予測表示処理(S1014)における予測表示処理部による表示画面例3を示す説明図である。

以下、添付図面を参照しながら、本発明の特定装置を実施するための最良の実施形態を詳細に説明する。図1〜図24は、本発明の実施例を示す説明図である。これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表し、基本的な構成および動作は同様であるものとする。尚、本発明の実施形態において、使用される機器、手法等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではないことは勿論である。

更に、本発明の実施形態は、後述されるように、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装しても良いし専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。

なお、以後の説明では「テーブル」形式によって本発明の各情報について説明するが、これら情報は必ずしもテーブルによるデータ構造で表現されていなくても良く、リスト、DB、キュー等のデータ構造やそれ以外で表現されていても良い。そのため、データ構造に依存しないことを示すために「テーブル」、「リスト」、「DB」、「キュー」等について単に「情報」と呼ぶことがある。

また、各情報の内容を説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「名前」、「ID」という表現を用いることが可能であり、これらについてはお互いに置換が可能である。

以下では「プログラム」を主語(動作主体)として本発明の実施形態における各処理について説明を行うが、プログラムはプロセッサによって実行されることで定められた処理をメモリおよび通信ポート(通信制御装置)を用いながら行うため、プロセッサを主語とした説明としてもよい。また、プログラムを主語として開示された処理は管理サーバ等の計算機、情報処理装置が行う処理としてもよい。プログラムの一部またはすべては専用ハードウェアで実現してもよく、また、モジュール化されていても良い。各種プログラムはプログラム配布サーバや記憶メディアによって各計算機にインストールされてもよい。

<対象海域と航行枠の一例> 図1は、海域を含む地図データを示す説明図である。特定装置100は、地図データ1を記憶する。地図データ1には、対象海域2(ここでは、例として東南アジア海域)が表示される。米印である符号3は、船舶の位置を示す位置データを示す。位置データ3を中心とする円4は、船舶位置の誤差を許容する許容範囲である。また、円4を内接する太線の多形は、特定装置100により作成された航行枠5である。

本実施例の特定装置100は、たとえば、荷主(発荷主または着荷主のいずれもでよい)に利用される。本実施例の特定装置100は、過去の航行履歴を基に、船舶ごとに海域に到達(または進入)する時点から所定期間前の船舶位置を航行枠5として設定して表示する。すなわち、位置データ3で特定される航行枠の境界に位置する船舶は、所定期間経過後に対象海域2に到達(または進入)することを意味する。これにより、荷主は、対象海域2内の船舶のみならず航行枠5と対象海域2との間に位置する船舶を把握することができる。したがって、用船交渉先となる可能な船舶や海運会社といった選択肢が増え、用船料の削減交渉が荷主にとって有利になる。

<特定装置100の構成例> 図2は、特定装置100の構成例を示すブロック図である。特定装置100は、AISデータDB200と、港到着履歴データDB201と、海域データDB202と、予測船舶データDB203と、入装置204と、表示装置205と、中央処理装置206と、プログラムメモリ207と、中央処理装置(プロセッサ)206の処理に必要なデータを格納するデータメモリ208と、を有する。特定装置100は、1台以上のコンピュータにより構成される。

AISデータDB200は、AISデータ218を記憶するデータベースである(図3、図4を参照。)。港到着履歴データDB201は、港到着履歴データ219を記憶するデータベースである(図5を参照。)。海域データDB202は、海域データ220を記憶するデータベースである(図6〜図8を参照。)。予測船舶データDB203は、予測船舶データを記憶するデータベースである(図9を参照。)。

中央処理装置206は、予測処理部209と、予測表示処理部210と、を有する。予測処理部209および予測表示処理部210は、コンピュータ上で実行されるプログラムの機能の一部として実現される。当該プログラムは、プログラムメモリ207に格納され、処理実行の際に中央処理装置206が内部メモリに読み込むようにしている。

予測処理部209は、航海データ取得処理部211と、最遠位置特定処理部212と、例外除去処理部213と、航行枠生成処理部214と、到着船舶予測処理部215と、を有する。また、予測表示処理部210は、航行枠表示処理部216と、到着船舶予測表示処理部217と、を有する。

データメモリ208は、AISデータDB200から読み込まれたAISデータ218と、港到着履歴データDB201から読み込まれた港到着履歴データ219と、海域データDB202から読み込まれた、または、航行枠生成処理部214より生成された海域データ220と、到着船舶予測処理部215より予測された予測船舶データ221と、を格納する。

<データ構造例> つぎに、上述したAISデータ218、港到着履歴データ219、海域データ220、および予測船舶データ221のデータ構造例について、図3〜図9を用いて説明する。

(AISデータ218) 図3は、データメモリ208に含まれるAISデータ218のデータ構造例を示す説明図である。AISデータ218は、AISデータDB200に記憶されており、中央処理装置206により読み出されてデータメモリ208に格納される。

AISデータ218は、船舶番号300と、IMO(International Maritime Organization、国際海事機関)番号(船舶識別番号)301と、船舶名302と、船種303と、サイズ304と、最大積載量305と、海運会社306と、建船日付307と、時系列データ308と、を含み、たとえば配列の形式でこれらの情報が保有される。

船舶番号300には、AISデータ218に対して一意に振られた値が保持される。IMO番号301には、値として、IMOにおいて大型船に割り振られた船舶の識別番号が保持される。船舶名302には、値として、IMOに登録した船の名前が保持される。船種303には、値として、IMOに登録した船舶の種類名称が保持される。サイズ304には、値として、IMOに登録した船舶の長さや幅などが保持される。最大積載量305には、値として、船舶別に積載可能の最大容量が保持される。海運会社306には、値として、船舶のオペレーター会社の名称が保持される。建船日付307には、値として、船舶が造られた日付が保持される。時系列データ308には、時刻ごとの船舶位置や速度などの情報が保持される。

(時系列データ308) 図4は、時系列データ308のデータ構造例を示す説明図である。時系列データ308は、時系列番号400と、受信時刻401と、経度402と、緯度403と、速度404と、喫405と、を含み、たとえば配列の形式でこれらの情報が保有される。時系列番号400には、時系列データ308に対して一意に振られた値が保持される。受信時刻401には、値として、該当時系列データが受信された時刻が保持される。経度402および緯度403には、値として、該当時系列データ308が発信されたときの船舶の座標情報が保持される。速度404には、値として、該当時系列データ308が発信されたときの船舶の速度が保持される。喫水405には、値として、該当時系列データ308が発信されたときに船舶が水上にある際に船体が沈む深さが保持される。

(港到着履歴データ219) 図5は、データメモリ208に含まれる港到着履歴データ219のデータ構造例を示す説明図である。港到着履歴データ219は、港到着履歴データDB201に記憶されており、中央処理装置206により読み出されてデータメモリ208に格納される。港到着履歴データ219は、履歴番号500と、港番号501と、港名502と、国503と、港経度504と、港緯度505と、船舶番号506と、到着時刻507と、を含み、たとえば配列の形式でこれらの情報が保有される。

履歴番号500には、港到着履歴データ219に対して一意に振られた値が保持される。港番号501には、値として、世界中の港に対して振られた唯一の値が保持される。港名502には、値として、世界共通の港名称が保持される。国503には、値として、港の所属国の名称が保持される。港経度504および港緯度505には、値として、港の座標情報が保持される。船舶番号506には、該当港に到着した該当船舶における船舶番号300が保持される。到着時刻507には、値として、船舶が該当港に到着したときの時刻が保持される。

(海域データ220) 図6および図7は、データメモリ208に含まれる海域データ220のデータ構造を示す説明図である。海域データ220は、海域データDB202に記憶されており、中央処理装置206により読み出されてまたは算出されてデータメモリ208に格納される。海域データ220は、種類601によって値の構成が異なるため、種類601ごとに説明する。図6の海域データ220は、種類601の値が「対象海域」である場合のデータ構造例であり、図7の海域データ220は、種類601の値が「航行枠」である場合のデータ構造例である。なお、データ構造自体は、図6も図7も同一である。

図6および図7において、海域データ220は、海域番号600と、種類601と、対象海域番号602と、海域名603と、船種604と、海域範囲605と、季節606と、予測期間607と、最遠位置データ608と、を含み、たとえば配列の形式でこれらの情報が保有される。海域番号600には、海域データ220に対して一意に振られた値が保持される。

種類601には、値として、海域データ220の種類を識別するための値が保持される。上述したように、海域データ220には、「対象海域」(図6)と「航行枠」(図7)の2種類である。種類が「対象海域」である海域データ220は、海域番号600および海域名603の各値により特定される海域を示す海域データ220であり、あらかじめ用意される。一方、種類601が「航行枠」である海域データ220は、対象海域番号602の値である対象海域2に対して航行枠5を規定する海域データ220であり、本実施例の特定装置100により生成される。

対象海域番号602には、値として、「航行枠」種類の海域データ220において対応する「対象海域」種類の海域データ220の海域番号600が保持される。なお、「対象海域」種類の海域データ220の場合、例として、対象海域番号602に「−」が登録される。

海域名603には、値として、海域の名称が保持される。なお、「航行枠」種類の海域データ220の場合、航行枠5は海域外であるため、例として、海域名603に「−」が登録される。

船種604には、値として、予測対象船舶の種類名称が保持される。「対象海域」種類の海域データの場合、予測対象船舶が特定されていないため、例として、船種604に「−」が登録される。

海域範囲605には、種類601によって特定される領域の範囲を示す図形情報が保持される。たとえば、種類601が「対象海域」である場合、海域番号600および海域名603で特定される対象海域2を特定する図形情報(たとえば、円)が保持される。一方、種類601が「航行枠」である場合、航行枠5を特定する図形情報(たとえば、多角形)が保持される。

季節606には、値として、季節の名称が保持される。なお、「対象海域」種類の海域データ220の場合、例として、季節606に「−」が登録される。

予測期間607には、値として、船舶が、「航行枠」種類の海域データ220が示す航行枠5から、「対象海域」種類の海域データ220が示す対象海域2に進入するまで必要な期間が保持される。具体的には、図10で説明する設定処理が実行される場合に選択される予測期間ΔTが格納される。なお、「対象海域」種類の海域データの場合、例として、予測期間607に「0」が登録される。

最遠位置データ608には、対象海域2に進入した直後から予測期間607の値である一定期間前の船舶位置などの情報が保持される。

(最遠位置データ608) 図8は、最遠位置データ608のデータ構造例を示す説明図である。最遠位置データ608は、最遠位置番号800と、受信時刻801と、経度802と、緯度803と、例外フラグ804と、を含み、たとえば、配列の形式でこれらの情報が保有される。なお、最遠位置データ608は、時系列データ308を基に生成されるデータである。

最遠位置番号800には、最遠位置データ608に対して一意に振られた値が保持される。受信時刻801には、該当時系列データ308における受信時刻401が保持される。経度802および緯度803には、該当時系列データ308における経度402および緯度403が保持される。例外フラグ804には、該当「航行枠」種類の海域データ220の海域範囲605を生成するときに、最遠位置データ608が使われている可否かを識別するための値が保持される。なお、デフォルトの場合、例として、例外フラグ804に「False」が保持され、海域範囲605を生成するときに使われることを明記する。

(予測船舶データ221) 図9は、データメモリ208に含まれる予測船舶データ221のデータ構造を示す説明図である。予測船舶データ221は、中央処理装置206により生成されて、予測船舶データDB203に記憶される。また、予測船舶データ221は、中央処理装置206により読み出されてデータメモリ208に格納される。

予測船舶データ221は、予測船舶番号900と、対象海域番号901と、船舶番号902と、IMO番号903と、船舶名904と、船種905と、最大積載量906と、海運会社907と、受信時刻908と、経度909と、緯度910と、速度911と、喫水912と、必要期間913と、予測日付914と、を含み、たとえば、配列の形式でこれらの情報が保有される。なお、予測船舶データ221は、AISデータ218を基に生成される。

予測船舶番号900には、予測船舶データ221に対して一意に振られた値が保持される。対象海域番号901には、該当する「対象海域」種類の海域データ220における海域番号600が保持される。

船舶番号902には、該当船舶における船舶番号300が保持される。IMO番号903には、該当船舶におけるIMO番号301が保持される。船舶名904には、該当船舶における船舶名302が保持される。船種905には、該当船舶における船種303が保持される。最大積載量906には、該当船舶における最大積載量305が保持される。

海運会社907には、該当船舶における海運会社306が保持される。受信時刻908には、予測時点に該当船舶の最新の時系列データ308における受信時刻401が保持される。経度509および緯度510には、予測時点に該当船舶の最新の時系列データ308における経度402および緯度403が保持される。

速度512には、予測時点での該当船舶の最新の時系列データ308における速度404が保持される。喫水912には、予測時点での該当船舶の最新の時系列データ308における喫水405が保持される。必要期間913には、予測された船舶が該当対象海域に入るまで必要な航行期間が保持される。予測日付914には、該当対象海域において到着船舶を予測するときの日付が保持される。

<特定処理手順例> つぎに、特定装置100による特定処理手順例について図10〜図24を用いて説明する。

図10は、特定装置100による特定処理手順例を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、指定された船種において、受信されたAISデータ218と港到着履歴データ219に基づいて一定期間(以降、予測期間と略す)以内に対象海域2に到着する可能の航行枠5を生成し、航行枠5とAISデータ218の座標値における位置関係を求め、予測期間以内に対象海域2に到着する船舶を予測する処理例である。これにより、各船種、各海域および各予測期間において、荷主は、対象海域2に到着可能な船舶を確認することができる。

なお、ここでは、図10のステップS1001〜ステップS1014までの処理を、たとえば、1日1回のバッチ処理で実行する例について説明するが、バッチ処理の間隔は任意に変更することができる。また、バッチ処理に限られず、任意のタイミングでも実行可能である。

図10において、まず、特定装置100は、海域データDB202から「対象海域」種類の海域データ220をデータメモリ208に格納する(ステップS1000)。つぎに、特定装置100は、複数の季節(たとえば、春夏秋冬)から未選択の季節Xを選択する(ステップS1001)。また、特定装置100は、複数の予測期間(たとえば、1週間、2週間、3週間、4週間)から未選択の予測期間ΔTを選択する(ステップS1002)。本例の場合、季節Xが4種類、予測期間ΔTも4種類であるため、16通りの組み合わせについて以降の処理が実行される。

つぎに、特定装置100は、データメモリ208から1件の「対象海域」種類の海域データ220である海域データA1を取得する(ステップS1003)。そして、特定装置100は、航海データ取得処理部211を用いて、航海データ取得処理を実行する(ステップS1004)。航海データ取得処理(ステップS1004)は、港到着履歴データ219に基づいて、季節Xに海域データA1内の港へ航行した船舶の航海データを抽出する処理である。航海データは、AISデータ218の時系列データ308である。

例えば、対象海域2である東南アジア海域の夏は6月から8月までとすると、選択季節X=夏に東南アジア海域内の港に到着した航海データを抽出するため、特定装置100は、港到着履歴データ219を基づいて、6月から8月に東南アジア海域内の港に到着した船舶の航海データを当該船舶のAISデータ218から抽出する。なお、航海データ取得処理(ステップS1004)についての処理は、図11を用いて詳細に後述する。

つぎに、特定装置100は、航海データ取得処理部211より得られた航海データにおいて、最遠位置特定処理部212を用いて、最遠位置特定処理を実行する(ステップS1005)。最遠位置特定処理(ステップS1005)は、海域データA1に入った直後から予測期間分遡った船舶位置を特定する処理である。例えば、特定装置100は、対象海域2である東南アジア海域に入った直後から1週間前の船舶位置を特定する。なお、ステップS1004についての処理は、図13を用いて詳細に後述する。

つぎに、特定装置100は、最遠位置特定処理部212より得られた最遠位置データ408について、例外除去処理部213を用いて、例外除去処理を実行する(ステップS1005)。例外除去処理(ステップS1006)は、他の最遠位置データ408から遠く離れた最遠位置データ408を表示対象から除去できるよう設定する処理である。なお、例外除去処理(ステップS1006)は、図14を用いて詳細に後述する。

つぎに、特定装置100は、航行枠生成処理部214を用いて、例外を除外した後の最遠位置データ408を基に、航行枠生成処理を実行する(ステップS1007)。航行枠生成処理(ステップS1007)は、「航行枠」種類の海域データA1を作成する処理である。なお、航行枠生成処理(ステップS1007)の詳細は、図15を用いて詳細に後述する。

つぎに、特定装置100は、航行枠生成処理(ステップS1006)によって新しく生成された「航行枠」種類の海域データ220を海域データDB202に書込む(ステップS1008)。具体的には、図7および図8に示したような海域データ220および最遠位置データ608が海域データDB202に書き込まれる。このあと、特定装置100は、データメモリ208にある「航行枠」種類の海域データ220を削除する(ステップS1009)。

つぎに、特定装置100は、データメモリ208上に、未取得の「対象海域」種類の海域データ220があるか否かを判断する(ステップS1010)。未取得の「対象海域」種類の海域データ220が有る場合(ステップS1010:Yes)、ステップS1003に戻り、海域データA1の再取得を試行する。

一方、未取得の海域データ220がない場合(ステップS1010:No)、未処理のすべての「対象海域」種類の海域データ220が処理されたこととなる。この場合、特定装置100は、未選択の予測期間ΔTがあるか否かを判断する(ステップS1011)。未選択の予測期間ΔTがある場合(ステップS1011:Yes)、ステップS1002に戻り、特定装置100は、予測期間を再選択する(ステップS1002)。

一方、未選択の予測期間ΔTがない場合(ステップS1111:No)、特定装置100は、到着船舶予測処理部215を用いて、対象海域2において、到着船舶予測処理を実行する(ステップS1013)。

到着船舶予測処理(ステップS1013)は、予測期間以内に対象海域2に到着する船舶を予測する処理である。例えば、特定装置100は、1週間(指定期間)以内に東南アジア海域(対象海域2)に到着する船舶を予測する。なお、到着船舶予測処理(ステップS1013)の詳細は、図16〜図18を用いて詳細に後述する。

このあと、ユーザ(たとえば、荷主)からの操作により、特定装置100は、航行枠表示処理部216と到着船舶予測表示処理部217を用いて、予測結果を表示する(ステップS1014)。なお、航行枠表示処理部216と到着船舶予測表示処理部217(ステップS1012)の表示内容例と処理は、図20〜図24を用いて詳細に後述する。

(航海データ取得処理(ステップS1004)) 図11は、航海データ取得処理(ステップS1004)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。航海データ取得処理(ステップS1004)は、対象海域2内の目的港へ航行する船舶の目的港に到着するまでの時系列な位置および時刻を示す一連の時系列データを取得する。具体的には、航海データ取得処理(ステップS1004)は、指定された船種において、受信されたAISデータと港到着履歴データに基づいて、該当季節に対象海域にある港へ航行した航海データを抽出する処理である。

図11において、まず、特定装置100は、港到着履歴データDB201から港到着履歴データ219をデータメモリに格納する(ステップS1100)。つぎに、特定装置100は、データメモリから1件の港到着履歴データP1を取得し(ステップS1101)、港到着履歴データP1の港経度504および港緯度505が「対象海域」種類の海域データA1の海域範囲605にあるか否かを判断する(ステップS1102)。

港到着履歴データP1の港経度504または港緯度505が海域データA1の海域範囲605の外にあった場合(ステップS1102:No)、ステップS1104に移行する。一方、P1の港経度504および港緯度505がA1の海域範囲605にあった場合(ステップS1102:Yes)、特定装置100は、港到着履歴データP1の到着時刻507が季節Xに属するか否かを判断する(ステップS1103)。

港到着履歴データP1の到着時刻507が季節Xに属しない場合(ステップS1103:No)、特定装置100は、港到着履歴データP1をデータメモリから削除する(ステップS1104)。一方、季節Xに属する場合(ステップS1103:Yes)、特定装置100は、AISデータDB200から港到着履歴データP1の船舶番号と一致する船舶のAISデータ218をデータメモリ208に格納する(ステップS1105)。

そして、特定装置100は、港到着履歴データP1の到着時刻507以降に受信されたAISデータ218の時系列データ308をデータメモリ208から削除して(ステップS1106)、ステップS1107に移行する。例えば、ある船舶のAISデータ218には、受信時刻401が「2012−02−01」から「2014−07−21」までの時系列データ308が含まれており、港到着履歴データP1の到着時刻507が「2012−05−01」とする。

この場合、航海データにおける時系列データ308は、受信時刻401が「2012−02−01」から「2014−07−21」までの時系列データ308から、受信時刻401が到着時刻507「2012−05−01」以降の時系列データ308が削除された時系列データ308である。すなわち、航海データにおける時系列データ308の受信時刻401は、「2012−02−01」から「2012−05−01」までである。

このあと、特定装置100は、未取得の港到着履歴データが存在するか否かを判断する(ステップS1107)。未取得の港到着履歴データ219が有る場合(ステップS1107:Yes)、ステップS1101に戻り、特定装置100は、データメモリ208から未取得の1件の港到着履歴データP1を取得する(ステップS1101)。一方、未取得の港到着履歴データ219がない場合(ステップS1107:No)、特定装置100は、データメモリ208にある港到着履歴データ219を削除し(ステップS1108)、航海データ取得処理(ステップS1004)を終了する。

(最遠位置特定処理(ステップS1005)) つぎに、最遠位置特定処理(ステップS1005)について説明する。最遠位置特定処理(ステップS1005)は、船舶が目的港に位置するときの時系列データ308が示す到着時刻と、一定期間(すなわち、予測期間ΔT)と、に基づいて、船舶が予測期間ΔT以内で対象海域2に進入できる時系列データのうち最古の時系列データの位置を、対象海域2からの船舶の最遠位置として特定する。具体的には、最遠位置特定処理(ステップS1005)は、指定された船種において、航海データ取得処理(ステップS1004)より得られた航海データについて、時系列データ308における受信時刻401の降順で対象海域に入った直後に受信された時系列データ308の受信時刻を特定し、その受信時刻より更に予測期間ΔT前の船舶位置を特定する処理である。

図12は、最遠位置特定処理(ステップS1005)の具体例を示す説明図である。×印は船舶の位置を示す時系列データ308である。(A)は、航海データ取得処理(ステップS1004)より得られた航海データ、すなわち、時系列データ308の集合である。t1〜t10は受信時刻401であり、t10が港1200の到着時刻である。

特定装置100は、時刻t1〜t10のうち最も直近となる時刻t10を基準として、時刻t1〜t10から未選択の直近の2つの時刻の組み合わせ(a,b)を選択する。bはaの1つ前の受信時刻401である。特定装置100は、(a,b)=(t10,t9)、(t9,t8)、(t8,t7)、…の順に選択し、(a,b)が対象海域2の境界Abをまたぐ組を選択する。

(A)の例では、特定装置100は、(a,b)=(t7,t6)の場合に、対象海域2の境界Abをまたぐことになる。したがって、t7の時系列データ308が対象海域2に最初に進入した船舶の位置を示すことになる。特定装置100は、最初に対象海域2への進入が特定された時刻t7での船舶位置を基準として、対象海域2からの船舶の最遠位置を特定することになる。

(B)および(C)は、(A)の時刻t7での船舶位置を基準時刻Tとして最遠位置特定例を示す。横軸は時間軸である。ここでは、予測期間ΔT=1週間として説明する。特定装置100は、時刻t7以前の時刻t1〜t6から直近の2つの時刻の組み合わせ(a,b)を選択する。bはaの次の時刻である。(B)では、(a,b)=(t6,t5)が選択される。特定装置100は、基準時刻T(=t7)から予測期間前の時刻T−ΔTを特定する。時刻T−ΔTが(a,b)の間の時刻となれば、aの船舶位置を示す時系列データ308が最遠位置を示す最遠位置データとなる。

(B)に示した(a,b)=(t6,t5)の場合、t5、t6のいずれも時刻T−ΔT以降の時刻となるため、最遠位置が特定されない。この場合、特定装置100は、時系列データ308の時刻を1つ過去にシフトして、(a,b)=(t5,t4)を選択する。このように、時刻T−ΔTが(a,b)の間の時刻となるまで、特定装置100はシフトを続ける。

(C)は、(a,b)=(t3,t2)の場合の例である。この場合、t3が時刻T−ΔT以前の時刻であり、t2が時刻T−ΔT以降の時刻となるため、時刻t3の時系列データ308が、予測期間ΔT内において対象海域2からの船舶の最遠位置を示す最遠位置データとなる。

図13は、最遠位置特定処理(ステップS1005)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。最遠位置特定処理(ステップS1005)は、図12に示したように、予測期間ΔTでの対象海域2からの船舶の最遠位置を特定する処理である。

まず、特定装置100は、1件の新しい「航行枠」種類の海域データnewA1を作成する(ステップS1300)。「航行枠」種類の海域データnewA1は、海域番号600〜予測期間607が設定された海域データ220である。種類601は「航行枠」である。

つぎに、特定装置100は、データメモリ208から1件の未取得のAISデータaisを取得し(ステップS1301)、AISデータaisの時系列データ308を受信時刻401の降順でソートする(ステップS1302)。そして、特定装置100は、図10のステップS1003で取得された「対象海域」種類の海域データA1に進入した直後の時刻Tを時刻T0で初期化する(ステップS1303)。たとえば、特定装置100は、時刻Tを時刻T0=「1900−01−01」に設定する。

つぎに、特定装置100は、AISデータaisにおけるi件目の時系列データaを取得する(ステップS1304)、たとえば、特定装置100は、未取得の時系列データ308のうち、受信時刻401が最新の時刻を、AISデータaisにおけるi件目の時系列データaとして取得する。

また、特定装置100は、時系列データaの1つ前の時刻の時系列データ308bを取得する(ステップS1305)。これにより、(a,b)の組が特定される。つぎに、特定装置100は、海域データA1に進入した直後の時刻TがT=T0であるか否かを判断する(ステップS1306)。すなわち、特定装置100は、時刻Tが初期化した時刻T0のままであるか否かを判断する。

時刻Tが更新されず、T=T0である場合(ステップS1306:Yes)、特定装置100は、aの経度402および緯度403が海域データA1の海域範囲605内であり、かつ、bの経度402および緯度403が海域データA1の海域範囲605外にあるか否かを判断する(ステップS1307)。すなわち、特定装置100は、図12に示した(A)の状態であるか否かを判断する。

aの経緯度が海域データA1の海域範囲605内でかつbの経緯度が海域データA1の海域範囲605外である場合(ステップS1307:Yes)、特定装置100は、時刻Tにaの受信時刻401を設定する(ステップS1308)。一方、aの経緯度が海域データA1の海域範囲605外またはbの経緯度が海域データA1の海域範囲605内である場合(ステップS1307:No)、ステップS1311に移行する。

また、ステップS1306において、T≠T0である場合(ステップS1306:No)、すなわち、時刻Tが時系列データaの受信時刻401に更新された場合、特定装置100は、aの受信時刻401が(T−ΔT)以降で、かつ、bの受信時刻401が(T−ΔT)以前であるか否かを判断する(ステップS1309)。すなわち、特定装置100は、図12の(C)の状態になるか否かを判断する。

aが(T−ΔT)以降で、かつ、bが(T−ΔT)以前に受信された時系列データ308である場合(ステップS1309:Yes)、図12の(C)の状態となる。したがって、特定装置100は、aを基に海域データnewA1に1件の新しい最遠位置データf1を追加し(ステップS1310)、ステップS1312に移行する。

なお、1件の新しい最遠位置データf1では、aの受信時刻401が最遠位置データf1の受信時刻801、aの経度402が最遠位置データf1の経度802、aの緯度403が最遠位置データf1の緯度803に設定される。例外フラグ804は未設定である。

また、aが(T−ΔT)以前、または、bが(T−ΔT)以降に受信された時系列データ308である場合(ステップS1309:No)、図12の(B)の状態であるため、ステップS1311に移行する。

ステップS1311では、特定装置100は、AISデータaisの未取得の時系列データ308が2件以上あるか否かを判断する(ステップS1311)。2件以上ある場合(ステップS1311:Yes)、(a、b)の組が選択可能であるため、ステップS1304に戻る。一方、2件以上残存していない場合(ステップS1311:No)、ステップS1312に移行する。

ステップS1312では、特定装置100は、未取得の時系列データ308があるか否かを判断する(ステップS1312)。未取得の時系列データ308がある場合(ステップS1312:Yes)、ステップS1301に戻る。一方、未取得の時系列データ308がない場合(ステップS1312:No)、特定装置100は、データメモリ208にあるAISデータを削除して(ステップS1313)、最遠位置特定処理(ステップS1005)を終了する。

(例外除去処理(ステップS1006)) 例外除去処理(ステップS1006)は、複数の最遠位置データのうち、最近傍の最遠位置データとの距離が所定距離以上となる特定の最遠位置データを、航行枠5の海域範囲となる図形の作成元からの除外対象に設定する。具体的には、例外除去処理(ステップS1006)は、指定された船種において、最遠位置特定処理(ステップS1006)より得られた最遠位置データにおいて、各最遠位置データおよびその最近傍である最遠位置データにおける距離を算出し、距離が一定閾値以上の最遠位置データを例外データとして除去できるように設定する処理である。ここでは、例外データとなる最遠位置データ608には、「True」というフラグが設定される。例外データとなった最遠位置データ608は、当該最遠位置データ608をユーザ操作により画面から除去可能である。

図14は、例外除去処理(ステップS1006)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、特定装置100は、最遠位置特定処理(ステップS1005)で作成された「航行枠」種類の海域データnewA1における未取得の最遠位置データf1を取得する(ステップS1400)。

つぎに、特定装置100は、既存の最近傍手法を用いて、「航行枠」種類の海域データnewA1の最遠位置データ408の中から、最遠位置データf1との空間距離が最も近い最遠位置データnnf1を特定する(ステップS1401)。

そして、特定装置100は、最遠位置データf1と最遠位置データnnf1との空間距離をdistとし、空間距離distが一定閾値ΔDIST以上であるか否かを判断する(ステップS1402)。空間距離distがΔDIST以上である場合(ステップS1402:Yes)、特定装置100は、最遠位置データf1の例外フラグ805に「True」を設定して(ステップS1404)、ステップS1405に移行する。「True」は、当該最遠位置データが、航行枠5から除去してもよい例外的な最遠位置データであることを示す。

例えば、ΔDIST=2000[km]に設定されたとすると、最近傍である最遠位置データnnf1との空間距離distが2000[km]以上の最遠位置データf1は例外データとして除去設定する。

一方、空間距離distがΔDIST未満である場合(ステップS1402:No)、特定装置100は、最遠位置データf1の例外フラグ805に「False」を設定して(ステップS1405)、ステップS1405に移行する。「False」は、当該最遠位置データが、例外データではない最遠位置データであることを示す。

つぎに、ステップS1405において、特定装置100は、「航行枠」種類の海域データnewA1に未取得の最遠位置データ408があるか否かを判断する(ステップS1405)。未取得の最遠位置データ408が有る場合(ステップS1406:Yes)、ステップS1400に戻り、「航行枠」種類の海域データnewA1から未取得の1件の最遠位置データf1を取得する(ステップS1400)。一方、未取得の最遠位置データ408がない場合(ステップS1406:No)、例外除去処理(ステップS1006)を終了する。

(航行枠生成処理(ステップS1007)) 航行枠生成処理(ステップS1007)は、船舶ごとの最遠位置を示す複数の最遠位置データにより対象海域2を包含する図形を生成し、複数の最遠位置データと図形と対象海域2を指定する情報と予測期間ΔTを含む海域データ(図7の「航行枠」種類の海域データ220)を生成する。具体的には、航行枠生成処理(ステップS1007)は、指定された船種において、各最遠位置データにおいて一定の空間範囲(例えば、円範囲)に拡張し、それらの空間範囲をマージした新しい空間範囲を基に航行枠5の海域範囲を作成する処理である。一定の空間範囲は、最遠位置の誤差を許容する範囲である。また、例外除去処理(ステップS1007)より例外データが設定される場合には、当該例外データを除外した最遠位置データが航行枠5の海域範囲の作成対象となる。

図15は、航行枠生成処理(ステップS1007)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、特定装置100は、「航行枠」種類の海域データnewA1の海域範囲605に海域範囲AreaとしてNULLを設定して初期化する(ステップS1500)。つぎに、特定装置100は、「航行枠」種類の海域データnewA1において航行枠生成処理(ステップS1007)で未取得の最遠位置データf1を取得する(ステップS1501)。

そして、特定装置100は、最遠位置データf1の例外フラグ805が「False」であるか否かを判断する(ステップS1502)。最遠位置データf1の例外フラグ805に「True」が設定されている場合(ステップS1502:No)、ステップS1505に移行する。一方、最遠位置データf1の例外フラグ805に「False」が設定されている場合(ステップS1502:Yes)、特定装置100は、最遠位置データf1の経度802および緯度803で特定される位置を中心にして一定半径rの円範囲circleを作成する(ステップS1503)。なお、円に限らず多角形でもよい。また、ステップS1503を省略してもよい。

つぎに、特定装置100は、円範囲circleと海域範囲Areaをマージした新しい海域範囲Areaを海域範囲605に設定する(ステップS1504)。つぎに、特定装置100は、「航行枠」種類の海域データnewA1に未取得の最遠位置データ408があるか否かを判断する(ステップS1505)。未取得の最遠位置データ408が有る場合(ステップS1505:Yes)、ステップS1501に戻り、特定装置100は、「航行枠」種類の海域データnewA1から未取得の1件の最遠位置データf1を取得する(ステップS1501)。

一方、未取得の最遠位置データ408がない場合(ステップS1505:No)、特定装置100は、既存の多角形生成方法を用いて海域範囲Areaを包含する図形を作成する(ステップS1506)。たとえば、特定装置100は、海域範囲Areaが内接するような図形を作成する。作成した図形が航行枠5である。そして、特定装置100は、作成した図形(航行枠5)を「航行枠」種類の海域データnewA1の海域範囲605に設定し(ステップS1507)、航行枠生成処理を終了する。

(到着船舶予測処理(ステップS1013)) 到着船舶予測処理(ステップS1013)は、指定された船種において、現時点まで受信された最新の時系列データ308を基づいて、各時系列データ308において航行枠生成処理(ステップS1007)より得られた航行枠5との位置関係を確認し、予測期間以内に対象海域に到着する船舶を予測する処理である。時系列データ308の座標値は、該当航行枠5の中にあり、また、予測期間ΔTがより短い航行枠5および対象海域2外にある船舶も出力対象となる。

図16は、到着船舶予測処理(ステップS1013)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、特定装置100は、予測日付eDayを設定する(ステップS1600)。本フローチャートがバッチ処理により実行される場合、予測日付eDayは、バッチ処理の実行日となる。なお、バッチ処理のタイミングに限らず、あらかじめ設定されたタイミングやユーザが操作したタイミングで到着船舶予測処理(ステップS1013)が実行されてもよい。この場合、当該タイミングの日付が予測日付eDayに設定される。

つぎに、特定装置100は、図10のステップS1000においてデータメモリ208に格納された「対象海域」種類の海域データ群から、未選択の海域データA1を選択する(ステップS1601)。そして、特定装置100は、未選択の船舶種類SKを選択する(ステップS1602)。ステップS1601〜ステップS1603で設定または選択された情報を「選択条件」とする。このあと、特定装置100は、選択条件での到着船舶予測処理を実行する(ステップS1603)。これにより、到着船舶予測処理(ステップS1013)を終了する。

(選択条件での到着船舶予測処理(ステップS1603)) 図17は、選択条件での到着船舶予測処理(ステップS1603)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、特定装置100は、海域データDB202から、選択条件に該当する「航行枠」種類の海域データ220をデータメモリ208に格納する(ステップS1700)。選択条件に該当する「航行枠」種類の海域データ220とは、船種303および予測日付eDayが属する季節406が、海域データA1の船種303および季節406と一致し、かつ、対象海域番号602が海域データA1の海域番号600と一致する海域データである。

たとえば、VLCC船において、予測日付eDay=「2014−07−21」に設定されたとすると、予測期間ΔT(たとえば、1週間)以内に東南アジア海域に到着する船舶を予測する必要がある。このため、特定装置100は、船種303が「VLCC船」、季節406が「夏」、対象海域番号602が「東南アジア海域」の海域番号600である「航行枠」種類の海域データ220を、海域データDB302から取得することになる。

つぎに、特定装置100は、AISデータDB200から、全AISデータ218をデータメモリ208に格納する(ステップS1701)。そして、特定装置100は、ステップS1700においてデータメモリ208に格納された「航行枠」種類の海域データ群から、1件の「航行枠」種類の海域データnewA1を取得する(ステップS1702)。

つぎに、特定装置100は、データメモリ208から1件の未取得のAISデータaisを取得し(ステップS1703)、AISデータaisにおける最新に受信された時系列データaを取得する(ステップS1704)。

そして、特定装置100は、時系列データaの受信時刻401が予測日付eDayと同じ日であるか否かを判断する(ステップS1705)。時系列データaの受信時刻401が予測日付eDayと異なる日である場合(ステップS1705:No)、ステップS1707に移行する。一方、同じ日である場合(ステップS1705:Yes)、特定装置100は、予測船舶データ生成処理を実行して(ステップS1706)、ステップS1707に移行する。予測船舶データ生成処理(ステップS1706)の詳細については、図18および図19で後述する。

つぎに、特定装置100は、データメモリ208上に未取得のAISデータ218があるか否かを判断する(ステップS1707)。未処理のAISデータ218が有る場合(ステップS1707:Yes)、ステップS1704に戻り、データメモリ208から未取得の1件のAISデータ218を取得する(ステップS1703)。

一方、未取得のAISデータ218がない場合(ステップS1707:No)、特定装置100は、データメモリ208上に未取得の「航行枠」種類の海域データ220があるか否かを判断する(ステップS1708)。未取得の「航行枠」種類の海域データ220がある場合(ステップS1708:Yes)、ステプS1702に戻り、特定装置100は、データメモリ208から未取得の1件の「航行枠」種類の海域データ220を取得する(ステップS1703)。

一方、未取得の「航行枠」種類の海域データ220がない場合(ステップS1708:No)、特定装置100は、予測船舶データ生成処理(ステップS1706)によって生成された予測船舶データ221を予測船舶データDB203に書き込む(ステップS1709)。そして、特定装置100は、データメモリ208にあるAISデータ218を削除し(ステップS1710)、到着船舶予測処理を終了する。

(予測船舶データ生成処理(ステップS1706)) 予測船舶データ生成処理(ステップS1706)は、予測期間ΔT以内に対象海域2に到着する船舶を予測する処理である。予測期間ΔTが複数存在する場合は、予測期間ΔTが重複しないように、予測期間ΔTごとに予測期間ΔT以内に対象海域に到着する船舶を予測する。たとえば、予測期間ΔTが1週間、2週間、3週間の3種類である場合、予測船舶データ生成処理(ステップS1706)は、予測日付から1週間以内で対象海域2に到着する船舶、予測日付から1週間経過後2週間以内で対象海域2に到着する船舶、予測日付から2週間経過後3週間以内で対象海域2に到着する船舶を予測する。

図18は、予測船舶データ生成処理(ステップS1706)における予測期間ΔTごとの海域範囲に含まれる船舶を特定する例を示す説明図である。(A)は予測期間ΔT=1週間、(B)は予測期間ΔT=2週間、(C)は予測期間ΔT=3週間の場合の例である。

(A)において、時系列データ1800は、対象海域2内の船舶位置を示し、時系列データ1801は、予測期間ΔT=1週間の海域範囲51(対象海域2は含まない)内の船舶位置を示す。したがって、予測期間ΔT=1週間の場合、時系列データ1800は、生成される予測船舶データには含まれないが、時系列データ1801は、生成される予測船舶データに含まれる。

(B)において、時系列データ1802は、予測期間ΔT=2週間の海域範囲52(対象海域2および海域範囲61は含まない)内の船舶位置を示す。したがって、予測期間ΔT=2週間の場合、時系列データ1800,1801は、生成される予測船舶データには含まれないが、時系列データ1802は、生成される予測船舶データに含まれる。

(C)において、時系列データ1803は、予測期間ΔT=3週間の海域範囲53(対象海域2、海域範囲51、52は含まない)内の船舶位置を示す。したがって、予測期間ΔT=3週間の場合、時系列データ1800,1801,1802は、生成される予測船舶データには含まれないが、時系列データ1803は、生成される予測船舶データに含まれる。

図19は、予測船舶データ生成処理(ステップS1706)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、特定装置100は、図17のステップS1704で取得された時系列データaの経度402および緯度403が、図16のステップS1601で選択された「対象海域」種類の海域データA1の海域範囲605内にあるか否かを判断する(ステップS1900)。

時系列データaの経度402および緯度403が海域データA1の海域範囲605内にある場合(ステップS1900:Yes)、時系列データaは、図18の(A)の時系列データ1800と同じ状態であるため、予測船舶データ生成処理(ステップS1706)を終了する。一方、時系列データaの経度402または緯度403が、海域データA1の海域範囲605外にある場合(ステップS1900:No)、時系列データaの経度402および緯度403が、図17のステップS1702で取得された「航行枠」種類の海域データnewA1の海域範囲605内にあるか否かを判断する(ステップS1901)。

時系列データaの経度402または緯度403が「航行枠」種類の海域データnewA1の海域範囲605外にあった場合(ステップS1901:No)、予測船舶データ生成処理を終了する。たとえば、時系列データaが時系列データ1800であり、海域範囲605が海域範囲51である場合は、時系列データ1800は海域範囲外となる。

一方、時系列データaの経度402および緯度403が「航行枠」種類の海域データnewA1の海域範囲605内にある場合(ステップS1901:Yes)、特定装置100は、データメモリ208から予測期間607が「航行枠」種類の海域データnewA1の予測期間607より短い「航行枠」種類の海域データ220の一覧情報Listを取得する(ステップS1902)。

つぎに、特定装置100は、取得した一覧情報Listから、1件の未取得の「航行枠」種類の海域データnewA2を取得する(ステップS1903)。そして、特定装置100は、時系列データaの経度402および緯度403が海域データnewA2の海域範囲605内にあるか否かを判断する(ステップS1904)。

時系列データaの経度402および緯度403が海域データnewA2の海域範囲605内にある場合(ステップS1904:Yes)、予測船舶データ生成処理(ステップS1706)を終了する。たとえば、海域データnewA1の海域範囲605が海域範囲51、海域データnewA2の海域範囲605が海域範囲52であるとする。時系列データaが時系列データ1802である場合、時系列データ308は海域範囲51外でかつ海域範囲52内であるため、予測船舶データ生成処理(ステップS1706)を終了する。

一方、時系列データaの経度402および緯度403が海域データnewA2の海域範囲605外にある場合(ステップS1904:No)、一覧情報Listに未取得の「航行枠」種類の海域データ220があるか否かを判断する(ステップS1905)。未取得の「航行枠」種類の海域データ220がある場合(ステップS1905:No)、ステップS1903に戻り、特定装置100は、一覧情報Listから未取得の1件の「航行枠」種類の海域データnewA2を取得する(ステップS1903)。

一方、未取得の「航行枠」種類の海域データ220がない場合(ステップ1205:No)、特定装置100は、図17のステップS1703で取得されたAISデータaisと時系列データaとに基づいて、新規予測船舶データshipを生成し(ステップS1906)、予測船舶データ生成処理を終了する。

具体的には、たとえば、特定装置100は、図16のステップS1601で選択された海域データA1の海域番号600を、新規予測船舶データshipの対象海域番号901に設定する。また、特定装置100は、図17のステップS1703で取得されたAISデータaisの船舶番号300を、新規予測船舶データshipの船舶番号902に設定する。

また、特定装置100は、AISデータaisのIMO番号301を、新規予測船舶データshipのIMO番号903に設定する。また、特定装置100は、AISデータaisの船舶名302を、新規予測船舶データshipの船舶名904に設定する。また、特定装置100は、AISデータaisの船種303を、新規予測船舶データshipの船種905に設定する。

また、特定装置100は、AISデータaisの最大積載量305を、新規予測船舶データshipの最大積載量906に設定する。また、特定装置100は、AISデータaisの海運会社306を、新規予測船舶データshipの海運会社907に設定する。また、特定装置100は、時系列データaの受信時刻401を、新規予測船舶データshipの受信時刻908に設定する。

また、特定装置100は、時系列データaの経度402を、新規予測船舶データshipの経度909に設定する。また、特定装置100は、時系列データaの緯度403を、新規予測船舶データshipの緯度910に設定する。また、特定装置100は、時系列データaの速度404を、新規予測船舶データshipの速度911に設定する。

また、特定装置100は、時系列データaの喫水405を、新規予測船舶データshipの喫水912に設定する。また、特定装置100は、一覧情報Listにある予測期間607の最大値から「航行枠」種類の海域データnewA1の予測期間607までの期間を新規予測船舶データshipの必要期間913に設定する。また、特定装置100は、図16のステップS1600で設定された予測日付eDayを、新規予測船舶データshipの予測日付914に設定する。

<航行枠表示処理部216による表示処理例> 予測表示処理(S1014)は、航行枠生成処理(ステップS1007)によって生成された「航行枠」種類の海域データ220を出力する。

図20および図21は、図10の予測表示処理(S1014)における航行枠表示処理部216により表示される表示画面例を示す説明図である。ユーザは、航行枠生成処理部214より生成された「航行枠」種類の海域データ220が航行枠表示処理部216により表示された表示画面2000から、確認または修正することができる。

図20の表示画面2000では、特定装置100は、ユーザ操作により、プルダウンメニューである船種指定メニュー2001から船種、予測期間2002から予測期間、対象海域2003から対象海域を選択する。例えば、それぞれ「VLCC船」と「1週間」と「東南アジア海域」が選択されたとする。そして、特定装置100は、ユーザ操作により、航行枠季節2004の表示季節を指定し、航行枠表示ボタン2005を押下する。

これにより、特定装置100は、海域データDB202から東南アジア海域および東南アジア海域を対象海域とする「航行枠」種類の海域データ220を取得し、航行枠情報2006を表示する。航行枠情報2006には、例えば、対象海域2の海域範囲2007と、最遠位置データ608より拡張した円範囲2008と、航行枠5の海域範囲2009と、例外データとして除外した最遠位置データ2010と、メニューボックス「例外に設定」または「対象に設定」を選択可能なメニュー2011が表示される。

図21の表示画面2000は、図20において、ユーザ操作により、例えば、メニュー2011を用いて、ある最遠位置データ2012について「例外に設定」が選択された場合、特定装置100は、航行枠5の海域範囲を再生成する。これにより、図20の航行枠5の海域範囲2009が航行枠5の海域範囲2100に更新され、例外設定された最遠位置データ2012は、航行枠5の海域範囲2100外となる。

<予測表示処理部210による表示処理例> 図22〜図24は、図10の予測表示処理(S1014)における予測表示処理部210による表示画面例を示す説明図である。ユーザは、到着船舶予測処理部215より予測された予測船舶データ221が到着船舶予測表示処理部217により表示された表示画面2200から、海運会社別に予測された到着船舶の数や最大積載量、喫水および船舶位置などを確認することができる。

図22に示す表示画面2200では、特定装置100は、ユーザ操作により、プルダウンメニューである船種指定メニュー2201より船種、予測日付2202より予測日付、対象海域2203より対象海域を選択する。例えば、それぞれ「VLCC船」と「2014−07−11」と「東南アジア海域」が選択されたとする。そして、特定装置100は、ユーザ操作により、航行枠季節2204の表示季節を指定し、予測ボタン2205を押下する。

これにより、特定装置100は、予測船舶データDBから、「2014—07−11」に予測された東南アジア海域に到着可能なVLCC船を示す予測船舶データ221を取得して、予測船舶結果2206を表示する。予測船舶結果2206には、例えば、東南アジア海域に到着するまでの必要期間2207と、対象海運会社を選択するチェックボックス2208と、海運会社2209と、海運会社別に必要期間2207に東南アジアに到着する合計船舶数2210と、喫水12[m]未満の船舶数2211と、喫水12[m]以上の船舶数2212と、詳細船舶一覧ボタン2213と、位置表示ボタン2214と、が表示される。

特定装置100は、ユーザ操作により、チェックボックス2208の複数の海運会社を選択する。例えば、A社とB社とC社が選択されたとする。特定装置100は、ユーザ操作により、詳細船舶一覧ボタン2213を押下する。これにより、図23に示すように、表示画面2200に、選択された海運会社A〜Cの予測船舶一覧2300が表示される。予測船舶一覧2300には、例えば、東南アジア海域に到着するまでの必要期間2207と、対象船舶を選択するチェックボックス2301と、海運会社2302と、IMO番号2303と、船舶名2304と、最大積載量2305と、喫水2306と、速度2307と、位置表示ボタン2214と、が表示される。

特定装置100は、ユーザ操作により、チェックボックス2301の複数の船舶を選択する。例えば、A社の上位5隻の船舶が選択されたとする。特定装置100は、ユーザ操作により、位置表示ボタン2214を押下する。これにより、図24に示すように、表示画面2200に、選択された船舶の現在位置が地図上にマッピングされた予測船舶位置情報2400が表示される。予測船舶位置情報2400には、例えば、東南アジア海域に到着するまでの必要期間2207と、対象海域2の海域範囲2007と、航行枠5の海域範囲2100と、船舶位置を記す船舶マック2401と、マウスが指定した船舶において船舶情報を表示するボックス2402と、が表示される。

本実施例によれば、対象海域2からの船舶の最遠位置を示す最遠位置データ608を特定することができるため、ユーザ(たとえば、荷主)は、対象海域への到達以前の指定された時刻から一定期間内に対象海域に到着する船舶を予測することができる。したがって、ユーザにとっては、交渉可能な船舶や海運会社といった選択肢が多くなり、用船契約の交渉に役立てることができる。

また、過去の情報を用いることにより、対象海域2までの単純な直線距離ではなく、水陸分布や船舶サイズによって船舶の現在地から対象海域2に行くまでの迂回航路を考慮した航行枠5を生成することができる。すなわち、船舶の中には、対象海域2までの直線距離が短いとしても、実際に航行する距離が長くなる船舶もある。したがって、本実施例によれば、予測期間以内に対象海域2に到着可能な船舶が列挙されるため、対象海域2への到着船舶を高精度に予測することができる。

また、例外除去処理をすることにより、特定の最遠位置データを航行枠5の生成元から除外することができるため、航行枠5の生成の自由度の向上を図ることができる。

なお、上述した実施例は、図20〜図24に示したように、予測表示処理部210によって表示画面2000、2200を表示する例について説明したが、本実施例の特定装置100が、表示画面2000、2200を表示させるための情報を外部装置に送信し、外部装置が、表示画面2000、2200を表示することとしてもよい。

なお、本実施例では、AISデータ218と港到着履歴データ219とを基づいて作成された航行枠5、および、航行枠5を基に予測された到着船舶の特徴についての予測結果を確認する図面例を示した。この他にも、特定装置100は、船舶の航行目的地と組み合わせて表示してもよい。また、特定装置100は、前日(または一定期間だけ前の)からの船舶の位置変化および位置変化を基に対象海域に向かっているかどうかを判別した結果と組み合わせて表示してもよい。また、特定装置100は、用船仲介者が提供する成約情報や予定到着船舶情報や需要情報などと組み合わせて表示したり、静的データや動的データなどと組み合わせて表示してもよい。例えば、将来の1週間に対象海域2に到着するフリー船を確認するため、まず1週間後に到着する船舶を予測し、予測された船舶は用船仲介者が提供する成約情報と照合することで、予測された到着船舶中の成約済船およびフリー船を判別することができる。

以上説明したように、本実施例によれば、特定装置100は、AISデータ218と港到着履歴データ219を基づいて、予測期間ΔT以内に対象海域2へ到着する航行枠5を作成し、航行枠5および予測時点の船舶位置における関係を確認し、一定期間以内に対象海域に到着する船舶を予測し、算出された航行枠および予測された到着船舶を可視化する。したがって、用船契約の効率化を図ることができる。

なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。

また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。

各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。

また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。

100 特定装置 209 予測処理部 210 予測表示処理部 211 航海データ取得処理部 212 最遠位置特定処理部 213 例外除去処理部 214 航行枠生成処理部 215 到着船舶予測処理部 216 航行枠表示処理部 217 到着船舶予測表示処理部

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